JP2015152325A - 超音波流速計測方法および超音波流速計測装置 - Google Patents

超音波流速計測方法および超音波流速計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】流路断面の広い範囲で流速の分布を正確に計測することができる超音波流速計測方法を提供する。【解決手段】この超音波流速計測方法は、流路を流れる流体のうちの、測定線に沿って配列される複数の領域のそれぞれに対して超音波パルスを繰り返し送信し、複数の領域のそれぞれから反射される各超音波パルスを受信する送受信ステップS101と、受信される各超音波パルスに基づいて、超音波パルスドップラ法を用いて、複数の領域のそれぞれにおける流速を計測する計測ステップS102とを含み、送受信ステップS101では、複数の領域のうちの、流路の中央側にある第1の領域の測定体積が、流路を形成する壁側にある第2の領域の測定体積よりも大きくなるように、超音波パルスを繰り返し送信する。【選択図】図8A

Description

本発明は、超音波パルスドップラ法を用いて流速を計測する方法等に関する。
超音波パルスドップラ法(UDM:Ultrasonic Doppler Method)は、複数回の超音波パルスの送受信によって、流体の流速および流速分布を計測する手法である。UDMでは、計測対象である流体に対してトランスデューサ(センサ)から超音波パルスが入射される。この超音波パルスは、測定線上にある流体内の微粒子である反射体に反射され、上述のトランスデューサで受信される。このとき、反射体の位置に関する情報は遅延時間から求めることができ、反射体またはその周辺の流体の速度に関する情報は、ドップラ偏移周波数から求めることができる。一般的な超音波パルスドップラ法では、一定の超音波繰り返し周波数(fprf)で超音波パルスの送受信が行われるため、ナイキストのサンプリング定理に基づく測定限界がある。つまり、測定領域が広くなるほど計測可能な最大流速が低くなる。その結果、流体が大口径配管などを乱流の状態で流れるような場合には、流路断面の中央部分の流速は、その計測可能な最大流速よりも速くなることがあるため、その流体の流速を正しく計測することが困難である。
そこで、このような計測可能な最大流速を増加させる方法として、互いに異なる2つの超音波繰り返し周波数を用いる方法が提案されている。この方法は、二周期法、スタガトリガ法、スタガPRF(pulse repetition frequency)、Staggered trigger method、またはdual PRFと称される。つまり、二周期法は、超音波パルスを不等間隔で送波することにより位相差の差を演算する方法である。なお、二周期法を用いない従来の一般的な超音波パルスドップラ法を、以下、一周期法という。
しかし、二周期法では一周期法と比べて計測精度が低下するという問題がある。そこで、この二周期法を利用しながらこの計測精度の低下を抑制する法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の超音波流速計測方法では、二周期法によって流速の指標を求め、計測におけるエイリアシングを除去するための折り返し数nを算出する。そして、上述の2つの超音波繰り返し周波数(超音波繰り返し周期)のそれぞれに対応する位相差の平均値である平均位相差に、n×2πを加算することによって得られる位相差から、流速を算出する。なお、折り返し数nとは、エイリアシングの程度を示す整数である。
特開平4−189348号公報
しかしながら、上記特許文献1の超音波流速計測方法であっても、流路断面の広い範囲で流速の分布を正確に計測することができないという問題がある。
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、流路断面の広い範囲で流速の分布を正確に計測することができる超音波流速計測方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波流速計測方法は、超音波パルスドップラ法を用いた超音波流速計測方法であって、流路を流れる流体のうちの、前記流路を横切る測定線に沿って配列される複数の領域のそれぞれに対して、前記測定線に沿って超音波パルスを繰り返し送信し、前記複数の領域のそれぞれから反射される各超音波パルスを受信する送受信ステップと、前記送受信ステップにおいて受信される各超音波パルスに基づいて、前記超音波パルスドップラ法を用いて、前記複数の領域のそれぞれにおける流速を計測する計測ステップとを含み、前記送受信ステップでは、前記複数の領域のうちの、前記流路の中央側にある第1の領域の測定体積が、前記複数の領域のうちの、前記流路を形成する壁側にある第2の領域の測定体積よりも大きくなるように、超音波パルスを繰り返し送信する。
これにより、第2の領域のような流速の勾配が大きい領域の測定体積が小さくされるため、その領域内における流速の範囲を制限することができる。その結果、流路の壁側にある領域における流速を正確に計測することができる。さらに、第1の領域のような流速が速い領域の測定体積が大きくされるため、その領域内において超音波パルスを同一の流体(反射体)に対して繰り返し送信することができる。その結果、流路の中央側にある領域における流速を正確に計測することができる。したがって、流路断面の広い範囲で流速の分布を正確に計測することができる。
また、前記送受信ステップでは、1つの超音波パルスに含まれる周期的な波の数であるサイクル数が第1の超音波パルスよりも少ない第2の超音波パルスを送信して、反射された前記第2の超音波パルスを受信する第1の送受信処理と、前記第1の超音波パルスを送信して、反射された前記第1の超音波パルスを受信する第2の送受信処理とを、切り替えて繰り返すことによって、前記第1の領域の測定体積を前記第2の領域の測定体積よりも大きくし、前記計測ステップでは、繰り返された前記第1の送受信処理によって受信された前記第2の超音波パルスのそれぞれに基づいて、前記第2の領域の流速を計測し、繰り返された前記第2の送受信処理によって受信された前記第1の超音波パルスのそれぞれに基づいて、前記第1の領域の流速を計測してもよい。
これにより、流路の壁側にある第2の領域では、流速の計測に用いられる超音波パルスのサイクル数が少ないため、その第2の領域の測定体積を適切に小さくすることができ、かつ、流路の中央側にある第1の領域では、流速の計測に用いられる超音波パルスのサイクル数が多いため、その第1の領域の測定体積を適切に大きくすることができる。その結果、流路断面の広い範囲での正確な流速の分布を適切に計測することができる。
また、前記送受信ステップでは、第1の超音波素子よりも小さい面積の第2の超音波素子から超音波パルスを送信させ、反射された前記超音波パルスを受信する第3の送受信処理と、前記第1の超音波素子から超音波パルスを送信させ、反射された前記超音波パルスを受信する第4の送受信処理とをそれぞれ繰り返すことにより、前記第1の領域の測定体積を前記第2の領域の測定体積よりも大きくし、前記計測ステップでは、繰り返された前記第3の送受信処理によって受信された前記超音波パルスのそれぞれに基づいて、前記第2の領域の流速を計測し、繰り返された前記第4の送受信処理によって受信された前記超音波パルスのそれぞれに基づいて、前記第1の領域の流速を計測してもよい。
これにより、流路の壁側にある第2の領域では、流速の計測に用いられる超音波パルスの径(超音波ビーム径)が小さいため、その第2の領域の測定体積を適切に小さくすることができ、かつ、流路の中央側にある第1の領域では、流速の計測に用いられる超音波パルスの径が大きいため、その第1の領域の測定体積を適切に大きくすることができる。その結果、流路断面の広い範囲での正確な流速の分布を適切に計測することができる。
また、前記送受信ステップでは、互いに異なる2つの周期で前記超音波パルスを繰り返し送信し、前記計測ステップでは、さらに、前記2つの周期のうちの一方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差と、他方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差との差に基づいて、前記測定線上の位置における流速の指標E0を求め、計測される流速のエイリアシングにおける折り返し数n(nは整数)と制限値α(α>1)とを用いて示される条件式である(2n−1)π/α<E0≦(2n+1)π/αを、前記流速の指標E0が満たすか否かを判定し、前記流速の指標E0が前記条件式を満たさないと判定された場合には、前記流速の指標E0に対応する計測された流速を無効とし、前記流速の指標E0が前記条件式を満たすと判定された場合には、前記エイリアシングを除去するために、前記流速の指標E0に対応する計測された流速に対して、前記折り返し数nに応じた補正を行ってもよい。例えば、前記計測ステップでは、前記差をΔΔθとし、前記2つの周期のうちの一方の周期をTとし、他方の周期を(T+Ts)とする場合、E0=ΔΔθ(T/Ts+1/2)によって、前記流速の指標E0を求める。
ここで、流速の指標E0が(2n−1)πまたは(2n+1)πに近い場合にも、折り返し数nに応じた補正を、計測された流速に対して行えば、その指標E0の少しの誤差によって、大きく誤った折り返し数nに応じた補正を、計測された流速に対して行ってしまうことになる。そこで、上述のように、1よりも大きい制限値αを用いた条件式である(2n−1)π/α<E0≦(2n+1)π/αを、流速の指標E0が満たさない場合には、その流速の指標E0に対応する計測された流速は無効とされるため、大きな誤差を含む可能性の高い流速を排除することができ、流路断面の広い範囲で流速の分布をより正確に計測することができる。
また、前記送受信ステップでは、互いに異なる2つの周期で前記超音波パルスを繰り返し送信し、前記計測ステップでは、さらに、前記2つの周期のうちの一方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差と、他方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差との差に基づいて、前記流体中の前記測定線上の各位置における流速の指標を求め、前記各位置における流速の指標に対して空間的な移動平均を行うことによって、前記各位置における平均値を算出し、算出された前記各位置における平均値から、エイリアシングを除去するための、前記各位置における折り返し数を特定し、前記各位置において計測された流速に対して、前記各位置における前記折り返し数に応じた補正を行ってもよい。
これにより、各位置における流速の指標に対して空間的な移動平均が行われるため、誤差の少ない適切な流速の指標を算出することができる。その結果、計測された流速のエイリアシングを補正によって適切に除去することができ、流路断面の広い範囲で流速の分布をより正確に計測することができる。
なお、本発明は、このような超音波流速計測方法として実現することができるだけでなく、その超音波流速計測方法にしたがって流速を計測する超音波流速計測装置、その超音波流速計測方法にしたがってコンピュータに流速を計測させるためのプログラム、そのプログラムを格納する記録媒体としても実現することができる。
本発明の超音波流速計測方法は、流路断面の広い範囲で流速の分布を正確に計測することができる。
図1は、実施の形態1における超音波流速計測装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1における超音波流速計測装置による計測の状態を示す図である。 図3は、帰還速度拡張法によって計測される流体の時間平均速度分布を示す図である。 図4は、帰還速度拡張法によって計測される流量と秤量流量計測によって得られる流量との関係を示す図である。 図5は、実施の形態1における超音波流速計測装置の計測に用いられる超音波パルスの一例を示す図である。 図6は、実施の形態1における超音波流速計測装置の計測に用いられる超音波パルスの他の例を示す図である。 図7は、実施の形態1における超音波流速計測装置の計測に用いられる測定体積を示す図である。 図8Aは、実施の形態1における超音波流速計測方法を示すフローチャートである。 図8Bは、実施の形態1における超音波流速計測方法を実現する超音波流速計測装置の構成を機能的に示すブロック図である。 図9は、実施の形態2に係るトランスデューサの概略構成を示す図である。 図10は、実施の形態2に係る2つの超音波素子の音圧分布を示す図である。 図11は、実施の形態2に係る超音波流速計測方法の計測に用いられる測定体積を示す図である。 図12は、実施の形態2に係るトランスデューサの他の例を示す図である。 図13は、実施の形態3における超音波流速計測方法による流速の計測結果を、他の方法による流速の計測結果と比較して示す図である。 図14Aは、実施の形態3における超音波流速計測方法を示すフローチャートである。 図14Bは、実施の形態3における超音波流速計測方法を実現する超音波流速計測装置の構成を機能的に示すブロック図である。 図15は、二周期法によって計測された流速と、その流速に対して空間的な移動平均が行われた結果とを示す図である。 図16は、実施の形態4における超音波流速計測方法(空間平均利用数=3)を用いて計測される流速を示す図である。 図17は、実施の形態4における超音波流速計測方法(空間平均利用数=5)を用いて計測される流速を示す図である。 図18は、実施の形態4における超音波流速計測方法(空間平均利用数=7)を用いて計測される流速を示す図である。 図19は、実施の形態4における超音波流速計測方法の空間平均利用数に応じて計測される流量の精度を示す図である。 図20Aは、実施の形態4における超音波流速計測方法を示すフローチャートである。 図20Bは、実施の形態4における超音波流速計測方法を実現する超音波流速計測装置の構成を機能的に示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における超音波流速計測装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
本実施の形態における超音波流速計測装置100は、ファンクションジェネレータ110と、パルサレシーバ120と、トランスデューサ130と、A/D変換器140と、計測器150とを備える。
トランスデューサ130は、超音波素子(超音波振動子)を備え、入力された電気信号を超音波パルスに変換して流体に送信する。また、トランスデューサ130は、流体に送信されて反射された超音波パルスを受信し、その超音波パルスをアナログの電気信号に変換してパルサレシーバ120に出力する。
ファンクションジェネレータ110は、ユーザによる設定に基づいて任意の周波数と波形を持った交流電圧信号を生成する。
パルサレシーバ120は、ファンクションジェネレータ110によって生成された交流電圧信号に基づいて、トランスデューサ130から超音波パルスを送信させるための電気信号である超音波パルス信号を生成してトランスデューサ130に出力する。さらに、パルサレシーバ120は、トランスデューサ130から出力されたアナログの電気信号を受信し、その電気信号をA/D変換器140に出力する。
A/D変換器140は、パルサレシーバ120から出力されたアナログの電気信号をデジタルの電気信号に変換して計測器150に出力する。
計測器150は、例えばパーソナルコンピュータによって構成され、A/D変換器140から出力されたデジタルの電気信号を受信し、その電気信号に基づいて、超音波パルスを反射した流体(流体中の反射体)の速度である流速を計測する。
図2は、超音波流速計測装置100による計測の状態を示す図である。
トランスデューサ130は、例えば、測定対象となる流体が流れる管800の外側に固定して配置される。ここで、トランスデューサ130は、その流体の流路を斜めに横切る測定線に沿って超音波パルスが送信されるように配置される。また、トランスデューサ130は、流体に含まれる反射体によって反射される超音波パルスを受信する。つまり、トランスデューサ130は、流路を流れる流体のうちの、その流路を横切る測定線に沿って配列される複数の領域のそれぞれに対して、その測定線に沿って超音波パルスを繰り返し送信し、複数の領域のそれぞれから反射される各超音波パルスを受信する。そして、計測器150は、トランスデューサ130によって受信される各超音波パルスに基づいて、超音波パルスドップラ法を用いて、複数の領域のそれぞれにおける流速を計測する。
一周期法では、トランスデューサ130は、超音波繰り返し周期T(1/fprf)で繰り返し超音波パルスを送信し、反射された各超音波パルスを受信する。計測器150は、反射された各超音波パルスの位相差Δθ1を特定し、Δθ1=2π×fd×Tと、V=c×fd/(2×f0)とに基づいて、流速Vを計測する。なお、fdはドップラ周波数であり、cは音速であり、f0はトランスデューサ130から送信される超音波パルスの基本周波数である。
二周期法では、トランスデューサ130は、さらに、超音波繰り返し周期(T+Ts)で繰り返し超音波パルスを送信し、反射された各超音波パルスを受信する。計測器150は、反射された各超音波パルスの位相差Δθ2を特定し、位相差Δθ2と位相差Δθ1との差ΔΔθと、ΔΔθ=2π×fd×Tsとに基づいて、流速Vを計測する。
特許文献1の超音波流速計測方法では、計測器150は、位相差の差ΔΔθに基づいて流速の指標を求め、エイリアシングを除去するための折り返し数nを算出する。そして、平均位相差ΔθG=(Δθ1+Δθ2)/2にn×2πを加算することによって得られる位相差から、流速Vを算出する。このような方法を、以下、帰還速度拡張法という。
このように、本実施の形態における超音波流速計測装置100は、一周期法、二周期法および帰還速度拡張法のうちの何れの方法でも流速を計測することができる。
ここで、従来の超音波パルスドップラ法による流速計測方法の問題点について、図3および図4を用いて説明する。
図3は、帰還速度拡張法によって計測される流体の時間平均速度分布を示す図である。
図3の横軸は、測定線と、流路を形成する管の内壁面とが交わる2つの部分のうち、トランスデューサ側の部分(センサ側壁面)からの距離を示す。つまり、この距離は、測定線上の位置を示す。図3の縦軸は、帰還速度拡張法によって計測される流体の時間平均速度(時間平均流速)を示す。図3中の白丸は、所定条件における超音波パルスのビーム方向(送信方向)の空間分解能(1つの超音波パルスの幅)が0.74mm、つまり超音波パルスのサイクル数kが2である場合の時間平均速度を示す。図3中の三角形は、上記所定条件における超音波パルスのビーム方向の空間分解能が1.48mm、つまり超音波パルスのサイクル数kが4である場合の時間平均速度を示す。図3中の四角形は、上記所定条件における超音波パルスのビーム方向の空間分解能が2.96mm、つまり超音波パルスのサイクル数kが8である場合の時間平均速度を示す。なお、サイクル数とは、1つの超音波パルスに含まれる周期的な波の数である。また、計測に用いられるこれらの超音波パルスのビーム径(トランスデューサの超音波素子の直径)は10mmである。また、この計測が行われる際の流量は320m/hである。さらに、上記所定条件は、流体の温度が約20℃のときの音速が1480m/sであって、トランスデューサの超音波パルスの基本周波数が2MHzであるという条件である。なお、図3中の実線は、指数法則によって導出される速度分布を示す。
この図3によって示されるように、センサ側壁面近傍では、空間分解能に応じて計測される流速にばらつきが生じる。つまり、センサ側壁面近傍では、空間分解能が大きいほど(サイクル数が多いほど)、計測される流速の誤差が大きい。これは、センサ側壁面近傍では、速度勾配が急激であるため、空間分解能によって決定される測定体積の領域を通過する反射体の速度にはばらつきが大きく、計測される流速は、それらのばらつきが大きい速度の平均値であるためである。
ここで、測定体積は、超音波パルスのビーム径とビーム方向の空間分解能とによって決定される。つまり、超音波流速計測装置が、管内の流路を流れる流体のうち、測定線に沿って配列される複数の領域のそれぞれにおける流速を計測する際には、それらの領域は、超音波パルスのビーム径とビーム方向の空間分解能とによって決定される測定体積を有する。なお、空間分解能が大きいほど、1つの超音波パルスに含まれる波の数であるサイクル数kは多い。例えば、空間分解能を1つの超音波パルスの幅として扱う場合、測定体積は、「ビーム断面積」×「超音波パルスの幅」/2によって示される。
図4は、帰還速度拡張法によって計測される流量と秤量流量計測によって得られる流量との関係を示す図である。
図4の横軸は、秤量流量計測によって得られる流量を示す。この秤量流量計測は、管800内を流れる流体をタンクで受けることによって流量を計測することであって、その流量の計測誤差は非常に小さい。図4の縦軸は、帰還速度拡張法によって計測される流速を積分することによって得られる流量を示す。図4中の黒丸は、超音波パルスのサイクル数k=2の場合に計測される流量(縦軸)を示し、図4中の白逆三角形は、超音波パルスのサイクル数k=4の場合に計測される流量(縦軸)を示し、図4中の黒三角形は、超音波パルスのサイクル数k=6の場合に計測される流量(縦軸)を示し、図4中の白丸は、超音波パルスのサイクル数k=8の場合に計測される流量(縦軸)を示す。
なお、サイクル数kと空間分解能との関係は上述と同様である。また、図4において、帰還速度拡張法によって行われる全ての計測では、ビーム径は同一であり、トランスデューサ130から送信される超音波パルスの基本周波数f0は2MHzであり、繰り返し送信される超音波パルスの数(Npulse)は512である。
この図4によって示されるように、流量が多い範囲では、測定体積が小さいほど(サイクル数が少ないほど)、帰還速度拡張法によって計測される流量の誤差が大きくなる。また、流量が多いほど、小さい測定体積において計測される流量の誤差が大きくなる。
つまり、図3および図4によって示されるように、センサ側壁面近傍では、測定体積が大きいほど計測精度が低下し、流路の中央部分の流速が速い領域では、測定体積が小さいほど計測精度が低下してしまう。
そこで、本実施の形態における超音波流速計測装置100は、単純に帰還速度拡張法などの各方法を用いるだけでなく、センサ側壁面に近い領域では、小さい測定体積での計測を行い、それ以外の領域(流路の中央部分の領域)では、大きい測定体積での計測を行う。これにより、センサ側壁面近傍の計測精度を低下させることなく、流路の中央側では、図4に示すように、サイクル数k=8によって決定される大きい測定体積を用いることによって、流量500m/hにおける計測誤差を1%以内に抑えることができる。
図5は、超音波流速計測装置100の計測に用いられる超音波パルスの一例を示す図である。
超音波流速計測装置100のトランスデューサ130は、サイクル数kが少ない超音波パルス(例えばk=2)を繰り返し送信し、反射されたそれらの超音波パルスを受信する。計測器150は、トランスデューサ130によって受信されたそれらのサイクル数kが少ない超音波パルスに基づいて、センサ側壁面に近い領域の流速を計測する。
図6は、超音波流速計測装置100の計測に用いられる超音波パルスの他の例を示す図である。
超音波流速計測装置100のトランスデューサ130は、サイクル数kが多い超音波パルス(例えばk=8)を繰り返し送信し、反射されたそれらの超音波パルスを受信する。計測器150は、トランスデューサ130によって受信されたそれらのサイクル数kが多い超音波パルスに基づいて、センサ側壁面から離れた領域、つまり流路の中央側の領域の流速を計測する。
つまり、本実施の形態における超音波流速計測装置100は、サイクル数kが少ない超音波パルスと、サイクル数kが多い超音波パルスとを切り替えて送信することによって、流路内の広い範囲で流速分布を正確に計測することができる。
図7は、超音波流速計測装置100の計測に用いられる測定体積を示す図である。
この図7に示すように、超音波流速計測装置100は、センサ側壁面に近い領域では小さい測定体積での流速の計測を行い、それ以外の領域では大きい測定体積での流速の計測を行う。
図8Aは、本実施の形態における超音波流速計測方法を示すフローチャートである。
まず、トランスデューサ130は、流路の中央側の領域(流路中央側領域)の測定体積が、センサ側壁面に近い領域(センサ壁面側領域)の測定体積よりも大きくなるように、超音波パルスを繰り返し送信し、反射された各超音波パルスを受信する(ステップS101)。つまり、トランスデューサ130は、第1の超音波パルスよりも少ないサイクル数の第2の超音波パルスを送信して、反射された第2の超音波パルスを受信する第1の送受信処理と、その第1の超音波パルスを送信して、反射された第1の超音波パルスを受信する第2の送受信処理とを、切り替えて繰り返す。
なお、トランスデューサ130は、第1の送受信処理と第2の送受信処理とを交互に行ってもよく、第1および第2の送受信処理のうちの一方の処理を複数回連続して行い、その後、他方の処理を複数回連続して行ってもよい。また、このようなトランスデューサ130による処理は、ファンクションジェネレータ110およびパルサレシーバ120による設定によって実行される。
次に、計測器150は、トランスデューサ130によって受信される各超音波パルスに基づいて、超音波パルスドップラ法を用いて、センサ壁面側領域における流速と、流路中央側領域における流速とを計測する(ステップS102)。つまり、計測器150は、繰り返された上述の第1の送受信処理によって受信された第2の超音波パルスのそれぞれに基づいて、センサ壁面側領域における流速を計測し、繰り返された上述の第2の送受信処理によって受信された第1の超音波パルスのそれぞれに基づいて、流路中央側領域における流速を計測する。
図8Bは、図8Aに示す超音波流速計測方法を実現する超音波流速計測装置100の構成を機能的に示すブロック図である。
本実施の形態における超音波流速計測装置100は、測定体積調整部101と、超音波パルス信号生成部102と、超音波送受信部103と、計測部105とを備える。
測定体積調整部101は、ファンクションジェネレータ110およびパルサレシーバ120のうちの少なくとも一方の機能を利用するものであって、上述の超音波パルスのサイクル数、すなわち測定体積を調整するための処理を行う。つまり、測定体積調整部101は、送信される超音波パルスのサイクル数が切り替えられるように、現在送信されている超音波パルスのサイクル数と異なるサイクル数を超音波パルス信号生成部102に対して指示する。
超音波パルス信号生成部102は、ファンクションジェネレータ110およびパルサレシーバ120のうちの少なくとも一方の機能を利用するものであって、測定体積調整部101から指示されるサイクル数を有する超音波パルスを示す超音波パルス信号を生成して超音波送受信部103に出力する。
超音波送受信部103は、トランスデューサ130の機能を利用するものであって、超音波パルス信号生成部102によって生成された超音波パルス信号を取得し、その超音波パルス信号に応じた超音波パルスを送信する。さらに、超音波送受信部103は、送信されて反射された超音波パルスを受信し、その受信された超音波パルスを示す電気信号である計測信号を計測部105に出力する。これらの測定体積調整部101、超音波パルス信号生成部102および超音波送受信部103は、図8Aに示すステップS101の処理を実行する。
計測部105は、計測器150の機能を利用するものであって、超音波送受信部103から計測信号を取得すると、その計測信号と超音波パルスドップラ法とを用いて流速を計測する。具体的には、計測部105は、図8Aに示すステップS102の処理を実行する。
このように本実施の形態では、流路の壁側にある領域では、流速の計測に用いられる超音波パルスのサイクル数が少ないため、その領域の測定体積を適切に小さくすることができ、かつ、流路の中央側にある領域では、流速の計測に用いられる超音波パルスのサイクル数が多いため、その領域の測定体積を適切に大きくすることができる。
さらに、本実施の形態では、流路の壁側にある領域のような流速の勾配が大きい領域の測定体積が小さくされるため、その領域内における流速の範囲を制限することができる。その結果、流路の壁側にある領域における流速を正確に計測することができる。さらに、流路の中央側にある領域のような流速が速い領域の測定体積が大きくされるため、その領域内において超音波パルスを同一の流体(反射体)に対して繰り返し送信することができる。その結果、流路の中央側にある領域における流速を正確に計測することができる。したがって、流路断面の広い範囲で流速の分布を正確に計測することができる。
また、本実施の形態では、流路断面の流速分布を正確に計測することができるため、その流速分布を用いることによって、流路に流れる流体の流量も正確に計測することができる。
なお、本実施の形態では、一周期法、二周期法および帰還速度拡張法のうちの何れの方法を用いても流速を計測することができる。また、本実施の形態では、流路の壁側にある領域の測定範囲が狭いため、その領域において、超音波繰り返し周波数fprfを高く設定することができ、その結果、一周期法における計測可能な最大流速を速くすることができる(後述の(式10)参照)。
(実施の形態2)
実施の形態1では、各領域の測定体積を異ならせるために、超音波パルスの空間分解能、つまり1つの超音波パルスに含まれるサイクル数kを異ならせたが、超音波パルスを送信する超音波素子の面積を異ならせてもよい。
つまり、本実施の形態に係る超音波流速計測装置100のトランスデューサは、互いに面積の異なる超音波素子(超音波振動子)を備えている。
図9は、本実施の形態におけるトランスデューサの概略構成を示す図である。
本実施の形態におけるトランスデューサ130aは、いわゆるマルチウェイブ超音波センサであって、超音波素子131および超音波素子132を備えている。超音波素子131は、例えば直径3mmの円形であって、基本周波数8MHzの超音波パルスを送信する。超音波素子132は、例えば直径10mmの円形であって、基本周波数2MHzの超音波を送信する。これらの超音波素子131,132は同心円状に配置されている。なお、超音波素子の基本周波数は、その超音波素子の面積が大きければ低く、逆に、その超音波素子の面積が小さければ高くなるように、その超音波素子の面積によって一義的に定まる。パルサレシーバ120は、トランスデューサ130aのこれらの超音波素子131,132をそれぞれ独立して駆動させることができる。
図10は、超音波素子131および超音波素子132の音圧分布を示す図である。
図10の(a)に示すように、超音波素子132によって送信される2MHzの超音波の音圧は、深さ約20mm以降の範囲で強く均一である。また、図10の(b)に示すように、超音波素子131によって送信される8MHzの超音波の音圧は、深さ約20mm以下の範囲で強く均一である。
つまり、超音波素子131は、センサ側壁面に近い領域の流速分布を測定することができ、超音波素子132は、それ以外の領域の流速分布を測定することができる。また、図10の(b)に示すように、8MHzの超音波の音圧の強度は、遠方(深い位置)では急激に低下するため、8MHzの超音波パルスを用いる場合には、遠方から反射された超音波パルスが次に送信された超音波パルスに重畳することによって生じる時間エイリアシングを低減することができる。
このようなトランスデューサ130aを用いた超音波流速測定方法において、図8Aに示すステップS101では、流路中央側領域の測定体積が、センサ壁面側領域の測定体積よりも大きくなるように、トランスデューサ130aは、超音波素子131から超音波パルスを送信させ、反射された超音波パルスを受信する第3の送受信処理と、超音波素子132から超音波パルスを送信させ、反射された超音波パルスを受信する第4の送受信処理とをそれぞれ繰り返す。なお、第3の送受信処理と第4の送受信処理とは、交互に行われてもよいし、同時に行われてもよい。
また、図8Aに示すステップS102では、計測器150は、繰り返された上述の第3の送受信処理によって受信された超音波パルスのそれぞれに基づいて、センサ壁面側領域における流速を計測し、繰り返された上述の第4の送受信処理によって受信された超音波パルスのそれぞれに基づいて、流路中央側領域における流速を計測する。
ここで、本実施の形態におけるトランスデューサ130aは、上記実施の形態1のトランスデューサ130と同様に、サイクル数kが互いに異なる超音波パルスを送信してもよい。つまり、本実施の形態では、空間分解能とビーム径とを各領域で異ならせることによって、それらの領域の測定体積を異ならせてもよい。
図11は、本実施の形態における超音波流速計測方法の計測に用いられる測定体積を示す図である。
この図11に示すように、空間分解能とビーム径とを各領域で異ならせることによって、流路の壁側にある領域の測定体積をさらに小さくすることができ、その結果、その領域における流速をさらに正確に計測することができる。
なお、一周期法において、超音波繰り返し周波数fprfが同じ条件であれば、8MHzの超音波パルスによって計測可能な最大流速は、2MHzの超音波パルスによって計測可能な最大流速の1/4である(後述の(式10)参照)。しかし、8MHzの超音波パルスは、センサ側壁面に近い測定範囲の狭い領域に対して用いられるため、8MHzの超音波パルスに対しては、高い超音波繰り返し周波数fprfを設定することができる。その結果、センサ側壁面に近い領域でも計測可能な最大流速を速くすることができ、その領域に対しては二周期法だけでなく一周期法も用いることができる。
図12は、本実施の形態におけるトランスデューサの他の例を示す図である。
本実施の形態におけるトランスデューサに備えられる2つの超音波素子は、同心円状に配置された円形の素子でなくてもよい。例えば、図12に示すように、本実施の形態におけるトランスデューサ130bは、例えば隣り合うように配置された矩形の超音波素子133,134を備えていてもよい。ここで、超音波素子133の面積は、超音波素子134の面積よりも大きいため、流路の壁側と中央側とで測定体積を適切に異ならせることができる。
このように本実施の形態では、流路の壁側にある領域では、流速の計測に用いられる超音波パルスの径(超音波ビーム径)が小さいため、その領域の測定体積を適切に小さくすることができ、かつ、流路の中央側にある領域では、流速の計測に用いられる超音波パルスの径が大きいため、その領域の測定体積を適切に大きくすることができる。その結果、本実施の形態においても、流路断面の広い範囲での正確な流速の分布を適切に計測することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1および2における超音波流速計測方法では、流路内における各領域の測定体積を異ならせることによって、流路断面の広い範囲で流速分布を正確に計測することができるが、本実施の形態では、大きい誤差を有する可能性のある計測結果を排除することによって、流速を正確に計測することに特徴がある。
まず、上述の二周期法と帰還速度拡張法(特許文献1の超音波流速計測方法)について詳細に説明する。
二周期法では、上述のように周期Tおよび周期(T+Ts)で超音波パルスの送受信が繰り返し行われる。これらの周期は超音波繰り返し周期と称される。周期Tで繰り返し受信された超音波パルスに基づいて位相差Δθ1が導出され、周期(T+Ts)で繰り返し受信された超音波パルスに基づいて位相差Δθ2が導出される。
これらの位相差の差ΔΔθと以下の(式1)に基づいて、ドップラ周波数fdが導出される。
さらに、そのドップラ周波数fdを以下の(式2)に代入することによって、流速Vが算出される。なお、(式2)においてcは音速を示し、f0はトランスデューサから送信される超音波パルスの基本周波数である。
二周期法の問題点は、S/Nが低下するため、一周期法と比べて計測精度が低下する点である。そこで、帰還速度拡張法では、以下の(式3)のように、位相差の差ΔΔθから流速の指標E0を求める。
そして、帰還速度拡張法では、この流速の指標E0から流速の範囲を推定する。つまり、以下の(式4)を満たす折り返し数n(整数)を特定する。
さらに、帰還速度拡張法では、以下の(式5)に示すように、平均位相差ΔθG=(Δθ1+Δθ2)/2に対して、n×2πを加算することにより、その平均位相差ΔθGを補正する。
この補正された平均位相差ΔθG’を用いて、以下の(式6)と上記(式2)とによって流速Vを算出する。
ここで、この帰還速度拡張法によって計測される流速Vであっても、大きな誤差が含まれる可能性がある。
つまり、(式3)によって求められた指標E0が、(式4)に示す範囲における(2n±1)πの近傍の値である場合には、ΔθGとΔΔθのそれぞれの誤差は大きい。すなわち、僅かな誤差によって、ΔθGに誤って±2πを余分に加算してしまうことがある。
そこで、本実施の形態における超音波流速計測方法では、nを特定するための上述の(式4)の範囲を制限することに特徴がある。例えば、以下の(式7)を満たす折り返し数nを特定する。なお、以下の(式7)において、αは1よりも大きい値であり、例えばα=2である。
つまり、α=2であって、指標E0が以下の(式8)または(式9)によって示される範囲にある場合には、その指標E0に対応して得られる流速Vは信頼度が低いと見なし、その流速Vを無効とする。
言い換えれば、(式7)によって示される範囲にある指標E0に対応する流速Vのみを算出(計測)する。しがって、大きな誤差を含む可能性の高い流速を排除することができ、流路断面の広い範囲で流速の分布をより正確に計測することができる。
図13は、本実施の形態における超音波流速計測方法による流速の計測結果を、他の方法による流速の計測結果と比較して示す図である。
図13の(a)は、二周期法による流速の計測結果を示し、図13の(b)は、帰還速度拡張法による流速の計測結果を示し、図13の(c)は、上記(式7)を用いた場合の本実施の形態による流速の計測結果を示す。なお、これらの計測結果を得るための条件および測定対象は同一である。また、(a)〜(c)に示すグラフの横軸はセンサ側壁面からの距離(位置)を示し、縦軸は速度(流速)を示す。
図13の(a)に示すように、二周期法によって計測される各位置の流速にはばらつきがあり、大きな誤差が含まれている。また、図13の(b)に示すように、帰還速度拡張法によって計測される各位置の流速にはばらつきは少ないが、数箇所の位置における流速に大きな誤差が含まれている。これは、(2n+1)πまたは(2n−1)πの近傍にある指標E0の誤差によって、上記(式5)において、平均位相差ΔθGに誤って±2πが余分に加算されてしまったためである。つまり、その大きな誤差を含む流速は、真の流速に対して±2×Vmaxだけ異なる。なお、Vmaxは、以下の(式10)に示すとおりである。なお、(式10)に示すVmaxの数値は、管800の内径が200mmであり、音速cが1480m/sであり、トランスデューサ130から送信される超音波パルスの基本周波数f0が2MHzであり、トランスデューサ130と管800との間の角度が20度であり、超音波繰り返し周波数fprfが3.4kHz以下の場合における数値である。
図13の(c)に示すように、本実施の形態では、上述のような大きな誤差を含む流速が排除されている。したがって、本実施の形態では、流速を正確に計測することができる。
図14Aは、本実施の形態における超音波流速計測方法を示すフローチャートである。
まず、トランスデューサ130は、互いに異なる2つの周期で超音波パルスを繰り返し送受信する(ステップS201)。次に、計測器150は、ステップS201で行なわれた送受信の結果に基づく平均位相差ΔθGを用いて、上述の測定線上の位置における流速を計測するとともに、流速の指標E0を求める(ステップS202)。つまり、計測器150は、上述の2つの周期のうちの一方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差と、他方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差との差に基づいて、上述の測定線上の位置における流速の指標E0を求める。
そして、計測器150は、流速の指標E0が上記(式7)を満たすか否かを判定する(ステップS203)。ここで、計測器150は、その流速の指標E0が上記(式7)を満たさないと判定した場合には(ステップS203のN)、その流速の指標E0に対応する計測された流速を無効とする(ステップS204)。一方、計測器150は、流速の指標E0が上記(式7)を満たすと判定した場合には(ステップS203のY)、エイリアシングを除去するために、その流速の指標E0に対応する計測された流速に対して、折り返し数nに応じた補正を行う(ステップS205)。
図14Bは、図14Aに示す超音波流速計測方法を実現する超音波流速計測装置の構成を機能的に示すブロック図である。
本実施の形態における超音波流速計測装置200は、図1に示す実施の形態1の超音波流速計測装置100と同様のハードウェア構成を有するが、機能的な構成としては、超音波パルス信号生成部202と、超音波送受信部203と、計測部205とを備える。
超音波パルス信号生成部202は、ファンクションジェネレータ110およびパルサレシーバ120のうちの少なくとも一方の機能を利用するものであって、超音波パルスを示す超音波パルス信号を生成して超音波送受信部203に出力する。
超音波送受信部203は、トランスデューサ130およびA/D変換器140の機能を利用するものであって、超音波パルス信号生成部202によって生成された超音波パルス信号を取得し、その超音波パルス信号に応じた超音波パルスを送信する。さらに、超音波送受信部203は、送信されて反射された超音波パルスを受信し、その受信された超音波パルスを示す電気信号である計測信号を計測部205に出力する。これらの超音波パルス信号生成部202および超音波送受信部203は、図14Aに示すステップS201の処理を実行する。
計測部205は、計測器150の機能を利用するものであって、超音波送受信部203から計測信号を取得すると、その計測信号と超音波パルスドップラ法とを用いて流速を計測する。具体的には、計測部205は、図14Aに示すステップS202〜S205の処理を実行する。つまり、計測部205は、指標導出部205aと、条件判定部205bと、補正部205cとを備える。指標導出部205aは、平均位相差ΔθGを用いて流速を計測し、かつその流速の指標E0を求める。条件判定部205bは、上記(式7)に示す条件式を流速の指標E0が満たすか否かを判定する。補正部205cは、流速の指標E0が条件式を満たさない場合には、その流速の指標E0に対応する計測された流速を無効とし、流速の指標E0が条件式を満たす場合には、エイリアシングを除去するために、その流速の指標E0に対応する計測された流速に対して、折り返し数nに応じた補正を行う。
つまり、帰還速度拡張法では、流速の指標E0が(2n−1)πまたは(2n+1)πに近い場合にも、折り返し数nに応じた補正を、計測された流速に対して行えば、その指標E0の少しの誤差によって、大きく誤った折り返し数nに応じた補正を、計測された流速に対して行ってしまうことになる。そこで、本実施の形態では、上述のように、1よりも大きい制限値αを用いた条件式である(2n−1)π/α<E0≦(2n+1)π/αを流速の指標E0が満たさない場合には、その流速の指標E0に対応する計測された流速は無効とされるため、大きな誤差を含む可能性の高い流速を排除することができる。その結果、流路断面の広い範囲で流速の分布をより正確に計測することができる。
なお、測定線上のある位置において、大きな誤差を含む可能性の高い流速が排除されるため、流速分布においてその位置の流速が欠落することになる。しかし、欠落するのは、その計測された瞬時の流速だけである。つまり、その位置における計測が繰り返し行われる場合には、その繰り返し計測された流速から、大きな誤差を含む可能性の高い流速を排除し、残りの幾つかの流速から平均値を算出し、算出された平均値を、その位置における流速としてもよい。そして、このような平均値を用いた平均速度分布から、正確な流量を算出することができる。または、排除される流速が計測された直前に計測された、大きな誤差を含む可能性の低い流速を、その位置における流速としてもよい。または、空間的な流速の内挿または外挿によってその位置における流速を算出してもよい。
(実施の形態4)
実施の形態3における超音波流速計測方法では、流速を正確に計測するために、大きな誤差を有する可能性のある計測結果を排除したが、本実施の形態では、帰還速度拡張法に用いられる流速の指標E0を、空間的な移動平均によって補正することに特徴がある。
図15は、二周期法によって計測された流速と、その流速に対して空間的な移動平均が行われた結果とを示す図である。
図15において、横軸は、センサ側壁面からの距離yが、流路を形成する管の内径D(200mm)によって正規化された値(位置)を示し、縦軸は、速度(流速)を示す。
二周期法によって計測されたそれぞれの流速(図15中の黒丸)にはばらつきがある。これらの流速のそれぞれに対する空間的な移動平均の結果である平均値(図15中の白丸)では、ばらつきが少し抑えられている。この空間的な移動平均(以下、空間平均という)とは、図15の横軸上の対象位置ごとに、その対象位置で計測された流速と、空間的(横軸方向)にその対象位置に続く少なくとも1つの位置のそれぞれにおいて計測された流速とを平均化することである。図15に示す平均値は、平均値の算出に用いられる流速の数(以下、空間平均利用数という)が7である場合の値である。
この図15に示すように、空間平均利用数が7であっても、空間平均によって得られる平均値の流速には誤差が含まれているが、このような空間平均を用いる場合には、空間平均を用いない場合よりも、流速の指標E0の精度を高めることができる。
つまり、流速の指標E0は、二周期法によって計測された流速を位相の形として表現するものであって、流速と等価的に扱うことができる。そこで、本実施の形態では、流速の指標E0の空間平均を算出し、その平均値の指標E0と上述の(式4)とを用いることによって、折り返し数nを特定する。そして、(式2)、(式5)および(式6)にしたがって流速Vを算出する。すなわち、本実施の形態では、帰還速度拡張法における流速の指標E0の精度を向上することによって、正確な流速Vを算出することができる。
図16は、本実施の形態における超音波流速計測方法を用いて計測される流速を示す図である。図16中の四角形は、本実施の形態における超音波流速計測方法を用いて計測される流速、つまり、流速の指標E0に対して空間平均(空間平均利用数=3)を行うことによって計測される流速を示す。また、図16中の黒丸は、空間平均が行われない帰還速度拡張法(空間平均利用数=0)によって計測される流速を示す。
この図16に示すように、本実施の形態(空間平均利用数=3)では、計測される流速のばらつきを抑えることができる。
図17は、本実施の形態における超音波流速計測方法を用いて計測される流速を示す図である。図17中の三角形は、本実施の形態における超音波流速計測方法を用いて計測される流速、つまり、流速の指標E0に対して空間平均(空間平均利用数=5)を行うことによって計測される流速を示す。また、図17中の黒丸は、空間平均が行われない帰還速度拡張法(空間平均利用数=0)によって計測される流速を示す。
この図17に示すように、本実施の形態では、空間平均利用数が5の場合には、計測される流速のばらつきをさらに抑えることができる。
図18は、本実施の形態における超音波流速計測方法を用いて計測される流速を示す図である。図18中の白丸は、本実施の形態における超音波流速計測方法を用いて計測される流速、つまり、流速の指標E0に対して空間平均(空間平均利用数=7)を行うことによって計測される流速を示す。また、図18中の黒丸は、空間平均が行われない帰還速度拡張法(空間平均利用数=0)によって計測される流速を示す。
この図18に示すように、本実施の形態では、空間平均利用数が7の場合には、計測される流速のばらつきを大幅に抑えることができる。
図19は、空間平均利用数に応じて計測される流速の精度を示す図である。
図19の横軸は、図4と同様に、秤量流量計測によって得られる流量を示す。図19の縦軸は、空間平均を用いて計測される流速を積分することによって得られる流量を示す。
図19中の黒丸は、空間平均利用数=0の場合に計測される流速(縦軸)を示し、図19中の四角形は、空間平均利用数=3の場合に計測される流速(縦軸)を示し、図19中の三角形は、空間平均利用数=5の場合に計測される流速(縦軸)を示し、図19中の白丸は、空間平均利用数=7の場合に計測される流速(縦軸)を示す。なお、図19において、空間平均を用いた全ての計測では、ビーム径は同一であり、トランスデューサ130から送信される超音波パルスの基本周波数f0は2MHzであり、繰り返し送信される超音波パルスの数(Npulse)は256である。
この図19に示すように、空間平均利用数=0の場合に計測される流速の誤差は、−9.47%であり、空間平均利用数=3の場合に計測される流速の誤差は、−8.19%であり、空間平均利用数=5の場合に計測される流速の誤差は、−7.34%であり、空間平均利用数=7の場合に計測される流速の誤差は、−6.22%である。このように、空間平均利用数を適切に設定することによって、流速を正確に計測することができる。
図20Aは、本実施の形態における超音波流速計測方法を示すフローチャートである。
まず、トランスデューサ130は、互いに異なる2つの周期で超音波パルスを繰り返し送受信する(ステップS301)。次に、計測器150は、ステップS301で行われた送受信の結果に基づく平均位相差ΔθGを用いて、上述の測定線上の各位置における流速を計測するとともに、各位置における流速の指標E0を求める(ステップS302)。つまり、計測器150は、上述の2つの周期のうちの一方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差と、他方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差との差に基づいて、上述の測定線上の各位置における流速の指標E0を求める。
そして、計測器150は、各位置における流速の指標に対して空間的な移動平均を行うことによって、その各位置における平均値を算出する(ステップS303)。次に、計測器150は、算出された各位置における平均値から、エイリアシングを除去するための、各位置における折り返し数nを特定する(ステップS304)。さらに、計測器150は、各位置において計測された流速に対して、各位置における折り返し数nに応じた補正を行う(ステップS305)。
図20Bは、図20Aに示す超音波流速計測方法を実現する超音波流速計測装置の構成を機能的に示すブロック図である。
本実施の形態における超音波流速計測装置300は、図1に示す実施の形態1の超音波流速計測装置100と同様のハードウェア構成を有するが、機能的な構成としては、超音波パルス信号生成部302と、超音波送受信部303と、計測部305とを備える。
超音波パルス信号生成部302は、ファンクションジェネレータ110およびパルサレシーバ120のうちの少なくとも一方の機能を利用するものであって、超音波パルスを示す超音波パルス信号を生成して超音波送受信部303に出力する。
超音波送受信部303は、トランスデューサ130およびA/D変換器140の機能を利用するものであって、超音波パルス信号生成部302によって生成された超音波パルス信号を取得し、その超音波パルス信号に応じた超音波パルスを送信する。さらに、超音波送受信部303は、送信されて反射された超音波パルスを受信し、その受信された超音波パルスを示す電気信号である計測信号を計測部305に出力する。これらの超音波パルス信号生成部302および超音波送受信部303は、図20Aに示すステップS301の処理を実行する。
計測部305は、計測器150の機能を利用するものであって、超音波送受信部303から計測信号を取得すると、その計測信号と超音波パルスドップラ法とを用いて流速を計測する。具体的には、計測部305は、図20Aに示すステップS302〜S305の処理を実行する。つまり、計測部305は、指標導出部305aと、空間平均算出部305bと、折り返し数特定部305cと、補正部305dとを備える。指標導出部305aは、平均位相差ΔθGを用いて、測定線上の各位置における流速を計測し、かつその各位置における流速の指標E0を求める。空間平均算出部305bは、各位置における流速の指標E0に対して空間的な移動平均を行うことによって、各位置における平均値を算出する。折り返し数特定部305cは、算出された各位置における平均値から、エイリアシングを除去するための、各位置における折り返し数nを特定する。補正部305dは、各位置において計測された流速に対して、各位置における折り返し数nに応じた補正を行う。
このように本実施の形態では、各位置における流速の指標に対して空間的な移動平均が行われるため、誤差の少ない適切な流速の指標を算出することができる。その結果、計測された流速のエイリアシングを補正によって適切に除去することができ、流路断面の広い範囲で流速の分布をより正確に計測することができる。
以上、本発明に係る超音波流速計測方法および超音波流速計測装置について、実施の形態1〜4に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。例えば、実施の形態1〜4を任意に組み合わせてもよい。
また、なお、上記各実施の形態において、トランスデューサを除く各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
本発明にかかる超音波流速計測方法は、流路断面の広い範囲で流速の分布を正確に計測することができるという効果を奏し、例えば、水力発電所、原子力発電所、または化学プラントなどの配管に流れる流体の流量を計測する超音波流量計などに適用することができる。
100,200,300 超音波流速計測装置
101 測定体積調整部
102,202,302 超音波パルス信号生成部
103,203,303 超音波送受信部
105,205,305 計測部
110 ファンクションジェネレータ
120 パルサレシーバ
130,130a,130b トランスデューサ
140 A/D変換器
150 計測器
205a,305a 指標導出部
205b 条件判定部
205c,305d 補正部
305b 空間平均算出部
305c 折り返し数特定部
800 管

Claims (7)

  1. 超音波パルスドップラ法を用いた超音波流速計測方法であって、
    流路を流れる流体のうちの、前記流路を横切る測定線に沿って配列される複数の領域のそれぞれに対して、前記測定線に沿って超音波パルスを繰り返し送信し、前記複数の領域のそれぞれから反射される各超音波パルスを受信する送受信ステップと、
    前記送受信ステップにおいて受信される各超音波パルスに基づいて、前記超音波パルスドップラ法を用いて、前記複数の領域のそれぞれにおける流速を計測する計測ステップとを含み、
    前記送受信ステップでは、
    前記複数の領域のうちの、前記流路の中央側にある第1の領域の測定体積が、前記複数の領域のうちの、前記流路を形成する壁側にある第2の領域の測定体積よりも大きくなるように、超音波パルスを繰り返し送信する
    超音波流速計測方法。
  2. 前記送受信ステップでは、
    1つの超音波パルスに含まれる周期的な波の数であるサイクル数が第1の超音波パルスよりも少ない第2の超音波パルスを送信して、反射された前記第2の超音波パルスを受信する第1の送受信処理と、前記第1の超音波パルスを送信して、反射された前記第1の超音波パルスを受信する第2の送受信処理とを、切り替えて繰り返すことによって、前記第1の領域の測定体積を前記第2の領域の測定体積よりも大きくし、
    前記計測ステップでは、
    繰り返された前記第1の送受信処理によって受信された前記第2の超音波パルスのそれぞれに基づいて、前記第2の領域の流速を計測し、繰り返された前記第2の送受信処理によって受信された前記第1の超音波パルスのそれぞれに基づいて、前記第1の領域の流速を計測する
    請求項1に記載の超音波流速計測方法。
  3. 前記送受信ステップでは、
    第1の超音波素子よりも小さい面積の第2の超音波素子から超音波パルスを送信させ、反射された前記超音波パルスを受信する第3の送受信処理と、前記第1の超音波素子から超音波パルスを送信させ、反射された前記超音波パルスを受信する第4の送受信処理とをそれぞれ繰り返すことにより、前記第1の領域の測定体積を前記第2の領域の測定体積よりも大きくし、
    前記計測ステップでは、
    繰り返された前記第3の送受信処理によって受信された前記超音波パルスのそれぞれに基づいて、前記第2の領域の流速を計測し、繰り返された前記第4の送受信処理によって受信された前記超音波パルスのそれぞれに基づいて、前記第1の領域の流速を計測する
    請求項1または2に記載の超音波流速計測方法。
  4. 前記送受信ステップでは、
    互いに異なる2つの周期で前記超音波パルスを繰り返し送信し、
    前記計測ステップでは、さらに、
    前記2つの周期のうちの一方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差と、他方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差との差に基づいて、前記測定線上の位置における流速の指標E0を求め、
    計測される流速のエイリアシングにおける折り返し数n(nは整数)と制限値α(α>1)とを用いて示される条件式である(2n−1)π/α<E0≦(2n+1)π/αを、前記流速の指標E0が満たすか否かを判定し、
    前記流速の指標E0が前記条件式を満たさないと判定された場合には、前記流速の指標E0に対応する計測された流速を無効とし、
    前記流速の指標E0が前記条件式を満たすと判定された場合には、前記エイリアシングを除去するために、前記流速の指標E0に対応する計測された流速に対して、前記折り返し数nに応じた補正を行う
    請求項1〜3の何れか1項に記載の超音波流速計測方法。
  5. 前記計測ステップでは、
    前記差をΔΔθとし、前記2つの周期のうちの一方の周期をTとし、他方の周期を(T+Ts)とする場合、E0=ΔΔθ(T/Ts+1/2)によって、前記流速の指標E0を求める
    請求項4に記載の超音波流速計測方法。
  6. 前記送受信ステップでは、
    互いに異なる2つの周期で前記超音波パルスを繰り返し送信し、
    前記計測ステップでは、さらに、
    前記2つの周期のうちの一方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差と、他方の周期で繰り返し受信される超音波パルスの位相差との差に基づいて、前記流体中の前記測定線上の各位置における流速の指標を求め、
    前記各位置における流速の指標に対して空間的な移動平均を行うことによって、前記各位置における平均値を算出し、
    算出された前記各位置における平均値から、エイリアシングを除去するための、前記各位置における折り返し数を特定し、
    前記各位置において計測された流速に対して、前記各位置における前記折り返し数に応じた補正を行う
    請求項1〜3の何れか1項に記載の超音波流速計測方法。
  7. 超音波パルスドップラ法を用いた超音波流速計測装置であって、
    流路を流れる流体のうちの、前記流路を横切る測定線に沿って配列される複数の領域のそれぞれに対して、前記測定線に沿って超音波パルスを繰り返し送信し、前記複数の領域のそれぞれから反射される各超音波パルスを受信する送受信部と、
    前記送受信部において受信される各超音波パルスに基づいて、前記超音波パルスドップラ法を用いて、前記複数の領域のそれぞれにおける流速を計測する計測部とを備え、
    前記送受信部は、
    前記複数の領域のうちの、前記流路の中央側にある第1の領域の測定体積が、前記複数の領域のうちの、前記流路を形成する壁側にある第2の領域の測定体積よりも大きくなるように、超音波パルスを繰り返し送信する
    超音波流速計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200047667A (ko) 2017-12-05 2020-05-07 가부시키가이샤 아이에이치아이 시트 간극 검출 장치, 시트 간극 검출 방법, 및 시트 용착 방법
US11307306B2 (en) * 2017-02-23 2022-04-19 Robert Bosch Gmbh Method and device for providing ultrasonic signal information

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