JP2015142691A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】楽曲を用いた演出の効果を向上させる。【解決手段】ぱちんこ遊技機10において、楽曲再生手段182は、特別遊技が実行されているときに再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲のデータを楽曲データ格納手段184から読み出して再生する。演出表示制御手段134は、指示された楽曲に対応する演出画像のデータを演出画像データ格納手段186から読み出して演出表示装置60に表示する。楽曲再生手段182は、遊技者により選択可能とされた選択可能候補を再生すべき楽曲として遊技者から受付可能である。第1の種別の楽曲の選択可能候補は、遊技の結果又は遊技の結果の履歴が所定の第1の条件を満たすことにより増加され、第2の種別の楽曲の選択可能候補は、時刻に関する情報を出力する計時手段を用いて計時される時間又は期間が所定の第2の条件を満たすことにより増加される。【選択図】図3
Description
遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、キャラクタ画像や背景画像等を用いて図柄の変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、特別遊技への移行効率を高める確率変動および変動時間短縮、始動入賞口への入球容易性を高める入球容易状態へ移行したりする制御によっても遊技者の期待感を高めている。
このような遊技機において、楽曲を用いた演出を実行する遊技機が人気を博している。この遊技機は、特定の歌手などが歌唱又は演奏した楽曲を遊技中に再生することにより、遊技に関する演出に加えて、楽曲を遊技者に視聴させることができるので、楽曲を視聴することを好む遊技者を獲得することができる。本発明者は、楽曲を用いた演出を行う遊技機において、遊技者の利便性を向上させ、さらに効果的な演出を行う技術に想到した。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、楽曲を用いた演出の効果を向上させることにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の遊技機は、所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される表示装置と、図柄を表示装置に変動表示させる表示制御手段と、当否抽選が特別遊技への移行が可能であることを示す結果となり、所定の停止態様にて図柄の変動表示が停止したときに特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、音声を出力するスピーカと、複数の楽曲のデータを格納する楽曲データ格納手段と、楽曲を再生してスピーカに音声を出力する楽曲再生手段と、演出画像を表示する演出表示装置と、楽曲の再生中に演出表示装置に表示される演出画像のデータを格納する演出画像データ格納手段と、演出画像を演出表示装置に表示する演出表示制御手段と、を備える。楽曲再生手段は、特別遊技制御手段により特別遊技が実行されているときに、再生すべき楽曲の指示を遊技者から受付可能であり、再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲のデータを楽曲データ格納手段から読み出して再生し、演出表示制御手段は、指示された楽曲に対応する演出画像のデータを演出画像データ格納手段から読み出して演出表示装置に表示し、楽曲再生手段は、楽曲の再生が所定のループ再生終了箇所に到達すると、所定のループ再生開始箇所へ戻って楽曲の再生を継続することにより、同一の楽曲を繰り返し再生可能であり、複数の楽曲は、複数の第1の種別の楽曲と複数の第2の種別の楽曲を含み、楽曲再生手段は、複数の第1の種別の楽曲及び前記複数の第2の種別の楽曲のうち遊技者により選択可能とされた選択可能候補を再生すべき楽曲として遊技者から受付可能である。第1の種別の楽曲の選択可能候補は、遊技の結果又は遊技の結果の履歴が所定の第1の条件を満たすことにより増加され、第2の種別の楽曲の選択可能候補は、時刻に関する情報を出力する計時手段を用いて計時される時間又は期間が所定の第2の条件を満たすことにより増加される。
この態様によると、楽曲を用いた演出をより効果的に実行することができる。また、遊技者の利便性を向上させることができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、楽曲を用いた演出の効果を向上させることができる。
楽曲を用いた演出を実行する遊技機について説明する。遊技機は、ぱちんこ遊技機であってもよいし、スロットマシンであってもよいが、実施の形態では、ぱちんこ遊技機について説明する。まず、第1実施例として、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在するぱちんこ遊技機について説明し、つづいて、第2実施例として、2つの大入賞口を上下に隣接するダブルアタッカーとして備えるぱちんこ遊技機について説明する。
[第1実施例]
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音や、楽曲の音声などが出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62および第2始動入賞口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動入賞口62と第2始動入賞口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。たとえば、第1始動入賞口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動入賞口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。
第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。また、第2始動入賞口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動入賞口63の近傍に集まり、第2始動入賞口63の入球可能性は高い。これに対して第1始動入賞口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられている。したがって、第1始動入賞口62よりも第2始動入賞口63の方が入球可能性が相対的に高くなるような配置または構成の関係となっている。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
遊技領域52の略中央に演出表示装置60が設けられ、その左下方に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接する形で設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193は、それぞれセグメントの複数種類の組合せで表される。セグメントの組合せで表される特別図柄は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄192および第2特別図柄193を表現してもよい。
演出表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の普通電動役物65を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。
特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技であり、単位遊技が最大回数である15回繰り返される特別遊技と、単位遊技が最少回数である2回だけ繰り返される特別遊技とがある。15回の単位遊技が繰り返される特別遊技(以下、適宜「15R大当り」とも称する)の場合、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約30秒間開放されたとき、または9球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技(以下、適宜「2R大当り」とも称する)の場合、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約0.2秒間開放されたときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。
停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が実行される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が小当り態様であった場合もまた小当り遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より大当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。確変状態は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が大当りとなるまで継続される。15R大当りの場合はその特別遊技の終了後に確変が開始される場合とされない場合があるが、2R大当りの場合はその特別遊技の終了後に必ず確変が開始される。時短は、第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は第1大入賞口91の右方に設けられ、本実施例では二つのランプが交互に点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どちらのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動入賞口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、後述する楽曲選択画面などにおいて選択候補を切り替える指示などを入力するための方向キーと、選択候補を確定する指示などを入力するためのボタンとを含む。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、条件保持手段176、小当り遊技制御手段330を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1始動入賞口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114、第1図柄決定手段320を含む。第2始動入賞口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119、第2図柄決定手段322を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。さらに、第1抽選手段126および第2抽選手段128は、第1始動入賞口62または第2始動入賞口63への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を抽選結果として図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段132へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1抽選値取得手段112が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段113による第1の抽選と第2当否判定手段117による第2の抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜169の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜169の範囲に該当する場合だけでなく、170〜1699の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段113が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段117が取得する当否抽選値が65250〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2の抽選よりも第1の抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図5は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段113は図5(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜169」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「170〜1699」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「1700〜64999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「65000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段113は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
第2当否判定手段117は図5(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜169」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「170〜1699」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「1700〜65249」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「65250〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段117は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図柄判定テーブルは、当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブル、外れであった場合に参照するテーブル、小当りであった場合に参照するテーブルで構成される。本図では特に大当りであった場合に参照するテーブルを示す。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。大当り時の図柄判定テーブルには、確変を伴う15R大当りを示す特別図柄、確変を伴う2R大当りを示す特別図柄、確変を伴わない15R大当りを示す特別図柄の各図柄と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。確変を伴う15R大当り、確変を伴う2R大当り、確変を伴わない15R大当りを示す特別図柄としては、それぞれ複数種類の特別図柄が割り当てられている。
確変を伴う15R大当りを示す特別図柄は、第1図柄抽選値の場合は「0〜101」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜191」に対応付けられる。確変を伴う2R大当りを示す特別図柄は、第1図柄抽選値の場合は「102〜191」に対応付けられるが、第2図柄抽選値には対応付けられていない。確変を伴わない15R大当りを示す特別図柄は、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値ともに「192〜255」に対応付けられる。
図7は、事前図柄判定で参照される事前図柄判定テーブルを模式的に示す図である。第1図柄決定手段320は当否抽選値が大当りに該当する場合に図7(a)のテーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜101」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「102〜191」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。図柄抽選値が「192〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。第1図柄決定手段320は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
第2図柄決定手段322は当否抽選値が大当りに該当する場合に図7(b)のテーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜191」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「192〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。第2図柄決定手段322は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。なお、当否抽選値が外れまたは小当りに該当する場合は本図のテーブルは参照せず、外れまたは小当りを示す値として例えば「4」の値を図柄範囲に設定してもよいし、何も設定しないこととしてもよい。
図3に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、通常状態において参照する変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図8(a)に示される外れ用の変動パターンを参照する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、本判定としての変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図8(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図8(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図8(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図10において説明する。
図8(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図8(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図9は、特定遊技状態において参照する変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、特定遊技状態における本判定としての変動パターン判定において、図8のテーブルに代わり本図のテーブルを参照する。当否判定結果が外れのときは図9(a)に示される外れ用の変動パターンを参照し、15R大当りのときは図9(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図9(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図9(a)においては、パターン抽選値0〜19には「ノーマル4」というノーマルリーチが対応付けられ、パターン抽選値20〜255には短縮変動パターンが対応付けられている。このように、特定遊技中に当否判定結果が外れとなる場合、ノーマルリーチとリーチなしの短縮変動パターンのいずれかが選択されることとなり、短縮変動パターンによってほとんどの図柄変動時間が短縮される他、リーチが出現する場合でもスーパーリーチと異なりごく短時間でのリーチとなる。これにより、スーパーリーチなどの変動時間の長い図柄変動が出現し得る展開と比べて特定遊技状態における図柄変動に要する総時間の短縮が図られる。なお、短縮変動パターンとしては、通常状態におけるリーチなしの変動パターンよりもさらに変動時間が短い変動パターンを主に想定する。
図9(b)においては、パターン抽選値0〜255に「ノーマル4」のリーチが対応付けられる。このように、当否判定結果が15R大当りの場合は必ずスーパーリーチより変動時間の短いリーチ変動パターンが選択され、特定遊技状態における図柄変動に要する総時間の短縮が図られる。
図9(c)においては、パターン抽選値0〜255に短縮変動パターンが対応付けられる。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は必ず短縮変動パターンが選択され、また、リーチ変動パターンが出現しないので、特定遊技状態における図柄変動に要する総時間の短縮が図られる。また、2R大当りや小当りの発生に遊技者が気づかないうちに素早く第1大入賞口91または第2大入賞口92を開閉することができ、15R大当りの連続的な発生を外観上阻害しない形で演出を展開しやすくすることができる。
図10は、通常状態における事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が外れの場合に図10(a)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜10」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「11〜20」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「21〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が15R大当りの場合に図10(b)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜120」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「121〜240」の場合はその旨を示す「5」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「241〜250」の場合はその旨を示す「6」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「251〜255」の場合はその旨を示す「7」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が2R大当りまたは小当りの場合に図10(c)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜122」の場合はその旨を示す「8」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「123〜255」の場合はその旨を示す「9」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、以上のようにパターン範囲を設定するたびにその値を第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。なお、本実施例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、共通の変動パターンテーブル、事前パターン判定テーブルを用いる例を示した。変形例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、これら変動パターンテーブルおよび事前パターン判定テーブルの少なくとも一方について別々のテーブルを用いるようにしてもよい。
図11は、特定遊技状態における事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が外れの場合に図11(a)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜19」の場合はその旨を示す「10」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「20〜255」の場合はその旨を示す「11」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が15R大当りの場合に図11(b)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜255」の場合にその旨を示す「10」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が2R大当りまたは小当りの場合に図11(c)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜255」の場合にその旨を示す「11」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
図12は、通常状態における外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218にて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。以上の構成による動作および制御の過程を以下説明する。
図3に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。第1保留手段144および第2保留手段146による保留の数は表示領域194にも表示される。
第2保留手段146に保留された抽選値は第1保留手段144に保留された抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段144に大当りの抽選値が保留されていても第2保留手段146に保留がある限りは第1保留手段144の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1保留手段144に大当りの保留があっても、さらに第2保留手段146へ大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を原則として約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段330は、第1抽選手段126による第1の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段330は、第2抽選手段128による第2の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより小当り遊技を実行する。小当り遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回行う遊技であり、2回の開閉を単位とした1回の単位遊技で構成される。小当り遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92を2R大当りと同様に短時間だけ開放させる。小当り遊技制御手段330は、単位遊技を1回実行した後に小当り遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果に起因する特別遊技であったかにかかわらずその特別遊技の終了後に必ず時短状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、第1当否判定手段113または第2当否判定手段117により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数の合計が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、たとえば100回に達するまで継続される。第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が図9に示すテーブルを参照して変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段113または第2当否判定手段117による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、第2始動入賞口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄の変動演出パターンとして複数の変動演出パターンデータを保持する。演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段126または第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄組合せテーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合、には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つとも同じ数字の図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合は特定の不揃いの組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択される。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が同じ数字で揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
図13は、複数の装飾図柄の停止組合せ態様を決定するときに参照される図柄組合せテーブルを模式的に示す図である。当否抽選の結果が15R大当りの場合は本図(a)を参照し、外れの場合は本図(b)を参照し、2R大当りまたは小当りの場合は本図(c)を参照する。
本図(a)においては、15R大当りが確変を伴う大当りである場合、抽選値が「0〜37」の範囲であれば3つとも同じ数字の奇数図柄で揃う組合せに決定され、抽選値が「38〜255」の範囲であれば3つとも同じ数字の偶数図柄で揃う組合せに決定される。15R大当りが確変を伴わない大当りである場合、抽選値が「0〜255」の全範囲において同じ偶数図柄が3つ揃う組合せに決定される。これにより、同じ奇数図柄で揃った停止組合せが表示されれば確変への移行が確定的に明示され、逆に同じ偶数図柄で揃った停止組合せが表示されれば確変への移行有無が遊技者には明示されない形となる。また、2つの同じ奇数図柄で揃ってあと一つ同じ奇数図柄が揃えば3つとも同じとなる状態である奇数図柄リーチ状態を表示することは、確変を伴う15R大当りの発生が目前に迫っている可能性を遊技者に示唆し、大当りを期待させることとなる。逆に、2つの同じ偶数図柄で揃ってあと一つ同じ偶数図柄が揃えば3つとも同じとなる状態である偶数図柄リーチ状態を表示することは、確変を伴うか否かが不明な15R大当りの発生が目前に迫っている可能性を遊技者に示唆することとなる。
本図(b)においては、リーチ付きの変動パターンが選択されている場合、抽選値が「0〜37」の範囲であれば、左右2つの図柄が同じ奇数図柄で揃って奇数図柄リーチ状態を形成し、残り1つの中図柄が異なる種類の図柄となる組合せに決定される。抽選値が「38〜255」の範囲であれば、左右2つの図柄が同じ偶数図柄で揃って偶数図柄リーチ状態を形成し、残り1つの中図柄が異なる種類の図柄となる組合せに決定される。リーチ付きでない変動パターンが選択されている場合、抽選値が「0〜255」の全範囲において、少なくとも左右2つの図柄が同じ種類の図柄でなく、リーチが成立しない不揃いの組合せであって、後述の2R大当りまたは小当りを示す特定の組合せ以外の組合せに決定される。
本図(c)においては、抽選値が「0〜255」の全範囲において、2R大当りまたは小当りを示す特定の不揃いの組合せに決定される。
図3に戻り、装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てから当り態様または外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずに外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1演出制御手段168は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。第2演出制御手段170は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合は第2保留手段146により保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
楽曲再生手段182は、楽曲を再生してスピーカ18に音声を出力する。楽曲データ格納手段184は、複数の楽曲のデータを格納する。演出表示制御手段134は、楽曲の再生中に演出画像を演出表示装置60に表示する。演出画像データ格納手段186は、演出表示装置60に表示される演出画像のデータを格納する。本実施例においては、演出画像は楽曲に対応付けられた動画像であり、楽曲の雰囲気に合わせて作成された映像や、歌手又は演奏家などが楽曲を歌唱又は演奏している映像や、楽曲の歌詞などを含む。別の例においては、演出画像は静止画像であってもよいし、楽曲とは無関係に用意された背景動画などの動画像であってもよい。
本実施例においては、楽曲再生手段182は、特別遊技制御手段120により特別遊技が実行されている間に、演出として、楽曲データ格納手段184にデータが格納されている楽曲を再生する。別の例においては、楽曲再生手段182は、特定の種類の大当りを契機とした特別遊技中のみに楽曲を再生してもよいし、特定遊技実行手段122により確変、時短、普通電動役物65の開放時間を延長する開放延長、又はそれらの任意の組合せが実施される特定遊技状態における通常遊技が実行されている間のみに楽曲を再生してもよいし、通常状態における通常遊技中のみに楽曲を再生してもよいし、それらの遊技の任意の組合せにおいて楽曲を再生してもよい。また、特定遊技中に大当りを引き当てて特別遊技が実行され、且つ、その特別遊技の終了後に再び特定遊技が実施される、いわゆる連荘中の特定遊技状態若しくは連荘中の特別遊技状態、又はそれら双方の間に楽曲を再生してもよい。以降、楽曲を再生可能に設定されたこれらの遊技状態の組合せを「楽曲再生期間」という。2R大当りを契機とする特別遊技は、特別遊技の開始から終了までの継続時間が短いので、楽曲を再生しなくてもよい。
楽曲再生手段182は、楽曲を再生すべきタイミングが到来したときに、所定の条件にしたがって再生すべき楽曲を決定し、決定した楽曲を再生する。演出表示制御手段134は、楽曲再生手段182により決定された楽曲に対応する演出画像を演出表示装置60に表示する。演出表示制御手段134は、操作ボタン82などを介して、演出画像に含まれる歌詞などの特定の内容を表示するか否かの指示を遊技者から受け付け、指示にしたがって表示のオンオフを切り替えてもよい。前述したように、特別遊技の実行中及び確変状態における通常遊技の実行中に楽曲を再生する場合、楽曲再生手段182は、特別遊技制御手段120により特別遊技が開始されるときに、楽曲の再生を開始する。楽曲再生手段182は、確変を伴う2R大当りが発生した場合、特別遊技中には楽曲を再生せず、特別遊技の終了後に実行される確変状態の通常遊技が開始されるときに楽曲の再生を開始してもよい。確変状態に移行されることを遊技者に報知せずに確変状態に移行する、いわゆる潜伏確変が実行される場合、楽曲再生手段182は、潜伏確変中は楽曲を再生せず、確変状態であることを遊技者に報知する演出が実行された後に、楽曲の再生を開始してもよい。
楽曲再生手段182は、確変、時短、開放延長、又はそれらの任意の組合せが実施される特定遊技の連続回数、あるいは、特定遊技を伴う大当りを繰り返し発生させる連荘の回数に応じて、再生すべき楽曲を決定してもよい。連荘は、一般に、特別遊技の終了後に実施される特定遊技が終了するまでの間に再度大当りを引き当てて特別遊技に移行する場合を言うが、特定遊技において、確変、時短、開放延長などのうちの複数が実施される場合に、それらのうちの一部が終了した場合であっても、残りの一部が継続している間に大当りを再度引き当てた場合は、連荘であるとみなしてもよい。また、特定遊技中に大当りを引き当てることができなくても、特定遊技が終了した後の所定期間内に再度大当りを引き当てた場合は、連荘であるとみなしてもよい。楽曲再生手段182は、特定遊技又は連荘の連続回数をRAMなどに記憶しておき、遊技者が最初に大当りを引いて特別遊技が開始されると、特定遊技又は連荘の連続回数が0回である場合に選択可能な楽曲の中から、所定の条件にしたがって、又はランダムに、再生すべき楽曲を選択して再生する。特別遊技が開始される契機となった大当りが特定遊技を伴う大当りであった場合、特別遊技の終了後に特定遊技が開始されると、楽曲再生手段182は、RAMに記憶している特定遊技又は連荘の連続回数を1にインクリメントし、特定遊技又は連荘の連続回数が1回である場合に選択可能な楽曲の中から再生すべき楽曲を選択して再生する。特定遊技中に、再び遊技者が大当りを引いて特別遊技が開始されると、楽曲再生手段182は、特定遊技中に再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、特定遊技又は連荘の連続回数が1回である場合に選択可能な楽曲の中から新たに再生すべき楽曲を選択して再生してもよい。2回目の特別遊技が開始される契機となった大当りが特定遊技を伴う大当りであった場合、特別遊技の終了後に特定遊技が開始されると、楽曲再生手段182は、RAMに記憶している特定遊技又は連荘の連続回数を2にインクリメントし、特定遊技又は連荘の連続回数が2回である場合に選択可能な楽曲の中から再生すべき楽曲を選択して再生する。上記の例においては、特定遊技が開始されるときに、特定遊技又は連荘の連続回数をインクリメントしたが、別の例においては、特定遊技を伴う大当りを契機とした特別遊技が開始されるときに、特定遊技又は連荘の連続回数をインクリメントしてもよい。この場合も、特別遊技の終了後に特定遊技が開始されるときに、楽曲再生手段182は、特別遊技中に再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、特定遊技又は連荘の連続回数が所定回である場合に選択可能な楽曲の中から新たに再生すべき楽曲を選択して再生してもよい。選択可能な楽曲は、特定遊技又は連荘の回数に応じて増加されてもよい。このような技術によれば、特定の楽曲を、特定遊技又は連荘が連続して発生した場合にのみ再生するので、遊技者が特定の楽曲を視聴するために、特定遊技を伴う大当りを連続して引き当てたいと思わせることができ、遊技を続行する動機を遊技者に与えることができる。同様に、楽曲再生手段182は、遊技開始からの特定の種別の大当りの回数、遊技開始からの特別遊技の回数、遊技開始からの楽曲の再生の回数などに応じて、再生すべき楽曲を決定してもよい。また、楽曲再生手段182は、大当り又は小当りの種別などに応じて、再生すべき楽曲を決定してもよい。また、楽曲再生手段182は、楽曲データ格納手段184に格納された再生可能な楽曲の中からランダムに再生すべき楽曲を決定してもよい。また、楽曲再生手段182は、後述するように、遊技者から楽曲の選択指示を受け付けて、指示された楽曲を再生すべき楽曲として決定してもよい。その場合も、遊技者が選択可能な楽曲は、特定遊技又は連荘の回数などの所定の条件に応じて増加されてもよい。
楽曲再生手段182は、楽曲の再生中に遊技状態が変更されたときに、変更後の遊技状態が楽曲再生期間ではない場合、楽曲の再生を停止する。また、確変などの特定遊技中に楽曲を再生する場合であって、特定遊技が所定回数の図柄変動をもって終了される場合、楽曲再生手段182は、特定遊技が終了して通常状態における通常遊技に移行するときに、楽曲の再生を停止する。このとき、楽曲再生手段182は、それまで再生していた楽曲を所定箇所、例えば、楽曲の末尾又は後述するループ再生終了箇所まで再生するまでは楽曲の再生を継続してもよい。
楽曲再生手段182は、楽曲の再生中に遊技状態が変更されたときに、変更後の遊技状態も楽曲を再生すべき期間である場合、再生中の楽曲を継続して再生してもよいし、遊技状態が変更されたときに楽曲の再生をいったん中断し、それまで再生していた楽曲と同一の楽曲、又は、所定の条件にしたがって決定した楽曲の再生を開始してもよい。楽曲再生手段182は、遊技状態の変更後に、楽曲の先頭、又は、後述するループ再生開始箇所から楽曲の再生を開始してもよい。例えば、特別遊技が終了して特定遊技状態における通常遊技が開始されるとき、楽曲再生手段182は、特別遊技の終了後も、特別遊技中又は特別遊技の終了デモ演出中に再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、楽曲の先頭又はループ再生開始箇所に戻って再生を再開してもよい。また、特定遊技状態における通常遊技中に大当りが発生して特別遊技が開始されるとき、楽曲再生手段182は、特定遊技状態における通常遊技中に再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、楽曲の先頭又はループ再生開始箇所に戻って再生を再開してもよい。
楽曲再生手段182は、楽曲の再生中に、特定の演出が発生した場合、再生中の楽曲を継続して再生してもよいし、再生を終了してもよいし、再生をいったん停止して演出の終了後に再開してもよいし、演出中は出力する音量を低くしてもよいし、演出中は歌詞などの特定の内容の表示を一時的にオフにしてもよい。再生をいったん停止した場合、楽曲再生手段182は、特定の演出の終了後に、停止した箇所から再生を再開してもよいし、楽曲の先頭又はループ再生開始箇所に戻って再生を再開してもよい。特定の演出は、例えば、特別遊技中の演出として、特別遊技の終了後に確変や時短などの特定遊技状態に移行するか否かを示唆又は報知する演出などであってもよい。
楽曲再生手段182は、楽曲の再生中、又は、楽曲再生期間中に、再生すべき楽曲の指示を遊技者から受付可能であり、再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲のデータを楽曲データ格納手段184から読み出して再生する。演出表示制御手段134は、楽曲再生手段182が再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲に対応する演出画像のデータを演出画像データ格納手段186から読み出して演出表示装置60に表示する。楽曲再生手段182は、連荘中の特定遊技状態若しくは連荘中の特別遊技状態、又はそれら双方の間に再生すべき楽曲の指示を遊技者から受付可能であってもよい。
楽曲再生手段182は、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けると、以降は、楽曲の再生を開始するときに、指示された楽曲を再生すべき楽曲として決定してもよい。この場合、楽曲再生手段182は、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲の種別をRAMなどに記憶しておき、楽曲再生期間に楽曲の再生を開始するときに、以前に遊技者から指示された楽曲の種別がRAMに記憶されていないか確認し、記憶されている場合は、その楽曲を再生すべき楽曲として決定する。別の例においては、楽曲再生手段182は楽曲再生期間に楽曲の再生を開始するときには、前述した条件にしたがって自動的に再生すべき楽曲を決定して再生し、その後、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲を再生してもよい。更に別の例においては、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けていない場合は、前述したように、楽曲再生手段182が、連荘ごとに、特別遊技中又は特定遊技中に再生する楽曲を自動的に決定し、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けている場合は、連荘しても、所定の条件が充足されるまでは楽曲を変更せず、遊技者から指示された楽曲を継続して再生してもよい。所定の条件は、遊技者から再生すべき楽曲の指示を再度受け付けること、又は、連荘が終了することなどであってもよい。
本実施例においては、楽曲再生手段182は、再生すべき楽曲に加えて、楽曲の再生開始箇所の指示を更に遊技者から受付可能である。楽曲再生手段182は、楽曲の再生開始箇所の指示を受け付けると、再生すべき楽曲の指示された再生開始箇所以降のデータを楽曲データ格納手段184から読み出して、指示された再生開始箇所から再生を開始する。演出表示制御手段134は、再生すべき楽曲に対応する動画像のデータを演出画像データ格納手段186から読み出し、指示された再生開始箇所から表示を開始する。これにより、特別遊技における単位遊技の回数や単位遊技の継続時間が少ない場合など、楽曲が再生される時間が短い場合であっても、遊技者が視聴したい部分を再生することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるとともに、より効果的な演出を提供することができる。別の例においては、楽曲再生手段182は、楽曲の先頭から再生を開始してもよいし、楽曲を前回再生したときに再生が終了した箇所から再生を開始してもよいし、所定の条件にしたがって自動的に決定した再生開始箇所から再生を開始してもよい。所定の条件は、例えば、楽曲を再生する予定の時間に楽曲の所定箇所まで再生が終了することであってもよい。特別遊技中に楽曲を再生する場合、楽曲を再生する予定の時間は、特別遊技の継続予定時間であってもよい。特別遊技の継続予定時間は、単位遊技の最大継続時間と単位遊技の回数との積であってもよい。
図14は、楽曲データ格納手段184に格納された楽曲データの例を示す。楽曲データ格納手段184に格納された楽曲の形式は様々でありうるが、一般に、楽曲は複数の部分(フレーズ)から構成される。例えば、日本の歌謡曲に多く見られるリフレイン形式の楽曲は、図14に示すように、「導入部」「1番のAメロ」「1番のBメロ」「1番のサビ」「1番の間奏」「2番のAメロ」「2番のBメロ」「2番のサビ」「2番の間奏」「大サビ」「終結部」などを含む。楽曲データ格納手段184は、これらの複数の部分に分割して楽曲のデータを格納する。前述したように、本実施例においては、演出画像として楽曲に合わせて用意された動画像を用いるので、演出画像データ格納手段186も、これらの複数の部分に分割して演出画像のデータを格納する。別の例においては、楽曲データ格納手段184及び演出画像データ格納手段186は、楽曲ごとに1つのデータファイルとして楽曲データ及び演出画像データを格納してもよい。
図15は、楽曲再生手段182が遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けるための楽曲選択画面の例を示す。楽曲再生手段182は、楽曲再生期間に、操作ボタン82などを介して、楽曲選択画面を表示するための指示入力を遊技者から受け付けると、楽曲選択画面300を演出表示装置60に表示し、遊技者から再生すべき楽曲の選択指示を受付可能とする。別の例においては、楽曲再生手段182は、所定のタイミング、例えば、所定の演出が実行されたときなどに、楽曲選択画面300を演出表示装置60に表示して、遊技者から再生すべき楽曲の選択指示を受付可能としてもよい。楽曲選択画面300には、楽曲データ格納手段184にデータが格納されている楽曲の一覧が表示される。楽曲選択画面300において、第1の種別の楽曲は第1領域302に、第2の種別の楽曲は第2領域304に、それぞれ表示されている。第1の種別の楽曲と第2の種別の楽曲については、後で詳述する。本実施例においては、後述するように、楽曲データ格納手段184にデータが格納されている楽曲の全てが初めから遊技者により選択可能となっているわけではなく、所定の条件を満たしている楽曲のみが再生すべき楽曲として選択可能となっている。楽曲選択画面300において、選択可能でない楽曲はグレーアウトして表示されている。楽曲再生手段182は、操作ボタン82などを介して、選択候補の楽曲を切り替えるための指示入力を遊技者から受け付けると、選択候補の楽曲を切り替える。楽曲選択画面300において、現在選択候補となっている楽曲は、太枠で囲まれて表示されている。楽曲再生手段182は、操作ボタン82などを介して、選択候補の楽曲を再生すべき楽曲として確定するための指示入力を遊技者から受け付けると、選択候補の楽曲を再生すべき楽曲として受け付け、指示された楽曲を再生する。
楽曲再生手段182は、楽曲選択画面300を演出表示装置60に表示して遊技者から再生すべき楽曲の選択指示を受付可能な期間中に、楽曲選択画面300を表示するまでに再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、楽曲の再生を中断してもよい。楽曲選択画面300を表示するまでに再生していた楽曲と同一の楽曲を遊技者が選択した場合、楽曲再生手段182は、選択された楽曲の先頭から再生を開始してもよいし、再生箇所を変更せずに再生中の楽曲を継続して再生してもよい。また、後述するように、再生中の楽曲にループ再生開始箇所が設定されている場合、楽曲再生手段182は、選択された楽曲のループ再生開始箇所から再生を開始してもよい。
楽曲再生手段182は、特別遊技の開始デモ演出又は終了デモ演出中には、操作ボタン82が押されても楽曲選択画面300を表示せず、遊技者から楽曲の選択指示を受け付けなくてもよい。このとき、楽曲再生手段182は、楽曲の再生を中断してもよいし、それまで再生していた楽曲を継続して再生してもよい。
楽曲再生手段182は、特別遊技中の特定のラウンドの実行中にのみ、遊技者からの指示入力に応じて楽曲選択画面300を表示して再生すべき楽曲の指示を受付可能とし、それ以外のラウンドの実行中には、再生すべき楽曲の指示を受け付けず、楽曲再生手段182が決定した楽曲、又は、遊技者から指示された楽曲の再生を継続してもよい。例えば、楽曲再生手段182は、特別遊技の開始から所定のラウンドまでの間は、遊技者による楽曲の選択指示を受け付け、それ以降のラウンドでは、楽曲の選択指示を受け付けなくてもよい。また、楽曲再生手段182は、大当りの種類に応じて、特別遊技中に遊技者から再生すべき楽曲の指示を受付可能とするか、受付不可能とするかを切り替えてもよい。例えば、単位遊技が所定回よりも少ない特別遊技が実行される場合には、特別遊技中に遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けず、単位遊技が所定回よりも多い特別遊技が実行される場合には、特別遊技中に遊技者から再生すべき楽曲の指示を受付可能としてもよい。また、単位遊技における大入賞口開放パターンとして、大入賞口が所定時間以上開放する第1開放パターンと、それよりも相対的に開放時間が短い第2開放パターンを備える遊技機である場合、第1開放パターンとなる単位遊技回数が所定回よりも少ない特別遊技が実行される場合には、特別遊技中に遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けず、第1開放パターンとなる単位遊技回数が所定回よりも多い特別遊技が実行される場合には、特別遊技中に遊技者から再生すべき楽曲の指示を受付可能としてもよい。これにより、楽曲が選択されてから特別遊技が終了するまでの間が短くなり過ぎるのを防ぎ、選択された楽曲を再生するための時間を確保することができるので、効果的な演出を実行することができる。
楽曲再生手段182は、確変状態であることを遊技者に報知せずに、確変状態における通常遊技を実行する、いわゆる潜伏確変中には、操作ボタン82が押されても楽曲選択画面300を表示せず、遊技者から楽曲の選択指示を受け付けなくてもよい。このとき、楽曲再生手段182は、楽曲の再生を中断してもよいし、それまで再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、所定の条件にしたがって自動的に決定した楽曲を再生してもよい。楽曲再生手段182は、潜伏確変中に、確変状態であることを遊技者に報知する演出が実行された場合、それ以降は、楽曲を再生し、楽曲の選択指示を遊技者から受付可能としてもよい。
図16は、楽曲の再生開始箇所として選択可能な箇所の例を示す。楽曲再生手段182は、図14に示した楽曲において、複数に分割された部分の全て又は一部の先頭を、再生開始箇所として選択可能な箇所に設定する。楽曲再生手段182は、複数に分割された全ての部分の先頭を再生開始箇所として選択可能としてもよいが、図16に示した例では、終結部の先頭から再生を開始しようとする遊技者はほとんどいないと考えられるので、終結部の先頭は再生開始箇所として選択可能とはされていない。楽曲及び演出画像のデータを1つのデータファイルとして格納する場合は、楽曲再生手段182は、楽曲の任意の箇所を再生開始箇所として選択可能としてもよい。
図17は、楽曲再生手段182が遊技者から楽曲の再生開始箇所の指示を受け付けるための再生開始箇所選択画面の例を示す。楽曲再生手段182は、楽曲再生期間に、操作ボタン82などを介して、再生開始箇所選択画面310を表示するための指示入力を遊技者から受け付けたとき、又は、図15に示した楽曲選択画面300において遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けたときに、再生開始箇所選択画面310を演出表示装置60に表示する。再生開始箇所選択画面310には、楽曲再生手段182により再生すべき楽曲として決定された楽曲、又は、楽曲選択画面300において遊技者から再生すべき楽曲として指示された楽曲の、再生開始箇所として選択可能な箇所の一覧が表示される。図17に示した例では、図16に示した楽曲の再生開始箇所として選択可能な箇所が表示されている。楽曲再生手段182は、再生開始箇所選択画面310において、再生開始箇所として選択可能な箇所を遊技者が識別できるように、その箇所の演出画像と、その箇所以降の楽曲の歌詞とを表示する。楽曲再生手段182は、操作ボタン82などを介して、選択候補の箇所を切り替えるための指示入力を遊技者から受け付けると、選択候補の箇所を切り替える。再生開始箇所選択画面310において、現在選択候補となっている箇所の演出画像は、太枠で囲まれて表示されている。楽曲再生手段182は、操作ボタン82などを介して、選択候補の箇所を再生開始箇所として確定するための指示入力を遊技者から受け付けると、選択候補の箇所を再生開始箇所として受け付け、指示された再生開始箇所から楽曲の再生を開始する。
楽曲再生手段182が自動的に再生すべき楽曲を決定する場合や、特別遊技中の特定のラウンド中などに遊技者からの指示を受け付けない期間を設ける場合などにおいて、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けないときであっても、楽曲再生手段182は、楽曲の再生開始箇所の指示を遊技者から受け付け、指示された再生開始箇所から楽曲の再生を開始してもよい。
本実施例においては、楽曲再生手段182は、楽曲の再生が所定のループ再生終了箇所に到達すると、所定のループ再生開始箇所へ戻って楽曲の再生を継続することにより、同一の楽曲を繰り返し再生可能である。別の例においては、楽曲再生手段182は、楽曲の末尾まで再生すると、別の楽曲の再生を開始してもよい。また、楽曲再生手段182は、同一の楽曲又は同一のグループに属する複数の楽曲を繰り返し再生するループ再生モードと、ループ再生を行わない通常再生モードとを設け、所定の条件にしたがって自動的に、又は、遊技者の指示にしたがって、いずれかを選択してもよい。
本実施例においては、複数の楽曲は、同一の楽曲を繰り返し再生する場合に楽曲のループ再生終了箇所とループ再生開始箇所とが連続性を有するように再生可能に構成された第1の種別の楽曲と、ループ再生終了箇所とループ再生開始箇所とが連続性を有しないように構成された第2の種別の楽曲とを含む。
図18は、第1の種別の楽曲及び第2の種別の楽曲のループ再生開始箇所及びループ再生終了箇所の例を示す。図18に示した例において、第1の種別の楽曲では、導入部と1番のAメロの間にループ再生開始箇所が、2番の後の間奏と大サビとの間にループ再生終了箇所が、それぞれ設定されている。楽曲再生手段182及び演出表示制御手段134は、第1の種別の楽曲をループ再生する場合、楽曲の先頭又は再生開始箇所から楽曲の再生及び演出画像の表示を開始して、ループ再生終了箇所に到達すると、ループ再生開始箇所へ戻って再生及び表示を継続する。第1の種別の楽曲の導入部は、楽曲の先頭から再生が開始される場合に、再生直後の1回目のみ再生され、ループ再生中は再生されない。第1の種別の楽曲の大サビ及び終結部は、通常再生モードにおいて再生されるが、ループ再生モードでは再生されない。すなわち、第1の種別の楽曲において、ループ再生開始箇所からループ再生終了箇所までは、ループ再生モードにおいて繰り返し再生されるループ再生期間であり、それ以外の導入部、大サビ、及び終結部は、繰り返し再生されない非ループ再生期間である。第2の種別の楽曲では、ループ再生開始箇所は楽曲の先頭と一致し、ループ再生終了箇所は楽曲の末尾と一致する。楽曲再生手段182及び演出表示制御手段134は、第2の種別の楽曲をループ再生する場合、楽曲の先頭又は再生開始箇所から楽曲の再生及び演出画像の表示を開始して、楽曲の末尾に到達すると、楽曲の先頭へ戻って再生及び表示を継続する。このように、楽曲再生手段182及び演出表示制御手段134は、ループ再生モードにおいて、第1の種別の楽曲については、楽曲の末尾に到達する前のループ再生終了箇所においてループ再生開始箇所に戻ることにより、連続性を有するようにループ再生を行い、第2の種別の楽曲については、楽曲の末尾まで到達してから楽曲の先頭に戻ることにより、連続性を有しないようにループ再生を行う。第1の種別の楽曲は、ループ再生モードにおいて、楽曲の一部が再生されないが、第2の種別の楽曲は、ループ再生モードにおいても、楽曲の先頭から末尾までの全てが再生される。
第1の種別の楽曲の楽曲データ及び演出画像データが、複数の部分に分割されて、楽曲データ格納手段184及び演出画像データ格納手段186に格納される場合であっても、第2の種別の楽曲の楽曲データ及び演出画像データは、1つのデータファイルとして格納されてもよい。第2の楽曲のループ再生期間、すなわち、楽曲の先頭から末尾までの再生時間は、第1の楽曲のループ再生期間、すなわち、ループ再生開始箇所からループ再生終了箇所までの再生時間より長くてもよい。
第1の種別の楽曲は、ループ再生終了箇所の直前の所定期間と、ループ再生開始箇所の直前の所定期間とが、同一又は類似する内容、メロディ、曲調、キー、コード進行、テンポ、リズムなどを有するように構成されていてもよい。また、ループ再生終了箇所の直前の所定期間と、ループ再生開始箇所の直後の所定期間とが、同一又は類似する曲調、キー、コード進行、テンポ、リズムなどを有するように構成されていてもよい。これにより、ループ再生終了箇所とループ再生開始箇所とが連続性を有するように再生することができ、演出の継続時間が楽曲の再生時間よりも長い場合であっても、滑らかに違和感無く楽曲の再生及び演出画像の表示を継続することができる。
楽曲再生手段182は、楽曲データ格納手段184にデータが格納されている全ての楽曲を再生すべき楽曲として遊技者又は楽曲再生手段182が選択可能としてもよいし、所定の条件を満たす楽曲のみを選択可能としてもよい。後者の場合、楽曲再生手段182は、日時、遊技の継続時間、特別遊技の出現回数又は継続回数、特定遊技の出現回数又は継続回数、などに関する条件を保持する。楽曲再生手段182は、楽曲選択画面を演出表示装置60に表示するときに、所定の条件が満たされるか否かを判定し、所定の条件が満たされると判定された楽曲を再生可能とする。以降、楽曲を「選択可能」ないし「再生可能」という場合、楽曲再生手段182が自動的に再生すべき楽曲を決定するにあたって、その楽曲を選択して再生することが可能であることを意味する場合と、楽曲再生手段182が遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けるにあたって、その楽曲を遊技者が選択して再生させることが可能であることを意味する場合と、両者を意味する場合とがあるが、これらをとくに区別しない。したがって、「選択可能」ないし「再生可能」とは、上記のいずれの場合も含みうる。
第2の種別の楽曲は、リアルタイムクロックシステムを用いて再生される楽曲であってもよい。この場合、遊技制御装置100は、現在時刻の情報を出力する計時回路である時計手段を備える。時計手段は、電源投入時からの時間を計測して現在時刻の情報として出力するタイマー回路であってもよいし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機10の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路であってもよい。演出決定手段132は、時計手段により出力される現在時刻が所定時刻となったことを契機に開始する時計同調演出を実行する。時計同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。また、時計同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。時計同調演出は、例えば所定の楽曲を演奏する動画を所定の時刻に再生する演出である。時計同調演出を再生する契機となる時刻は、ぱちんこ遊技機10の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時刻であってもよいし、標準時を基準とした毎正時であってもよい。あるいは、遊技店ごとに遊技店員によって時刻を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ時計同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時刻を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時刻となったことを契機に一斉に同じ時計同調演出が実行され、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲が流れることでその場でライブ演奏がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。なお、時計同調演出中に大当りが発生した場合や特別遊技中に時計同調演出が開始された場合、時計同調演出と並行して進行する特別遊技の大当り演出は、時計同調演出を阻害しないよう、画面の隅に小さく大当りである旨やラウンド数などを表示をする特殊形態をとってもよい。また、時計同調演出の終了より先に特別遊技が終了した場合は、特別遊技終了後も時計同調演出を実行したまま画面右下隅に縮小図柄変動を表示してもよい。
例えば、演出決定手段132は、毎正時に、遊技状態にかかわらず、また、楽曲再生手段182及び演出表示制御手段134により楽曲が再生及び表示されているか否かにかかわらず、時計同調演出として、第2の種別の楽曲のうち所定の条件にしたがって自動的に決定された楽曲を楽曲再生手段182に再生させ、その楽曲に対応する演出画像を演出表示制御手段134に表示させてもよい。この場合、遊技場に設置されている同一機種の全ての遊技機において、同一の楽曲が一斉に再生されてもよい。時計同調演出により第2の種別の楽曲が自動再生される場合、遊技者の選択指示にかかわらず、自動的に決定された楽曲が、先頭から末尾まで1回だけ再生されてもよい。すなわち、時計同調演出による楽曲の自動再生においては、楽曲はループ再生されなくてもよい。時計同調演出による楽曲の自動再生が終了した後、楽曲再生手段182及び演出表示制御手段134は、自動再生が開始される前に再生していた楽曲の再生を継続してもよいし、再生していた楽曲の先頭又はループ再生開始箇所に戻って再生を再開してもよいし、所定の条件にしたがって自動的に決定した楽曲を再生してもよい。
第2の種別の楽曲に対して、再生可能となるための特定条件が設定され、第2の種別の楽曲は特定条件が満たされる場合にのみ再生可能であり、第1の種別の楽曲は特定条件が満たされるか否かにかかわらず再生可能であってもよい。例えば、特定条件として、楽曲データ格納手段184又は演出画像データ格納手段186は、複数の第2の種別の楽曲のそれぞれが再生可能となる日時を更に格納し、演出決定手段132は、楽曲データ格納手段184に格納されている第2の種別の楽曲のそれぞれを、所定の日時が到来するまで再生不可能としてもよい。すなわち、第2の種別の楽曲には、楽曲ごとに再生可能となる日時が特定条件として設定され、再生可能となる日時が到来した楽曲は、楽曲再生手段182により再生可能となる一方、第1の種別の楽曲には、日時に関する特定条件が設定されなくてもよい。特定条件として、所定の時点から起算した期間が設定されてもよい。この場合、演出決定手段132は、所定の時点から起算して設定された期間が経過したときに第2の種別の楽曲を再生可能とする。所定の時点は、例えば、所定の日時、電源の投入時、RAMクリアスイッチの押下時、所定の遊技結果の発生時、所定の演出の発生時などであってもよい。第2の種別の楽曲は、未公表の楽曲であってもよい。これにより、未公表の楽曲を視聴することができるという付加価値を遊技機に付与することができ、多くの遊技者を獲得する契機とすることができる。また、複数の未公表の楽曲について、異なる日時が再生可能となる日時として設定される場合、より長期にわたって遊技者の興味を引きつけることができる。このような時計同調演出を用いて、特定条件に基づいて楽曲を再生可能とする遊技機において、楽曲再生手段182は、時計同調演出において楽曲の再生が可能とされたことを条件に、すなわち、楽曲ごとに設定された再生可能となる日時が到来したことを条件に、第2の種別の楽曲を選択する指示を遊技者から受付可能としてもよい。時計同調演出により自動再生される楽曲は適宜変更されてもよく、変更された場合であっても、変更される前に自動再生された楽曲は、再生すべき楽曲として遊技者からの選択指示を受け付けてもよい。
第2の種別の楽曲として未公表の楽曲を格納しておき、順次解禁された楽曲のみを特別遊技中に再生可能とする場合、前述したように、第1の種別の楽曲は、楽曲の末尾とは異なるループ再生終了箇所から、楽曲の先頭とは異なるループ再生開始箇所へ戻るようにループ再生し、第2の種別の楽曲は、楽曲の末尾まで再生すると楽曲の先頭に戻るようにループ再生することで、既に公表されている第1の種別の楽曲は、楽曲の導入部と終結部をカットして、違和感なく滑らかに連続的に楽曲の再生を継続させることができる一方、未公表であった第2の種別の楽曲は、楽曲の一部をカットすることなく最初から最後まで再生して、遊技者が十分に楽曲の視聴を楽しむことを可能とすることができる。
第1の種別の楽曲に対して、再生可能又は遊技者により選択可能となるための特殊条件が設定されてもよい。例えば、複数の第1の種別の楽曲のうちの一部は、特定条件及び特殊条件が満たされるか否かにかかわらず再生又は選択可能であり、他の一部は、特定条件が満たされるか否かには左右されないが、特殊条件が満たされる場合にのみ再生又は選択可能であってもよい。前者は、特殊状態が満たされていない初期状態においても遊技者が選択可能な選択可能候補となる楽曲であり、後者は、特殊条件が満たされた場合に選択可能候補となる楽曲である。例えば、特殊条件として、楽曲データ格納手段184又は演出画像データ格納手段186は、各入賞口又は作動口への入球、当否抽選の結果、特別遊技又は特別遊技の実行、連荘の実行などの遊技の結果、又は、それらの遊技の結果の履歴に関する特殊条件を更に格納し、楽曲再生手段182は、特殊条件が満たされた場合に、第1の種別の楽曲の選択可能候補の数を増加させてもよい。また、遊技の結果、遊技の結果の履歴、又は演出の実行履歴などに基づいて遊技者のポイント又はレベルを算出し、算出されたポイント又はレベルに関する特殊条件が満たされた場合に、第1の種別の楽曲の選択可能候補の数を増加させてもよい。この場合、サブ基板104に遊技の結果の履歴や遊技者のポイント又はレベルなどを記憶するための履歴格納手段を設け、遊技の実行中に遊技の結果を履歴格納手段に格納するとともに、遊技者のポイント又はレベルを算出して更新する。楽曲再生手段182は、楽曲選択画面を演出表示装置60に表示するときに、履歴格納手段を参照して、特殊条件に基づいて第1の種別の楽曲の選択可能候補を決定する。楽曲再生手段182は、特殊条件が満たされて第1の種別の楽曲の選択可能候補を増加させる場合に、所定の順序で、それまで選択可能候補ではなかった第1の種別の楽曲を新たに選択可能候補としてもよいし、それまで選択可能候補ではなかった第1の種別の楽曲の中から選択可能候補とする楽曲の指定を遊技者から受け付けてもよい。また、第1の種別の楽曲ごとに、選択可能候補となるための特殊条件が設定されてもよい。これにより、遊技者が遊技を継続的に実行して遊技の結果の履歴を蓄積させることにより、より多くの楽曲を視聴することができるようになるので、遊技者の興味を引きつけ、より長時間遊技を続行する動機を遊技者に与えることができる。
楽曲再生手段182は、操作ボタン82などにより、遊技者から、特殊条件に基づいて増加された第1の種別の楽曲の選択可能候補を削減し、又は初期状態において選択可能な選択可能候補のみに戻すための指示を受け付けると、第1の種別の楽曲の選択可能候補を削減し、又は初期状態に戻してもよい。例えば、前述したように、遊技の結果の履歴などに応じて算出される遊技者のレベルが高くなるほど第1の種別の楽曲の選択可能候補が増加される場合において、操作ボタン82などによる操作を受け付けた場合、履歴格納手段の内容をクリアし、遊技者のレベルを初期値、例えばゼロに戻し、第1の種別の楽曲の選択可能候補を初期状態に戻してもよい。この場合であっても、第2の種別の楽曲の選択可能候補はそのまま維持され、削減したり初期状態に戻したりすることができないようにしてもよい。第2の種別の楽曲の選択可能候補を増加させるための特殊条件が、第1の種別の楽曲の選択可能候補のように遊技の結果や履歴などに基づくものではなく、時計手段により計時される時間又は期間に基づくものである場合、履歴格納手段の内容がクリアされても、第2の種別の楽曲の選択可能候補は変わらない。また、遊技に関するデータを遊技者ごとに保存するためのサーバが設けられている場合、楽曲再生手段182は、遊技者がサーバに保存されたデータを遊技機に設定するための操作を行った場合、サーバに保存されていた遊技者のレベルなどのデータを履歴格納手段に格納し、サーバに保存されていたデータに基づいて第1の種別の楽曲の選択可能候補を決定してもよい。遊技者が、サーバに保存されたデータを遊技機に設定するための操作も、第1の種別の楽曲の選択可能候補を削減又は初期化する操作も行わない場合、楽曲再生手段182は、履歴格納手段の内容をクリアせず、そのまま引き継いでもよい。すなわち、それまでの選択可能候補をそのまま引き継いでもよい。楽曲再生手段182は、電源投入時又はRAMクリアスイッチの押下時に、履歴格納手段の内容をクリアし、第1の種別の楽曲の選択可能候補を初期状態に戻してもよい。
楽曲再生手段182は、第1の種別の楽曲と第2の種別の楽曲の構成の異同にかかわらず、再生方法を異ならせることによって、第1の種別の楽曲は連続性を有するようにループ再生し、第2の種別の楽曲は連続性を有しないようにループ再生するようにしてもよい。例えば、楽曲再生手段182は、第1の種別の楽曲を再生する場合は、ループ再生終了箇所の直前の所定期間において、その再生に重畳するように、ループ再生開始箇所から再生を開始し、前者の音量を徐々に小さくするとともに、後者の音量を徐々に大きくしてもよい。楽曲再生手段182は、第2の種別の楽曲を再生する場合は、第1の種別の楽曲を再生する場合のようにフェードイン・フェードアウトの技法を使用せず、楽曲を末尾まで再生すると楽曲の先頭に戻って再生を継続してもよい。
楽曲再生手段182は、楽曲の再生を継続する予定の時間を算出し、算出した時間に応じて再生可能な楽曲を判定してもよい。特別遊技中に楽曲を再生する場合、楽曲の再生を継続する予定の時間は、特別遊技の継続予定時間であってもよい。特別遊技の継続予定時間は、単位遊技の最大継続時間と単位遊技の回数との積であってもよい。楽曲再生手段182は、楽曲の再生を継続する予定の時間に、楽曲の先頭又は遊技者により指示された再生開始箇所から楽曲の所定箇所までの再生が終了することを条件に、楽曲が再生可能か否かを判定してもよい。楽曲再生手段182は、再生すべき楽曲を自動的に決定する場合に、再生可能と判定した楽曲の中から所定の条件にしたがって楽曲を決定してもよい。楽曲再生手段182は、楽曲選択画面を演出表示装置60に表示して遊技者から楽曲の選択指示を受け付けるときに、再生可能と判定した楽曲のみの選択指示を受け付けてもよい。
楽曲再生手段182は、楽曲の再生を継続する予定の時間に応じて再生開始箇所として選択可能な箇所を判定してもよい。楽曲再生手段182は、楽曲の再生を継続する予定の時間に、再生開始箇所から楽曲の所定箇所までの再生が終了することを条件に、再生開始箇所として選択可能か否かを判定してもよい。楽曲再生手段182は、再生開始箇所を自動的に決定する場合に、選択可能と判定した再生開始箇所の中から所定の条件にしたがって再生開始箇所を決定してもよい。楽曲再生手段182は、再生開始箇所選択画面を演出表示装置60に表示して遊技者から再生開始箇所の選択指示を受け付けるときに、選択可能と判定した再生開始箇所のみの選択指示を受け付けてもよい。
楽曲再生手段182は、楽曲の再生を継続する予定の時間に応じて、ループ再生開始箇所又はループ再生終了箇所を動的に設定してもよい。楽曲再生手段182は、ループ再生開始箇所又はループ再生終了箇所として設定可能な箇所を複数用意しておき、楽曲の再生を継続する予定の時間に、所定回数以上ループ再生期間を再生可能であることを条件に、複数の設定可能な箇所の中からループ再生開始箇所又はループ再生終了箇所を設定してもよい。
楽曲再生手段182は、楽曲の再生を継続する予定の時間に応じて、ループ再生期間を動的に設定してもよい。楽曲再生手段182は、例えば、図14に示した例において、(1)「1番のAメロ」〜「2番の間奏」、(2)「1番のAメロ」〜「1番の間奏」、(3)「1番のAメロ」「1番のサビ」「1番の間奏」など、異なる再生時間を有する複数のループ再生期間を用意しておき、楽曲の再生を継続する予定の時間に、所定回数以上ループ再生期間を再生可能であることを条件に、複数の設定可能なループ再生期間の中からループ再生期間を設定してもよい。本実施例においては、図14に示したように、楽曲のデータ及び演出画像のデータを複数の部分に分割して格納しておくので、上記の(3)のように、「1番のAメロ」と「1番のサビ」の間の「1番のBメロ」を省略してループ再生するような場合であっても、そのようなループ再生期間に対応した楽曲及び演出画像のデータを別途格納しておく必要がないので、必要なデータの容量を低減することができる。
遊技に関するデータを遊技者ごとに保存するためのサーバが設けられている場合、楽曲再生手段182は、再生すべき楽曲又は再生開始箇所として指示された設定をサーバに記録してもよい。この場合、図示しないデータ管理手段は、遊技者がサーバに保存したデータをサーバから取得すると、取得したデータをRAMなどに格納する。楽曲再生手段182は、楽曲再生期間に楽曲の再生を開始するときに、以前に遊技者から指示された楽曲の種別又は再生開始箇所がRAMに記憶されていないか確認し、記憶されている場合は、その設定にしたがう。
図19は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、小当り遊技の制御処理を実行する(S17)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図20は、図19におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。第1始動口62または第2始動口63に入球があった場合(S20のY)、始動入賞口に対応する賞球数をセットする(S22)。第1始動口62への入球であれば第1の抽選の保留数が4未満であるか否かを参照し、第2始動口63への入球であれば第2の抽選の保留数が4未満であるか否かを参照し、それぞれにさらなる保留が可能な状態であれば(S24のY)、当否抽選値を取得する(S26)。このとき、保留される当否抽選値の種別(第1当否抽選値であるか第2当否抽選値か)、その当否抽選値の保留順序等の情報が、演出決定手段132に送信される。そして、その当否抽選値に基づいて当否判定する事前判定処理を実行し(S28)、当否抽選値を第1保留手段144に保留する(S30)。S20において第1始動口62または第2始動口63への入球がない場合はS22からS30までの処理をスキップする(S20のN)。S24において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS26からS30までの処理をスキップする(S24のN)。以上のS20からS30までの処理が始動入賞口への入球に対する入賞処理である。なお、本実施例では第1抽選手段126と第2抽選手段128の双方が事前判定として当否判定を実行する例としているが、変形例としては第1抽選手段126による事前判定と第2抽選手段128による事前判定とを異なる態様としてもよい。例えば、当否判定、図柄決定、パターン決定のうちいずれを事前判定として実行するかについての態様を第1抽選手段126と第2抽選手段128とで相違させてもよい。または、第1抽選手段126と第2抽選手段128のいずれか一方のみが事前判定を実行してその判定結果を送信する態様としてもよいし、確変中か否かといった遊技状態に応じて第1抽選手段126と第2抽選手段128のいずれが事前判定を実行するかを切り替えてもよい。あるいは、第1抽選手段126と第2抽選手段128の双方において遊技状態に応じて事前判定を実行するか否かを決定する態様としてもよい。また、第1抽選手段126と第2抽選手段128が事前判定結果をサブ基板104に送信しつつ、サブ基板104側で遊技状態に応じてその判定結果を利用するか否かを切り替えてもよい。
一般入賞口72に入球があった場合は(S32のY)、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし(S34)、一般入賞口72への入球がないときはS34をスキップする(S32のN)。第1大入賞口91または第2大入賞口92に入球があった場合は(S36のY)、第1大入賞口91または第2大入賞口92に対応する賞球数をセットし(S38)、第1大入賞口91および第2大入賞口92への入球がないときはS38をスキップする(S36のN)。
図21は、図20におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S40)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S42)、図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S44)、その判定結果として図柄番号を示す値を設定し(S46)、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S48)、その判定結果としてパターン範囲を示す値を設定する(S50)。以上のように設定された事前判定結果の値が、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値、保留の個数、保留順序等の情報とともに送信バッファに一時保存され、サブ基板104の演出決定手段132へ送信される(S52)。
図22は、図19におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、サブ基板104における先読み処理が実行され(S150)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行と(S152)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行とが(S154)、繰り返し処理されることとなる。
図23は、図22におけるS150の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。いわゆる先読みによって得られる情報に基づいてどのような演出をサブ基板104において実行するか、また事前判定結果がどのような結果の場合にその結果に応じた演出を実行するかといった基準は、ぱちんこ遊技機10における遊技性の設計に応じて種々考えられる。本実施例においては、「スーパー1」の変動パターンが選択されたことを事前判定処理の結果に基づいてあらかじめサブ基板104側でも認識し、大当りの期待度が高いことを演出的に示唆することとする。
サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から事前判定結果を受信した場合(S160のY)、演出表示制御手段134は事前判定結果とともに受信した、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値および保留数の情報に基づいて演出表示装置60における保留数の表示を更新する(S162)。その時点での保留数が例えば「3個以上」といった所定の前兆演出をするのに十分な個数であり(S164のY)、事前判定により設定された当否範囲の値が「1」でパターン範囲の値が「4」の場合や(S166のY)、異なる値であっても(S166のN)、事前判定により設定された当否範囲の値が「3」でパターン範囲の値が「1」の場合は(S168のY)、前兆設定をオンにする(S172)。S168において当否範囲の値とパターン範囲の値が該当しない場合は(S168のN)、S172をスキップする。保留数が所定数に満たない場合は(S164のN)、S166からS172までの処理をスキップする。事前判定処理の結果を受信していない場合は本図のフロー全体をスキップする(S160のN)。なお、本図の例では、事前判定により設定された当否範囲とパターン範囲に基づいて前兆設定をオンすべきか否かを決定する。変形例としては事前判定により設定された図柄範囲に応じて、あるいは第1の抽選と第2の抽選のいずれの判定結果であったかに応じて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。または、それらの情報とともに所定の抽選に基づいて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。あるいは、事前判定結果として送られる情報、すなわち図柄の種類、当否結果、変動パターン等のうち少なくとも一つの情報を用いて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。なお、本実施例では、当否判定の結果が通常時および確変時を問わず大当りの場合、すなわち大当り確定の場合に前兆設定をオンにする例を示したが、確変時のみに大当りとなる場合、あるいは小当りとなる場合に前兆設定をオンにするようにしてもよい。あるいは、15R大当りまたは2R大当りのときに、前兆設定をオンにするようにしてもよい。
図24は、図22におけるS152の特別図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、第2当否抽選値の保留がなされている場合(S62のY)、第2当否判定手段117が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄193の当否を判定し(S64)、第2当否判定手段117が第2特別図柄193を決定し(S66)、第2パターン決定手段119が第2特別図柄193の変動パターンを決定し(S68)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第2特別図柄193の図柄変動を開始する(S77)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S62のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、第1当否判定手段113が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄192の当否を判定し(S72)、第1当否判定手段113が第1特別図柄192を決定し(S74)、第1パターン決定手段114が第1特別図柄192の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第1特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図25は、図22におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S180のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S182)、変動演出パターンを決定する(S184)。ここで、前兆設定がオンになっている場合(S186のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S188のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S190のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S192)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S190のY)、前兆設定をオフする(S194)。その後、装飾図柄の変動表示を開始する(S196)。前兆設定がオンでない場合や(S186のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S188のY)、S190からS194の処理をスキップする。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS182からS194をスキップする(S180のN)。
すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S198のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S200)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S202のY)、S182で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S204)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS204をスキップし(S202のN)、変動表示が開始済みでないときはS200からS204をスキップする(S198のN)。
図26は、図19におけるS16の特別遊技を詳細に示すフローチャートである。まず、第1大入賞口91または第2大入賞口92がまだ開放済でない場合(S100のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S102)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放する(S104)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済であればS102およびS104をスキップする(S100のY)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S106のY)、または、開放時間が経過していないものの(S106のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数が9球以上に達した場合(S108のY)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖させる(S110)。開放時間が経過しておらず(S106のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数も9球以上に達していない場合は(S108のN)、S110以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S110における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合(S112のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S114)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させ(S116)、特定遊技、すなわち確変および時短の実行を開始する(S118)。単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S112のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S119)。
図27は、図22におけるS17の小当り遊技を詳細に示すフローチャートである。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済でなければ(S220のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放処理を実行し(S222)、開放済みであれば(S220のY)、S222をスキップする。所定の開放時間を経過した場合(S224のY)、第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖し(S226)、所定の開放時間を経過していなければ(S224のN)、S226以降をスキップする。S226における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、設定回数分の開閉が終了していれば(S228のY)、小当り遊技を終了する(S230)。設定回数分の開閉が終了していなければ(S228のN)、開閉回数に1を加算してS17のフローを終了する(S232)。
図28は、楽曲を用いた演出の動作過程を示すフローチャートである。本図に示した動作過程は、図19に示した基本的な動作過程と並行して、サブ基板104において実行される。楽曲再生手段182は、楽曲再生期間が開始されるときなど、楽曲の再生を開始するタイミングが到来すると(S400のY)、再生すべき楽曲を決定し(S402)、決定した楽曲の再生を開始する(S404)。楽曲の再生を開始するタイミングではない場合(S400のN)、S402及びS404をスキップする。楽曲再生手段182は、楽曲の再生中である場合(S410のY)、楽曲再生中処理を実行する(S412)。楽曲再生中処理の詳細は、図29を参照して後述する。楽曲の再生中ではない場合(S410のN)、S412をスキップする。楽曲再生手段182は、楽曲再生期間が終了したときなど、楽曲の再生を終了するタイミングが到来すると(S420のY)、楽曲の再生を停止する(S422)。楽曲の再生を終了するタイミングではない場合(S420のN)、S422をスキップする。
図29は、図28におけるS412の楽曲再生中処理を詳細に示すフローチャートである。楽曲再生手段182は、再生すべき楽曲を選択する指示を遊技者から受け付けると(S450のY)、再生する楽曲を指示された楽曲に切り替える(S452)。再生すべき楽曲を選択する指示を受け付けない場合(S450のN)、S452をスキップする。楽曲再生手段182は、再生すべき楽曲の再生開始箇所を選択する指示を遊技者から受け付けると(S454のY)、指示された箇所に再生箇所を移動する(S456)。再生開始箇所を選択する指示を受け付けない場合(S454のN)、S456をスキップする。つづいて、再生中の楽曲が第1の種別の楽曲である場合(S460のY)、楽曲再生手段182は、ループ再生終了箇所に到達すると(S462のY)、ループ再生開始箇所に再生箇所を戻す(S464)。ループ再生終了箇所に到達していない場合(S462のN)、S464をスキップする。再生中の楽曲が第2の種別の楽曲である場合(S460のN)、楽曲再生手段182は、楽曲の末尾に到達すると(S466のY)、楽曲の先頭に再生箇所を戻す(S468)。楽曲の末尾に到達していない場合(S466のN)、S468をスキップする。楽曲再生手段182は、楽曲のデータを楽曲データ格納手段184から読み出して再生し、楽曲の音声をスピーカ18に出力する(S470)。
[第2実施例]
本実施例のぱちんこ遊技機は、2つの大入賞口を上下に隣接するダブルアタッカーとして備える点、特別遊技中の大入賞口の開放効率が高められた制御がなされる点などが第1実施例と異なる。その他の構成や遊技方法は基本的に第1実施例と共通するため、相違点を中心に説明し、共通点の説明は省略する。
本実施例のぱちんこ遊技機は、2つの大入賞口を上下に隣接するダブルアタッカーとして備える点、特別遊技中の大入賞口の開放効率が高められた制御がなされる点などが第1実施例と異なる。その他の構成や遊技方法は基本的に第1実施例と共通するため、相違点を中心に説明し、共通点の説明は省略する。
図30は、第2実施例に係るぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。本実施例では、第1大入賞口91および第2大入賞口92が遊技領域52における右下の領域に上下に隣接するように設けられている。図示のように、第2始動入賞口63の直下やや左寄りの位置に第1大入賞口91が設けられ、その第1大入賞口91の直下やや左寄りの位置に第2大入賞口92が設けられている。したがって、その2つの大入賞口は、遊技領域52の右側を狙って遊技球を比較的強めに発射したとき、いわゆる右打ちを行ったときに入球しやすくなる配置構成となっている。
第1大入賞口91および第2大入賞口92は、第1の遊技および第2の遊技の双方に対応する大入賞口として設けられる。すなわち、第1の遊技および第2の遊技において、第1大入賞口91および第2大入賞口92の双方が開放される。後述のように、2つの大入賞口が交互に連続的に開放されて賞球の払出効率(つまり出玉スピード)が高められる。その詳細については後述する。別の例においては、第1の遊技においては第1大入賞口91のみが開放され、第2の遊技においては第1大入賞口91および第2大入賞口92の双方が開放されてもよい。この場合、第1大入賞口91は、第1の遊技および第2の遊技の双方に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は、第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。
図31は、大入賞口周辺の構成を示す模式図である。図31(a)に示すように、遊技領域52の背面側には、第1大入賞口91につながる個別通路83aと、第2大入賞口92につながる個別通路83bとが並列に設けられている。個別通路83aと個別通路83bは、下流側にて合流する形で共用通路83cに接続されている。個別通路83aの上流側には入賞検出装置78が設けられ、下流側には排出検出装置93aが設けられている。排出検出装置93aは、第1大入賞口91からの遊技球の排出を検出するセンサであり、遊技球の通過時にその旨を示す第1遊技球排出情報を生成する。また、個別通路83bの上流側には入賞検出装置79が設けられ、下流側には排出検出装置93bが設けられている。排出検出装置93bは、第2大入賞口92からの遊技球の排出を検出するセンサであり、遊技球の通過時にその旨を示す第2遊技球排出情報を生成する。
入球判定手段110は、第1遊技球排出情報を受け取ると第1大入賞口91からの遊技球の排出が完了したと判断し、第2遊技球排出情報を受け取ると第2大入賞口92からの遊技球の排出が完了したと判断する。大入賞口への入球から排出が完了するまでの時間が適正でない場合に、球詰まりや不正行為等によるエラーを判定するためのものである。本実施例では、このような判定を行うために、大入賞口が閉じてからの排出待ち時間Δtを設定し、入球が検出されたにもかかわらず、その排出待ち時間Δt内に排出が検出されない場合にエラーと判定する。
なお、変形例においては、第1大入賞口91と第2大入賞口92に共用の排出検出装置を設けてもよい。すなわち、図31(b)に示すように、各個別通路には排出検出装置を設けず、共用通路83cに共用の排出検出装置93を設けるようにしてもよい。排出検出装置93は、第1大入賞口91または第2大入賞口92からの遊技球の排出を検出するセンサであり、遊技球の通過時にその旨を示す遊技球排出情報を生成する。入球判定手段110は、遊技球排出情報を受け取ると、いずれかの大入賞口から遊技球の排出が完了したと判断する。このように排出検出装置93を共用とすることで部品点数を抑え、コスト削減を図ることができる。
ただし、この構成においては、各入賞検出装置と排出検出装置93との位置関係が異なるため、排出待ち時間Δtとして同じ値を設定するのは好ましくない。また、排出検出装置93にて検出された遊技球が第1大入賞口91または第2大入賞口92のいずれに入球したものであるのかを判別する必要がある。そこで、各入賞検出装置と排出検出装置93との位置関係に基づき、各大入賞口についての排出待ち時間が設定される。すなわち、入賞検出装置78のほうが入賞検出装置79よりも排出通路83から離れた位置にあるため、第1大入賞口91についての排出待ち時間Δt1が、第2大入賞口92についての排出待ち時間Δt2よりも大きく設定される(Δt1>Δt2)。
また、第1大入賞口91の閉鎖直前に入球した遊技球が第2大入賞口92に入球したものと誤判定されないよう、各大入賞口、各入賞検出装置、排出検出装置93の位置関係、および各大入賞口の開閉速度が設定される。具体的には、第1大入賞口91の閉鎖直前に入球があり、かつ第2大入賞口92の開放直後に入球があったと想定した場合に、その第1大入賞口91へ入球した遊技球が排出検出装置93に検出された後に、第2大入賞口92に入球した遊技球が入賞検出装置79に検出されるような設計がなされる。
一方、本実施例では、第2の遊技にて大当りが連続するいわゆる連荘状態となった場合、特別遊技中に表示される大当り演出をトータルとして短く終了できるよう演出表示制御が行われる。図32は、第2の遊技にて15R大当りとなった場合にその15R特別遊技中に表示される大当り演出の画面例を示す。
すなわち、第2の遊技にて15R大当りとなり15R特別遊技へ移行されると、本図(a)に示すように、その第1ラウンドにおいて開始デモ演出が表示される。図示の例では、「BATTLE CHANCE」という文字列により、バトル演出が開始されることが示されている。そして、第2ラウンド以降、本図(b)〜(d)に示すように、バトル演出が展開される。最終ラウンドの1つ手前の第14ラウンドでは勝敗結果、つまり確変状態への移行有無が報知される。そして、最終ラウンドである第15ラウンドにおいて終了デモ演出が表示される。図示の例では確変状態への移行が決定されているため、「CHANCE TIME」という文字列により、これから確変状態へ移行される旨が示されている。このように開始デモ演出を初回ラウンド、終了デモ演出を最終ラウンドにて行うことにより、大当り演出を短くすることができる。すなわち、大当り演出のために出玉(賞球)に直接関わらない時間が消費されることが抑制される。言い換えれば、そのような時間を無駄と認識する遊技者に不快感を与えることなく遊技を継続させることができる。大当り演出として、確変以外の時短、開放延長などの特定遊技状態へ移行されるか否かを示唆又は報知する演出が行われてもよい。
図33および図34は、特別遊技における大入賞口の開閉パターンと、演出表示装置に表示される演出表示との対応関係を例示するタイムチャートである。図33は大入賞口が1つしか設けられていない場合に15R特別遊技へ移行される場合を示し、図34は大入賞口が2つ設けられている場合に15R特別遊技へ移行される場合を示している。各図には上段から特別図柄(第1特別図柄192または第2特別図柄193)の変動状態、役物連続作動設定の状態、大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)の開閉状態が示されている。各図の横軸は時間の経過を示している。なお、役物連続作動設定は、特別遊技による大入賞口の開閉作動が許可されるときにオンされ、特別遊技による大入賞口の開閉作動が禁止されるときにはオフにされるフラグの設定である。
図33に示すように、大入賞口が1つしか設けられていない場合に15R大当りになると、まず開始デモ演出が表示され、続いて第1ラウンドとともにラウンド演出が開始され、最終ラウンドの終了後に終了デモ演出が開始される。図示の例では、時刻t1にて図柄変動が開始され、時刻t2にて15R大当りであることを示す図柄が停止表示された後、15R特別遊技が開始されている。その15R特別遊技においては、まず開始デモ演出が表示され、その終了後の時刻t3から1回目の単位遊技(第1ラウンド:1R)が開始され、大入賞口の開放およびラウンド演出が開始されている。15R特別遊技においては単位遊技が上限回数(15回)に到るまで繰り返し実行される。ただし、先の単位遊技にて大入賞口が閉鎖されてから次の単位遊技にて大入賞口が開放されるまでのインターバル期間として上述した排出待ち時間Δt(本実施例では2秒間)が設定され、その排出待ち時間Δtが経過するまでは大入賞口の閉鎖状態が維持される。このため、特別遊技の実行時間は、開始デモ演出の演出時間、単位遊技の合計時間、インターバル期間の合計時間(排出待ち時間Δt×14)、終了デモ演出の演出時間を合計したものとなる。
一方、図34に示すように、大入賞口が2つ設けられている場合に15R大当りになると、第1ラウンドを利用して開始デモ演出が表示され、その後に各ラウンド演出が表示され、最終ラウンドを利用して終了デモ演出が表示される。図示の例では、時刻t21にて図柄変動が開始され、時刻t22にて15R大当りであることを示す図柄が停止表示された後、15R特別遊技が開始されている。この15R特別遊技は、図示のように第1ラウンドの終了とともに第1大入賞口91が閉鎖されると同時に、第2大入賞口92が開放されて第2ラウンドが開始されるといった具合に、先のラウンドの大入賞口が閉鎖されると同時に次ラウンドの大入賞口が開放され、第1大入賞口91と第2大入賞口92とが交互に連続的に開放される。そして、大当り演出については、第1ラウンドを利用して開始デモ演出が表示され、第2ラウンドから第14ラウンドの各単位遊技において対応するラウンド演出が順次表示される。図34に示す時刻t22からt23の開始デモ演出の表示時間を、図33に示される時刻t2からt3の開始デモ演出の表示時間よりも極力短くするために、開始デモ演出の一部を第1ラウンドに表示させている。また、最終ラウンド(第15ラウンド)を利用して終了デモ演出が表示される。図34に示す時刻t30からt31の終了デモ演出の表示時間を、図33に示される時刻t10からt11の終了デモ演出の表示時間よりも極力短くするために、終了デモ演出の一部を最終ラウンドに表示させている。すなわち、開始デモ演出が初回のラウンドに組み込まれる一方、終了デモ演出が最終ラウンドに組み込まれ、さらにインターバル期間が実質的に設けられないため、特別遊技の実行時間は単位遊技の合計時間となり、図33に示した場合よりも相当短くなっている。なお、図34に示す例では、開始デモ演出の終了タイミングと第1ラウンドの終了タイミングとが一致しているが、開始デモ演出を第1ラウンドの途中にて終了させてもよい。また、開始デモ演出を第1ラウンドと同時に開始させてもよい。一方、図示の例では、終了デモ演出の開始タイミングと第15ラウンドの開始タイミングとが一致しているが、終了デモ演出を第15ラウンドの途中から開始してもよい。また、終了デモ演出を第15ラウンドの途中で終了させてもよいし、第15ラウンドと同時に終了させてもよい。
すなわち、大入賞口が2つ設けられている場合に15R大当りが発生する場合には、その15R特別遊技のインターバル期間がなくなるため、特別遊技が速やかに終了する。一方、単位遊技における大入賞口の開放時間は確保されるため、出玉(賞球)には影響がない。言い換えれば、特別遊技において高い出玉スピードを実現でき、遊技者に爽快感を与えることが可能となる。特に第2の遊技では大当りが連続する連荘状態となりやすいため、その効果が顕著になる。すなわち、特別遊技後には時短へ移行されて入球容易状態となるため、第2始動入賞口63の入球容易性が格段に向上する。この入球容易となった第2始動入賞口63を狙って入球させることにより、大当りを早期に得られる可能性が高くなる。特に確変状態であれば当選確率も高くなるため、15R確変大当りを繰り返し発生させる連荘状態となりやすい。このような連荘状態においては多くの出玉を獲得することができるが、本実施例では個々の特別遊技中の出玉を確保しつつ、特別遊技そのものは速やかに終了させることで、遊技者の爽快感をより一層高めることができる。なお、インターバル期間がなくなるとはいえ、第1大入賞口91および第2大入賞口92の入球に対する排出待ち時間Δtは、図示のように、次ラウンドのラウンド演出または終了デモ演出の期間において確保される。すなわち、先の単位遊技の終了とともに閉鎖された大入賞口への遊技球の入球および排出の残余の検出処理と、後の単位遊技に開放された大入賞口への遊技球の入球および排出の処理とが並行して実行される。このため、大入賞口への入球処理について問題が生じることはない。なお、変形例においては、特別遊技の単位遊技間に微小なインターバル期間が設けられてもよい。このインターバル期間は、Δtよりも短い時間であってもよい。
図35は、特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は図26のS16の特別遊技制御処理に置き換えて実行される。特別遊技がまだ開始済でない場合(S92のN)、特別遊技を開始する(S94)。すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口の開放処理を開始するとともに(S100)、大当り演出処理を実行する(S103)。大入賞口が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、最終ラウンドの終了であれば(S106のY)、終了フラグをオフにしたうえで(S112)、特別遊技を終了する(S118)。そして、確変や時短などの特定遊技への移行が決定されている場合には、特定遊技実行手段122が特定遊技を開始する(S120)。最終ラウンドの終了でない場合は(S106のN)、S112以降の処理をスキップする。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップする。
図36は、図35におけるS103の大当り演出処理を詳細に示すフローチャートである。15R特別遊技の第1ラウンドであれば(S310のY)、開始デモ演出を表示する(S312)。第1ラウンドではなく(S310のN)、最終ラウンド(第15ラウンド)であれば(S314のY)、終了デモ演出を表示する(S316)。最終ラウンドでもなければ(S314のN)、つまり中間のラウンド(第2ラウンドから第14ラウンドのいずれか)であれば、各ラウンドに設定されたラウンド演出を表示する(S318)。
以上、第2実施例について説明したが、具体的構成については種々の変形例に置き換えることもできる。例えば、本実施例では第2の遊技にて15R特別遊技へ移行された場合に、図34に示したように複数の大入賞口を交互に開放させてトータルの開放効率を向上させる制御を行う例を示した。変形例においては、遊技状態に応じて大入賞口の開放効率を向上させる制御を行うようにしてもよい。具体的には、確変状態および時短状態の少なくとも一方から15R特別遊技へ移行された場合に、図34に示したように大入賞口の開放効率を向上させる制御を行うようにしてもよい。あるいは、少なくとも確変状態であることを図34の制御を実行する条件とし、確変状態ではなく時短状態である場合には、図33に示した通常の制御を実行するようにしてもよい。このように構成することで、「確変大当りの連荘が爽快である」との印象を遊技者に与えることができ、他の遊技機との差別化を図ることができる。
あるいは、第1の遊技および第2の遊技のいずれから15R特別遊技へ移行されたか、どの遊技状態から15R特別遊技へ移行されたにかかわらず、図34の制御を実行するようにしてもよい。また、本実施例においては15R特別遊技へ移行される場合を対象に図34の制御を実行する例を示したが、特別遊技のラウンド数にかかわらず、同様の制御を実行するようにしてもよい。このように構成することで、総じて「出玉スピードが高くて爽快である」との印象を遊技者に与えることができ、他の遊技機との差別化を図ることができる。
また、本実施例においては図30に示したように、遊技領域52の右下方に第1大入賞口91と第2大入賞口92を上下に配置し、第1大入賞口91を第1の遊技および第2の遊技の双方に対応する大入賞口とし、第2大入賞口92を第2の遊技に対応する大入賞口とした。すなわち、第2の遊技においては第1大入賞口91および第2大入賞口92の双方を交互に開放するようにした。変形例においては、これら第1大入賞口91および第2大入賞口92の双方を第2の遊技に対応する大入賞口とし、第1の遊技に対応する大入賞口を別途設けるようにしてもよい。この第1の遊技に対応する大入賞口は、図1に示される第1大入賞口91のように遊技領域52の中央下に配置してもよい。そして、第2の遊技についてのみ、15R特別遊技において上下2つの大入賞口を交互に連続に開放するようにしてもよい。その場合、入賞検出装置についても上下の大入賞口に共用としてもよい。具体的には、図31(b)に示す構成において入賞検出装置78を省略し、入賞検出装置79を共用通路83cにおける排出検出装置93の上流側に設け、その入賞検出装置79を共用としてもよい。特定遊技状態においては第2始動入賞口63の入球容易性が向上されることから、その上下2つの大入賞口に向けて右打ちがなされると想定される。すなわち、第2の遊技において連荘を狙う遊技になると想定されるため、その第2の遊技に対応する大入賞口をダブルアタッカーとすることで、連荘中の大入賞口の開放効率を向上させるという趣旨に沿ったものとなる。
また、本実施例においては、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が2つ混在する複合機について説明したが、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が一つのみ備えられた遊技機に2つの大入賞口を設け、特別遊技においてそれらの大入賞口を交互に連続的に開放させるようにしてもよい。逆に、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が3つ以上混在する遊技機に複数(例えば3つ以上)の大入賞口を設け、特別遊技においてその複数の大入賞口を順次連続的に開放させるようにしてもよい。
また、本実施例において特に述べなかったが、特定遊技への移行有無を煽るバトル演出等を特別遊技中の大当り演出としてのみ表示させるようにしてもよい。すなわち、通常遊技や小当り遊技などの一般遊技中には当否抽選の結果を示すために最低限必要な図柄変動の時間を確保し、遊技者の期待感を煽るために比較的長時間を要する演出については、特別遊技のラウンド消化とともに表示させるようにしてもよい。具体的には、特定遊技中にリーチ変動パターンを選択対象とするとしても、変動時間のごく短いノーマルリーチの変動パターンのみを対象するようにしてもよい。あるいは、リーチなしの変動パターンのみを選択対象とするなど、特定遊技中は図柄が揃うか否かを遊技者に伝えるのみの簡素な図柄変動演出を設定するようにしてもよい。このようにすることで、連荘状態における図柄変動期間を少なくしてより高い出玉スピードを実現でき、遊技者により高い爽快感を与えることができる。
以上説明したように、本実施例においては、2つの大入賞口が交互に連続的に開放されることにより出玉スピードが高められ、あるいは、特別遊技中に表示される大当り演出をトータルとして短く終了できるよう演出表示制御が行われる結果、特別遊技の継続時間が比較的短くなり、楽曲の再生時間が短くなることがあるが、第1実施例において説明したように、遊技者が楽曲の再生開始箇所を選択することを可能とするので、再生すべき楽曲の再生時間が特別遊技の継続時間よりも長いために楽曲の先頭から再生を開始した場合には特別遊技中に再生されない部分を遊技者が視聴したいと希望した場合であっても、その部分を特別遊技中に再生することができる。これにより、遊技者の利便性を向上させることができるとともに、演出の効果をより高めることができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
上記の実施例においては、第1の抽選および第2の抽選の双方の当否判定結果を事前判定結果としてメイン基板102からサブ基板104へ送信する例を説明した。変形例としては、第1の抽選または第2の抽選のいずれかの当否判定結果のみを事前判定結果としてメイン基板102からサブ基板104へ送信する構成としてもよい。
上記の実施例においては、第1の抽選および第2の抽選において当否判定、図柄決定、および変動パターン決定をそれぞれ別個の抽選値を取得することで処理する例を説明した。変形例としては、第1の抽選および第2の抽選において当否判定、図柄決定、および変動パターン決定のすべてを単一の抽選値を用いて処理する構成としてもよい。また、確変や時短を伴う大当りか否かを決定するためにそれぞれ別個の抽選値を用いてもよい。
上記の実施例においては、事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲を示す値とともに、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果であったかを示す値や保留数の情報をメイン基板102からサブ基板104へ送信する例を説明した。変形例においては、これらの情報を一度に送信せずに別々に送信する構成としてもよい。
上記の実施例においては、当否判定テーブルと事前当否判定テーブル、図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブル、変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブル、これらのテーブル間でそれぞれ抽選値の範囲が一致するよう各テーブルが規定された例を説明した。変形例においては、抽選値の範囲に少しずつズレを設けるなど、事前判定の結果が本判定の結果と必ず一致するわけではないが高い確率で一致するといった程度に留める形で各テーブルを設定してもよい。これにより、例えば当否判定結果が当りの場合と外れの場合とで前兆設定の判定を分けることなく、高い確率で当りとなる判定結果が送信されたときに前兆設定をするようにすることもできる。このようにして事前判定結果についてある程度不確実性を持たせることで、その情報を受けたサブ基板104側でその当否に基づく処理の調整を減らすこともでき、処理負荷が低減されうる。
10 ぱちんこ遊技機、 18 スピーカ、 60 演出表示装置、 82 操作ボタン、 100 遊技制御装置、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 182 楽曲再生手段、 184 楽曲データ格納手段、 186 演出画像データ格納手段、 190 装飾図柄。
Claims (1)
- 所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される表示装置と、
前記図柄を前記表示装置に変動表示させる表示制御手段と、
前記当否抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となり、所定の停止態様にて前記図柄の変動表示が停止したときに前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
音声を出力するスピーカと、
複数の楽曲のデータを格納する楽曲データ格納手段と、
前記楽曲を再生して前記スピーカに音声を出力する楽曲再生手段と、
演出画像を表示する演出表示装置と、
前記楽曲の再生中に前記演出表示装置に表示される演出画像のデータを格納する演出画像データ格納手段と、
前記演出画像を前記演出表示装置に表示する演出表示制御手段と、
を備え、
前記楽曲再生手段は、前記特別遊技制御手段により前記特別遊技が実行されているときに、再生すべき楽曲の指示を遊技者から受付可能であり、再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲のデータを前記楽曲データ格納手段から読み出して再生し、
前記演出表示制御手段は、指示された楽曲に対応する演出画像のデータを演出画像データ格納手段から読み出して前記演出表示装置に表示し、
前記楽曲再生手段は、楽曲の再生が所定のループ再生終了箇所に到達すると、所定のループ再生開始箇所へ戻って楽曲の再生を継続することにより、同一の楽曲を繰り返し再生可能であり、
前記複数の楽曲は、複数の第1の種別の楽曲と複数の第2の種別の楽曲を含み、前記楽曲再生手段は、前記複数の第1の種別の楽曲及び前記複数の第2の種別の楽曲のうち遊技者により選択可能とされた選択可能候補を再生すべき楽曲として遊技者から受付可能であり、
前記第1の種別の楽曲の選択可能候補は、遊技の結果又は遊技の結果の履歴が所定の第1の条件を満たすことにより増加され、
前記第2の種別の楽曲の選択可能候補は、時刻に関する情報を出力する計時手段を用いて計時される時間又は期間が所定の第2の条件を満たすことにより増加される遊技機。
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