本発明は、巨大地震の3分後に来襲する高さ10m、最大34mの大きな津波にも、個人が迅速に避難できる身近、安全、簡易、安価で、水中で回転可の津波避難用浮遊体に関する。
来たる南海トラフ巨大地震では、最短3分後に高さ10mの津波が襲うと想定されている。外に逃げる時間余裕はなく、一刻も早く身の安全を図らなければならない。遠くの公共避難所までたどり着けない。我が身は自身で守る発想が大切だ。一般に津波対策としては高い防潮堤、高台、高い建物が有効であるといわれている。しかし、高い防潮堤の構築、河川堤防、横断道路橋、鉄道橋の数kmに及ぶ嵩上げや高台移転には莫大な予算と長い歳月、住民の合意を要する。沿岸部に高台、高い建物があるとは限らない。しかも、いずれも大きな津波にどこまでなら絶対安全という保証はない。3階建て、高さ10mの屋上でそれ以上の高さに逃れられない恐怖は想像を絶する。明日かもしれない巨大地震の発生確率が高まっている。このため、ともかく逃げるしかも遠くへ、と提唱されている。しかし、津波警報のたびに避難するのは、車の運転はどうするのか、沿岸地域の住民は酒も飲めない、入浴中では着の身着のままである。空振り、オオカミ少年など、いざ津波来襲までに精神的、肉体的に疲弊する。夜中、大雨、大雪時や介護高齢者は行動を伴わない。付き添いの負担も相当である。病院のベッド患者、介護施設の寝たきり高齢者、彼らを避難させる看護師の負担、命を共にする自己犠牲は美談とかたづけていいものではない。幼稚園児も高台に誘導、てんでんに避難するとしている訓練映像も見るが、果たして体の弱い子は見殺しにしていいのか。幸いにして、津波は地震の後にしか来ない。到達時間も予想され、その制約範囲で余裕もある。ただ時間的余裕がない大きな津波では、すぐに避難、退避ができるところが身近にあることが最も重要となる。究極の身近は、明らかに建物の室内といえる。ところが、先の東日本大震災の津波では木造家屋のほとんどは破壊され流されることを目の当たりにした。それでも、命を守らなければならない。安全に、簡易に、安く、迅速に逃げられる個人家族用、少人数用が要求されるところ。そこで、身近な設置場所から、浮力を利用して水上に浮上する密閉式の球体が提案されている。しかし、すぐ乗り込めるか、回転、衝突し、どこまで流されるか不安だし、密閉構造が衝突で破れると一挙に空気が抜け生存の余地がなくなる、まさしく致命傷となり、平時の収納場所、維持管理、制作設計費用の個人負担の限界、乗り組み可能人員の少なさなど課題が山積だ。特許庁電子図書館で、津波、浮、水、空気、開のキーワードで検索した結果、20件あり、(特許文献1)携帯式津波救命具では、頭部を包囲することで呼吸できるとしているが、激流でズボンが膨らんで持ち上がり、頭が上になるとは限らない、吸える空気体積が少なく水圧でバッグが口に吸い付く、体が漂流物との直接衝突にさらされるなど。(特許文献2)津波避難シェルターでは、密閉式で一見頑強にみえるが、例えば30mの津波では体積が1/4に圧縮されるので、全方向圧力に強い球体でないため容易に平らに潰されそうで、かつ高価で庶民の手が届かない。(特許文献3)津波シェルターでは、横に設けた入口までに連通路を通るため規模が大きく、避難室に海水面が入り込まないとしている。また、自重が浮力より大きく屋外の地盤に固定するとしていることから、浮力を利用して身近な室内で浮上する場合には不向き。(特許文献4)津波待避用救命装置では、密閉式の大きな球体に入って避難するが、費用も高価で庶民は購入できるレベルになく、耐圧の密閉設計、設置場所、維持管理も大変で、迅速にその中に避難できるかも不明。
特開2014−000937
特開2013−086789
特開2012−233385
特表2013−532089
津波対策として、避難所を設けることは有効であるが、南海トラフ巨大地震では、最短3分で10メートル、最大34メートルの津波の来襲が想定されている。避難所が遠くては到底、逃げる時間、たどり着ける余裕などない。そこで、個人個人で助かる方法、我が身は自身で守る方法を考える必要がある。また、身体障害者、車いす利用者、入院患者など弱者を救うことができなければならない。将来の津波来襲時に人はどこにいるか不明であるが、住居内にいる可能性は半分程度で、室内に置く身近な浮遊体であれば3分以内に迅速に避難するという問題を解決できる。個人分、または親子分とすれば小型となり居住スペースが少ない問題を解決できる。あとの半分は、学校、職場、買い物など移動先、病院患者ベッド、車いす、屋外、列車・自動車などの移動体で、これらのあらゆる場面で避難できれば多くの命が助かる。費用も格別に廉価で、個々で備えることが可能で莫大な国家予算を必要とする整備、時間遅れの問題を解決できる。先の東日本大震災の津波では、木造家屋が容易に流された。3階建て鉄筋コンクリート造の屋上でもそれ以上の高さに逃げられない恐怖がある。そこで、大きな津波で水没しても、流されても引き潮までの生存必要空気量を確保することができれば問題を解決できる。また、大きな津波では大水圧がかかることは明白で、完全密閉構造であればその水圧に耐える入口扉も高価で、かつ設計津波高さでの構造設計は想定外の高さの津波には当然に設計応力を超過し、また壁が厚く堅ければ漂流物の直接衝突でうける力は強大で、破損して必要空気が一瞬に抜ける致命的問題がある。そこで、浸水で濡れることを我慢するならば、浮遊体を上に凸で穴がなく、下に開口とする非密閉構造とすれば、水没時は浸水するものの、外部の水圧と内部の空気圧は等しいため圧力差がなく、想定外の大津波でも構造壁には負荷がかからず、密閉扉は必要なく、それほどの板厚も必要でなく、特別な耐圧設計、設計難度、設計責任、材料費問題を解決できる。空気は水中では上昇する。浮遊体は、パラシュートやパラグライダー、さらに熱気球のように空気をはらんで水中のどこまでも上昇する。漂流の浮遊体は、傾いたり、回転したりする。水中で開口部が上になると空気は一挙に逸脱するので元も子もない。開口部に面材を施し開閉式とし、その中に人が避難し、非密閉で浸水可なので浸水後に閉じても良いが浸水直前に閉じることとすれば、密閉構造ではなくその後に浸水するも中には新鮮な空気があり、人の落下、漂流物の人体への直接衝突がなく、漂流中に傾斜、回転しても内部の人が体重移動、回転の勢いをそのまま利用し、また体重やその後の浸水の重さが下方向に作用しているので呼吸ができる正常姿勢にいち早く復元でき、人や空気の逸脱がなく、水中で危険となる問題を解決できる。堅固な建物内では上昇を天井で制限し、浮力を天井の強い圧縮耐力で受け止め、天井と浮遊体天端面の密着力で回転を抑制できるので空気を逸脱する問題を解決できる。堅固な建物の屋上や屋外でもロープで浮遊を制限すれば回転を抑制でき空気が逸脱する問題を解決できる。開口部の面材により上部に囲われる空気が一挙に抜けないので、堅固な建物や木造家屋、さらに屋外、低い建物の屋上などあらゆる場所、場面で、水没しても水中となって回転しても助かる。ただし、ボイルの法則から空気体積は外水圧に応じて縮小すること、開口からの浸水で体が濡れることは承知していなければならない。同じ寸法の立方体が浸水するとすれば、側面に入口の開口を設けるより底部に開口を設ける方が大きな生存必要空気量を保持することができる。側面下部に小さな穴を開け意図的にその高さまで浸水させると、それより下が抵抗し、回転抑止翼として働き、上下方向の体勢が安定し水中での回転の問題が多少解決できる。側面下部に錘を付けても安定効果がある。浮遊体の底部の開口部が柔らかいファスナーなどの開閉部とすれば、衝突を受けると中の空気は下に移動し、クッションの役割をし、直接の衝撃力をかわし、免れ、変形で受け流し緩和することで、例えば暖かい空気をはらんだ布団をたたくようなふわりとした感じで強く抵抗しないため、破損しなければ必要空気が抜ける問題が解決できる。だだ、空気が抜けると致命傷であることは明らかで2重、3重の袋状で安全を講じるべきである。更なる安心のためには、4面に壁の盾、または垂れ幕で囲み、少なくとも前面に壁の盾、または垂れ幕で浮遊体を保護する方法も場面により有効である。材料選定も大事だ。波にもまれても空気が漏れず、丈夫で、漂流物の衝突にも耐える必要がある。ところが生存必要空気量を保持するとなると、単に軽いと簡単に浮き上がり流されてしまう。あるいは、めくり上がり空気が逃げてしまう。そこで、浮遊体を幅広、横長の扁平とし、浮上時の回転を制限することで空気量を逃がさないとすれば問題を解決できる。浮遊体の自重が軽い材料とすれば浮力が自重に勝るので水中で浮上、浮遊体となり、浮力が自重に比べてやや勝る程度であれば浮遊体は安定的に浮遊し、自重が重い材料では浮力が自重に比べて劣り浮上せず水中に留まる。例えば、1m3の空気だと浮力は1トンであり、浮き上がらないためには約1トンの乗用車のおもりを想像すればその大きさがつかめる。漂流物の直接衝撃がある屋外や屋上の設置では、コンクリートを主体に選ぶ。この浮力と自重の関係から多くの場面で対応でき問題が解決する。木造家屋内では、家が壊れても水中に浮上し、激流に呑まれても波にのって、言い換えれば波と同じ速度で流されることから漂流物との激突を巧みにこなし、他の建物間を避けて流れることからコンクリートのような厚い壁を必要としないといえる。下手に抵抗するより家ともども流れている漂流物と同じ速度の水流に乗ることで漂流物の直撃を受ける問題を解決できる。先の東日本大震災の津波では激しい濁流、漂流物があった。それらは、最初、建物の間や道路、路地を這うようにして抜けていった。やがて木造の建物自体、根こそぎ流されたが鉄筋コンクリート造の堅固な建物の多くは窓が破壊されるものの残っていた。逆に言えば窓が破壊されたから水流は筒抜けとなり、建物本体には影響が及ばなかったといえる。そのことは、鉄筋コンクリート壁の窓際に隠れた隅では、さほどの激流とはならず回遊流程度、手ではね除けることができる、方向を変えることができるかも知れない程度ともなり、本流の激流は海側の破れた窓から反対側の窓へと抜けていく。同様に堅固な建物の物置、押入れ、トイレ、浴室などの狭くて3面を壁で囲われている部屋では、入り口ドアにもよるが漂流物の直撃を回避できる。直接衝突を避けることができるとなれば、状況により浮遊体を設計する材質を幅広く選定できるとともに、壁厚を薄くできる。金属製、強化プラスチック、プラスチックの耐損傷性、防水性、気密性に優れた材料、シートを浮遊体とすることができ、コンクリート以外の材料の選択性の問題を解決できる。密閉構造の球体では浮力で回転が激しく人が耐えられるか不安である。開口していれば浸水してくる。また、堅固な建物内では、強力な浮力による上昇力を頑強なコンクリートの天井壁で反力を受け止め、上昇を制止することができる。漂流物の衝突のない物置部屋に底部が着脱式の浮遊体をセットすれば、車いす利用者を容易、迅速に避難させることができ、浸水時には天井まで浮上して天端面部が密着するので安心だ。事前に天井にセットしておけばスペースを取らず引き下ろしていち早く避難できる。底部の一部を透明、半透明とすれば周囲の状況判断ができ、備えの浮き袋とともに脱出も可能となる。津波の来襲時やその引き潮時の激しい水流で、軽いままの浮遊体は建物室外に容易に流され、さらなる危険を伴う。その動きを床などの壁や堅固な金具に固定したロープなどで浮遊体の下部などを結んでおけば、浮上して天井に密着した浮遊体の天端の摩擦と相まって抵抗し、室外に流される問題を解決できる。部屋の中では、容易に迅速に装備できること、簡易なもので軽く、置き場がないため収納スペースを取らないという日本の狭い住宅事情、個々の場面での条件も満たすニーズもある。浮遊体を折りたたみ式、収納式とすることで、日常生活の邪魔にならず、室内スペース不足の問題を解決できる。下の開口部を着脱式とすれば、介護者は身体障害者、車いす利用者を脱部材上に移動し、そのあと上部をかぶせてファスナーをセットすれば避難の所要時間は少ない。平時はその中に雑物を収納できるので物入れの役目をも果たす。浮遊体にテーパーを付けると家族分の茶碗を重ねるように片づけられるのでスペースを省略できる。30年以内の発生確率が高まっている大津波、そのとき人はどこにいるか全く予想できない。あらゆる場面を想定しなければならない。外出中や屋外作業中の人にはバッグに収納できる携帯式とすることで問題を解決できる。天端部の形成部材、側面の部材を、傘を開くように骨組み材で膨らませ拡げることができれば空気容量、体積を確保することができる。列車やバス、車で移動中の人には蛇腹や提灯のように折りたたみ式の省スペース、整理整頓や整列に適した収納備品とすることで問題を解決できる。マンションや多くの従業員の命を預かっている職場の低い堅固な建物の屋上に設置すれば、それ以上の大きな津波に関係なく圧縮された生存必要空気量を保持できているので、そこからそれ以上逃れられない恐怖の問題を解決できる。さらに、授業中では教室の天井、校庭に、職場などでは広場に設置すれば、漂流物の衝突を回避し、浮遊することで衝突衝撃を緩和し浮上範囲を制限すれば少なからずの人命用への問題を解決できる。密閉式でないため最後に扉を閉める必要がなく、定員には密閉式では構造安全上の余裕がなく、非密閉では余裕があり、少々の定員オーバーで閉めだすような非情な行為、後悔を伴う問題を解決できる。
このような課題を解決するために、本発明の津波避難用浮遊体は、大きな津波の来襲時に、耐破損性、防水性、および気密性に優れた上に凸、下に開口を有する袋状の形成体で、開口部に開閉式の面材を施し、内部に人が避難し、水中では開口部の開閉部から浸水を許すものの上部の空気で浮上し、開口部の開閉部を閉じることで漂流物の直撃から体を保護し、流転で上下に回転しても内部の人の体重移動、反動で上下の体勢を復元でき、人や生存必要空気量の逸失を防止することを特徴とする。本発明でいうロープとは、ロープ、ベルト、鎖、紐、帯または部材の長さのあるもので結束、連結、吊るし、または引っ張るために使うものをいう。
また、前記津波避難用浮遊体の側面下部に小穴を設け、その高さまで意図的に浸水を促すこととし、水中での回転を抑制することを特徴とする。
また、前記津波避難用浮遊体をロープで、堅固な建物の部屋や屋上の床、壁、天井、建具、金具、枠組または錘、あるいは屋外の地面のコンクリート塊、杭または錘に結束、連結し、浮遊範囲を制限したことを特徴とする。
また、前記津波避難用浮遊体の側面または下面に垂れ幕を設けることで、激流、水流の方向を変え、漂流物の直撃から保護することを特徴とする。
また、前記津波避難用浮遊体の開口部の部材、面材の全周を開閉する着脱式としたことを特徴とする。
また、前記津波避難用浮遊体の内部に取手、手すりさらには吊りベルト、シートベルトを設けたことを特徴とする。
また、前記津波避難用浮遊体を折りたたみ式としたことを特徴とする。
また、前記津波避難用浮遊体の内部に底部が開口の袋状の前記形成体を2重または3重に設けたことを特徴とする。
また、前記津波避難用浮遊体の側面の下部または底部に錘を付加したことを特徴とする。
また、本発明の空気保持形成体は、耐破損性、防水性、および気密性に優れた上に凸、下に開口を有する袋状の形成体で、開閉式の面材を施し、内部に人が避難し、水中では下部の開口部から浸水を許し、上部に生存必要空気量を保持するとし、津波避難用浮遊体の内部に離隔して用いることを特徴とする。
小型、身近なので3分で避難できる。大津波の来襲にも、個人で迅速に避難でき命が助かる。身体障害者、車いす利用者、入院患者など弱者が助かる。将来の津波来襲時に人はどこにいるか不明であるが、住居内にいる可能性は半分程度で、あとは学校、職場、買い物場、病院患者ベッド、屋外、移動体などで、これらのあらゆる場面で避難できれば多くの命が助かる。我が身は自身で守るための最も身近で簡易な装置による津波対策、備えであり、迅速に避難でき、個人費用負担も格別に少ない。個々人がすぐ備えることができるので防潮堤など莫大な国家予算や長い年月を待つ必要がない。上に凸、下に開口であるため水中で浸水を許すものの、生存必要空気量を保つことができる。水中の空気は上昇力が強いので、浮遊体を制御しなければ水面まで浮上しその漂流過程で、傾斜、回転すると空気が泡の塊となって容易に逸脱するが、底部に施した面材を閉じるので水中で上下に回転しても空気は一挙に抜けず、体重、浸水の重み、回転の勢いを利用してすぐ上下体勢を復元することで安心。開口としているので外の津波の水圧と形成体内部の空気圧とが釣り合って等しく、どんなに大きな津波で水没しても空気は圧縮されながらも必ず保持され、部材には特別な圧力差がかからず特別な強度を必要としない。ただ漂流物の衝突に対しては、むやみな衝突を避ける工夫、耐破損性に優れる材料を選ぶ必要がある。底部に開閉式の面材を施すので、全身がその中に避難でき、底からの漂流物の直撃から保護される。床や地面に置けば下面に働く浮力があるので面材には体重を支えるほどの強度を要さない。浮遊して息苦しくなれば体勢を中で上下入れ替えて開口部を上とすれば容易に脱出できる。浮き袋を備えておけばなお安心。水面まで浮上すれば体勢を入れ替え、開口部を上とし一寸法師を乗せたお椀のようにそのまま漂流してもいい。開口としているので、密閉式のように定員オーバーで目の前で扉を閉めざるを得ない決断を迫られることもない。天井に吊しておけば無駄な室内スペースを取らない。ロープで下に引き降ろせば容易に車いす利用者も避難できる。ロープで壁などに連結しておけばその長さの範囲内に浮遊を制限できるので建物から外への流出を防止できる。着脱式とすれば、車いす利用者は、まず敷いた脱の底部に乗り、次に上部をかぶせて装着してもらい浮上を待つ。介護者と一緒に楽に避難できる。側面下部に穴をあけ意図的に浸水させると、むしろ浮遊体は安定する。平置きすれば平時は中に雑物を収納できるので意外と役に立つ。テーパーを付けると重ねて置きができスペースが倹約できる。折りたたみ式とすれば壁に立てかけたり、物置に収納したりで日常の占有スペースも少ない。日本の狭い住宅事情には大切なポイントとなる。外出時には携帯式、列車、バスには備え付け式があれば日常生活、社会生活のほとんどで安心。学校、職場の屋上、広場ではやや少なからずの人数用となるが訓練次第で迅速に避難できる。列車の通学の生徒が操作訓練をすれば他の乗客の模範となり参加もしやすい。先の東日本大震災の津波では渋滞で退路を断たれた自動車が沈没して多くの犠牲者が出たが、トランクに常備していれば多くが助かる。3階など低い建物の屋上にはそれ以上の高さに逃げられない恐怖を味わうことなく余裕をもって避難の頃合いを計れる。病院、介護施設では、若い看護師の犠牲を心配しなくて済む。先の東日本大震災の津波時の病院での対応再現ビデオでは、ベッド患者や介護施設のベッド高齢者を、ベッドごと上層階へ大きなエレベータで運び出す様子が放送され、看護師が数人掛かりで我が命を省みずの献身的救助連携が印象的でした。しかし、今後はそれを教訓として若い命の犠牲を伴う可能性の高い避難方法を改めなければなりません。その前にエレベータが地震で機能しないとすることは大前提のはずですが、逆にベッド患者の搬送の現実離れ、困惑、困難さ、想定訓練の欠如、真実性を如実に表しているといえる。長方体の浮遊体をベッド下などに備え付けていれば、容易に収容できるため病院全体で迅速に対応できるといえる。家庭の介護ベッドでも同様の方法で安心。また、幼稚園児を連れて高台に駈ける訓練の様子もテレビで紹介され、てんでんに逃げろ、自分の命は自分で守れ、弱者はやむを得ないなどと大学教授が指導しているのでびっくりしたが、そんな信じられない教育上の問題もあり、本発明では身近に設置でき、弱者も簡易、迅速に避難でき弱者を見捨てることなく全員で助かるので良心の呵責の問題を解消できる。地震のたびの避難警報、日頃や夜間の避難訓練の精神的肉体的負担が少ないのは妊婦、高齢者には助かる。津波到達時間が数分という予想地域では、地域防災計画は移転案でしか立案できないが、個々の家庭で本発明の対策を協力依頼し、取り入れることで選択肢が広がるといえる。防災の固定概念を変えることをためらってはならない。すぐ避難できるので多くの人命は助かる。家族単位で避難できるので、バラバラで逃げて行方不明、その捜索に莫大な費用がかかることも少なくなる。従来の防潮堤の嵩上げや高台移転、津波避難ビルでは、高い建物の屋上の協力を得るとしても巨額の予算のみならず、30年以上の長い歳月を要し、想定外の津波高さに対して安全に際限がない。自然に生かされている人間。美しい海が見えなくなる悲しい弊害もない。災害は、時と場所を選ばない。明日で終わりかもしれない。それまで、明日まで待っていられない。本発明で、来る南海トラフ巨大地震の津波、さらに津波以外にも、高潮や大雨時の洪水、堤防決壊による河川氾濫時、海抜以下や天井川沿い地域の防災対策の一助としても有効である。いずれにしても、想定外の大津波で水没しても生存必要空気量を保つことができる身近の対策を、計画配置する公共避難所と組み合わせ、補完すれば、早急な地域防災総合計画の立案に役立つ。順次、個別に対応することができるので、防災予算計画の追いつかない地域などでは特に有効といえる。明日かもしれない津波には当然に、我が身は自身で守ることをためらってはならない。そうすることで行政に協力できる。全て行政頼みをしている場合ではない。簡易、安価、どの場面にも迅速に適用できるので、木造家屋の住民、とても避難できないと諦めていた人、津波警報が出ても無視する人、津波が来てからやっと逃げ出す人にも光明といえる。また、危険と思われていたマンションが避難所として蘇るので、資産価値が逆に上がり、逃げ場のない地域としても有り難い。多くの生徒や多くに従業員の命を預かってなる学校や職場も安心。
上に凸、下に開口の一辺1mとした立方体の、底部材を50cmの円の開口とし、面材の防水シートを張り開閉はファスナーによるとした斜め下からの津波避難用浮遊体の透視図。
一辺1mとした立方体の、底部を入口のないプラスチックの底部材とし、側面部材との間にファスナーを設けた着脱式の津波避難用浮遊体の斜め下からの透視図。ファスナー部から浸水を許す非密閉構造。
図1の浮遊体で、中に避難し、水中でファスナー部から浸水し、天端に補強されたリブに取り付けた取手を持っている側面からの様子。
図2の浮遊体で、車いす利用者が底部材に乗り、上部をかぶり、外からの介護者の補助でファスナーを閉め、水中で浮上し、側面下部に設けた小穴からその高さまで浸水した様子。浸水するファスナー部で開口構造となっているので底の入口は必要でない。意図的浸水は回転抑止として働く。
図1の浮遊体の底部を着脱式とし、側面下部に小穴を設け、底部を穴より高い位置に設けると、図4より少しは濡れなくて済むとした様子。
堅固な建物の物置で、車いす利用者と介護者が一緒に避難する1m*2m*高さ1mの浮遊体で、吊るした天井から下し、底面材の強化プラスチック部材を敷き、ファスナーで全周を閉め、浸水時の水中でファスナー部から内部に浸水しながら天井まで浮上した様子。
堅固な建物の物置の天井から垂れ幕を下ろし、天井に吊るした蛇腹の折りたたみ式の浮遊体が天井に浮上した様子。
浮遊体を長方体とし、病院ベッド患者を横に収容したあと開口部を閉じ、開口部を下とし、ベッドの柵等にフック付きロープで連結した側面の様子。
浮遊体の側面の中間を折りたたみ式とした平面図。天端部材は省略しているが変形性能が必要。底部はファスナーで後から取り付ける。
浮遊体の側面の境界を折りたたみ式とした平面図。天端部材は省略しているが変形性能が必要。底部はファスナーで後付け。
浮遊体の天端面を中心に保ち折りたたみ式とした図。最もかさ張らない。天端面と同じ大きさの底板は折りたたみ部と重ね置きができ、形状が同じ平面積ですっきり。底部はファスナーで後付け。
浮遊体の底部を着脱式とし、側面に斜めのテーパーを付け家族4人分を重ね置きしたイメージ。底部はファスナーで後付け。
浮遊体の側面下部周りに錘を配置した図。
列車、バス、自家用車の移動体用に蛇腹の折りたたみ式の整列、収納備品とした浮遊体の縮小要領図。形状保持に円形の骨材が必要。開きやすい。堅固な建物の部屋の天井に設置しても省スペースとなる。
列車、バス、自家用車の移動体用に提灯のような折りたたみ式の整列、収納備品とした浮遊体の縮小要領図。同心円となり最もかさばらない。形状保持に円形の骨材が必要。堅固な建物の部屋の天井に設置しても省スペースとなる。
外出時や屋外作業時用に携帯式とした浮遊体を25cm角に折りたたむ要領例。1m*2mで裏に同じ重ねがある。天端面と底面は変形性能が必要。バッグに入れることができる。実線を山折り、点線を谷折りとする例。
堅固な建物の教室の天井に、5m*10m*高さ1mの浮遊体とその側面全周に垂れ幕を設置し、その囲んだ水体積の弾力性、反発で激流、水流の向きを変えるとともに、漂流物の衝撃を緩和、窓ガラスの破片の直撃を回避するとした平面図。内部には、外殻破損時の安全のために上に凸、下が開口の空気保持形成体を離隔して内蔵。
堅固な建物の教室の天井に、側面全周の垂れ幕を利用して激流、水流の直撃を回避するとした天井吊り下げの浮遊体の天井まで浮上した側面の様子。内部には、外殻破損時の安全のために上に凸、下に開口の空気保持形成体を離隔して内蔵。
堅固だが低い3階建ての建物の屋上のコンクリート床にロープで結束した浮遊体が、水中で浮上制限されている様子。入口は嵩上げしている。浮遊体であるため直接衝突の衝撃はある程度緩和されるが、浮遊体の側面全周に垂れ幕を設置し、激流、水流の向きを変えるとともに、その囲んだ水体積の弾力性、反発で漂流物の衝撃を緩和、直撃を回避するイメージ。内部には、外殻破損時の安全のために上に凸、下に開口の空気保持形成体を離隔して内蔵。
屋外で、地面のコンクリート塊にロープで結束した浮遊体が、水中で浮上制限されている様子。入口は嵩上げしている。浮遊体であるため直接衝突の衝撃はある程度緩和されるが、浮遊体の側面全周に垂れ幕を設置し、激流、水流の向きを変えるとともに、その囲んだ水体積の弾力性、反発で漂流物の衝撃を緩和、直撃を回避するイメージ。内部には、外殻破損時の安全のために上に凸、下に開口の空気保持形成体を離隔して内蔵。
生存必要空気量は、一人1時間あたり1m3を確保する。一辺1mの立方体のイメージである。この数値は津波来襲から引き潮までが1時間であると想定していることによる。想定と大きく異なる条件下、遠方、高台では適宜変えることができる。素潜りの世界記録は水深128mで、30mまでは浮力が働くが次第に重力が勝り苦しくなるといわれている。また、2013年12月のニュースでは、地中海の30mの海底に沈没した貨物船の、転覆した船底に60時間生存者が元気で発見された。その程度の気圧なら体に影響ないといえる。浮遊体の外の水圧は津波高さの水圧であり、開口としている中の空気圧は外と等しい。すなわち、10mの津波であれば2気圧であり、10mの深さに素潜りした状態といえ、内部空気は圧縮され0.5mまで浸水するが、空気は圧縮されながらも必ず保存されているため安心である。空気体積は1/2=0.5と半分になる。仮に、浮遊体が密閉構造体であれば0.5≒0.8*0.8*0.8、すなわち、単純には密閉構造体の寸法は0.8に縮小する大圧力がかかる計算だが、開口しているので非密閉構造体で水の侵入を許すものの内外の圧力差がなく、浮遊体は縮小せず、空気体積の圧縮相当で水位が0.5m上昇するのみである。30m、それ以上のさらなる想定外の圧力に対しても内外の圧力がバランスしているので空気は1/4、それ以上に圧縮されるが、水中で上昇する空気は上に凸の天端に圧縮されて必ず残るので口を持っていけば心配なく、また密閉構造体のような特殊な構造設計は要さない。ところが空気容量、浮力、引っ張り力は計算できるとしても、漂流物の衝突、その鋭さには予想外の事態が心配される。したがって、なるべく漂流物を避ける方法、直撃を避ける方法、設置位置の選定、もし破れても2重3重の袋状として安全を図ることが賢明だ。当然に、空気が抜けては元も子もないので耐破損性が要求性能である。例え漂流物が衝突しても変形して受け流す柔軟な性能でもいい。底部が開閉式の浮遊体では、その部分は浸水を許す非密閉で、かつファスナーなど柔らかく、漂流物の衝突には運動量保存の法則が働き、移動、変形それに伴い内部の空気は下に動き衝撃を緩和することができる。密閉構造体では衝撃を直接受け、破損した場合一挙に空気が抜ける。2層構造としてもその内部体にも水圧に耐えるハッチなど特殊な装置が必要となり費用は相当に大きい。一方、開口式でも空気が抜けると致命傷であることは明らかで2重、3重の安全を講じるべきである。ただ極端にいえば3重目の内部はごみのポリ袋程度の強度で十分である。更なる安心のためには、部屋の広さなどの状況により少なくとも前面の盾、垂れ幕、もしくは4面を囲むことで出来る水体積の弾力性、反発などで衝突緩和し、浮遊体を保護すればより有効である。また、衝撃緩和には、配送の割れ物を包む荷造り用のシート、水玉のような空気玉のシート、いわゆるプチプチシートやゴムも有効といえる。底部を開口としているので、水没中は浸水があり水面と接触しているが上部には穴がないので生存必要空気量は抜けないで上方に保持される。全体を密閉構造体とすれば大圧力がかかり壁厚が大となるが、開口していれば内外の圧力が等しくバランスしているのでさほどの壁厚を要さない。堅固な建物の漂流物が当たりにくい3面が壁に囲まれた窓のない物置部屋の天井に吊り下げれば、日常の邪魔なスペースを取らない。底部を開閉式の面材としてもファスナー部から浸水する。体重60kgの人の比重が1.0とすれば、人がその中に避難すると空気量は1−0.06=0.94m3に減るが、この程度は浸水直前に底部を閉じることで津波到達による実際時間を短縮できれば新鮮な空気を確保でき問題とならない。浸水の重さや体重が下方向に作用するので、浮遊体内の上下の姿勢が安定する。水没すれば大きな浮力が働き、浮上すれば底面下の水が下から体重を押し上げてくれるので面体には荷重負担が少ない。開口部を閉じるので水中で回転しても人は落下せず、空気も放出されず、回転の勢いを利用して元の上下の姿勢にいち早く復元できる。体重や中の姿勢を保つ付属の取手位置も重要で、後加工で上部に穴を開けたり剥がれたりすると致命傷となるので、リブ補強をしそこに穴あけする方が無難で、安全にはなるべく側面下部または底面に設ける方が望ましい。ただ前傾姿勢がつらいのでやはり上か横につけることになるかも。側面下部に小穴をあけておくと浸水し、浮遊体が回転するのを抑止する翼の働きをする。着脱部の底部を小穴高さより高くすると少しでも濡れなくて済む。下部におもりを付けると上下の姿勢がさらに安定する。建物の上層階の人は下層階の人より浮遊体内の津波の水圧負荷が少ない。かつ津波の到着が遅く、早く引けるため水中時間が当然に短く必要空気量は少なくて済む。堅固な建物の室内では壁が一次的に漂流物衝撃防止として利用できる。窓を突破した激流は反対側の窓を突破し激流の道をつくる。そうなると逆に、窓際の壁と仕切り壁との片隅や3面を壁に囲われた狭い物置、浴室、トイレ、押し入れなどは回流程度で漂流物の直接衝突を避けるのに有効に働く。浮遊体には上に空気が溜まる。たとえ10m高さの津波がきても空気は圧縮されて上に残っている。理論的には、ボイルの法則から空気体積は1/2となるが必要酸素は確保できている。ただ、水中の1m3の空気に対しては、1トンほどの大きな浮力が掛かる。このため容易に水流に乗り室外に流されてしまう。浮き上がりを防止するには、およそ1トンの乗用車1台の重さで抵抗しなければならない。それほどに浮力は大きい。ところが、床にアンカーなどで固定して1トン相当を引っ張るとすれば、床への強力なアンカー打ち込み時のひびわれや浮遊体の取り付け部に過大な力が集中する。そこで、強度の大きいコンクリート壁の天井で浮力を受け止めるとすれば、それ以上に上昇せず特別なおもりは必要ない。しかし、津波来襲時、引き潮時の水流で室外に持っていかれると危険となるので、移動を制限する長さ、室外までの長さのロープで結んでおくなど対策を講じれば安心。この場合のロープにかかる力は、浮遊体が天井に留まっている場合は強い力で密着しているので、横移動する心配はなく、浮遊している場合は人の体重程度の60kg程度の引っ張り力で手繰り寄せることもでき、この程度の張力は床のアンカーや建具金具へのロープ結束などで容易に確保できでるので流出することはないといえる。室内設置で、空気量を多く確保するために天井高さまでの長い縦長の浮遊体とすると水流の横揺らぎと浮力で不安定となるので、浮遊体の高さは浮遊体の天端部の幅より短くする方が無難だ。折りたたみ式の浮遊体を開く場合に、浮遊体の空間に多くの空気を入れるためには、しぼんだままでは空気量が少なく、できるだけ拡張する必要がある。手だけではその拡張が困難で例えば天端には板状のプレート、それを持ち上げ支える立て棒、折りたたみ傘を開く骨組みなどの補助材があった方が心強い。特に携帯式では組み立ての骨組が必要である。それは、折りたたみ材に含んで内蔵するか、もしくは別途の携行とし、浮遊体の中で開く方が早いかも知れない。携帯の圧縮ガスボンベ、スクーバ・タンクを携行すれば中から拡張するのに役立つ。むしろ、骨組み材を中空としそこに空気注入して開くことも考えられる。天井吊りの場合や列車の備品の場合も蛇腹、提灯のような折りたたみ式などで収納するとさらにスペースを取らない。着脱式とすれば、身体障碍者、車いす利用者向きともなり、そこに日常の雑物を収納できる。テーパーを付ければ家族分を積み重ねておくことができスペースを取らない。建物の広い部屋、屋上、屋外など激流が予想される場所では、浮遊体であるため激流とその漂流物を受け流す効果があるが、さらに津波避難用浮遊体の側面全周に垂れ幕で囲むと、その囲んだ水体積の弾力性、反発で激流、水流の向きを変えるとともに、漂流物の衝撃を緩和、窓ガラスなどの鋭利な破片の直撃を回避することができる。漂流物衝突防止のためにコンクリートブロックで周囲を囲むことも考えられる。そして、津波避難用浮遊体の内部に、外殻破損時の安全のために上に凸、下に開口の空気保持形成体を壁に離隔して内蔵しておけばさらに安心。浮遊体の天端と浮上したときに上となる底部にSOSと夜光塗料で描いておけば、洋上に漂流してもヘリコプターで発見しやすい。底部の面材の一部を半透明、透明とすれば外部の様子が分かり落ち着くことができる。浮輪、懐中電灯、スクーバ・タンク、ロープ、回して合図を送るための白いタオル、ホース、ヘルメットなど中に必要に応じて用意しておけば何かと備えとなる。
図1の浮遊体で一辺1m、容量1m3の立方体とし、底部材を50cmの円の開口とし、面材の防水シートを張り開閉はファスナーによるとし、浸水を許す非密閉構造の部分はファスナー部で、上部の凸部に穴がないので生存必要空気量は保持される。図1、図2ともに浸水時に底面に浮力が掛かるので、下方向の体重を支えるための特別な強度の心配はない。例えば、薄いシート底の浮き輪でも浮力で押し上げられ破れないのと同じ。この時体重100kgとしても浮力が1t、すなわち差し引き900kgの上向きの力と内圧がバランスする。円周はπ*50cm≒150cmで、大きなウエストの人でも入口から入ることができる。開閉はファスナー、ジッパー、チャック、スライド式、ボタン、紐通し、蓋式と多種多様だ。堅固な建物の部屋内の窓際の壁の片隅に設置すれば、水没、浸水時に天井まで浮上し、天井に張り付いて留まる。天井または床にロープで結束すれば来襲時や引き潮時に室外へもって行かれる流出の恐れを阻止できる。堅固な建物の物置、トイレ、浴室、押入れなど3面が壁の狭い部屋に設置すれば、漂流物の直接衝突を避けることができ、かつ流出も阻止できる。なるべく壁沿いとすることで壁による拘束、浮上ガイドを利用することができ、水中での空気保有部の揺れ、形状の乱れが安定する。底部材、面材があっても壁沿いとならず離隔が大きい場合は、浮遊体が水流の浮力で、横上に傾き、崩れようとし、ファスナー部から空気量が逸失する可能性がある。その場合のためにも浮遊体の高さは天端部の幅以下とすることが望ましい。もしくは下に錘、アンカーで引っ張り、形状の乱れ、浮上を制限させる必要がある。避難者は底部に体重がかかるように姿勢を保たなければならない。そのためにもシートベルトや取手、手すりが役立つ。避難者が背面にもたれ掛かると浮遊体は傾き開口部のファスナー部から空気が逃げるので注意が必要で、そのためにも内部の取手は大事だ。取手は天端を補強したリブに取り付ける。水中では、尻が片隅に偏より重くなると底部の開閉部が少し上に傾き空気が逃げやすくなる。木造の家屋内では、家屋とともに流されるが生存必要空気量は保持されている。木造家屋がバラバラになって水中に放り出されても、底部の面材を閉じているので、人は逸脱せず、漂流物の直撃から保護され、天地が逆転しても浸水の重量、体重移動、回転の勢いを利用してすぐ元の上下に復元できるので空気は保持される。
図2の浮遊体で一辺1mの立方体とし、側面部材の下部と、入口を設けない底部材との間に全周の水平方向のファスナーを設けた着脱式の浮遊体で、底部材を強化プラスチックの面材を敷き、開閉部は全周に及ぶファスナーによるとした浮遊体で浸水を許す非密閉構造の部分はファスナー部。開閉式のファスナー部さらには図4の側面下部の小穴が浸水を許す開口部分となるので、底部の人が避難するための入口の開口穴は必要でなくなる。底部材は立方体の他の部位と同じ材質もしくは防水シートでもよい。図4、図6のファスナーの開閉は内外側両用。主に車いす利用者のための避難用。外側からは介護者が行う。介護者が同乗する場合は、ファスナーは内側から閉める。2人用は、2m3≒1.3*1.3*1.3mが基本寸法。堅固な建物の物置で天井が有効利用できる場合は、2m3≒1.5*1.5*高さ0.9mとか1.0m*2.0m*高さ1.0mのように物置の寸法にあわせるとともに、上面を幅広とした方が天井で安定する。平時は天井から吊しておけば収納スペースの支障とならない。津波時には床まで引き下ろし、ファスナーを開け、車いす利用者を底部材に載せ上部をかぶせファスナーを閉じ浸水、浮上まで待つ。浸水後、水中となれば天井まで浮上して安定する。下のロープは室内のどこかに結束しておきたい。側面下部に意図的に小穴を開けておくと、逆に上下姿勢のバランスは安定する。そこまで浸水し、空気量が減るのでその分、容積を大きくする。ただし、水中で半回転したとき、下となった天端側に水がたまり、その重みが働き、底部が上となり空気が抜けるので、いち早く底部に水となるように体勢を復元しなければならない。底部を嵩上げするとその分、濡れづらくなる。ただし、図5の底部が浮いた状態では浸水までの待機中に人の荷重が全体にかかるので、床で支える補強リブが必要。下部の張り出し部は回転抑止の翼となり上下姿勢のバランスは安定する。物置部屋の入口ドアが漂流物の直撃を一次的に避けてくれる。天井から垂れ幕を下ろすと囲った水体積が弾力性、反発性の効果から漂流物をはじいてくれる。天井がそれ以上の浮上を阻止してくれる。3面の壁で囲われて浮力で真っ直ぐ浮上するため、回転による空気の逸失の心配がない。図7の堅固な建物の物置の天井に、蛇腹の折りたたみ式の浮遊体をセットする例では、天井からの収納吊りロープと、浮遊体の下につけたロープを床まで引っ張る。かつ、ロープは壁のどこかに結束すると流出防止となる。天井の蛇腹の折りたたみ式は平時のスペースを取らない。浸水時に天井まで急上昇すると浮遊体の上面全体で浮力を受ける前に浮遊体の側面部材に大きな圧縮力が掛かることが考えられるので、蛇腹の折りたたみ式はクッションの役割を兼ねて有効な構成といえる。
図8の浮遊体は長方体とし、病院ベッド患者を横にして収容したあと開口部を閉じ、開口部を下とし閉じ、ベッドの柵等にフック付きロープで連結、結束する。浸水時には横に寝た状態で浮上するので患者の体力的負担は最小となる。患者の体重が軽ければ2人の看護師で迅速に収容でき看護師の時間との闘いの緊迫が軽減できる。浸水時には天井まで浮上する。天井が大きな浮力を受け止めるストッパーといえる。さらに、回遊しないよう天井高さまでに少し余裕を持たせたロープで、ベッドの脚を床等に結束すれば室外への流出を阻止できる。平時はベッドの下や横に収納すればスペースを取らない。激流、漂流物の直接衝突を避けるため、ベッド自身がクッションとなるといえるが、窓のある壁沿いの片隅、窓の下の壁の下に隠れるように、あるいは天井に吊るした垂れ幕に隠れるよう移動することが望ましい。ただし、ロープの結束による流出防止は必要。一つの避難体に2人収容となることもやむを得ない措置となる場合がある。時間が迫れば救出作業中の看護師もその中に避難できることが何より安心だ。
図9で、浮遊体の側面の中間を折りたたみ式とする。aとb の中間とcとdの中間をくっ付けるように折りたたむ。あらかじめ折り目が必要。天端面は上か下のいずれかに折れる。かさばらないためには上に折り、きれいに正方形内に収まるためには下に折る折り目をいれる。日常は壁沿いに折りたたんで立てかけておけばスペースを取らない。物置部屋に収納も可能。底部を着脱式とすれば折りたたみが楽になる。
図10で、同様に浮遊体の側面の境界を折りたたみ式とし、aとcを離し、bとdをくっ付ける。天端の面材はaとc方向に2/√2=1.414倍伸び、bとd方向はゼロに縮む。したがって、少なくとも一方向には1.414mの長さである必要があるので、当初から上に膨らませるか下に引込ませるかすることになる。あらかじめ折り目が必要。日常は壁沿いに折りたたんで立てかけておけばスペースを取らない。物置部屋に収納も可能。底部を着脱式とすれば折りたたみが楽になる。
図11で、浮遊体の天端面を中心に保ち4側面を重ね折りする折りたたみ式とする。最もかさ張らない。底部のaを天端のhに向かって側面を45度方向の谷折りとし、底部のhが天端中心のiに重なるように倒し、同様に4隅をたためばダンボール箱をたたむよう折りたためる。あらかじめ折り目が必要。底部を着脱式とすれば折りたたみが楽になる。
図2で、浮遊体の底部を着脱式とすれば、車いすの誘導がスムーズとなる。津波到着時間が余裕ある地域では着脱式とすることで、平時はその中に座布団、衣類、書物、雑具を収納でき、物置部屋に横にして雑物も整理収納でき、生活スペースの負担とならない工夫ができる。図12で、側面に斜めのテーパーを付けると家族人数分の重ね置きでスペースが節約できる。
4面を漂流物防護の壁とし、その内部に柔な袋状の浮遊体を収納して、4面を開くときに袋も同時に開く組み合わせの複合体とすれば装着時間も短く、衝突にも強く自在に折りたたんで収納できる両者の特徴を生かせる。底部を着脱式とすれば折りたたみが楽になる。
図13で、浮遊体の下部周りに錘を配置する。錘を付ければ浸水した水位が上昇するものの上下の姿勢がより安定する。
図14,図15で、列車、バス、自家用車の移動体用に浮遊体を蛇腹、提灯の折りたたみ式の収納備品とする。蛇腹を縮めるようにたたむと円状に、あるいは提灯のようにたたむと同心円状になる。蛇腹は円の形状が保持されるので開きやすい。一方、提灯は平らとなりかさ張らないといえる。いずれも円形の骨組材が必要。バス、列車などの移動体では常時備品として多人数分を携行、整列収納できるので公共としての責任を果たせる。自家用車のトランクに常時備品とすれば業務中も、レジャー中も安心。
図16で、携帯式とした浮遊体でシート材を折りたたむ。一辺1mの立方体を一辺25cm角に折ると、バッグに入れて外出時の持ち歩きや屋外作業中の携行に便利。山折り、谷折りを繰り返す。空気量を確保するだけの容量の形状を形成するためには骨組み材を折れ線位置で双方に伸縮する、すなわち折りたたむ時は縮小、または取り外し、広げる時は伸ばす、または取り付ける必要がある。あるいは骨組み材を別途とし、折りたたみ傘の骨のように折りたたみ、組み立てとする。そこで、骨組み部を中空の折りたたみとし、携帯の圧縮ガスボンベで中空部に空気を送り膨らませると容易に空気体積を持って開く。紙風船のように、メロンを切ったように折りたたんだ浮遊体では、空気をふくらませて保持して開くのに苦労する。圧縮ガスボンベを利用すれば容易に空気体積を持って開く。
図17、図18の堅固な建物の教室などの広い天井で、教室の壁を利用して激流、水流の直撃を回避できる部屋の天井まで浮上する幅広の上に凸、下に開口の天井吊り下げの例の浮遊体では、5m*10m*高さ1mで空気体積が50m3で一教室生徒分は十分に避難確保できる。天井から降ろし下から入るとき、底部を床からそれだけ浮かせるので、底部にかかる人荷重を支える補強リブ、または机面など並べて浮上まで底部を支える必要がある。側面下部の横から入るとすれば底部を床に置き、浮かせる必要がないため避難しやすく、その場合は入口40cmの開閉式の面材とすれば、穴の高さ分だけ浮遊体高さが高くなり、1.4mを必要とする。天井から浮遊体の側面に垂れ幕を設置し、窓を突き破ってきた激流、水流の向きを変えるとともに、その囲んだ水体積の弾力性、反発で漂流物の衝撃を緩和、直撃を回避する。あわせて破れた窓ガラス片から回避できる。天端に取手を付けたバンドを吊り下げておくと役に立つ。内部には、外殻破損時の安全のために上に凸、下が開口の空気保持形成体を内蔵すれば安心。
図19で、堅固だが低い3階建ての建物の屋上のコンクリート床にロープで結束した浮遊体では、入口は嵩上げしている。入口には足場を用意する。中にすのこを敷けば少しは濡れなくて済む。嵩上げで底部を床からそれだけ高くしているので、浮上の時間までの底部にかかる人荷重を支える底部強度、補強リブ、または下からの仮台で底部を支える検討が必要。住民合意で3階屋上床にアンカーが取れれば簡単。ロープで床の上のコンクリート塊の高台と結べば、仮台、嵩上げが必要でなくなる。浮遊体であるため直接衝突の衝撃はある程度緩和されるが、浮遊体の側面に垂れ幕を設置し、激流、水流の向きを変えるとともに、その囲んだ水体積の弾力性、反発で漂流物の衝撃を緩和、直撃を回避することができる。漂流物衝突防止のためにコンクリートブロックで周囲を囲むことも考えられる。天端に取手を付けたバンドを吊り下げておくと役に立つ。内部には、外殻破損時の安全のために上に凸、下が開口の空気保持形成体を離隔して内蔵すれば安心。
図20で、屋外の浮遊体で、地面のコンクリート塊、錘、杭のアンカーに、ロープに結束し、津波で水没しても水面までに浮上させず水中で浮遊する範囲を制限する。海岸線に向かって流線形の浮遊体とすれば漂流物の直撃を受け流し、かわしやすい。底部は避難入口のために、また泥土がたまり出入口がふさがれないためにも嵩上げする。入口下に足場があれば避難しやすい。嵩上げで底部を床からそれだけ高くしているので、浮上の時間までの底部にかかる人荷重を支える床強度、補強リブ、または下からの仮台の支えで底部を支える検討が必要。すのこを敷けば少しは濡れなくて済む。ロープでコンクリート塊の高台と結べば、仮台、嵩上げが必要でなくなる。浮遊体であるため直接衝突の衝撃はある程度緩和されるが、浮遊体の側面に垂れ幕を設置し、激流、水流の向きを変えるとともに、その囲んだ水体積の弾力性、反発で漂流物の衝撃を緩和、直撃を回避することができる。漂流物衝突防止のためにコンクリートブロックで周囲を囲むことも考えられる。天端に取手を付けたバンドを吊り下げておくと役に立つ。内部には、外殻破損時の安全のために上に凸、下が開口の空気保持形成体を離隔して内蔵すれば安心。
連動地震による大津波が数分で来襲すると想定される東南海沿岸地域においては、防潮堤など長期対策を待っている猶予はない。明日かもしれない来襲で、個人で我が身を守る危機感が必要だ。身近に安価で設置でき、簡単、迅速に避難できる。本発明はあらゆる人、あらゆる場面で対応できるため、沿岸人口分の大需要があるといえる。津波のほかに、高潮、洪水、竜巻など幅広い対策となり国土強靱化、地域防災対策との重ね合わせで、不安な生活から一変、より安全安心で平穏な日常生活、社会生活が可能となる。
1下部の開口に開閉式の面材を施した津波避難用浮遊体
2開閉式とした底部の面材
3開閉部のファスナーなど
4避難者
5取手
6補強リブ
7浸水
8水中、水没中
9車いす利用者
10ストッパー
11側面下部の小穴
12着脱部
13底上げした底部
14堅固な建物の物置部屋の天井
15堅固な建物の物置部屋の3面の壁の1面
16堅固な建物の物置部屋前の廊下
17堅固な建物の物置部屋のドア
18天井から吊るす収納ロープ
19引き下す底部のロープ
20蛇腹の折りたたみ式の津波避難用浮遊体
21天井から下した津波避難用浮遊体側面を囲む垂れ幕
22垂れ幕の立体形状保持の骨組み材
23ベッド患者
24シートの掛かったベッド
25棚に引っ掛けたフック付きロープ
26ベッドの脚と床に結束した流出防止ロープ
30折りたたみ式とした津波避難用浮遊体
a〜i折りたたみ式の津波避難用浮遊体の角、辺、中心の要点
→ 矢印が折りたたむ力の方向
31点線が折り返し線
32テーパー部
33蛇腹の折りたたみ
34提灯のような折りたたみ
35側面下部に巻いた錘
36実線が山折り
37点線が谷折り
40堅固な建物の教室
41津波避難用浮遊体に内部に離隔して設置する空気保持形成体
42破れた窓のガラス片
→ 矢印は津波の激流、水流の方向
43嵩上げ部
44堅固な建物の屋上の床
45床、コンクリート塊と連結するロープ
46階段
47地面、地盤
48コンクリート塊
また、本発明の空気保持形成体は、耐破損性、防水性、および気密性に優れた上に凸、下に開口を有する袋状の形成体で、内部に人が避難し、水中では下部の開口部から浸水を許し、上部に生存必要空気量を保持するとし、開口部に開閉式の面材を施した津波避難用浮遊体の内部に離隔して用いることを特徴とする。
このような課題を解決するために、本発明の下部の開口部に開閉部を有する袋状の形成体である津波避難用浮遊体は、大きな津波来襲時に耐破損性、防水性、および気密性に優れた上に凸、下に開口を有する袋状の形成体で、生存必要空気量を確保し、その開口部に開閉部によって開閉可能な開閉式の面材を施し、内部に人が避難し、水中では開口部の開閉部が閉じた状態でも開閉部から浸水を許すものの上部の空気で浮上し、開口部の開閉部を閉じることで漂流物の直撃から体を保護し、流転で上下に回転しても内部の人の体重移動、反動で上下の体勢を復元でき、人や生存必要空気量の逸失を防止することを特徴とする。本発明でいうロープとは、ロープ、ベルト、鎖、紐、帯または部材の長さのあるもので結束、連結、吊るし、または引っ張るために使うものをいう。
また、本発明の津波避難用浮遊体または津波避難用浮遊体を有する部屋構造は、前記津波避難用浮遊体自体の上部から張り出して、または部屋の天井から津波避難用浮遊体と離れて、側面に垂れ幕を設けることで、激流、水流の方向を変え、漂流物の直撃から保護することを特徴とする。
また、前記津波避難用浮遊体の開口部の底全体の面材、または底の一部を構成する面材の全周を開閉する着脱式としたことを特徴とする。
また、前記津波避難用浮遊体の内部に取手、手すり、吊りベルト、またはシートベルトを設けたことを特徴とする。
また、本発明の空気保持形成体は、耐破損性、防水性、および気密性に優れた上に凸、下に開口を有する袋状の形成体で、内部に人が避難し、水中では下部のその開口部から浸水を許し、上部に生存必要空気量を保持するとし、開閉式の面材を施した開口部を有する津波避難用浮遊体の内部に離隔して用いることを特徴とする。