JP2015146397A - 半導体発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高出力であっても広帯域化を図り得る半導体発光素子を提供する。
【解決手段】 本発明の半導体発光素子1は、量子井戸構造を有する活性層30と、当該活性層30において光出射端面とは逆の端面側に配置される反射部材50とを備える。この反射部材50は、最小の反射率となる波長が活性層30で生じる光のスペクトルの半値幅内にあり、かつ、その半値幅内では最小の反射率となる波長を基準として短波長側および長波長側の少なくとも一方側の反射率が最小の反射率から離れるにつれて増加するスペクトル形状となる反射スペクトルを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の半導体発光素子1は、量子井戸構造を有する活性層30と、当該活性層30において光出射端面とは逆の端面側に配置される反射部材50とを備える。この反射部材50は、最小の反射率となる波長が活性層30で生じる光のスペクトルの半値幅内にあり、かつ、その半値幅内では最小の反射率となる波長を基準として短波長側および長波長側の少なくとも一方側の反射率が最小の反射率から離れるにつれて増加するスペクトル形状となる反射スペクトルを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は半導体発光素子に関し、スーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode:SLD)と呼ばれる半導体発光素子に好適なものである。
スーパールミネッセントダイオードは、広い波長帯域のスペクトル分布を有するという発光ダイオードの特徴と、高出力を有するという半導体レーザの特徴とを合わせもつ半導体発光素子であり、医療分野や計測分野における装置用の光源として注目されている。
また、例えばOCT(Optical Coherence Tomography)と呼ばれる眼科検診用装置などのように、スーパールミネッセントダイオードを光源として利用した装置が製品化されつつある。
このようなスーパールミネッセントダイオードとして、例えば下記特許文献1に記載されたものが提案されている。この特許文献1におけるスーパールミネッセントダイオードでは、インジウムまたはアルミニウムの少なくとも一方の組成を含んだ多重井戸構造の活性層を有し、その活性層における障壁層の層数が4以下とされ、障壁層の厚みが1.5nm〜3.0nmとされている。
このようなスーパールミネッセントダイオードによれば、多重量子井戸における第1量子準位と第2量子準位との発光スペクトルが重ね合わせられて、出力光の帯域が広くなるようになっている。
ところが、特許文献1におけるスーパールミネッセントダイオードでは、ある一定の出力値を超えると、第2量子準位の発光が優位となるため、各井戸層における第1量子準位に比べて第2量子準位の発光強度が大きくなり、出力光の帯域が狭まってしまう。
このため、特許文献1におけるスーパールミネッセントダイオードでは、高出力を維持しながら波長帯域を広げることができず、当該波長帯域が限定的となるという課題があった。
そこで、本発明は、高出力であっても広帯域化を図り得る半導体発光素子を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明の半導体発光素子は、量子井戸構造を有する活性層と、前記活性層における光出射端面とは逆の端面側に配置される反射部材とを備え、前記反射部材は、最小の反射率となる波長が前記活性層で生じる光のスペクトルの半値幅内にあり、かつ、前記半値幅内では前記最小の反射率となる波長を基準として短波長側および長波長側の少なくとも一方側の反射率が前記最小の反射率から離れるにつれて増加するスペクトル形状となる反射スペクトルを有することを特徴とする。
このような半導体発光素子では、活性層にキャリアが注入された場合、光出射端面側に進む前進光と、その光出射端面とは逆の端面側に進む後進光とが生じ、当該後進光の一部の光は反射部材によって反射される。
この反射部材の反射スペクトルは、最小の反射率となる波長が活性層で生じる光のスペクトルの半値幅内にあり、かつ、その半値幅内では最小の反射率となる波長を基準として短波長側および長波長側の少なくとも一方側の反射率が最小の反射率から離れるにつれて増加するスペクトル形状となっている。
このため、反射部材で反射する反射光のスペクトルにおいては、半値幅内の一部の波長間の強度差が小さくなってなだらかとなり、当該半値幅が広がる。また、ピーク波長が反射前のピーク波長と異なる波長にもできる。そして、この反射光は活性層を光出射端面側に進み前進光と重なり合った後、光出射端面から出射される。
このように、反射膜により半値幅が広がり、かつ、ピーク波長が異なる後進光を前進光と重ね合わせて光出射端面から発光させるようにしたことで、活性層に注入すべきキャリアの注入量にかかわらず、当該発光波長を広帯域化することができる。こうして、高出力であっても広帯域化を図り得る半導体発光素子が提供される。
この反射部材の反射スペクトルは、最小の反射率となる波長が活性層で生じる光のスペクトルの半値幅内にあり、かつ、その半値幅内では最小の反射率となる波長を基準として短波長側および長波長側の少なくとも一方側の反射率が最小の反射率から離れるにつれて増加するスペクトル形状となっている。
このため、反射部材で反射する反射光のスペクトルにおいては、半値幅内の一部の波長間の強度差が小さくなってなだらかとなり、当該半値幅が広がる。また、ピーク波長が反射前のピーク波長と異なる波長にもできる。そして、この反射光は活性層を光出射端面側に進み前進光と重なり合った後、光出射端面から出射される。
このように、反射膜により半値幅が広がり、かつ、ピーク波長が異なる後進光を前進光と重ね合わせて光出射端面から発光させるようにしたことで、活性層に注入すべきキャリアの注入量にかかわらず、当該発光波長を広帯域化することができる。こうして、高出力であっても広帯域化を図り得る半導体発光素子が提供される。
また、前記反射部材は、前記活性層における光出射端面とは逆の端面に設けられる反射膜であることが好ましい。
通常、スーパールミネッセントダイオードに反射膜が用いられる場合、その反射膜は素子端面に誘電体膜で形成される。前記反射部材も誘電体膜にて形成可能なため、活性層における光出射端面とは逆の端面への反射部材の形成も同じプロセスを利用できる。また、反射部材を活性層端面近傍に別部材として配置した場合、部品点数の増加や光学位置合わせ等の手間が掛る。よって、活性層における光出射端面とは逆の端面に前記反射部材を簡単に形成することができる。なお、端面に形成できる誘電体膜の厚さには限度があるため、反射の特性が複雑な光学特性の場合、誘電体膜が厚くなることから、複雑な光学特性が必要な場合は、別部材とする方がよい場合もある。
また、前記活性層における光出射端面の前方に設けられ、特定の波長帯の光を選択的に透過するフィルタ膜と、前記フィルタ膜及び前記活性層における光出射端面の間に設けられる1/4波長板とをさらに備えることが好ましい。
このようにした場合、上記の反射部材だけが設けられている場合に比べて、発光波長の対称性を図る等といった発光スペクトルの調整をし易くできる。
なお、前記最小の反射率における波長は、前記活性層で生じる光の最大強度における波長と一致することが好ましい。
以上のように本発明によれば、高出力であっても広帯域化を図り得る半導体発光素子が提供される。
(1)第1実施形態
本発明を実施するために好適となる第1実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。
本発明を実施するために好適となる第1実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。
<スーパールミネッセントダイオードの構成>
図1は本実施形態におけるスーパールミネッセントダイオードの外観を示す図であり、図2は図1のX−X線を通る断面を示す図である。
図1は本実施形態におけるスーパールミネッセントダイオードの外観を示す図であり、図2は図1のX−X線を通る断面を示す図である。
図1および図2に示すように、本実施形態におけるスーパールミネッセントダイオード1は、ガリウムヒ素(GaAs)系材料のn型半導体層10、p型半導体層20、活性層30、反射防止膜40および反射膜50を主な構成要素として備える。
n型半導体層10は、基板11、バッファ層12、クラッド層13および光導波層14を有し、当該基板11の一面上にバッファ層12、クラッド層13、光導波層14の順で積層した構造とされる。また、基板11の他面には第1電極層15が設けられる。
p型半導体層20は、光導波層21、第1クラッド層22、エッチングストッパ層23、第2クラッド層24およびコンタクト層25を有し、活性層30の一面上に光導波層21、第1クラッド層22、エッチングストッパ層23、第2クラッド層24、コンタクト層25の順で積層した構造とされる。
第2クラッド層24は断面凸状のリッジ型とされ、当該第2クラッド層24の幅はエッチングストッパ層23の幅よりも小さく、当該第2クラッド層24の長さはエッチングストッパ層23の長さと同程度とされる。この第2クラッド層24は、エッチングストッパ層23における短手方向の一端から他端にわたって、当該エッチングストッパ層23における長手方向の一端に対して斜めに配置される。また、第2クラッド層24は屈曲部位を有し、当該屈曲部位はエッチングストッパ層23における短手方向の一端と他端との間の途中に位置している。
コンタクト層25は、第2クラッド層24の形状と同じ形状とされ、第2クラッド層24の頂面に配置される。
第2クラッド層24およびコンタクト層25のテーパ面とエッチングストッパ層23の一面とには絶縁膜26が設けられており、当該絶縁膜26一面とコンタクト層25の頂面とを覆うように第2電極層27が設けられる。
すなわち第2電極層27は、p型半導体層20におけるリッジ部のコンタクト層25だけに接触するようになっている。
活性層30は、n型半導体層10とp型半導体層20との層間に配置され、複数の井戸層および障壁層を交互に積層した多重量子井戸構造(Multiple Quantum Well:MQW)を有する。
図3は、本実施形態における活性層30の断面構造を示す図である。図3に示すように、本実施形態における活性層30は、4つの井戸層31A〜31Dと5つの障壁層32A〜32Eとを交互に積層した多重の量子井戸構造を有するものとされ、当該井戸層31A〜31Dで発光される光の波長はそれぞれ異なるものとされる。
また、図3に示す活性層30ではキャリアブロック層33および34が最外層として設けられており、当該キャリアブロック層33上にn型半導体層10が配置され、当該キャリアブロック層34上にp型半導体層20が配置される。
このような活性層30ではp型半導体層20におけるリッジ部に沿って光導波路が形成され、当該活性層30の一側面が光出射端面となる。
反射防止膜40は、活性層30の側面のうち、当該活性層30で生じる光を出射すべき光出射端面に成膜される。この反射防止膜40の形成手法としては、例えば、Al203、SiO2、TiO2などを単層または多層に蒸着、スパッター、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)等の手法が挙げられる。
反射膜50は、活性層30における光出射端面とは逆の側面に成膜される。この反射膜50の形成手法としては、例えば、金属、誘電体あるいは金属と誘電体を組み合わせたものなどを単層または多層に蒸着、スパッター、CVD等の手法が挙げられる。
図4は活性層30で生じる光のスペクトルを示す図であり、図5は反射膜50の反射スペクトルを示す図である。図4および図5に示すように、本実施形態における反射膜50の反射スペクトルは、最小の反射率となる波長が活性層30で生じる光のスペクトルの半値幅HW内にあり、かつ、半値幅HW内では最小の反射率となる波長を基準として短波長側および長波長側の双方の反射率が最小の反射率から離れるにつれて増加するスペクトル形状となっている。
すなわち、活性層30で生じる光はピーク(極大部)から短波長側および長波長側に向かって減少し続けるスペクトル線L1を有しているのに対し、反射膜50はボトムピーク(極小部)から短波長側および長波長側に向かって増加し続けるスペクトル線L2を有する。いいかえると、活性層30で生じる光のスペクトル線L1の向きと、反射スペクトルのスペクトル線L2の向きとが上下反転した関係となっている。これらスペクトル線L1およびL2のスペクトル形状(単位波長あたりの変化量)は異なっていても同じであっても良い。
なお、活性層30で生じる光のスペクトルは、本実施形態では、各井戸層31A〜31Dで発光される光の合成光のスペクトル分布を意味する。また、半値幅HWはスペクトル分布において相対強度がピーク値から50%となる波長の幅(波長帯域)を意味し、スペクトル線L1およびL2はスペクトル分布に近似する曲線(回帰曲線)または直線(回帰直線)のことを意味する。
<発光機序>
このようなスーパールミネッセントダイオード1では、第1電極層15および第2電極層27に電流が印加された場合、活性層30にキャリアが注入される。第2電極層27はp型半導体層20におけるリッジ部のコンタクト層25だけに接触しているため、活性層30のなかでリッジ部下方にあたる領域にキャリアが選択的に注入される。
このようなスーパールミネッセントダイオード1では、第1電極層15および第2電極層27に電流が印加された場合、活性層30にキャリアが注入される。第2電極層27はp型半導体層20におけるリッジ部のコンタクト層25だけに接触しているため、活性層30のなかでリッジ部下方にあたる領域にキャリアが選択的に注入される。
したがってリッジ部下方領域のみが発光に寄与し、また井戸層31A〜31Dで発光した光はn型半導体層10のクラッド層13およびp型半導体層20の第1クラッド層22に閉じ込められる。これにより活性層30ではリッジ部に沿って光導波路が形成されることになる。
<作用・効果>
図6は光導波路の様子を概念的に示す図である。また、図7は反射膜で反射した反射光のスペクトルを示す図であり、図8は光導波路から出射した出射光のスペクトルを示す図である。なお、図6の活性層30において太実線で描かれる曲線は光導波路の中心部分を概略的に示すものである。
図6は光導波路の様子を概念的に示す図である。また、図7は反射膜で反射した反射光のスペクトルを示す図であり、図8は光導波路から出射した出射光のスペクトルを示す図である。なお、図6の活性層30において太実線で描かれる曲線は光導波路の中心部分を概略的に示すものである。
図6に示すように、光導波路では光出射端面側に進む前進光と、当該光出射端面側とは逆の端面側に進む後進光とが生じ、当該後進光は反射膜50で反射する。反射膜50の反射スペクトルは、上述したように、最小の反射率となる波長が活性層30で生じる光のスペクトルの半値幅HW内にあり、かつ、半値幅HW内では最小の反射率となる波長を基準として短波長側および長波長側の双方の反射率が最小の反射率から離れるにつれて増加するスペクトル形状となっている。
このため、反射膜50を反射した反射光のスペクトルにおいては、図7に示すように、半値幅内の一部の波長間の強度差が小さくなってなだらかとなり、当該半値幅が広がることになる。また、ピーク波長は、反射前のピーク波長と異なる波長になる。
そして、この反射光は活性層30を光出射端面側に進みながら前進光と重なり合って合成波が形成される。この合成波は、図8に示すように、活性層30の光出射端面から出射される。
このように本実施形態のスーパールミネッセントダイオード1は、反射膜50により半値幅が広げられ、かつ、ピーク波長がずれた後進光を前進光と重ね合わせて発光させるようにしたことで、活性層30に注入すべきキャリアの注入量にかかわらず、当該発光波長を広帯域化することができる。
なお、広帯域化を図る観点では、反射スペクトルにおける最小の反射率をとる波長は、活性層30で生じる光の最大強度における波長と一致することが好ましい。
ところで、本実施形態における活性層30では、光出射端面に対して垂直ではなく斜めに光導波路が形成される。このため、光導波路内での光の往復による増幅作用が抑制され、レーザ発振を抑制している。これにより波長帯域を広く保ったままの発光とすることができる。
(2)第2実施形態
次に、本発明を実施するために好適となる第2実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。ただし、第2実施形態におけるスーパールミネッセントダイオードの構成要素のうち第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
次に、本発明を実施するために好適となる第2実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。ただし、第2実施形態におけるスーパールミネッセントダイオードの構成要素のうち第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
図9は、第2実施形態におけるスーパールミネッセントダイオードを図6と同じ視点で示す図である。図9に示すように、本実施形態のスーパールミネッセントダイオードは、第1実施形態の反射膜50を反射防止膜40に変更した点、および、反射素子60を新たに備える点において、第1実施形態のスーパールミネッセントダイオード1と相違している。
この反射素子60は、活性層30における光出射端面とは逆の側面に対向される反射面を有し、当該側面に接する配置、または、所定距離を隔てて配置される。また、反射素子60の反射スペクトルは、上記第1実施形態の反射膜50の反射スペクトルと同じとされる。
このようなスーパールミネッセントダイオードであっても、上記第1実施形態の場合と同様に、当該反射素子60により半値幅が広げられた後進光を前進光と重ね合わせて発光させることができる。したがって、上記第1実施形態の場合と同様に、活性層30に注入すべきキャリアの注入量にかかわらず、当該発光波長を広帯域化することができる。
なお、反射部材として、本実施形態では活性層30における光出射端面とは別部材として設けているため、該端面に対して直接的に反射膜50を設ける第1実施形態に比べて反射素子60を所望の反射特性で作製し易い。したがって、反射特性のバリエーションを増やすことが要求される場合などにおいては、第1実施形態の場合に比べて本実施形態の場合のほうが好ましい。
(3)変形例
第1実施形態および第2実施形態が一例として挙げられた。しかしながら本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
第1実施形態および第2実施形態が一例として挙げられた。しかしながら本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、4つの井戸層31A〜31Dと5つの障壁層32A〜32Eとを交互に積層した多重の量子井戸構造を有する活性層30が適用された。しかしながら、井戸層の層数と障壁層の層数とは上記実施形態以外の層数としても良く、また、単層の量子井戸構造を有する活性層が適用されても良い。
また上記実施形態では、反射部材としての反射膜50または反射素子60の反射スペクトルが、最小の反射率の波長を基準として短波長側および長波長側の双方の反射率が最小の反射率から離れるにつれて増加し続けるスペクトル形状を有していた。しかしながら、少なくとも、最小の反射率の波長を基準として短波長側および長波長側のいずれか一方側の反射率が半値幅HW内において最小の反射率から離れるにつれて増加していれば良い。
また上記実施形態では、光出射面に反射防止膜40のみが形成されたが、光出射面の前方に、特定の波長帯の光を選択的に透過するフィルタ膜(BPF膜)が備えられていても良い。図10に構成例を示す。
図10に示す例では、スーパールミネッセントダイオード1の活性層30における光出射面の前方に光学部品70が備えられる。この光学部品70は、基台PDを有し、当該基台PDにおいて活性層30の光出射面と対向する面に1/4波長板71が備えられる。また、基台PDにおいて1/4波長板71が備えられる面と逆側の面にはBPF膜72が備えられる。この光学部品70は、例えば、ガラス等の基台PDにおける一面に1/4波長板71貼り付け、当該基台PDにおける一面とは反対側の面に多層薄膜にてBPF膜72を形成することで得られる。
BPF膜72は、活性層30における光出射端面から出射する光の波長特性に応じた波長選択性を有している。なお、BPF膜72は、ピークとなる波長が活性層30で生じる光のスペクトルの半値幅HW内にあり、かつ、その半値幅HW内ではピークとなる波長を基準として短波長側および長波長側の少なくとも一方側の反射率がピークから離れるにつれて増加するスペクトル形状となるスペクトルを有していることが好ましい。つまり、反射スペクトルのスペクトル線L2の向きに対し、BPF膜72におけるスペクトル線の向きが上下反転した関係となっていると良い。このBPF膜72におけるスペクトル線とスペクトル線L2とのスペクトル形状(単位波長あたりの変化量)は異なっていても同じであっても良い。
1/4波長板71は、BPF膜72を透過せずに活性層30の光出射端面側に戻る光の偏波面を45°回転させる。これにより光出射面側に戻る光は、当該光出射面から出射した光に対して90°偏波面が回転することになるため、活性層30に光が戻ることが防止される。
なお、1/4波長板71とBPF膜72とは光学部品70として一体に形成されているが、当該1/4波長板71とBPF膜72とが別体とされていても良い。
図10に示す例では、スーパールミネッセントダイオード1の活性層30における光出射面の前方に光学部品70が備えられる。この光学部品70は、基台PDを有し、当該基台PDにおいて活性層30の光出射面と対向する面に1/4波長板71が備えられる。また、基台PDにおいて1/4波長板71が備えられる面と逆側の面にはBPF膜72が備えられる。この光学部品70は、例えば、ガラス等の基台PDにおける一面に1/4波長板71貼り付け、当該基台PDにおける一面とは反対側の面に多層薄膜にてBPF膜72を形成することで得られる。
BPF膜72は、活性層30における光出射端面から出射する光の波長特性に応じた波長選択性を有している。なお、BPF膜72は、ピークとなる波長が活性層30で生じる光のスペクトルの半値幅HW内にあり、かつ、その半値幅HW内ではピークとなる波長を基準として短波長側および長波長側の少なくとも一方側の反射率がピークから離れるにつれて増加するスペクトル形状となるスペクトルを有していることが好ましい。つまり、反射スペクトルのスペクトル線L2の向きに対し、BPF膜72におけるスペクトル線の向きが上下反転した関係となっていると良い。このBPF膜72におけるスペクトル線とスペクトル線L2とのスペクトル形状(単位波長あたりの変化量)は異なっていても同じであっても良い。
1/4波長板71は、BPF膜72を透過せずに活性層30の光出射端面側に戻る光の偏波面を45°回転させる。これにより光出射面側に戻る光は、当該光出射面から出射した光に対して90°偏波面が回転することになるため、活性層30に光が戻ることが防止される。
なお、1/4波長板71とBPF膜72とは光学部品70として一体に形成されているが、当該1/4波長板71とBPF膜72とが別体とされていても良い。
また上記実施形態では、スーパールミネッセントダイオード1におけるp型半導体層20が断面凸状のリッジ型とされた。しかしながら、p型半導体層20の形状は、例えば断面凸状の扇形またはテーパ型などといったように、各種形状を採用することができる。また、p型半導体層20のリッジ部分が屈曲部位を有する曲がり導波路型とされたが、当該屈曲部位を有さない直線導波路型とされても良い。
なお、半導体発光素子としてのスーパールミネッセントダイオード1の各構成要素は、上記実施形態に示された内容以外に、適宜、本願目的を逸脱しない範囲で組み合わせ、省略、変更、周知技術の付加などをすることができる。
本発明は、医療分野や計測分野などにおいて利用可能性がある。
1・・・スーパールミネッセントダイオード
10・・・n型半導体層
20・・・p型半導体層
30・・・活性層
31A〜31D・・・井戸層
32A〜32E・・・障壁層
33,34・・・キャリアブロック層
40・・・反射防止膜
50・・・反射膜
60・・・反射素子
70・・・光学部品
71・・・1/4波長板
72・・・BPF膜
10・・・n型半導体層
20・・・p型半導体層
30・・・活性層
31A〜31D・・・井戸層
32A〜32E・・・障壁層
33,34・・・キャリアブロック層
40・・・反射防止膜
50・・・反射膜
60・・・反射素子
70・・・光学部品
71・・・1/4波長板
72・・・BPF膜
Claims (4)
- 量子井戸構造を有する活性層と、
前記活性層における光出射端面とは逆の端面側に配置される反射部材と
を備え、
前記反射部材は、
最小の反射率となる波長が前記活性層で生じる光のスペクトルの半値幅内にあり、かつ、前記半値幅内では前記最小の反射率となる波長を基準として短波長側および長波長側の少なくとも一方側の反射率が前記最小の反射率から離れるにつれて増加するスペクトル形状となる反射スペクトルを有する
ことを特徴とする半導体発光素子。 - 前記反射部材は、前記活性層における光出射端面とは逆の端面に設けられる反射膜である
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。 - 前記活性層における光出射端面の前方に設けられ、特定の波長帯の光を選択的に透過するフィルタ膜と、
前記フィルタ膜及び前記活性層における光出射端面の間に設けられる1/4波長板と
をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体発光素子。 - 前記最小の反射率における波長は、前記活性層で生じる光の最大強度における波長と一致する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか1項に記載の半導体発光素子。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017110017A1 (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | ソニー株式会社 | 発光素子および表示装置 |
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2014
- 2014-02-04 JP JP2014019002A patent/JP2015146397A/ja active Pending
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