JP6703245B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−230714号公報 特開2012−196533号公報 特開2008−253457号公報
「CRぱちんこAKB48」、パチンコ必勝本CLIMAX2012年9月号、株式会社綜合図書、2012年9月1日、p.6−11
所定の時刻に遊技店内の複数の同機種遊技台が一斉に同じ演出を実行するものが知られている(例えば、特許文献2〜4、非特許文献1参照)。しかし、それら一斉に表示する演出はあくまでそれぞれの遊技台における当否状態とは無関係に一律に実行するだけで必ずしも演出以上の何らかの効果を遊技者にもたらすことは企図しておらず、あるいは企図していても従来の予告演出以上の効果をもたらすものとはいえず、さらなる活用方法が模索されていた。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、遊技者に遊技上の恩恵をもたらす演出を実現する遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、通常遊技にて遊技者に有利な特別遊技の実行可否を判定する当否判定手段と、特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、遊技者が操作可能な操作入力手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、楽曲を出力可能なスピーカと、を備え、遊技者による操作入力手段の操作に基づき、スピーカから出力される楽曲を選択可能であり、特別遊技の種類として、第1特別遊技と、第1特別遊技よりも有利度合いが高い第2特別遊技を有し、第2特別遊技の実行中においては、遊技者による操作入力手段の操作に基づいた楽曲の選択が可能であるが、第1特別遊技の実行中においては、遊技者による操作入力手段の操作に基づいた楽曲の選択が不可能であるよう構成されており、遊技者による操作入力手段の操作に基づき選択された楽曲の再生が所定のループ再生終了箇所に到達すると、所定のループ再生箇所へ戻って楽曲の再生を継続することにより、同一の楽曲をループ再生可能となるよう構成されており、楽曲の種類として少なくとも第1の種別の楽曲と第2の種別の楽曲とを有し、少なくとも前記第1の種別の楽曲を遊技者による操作入力手段の操作に基づき選択して再生可能且つループ再生可能とする一方で、図柄変動中に所定期間に到達したことを契機として前記第1の種別の楽曲ではなく前記第2の種別の楽曲を遊技者による操作入力手段の操作に基づかずにループ再生せずに再生可能であり、前記第2の種別の楽曲が再生されている最中は、特別遊技の移行期待度を示唆する複数種類の予告演出のうち少なくとも所定の予告演出の実行頻度が低下するよう構成されている。
<付記>
尚、本発明のある態様とは異なる別態様について以下に列記しておくが、これらには何ら限定されることなく実施することが可能である。
本発明のある態様とは異なる別態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、始動入賞口への入球を契機として図柄が変動表示される図柄表示装置と、始動入賞口へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する図柄変動が表示されている場合、所定個数を上限に新たな入球に対応する抽選値をその図柄変動の表示開始まで保留として記憶する保留制御手段と、図柄の変動表示過程が定められた複数種類の変動パターンからいずれかを選択する変動パターン決定手段と、演出的な内容が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出的な内容を決定する演出決定手段と、演出決定手段により決定された演出的な内容を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段と、現在時刻の情報を出力する時計手段と、を備える。演出決定手段は、時計手段により出力される現在時刻が所定時刻となったことを契機とする所定タイミングに開始する時計同調演出を、図柄変動の変動期間とは非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置に表示させる決定をし、時計同調演出は、複数の遊技台で並行して実行する複数台同期演出を含む。演出決定手段は、時計同調演出の実行中は、特別遊技への移行期待度を示唆する所定の予告演出の実行確率を時計同調演出の実行中以外の場合より低い確率へ切り替える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、遊技者に遊技上の恩恵をもたらす演出を実現することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 図柄変動演出と時計同調演出の非同期性を示すタイムチャートである。 時計同調演出の画面例を示す図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出表示制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図14におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図17におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが表示CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 時計同調演出処理を詳細に示すフローチャートである。 第2基本構成で採用可能なラウンド表示灯を示す図である。 第3基本構成における大入賞口の開閉パターンの例を説明する説明図である。 8R相当遊技の開閉パターンの変形例を説明する図である。 8R相当遊技の開閉パターンの変形例を説明する図である。 第3基本構成におけるオブジェクトの表示を説明する図である。 15R通常特別遊技における大入賞口の開閉パターンと開始/終了演出のタイミングを示す図である。 通常特別遊技、特殊特別遊技における大入賞口の開閉パターンおよび開始/終了演出のタイミングを説明する説明図である。 特殊特別遊技の実行中で継続演出EKが表示される前の演出表示装置の表示イメージを説明する図である。 第5基本構成におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 楽曲データ格納手段に格納された楽曲データの例を示す図である。 楽曲再生手段が遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けるための楽曲選択画面の例を示す図である。 楽曲の再生開始箇所として選択可能な箇所の例を示す図である。 楽曲再生手段が遊技者から楽曲の再生開始箇所の指示を受け付けるための再生開始箇所選択画面の例を示す図である。 第1の種別の楽曲及び第2の種別の楽曲のループ再生開始箇所及びループ再生終了箇所の例を示す図である。 楽曲を用いた演出の動作過程を示すフローチャートである。 図42におけるS1112の楽曲再生中処理を詳細に示すフローチャートである。 大入賞口周辺の構成を示す模式図である。 第2の遊技にて15R大当りとなった場合にその15R特別遊技中に表示される大当り演出の画面例を示す図である。 特別遊技における大入賞口の開閉パターンと、演出表示装置に表示される演出表示との対応関係を例示するタイムチャートである。 特別遊技における大入賞口の開閉パターンと、演出表示装置に表示される演出表示との対応関係を例示するタイムチャートである。 遊技店の遊技島に設置された複数の遊技台を模式的に示す図である。 遊技店の遊技島に設置された複数の遊技台で個別展開演出を実行する状態を模式的に示す図である。 本実施例におけるサブ基板の構成を示す機能ブロック図である。 携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。 内容案内演出の表示例を模式的に示す図である。
(第1基本構成)
本基本構成のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるよ
うに設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカ108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカ108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部
上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電役ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電役ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開されると、第2始動口12への入球容易性が高まる。普通電動役物90の1回の開放時間は、短開放時は0.1秒程度の短時間であるのに対し、長開放時は普通電動役物90の1回の開放時間が6秒程度と短開放時よりも長く設定されて遊技球が第2始動口12に入球しやすくなる。普通電動役物90の長開放は「開放延長」とも呼ばれる。なお、変形例として、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情
報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側左下位置に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置42とが左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機として行われる第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機として行われる第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42へ表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。さらに、第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本基本構成においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
なお、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを
要しないため、本基本構成では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示装置41および第2特別図柄表示装置42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。普通図柄表示装置45は遊技領域81の外側右下方に設けられ、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物90が拡開される。
普通電動役物90の開放時間は、0.1秒間の短開放と6秒間の長開放の2通りがある。通常状態における開放抽選では、1/50の確率で普通図柄が当りとなって長開放が実行され、1/100の確率で普通図柄が当りとなって短開放が実行される。このように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高いが、変形例では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよい。入球容易状態における開放抽選では、普通図柄の当り確率を99/100に高め、さらに開放時間を長開放のみとする。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能と開放時間の延長機能により、第2始動口12への入球容易性を高める。変形例における入球容易状態では、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
遊技領域81の外側左下位置において、第1特別図柄表示装置41の上方には第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ71が設けられ、第2特別図柄表示装置42の上方には第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ72が設けられる。第1特図保留ランプ71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ71における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ72における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞した抽選値の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4
個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
遊技領域81の外側右下位置において、普通図柄表示装置45の右側には普図保留ランプ75が設けられる。普図保留ランプ75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。
第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。
装飾図柄61の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示す
るときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、本基本構成では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間もなく、1回の単位遊技で大入賞口20を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット154等を含む。払出ユニット154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出ユニット154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源ユニット158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機100は、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、一般入賞口33、第1作動口31、第2作動口32、第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42、普通図柄表示装置45と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。サブ基板300は、演出表示装置60、演出ボタン109、スピーカ108、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板200で生成された情報は、メイン基板200がサブ基板300へ一方的に送信しない限りサブ基板300から参照することはできない。
なお、メイン基板200に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板200ではなくサブ基板300に搭載されてもよいし、サブ基板300に含まれる各機能ブロック
は、いずれかがサブ基板300ではなくメイン基板200に搭載されてもよい。
図4は、メイン基板200の構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276を備える。
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1当否抽選の判定結果は、第1特別図柄表示装置41において第1特別図柄51の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2当否抽選の判定結果は、第2特別図柄表示装置42において第2特別図柄52の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示の形で示される。第1抽選手段211および第2抽選手段212は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
第1抽選手段211および第2抽選手段212は、第1始動口11または第2始動口12への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板300の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選
値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本基本構成においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図6は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段221は図6(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段221は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
第2当否判定手段222は図6(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段222は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りまたは16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照され
る。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示装置41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示装置42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応
関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
図4に戻り、普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段213による抽選の判定結果は、普通図柄表示装置45において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段213は、普通図柄表示装置45に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段213は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段275が第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選または第2当否抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1当否抽選または第2当否抽選に対する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。第1当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶し、第2当否抽選について4個を上限に当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を記憶する。あるいは、
当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を記憶してもよい。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ71、第2特図保留ランプ72、普図保留ランプ75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示装置41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示装置42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出制御手段304へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置45に表示させる。
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2
特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞
口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.2秒間だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電役ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、時計手段307を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段303は、第1抽選手段211から受け取る第1当否抽選の判定結果または第2抽選手段212から受け取る第2当否抽選の判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカ108に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。演出決定手段303は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。演出決定手段303
は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含
まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、第1抽選手段211または第2抽選手段212による当否抽選の判定結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1当否抽選および第2当否抽選に対応する装飾図柄61の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305および音声制御手段306を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカ108からの音声出力を制御する。
時計手段307は、現在時刻の情報を出力する計時回路である。本基本構成における時計手段307は、電源投入時からの時間を計測して現在時刻の情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、時計手段307により出力される現在時刻が所定時刻となったことを契機とする所定タイミングに開始する時計同調演出を実行する。時計同調演出は、
図柄変動の変動期間や遊技状態とは非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。また、時計同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も時計同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは時計同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは時計同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
時計同調演出は、例えば所定の楽曲を演奏する動画を所定の時刻に再生する演出である。時計同調演出を再生する契機となる時刻は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時刻であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、遊技店ごとに遊技店員によって時刻を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ時計同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時刻を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時刻となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ時計同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲が流れることでその場でライブ演奏がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
図10は、図柄変動演出と時計同調演出の非同期性を示すタイムチャートである。第1時間軸350においては複数の図柄変動期間360〜374を示す。ここでは便宜上、リーチなしの外れ変動が連続している場合を示す。第2時間軸352は、時計同調演出の期間を示す時間軸である。図示しないぱちんこ遊技機100の電源投入タイミングで時間計測を開始し、電源投入時から1時間ごとに設定される同調時刻から5分間の時計同調演出を実行する。時計同調演出を実行する期間である5分間の同調演出期間においては、始めに同調時刻から所定時間の準備演出が表示された後で本演出が表示される。準備演出は、同調時刻(S400)から本演出開始までのカウントダウンを表示させる映像および音声の出力であり、そのカウントダウンの終わりとともに本演出の映像出力に移る(S402)。同調時刻から5分が経過したときに本演出が終了する(S404)。
同調演出期間と並行して第1時間軸350に示すように図柄変動表示が非同期で実行される。本図の例では同調時刻(S400)が図柄変動期間362の最中に生じているが、同調時刻のタイミングと同期して図柄変動表示を中断させるわけでもなければ、同調時刻のタイミングと同期して新たな図柄変動表示を開始させるわけでもない。ただし、同調時刻までは演出表示装置60の画面全体を使って表示させていた図柄変動演出を、同調時刻のタイミングで画面の右隅に移動して縮小し、S400からS404までの同調演出期間では画面右隅に小さく図柄変動表示をする。または、このような縮小図柄変動を、主たる表示装置である演出表示装置60の周辺に補助的に設けられる後述のサブ演出表示装置にて表示してもよい。これらの縮小図柄変動は、変動表示に用いる装飾図柄の種類削減等による演出の簡素化がなされ、これによって遊技者を主たる演出表示装置(後述のメイン演出表示装置)に注視させることができる。
このような時計同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、遊技店における同じ遊技台が設置された一角(いわゆる「遊技島」ともいう)は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調時刻を迎えることとなり、一斉に同時進行で時計同調演出を実行することになる。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
ここで、時計同調演出において間もなく所定の好結果、例えば大当りが発生することが判明した場合には、通常の時計同調演出とは演出内容の一部に外観上の差異を生じさせる変更を加える。そのような時計同調演出を以下「特殊時計同調演出」と呼ぶ。「所定の好結果」は、遊技者に所定の利益をもたらす可能性のある結果であり、大当りの発生だけでなく、小当りの発生を含めてもよいし、大当りか外れかは問わずスーパーリーチなどの期待度の高い変動演出が表示される場合を示してもよい。
特殊時計同調演出では、通常の時計同調演出との間で、例えば表示する画像の一部の色や形状を通常とは別の色や形状に変えたり、出力する効果音や背景音楽の一部を別の効果音や楽曲フレーズに変えたりする。あるいは、表示するキャラクタや出力する楽曲をまったく別のキャラクタや楽曲に差し替えてもよいし、通常の時計同調演出の途中で画面の表示内容を消去して「チャンス!」のように好結果を示唆する文字列を表示してもよい。表示するキャラクタや文字の大きさを変えてもよい。本基本構成では、通常の時計同調演出用の映像および音声が含まれる第1ムービーデータと、特殊時計同調演出用の映像および音声が含まれる第2ムービーデータとを保持する。その上で、通常時は第1ムービーデータを出力し、特殊時計同調演出に切り替える旨の判定がなされたときに第2ムービーデータの出力に切り替える。ただし、第1ムービーデータから第2ムービーデータに切り替えたとしても内容が全面的に相違するとは限らず、あくまでも映像や音声の一部に差異が設けられているにすぎないため、その差異が設けられた時間的ポイントに到達するまでは遊技者にはどちらのムービーデータが再生されているか判別されない。なお、変形例として、ムービーや音声の組合せが定められた第1演出パターンと第2演出パターンを用意しておき、それら演出パターンを切り替えることによって特殊時計同調演出への切替を実現してもよい。
通常の時計同調演出から特殊時計同調演出に切り替えるのは以下の場合である。(1)同調時刻となって時計同調演出が実行されるときに表示されている図柄変動に対応する当否抽選の判定結果が好結果である場合。(2)同調時刻の時点で保留制御手段240に保留されている当否抽選の事前判定結果のいずれかが好結果であることが先読みによって判明した場合。(3)同調演出期間における所定タイミングまでに始動口へ入球した遊技球に対応する当否抽選の事前判定結果のいずれかが好結果であることが先読みによって判明した場合。(1)は、本図の例では図柄変動期間362の図柄変動に対応する当否抽選の判定結果が大当りであった場合が該当する。(2)と(3)は、本図の例では演出を切り替えられる限界タイミングS403までに保留制御手段240に記憶されるいずれかの抽選値が好結果を示す場合が該当する。すなわち、S403までに始動口へ入球する遊技球に対応する当否抽選の事前判定結果のうちいずれかが好結果であった場合であり、例えば図柄変動期間364におけるS406のタイミングでの入球に対応する当否抽選の事前判定結果が大当りに該当した場合である。本図の例における限界タイミングS403は、通常の時計同調演出を特殊時計同調演出に切り替えるタイミングであり、演出の整合性の観点から通常の時計同調演出を特殊時計同調演出に切り替えることが可能である最終的なタイミングである。すなわち、限界タイミングS403は、時計同調演出の演出内容や、特殊時計同調演出との間で差異が設けられている切替部分のタイミングによって定まる。なお、限界タイミングは一つの時計同調演出において複数の時間ポイントに設けられてもよ
く、それら複数の限界タイミングのいずれかまでに保留制御手段240に記憶されるいずれかの抽選値が好結果を示すことで特殊時計同調演出に切り替えられる。
図11は、時計同調演出の画面例を示す。本図(a)は通常の時計同調演出の画面例であり、本図(b)は特殊時計同調演出の画面例である。(a)では楽曲を演奏する映像の合間に第1演出オブジェクト380から第5演出オブジェクト384までの5つの星形オブジェクトが左から右へ高速で流れる映像が表示されるとともに、画面右下隅に縮小図柄変動390が表示される様子を示す。(b)でもまた同様に、第6演出オブジェクト385から第10演出オブジェクト389までの5つの星形オブジェクトが左から右へ高速で流れる映像が表示されるとともに、画面右下隅に縮小図柄変動391が表示される様子を示す。ここで、第1演出オブジェクト380から第4演出オブジェクト383までの4つの星形オブジェクトと、第6演出オブジェクト385から第9演出オブジェクト388までの4つの星形オブジェクトは、同じ色と形のオブジェクトである。一方、第5演出オブジェクト384と第10演出オブジェクト389は、形が同じで色が異なるオブジェクトである。このように(a)の映像と(b)の映像では一部の外観に差異があるものの、星形オブジェクトが高速で画面を横切ることから、画面によく注目していた遊技者でなければ差異を認識するのは難しくなっている。
以上のように、本基本構成では当否判定の先読み結果の示唆に時計同調演出を活用し、通常時の時計同調演出との僅かな差異によって大当りの可能性を示唆する。これにより、遊技者を演出の一部に注目させ、そのような差異を発見する楽しみや期待感を遊技者に提供することができる。
なお、時計同調演出中に大当りが発生した場合や特別遊技中に時計同調演出が開始された場合、時計同調演出と並行して進行する特別遊技の大当り演出は、時計同調演出を阻害しないよう、画面の隅に小さく大当りである旨やラウンド数などを表示をする特殊形態をとる。また、時計同調演出の終了より先に特別遊技が終了した場合は、特別遊技終了後も時計同調演出を実行したまま画面右下隅に縮小図柄変動を表示する。
図12は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示装置41、第2特別図柄表示装置42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令
種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出表示制御装置313、音声制御装置314などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出表示制御装置313、音声制御装置314、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカ108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータを演出表示制御装置313へ送信し、音声パターンデータを音声制御装置314へ送信する。なお、本基本構成ではサブ基板300が演出表示制御装置313および音声制御装置314を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出表示制御装置313および音声制御装置314とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図13は、演出表示制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御装置313は、表示CPU320、表示RAM322、データROM324、表示制御回路326を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から表示RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が表示CPU320によって実行される。その結果、表示CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレー
ムバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
表示CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、表示CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出表示制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出表示制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御表示手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本基本構成では、演出表示制御装置313のハードウェア構成として、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を
示している。変形例においては、表示CPU320、表示RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出表示制御装置313に含まれる表示CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出表示制御装置313に含まれる表示RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出表示制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、表示CPU320、表示RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本基本構成では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出表示制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出表示制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出表示制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が表示CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が表示RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出表示制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出表示制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図14は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納され
ているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図15は、図14におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源ユニット158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。
図16は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力を監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。タイマの値をメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値をデクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る
抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、作動口30、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の作動口30の通過を監視し、遊技球が作動口30を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示装置45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電役ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は
実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、当り、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図
柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、その結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示及びエラーの表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号
の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電役ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電役ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部端子に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期更新値型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が作動口30を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別
図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図17は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)
、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、表示CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図18は、図17におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図17のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出表示制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パタ
ーンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図19は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図18のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図20は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から表示CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、表示CPU320へ送信する(S626)。なお、表示CPU320へのコマンドデータの送信は、表示CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が表示CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図21は、サブCPU310が表示CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が表示CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から表示CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。表示CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図22は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1
ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や表示CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが表示CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。表示CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、表示CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、表示CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に表示CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から表示CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した表示CPU320はリセットを実行する。表示CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図23は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始す
る(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図24は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図25は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図26は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。まず、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
図27は、時計同調演出処理を詳細に示すフローチャートである。本図のフローは、通常遊技、特別遊技、小当り遊技、待機デモ画面表示中のいずれの期間においても実行される。現在時刻が同調時刻となったとき(S1000のY)、その時点で図柄変動表示中の当否抽選の判定結果や保留中の事前判定結果に大当りがない場合は(S1002のN)、通常の時計同調演出を設定し(S1004)、大当りがあれば(S1002のY)、特殊時計同調演出を設定する(S1006)。これらの設定に基づいて時計同調演出を開始し(S1008)、縮小図柄変動に切り替える(S1010)。同調時刻でない場合はS1002からS1010までの処理をスキップする(S1000のN)。
現在時刻が時計同調演出の終了時刻となったとき(S1012のY)、時計同調演出を終了し(S1014)、通常の図柄変動に切り替える(S1016)。終了時刻でない場合はS1014とS1016の処理をスキップする(S1012のN)。
(第2基本構成)
ところで、従来の遊技機の中には、単位遊技の継続回数(ラウンド回数ともいう)が複数種類ある場合、目立たない形態でラウンド回数を表示している場合がある。例えば、遊技の妨げにならない遊技盤の隅の部分にラウンド表示灯と呼ばれる小さなLEDを配置している場合がある。例えば、15R大当りの場合は、数字の「15」が付されたLEDが点灯し、8R大当りの場合は、数字の「8」が付されたLEDが点灯するようになっている。このようにラウンド表示灯は、目立たないように配置されているものの、その存在を知っている遊技者の場合、ラウンド表示灯を確認することで、ラウンド回数を容易に認識できてしまう場合がある。その結果、特別遊技中にラウンド回数を示唆するような演出を行っても演出への興味が高まり難く、設計者が意図する特別遊技中の演出効果が遊技者に届き難い場合がある。
そこで、第2基本構成では、ラウンド回数の表示を行いつつも、その表示形態を工夫することにより特別遊技中のラウンド回数を示唆する演出の効果が妨げられないようにしている。
図28(a)は、第2基本構成で採用可能なラウンド表示灯500の一例である。このラウンド表示灯500も従来の遊技機と同様に、遊技の妨げにならない位置、例えば遊技盤80の左下隅等に配置される。ラウンド表示灯500は、例えば複数の小径のLED500aを配列して構成される。図28(a)の場合、10個のLED500a(LED500a−1〜500a−10)を三角形状に配列している。各LED500a−1〜LED500a−10は個別点消灯が可能で、特別遊技のラウンド回数に対応して点消灯する。このラウンド表示灯500の点灯パターンは、ラウンド回数の種類ごとに1対1で対応させてもよいが、1つのラウンド回数に対して複数種類の点灯パターンを対応させることが望ましい。図28(b)は、ラウンド回数ごとのラウンド表示灯500の点灯パターンの一例を示す表である。第2基本構成の場合、1つのラウンド回数に対して20種類の点灯パターンを対応させている例を示す。例えば、2R大当りのうち、2RP1(2R大当りパターン1を意味する)場合は、メイン表示制御手段250は、LED500a−3,4,5,7,9が点灯し、他のLED500aは消灯している。また、2RP20(2R大当りパターン20を意味する)の場合、LED500a−5,8,9,10が点灯し、他のLED500aは消灯している。また、8R大当りのうち、8RP1(8R大当りパターン1を意味する)場合は、LED500a−2,3,8,9が点灯し、他のLED500aは消灯している。また、8RP20(8R大当りパターン20を意味する)の場合、LED500a−2,4,5,6,7,8,9が点灯し、他のLED500aは消灯している。同様に、15R大当りのうち、15RP1(15R大当りパターン1を意味する)場合は、LED500a−2,3,5,7,8,9,10が点灯し、他のLED500aは消灯している。また、15RP20(15R大当りパターン20を意味する)の場合
、LED500a−1,5,6が点灯し、他のLED500aは消灯している。この場合、3種類のラウンド回数に対して60種類の点灯パターンが存在する。そして、点灯パターンは、全点灯、全消灯を含み点灯パターンの重複はなく、ある点灯パターンが表示されれば、それに対応するラウンド回数が示されたことになる。したがって、ラウンド回数ごとに個別のラウンド表示灯を設ける必要はなく、ラウンド回数の示唆ができると共に、遊技盤80上の構成をシンプルにすることができる。
上述したように、1つのラウンド回数に対して複数種類の点灯パターンが用意されているので、特別遊技中のラウンド回数の認識は容易でなく、第2基本構成で示したような特別遊技中の第2の特別遊技演出パターンへの切り替えの有無に注意を向けさせ易くなる。その結果、演出により特別遊技中の興味を維持させやすくできる。また、逆にラウンド表示灯500を利用して特別遊技中の興味を向上させることもできる。例えば、複数種類の点灯パターンの個々の意味、すなわち、今回の特別遊技がいずれのラウンド回数であるかを予想させる等の新たな遊び方が提供できる。例えば、分岐演出は、特別遊技の開始後、数ラウンド終了した後になるが、それまでにラウンド表示灯500の表示からラウンド回数を予想して、演出ボタン109の操作により実際に第2の特別遊技演出パターンに切り替わるか否かを楽しむことも可能になる。また、ラウンド表示灯500によりラウンド回数を推定し、どのタイミングの分岐で演出ボタン109を操作するかを決めるという遊び方も提供できる。
上述のように、第2基本構成のラウンド表示灯500の場合、点灯パターンが複数存在するので、遊技者が理解し難く、ラウンド表示灯500の存在意味が薄れてしまうおそれもある。そこで、第2基本構成においては、図28(b)に示すような点灯パターンの一覧表を、遊技者の要求に応じて表示するようにしている。表示方法としては、遊技盤80上に印刷等で示すことも考えられるが、第2基本構成の場合、点灯パターンが多く、遊技盤80上での表示はスペース的に容易でなく現実的ではない。そこで、第2基本構成の場合、一覧表を所定のタイミングや遊技者が所定操作を行った場合、または、その両方の場合に、演出表示装置60に表示するようにしてもよい。例えば、特別遊技の開始デモ中や、特別遊技中、遊技待機中などいずれかのタイミングまたは全てのタイミングで自動的に一覧表を表示するようにしてもよい。また、特別遊技の開始デモ中や、特別遊技中、遊技待機中などに遊技者が演出ボタン109の長押し操作や、他の入力装置の操作により、演出表示装置60に一覧表を表示するようにしてもよい。また、遊技者がラウンド回数を指定することにより、その点灯パターンのみを表示するようにしてもよい。例えば、特別遊技になったときのみ、このような一覧表が見られる機会を与えるようにすることで、一覧表の表示を特別遊技の特典の一つと位置づけることも可能で、遊技性の向上に寄与できる。また、点灯パターンの一覧表を表示することでユーザフレンドリーな遊技機とすることができると共に、一覧表を表示させるか否かは遊技者の選択に委ねることができるので、遊技選択の幅を広げることにも寄与できる。なお、別の例として、ラウンド表示灯500自体を利用して表示してもよい。例えば、遊技待機中や特別遊技以外の遊技中等に、遊技者に知りたい点灯パターンのラウンド回数、例えば「15」を入力させる。そして、ラウンド表示灯500で順次15Rに対応する点灯パターンを表示させる。この場合、点灯パターンの一覧表示中であることを示すために、通常とは異なる色でLED500aを点灯させるようにしてもよい。
このように、ラウンド表示灯500を設けることにより、ラウンド回数の判別の機会を演出による判別、ラウンド表示灯500による判別、両方を用いた判別に広げることが可能になり、遊技の幅を広げることができる。また、遊技機として特別遊技のラウンド回数の表示が必須になるような場合でも、識別が容易でないが、ラウンド表示灯500の点灯パターンによりラウンド回数の表示がされる。その結果、特別遊技中に表示される演出効果を損ねることなく、ラウンド回数表示の条件を満たすことができる。
なお、図28(a)の例では、10個のLED500aを三角形状に配列しているが、LED500aの数や配列の形態は適宜変更可能である。例えば、星形や花形に配列してもよい。LED500aの数が増えれば、点灯パターンの数も容易に増やせる。また、LED500a自体の形状も円形以外に星形や花形やその混在等適宜変更可能である。例えば、複数種類の形状のLED500aの点消灯を組合せることにより、点灯パターンを表現することもできる。また、個々のLED500aの点灯色を変化させたり、点滅パターンを変化させてもよい。例えば、同じ点灯パターンでも点灯色が異なれば、異なるラウンド回数を示すようにしてもよい。同様に同じ点灯パターンでも、点滅状態が異なる場合、異なるラウンド回数を示すようにしてもよい。また、図28(a)の場合、10個のLED500aを1ブロックとしてラウンド表示灯500を構成した例を示したが、このブロックを複数個設け、それぞれのブロックにおけるLED500aの点灯パターンの組合せによって、ラウンド回数を表現するようにしてもよい。いずれの場合も、点灯パターンとラウンド回数とが対応していればよい。
また、第2基本構成では、特別遊技のラウンド回数が2R,8R,15Rの場合を示したが、これに限らず、遊技機の仕様に応じて例えば、2R,6R,8R,9R,12R,15R等を設定してもよく、それぞれに複数種類の点灯パターンを対応付けてもよい。この場合、点灯パターンが増大し、ラウンド回数を識別する楽しみが増す。また、点灯パターンも多彩になり、点灯パターン自体を楽しませることもできる。
なお、上述の例では、演出表示装置60にラウンド回数に対応する点灯パターンの一覧表示をする例を示した。別の例として、例えば、遊技待機中に、演出ボタン109や他の入力装置を用いて、LED500aの点消灯を遊技者に指定させて、その点灯パターンのラウンド回数を提示するようにしてもよい。例えばラウンド回数の種類が多い場合で頻繁に出る点灯パターンが存在する場合を考える。このような場合、その点灯パターンを指定することにより、逆にラウンド回数を示すことが可能になり、遊技者のラウンド表示灯500への興味を高めることができると共に、遊技性の理解度向上にも寄与できる。なお、頻繁に同じ点灯パターンが表示されると、複数のLED500aを用いたラウンド表示灯500を採用した意味が薄れてしまうと共に、点灯パターンに対する興味が薄れてしまう可能性がある。そこで、同じ点灯パターンが連続しないように、点灯パターンの表示履歴を記憶しておき、その表示履歴を参照することで、前回表示や過去所定回数の表示、例えば過去5回の点灯パターンが同じパターンにならないように点灯パターンの決定を行ってもよい。また、前回表示や過去所定回数の表示における表示パターンの選択確率と今回の表示パターンの選択確率を調整したり変化させて同じ点灯パターンが表示される可能性を抑制してもよい。
(第3基本構成)
上述した各基本構成では、特別遊技における出玉を伴う単位遊技は、大入賞口の開放が約30秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される例を示した。この場合、ラウンド回数の大小によって遊技者が得られる利益が異なるようになっている。そして、特別遊技のラウンド回数が8Rや15R等複数種類設定されている場合、ラウンド回数によって遊技者の利益が左右されるため、上述したようなラウンド回数を表示することが好ましい場合がある。そのため、ラウンド回数ごとのラウンド表示灯を設けたり第2基本構成で示したようなラウンド表示灯500を設けることがあった。第2基本構成で示したように、ラウンド表示灯500を用いることにより、ラウンド回数の表示を行いながらも演出への興味を低下させないようにすることができる。その一方で、ラウンド回数の大小によらず、他の方法で遊技者の利益の大小を示せれば、遊技性にも変化が生じ演出への興味の低下を抑制できるとの考えに発明者らは至った。
そこで、第3基本構成では、特別遊技のときの大入賞口の開閉パターンを変化させている。つまり、ラウンド回数を基本的には1種類に統一しつつ、ラウンド回数を8Rや15Rに設定していた場合と同様に遊技者の利益に差が生じるようにしている。具体的には、大当りのときの単位遊技の実行回数、つまり大入賞口の開放回数を15回に統一する。そして、単位遊技として、大入賞口の開放期間に入球が容易となるように、開放期間が相対的に長い長開放単位遊技と、この長開放単位遊技より入球が困難であり、長開放単位遊技より開放期間が相対的に短い短開放単位遊技とを設ける。例えば、長開放単位遊技は、開放期間を30秒とすることができる。一方、短開放単位遊技は、開放期間を0.5秒とすることができる。例えば、15R大当りの場合は、長開放単位遊技を15回繰り返すことで実行される(これを15R相当遊技という場合もある)。一方、8R大当りの場合は、長開放単位遊技を8回、短開放単位遊技を7回繰り返すことで実行される(これを8R相当遊技という場合もある)。短開放単位遊技の場合、実質的に入球は望めないので、遊技者が実質的に得られる利益は8R分となる。
図29は、第3基本構成における大入賞口の開閉パターンの例を説明する説明図である。なお、以下に示す開閉パターンは、長開放単位遊技Lと短開放単位遊技Sの実行状態を説明する概念図であり、長開放単位遊技L、短開放単位遊技S、大入賞口の閉期間の各時間幅の比は実際の時間幅の比と対応するものではない。
長開放単位遊技Lの定義は、大入賞口を例えば30秒開放後閉鎖または30秒未満でも10球以上の入球で閉鎖とすることができる。同様に、短開放単位遊技Sの定義は、大入賞口を例えば0.5秒開放後閉鎖または0.5秒未満でも10球以上の入球で閉鎖とすることができる(遊技球の入球は現実的には困難)。なお、長開放単位遊技Lおよび短開放単位遊技Sにおいて、1回の単位遊技において、大入賞口の総開放期間が同じであれば、複数回開閉することもできる。例えば、1回の単位遊技において、大入賞口を3回開放する。長開放単位遊技Lであれば、10秒の個別開放を3回(閉期間を例えば1秒とする)終了または個別開放が3回未満または個別開放が10秒未満でも総計で10球以上の入球で終了とすることができる。同様に、短開放単位遊技Sであれば、0.16秒の個別開放を3回(閉期間を例えば0.1秒とする)終了または個別開放が3回未満または個別開放が0.16秒未満でも総計で10球以上の入球で終了とすることができる(遊技球の入球は現実的には困難)。
図29(a)は、長開放単位遊技Lが15回実行される15R相当遊技の大入賞口の開閉パターンを示すものである。この場合、いずれの長開放単位遊技Lにおいても概ね所定数(例えば10球)の入球が可能であり、基本的には遊技者は15R分の単位遊技の利益が得られる。図29(b)は、長開放単位遊技Lが8回、短開放単位遊技Sが7回実行される8R相当遊技の大入賞口の開閉パターンを示すものである。この場合、いずれの長開放単位遊技Lにおいても概ね所定数(例えば10球)の入球が可能である。一方、いずれの短開放単位遊技Sにおいても入球は基本的に望めず、基本的には遊技者は8分の単位遊技の利益を得ることになる。図29(c)は、短開放単位遊技Sが15回繰り返される出玉なし遊技の大入賞口の開閉パターンを示すものである。この場合、いずれの短開放単位遊技Sにおいても入球は基本的に望めない。図29(c)に示す例は、例えば、上述した全体説明における2R大当りのときの大入賞口の開閉パターンとることができる。なお、小当りの場合、単位遊技は基本的には1回である。したがって、1回の単位遊技の中で複数回の短開放、例えば15回の短開放を行えば、2R大当りのときの大入賞口の開閉パターンと類似する開放パターンとすることが可能である。このように、両者の見分けが付きにくくなることで遊技性を向上させることができる。
図29(a)〜図29(c)に示すように、大入賞口の開動作回数を統一して、15R相当遊技、8R相当遊技、2R相当遊技(第3基本構成での2R大当りであり、実質出玉
がない短開放単位遊技Sのみの遊技を意味する)、小当り(短開放単位遊技Sのみの遊技を意味する)のいずれも大入賞口の開放回数は15回とする。その結果、ラウンド回数による区別を設ける必要がなくなる。したがって、ラウンド回数表示が必要なくなり、ラウンド回数ごとのラウンド表示灯を設けたり第2基本構成で示したようなラウンド表示灯500を設ける必要がなくなると共に、遊技者が実質得られるであろう利益を、ラウンド回数が同一であっても異ならせることができる。
図30(a)、図30(b)は、8R相当遊技の開閉パターンの変形例である。図30(a)の場合、はじめに短開放単位遊技Sを7回連続させ、その後長開放単位遊技Lを8回連続させる。この場合、図29(c)に示すような出玉なしの2R相当遊技または小当り遊技が実行されたかのように見せて、出玉に対する期待感を低下させた後、長開放単位遊技Lによる出玉の機会を提供し、復活の興奮感を提供するような演出とすることができる。また、図30(b)は、はじめに長開放単位遊技Lを2回連続させ、その後短開放単位遊技Sを7回連続させる。その後再び長開放単位遊技Lを6回連続させる。例えば、特別遊技の種類として出玉のある2R大当りがあるとする。すなわち、長開放単位遊技Lが2回のみで、あとは短開放単位遊技Sが実行される大当りがあるとする。このような大当りの形態がある場合において、2R大当りではない8R大当りが当たった場合に、はじめに長開放単位遊技Lを2回連続させ、その後短開放単位遊技Sを連続させることで、この短開放単位遊技Sが連続している間は、出玉の少ない2R大当りに当たってしまったと思わせることができる。その後、再び長開放単位遊技Lによる出玉の機会を提供することで、大当り復活の興奮感を提供するような演出とすることができる。この他、長開放単位遊技Lと短開放単位遊技Sの組合せは、適宜変更可能で様々な開閉パターンを作ることができる。このように組合せを変えるだけで、フェイク的演出のバリエーションを容易に増やすことができる。
図31(a)は、15R相当遊技のときの大入賞口の開閉パターンの変形例である。
図31(a)の開閉パターンの場合、長開放単位遊技Lを8回(8R)繰り返し実行し、8R目の長開放単位遊技Lの終了後、9Rの初めの部分で短開放単位遊技Sと類似する短開放Aを7回繰り返し実行する。この短開放Aは、例えば、短開放単位遊技Sと同様に、0.5秒の開放とすることができる。この時点では、図31(b)に示すような長開放単位遊技Lを8回実行した後、短開放単位遊技Sを7回実行する8R相当遊技(図29(b)と同じ)であるように見える。したがって、遊技者は8R分の出玉しか得られないと失望し易い。しかし、図31(a)の場合、7回の短開放Aの終了後、長開放Bを実行する。この長開放Bの開放期間は、長開放単位遊技Lの開放期間が30秒の場合、短開放Aの開放総期間3.5秒(0.5×7)を30秒から引いた期間、つまり、26.5秒とすることができる。なお、長開放Bは、26.5秒未満でも10球以上の入球により閉鎖する。つまり、短開放A×7+長開放Bが9R目の長開放単位遊技Lとなる。したがって、遊技者に長開放単位遊技Lが継続していることを認識させることができる。その後、10R目〜15R目までの長開放単位遊技Lを実行する。すなわち、実質的に15R相当遊技を実行する。その結果、復活の興奮感を提供するような演出とすることができる。この場合、図31(a)の開閉パターンと図31(b)の開閉パターンが存在することにより。8R目の終了後の短開放Aまたは短開放単位遊技Sが、長開放Bが実施されるか否かの煽り演出となる。したがって、遊技者に8R目の終了後期待感を持たせながら繰り返される短い開放動作を見守らせることができる。
このような開放パターンで各特別遊技が実行される場合でも、分岐演出を伴う特別遊技演出パターンの切り替えにより遊技者が受け得る利益を報知することができる。第3基本構成で示すような大入賞口の開閉パターンを適用する場合、演出制御手段304は、所定期間に演出ボタン109の操作入力があった場合に、今回実行する特別遊技における開閉パターンに含まれる長開放単位遊技Lが予め定められた設定回数以上であることを条件に
特別遊技演出パターンを切り替える。
具体的には、特別遊技制御手段260は第1当否判定手段221または第2当否判定手段222による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄50が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口を開放させることにより特別遊技を実行する。つまり、特別遊技制御手段260は、大入賞口の開放期間が相対的に長い長開放単位遊技Lとこの長開放単位遊技Lより開放期間が相対的に短い短開放単位遊技Sの少なくとも一方を所定回数に至るまで実行する複数種類の開閉パターンのうちいずれかにしたがって特別遊技を実行する。そして、演出制御手段304は、特別遊技が開始され、第1の特別遊技演出パターンにしたがって画像を表示させている間の所定期間に演出ボタン109による操作入力を受け付ける。そして、今回実行する特別遊技における開閉パターンに含まれる長開放単位遊技Lが予め定められた設定回数以上であることを条件に第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示を第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に切り替える。例えば、図29(a)に示すように、長開放単位遊技Lの実行回数が、予め定められた設定回数、例えば15回である特別遊技が実行される場合に、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがう画像の再生表示から第2の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の再生表示に切り替える。切り替え条件である長開放単位遊技Lの設定回数は適宜変更可能であり、遊技者が最大の利益を獲得し得る15回の他、例えば、8R相当遊技で得られる利益より多い利益が得られることが予想される回数、例えば10回や12回等でもよい。
例えば遊技機の仕様として特別遊技のラウンド回数が同じでも、実際に獲得できる出玉(利益)に違いが設けられていることが、遊技機の仕様表等により紹介されている場合、遊技者は特別遊技が実行される場合にどれだけの出玉が得られるかに興味を持ちやすい。そこで、第3基本構成は特別遊技中に当該特別遊技の実行中であることを示す演出の途中で、それまでのストーリーとは別のストーリーに演出を切り替えることで得られる利益の大小の報知を実行すると共に、演出に意外性を持たせている。また、そのストーリーの切り替えの契機となる操作を遊技者が行えるようにすることで特別遊技が大入賞口へ入球させる遊技だけでなく、特別遊技中に他の操作を要求するようにすることで遊技者に遊技参加を促す遊技者参加型の遊技機が構成できる。なお、本基本構成の場合、大当りの種類として2R大当りがあるが、2R大当りの場合は短開放単位遊技Sの繰り返しになり1回の短開放単位遊技Sにおける大入賞口の開放時間が約0.5秒間なので、第1の特別遊技演出パターンから第2の特別遊技演出パターンの演出に切り替える演出は行わない。ただし、2R大当りによる特別遊技の遊技時間が第1の特別遊技演出パターンから第2の特別遊技演出パターンの演出に切り替えて演出を実行するのに十分な時間の場合、上述した基本構成と同様に切り替え演出を行ってもよい。
演出制御手段304は、長開放単位遊技Lの回数が設定回数(例えば15回)より少ない場合に、所定期間における演出ボタン109の操作入力に基づいて、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に重ねて当該画像を装飾するオブジェクトを表示する。
図32は、第3基本構成におけるオブジェクトの表示を説明する図である。長開放単位遊技Lが設定回数より少ない特別遊技演出パターン(8R相当遊技の特別遊技演出パターン)の場合、第1の有効期間が例えば2Rが実行中であると見なせる時刻t1〜t2に設けられている。また、第2の有効期間が例えば4Rが実行中であると見なせる時刻t4〜t5に、第3の有効期間が例えば6Rが実行中であると見なせる時刻t7〜t8に、エフェクト期間が例えば8Rが実行中であると見なせる時刻t10〜t11に設けられている。一方、長開放単位遊技Lが所定回数以上(15回)の特別遊技演出パターン(15R相
当遊技の特別遊技演出パターン)に設けられている時刻t3の第1の切替ポイント、時刻t6の第2の切替ポイント、時刻t9の第3の切替ポイントは設けられていない。つまり、各有効期間は、遊技者には演出ボタン109の操作入力が受け付けられるように見えるが、実際にはその操作入力によって特別遊技演出パターンが別の特別遊技演出パターンに切り替えられることはない擬似的な有効期間である。これにより、遊技者に少なくとも演出ボタン109の操作入力が行われるまでは、第2の特別遊技演出パターンに切り替わるかもしれないという期待を持たせる演出ができる。この場合、各有効期間およびエフェクト期間において演出ボタン109の操作入力がなされた場合、第1の特別遊技演出パターンの演出ストーリーにしたがった画像の表示に重ねて当該画像を装飾するオブジェクトを表示するようにしてもよい。この場合、画像を装飾するオブジェクトが長開放単位遊技Lが所定回数(15回)まで継続すること確定するものではないが、所定回数長開放単位遊技Lが継続することを示唆する内容としてもよい。例えば長開放単位遊技Lが次回1回まで継続することを示唆する「白色」のオブジェクトとしてサブキャラクタを表示させてもよい。また、長開放単位遊技Lがあと3回継続することを示唆する「青色」のサブキャラクタや長開放単位遊技Lがあと5回継続することを示唆する「赤色」のサブキャラクタを表示させてもよい。さらに、第2の特別遊技演出パターンに切り替わる可能性があることを示唆する「金色」のサブキャラクタを表示してもよい。このような画像を装飾するオブジェクトを演出に重ねて表示することにより、長開放単位遊技Lがまだ継続するかもしれないという期待感を遊技者に与えることが容易になり、特別遊技中の演出に対し遊技者の興味が薄れることが抑制できる。
なお、第3基本構成で示したように、特別遊技における大入賞口の開放パターンを複数種類に分ける一方、大入賞口の開放回数を実質的に統一することで、ラウンド表示灯が実質的に不要になる。ただし、第3基本構成においても第2基本構成のラウンド表示灯500と同様な表示灯を設けてもよい。この場合の表示灯は、ラウンド回数ではなく、長開放単位遊技Lの実行回数を表示する長開放単位遊技表示灯になる。そして、長開放単位遊技表示灯も、1つの長開放単位遊技Lの実行回数、例えば15回を示すLEDの点灯パターンを複数持たせれば、第2基本構成と同様な、点灯パターンに基づく遊技性を得ることができる。
(第4基本構成)
第3基本構成においては、特別遊技の長開放単位遊技Lの設定回数が予め定めた設定回数以上の場合、分岐演出後に第1の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーから第2の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーに切り替えることにより、遊技者に長開放単位遊技Lによる大きな利益を獲得し得ることを報知した。つまり、分岐演出は、単位遊技または長開放単位遊技Lが継続する可能性を示唆する演出でもあるし、単位遊技または長開放単位遊技Lが継続しない可能性を示唆する演出であるといえる。また、分岐演出は、継続するか否かの期待感を煽る演出であるともいえる。いずれの場合も、このような演出は、単位遊技の終了後にさらに単位遊技が実行されるか否かを示唆する継続演出であるといえる。また、この継続演出は、単位遊技または長開放単位遊技Lが継続するか終了するかにかかわらず遊技の1つの区切りであることを示す演出であるともいえる。つまり、継続演出は、特別遊技の1つの区切りであることを示している。さらに詳細に言うと、継続演出の表示以降に単位遊技がさらに実行されるか否かにかかわらず、継続演出の表示により、そこで一連の特別遊技が終了したように見えるようにできるといえる。言い換えれば、継続演出を表示した時点で到達または終了した単位遊技が後述する特殊特別遊技における最終の単位遊技であったか否かにかかわらず、特殊特別遊技に設定されている所定の特定設定回数に係る単位遊技に到達した、もしくはその特定設定回数に係る単位遊技が終了したことを示しているような演出とすることで特別遊技の区切りを演出できる。なお、詳細に後述するが、選択された特殊特別遊技に複数種類の特定設定回数が設定されている場合、その特定設定回数のうち最後以外の特定設定回数に係る単位遊技に到達して継続演
出が表示された場合、つまり、特殊特別遊技の途中で継続演出が表示された場合には、最後の特定設定回数に係る単位遊技が終了するまで、単位遊技が継続されることになる。以下、第4基本構成では、分岐演出の変形例である継続演出を詳細に説明する。
例えば、特別遊技の単位遊技の設定回数が複数種類(6回、9回、12回、15回)設定されている場合を考える。単位遊技が15回の特別遊技が選択されていた場合、分岐演出と対応する継続演出が例えば、6回目の単位遊技の終了後に表示される。そして継続演出の終了後にそれまで表示されていた第1の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーから第2の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーに切り替えることができる。同様に、9回目、12回目の単位遊技の終了後に継続演出が表示され、それまでの特別遊技演出パターンによる演出ストーリーから別の特別遊技演出パターンによる演出ストーリーに切り替えることができる。つまり、特別な演出が表示されるか否か、またその演出内容に応じて単位遊技がさらに継続するか否か期待感を持たせながら特別遊技を楽しませることができる。なお、継続演出が複数回表示される場合、継続演出は毎回同じ内容でもよいが、それぞれ異なる内容とすることが望ましい。例えば、継続演出後に切り替え表示される特別遊技演出パターンによる演出ストーリーの内容と関連する内容とすることができる。
第4基本構成では、当否抽選の結果に応じて決定される特別遊技の種類として継続演出の表示を伴わない通常特別遊技と継続演出の表示を伴う特殊特別遊技とを含む。特殊特別遊技は、継続演出により単位遊技が継続する否かの期待感を遊技者に提供するために、特別遊技が一時的に中断されたように見せて、その中断中に継続演出を表示するようにしている。そのために、特殊特別遊技と通常特別遊技とで大入賞口の開閉パターンを異ならせている。具体的には、特別遊技制御手段260は、第1当否判定手段221または第2当否判定手段222による当否抽選の当りの種類に応じた異なる単位遊技設定回数の特別遊技の中からいずれかを実行する。特別遊技としては、所定の単位遊技設定回数に至るまで大入賞口の開動作を第1の閉期間を挟んで繰り返す通常特別遊技がある。別の特別遊技として、単位遊技を単位遊技設定回数における上限回数以下の予め定められた複数種類の特定設定回数のいずれかに至るまで繰り返すと共に、それぞれの特定設定回数に対応する単位遊技とそれに続いて実行される単位遊技との間において大入賞口の閉動作が行われる際には当該閉動作後の大入賞口閉期間を第1の閉期間より長い第2の閉期間で実行する特殊特別遊技がある。この特殊特別遊技は、第2の閉期間で閉動作を実行する以外の単位遊技間では、大入賞口の閉動作を第1の閉期間で実行する。そして、継続演出は、大入賞口が第2の閉期間で閉鎖されている間に表示される。
パターン記憶手段302は、所定の演出ストーリーにしたがって特別遊技が実行中であることを演出的に示す画像を表示させる過程が定められた複数の特別遊技演出パターンを記憶する。それに加え、パターン記憶手段302は、特別遊技演出パターンとして、単位遊技設定回数のうち上限回数(例えば15回)以外の特定設定回数(例えば、6回、9回、12回等)に対応する単位遊技が終了するごとに、当該単位遊技の終了後にさらに単位遊技が実行されるか否かを示唆する継続演出を含む継続演出パターンを含む。
継続演出は、特殊特別遊技が選択された場合で、単位遊技がさらに実行される可能性のある単位遊技の終了後に実行され得る。例えば、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最小の最小特殊特別遊技が実行される場合、第4基本構成では、例えば特定設定回数が6回の場合、特定設定回数に対応する単位遊技の終了後に継続演出を表示する。また、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最大の最大特殊特別遊技が実行される場合、第4基本構成では、例えば特定設定回数が上限回数である15回の場合、この上限回数に対応する単位遊技の終了後は継続演出を非表示とする。ただし、それ以外の特定設定回数に対応する単位遊技の終了後、例えば6回目、9回目、12回目の単位遊技の終了後の第2の閉期間で実行される閉動作のたびに継続演出を表示する。また、最小特殊特別遊技および最大特殊特別
遊技以外の特殊特別遊技が実行される場合、例えば特定設定回数が9回、12回の場合、特定設定回数に対応する単位遊技のうち、最後の単位遊技の終了後、および、最後の単位遊技以外の特定設定回数に対応する単位遊技の終了後の第2の閉期間で実行される閉動作のたびに継続演出を表示する。継続演出の表示は、演出制御手段304によって制御される。
図33および図34は、通常特別遊技(継続演出を伴わない15R大当り、9R大当り)、特殊特別遊技(継続演出を伴う6R大当り、9R大当り、12R大当り、15R大当り)における大入賞口の開閉パターンおよび開始/終了演出のタイミングを説明する説明図である。また、図34においては継続演出の存在、および、継続演出の表示タイミングを併せて説明する。
図33(a)は、単位遊技設定回数が上限回数である15回の通常特別遊技(15R通常特別遊技)における大入賞口の開閉パターンと開始/終了演出のタイミングを示す。第1当否判定手段221または第2当否判定手段222による当否抽選の結果、15R通常特別遊技が選択された場合、演出制御手段304は、特別図柄50および装飾図柄61の完全停止後に特別遊技が開始される旨を示す開始演出ESを演出表示装置60に表示する。この場合、各単位遊技は、大入賞口が、開放後例えば30秒経過、または10球の入球で閉鎖する。閉期間は、例えば、0.5秒であり、これが第1の閉期間Pに相当する。15R通常特別遊技は、第1の閉期間Pで実行される閉動作を各単位遊技間に挟み、開動作を15回繰り返す。そして、大入賞口が15回目の開動作を終了すると、演出制御手段304は、特別遊技が終了した旨を遊技者に告知する終了演出EEを演出表示装置60に表示する。なお、演出制御手段304は、開始演出ESや終了演出EEとは別に、特別遊技が実行であることを示す特別遊技演出パターンに基づく演出を演出表示装置60に表示する。
図33(b)は単位遊技設定回数が上限回数以下である例えば9回の通常特別遊技(9R通常特別遊技)における大入賞口の開閉パターンと開始/終了演出のタイミングを示す。第1当否判定手段221または第2当否判定手段222による当否抽選の結果、9R通常特別遊技が選択された場合、15R通常特別遊技と同様に、演出制御手段304は、特別図柄50および装飾図柄61の完全停止後に特別遊技が開始される旨を示す開始演出ESを演出表示装置60に表示する。9R通常特別遊技も第1の閉期間Pで実行される閉動作を各単位遊技間に挟み、開動作を9回繰り返す。そして、大入賞口が9回目の開動作を終了すると、演出制御手段304は、特別遊技が終了した旨を遊技者に告知する終了演出EEを演出表示装置60に表示する。この場合も演出制御手段304は、開始演出ESや終了演出EEとは別に、特別遊技が実行であることを示す特別遊技演出パターンに基づく演出を演出表示装置60を表示する。なお、15R通常特別遊技と9R通常特別遊技で、開始演出ES、終了演出EEおよび特別遊技演出パターンに基づく演出をそれぞれ異なる内容としてもよい。
図34は、単位遊技を単位遊技設定回数における上限回数(15回)以下の予め定められた複数種類の特定設定回数のいずれかに至るまで繰り返す特殊特別遊技における大入賞口の開閉パターンと開始/継続/終了演出のタイミングを示す。
図34(a)は、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最小の最小特殊特別遊技が実行される場合を示している。第4基本構成では、最小特殊特別遊技は、単位遊技が6回繰り返される6R特殊特別遊技である例を示す。前述したように、最小特殊特別遊技の場合、特定設定回数(6回)に対応する単位遊技の終了後に継続演出を表示する。第1当否判定手段221または第2当否判定手段222による当否抽選の結果、6R特殊特別遊技が選択された場合、演出制御手段304は、特別図柄50および装飾図柄61の完全停止後に特
別遊技が開始される旨を示す開始演出ESを演出表示装置60に表示する。この場合、各単位遊技は、大入賞口が、開放後例えば30秒経過、または10球の入球で閉鎖する。閉期間は、例えば、0.5秒であり、これが第1の閉期間Pに相当する。6R特殊特別遊技は、第1の閉期間Pで実行される閉動作を各単位遊技間に挟み、開動作を6回繰り返す。そして、大入賞口が6回目の開動作を終了すると、演出制御手段304は、さらに単位遊技が実行されるか否かを示唆する継続演出EKを演出表示装置60に表示する。6R特殊特別遊技の場合、内部的には、6回で単位遊技が終了することが決まっているが、他の特定設定回数の特殊特別遊技との区別をし難くすると共に、遊技者に期待感を抱かせるように(煽るように)継続演出EKを表示する。ただし、大入賞口は6回目の単位遊技の終了、つまり特別遊技の終了に伴い、閉動作が継続されるので、継続演出EKは、特別遊技終了後の大入賞口の閉動作の最初の期間を利用して表示されることになる。
継続演出EKは、遊技者に期待感を抱かせるような(煽るような)演出を行った後に、少なくとも単位遊技が継続される旨を示す成功演出か単位遊技が継続しない旨を示す失敗演出を表示する。成功演出の場合、分岐演出と同様に、今まで表示していた第1の特別遊技演出パターンに基づく演出ストーリーから第2の特別遊技演出パターンに基づく演出ストーリーに切り替わることを示唆する演出とすることができる。逆に、失敗演出の場合、今まで表示していた第1の特別遊技演出パターンに基づく演出ストーリーから第2の特別遊技演出パターンに基づく演出ストーリーに切り替わらないこと示唆する演出とすることができる。また、失敗演出は、最後の部分に終了演出EEと同じ内容を含んで、継続演出EKの失敗演出が実質的な終了演出EEになるようにしてもよい。したがって、6R特殊特別遊技の場合、継続演出EKは失敗演出となり、最終的には、終了演出EEと同様な演出内容で演出を終了する。
図34(b)は、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最小特殊特別遊技および最大特殊特別遊技以外、例えば特定設定回数が9回である9R特殊特別遊技を示している。演出制御手段304は、特別図柄50および装飾図柄61の完全停止後に特別遊技が開始される旨を示す開始演出ESを演出表示装置60に表示する。そして、まず単位遊技を6回繰り返す。6回目までの各単位遊技間の大入賞口の閉動作は、第1の閉期間Pで実行される。前述したように、特殊特別遊技として、6R特殊特別遊技が存在するので、遊技者は、6回目の単位遊技が終了した時点で、単位遊技が継続するか否かに興味を持つ。そのため、9R特殊特別遊技の場合、まず、6回目の単位遊技の終了後に継続演出EKを表示する。この場合、内部的には単位遊技の継続が決定されており特別遊技継続中であるが、遊技者に単位遊技が継続するか否かの期待感や不安感を持たせ易くするための、大入賞口を通常より長く閉鎖する。つまり、6回目と7回目の単位遊技間の閉動作を第1の閉期間Pよりも長い第2の閉期間Qで実行する。第2の閉期間Qは、例えば、10秒とすることができる。そして、その第2の閉期間Qの間に継続演出EKを表示する。この場合、単位遊技が継続することは内部的に確定しているので、継続演出EKでは、遊技者に期待感を抱かせるような(煽るような)演出に続き成功演出が表示された後、再び単位遊技が再開されることになる。7回目〜9回目までの単位遊技間の閉動作は、第1の閉期間Pで実行される。9R特殊特別遊技の場合、内部的には、9回で単位遊技が終了することが決まっているが、単位遊技が継続する他の特定設定回数の特殊特別遊技との区別をし難くすると共に、遊技者に期待感を抱かせるように9回目の単位遊技の終了後も継続演出EKを表示する。ただし、大入賞口は9回目の単位遊技の終了、つまり特別遊技の終了に伴い、閉動作が継続されるので、継続演出EKは、特別遊技終了後の大入賞口の閉動作の最初の期間を利用して表示されることになる。したがって、この場合、継続演出EKは失敗演出となり、最終的には、終了演出EEと同様な演出内容で演出を終了する。この場合も、演出制御手段304は、開始演出ESや終了演出EEとは別に、単位遊技中は特別遊技が実行であることを示す特別遊技演出パターンに基づく演出を演出表示装置60を表示する。
なお、上述の基本構成では、継続演出が実行されている期間の終期(終盤)に成功演出(継続確定演出)を表示して継続演出を終了させ、その後に大入賞口を再開放させる例を示した。別の例においては、成功演出が大入賞口の再開放と同時または再開放後に行われてもよい。例えば、継続演出(煽り演出)の一部である成功演出の表示と同時または表示開始直後に当該成功演出中に大入賞口を再開放させてもよい。また、大入賞口の再開放を開始した後に成功演出を表示してもよい。このように成功演出の表示タイミングを大入賞口の再開放と関連付けることで、継続演出における煽り演出の効果を向上させることができる。例えば、次に大入賞口が開放されるギリギリまで、または単位遊技の終了もしくは終了が確定するギリギリまで継続演出により遊技者の期待感を煽ることが可能となる。
図34(c)は、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最小特殊特別遊技および最大特殊特別遊技以外、例えば特定設定回数が12回である12R特殊特別遊技を示している。12R特殊特別遊技の場合は9R特殊特別遊技の場合と同様に、演出制御手段304は、特別図柄50および装飾図柄61の完全停止後に特別遊技が開始される旨を示す開始演出ESを演出表示装置60に表示する。そして、1回目から6回目の単位遊技間の閉動作を第1の閉期間Pで実行する。そして、他の特殊特別遊技との区別をし難くするために、6回目の単位遊技の終了後の大入賞口の閉動作は第2の閉期間Qで実行すると共に継続演出EKを表示する。この継続演出EKは成功演出となり、7回目〜9回目までの単位遊技が第1の閉期間Pの閉操作を挟んで実行される。再び他の特殊特別遊技との区別をし難くするために、9回目の単位遊技の終了後の大入賞口の閉動作は第2の閉期間Qで実行すると共に継続演出EKを表示する。この継続演出EKも成功演出となり、10回目〜12回目までの単位遊技が第1の閉期間Pの閉操作を挟んで実行される。12R特殊特別遊技の場合、内部的には、12回で単位遊技が終了することが決まっているが、単位遊技が継続する他の特定設定回数の特殊特別遊技との区別をし難くすると共に、遊技者に期待感を抱かせるように12回目の単位遊技終了後も継続演出EKを表示する。ただし、大入賞口は12回目の単位遊技の終了、つまり特別遊技の終了に伴い、閉動作が継続されるので、継続演出EKは、特別遊技終了後の大入賞口の閉動作の最初の期間を利用して表示されることになる。したがって、この場合、継続演出EKは失敗演出となり、最終的には、終了演出EEと同様な演出内容で演出を終了する。
図34(d)は、特殊特別遊技のうち特定設定回数が最大の最大特殊特別遊技が実行される場合を示している。第4基本構成では、最大特殊特別遊技は、単位遊技が15回繰り返される15R特殊特別遊技の例を示す。前述したように、最大特殊特別遊技の場合、上限回数(15回)に対応する単位遊技の終了後は継続演出を非表示とする。一方、それ以外の特定設定回数に対応する単位遊技の終了後、第4基本構成の場合6回目、9回目、12回目の単位遊技の終了後は、大入賞口を第2の閉期間Qで閉動作させ、そのたびに継続演出を表示させる。開始演出および1回目から12回目までの単位遊技間の閉動作、継続演出は、図34(c)の場合と同じである。15R特殊特別遊技の場合、内部的には13回目〜15回目までの単位遊技の実行が確定しているので、12回目の単位遊技の終了後の大入賞口は第2の閉期間Qで実行される。また、その間に継続演出EKの成功演出が表示される。その後、13回目から15回目までの単位遊技が大入賞口の第1の閉期間Pでの閉動作を伴いながら実行される。そして、15回目の単位遊技が終了した場合、これ以上の単位遊技の継続はないので、特別遊技の終了に伴う大入賞口の閉動作の最初の期間に終了演出EEを表示する。なお、15R特殊特別遊技の場合の終了演出EEは、最大の利益を得られた特殊特別遊技の終了を示す演出として、他の特殊特別遊技の場合の継続演出EKの失敗演出に続く終了演出とは異なる。目的達成を意味する終了演出とすることが望ましい。
このように、特定設定回数の種類が複数ある特殊特別遊技において、上限回数以外の特定設定回数に対応する単位遊技が終了するごとに、当該単位遊技の終了後にさらに単位遊
技が実行されるか否かを示唆する継続演出を実行する。これにより、大入賞口に入球させるだけで単調になりがちな特別遊技を、何回単位遊技が継続するかワクワクさせながら楽しませることができる。また、継続演出EKにおいて成功演出が表示されるたびに、それまで特別遊技演出パターンによる演出ストーリーとは異なる特別遊技演出パターンによる演出ストーリーに順次切り替わる。その結果、最初から最後まで連続したストーリーの演出が行われる場合に比べて、様々な演出ストーリーによる面白みのある演出ができる。そして、単調な遊技になりがちな特別遊技を演出により面白みのあるものにできる。
なお、通常、特別遊技は、装飾図柄61が同じ図柄、例えば「333」や「777」で揃った場合に移行することが多い。第4基本構成も同様に同じ装飾図柄61が揃ったときに特別遊技に移行するようにしてもよい。例えば、偶数のぞろ目で揃った場合に通常特別遊技に移行し、奇数のぞろ目で揃った場合に特殊特別遊技に移行するようにしてもよい。また、別の例では、装飾図柄61がぞろ目で揃った場合は通常特別遊技に移行し、ぞろ目以外の特定の図柄組合せ、例えば、「123」や「3A3」(Aは数字以外のオールマイティ図柄等)のようにしてもよい。この場合、遊技者が利益を得られる装飾図柄61の組合せが従来より多くなっているように見せることが可能で、出玉を得やすい遊技機であるという印象を遊技者に与えやすくなる。
また、通常特別遊技と特殊特別遊技とで開放される大入賞口は同じでもよいし、通常特別遊技用の大入賞口および特殊特別遊技用の大入賞口を個別に設けてもよい。大入賞口をそれぞれ異なる位置に設けることにより、通常特別遊技のときと特殊特別遊技のときとで、遊技球の発射目標位置を変えさせることができる。その結果、単調になりやすい特別遊技を技術介入性が高められた面白みのあるものにできる。また、通常特別遊技と特殊特別遊技とで、1個の入球に対する賞球の数は同じでもよいし、異なるようにしてもよい。例えば、通常特別遊技より特殊特別遊技の賞球を少なくしてもよい。このように、ラウンド数の違いに加え、1個の入球に対する賞球の数を変えることで、特別遊技に対する利益の違いを出しやすくなり、特別遊技のバリエーションを容易に増やすことができる。また、ラウンド数の違いと1個の入球に対する賞球の違いを適宜組み合わせることにより、出玉数の調整範囲を広げることが可能で、遊技機の仕様バリエーションを容易に増やすことができる。
上述した第4基本構成では、特殊特別遊技が実行される場合、継続演出EKを表示することにより単位遊技がさらに継続するか否かを報知している。この場合、継続演出EKが表示されるまでは、特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーが表示されることになる。そこで、特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーが表示される間に、単位遊技の継続を期待させるような演出ができれば、特別遊技中の遊技者の興味をさらに演出に引きつけることができるとの考えに発明者らは至った。つまり、第4基本構成において演出制御手段304は、継続演出EKで単位遊技がさらに実行される結果となる可能性を示唆するオブジェクトを、継続演出EKを表示する前の先の単位遊技の実行中に表示するようにしている。
例えば、特殊特別遊技が実行される場合、継続演出EKが表示される前の単位遊技において、演出表示装置60上で継続演出EKが表示された場合に成功演出となるか否かの可能性を示唆する示唆演出を行う。図35は、特殊特別遊技の実行中で継続演出EKが表示される前の演出表示装置60の表示イメージを説明する図である。
図35(a)に示すように、演出制御手段304は、特殊特別遊技の実行中で、継続演出EKを表示する前の単位遊技の実行中に、演出表示装置60が表示する演出画像の背景色を演出表示装置60の左右から徐々に変化させる。例えば、演出表示装置60の左隅から右に向かい赤色の背景色範囲R(第1演出の範囲)を徐々に広げる。一方、演出表示装
置60の右隅から左に向かい緑色の背景色範囲G(第2演出の範囲)を徐々に広げる。この場合、背景色範囲Rの広さが継続演出EKで失敗演出である可能性があることを示唆し、背景色範囲Gの広さが継続演出EKで成功演出である可能性があることを示唆する。なお、背景色範囲Rと背景色範囲Gの広がる速度は不均一である。例えば、継続演出EKで成功演出となる可能性が高いことを示唆する場合には、図35(b)に示すように、継続演出EKが表示される前の単位遊技が終了するまでに、背景色範囲Rより背景色範囲Gの範囲が広くなるようにする。逆に、継続演出EKで失敗演出となる可能性が高いことを示唆する場合には、図35(c)に示すように、継続演出EKが表示される前の単位遊技が終了するまでに、背景色範囲Rより背景色範囲Gの範囲が広くなるようにする。その結果、遊技者に、特殊特別遊技で継続演出EKが表示される前の段階から、特殊設定回数に至った後にさらに単位遊技が継続するか否か期待感を持ちながら特別遊技を楽しませることができる。
また、背景色範囲Rおよび背景色範囲Gは、単位遊技中の入球に応じていずれかの範囲が広がるようにしてもよい。図35(a)は、入球に応じて背景色範囲Rまたは背景色範囲Gが広がる様子を説明するために、演出表示装置60の表示領域を20個の領域に分けている状態を示している。例えば、図33(c)の12R特殊特別遊技の場合、5回目の単位遊技が開始されると、大入賞口に入球があるたびに図35(a)の背景色範囲Rまたは背景色範囲Gの色が1領域ずつ色づいていく。12R特殊特別遊技の場合、内部的には、7回目〜9回目の単位遊技の実行が確定しているので、演出制御手段304は、5回目および6回目の単位遊技での入球の結果、継続演出EKが成功演出となることを示唆する表示になる。つまり、図35(b)のような背景色範囲Rより背景色範囲Gの領域が大きくなるように表示する。なお、大入賞口の閉鎖条件である10個以上の入球は概ね達成されるが、5回目および6回目の単位遊技で総計20個の入球に至らない場合もある。その結果、成功演出となる場合でも、背景色範囲Gより背景色範囲Rの領域が大きい状態で6回目の単位遊技が終了してしまう場合がある。また、逆に失敗演出となる場合でも、背景色範囲Rより背景色範囲Gの領域が大きい状態で6回目の単位遊技が終了してしまう場合がある。しかし、単位遊技が継続するか否かの最終的な示唆は、継続演出EKの結果で行われるので、その前段階の示唆演出が必ずしも正確な結果を示す必要はないので、特に問題ない。また、必要に応じて、6回目の単位遊技の終了時点で、背景色範囲Rと背景色範囲Gの表示状態を修正するようにしてもよい。なお、背景色範囲Rと背景色範囲Gの表示状態は、6回目の単位遊技の終了を契機にリセットされる。つまり、示唆演出は、次回の継続演出EKの結果のみを示唆する演出となる。
継続演出EKの成功演出の表示の後、7回目〜9回目の単位遊技が実行される。そして、8回目の単位遊技が開始されると、5回目および6回目の単位遊技の場合と同様に、背景色範囲Rおよび背景色範囲Gの領域を拡大する演出が実施される。12R特殊特別遊技の場合は、次の10回目〜12回目の単位遊技の実行が内部的に確定しているので、図35(b)のような背景色範囲Rより背景色範囲Gの領域が大きくなるように表示する。
そして、継続演出EKが表示される前に、背景色範囲Rと背景色範囲Gの表示状態がリセットされ、継続演出EKの成功演出の表示の後、10回目〜12回目の単位遊技が実行される。11回目と12回目の単位遊技の実行中にも前回と同様に、背景色範囲Rおよび背景色範囲Gの領域を拡大する演出が実施される。ただし、12R特殊特別遊技の場合は、次の13回目以降の単位遊技の実行はないことが内部的に確定しているので、図35(c)のような背景色範囲Gより背景色範囲Rの領域が大きくなるように表示する。そして。継続演出EKでは、失敗演出となり、終了演出EEへと繋がる演出が実行される。
このように、示唆演出と入球状態を関連付けることにより、単調な遊技になりがちな特別遊技中でも入球状態と背景色範囲の変化を対応付けながら楽しませることができる。
なお、上述の例では、単位遊技を2回分で示唆演出を行う例を示したが、継続演出EKが表示される前の単位遊技全てを対象にしてもよい。すなわち、1回目の継続演出EKの前は、6回分の単位遊技で入球可能な60個の領域で背景色範囲Rと背景色範囲Gを範囲を変化させてもよい。同様に、2回目以降の継続演出EKの前は、3回分の単位遊技で入球可能な30個の領域で背景色範囲Rと背景色範囲Gを範囲を変化させてもよい。逆に、それぞれ1回分の単位遊技で入球可能な10個で背景色範囲Rと背景色範囲Gを範囲を変化させてもよい。さらに、各回において、示唆演出の対象となる単位遊技の数を抽選等で決定して変化させてもよい。この場合、示唆演出をしない場合を含んでもよい。その結果、示唆演出が表示されるか、またいつから表示されるか等を楽しませることも可能となり、遊技性向上に寄与できる。
示唆演出の表示は、図35の例以外にも適宜変更可能で、インジケータを用いてもよいし、2種類のキャラクタを準備し、入球ごとにキャラクタの表示数を増やすようにしてもよい。
また、別の示唆演出として、例えば、単位遊技ごとに演出表示装置60で表示する演出の背景を変化させてもよい。例えば、示唆演出を3回の単位遊技を対象で実施する場合、継続演出で失敗演出を示唆する場合は、1回目の単位遊技の背景色を「赤」にし2回目の背景色を「黄」、3回目の背景色を「青」とする。この変化は、順当な変化であると定義する。一方、継続演出で成功演出を示唆する場合は、1回目の単位遊技の背景色を「赤」にし2回目の背景色を「黄」、3回目の背景色を「青」ではなく「金」とする。この変化は、順当な変化ではなく期待感を煽る演出となる。また、3回目の背景色を順当色の「青」以外にする場合、例えば、「銀」「金」、「虹色」としてもよい。この場合、背景色に応じて期待度を変えるようにしてもよい。このように、示唆演出のバリエーションを増やすことで、特別遊技中の演出でさらに遊技者を楽しませることができる。
特殊特別遊技の場合、継続演出EKで成功演出となるたびに、これまでの特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーとは異なる特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーに変化させている。ところで、通常遊技中は、装飾図柄61が揃うか否かの期待感を高めるためにリーチ演出がある。そして、リーチ演出ごとに期待度を設定したスペシャルリーチを複数設定している場合がある。遊技者は、特別遊技より通常遊技を遊技する時間の方が長く、期待度を示すスペシャルリーチを目にする機会も多く、演出内容ごとの期待度の順位を理解している場合がある。そこで、このスペシャルリーチにおける演出内容の期待度の順位と同じ順位で、特殊特別遊技における特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーを展開させることで、演出内容を理解し易いものにできる。例えば、スペシャルリーチの期待度が、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタDの順に大きくないように設定されている場合を考える。そして、例えば15R特別遊技演出の場合を考える。この場合、1回目〜6回目の単位遊技中の特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーをキャラクタAに関するストーリーとする。次に7回目〜9回目の単位遊技中の特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーをキャラクタBに関するストーリーとし、10回目〜12回目の単位遊技中の特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーをキャラクタCに関するストーリーとする。そして、13回目〜15回目の単位遊技中の特別遊技演出パターンにしたがう演出ストーリーをキャラクタDに関するストーリーとする。このように通常遊技中の期待度の順位と、特別遊技演出中の単位遊技の継続に関する表示を関連付けることにより、次の演出内容を期待させながら特別遊技を遊技させることが可能になり遊技性の向上に寄与できる。なお、このように表示順位があることを浸透させることができれば、特殊特別遊技中に異なる表示順位で表示することで、何か予想外の結果が生じるのではないかという印象を遊技者に与えやすくなり、演出のバリエーションを広げることができる。
なお、第4基本構成においては、継続演出中に演出ボタン109の操作は要求されないが、演出ボタン109の操作を要求するようにしてもよい。例えば、演出ボタン109の操作の有無によって、継続演出後の演出内容を変化させるようにしてもよい。この場合、遊技者の選択により以降の演出内容が変化しているように見せることが可能になり、遊技者参加性を高めることができる。
また、第4基本構成において、第2基本構成で説明したラウンド表示灯500を併用してもよい。この場合、特殊特別遊技において単位遊技が継続するか否かを演出による報知と併せて、ラウンド表示灯500の表示変化による報知予想を楽しませることが可能になり、特別遊技中での楽しみが増え、特別遊技中の興味を維持させやすくできる。
また、第4基本構成に、第3基本構成で説明した短開放単位遊技、長開放単位遊技を適用してもよい。この場合第3基本構成と第4基本構成の効果の両方が得られ、遊技性をさらに向上させることができる。
(第5基本構成)
楽曲を用いた演出を実行する遊技機について説明する。遊技機は、ぱちんこ遊技機であってもよいし、スロットマシンであってもよいが、実施の形態では、ぱちんこ遊技機について説明する。まず、第5基本構成として、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在するぱちんこ遊技機について説明し、つづいて、第6基本構成として、2つの大入賞口を上下に隣接するダブルアタッカーとして備えるぱちんこ遊技機について説明する。
図36は、第5基本構成におけるぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。音声制御手段306は、楽曲再生手段502および楽曲データ格納手段504を含む。演出表示制御手段305は、演出画像データ格納手段506を含む。楽曲再生手段502は、楽曲を再生してスピーカ108に音声を出力する。楽曲データ格納手段504は、複数の楽曲のデータを格納する。演出表示制御手段305は、楽曲の再生中に演出画像を演出表示装置60に表示する。演出画像データ格納手段506は、演出表示装置60に表示される演出画像のデータを格納する。本基本構成においては、演出画像は楽曲に対応付けられた動画像であり、楽曲の雰囲気に合わせて作成された映像や、歌手又は演奏家などが楽曲を歌唱又は演奏している映像や、楽曲の歌詞などを含む。別の例においては、演出画像は静止画像であってもよいし、楽曲とは無関係に用意された背景動画などの動画像であってもよい。
本基本構成においては、楽曲再生手段502は、特別遊技制御手段260により特別遊技が実行されている間に、演出として、楽曲データ格納手段504にデータが格納されている楽曲を再生する。別の例においては、楽曲再生手段502は、特定の種類の大当りを契機とした特別遊技中のみに楽曲を再生してもよいし、特定遊技制御手段270により確変、時短、普通電動役物90の開放時間を延長する開放延長、又はそれらの任意の組合せが実施される特定遊技状態における通常遊技が実行されている間のみに楽曲を再生してもよいし、通常状態における通常遊技中のみに楽曲を再生してもよいし、それらの遊技の任意の組合せにおいて楽曲を再生してもよい。また、特定遊技中に大当りを引き当てて特別遊技が実行され、且つ、その特別遊技の終了後に再び特定遊技が実施される、いわゆる連荘中の特定遊技状態若しくは連荘中の特別遊技状態、又はそれら双方の間に楽曲を再生してもよい。以降、楽曲を再生可能に設定されたこれらの遊技状態の組合せを「楽曲再生期間」という。2R大当りを契機とする特別遊技は、特別遊技の開始から終了までの継続時間が短いので、楽曲を再生しなくてもよい。
楽曲再生手段502は、楽曲を再生すべきタイミングが到来したときに、所定の条件にしたがって再生すべき楽曲を決定し、決定した楽曲を再生する。演出表示制御手段305は、楽曲再生手段502により決定された楽曲に対応する演出画像を演出表示装置60に表示する。演出表示制御手段305は、演出ボタン109などを介して、演出画像に含まれる歌詞などの特定の内容を表示するか否かの指示を遊技者から受け付け、指示にしたがって表示のオンオフを切り替えてもよい。前述したように、特別遊技の実行中及び確変状態における通常遊技の実行中に楽曲を再生する場合、楽曲再生手段502は、特別遊技制御手段260により特別遊技が開始されるときに、楽曲の再生を開始する。楽曲再生手段502は、確変を伴う2R大当りが発生した場合、特別遊技中には楽曲を再生せず、特別遊技の終了後に実行される確変状態の通常遊技が開始されるときに楽曲の再生を開始してもよい。確変状態に移行されることを遊技者に報知せずに確変状態に移行する、いわゆる潜伏確変が実行される場合、楽曲再生手段502は、潜伏確変中は楽曲を再生せず、確変状態であることを遊技者に報知する演出が実行された後に、楽曲の再生を開始してもよい。
楽曲再生手段502は、確変、時短、開放延長、又はそれらの任意の組合せが実施される特定遊技の連続回数、あるいは、特定遊技を伴う大当りを繰り返し発生させる連荘の回数に応じて、再生すべき楽曲を決定してもよい。連荘は、一般に、特別遊技の終了後に実施される特定遊技が終了するまでの間に再度大当りを引き当てて特別遊技に移行する場合を言うが、特定遊技において、確変、時短、開放延長などのうちの複数が実施される場合に、それらのうちの一部が終了した場合であっても、残りの一部が継続している間に大当りを再度引き当てた場合は、連荘であるとみなしてもよい。また、特定遊技中に大当りを引き当てることができなくても、特定遊技が終了した後の所定期間内に再度大当りを引き当てた場合は、連荘であるとみなしてもよい。楽曲再生手段502は、特定遊技又は連荘の連続回数をRAMなどに記憶しておき、遊技者が最初に大当りを引いて特別遊技が開始されると、特定遊技又は連荘の連続回数が0回である場合に選択可能な楽曲の中から、所定の条件にしたがって、又はランダムに、再生すべき楽曲を選択して再生する。特別遊技が開始される契機となった大当りが特定遊技を伴う大当りであった場合、特別遊技の終了後に特定遊技が開始されると、楽曲再生手段502は、RAMに記憶している特定遊技又は連荘の連続回数を1にインクリメントし、特定遊技又は連荘の連続回数が1回である場合に選択可能な楽曲の中から再生すべき楽曲を選択して再生する。特定遊技中に、再び遊技者が大当りを引いて特別遊技が開始されると、楽曲再生手段502は、特定遊技中に再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、特定遊技又は連荘の連続回数が1回である場合に選択可能な楽曲の中から新たに再生すべき楽曲を選択して再生してもよい。2回目の特別遊技が開始される契機となった大当りが特定遊技を伴う大当りであった場合、特別遊技の終了後に特定遊技が開始されると、楽曲再生手段502は、RAMに記憶している特定遊技又は連荘の連続回数を2にインクリメントし、特定遊技又は連荘の連続回数が2回である場合に選択可能な楽曲の中から再生すべき楽曲を選択して再生する。上記の例においては、特定遊技が開始されるときに、特定遊技又は連荘の連続回数をインクリメントしたが、別の例においては、特定遊技を伴う大当りを契機とした特別遊技が開始されるときに、特定遊技又は連荘の連続回数をインクリメントしてもよい。この場合も、特別遊技の終了後に特定遊技が開始されるときに、楽曲再生手段502は、特別遊技中に再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、特定遊技又は連荘の連続回数が所定回である場合に選択可能な楽曲の中から新たに再生すべき楽曲を選択して再生してもよい。選択可能な楽曲は、特定遊技又は連荘の回数に応じて増加されてもよい。このような技術によれば、特定の楽曲を、特定遊技又は連荘が連続して発生した場合にのみ再生するので、遊技者が特定の楽曲を視聴するために、特定遊技を伴う大当りを連続して引き当てたいと思わせることができ、遊技を続行する動機を遊技者に与えることができる。同様に、楽曲再生手段502は、遊技開始からの特定の種別の大当りの回数、遊技開始からの特別遊技の回数、遊技開始からの楽曲の再生の回数などに応じて、再生すべき楽曲を決定してもよい。また
、楽曲再生手段502は、大当り又は小当りの種別などに応じて、再生すべき楽曲を決定してもよい。また、楽曲再生手段502は、楽曲データ格納手段504に格納された再生可能な楽曲の中からランダムに再生すべき楽曲を決定してもよい。また、楽曲再生手段502は、後述するように、遊技者から楽曲の選択指示を受け付けて、指示された楽曲を再生すべき楽曲として決定してもよい。その場合も、遊技者が選択可能な楽曲は、特定遊技又は連荘の回数などの所定の条件に応じて増加されてもよい。
楽曲再生手段502は、楽曲の再生中に遊技状態が変更されたときに、変更後の遊技状態が楽曲再生期間ではない場合、楽曲の再生を停止する。また、確変などの特定遊技中に楽曲を再生する場合であって、特定遊技が所定回数の図柄変動をもって終了される場合、楽曲再生手段502は、特定遊技が終了して通常状態における通常遊技に移行するときに、楽曲の再生を停止する。このとき、楽曲再生手段502は、それまで再生していた楽曲を所定箇所、例えば、楽曲の末尾又は後述するループ再生終了箇所まで再生するまでは楽曲の再生を継続してもよい。
楽曲再生手段502は、楽曲の再生中に遊技状態が変更されたときに、変更後の遊技状態も楽曲を再生すべき期間である場合、再生中の楽曲を継続して再生してもよいし、遊技状態が変更されたときに楽曲の再生をいったん中断し、それまで再生していた楽曲と同一の楽曲、又は、所定の条件にしたがって決定した楽曲の再生を開始してもよい。楽曲再生手段502は、遊技状態の変更後に、楽曲の先頭、又は、後述するループ再生開始箇所から楽曲の再生を開始してもよい。例えば、特別遊技が終了して特定遊技状態における通常遊技が開始されるとき、楽曲再生手段502は、特別遊技の終了後も、特別遊技中又は特別遊技の終了デモ演出中に再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、楽曲の先頭又はループ再生開始箇所に戻って再生を再開してもよい。また、特定遊技状態における通常遊技中に大当りが発生して特別遊技が開始されるとき、楽曲再生手段502は、特定遊技状態における通常遊技中に再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、楽曲の先頭又はループ再生開始箇所に戻って再生を再開してもよい。
楽曲再生手段502は、楽曲の再生中に、特定の演出が発生した場合、再生中の楽曲を継続して再生してもよいし、再生を終了してもよいし、再生をいったん停止して演出の終了後に再開してもよいし、演出中は出力する音量を低くしてもよいし、演出中は歌詞などの特定の内容の表示を一時的にオフにしてもよい。再生をいったん停止した場合、楽曲再生手段502は、特定の演出の終了後に、停止した箇所から再生を再開してもよいし、楽曲の先頭又はループ再生開始箇所に戻って再生を再開してもよい。特定の演出は、例えば、特別遊技中の演出として、特別遊技の終了後に確変や時短などの特定遊技状態に移行するか否かを示唆又は報知する演出などであってもよい。
楽曲再生手段502は、楽曲の再生中、又は、楽曲再生期間中に、再生すべき楽曲の指示を遊技者から受付可能であり、再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲のデータを楽曲データ格納手段504から読み出して再生する。演出表示制御手段305は、楽曲再生手段502が再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲に対応する演出画像のデータを演出画像データ格納手段506から読み出して演出表示装置60に表示する。楽曲再生手段502は、連荘中の特定遊技状態若しくは連荘中の特別遊技状態、又はそれら双方の間に再生すべき楽曲の指示を遊技者から受付可能であってもよい。
楽曲再生手段502は、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けると、以降は、楽曲の再生を開始するときに、指示された楽曲を再生すべき楽曲として決定してもよい。この場合、楽曲再生手段502は、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲の種別をRAMなどに記憶しておき、楽曲再生期間に楽曲の再生を開始するときに、以前に遊技者から指示された楽曲の種別がRAMに記憶されていないか確認し、記
憶されている場合は、その楽曲を再生すべき楽曲として決定する。別の例においては、楽曲再生手段502は楽曲再生期間に楽曲の再生を開始するときには、前述した条件にしたがって自動的に再生すべき楽曲を決定して再生し、その後、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けると、指示された楽曲を再生してもよい。更に別の例においては、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けていない場合は、前述したように、楽曲再生手段502が、連荘ごとに、特別遊技中又は特定遊技中に再生する楽曲を自動的に決定し、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けている場合は、連荘しても、所定の条件が充足されるまでは楽曲を変更せず、遊技者から指示された楽曲を継続して再生してもよい。所定の条件は、遊技者から再生すべき楽曲の指示を再度受け付けること、又は、連荘が終了することなどであってもよい。
本基本構成においては、楽曲再生手段502は、再生すべき楽曲に加えて、楽曲の再生開始箇所の指示を更に遊技者から受付可能である。楽曲再生手段502は、楽曲の再生開始箇所の指示を受け付けると、再生すべき楽曲の指示された再生開始箇所以降のデータを楽曲データ格納手段504から読み出して、指示された再生開始箇所から再生を開始する。演出表示制御手段305は、再生すべき楽曲に対応する動画像のデータを演出画像データ格納手段506から読み出し、指示された再生開始箇所から表示を開始する。これにより、特別遊技における単位遊技の回数や単位遊技の継続時間が少ない場合など、楽曲が再生される時間が短い場合であっても、遊技者が視聴したい部分を再生することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるとともに、より効果的な演出を提供することができる。別の例においては、楽曲再生手段502は、楽曲の先頭から再生を開始してもよいし、楽曲を前回再生したときに再生が終了した箇所から再生を開始してもよいし、所定の条件にしたがって自動的に決定した再生開始箇所から再生を開始してもよい。所定の条件は、例えば、楽曲を再生する予定の時間に楽曲の所定箇所まで再生が終了することであってもよい。特別遊技中に楽曲を再生する場合、楽曲を再生する予定の時間は、特別遊技の継続予定時間であってもよい。特別遊技の継続予定時間は、単位遊技の最大継続時間と単位遊技の回数との積であってもよい。
図37は、楽曲データ格納手段504に格納された楽曲データの例を示す。楽曲データ格納手段504に格納された楽曲の形式は様々でありうるが、一般に、楽曲は複数の部分(フレーズ)から構成される。例えば、日本の歌謡曲に多く見られるリフレイン形式の楽曲は、図37に示すように、「導入部」「1番のAメロ」「1番のBメロ」「1番のサビ」「1番の間奏」「2番のAメロ」「2番のBメロ」「2番のサビ」「2番の間奏」「大サビ」「終結部」などを含む。楽曲データ格納手段504は、これらの複数の部分に分割して楽曲のデータを格納する。前述したように、本基本構成においては、演出画像として楽曲に合わせて用意された動画像を用いるので、演出画像データ格納手段506も、これらの複数の部分に分割して演出画像のデータを格納する。別の例においては、楽曲データ格納手段504及び演出画像データ格納手段506は、楽曲ごとに1つのデータファイルとして楽曲データ及び演出画像データを格納してもよい。
図38は、楽曲再生手段502が遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けるための楽曲選択画面の例を示す。楽曲再生手段502は、楽曲再生期間に、演出ボタン109などを介して、楽曲選択画面を表示するための指示入力を遊技者から受け付けると、楽曲選択画面510を演出表示装置60に表示し、遊技者から再生すべき楽曲の選択指示を受付可能とする。別の例においては、楽曲再生手段502は、所定のタイミング、例えば、所定の演出が実行されたときなどに、楽曲選択画面510を演出表示装置60に表示して、遊技者から再生すべき楽曲の選択指示を受付可能としてもよい。楽曲選択画面510には、楽曲データ格納手段504にデータが格納されている楽曲の一覧が表示される。楽曲選択画面510において、第1の種別の楽曲は第1領域512に、第2の種別の楽曲は第2領域514に、それぞれ表示されている。第1の種別の楽曲と第2の種別の楽曲について
は、後で詳述する。本基本構成においては、後述するように、楽曲データ格納手段504にデータが格納されている楽曲の全てが初めから遊技者により選択可能となっているわけではなく、所定の条件を満たしている楽曲のみが再生すべき楽曲として選択可能となっている。楽曲選択画面510において、選択可能でない楽曲はグレーアウトして表示されている。楽曲再生手段502は、演出ボタン109などを介して、選択候補の楽曲を切り替えるための指示入力を遊技者から受け付けると、選択候補の楽曲を切り替える。楽曲選択画面510において、現在選択候補となっている楽曲は、太枠で囲まれて表示されている。楽曲再生手段502は、演出ボタン109などを介して、選択候補の楽曲を再生すべき楽曲として確定するための指示入力を遊技者から受け付けると、選択候補の楽曲を再生すべき楽曲として受け付け、指示された楽曲を再生する。
楽曲再生手段502は、楽曲選択画面510を演出表示装置60に表示して遊技者から再生すべき楽曲の選択指示を受付可能な期間中に、楽曲選択画面510を表示するまでに再生していた楽曲を継続して再生してもよいし、楽曲の再生を中断してもよい。楽曲選択画面510を表示するまでに再生していた楽曲と同一の楽曲を遊技者が選択した場合、楽曲再生手段502は、選択された楽曲の先頭から再生を開始してもよいし、再生箇所を変更せずに再生中の楽曲を継続して再生してもよい。また、後述するように、再生中の楽曲にループ再生開始箇所が設定されている場合、楽曲再生手段502は、選択された楽曲のループ再生開始箇所から再生を開始してもよい。
楽曲再生手段502は、特別遊技の開始デモ演出又は終了デモ演出中には、演出ボタン109が押されても楽曲選択画面510を表示せず、遊技者から楽曲の選択指示を受け付けなくてもよい。このとき、楽曲再生手段502は、楽曲の再生を中断してもよいし、それまで再生していた楽曲を継続して再生してもよい。
楽曲再生手段502は、特別遊技中の特定のラウンドの実行中にのみ、遊技者からの指示入力に応じて楽曲選択画面510を表示して再生すべき楽曲の指示を受付可能とし、それ以外のラウンドの実行中には、再生すべき楽曲の指示を受け付けず、楽曲再生手段502が決定した楽曲、又は、遊技者から指示された楽曲の再生を継続してもよい。例えば、楽曲再生手段502は、特別遊技の開始から所定のラウンドまでの間は、遊技者による楽曲の選択指示を受け付け、それ以降のラウンドでは、楽曲の選択指示を受け付けなくてもよい。また、楽曲再生手段502は、大当りの種類に応じて、特別遊技中に遊技者から再生すべき楽曲の指示を受付可能とするか、受付不可能とするかを切り替えてもよい。例えば、単位遊技が所定回よりも少ない特別遊技が実行される場合には、特別遊技中に遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けず、単位遊技が所定回よりも多い特別遊技が実行される場合には、特別遊技中に遊技者から再生すべき楽曲の指示を受付可能としてもよい。また、単位遊技における大入賞口開放パターンとして、大入賞口が所定時間以上開放する第1開放パターンと、それよりも相対的に開放時間が短い第2開放パターンを備える遊技機である場合、第1開放パターンとなる単位遊技回数が所定回よりも少ない特別遊技が実行される場合には、特別遊技中に遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けず、第1開放パターンとなる単位遊技回数が所定回よりも多い特別遊技が実行される場合には、特別遊技中に遊技者から再生すべき楽曲の指示を受付可能としてもよい。これにより、楽曲が選択されてから特別遊技が終了するまでの間が短くなり過ぎるのを防ぎ、選択された楽曲を再生するための時間を確保することができるので、効果的な演出を実行することができる。
楽曲再生手段502は、確変状態であることを遊技者に報知せずに、確変状態における通常遊技を実行する、いわゆる潜伏確変中には、演出ボタン109が押されても楽曲選択画面510を表示せず、遊技者から楽曲の選択指示を受け付けなくてもよい。このとき、楽曲再生手段502は、楽曲の再生を中断してもよいし、それまで再生していた楽曲を継
続して再生してもよいし、所定の条件にしたがって自動的に決定した楽曲を再生してもよい。楽曲再生手段502は、潜伏確変中に、確変状態であることを遊技者に報知する演出が実行された場合、それ以降は、楽曲を再生し、楽曲の選択指示を遊技者から受付可能としてもよい。
図39は、楽曲の再生開始箇所として選択可能な箇所の例を示す。楽曲再生手段502は、図37に示した楽曲において、複数に分割された部分の全て又は一部の先頭を、再生開始箇所として選択可能な箇所に設定する。楽曲再生手段502は、複数に分割された全ての部分の先頭を再生開始箇所として選択可能としてもよいが、図39に示した例では、終結部の先頭から再生を開始しようとする遊技者はほとんどいないと考えられるので、終結部の先頭は再生開始箇所として選択可能とはされていない。楽曲及び演出画像のデータを1つのデータファイルとして格納する場合は、楽曲再生手段502は、楽曲の任意の箇所を再生開始箇所として選択可能としてもよい。
図40は、楽曲再生手段502が遊技者から楽曲の再生開始箇所の指示を受け付けるための再生開始箇所選択画面の例を示す。楽曲再生手段502は、楽曲再生期間に、演出ボタン109などを介して、再生開始箇所選択画面520を表示するための指示入力を遊技者から受け付けたとき、又は、図38に示した楽曲選択画面510において遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けたときに、再生開始箇所選択画面520を演出表示装置60に表示する。再生開始箇所選択画面520には、楽曲再生手段502により再生すべき楽曲として決定された楽曲、又は、楽曲選択画面510において遊技者から再生すべき楽曲として指示された楽曲の、再生開始箇所として選択可能な箇所の一覧が表示される。図39に示した例では、図39に示した楽曲の再生開始箇所として選択可能な箇所が表示されている。楽曲再生手段502は、再生開始箇所選択画面520において、再生開始箇所として選択可能な箇所を遊技者が識別できるように、その箇所の演出画像と、その箇所以降の楽曲の歌詞とを表示する。楽曲再生手段502は、演出ボタン109などを介して、選択候補の箇所を切り替えるための指示入力を遊技者から受け付けると、選択候補の箇所を切り替える。再生開始箇所選択画面520において、現在選択候補となっている箇所の演出画像は、太枠で囲まれて表示されている。楽曲再生手段502は、演出ボタン109などを介して、選択候補の箇所を再生開始箇所として確定するための指示入力を遊技者から受け付けると、選択候補の箇所を再生開始箇所として受け付け、指示された再生開始箇所から楽曲の再生を開始する。
楽曲再生手段502が自動的に再生すべき楽曲を決定する場合や、特別遊技中の特定のラウンド中などに遊技者からの指示を受け付けない期間を設ける場合などにおいて、遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けないときであっても、楽曲再生手段502は、楽曲の再生開始箇所の指示を遊技者から受け付け、指示された再生開始箇所から楽曲の再生を開始してもよい。
本基本構成においては、楽曲再生手段502は、楽曲の再生が所定のループ再生終了箇所に到達すると、所定のループ再生開始箇所へ戻って楽曲の再生を継続することにより、同一の楽曲を繰り返し再生可能である。別の例においては、楽曲再生手段502は、楽曲の末尾まで再生すると、別の楽曲の再生を開始してもよい。また、楽曲再生手段502は、同一の楽曲又は同一のグループに属する複数の楽曲を繰り返し再生するループ再生モードと、ループ再生を行わない通常再生モードとを設け、所定の条件にしたがって自動的に、又は、遊技者の指示にしたがって、いずれかを選択してもよい。
本基本構成においては、複数の楽曲は、同一の楽曲を繰り返し再生する場合に楽曲のループ再生終了箇所とループ再生開始箇所とが連続性を有するように再生可能に構成された第1の種別の楽曲と、ループ再生終了箇所とループ再生開始箇所とが連続性を有しないよ
うに構成された第2の種別の楽曲とを含む。
図41は、第1の種別の楽曲及び第2の種別の楽曲のループ再生開始箇所及びループ再生終了箇所の例を示す。図41に示した例において、第1の種別の楽曲では、導入部と1番のAメロの間にループ再生開始箇所が、2番の後の間奏と大サビとの間にループ再生終了箇所が、それぞれ設定されている。楽曲再生手段502及び演出表示制御手段305は、第1の種別の楽曲をループ再生する場合、楽曲の先頭又は再生開始箇所から楽曲の再生及び演出画像の表示を開始して、ループ再生終了箇所に到達すると、ループ再生開始箇所へ戻って再生及び表示を継続する。第1の種別の楽曲の導入部は、楽曲の先頭から再生が開始される場合に、再生直後の1回目のみ再生され、ループ再生中は再生されない。第1の種別の楽曲の大サビ及び終結部は、通常再生モードにおいて再生されるが、ループ再生モードでは再生されない。すなわち、第1の種別の楽曲において、ループ再生開始箇所からループ再生終了箇所までは、ループ再生モードにおいて繰り返し再生されるループ再生期間であり、それ以外の導入部、大サビ、及び終結部は、繰り返し再生されない非ループ再生期間である。第2の種別の楽曲では、ループ再生開始箇所は楽曲の先頭と一致し、ループ再生終了箇所は楽曲の末尾と一致する。楽曲再生手段502及び演出表示制御手段305は、第2の種別の楽曲をループ再生する場合、楽曲の先頭又は再生開始箇所から楽曲の再生及び演出画像の表示を開始して、楽曲の末尾に到達すると、楽曲の先頭へ戻って再生及び表示を継続する。このように、楽曲再生手段502及び演出表示制御手段305は、ループ再生モードにおいて、第1の種別の楽曲については、楽曲の末尾に到達する前のループ再生終了箇所においてループ再生開始箇所に戻ることにより、連続性を有するようにループ再生を行い、第2の種別の楽曲については、楽曲の末尾まで到達してから楽曲の先頭に戻ることにより、連続性を有しないようにループ再生を行う。第1の種別の楽曲は、ループ再生モードにおいて、楽曲の一部が再生されないが、第2の種別の楽曲は、ループ再生モードにおいても、楽曲の先頭から末尾までの全てが再生される。
第1の種別の楽曲の楽曲データ及び演出画像データが、複数の部分に分割されて、楽曲データ格納手段504及び演出画像データ格納手段506に格納される場合であっても、第2の種別の楽曲の楽曲データ及び演出画像データは、1つのデータファイルとして格納されてもよい。第2の楽曲のループ再生期間、すなわち、楽曲の先頭から末尾までの再生時間は、第1の楽曲のループ再生期間、すなわち、ループ再生開始箇所からループ再生終了箇所までの再生時間より長くてもよい。
第1の種別の楽曲は、ループ再生終了箇所の直前の所定期間と、ループ再生開始箇所の直前の所定期間とが、同一又は類似する内容、メロディ、曲調、キー、コード進行、テンポ、リズムなどを有するように構成されていてもよい。また、ループ再生終了箇所の直前の所定期間と、ループ再生開始箇所の直後の所定期間とが、同一又は類似する曲調、キー、コード進行、テンポ、リズムなどを有するように構成されていてもよい。これにより、ループ再生終了箇所とループ再生開始箇所とが連続性を有するように再生することができ、演出の継続時間が楽曲の再生時間よりも長い場合であっても、滑らかに違和感無く楽曲の再生及び演出画像の表示を継続することができる。
楽曲再生手段502は、楽曲データ格納手段504にデータが格納されている全ての楽曲を再生すべき楽曲として遊技者又は楽曲再生手段502が選択可能としてもよいし、所定の条件を満たす楽曲のみを選択可能としてもよい。後者の場合、楽曲再生手段502は、日時、遊技の継続時間、特別遊技の出現回数又は継続回数、特定遊技の出現回数又は継続回数、などに関する条件を保持する。楽曲再生手段502は、楽曲選択画面を演出表示装置60に表示するときに、所定の条件が満たされるか否かを判定し、所定の条件が満たされると判定された楽曲を再生可能とする。以降、楽曲を「選択可能」ないし「再生可能」という場合、楽曲再生手段502が自動的に再生すべき楽曲を決定するにあたって、そ
の楽曲を選択して再生することが可能であることを意味する場合と、楽曲再生手段502が遊技者から再生すべき楽曲の指示を受け付けるにあたって、その楽曲を遊技者が選択して再生させることが可能であることを意味する場合と、両者を意味する場合とがあるが、これらをとくに区別しない。したがって、「選択可能」ないし「再生可能」とは、上記のいずれの場合も含みうる。
第2の種別の楽曲は、リアルタイムクロックシステムを用いて再生される楽曲であってもよい。この場合、ぱちんこ遊技機100は、現在時刻の情報を出力する計時回路である時計手段を備える。時計手段は、電源投入時からの時間を計測して現在時刻の情報として出力するタイマ回路であってもよいし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機10の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路であってもよい。演出決定手段303は、時計手段により出力される現在時刻が所定時刻となったことを契機に開始する時計同調演出を実行する。時計同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。また、時計同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。時計同調演出は、例えば所定の楽曲を演奏する動画を所定の時刻に再生する演出である。時計同調演出を再生する契機となる時刻は、ぱちんこ遊技機10の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時刻であってもよいし、標準時を基準とした毎正時であってもよい。あるいは、遊技店ごとに遊技店員によって時刻を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ時計同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時刻を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時刻となったことを契機に一斉に同じ時計同調演出が実行され、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲が流れることでその場でライブ演奏がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。なお、時計同調演出中に大当りが発生した場合や特別遊技中に時計同調演出が開始された場合、時計同調演出と並行して進行する特別遊技の大当り演出は、時計同調演出を阻害しないよう、画面の隅に小さく大当りである旨やラウンド数などを表示をする特殊形態をとってもよい。また、時計同調演出の終了より先に特別遊技が終了した場合は、特別遊技終了後も時計同調演出を実行したまま画面右下隅に縮小図柄変動を表示してもよい。
例えば、演出決定手段303は、毎正時に、遊技状態にかかわらず、また、楽曲再生手段502及び演出表示制御手段305により楽曲が再生及び表示されているか否かにかかわらず、時計同調演出として、第2の種別の楽曲のうち所定の条件にしたがって自動的に決定された楽曲を楽曲再生手段502に再生させ、その楽曲に対応する演出画像を演出表示制御手段305に表示させてもよい。この場合、遊技場に設置されている同一機種の全ての遊技機において、同一の楽曲が一斉に再生されてもよい。時計同調演出により第2の種別の楽曲が自動再生される場合、遊技者の選択指示にかかわらず、自動的に決定された楽曲が、先頭から末尾まで1回だけ再生されてもよい。すなわち、時計同調演出による楽曲の自動再生においては、楽曲はループ再生されなくてもよい。時計同調演出による楽曲の自動再生が終了した後、楽曲再生手段502及び演出表示制御手段305は、自動再生が開始される前に再生していた楽曲の再生を継続してもよいし、再生していた楽曲の先頭又はループ再生開始箇所に戻って再生を再開してもよいし、所定の条件にしたがって自動的に決定した楽曲を再生してもよい。
第2の種別の楽曲に対して、再生可能となるための特定条件が設定され、第2の種別の楽曲は特定条件が満たされる場合にのみ再生可能であり、第1の種別の楽曲は特定条件が満たされるか否かにかかわらず再生可能であってもよい。例えば、特定条件として、楽曲
データ格納手段504又は演出画像データ格納手段506は、複数の第2の種別の楽曲のそれぞれが再生可能となる日時を更に格納し、演出決定手段303は、楽曲データ格納手段504に格納されている第2の種別の楽曲のそれぞれを、所定の日時が到来するまで再生不可能としてもよい。すなわち、第2の種別の楽曲には、楽曲ごとに再生可能となる日時が特定条件として設定され、再生可能となる日時が到来した楽曲は、楽曲再生手段502により再生可能となる一方、第1の種別の楽曲には、日時に関する特定条件が設定されなくてもよい。特定条件として、所定の時点から起算した期間が設定されてもよい。この場合、演出決定手段303は、所定の時点から起算して設定された期間が経過したときに第2の種別の楽曲を再生可能とする。所定の時点は、例えば、所定の日時、電源の投入時、RAMクリアスイッチの押下時、所定の遊技結果の発生時、所定の演出の発生時などであってもよい。第2の種別の楽曲は、未公表の楽曲であってもよい。これにより、未公表の楽曲を視聴することができるという付加価値を遊技機に付与することができ、多くの遊技者を獲得する契機とすることができる。また、複数の未公表の楽曲について、異なる日時が再生可能となる日時として設定される場合、より長期にわたって遊技者の興味を引きつけることができる。このような時計同調演出を用いて、特定条件に基づいて楽曲を再生可能とする遊技機において、楽曲再生手段502は、時計同調演出において楽曲の再生が可能とされたことを条件に、すなわち、楽曲ごとに設定された再生可能となる日時が到来したことを条件に、第2の種別の楽曲を選択する指示を遊技者から受付可能としてもよい。時計同調演出により自動再生される楽曲は適宜変更されてもよく、変更された場合であっても、変更される前に自動再生された楽曲は、再生すべき楽曲として遊技者からの選択指示を受け付けてもよい。
第2の種別の楽曲として未公表の楽曲を格納しておき、順次解禁された楽曲のみを特別遊技中に再生可能とする場合、前述したように、第1の種別の楽曲は、楽曲の末尾とは異なるループ再生終了箇所から、楽曲の先頭とは異なるループ再生開始箇所へ戻るようにループ再生し、第2の種別の楽曲は、楽曲の末尾まで再生すると楽曲の先頭に戻るようにループ再生することで、既に公表されている第1の種別の楽曲は、楽曲の導入部と終結部をカットして、違和感なく滑らかに連続的に楽曲の再生を継続させることができる一方、未公表であった第2の種別の楽曲は、楽曲の一部をカットすることなく最初から最後まで再生して、遊技者が十分に楽曲の視聴を楽しむことを可能とすることができる。
第1の種別の楽曲に対して、再生可能又は遊技者により選択可能となるための特殊条件が設定されてもよい。例えば、複数の第1の種別の楽曲のうちの一部は、特定条件及び特殊条件が満たされるか否かにかかわらず再生又は選択可能であり、他の一部は、特定条件が満たされるか否かには左右されないが、特殊条件が満たされる場合にのみ再生又は選択可能であってもよい。前者は、特殊状態が満たされていない初期状態においても遊技者が選択可能な選択可能候補となる楽曲であり、後者は、特殊条件が満たされた場合に選択可能候補となる楽曲である。例えば、特殊条件として、楽曲データ格納手段504又は演出画像データ格納手段506は、各入賞口又は作動口への入球、当否抽選の結果、特別遊技又は特別遊技の実行、連荘の実行などの遊技の結果、又は、それらの遊技の結果の履歴に関する特殊条件を更に格納し、楽曲再生手段502は、特殊条件が満たされた場合に、第1の種別の楽曲の選択可能候補の数を増加させてもよい。また、遊技の結果、遊技の結果の履歴、又は演出の実行履歴などに基づいて遊技者のポイント又はレベルを算出し、算出されたポイント又はレベルに関する特殊条件が満たされた場合に、第1の種別の楽曲の選択可能候補の数を増加させてもよい。この場合、サブ基板300に遊技の結果の履歴や遊技者のポイント又はレベルなどを記憶するための履歴格納手段を設け、遊技の実行中に遊技の結果を履歴格納手段に格納するとともに、遊技者のポイント又はレベルを算出して更新する。楽曲再生手段502は、楽曲選択画面を演出表示装置60に表示するときに、履歴格納手段を参照して、特殊条件に基づいて第1の種別の楽曲の選択可能候補を決定する。楽曲再生手段502は、特殊条件が満たされて第1の種別の楽曲の選択可能候補を増加
させる場合に、所定の順序で、それまで選択可能候補ではなかった第1の種別の楽曲を新たに選択可能候補としてもよいし、それまで選択可能候補ではなかった第1の種別の楽曲の中から選択可能候補とする楽曲の指定を遊技者から受け付けてもよい。また、第1の種別の楽曲ごとに、選択可能候補となるための特殊条件が設定されてもよい。これにより、遊技者が遊技を継続的に実行して遊技の結果の履歴を蓄積させることにより、より多くの楽曲を視聴することができるようになるので、遊技者の興味を引きつけ、より長時間遊技を続行する動機を遊技者に与えることができる。
楽曲再生手段502は、演出ボタン109などにより、遊技者から、特殊条件に基づいて増加された第1の種別の楽曲の選択可能候補を削減し、又は初期状態において選択可能な選択可能候補のみに戻すための指示を受け付けると、第1の種別の楽曲の選択可能候補を削減し、又は初期状態に戻してもよい。例えば、前述したように、遊技の結果の履歴などに応じて算出される遊技者のレベルが高くなるほど第1の種別の楽曲の選択可能候補が増加される場合において、演出ボタン109などによる操作を受け付けた場合、履歴格納手段の内容をクリアし、遊技者のレベルを初期値、例えばゼロに戻し、第1の種別の楽曲の選択可能候補を初期状態に戻してもよい。この場合であっても、第2の種別の楽曲の選択可能候補はそのまま維持され、削減したり初期状態に戻したりすることができないようにしてもよい。第2の種別の楽曲の選択可能候補を増加させるための特殊条件が、第1の種別の楽曲の選択可能候補のように遊技の結果や履歴などに基づくものではなく、時計手段により計時される時間又は期間に基づくものである場合、履歴格納手段の内容がクリアされても、第2の種別の楽曲の選択可能候補は変わらない。また、遊技に関するデータを遊技者ごとに保存するためのサーバが設けられている場合、楽曲再生手段502は、遊技者がサーバに保存されたデータを遊技機に設定するための操作を行った場合、サーバに保存されていた遊技者のレベルなどのデータを履歴格納手段に格納し、サーバに保存されていたデータに基づいて第1の種別の楽曲の選択可能候補を決定してもよい。遊技者が、サーバに保存されたデータを遊技機に設定するための操作も、第1の種別の楽曲の選択可能候補を削減又は初期化する操作も行わない場合、楽曲再生手段502は、履歴格納手段の内容をクリアせず、そのまま引き継いでもよい。すなわち、それまでの選択可能候補をそのまま引き継いでもよい。楽曲再生手段502は、電源投入時又はRAMクリアスイッチの押下時に、履歴格納手段の内容をクリアし、第1の種別の楽曲の選択可能候補を初期状態に戻してもよい。
楽曲再生手段502は、第1の種別の楽曲と第2の種別の楽曲の構成の異同にかかわらず、再生方法を異ならせることによって、第1の種別の楽曲は連続性を有するようにループ再生し、第2の種別の楽曲は連続性を有しないようにループ再生するようにしてもよい。例えば、楽曲再生手段502は、第1の種別の楽曲を再生する場合は、ループ再生終了箇所の直前の所定期間において、その再生に重畳するように、ループ再生開始箇所から再生を開始し、前者の音量を徐々に小さくするとともに、後者の音量を徐々に大きくしてもよい。楽曲再生手段502は、第2の種別の楽曲を再生する場合は、第1の種別の楽曲を再生する場合のようにフェードイン・フェードアウトの技法を使用せず、楽曲を末尾まで再生すると楽曲の先頭に戻って再生を継続してもよい。
楽曲再生手段502は、楽曲の再生を継続する予定の時間を算出し、算出した時間に応じて再生可能な楽曲を判定してもよい。特別遊技中に楽曲を再生する場合、楽曲の再生を継続する予定の時間は、特別遊技の継続予定時間であってもよい。特別遊技の継続予定時間は、単位遊技の最大継続時間と単位遊技の回数との積であってもよい。楽曲再生手段502は、楽曲の再生を継続する予定の時間に、楽曲の先頭又は遊技者により指示された再生開始箇所から楽曲の所定箇所までの再生が終了することを条件に、楽曲が再生可能か否かを判定してもよい。楽曲再生手段502は、再生すべき楽曲を自動的に決定する場合に、再生可能と判定した楽曲の中から所定の条件にしたがって楽曲を決定してもよい。楽曲
再生手段502は、楽曲選択画面を演出表示装置60に表示して遊技者から楽曲の選択指示を受け付けるときに、再生可能と判定した楽曲のみの選択指示を受け付けてもよい。
楽曲再生手段502は、楽曲の再生を継続する予定の時間に応じて再生開始箇所として選択可能な箇所を判定してもよい。楽曲再生手段502は、楽曲の再生を継続する予定の時間に、再生開始箇所から楽曲の所定箇所までの再生が終了することを条件に、再生開始箇所として選択可能か否かを判定してもよい。楽曲再生手段502は、再生開始箇所を自動的に決定する場合に、選択可能と判定した再生開始箇所の中から所定の条件にしたがって再生開始箇所を決定してもよい。楽曲再生手段502は、再生開始箇所選択画面を演出表示装置60に表示して遊技者から再生開始箇所の選択指示を受け付けるときに、選択可能と判定した再生開始箇所のみの選択指示を受け付けてもよい。
楽曲再生手段502は、楽曲の再生を継続する予定の時間に応じて、ループ再生開始箇所又はループ再生終了箇所を動的に設定してもよい。楽曲再生手段502は、ループ再生開始箇所又はループ再生終了箇所として設定可能な箇所を複数用意しておき、楽曲の再生を継続する予定の時間に、所定回数以上ループ再生期間を再生可能であることを条件に、複数の設定可能な箇所の中からループ再生開始箇所又はループ再生終了箇所を設定してもよい。
楽曲再生手段502は、楽曲の再生を継続する予定の時間に応じて、ループ再生期間を動的に設定してもよい。楽曲再生手段502は、例えば、図37に示した例において、(1)「1番のAメロ」〜「2番の間奏」、(2)「1番のAメロ」〜「1番の間奏」、(3)「1番のAメロ」「1番のサビ」「1番の間奏」など、異なる再生時間を有する複数のループ再生期間を用意しておき、楽曲の再生を継続する予定の時間に、所定回数以上ループ再生期間を再生可能であることを条件に、複数の設定可能なループ再生期間の中からループ再生期間を設定してもよい。本基本構成においては、図37に示したように、楽曲のデータ及び演出画像のデータを複数の部分に分割して格納しておくので、上記の(3)のように、「1番のAメロ」と「1番のサビ」の間の「1番のBメロ」を省略してループ再生するような場合であっても、そのようなループ再生期間に対応した楽曲及び演出画像のデータを別途格納しておく必要がないので、必要なデータの容量を低減することができる。
遊技に関するデータを遊技者ごとに保存するためのサーバが設けられている場合、楽曲再生手段502は、再生すべき楽曲又は再生開始箇所として指示された設定をサーバに記録してもよい。この場合、図示しないデータ管理手段は、遊技者がサーバに保存したデータをサーバから取得すると、取得したデータをRAMなどに格納する。楽曲再生手段502は、楽曲再生期間に楽曲の再生を開始するときに、以前に遊技者から指示された楽曲の種別又は再生開始箇所がRAMに記憶されていないか確認し、記憶されている場合は、その設定にしたがう。
図42は、楽曲を用いた演出の動作過程を示すフローチャートである。本図に示した動作過程は、基本的な動作過程と並行して、サブ基板300において実行される。楽曲再生手段502は、楽曲再生期間が開始されるときなど、楽曲の再生を開始するタイミングが到来すると(S1100のY)、再生すべき楽曲を決定し(S1102)、決定した楽曲の再生を開始する(S1104)。楽曲の再生を開始するタイミングではない場合(S1100のN)、S1102及びS1104をスキップする。楽曲再生手段502は、楽曲の再生中である場合(S1110のY)、楽曲再生中処理を実行する(S1112)。楽曲再生中処理の詳細は、図43を参照して後述する。楽曲の再生中ではない場合(S1110のN)、S1112をスキップする。楽曲再生手段502は、楽曲再生期間が終了したときなど、楽曲の再生を終了するタイミングが到来すると(S1120のY)、楽曲の
再生を停止する(S1122)。楽曲の再生を終了するタイミングではない場合(S1120のN)、S1122をスキップする。
図43は、図42におけるS1112の楽曲再生中処理を詳細に示すフローチャートである。楽曲再生手段502は、再生すべき楽曲を選択する指示を遊技者から受け付けると(S1150のY)、再生する楽曲を指示された楽曲に切り替える(S1152)。再生すべき楽曲を選択する指示を受け付けない場合(S1150のN)、S1152をスキップする。楽曲再生手段502は、再生すべき楽曲の再生開始箇所を選択する指示を遊技者から受け付けると(S1154のY)、指示された箇所に再生箇所を移動する(S1156)。再生開始箇所を選択する指示を受け付けない場合(S1154のN)、S1156をスキップする。つづいて、再生中の楽曲が第1の種別の楽曲である場合(S1160のY)、楽曲再生手段502は、ループ再生終了箇所に到達すると(S1162のY)、ループ再生開始箇所に再生箇所を戻す(S1164)。ループ再生終了箇所に到達していない場合(S1162のN)、S1164をスキップする。再生中の楽曲が第2の種別の楽曲である場合(S1160のN)、楽曲再生手段502は、楽曲の末尾に到達すると(S1166のY)、楽曲の先頭に再生箇所を戻す(S1168)。楽曲の末尾に到達していない場合(S1166のN)、S1168をスキップする。楽曲再生手段502は、楽曲のデータを楽曲データ格納手段504から読み出して再生し、楽曲の音声をスピーカ108に出力する(S1170)。
(第6基本構成)
本基本構成のぱちんこ遊技機は、2つの大入賞口を上下に隣接するダブルアタッカーとして備える点、特別遊技中の大入賞口の開放効率が高められた制御がなされる点などが第5基本構成と異なる。その他の構成や遊技方法は基本的に第5基本構成と共通するため、相違点を中心に説明し、共通点の説明は省略する。
本基本構成では、第1大入賞口および第2大入賞口が遊技領域における右下の領域に上下に隣接するように設けられている。第2始動入賞口の直下やや左寄りの位置に第1大入賞口が設けられ、その第1大入賞口の直下やや左寄りの位置に第2大入賞口が設けられている。したがって、その2つの大入賞口は、遊技領域の右側を狙って遊技球を比較的強めに発射したとき、いわゆる右打ちを行ったときに入球しやすくなる配置構成となっている。
第1大入賞口および第2大入賞口は、第1の遊技および第2の遊技の双方に対応する大入賞口として設けられる。すなわち、第1の遊技および第2の遊技において、第1大入賞口および第2大入賞口の双方が開放される。後述のように、2つの大入賞口が交互に連続的に開放されて賞球の払出効率(つまり出玉スピード)が高められる。その詳細については後述する。別の例においては、第1の遊技においては第1大入賞口のみが開放され、第2の遊技においては第1大入賞口および第2大入賞口の双方が開放されてもよい。この場合、第1大入賞口は、第1の遊技および第2の遊技の双方に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口は、第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。
図44は、大入賞口周辺の構成を示す模式図である。図44(a)に示すように、遊技領域の背面側には、第1大入賞口530につながる個別通路533aと、第2大入賞口531につながる個別通路533bとが並列に設けられている。個別通路533aと個別通路533bは、下流側にて合流する形で共用通路533cに接続されている。個別通路533aの上流側には入賞検出装置538が設けられ、下流側には排出検出装置534aが設けられている。排出検出装置534aは、第1大入賞口530からの遊技球の排出を検出するセンサであり、遊技球の通過時にその旨を示す第1遊技球排出情報を生成する。また、個別通路533bの上流側には入賞検出装置539が設けられ、下流側には排出検出
装置534bが設けられている。排出検出装置534bは、第2大入賞口531からの遊技球の排出を検出するセンサであり、遊技球の通過時にその旨を示す第2遊技球排出情報を生成する。
入球判定手段201は、第1遊技球排出情報を受け取ると第1大入賞口530からの遊技球の排出が完了したと判断し、第2遊技球排出情報を受け取ると第2大入賞口531からの遊技球の排出が完了したと判断する。大入賞口への入球から排出が完了するまでの時間が適正でない場合に、球詰まりや不正行為等によるエラーを判定するためのものである。本基本構成では、このような判定を行うために、大入賞口が閉じてからの排出待ち時間Δtを設定し、入球が検出されたにもかかわらず、その排出待ち時間Δt内に排出が検出されない場合にエラーと判定する。
なお、変形例においては、第1大入賞口530と第2大入賞口531に共用の排出検出装置を設けてもよい。すなわち、図44(b)に示すように、各個別通路には排出検出装置を設けず、共用通路533cに共用の排出検出装置534を設けるようにしてもよい。排出検出装置534は、第1大入賞口530または第2大入賞口531からの遊技球の排出を検出するセンサであり、遊技球の通過時にその旨を示す遊技球排出情報を生成する。入球判定手段201は、遊技球排出情報を受け取ると、いずれかの大入賞口から遊技球の排出が完了したと判断する。このように排出検出装置534を共用とすることで部品点数を抑え、コスト削減を図ることができる。
ただし、この構成においては、各入賞検出装置と排出検出装置534との位置関係が異なるため、排出待ち時間Δtとして同じ値を設定するのは好ましくない。また、排出検出装置534にて検出された遊技球が第1大入賞口530または第2大入賞口531のいずれに入球したものであるのかを判別する必要がある。そこで、各入賞検出装置と排出検出装置534との位置関係に基づき、各大入賞口についての排出待ち時間が設定される。すなわち、入賞検出装置538のほうが入賞検出装置539よりも排出通路533から離れた位置にあるため、第1大入賞口530についての排出待ち時間Δt1が、第2大入賞口531についての排出待ち時間Δt2よりも大きく設定される(Δt1>Δt2)。
また、第1大入賞口530の閉鎖直前に入球した遊技球が第2大入賞口531に入球したものと誤判定されないよう、各大入賞口、各入賞検出装置、排出検出装置534の位置関係、および各大入賞口の開閉速度が設定される。具体的には、第1大入賞口530の閉鎖直前に入球があり、かつ第2大入賞口531の開放直後に入球があったと想定した場合に、その第1大入賞口530へ入球した遊技球が排出検出装置534に検出された後に、第2大入賞口531に入球した遊技球が入賞検出装置539に検出されるような設計がなされる。
一方、本基本構成では、第2の遊技にて大当りが連続するいわゆる連荘状態となった場合、特別遊技中に表示される大当り演出をトータルとして短く終了できるよう演出表示制御が行われる。図45は、第2の遊技にて15R大当りとなった場合にその15R特別遊技中に表示される大当り演出の画面例を示す。
すなわち、第2の遊技にて15R大当りとなり15R特別遊技へ移行されると、本図(a)に示すように、その第1ラウンドにおいて開始デモ演出が表示される。図示の例では、「BATTLE CHANCE」という文字列により、バトル演出が開始されることが示されている。そして、第2ラウンド以降、本図(b)〜(d)に示すように、バトル演出が展開される。最終ラウンドの1つ手前の第14ラウンドでは勝敗結果、つまり確変状態への移行有無が報知される。そして、最終ラウンドである第15ラウンドにおいて終了デモ演出が表示される。図示の例では確変状態への移行が決定されているため、「CHA
NCE TIME」という文字列により、これから確変状態へ移行される旨が示されている。このように開始デモ演出を初回ラウンド、終了デモ演出を最終ラウンドにて行うことにより、大当り演出を短くすることができる。すなわち、大当り演出のために出玉(賞球)に直接関わらない時間が消費されることが抑制される。言い換えれば、そのような時間を無駄と認識する遊技者に不快感を与えることなく遊技を継続させることができる。大当り演出として、確変以外の時短、開放延長などの特定遊技状態へ移行されるか否かを示唆又は報知する演出が行われてもよい。
図46および図47は、特別遊技における大入賞口の開閉パターンと、演出表示装置に表示される演出表示との対応関係を例示するタイムチャートである。図46は大入賞口が1つしか設けられていない場合に15R特別遊技へ移行される場合を示し、図47は大入賞口が2つ設けられている場合に15R特別遊技へ移行される場合を示している。各図には上段から特別図柄(第1特別図柄51または第2特別図柄52)の変動状態、役物連続作動設定の状態、大入賞口(第1大入賞口530または第2大入賞口531)の開閉状態が示されている。各図の横軸は時間の経過を示している。なお、役物連続作動設定は、特別遊技による大入賞口の開閉作動が許可されるときにオンされ、特別遊技による大入賞口の開閉作動が禁止されるときにはオフにされるフラグの設定である。
図46に示すように、大入賞口が1つしか設けられていない場合に15R大当りになると、まず開始デモ演出が表示され、続いて第1ラウンドとともにラウンド演出が開始され、最終ラウンドの終了後に終了デモ演出が開始される。図示の例では、時刻t1にて図柄変動が開始され、時刻t2にて15R大当りであることを示す図柄が停止表示された後、15R特別遊技が開始されている。その15R特別遊技においては、まず開始デモ演出が表示され、その終了後の時刻t3から1回目の単位遊技(第1ラウンド:1R)が開始され、大入賞口の開放およびラウンド演出が開始されている。15R特別遊技においては単位遊技が上限回数(15回)に到るまで繰り返し実行される。ただし、先の単位遊技にて大入賞口が閉鎖されてから次の単位遊技にて大入賞口が開放されるまでのインターバル期間として上述した排出待ち時間Δt(本基本構成では2秒間)が設定され、その排出待ち時間Δtが経過するまでは大入賞口の閉鎖状態が維持される。このため、特別遊技の実行時間は、開始デモ演出の演出時間、単位遊技の合計時間、インターバル期間の合計時間(排出待ち時間Δt×14)、終了デモ演出の演出時間を合計したものとなる。
一方、図47に示すように、大入賞口が2つ設けられている場合に15R大当りになると、第1ラウンドを利用して開始デモ演出が表示され、その後に各ラウンド演出が表示され、最終ラウンドを利用して終了デモ演出が表示される。図示の例では、時刻t21にて図柄変動が開始され、時刻t22にて15R大当りであることを示す図柄が停止表示された後、15R特別遊技が開始されている。この15R特別遊技は、図示のように第1ラウンドの終了とともに第1大入賞口530が閉鎖されると同時に、第2大入賞口531が開放されて第2ラウンドが開始されるといった具合に、先のラウンドの大入賞口が閉鎖されると同時に次ラウンドの大入賞口が開放され、第1大入賞口530と第2大入賞口531とが交互に連続的に開放される。そして、大当り演出については、第1ラウンドを利用して開始デモ演出が表示され、第2ラウンドから第14ラウンドの各単位遊技において対応するラウンド演出が順次表示される。図47に示す時刻t22からt23の開始デモ演出の表示時間を、図46に示される時刻t2からt3の開始デモ演出の表示時間よりも極力短くするために、開始デモ演出の一部を第1ラウンドに表示させている。また、最終ラウンド(第15ラウンド)を利用して終了デモ演出が表示される。図47に示す時刻t30からt31の終了デモ演出の表示時間を、図46に示される時刻t10からt11の終了デモ演出の表示時間よりも極力短くするために、終了デモ演出の一部を最終ラウンドに表示させている。すなわち、開始デモ演出が初回のラウンドに組み込まれる一方、終了デモ演出が最終ラウンドに組み込まれ、さらにインターバル期間が実質的に設けられないため
、特別遊技の実行時間は単位遊技の合計時間となり、図46に示した場合よりも相当短くなっている。なお、図47に示す例では、開始デモ演出の終了タイミングと第1ラウンドの終了タイミングとが一致しているが、開始デモ演出を第1ラウンドの途中にて終了させてもよい。また、開始デモ演出を第1ラウンドと同時に開始させてもよい。一方、図示の例では、終了デモ演出の開始タイミングと第15ラウンドの開始タイミングとが一致しているが、終了デモ演出を第15ラウンドの途中から開始してもよい。また、終了デモ演出を第15ラウンドの途中で終了させてもよいし、第15ラウンドと同時に終了させてもよい。
すなわち、大入賞口が2つ設けられている場合に15R大当りが発生する場合には、その15R特別遊技のインターバル期間がなくなるため、特別遊技が速やかに終了する。一方、単位遊技における大入賞口の開放時間は確保されるため、出玉(賞球)には影響がない。言い換えれば、特別遊技において高い出玉スピードを実現でき、遊技者に爽快感を与えることが可能となる。特に第2の遊技では大当りが連続する連荘状態となりやすいため、その効果が顕著になる。すなわち、特別遊技後には時短へ移行されて入球容易状態となるため、第2始動入賞口12の入球容易性が格段に向上する。この入球容易となった第2始動入賞口12を狙って入球させることにより、大当りを早期に得られる可能性が高くなる。特に確変状態であれば当選確率も高くなるため、15R確変大当りを繰り返し発生させる連荘状態となりやすい。このような連荘状態においては多くの出玉を獲得することができるが、本基本構成では個々の特別遊技中の出玉を確保しつつ、特別遊技そのものは速やかに終了させることで、遊技者の爽快感をより一層高めることができる。なお、インターバル期間がなくなるとはいえ、第1大入賞口530および第2大入賞口531の入球に対する排出待ち時間Δtは、図示のように、次ラウンドのラウンド演出または終了デモ演出の期間において確保される。すなわち、先の単位遊技の終了とともに閉鎖された大入賞口への遊技球の入球および排出の残余の検出処理と、後の単位遊技に開放された大入賞口への遊技球の入球および排出の処理とが並行して実行される。このため、大入賞口への入球処理について問題が生じることはない。なお、変形例においては、特別遊技の単位遊技間に微小なインターバル期間が設けられてもよい。このインターバル期間は、Δtよりも短い時間であってもよい。
以上、第6基本構成について説明したが、具体的構成については種々の変形例に置き換えることもできる。例えば、本基本構成では第2の遊技にて15R特別遊技へ移行された場合に、図47に示したように複数の大入賞口を交互に開放させてトータルの開放効率を向上させる制御を行う例を示した。変形例においては、遊技状態に応じて大入賞口の開放効率を向上させる制御を行うようにしてもよい。具体的には、確変状態および時短状態の少なくとも一方から15R特別遊技へ移行された場合に、図47に示したように大入賞口の開放効率を向上させる制御を行うようにしてもよい。あるいは、少なくとも確変状態であることを図47の制御を実行する条件とし、確変状態ではなく時短状態である場合には、図46に示した通常の制御を実行するようにしてもよい。このように構成することで、「確変大当りの連荘が爽快である」との印象を遊技者に与えることができ、他の遊技機との差別化を図ることができる。
あるいは、第1の遊技および第2の遊技のいずれから15R特別遊技へ移行されたか、どの遊技状態から15R特別遊技へ移行されたにかかわらず、図47の制御を実行するようにしてもよい。また、本基本構成においては15R特別遊技へ移行される場合を対象に図47の制御を実行する例を示したが、特別遊技のラウンド数にかかわらず、同様の制御を実行するようにしてもよい。このように構成することで、総じて「出玉スピードが高くて爽快である」との印象を遊技者に与えることができ、他の遊技機との差別化を図ることができる。
また、本基本構成においては、遊技領域の右下方に第1大入賞口530と第2大入賞口531を上下に配置し、第1大入賞口530を第1の遊技および第2の遊技の双方に対応する大入賞口とし、第2大入賞口531を第2の遊技に対応する大入賞口とした。すなわち、第2の遊技においては第1大入賞口530および第2大入賞口531の双方を交互に開放するようにした。変形例においては、これら第1大入賞口530および第2大入賞口531の双方を第2の遊技に対応する大入賞口とし、第1の遊技に対応する大入賞口を別途設けるようにしてもよい。この第1の遊技に対応する大入賞口は、遊技領域の中央下に配置してもよい。そして、第2の遊技についてのみ、15R特別遊技において上下2つの大入賞口を交互に連続に開放するようにしてもよい。その場合、入賞検出装置についても上下の大入賞口に共用としてもよい。具体的には、図44(b)に示す構成において入賞検出装置538を省略し、入賞検出装置539を共用通路533cにおける排出検出装置534の上流側に設け、その入賞検出装置539を共用としてもよい。特定遊技状態においては第2始動入賞口12の入球容易性が向上されることから、その上下2つの大入賞口に向けて右打ちがなされると想定される。すなわち、第2の遊技において連荘を狙う遊技になると想定されるため、その第2の遊技に対応する大入賞口をダブルアタッカーとすることで、連荘中の大入賞口の開放効率を向上させるという趣旨に沿ったものとなる。
また、本基本構成においては、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が2つ混在する複合機について説明したが、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が一つのみ備えられた遊技機に2つの大入賞口を設け、特別遊技においてそれらの大入賞口を交互に連続的に開放させるようにしてもよい。逆に、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が3つ以上混在する遊技機に複数(例えば3つ以上)の大入賞口を設け、特別遊技においてその複数の大入賞口を順次連続的に開放させるようにしてもよい。
また、本基本構成において特に述べなかったが、特定遊技への移行有無を煽るバトル演出等を特別遊技中の大当り演出としてのみ表示させるようにしてもよい。すなわち、通常遊技や小当り遊技などの一般遊技中には当否抽選の結果を示すために最低限必要な図柄変動の時間を確保し、遊技者の期待感を煽るために比較的長時間を要する演出については、特別遊技のラウンド消化とともに表示させるようにしてもよい。具体的には、特定遊技中にリーチ変動パターンを選択対象とするとしても、変動時間のごく短いノーマルリーチの変動パターンのみを対象するようにしてもよい。あるいは、リーチなしの変動パターンのみを選択対象とするなど、特定遊技中は図柄が揃うか否かを遊技者に伝えるのみの簡素な図柄変動演出を設定するようにしてもよい。このようにすることで、連荘状態における図柄変動期間を少なくしてより高い出玉スピードを実現でき、遊技者により高い爽快感を与えることができる。
以上説明したように、本基本構成においては、2つの大入賞口が交互に連続的に開放されることにより出玉スピードが高められ、あるいは、特別遊技中に表示される大当り演出をトータルとして短く終了できるよう演出表示制御が行われる結果、特別遊技の継続時間が比較的短くなり、楽曲の再生時間が短くなることがあるが、第5基本構成において説明したように、遊技者が楽曲の再生開始箇所を選択することを可能とするので、再生すべき楽曲の再生時間が特別遊技の継続時間よりも長いために楽曲の先頭から再生を開始した場合には特別遊技中に再生されない部分を遊技者が視聴したいと希望した場合であっても、その部分を特別遊技中に再生することができる。これにより、遊技者の利便性を向上させることができるとともに、演出の効果をより高めることができる。
(実施例)
本実施例は、上記の各基本構成を原則として含むものとし、これら基本構成と相違する特徴を中心に以下説明する。本実施例における時計同調演出は、通常遊技中も特別遊技中も実行され得るものであり、特に通常遊技中に実行される時計同調演出と特別遊技中に実
行される時計同調演出とでは示唆する利益が異なり得る。また、時計同調演出の種類は多岐にわたり、実行契機の違いによって実行される時計同調演出の種類および内容も異なる。
図48は、遊技店の遊技島に設置された複数の遊技台を模式的に示す図である。本図では複数の遊技台として、右から左へ向かって第1のぱちんこ遊技機100a、第2のぱちんこ遊技機100b、第3のぱちんこ遊技機100c、第4のぱちんこ遊技機100dが設置されている状態が示される。ここで、各台ともに演出表示装置60がメイン演出表示装置60aとサブ演出表示装置60bとを含んで構成される。メイン演出表示装置60aは「メイン液晶」とも呼ばれる演出表示装置であり、サブ演出表示装置60bは「サブ液晶」とも呼ばれる演出表示装置である。近年、遊技機の略中央にメイン演出表示装置60aを設けるだけでなく、演出効果を高めるために補助的にサブ演出表示装置60bを設けることがある。メイン演出表示装置60aの表示に関連した演出内容をサブ演出表示装置60bに表示することで、メイン液晶とサブ液晶の双方を組み合わせた演出表示が実現される。本図の例では、サブ演出表示装置60bの表示画面がメイン演出表示装置60aの表示画面より小さな表示領域を有するよう構成されるが、変形例としては同等または同等以上のサイズの表示領域であってもよい。また、サブ演出表示装置60bは可動式に構成され、本図ではメイン演出表示装置60aの下方からメイン演出表示装置60aの下部に一部が重畳するよう移動する構成を例示する。ただし変形例としては、サブ演出表示装置60bがメイン演出表示装置60aの右方または左方からメイン演出表示装置60aに重畳する位置へ移動するよう構成されてもよい。あるいは、サブ演出表示装置60bがメイン演出表示装置60aの上下左右のいずれかに固定的に設置される構成であってもよい。
本実施例の時計同調演出には複数台同期演出と個別展開演出とがあり、それぞれ異なる契機で実行される。本図では複数台同期演出について説明し、個別展開演出については次図で説明する。
[複数台同期演出]
複数台同期演出は、遊技店における同じ遊技島または通路を挟んだ両側の遊技島に隣接して設置された複数の遊技台で並行して実行する演出である。すなわち、複数種類の第1演出のうち同じ種類の第1演出を複数の遊技台で並行して表示しつつ遊技台ごとに共通の演出過程が表示される演出である。例えば複数台で一斉に同じ映像を同時並行的に表示する演出や一斉に同じ楽曲を同時並行的に再生する演出が含まれる。複数台同期演出は、その導入部分として表示される準備演出と、準備演出の後に主要部分として表示される本演出と、で構成される。すなわち、現在時刻が所定の第1の時刻となったことを契機とする所定タイミングにて複数台同期演出の準備演出を開始し、その準備演出の終了に続いて複数台同期演出の本演出を開始する。したがって、複数台同期演出における準備演出と本演出は互いに演出実行期間が重複しない。ただし、変形例として準備演出の最後と本演出の冒頭が部分的に重複するように構成してもよい。第1の時刻は、例えば毎正時であってもよいし、毎正時から準備演出の所要時間を遡った時刻でもよい。
本図(a)においては複数台同期演出における準備演出を模式的に示す。この準備演出は、例えば隣接して設置された複数の遊技台で並行して本演出の開始に向けた同じカウントダウン映像を一斉に表示する演出である。図示するように、第1のぱちんこ遊技機100aから第4のぱちんこ遊技機100dまですべてのメイン演出表示装置60aに本演出の開始が近いことを示す「開始まであと」の文字列を同時並行的に表示する。また、サブ演出表示装置60bに本演出の開始までの残り時間として「36秒」の文字列を同時並行的に表示する。このとき、複数台同期演出の実行タイミングと装飾図柄61の変動表示タイミングは同期しておらず、各遊技台の個別の遊技状況に応じて装飾図柄61が変動表示中の遊技台と変動停止中の遊技台が混在する。装飾図柄61の変動表示はリーチ変動演出
中と同様に縮小してサブ演出表示装置60bに表示するが、変形例として、装飾図柄61の縮小変動表示をメイン演出表示装置60aへ表示する構成としてもよい。別の変形例として、複数台同期演出の準備演出をメイン演出表示装置60aのみに表示して装飾図柄61をサブ演出表示装置60bに表示する構成としてもよいし、複数台同期演出の準備演出をサブ演出表示装置60bのみに表示して装飾図柄61をメイン演出表示装置60aに表示する構成としてもよい。
本図(b)においては複数台同期演出における本演出を模式的に示す。この本演出は、複数台で一斉に同じ映像や楽曲または音声を同時並行的に出力する演出であり、スピーカ108で出力する音声のみによって演出内容を表現する音声演出、メイン演出表示装置60aに表示させるメイン演出、サブ演出表示装置60bに表示させるサブ演出を含む。この本演出は、音声演出、メイン演出、サブ演出の順で実行される一連の演出として構成される。
音声演出は、例えば後続の演出内容を説明するアナウンス音声のみで表現する内容や、メイン演出表示装置60a、サブ演出表示装置60bへの画像表示を伴わずに楽曲再生のみで表現する内容で構成される。音声演出が実行される場合、メイン演出表示装置60aやサブ演出表示装置60bで表示される演出に伴う音声に優先して音声演出としての音声がスピーカ108から出力される。音声演出を優先する手法として、他の演出の音声、例えば通常の予告演出で出力される音声の音量を小さくするなどの制御によって音声演出を聞き取りやすくする。メイン演出は、音声演出の終了後に実行され、例えばメイン演出表示装置60aに表示させる楽曲演奏場面や歌唱場面の映像およびスピーカ108で出力する楽曲等の音声で構成される。本図(b)は特にメイン演出を模式的に示しており、メイン演出表示装置60aでメイン演出が表示される間、サブ演出表示装置60bでは各遊技台の個別の遊技状況に応じて装飾図柄61が変動表示中の遊技台と変動停止中の遊技台が混在する。メイン演出においては、サブ演出表示装置60bで表示される演出に伴う音声に優先してメイン演出としての音声がスピーカ108から出力される。サブ演出は、例えばメイン演出の終了後の締めくくりとしてサブ演出表示装置60bに表示させる内容であって、メイン演出が終了したことや次の機会に実行される複数台同期演出の内容を説明する内容である。サブ演出の間はすでに装飾図柄61の変動表示はサブ演出表示装置60bでの表示からメイン演出表示装置60aでの表示に戻されている。サブ演出においても、サブ演出に伴う音声に優先してメイン演出表示装置60aで表示される演出に伴う音声がスピーカ108から出力されるが、変形例としてはサブ演出としての音声を優先的にスピーカ108から出力させてもよい。
メイン演出として表示する映像や出力する楽曲の候補は複数種類が用意されるが、そのうち演出決定手段303が選択できる候補の対象は一部の種類に限定されてもよい。その場合、選択できる対象を定期的に拡大するために、例えば解禁条件として「1週間」といった期間を設定しておき、その経過期間が過ぎるたびに選択できる対象に1種類ずつ追加してもよい。あるいは、第1の解禁条件としての経過期間が過ぎるまで第1の楽曲のみが選択でき、第1の解禁条件としての経過期間が過ぎたときに第1の楽曲と異なる第2の楽曲のみが選択できるように切り替えることとしてもよい。さらに第2の解禁条件としての経過期間が過ぎたときに第1の楽曲と第2の楽曲の双方とも選択できるように切り替えることとしてもよい。ただし、メイン演出のみにこの解禁条件が適用されるとともに、音声演出およびサブ演出は日ごとに別の演出に切り替えられることとしてもよい。
[個別展開演出]
図49は、遊技店の遊技島に設置された複数の遊技台で個別展開演出を実行する状態を模式的に示す図である。個別展開演出は、複数種類の演出内容のうち同じ種類の演出内容を複数の遊技台で並行して表示しつつ遊技台ごとに異なる演出過程が表示され得る演出で
ある。また、複数台同期演出として用意される複数種類の第1演出のいずれとも演出内容が異なる複数種類の第2演出を複数の遊技台で並行して表示しつつ遊技台ごとに異なる演出過程が表示され得る演出である。例えば、第2演出として複数種類のミニゲームが用意され、隣接して設置された複数の遊技台で同じ種類のミニゲーム演出が個別展開演出の期間において実行される。その一方、ミニゲームによって得られる演出表示の結果(例えば勝敗や得点)が遊技台によって異なる。ミニゲームとしては、例えばスポーツやレースなどの競技を模した演出や、くじ引き、クイズ、カード遊びなどのゲームを模した演出などがある。個別展開演出の種類には、演出ボタン109や十字キー110の押下といった、遊技者によるボタン操作を伴う演出種類とボタン操作を伴わない演出種類とがあってもよく、ボタン操作を伴う演出にも操作頻度が異なる複数の演出種類があってもよい。ボタン操作を伴う個別展開演出を実行する場合、その間に並行して選択され得る予告演出としては、ボタン操作を伴う予告演出の選択を回避するか、ボタン操作を伴わない予告演出の出現率を個別展開演出の非実行時と比べて高めておくことが好ましい。また、ボタン操作を伴わない個別展開演出の場合、付与する得点の大きさを決定するにあたって遊技者の操作が関与しない代わりに、後述する遊技台識別情報に基づいて付与する得点を決定する仕様としてもよい。また、後述する演出カスタマイズの内容に応じて個別展開演出の内容を決定してもよい。
個別展開演出は、その導入部分として表示される準備演出と、準備演出の後に主要部分として表示される本演出と、で構成される。現在時刻が所定の第2の時刻となったことを契機とする所定タイミングにて個別展開演出の準備演出を開始し、その準備演出の終了に続いて個別展開演出の本演出を開始する。したがって、個別展開演出における準備演出と本演出は互いに演出実行期間が重複せず、また複数台同期演出と個別展開演出もまた互いに演出実行期間が重複しない。例えば、個別展開演出として複数種類のミニゲームのうちいずれかが実行されるが、実行のたびに前回とは異なる種類のミニゲームが実行される。なお、変形例として個別展開演出における準備演出の最後と本演出の冒頭が部分的に重複するように構成してもよい。第2の時刻は、例えば毎正時半(毎正時の30分後)であってもよいし、毎正時半から準備演出の所要時間を遡った時刻でもよく、少なくとも上記の第1の時刻とは異なる時刻である。
本図(a)は個別展開演出における準備演出を模式的に示す。この準備演出は、台間移動演出として表示される。台間移動演出は、遊技台ごとに設定された演出順序に応じたタイミングで演出の少なくとも一部を実行することにより、所定の移動演出オブジェクトが複数の遊技台の演出表示装置60をその演出順序にしたがって移動するように見せる演出である。移動演出オブジェクト540は、隣接する複数の遊技台の演出表示装置60の画面にまたがる大きさの演出オブジェクトであって同時に2台以上の演出表示装置60の画面に表示されるタイミングもあり、画面水平方向にて右から左または左から右の方向へ流れるように表示される。本図(a)の例では、移動演出オブジェクト540として「バトル開始」の文字列が右の遊技台である第1のぱちんこ遊技機100aから左の遊技台である第4のぱちんこ遊技機100dに向けて水平方向に移動する。なお、移動演出オブジェクト540は、例えば人物や動物などの特定のキャラクタや特定の図形を象った絵柄で構成される一つのオブジェクトまたは複数のオブジェクトの集合であってもよく、また、移動演出オブジェクト540は複数の遊技台にまたがるほどの大きさでなくともよい。
本図(b)は個別展開演出における本演出を模式的に示す。この本演出は、遊技台ごとに演出過程を経て表示された結果に応じて演出上の利益を遊技者に付与するミニゲームの演出である。ここでいう演出上の利益は、入賞口への入賞に応じて付与される賞球、大当り、確変、時短といった、遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益である。例えば、ミニゲームの結果としてゲームの得点
を遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
[台間移動演出の設定]
図50は、本実施例におけるサブ基板300の構成を示す機能ブロック図である。サブ基板300は、演出設定手段508を含む。演出設定手段508は、台間移動演出における当該遊技台の演出順序およびその移動範囲を特定するための識別情報を保持する。電源投入時に遊技店員により演出ボタン109または十字キー110などの操作入力手段を用いた特定の操作がなされた場合に、演出設定手段508は台間移動演出の設定画面を演出表示装置60に表示させ、遊技店員による識別情報の入力を受け付ける。設定画面では、台間移動演出における当該遊技台の演出順序が何番目であるかを示す遊技台識別情報の入力を受け付ける。遊技台識別情報は、遊技島における遊技台の位置を示すいわば位置情報として用いられる。例えば、遊技島の片側にある一列において当該遊技台が端から3番目に設置されている場合、番号「3」を示す遊技台識別情報を遊技店員が入力できる。このように遊技台ごとに端から番号「1」「2」「3」のように順番に遊技台識別情報を入力することで、その遊技台識別情報に示される番号の順序で移動演出オブジェクト540が表示される。なお、操作入力手段の変形例として、ぱちんこ遊技機100の背面側に設けるディップスイッチを用いて演出順序や移動範囲等の設定を可能としてもよい。
設定画面では、さらに台間移動演出における移動演出オブジェクト540の移動範囲、すなわち演出順序の範囲ないし演出が実行される遊技台の範囲となる遊技台の数を示す移動範囲識別情報の入力を受け付ける。例えば、一つの列に設置された複数の遊技台の数でもよいし、通路を挟んで対面する二つの列に設置された複数の遊技台の数でもよい。移動範囲識別情報は、その移動範囲内にあるすべての遊技台についても共通の値としてそれぞれの遊技台に設定しておく。対面する二つの列に設置された複数の遊技台を移動範囲とする場合、その移動範囲を周回するように移動演出オブジェクト540を移動させる演出としてもよく、複数周にわたってその移動範囲を周回させてもよい。例えば、一つの列に設置された4台の遊技台に対して右端から順に遊技台識別情報が「1」「2」「3」「4」と設定されている場合を想定する。この場合、これらの遊技台に共通の移動範囲識別情報として「4」と設定することにより、右から左へ4台分にわたって台間移動演出を実行した後、再び遊技台識別情報「1」の遊技台から台間移動演出が再開される、といった移動を実現できる。変形例では、移動範囲の設定が不要となる仕様として、移動範囲を示す上限値があらかじめ定められていてもよい。このように遊技台識別情報と移動範囲識別情報により、台間移動演出のトータルの演出時間や演出終期としての演出順序の上限値などが定まる。また、設定画面では、台間移動演出の始点や終点となる遊技台の番号の入力を受け付けてもよいし、移動演出オブジェクト540の移動方向を示す値の入力を受け付けてもよい。台間移動演出の始点や終点は日時に応じて変更されるように設定してもよい。さらに、台間移動演出における移動演出オブジェクト540の周回数や、移動方向の反転の有無の入力を受け付けてもよい。
演出決定手段303は、あらかじめ登録された遊技台識別情報および移動範囲識別情報等の設定に基づいて台間移動演出の演出順序およびその移動範囲を特定するとともに、その特定した演出順序に応じたタイミングで台間移動演出の少なくとも一部を実行する決定をする。すなわち、移動演出オブジェクト540が移動する演出を複数の隣接した遊技台
において順番に実行する場合、遊技台ごとにその実行タイミングが異なることとなる。したがって、台間移動演出の一部を構成する移動演出オブジェクト540の移動場面を遊技台ごとにそれぞれの演出順序に基づいて定められるタイミングにて表示する。例えば、複数の遊技台をまたがるように移動演出オブジェクト540が所定の一定速度で横切るものと仮定する。その上で、ある遊技台において画面右端より移動演出オブジェクト540が移動開始して隣の遊技台の画面右端に差し掛かるまでa秒を要する場合、遊技台ごとの移動演出オブジェクト540の移動表示開始タイミングは、台間移動演出を開始する時刻bにa秒×(演出順序−1)を足した時刻となる。なお、台間移動演出の実行中において保留された抽選値のいずれかが大当りに該当することが事前判定で判明した場合、台間移動演出の実行状況に応じて定まる所定タイミングで、後述する特殊時計同調演出に切り替えてもよい。逆に、大当りに該当する抽選値に対応する図柄変動の表示中または保留された抽選値のいずれかが大当りに該当することが事前判定で判明している状況下で台間移動演出を実行する契機となった場合、その遊技台における台間移動演出の部分的な演出実行タイミングにて後述する特殊時計同調演出を実行する。
[特殊時計同調演出]
演出決定手段303は、所定の遊技上の利益付与が予定されている状況下では、その遊技上の利益付与が予定されていない状況下でなされる通常の時計同調演出の演出内容とは部分的に外観上の差異がある特殊時計同調演出を時計同調演出として表示させる決定をすることができる。本実施例における特殊時計同調演出は第1基本構成において説明した特殊時計同調演出とおおむね同様であるが、本実施例では通常遊技中に大当りが保留されているなどの遊技上の利益付与が予定されている状況下だけでなく、特別遊技中に遊技上の利益付与が予定されている状況下にも実行される。すなわち、時計同調演出は遊技状態にかかわらず実行でき、通常遊技中に特殊時計同調演出を実行する場合に遊技者に示唆する利益種別と特別遊技中に特殊時計同調演出を実行する場合に遊技者に示唆する利益種別とが異なり得るよう構成される。例えば、特別遊技中において、保留抽選値のいずれかが大当りに該当していわゆる連チャンが確定している状況、第2〜4基本構成のように現在の特別遊技の単位遊技数が事後的に増加したように見せる報知の実行が決定されている状況、特別遊技後の遊技状態が確変状態へ事後的に昇格する旨の報知の実行が決定されている状況などである。ここで、通常遊技中に特殊時計同調演出を実行するのは、表示中の図柄変動に係る抽選値が大当りを示す場合、または、現在保留中の抽選値の中に大当りを示すものが含まれている場合である。したがって、これらの特殊時計同調演出は、大当りとなって特別遊技への移行が予定されていることを示唆ないし報知する役割を持つ。特別遊技中に実行する特殊時計同調演出は、遊技機の機種によって以下の(1)〜(4)のような役割を果たす。(1)確変の機能を搭載する機種であって特別遊技への移行前に確変有無の確定的な報知をしない機種の場合、特別遊技中に実行する特殊時計同調演出は、確変無しから確変有りへ昇格したかのごとく演出する確変昇格演出のようにその大当りが確変を伴うことを確定的に報知する役割を持つ。(2)時短の機能を搭載する機種であって特別遊技への移行前に時短有無の確定的な報知をしない機種の場合、時短付与演出としてその大当りが時短を伴うことを確定的に報知する役割を持つ。(3)第4基本構成にいう継続演出(いわゆるラウンドアップボーナスとも呼ばれる)の機能を搭載する機種の場合、所定ラウンドの単位遊技中に実行される特殊時計同調演出は、それ以降における継続演出の成功を確定的に報知する役割を持つ。(4)実行中の特別遊技の終了後に図柄変動予定の保留抽選値(特別遊技開始時点で保留されていた抽選値および特別遊技中に保留された抽選値)に大当りを示す抽選値が含まれていて再度の大当りが確定している状況の場合、特別遊技中に実行される特殊時計同調演出は、再度の大当り発生を確定的に報知する役割を持つ。この場合、実行中の特定遊技を含めて少なくとも2回分の特別遊技が実行されることを確定的に報知するともいえる。なお、第4基本構成にいう「継続演出の表示を伴わない通常特別遊技」における時計同調演出は、演出表示装置60の画面隅に縮小表示されたりサブ演出表示装置60bで表示されたりするのではなく、メイン演出表示装置60aで
優先的に表示される。一方、第4基本構成にいう「継続演出の表示を伴う特殊特別遊技」における時計同調演出では、逆に、メイン演出表示装置60aでの優先的な演出ではなく、画面隅に縮小表示されたりサブ演出表示装置60bで表示されたり、あるいは表示そのものが省略されたりする、優先度の低い演出とされる。これは、継続演出や継続演出での成功を示唆する演出において期待感を煽る演出の実効性を高めることが好ましいためである。
演出決定手段303は、特殊時計同調演出を表示させる決定をした場合、その特殊時計同調演出として、個別展開演出であるミニゲームにおいて付与される演出上の利益が通常において付与される演出上の利益の範囲を超える変更を加えた演出を表示させる決定をする。例えば、通常の時計同調演出としてのミニゲームの結果では0〜99点の2桁範囲でしか得点を付与しないところ、特殊時計同調演出としてのミニゲームの結果では100点以上という3桁範囲の高得点を付与するように変化させることにより、演出内容において部分的に外観上の差異が生じるようにする。
その他の部分的な外観上の差異としては、例えば時計同調演出としてカウントダウンを表示する場合にそのカウントダウンを途中で停止することにより外観上の差異を生む特殊時計同調演出としてもよい。また例えば、時計同調演出として台間移動演出を実行する場合にその移動演出オブジェクトをその遊技台の画面では停止表示させることにより外観上の差異を生む特殊時計同調演出としてもよい。
[携帯連携システム]
図51は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末554で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ558にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ558の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード550を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ558の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段508が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技や演出に関する履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段508がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。また、時計同調演出の実行中に特別遊技へ移行した場合は、時計同調演出の実行中でないときに特別遊技へ移行するよりも高い得点を付与する。ミニゲームの得点もまた演出上の特典ないし演出得点履歴として記録される。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段508は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示
に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段508は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード550を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード550を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード552を復号することにより情報を取得して携帯端末554に蓄積できる。またその情報は携帯端末554から専用サイトのある遊技履歴サーバ558へネットワーク556を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード550の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末554へ伝達され、遊技履歴サーバ558にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増えるだけでなく、時計同調演出を実行すべき時刻が何度も訪れることにより個別展開演出であるミニゲームの実行機会も増やすことができ、その分、得点を得ることができる。また、時計同調演出のときに遊技上の利益付与が予定される状況が重なれば、特殊時計同調演出としてのミニゲームによって高得点が得られる可能性がある。
[履歴通知演出]
二次元コード550の表示による遊技者の携帯端末554への特典または遊技履歴の付与は、ミニゲーム以外の演出においても実施される。例えば、演出決定手段303は、時計同調演出が行われていない状態において、大当り期待度の高いスーパーリーチなどの所定種類の演出を実行する場合にその旨を示す履歴情報を符号化した二次元コード550を表示させる履歴通知演出の実行を決定し得る。履歴通知演出は、スーパーリーチなどの特定の演出の実行中または実行直後に図51のような二次元コード550をメイン演出表示装置60aまたはサブ演出表示装置60bの画面へ表示する演出である。ただし、履歴通知演出の実行はスーパーリーチに必ずしも不可欠ではなく、またメイン演出表示装置60aに時計同調演出を表示してサブ演出表示装置60bに履歴通知演出を表示するとしてもサブ演出表示装置60bにおける装飾図柄61の変動表示を干渉してしまう。さらに、演出上の重要度は相対的に低いため、本実施例では特に時計同調演出が実行される間、履歴通知演出は後述する演出頻度調整の対象とする。
[内容案内演出]
図52は、内容案内演出の表示例を模式的に示す図である。演出決定手段303は、大当り期待度の高いスーパーリーチなどの所定種類の演出を実行する決定をした場合にその演出の種類および期待度を示す案内をその種類および期待度に応じた態様で表示する内容案内演出を実行するか否かを決定し得る。近年、演出の種類が多岐にわたるため、遊技者によっては目の前で実行されている演出の種類がどの程度の大当り期待度を示唆する種類であるのか把握できない場合がある。内容案内演出は、演出種類およびその大当り期待度を遊技者にわかりやすい形で演出前、演出中、または演出後に案内するために、演出種類およびその大当り期待度を示す案内表示560をメイン演出表示装置60aの画面の所定位置に表示する演出手法である。本図の案内表示560の例では、吹き出しの形をした文字枠で囲まれた文字列で演出名を表示した上で、大当り期待度のランクを文字やマーク、色などで示す。例えば演出名を示す「ルーレットリーチです」の文字列とともに、大当り期待度の高さを星マークの数で表す。内容案内演出を用いて説明する演出が、相対的に期待度の高い演出であった場合は、案内表示560を表示して消去した後、その案内表示560を縮小させたマークである案内表示マーク560aをメイン演出表示装置60aの画面右下に残存させる。相対的に期待度の高い演出に関する案内表示560を表示するたび
に案内表示マーク560aをメイン演出表示装置60aの画面右下に蓄積していく。蓄積された案内表示マーク560aは、大当り発生時または所定時間経過後に消去される。一方、相対的に期待度の低い演出であった場合は、案内表示560を表示して消去するときに、案内表示マーク560aは残されない。また、相対的に期待度の高い演出に関する案内表示560の方が、相対的に期待度の低い演出に関する案内表示560よりも表示時間が長い。なお、内容案内演出の実行はスーパーリーチ等の演出に必ずしも不可欠ではなく、また演出上の重要度は相対的に低いため、本実施例では特に時計同調演出が実行される間、内容案内演出は後述する演出頻度調整の対象とする。
[演出頻度調整]
演出決定手段303は、時計同調演出の実行中は、特別遊技への移行期待度を示唆する履歴通知演出および内容案内演出の実行確率を時計同調演出の実行中以外の場合より低い確率へ切り替える。演出決定手段303は、履歴通知演出および内容案内演出の実行有無を通常時には通常のテーブルを参照して決定し、時計同調演出の実行中は通常のテーブルより実行確率にて実行有無が定められた所定のテーブルを参照して決定する。ただし、変形例としては、時計同調演出の実行有無にかかわらず同じテーブルを参照して決定しつつ、時計同調演出の実行時には履歴通知演出および内容案内演出の実行が決定されてもこれをキャンセルすることとしてもよい。なお、変形例においては、時計同調演出の実行中は内容案内演出を実行する対象となる演出候補数を大当り期待度が特に高い特定の演出に絞り込むことによって内容案内演出の実行確率を低く抑えてもよい。
本実施例では演出頻度調整の対象として履歴通知演出および内容案内演出を例示したが、これらの演出以外の演出についても時計同調演出の実行時に抑制してもよい。あるいは、演出の実行頻度そのものを調整する代わりに、保留された抽選値をその抽選値に対応する図柄変動の開始前に事前判定する、いわゆる先読みの実行を抑制することによって演出の実行頻度を抑制してもよい。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
上記の実施例においては、時計同調演出の実行中は時計同調演出の表示が優先されて図柄変動はメイン演出表示装置60aの画面右下隅またはサブ演出表示装置60bに移動されて他の演出の出現が抑制される。また、時計同調演出の実行中は演出頻度調整がなされる。そのため、二次元コードによる遊技者への得点の付与機会が減り、通常時と比べて相対的に得点が溜まりにくくなり得る。その結果、時計同調演出中にポイント獲得が阻害されるのを嫌って遊技者が打ち出し停止してしまうことも考えられる。そこで、変形例においては、時計同調演出中に大当りや特殊時計同調演出が発生した場合には、通常時に特定の演出パターンが出現する場合よりも多くの得点を付与することとしてもよい。これにより、時計同調演出中に遊技者が打ち出し停止してしまうのを減らして遊技を促進することができる。
上記の実施例においては、第1の抽選および第2の抽選の双方の当否判定結果を事前判定結果としてメイン基板200からサブ基板300へ送信する例を説明した。変形例としては、第1の抽選または第2の抽選のいずれかの当否判定結果のみを事前判定結果としてメイン基板200からサブ基板300へ送信する構成としてもよい。
本明細書または特許請求の範囲において、「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲー
ト」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
本明細書または特許請求の範囲にいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウエア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウエア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
本明細書または特許請求の範囲において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
演出表示装置は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。
演出表示装置は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。
演出表示装置は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、遊技盤上の7セグメントLEDにて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
60 演出表示装置、 80 遊技盤、 81 遊技領域、 220 当否判定手段、
230 変動パターン決定手段、 240 保留制御手段、 303 演出決定手段、
305 演出表示制御手段、 307 時計手段、 508 演出設定手段、 540
移動演出オブジェクト。

Claims (1)

  1. 通常遊技にて遊技者に有利な特別遊技の実行可否を判定する当否判定手段と、
    特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    遊技者が操作可能な操作入力手段と、
    演出的な内容が表示される演出表示装置と、
    楽曲を出力可能なスピーカと、を備え、
    遊技者による操作入力手段の操作に基づき、スピーカから出力される楽曲を選択可能であり、
    特別遊技の種類として、第1特別遊技と、第1特別遊技よりも有利度合いが高い第2特別遊技を有し、
    第2特別遊技の実行中においては、遊技者による操作入力手段の操作に基づいた楽曲の選択が可能であるが、第1特別遊技の実行中においては、遊技者による操作入力手段の操作に基づいた楽曲の選択が不可能であるよう構成されており、
    遊技者による操作入力手段の操作に基づき選択された楽曲の再生が所定のループ再生終了箇所に到達すると、所定のループ再生箇所へ戻って楽曲の再生を継続することにより、同一の楽曲をループ再生可能となるよう構成されており、
    楽曲の種類として少なくとも第1の種別の楽曲と第2の種別の楽曲とを有し、少なくとも前記第1の種別の楽曲を遊技者による操作入力手段の操作に基づき選択して再生可能且つループ再生可能とする一方で、図柄変動中に所定期間に到達したことを契機として前記第1の種別の楽曲ではなく前記第2の種別の楽曲を遊技者による操作入力手段の操作に基づかずにループ再生せずに再生可能であり、前記第2の種別の楽曲が再生されている最中は、特別遊技の移行期待度を示唆する複数種類の予告演出のうち少なくとも所定の予告演出の実行頻度が低下するよう構成されている弾球遊技機。
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