JP2015146004A - 光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽の高度が変化しても、効率よく安定して採光でき、室内全体の明るさの向上を図ることができる光学フィルムを提供すること。【解決手段】採光フィルム1に、光を反射する複数の空気層10を備え、複数の空気層10のそれぞれを、第1面方向Yに延びるように形成し、第1面方向Yと直交する第2面方向Zに互いに間隔を隔てて並列配置する。そして、複数の空気層10に、第1の間隔S1を隔てて互いに隣り合うように配置される空気層10と、第1の間隔S1と第2面方向Zの寸法が異なる第2の間隔S2を隔てて互いに隣り合うように配置される空気層10とを含める。【選択図】図7

Description

本発明は、光学フィルム、詳しくは、家屋などの建築物の採光に用いられる光学フィルムに関する。
従来より、建築物の室内の明るさなどの環境を調整するために、太陽光を室内に導入すること、いわゆる、採光(太陽光照明、昼光照明とも呼ばれる。)が知られている。しかるに、近年、環境負荷低減の観点から、より効率的に太陽光を室内に導入し、日中における人工照明の利用を低減することが望まれている。
そこで、光の屈折、回折または反射などの光学的作用により、光の進行方向を変更可能な光学部材を、窓などに取り付け、太陽光を室内に効率的に導入し、室内の明るさの向上を図ることが種々検討されている。
そのような光学部材として、例えば、水平方向に延びる複数のスリットが、上下方向に一定間隔で配列される透明なプラスチック板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、そのようなプラスチック板は、例えば、家屋の窓などに設置され、窓を介して室外から入射した太陽光を反射および屈折して、採光する。
特開2000−268610号公報
しかるに、太陽の高度は、日中において時間の経過とともに変化し、また、日にち(季節)が異なれば、同時刻であっても相異する。そのため、太陽光の入射角度は、日中における時刻および日にち(季節)により変化する。
しかし、特許文献1に記載のプラスチック板は、太陽の高度が特定の範囲内であるときに、太陽光を採光して、屋内の明るさを向上することができるが、太陽の高度が特定の範囲外であると、効率よく採光できず、屋内の明るさを十分に確保することができない場合がある。
そこで、本発明の目的は、太陽の高度が変化しても、効率よく安定して採光でき、室内全体の明るさの向上を図ることができる光学フィルムを提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明の光学フィルムは、光を反射するように構成される複数の反射層を備える光学フィルムであって、前記複数の反射層のそれぞれは、前記光学フィルムの厚み方向と直交する第1方向に延び、前記厚み方向および前記第1方向の両方向と直交する第2方向に、互いに間隔を隔てて並列配置され、前記複数の反射層は、第1の間隔を隔てて互いに隣り合うように配置される反射層と、前記第1の間隔と前記第2方向の寸法が異なる第2の間隔を隔てて互いに隣り合うように配置される反射層とを含んでいることを特徴としている。
このような構成によれば、光学フィルムが複数の反射層を備えているので、この光学フィルムを、例えば、第2方向が上下方向に沿うように、家屋の窓などに設置すれば、複数の反射層が、屋外からの太陽光を上方に向かって反射して採光する。
しかるに、複数の反射層を備える光学フィルムが、太陽の高度が変化したときに、屋内の明るさの向上を十分に図ることができるか否かは、複数の反射層における互いに隣り合う反射層の間の間隔(複数の反射層のピッチ)に依存する。
具体的には、互いに隣り合う反射層の間の間隔が小さい場合、太陽光の光学フィルムに対する入射角度が小さいと(太陽の高度が低いと)、入射光の大部分は、反射層に反射されて、上方に向かって進行し、太陽光の光学フィルムに対する入射角度が大きいと(太陽の高度が高いと)、入射光の大部分は、反射層に上方に向かって反射された後、その反射層の上側に配置される反射層に再度反射され、下方に向かって進行する。ここで、室内に導入される太陽光が、下方に向かって進行すると、窓の近傍は照らされるが、室内における他の部分の明るさを十分に確保できない。一方、室内に導入される太陽光が、上方に向かって進行すると、導入された太陽光が天井部などに反射されて、窓からより遠方に到達し、室内全体の明るさの向上を図ることができる。
つまり、互いに隣り合う反射層の間の間隔が小さい場合、太陽光の光学フィルムに対する入射角度が小さいと、室内全体の明るさの向上を図ることができるが、太陽光の光学フィルムに対する入射角度が大きいと、室内全体の明るさの向上を図ることができない。
また、互いに隣り合う反射層の間の間隔が大きい場合、太陽光の光学フィルムに対する入射角度が小さいと、入射光の大部分は、隣り合う反射層の間を通過し、下方に向かって進行し、太陽光の光学フィルムに対する入射角度が大きいと、入射光の大部分は、反射層に反射されて、上方に向かって進行する。
つまり、互いに隣り合う反射層の間の間隔が大きい場合、太陽光の光学フィルムに対する入射角度が大きいと、室内全体の明るさの向上を図ることができるが、太陽光の光学フィルムに対する入射角度が小さいと、室内全体の明るさの向上を図ることができない。
そのため、複数の反射層における互いに隣り合う反射層の間の間隔(複数の反射層のピッチ)が一定であると、太陽の高度が変化した場合、安定して採光することができない。
しかし、上記の構成によれば、複数の反射層は、第1の間隔を隔てて互いに隣り合うように配置される反射層と、第1の間隔と第2方向の寸法が異なる第2の間隔を隔てて互いに隣り合うように配置される反射層とを含んでいる。
そのため、太陽の高度が変化しても、その太陽光の光学フィルムに対する入射角度に適した間隔を隔てて隣り合う反射層、具体的には、第1の間隔または第2の間隔を隔てて互いに隣り合う反射層が、入射光を反射して、上方に向かうように進行させる。
その結果、太陽の高度が変化しても、効率よく安定して採光することができ、室内全体の明るさの向上を図ることができる。
また、前記第1の間隔は、前記第2の間隔に対して、1.25倍〜10倍であることが好適である。
このような構成によれば、第1の間隔が第2の間隔に対して、1.25倍〜10倍であるので、太陽の高度が大きく変化しても、入射光を確実に反射して、上方に向かうように進行させることができる。
本発明の光学フィルムによれば、太陽の高度が変化しても、効率よく安定して採光でき、室内全体の明るさの向上を図ることができる。
図1は、本発明の光学フィルムの第1実施形態としての採光フィルムの斜視図である。 図2は、図1に示す採光フィルムを第1面方向から見た側面図である。 図3は、図2に示す採光フィルムに係る第1単位フィルムおよび第2単位フィルムの斜視図である。 図4は、図3に示す第1単位フィルムおよび第2単位フィルムが積層されて形成される積層体の側面に支持体が貼り付けられた後、積層体の側面層が切断される工程を説明するための説明図である。 図5は、図4に示す積層体の側面に、支持体ロールから引き出された支持体が貼り付けられた後、積層体の側面層が連続的に切断される工程を説明するための説明図である。 図6は、図5に示す採光層および支持体の斜視図である。 図7Aは、図1に示す採光フィルムがガラス窓に取り付けられた状態を説明するための概略説明図であって、太陽の高度が相対的に低い場合を示す。図7Bは、図1に示す採光フィルムがガラス窓に取り付けられた状態を説明するための概略説明図であって、太陽の高度が相対的に高い場合を示す。 図8は、本発明の第2実施形態としての採光フィルムを、第1面方向から見た側面である。 図9は、本発明の第3実施形態としての採光フィルムを、第1面方向から見た側面である。 図10は、本発明の第4実施形態および第5実施形態としての採光フィルムの斜視図である。 図11は、図10に示す採光フィルムに係る第1単位フィルムおよび第2単位フィルムの斜視図である。 図12は、実施例および比較例における、基準照度および測定照度の測定方法を説明するための説明図である。 図13は、実施例および比較例の採光フィルムにおける、光の入射角に対する方向転換効率の変化を示す図である。
1.採光フィルムの構成
光学フィルムの一例としての採光フィルム1は、図1に示すように、可撓性を有するシート状(フィルム状)に形成されており、採光フィルム1の厚み方向Xからみて、矩形状に形成されている。
採光フィルム1の厚み方向Xの寸法は、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上、例えば、1500μm以下、透過性の観点から好ましくは、500μm以下である。
また、採光フィルム1のサイズは、使用目的などに応じて適宜変更されるが、採光フィルム1の厚み方向Xと直交する第1面方向Y(第1方向の一例)の寸法は、例えば、10cm以上、好ましくは、60cm以上、例えば、200cm以下、好ましくは、100cm以下である。また、採光フィルム1の厚み方向Xおよび第1面方向Yの両方向と直交する第2面方向Z(第2方向の一例)の寸法は、例えば、5cm以上、好ましくは、10cm以上、例えば、150cm以下、好ましくは、80cm以下である。
また、採光フィルム1は、図2に示すように、採光層2と、支持体3と、剥離体4とを備えている。
なお、以下の説明において、図2における紙面下側を第2面方向Zの一方とし、図2における紙面上側を第2面方向Zの他方とし、図2における紙面左側を厚み方向Xの一方とし、図2における紙面右側を厚み方向Xの他方とする。
採光層2は、採光フィルム1の厚み方向Xの略中央部分であって、複数の透明層9と、反射層の一例としての複数の空気層10とを備えている。
複数の透明層9は、第2面方向Zに互いに僅かな間隔(空気層10)を隔てて並列配置されている。複数の透明層9のそれぞれは、図1および図2に示すように、略杆状に形成され、採光層2の第1面方向Yの全体にわたって延びている。また、透明層9の第2面方向Zの一方面および他方面は、厚み方向Xに沿っている。
透明層9は、光を透過するように構成されており、加工の容易性の観点から好ましくは、透明の樹脂材料から形成される。
透明の樹脂材料としては、例えば、公知の樹脂材料などが挙げられ、樹脂材料としては、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP))、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン(PS)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、セルロース、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
このような透明の樹脂材料のなかでは、好ましくは、ポリオレフィンおよびポリ塩化ビニルが挙げられ、さらに好ましくは、ポリ塩化ビニルが挙げられる。このような樹脂材料は、単独で使用してもよく、2種以上併用することもできる。
また、透明層9の光透過率は、透明層9の厚みが100μmの場合に、波長440〜600nmの光に対して、例えば、80%以上、好ましくは、90%以上、さらに好ましくは、92%以上であり、例えば、98%以下である。
また、透明層9の相対屈折率は、空気の屈折率に対して、例えば、1.3以上、好ましくは、1.4以上、例えば、1.8以下、好ましくは、1.65以下である。なお、屈折率は、プリズムカプラにより測定することができる。
このような複数の透明層9は、詳しくは、第2面方向Zの寸法が互いに異なる第1透明層20および第2透明層21を備えている。なお、第1実施形態では、複数の透明層9は、複数の第1透明層20、および、複数の第2透明層21のみからなる。
第1透明層20および第2透明層21は、図2に示すように、第2面方向Zにおいて、互いに僅かな間隔(空気層10)を隔てて、連続するように交互に配置されている。
第1透明層20は、第2透明層21よりも第2面方向Zの寸法が大きく形成されている。具体的には、第1透明層20の第2面方向Zの寸法は、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。第1透明層20の第2面方向Zの寸法は、第2透明層21の第2面方向Zの寸法に対して、例えば、1.25倍以上、採光の安定性の観点から好ましくは、1.5倍以上、例えば、10倍以下、好ましくは、4倍以下である。
また、第1透明層20の厚み方向Xの寸法は、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上、例えば、1500μm以下、好ましくは、500μm以下である。また、第1透明層20の第2面方向Zの寸法は、第1透明層20の厚み方向Xの寸法100%に対して、例えば、20%以上、採光性の観点から好ましくは、40%以上、例えば、1000%以下、採光性の観点から好ましくは、500%以下である。
第2透明層21の第2面方向Zの寸法は、例えば、20μm以上、好ましくは、40μm以上、例えば、400μm以下、好ましくは、200μm以下であり、第2透明層21の厚み方向Xの寸法は、第1透明層20の厚み方向Xの寸法と同様である。
また、第2透明層21の第2面方向Zの寸法は、第2透明層21の厚み方向Xの寸法100%に対して、例えば、10%以上、採光性の観点から好ましくは、30%以上、例えば、100%以下、採光性の観点から好ましくは、80%以下である。
複数の空気層10は、複数の透明層9のうち、互いに隣り合う透明層9の間の隙間として形成されている。つまり、複数の空気層10は、第1実施形態では、互いに隣り合う第1透明層20と第2透明層21との間の隙間として形成されており、第1空気層23と、第2空気層24とを備えている。
第1空気層23は、第1透明層20と、その第1透明層20に対して、第2面方向Zの他方側に間隔を隔てて隣り合う第2透明層21との間の隙間として形成されている。つまり、第1空気層23は、第1透明層20の第2面方向Zの他方面と、第2透明層21の第2面方向Zの一方面とにより区画されている。
第2空気層24は、第1透明層20と、その第1透明層20に対して、第2面方向Zの一方に間隔を隔てて隣り合う第2透明層21との間の隙間として形成されている。つまり、第2空気層24は、第1透明層20の第2面方向Zの一方面と、第2透明層21の第2面方向Zの他方面とにより区画されている。
そのため、第1空気層23および第2空気層24のそれぞれは、図1および図2に示すように、採光層2の第1面方向Yの全体にわたって延びており、第1空気層23および第2空気層24のそれぞれと、第1透明層20および第2透明層21のそれぞれとの境界(後述する境界15、境界16および境界17)は、第1面方向Yおよび厚み方向Xに沿っている。
また、第1空気層23の第2面方向Zの寸法は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上、例えば、20μm以下、好ましくは、10μm以下であり、第1透明層20の第2面方向Zの寸法に対して、例えば、1/5000以上、好ましくは、1/300以上、例えば、2/3以下、好ましくは、1/3以下である。なお、第2空気層24の第2面方向Zの寸法は、第1空気層23の第2面方向Zの寸法と同様である。
また、図2に示すように、第1空気層23と、その第1空気層23に対して、第2面方向Zの一方側に配置される第2空気層24とは、第1透明層20を第2面方向Zに挟んでおり、第1の間隔S1を隔てて互いに隣り合っている。
第1の間隔S1の第2面方向Zの寸法は、例えば、25μm以上、好ましくは、50μm以上、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。なお、本実施形態(第1実施形態〜第5実施形態)では、第1の間隔S1の第2面方向Zの寸法は、第1透明層20の第2面方向Zの寸法と同一である。
また、第1の間隔S1は、第2の間隔S2に対して、例えば、1.25倍以上、採光の安定性の観点から好ましくは、1.5倍以上、例えば、10倍以下、好ましくは、4倍以下である。
また、第1空気層23と、その第1空気層23に対して、第2面方向Zの他方側に配置される第2空気層24とは、第2透明層21を第2面方向Zに挟んでおり、第2の間隔S2を隔てて互いに隣り合っている。
第2の間隔S2の第2面方向Zの寸法は、第1の間隔S1と第2面方向Zの寸法が異なっており、例えば、20μm以上、好ましくは、40μm以上、例えば、400μm以下、好ましくは、200μm以下である。なお、本実施形態(第1実施形態〜第5実施形態)では、第2の間隔S2の第2面方向Zの寸法は、第2透明層21の第2面方向Zの寸法と同一である。
つまり、複数の空気層10は、第1の間隔S1の間隔を隔てて互いに隣り合う第1空気層23および第2空気層24と、第2の間隔S2の間隔を隔てて互いに隣り合う第1空気層23および第2空気層24とを含んでおり、第1の間隔S1および第2の間隔S2のいずれか一方を隔てて配置されている。
これにより、採光層2において、2つの透明層9および2つの空気層10からなるパターンP1が、第2面方向Zに順次繰り返して配置されている。パターンP1は、詳しくは、第1透明層20、第1空気層23、第2透明層21および第2空気層24が、第2面方向Zの一方から他方に向かって順次配置されている。
支持体3は、採光フィルム1の厚み方向Xの一方側部分であって、採光層2に対して、厚み方向Xの一方に隣接されている。支持体3は、基材12と、粘着剤層11とを備えている。
基材12は、支持体3の厚み方向Xの一方側部分であって、光を透過するように構成されている。基材12としては、例えば、PETフィルムなどの基材、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体など)からなる低接着性基材、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材などが挙げられる。
このような基材12のなかでは、好ましくは、PETフィルム、および、無極性ポリマーからなる低接着性基材が挙げられ、さらに好ましくは、ポリプロピレンフィルムが挙げられる。
このような基材12の厚み方向Xの寸法は、例えば、10μm以上、好ましくは、30μm以上、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。また、基材12の光透過率は、基材12の厚み方向Xの寸法が50μmの場合に、波長440〜600nmの光に対して、例えば、85%以上、好ましくは、90%以上、さらに好ましくは、92%以上であり、例えば、98%以下である。
粘着剤層11は、支持体3の厚み方向Xの他方側部分であって、基材12と採光層2との間に介在されている。これによって、採光層2と基材12とは、接着されている。
粘着剤層11を形成する粘着剤としては、例えば、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤、紫外線硬化型粘着剤などの公知の粘着剤が挙げられる。また、粘着剤は、光を透過することが好ましい。また、粘着剤層11は、公知の両面粘着テープから構成することもできる。
このような粘着剤のなかでは、好ましくは、アクリル系粘着剤が挙げられる。このような粘着剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用することもできる。
粘着剤層11の厚み方向Xの寸法は、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上、例えば、100μm以下、好ましくは、40μm以下である。なお、基材12自体に粘着性がある場合は、支持体3において粘着剤層11は不要である。
剥離体4は、採光フィルム1の厚み方向Xの他方側部分であって、採光層2に対して、厚み方向Xの他方に隣接されている。剥離体4は、剥離材14と、粘着剤層13とを備えている。
剥離材14は、剥離体4の厚み方向Xの他方側部分であって、光を透過するように構成されている。剥離材14としては、基材12と同様の基材などが挙げられ、好ましくは、PETフィルム、および、無極性ポリマーからなる低接着性基材が挙げられ、さらに好ましくは、PETフィルムが挙げられる。
このような剥離材14の厚み方向Xの寸法は、例えば、10μm以上、好ましくは、40μm以上、例えば、100μm以下、好ましくは、60μm以下である。また、剥離材14の光透過率は、剥離材14の厚み方向Xの寸法が50μmの場合に、波長440〜600nmの光に対して、例えば、60%以上、好ましくは、80%以上、さらに好ましくは、92%以上であり、例えば、98%以下である。
また、図示しないが、剥離材14の厚み方向Xの一方面には、剥離処理層(図示せず)が設けられている。
粘着剤層13は、剥離体4の厚み方向Xの一方側部分であって、剥離材14の剥離処理層(図示せず)と採光層2との間に介在されている。これによって、採光層2と剥離材14とは、接着されている。
粘着剤層13を形成する粘着剤としては、例えば、粘着剤層11を形成する粘着剤と同様の粘着剤が挙げられる。このような粘着剤のなかでは、好ましくは、アクリル系粘着剤が挙げられる。このような粘着剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用することもできる。また、粘着剤層13は、公知の両面粘着テープから構成することもできる。
粘着剤層13の厚み方向Xの寸法は、例えば、5μm以上、好ましくは、20μm以上、例えば、100μm以下、好ましくは、60μm以下である。
2.採光フィルムの製造方法
次に、採光フィルム1の製造方法について説明する。
採光フィルム1を製造するには、図3に示すように、まず、第1透明層20に対応する第1単位フィルム29と、第2透明層21に対応する第2単位フィルム30とを、それぞれ複数枚調製する。
第1単位フィルム29を調製するには、例えば、第1透明層20からなる第1加工シートを調製した後、その第1加工シートから所定の形状の第1単位フィルム29を切り出す。第1加工シートから第1単位フィルム29を切り出す方法としては、例えば、裁断、打ち抜きなどの公知の加工方法が挙げられる。
また、第2単位フィルム30を調製するには、例えば、第2透明層21からなる第2加工シートを調製した後、その第2加工シートから所定の形状の第2単位フィルム30を切り出す。第2加工シートから第2単位フィルム30を切り出す方法としては、上記の加工方法が挙げられる。
第1単位フィルム29および第2単位フィルム30のそれぞれの形状は、特に制限されず、第1単位フィルム29および第2単位フィルム30は、上記の切り出し方法により、それらの厚み方向から見て、例えば、多角形または円形状、好ましくは、矩形状または円形状、とりわけ好ましくは、円形状となるように形成される。
また、第1単位フィルム29および第2単位フィルム30のサイズは、使用目的などに応じて適宜変更される。具体的には、第1単位フィルム29および第2単位フィルム30のそれぞれが厚み方向から見て円形状である場合、直径が、例えば、10cm〜1m(100cm)であり、加工性の観点から好ましくは、10cm〜50cmである。
このような第1単位フィルム29および第2単位フィルム30のそれぞれを、複数枚、例えば、100枚以上、好ましくは、5000枚以上、例えば、30000枚以下、好ましくは、15000枚以下、さらに好ましくは、10000枚以下準備する。
第1単位フィルム29を複数枚準備するには、例えば、第1加工シートを、複数の第1単位フィルム29が切り出し可能となるように大きく形成し、その第1加工シートから第1単位フィルム29を複数枚切り出してもよく、第1加工シートを複数枚調製して、各第1加工シートから1枚ずつ第1単位フィルム29を切り出してもよい。
また、第2単位フィルム30を複数枚準備するには、複数枚の第1単位フィルム29を準備する場合と同様に、大きく形成した第2加工シートから第2単位フィルム30を複数枚切り出してもよく、複数枚の第2加工シートから1枚ずつ第2単位フィルム30を切り出してもよい。なお、複数の第1単位フィルム29および第2単位フィルム30のそれぞれは、好ましくは、同一形状およびサイズに形成される。
次いで、図4に示すように、複数の第1単位フィルム29、および、複数の第2単位フィルム30を、粘着剤層を挟むことなく、厚み方向に積層して、積層体31を調製する。
より具体的には、第1単位フィルム29と第2単位フィルム30とが交互に重なるように、第1単位フィルム29および第2単位フィルム30を、それらの厚み方向に積層する。つまり、第1単位フィルム29の厚み方向と、第2単位フィルム30の厚み方向と、積層体31の積層方向とは同一方向である。
ここで、積層体31において、積層方向に互いに隣り合う第1単位フィルム29と第2単位フィルム30との間には、僅かな空気が介在しており、それが空気層10として供され、互いに隣り合う第1単位フィルム29および第2単位フィルム30を区画している。
なお、図4では、便宜上、複数の第1単位フィルム29、および、複数の第2単位フィルム30のそれぞれの枚数が省略されており、積層体31が、6枚の第1単位フィルム29と、6枚の第2単位フィルム30とからなるように記載しているが、実際には、積層体31は、例えば、100枚〜30000枚、好ましくは、5000枚〜15000枚、さらに好ましくは、5000枚〜10000枚の第1単位フィルム29と、例えば、100枚〜30000枚、好ましくは、5000枚〜15000枚、さらに好ましくは、5000枚〜10000枚の第2単位フィルム30とが積層されて形成されている。
また、各第1単位フィルム29および各第2単位フィルム30が同一形状およびサイズに形成されている場合、複数の第1単位フィルム29および複数の第2単位フィルム30は、積層方向に投影したときに、それらの外周端縁が互いに一致するように積層される。
以上によって、積層方向に延びる柱状(ブロック状)の積層体31が形成される。例えば、第1単位フィルム29および第2単位フィルム30が厚み方向から見て矩形である場合、角柱状の積層体31が形成され、第1単位フィルム29および第2単位フィルム30が厚み方向から見て円形である場合、円柱状の積層体31が形成される。
積層体31の高さ(積層方向長さ)は、例えば、1cm以上、好ましくは、5cm以上、さらに好ましくは、10cm以上、例えば、200cm以下、好ましくは、100cm以下、さらに好ましくは、50cm以下である。
次いで、積層体31の側面32(積層方向に沿って延びる表面)に、積層方向に沿うように支持体3を貼り付けた後、支持体3が貼り付けられた積層体31の側面層33を、第1単位フィルム29および第2単位フィルム30が積層体31の積層方向に並列するように切断する。
積層体31の側面層33を切断する切断方法としては、積層体31から、支持体3に支持された側面層33を切り出せれば特に限定されない。
このような切断方法のなかでは、生産性の観点から、積層体31を円柱状に形成し、図5に示すように、切削装置40により連続的に、積層体31の側面層33を切り出す方法が好ましい。
切削装置40は、回転軸41と、1対の保持部材42と、切削刃35とを備えている。
回転軸41は、略円柱形状であり、その軸線を中心として回転可能に構成されている。回転軸41には、長尺かつ平帯状の支持体3が巻回される。詳しくは、長尺かつ平帯状の支持体3は、粘着剤層11が基材12に対して回転軸41の径方向内側に位置するように、回転軸41に渦巻き状に巻回される。これによって、支持体3は、回転軸41を中心とする支持体ロール45として構成される。なお、基材12における粘着剤層11と反対側の表面には、剥離処理層(図示せず)が設けられている。剥離処理層による基材12の剥離力は、適宜調整される。
支持体ロール45では、回転軸41の径方向において、支持体3が隣接するように配置され、粘着剤層11と基材12とが順次繰り返して配置されている。また、上記したように、基材12における粘着剤層11と反対側の表面には剥離処理層が設けられるので、回転軸41の径方向において、互いに隣り合う支持体3の間、詳しくは、径方向外側に配置される支持体3の粘着剤層11と、径方向内側に配置される支持体3の基材12との間には、剥離処理層が介在される。
1対の保持部材42は、支持体ロール45に対して、支持体ロール45の径方向に間隔を空けて配置されている。1対の保持部材42のそれぞれは、略円板形状であり、その軸線を中心として回転可能に構成されている。
また、1対の保持部材42は、保持部材42の軸線方向に互いに間隔を空けて配置されている。そして、1対の保持部材42は、略円柱形状の積層体31を積層方向の両側から加圧して、積層体31を保持する。
加圧条件としては、積層体31に対する積層方向の一方側(他方側)からの圧力が、例えば、0.01MPa以上、好ましくは、0.1MPa以上、例えば、10MPa以下、好ましくは、5MPa以下である。
なお、各保持部材42は、積層体31を保持した状態において、積層体31と軸線が一致するように配置される。
切削刃35は、1対の保持部材42に保持される積層体31の側面32に対して、積層方向に沿うように配置されており、切削刃35の先端が、積層体31の側面32に略接線方向から接触している。
また、切削刃35は、切断工程の進行により積層体31の径が小さくなるに伴って、切削刃35の先端が積層体31の側面32に接触した状態を維持したまま、積層体31の軸線に近づくように構成されている。
このような切削装置40により、積層体31の側面層33を連続的に切り出すには、まず、支持体ロール45から引き出した支持体3を、1対の保持部材42に保持される積層体31の側面32に貼り付ける。
より詳しくは、引き出された支持体3の粘着剤層11が積層体31の側面32に接着するように、支持体3を積層体31の接線方向に向かって引き回し、積層体31における中心角が、例えば、90°〜270°の範囲、好ましくは、120°〜240°の範囲の積層体31の側面32に貼り付ける。
次いで、1対の保持部材42が、切削装置40が備えるモータなどの駆動源からの駆動力により、保持部材42の軸線方向一方(図5における紙面手前側)から見て反時計回り方向に回転駆動する。
そうすると、1対の保持部材42に保持される積層体31が、軸線を中心として回転するとともに、支持体ロール45が回転軸41の軸線を中心として従動する。
これによって、支持体3が貼り付けられた積層体31の側面層33が、切削刃35によって、かつら剥きのように連続的に切り出される。なお、切り出される側面層33の厚みは、積層体31を切断する際の、積層体31に対する切削刃35の配置および角度などにより適宜調整できる。
以上によって、図6に示すように、積層体31から連続的に、一方面に支持体3が貼り付けられた側面層33、つまり、一方面に支持体3が貼り付けられた採光層2が、長尺かつ平帯状に切り出される。
次いで、採光層2の他方面に、剥離体4を貼り付ける。詳しくは、剥離体4の粘着剤層13を、採光層2の他方面に接着させる。
これによって、図2に示すように、支持体3および剥離体4が採光層2を挟むように、採光層2に貼り付けられ、採光フィルム1が調製される。
その後、採光フィルム1を、所定の形状およびサイズにカットする。採光フィルム1をカットする方法としては、例えば、裁断、打ち抜きなどの公知の加工方法が挙げられる。
3.採光フィルムの使用態様
次に、採光フィルム1の使用態様について説明する。
採光フィルム1は、図7Aおよび図7Bに示すように、家屋50などの建築物に備えられるガラス窓51の内側面に貼り付けられる。
採光フィルム1をガラス窓51の内側面に貼り付けるには、まず、剥離材14を剥離する。そして、採光フィルム1を第2面方向Zが上下方向に沿うように配置して、露出した粘着剤層13をガラス窓51の内側面に接着する。これによって、採光フィルム1が、ガラス窓51の内側面に貼り付けられる。
このように採光フィルム1がガラス窓51に貼り付けられた状態において、図7Aに示すように、太陽の高度が相対的に低い場合、太陽光Lが、ガラス窓51を介して、家屋50外(屋外)から入射すると、太陽光Lのうち一部の光L1は、第1透明層20を直線的に透過して、家屋50の床部52に向かって進行する。また、太陽光Lのうち他の部分の光L2は、第2透明層21に入射した後、第2透明層21と第1空気層23との境界15に到達する。すると、他の部分の光L2は、境界15(第1空気層23)に反射されて、その進行方向が上側に向かうように変更され、第2透明層21から家屋50の天井部53に向かって進行する。その後、他の部分の光L2は、例えば、天井部53に再度反射され、家屋50内において、一部の光L1よりも、ガラス窓51が設置される壁部54から遠方に到達する。
また、図7Bに示すように、太陽の高度が相対的に高い場合、太陽光Lが、ガラス窓51を介して、家屋50外(屋外)から入射すると、太陽光Lのうち一部の光L3は、第2透明層21に入射した後、境界15(第1空気層23)に反射されて、第2透明層21内を上側に向かうように進行し、第2透明層21と第2空気層24との境界16に到達する。すると、一部の光L3は、境界16(第2空気層24)に反射されて、下方に向かって進行し、第2透明層21から家屋50の床部52に向かって進行する。また、太陽光Lのうち他の部分の光L4は、第1透明層20に入射した後、第1透明層20と第2空気層24との境界17に到達する。すると、他の部分の光L4は、境界17(第2空気層24)に反射されて、その進行方向が上側に向かうように変更され、第1透明層20から家屋50の天井部53に向かって進行する。その後、他の部分の光L4は、例えば、天井部53に再度反射され、家屋50内において、一部の光L3よりも、壁部54から遠方に到達する。
このような採光フィルム1は、図7Aおよび図7Bに示すように、複数の空気層10を備えている。そのため、採光フィルム1を、第2面方向Zが上下方向に沿うように、家屋50のガラス窓51に貼り付ければ、複数の空気層10が、屋外からの太陽光Lを上方に向かって反射して採光する。
複数の空気層10は、図2に示すように、第1の間隔S1を隔てて互いに隣り合うように配置される第1空気層23および第2空気層24と、第2の間隔S2を隔てて互いに隣り合うように配置される第1空気層23および第2空気層24とを含んでいる。
そのため、太陽の高度が変化しても、その太陽光の採光フィルム1に対する入射角度に適した間隔を隔てて隣り合う空気層10が、入射光を反射して、上方に向かうように進行させる。
具体的には、太陽の高度が相対的に低い場合には、図7Aに示すように、第1空気層23が、太陽光Lの他の部分の光L2を反射し、太陽の高度が相対的に高い場合には、図7Bに示すように、第2空気層24が、太陽光Lの他の部分の光L4を反射する。
その結果、太陽の高度が変化しても、効率よく安定して採光することができ、室内全体の明るさの向上を図ることができる。
また、第1の間隔S1は、第2の間隔S2に対して、1.25倍〜10倍である。そのため、太陽の高度が大きく変化しても、入射光(太陽光L)を確実に反射して、上方に向かうように進行させることができる。
4.第2実施形態
次に、図8を参照して、本発明の採光フィルム1の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、図2に示すように、複数の空気層10は、第1の間隔S1を隔てて互いに隣り合う空気層10と、第2の間隔S2を隔てて互いに隣り合う空気層10とを含んでいる。しかし、複数の空気層10は、第1の間隔S1を隔てて互いに隣り合う空気層10と、第1の間隔S1と異なる間隔を隔てて隣り合う空気層10とを少なくとも含んでいれば、特に限定されない。
第2実施形態では、図8に示すように、複数の空気層10が、第1の間隔S1を隔てて互いに隣り合う空気層10および第2の間隔S2を隔てて互いに隣り合う空気層10に加え、第3の間隔S3を隔てて互いに隣り合う空気層10を含んでいる。
このような第2実施形態に係る複数の透明層9は、複数の第1透明層20および複数の第2透明層21に加え、複数の第3透明層56を備えている。
第1透明層20、第2透明層21および第3透明層56は、図8に示すように、第2面方向Zに互いに僅かな間隔(空気層10)を隔てて配置されており、第2面方向Zの一方から他方に向かって、順次繰り返して配置されている。
第3透明層56の第2面方向Zの寸法は、例えば、25μm以上、好ましくは、50μm以上、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。第3透明層56の第2面方向Zの寸法は、第2透明層21の第2面方向Zの寸法に対して、例えば、1.25倍以上、採光の安定性の観点から好ましくは、1.5倍以上、例えば、10倍以下、好ましくは、4倍以下である。また、第3透明層56の厚み方向Xの寸法は、第1透明層20の厚み方向Xの寸法と同様である。
また、第3透明層56の第2面方向Zの寸法は、第3透明層56の厚み方向Xの寸法100%に対して、例えば、10%以上、採光性の観点から好ましくは、30%以上、例えば、400%以下、採光性の観点から好ましくは、200%以下である。
また、第2実施形態に係る複数の空気層10は、複数の第1空気層23および複数の第2空気層24に加え、複数の第3空気層57を備えている。
第3空気層57は、第3透明層56と、その第3透明層56に対して、第2面方向Zの他方に間隔を隔てて隣り合う第1透明層20との間の隙間として形成されている。つまり、第3空気層57は、第3透明層56の第2面方向Zの他方面と、第1透明層20の第2面方向Zの一方面とにより区画されている。
そのため、第3空気層57は、採光層2の第1面方向Yの全体にわたって延びており、第3空気層57と、透明層9(第1透明層20および第3透明層56のそれぞれ)との境界は、第1面方向Yおよび厚み方向Xに沿っている。
また、第3空気層57の第2面方向Zの寸法および厚み方向Xの寸法のそれぞれは、第1空気層23の第2面方向Zの寸法および厚み方向Xの寸法のそれぞれと同様である。
また、第3空気層57と、その第3空気層57に対して、第2面方向Zの一方側に配置される第2空気層24とは、第3透明層56を第2面方向Zに挟んでおり、第3の間隔S3を隔てて互いに隣り合っている。
第3の間隔S3の第2面方向Zの寸法は、例えば、25μm以上、好ましくは、50μm以上、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。なお、本実施形態(第1実施形態〜第5実施形態)では、第3の間隔S3の第2面方向Zの寸法は、第3透明層56の第2面方向Zの寸法と同一である。
また、第3の間隔S3は、第2の間隔S2に対して、例えば、1.25倍以上、採光の安定性の観点から好ましくは、1.5倍以上、例えば、10倍以下、好ましくは、4倍以下である。
また、第3空気層57と、その第3空気層57に対して、第2面方向Zの他方側に配置される第1空気層23とは、第1透明層20を第2面方向Zに挟んでおり、第1の間隔S1を隔てて互いに隣り合うように配置されている。
つまり、複数の空気層10は、第1の間隔S1の間隔を隔てて互いに隣り合う第1空気層23および第3空気層57と、第2の間隔S2の間隔を隔てて互いに隣り合う第1空気層23および第2空気層24と、第3の間隔S3の間隔を隔てて互いに隣り合う第2空気層24および第3空気層57とを含んでいる。
これにより、採光層2において、3つの透明層9および3つの空気層10からなるパターンP2が、第2面方向Zに順次繰り返して配置されている。パターンP2は、詳しくは、第1透明層20、第1空気層23、第2透明層21、第2空気層24、第3透明層56および第3空気層57が、第2面方向Zの一方から他方に向かって順次配置されている。
第3透明層56および第3空気層57を備える採光フィルム1を製造するには、まず、第3空気層57に対応する第3単位フィルム(図示せず)を、第1単位フィルム29と同様の方法により、複数枚(例えば、100枚〜30000枚)調製する。
次いで、複数の第1単位フィルム29、複数の第2単位フィルム30、および、複数の第3単位フィルム(図示せず)を、粘着剤層を挟むことなく、厚み方向に順次積層して、積層体31を調製する。
そして、図4および図5に示すように、例えば、第1実施形態と同様に、積層体31から、一方面に支持体3が貼り付けられた採光層2を長尺かつ平帯状に切り出し、採光層2の他方面に、剥離体4を貼り付ける。これによって、図8に示すように、第3透明層56および第3空気層57を備える採光フィルム1が調製される。
第2実施形態によれば、複数の空気層10が、第1の間隔S1の間隔を隔てて互いに隣り合う第1空気層23および第3空気層57と、第2の間隔S2の間隔を隔てて互いに隣り合う第1空気層23および第2空気層24と、第3の間隔S3の間隔を隔てて互いに隣り合う第2空気層24および第3空気層57とを含んでいる。
そのため、太陽の高度が変化しても、その太陽光の採光フィルム1に対する入射角度に適した間隔を隔てて隣り合う空気層10が、入射光をより一層確実に反射して、上方に向かうように進行させる。その結果、太陽の高度が変化しても、より一層効率よく安定して採光することができ、室内全体の明るさの向上を確実に図ることができる。
なお、第2実施形態では、互いに隣り合う第1空気層23と第3空気層57との間の間隔を第1の間隔S1とし、互いに隣り合う第1空気層23と第2空気層24との間の間隔を第2の間隔S2とし、互いに隣り合う第2空気層24と第3空気層57との間の間隔を第3の間隔S3とするが、これに限定されず、互いに隣り合う空気層10のいずれの間隔を第1の間隔としてもよい。
例えば、互いに隣り合う第1空気層23と第2空気層24との間の間隔を第1の間隔とする場合、互いに隣り合う第1空気層23と第3空気層57との間の間隔、および、互いに隣り合う第2空気層24と第3空気層57との間の間隔のいずれか一方が、第2の間隔に対応し、他方が、第3の間隔に対応する。
また、互いに隣り合う第2空気層24と第3空気層57との間の間隔を第1の間隔とする場合、互いに隣り合う第1空気層23と第3空気層57との間の間隔、および、互いに隣り合う第1空気層23と第2空気層24との間の間隔のいずれか一方が、第2の間隔に対応し、他方が、第3の間隔に対応する。
5.第3実施形態
次に、図9を参照して、本発明の採光フィルム1の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、図2に示すように、採光層2において、第1透明層20、第1空気層23、第2透明層21および第2空気層24からなるパターンP1が、第2面方向Zに順次繰り返して配置されているが、第1透明層20および第2透明層21の配置は、特に限定されない。
例えば、第3実施形態では、図9に示すように、採光層2が、第2面方向Zに互いに空気層10を隔てて並列配置される複数の第1透明層20からなるユニットU1と、第2面方向Zに互いに空気層10を隔てて並列配置される複数の第2透明層21からなるユニットU2とを備えている。そして、ユニットU1とユニットU2とは、第2面方向Zに並ぶように配置されている。
ユニットU1およびユニットU2を備える採光フィルム1を調製するには、図3に示すように、複数の第1単位フィルム29を、粘着剤層を挟むことなく、厚み方向に積層して、第1積層体(図示せず)を調製するとともに、複数の第2単位フィルム30を、粘着剤層を挟むことなく、厚み方向に積層して、第2積層体(図示せず)を調製する。
そして、第1積層体(図示せず)および第2積層体(図示せず)を、それらの積層方向に積層して、積層体31を構成する。
次いで、図4および図5に示すように、例えば、第1実施形態と同様に、積層体31から、一方面に支持体3が貼り付けられた採光層2を、長尺かつ平帯状に切り出し、採光層2の他方面に、剥離体4を貼り付ける。これによって、図9に示すように、第3透明層56および第3空気層57を備える採光フィルム1が調製される。
このような第3実施形態によっても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
6.第4実施形態および第5実施形態
次に、図10および図11を参照して、本発明の採光フィルム1の第4実施形態および第5実施形態について説明する。なお、第4実施形態および第5実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、図2に示すように、採光フィルム1は、複数の空気層10を備えているが、第4実施形態では、図10に示すように、採光フィルム1は、複数の空気層10に代えて、反射層の一例としての複数の低屈折層60を備えている。
なお、第4実施形態では、採光フィルム1は、透明層9および低屈折層60のみからなり、透明層9と低屈折層60とは、第2面方向Zにおいて、連続するように順次繰り返して配置されている。
複数の低屈折層60は、第2面方向Zに互いに間隔(透明層9)を隔てて並列配置されている。複数の低屈折層60のそれぞれは、複数の透明層9において互いに隣り合う透明層9の間に配置され、採光層2の第1面方向Yの全体にわたって延びる薄膜状に形成されている。また、低屈折層60の第2面方向Zの一方面および他方面は、厚み方向Xに沿っている。
低屈折層60は、透明層9よりも屈折率が小さくなるように構成されている。低屈折層60の相対屈折率は、空気の屈折率に対して、例えば、1.20以上、好ましくは、1.34以上、例えば、1.90以下、好ましくは、1.80以下であり、透明層9の屈折率に対して、例えば、0.05以上、好ましくは、0.1以上、例えば、0.5以下、好ましくは、0.3以下である。なお、屈折率は、プリズムカプラにより測定することができる。
低屈折層60は、加工の容易性の観点から好ましくは、透明の樹脂材料から形成される。透明の樹脂材料としては、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
このような透明の樹脂材料のなかでは、好ましくは、フッ素系樹脂が挙げられる。このような透明の樹脂材料は、単独で使用してもよく、2種以上併用することもできる。
このような低屈折層60の第2面方向Zの寸法は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上、例えば、50μm以下、好ましくは、10μm以下である。
また、低屈折層60の光透過率は、低屈折層60の厚みが100μmの場合に、波長440〜600nmの光に対して、例えば、60%以上、好ましくは、80%以上、さらに好ましくは、90%以上であり、例えば、98%以下である。
また、複数の低屈折層60のうち、第1透明層20を挟んで隣り合う低屈折層60は、第1の間隔S1を隔てて配置されており、第2透明層21を挟んで隣り合う低屈折層60は、第2の間隔S2を隔てて配置されている。
このような採光フィルム1を製造するには、図11に示すように、第1透明層20および低屈折層60を備える第1単位フィルム29と、第2透明層21および低屈折層60を備える第2単位フィルム30とを、それぞれ複数枚調製する。
このような第1単位フィルム29を調製する方法としては、例えば、第1透明層20の表面(厚み方向の一方面)に低屈折層60を配置して、第1加工シートを調製した後、その加工シートから所定の形状の第1単位フィルム29を切り出す方法や、所定の形状に加工した第1透明層20の表面に低屈折層60を配置して、第1単位フィルム29とする方法などが挙げられる。また、第2単位フィルム30を調製する方法としては、第1透明層20を第2透明層21に変更する点以外は、第1単位フィルム29を調製する方法と同様の方法が挙げられる。
第1透明層20(または第2透明層21)の表面に低屈折層60を配置する方法としては、例えば、公知の成膜方法により、第1透明層20(または第2透明層21)の表面に低屈折層60を成膜する方法や、共押し出し法により、第1透明層20(または第2透明層21)と低屈折層60とを同時に形成する方法が挙げられる。
このような第1透明層20(または第2透明層21)の表面に低屈折層60を配置する方法のなかでは、好ましくは、公知の成膜方法が挙げられ、より具体的には、ドライプロセス、ウェットプロセスなどが挙げられ、好ましくは、ウェットプロセスが挙げられる。
次いで、複数の第1単位フィルム29および複数の第2単位フィルム30を、第1単位フィルム29と第2単位フィルム30とが交互に重なるように、それらの厚み方向に積層して、積層体31を調製する。
このような積層体31では、積層方向に互いに隣接する第1単位フィルム29および第2単位フィルム30の間において、接着剤層を設けてもよく、また、接着剤層を設けなくてもよい。積層方向に互いに隣接する第1単位フィルム29および第2単位フィルム30の間に接着剤層を設けない場合、積層体31は、熱圧着(加熱プレス)される。
以上によって、積層方向に延びる柱状(ブロック状)の積層体31が形成される。
次いで、図4および図5に示すように、第1実施形態と同様にして、積層体31の側面32(積層方向に沿って延びる表面)に、積層方向に沿うように支持体3を貼り付けた後、支持体3が貼り付けられた積層体31の側面層33を、第1単位フィルム29および第2単位フィルム30が積層体31の積層方向に並列するように切断する。
これによって、一方面に支持体3が貼り付けられた採光層2が、積層体31から長尺かつ平帯状に切り出される。続いて、採光層2の他方面に剥離体4を貼り付ける。
以上によって、図10に示すように、採光フィルム1が調製される。
第4実施形態によれば、複数の低屈折層60が、第1の間隔S1の間隔を隔てて互いに隣り合う低屈折層60と、第2の間隔S2の間隔を隔てて互いに隣り合う低屈折層60とを含んでいる。
そのため、太陽の高度が変化しても、その太陽光の採光フィルム1に対する入射角度に適した間隔を隔てて隣り合う低屈折層60が、入射光を反射して、上方に向かうように進行させる。その結果、このような第4実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、第5実施形態では、図10に示すように、採光フィルム1は、複数の空気層10に代えて、反射層の一例としての複数の金属層61を備えている。なお、第5実施形態では、採光フィルム1は、透明層9および金属層61のみからなり、透明層9と金属層61とは、第2面方向Zにおいて、連続するように順次繰り返して配置されている。
複数の金属層61は、第2面方向Zに互いに間隔(透明層9)を隔てて並列配置されている。複数の金属層61のそれぞれは、複数の透明層9において互いに隣り合う透明層9の間に配置され、採光層2の第1面方向Yの全体にわたって延びる薄膜状に形成されている。また、金属層61の第2面方向Zの一方面および他方面は、厚み方向Xに沿っている。
金属層61は、光を反射するように構成されており、金属材料から薄膜状に形成されている。金属層61を形成する金属材料としては、例えば、金属元素(例えば、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、クロム、ニッケルなど)や、複数の金属元素からなる合金などが挙げられ、好ましくは、銀、アルミニウムおよびそれらを含有する合金が挙げられ、さらに好ましくは、アルミニウムが挙げられる。このような金属材料は、単独の薄膜として使用してもよく、2種以上の薄膜を積層することもできる。
このような金属層61の第2面方向Zの寸法は、光が十分に反射可能であれば、特に制限されないが、例えば、20nm以上、好ましくは、30nm以上、例えば、10μm(10nm)以下、好ましくは、1μm(10nm)以下、さらに好ましくは、300nm以下である。
また、金属層61の反射率(入射角5°)は、波長440〜600nmの光に対して、例えば、70%以上、好ましくは、80%以上、例えば、98%以下、好ましくは、95%以下である。
また、複数の金属層61のうち、第1透明層20を挟んで隣り合う金属層61は、第1の間隔S1を隔てて配置されており、第2透明層21を挟んで隣り合う金属層61は、第2の間隔S2を隔てて配置されている。
このような採光フィルム1を製造するには、図11に示すように、第1透明層20および金属層61を備える第1単位フィルム29と、第2透明層21および金属層61を備える第2単位フィルム30とを、それぞれ複数枚調製する。
このような第1単位フィルム29を調製する方法としては、例えば、第1透明層20の表面(厚み方向の一方面)に金属層61を配置して、加工シートを調製した後、その加工シートから所定の形状の第1単位フィルム29を切り出す方法や、所定の形状に加工した第1透明層20の表面に金属層61を配置して、第1単位フィルム29とする方法などが挙げられる。また、第2単位フィルム30を調製する方法としては、第1透明層20を第2透明層21に変更する点以外は、第1単位フィルム29を調製する方法と同様の方法が挙げられる。
第1透明層20(または第2透明層21)の表面に金属層61を配置する方法としては、例えば、第1透明層20(または第2透明層21)と金属層61とを別途調整して、それらを積層する方法、第1透明層20(または第2透明層21)の表面に金属層61を形成する方法などが挙げられ、好ましくは、透明層9の表面に金属層61を形成する方法が挙げられる。
第1透明層20(または第2透明層21)の表面に金属層61を形成する方法としては、例えば、公知の成膜方法により、第1透明層20(または第2透明層21)の表面に金属層61を成膜する方法が挙げられる。このような公知の成膜方法としては、例えば、ドライプロセス、ウェットプロセスなどが挙げられ、好ましくは、ドライプロセスが挙げられる。
次いで、複数の第1単位フィルム29および複数の第2単位フィルム30を、第1単位フィルム29と第2単位フィルム30とが交互に重なるように、それらの厚み方向に積層して、積層体31を調製する。
このような積層体31では、積層方向に互いに隣接する第1単位フィルム29および第2単位フィルム30の間において、接着剤層を設けてもよく、また、接着剤層を設けなくてもよい。積層方向に互いに隣接する第1単位フィルム29および第2単位フィルム30の間に接着剤層を設けない場合、積層体31は、熱圧着(加熱プレス)される。
以上によって、積層方向に延びる柱状(ブロック状)の積層体31が形成される。
次いで、図4および図5に示すように、第1実施形態と同様にして、積層体31の側面32(積層方向に沿って延びる表面)に、積層方向に沿うように支持体3を貼り付けた後、支持体3が貼り付けられた積層体31の側面層33を、第1単位フィルム29および第2単位フィルム30が積層体31の積層方向に並列するように切断する。
これによって、一方面に支持体3が貼り付けられた採光層2が、積層体31から長尺かつ平帯状に切り出される。続いて、採光層2の他方面に剥離体4を貼り付ける。
以上によって、図10に示すように、採光フィルム1が調製される。
第5実施形態によれば、複数の金属層61が、第1の間隔S1の間隔を隔てて互いに隣り合う金属層61と、第2の間隔S2の間隔を隔てて互いに隣り合う金属層61とを含んでいる。
そのため、太陽の高度が変化しても、その太陽光の採光フィルム1に対する入射角度に適した間隔を隔てて隣り合う金属層61が、入射光を反射して、上方に向かうように進行させる。その結果、このような第5実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、これら第1実施形態〜第5実施形態および変形例のそれぞれは、適宜組み合わせることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。なお、実施例中の寸法などの数値は、上記の実施形態において記載される対応箇所の上限値または下限値に代替することができる。
実施例1
厚み200μmのポリ塩化ビニルフィルム(第1加工シート)、および、厚み100μmのポリ塩化ビニルフィルム(第2加工シート)のそれぞれを、直径18cmの円形状に打ち抜き加工して、厚み200μmの第1透明層(第1単位フィルム)500枚と、厚み100μmの第2透明層(第2単位フィルム)500枚とを作成した。なお、空気に対するポリ塩化ビニルフィルムの相対屈折率は1.54であった。
次いで、厚みの異なる第1透明層および第2透明層を、それらの間に接着剤を用いることなく、交互に積層した後、積層方向の両側から圧力(5MPa)をかけて円柱形状に保持して、積層体を調製した。積層体は、直径18cm×高さ(積層方向の寸法)15cm(100μm×500枚+200μm×500枚)であった。
次いで、積層体および支持体を、図5に示す切削装置40にセットした。
具体的には、積層体を1対の保持部材42に積層方向の両側から挟むように保持させるとともに、支持体を回転軸41に巻回して支持体ロールとして構成した。
このとき、1対の保持部材42は、積層体を積層方向の両側から上記の圧力(5MPa)で挟んでいた。また、支持体は、厚み40μmのポリプロピレンフィルム(基材)と、厚み30μmのアクリル系粘着剤層(粘着剤層)とを有していた。アクリル系粘着剤層は、ポリプロピレンフィルムの一方面に形成されており、ポリプロピレンフィルムの他方面には、剥離処理剤による剥離処理層が設けられていた。
また、積層体が1対の保持部材42に保持された状態において、積層体の側面には、切削刃35の先端が接触していた。なお、切削刃35は、積層体の積層方向に沿うように配置されていた。
そして、支持体ロールから引き出した支持体を、粘着剤層が積層体の側面に接着するように、積層体の接線方向に向かって引き回し、積層体における中心角240°の範囲の積層体の側面に貼り付けた。
続いて、1対の保持部材42を、切削装置40のモータ(図示せず)により、保持部材42の軸線方向一方(図5の紙面手前側)から見て反時計回り方向に回転駆動させた。
そうすると、1対の保持部材42に保持される積層体が、軸線を中心として回転するとともに、支持体ロールが回転軸41の軸線を中心として従動した。
これにより、支持体が貼り付けられた積層体の側面層が、かつら剥きのように連続的に切り出された。
以上により、一方面に支持体が貼り付けられる採光層(積層体の側面層)が、長尺かつ平帯状に切り出された。なお、採光層の厚みは、200μmであった。
このような採光層は、第1透明層、第2透明層および空気層が、積層方向(採光層としては厚み方向および第1面方向の両方向と直交する第2面方向)において、連続するように順次繰り返して配置されていた。また、第1透明層の積層方向(採光層としては厚み方向および第1面方向の両方向と直交する第2面方向)の寸法は、200μmであり、第2透明層の積層方向の寸法は、100μmであり、空気層の積層方向の寸法は、1μmであった。
そして、片面セパレータ付両面テープ(剥離体)を別途準備し、その片面セパレータ付両面テープの粘着剤層を、採光層の他方面(切削面)に接着させた。また、片面セパレータ付両面テープは、厚み50μmのPETフィルム(剥離材、セパレータ)と、厚み50μmのアクリル系粘着剤層(粘着剤層)とを有していた。アクリル系粘着剤層は、PETフィルムの一方面に形成されており、PETフィルムの他方面には、剥離処理剤による剥離処理層が設けられていた。
これによって、支持体および両面テープが、採光層を挟むように、採光層に貼り付けられ、採光フィルムが調製された。なお、採光フィルムの厚み方向の寸法は、370μmであった。
その後、採光フィルムを、貼り付けられるガラス窓の寸法に合わせて、適宜カットした。これによって、長辺20cm×短辺15cmの平面視長方形状の採光フィルムを得た。
比較例1
厚み100μm、直径18cmの円形状の第2透明層(第2単位フィルム)のみを、1500枚作成した後、1500枚の第2透明層を、それらの間に接着剤を用いることなく積層して、円柱形状の積層体を調製した点以外は、実施例1と同様にして、採光フィルムを得た。なお、積層体は、直径18cm×高さ(積層方向の寸法)15cm(100μm×1500枚)であった。
このような比較例1に係る採光層は、第2透明層および空気層が、積層方向(採光層としては厚み方向および第1面方向の両方向と直交する第2面方向)において、連続するように順次繰り返して配置されていた。また、採光層の厚みは、200μmであり、第2透明層の積層方向(採光層としては厚み方向および第1面方向の両方向と直交する第2面方向)の寸法は、100μmであり、空気層の積層方向の寸法は、1μmであった。
比較例2
厚み200μm、直径18cmの円形状の第1透明層(第1単位フィルム)のみを、750枚作成した後、750枚の第1透明層を、それらの間に接着剤を用いることなく積層して、円柱形状の積層体を調製した点以外は、実施例1と同様にして、採光フィルムを得た。なお、積層体は、直径18cm×高さ(積層方向の寸法)15cm(200μm×750枚)であった。
このような比較例2に係る採光層は、第1透明層および空気層が、積層方向(採光層としては厚み方向と直交する面方向)において、連続するように順次繰り返して配置されていた。また、採光層の厚みは、200μmであり、第1透明層の積層方向(採光層としては厚み方向と直交する面方向)の寸法は、200μmであり、空気層の積層方向の寸法は、1μmであった。
(評価)
得られた実施例および各比較例の採光フィルムについて、光の入射角度に対する、光の方向転換効率を、下記のように測定した。
図12に示すように、透明のガラス窓92が設置される壁部91と、床部93と、天井部94とを備える部屋90を準備した。なお、ガラス窓92は、長辺20cm×短辺15cmの長方形状であり、ガラス窓92の厚みは、3mmであった。
また、照度計95(テイアンドデイ社製、照度UVレコーダー、商品名:TR−74Ui)およびライト96(パイフォトニクス社製、商品名:HL01W)を準備した。
次いで、部屋90外からライト96により、ガラス窓92に対する光の入射角θが40°となるように、白色光を照射した。なお、ライト96から照射される光の一部は、透過光Aとしてガラス窓92を透過して、部屋90内を直線的に進行し、床部93を照らした。一方、ライト96から照射される光のうち、透過光A以外の光は、ガラス窓92により部屋90外に反射された。
そして、床部93上において最も明るい箇所に、照度計95を配置した。具体的には、照度計95は、床部93上において、壁部91から50.6cmの位置に配置した。そして、照度計95により、床部93上の照度を測定し、その値を基準照度とした。
次いで、ガラス窓92に対する光の入射角θが40°から80°まで10°ずつ変化するように、ライト96を移動させるとともに、各入射角θにおいて、床部93上の最も明るい箇所に、照度計95を順次移動させた。具体的には、照度計95は、入射角θが50°のとき、壁部91から35.7cmの位置に配置され、入射角θが60°のとき、壁部91から24.5cmの位置に配置され、入射角θが70°のとき、壁部91から15.5cmの位置に配置され、入射角θが80°のとき、壁部91から7.5cmの位置に配置された。
そして、照度計95により、各入射角θにおける床部93上の基準照度を測定した。その結果を、表1に示す。
次いで、採光フィルムの剥離体の剥離材を剥離した後、剥離体の粘着剤層を、ガラス窓92の内側面に貼り付けた。
次いで、部屋90外からライト96により、ガラス窓92に対する光の入射角θが40°となるように、光を照射するとともに、照度計95を、床部93上の壁部91から50.6cmの位置に配置した。そして、照度計95により、床部93上の照度を測定し、その値を測定照度とした。
なお、透過光Aの一部は、ガラス窓92を透過した後、採光フィルムの複数の空気層に反射され、方向転換光A1として、天井部94に向かうように上方に進行し、透過光Aの他の光A2は、採光フィルムを直線的に通過して、床部93を照らした。
次いで、ガラス窓92に対する光の入射角θが40°から80°まで10°ずつ変化するように、ライト96を移動させるとともに、照度計95を、床部93上において、壁部91から35.7cm、24.5cm、15.5cm、7.5cmの位置に順次移動させた。そして、各入射角θにおける床部93上の測定照度を測定した。
そして、下記式(1)により、各入射角θにおける光の方向転換効率を算出した。その結果を表1に示す。
式(1)
光の方向転換効率[%]=((基準照度[lx]−測定照度[lx])/基準照度[lx])×100
Figure 2015146004
また、光の入射角θに対する方向転換効率の変化を、図13に示す。
図13に示すように、比較例1では、入射角θが小さいときに(例えば、入射角θ=40°のときに)、光の方向転換効率が高く、入射角θが大きくなるにつれて、光の方向転換効率が低下する。また、比較例2では、入射角θが大きいときに(例えば、入射角θ=80°のときに)、光の方向転換効率が高く、入射角θが小さくなるにつれて、光の方向転換効率が低下する。
これに対して、実施例1では、入射角θの変化に依存せず、安定した光の方向転換効率が確保されている。
1 採光フィルム
10 空気層
60 低屈折層
61 金属層
Y 第1面方向
Z 第2面方向
S1 第1の間隔
S2 第2の間隔

Claims (2)

  1. 光を反射するように構成される複数の反射層を備える光学フィルムであって、
    前記複数の反射層のそれぞれは、
    前記光学フィルムの厚み方向と直交する第1方向に延び、
    前記厚み方向および前記第1方向の両方向と直交する第2方向に、互いに間隔を隔てて並列配置され、
    前記複数の反射層は、第1の間隔を隔てて互いに隣り合うように配置される反射層と、前記第1の間隔と前記第2方向の寸法が異なる第2の間隔を隔てて互いに隣り合うように配置される反射層とを含んでいることを特徴とする、光学フィルム。
  2. 前記第1の間隔は、前記第2の間隔に対して、1.25倍〜10倍であることを特徴とする、請求項1に記載の光学フィルム。
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