JP2015141650A - 検証方法、検証装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置の一部の回路部の設計情報がなくても電圧ドロップを検証できるようにする。【解決手段】検証装置1が、半導体装置10の回路部11の設計情報に基づき、回路部11の電源網を表す電源網等価回路11aを作成し、半導体装置10の回路部12の消費電流及びシート抵抗に基づき、回路部12の電源網を表す簡易電源網等価回路12aを作成し、電源網等価回路11aと簡易電源網等価回路12aとを結合して電源網等価回路13を作成し、電源網等価回路13に対して回路シミュレーションを行い、回路部11における電源電圧の降下を解析する。【選択図】図1

Description

本発明は、検証方法、検証装置及びプログラムに関する。
微細化、高集積化が進む半導体装置では、内部で生じる電源電圧の降下(電圧ドロップとも呼ばれる)により、半導体装置の動作に様々な弊害を与える可能性がある。例えば、電源配線の抵抗により電源電圧が小さくなると、その電源電圧で駆動されている素子に影響を与え、素子の出力信号波形に乱れが生じ、電源電圧の降下の度合いによっては、誤動作や動作速度の低下などを引き起こす可能性がある。
そのため、半導体装置の設計の際には電圧ドロップの検証が行われ、問題が見つかった場合には、例えば、設計変更が行われる。
特開2005−260053号公報 特開2008−226232号公報
しかし、従来の電圧ドロップの検証手法では、解析ツールの入力情報となる半導体装置の設計情報(ネットリストなど)がそろっていることが前提であった。そのため、設計途中のために設計情報がない回路部があるときや、設計完了後でも設計情報そのものが入手できない回路部があるときなどには、電圧ドロップの検証を行うことができなかった。例えば、COC(Chip On Chip)型の半導体装置のように、複数の半導体チップによる積層構造を含む半導体装置に対しても、設計情報が入手できない半導体チップを含む場合には、電圧ドロップの検証を行うことができなかった。
発明の一観点によれば、検証装置が、半導体装置の第1の回路部の設計情報に基づき、前記第1の回路部の電源網を表す第1の等価回路を作成し、前記半導体装置の第2の回路部の消費電流及びシート抵抗に基づき、前記第2の回路部の電源網を表す第2の等価回路を作成し、前記第1の等価回路と前記第2の等価回路とを結合して第3の等価回路を作成し、前記第3の等価回路に対して回路シミュレーションを行い、前記第1の回路部における電源電圧の降下を解析する、検証方法が提供される。
開示の検証方法、検証装置及びプログラムによれば、半導体装置の一部の回路部の設計情報がなくても電圧ドロップを検証できる。
第1の実施の形態の検証方法及び検証装置の一例を示す図である。 第2の実施の形態に用いる検証装置のハードウェア例を示す図である。 検証対象の半導体装置の一例の断面図である。 第2の実施の形態に係る検証方法の一例を説明するフローチャートである。 検証対象となる半導体装置の一例の平面図である。 VDDの電源網の作成方法の一例を示す図である(その1)。 VDDの電源網の作成方法の一例を示す図である(その2)。 VDDの電源網の作成方法の一例を示す図である(その3)。 VDD、VSSの各電源網の格子点の一例を示す図である。 作成される簡易電源網等価回路の一例を示す模式図である。 電源バンプセルに接続される電源の種類がVDDである場合の電源網等価回路と簡易電源網等価回路との結合の一例を示す図である。 モニタに表示される電圧分布図の一例である。 電源モデルが接続された簡易電源網等価回路の一例を示す模式図である。 検証対象となる半導体装置の変形例を示す断面図である。 検証対象となる半導体チップの一例の平面図である。 第3の実施の形態に係る検証方法の一例を説明するフローチャートである。 電源パッドセル、回路ブロックの電源ピンに接続される電源の種類がVDDである場合の簡易電源網等価回路と電源網等価回路との結合の一例を示す図である。
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の検証方法及び検証装置の一例を示す図である。
まず、検証装置の一例について説明する。
検証装置1は、プロセッサ2と、記憶部3を有する。
プロセッサ2は、記憶部3に記憶されているデータ及びプログラムに基づき、後述の検証処理を行う。
記憶部3は、検証を行う際に用いるデータなどを記憶する。例えば、記憶部3は、設計情報D1、入力情報D2、プロセッサ2が実行するプログラムなどを格納する。
続いて、検証対象となる半導体装置の一例について説明する。
半導体装置10は、回路部11、12を有する。本実施の形態では、回路部11、12は、半導体装置10に実装される、回路または半導体チップであるものとする。
また、本実施の形態では、回路部11は、電圧ドロップの検証対象の回路部であって設計情報が得られているものであり、回路部12は、設計情報が得られていないものであるとして説明する。設計情報は、例えば、設計が未完了であるなどの理由により得られない場合がある。
本実施の形態の検証方法は、回路部12のように、設計情報がない回路部があっても電圧ドロップの検証を可能とするものである。
次に、検証を行う際に用いられる設計情報、入力情報の一例について説明する。
設計情報D1は、回路部11の設計情報である。設計情報D1には、例えば、回路部11内の回路素子及び配線情報を含むネットリスト、回路部11のレイアウトデータなどが含まれる。
入力情報D2は、回路部12の消費電流及びシート抵抗を含む情報である。入力情報D2は、ネットリストやレイアウトデータなどの設計情報がなくても、例えば、回路部12の設計ルールやスペック値などから得ることができる。また、回路部12と同様の性能を持つ回路の測定で得られる消費電流やシート抵抗を用いてもよい。
このような、設計情報D1及び入力情報D2は、例えば、検証を行う際または前に、図示しないインタフェースなどを介して、記憶部3に格納される。
以下、検証方法の一例をステップごとに説明する。
プロセッサ2は、設計情報D1を記憶部3から読み出し、設計情報D1に基づき、回路部11の電源網を表す電源網等価回路11aを作成する(ステップS1)。
一方、プロセッサ2は、記憶部3に格納された入力情報D2を読み出し、入力情報D2から回路部12の消費電流及びシート抵抗を取得する(ステップS2)。
その後、プロセッサ2は、消費電流及びシート抵抗に基づき、回路部12の電源網を表す簡易電源網等価回路12aを作成する(ステップS3)。例えば、まず、プロセッサ2は、VDD、VSSの各電源網をシート抵抗に基づいて作成する。その後、プロセッサ2は、VDD、VSSの各電源網を、両者の間に消費電流に基づいた定電流源を介して接続し、簡易電源網等価回路12aを作成する。
ステップS1、S3の処理の後、プロセッサ2は、回路部11の電源網等価回路11aと回路部12の簡易電源網等価回路12aとを結合して電源網等価回路13を作成する(ステップS4)。電源網等価回路13は、例えば、電源網等価回路11aと簡易電源網等価回路12aを、両者を接続するバンプなどの位置に基づいて結合することにより作成される。
その後、プロセッサ2は、作成した電源網等価回路13に対して回路シミュレーションを行い、回路部11における電圧ドロップを解析する(ステップS5)。回路シミュレーションは、例えば、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)を用いて実行される。プロセッサ2は、回路シミュレーション結果に基づき、例えば、電圧ドロップの情報を含む電圧分布図(図12参照)などを作成し、表示装置(表示せず)に表示させる。これにより、ユーザーは、回路部11のどの個所で電圧ドロップが生じているかを把握することができる。
なお、電源網等価回路11aを作成するステップS1の処理と、簡易電源網等価回路12aを作成するステップS2及びステップS3の処理は、どちらを先に実行してもよい。
以上のように、ある回路部の電源網の等価回路を消費電流とシート抵抗から簡易的に作成し、設計情報のある他の回路部の電源網の等価回路と結合して回路シミュレーションすることで、半導体装置の一部の回路部の設計情報がなくても電圧ドロップを検証できる。
仮に設計情報がない回路部を考慮せずに、設計情報がある回路部の電源網の等価回路だけでシミュレーションできたとしても、一部の消費電流が未考慮となるため、精度のよい電源ドロップの解析結果が得られない。これに対して、本実施の形態の検証方法によれば、消費電流とシート抵抗に基づいて簡易的な等価回路を作成して用いることで、簡単な処理で、設計情報がない回路部を未考慮とする場合よりも、精度のよい解析結果が得られる。
(第2の実施の形態)
まず、検証装置の一例について説明する。
図2は、第2の実施の形態に用いる検証装置のハードウェア例を示す図である。
検証装置は、例えば、コンピュータ20であり、プロセッサ21によって装置全体が制御されている。プロセッサ21には、バス29を介してRAM(Random Access Memory)22と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ21は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ21は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
RAM22は、コンピュータ20の主記憶装置として使用される。RAM22には、プロセッサ21に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM22には、プロセッサ21による処理に必要な各種データが格納される。
バス29に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)23、グラフィック処理装置24、入力インタフェース25、光学ドライブ装置26、機器接続インタフェース27及びネットワークインタフェース28がある。
HDD23は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込み及び読み出しを行う。HDD23は、コンピュータ20の補助記憶装置として使用される。HDD23には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、及び各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
グラフィック処理装置24には、モニタ24aが接続されている。グラフィック処理装置24は、プロセッサ21からの命令にしたがって、画像をモニタ24aの画面に表示させる。モニタ24aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
入力インタフェース25には、キーボード25aとマウス25bとが接続されている。入力インタフェース25は、キーボード25aやマウス25bから送られてくる信号をプロセッサ21に送信する。なお、マウス25bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
光学ドライブ装置26は、レーザ光などを利用して、光ディスク26aに記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク26aは、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク26aには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
機器接続インタフェース27は、コンピュータ20に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース27には、メモリ装置27aやメモリリーダライタ27bを接続することができる。メモリ装置27aは、機器接続インタフェース27との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ27bは、メモリカード27cへのデータの書き込み、またはメモリカード27cからのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード27cは、カード型の記録媒体である。
ネットワークインタフェース28は、ネットワーク28aに接続されている。ネットワークインタフェース28は、ネットワーク28aを介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、図1に示した第1の実施の形態の検証装置1も、図2に示したコンピュータ20と同様のハードウェアにより実現することができる。
コンピュータ20は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。コンピュータ20に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、コンピュータ20に実行させるプログラムをHDD23に格納しておくことができる。プロセッサ21は、HDD23内のプログラムの少なくとも一部をRAM22にロードし、プログラムを実行する。またコンピュータ20に実行させるプログラムを、光ディスク26a、メモリ装置27a、メモリカード27cなどの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ21からの制御により、HDD23にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ21が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
続いて、検証対象の半導体装置の一例について図3を用いて説明する。
図3は、検証対象の半導体装置の一例の断面図である。
図3に示す半導体装置30は、実装基板31、半導体チップ32、半導体チップ33を有する。
実装基板31は、例えば、パッケージ基板などであり、半導体チップ32は、実装基板31上に搭載されている。
半導体チップ32は、ワイヤ34によって、実装基板31と電気的に接続(ワイヤボンディング)されている。
半導体チップ33は、バンプ35によって、半導体チップ32と電気的に接続されている。
バンプ35には、半導体チップ32から半導体チップ33への電源供給に用いる電源バンプや、信号の入出力に用いる信号バンプなどが含まれる。
本実施の形態では、半導体チップ32は、電圧ドロップの検証対象の回路部であり、設計情報が得られているものであり、半導体チップ33は、設計情報が得られていないものであるとして説明する。設計情報は、例えば、設計が未完了、または設計元から提供されない、などの理由により得られない場合がある。
次に、検証を行う際に用いられる設計情報、入力情報の一例について説明する。
設計情報は、半導体チップ32の設計情報である。設計情報には、例えば、半導体チップ32内の回路素子及び配線情報を含むネットリスト、半導体チップ32のレイアウトデータなどが含まれる。
入力情報は、半導体チップ33の消費電流及びシート抵抗を含む情報である。後述のように、シート抵抗には2種類ある。また、消費電流は、アクティブ、スタンバイなどのモードに応じた半導体チップ33の消費電流であってもよい。入力情報は、ネットリストやレイアウトデータなどの設計情報がなくても、例えば、半導体チップ33の設計ルールやスペック値などから得ることができる。また、半導体チップ33と同様の性能を持つ半導体チップの測定で得られる消費電流やシート抵抗を用いてもよい。
このような、設計情報及び入力情報は、例えば、検証を行う際または前に、キーボード25aもしくはマウス25bの操作によって、入力インタフェース25を介してコンピュータ20に入力され、HDD23に格納される。
上記のような半導体装置30に対する検証方法の一例について、以下、図4を用いて説明する。
図4は、第2の実施の形態に係る検証方法の一例を説明するフローチャートである。
まず、プロセッサ21は、例えば、HDD23に格納された設計情報を読み出し、設計情報から、半導体チップ32と半導体チップ33の接続情報を抽出する(ステップS11)。
抽出される接続情報は、例えば、半導体チップ32から半導体チップ33への電源供給に用いる電源バンプの接続位置(バンプ35の位置)、電源バンプに接続される電源の種類(VDD、VSSなど)である。これらの情報は、例えば、LEF(Library Exchange Format)の半導体チップ32のレイアウトデータから、電源バンプがスタックされる半導体チップ32の電源バンプセルの配置位置、電源バンプセルに接続される電源の種類を抽出することで得られる。
次に、プロセッサ21は、設計情報を、例えば、HDD23から読み出し、半導体チップ32の電源網等価回路32aを作成する(ステップS12)。プロセッサ21は、例えば、電源網等価回路32aを、回路図エディタ、論理合成ツールなどの設計ツールにより、半導体チップ32内の回路素子及び配線の接続情報を含むネットリストとして作成することができる。
一方、プロセッサ21は、例えば、HDD23に格納された入力情報を読み出し、入力情報から半導体チップ33の消費電流及びシート抵抗を取得する(ステップS13)。
なお、プロセッサ21は、例えば、HDD23に格納された入力情報から、検証を行いたい半導体装置30のモード(アクティブ、スタンバイなど)に応じた半導体チップ32の消費電流を取得してもよい。
また、プロセッサ21は、入力情報から2種類のシート抵抗を取得する。
以下、シート抵抗が2種類ある理由を説明する。
後述のように、プロセッサ21は、簡易電源網等価回路33aの作成の際、まず、簡易電源網等価回路33aを構成するVDD、VSSの各電源網を作成する。VDD、VSSの各電源網は、半導体チップ33の平面内に、半導体チップ33の平面上の異なる2方向に抵抗を配置することにより作成される。このとき、配置される抵抗の抵抗値は、入力情報に含まれるシート抵抗に基づいて設定される。そのため、半導体チップ33の平面上の異なる2方向に配置される抵抗の持つ抵抗値は、それぞれの方向に対応したシート抵抗に基づいて設定されることになる。したがって、VDD、VSSの各電源網を作成するために、半導体チップ33の平面上の異なる2方向に対応した2つのシート抵抗が用いられる。
なお、上記半導体チップ33の平面上の異なる2方向は、簡易電源網等価回路33aなどを作成する際に、一意的に決まればよい。
半導体チップ33の平面上の異なる2方向は、例えば、以下のように設定される。
図5は、検証対象となる半導体装置の一例の平面図である。
図5に示す半導体装置30は、図3に示す半導体装置30と同じものであり、図3に示した要素と同じものについては、同一符号を付している。なお、図5において、ワイヤ34は、図示を省略している。
辺331,332は、それぞれ、平面上における半導体チップ33の異なる方向の辺である。以下の説明(図6〜図11など)では、平面上において、辺331に平行な方向を横方向、辺332に平行な方向を縦方向とする。
なお、上記のように、横方向及び縦方向は、半導体チップ33の平面上において、一意的に決まればよいので、各方向の決め方は、上記に限定されない。
以下の説明では、図5に示す半導体チップ33の横方向に対応したシート抵抗(以下、横方向シート抵抗という。)と、半導体チップ33の縦方向に対応したシート抵抗(以下、縦方向シート抵抗という。)の2種類を用いるものとする。
なお、シート抵抗は、電源の種類(VDD、VSSなど)ごとに異なる値を用いてもよい。
その後、プロセッサ21は、ステップS13の処理で得られた消費電流及びシート抵抗(横方向シート抵抗、縦方向シート抵抗)に基づき、半導体チップ33の簡易電源網等価回路33aを作成する(ステップS14)。
以下、簡易電源網等価回路33aの作成方法の一例について説明する。
まず、プロセッサ21は、VDD、VSSの各電源網をそれぞれ作成する。
以下、VDDの電源網の作成方法の一例について図6〜図8を用いて説明する。
図6〜図8は、VDDの電源網の作成方法の一例を示す図である。
まず、プロセッサ21は、VDDの電源網の横方向と縦方向のサイズを決める。例えば、半導体チップ33の全体サイズ情報が得られる場合は、半導体チップ33の全体サイズ情報に基づいて、VDDの電源網の横方向と縦方向のサイズを決めることができる。また、半導体チップ33の全体サイズ情報が得られない場合は、例えば、ステップS11の処理で抽出された接続情報に示されている電源バンプの接続位置全体を覆うようにして、VDDの電源網の横方向と縦方向のサイズを決めることができる。
例えば、プロセッサ21は、図6に示すように、横方向のサイズはL1、縦方向のサイズをL2と決めて、VDD電源網作成領域36を作成する。
次に、プロセッサ21は、図7に示すように、所定の格子間隔d1、d2に基づき、格子状にVDD電源網作成領域36を分割して、分割VDD電源網作成領域37を作成する。格子間隔d1、d2は、例えば、検証を行う際のシミュレーション時間などを考慮して設定される。例えば、格子間隔d1、d2は、シミュレーション時間を考慮して、全体の格子数が50×50程度になるように設定されたり、100μm程度になるように設定されたりする。なお、格子間隔d1、d2は、電源網の種類(VDD、VSSなど)ごとに異なっていてもよい。
その後、プロセッサ21は、分割VDD電源網作成領域37の格子の各辺に抵抗を配置して、VDDの電源網を作成する。このとき、プロセッサ21は、横方向に平行な格子の各辺には、横方向シート抵抗に基づき設定される抵抗値を持つ抵抗を、縦方向に平行な格子の各辺には、縦方向シート抵抗に基づいて設定される抵抗値を持つ抵抗を配置する。配置される抵抗の抵抗値は、例えば、横方向シート抵抗×d1/d2(横方向に平行な格子の各辺に配置される抵抗)、縦方向シート抵抗×d2/d1(縦方向に平行な格子の各辺に配置される抵抗)として設定される。
図8に示すVDD電源網NDD1は、プロセッサ21により作成されるVDD電源網の例である。
VDD電源網NDD1は、プロセッサ21により格子の各辺に配置された抵抗Rd1、Rd2、Rd3、Rd4、Rd5、Rd6・・・、Rdn−1、Rdnを有している。格子の横方向の各辺には、横方向シート抵抗に基づき設定される抵抗値を持つ抵抗が、格子の縦方向の各辺には、縦方向シート抵抗に基づいて設定される抵抗値を持つ抵抗が配置されている。例えば、図8に示す波線38で囲まれた領域には、横方向シート抵抗に基づいて設定される抵抗値を持つ抵抗が、波線39で囲まれた領域には、縦方向シート抵抗に基づいて設定される抵抗値を持つ抵抗が配置されている。
以上のようにして、プロセッサ21は、VDDの電源網を作成する。
また、上記と同様にして、プロセッサ21は、VSSの電源網も作成する。
次に、プロセッサ21は、VDD、VSSの各電源網を、定電流源を介して接続し、簡易電源網等価回路33aを作成する。このとき、接続に用いる定電流源の電流値は、ステップS13の処理で取得された半導体チップ32の消費電流に基づいて設定される。
以下、VDD、VSSの各電源網の接続方法の一例について図9及び図10を用いて説明する。
まず、プロセッサ21は、前述してきた各方向(横方向及び縦方向)を基準とした座標系において、同座標となるVDD、VSSの各電源網の格子点を取得する。
以下、同座標となるVDD、VSSの各電源網の格子点の一例を示す。
図9は、VDD、VSSの各電源網の格子点の一例を示す図である。
図9に示すVDD電源網NDD1、VSS電源網NSS1は、上記の手法によりプロセッサ21によって作成されたVDDの電源網とVSSの電源網である。
また、格子点Cd1、Cd2、Cd3、Cd4、Cd5、Cd6、・・・、Cdm−2、Cdm−1、Cdmは、VDDの電源網の格子の頂点である。また、格子点Cs1、Cs2、Cs3、Cd4、Cd5、Cd6、・・・、Csm−2、Csm−1、Csmは、VSSの電源網の格子の頂点である。
例えば、図9に示す格子点Cd1と格子点Cs1、格子点Cd2と格子点Cs2、・・・、格子点Cdmと格子点Csmが、横方向及び縦方向の座標系において、同座標となる格子点である。そのため、この場合、プロセッサ21は、VDD、VSSの各電源網の格子点において、格子点Cd1と格子点Cs1〜格子点Cdmと格子点Csmを同座標となる格子点として取得する。
なお、例えば、VDD、VSSの各電源網の格子点の間隔が異なることにより、横方向及び縦方向を基準とする座標系において、同座標となる格子点が存在しない場合は、近い座標を持つVDD、VSSの各電源網の格子点が取得される。
次に、プロセッサ21は、VDD、VSSの各電源網を、上記で取得した同座標または近い座標となる格子点に、定電流源を介して接続し、簡易電源網等価回路33aを作成する。
図10は、作成される簡易電源網等価回路の一例を示す模式図である。
図10に示す格子点Cd1と格子点Cs1、格子点Cd2と格子点Cs2、・・・、格子点Cdmと格子点Csmは、横方向及び縦方向を基準とした座標系において、同座標の格子点である。そのため、プロセッサ21により、定電流源I1、I2、・・・、Im−2、Im−1、Imを介して接続されている。
なお、定電流源I1〜Imの各電流値は、ステップS13の処理で取得される半導体チップ32の消費電流に基づいて設定される。例えば、定電流源の電流値は、消費電流を定電流源の総数(図7の例では、m)で割るなどして求められる。
以上のようにして、簡易電源網等価回路33aが作成される。
続いて、プロセッサ21は、ステップS11の処理で抽出した接続情報に基づき、半導体チップ32の電源網等価回路32aと半導体チップ33の簡易電源網等価回路33aとを結合して電源網等価回路30aを作成する(ステップS15)。例えば、ステップS11の処理で抽出される接続情報に、電源バンプの接続先となる半導体チップ32の電源バンプセルの配置位置、電源バンプセルに接続される電源の種類(VDD、VSS)が含まれているとする。この場合、電源バンプセルに接続される電源の種類がVDDであれば、電源バンプセルの配置位置に一番近い簡易電源網等価回路33aのVDDの電源網の格子点と、電源網等価回路32aのVDD電源バンプセルとを結合させる。
以下では、電源バンプセルに接続される電源の種類がVDDである場合の、半導体チップ32の電源網等価回路32aと半導体チップ33の簡易電源網等価回路33aとの結合例を、図11を用いて説明する。
図11は、電源バンプセルに接続される電源の種類がVDDである場合の電源網等価回路と簡易電源網等価回路との結合の一例を示す図である。
半導体チップ32の電源バンプセルBd1、Bd2、Bd3が配置されている平面32adが示されている。電源バンプセルBd1〜Bd3は、VDD電源バンプセルである。
VDD電源網NDD1は、半導体チップ33の簡易電源網等価回路33aのVDDの電源網である。また、格子点Cd1〜Cdmは、VDDの電源網の格子の頂点である。
簡易電源網等価回路33aのVDD電源網NDD1は、上記のようにシミュレーション用に簡易的に作成される。そのため、VDD電源網NDD1の格子点の間隔(例えば、図7のd1、d2)は、設計情報に基づいて抽出される電源バンプセルの配置間隔と合わないことが考えられる。これは、例えば、VDD電源網NDD1の格子点の間隔が、シミュレーション時間などを考慮して100μm程度に設定されるのに対し、電源バンプセル配置間隔は、設計情報に基づいて10μm程度の単位で抽出されることが考えられるからである。
よって以下では、VDD電源網NDD1の格子点の間隔が、半導体チップ32の電源バンプセルの配置間隔と合わないことを前提に説明する。
プロセッサ21は、半導体チップ32の電源バンプセル配置位置と一番近いVDD電源網NDD1の格子点を取得し、電源網等価回路32aの電源バンプセルを結合する。例えば、図11に示す電源バンプセルBd1と一番近いVDD電源網NDD1の格子点は、Cd5である。よって、この場合、プロセッサ21は、Cd5と電源網等価回路32aの電源バンプセルBd1を結合する。同様にして、各電源バンプセルの配置位置において、電源網等価回路32aの電源バンプセルと、簡易電源網等価回路33aのVDD電源網NDD1の格子点を結合させる。
なお、半導体チップ32と半導体チップ33を接続する電源バンプの抵抗を考慮したい場合には、バンプの抵抗を介し上記結合を行うことも可能である。
また、プロセッサ21は、上記と同様にして、電源バンプセルの電源種類がVSSである場合の電源網等価回路32aと簡易電源網等価回路33aとの結合も行う。
以上のように、プロセッサ21は、ステップS11の処理で抽出した接続情報に基づいて、電源網等価回路32aと簡易電源網等価回路33aとの結合を行う。
その後、プロセッサ21は、ステップS15の処理で作成した電源網等価回路に対して回路シミュレーションを行い、半導体チップ32における電圧ドロップを解析する(ステップS16)。例えば、回路シミュレーションは、SPICEを用いて実行される。プロセッサ21は、回路シミュレーション結果に基づき、例えば、電圧ドロップの情報を含む電圧分布図などを作成し、モニタ24aに表示する。
図12は、モニタに表示される電圧分布図の一例である。
実線32cで囲まれた領域は、半導体チップ32の平面領域を示している。また、曲線40で囲まれた領域は、5mV以上の電圧ドロップが生じている個所であり、曲線41で囲まれた領域は、10mV以上の電圧ドロップが生じている個所である。また、曲線42で囲まれた領域は、15mV以上の電圧ドロップが生じている個所であり、曲線43で囲まれた領域は、20mV以上の電圧ドロップが生じている個所である。
図12に示すような電圧分布図を参照することで、ユーザーは、半導体チップ33が積層される半導体チップ32において、どこで電圧ドロップが大きくなるのかなどを検証できる。
なお、半導体チップ32の電源網等価回路を作成するステップS12の処理と、半導体チップ33の簡易電源網等価回路を作成するステップS13の処理及びS14の処理は、どちらを先に実行してもよい。
以上のように、第2の実施の形態の検証装置及び検証方法によれば、設計情報のない半導体チップ33の電源網の等価回路を消費電流とシート抵抗から簡易的に作成することができる。また、半導体チップ33の電源網の等価回路と、設計情報のある半導体チップ32の電源網の等価回路とを結合して回路シミュレーションすることで、設計情報のない半導体チップがあっても電圧ドロップを検証できる。
さらに、半導体チップ32の消費電流と2種類のシート抵抗を用いて半導体チップ32の電源網の等価回路を作成することにより、より精度よく電圧ドロップ検証を行うことができる。また、電源の種類ごとのシート抵抗を用いることで、さらにより精度よく電圧ドロップ検証を行うことができる。
なお、図3及び図5において、設計情報のない半導体チップを半導体チップ33、設計情報がある半導体チップを半導体チップ32としたが、設計情報のない半導体チップを半導体チップ32、設計情報のある半導体チップを半導体チップ33としてもよい。その場合は、簡易電源網等価回路に電源モデルを接続するようにしてもよい。
簡易電源網等価回路に電源モデルを接続する一例について図13を用いて説明する。
図13は、電源モデルが接続された簡易電源網等価回路の一例を示す模式図である。
簡易電源網等価回路32bは、電源V1、VDD電源網NDD2、VSS電源網NSS2を有する。また、簡易電源網等価回路32b、VDD電源網NDD2、VSS電源網NSS2は、上記の手法と同様にして、作成されるものである。
電源V1は、設計情報がない半導体チップを半導体チップ32とした場合に接続される電源モデルである。電源V1は、例えば、レアウトデータなどを参照して、実際に電源が接続される位置に近いVDD電源網NDD2とVSS電源網NSS2の格子点に接続される。
なお、検証対象となる半導体装置は、上記の例に限定されるものではない。以下に、第2の実施の形態の検証対象となる半導体装置の変形例を図14に示す。
(変形例)
図14は、検証対象となる半導体装置の変形例を示す断面図である。
図14に示す半導体装置50は、実装基板51、半導体チップ52、半導体チップ53を有する。
実装基板51は、例えば、パッケージ基板などであり、半導体チップ52は、実装基板51上に搭載されている。
半導体チップ52は、バンプ54によって、実装基板51と電気的に接続されている。
半導体チップ53は、TSV(Through Silicon Via)55及びバンプ56によって、半導体チップ52と電気的に接続されている。
また、バンプ54及びバンプ56には、電源供給に用いる電源バンプや、信号の入出力に用いる信号バンプなどが含まれる。
この場合、上記のように、半導体チップ52、53のどちらの半導体チップも電圧ドロップ解析の対象とすることができる。
例えば、半導体チップ52を電圧ドロップ解析の対象とする場合、すなわち、半導体チップ52が設計情報のある半導体チップで、半導体チップ53が設計情報のない半導体チップとなる場合を説明する。このとき、図4のステップS11の処理による接続情報抽出は、半導体チップ52の設計情報から抽出される。例えば、半導体チップ52のレイアウトデータから、電源バンプ(バンプ56)がスタックされる電源バンプセルの配置位置、電源バンプセルに接続される電源の種類、TSVに接続される電源の種類を抽出することにより接続情報の抽出が行われる。また、図4のステップS15の処理では、上記ステップS11の処理で抽出された接続情報に基づき、半導体チップ52の電源網等価回路と半導体チップ53の簡易電源網等価回路とが結合される。
また、例えば、半導体チップ53が電圧ドロップ解析の対象となる場合、すなわち、半導体チップ53が設計情報のある半導体チップで、半導体チップ52が設計情報のない半導体チップの場合を説明する。このとき、図4のステップS11の処理による接続情報抽出は、半導体チップ53の設計情報から抽出される。例えば、半導体チップ53のレイアウトデータから、電源バンプ(バンプ56)がスタックされる電源バンプセルの配置位置、電源バンプセルに接続される電源の種類を抽出することにより、接続情報の抽出が行われる。また、図4のステップS15の処理では、上記ステップS11の処理で抽出された接続情報に基づき、半導体チップ53の電源網等価回路と半導体チップ52の簡易電源網等価回路とが結合される。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態は、設計情報のある半導体チップと設計情報のない半導体チップを積層させた半導体装置を検証対象として扱うものであった。一方、以下に示す第3の実施の形態では、設計情報のない回路ブロックを含む半導体チップを検証対象の半導体装置として扱うものである。
なお、検証装置は、第2の実施の形態に係る検証装置の一例(図2)を用いることができる。よって、ここでは、説明を省略する。
図15は、検証対象となる半導体チップの一例の平面図である。
図15に示す半導体チップ60は、回路基板61、回路ブロック62、63、64、65、66、67を有する。回路ブロック62〜67は、図示を省略しているが、例えば、回路基板61の電源パッドを介して電源に接続され、また、信号パッドを介して信号が入力される。また、回路ブロック62〜67は、例えば、信号配線や電源配線を介して互いに電気的に接続されている。
辺601,602は、平面上における半導体チップ60の異なる方向の辺である。以下の説明では、平面上において、辺601に平行な方向を横方向、辺602に平行な方向を縦方向とする。なお、第2の実施の形態と同様に、横方向及び縦方向は、半導体チップ60において、一意的に決まればよいので、各方向の決め方は、上記に限定されない。
図15の例では、回路ブロック62は、設計情報がない回路ブロックを示している。設計情報は、例えば、回路ブロック62の設計が未完了などの理由により、得られていない。
回路ブロック63〜67は、設計情報のある回路ブロックであり、電圧ドロップ解析の対象となる。
次に、検証を行う際に用いられる設計情報、入力情報の一例について説明する。
設計情報は、例えば、回路基板61及び回路ブロック63〜67の設計情報である。設計情報は、例えば、回路基板61及び回路ブロック63〜67内の回路素子及び配線情報を含むネットリスト、回路基板61及び回路ブロック62〜66のレイアウトデータなどが含まれる。
入力情報は、回路ブロック62の消費電流及びシート抵抗を含む情報である。第2の実施の形態と同様に、シート抵抗には2種類ある。また、消費電流は、アクティブ、スタンバイなどのモードに応じた回路ブロック62の消費電流であってもよい。入力情報は、ネットリストやレイアウトデータなどの設計情報がなくても、例えば、回路ブロック62の設計ルールやスペック値などから得ることができる。
このような、設計情報及び入力情報は、例えば、検証を行う際または前に、キーボード25aもしくはマウス25bの操作によって、入力インタフェース25を介して、コンピュータ20に入力され、HDD23に格納される。
図15に示したような半導体装置(半導体チップ60)に対する検証方法の一例について、以下、図16を用いて説明する。
図16は、第3の実施の形態に係る検証方法の一例を説明するフローチャートである。
まず、プロセッサ21は、例えば、HDD23に格納された設計情報を読み出し、設計情報から回路ブロック62と回路基板61、回路ブロック62と回路ブロック63〜67の接続情報を抽出する(ステップS21)。
以下に説明する例では、回路ブロック62は、回路基板61の他、隣接する回路ブロック63及び回路ブロック67と接続しているものとする。そのため、プロセッサ21が抽出する接続情報は、回路ブロック62と回路基板61、回路ブロック62と回路ブロック63、回路ブロック62と回路ブロック67の3つの接続に関するものとなる。以下に、3つの接続情報の抽出について説明する。
回路ブロック62と回路基板61の接続情報が抽出される場合は、例えば、回路ブロック62が使用する電源が接続される回路基板61の電源パッドの位置、回路基板61の電源パッドに接続される電源の種類が接続情報として抽出される。この場合、接続情報の抽出は、例えば、回路基板61のレイアウトデータから、電源パッドセルの配置位置、電源パッドセルに接続される電源の種類を抽出することにより行うことができる。
また、回路ブロック62と回路ブロック63の接続情報が抽出される場合は、例えば、回路ブロック62と回路ブロック63の電源配線の接続位置、電源配線に接続される電源の種類が、接続情報として抽出される。この場合、接続情報の抽出は、例えば、回路ブロック63のレイアウトデータから、回路ブロック62の電源配線の接続先となる回路ブロック63の電源ピンの配置位置、電源ピンに接続される電源の種類を抽出することにより行うことができる。
また、回路ブロック62と回路ブロック67の接続情報が抽出される場合は、例えば、回路ブロック62と回路ブロック67の電源配線の接続位置、電源配線に接続される電源の種類が、接続情報として抽出される。この場合、接続情報の抽出は、例えば、回路ブロック67のレイアウトデータから、回路ブロック62の電源配線の接続先となる回路ブロック67の電源ピンの配置位置、電源ピンに接続される電源の種類を抽出することにより行うことができる。
なお、上記レイアウトデータは、例えば、LEFの形式のものを用いることができる。
次に、プロセッサ21は、設計情報を、例えば、HDD23から読み出し、回路基板61及び回路ブロック63〜67の電源網等価回路68aを作成する(ステップS22)。プロセッサ21は、例えば、電源網等価回路68aを、回路図エディタ、論理合成ツールなどの設計ツールにより、回路基板61及び回路ブロック63〜67内の回路素子及び配線の接続情報を含むネットリストとして作成することができる。
一方、プロセッサ21は、例えば、HDD23に格納された入力情報を読み出し、入力情報から回路ブロック62の消費電流及びシート抵抗を取得する(ステップS23)。
なお、プロセッサ21は、検証を行いたい半導体チップ60のモード(アクティブ、スタンバイなど)に応じた回路ブロック62の消費電流を取得してもよい。
また、プロセッサ21は、第2の実施の形態と同様に、横方向シート抵抗と縦方向シート抵抗を取得する。また、シート抵抗は、電源の種類(VDD、VSSなど)ごとに異なる値を用いてもよい。
その後、プロセッサ21は、ステップS23の処理で得られた消費電流及びシート抵抗(横方向シート抵抗、縦方向シート抵抗)に基づき、第2の実施の形態と同様にして、回路ブロック62の簡易電源網等価回路62aを作成する(ステップS24)。
続いて、プロセッサ21は、ステップS21の処理で抽出した接続情報に基づき、回路ブロック62の簡易電源網等価回路62aと回路基板61及び回路ブロック63〜67の電源網等価回路68aとを結合して電源網等価回路60aを作成する(ステップ25)。
上記のように、回路ブロック62は、回路基板61、隣接する回路ブロック63及び回路ブロック67と接続しているとして、以下に3通りの結合について説明する。
例えば、ステップS21の処理で抽出される接続情報に、回路基板61の電源パッドセルの配置位置、電源パッドセルに接続される電源の種類が含まれているとする。この場合、電源パッドセルに接続される電源がVDDであれば、電源パッドセルの配置位置に一番近い簡易電源網等価回路62aのVDDの電源網の格子点と、電源網等価回路68aのVDD電源パッドセルが結合される。
また、例えば、ステップS21の処理で抽出される接続情報に、回路ブロック63の電源ピンの配置位置、電源ピンに接続される電源の種類が含まれているとする。この場合、回路ブロック63の電源ピンに接続される電源の種類がVDDであれば、電源ピンの配置位置に一番近い簡易電源網等価回路62aのVDDの電源網の格子点と、電源網等価回路68aのVDD電源ピンが結合される。
また、例えば、ステップS21の処理で抽出される接続情報に、回路ブロック67の電源ピンの配置位置、電源ピンに接続される電源の種類が含まれているとする。この場合、回路ブロック67の電源ピンに接続される電源の種類がVDDであれば、電源ピンの配置位置に一番近い簡易電源網等価回路62aのVDDの電源網の格子点と、電源網等価回路68aのVDD電源ピンが結合される。
以下では、電源パッドセル、回路ブロック63、回路ブロック67の電源ピンがVDDである場合の簡易電源網等価回路62aと電源網等価回路68aとの結合例について、図17を用いて説明する。
図17は、電源パッドセル、回路ブロックの電源ピンに接続される電源の種類がVDDである場合の簡易電源網等価回路と電源網等価回路との結合の一例を示す図である。
図17には、回路基板61の電源パッドセルPd1、Pd2が配置されている平面61adが示されている。電源パッドセルPd1、Pd2は、VDD電源パッドセルである。
また、図17には、回路ブロック63の電源ピンP1、P2が配置されている平面63adが示されている。電源ピンP1、P2は、VDD電源ピンである。
また、図17には、回路ブロック67の電源ピンP3、P4が配置されている平面67adが示されている。電源ピンP3、P4は、VDD電源ピンである。
VDD電源網NDD2は、回路ブロック62による簡易電源網等価回路62aのVDDの電源網である。また、格子点Ce1、Ce2、Ce3、Ce4、Ce5、・・・、Cem−2、Cem−1、Cemは、VDDの電源網の格子の頂点である。
簡易電源網等価回路62aのVDD電源網NDD2は、第2の実施の形態と同様にシミュレーション用に簡易的に作成される。そのため、VDD電源網NDD2の格子点の間隔は、設計情報に基づいて抽出される電源パッドセルや電源ピンの配置間隔と合わないことが考えられる。これは、例えば、VDD電源網NDD2の格子点の間隔が、シミュレーション時間などを考慮して100μm程度に設定されるのに対し、電源パッドセルや電源ピンの配置間隔は、設計情報に基づいて10μm程度の単位で抽出されることが考えられるからである。
したがって、以下では、VDD電源網NDD2の格子点の間隔が、電源パッドセルや電源ピンの配置間隔と合わないことを前提に説明する。
プロセッサ21は、回路基板61の電源パッドセルに一番近いVDD電源網NDD2の格子点を取得し、電源網等価回路68aのVDD電源パッドセルを結合する。例えば、図17に示す電源パッドセルPd1に一番近いVDD電源網NDD2の格子点は、格子点Cem−2である。よって、この場合、格子点Cem−2に、電源網等価回路68aの電源パッドセルPd1が結合される。同様にして、各電源パッドセルの配置位置において、VDD電源網NDD2の格子点に電源網等価回路68aの電源パッドセルが結合される。
なお、電源パッドの抵抗を考慮したい場合は、電源パッドの抵抗を介して、電源網等価回路68aの電源パッドセルを結合させるとよい。
プロセッサ21は、回路ブロック63の電源ピンに一番近いVDD電源網NDD2の格子点を取得し、電源網等価回路68aの電源ピンと結合する。例えば、図17に示す電源ピンP1と一番近いVDD電源網NDD2の格子点は、格子点Ce3である。よって、この場合、プロセッサ21は、格子点Ce3に、電源網等価回路68aの電源ピンP1を結合する。同様にして、回路ブロック63の各電源ピンの配置位置において、電源網等価回路68aの電源ピンと簡易電源網等価回路62aのVDD電源網NDD2の格子点が結合される。
同様に、プロセッサ21は、回路ブロック67の電源ピンに一番近いVDD電源網NDD2の格子点を取得し、電源網等価回路68aの電源ピンと結合する。例えば、図17に示す電源ピンP3と一番近いVDD電源網NDD2の格子点は、格子点Ce2である。よって、この場合、プロセッサ21は、格子点Ce2に、電源網等価回路68aの電源ピンP3を結合する。同様にして、回路ブロック67の各電源ピンの配置位置において、電源網等価回路68aの電源ピンと簡易電源網等価回路62aのVDD電源網NDD2の格子点が結合される。
また、プロセッサ21は、上記と同様にして、電源ピンがVSSに接続されている場合についても、電源パッドセル、回路ブロック63、回路ブロック67の電源網等価回路と簡易電源等価回路との結合を行う。
以上のように、プロセッサ21は、ステップS21で抽出した接続情報に基づいて、電源網等価回路68aと簡易電源網等価回路62aとの結合を行う。
なお、上記各処理ステップにおいて、回路ブロック62は、隣接する回路ブロック63及び回路ブロック67と接続しているとして説明したが、回路ブロック62の回路ブロック63〜67の接続は、上記に限定されるものではない。回路ブロック62が、回路ブロック63及び回路ブロック67以外の回路ブロックと接続する場合も上記と同様の処理を行うことにより、電源網等価回路60aを作成できる。
その後、プロセッサ21は、ステップS25の処理で作成した電源網等価回路60aに対して回路シミュレーションを行い、回路ブロック63〜67における電圧ドロップを解析する(ステップS26)。例えば、回路シミュレーションは、SPICEを用いて実行される。プロセッサ21は、回路シミュレーション結果に基づき、例えば、電圧ドロップの情報を含む電圧分布図などを作成し、モニタ24aに表示する。
なお、回路ブロック63〜67の電源網等価回路68aを作成するステップS22の処理と、回路ブロック62の簡易電源網等価回路62aを作成するステップS23の処理及びS24の処理は、どちらを先に実行してもよい。
以上のように、第3の実施の形態の検証装置及び検証方法によれば、設計情報のない回路ブロック62の電源網の等価回路を消費電流とシート抵抗から簡易的に作成することができる。また、設計情報のない回路ブロック62と設計情報のある回路ブロック63〜67の電源網の等価回路とを結合して回路シミュレーションすることで、設計情報のない回路ブロックがあっても電圧ドロップを検証できる。
さらに、回路ブロック62の消費電流と2種類のシート抵抗を用いて回路ブロック62の電源網の等価回路を作成することにより、より精度よく電圧ドロップ検証を行うことができる。また、電源の種類ごとのシート抵抗を用いることで、さらにより精度よく電圧ドロップ検証を行うことができる。
以上、実施の形態に基づき、本発明の検証方法、検証装置及びプログラムの一観点について説明してきたが、これらは一例にすぎず、上記の記載に限定されるものではない。
例えば、上記の説明では、VDDとVSSの2つの電源網を、定電流源を介して接続して簡易電源網等価回路を作成する例を示したが、これに限定されない。例えば、異なる複数のVDDの電源網と、複数のVSSの電源網とを定電流源を介して接続して簡易電源網等価回路を作成するようにしてもよい。
1 検証装置
2 プロセッサ
3 記憶部
10 半導体装置
11、12 回路部
11a、13 電源網等価回路
12a 簡易電源網等価回路
D1 設計情報
D2 入力情報

Claims (5)

  1. 検証装置が、
    半導体装置の第1の回路部の設計情報に基づき、前記第1の回路部の電源網を表す第1の等価回路を作成し、
    前記半導体装置の第2の回路部の消費電流及びシート抵抗に基づき、前記第2の回路部の電源網を表す第2の等価回路を作成し、
    前記第1の等価回路と前記第2の等価回路とを結合して第3の等価回路を作成し、
    前記第3の等価回路に対して回路シミュレーションを行い、前記第1の回路部における電源電圧の降下を解析する、
    ことを特徴とする検証方法。
  2. 前記シート抵抗は、前記第2の回路部の同一平面内における、第1の方向に対応した第1のシート抵抗と、第2の方向に対応した第2のシート抵抗を含むことを特徴とする請求項1に記載の検証方法。
  3. 前記シート抵抗は、電源の種類ごとに設定される、ことを特徴とする請求項1または2に記載の検証方法。
  4. プロセッサを有し、
    前記プロセッサは、
    半導体装置の第1の回路部の設計情報に基づき、前記第1の回路部の電源網を表す第1の等価回路を作成し、
    前記半導体装置の第2の回路部の消費電流及びシート抵抗に基づき、前記第2の回路部の電源網を表す第2の等価回路を作成し、
    前記第1の等価回路と前記第2の等価回路とを結合して第3の等価回路を作成し、
    前記第3の等価回路に対して回路シミュレーションを行い、前記第1の回路部における電源電圧の降下を解析する、
    ことを特徴とする検証装置。
  5. 半導体装置の第1の回路部の設計情報に基づき、前記第1の回路部の電源網を表す第1の等価回路を作成し、
    前記半導体装置の第2の回路部の消費電流及びシート抵抗に基づき、前記第2の回路部の電源網を表す第2の等価回路を作成し、
    前記第1の等価回路と前記第2の等価回路とを結合して第3の等価回路を作成し、
    前記第3の等価回路に対して回路シミュレーションを行い、前記第1の回路部における電源電圧の降下を解析する、
    処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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