JP2015146435A - デバイス用Ge基板の洗浄方法、洗浄水供給装置及び洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、Ge基板は、Geの酸化物の溶解し易さが問題となっている。即ち、液中の酸化性物質(溶存酸素、過酸化水素など)によってGeの酸化が進行し、容易に溶解するようになることで、基板表面ラフネスの増大や膜ロスなどのトラブル(以下これらを「表面あれ」と称す。)が懸念されている。
なお、本発明において、洗浄とは、微粒子等の汚染除去のための洗浄と、薬品等を用いた洗浄後の仕上げ洗浄であるリンス洗浄の両方を含むものとする。
また、Ge基板の洗浄には超音波洗浄、高圧ジェット洗浄、二流体洗浄といった物理的洗浄作用を付与することにより、より一層高い洗浄効果を得ることができる。
給水のDO除去装置としては、水質を悪化させるものでなければ特に制限はなく、真空脱気塔、膜脱気装置などが用いられ、コンパクトで管理も容易な膜脱気装置が好適である。その排気機構も水質を悪化させるものでなければ制限はない。オイルを用いる真空ポンプはオイルの逆拡散により、水質の悪化が懸念されるので、オイルフリースクロール真空ポンプや、水封式真空ポンプなどが用いられる。
給水中にH2O2が含まれていなければ、H2O2の除去は不要であるが、H2O2を含む給水の場合は、H2O2の除去を行う。H2O2の除去方法としては、通常、PtやPbなどの触媒や、亜硫酸型樹脂などを用いてH2O2を還元除去する方法が用いられる。H2O2除去機構が、H2O2を分解して酸素と水とする反応機構の場合は、DOの除去に先立ちH2O2の分解を行うことが、H2O2の分解で発生した酸素を残留させない点で好ましい。Ptなどの触媒を用いてH2O2を水素で還元して水とする反応機構の場合は、DO除去の前段で行っても後段で行ってもよい。
本発明においては、上記のようにDO除去及び必要に応じてH2O2除去を行った水に、非酸化性ガスを溶解させて洗浄に用いてもよく、このようなガス溶解水を用いることにより、微粒子等の汚染除去効果を高めることができる。
本発明で用いる洗浄水には、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸、酢酸などの酸や、アンモニア、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、コリンなどのアルカリや、キレート剤、界面活性剤などの薬品の1種又は2種以上を添加してもよく、このような薬品を添加することにより、微粒子等の汚染除去効果を高めることができる。特に、アンモニア等のアルカリを添加して、洗浄水のpHを7以上、好ましくは9〜14のアルカリ性に調整することにより、微粒子等の除去効果を高めることができる。なお、このpH調整にはアルカリ性薬品を用いる他、アルカリ性ガスを用いても良いが、取扱いが簡便で濃度管理を容易に行えるアンモニアを用いることが好ましい。特にアンモニアを1mg/L以上、例えば1〜200mg/L程度添加して、pH7〜11に調整した洗浄水を用いることにより、良好な洗浄効果を得ることができる。なお、この洗浄水のpHが過度に高かったりアンモニアの添加量が過度に多いと、被洗浄物に対するダメージが出るおそれがあり、好ましくない。
薬品の添加は、前述のガスの溶解後であっても溶解前であってもよい。
給水及び給水に上述の処理を施した洗浄水を洗浄機に供給するための配管は、水質を悪化させるものでなければその材質には特に制限はないが、ガス透過性が低いCVP(塩化ビニル)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などの材質よりなるものが好ましい。
給水及び洗浄水の温度は、給水配管や給水機構の各部の耐熱性にもよるが、通常20〜80℃の範囲であり、例えば20〜30℃又は60〜80℃の温度とすることが好ましい。
本発明における洗浄方法としては特に制限はなく、被洗浄物に洗浄水を噴き付けて洗浄する方法や、洗浄水中に被洗浄物を浸漬して洗浄する方法など、従来公知のいずれの方法も採用することができるが、洗浄水に超音波を付加しながら行う超音波洗浄、或いは、吐出ノズルから、洗浄水又は洗浄水と気体との混合流体を被洗浄物に向けて吐出させて洗浄する高圧ジェット洗浄又は二流体洗浄を行うことが好ましい。
超音波洗浄において用いる超音波に制限はないが、一般的に使用される10kHz〜3MHzの超音波が好適に用いられる。
洗浄水供給量:0.5〜30L/min
ノズル液圧:5〜20MPa
洗浄水供給量:0.05〜0.5L/min
ノズル液圧:0.05〜0.5MPa
キャリアガス圧:0.1〜0.6MPa
以下に、図1を参照して、本発明の洗浄装置を具体的に説明する。
図1において、1はH2O2除去装置、2は脱気膜モジュール、3はガス溶解膜モジュール、4は洗浄機、5は超音波ノズル、6は被洗浄物であるGe基板、7は回転台を示す。Pは脱気膜モジュール2の気室側を真空引きするための排気ポンプ、Fは水流量計、Gはガス流量調節機構である。
図1に示す洗浄装置により、Si粒子で汚染させたGe基板(φ3インチ,洗浄前の微粒子数:約2000個/基板)を被洗浄物として洗浄実験を行った。
なお、洗浄前後のGe基板表面の微粒子数は、Ge基板表面をレーザー顕微鏡で観察して0.5μm以上の微粒子の個数を計測して求めた。また、除去率は洗浄前後の微粒子の個数から算出した。
脱気膜:ポリポア社製「リキセルG248」
ガス溶解膜:ポリポア社製「リキセルG248」
H2O2除去装置:栗田工業(株)製「ナノセイバー(登録商標)」
供給ガス:水素ガス
給水:純水
水温:25℃
水量5L/min
水素ガス流量:78mL/min
実施例1において、給水のH2O2除去、水素ガス溶解、アンモニア添加を行わず、脱気によりDO10μg/L程度とした純水(H2O21μg/L)による超音波洗浄としたこと以外は同様にして洗浄実験を行い、微粒子除去率及びGe基板の表面あれの状態を調べ、結果を表1に示した。
実施例1において、給水の水素ガス溶解、アンモニア添加を行わず、H2O2<1μg/L、DO10μg/L程度に除去した純水による超音波洗浄としたこと以外は同様にして洗浄実験を行い、微粒子除去率及びGe基板の表面あれの状態を調べ、結果を表1に示した。
実施例1において、給水のアンモニア添加を行わず、H2O2<1μg/L、DO10μg/L程度に除去すると共に溶存水素ガス濃度1.4mg/Lとした純水による超音波洗浄としたこと以外は同様にして洗浄実験を行い、微粒子除去率及びGe基板の表面あれの状態を調べ、結果を表1に示した。
実施例1において、超音波を付与せずに洗浄したこと以外は同様にして洗浄実験を行い、微粒子除去率及びGe基板の表面あれの状態を調べ、結果を表1に示した。
実施例1において、給水のH2O2除去、脱気、水素ガス溶解、アンモニア添加を行わず、H2O2濃度10μg/L、DO濃度数百μg/Lの純水による超音波洗浄としたこと以外は同様にして洗浄実験を行い、微粒子除去率及びGe基板の表面あれの状態を調べ、結果を表1に示した。
Ge基板の代りに、実施例1における汚染Ge基板と同程度に汚染させた汚染Si基板を被洗浄物として、比較例1と同様にして洗浄実験を行い、微粒子除去率及びSi基板の表面あれの状態(Rmax)を調べ、結果を表1に示した。
純水に何ら処理を行うことなく超音波洗浄を行った比較例1では、微粒子除去率も高くはないが、特にGe基板の表面あれの問題がある。この結果は、洗浄水として純水を用いてもGe基板の表面あれを防止し得ないことを示している。
また、実施例1に対して超音波を付与しなかったこと以外は同様に行った実施例5や、実施例1に対してH2ガス溶解及びアンモニア添加を行わなかったこと以外は同様に行った実施例3では、微粒子除去率は劣るが、Ge基板の表面あれは十分に抑制されている。
また、脱気によるDO除去のみを行って超音波洗浄を行った実施例2は、微粒子除去率は比較例1よりも劣るが、Ge基板の表面あれの抑制の目的は達成されている。
実施例2,3,5の洗浄方法は、微粒子除去を必要としない薬液洗浄後の仕上げ洗浄においては、Ge基板の表面あれを抑制した上で高いリンス効果を得ることができる。
2 脱気膜モジュール
3 ガス溶解膜モジュール
4 洗浄機
5 超音波ノズル
6 Ge基板
7 回転台
実施例1において、給水のH2O2除去、水素ガス溶解、アンモニア添加を行わず、脱気によりDO10μg/L程度とした純水(H2O21μg/L)による超音波洗浄としたこと以外は同様にして洗浄実験を行い、微粒子除去率及びGe基板の表面あれの状態を調べ、結果を表1に示した。
実施例1において、給水の水素ガス溶解、アンモニア添加を行わず、H2O2<1μg/L、DO10μg/L程度に除去した純水による超音波洗浄としたこと以外は同様にして洗浄実験を行い、微粒子除去率及びGe基板の表面あれの状態を調べ、結果を表1に示した。
また、実施例1に対して超音波を付与しなかったこと以外は同様に行った実施例5や、実施例1に対してH2ガス溶解及びアンモニア添加を行わなかったこと以外は同様に行った比較例3では、微粒子除去率は劣るが、Ge基板の表面あれは十分に抑制されている。
また、脱気によるDO除去のみを行って超音波洗浄を行った比較例2は、微粒子除去率は比較例1よりも劣るが、Ge基板の表面あれの抑制の目的は達成されている。
実施例5の洗浄方法は、微粒子除去を必要としない薬液洗浄後の仕上げ洗浄においては、Ge基板の表面あれを抑制した上で高いリンス効果を得ることができる。
Claims (13)
- デバイス用Ge基板を洗浄する方法において、溶存酸素を除去した水を用いて洗浄することを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄方法。
- 請求項1において、溶存酸素と過酸化水素を除去した水を前記洗浄に用いることを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄方法。
- 請求項1又は2において、前記洗浄に用いる水の溶存酸素濃度が50μg/L以下、H2O2濃度が50μg/L以下であることを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記洗浄に用いる水が非酸化性ガスを溶解させたガス溶解水であることを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄方法。
- 請求項4において、前記非酸化性ガスが水素ガス及び/又は窒素ガスであることを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記洗浄に用いる水が、酸、アルカリ、キレート剤及び界面活性剤よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の薬品を含むことを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、超音波洗浄、高圧ジェット洗浄又は二流体洗浄を行うことを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄方法。
- デバイス用Ge基板の洗浄に用いる洗浄水をGe基板の洗浄機に供給する装置において、水中の溶存酸素を除去する脱気手段と、該脱気手段で溶存酸素を除去した水を洗浄機に供給する手段とを有することを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄水供給装置。
- 請求項8において、更に水中の過酸化水素を除去する過酸化水素除去手段を有し、該過酸化水素除去手段と前記脱気手段で処理した水が前記洗浄機に供給されることを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄水供給装置。
- 請求項8又は9において、前記脱気手段で溶存酸素を除去した水に非酸化性ガスを溶解させるガス溶解手段を有し、該ガス溶解手段で処理された水が前記洗浄機に供給されることを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄水供給装置。
- 請求項8ないし10のいずれか1項において、前記脱気手段で溶存酸素を除去した水に、酸、アルカリ、キレート剤及び界面活性剤よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の薬品を添加する薬品添加手段を有することを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄水供給装置。
- デバイス用Ge基板を洗浄する装置において、請求項8ないし11のいずれか1項に記載のデバイス用Ge基板の洗浄水供給装置と、該デバイス用Ge基板の洗浄水供給装置からの洗浄水が供給される洗浄機とを有することを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄装置。
- 請求項12において、前記洗浄機が超音波洗浄機、高圧ジェット洗浄機、又は二流体洗浄機であることを特徴とするデバイス用Ge基板の洗浄装置。
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