JP2015150491A - 焼却灰の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄物最終処分場の周辺環境に配慮しつつ、ごみ焼却灰の効率的な埋設により、廃棄物最終処分場における埋設寿命延命化を実現する。【解決手段】ごみ焼却施設から排出される焼却灰に対し層状ケイ酸塩鉱物の混合を行って焼却灰混合物を得る混合工程と、前記焼却灰混合物を圧縮成型して成型体を得る圧縮成型工程とを有する、焼却灰の処理方法。【選択図】なし

Description

本発明は、焼却灰の処理方法に関し、特に廃棄物最終処分場における埋設寿命を延命化する焼却灰の処理方法に関する。
一般廃棄物及び産業廃棄物の焼却灰は廃棄物最終処分場にて埋設される。この埋設される焼却灰に関していくつか提案されている。例えば特許文献1には、一度埋設されたごみ焼却灰を掘り起こして溶融し固化して減容化する技術が記載されている。また、特許文献2には、ごみ焼却施設から排出される焼却灰を撥水剤にて被覆し、減容化した焼却灰の固化体の崩壊防止することが記載されている。特許文献3には、焼却灰に対して水を加えて昆錬し、非加熱下で圧力100〜500kg/cmで1秒〜30分程度加圧する焼却灰の固化方法が記載されている。
近年、廃棄物最終処分場における最終処分量は、ごみの分別やリサイクルの普及などにより減少傾向にある。しかし、一方で、環境に配慮した規制の強化や住民の反発などから廃棄物最終処分場の新設が困難になってきている。具体的には、平成9年当時の新規許可施設数が129件であったのに対し、近年は2桁台の件数で推移し平成22年には24件と大幅に抑制されている。また、平成23年3月31日現在、最終処分場の残余年数は特に首都圏で4.0年、近畿圏で14.0年と試算され依然として厳しい状況にある。
さらに、東日本大震災に伴う原子力発電所の事故によって、放射性セシウム等の放射性物質を含んだ汚染焼却灰・汚染下水焼却灰が、処理できず焼却施設内に保管されたままになっている。この汚染焼却灰等のうち、事故由来放射性物質の放射能濃度が一定濃度(1キログラムあたり8,000ベクレル)以下のものに関して、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則(平成23年環境省令第33号)」(以下、単に規則という)は、廃棄物最終処分場に埋設される特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物と定め、その埋設方法を特別に規定している。
具体的には、規則第29条第3号及び第31条第3号にて、おおむね50センチメートル以上の土壌層(下部土壌層)を敷設し、その上に前記汚染焼却灰を埋設すると定められている。さらに同規則では、前記汚染焼却灰の一層の厚さはおおむね3メートル以下と制限され、一層ごとにその表面を土壌でおおむね50センチメートル覆いながら(中間覆度)層状に埋め立てると定められている。この土壌層としては、仮に事故由来放射性物質が溶出しても吸着可能な性質を有し、浸出水を滞留させない適切な透水性を有する土壌を選択することが望ましいとされている。また、埋め立て作業の終了時には最上面を不透水層で覆わなければならない。
このように前記規則は、土壌層を設けることで、放射性物質の漏出を抑えるフェールセーフ機能を最終処分場に設けることを定めている。
特開平10−192815号公報 特開平10−337548号公報 特開平5−57267号公報
前述のとおり廃棄物最終処分場は新設が難しく、既存施設をできるだけ長く使用できるよう延命化が急務となっている。特に、放射性物質を含む特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物の埋設が行われると土壌層による嵩増しが生じ、廃棄物最終処分場の短命化につながりかねない。また、このような焼却灰は、周囲の環境の安全確保の観点から、フレキシブルコンテナバッグに詰められた状態で保管されることがある。この場合、自重などで円柱状になっていることが多く保管効率が悪い。
これに対し、特許文献1に記載の延命化方法は、一度埋めた焼却灰を掘り起こして溶融や焼結により減容化するもので、将来発生する焼却灰の埋設技術ではない。また最終処分場の周辺環境に配慮した埋設技術でなく、放射性物質を含む焼却灰の最終処分を想定するものではない。特に特許文献1の技術では、溶融・焼却処理により放射性物質が焼却灰の質量に対して高濃度化しかねない。また溶融・焼却設備の設置によるイニシャルコストが高い。一方、特許文献3の焼却灰の固化方法では、加水と加圧のみで固化しているため埋設の後の「潮解」などの問題が残り、放射性物質等の周辺汚染への対応としては十分ではない。
本発明は、上記の点に鑑み、廃棄物最終処分場の周辺環境に配慮しつつ、ごみ焼却灰の効率的な埋設により、廃棄物最終処分場における埋設寿命延命化を実現することを課題とする。
本発明の課題は以下の手段により達成された。
(1)ごみ焼却施設から排出される焼却灰に対し層状ケイ酸塩鉱物の混合を行って焼却灰混合物を得る混合工程と、前記焼却灰混合物を圧縮成型して成型体を得る圧縮成型工程とを有する、焼却灰の処理方法。
(2)前記焼却灰は主灰と飛灰とを有する、前記(1)に記載の焼却灰の処理方法。
(3)前記混合工程で得られる焼却灰混合物の含水率が1%以上30%以下である前記(1)又は(2)に記載の焼却灰の処理方法。
(4)前記混合工程における層状ケイ酸塩鉱物の混合率が5%以上30%以下である前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
(5)前記圧縮成型工程にける焼却灰混合物の体積減容率が、圧縮前の焼却灰に対して30%以上である前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
(6)前記層状ケイ酸塩鉱物がベントナイトである前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
(7)前記圧縮成型工程において、垂直方向に加圧できるガイド機構を備えた圧縮成型機を用いて圧縮する、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
(8)前記圧縮成型工程において前記焼却灰混合物を四角柱に成型する、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
(9)前記圧縮成型工程において、圧縮用の成型容器、型抜き用の台座及び押出し用容器を用いて成型体を得る、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
(10)前記成型容器が側面底部に溝部を有する前記(9)に記載の焼却灰の処理方法。
(11)前記成型容器の前記溝部に底上げ部材を差し込んで成型体を得る、前記(10)に記載の焼却灰の処理方法。
(12)さらに前記成型体を廃棄物最終処分場に埋設する工程を有する前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
(13)前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法に用いられる、ガイド機構を備えた圧縮成型機。
(14)前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法に用いられる、圧縮用の成型容器、型抜き用の台座及び押出し用容器。
(15)側面底部に溝部を有する前記(14)に記載の成型容器。
(16)前記溝部に底上げ部材を差し込んで用いられる前記(14)に記載の成型容器。
(17)前記(16)に記載の成型容器を用いて圧縮成型された、凹状溝を有する成型体。
本発明の焼却灰の処理方法によれば、ごみ焼却施設から排出される焼却灰を減容化し、かつ、効率的に保管・埋設でき、廃棄物最終処分場における埋設寿命を延命化することができる。また、本発明の焼却灰の処理方法によれば、前述した特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物に対するフェールセーフ機能を損なわずに効率的な埋設を実現することができる。さらに、本発明の焼却灰の処理方法によれば、埋設する焼却灰そのものに遮水機能を持たせて、該焼却灰に含まれる雨水や溶出液の移動を抑制することができる。
なお、前記「埋設」とは一般・産業廃棄物最終処分場の廃棄場所に埋め立てることであり、前記「保管」とは処分場内および外部の一時保管場所に仮置きすることである。例えば豪雪地帯などでは冬場は埋設できないため焼却灰を一時仮置きされることがある。また放射性物質を含む特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物は、処分場所が決まるまで一時仮置きされることがある。
圧縮成型機の好ましい一実施態様を模式的に示す図であり、(A)は加圧部を稼働させる前の状態を示す図であり、(B)は加圧部を稼働させて垂直加圧する様子を示す図である。 (A)は圧縮成型機の別の好ましい一実施態様を模式的に示す図であり、(B)は(A)の圧縮成型機に焼却灰混合物を詰めた成型容器を置いて加圧する様子を示す図である。 図2の圧縮成型機に用いられるブレーカーを模式的に示した説明図であり、(A)は従来のものを示す図であり、(a)はその先端部分を示した図であり、(B)は本発明の焼却灰の処理方法に好ましい一実施形態を示す図であり、(b)はその先端部分を示す図である。 (A)は図2の圧縮成型機を用いた焼却灰混合物の圧縮成型に用いられる中敷き部を示す図であり、(B)はその上面(ブレーカーと接する面)の好ましい一実施形態を模式的に示す図である。 (A)は図2の圧縮成型機の別の好ましい実施態様を模式的に示す図であり、(B)は(A)の圧縮成型機に焼却灰混合物を投入した成型容器を置いて加圧する様子を示す図である。 本発明の焼却灰の処理方法に用いられる容器の好ましい一実施態様を示す図である。 (A)〜(D)は、図6の容器を用いた成型体の取り出し方法を示すフロー図である。 本発明の焼却灰の処理方法に用いられる成型容器の別の好ましい実施態様を示す斜視図である。 図8の成型容器の側面底部を拡大して示す図である。 図8の成型容器の内側を示す図である。 図8の成型容器を用いて得られた成型体の形状を模式的に示した図である。 (A)は従来のフレキシブルコンテナバッグの配置平面図であり、(B)は本発明により得られた成型体の配置平面図である。
本発明の焼却灰の処理方法の好ましい実施の態様について以下に説明する。
本実施形態の焼却灰の処理方法では、ごみ焼却施設から排出される焼却灰に対し層状ケイ酸塩鉱物の混合と加水とを行い焼却灰混合物を得る混合工程A1と、前記焼却灰混合物を圧縮成型して成型体を得る圧縮成型工程A2とを有する。前記「焼却灰」とは、一般廃棄物及び産業廃棄物を焼却した後の燃え殻からなる主灰と、焼却時に排ガス出口の集塵装置で集めたばいじんやボイラーなどに付いて払い落されたばいじんからなる飛灰とを含む。本実施形態の焼却灰の処理方法で得られる各成型体としては、主灰と飛灰とを任意の比率で含有されたものであってもよく、主灰と飛灰とで別々のものとしてもよい。
混合工程A1で得られた焼却灰混合物の含水率は、圧縮成型工程A2で好適に締め固められるよう、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。水が少なすぎると減容率・強度・成型性悪化原因となり、多すぎると成型性・強度を維持出来なくなるとなる。そのため前記含水率となるよう、混合工程A1において必要により加水又は乾燥を行うことが好ましい。
(焼却灰混合物の含水率の測定方法)
まず、混合工程A1に用いられる焼却灰(原灰)の含水率を、加熱乾燥式水分計を用いて測定する。次いで、測定された焼却灰の含水率を基に、混合工程A1で得られる焼却灰混合物の含水率を算出する。
また、混合される層状ケイ酸塩鉱物としては、焼却灰間の粘結に作用し、また、その層間に重金属や放射性物質などの有害物質を取り込むことができる機能を有するものである。具体的には、ベントナイトや酸性白土等が代表的なものであり、特にベントナイトが好ましい。その混合率は、焼却灰100質量%に対して、5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。混合量が少なすぎると重金属や放射性物質などの吸着能低下および成型性悪化原因となり、多すぎると層状ケイ酸塩鉱物自体の水膨潤で後述する「成型強度」を損ないかねず、安定性・強度・減容率悪化原因となる。
ここで用いるベントナイトとしては、ナトリウム型ベントナイトでも活性化ベントナイト及びカルシウム型ベントナイトでもよいが、その機能を発揮するモンモリロナイト含有量は、45質量%以上あることが好ましく、より好ましくは55質量%以上である。
焼却灰混合物に含まれる水及び層状ケイ酸塩鉱物は、焼却灰に対するバインダーとして作用し、焼却灰同士を引き寄せつなぎとめることができる。特に層状ケイ酸塩鉱物は水分を含むことで粘結性を発現し、焼却灰同士を安定的に繋ぎとめる。これにより、混合工程A1を経て得られた焼却灰混合物は、次の圧縮成型工程A2での締め固めが強固なものとなる。その結果、焼却灰を単に圧縮した場合に比べて「成型性」が高まり、圧縮成型工程A2により得られる成型体の「成型強度」及び「安定性」が優れたものとなる。
ここでいう「成型強度」とは成型後の「移動」等の際の「崩壊」の問題を解決した状態である。例えば、成型後に埋設場所までの移動の際や埋め立ての際などに圧縮成型体の欠けやひび割れが生じない程の強度を備えることをいう。「安定性」とは、成型後の「戻り」「潮解」の問題を解決した状態をいう。「戻り」の問題とは、焼却灰が圧縮成型された状態から圧縮成型前の状態に近づくことをいう。この「戻りの問題を解決する」とは成型体の形状が維持されることをいい、たとえ「戻り」が生じても減容率30%以上が保持されることをいう。また、「潮解」の問題とは、焼却灰が周囲の大気及び埋設場所における土中の水分を吸収し、飽和状態になり、膨張、水流出、われを生じることをいう。この「潮解の問題を解決する」とは成型体の、膨張、水流出、われを生じないで形状が維持されること、又はこれらの現象の発現が遅延されることをいう。
さらに、ベントナイト等の層状ケイ酸塩鉱物が重金属や放射性物質の有害物質を吸着して外部への溶出を抑えることができる。すなわち、焼却灰が混合工程A1を経て処理されることで、優れた圧縮性による体積減容率の向上と、有害物質の溶出による環境汚染を抑えた安全性の高い成型体とすることができる。特に、飛灰に放射性物質が含まれていることがあり、この場合、飛灰に含まれている放射性物質が水に溶けやすい傾向にある。これに対して、混合工程A1で層状ケイ酸塩鉱物を混合することで、飛灰からの放射性物質の溶出を効果的に抑制することができる。
また、従来、主灰・飛灰の塩化セシウム等の放射性物質の溶出率の違いは、焼却灰に含まれる塩化カルシウム含有量に影響されていた。塩化カルシウムは、吸湿剤としても多く利用されており、空気中の水分を吸湿する効果がある。塩化カルシウムにより吸湿された水分に塩化セシウム等の放射性物質が溶け出し、高い溶出率の原因となっていた。特に飛灰は主灰よりも塩化カルシウムを多く含むことが多く、放射性物質の溶出が生じ易かった。そのため、層状ケイ酸塩鉱物による放射性物質の溶出抑制をより効果的に発揮させる観点から、塩化カルシウムの含有量の違いに対応した処理が好ましい。例えば、主灰は塩化カルシウム量が少ないため、ベントナイトやゼオライト等の層状ケイ酸塩鉱物を用い、溶出物の吸着を行う。一方、飛灰に対しては、例えば、ソーダ灰を添加し、塩化カルシウムを炭酸カルシウムに変化させる。このことで、層状ケイ酸塩鉱物による制御された吸湿を超える、塩化カルシウムによる吸湿量が軽減され「潮解」を防止または遅延させ、塩化セシウム等の放射性物質の溶出を効果的に抑制出来る。
また、焼却灰のうち飛灰は、軽く飛散やすく、主灰に比べてダイオキシン類などの重金属を多く含む傾向にある。そのため、廃棄物処理法に定める特別管理廃棄物として無害化処理を予め行っておくことが好ましい。例えば、飛灰は、焼却ホッパーに一旦集められ、焼却灰無害化装置で重金属安定化剤を添加する処置を予め施しておくことが好ましい。この重金属安定化剤としては、例えば、キレート剤などの油性の安定化剤であることが、重金属溶出防止の観点から好ましい。
油性のキレート剤を含む焼却灰に対して、前述の混合工程A1を行うと、層状ケイ酸塩鉱物が、重金属を安定化させるキレート剤と焼却灰のバインダーとなる水とを親和させやすい。これにより、焼却灰混合物を締め固めやすく体積減容率がさらに向上する。また、キレート剤とベントナイト等の層状ケイ酸塩鉱物とによって、焼却灰混合物を圧縮成型して得られる成型体は、有害物質の溶出をさらに抑えた安全性の高いものとすることができる。ただし、キレート剤は粘結剤として焼却灰を硬化させてしまう。そのためキレート剤のみでは、多く添加すると粒度の大きな塊が出来上がりむしろ減容率を阻害する。これに対し、ベントナイト等の層状ケイ酸塩鉱物を混合すると、その粘結性によって焼却灰全体が粘土状になる。これによりキレート剤の含有量を抑え、その後の成型圧縮工程A2で得られる成型体は、硬化した塊が出来にくく高減容率を達成し、外圧があっても一体性が崩壊し難い粘性を備えた成型強度を有するものとなる。
飛灰は、主灰に比べて表面の凹凸が少ないため、所定の含水率とした層状ケイ酸塩鉱物を混合した状態で、次の圧縮成型工程A2において主灰に比べて締め固め性が高い。一方、主灰は、その表面が金平糖のように凹凸があるものが多いため、次の圧縮成型工程A2において、飛灰に比べて締め固めが難しい。そのため、次の圧縮成型工程A2の前に、練り込み工程を加えることが好ましい。この練り込み工程は、混合工程A1の後でもよく、混合工程A1の前でもよいが、水と層状ケイ酸塩鉱物によるバインダー効果を焼却灰全体に均等に行きわたらせる観点から混合工程A1の後であることが好ましい。また、練り込み工程は、主灰のみに対して行ってもよく、主灰と飛灰とを混合した状態でおこなってもよい。
次に、圧縮成型工程A2では、混合工程A1で得た焼却灰混合物を圧縮成型する。具体的には、所定形状の容器に焼却灰混合物を投入し、該容器に対して上面から垂直に圧力をかけて圧縮する。その際の圧力は、一定の速度で加え続けるよりも繰り返し加える方が、得られる成型体は密度が高く体積減容率に優れたものとなるので好ましい。この一回あたりの圧力としては、0.25kg/cm以上20kg/cm以下であることが好ましく、0.25kg/cm以上10kg/cm以下であることがより好ましい。圧力が小さすぎると成型性・減容率低下の原因となり、圧力が大きすぎると成型容器の破損原因となる。焼却灰混合物がベントナイト等の層状ケイ酸塩鉱物を含むため、上記の圧力程度で圧縮強度と安定性の高い成型体を得ることができる。また加圧装置としても移動式の装置などでも対応できコンパクト化が図られる。
前記成型体は、焼却灰としては前述のとおり主灰及び飛灰のいずれをも基にして得られ、主灰及び飛灰の混合でもよく、主灰、飛灰それぞれで処理したものであってもよい。
また、成型体の形状としては、廃棄物最終処分場における保管・埋設効率の最大化の観点から、隣り合う成型体同士の側面が対面して無駄な空間を作らずに配置できる形状が好ましく、特に四角柱に成型することが好ましい。この形状により得られた成型体間の空隙率が低減される。
このように、圧縮成型工程A2を経て得られる成型体は、成型体自体の高い体積減容率と上記形状とによる効率的な配置とを実現する。
また、圧縮成型工程A2で得られる成型体は、前記の高密度化により、圧縮前の焼却灰混合物に対して体積が減容化する。この体積減容率は、下記の測定方法により得られる値であり、処理される前の焼却灰に対して30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましい。体積減容率が小さすぎると、保管・埋設効率が低下し、改善率が低下する原因となる。
さらに、前記体積減容率は、処理する前の焼却灰を単にフレキシブルコンテナバッグ詰めした状態での体積に対して15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、25%以上であることが更に好ましい。体積減容率が小さすぎると、保管・埋設効率が低下し、改善率が低下する原因となる。
(体積減容率の測定方法)
体積減容率(%)=圧縮成型体の体積(m)/原灰圧縮前体積(m
上記式において、「圧縮成型体の体積」は混合工程A1及び圧縮成型工程A2を経て得られた成型体の体積であり、「原灰圧縮前体積」は混合工程A1に投入される前の焼却灰そのものの体積である。両体積においける焼却灰量は同じ質量として算出する。
前記「圧縮成型体の体積」及び「原灰圧縮前体積」はそれぞれ、圧縮成型容器中の体積として測定できる。
前記工程を経て得られた成型体は、層状ケイ酸塩鉱物を含むことで、その粘結性により、水を吸収しても崩壊することなくむしろ「成型強度」が高く、耐圧性に優れる。また、成型体は、埋設される環境において水との接触があっても成型後の「戻り」「潮解」の問題が生じ難い「安定性」を備えている。
そのため、前記成型体は埋設地で「遮水層」を形成し「雨水・溶出液移動抑制」が期待される。すなわち、埋設地に地下水や雨水の浸入があっても、層状ケイ酸塩鉱物が成型体に入り込む雨水の透水を抑え、含有する有害物質の溶出を抑える。この遮水層としての機能は、成型体の形状維持性により安定的に持続する。これにより、成型体が含有する重金属や放射性物質の溶出が抑えられ、周辺環境の汚染を長期にわたり抑えて安定した埋設保管が可能となる。
また、本発明の焼却灰の処理方法では、圧縮成型工程A2の段階で、焼却灰の質量に対する放射性物質の濃度は高まらないので、特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物として適正に埋設処理することができる。濃度に変化が起こらないため、処理後の成型体は、処理前の管理基準で保管・埋設が可能となる。そのため、処理後の、追加管理コストの発生を抑制できる。
成型体の「成型強度」は、下記の測定方法により得られる結果であり、割れ・ヒビが無いこと好ましく、へこみが無いことが更に好ましい。「成型強度」が悪いと成型体移動時の崩壊原因となり、また成型体保管時の安定性が損なわれてしまう。
(成型体の成型強度の測定方法)
落下試験:100cmの高さから自由落下させ、成型体の形状変化(割れ・ヒビ・へこみ)を観察する。
圧縮成型工程A2において、焼却灰混合物の圧縮成型には、垂直方向に加圧できるガイド機構を備えた圧縮成型機を用いることが好ましい。
その好ましい一実施態様として、例えば、図1に示すような圧縮成型機10が挙げられる。この圧縮成型機10は、焼却灰混合物を投入する収納部11と収納部の上面から垂直に圧力を加える加圧部12とを有する。
加圧部12は、例えば、垂直可動部12Aとこれに接合された押し板部12Bとを有する。垂直可動部12Aには図示しない動力部が接続されている。該動力部の駆動により、垂直可動部12A及び押し板部12Bが、収納部11の内部空間に沿って上下に反復運動する。すなわち、収納部11の内壁部分が加圧部12のガイド機構となる。さらにこのガイド機構として、垂直加圧を確実なものとする観点から、収納部11の上部に、垂直可動部12Aの太さに合わせた貫通孔を有する蓋体(図示せず)を備えることが好ましい。
圧縮成型機10では、この反復する垂直加圧により、収納部11に投入された焼却灰混合物1が好適に厚み方向に均等に圧縮され、収納部11の内部形状に沿った成型体8が得られる。そのため、収納部11の内部形状及び内部空間の大きさは成型体の形状に合わせたものとすることが好ましく、例えば四角柱などが好ましい。なお、焼却灰混合物の収納部11への投入は、例えば、加圧部を取り除いた収納部の上部から行ったり、収納部11の側面に開閉扉(図示せず)を備えそこから行ったりしてもよい。
圧縮成型に用いる圧縮成型機の別の好ましい一実施態様としては、図2(A)に示すような重機アタッチメント圧縮成型機20(以下、単に圧縮成型機20という。)が挙げられる。圧縮成型機20は、バックホーなどの工作機械に取り付けて使用されるブレーカー21をボーリングマシン等の垂直可動装置22に取り付けたものである。
垂直可動装置22には、ブレーカー21を取り付ける取り付けヘッド23と、ブレーカー21を沿わせて上下方向に反復運動させる柱状の垂直ガイド機構24を有する。ブレーカー21の上下運動は、例えば、取り付けヘッド23に油圧シリンダーを備え、油圧シリンダーを動力として行われる。なお、ブレーカー21の上下運動の長さ、すなわち垂直ガイド機構24の高さは、図2(A)のものに限定されるものでなく任意に設定することができる。また、ブレーカー21の形状は、図2(A)では模式的に簡略化して示しており、これに限定されることなく、垂直可動装置22に取り付けて加圧できる形状を任意に採用できる。
圧縮成型機20では、垂直ガイド機構24に沿ったブレーカー21の上下運動により、焼却灰混合物1に対する垂直加圧を安定的に反復して行うことができる(図2(B)参照)。その際、成型容器31に投入された焼却灰混合物1の上面に中敷き部60を配しておくことが好ましい。これにより、ブレーカー21による垂直加圧の力が焼却灰混合物1の上面全体に波及させることができ、全体が均等に締め固められた成型強度の高い成型体を得ることができる。
従来、バックホーのアームにブレーカーを取り付けた状態では、角度が安定せず、前記アームの運動が正確な垂直運動になり難かった。そのため、ブレーカーの先端の爪が内側に入りやすく、圧力が逃げてしまって十分な垂直加圧が得られ難かった。上記の圧縮成型機20は、この点を解消して、安定した正確な垂直加圧を反復して行うことができる。
また、従来、ブレーカーの先端は鋭角な形状であった(図3(A)及び(a)参照)。しかし、この形状のままでは、圧力をかける際、接触面が暴れ、安定した加圧が難しい。そのため圧縮成型機20では、前記ブレーカーの鋭角部分を切り取り、先端部を柱状にしたものを用いることが好ましい(図3(B)及び(b)参照)。
さらに、圧縮成型機20において、前述した中敷き部60(図4(A)の上面(ブレーカー21と接する面)60Aに、ブレーカー21の接触位置ガイド機構を備えることが好ましい。例えば、図4(B)に示すような、円筒状の接触位置ガイド機構61が挙げられる。この接触位置ガイド機構61の数はブレーカー21の数に合わせて任意に設定でき、成型容器31の大きさに応じて、適正な圧縮成型がなされる位置に配置される。また、必要により接触位置ガイド機構61を中敷き部60に固定する支柱部62を設けることもできる。
位置ガイド機構61の貫通孔をブレーカーの先端が通ることで、ブレーカー21の先端部分と中敷き部60の上面60Aの接触位置が安定する。これにより、前述の垂直ガイド機構と相俟って、焼却灰混合物に対する安定した加圧がより確かなものとなる。
圧縮成型機20では、加圧をブレーカー21の重さに比例して高めることができる。そのため、垂直稼動装置22に複数のブレーカー21を並列に設置することで、圧力調整が可能な機構とすることができる。例えば、図5(A)及び(B)では、2機のブレーカーを取り付けたものとして示している。この態様において中敷き部60を使用する場合(図5(B)参照)、中敷き部60の接触ガイド機構61をブレーカー21の配置に合わせて設けることが好ましい。
圧縮成型機20では、図2に示すように、成型容器31の大きさに合わせて圧縮成型される焼却灰混合物の量を決めることができる。また、その際、前述のブレーカーの設置数により圧力を調節できる。このように圧縮成型機20は、焼却灰混合物の処理量及び加圧力の面において圧縮成型機10よりも自由度がある。そのため圧縮成型機20は、大量の焼却灰を処理するのに適している。
また、圧縮成型機20を用いる場合、図6に示すような、成型容器31、型抜き用の台座32及び押出し用容器33を用いることが好ましい。使用方法は次のとおりである。
まず、鉄板等の板状物の上に成型容器31を載せ焼却灰混合物を入れる。成型容器31の上部から圧縮成型機20で垂直に圧力を掛けて成型体8を得る。次いで、この成型体8の入った成型容器31(図7(A)参照)を型抜き台座32の上に載置し、さらにその上に押出し用容器33を載置する(図7(B)参照)。なお、成型容器31内の成型体は、ベントナイト等の層状ケイ酸塩鉱物を含み、上部からの圧力により圧縮され成型容器31内壁に密着した状態となるため、成型容器31の底部が無いまま移動させても成型体の落下は起らない。
成型容器31と型抜き容器32は同じ大きさとされている。すなわち、成型容器31及び型抜き容器32を図7(B)のように重ねても一方が他方に入り込まない大きさとされている。また、双方の容器の内部空間31A、33Aの大きさが同じであるということもできる。
台座32は、成型容器31及び押出し用容器33の内側に納まり、かつ、台座32の上面で成型体8の底面を支えることができる大きさとされている。そのため、図7(C)に示すように、押出し用容器33の上部から下方へ向けて圧力をかけると(例えば押し出し部材9による加圧)、成型容器31は成型体を残したまま、台座32の位置まで押し下げられる。次いで、図7(D)に示すように、押出し用容器33を取り除くと、成型体8を取り出すことができる。このようにすることで、成型容器31内にある成型体8に余計な力がからず破損が回避できる。
この成型容器31の大きさはブレーカーにより焼却灰混合物全体を締め固めることができる限度で任意に設定できる。典型的には、成型後の移動・埋設の作業性を考慮し、質量1t程度のものを圧縮成型してなる大きさが好ましい。
成型容器31に投入された質量1t程度の焼却灰混合物に対し、圧縮成型機20を用いて、前述した圧力を繰り返し加圧で圧縮成型する。例えば、2.5kg/cmの加圧で、一辺100cmの立方体の成型体をする場合、該成型体には25t程度の荷重が加えられたことになる。該成型体は、層状ケイ酸塩鉱物の作用もあって、前記加圧に耐え得る成型強度を備えるということができる。そのため、後述する空隙率を抑えた配置(図12(B)参照)すなわち各成型体が互いの側面を支え合う配置においては、成型体を厚み方向に複数積層しても安定保管化が可能となる。
さらに、成型容器31は、型抜き台座32への移動作業を考慮して、側面底部に溝部を有することが好ましい。例えば、図8及び9に示すように、成型容器31の側面底部に2つの溝部31B、31Bがあることが好ましい。この溝部31Bが、例えばフォークリフトなどの搬送手段のフォーク(ツメ)部分を指し込み口となり、成型容器31の移動作業性が向上する。
また圧縮成型の際には、溝部31Bに底上げ部材31Cを差し込んでおくことが好ましい。これにより、成型容器31の中で得られる成型体の底部にも、溝部31Bに合わせた凹状溝が形成される。これにより、前述のように、成型体8の入った成型容器31を型抜き台座32へ載置する際の作業性が向上し、落下等による成型体8の破損が回避できる。
また、溝部31Bは、成型容器31の一側面にのみあってもよいが、その反対側の対向側面にも同様の溝部があることがより好ましい。これにより図10に示すように、底上げ部材31Cを両側の溝部31Bに貫通させることができる。この状態で焼却灰混合物を圧縮成型すると、成型体8の底部の幅全体に亘って凹状溝81,81が平行に形成でき(図11参照)、移動作業性がさらに向上する。
また、図11に示すように、成型体8に凹状溝81があると、前述のように型抜き台座32にある成型体8(図7(D)参照)を破損なく移動させることができ好ましい。
本発明においては、圧縮成型工程A2で得られた成型体を廃棄物最終処分場の配置場所に並べて配置することができる(以下、配置工程A3ともいう。)。前述のとおり、成型体自体が既に高密度に圧縮されて減容化されているので、使用空間を抑えることができる。加えて、成型体が円筒状ではなく四角柱であることで、成型体間の空隙率が低減し、効率的な埋設ができる。
本発明においては、この圧縮による減容と空隙率の低減との両者により埋設効率が向上する。
この点につき具体例を挙げて説明すれば次のとおりである。まず、従来のフレキシブルコンテナバッグに670kgの焼却灰を詰めて円柱状にしたものとして、直径1m、高さ0.62mで体積は約0.48mのものを配置する。これに対し、本発明の焼却灰の処理方法で得た成型体として、670kgの焼却灰混合物を圧縮したもので、一辺が0.705mの立方体で体積が約0.35mのものを配置する。この時点で、本発明の成型体は既にフレキシブルコンテナバッグに対して約27%減容されている。
そして、5m×4mの敷地において、従来のフレキシブルコンテナバッグに焼却灰を詰めて円柱状にしたものを配置した場合(図12(A)参照)に比べ、成型体を立方体にして側面を対面させて配置した場合の方が空隙を圧倒的に抑えられている(図12(B))。その結果、図12(A)の配置における空隙率は約21.5%であるのに対し、図12(B)の配置における空隙率が13%と低減している。
この両者の結果、一定敷地(5m×4m)における焼却灰の配置量としては、従来のフレキシブルコンテナバッグのものでは、13,400kg(=670kg/袋×20袋)であり、本発明の焼却灰の処理方法による成型体では、23,450kg(=670kg/袋×35袋)となっており、埋設効率は1.75倍となる。なお成型体には、焼却灰に加水と層状ケイ酸塩鉱物を若干量含むため、焼却灰自体の埋設効率は若干割り引いた近傍値となる。
さらに、埋設工程A3においては、成型体密度が既に高い状態であるため、覆土後の転圧回数を減らすことができる。また、運搬・埋設時の粉塵も軽減する。
以上のとおり、本発明の焼却灰の処理方法によれば、体積減容化による埋設・保管効率が向上する。また、体積減容化により埋設層の厚さも低減できるので、フェールセーフ機能を損なわずに効率的な埋設・保管効率が向上する。すなわち、ここでいう「フェールセーフ機能を損なわない」とは、法令により定められている中間覆土層厚50cmを維持した状態のことである。さらに、成型体そのものに「遮水」機能を付加し、雨水・溶出液の移動を抑制するので、焼却灰に含まれる有害物質による周囲の環境汚染を防止できる。これにより安定した埋設保管が可能となる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
汚染焼却灰(飛灰)を用いて下記表1のようにして試料を準備した。試料No.2及び3が本発明例であり、試料No.1、4及び5が比較例である。
用いた汚染焼却灰の放射能濃度は、放射能測定装置TN300B(商品名、(株)テクノエーピー社製)を用いて測定したところ、5,368bq/kgであった。また、用いた汚染焼却灰のかさ密度は、6(3.35mm)メッシュの篩いを行ったあとの1L容器測定で、0.66g/cmであった。用いた飛灰の含水率(原灰の含水率)は、前述の測定方法により測定し、15%であった。これを基に、各試料の含水率が30%以下になるようにして下記表1の加水を行った。
混合したベントナイトは「クニゲルU」(商品名、クニミネ工業(株)社製)を用い、ゼオライトは「クニミネゼオライト#150」(商品名、クニミネ工業(株)社製)を用いた。セメントはポルトランドセメントを用いた。
上記表1の試料をそれぞれ、直径5cmのモールドに投入し、一定圧力(10kg/cm)まで圧縮成型した。各試料の成型体積及び成型体密度は下記表2に示すとおりであった。また、各試料のブランクに対する体積減容率、及びフレキシブルコンテナバッグ(以下、「フレコン」ともいう。)に詰めた状態(通常の使用状態を考慮し、ブランクに対し30%締め固められた状態を想定)のものに対する体積減容率は下記表2に示すとおりであった。なお、「ブランク」とは圧縮されていない焼却灰であり、その成型体とは直径5cmのモールド内で一定圧力(10kg/cm)により圧縮成型された状態にしたもののことである。
上記の結果からわかるとおり、本発明例である試料No.2及び3は、比較例である試料No.1に比べて、成型体密度が高くなっていた。また、本発明例である試料No.2及び3は、比較例である試料No.1に比べて、加水等がないブランクの焼却灰及びフレコンの焼却灰に対する体積減容率が高いものであった。一方、比較例である試料No.4及び5は、焼却灰に加水のみを行ったものであり、ベントナイトの嵩がない分減容率が高かったが、得られた成型体にヒビや割れが確認された。この点、本発明例である試料No.2及び3は、ヒビや割れは生じなかった。すなわち、本発明例は、減容率及び成型強度のいずれにおいても優れていた。
(実施例2)
次に、汚染焼却灰として主灰を用い、ブランク及びフレコンの試料とともに、前記表1の試料No.1、3及び4と同様の成分構成の試料No.6(比較例)、試料No.7(本発明例)及び試料No.8(比較例)を2組み準備した。試料No.6、7及び8の1組みについては、実施例1と同様にして圧縮成型し、表3の結果を得た。
一方、試料No.6、7及び8の残りの1組みについては、混錬機「バッチニーダー」(商品名、不二パウダル(株)社製)を用いて練り込みを行ってから、実施例1と同様の圧縮成型を行い、表4の結果を得た。
上記表3及び4の結果から、主灰の場合は、そのままでは締め固めが難しく、練り込みを行うことで減容率を高められることが分かった。練り込みを行った結果を示す表4のとおり、本発明例である試料No.7は、ベントナイトを含むため、これを含まない比較例である試料No.6に対して高かった。具体的には、ブランクに対する減容率については、試料No.6では20%であったのに対し、試料No.7では35%と15%も減容化されていた。フレキシブルコンテに対する減容率については、試料No.6では−14.29%と体積が増加してしまっているのに対し、試料No.7では7.14%と減容化されていた。
さらに、試料No.8では得られた成型体にヒビや割れが確認された。この点、本発明例である試料No.7は、ヒビや割れは生じなかった。すなわち、本発明例は、減容率及び成型強度のいずれにおいても優れていた。
1 焼却灰混合物
8 成型体
10 圧縮成型機
11 収納部
12 加圧部
20 重機アタッチメント圧縮成型機
21 ブレーカー
22 垂直可動装置
23 取り付けヘッド
24 垂直ガイド機構
31 成型容器
31A 内部空間
31B 溝部
31C 底上げ部材
32 型抜き台座
33 押出し用容器
60 中敷き部
61 接触ガイド機構
62 支柱部
81 (成型体の)凹状溝

Claims (17)

  1. ごみ焼却施設から排出される焼却灰に対し層状ケイ酸塩鉱物の混合を行って焼却灰混合物を得る混合工程と、前記焼却灰混合物を圧縮成型して成型体を得る圧縮成型工程とを有する、焼却灰の処理方法。
  2. 前記焼却灰は主灰と飛灰とを有する、請求項1に記載の焼却灰の処理方法。
  3. 前記混合工程で得られる焼却灰混合物の含水率が1%以上30%以下である請求項1又は2に記載の焼却灰の処理方法。
  4. 前記混合工程における層状ケイ酸塩鉱物の混合率が5%以上30%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
  5. 前記圧縮成型工程にける焼却灰混合物の体積減容率が、圧縮前の焼却灰に対して30%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
  6. 前記層状ケイ酸塩鉱物がベントナイトである請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
  7. 前記圧縮成型工程において、垂直方向に加圧できるガイド機構を備えた圧縮成型機を用いて圧縮する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
  8. 前記圧縮成型工程において前記焼却灰混合物を四角柱に成型する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
  9. 前記圧縮成型工程において、圧縮用の成型容器、型抜き用の台座及び押出し用容器を用いて成型体を得る、請求項1〜8のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
  10. 前記成型容器が側面底部に溝部を有する請求項9に記載の焼却灰の処理方法。
  11. 前記成型容器の前記溝部に底上げ部材を差し込んで成型体を得る、請求項10に記載の焼却灰の処理方法。
  12. さらに前記成型体を廃棄物最終処分場に埋設する工程を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法に用いられる、ガイド機構を備えた圧縮成型機。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の焼却灰の処理方法に用いられる、圧縮用の成型容器、型抜き用の台座及び押出し用容器。
  15. 側面底部に溝部を有する請求項14に記載の成型容器。
  16. 前記溝部に底上げ部材を差し込んで用いられる請求項15に記載の成型容器。
  17. 請求項16に記載の成型容器を用いて圧縮成型された、凹状溝を有する成型体。
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