JP2015148287A - 液体ダンパ、及びこれを備えた回転機械翼 - Google Patents

液体ダンパ、及びこれを備えた回転機械翼 Download PDF

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Abstract

【課題】ダンパの減衰を安定させることで、中空翼の安定的な稼働を行うことができるとともに、振動予測を容易に行うことができる。
【解決手段】中空翼1に用いられた筐体11と、筐体11内に収容される流動可能な粘性流体又は粘弾性流体12とを有する液体ダンパ10を備え、液体ダンパ10の筐体11内には、筐体11の内面から突設する柔軟性を有する梁状突出片13が設けられ、その梁状突出片13には、微小な貫通孔からなる複数のオリフィス13aが形成された構成の回転機械翼を提供する。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体ダンパ、及びこれを備えた回転機械翼に関する。
従来、タービンにおいては、軽量化を図るため、腹側部と背側部との各裏面によって空洞部が画成された中空構造としたタービン翼を用いている。このようなタービン翼では、振動を抑制する技術として、タービン翼の振動応答レベルを低減するため、シュラウドダンパ、板バネダンパ、シールピンダンパが採用されている(例えば、特許文献1など参照)。これらのダンパでは、翼内部や翼間に設置されており、共振時にダンパと翼が接触することから、摩擦による減衰効果を有している。
特開2010−203435号公報
しかしながら、摩擦減衰を採用している従来のタービン翼では、翼とダンパとの間の接触面の状態が安定しないため、翼の振動特性が安定せず、振動を容易に予測することができなかった。そのため、タービン翼を備えたタービンの稼働が不安定になるという問題があった。
また、タービンを長時間稼働させた場合には、翼とダンパとの間で摩耗や凝着が生じることから、前述したように接触面の状態が安定しないことから、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ダンパの減衰を安定させることで、中空翼の安定的な稼働を行うことができるとともに、振動予測を容易に行うことができる液体ダンパ、及びこれを備えた回転機械翼を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る液体ダンパは、腹側部と背側部との各裏面によって空洞部が画成された中空翼に配置される液体ダンパであって、前記中空翼の前記空洞部に収容されて、流動可能な粘性流体又は粘弾性流体を有することを特徴としている。
また、本発明に係る液体ダンパを備えた回転機械翼は、上述の液体ダンパを備えた回転機械翼であって、前記液体ダンパは、前記中空翼の空洞部内で、前記裏面に接触して設けられていることを特徴としている。
本発明では、中空翼に生じる振動を粘性流体又は粘弾性流体を収容した液体ダンパによって減衰させることができ、振動応力の低減効果を得ることができる。つまり、共振によって中空翼同士が接触する際に、これら中空翼に設けられる液体ダンパにも衝撃力が加わり、内部の粘性流体又は粘弾性流体も励振される。このとき粘性流体又は粘弾性流体が励振されることで、その流体の運動エネルギーが熱エネルギーへと変換され、これにより中空翼の振動を低減することができ、減衰効果を発揮することになる。
このように、本発明では、中空翼の振動を抑制する液体ダンパの減衰にかかる振動特性が安定することから、振動予測が容易に、且つより精度よく行うことができ、摩耗などの経年劣化への対応が可能となり、中空翼を備えた発電プラント等を安定的に稼働させることができる。
また、本発明に係る液体ダンパでは、前記空洞部に収容可能で閉塞空間を形成する筐体と、該筐体内に収容される前記粘性流体又は粘弾性流体と、を備え、前記筐体の内面には、柔軟性を有する梁状突出片が突設されていることが好ましい。
この場合には、柔軟性を有する梁状突出片が粘性流体又は粘弾性流体の内部に配置され、振動によって梁状突出片が柔軟に振れることから、比較的、低周波領域で効果を発揮する粘性流体又は粘弾性流体のみが設けられる場合に比べて、高周波領域での振動低減効果を発揮させることができ、周波数領域を広げることができる。そのため、特に高周波領域となるガスタービンの使用に好適となる利点がある。
また、本発明では、液体ダンパを筐体型とすることが可能であり、着脱可能な構成とすることを容易に行うことができる。このように液体ダンパを着脱式とすることで、減衰効果を調整するときやメンテナンス時に適宜交換することができる利点がある。
また、本発明に係る液体ダンパでは、前記梁状突出片の固有振動数は、前記中空翼の固有振動数に合わせて設定されていることが好ましい。
この場合には、梁状突出片の共振点(固有振動数)を中空翼の共振点と一致させることで、液体ダンパを動吸振器として機能させることができ、中空翼の振動を効果的に低減することができる。
また、本発明に係る液体ダンパでは、前記梁状突出片は、複数設けられていることが好ましい。
この場合には、設計時に離調の対象となる振動モードは通常一つではないことから、それぞれの共振点にあった梁状突出片を複数設置することにより、中空翼の振動を広範な振動数領域で低減することができ、動吸振器の機能をより効果的に発揮させることができる。また、複数の梁状突出片のそれぞれの材料、厚さ寸法、長さ寸法などを変更することで減衰係数を変更することが可能となるので、固有振動数の異なる複数の梁状突出片を配置することができる。
また、本発明に係る液体ダンパでは、前記梁状突出片には、微小な貫通孔からなる複数のオリフィスが形成されていることが好ましい。
本発明では、粘性流体又は粘弾性流体が梁状突出片に形成された複数のオリフィスを通過することで、中空翼の振動エネルギーをオリフィスによる運動エネルギーに変換することができ、さらに高い減衰効果が得られることから、より広範な振動数領域を網羅した動吸振器の機能を発揮させることができる。
また、本発明に係る液体ダンパでは、前記複数のオリフィスは、前記中空翼の回転周方向に向けて貫通していることが好ましい。
この場合には、中空翼の回転に伴って生じ易い回転周方向の振動を、複数のオリフィスにより効果的に減衰することができる。
本発明の液体ダンパ、及びこれを備えた回転機械翼によれば、ダンパの減衰を安定させることで、中空翼の安定的な稼働を行うことができるとともに、振動予測を容易に行うことができる効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態による蒸気タービンの概略構成を模式的示した図である。 図1に示す蒸気タービンを低圧最終段側から見た外観図である。 中空翼を背側から見た拡大図である。 図3に示す中空翼の翼部の断面図である。 液体ダンパを一方向から見た断面図である。 図5に示す液体ダンパに設けられる梁状突出片を示す正面図である。 図5に示すA−A線断面図であって、液体ダンパを他方向から見た断面図である。 液体ダンパにおける翼共振時の周波数応答曲線を示す図である。 第2の実施の形態による中空翼の構成を示す斜視図である。 第1変形例による液体ダンパの構成を示す断面図である。 (a)〜(c)は、第2変形例による液体ダンパを示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態による液体ダンパ、及びこれを備えた回転機械翼について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本実施の形態の中空翼1(回転機械翼)が適用されるタービンは、発電プラント等で用いられているものである。例えば、このような蒸気プラントとしては、高圧の蒸気を発生する蒸気発生器3と、蒸気発生器3から高圧の蒸気が直接供給される高圧蒸気タービン4と、蒸気発生器3及び高圧蒸気タービン4からの蒸気の湿分を分離して加熱する湿分分離加熱器5と、湿分分離加熱器5から低圧の蒸気が供給される低圧蒸気タービン(以下、蒸気タービン6という)が設けられている。
蒸気タービン6において、湿分分離加熱器5からの蒸気は、蒸気入口6Aに供給され、蒸気タービン6に形成されている蒸気通路6Bを、ロータ軸61の軸方向(図中、矢印Aで示す)に沿って流れる。蒸気通路6Bには、動翼7と静翼(以下、中空翼1という)が交互に配置されており、蒸気タービン6は、中空翼1での圧力降下によって運動エネルギーを生じさせ、これを動翼7によって回転トルクに変換している。
動翼7は、ロータ軸61に結合されており、これを回転駆動する。一方、中空翼1は、図1〜図3に示すように、ロータ軸61の径方向(図中、矢印Rで示す)内側の端がシュラウド62に、径方向Rの外側の端が翼根リング63に、それぞれ溶接により結合されている(図3に溶接部を符号Eで示す)。
中空翼1と動翼7は、一対となって一個の「段」を構成しており、蒸気タービン6には、多数の段が設けられている。これら段は、蒸気通路6Bを上流側から下流側に向かうに従って、中空翼1及び動翼7の翼幅(ロータ軸61に略直交する方向の翼の長さ)が、長くなるよう構成されている。蒸気通路6Bの最も下流側にある低圧最終段の中空翼1は、上流側の段にある中空翼1に比べて、特に翼幅が長いものとなっている。低圧最終段において、中空翼1は、図1に示すように、ロータ軸61の周方向(図中、矢印P)に所定の間隔で複数配列されており、翼群を形成している。
中空翼1は、図4に示すように、主に腹側を構成する腹側部材1A(腹側部)と、主に背側を構成する背側部材1B(背側部)と、を有し、腹側部材1Aと背側部材1Bを組み合わせた内部に空洞部1Cが形成されている。腹側部材1Aと背側部材1Bは、それぞれ金属製の板状部材を、互いに異なる反り方で湾曲させたものである。腹側部材1Aは、その表面が中空翼1の腹面1aとなるよう反りが形成されている。一方、背側部材1Bは、その表面が中空翼1の背面1bとなるよう反りが形成されている。
中空翼1の翼部16の内部には、液体ダンパ10が着脱自在に内装されている。
液体ダンパ10は、図5〜図7に示すように、空洞部1Cに収容可能で閉塞空間を形成する筐体11と、この筐体11の内部に収容される流動可能な粘性流体又は粘弾性流体12と、を備えて構成されている。
筐体11は、Ni合金やチタンなどの耐熱材料から構成され、6面からなる壁体によって液密な閉塞空間を形成し、翼部16の径方向に沿って延びる形状をなしている。ここで、図5及び図7では、液体ダンパ10に対して紙面の上側に向けて遠心力Fが作用している状態を示している。
筐体11内に収容される粘性流体又は粘弾性流体12としては、鉛(液体)や高分子液体等が挙げられ、液体ダンパ10の取付け位置の温度から選択される。なお、図5及び図7は、粘性流体又は粘弾性流体12として例えば300℃程度の高温領域で液化する鉛を使用した一例を示している。この場合、常温時には固体で筐体11内に満たされた状態(不図示)であっても、タービン運転時のような高温時には液化する。
筐体11の一壁体(第1壁体11a)の内面には、オリフィス構造を有するとともに、柔軟性を有する板状の梁状突出片13が突設されている。梁状突出片13は、例えばチタンやNi合金等の材料から形成され、第1壁体11aの幅方向の中心位置において、その突設方向を遠心力Fが作用する方向(矢印Y方向)に向けて設けられている。梁状突出片13の高さ寸法H(径方向Rの長さ寸法)は、任意に設定することができるが、ここでは突出端13bが筐体11の第1壁体11aに対向する第2壁体11bに近づく高さ寸法に設定されている。
梁状突出片13には、微小な貫通孔からなる複数(図6で6個)のオリフィス13aが厚さ方向に貫通して形成され、これらオリフィス13aによって減衰機能を有するオリフィス構造が構成されている。オリフィス13aは、中空翼1の回転周方向に向けて貫通している。
このようなオリフィス13aを有する梁状突出片13の固有振動数は、中空翼1の固有振動数に合わせて設定されている。つまり、梁状突出片13の共振点を中空翼1の共振点に一致させることで、動吸振器として機能させることができ、振動低減効果が主に低周波数領域で発揮されることがなく、周波数領域を広げることができる。
次に、上述した構成の中空翼1の作用について、図面に基づいて具体的に説明する。
図4に示すように、本実施の形態のように内部に空洞部1Cを有する中空翼1は、内部に空洞部1Cを有しない中実翼に比べて固有振動数が比較的小さなものとなっており、図1に示す蒸気タービン6の作動時において、自励振動(フラッタ)が生じ易くなっている。自励振動が生じると、中空翼1には弾性変形による撓みや捩れが生じ、中空翼1の腹側部材1Aと背側部材1Bとの間には、相対的な位置変動が生じる。
そして、相対的な位置変動が生じ、相対振動する中空翼1同士が共振によって接触する際には、これら中空翼1の空洞部1C内に設けられる液体ダンパ10にも衝撃力が加わり、図5及び図7に示すように、内部の粘性流体又は粘弾性流体12も励振される。このとき粘性流体又は粘弾性流体12が励振されることで、その流体の運動エネルギーが熱エネルギーへと変換され、これにより中空翼1の振動を低減することができ、減衰効果を発揮することになる。つまり、中空翼1に生じる振動を粘性流体又は粘弾性流体12を収容した液体ダンパ10によって減衰させることができ、振動応力の低減効果を得ることができる。
このように、中空翼1の振動を抑制する液体ダンパ10の減衰にかかる振動特性が安定することから、振動予測が容易に、且つより精度よく行うことができ、摩耗などの経年劣化への対応が可能となり、中空翼1備えた発電プラント等を安定的に稼働させることができる。
また、柔軟性を有する梁状突出片13が粘性流体又は粘弾性流体12の内部に配置され、振動によって梁状突出片13が柔軟に振れることから、比較的、低周波領域で効果を発揮する粘性流体又は粘弾性流体12のみが設けられる場合に比べて、高周波領域での振動低減効果を発揮させることができ、周波数領域を広げることができる。そのため、特に高周波領域となるガスタービンの使用に好適となる利点がある。
また、本実施の形態では、液体ダンパ10が筐体11を備えているので、インテグラルシュラウド2に対して容易に着脱可能となる。このように液体ダンパ10を着脱式とすることで、減衰効果を調整するときやメンテナンス時に適宜交換することができる利点がある。
また、本実施の形態では、梁状突出片13の共振点(固有振動数)を中空翼1の共振点と一致させることで、液体ダンパ10を動吸振器として機能させることができ、中空翼1の振動を効果的に低減することができる。
さらに、本実施の形態では、梁状突出片13にオリフィス13aが形成されているので、粘性流体又は粘弾性流体12が梁状突出片13に形成されたオリフィス13aを通過することで、中空翼1の振動エネルギーをオリフィス13aによる運動エネルギーに変換することができ、さらに高い減衰効果が得られることから、より広範な振動数領域を網羅した動吸振器の機能を発揮させることができる。
また、オリフィス13aが中空翼1の回転周方向に向けて貫通するように設けられているので、中空翼1の回転に伴って生じ易い回転周方向の振動を、オリフィス13aにより効果的に減衰することができる。なお、オリフィス13aの貫通方向は、回転周方向に限定されることはなく、径方向、あるいはロータ軸方向としてもよい。
ここで、本実施の形態の中空翼1の効果について、図8を用いて説明する。
図8に示す翼共振時の周波数応答曲線は、翼を梁モデルに置き換え、対象モードを曲げ1次として、液体ダンパを備えた場合と、備えていない場合についてそれぞれ解析した結果の一例である。液体ダンパには,鉛(液体)と梁構造(梁状突出片)のオリフィスを想定した。なお,液体ダンパの質量は翼に対して小さいため省略している。この結果、液体ダンパを備えた翼では、液体ダンパを備えていない翼に比べて、最大で40%の振幅低減効果が得られることが確認できる。
上述した本実施の形態による液体ダンパ、及びこれを備えた回転機械翼では、ダンパの減衰を安定させることで、中空翼1の安定的な稼働を行うことができるとともに、振動予測を容易に行うことができる効果を奏する。
次に、本発明の液体ダンパ、及びこれを備えた回転機械翼による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
(第2の実施の形態)
例えば、上述した第1の実施の形態では、静翼の中空翼1を液体ダンパ10の適用対象としているが、これに限定されることはなく、例えば動翼の中空翼を適用対象としてもかまわない。また、第1の実施の形態では、蒸気タービンを液体ダンパの適用対象とした一例を示しているが、ガスタービンを対象としてもかまわない。
図9に示す第2の実施の形態による中空翼8は、ガスタービンにおいて、図1に示すロータ軸61に対して、このロータ軸61方向に沿って多段にわたって設けられ、ロータ軸61側に保持されるクリスマスツリー型の翼根81を有する動翼である。また、この中空翼8は、高温ガスに曝される翼部82と、この翼部82を支持するプラットホーム83と、プラットホーム83と翼根81とを連結するシャンク84と、を備えている。翼根81は、図示しない円板に埋め込まれて、中空翼8を支持している。
中空翼8のプラットホーム83には、隙間をあけて隣接する他の中空翼側の一側面83a(回転軸の円周方向における一側面)において、図示しない減衰材料が収容される凹溝83bが設けられている。この凹溝83bにより、中空翼8の翼部82側を流動する高温の蒸気が翼根81側へ流れ込むのを防いでいると共に、中空翼8の内部を通ってこれら中空翼8を冷却する冷却媒体である冷却空気が翼根81側から翼部82側へ漏れ出すのを防いでいる。
中空翼8の翼部82の内部には、液体ダンパ10が着脱自在に内装されている。液体ダンパ10は、図4に示す上述した第1の実施の形態と同様に粘性流体又は粘弾性流体12が収容された筐体11であって、この筐体11が翼部82の径方向に沿って延びる形状となっている。なお、本実施の形態の液体ダンパ10にも第1の実施の形態と同様に梁状突出片13やオリフィス13aが設けられている。つまり、梁状突出片13の共振点を翼部82の共振点と一致させることで、動吸振器として機能し、翼振動を効果的に低減することができる。
以上、本発明による液体ダンパ、及びこれを備えた回転機械翼の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、液体ダンパとして、梁状突出片13を省略してもよいし、オリフィス13aが形成されていない梁状突出片13を用いることも可能である。
なお、液体ダンパ10に設けられる梁状突出片13の材料、厚さ寸法、長さ寸法、突設方向は、適宜変更することが可能である。
例えば、図10に示す第1変形例の液体ダンパ10Bように、高さHの異なる3つの梁状突出片13(13A、13B、13C)を平行に互いに間隔をあけて突設させることも可能である。なお、図10に示す梁状突出片のうち、高さHが最も高い梁状突出片13Aと二番目に高い梁状突出片13Bにはオリフィス13aが形成され、最も高さの低い梁状突出片13Cにはオリフィスが設けられていない。このように複数の梁状突出片13を液体ダンパに設ける場合、設計時に離調の対象となる振動モードは通常一つではないことから、それぞれの共振点にあった梁状突出片13を複数設置することにより、中空翼の振動を広範な振動数領域で低減することができ、動吸振器の機能をより効果的に発揮させることができる。
また、複数の梁状突出片のそれぞれの材料、厚さ寸法、長さ寸法、突設方向などを変更することで減衰係数を変更することが可能となるので、固有振動数の異なる複数の梁状突出片を配置することができる。
また、図11(a)〜(c)に示す第2変形例の液体ダンパ10Cように、突設方向が異なるように第1梁状突出片13D、及び第2梁状突出片13Eを設けるようにしてもよい。ここで、図11(a)は、粘性流体又は粘弾性流体12が省略されている。すなわち、第1梁状突出片13Dは筐体11の第1壁体11aに垂設され、第2梁状突出片13Eは第1壁体11aに隣接する第3壁体11cに垂設され、第1梁状突出片13Dと第2梁状突出片13Eとが互いに直交する方向に向けて突設されている。なお、図11(b)は、紙面の下側から上側に向けて遠心力Fが作用した図であり、図11(c)は、紙面の左側から右側に向けて遠心力Fが作用した図になっている。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施の形態を適宜組み合わせてもよい。
1、8 中空翼(回転機械翼)
1A 腹側部材(腹側部)
1B 背側部材(背側部)
1C 空洞部
6 蒸気タービン
7 動翼
10、10A、10B、10C 液体ダンパ
11 筐体
12 粘性流体又は粘弾性流体
13、13A〜13E 梁状突出片
13a オリフィス
61 ロータ軸

Claims (7)

  1. 腹側部と背側部との各裏面によって空洞部が画成された中空翼に配置される液体ダンパであって、
    前記中空翼の前記空洞部に収容されて、流動可能な粘性流体又は粘弾性流体を有することを特徴とする液体ダンパ。
  2. 前記空洞部に収容可能で閉塞空間を形成する筐体と、
    該筐体内に収容される前記粘性流体又は粘弾性流体と、
    を備え、
    前記筐体の内面には、柔軟性を有する梁状突出片が突設されていることを特徴とする請求項1に記載の液体ダンパ。
  3. 前記梁状突出片の固有振動数は、前記中空翼の固有振動数に合わせて設定されていることを特徴とする請求項2に記載の液体ダンパ。
  4. 前記梁状突出片は、複数設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の液体ダンパ。
  5. 前記梁状突出片には、微小な貫通孔からなる複数のオリフィスが形成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の液体ダンパ。
  6. 前記複数のオリフィスは、前記中空翼の回転周方向に向けて貫通していることを特徴とする請求項5に記載の液体ダンパ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液体ダンパを備えた回転機械翼であって、
    前記液体ダンパは、前記中空翼の空洞部内で、前記裏面に接触して設けられていることを特徴とする液体ダンパを備えた回転機械翼。
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