JP2015148552A - ガス濃度検出装置 - Google Patents

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直輝 大串
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Abstract

【課題】温度特性に起因した検出値のばらつきを抑制して、検出対象ガスの濃度を精度高く測定する。【解決手段】ガス濃度検出装置10は、光源20から放射される赤外線を受光して、光源20との間のガスの濃度に応じた出力値を示す信号を出力する濃度検出部30と、赤外線を受光してから、出力値の一次の時間微分係数が最大値に達する前までの期間における出力値に基づいてガスの濃度を算出する濃度変換処理回路とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線の吸収量からガスの濃度を検出するガス濃度検出装置に関する。
たとえば、特許第3993084号公報(特許文献1)には、光源から放射される赤外線を受光する焦電型赤外線センサの出力値に基づいて検出対象ガスの濃度を検出する技術が開示される。
特許第3993084号公報
しかしながら、上述したような焦電型赤外線センサを用いて検出対象ガスの濃度を検出する場合には、温度変化に伴って焦電型赤外線センサの出力値が変動するため、ガスの濃度の検出値がばらついてしまう。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、温度特性に起因した検出値のばらつきを抑制して、検出対象ガスの濃度を精度高く検出するガス濃度検出装置を提供することである。
この発明のある局面に係るガス濃度検出装置は、光源から放射される赤外線を受光して、光源との間のガスの濃度に応じた濃度出力値を示す信号を出力する濃度検出部と、赤外線を受光してから、濃度出力値の一次の時間微分係数が最大値に達する前までの期間における濃度出力値に基づいてガスの濃度を算出する算出部とを備える。
このようにすると、温度変化に対する変化が小さい濃度出力値を用いてガスの濃度を算出することができる。そのため、濃度検出部の温度特性に起因した検出値のばらつきを抑制して、ガスの濃度を精度高く算出することができる。
好ましくは、ガスの温度に応じた温度出力値を示す信号を出力する温度検出部をさらに備える。算出部は、赤外線を受光してから、濃度出力値の一次の時間微分係数が最大値に達する前までの期間のうち、ガスの温度変化に対する濃度出力値の変化量が予め定められた値よりも小さい時点の濃度出力値に基づいてガスの濃度を算出する。
このようにすると、濃度検出部の温度特性に起因した検出値のばらつきを抑制して、検出対象ガスの濃度をより精度高く算出することができる。
さらに好ましくは、算出部は、濃度出力値の二次の時間微分係数が最大となる時点の濃度出力値に基づいてガスの濃度を算出する。
このようにすると、ガスの温度変化に対する変化が小さい濃度出力値に基づいてガスの濃度を算出することができる。そのため、濃度検出部の温度特性に起因した検出値のばらつきを抑制して、検出対象ガスの濃度をより精度高く算出することができる。
さらに好ましくは、光源は、ガスの濃度が算出された後、濃度出力値の一次の時間微分係数が最大値に達する前の時点で赤外線の放射が停止される。
焦電型赤外線センサの出力値を取得する際に、光源からの赤外線の放射時間が長いと消費電力が増加する場合がある。このようにすると、少なくとも濃度出力値の一次の時間微分係数が最大となる時点以降において光源からの赤外線の放射を停止させることができるため、消費電力の増加を抑制することができる。
さらに好ましくは、算出部は、濃度出力値と、温度出力値と、濃度出力値と温度出力値とガスの濃度との関係を示す検量線とに基づいてガスの濃度を算出する。
このようにすると、一次の時間微分係数が最大となる時点よりも前の時点の濃度出力値と、温度出力値と、検量線とに基づいてガスの濃度を精度高く算出することができる。
さらに好ましくは、濃度検出部は、検出対象のガスが導入される光路部と、光源と、光源から放射された赤外線を検出する受光センサと、受光センサと光源との間に設けられるバンドパスフィルタとを含む。
この発明によると、光源から放射される赤外線を受光してから、濃度出力値の一次の時間微分係数が最大となる時点よりも前の時点の濃度出力値を用いてガスの濃度を算出することにより、温度変化に対する変化が小さい濃度出力値を用いてガスの濃度を算出することができる。したがって、濃度検出部の温度特性に起因した検出値のばらつきを抑制して、検出対象ガスの濃度を精度高く検出するガス濃度検出装置を提供することができる。
本実施の形態に係るガス濃度検出装置の構成を示す図である。 本実施の形態に係るガス濃度検出装置の回路構成図である。 ガスの濃度の検出方法を示すフローチャートである。 焦電センサの時間に対する出力値の変化と一次の時間微分係数の変化とを示す図である。 複数の温度環境下での焦電センサの時間に対する出力値の一次の時間微分係数の変化を詳細に示す図である。 複数の温度環境下での焦電センサの時間に対する出力値の一次の時間微分係数の変化と、二次の時間微分係数の変化とを示す図である。 複数の温度環境下での焦電センサの時間に対する出力値の一次の時間微分係数の変化を詳細に示す図である。 複数の時間での異なる温度環境下に対する一次の時間微分係数の変化率を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
図1は、本実施の形態に係るガス濃度検出装置10の構成を示す図である。なお、図1に示すガス濃度検出装置10の構成は、一例であり、図1に示される構成に特に限定されるものではない。
本実施の形態において、ガス濃度検出装置10は、赤外線吸収方式(NDIR)のガスセンサである。本実施の形態におけるガス濃度検出装置10による濃度の検出対象となる気体は、二酸化炭素であるものとして説明するが、濃度の検出対象となる気体は、二酸化炭素に特に限定されるものではない。
ガス濃度検出装置10は、たとえば、BEMS(Building Energy Management System)において二酸化炭素の濃度に基づく換気量の制御や、植物の栽培施設等において屋内の二酸化炭素の濃度を所定の範囲内に収める制御等に用いられる。
図1に示すように、ガス濃度検出装置10は、ガスの濃度の検出動作を行う濃度検出部30と、ガスの温度を検出する温度検出部であるサーミスタ28と、光源20の点灯制御、濃度検出部30から出力されるガス濃度検出信号、およびサーミスタ28から出力される温度検出信号に対して所定の処理を行うための駆動回路40とを含む。濃度検出部30の構成部品およびサーミスタ28の各々は、回路基板12の一方の面上の所定の位置に設けられる。駆動回路40の構成部品は、回路基板12の他方の面上の所定の位置に設けられる。
濃度検出部30は、光源20と、保持台22と、焦電センサ24と、光学フィルタ26とを構成部品として含む。
光源20は、焦電センサ24と所定の距離だけ離隔した位置に設けられる。光源20と焦電センサ24との間には光路部18が設けられる。光源20は、焦電センサ24に向けて赤外線を放射する。本実施の形態において、光源20は、たとえば、フィラメントランプであるものとして説明するが、たとえば、ミニチュアランプやLED(Limited Emitting Diode)等の赤外線を放射する光源であってもよい。光源20は、回路基板12に固定された保持台22によって保持される。光源20は、所定の周期で点滅するように制御される。
保持台22の断面形状は、焦電センサ24側に開いた半楕円形状を有する。半楕円形状の内側は、鏡面が形成される。すなわち、保持台22は、楕円ミラーである。光源20は、保持台22の半楕円形状の焦点位置に設けられる。そのため、光源20から放射された赤外線は、光路部18を通過して焦電センサ24に直接的に入射したり、あるいは、保持台22に形成される鏡面を反射した後、光路部18を通過して焦電センサ24に入射したりする。
焦電センサ24は、バルクセラミックスを用いた焦電型赤外線センサである。焦電センサ24には、光源20から放射される赤外線を受光する部分である入射窓が光源20に向けて設けられる。この入射窓には、光学フィルタ26が設けられる。光学フィルタ26は、たとえば、所定の波長帯の赤外線を通過するバンドパスフィルタである。所定の波長帯は、たとえば、二酸化炭素分子による吸収率の高い赤外線の波長である、4.26μmの近傍を含む波長帯である。所定の波長帯は、濃度の検出対象が二酸化炭素以外の気体である場合には、濃度の検出対象となる気体の種類に応じた波長(すなわち、濃度の検出対象となる気体の吸収率が高い波長)を基準とした波長帯が選択される。すなわち、焦電センサ24は、光源20から放射された赤外線のうち所定の波長帯の赤外線を受光する。
サーミスタ28は、焦電センサ24の周辺に設けられ、回路基板12に固定される。サーミスタ28においては、駆動回路40から電圧が印加されることにより定電流が流れ、定電流が流れたときに生じる電圧が出力電圧として駆動回路40において検出される。
カバー14は、濃度検出部30の構成部品およびサーミスタ28を覆うように設けられ、回路基板12に固定される。カバー14には、カバー14の外部からガスを取り入れたり、カバー14の内部のガスを排出したりするための取入口16が設けられる。取入口16には、エアフィルターが設けられる。
ガス濃度検出装置10による二酸化炭素の濃度の検出は、取入口16からカバー14の内部に気体が取り入れられた状態で行われる。光源20から焦電センサ24に向けて赤外線が放射されると、放射された赤外線は、焦電センサ24において受光される。焦電センサ24は、赤外線の受光に応じて電圧を出力する。このとき、出力される電圧は、光路部18における二酸化炭素の濃度によって異なる。これは、光源20から放射される赤外線が光路部18上の二酸化炭素により吸収されるため、二酸化炭素の濃度により、光源20から焦電センサ24に到達する赤外線の量も変化するためである(Lambert-Beerの法則)。
本実施の形態において、光学フィルタ26は、二酸化炭素の吸収率が高い波長の赤外線を通過させるものであるため、焦電センサ24の出力値から二酸化炭素の濃度に換算することが可能となる。
図2は、本実施の形態に係るガス濃度検出装置10の回路構成図である。図2に示すように、駆動回路40は、増幅回路42と、AD変換回路44と、濃度変換処理回路46とを含む。なお、濃度変換処理回路46が本願請求項の算出部に相当する。また、図2に示すガス濃度検出装置10の回路構成は、一例であり、図2に示される回路構成に限定されるものではない。
増幅回路42は、たとえば、アンプ等によって構成され、濃度検出部30の濃度検出信号(出力電圧)の信号強度と、サーミスタ28の温度検出信号(出力電圧)の信号強度とを増幅する。
AD変換回路44は、増幅回路42において信号強度が増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。なお、信号強度の増幅やアナログ信号からデジタル信号への変換は、周知の技術を用いればよい。
濃度変換処理回路46は、AD変換回路44において変換されたデジタル信号に対して所定の処理を実施することによってカバー14の内部に取り入れられた気体に含まれる二酸化炭素の濃度Cを検出する。なお、本実施の形態において、濃度変換処理回路46は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)によって実現される。CPUは、図示しない記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって、所定の演算処理や制御処理を実行する。CPUは、たとえば、二酸化炭素の濃度を算出する演算処理に加えて、光源20を点灯させる制御処理やサーミスタ28に電圧を印加する制御処理を実行する。
図3は、ガスの濃度の検出方法を示すフローチャートである。本実施の形態において、ガス濃度検出装置10における二酸化炭素の濃度の検出処理は、図3のフローチャートに示される処理に従って行なわれる。
すなわち、ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ガス濃度検出装置10は、サーミスタ28から温度検出信号を取得する。S102にて、ガス濃度検出装置10は、光源20を点灯状態にする。S103にて、ガス濃度検出装置10は、光源20を点灯状態にしてから所定時間を経過したか否かを判定する。所定時間を経過したと判定された場合(S103にてYES)、処理はS104に移される。そうでない場合(S103にてNO)、処理はS103に戻される。
S104にて、ガス濃度検出装置10は、焦電センサ24の出力値Vを取得する。S106にて、ガス濃度検出装置10は、取得された焦電センサ24の出力値Vに対して、所定の信号処理を実行する。
なお、所定の信号処理は、たとえば、焦電センサ24の出力波形から移動平均法を用いてノイズを除去する処理と、増幅回路42によって信号強度を増幅する処理と、AD変換回路44によってデジタルデータに変換する処理とを含む。これらの処理は、温度検出信号に対しても行なわれる。また、温度検出信号からサーミスタ温度Th[K]が算出される。サーミスタ温度Thの算出は、S100においてサーミスタ28から温度検出信号を取得する際に行なわれてもよい。
なお、サーミスタ温度Thは、以下の式を用いて算出される。
Th=1/(1/Th25+1/B×ln(Vth/(Vcc−Vth)))…(1)
上記(1)の式において、Bは、定数を示し、Vthは、サーミスタ28の出力電圧を示し、Vccは、駆動回路40からサーミスタ28への印加電圧を示し、Th25は、25℃(基準温度)時のサーミスタ温度[K]を示す。上記(1)の式、定数BおよびTh25は、駆動回路40に設けられるメモリ等の記憶媒体に記憶される。
S108にて、ガス濃度検出装置10は、サーミスタ温度Thまたはその出力電圧Vth、および焦電センサ24の出力値Vから二酸化炭素の濃度Cを算出する。ガス濃度検出装置10は、光源20を点灯状態にしてから所定時間が経過した時点の焦電センサ24の出力値を用いて二酸化炭素の濃度Cを算出する。所定時間についての情報は、駆動回路40に設けられるメモリ等の記憶媒体に記憶される。なお、所定時間の設定方法については後述する。
S110にて、ガス濃度検出装置10は、光源20を点灯状態にしてから所定の点灯時間が経過したか否かを判定する。所定の点灯時間は、少なくとも上述の所定時間よりも長い時間である。所定の点灯時間が経過したと判定された場合(S110にてYES)、処理はS112に移される。そうでない場合(S110にてNO)、処理はS110に戻される。
S112にて、ガス濃度検出装置10は、光源20を消灯状態にする。S114にて、ガス濃度検出装置10は、光源20を消灯状態にしてから所定の消灯時間が経過したか否かを判定する。所定の消灯時間が経過したと判定された場合(S114にてYES)、処理はS116に移される。そうでない場合(S114にてNO)、処理はS114に戻される。S116にて、ガス濃度検出装置10は、ガス濃度の測定を終了するか否かを判定する。ガス濃度の測定を終了する場合(S116にてYES)、この処理は終了する。そうでない場合(S116にてNO)、処理はS100に戻される。
以下に、本実施の形態に係るガス濃度検出装置10がサーミスタ28の温度Thと焦電センサ24の出力値Vとから二酸化炭素の濃度Cを算出する方法について説明する。
濃度変換処理回路46は、サーミスタ温度Thと、焦電センサ24の出力値Vと予め取得された検量線とに基づいて二酸化炭素の濃度Cを算出する。
検量線に関するデータは、たとえばガス濃度検出装置10の製造時において予め取得されて、駆動回路40に設けられるメモリ等の記憶媒体に記憶される。
検量線は、サーミスタ温度Thと焦電センサ24の出力値Vと二酸化炭素の濃度Cとの関係を示すマップ、数式あるいは表等で示される。検量線は、光源20が点灯してから所定時間を経過した時点の焦電センサ24の出力値Vと、サーミスタ温度Thと、濃度Cとの関係を示すものであり、実験等により適合される。
このような構成を有するガス濃度検出装置10において、上述したとおり、二酸化炭素の濃度の検出は、光源20が点灯してから所定時間が経過したタイミングで焦電センサ24から出力される出力値Vが用いられる。
以下に、所定時間の設定方法について説明する。
たとえば、光源20から赤外線が放射されると、時間の経過に応じて焦電センサ24の出力値は、図4(A)に示すように変化する。なお、図4(A)の縦軸は、焦電センサ24の出力値を示し、図4(A)の横軸は、時間を示す。
焦電センサ24の出力値の最大値を用いて二酸化炭素の濃度Cを検出する方法がある。しかしながら、焦電センサ24の出力値の最大値を含む破線で囲まれる時間領域においては、赤外線の輻射熱が焦電センサ24に伝達しており、焦電センサ24の温度変化により二酸化炭素の濃度Cの検出値がばらついてしまう。
そのため、図4(A)において破線で囲まれる時間領域よりも前の図4(A)において実線で囲まれる時間領域内の出力値を用いて二酸化炭素の濃度Cを算出することが望ましい。
たとえば、図4(B)に示すように、図4(A)に示す出力波形の一次の時間微分係数を算出し、算出された一次の時間微分係数が最大となる時点(時間T(0))の焦電センサ24の出力値を用いて二酸化炭素の濃度Cを算出することも考えられる。しかしながら、一次の時間微分係数の最大値も温度特性を有する。なお、一次の時間微分係数とは、焦電センサ24の出力波形の時間に対する一次の微分係数をいう。
図5に、複数の温度環境下における焦電センサ24の出力値の一次の時間微分係数の時間変化を示す。図5の縦軸は、一次の時間微分係数を示し、図5の横軸は、時間を示す。
図5の破線は、サーミスタ温度Thが0℃である場合の焦電センサ24の出力値の一次の時間微分係数の変化を示す波形である。図5の実線は、サーミスタ温度Thが25℃である場合の焦電センサ24の出力値の一次の時間微分係数の変化を示す波形である。図5の一点鎖線は、サーミスタ温度Thが50℃である場合の焦電センサ24の出力値の一次の時間微分係数の変化を示す波形である。
図5に示すように、一次の時間微分係数の最大値は、各温度環境下で異なる。すなわち、一次の時間微分係数の最大値は、温度特性を有する。より詳細には、一次の時間微分係数は、温度変化に対する一次の時間微分係数の変化量が大きい時間領域と、温度変化に対する一次の時間微分係数の変化量が小さい時間領域とを有する。たとえば、図5において、光源20から放射される赤外線を焦電センサ24が受けてから(一次の時間微分係数が増加を開始してから)、25℃における一次の時間微分係数が最大値となる時点(時間T(0))よりも前の時間領域における温度変化に対する一次の時間微分係数の変化量は、一次の時間微分係数が最大値となる時点以降の温度変化に対する一次の時間微分係数の変化量よりも小さい。
そこで、本実施の形態においては、ガス濃度検出装置10は、光源20から放射される赤外線を受光してから、焦電センサ24の出力値の一次の時間微分係数が最大値に達する前までの期間における焦電センサ24の出力値を用いて二酸化炭素の濃度Cを算出するものとする。
好ましくは、算出部は、光源20から放射される赤外線を受光してから、焦電センサ24の出力値の一次の時間微分係数が最大値に達する前まで期間のうち、温度変化に対する出力値の変動が少ない時点の出力値に基づいて二酸化炭素の濃度を算出することが望ましい。
温度変化に対する出力値の変動が少ない時点については、たとえば、実験等によって温度変化に対する出力値の変化量が予め定められた値よりも小さくなる時点を適合してもよい。
あるいは、焦電センサ24の出力値の二次の時間微分係数が最大となる時点を温度変化に対する出力値の変動が少ない時点としてもよい。なお、二次の時間微分係数とは、焦電センサ24の出力波形の時間に対する二次の微分係数をいう。
図6に、焦電センサ24の出力値の一次の時間微分係数の時間変化と、二次の時間微分係数の時間変化とを示す。図6の縦軸は、一次の時間微分係数および二次の時間微分係数の値を示し、図6の横軸は、時間を示す。
図6の破線(細)は、サーミスタ温度Thが0℃である場合の焦電センサ24の出力値Vの一次の時間微分係数の変化を示す波形である。図6の破線(太)は、サーミスタ温度Thが0℃である場合の焦電センサ24の出力値Vの二次の時間微分係数の変化を示す波形である。
図6の実線(細)は、サーミスタ温度Thが25℃である場合の焦電センサ24の出力値Vの一次の時間微分係数の変化を示す波形である。図6の実線(太)は、サーミスタ温度Thが25℃である場合の焦電センサ24の出力値Vの二次の時間微分係数の変化を示す波形である。
図6の一点鎖線(細)は、サーミスタ温度Thが50℃である場合の焦電センサ24の出力値Vの一次の時間微分係数の変化を示す波形である。図6の一点鎖線(太)は、サーミスタ温度Thが50℃である場合の焦電センサ24の出力値Vの二次の時間微分係数の変化を示す波形である。
図6に示すように、一次の時間微分係数の最大値および二次の時間微分係数の最大値は、いずれも温度変化によって変動する。一方、サーミスタ温度Thが50℃である場合の二次の時間微分係数が最大値となる時点(時間T(1))と、サーミスタ温度Thが0℃である場合の二次の時間微分係数が最大値なる時点(時間T(2))との間の時間領域において、一次の時間微分係数は、温度変化に対する変動が小さい時間領域となる。そのため、焦電センサ24の出力値Vの二次の時間微分係数が最大となる時点を温度変化に対する出力値Vの変動が少ない時点として、当該時点の焦電センサ24の出力値Vに基づいて二酸化炭素の濃度を算出してもよい。なお、この場合、二酸化炭素の濃度Cの算出には、図6の時間T(1)〜時間T(2)の範囲のうちのいずれかの時点の焦電センサ24の出力値Vが用いられる。本実施の形態において所定時間は、予め定められた時間であるものとして説明したが、たとえば、焦電センサ24の出力値Vを取得するとともに、二次の時間微分係数を演算し、二次の時間微分係数が最大値となる時点の焦電センサ24の出力値Vを用いて二酸化炭素の濃度Cを算出してもよい。
出力値Vの微分処理については、駆動回路40に設けられるCPUが微分処理のプログラムを実行することにより実施されてもよいし、微分回路等の専用のハードウェアにより実施されてもよい。
以下に実験例を示し、本実施の形態に係るガス濃度検出装置10の作用効果について図7および8を用いて説明する。なお、実験例で用いられた焦電型赤外線センサは、村田製作所製E472SW1であるが、一般的にバルクの圧電セラミックスを用いた赤外線センサであれば同様の効果が得られると予想される。
図7は、図5と同様に、サーミスタ温度Thが0℃である場合(図7の破線)と、25℃である場合(図7の実線)と、50℃である場合(図7の一点鎖線)とにおける焦電センサ24の出力値Vの一次の時間微分係数の時間変化を示す。
図7に示すように、温度変化に対する変動が小さい時点である時間T(3)と、一次の時間微分係数が最大値となる時点である時間T(4)と、一次の時間微分係数が最大値となる時点以降の時間T(5)とにおける一次の時間微分係数の値を温度環境毎に取得する。
温度環境毎に取得された時間T(3)での一次の時間微分係数を、サーミスタ温度Thが25℃である場合の一次の時間微分係数で規格化した値(以下、変化率と記載する)に基づいて、図8の実線に示すように、温度と時間T(3)における変化率との関係が得られる。
さらに、温度環境毎に取得された時間T(4)での一次の時間微分係数および時間T(5)での一次の時間微分係数に対しても同様の処理が行なわれて、図8の一点鎖線に示すように、温度と時間T(4)における変化率との関係と、温度と時間T(5)における変化率との関係とが得られる。
図8の縦軸は、変化率を示し、図8の横軸は、温度を示す。時間T(3)〜時間T(5)の各タイミングの一次の時間微分係数は、いずれも25℃時の一次の時間微分係数で規格化されているため、25℃における変化率はいずれのタイミングでも「1」を示す。
図8に示すように、時間T(3)のタイミングにおける変化率は、時間T(4)および時間T(5)のタイミングにおける変化率と比較して、温度に対する変動が小さい。したがって、少なくとも0℃〜50℃の温度範囲においては、時間T(3)のタイミングの焦電センサ24の出力値Vを用いて二酸化炭素の濃度Cを算出することにより、時間T(4)あるいは時間T(5)のタイミングの焦電センサの出力値Vを用いて二酸化炭素の濃度Cを算出する場合よりも精度高く二酸化炭素の濃度Cを精度高く算出することが可能となる。
以上のようにして、本実施の形態に係るガス濃度検出装置によると、光源20から放射される赤外線を受光してから、焦電センサ24の出力値Vの一次の時間微分係数が最大値に達する前までの期間における出力値を用いて二酸化炭素の濃度Cを算出する。すなわち、温度に対する変化量が小さい出力値を用いて二酸化炭素の濃度Cを算出することができる。そのため、濃度検出部30の温度特性に起因した検出値のばらつきを抑制して、二酸化炭素の濃度Cを精度高く算出することができる。また、光源20からの放射は、少なくとも出力値の一次の時間微分係数が最大となる時点以降は、光源20から赤外線を放射する必要がなく、光源20からの赤外線の放射を停止できる。そのため、消費電力の増加を抑制することができる。したがって、消費電力の増加を抑制するとともに、温度特性に起因した検出値のばらつきを抑制して、検出対象ガスの濃度を精度高く検出するガス濃度検出装置を提供することができる。
さらに、光源20から放射される赤外線を受光してから、焦電センサ24の出力値の一次の時間微分係数が最大値に達する前の期間のうち、温度変化に対する出力値の変化量が予め定められた値よりも小さくなる時点の出力値に基づいて二酸化炭素の濃度Cを算出することにより、温度特性に起因した検出値のばらつきを抑制して、二酸化炭素の濃度を精度高く検出することができる。なお、上記期間内で最も温度変化に対する出力値の一次の時間微分係数の変化量が小さくなる時点の出力値に基づいて二酸化炭素の濃度Cを算出することが好ましい。または、二次の時間微分係数が最大となる時点の出力値に基づいて二酸化炭素の濃度Cを算出することにより、温度特性に起因した検出値のばらつきを抑制して、二酸化炭素の濃度を精度高く検出することができる。
さらに、焦電センサ24の出力値を用いて二酸化炭素の濃度が算出された後であって、出力値の一次の時間微分係数が最大となる時点よりも前の時点で赤外線の放射が停止されることにより、消費電力の増加を抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、所定時間は、光源20が点灯した時点を起点として設定されたものとして説明したが、たとえば、焦電センサ24の出力値Vが立ち上がる時点を起点として設定されてもよい。
また、本実施の形態において、0℃〜50℃の温度範囲に対応した所定時間を設定し、光源20が点灯した時点から所定時間が経過した時点の焦電センサの出力値Vを用いて二酸化炭素の濃度Cを算出するものとして説明したが、温度範囲は、0℃〜50℃の範囲に限定されるものではなく、その他の温度範囲であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 ガス濃度検出装置、12 回路基板、14 カバー、16 取入口、18 光路部、20 光源、22 保持台、24 焦電センサ、26 光学フィルタ、28 サーミスタ、30 濃度検出部、40 駆動回路、42 増幅回路、44 AD変換回路、46 濃度変換処理回路。

Claims (6)

  1. 光源から放射される赤外線を受光して、前記光源との間のガスの濃度に応じた濃度出力値を示す信号を出力する濃度検出部と、
    前記赤外線を受光してから、前記濃度出力値の一次の時間微分係数が最大値に達する前までの期間における前記濃度出力値に基づいて前記ガスの濃度を算出する算出部とを備える、ガス濃度検出装置。
  2. 前記ガスの温度に応じた温度出力値を示す信号を出力する温度検出部をさらに備え、
    前記算出部は、前記赤外線を受光してから、前記濃度出力値の前記一次の時間微分係数が最大値に達する前までの期間のうち、前記ガスの温度変化に対する前記濃度出力値の変化量が予め定められた値よりも小さい時点の前記濃度出力値に基づいて前記ガスの濃度を算出する、請求項1に記載のガス濃度検出装置。
  3. 前記算出部は、前記濃度出力値の二次の時間微分係数が最大となる時点の前記濃度出力値に基づいて前記ガスの濃度を算出する、請求項1に記載のガス濃度検出装置。
  4. 前記光源は、前記ガスの濃度が算出された後、前記濃度出力値の前記一次の時間微分係数が最大値に達する前の時点で前記赤外線の放射が停止される、請求項1〜3のいずれかに記載のガス濃度検出装置。
  5. 前記算出部は、前記濃度出力値と、前記温度出力値と、前記濃度出力値と前記温度出力値と前記ガスの濃度との関係を示す検量線とに基づいて前記ガスの濃度を算出する、請求項2に記載のガス濃度検出装置。
  6. 前記濃度検出部は、
    検出対象のガスが導入される光路部と、
    前記光源と、
    前記光源から放射された前記赤外線を検出する受光センサと、
    前記受光センサと前記光源との間に設けられるバンドパスフィルタとを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のガス濃度検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020095276A (ja) * 2020-02-18 2020-06-18 住友化学株式会社 防犯性能および調光性能を有するパネル

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