JP2015150392A - 照明装置 - Google Patents

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和也 生田
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Abstract

【課題】多面鏡の品位を損なうことなく、かつ照射光に指向性を持たせることにより観察者にとって最適な照明効果とミラー効果とを実現し得る照明装置を提供する。【解決手段】三面鏡(10)の左側鏡体(11)及び右側鏡体(12)は、観察者(H)側に配置されたハーフミラー(11a・12a)と、ハーフミラー(11a・12a)を透過して観察者(H)に対して照明光を出射する照明部(20a・20b)とを備える。照明部(20a・20b)は、導光板(21a・21b)と光源(22A)とを備える。導光板(21a・21b)の光取り出し構造(23a〜23f)は、導光板(21a・21b)からの出射光が、板面に垂直な方向に対して非平行かつ一定方向の指向性を有するように形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、三面鏡等の多面鏡から照明光を出射する照明装置に関するものである。
観察者が化粧等を行うときに使用される鏡には、鏡に映る観察者を最適に照らす照明が求められる。しかし、鏡と照明とを別体にすると、照明の角度によって鏡に映し出される観察者に影が生じるので好ましくない。
そこで、鏡と照明と一体化した三面鏡照明が開発されている。例えば、三面鏡照明の一例として、非特許文献1には、三面鏡の長手方向の一部に光源を配置することによって、上方向からの光源による観察者への影が生じる影響を低減した、鏡と照明一体とした照明具が開示されている。
この照明具100では、図9及び図10に示すように、左側鏡111、右側鏡112及び中央鏡113にて三面鏡110が構成されている。そして、左側鏡111と中央鏡113との間にLED光源101を取り付け、同様に、右側鏡112と中央鏡113との間にLED光源101を取り付けている。
また、例えば、特許文献1に開示されたLED付き鏡200においては、図11に示すように、中央鏡202の両端部において縦方向に光源201・201を配置している。
上述した照明具100及びLED付き鏡200では、従来、上方向からの照明が基本の洗面化粧台に対して、縦方向に光源部であるLED光源101・102又は光源201・201を配置することによって、観察者の顔、特に影の出易い顎の下や、顔の横側まで影を生じさせず、しっかりと照らすことが可能となっている。
特開2007−98035号公報(2007年4月19日公開)
パナソニック社「洗面ドレッシング ウツクシーズ」、[online]、[2014.02.04検索]、インターネット〈URL:http://sumai.panasonic.jp/dressing/utsukushi-zu/〉
しかしながら、上記従来の照明具100では、左側鏡111と中央鏡113との間及び右側鏡112と中央鏡113との間に、LED光源101・101がそれぞれ配置されている。また、上記従来のLED付き鏡200においても、中央鏡202の両端部において縦方向に光源201・201を配置している。このため、照明部と鏡とが一体となっておらず、その境界に物理的な継ぎ目が生じ、照明点灯時の品位が損なわれるといった課題が生じる。
また、上記従来の照明具100及びLED付き鏡200では、LED光源101・101及び光源201・201を縦方向に設置するため、そのLED光源101・101及び光源201・201を設置する分、鏡として利用できる部分が小さくなる。
また、LED光源101及び光源201の指向性が考慮されていない条件では、正面の観察者Hにおける光束量取り出し効率は、低くなり、ロス分が多くなる。このため、所望の光束量取り出し効率の特性を得るための代替案として、LED光源101及び光源201の個数の増加等の施策をする必要がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、多面鏡の品位を損なうことなく、かつ照射光に指向性を持たせることにより観察者にとって最適な照明効果とミラー効果とを実現し得る照明装置を提供することにある。
本発明の一態様における照明装置は、上記の課題を解決するために、対象物を映し出す左側鏡体、右側鏡体及び中央鏡体を有する三面鏡を備え、該対象物に対して照明光を出射する照明装置において、上記左側鏡体及び右側鏡体は、対象物側に配置されたハーフミラーと、該ハーフミラーの上記対象物側とは反対側に配置され、かつ該ハーフミラーを透過して対象物に対して照明光を出射する照明部とを備え、上記照明部は、導光板と、該導光板に光を入射させる光源とを備え、上記導光板には、上記光源から入射されて該導光板内部を進行する光を上記ハーフミラーへ向けて出射する光取り出し構造が形成されていると共に、上記光取り出し構造は、上記導光板からの出射光が、該導光板の板面に垂直な方向に対して非平行かつ一定方向の指向性を有するように形成されていることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、多面鏡の品位を損なうことなく、かつ照射光に指向性を持たせることにより観察者にとって最適な照明効果とミラー効果とを実現し得る照明装置を提供するという効果を奏する。
(a)は本発明の実施形態1における三面鏡用照明装置の構成を示す左側面図であり、(b)はその三面鏡用照明装置の構成を示す正面図であり、(c)はその三面鏡用照明装置の構成を示す右側面図である。 上記三面鏡用照明装置の構成を示す斜視図である。 (a)は上記三面鏡用照明装置における導光板からの出射方向を示す図であり、(b)は左側鏡体の上側の光取り出し構造にて出射されたときの導光板の輝度分布を示す正面図である。 (a)は上記三面鏡用照明装置の作用を示す平面図であり、(b)は比較例の三面鏡用照明装置の作用を示す平面図である。 (a)は本発明の実施形態2における三面鏡用照明装置の構成を示す左側面図であり、(b)はその三面鏡用照明装置の構成を示す正面図であり、(c)はその三面鏡用照明装置の構成を示す右側面図である。 (a)は本発明の実施形態3における三面鏡用照明装置の構成を示す左側面図であり、(b)はその三面鏡用照明装置の構成を示す正面図であり、(c)はその三面鏡用照明装置の構成を示す右側面図である。 (a)は本発明の実施形態4における三面鏡用照明装置の構成を示す左側面図であり、(b)はその三面鏡用照明装置の構成を示す正面図であり、(c)はその三面鏡用照明装置の構成を示す右側面図である。 (a)は本発明の実施形態5における三面鏡用照明装置の構成を示す左側面図であり、(b)はその三面鏡用照明装置の構成を示す正面図であり、(c)はその三面鏡用照明装置の構成を示す右側面図である。 従来の三面鏡用照明装置の構成を示す正面図である。 上記従来の三面鏡用照明装置の構成を示す側面断面図である。 従来の他の三面鏡用照明装置の構成を示す斜視図である。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
本実施の形態の照明装置としての三面鏡用照明装置は、鏡台としての三面鏡、洗面台に備え付けられた洗面台用鏡、又は店舗等に設置される姿見鏡等に適用される。尚、本実施の形態では、鏡台としての三面鏡について、説明するが、必ずしもこれに限らず、三面鏡以上の多面鏡であってもよい。また、以下の実施形態は本発明が具現化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態が適宜変更され得ることは勿論である。
本実施の形態の照明装置としての三面鏡用照明装置1Aの構成について、図1の(a)(b)(c)〜図3の(a)(b)に基づいて説明する。図1の(a)は本実施の形態における三面鏡用照明装置1Aの構成を示す左側面図である。図1の(b)はその三面鏡用照明装置1Aの構成を示す正面図である。図1の(c)はその三面鏡用照明装置1Aの構成を示す右側面図である。図2は、三面鏡用照明装置1Aの構成を示す斜視図である。図3(a)は三面鏡用照明装置1Aにおける導光板21a・21bからの出射方向を示す図である。図3(b)は左側鏡体11の上側の光取り出し構造23aにて出射されたときの導光板21aの輝度分布を示す正面図である。尚、ここでは、説明の簡略化のためにハーフミラー11a・12a、導光板21a・21b、及び光源22A・22Aの支持に関する機構の図示を省略している。
本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aは、図2に示すように、左側鏡体11、右側鏡体12及び中央鏡体13にて構成された三面鏡10と、この三面鏡10の左側鏡体11及び右側鏡体12に取り付けられた照明部20a・20bとを備えたものからなっている。
具体的には、図1の(a)(b)(c)に示すように、左側鏡体11、右側鏡体12及び中央鏡体13は、それぞれ鏡フレーム2に嵌め込まれていると共に、左側鏡体11及び右側鏡体12は、図示しないヒンジにて中央鏡体13に回転自在に取り付けられている。
本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aでは、中央鏡体13は、例えば一般的に用いられているガラスミラーにてなっている。ただし、必ずしもガラスミラーに限らず、樹脂製品からなっていてもよい。
これに対して、左側鏡体11及び右側鏡体12は、それぞれ、前面がハーフミラー11a・12aにて構成されると共に、ハーフミラー11a・12aの背面には、上記照明部20a・20bが該ハーフミラー11a・12aの一部に配設されている。詳細には、照明部20a・20bは、左側鏡体11及び右側鏡体12において、それぞれ中央鏡体13側の端部に縦方向に設けられている。
上記ハーフミラー11a・12aは、入射する光の一部を反射し一部を透過させる機能を有する部材であり、観察者H等の対象物を映し出す鏡面を有し、該鏡面に入射する光を透過させる。このハーフミラー11a・12aは、上記鏡フレーム2に嵌めこまれ、観察者H側に配置される。ハーフミラー11a・12aとしては、従来公知のものが使用され、例えば、透光性を有する合成樹脂又は透光性ガラスの片面に金属蒸着膜又は蒸着フィルムが貼り付けられたものが使用される。
ここで、図1の(b)において、ハーフミラー11a・12aの上下方向をX方向とし、左右方向をY方向とし、前後方向をZ方向とする。尚、Z方向について、対象物である観察者H側を前側としている。
また、ハーフミラー11a・12aの光透過率は、本発明の効果を損なわない範囲から適宜選択されればよく、鏡としてのミラー効果を強調するために、50%未満であることが特に好ましい。
上記照明部20a・20bは、それぞれ面発光光源からなっており、それぞれ導光板21a・21bと、導光板21a・21bの上下の端面に配置された光源22A・22Aとを備えている。この照明部20は、観察者Hへ照射するための照明光を、ハーフミラー11a・12aの一部の領域である発光エリアSを通過するように出射する構成になっている。
光源22A・22Aは、図示しない支持部材によって、導光板21a・21bのX方向である上下方向の両端面に配置されている。このため、光源22A・22Aから出射される光が導光板21a・21bの上下の端面から該導光板21a・21bの内部に入射できるようになっている。尚、本実施の形態では、光源22A・22Aは、導光板21a・21bのX方向である上下方向の両端面に配置されているが、必ずしもこれに限らない。例えば、導光板21a・21bにおける上下の端面のうちのいずれか一方のみに配置されていてもよい。また、光源22A・22Aは、導光板21a・21bの左右の側端面に設けられていいてもよい。
上記光源22Aは、LED(Light-Emitting Diode:発光ダイオード)モジュール又は冷陰極管、熱陰極管若しくは白色電球等を用いることができる。また、光源22Aから出射される光の波長は、その用途に応じて適宜選択することができる。
導光板21a・21bは、ハーフミラー11a・12aの背面の一部において縦方向に配置されている。尚、本実施の形態のでは、導光板21a・21bは、ハーフミラー11a・12aの背面の一部に設けられているが、必ずしもこれに限らず、ハーフミラー11a・12aの背面の全面に設けられていてもよい。その場合には、例えば、後述する光取り出し構造23a〜23fを中央鏡体13に近い方の端部に設けることが好ましい。
上記導光板21a・21bは、透光性部材であれば材料及び形状は限定されず、材料として透光性樹脂又は透光性ガラスを用いることができる。透光性樹脂は、例えば、メタクリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、又は塩化ビニル系樹脂等であることが好ましい。
導光板21aには、ハーフミラー11aとは対向していない背面側の上部、中部及び下部における複数箇所に微細な光取り出し構造23a・23b・23cが備えられている。また、導光板21bには、ハーフミラー12aとは対向していない背面側の上部、中部及び下部における複数箇所に微細な光取り出し構造23d・23e・23fが備えられている。
上記光取り出し構造23a〜23fを構成する凹ドット(凹部)の断面形状は、図1の(a)(c)に示すような略三角形状である。ただし、凹ドットの断面形状は、必ずしも略三角形状に限らず、略四角形状又は略半円形状等であってもよい。さらに、他の形状であってもよい。
ここで、本実施の形態の光取り出し構造23a〜23fは、図1の(a)(b)(c)に示すように、各発光エリアSにおいて、互いに異なる種類の凹ドット形状が形成されたものからなっている。
上記光取り出し構造23a〜23fを構成する凹ドットは、各発光エリアSにおいて、一つ一つの大きさが同じであってよく又は異なっていてもよい。凹ドットの大きさは、光取り出し構造23a〜23fがハーフミラー11a・12aを通して観察者Hに視認されない範囲から適宜選択されればよい。光取り出し構造23a〜23fを構成する凹ドットの開口の寸法は、0.2mmφ以下であることが特に好ましい。
また、光取り出し構造23a〜23fを構成する凹ドットの密度及び分布形状は、本発明の効果を損なわない程度に適宜調整され、等密度及び等間隔分布の形状とすることができる。ただし、必ずしもこれに限らず、例えば、密度が異なるグラデーション分布の形状であってもよい。
本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aは、このように、導光板21a・21bが面発光光源として機能すると共に、この面発光光源はハーフミラー11a・12aの背面に配され、面発光光源が配されている部分においても鏡としての機能が保たれる。そして、本実施の形態では、鏡と面発光光源とが一体となっているので、継ぎ目のない照明となり、鏡としての品位が損なわれない。
すなわち、従来では、左側鏡体と中央鏡体との間及び中央鏡体と右側鏡体との間に、光源が配置されていた。このため、鏡の境界に物理的な継ぎ目が生じ、照明点灯時の品位が損なわれるといった課題が生じていた。また、従来の照明具では、光源が鏡の設置領域の一部を占領することになっていたので、鏡として利用できる部分が小さくなるという課題があった。
この点、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aでは、上記の構成により、上述した課題が解決されている。
次に、上記の構成を有する三面鏡用照明装置1Aの使用方法について説明する。
まず、図示しない電源から光源22A・22Aへ電力が供給されると、光源22A・22Aが発光する。光源22A・22Aから出射された光L1・L1は、導光板21a・21bの上下の端面から該導光板21a・21bの内部に入射する。導光板21a・21bの内部に入射された光L1・L1は、導光板21a・21bとハーフミラー11a・12aとの界面、及び導光板21a・21bと鏡フレーム2との界面にてそれぞれ全反射を繰り返しながら、導光板21a・21bの内部を進行する。
ここで、導光板21a・21bの内部を進行する光L1・L1のうち、光取り出し構造23a〜23fにて反射された光は、導光板21a・21bから観察者H側へ出射される。すなわち、導光板21a・21bから出射された光L2…は、ハーフミラー11a・12aを透過し、三面鏡用照明装置1Aから照明光として出射され、観察者Hを照射する。したがって、導光板21a・21bから出射された光L2…は、図1の(b)に示すように、ハーフミラー11a・12aの表面に発光エリアS…を形成する。また、観察者Hを照明した光L2…の反射光L3は、ハーフミラー11a・12aにて反射され、ハーフミラー11a・12aに鏡像を形成する。この鏡像は、観察者Hによって明瞭に視認されることになる。
本実施の形態における三面鏡用照明装置1Aでは、導光板21a・21bから出射される光L2…がハーフミラー11a・12aの背面側から該ハーフミラー11a・12aに入射し、ハーフミラー11a・12aを透過して観察者Hを照射する。このため、観察者Hがハーフミラー11a・12aの鏡面に近づいても影が生じることなく、観察者Hに対して鏡像を妨げることはなく、光L2…を照射することができるという照明効果を有する。
このように、本実施の形態では、左側鏡体11及び右側鏡体12の鏡面の全面をハーフミラー11a・12aによって形成しても、発光エリアS…をハーフミラー11a・12aの表面上の一部に限定することができる。このため、照明効果と観察者Hの鏡像を映すミラー効果とを両立することができる。
ところで、一般的には、導光板の光取り出し構造は、印刷ドットパターンからなっており、導光板からの出射光は散乱光となり、指向性はない。この結果、三面鏡の前側全体が明るくなり、対象物である観察者の顔が特に明るくなるということはない。このため、例えば、女性が化粧する場合等においては、照明が不十分となる場合がある。
そこで、本実施の形態においては、導光板21a・21bの光取り出し構造23a〜23fは、導光板21a・21bからの出射光が、導光板21a・21bの板面に垂直な方向に対して非平行かつ一定方向の指向性を有するように形成されている。
具体的には、本実施の形態では、光取り出し構造23a〜23fにおける凹プリズムの形状を複数種類に変化させることによって、光取り出し構造23a〜23fにより反射された光L2が、光取り出し構造23a〜23fの各断面形状に応じた指向性を有するものとなっている。
例えば、図1の(b)に示す左側鏡体11に設けられた導光板21aの光取り出し構造23aにおいては、図3の(a)に示すように、導光板21aの板面に垂直な方向であるZ軸に対して非平行の出射光を出射するようになっている。すなわち、光取り出し構造23aによる発光エリアSは、観察者Hの顔に対して導光板21aの上側に位置しているので、X軸の正の方向(下側向き)に傾く一定方向の指向性を有している。また、光取り出し構造23aによる発光エリアSは、観察者Hの顔に対して導光板21aの左側に位置しているので、Y軸の正の方向(右側向き)に傾く一定方向の指向性を有している。
この結果、導光板21aの光取り出し構造23aによる発光エリアSでは、図3の(b)に示すように、右下側が明るくなる。
すなわち、本実施の形態では、導光板21a・21bから出射される光の輝度分布は、各発光エリアSの内部において非対称な分布を有している。
個々の発光エリアSにおける光取り出し構造23a〜23fについては、詳細には、図1の(a)(b)(c)に示すものとなっている。まず、左側鏡体11に設けられた導光板21aの光取り出し構造23a〜23cは、一定方向である右側への指向性を有するように形成されている。一方、右側鏡体12に設けられた導光板21bの光取り出し構造23d〜23fは、一定方向である左側への指向性を有するように形成されている。また、加えて、導光板21a・21bの上側の発光エリアSの光取り出し構造23a・23dは、一定方向である下側への指向性を有するように形成されている。導光板21a・21bの縦方向の中央の発光エリアSの光取り出し構造23b・23eは、一定方向である横方向への指向性を有するように形成されている。導光板21a・21bの下側の発光エリアSの光取り出し構造23c・23fは、一定方向である上側への指向性を有するように形成されている。
また、本実施の形態では、左側鏡体11における導光板21aの光取り出し構造23a〜23cと、右側鏡体12における導光板21bの光取り出し構造23d〜23fとは、凹ドットの形状、角度、大きさ、密度等がそれぞれ互いに、中央鏡体13の縦中心軸を中心とする線対称に形成されている。ただし、必ずしもこれに限らない。
このように、導光板21a・21bの光取り出し構造23a〜23fの各発光エリアSに応じて導光板21a・21bからの出射光に最適な指向性を持たせることによって、対象物である観察者Hに対して最適な照明を実現することができる。
ここで、光取り出し構造23a〜23fによって反射された光L2…の指向性は、光取り出し構造23a〜23fの断面形状により調整できる。例えば、光取り出し構造23a〜23fの断面形状が直線にて構成されているときは指向性が強くなり、曲線が多くなるに伴って指向性が弱くなる。また、光取り出し構造23a〜23fの断面形状が三角形状に近い程指向性が強くなり、半円形状に近いほど指向性が弱くなる。さらに、光取り出し構造23a〜23fが形成された導光板21a・21bの裏面の傾斜角を変化させることによっても、出射光の指向性の方向を変えることが可能である。
この結果、光取り出し構造23a〜23fによって反射された光L2…は、光取り出し構造23a〜23fの断面形状を変化させることによって、特定範囲における光量を大きくするよう調節できる。
そのため、本実施の形態では、例えば、光透過率50%未満のハーフミラー11a・12aも使用することができる。この結果、光透過率の低いハーフミラー11a・12aを用いることによって、鏡としてのミラー効果を強調することも可能である。
光取り出し構造23a〜23fを形成する形成面積は自由に変化させることが可能である。鏡としての品位を向上させるためには、形成面積は極力小さくなるようにすることが望ましい。
また、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aでは、照明部20a・20bの高さ方向の位置によって、それぞれ異なる断面形状又は大きさを有する光取り出し構造23a〜23fを設けている。これによって、複数の一定方向に指向性を有する照明光を出射させることができるので、様々な照明効果も演出することができる。例えば、観察者Hの顔が特に明るくなるようにしたり、観察者Hの上半身が明るくなるようにしたりすることができる。
さらに、使用する光源22A・22Aの光量が小さく、かつ光透過率の高いハーフミラー11a・12aを使用する場合には、導光板21a・21bの背面に光反射率の小さい板やシートを配置することによって、ミラー効果を補強してもよい。例えば、黒色の板又はシートを使用した場合には、コントラストを高める効果がある。
ここで、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aでは、三面鏡10における左側鏡体11及び右側鏡体12に、光取り出し構造23a〜23fを有する導光板21a・21bを設けている。この理由について、図4の(a)(b)に基づいて説明する。図4(a)は本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aの作用を示す平面図であり、図4(b)は比較例の三面鏡用照明装置1Zの作用を示す平面図である。
すなわち、本実施の形態では、ハーフミラー11a・12aの背面に導光板21a・21bを設けて指向性を持たせる構成の三面鏡用照明装置1Aとなっている。この構成においては、例えば、図4の(b)に示すように、三面鏡10の中央鏡体13において、ハーフミラー13aの背面に導光板80a・80bを設けて指向性を持たせる構成の比較例の三面鏡用照明装置1Zにおいても、鏡としての品位が損なうことなく、対象物である観察者Hに対して従来よりもよい照明を実現することが可能である、
しかしながら、三面鏡10の中央鏡体13に光取り出し構造23a〜23fを有する導光板80a・80bを設けたとしても、指向性が一定方向に限定されているので、照射光の焦点位置を変更することができない。この結果、例えば、対象物である観察者Hが三面鏡10から遠い位置に存在する場合には、照明位置が観察者Hに合致せず、必要な強度の照明光を得ることができない。この結果、十分な照明を得るためには、観察者H自身が最適な照明位置に移動しなければならない。
これに対して、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aでは、図4の(a)に示すように、左側鏡体11及び右側鏡体12に、光取り出し構造23a〜23fを有する導光板21a・21bを設けている。この結果、指向性が一定方向に限定されていても、左側鏡体11及び右側鏡体12を回転することができるので、照明位置、つまり照明の焦点距離を変更することができる。したがって、左側鏡体11及び右側鏡体12を回転することによって、照明強度を高くすることができるので、観察者Hにとって最適な照明を得ることができる。また、左側鏡体11及び右側鏡体12を回転するだけで、観察者Hにとって最適な照明を得ることができるので、便利である。すなわち、観察者Hに最も効率よく集光させることが可能となり、通常の平面鏡に比べて出射方向の最適化が可能となることがわかる。
このように、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aは、観察者Hを映し出す左側鏡体11、右側鏡体12及び中央鏡体13を有する多面鏡としての三面鏡10を備え、観察者Hに対して照明光を出射する。そして、左側鏡体11及び右側鏡体12は、観察者H側に配置されたハーフミラー11a・12aと、該ハーフミラー11a・12aの観察者H側とは反対側に配置され、かつ該ハーフミラー11a・12aを透過して観察者Hに対して照明光を出射する照明部20a・20bとを備えている。照明部20a・20bは、導光板21a・21bと、該導光板21a・21bに光を入射させる光源22A・22Aとを備えている。また、導光板21a・21bには、光源22A・22Aから入射されて該導光板21a・21b内部を進行する光をハーフミラー11a・12aへ向けて出射する光取り出し構造23a〜23fが形成されている。光取り出し構造23a〜23fは、導光板21a・21bからの出射光が、該導光板21a・21bの板面に垂直な方向に対して非平行かつ一定方向の指向性を有するように形成されている。
すなわち、ハーフミラー11a・12aの背面に導光板21a・21bを設けて一定方向の指向性を持たせる構成の照明装置においては、平面鏡ではその機能を十分に発揮できない。
しかし、本実施の形態では、三面鏡10の左側鏡体11及び右側鏡体12に導光板21a・21bを設けることにより、効果を優れたものとすることが可能となる。
したがって、三面鏡10の品位を損なうことなく、かつ照射光に指向性を持たせることにより観察者Hにとって最適な照明効果とミラー効果とを実現し、利便性を有する三面鏡用照明装置1Aを提供することができる。
また、これによって、使用する光源22A・22AにおけるLEDのコスト低減、三面鏡10の薄型化、及び光取り出し構造23a〜23fの形成面積の低減等の外観部向上効果を得ることが可能となる。
また、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aでは、導光板21a・21bの光取り出し構造23a〜23fは、該導光板21a・21bに形成された凹プリズムからなっている。これにより、凹プリズムによって、容易に一定方向の指向性を持たせることが可能となる。
また、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aでは、導光板21a・21bの光取り出し構造23a〜23fは、複数種類の一定方向の指向性を有するように形成されている。
これにより、例えば、三面鏡10の高さ方向において、導光板21a・21bの上側からは下側向けて一定方向の指向性を有するようにし、導光板の下側からは上側へ向けて一定方向の指向性を有するようにすることが可能となる。したがって、面発光光源である導光板21a・21bから出射される光の指向性を、三面鏡10の高さ位置又は水平位置に応じて適切なものとすることが可能となる。
また、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Aでは、光源22A・22Aは、導光板21a・21bにおける上端部側若しくは下端部側又は左端部側若しくは右端部側の少なくともいずれか一方の位置に配されている。
これにより、光源22A・22Aを、導光板21a・21bにおける上端部側若しくは下端部側又は左端部側若しくは右端部側におけるどの位置に設けてもよいことになる。この結果、三面鏡10の設置場所に応じて、光源22A・22Aの設置位置の適宜選択することができる。
したがって、光源22A・22Aを目立たない位置に配設することが可能なるので、三面鏡10の品位を保つことができる。
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、ハーフミラー11a・12a及び導光板21a・21bの形状を概略長方形の平板としている。しかし、ハーフミラー11a・12a及び導光板21a・21bの形状は必ずしも長方形である必要はなく、多角形や円形、その他の形状でもよく、形状に制限はない。また、導光板21a・21bは、平板でなくともよく、湾曲していてもよい。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の照明装置としての三面鏡用照明装置1Bは、図5の(a)(b)(c)に示すように、右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23d’〜23f’の形状が、実施の形態1の三面鏡用照明装置1Aの右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23d〜23fの形状と異なっている。
本実施の形態の三面鏡用照明装置1Bの構成について、図5の(a)(b)(c)に基づいて説明する。図5の(a)は本実施の形態における三面鏡用照明装置1Bの構成を示す左側面図である。図5の(b)は三面鏡用照明装置1Bの構成を示す正面図である。図5の(c)は、三面鏡用照明装置1Bの構成を示す右側面図である。
本実施の形態の三面鏡用照明装置1Bでは、右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23d’〜23f’の形状が、実施の形態1の三面鏡用照明装置1Aの右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23d〜23fの形状とは異なっている。
すなわち、実施の形態1の三面鏡用照明装置1Aの右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23d〜23fは、導光板21aにおける光取り出し構造23a〜23cに対して左右対称の形状となっていた。そして、これにより、左側鏡体11と右側鏡体12とから同じ光量の光が観察者Hに照射されるものとなっていた。
これに対して、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Bでは、右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23d’〜23f’の形状が、右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23d〜23fの形状と左右対称ではない。
このように、光取り出し構造23a〜23c及び光取り出し構造23d’〜23f’の凹プリズムの大きさは、一つ一つ大きさが異なっていてもよく、ハーフミラー11a・12aを通して、光取り出し構造23a〜23fが観察者に視認されない範囲から適宜選択されればよい。
また、光取り出し構造23a〜23c及び光取り出し構造23d’〜23f’の凹プリズムの密度及び分布形状も、等間隔に限られず、グラデーション分布を形成する等、本発明の効果を損なわない程度に適宜調整してもよい。
そして、本実施の形態においても、これら光取り出し構造23a〜23c及び光取り出し構造23d’〜23f’の凹プリズムの開口を0.2mmφ以下にすることが特に好ましい。
このように、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Bでは、各導光板21a・21bの各発光エリアS…において、それぞれに異なる断面形状又は大きさの凹プリズムを有する光取り出し構造23a〜23c及び光取り出し構造23d’〜23f’を設ける。
これによって、導光板21a・21bからの出射光に対して、該導光板21a・21bの板面に垂直な方向に対して非平行かつ複数の一定方向の指向性を有するように出射させる。
これにより、様々な照明効果を演出することができ、観察者Hが自身の鏡像を左側鏡体11、右側鏡体12及び中央鏡体13に映して利用する場合に、適した照明効果を観察者Hに与えることができる。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1及び実施の形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の照明装置としての三面鏡用照明装置1Cは、図6の(a)(b)(c)に示すように、右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23g〜23jの形状が、実施の形態1の三面鏡用照明装置1Aの右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23d〜23f及び実施の形態2の三面鏡用照明装置1Bの光取り出し構造23d’〜23f’の形状と異なっている。
本実施の形態の三面鏡用照明装置1Cの構成について、図6の(a)(b)(c)に基づいて説明する。図6の(a)は本実施の形態における三面鏡用照明装置1Cの構成を示す左側面図である。図6の(b)は三面鏡用照明装置1Cの構成を示す正面図である。図6の(c)は、三面鏡用照明装置1Cの構成を示す右側面図である。
本実施の形態の三面鏡用照明装置1Cでは、右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23g〜23jの形状が、実施の形態1の三面鏡用照明装置1Aの右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23d〜23f及び実施の形態2の三面鏡用照明装置1Bの光取り出し構造23d’〜23f’の形状と異なっている。
すなわち、例えば、実施の形態1の三面鏡用照明装置1A及び実施の形態2の三面鏡用照明装置1Bでは、導光板21a・21bにおける光取り出し構造23a〜23f及び光取り出し構造23a〜23c、23d’〜23f’であり、左側鏡体11及び右側鏡体12について、いずれも3種類の一定方向の指向性を有するように出射させるものとなっている。
ここで、これらの構成において、さらに、多くの種類の一定方向の指向性を有するように出射させるために、例えば、左側鏡体11及び右側鏡体12のそれぞれの導光板21a・21bの厚さに傾斜を持たせることによって、互いに異なる複数種類の一定方向の指向性を持つ光を出射することが可能となる。
しかし、このような構成にした場合には、左側鏡体11及び右側鏡体12の全体的な厚みが厚くなるといった課題がある。
そこで、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Cでは、右側鏡体12に設けられた導光板21bにおける光取り出し構造23g〜23jの形状を4種類となっている。尚、本実施の形態では、光取り出し構造23g〜23jの形状を4種類としているが、必ずしも4種類とする必要はなく、他の複数種類であってもよい。
これによって、光取り出し構造23a〜23c、23g〜23jによって、導光板21a・21bからそれぞれ任意の種類の一定方向の指向性を持つ光を出射することが可能となる。詳細には、例えば、導光板21a・21bの発光エリアSを多分割することによって、観察者Hにとって最適な照明を提供することが可能となる。
このように、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Cでは、同一の導光板21a・21b上に、左側鏡体11及び右側鏡体12について互いに異なる種類の光取り出し構造23a〜23c及び光取り出し構造23g〜23jを形成することによって、左側鏡体11及び右側鏡体12とで非対称な配光分布を持ちつつ、構成品の厚みを薄くすることが可能となる。
また、左側鏡体11及び右側鏡体12のいずれか一方の導光板21a・21bからの出射角度を同一の角度の一定方向の指向性を持たせることによって、観察者Hの手元又は下方向に重点的に照射させることも可能となる。
したがって、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Cでは、左側鏡体11及び右側鏡体12の導光板21a・21bについて、互いに異なる複数種類の一体方向の指向性を持たせることによって、一枚の導光板21a・21bであっても、観察者Hを照明する照射方向を周囲の照明や外光に応じて最適に選択することができる。
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜実施の形態3と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜実施の形態3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の照明装置としての三面鏡用照明装置1Dは、図7の(a)(b)(c)に示すように、右側鏡体12に設けられた光源22Bの位置が実施の形態1〜3の三面鏡用照明装置1A〜1Cの光源22Aの位置とは異なっている。
本実施の形態の三面鏡用照明装置1Dの構成について、図7の(a)(b)(c)に基づいて説明する。図7の(a)は本実施の形態における三面鏡用照明装置1Dの構成を示す左側面図である。図7の(b)は三面鏡用照明装置1Dの構成を示す正面図である。図7の(c)は、三面鏡用照明装置1Dの構成を示す右側面図である。
本実施の形態の三面鏡用照明装置1Dでは、図7の(a)(b)(c)に示すように、右側鏡体12に設けられた照明部20bにおける光源22Bは、導光板21bの右側端面に設けられている。尚、光源22Bは、LED(Light-Emitting Diode:半導体ダイオード)モジュール、冷陰極管若しくは熱陰極管、又は白色電球等を用いることができる。また、光源22Bから出射される光の波長は、その用途に応じて適宜選択できる。
このように、本実施の形態の三面鏡用照明装置1Dでは、光源22A・22Bは、導光板21a・21bの上下又は左右の少なくともいずれか一方の位置に構成することが可能である。
したがって、本実施の形態では、光源22Bは、導光板21bの左側端面に設けられているが、必ずしもこれに限らず、例えば、光源22Bを、導光板21bの左側端面に設けることも可能である。
この結果、光源22A・22Bにて導光板21a・21bの上下又は左右の少なくともいずれか一方の位置から光を入射させることによって、例えば、光源22A・22Bの数を少なくすることができる。
また、光源22A・22Bの導光板21a・21bへの光の入射のさせ方と、光取り出し構造23a〜23c及び光取り出し構造23k〜23mとの複数種類の一定方向への指向性との組み合わせによって、観察者Hに対して、さらに最適な照明効果を有する照明と一体化した三面鏡用照明装置1Dを提供することができる。
また、光源22A・22Bの位置を自由に選択することによって、三面鏡用照明装置1Dの設置位置が制限されることがなくなる。或いは、光源22A・22Bの位置を自由に選択することによって、光源22A・22Bが観察者Hから見えないようにすることが可能となる。
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施の形態について図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜実施の形態4と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1〜実施の形態4の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の照明装置としての三面鏡用照明装置1Eは、図8の(a)(b)(c)に示すように、観察者Hの存在を検知する検知センサとしての人体検知センサ3が設けられている点が、実施の形態1〜4の三面鏡用照明装置1A〜1Dと異なっている。
本実施の形態の三面鏡用照明装置1Eの構成について、図8の(a)(b)(c)に基づいて説明する。図8の(a)は本実施の形態における三面鏡用照明装置1Eの構成を示す左側面図である。図8の(b)は三面鏡用照明装置1Eの構成を示す正面図である。図8の(c)は、三面鏡用照明装置1Eの構成を示す右側面図である。
本実施の形態における三面鏡用照明装置1Eは、図8の(a)(b)(c)に示すように、対象物としての観察者Hの存在を検知する検知センサとしての人体検知センサ3と、この人体検知センサ3が観察者Hの存在を検知したときに光源22A・22Aを点灯させる点灯制御部4とが設けられている。
上記人体検知センサ3は、本実施の形態では、例えば、中央鏡体13の鏡フレーム2の上端の中央部分に配置されている。ただし、必ずしもこれに限らず、他の設置場所でもよい。
人体検知センサ3としては、例えば、焦電型赤外線素子を備え、人体から放射される赤外線を検知する赤外線検知センサが用いられる。また、観察者Hへ向けて超音波を放射する超音波振動子を備え、観察者Hから反射する超音波を検知することにより人体を検知する超音波センサが用いられてもよい。
この人体検知センサ3は、本実施の形態では、光源22A・22Aの点灯と連動するようになっている。すなわち、光源22A・22Aは、人体検知センサ3と連動することによって、点灯制御部4にて点灯及び消灯が制御されている。
この結果、観察者Hが三面鏡用照明装置1Eから所定の距離の領域に接近し、人体検知センサ3が観察者Hを検知すると、光源22A・22Aが点灯するようになる。また、逆に、観察者Hが三面鏡用照明装置1Eから所定の距離の領域から離れ、観察者Hが離れたことを人体検知センサ3が検知すると、光源22A・22Aが消灯するように設定されている。
このように、本実施の形態における三面鏡用照明装置1Eでは、観察者Hが接近することによって、光源22A・22Aを点灯させて鏡付き照明として機能する。一方、観察者Hが離れることによって光源22A・22Aを消灯し単なる鏡として機能する。
したがって、本実施の形態における三面鏡用照明装置1Eでは、照明の意外性を効果的に演出することができる。
また、本実施の形態における三面鏡用照明装置1Eでは、観察者Hが使用していない場合、無駄な電気が使用されないといった省エネルギー性を有するという効果もある。
さらに、三面鏡用照明装置1Eは、例えば、人体検知センサ3によって観察者Hの背丈を認識するような構成とすることができる。これによって観察者Hの背丈に合わせた高さに照明光を照射させることが可能な三面鏡用照明装置1Eを提供することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1における照明装置(三面鏡用照明装置1A)は、対象物(観察者H)を映し出す左側鏡体11、右側鏡体12及び中央鏡体13を有する多面鏡(三面鏡10)を備え、該対象物(観察者H)に対して照明光を出射する照明装置(三面鏡用照明装置1A)において、上記左側鏡体11及び右側鏡体12は、対象物(観察者H)側に配置されたハーフミラー11a・12aと、該ハーフミラー11a・12aの上記対象物(観察者H)側とは反対側に配置され、かつ該ハーフミラー11a・12aを透過して対象物(観察者H)に対して照明光を出射する照明部20a・20bとを備え、上記照明部20a・20bは、導光板21a・21bと、該導光板21a・21bに光を入射させる光源22A・22Aとを備え、上記導光板21a・21bには、上記光源22A・22Aから入射されて該導光板21a・21bの内部を進行する光を上記ハーフミラー11a・12aへ向けて出射する光取り出し構造23a〜23fが形成されていると共に、上記光取り出し構造23a〜23fは、上記導光板21a・21bからの出射光が、該導光板21a・21bの板面に垂直な方向に対して非平行かつ一定方向の指向性を有するように形成されていることを特徴としている。
上記の発明によれば、多面鏡の左側鏡体及び右側鏡体は、対象物側に配置されたハーフミラーと、該ハーフミラーの上記対象物とは反対側に配置され、かつ該ハーフミラーを透過して対象物に対して照明光を出射する照明部とを備えている。また、照明部は、導光板と、該導光板に光を入射させる光源とを備え、上記導光板には、上記光源から入射されて該導光板内部を進行する光を上記ハーフミラーへ向けて出射する光取り出し構造が形成されている。
これにより、本発明では、導光板が面発光光源として機能すると共に、この面発光光源はハーフミラーの背面に配され、面発光光源が配されている部分においても鏡としての機能が保たれる。そして、本発明では、鏡と面発光光源とが一体となっているので、継ぎ目のない照明となり、鏡としての品位が損なわれない。
また、本発明においては、導光板の光取り出し構造は、導光板からの出射光が、該導光板の板面に垂直な方向に対して非平行かつ一定方向の指向性を有するように形成されている。この結果、光取り出し構造にて導光板からの出射光に最適な指向性を持たせることによって、対象物である観察者に対して最適な照明を実現することができる。
また、本発明では、左側鏡体及び右側鏡体に、光取り出し構造を有する導光板を設けている。この結果、指向性が一定方向に限定されていても、左側鏡体及び右側鏡体を回転することができるので、照明位置、つまり照明の焦点距離を変更することができる。したがって、左側鏡体及び右側鏡体は回転することによって、照明強度を高くすることができるので、観察者にとって最適な照明を得ることができる。また、左側鏡体及び右側鏡体を回転するだけで、観察者にとって最適な照明を得ることができるので、便利である。
このように、ハーフミラーの背面に導光板を設けて一定方向の指向性を持たせる構成の照明装置においては、平面鏡ではその機能を十分に発揮できない。しかし、本発明では、多面鏡の左側鏡体及び右側鏡体に導光板を設けることにより、効果を優れたものとすることが可能となる。
したがって、多面鏡の品位を損なうことなく、かつ照射光に指向性を持たせることにより観察者にとって最適な照明効果とミラー効果とを実現し、利便性を有する照明装置を提供することができる。
本発明の態様2における照明装置は、態様1における照明装置において、前記導光板の光取り出し構造は、該導光板に形成された凹プリズムからなっているとすることができる。
これにより、凹プリズムによって、容易に一定方向の指向性を持たせることが可能となる。
本発明の態様3における照明装置は、態様1又は2における照明装置において、前記導光板の光取り出し構造は、複数種類の一定方向の指向性を有するように形成されていることが好ましい。
これにより、例えば、三面鏡の高さ方向において、導光板の上側からは下側へ向けて一定方向の指向性を有するようにし、導光板の下側からは上側へ向けて一定方向の指向性を有するようにすることが可能となる。したがって、面発光光源である導光板から出射される光の指向性を、三面鏡の高さ位置又は水平位置に応じて適切なものとすることが可能となる。
本発明の態様4における照明装置は、態様1、2又は3における照明装置において、前記光源は、前記導光板における上端部側、下端部側、左端部側又は右端部側の少なくともいずれか一方の位置に配されているとすることができる。
これにより、光源を、導光板における上端部側若しくは下端部側又は左端部側若しくは右端部側におけるどの位置に設けてもよいので、三面鏡の設置場所に応じて、光源の設置位置の適宜選択することができる。この結果、光源を目立たない位置に配設することが可能なるので、多面鏡の品位を保つことができる。
本発明の態様5における照明装置は、態様1〜4のいずれか1における照明装置において、前記対象物の存在を検知する検知センサと、上記検知センサが対象物の存在を検知したときに前記光源を点灯させる点灯制御部とが設けられていることが好ましい。
これにより、対象物である観察者が、多面鏡の前に位置するだけで、自動的に照明されるので、便利な照明装置とすることが可能となる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、いわゆる鏡台としての三面鏡以上の多面鏡に適用可能であり、洗面台に備え付けられた洗面台用鏡、又は店舗等に設置される姿見鏡等の照明装置に適用することが可能である。
1A 三面鏡用照明装置
1B 三面鏡用照明装置
1C 三面鏡用照明装置
1D 三面鏡用照明装置
1E 三面鏡用照明装置
2 鏡フレーム
3 人体検知センサ(検知センサ)
4 点灯制御部
10 三面鏡
11 左側鏡体
11a ハーフミラー
12 右側鏡体
12a ハーフミラー
13 中央鏡体
20a・20b 照明部
21a・21b 導光板
22A・22B 光源
23a〜23f 光取り出し構造
23d’〜23f ’ 光取り出し構造
23g〜23j 光取り出し構造
23k〜23m 光取り出し構造
L1 光
L2 光
L3 反射光
S 発光エリア

Claims (5)

  1. 対象物を映し出す左側鏡体、右側鏡体及び中央鏡体を有する多面鏡を備え、該対象物に対して照明光を出射する照明装置において、
    上記左側鏡体及び右側鏡体は、対象物側に配置されたハーフミラーと、該ハーフミラーの上記対象物側とは反対側に配置され、かつ該ハーフミラーを透過して対象物に対して照明光を出射する照明部とを備え、
    上記照明部は、導光板と、該導光板に光を入射させる光源とを備え、
    上記導光板には、上記光源から入射されて該導光板内部を進行する光を上記ハーフミラーへ向けて出射する光取り出し構造が形成されていると共に、
    上記光取り出し構造は、上記導光板からの出射光が、該導光板の板面に垂直な方向に対して非平行かつ一定方向の指向性を有するように形成されていることを特徴とする照明装置。
  2. 前記導光板の光取り出し構造は、該導光板に形成された凹プリズムからなっていることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記導光板の光取り出し構造は、複数種類の一定方向の指向性を有するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の照明装置。
  4. 前記光源は、前記導光板における上端部側、下端部側、左端部側又は右端部側の少なくともいずれか一方の位置に配されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の照明装置。
  5. 前記対象物の存在を検知する検知センサと、上記検知センサが対象物の存在を検知したときに前記光源を点灯させる点灯制御部とが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置。
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