JP2015141766A - 照明装置及びフレネルレンズシート - Google Patents
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Abstract
【課題】フレネルレンズを用いた際に生じる虹ムラを目立たなくさせる。
【解決手段】照明装置1は、複数のレンズ面12と、隣り合う二つのレンズ面12を接続するライズ面13と、を含むフレネルレンズ11を、備えるフレネルレンズシート10と、フレネルレンズシート10のフレネルレンズ11が形成された面10bとは反対側の面10cに対面して配置された光源2と、を備える。光源2は、出光面5aを有し、出光面5a上の各位置から拡散光が射出される。少なくとも1つのライズ面13は、粗面になっている。
【選択図】図3
【解決手段】照明装置1は、複数のレンズ面12と、隣り合う二つのレンズ面12を接続するライズ面13と、を含むフレネルレンズ11を、備えるフレネルレンズシート10と、フレネルレンズシート10のフレネルレンズ11が形成された面10bとは反対側の面10cに対面して配置された光源2と、を備える。光源2は、出光面5aを有し、出光面5a上の各位置から拡散光が射出される。少なくとも1つのライズ面13は、粗面になっている。
【選択図】図3
Description
本発明は、フレネルレンズを有するフレネルレンズシート及びこのフレネルレンズシートを備える照明装置に関する。
フレネルレンズシートに形成されるフレネルレンズは、配列方向に配列された複数のレンズ面を有しており、複数のレンズ面の組み合わせにより、発散光束や平行光束をなす入射光に対して一定のレンズ作用を及ぼす。隣り合う2つのレンズ面の間には、ライズ面が形成される。ライズ面は、通常、光に対するレンズ作用を期待されていない面である。このライズ面は、典型的には、フレネルレンズシートのシート面の法線方向に平行に延びる(特許文献1、2参照)。
ところで、多くの照明装置では、比較的に小面積の出光面を有した光源から照射される白色光をフレネルレンズで集光することになる。このとき、光源の出光面がフレネルレンズの大きさと比較して十分に小さくなっていれば、フレネルレンズに入射する或る程度の光量の光が発散光束の光路をたどり、結果として、フレネルレンズのレンズ作用により、一定の領域に集光されるようになる。ただし、厳密には光源の出光面上の各位置から拡散光が射出されており、全体的に捉えると、光源は出光面から白色拡散光を射出する。すなわち、光源からの光には、フレネルレンズで光路を補正することができない光も含まれることになる。本件発明者らが確認したところ、このような照明装置において、白色光が集光された領域の周囲に色分散した虹状の色ムラ(以下、単に「虹ムラ」と呼ぶ)が生じることが確認された。このような虹ムラは、屋内照明用途、とりわけ舞台照明装置等に利用する場合には非常に重要な課題となる。また、虹ムラの発生を抑制することができれば、光源光の利用効率が改善されて、省エネルギーやCO2削減を実現し得る。
本件発明者がこの虹ムラが生じる原因についてさらに調査したところ以下の知見が得られた。図10に、フレネルレンズに入射する光がレンズ面で屈折する様子を示す。図10に示されたフレネルレンズ511は、複数のレンズ面512の組み合わせによって、平凸レンズと同様のレンズ作用を発揮することを期待されている。したがって、フレネルレンズ511に予定されたレンズ作用を及ぼされ得る方向またはその近傍となる方向から入射する光L51,L52,L53,L54は、その光路を所定の方向に補正される。これらの光は、レンズ面512での屈折によって、光軸Xに接近する側に進行方向を曲げられる。その一方で、フレネルレンズ511のレンズ作用を期待し得る方向からある程度ずれた方向から入射する光L55,L56に対しては、レンズ面512でのレンズ作用が有効に発揮されることなく、当該光は、入射したレンズ面512に隣接するライズ面513に入射してしまうことがある。本件発明者らが、光路追跡を行ったところ、レンズ面512で屈折した後に意図せずライズ面513に入射した光が、さらに別のレンズ面512で屈折され、結果として虹ムラを形成していることが知見された。
本発明は、以上のような本件発明者らの知見に基づくものであり、フレネルレンズを用いた際に生じる虹ムラを目立たなくさせることを目的とする。
本発明による第一の照明装置は、複数のレンズ面と、隣り合う二つのレンズ面を接続するライズ面と、を含むフレネルレンズを、備えるフレネルレンズシートと、
前記フレネルレンズシートの前記フレネルレンズが形成された面とは反対側の面に対面して配置された光源と、を備え、
前記光源は、出光面を有し、前記出光面上の各位置から拡散光が射出され、
少なくとも1つのライズ面は、粗面になっている。
前記フレネルレンズシートの前記フレネルレンズが形成された面とは反対側の面に対面して配置された光源と、を備え、
前記光源は、出光面を有し、前記出光面上の各位置から拡散光が射出され、
少なくとも1つのライズ面は、粗面になっている。
本発明による第一の照明装置において、前記出光面から前記フレネルレンズシートに入射し当該フレネルレンズシートの前記レンズ面を透過した光の一部は、当該入射したレンズ面よりも、当該フレネルレンズシートのシート面に対する角度の大きさが最も小さくなるレンズ面が位置する基準地点から離間する側に位置する前記ライズ面に接近していってもよい。
本発明による第一の照明装置において、前記出光面から前記フレネルレンズシートに入射し当該フレネルレンズシートの前記レンズ面を透過した光の一部が接近していく前記ライズ面は、粗面になっていてもよい。
本発明による第二の照明装置は、複数のレンズ面と、隣り合う二つのレンズ面を接続するライズ面と、を含むフレネルレンズを、備えるフレネルレンズシートと、
前記フレネルレンズシートの前記フレネルレンズが形成された面に対面して配置された光源と、を備え、
前記光源は、出光面を有し、前記出光面上の各位置から拡散光が射出され、
少なくとも1つのライズ面は、粗面になっている。
前記フレネルレンズシートの前記フレネルレンズが形成された面に対面して配置された光源と、を備え、
前記光源は、出光面を有し、前記出光面上の各位置から拡散光が射出され、
少なくとも1つのライズ面は、粗面になっている。
本発明による第一または第二の照明装置において、前記粗面になっているライズ面は、当該ライズ面に入射する光に対して異方性拡散機能を発揮してもよい。
本発明による第一または第二の照明装置において、前記粗面になっているライズ面は、前記基準地点よりも当該フレネルレンズの周縁に近接した位置にあってもよい。
本発明による第一または第二の照明装置において、前記粗面になっているライズ面は、複数の平坦面と、隣り合う二つの平坦面の間に設けられた凸面と、を有していてもよい。
本発明による第一または第二の照明装置において、前記フレネルレンズシートの前記フレネルレンズは、サーキュラフレネルレンズとして構成されており、前記凸面は、周方向に延びていてもよい。
本発明による第一または第二の照明装置において、前記凸面が当該凸面と隣り合う平坦面から突出した高さが1μm以上となるような、前記凸面が少なくとも1つあってもよい。
本発明による第一または第二の照明装置において、任意の隣り合う2つの平坦面の間隔は、他の隣り合う2つの平坦面の間隔と等しくてもよい。
本発明による第一または第二の照明装置において、すべてのライズ面が粗面となっていてもよい。
本発明による第一または第二の照明装置は、前記フレネルレンズシートは、光を拡散させる光拡散層をさらに備えてもよい。
本発明による第一または第二の照明装置において、前記フレネルレンズシートの前記シート面に平行な投影面に前記出光面を投影した投影面積は、前記投影面に前記フレネルレンズを投影した投影面積よりも小さくてもよい。
本発明によるフレネルレンズシートは、複数のレンズ面と、隣り合う二つのレンズ面を接続するライズ面と、を含むフレネルレンズを、備え、少なくとも1つのライズ面は、粗面になっている。
本発明によれば、フレネルレンズを用いた際に生じる虹ムラを目立たなくさせることができる。
≪第1の実施の形態≫
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。図1及び図2は本発明による第1の実施の形態を説明するための図である。このうち図1は、本発明の第1の実施の形態におけるフレネルレンズシートを備えた照明装置を示す概略図であり、図2は、図1に示す照明装置のフレネルレンズシートを示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。図1及び図2は本発明による第1の実施の形態を説明するための図である。このうち図1は、本発明の第1の実施の形態におけるフレネルレンズシートを備えた照明装置を示す概略図であり、図2は、図1に示す照明装置のフレネルレンズシートを示す概略断面図である。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「板」はシートやフィルムとも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
図1に示すように、照明装置1は、フレネルレンズ11を備えるフレネルレンズシート10と、フレネルレンズシート10のフレネルレンズ11が形成された面10bとは反対側の面10cに対面して配置された光源2と、を備えている。この光源2は、出光面5aを有し、出光面5a上の各位置から拡散光を射出するようになっている。
図1に示すように、光源2から照射される光は、フレネルレンズ11のレンズ作用により、焦点領域付近に集光され、その後、焦点から離れるにつれて拡がって進んでいく。以下、このような光学作用を及ぼすフレネルレンズ11を備えるフレネルレンズシート10について説明する。なお、以下の説明では、フレネルレンズシート10のフレネルレンズ11がサーキュラフレネルレンズで構成される例を用いて説明するが、このような例に限定されず、フレネルレンズ11はリニアフレネルレンズであってもよい。
図2に示すように、フレネルレンズシート10のフレネルレンズ11は、複数のレンズ面12と、隣り合う二つのレンズ面12を接続するライズ面13と、を含んでいる。
図示されたフレネルレンズ11は、複数のレンズ面12の組み合わせによって、凸レンズと同様のレンズ作用を発揮することを期待されている。各レンズ面12は、環状の形状を有し、複数のレンズ面12が、同心円状に配列されている。つまり、図2に示すように、フレネルレンズシート10のシート面10aに直交し、後述する基準地点Tを通る任意の断面において、複数のレンズ面12は、配列方向d1に沿って順に配列されている。
なお、本明細書において、「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。本実施の形態では、フレネルレンズシート10のシート面10aと、フレネルレンズシート10の光源2側の面10cとは、平行になっている。図2において、フレネルレンズシート10の光源2側の面10cを、フレネルレンズシート10のシート面10aとして図示する。
図2に示すように、レンズ面12がフレネルレンズシート10のシート面10aとなす角度をレンズ角とし、αで示す。ここで、「レンズ面12がフレネルレンズシート10のシート面10aとなす角度」とは、フレネルレンズシート10のシート面10aに直交し配列方向d1に沿った断面において、レンズ面12の両端部を結ぶ直線とシート面10aとがなす角度をいう。また、レンズ角αの大きさ(絶対値)が最も小さくなるレンズ面12の位置を基準地点Tとする。典型的な焦点をもつフレネルレンズでは、フレネルレンズ11の両側に位置する一対の焦点を結ぶ直線上に、基準地点Tが位置することになる。
フレネルレンズ11では、配列方向d1に沿って基準地点Tからより離間して配置されたレンズ面12の方が、レンズ角αが大きくなる傾向にある。本実施の形態では、任意の一つのレンズ面12のレンズ角αは、当該一つのレンズ面12よりも配列方向d1に沿って基準地点Tに近接して配置された他のレンズ面12のレンズ角α以上となる。このことから、配列方向d1に沿って基準地点Tから最も離間して配置されたレンズ面12のレンズ角αが最も大きくなる。
また、フレネルレンズシート10の法線方向ndにおける各レンズ面12の寸法を高さhとすると、配列方向d1に沿って基準地点Tからより離間して配置されたレンズ面12の方が、高さhが大きくなる傾向にある。本実施の形態では、任意の一つのレンズ面12の高さhは、当該一つのレンズ面12よりも配列方向d1に沿って基準地点Tに近接して配置された他のレンズ面12の高さh以上となる。このことから、基準地点Tに位置するレンズ面12aの高さhが最も小さくなり、配列方向d1に沿って基準地点Tから最も離間して配置されたレンズ面12の高さhが最も大きくなる。
なお、このようなフレネルレンズ11において、レンズ面12のピッチPは、レンズ面12の高さhと、レンズ面12のレンズ角αと、の幾何学的関係に基づいて決定される。
また、図2に示すように、隣り合う二つのレンズ面12の間には、ライズ面13が配置されている。典型的には、ライズ面13は、フレネルレンズシート10のシート面10aへの法線方向ndに沿って延びている。ライズ面13の長さは、隣り合うレンズ面14のピッチPとレンズ面14のレンズ角αとによって概ね決定される。上述のように、配列方向d1に沿って基準地点Tからより離間して配置されたレンズ面12の方が、レンズ角αが大きくなる傾向にある。従って、複数のライズ面13のうち、より配列方向Pの外側に配列されたライズ面13の方が、法線方向ndに沿った長さが長くなっている。なお、このようなライズ面13は、光のレンズ作用を期待されていない面である。
また、隣り合うレンズ面12とライズ面13とによって、法線方向nd外方に突出する頂部16が画定される。本実施の形態では、頂部16は、なだらかに曲率が連続的に変化していく湾曲面、あるいは、シート面10aに概ね平行な平坦面として形成されている。
図3に、フレネルレンズ11のレンズ面12及びライズ面13を拡大して示す。図3に示すように、本実施の形態のフレネルレンズシート10において、少なくとも1つのライズ面13が粗面になっている。これにより、少なくとも1つのライズ面13は、当該ライズ面13に入射する光に対して光拡散機能を発揮することができる。
好ましくは、少なくとも1つの粗面になっているライズ面13は、基準地点Tよりも当該フレネルレンズ11の周縁11a(図1参照)に近接した位置にある。図示する例では、すべてのライズ面13が粗面となっている。
また、粗面になっているライズ面13は、当該ライズ面13に入射する光に対して異方性拡散機能を発揮してもよいし、等方性拡散機能を発揮してもよい。本実施の形態では、粗面になっているライズ面13は、当該ライズ面13に入射する光に対して異方性拡散機能を発揮する。
図3に示すように、具体的な構成として、粗面になっているライズ面13は、複数の平坦面14と、隣り合う二つの平坦面14の間に設けられた凸面15と、を有している。各平坦面14は、周方向に延びるようにして環状に形成されている。本実施の形態の平坦面14は、フレネルレンズシート10のシート面10aへの法線方向ndと概ね平行になっている。つまり、各平坦面14は、フレネルレンズシート10のシート面10aへの法線方向ndに沿って延びる中心軸の周りを取り囲むように環状に形成されている。本実施の形態では、平坦面14は、平滑な面として形成されている。なお、ここでいう「平滑」とは、光学的な意味合いでの平滑を意味するものである。すなわち、ここでは、或る程度の割合の可視光帯域の透過光が、スネルの法則を満たしながら屈折するようになる程度を意味している。
また、図3に示す例では、フレネルレンズシート10のシート面10aに直交し基準地点Tを通る任意の断面において、各ライズ面13の平坦面14は、当該ライズ面13の両端部を結ぶ直線と平行になるように配置されている。より詳細には、フレネルレンズシート10のシート面10aに直交し基準地点Tを通る任意の断面において、各ライズ面13の平坦面14は、当該ライズ面13の両端部を結ぶ直線と重なるように配置されている。
本実施の形態では、各隣り合う2つの平坦面14の間隔dは、互いに等しくなっている。すなわち、任意の隣り合う2つの平坦面14の間隔dは、他の隣り合う2つの平坦面14の間隔dと等しい。ただし、このような例に限定されず、任意の隣り合う2つの平坦面14の間隔dは、少なくとも1つの他の隣り合う2つの平坦面14の間隔dと異なっていてもよい。
一方、隣り合う二つの平坦面14の間に設けられた凸面15も、周方向に延びるようにして環状に形成されている。この凸面15について図4を参照して説明していく。図4は、フレネルレンズ11のライズ面13を拡大して示す概略断面図である。図4に示すように、凸面15は、隣り合う二つの平坦面14の両方から突出している。具体的には、凸面15は、隣り合う二つの平坦面14から基準地点T側に向かって突出している。本実施の形態の凸面15は、頂部16に近接した側、すなわち法線方向nd外方側から隣り合う平坦面14の端部から延び出た第一面15aと、頂部16と離間した側から隣り合う平坦面14の端部から延び出た第二面15bと、を有している。
第一面15a及び第二面15bは、対応する平坦面14の端部から、基準地点T側に向かって延びている。本実施の形態では、第一面15a及び第二面15bは、レンズ面12の配列方向d1に沿って基準地点Tに接近していくほど、光源2側の面10cから離間していく。さらに、第一面15aと第二面15bとの間の間隔は、レンズ面12の配列方向d1に沿って基準地点Tに接近していくほど、狭くなっていき、最終的に、第一面15a及び第二面15bの基準地点側に位置する縁部が互いに接続されている。
図4に示された例では、第一面15a及び第二面15bが平面として形成されており、凸面15は、フレネルレンズシート10のシート面10aに直交し基準地点Tを通る任意の断面において、三角形形状をなしている。ただし、前記断面における凸面15の形状は、三角形形状である必要はなく、種々の形状を有していてもよい。例えば、前記断面における凸面15の断面形状は、三角形の一以上の角、例えば基準地点T側にある角が面取りされてなる形状となっていてよい。あるいは、凸面15は、第一面15a及び第二面15bの基準地点T側の縁部の間を延びる上面をさらに有していてもよい。すなわち、凸面15は、フレネルレンズシート10のシート面10aに直交し基準地点Tを通る任意の断面において、台形形状をなしていてもよい。
一例として、各凸面15が当該凸面15と隣り合う平坦面14から突出した高さsは、1μm以上で10μm以下であってもよい。なお、本明細書において、「凸面15が平坦面14から突出した高さ」とは、フレネルレンズシート10のシート面10aに直交し基準地点Tを通る断面において、平坦面14に対する法線方向における凸面15の長さをいう。また、「凸面15が当該凸面15と隣り合う平坦面14から突出した高さs」として、凸面15が当該凸面15と隣り合う一方の平坦面14から突出した高さと、凸面15が当該凸面15と隣り合う他方の平坦面14から突出した高さと、のうちの大きい方の値を採用することとする。本実施の形態では、少なくとも1つのライズ面13において、上記凸面15の高さsが1μm以上となるような、凸面15が少なくとも1つある。この場合、平坦面14と凸面15とを含むライズ面13が、当該ライズ面13に入射する光に対して効果的な光拡散機能を発揮し、照明領域Rの周りに形成される虹ムラを目立たなくさせることに寄与する。
ここで、このようなライズ面13を賦型する型200を作製する方法について図5を参照して説明する。図5は、フレネルレンズ11を賦型する型200の作製方法を説明するための概略断面図である。図5に示す型200は、板状の部材を削り出すことにより作製されている。図5に示すように、型200は、フレネルレンズシート10のレンズ面12を賦型するための複数のレンズ賦型面212と、フレネルレンズシート10のライズ面13を賦型するための複数のライズ賦型面213と、を有している。ライズ賦型面213は、隣り合う2つのレンズ賦型面212の間に配置されている。そして、ライズ賦型面213は、複数の平坦賦型面214と、隣り合う二つの平坦賦型面214の間に設けられた凹賦型面215と、を有している。平坦賦型面214は、フレネルレンズシート10のライズ面13の平坦面14を賦型するためのものであり、凹賦型面215は、フレネルレンズシート10のライズ面13の凸面15を賦型するためのものである。
型200を作製する際には、図5に示すように、レンズ賦型面212の角度に合わせてバイト250の向きを調整し、当該バイト250を主面200aに対する法線方向NDに沿って複数回送っていく。バイト250の送り毎に、バイト250が法線方向NDに沿って型200に接近した位置で、バイト250を型200の主面200aに沿ってライズ賦型面213側に移動させ、ライズ賦型面213の一部に他の部分よりも凹んだ凹賦型面215を形成する。このような送り加工を繰り返すことにより、ライズ賦型面213に、複数の平坦賦型面214と、隣り合う二つの平坦賦型面214の間に設けられた凹賦型面215と、を形成することができる。
図2に戻って、本実施の形態のフレネルレンズシート10は、フレネルレンズ11よりも光源2側に光拡散層20をさらに備えている。光拡散層20の光源2側の面は、フレネルレンズシート10の光源2側の面を画成している。この光拡散層20は、光源2からフレネルレンズシート10に入射した光を拡散させる光拡散機能を有している。例えば、光拡散層20は、主部21と、主部21に分散された光を拡散させる拡散成分22と、を含んでいてもよい。ここでいう拡散成分22とは、光拡散層20内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼし得る成分のことである。このような拡散成分22の光拡散機能(光散乱機能)は、例えば、光拡散層20の主部21をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から拡散成分22を構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から拡散成分22を構成することにより、付与され得る。主部21をなす材料とは異なる屈折率を有する拡散成分22として、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、さらには、単なる気泡が例示される。
あるいは、他の例として、光拡散層20は、フレネルレンズシート10の光源2側の面10cに、エンボス加工等によって形成された微細な凹凸を含むようにしてもよい。
次に、フレネルレンズシート10に拡散光を照射する光源2について説明する。本実施の形態の光源2は、いわゆるチップオンボード型LED光源として構成されている。具体的には、図1に示すように、光源2は、フレネルレンズシート10に対向して配置された例えばアルミニウム製の基板3と、基板3の上に配列された複数のLEDチップ4と、複数のLEDチップ4を覆うカバー5と、を有している。
本実施の形態のカバー5は、フレネルレンズシート10とLEDチップ4との間に位置する前述の出光面5aを形成するとともに、出光面5aの周縁に接続されて複数のLEDチップ4を環状に取り囲む側面5bも形成している。この出光面5aは、フレネルレンズシート10に対面しており、本実施の形態では、基準地点Tと出光面5aの中心とが対面している。また、図示する例では、出光面5aは、フレネルレンズ11の形状に対応して円形の形状を有している。
また、出光面5aは、LEDチップ4からの光を拡散させながらフレネルレンズシート10に向けて射出する光拡散機能を有している。この光拡散機能は、等方性拡散機能であってもよいし、異方性拡散機能であってもよい。本実施の形態では、カバー5に光を拡散させる拡散成分を分散させることにより、出光面5aの等方性拡散機能を実現している。
このような構成によって、各LEDチップ4からの光は出光面5aに入射し、出光面5a上の各位置から拡散光が射出されるようになっている。
ここで、図1に示すように、フレネルレンズシート10のシート面10aに平行な投影面に、出光面5aを投影した投影面積S1は、前記投影面にフレネルレンズ11を投影した投影面積S2よりも小さくなっている。このため、フレネルレンズ11の各レンズ面12に光を入射させるべく、出光面5aの各位置から拡散光が射出し、全体的に捉えると、光源2からフレネルレンズ11に向けて発散光が照射されるようになっている。図示する例では、投影面は、フレネルレンズシート10の光源2側の面10cとなっている。
次に、以上のような構成からなる本実施の形態の作用について、図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、光源2において各LEDチップ4からの光が出光面5aに入射し、出光面5aの各位置から拡散光Lがフレネルレンズシート10に向けて射出される。全体的には、上述した投影面積S2の大きいフレネルレンズシート10が、上述した投影面積S1が小さい光源2からの発散光を照射されることになる。おおよそ発散光の光路をたどってフレネルレンズシート10に入射した光Lは、フレネルレンズ11のレンズ作用により、焦点領域付近に集光され、その後、焦点から離れるにつれて拡がって進み、照明領域Rを照らす。なお、照明領域Rについては、照らしたい範囲に応じて焦点からの距離を適時設定してもよい。
ここで、図3及び図4を参照して、フレネルレンズ11の各レンズ面12に入射する光について考える。上述したように、基準地点Tと出光面5aの中心とが対面しており、出光面5a上の各位置から拡散光が射出される。このため、出光面5a上の各位置からある一つのレンズ面12に向かう光は、当該レンズ面12と出光面5aの中央を結ぶ方向に概ね輝度のピークを有し、輝度ピークが得られる方向に対して傾斜するにつれて当該方向での輝度は低下していく。レンズ面12と出光面5aの中央を結ぶ方向から概ね入射するピーク方向の光L11は、当該レンズ面12で屈折して集光領域付近に向かって進んでいく。従って、レンズ面12に入射する大部分の光は、フレネルレンズ11のレンズ作用によって所望の方向に進んでいく光となる。
一方、出光面5a上の各位置から拡散光が射出されるため、各レンズ面12には、当該レンズ面12へ入射する光の輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜した光L12、L13も入射する。また、輝度ピークが得られる方向またはその近傍となる方向に沿ってフレネルレンズシート10に入射する光であっても、レンズ面12よりも光源2側に配置された光拡散層20によって進路方向を変化させられて、その一部が輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜した方向から各レンズ面12に入射する。
図3に示すように、輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜した方向に進む光L12、L13、言い換えると、レンズ面12での屈折によって焦点領域に向けて補正されるようになる方向に対して大きく傾斜した方向に進む光L12、L13は、レンズ面から有効なレンズ作用を及ぼされない。このため、当該光L12、L13は、レンズ面12で基準地点Tから離間する側に屈折して、当該離間する側に位置するライズ面13に接近していく。このような光は、図10を参照しながら既に説明したように、虹ムラを引き起こすと共に光の利用効率を低下させる原因となる。さらに、この虹ムラを引き起こすと共に光の利用効率を低下させる原因となり得る、フレネルレンズシート10の法線方向ndに対して大きく傾斜した光L12、L13は、基準地点Tから離間した位置にあるライズ面13ほど入射し易い。
そこで、本実施の形態では、少なくとも1つのライズ面13は、当該ライズ面13に入射する光に対して光拡散機能を発現すべく、粗面になっている。さらに、少なくとも1つの粗面になっているライズ面13が、基準地点Tよりもフレネルレンズ11の周縁11aに近接した位置にある。この場合、フレネルレンズシート10の法線方向ndに対してなす角度がより大きい光が入射し易い基準地点Tから離間した位置において、粗面になったライズ面13が、当該ライズ面13に入射する光に対して光拡散機能を発揮し易い。
従って、仮にレンズ面12でのレンズ作用が十分に発揮されなかったため、当該レンズ面12での屈折後における進行方向が法線方向ndに対して基準地点Tから離間する側に傾斜した光L12、L13が、基準地点Tから離間する側に位置するライズ面13に入射してしまったとする。この場合であっても、このライズ面13が粗面になっていれば、当該ライズ面13に入射した光L12、L13は、拡散しながら当該ライズ面13を透過して、種々の方向に向かっていくことになる。すなわち、フレネルレンズ11で予定したレンズ作用を及ぼされる方向に対して大きく傾斜した方向からフレネルレンズ11に入射した光L12、L13を、粗面になったライズ面13にて拡散させて種々の方向に向かわせることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、少なくとも一つのライズ面13は粗面になっている。この場合、フレネルレンズ11で予定したレンズ作用を及ぼされる方向に対して大きく傾斜した方向からフレネルレンズ11に入射した光L12、L13が、レンズ面12で屈折された後粗面になったライズ面13に入射すると、当該ライズ面13にて拡散されて種々の方向に向かっていく。これにより、ライズ面13にて拡散された光L13の一部を照明領域Rに向かわせることができ、図10に示す従来のフレネルレンズ511よりも、光の利用効率を向上させることができる。加えて、ライズ面13を透過した光L12,L13は、拡散されて種々の方向に向かうため、図10に示す従来のフレネルレンズ511よりも照明領域Rの周りに集まり難くなると共に、照明領域Rの周りに種々の波長からなる光を到達させることができる。これにより、従来よりも照明領域Rの周りに形成される虹ムラを目立たなくさせることができる。
また、本実施の形態によれば、少なくとも1つの粗面になっているライズ面13が、基準地点Tよりも当該フレネルレンズ11の周縁11aに近接した位置にある。上述のように、基準地点Tよりもフレネルレンズ11の周縁11aに近接した位置において、フレネルレンズ11で予定したレンズ作用を及ぼされる方向に対して大きく傾斜した方向に進む光L12、L13がレンズ面12に入射し易く当該レンズ面12にて有効なレンズ作用が発揮され難い。従って、このような形態によれば、フレネルレンズ11で予定したレンズ作用を及ぼされる方向に対して大きく傾斜した方向からフレネルレンズ11に入射した光L12、L13が、レンズ面12で屈折された後に粗面になったライズ面13に入射して当該ライズ面13にて拡散され易くなる。これにより、レンズの集光効率の低下を改善して、照明領域Rの周りに形成される虹ムラを目立たなく機能を有効に発揮することができる。
また、本実施の形態によれば、粗面になっているライズ面13は、複数の平坦面14と、隣り合う二つの平坦面14の間に設けられた凸面15と、を有している。このような形態によれば、隣り合う二つの平坦面14の間に設けられた凸面15によって、ライズ面13に入射する光に対して発揮する光拡散機能を効果的に実現することができる。
また、本実施の形態によれば、フレネルレンズシート10のフレネルレンズ11は、サーキュラフレネルレンズとして構成されており、ライズ面13の凸面15は、周方向に延びている。このような形態によれば、粗面になったライズ面13に入射した光が周方向にムラなく拡散され易くなるため、照明領域Rに明るさのムラが生じることを抑制することができる。
また、本実施の形態のフレネルレンズシート10は、光を拡散させる光拡散層20をさらに備えている。光拡散層20によって、出光面5aから照射される光の一部の進路方向を変化させることができるため、照明領域Rの周りに種々の波長からなる光を到達させることができる。このため、照明領域Rの周りで種々の波長からなる光が混ざり、虹ムラを目立たなくさせることができる。加えて、光拡散層20によって進路方向を変更された光の一部は、輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜してレンズ面12に入射する。
本実施の形態によれば、輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜してレンズ面12に入射した光L12、L13が、当該レンズ面12にて屈折された後粗面になったライズ面13にて拡散されて種々の方向に向かうため、このような光L12、L13であっても所望の照明領域Rに少なくとも一部を向かわせることができる。この結果、光拡散層20をさらに備えていても、レンズの集光効率を大きく低下させることなく、虹ムラを目立たなくさせることができる。
本実施の形態によれば、輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜してレンズ面12に入射した光L12、L13が、当該レンズ面12にて屈折された後粗面になったライズ面13にて拡散されて種々の方向に向かうため、このような光L12、L13であっても所望の照明領域Rに少なくとも一部を向かわせることができる。この結果、光拡散層20をさらに備えていても、レンズの集光効率を大きく低下させることなく、虹ムラを目立たなくさせることができる。
また、本実施の形態によれば、フレネルレンズシート10の法線方向ndに直交する投影面10cに出光面5aを投影した投影面積S1は、投影面10cにフレネルレンズ11を投影した投影面積S2よりも小さい。この場合、出光面5aからフレネルレンズ11に向けて発散光が照射されることになるため、各レンズ面12に、輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜した光L12、L13が入射し易い。各レンズ面12に、輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜した光L12、L13が多く入射すると、レンズの集光効率を低下させ、所望の照明領域Rの周りに形成される虹ムラを目立たせ易い。従って、本実施の形態のフレネルレンズシート10及び照明装置1は、このような態様において、レンズの集光効率の低下を改善して、照明領域Rの周りに形成される虹ムラを目立たなくさせる、という機能を効果的に発揮することができる。
≪変形例≫
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
上述した第1の実施の形態では、図1に示すように、光源2が、基板の3上に配列された複数のLEDチップ4と、複数のLEDチップ4を覆うカバー5と、を有したチップオンボード型LED光源として構成されている例を示したが、光源2の構成は、上述した構成に限定されない。照明装置の光源は、出光面を有する面光源装置として構成されていればそれ自体既知の種々の形態を採用することができる。例えば、光源は、有機EL素子にて出光面が形成された有機EL型光源であってもよいし、蛍光灯を用いた蛍光灯型光源であってもよい。図6に、光源が蛍光灯型光源として構成された例を平面図にて示す。図6に示す例では、光源2は、フレネルレンズシート10に対向して配置された例えばアルミニウム製の基板3(図1参照)と、基板3の上に配列された複数の蛍光灯7と、複数の蛍光灯7を覆うカバー5と、を有している。図6に示す例では、各蛍光灯7は環状の形状を有し、複数の蛍光灯7が同心円状に配列されている。
図6に示すカバー5は、フレネルレンズシート10と蛍光灯7との間に位置する出光面5aを形成するとともに、出光面5aの周縁に接続されて複数の蛍光灯7を環状に取り囲む側面5bも形成している。図示する例では、出光面5aは、フレネルレンズ11の形状に対応して円形の形状を有している。
また、出光面5aは、蛍光灯7からの光を拡散させながらフレネルレンズシート10に向けて射出する光拡散機能を有している。このような構成によって、各蛍光灯7からの光は出光面5aに入射し、出光面5a上の各位置から拡散光が射出されるようになっている。
≪第2の実施の形態≫
次に、図7乃至図9を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態におけるフレネルレンズシートを備えた照明装置を示す概略図であり、図8は、図7に示す照明装置のフレネルレンズシートを示す概略断面図であり、図9は、図7に示す領域Aを拡大して示す概略断面図である。図7乃至図9を参照して説明する第2の実施の形態は、光源2がフレネルレンズシート10のフレネルレンズ11が形成された面10bに対面して配置されている点で異なるが、その他の構成は、第1の実施形態及びその変形例と同様に構成することができる。第2の実施の形態に関する以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態及びその変形例と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態及びその変形例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。なお、図7乃至図9に示す例では、フレネルレンズシート10が光拡散層20を備えた例を示しているが、光拡散層20を備えていなくてもよい。さらに、フレネルレンズシート10の構成及び光源2の構成は、上述した第1の実施の形態と同様なため、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、図7乃至図9を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態におけるフレネルレンズシートを備えた照明装置を示す概略図であり、図8は、図7に示す照明装置のフレネルレンズシートを示す概略断面図であり、図9は、図7に示す領域Aを拡大して示す概略断面図である。図7乃至図9を参照して説明する第2の実施の形態は、光源2がフレネルレンズシート10のフレネルレンズ11が形成された面10bに対面して配置されている点で異なるが、その他の構成は、第1の実施形態及びその変形例と同様に構成することができる。第2の実施の形態に関する以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態及びその変形例と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態及びその変形例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。なお、図7乃至図9に示す例では、フレネルレンズシート10が光拡散層20を備えた例を示しているが、光拡散層20を備えていなくてもよい。さらに、フレネルレンズシート10の構成及び光源2の構成は、上述した第1の実施の形態と同様なため、ここでは詳細な説明を省略する。
このような構成からなる本実施の形態の作用について、図7〜図9を参照しながら説明する。
図7に示すように、光源2の出光面5aの各位置から拡散光Lがフレネルレンズシート10に向けて射出される。全体的には、上述した投影面積S2の大きいフレネルレンズシート10が、上述した投影面積S1が小さい光源2からの発散光を照射されることになる。おおよそ発散光の光路をたどってフレネルレンズシート10に入射した光Lは、フレネルレンズ11のレンズ作用により、焦点領域付近に集光され、その後、焦点から離れるにつれて拡がって進み、照明領域Rを照らす。なお、照明領域Rについては、照らしたい範囲に応じて焦点からの距離を適時設定してもよい。
図8及び図9に示すように、光源2がフレネルレンズシート10のフレネルレンズ11が形成された面10bに対面して配置された場合、光源2の出光面5aの各位置から射出された光の多くは、レンズ面12に入射し、光源2の出光面5aの各位置から射出された光の一部は、ライズ面13にも入射する。先ず、フレネルレンズ11のレンズ面12に入射する光について説明する。上述したように、基準地点Tと出光面5aの中心とが対面しており、出光面5a上の各位置から拡散光が射出される。このため、出光面5a上の各位置からある一つのレンズ面12に向かう光は、当該レンズ面12と出光面5aの中央を結ぶ方向に概ね輝度のピークを有し、輝度ピークが得られる方向に対して傾斜するにつれて当該方向での輝度は低下していく。レンズ面12と出光面5aの中央を結ぶ方向から概ね入射するピーク方向の光L21は、当該レンズ面12で屈折して集光領域付近に向かって進んでいく。一方、図9に示すように、出光面5a上の各位置から拡散光が射出されるため、各レンズ面12には、当該レンズ面12へ入射する光の輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜した光L22も入射する場合がある。輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜した方向に進む光L22は、レンズ面12から期待されたレンズ作用を及ぼされないものの、フレネルレンズシート10の法線方向ndに対してなす角度が小さくなるように、当該レンズ面12で屈折して照明領域Rに向かっていく。従って、レンズ面12に入射する大部分の光は、フレネルレンズ11のレンズ作用によって照明領域Rに進んでいく光となる。
一方、フレネルレンズ11のライズ面13に入射する光は、図9に二点鎖線で示すように当該入射するライズ面13が粗面になっていないと仮定すると、フレネルレンズシート10の法線方向ndに対してなす角度が大きくなるように、当該ライズ面13で屈折する。とりわけ、図9に示すように、フレネルレンズシート10の法線方向ndに対して大きく傾斜した光L0は、当該ライズ面13でフレネルレンズシート10の法線方向ndに対してなす角度がさらに大きくなるように屈折して、基準地点Tから離間する側に位置するレンズ面12に接近していく。ライズ面13で屈折した光L0が基準地点Tから離間する側に位置するレンズ面12に入射してしまうと、当該レンズ面12で全反射して意図せぬ方向にその進行方向を変更して、所望の照明領域Rの周りを意図せず明るく照らし得る。このような照明領域Rの周りを意図せず明るく照らし得る、フレネルレンズシート10の法線方向ndに対して大きく傾斜した光L0は、基準地点Tから離間した位置にあるライズ面13ほど入射し易い。
そこで、本実施の形態では、少なくとも一つのライズ面13は、粗面になっている。さらに、少なくとも1つの粗面になっているライズ面13が、基準地点Tよりもフレネルレンズ11の周縁11aに近接した位置にある。したがって、フレネルレンズシート10の法線方向ndに対してなす角度がより大きな光が入射し易い基準地点Tから離間した位置において、粗面になったライズ面13が、当該ライズ面13に入射する光に対して光拡散機能を発現し易い。具体的には、図9に示すように、フレネルレンズシート10の法線方向ndに対して大きく傾斜した光L23、L24が、粗面になったライズ面13に入射すると、拡散しながら当該ライズ面13を透過して、種々の方向に向かっていくことになる。これにより、ライズ面13にて拡散された光L23の一部を照明領域Rに向かわせることができ、図10に示す従来のフレネルレンズ511よりも、照明領域Rを効果的に照明することが可能になる。
以上のように、本実施の形態によれば、少なくとも一つのライズ面13は、粗面になっている。このような形態によれば、フレネルレンズシート10の法線方向ndに対して大きく傾斜した光L23、L24がライズ面13に入射しても、ライズ面13が粗面になっていれば、当該ライズ面13に入射した光L23、L24を、拡散させながら種々の方向に向かわせることができる。これにより、ライズ面13にて拡散された光L23の一部を照明領域Rに向かわせることができ、図10に示す従来のフレネルレンズ511よりも、照明領域Rを効果的に照明することが可能になる。
また、本実施の形態によれば、少なくとも1つの粗面になっているライズ面13が、基準地点Tよりもフレネルレンズ11の周縁11aに近接した位置にある。上述のように、基準地点Tよりもフレネルレンズ11の周縁11aに近接した位置において、問題となるフレネルレンズシート10の法線方向ndに対してなす角度がより大きい光L23、L24がライズ面13に入射し易い。従って、このような形態によれば、フレネルレンズシート10の法線方向ndに対して大きく傾斜した光L23、L24を、粗面になったライズ面13にて拡散させながら種々の方向に向かわせ易くなる。これにより、照明領域Rを効果的に照明する機能を有効に発揮することができる。
また、本実施の形態によれば、粗面になっているライズ面13は、複数の平坦面14と、隣り合う二つの平坦面14の間に設けられた凸面15と、を有している。このような形態によれば、隣り合う二つの平坦面14の間に設けられた凸面15によって、ライズ面13に入射する光に対して発揮する光拡散機能を効果的に実現することができる。
また、本実施の形態によれば、フレネルレンズシート10のフレネルレンズ11は、サーキュラフレネルレンズとして構成されており、ライズ面13の凸面15は、周方向に延びている。このような形態によれば、粗面になったライズ面13に入射した光が周方向にムラなく拡散され易くなるため、照明領域Rに明るさのムラが生じることを抑制することができる。
また、本実施の形態のフレネルレンズシート10は、光を拡散させる光拡散層20をさらに備えている。光拡散層20によって、出光面5aから照射される光の一部の進行方向を変化させることができるため、照明領域Rをむらなく照明することができる。
また、本実施の形態によれば、フレネルレンズシート10の法線方向ndに直交する投影面10cに出光面5aを投影した投影面積S1は、投影面10cにフレネルレンズ11を投影した投影面積S2よりも小さい。この場合、出光面5aからフレネルレンズ11に向けて発散光が照射されることになるため、各レンズ面12に、輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜した光L23、L24が入射し易い。各レンズ面12に、輝度ピークが得られる方向に対して大きく傾斜した光L23、L24が多く入射すると、所望の照明領域Rの周りを意図せず明るく照らしてしまう。従って、本実施の形態のフレネルレンズシート10及び照明装置1は、このような態様において、照明領域Rを効果的に照明する機能を効果的に発揮することができる。
1 照明装置
2 光源
5a 出光面
10 フレネルレンズシート
10a シート面
11 フレネルレンズ
12 レンズ面
13 ライズ面
14 平坦面
15 凸面
20 光拡散層
d1 配列方向
α レンズ角
S1 投影面積
S2 投影面積
T 基準位置
X 光軸
2 光源
5a 出光面
10 フレネルレンズシート
10a シート面
11 フレネルレンズ
12 レンズ面
13 ライズ面
14 平坦面
15 凸面
20 光拡散層
d1 配列方向
α レンズ角
S1 投影面積
S2 投影面積
T 基準位置
X 光軸
Claims (12)
- 複数のレンズ面と、隣り合う二つのレンズ面を接続するライズ面と、を含むフレネルレンズを、備えるフレネルレンズシートと、
前記フレネルレンズシートの前記フレネルレンズが形成された面とは反対側の面に対面して配置された光源と、を備え、
前記光源は、出光面を有し、前記出光面上の各位置から拡散光が射出され、
少なくとも1つのライズ面は、粗面になっている、照明装置。 - 前記出光面から前記フレネルレンズシートに入射し当該フレネルレンズシートの前記レンズ面を透過した光の一部は、当該入射したレンズ面よりも、当該フレネルレンズシートのシート面に対する角度の大きさが最も小さくなるレンズ面が位置する基準地点から離間する側に位置する前記ライズ面に接近していく、請求項1に記載の照明装置。
- 前記出光面から前記フレネルレンズシートに入射し当該フレネルレンズシートの前記レンズ面を透過した光の一部が接近していく前記ライズ面は、粗面になっている、請求項1に記載の照明装置。
- 複数のレンズ面と、隣り合う二つのレンズ面を接続するライズ面と、を含むフレネルレンズを、備えるフレネルレンズシートと、
前記フレネルレンズシートの前記フレネルレンズが形成された面に対面して配置された光源と、を備え、
前記光源は、出光面を有し、前記出光面上の各位置から拡散光が射出され、
少なくとも1つのライズ面は、粗面になっている、照明装置。 - 前記粗面になっているライズ面は、当該ライズ面に入射する光に対して異方性拡散機能を発揮する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記粗面になっているライズ面は、複数の平坦面と、隣り合う二つの平坦面の間に設けられた凸面と、を有している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記フレネルレンズシートの前記フレネルレンズは、サーキュラフレネルレンズとして構成されており、
前記凸面は、周方向に延びている、請求項6に記載の照明装置。 - 前記凸面が当該凸面と隣り合う平坦面から突出した高さが1μm以上となるような、前記凸面が少なくとも1つある、請求項6または7に記載の照明装置。
- すべてのライズ面が粗面となっている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記フレネルレンズシートは、光を拡散させる光拡散層をさらに備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記フレネルレンズシートの前記シート面に平行な投影面に前記出光面を投影した投影面積は、前記投影面に前記フレネルレンズを投影した投影面積よりも小さい、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明装置。
- 複数のレンズ面と、隣り合う二つのレンズ面を接続するライズ面と、を含むフレネルレンズを備え、
少なくとも1つのライズ面は、粗面になっている、フレネルレンズシート。
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---|---|---|---|
JP2014012701A JP2015141766A (ja) | 2014-01-27 | 2014-01-27 | 照明装置及びフレネルレンズシート |
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JP2014012701A JP2015141766A (ja) | 2014-01-27 | 2014-01-27 | 照明装置及びフレネルレンズシート |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190107088A (ko) * | 2017-01-13 | 2019-09-18 | 루미리즈 홀딩 비.브이. | 발광 다이오드들 및 가변 렌즈들을 갖는 어레이 |
KR20200039590A (ko) * | 2018-10-04 | 2020-04-16 | 제트카베 그룹 게엠베하 | 자동차 헤드램프용 렌즈 제조 장치 및 그 방법, 그리고 자동차 헤드램프용 프레넬 렌즈 |
-
2014
- 2014-01-27 JP JP2014012701A patent/JP2015141766A/ja active Pending
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