JP2015139825A - ロボット、ロボットの制御装置及び制御方法、並びに、ロボット用制御プログラム - Google Patents

ロボット、ロボットの制御装置及び制御方法、並びに、ロボット用制御プログラム Download PDF

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真弓 小松
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Yasunao Okazaki
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Abstract

【課題】各人の運動能力に合わせた動作を行うことが出来るリハビリテーション用のロボット、ロボットの制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】進捗度推定部9によって人91のリハビリテーションの進捗度を決定し、動作範囲制限部13は進捗度に応じてロボットアーム21が動作する動作範囲を決定することにより、人の進捗度に応じた安全な上肢の伸展動作を促すことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、上肢伸展を目的とするリハビリテーション型のロボット、ロボットの動作を制御するロボットの制御装置及び制御方法、並びに、ロボット用制御プログラムに関する。
近年、介護ロボット又は歩行アシストロボットなどの医療・介護分野のロボットが盛んに開発されるようになってきた。このような介護分野のロボットは、高い安全性を必要とするのと同時に、各人の運動能力に合わせたロボットの動作が必要となる。
運動能力の回復を目的とするリハビリテーション機器について、従来技術は、仮想ダンパ又は仮想バネを設けて、目標とする軌道に沿って動作しやすいようにしている(非特許文献1)。
ERアクチュエータを用いたリハビリテーション訓練システムの開発に関する基礎研究 日本ロボット学会 Vol.19 No.5,pp.612〜619,2001
しかしながら、非特許文献1の技術では、各人の運動能力に合わせてどのように仮想ダンパ又はバネを設けるのがよいのか、また、軌道を外れた場合の安全性については考慮されていない。
本発明の目的は、上記従来の課題を解決し、各人の運動能力に合わせた動作を行うことが出来るリハビリテーション用のロボット、ロボットの制御装置及び制御方法、並びに、ロボット用制御プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の1つの態様によれば、ロボットアームを備え、操作者である患者の上肢伸展のリハビリテーション動作を補助するリハビリテーション用ロボットであって、
上記操作者が上記ロボットアームの先端部にかけた力を検出する力検出部と、
上記リハビリテーション動作の目標とする動作経路を生成する目標動作経路生成部と、
上記操作者の上記リハビリテーション動作の進捗度を推定する進捗度推定部と、
上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて、上記目標動作経路生成部で生成された上記動作経路を含む上記ロボットアームの上記先端部の動作範囲を制限する範囲制限部と、
上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて上記範囲制限部で制限された上記ロボットアームの上記先端部の上記動作範囲内で、上記力検出部で検出された上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記リハビリテーション動作を補助するように上記ロボットアームの上記先端部を移動制御する力制御部とを備える、ロボットを提供する。
これらの概括的かつ特定の態様は、システム、方法、コンピュータプログラム並びにシステム、方法及びコンピュータプログラムの任意の組み合わせにより実現してもよい。
本発明の上記態様によれば、操作者の上肢伸展を目的としたリハビリテーション用ロボットにおいて、操作者の運動能力に対応した動作ができるロボットが可能となる。
本発明の第1実施形態におけるロボットシステムの概要を示す図。 本発明の第1実施形態におけるロボットシステムの構成を示す図。 本発明の第1実施形態におけるロボットの制御装置及び制御対象であるロボットの一部を示すブロック図。 本発明の第1実施形態における個人進捗度データベースのアルゴリズムの一例を示す図。 本発明の第1実施形態における進捗度推定部のアルゴリズムの一例を示す図。 本発明の第1実施形態における動作範囲の一例を示す上面図および断面図。 本発明の第1実施形態における動作範囲の一例を示す上面図および断面図。 本発明の第2実施形態におけるロボットの制御装置及び制御対象であるロボットの一部を示すブロック図。 本発明の第2実施形態における進捗度推定部のアルゴリズムの一例を示す図。 本発明の第2実施形態における動作範囲及び抵抗の壁の一例を示す上面図および断面図。 本発明の第2実施形態における動作範囲及び抵抗の壁の一例を示す上面図および断面図。 本発明の第2実施形態における促し動作生成部のアルゴリズムの一例を示す図。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、ロボットアームを備え、操作者である患者の上肢伸展のリハビリテーション動作を補助するリハビリテーション用ロボットであって、
上記操作者が上記ロボットアームの先端部にかけた力を検出する力検出部と、
上記リハビリテーション動作の目標とする動作経路を生成する目標動作経路生成部と、
上記操作者の上記リハビリテーション動作の進捗度を推定する進捗度推定部と、
上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて、上記目標動作経路生成部で生成された上記動作経路を含む上記ロボットアームの上記先端部の動作範囲を制限する範囲制限部と、
上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて上記範囲制限部で制限された上記ロボットアームの上記先端部の上記動作範囲内で、上記力検出部で検出された上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記リハビリテーション動作を補助するように上記ロボットアームの上記先端部を移動制御する力制御部とを備える、ロボットを提供する。
上記第1態様によれば、操作者の上肢伸展を目的としたリハビリテーションロボットにおいて、操作者の運動能力に対応した動作を行うことができる。
本発明の第2態様によれば、上記範囲制限部は、上記先端部の上記動作範囲を、上記動作経路を含みかつ上記先端部から上記操作者に与える抵抗値が大きい第1の領域と、上記第1の領域の周囲に配置されて上記動作経路の範囲外でありかつ上記第1の領域よりも上記抵抗値が小さい第2の領域とに分けるように設定する第1態様に記載のロボットを提供する。
上記第2態様によれば、操作者は抵抗値を感じることにより、自らのリハビリテーション動作が目標とする動作経路からはずれていることを直感的に感じることが出来るリハビリテーションロボットを提供することが出来る。
本発明の第3態様によれば、上記範囲制限部は、上記進捗度推定部の推定した上記リハビリテーション動作の進捗度が進むほど、上記動作範囲を広げるように上記動作範囲を設定して制限する第1態様に記載のロボットを提供する。
上記第3態様によれば、リハビリテーション動作の進捗度に応じて動作範囲を変化させることができ、変化した動作範囲内で操作者が手で先端部を動かすことにより腕を伸ばすリハビリテーション動作の補助動作制御をロボットで行うことができる。
本発明の第4態様によれば、上記範囲制限部は、上記進捗度推定部の推定したリハビリテーション動作の進捗度が進むほど上記第1の領域を広げるように設定して、上記動作範囲を制限する第2態様に記載のロボットを提供する。
上記第4態様によれば、リハビリテーション動作の進捗度に応じて第1の領域を変化させることができ、変化した第1の領域内で操作者が手で先端部を動かすことにより腕を伸ばすリハビリテーション動作の補助動作制御をロボットで行うことができる。
本発明の第5態様によれば、上記力制御部は、上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記先端部の移動を制御するとき、上記操作者が上記先端部との間で押し合い動作を行うことにより、上記リハビリテーション動作を補助し、
さらに、上記先端部が上記動作経路から一定量外れたときに上記動作経路に戻すように上記動作経路に戻す方向から上記先端部が上記操作者に対して力を付与する促し動作を生成する促し動作生成部を備えて、上記促し動作生成部で生成された上記促し動作に基づき上記力制御部は上記先端部の移動を制御する、第1態様に記載のロボットを提供する。
上記第5態様によれば、操作者がリハビリテーション動作の動作経路から外れた方向に力をかけたときは、動作経路に戻る方向からロボットアームの先端部が力をかけることで操作者はロボットアームの先端部と押し合いながら腕を徐々に進展するというリハビリテーション動作を行うことが出来る。そのため、操作者の動作がリハビリテーション動作の目標軌道から外れた際に、操作者に目標軌道の方向を知らせる動作をロボットで行うことが出来る。
本発明の第6態様によれば、上記進捗度推定部は、上記リハビリテーション動作時に上記ロボットアームの上記先端部がリハビリテーション動作開始位置から目標位置まで移動するときにかかった時間に応じて上記進捗度を推定する第1〜5のいずれか1つの態様に記載のロボットを提供する。
上記第6態様によれば、リハビリテーション動作の時間に応じて進捗度を推定し、推定した進捗度に応じて制限された動作範囲内で操作者が手で先端部を動かすことにより、操作者の運動能力に合わせて腕を伸ばすリハビリテーション動作の補助動作制御をロボットで行うことができる。
本発明の第7態様によれば、上記進捗度推定部は、上記リハビリテーション動作時に上記ロボットアームの上記先端部が上記動作範囲の境界に到達した回数が低いほど上記進捗度が進んでいると推定する第1〜5のいずれか1つの態様に記載のロボットを提供する。
上記第7態様によれば、リハビリテーション動作時の先端部が上記動作範囲の境界に到達した回数に応じて進捗度を推定し、推定した進捗度に応じて制限された動作範囲内で操作者が手で先端部を動かすことにより、操作者の運動能力に合わせて腕を伸ばすリハビリテーション動作の補助動作制御をロボットで行うことができる。
本発明の第8態様によれば、ロボットアームを備え、操作者である患者の上肢伸展のリハビリテーション動作を補助するリハビリテーション用ロボットの制御装置であって、
上記リハビリテーション動作の目標とする動作経路を生成する目標動作経路生成部と、
上記操作者の上記リハビリテーション動作の進捗度を推定する進捗度推定部と、
上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて、上記目標動作経路生成部で生成された上記動作経路を含む上記ロボットアームの上記先端部の動作範囲を制限する範囲制限部と、
上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて上記範囲制限部で制限された上記ロボットアームの上記先端部の上記動作範囲内で、力検出部で検出された上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記リハビリテーション動作を補助するように上記ロボットアームの上記先端部を移動制御する力制御部とを備える、ロボットの制御装置を提供する。
上記第8態様によれば、操作者の上肢伸展を目的としたリハビリテーション用ロボットの制御装置において、操作者の運動能力に対応した動作制御を行うことができる。
本発明の第9態様によれば、ロボットアームを備え、操作者である患者の上肢伸展のリハビリテーション動作を補助するリハビリテーション用ロボットの制御方法であって、
上記リハビリテーション動作の目標とする動作経路を目標動作経路生成部で生成し、
上記操作者の上記リハビリテーション動作の進捗度を進捗度推定部で推定し、
上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて、上記目標動作経路生成部で生成された上記動作経路を含む上記ロボットアームの上記先端部の動作範囲を範囲制限部で制限し、
上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて上記範囲制限部で制限された上記ロボットアームの上記先端部の上記動作範囲内で、力検出部で検出された上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記リハビリテーション動作を補助するように上記ロボットアームの上記先端部を力制御部で移動制御する、ロボットの制御方法を提供する。
上記第9態様によれば、操作者の上肢伸展を目的としたリハビリテーション用ロボットの制御方法において、操作者の運動能力に対応した動作制御を行うことができる。
本発明の第10態様によれば、ロボットアームを備え、操作者である患者の上肢伸展のリハビリテーション動作を補助するリハビリテーション用ロボットの制御プログラムであって、
コンピュータを、
上記リハビリテーション動作の目標とする動作経路を生成する目標動作経路生成部と、
上記操作者の上記リハビリテーション動作の進捗度を推定する進捗度推定部と、
上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて、上記目標動作経路生成部で生成された上記動作経路を含む上記ロボットアームの上記先端部の動作範囲を制限する範囲制限部と、
上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて上記範囲制限部で制限された上記ロボットアームの上記先端部の上記動作範囲内で、力検出部で検出された上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記リハビリテーション動作を補助するように上記ロボットアームの上記先端部を移動制御する力制御部と、
として機能させるためのロボット用制御プログラムを提供する。
上記第10態様によれば、操作者の上肢伸展を目的としたリハビリテーション用ロボット用制御プログラムにおいて、操作者の運動能力に対応した動作制御を行うことができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるロボットシステム100の概要を示す図である。
ロボットシステム100のロボット20は、ロボットアーム21を備えるとともに、ロボットアーム21の先端にロボットハンド22を備えている。人91がロボットハンド22に力をかけると、人91がロボットハンド22にかけている力を力検出部23により検出し、検出した力に応じてロボットアーム21が動作し、人91の上肢伸展リハビリテーションロボットとして動作することができる。ロボットハンド22は、人91が手で押すため、C字形状の3つの平面又はなだらかな湾曲面で構成されて、手で中心部を押しやすくするとともに、手が接触する面には、ウレタン又はゴムなどの柔軟部材が配置されている。また、ハンド22は、ミット形状に形成されていてもよい。
本明細書におけるリハビリテーションロボットによるリハビリテーション補助(支援)動作とは、操作者91が手でハンド22を押し、操作者91の手とハンド22との間で押し合い動作を行うことにより、操作者91の手に抵抗感を与え、この状態を維持しながら、操作者91が上肢を伸展するようにリハビリテーション動作させることにより、リハビリテーション動作を補助又は支援することを意味する。
図2は、本発明の第1実施形態にかかるロボットシステム100の構成を示す図である。
ロボットシステム100は、制御装置50と、制御装置50の制御対象であるロボット20とにより構成されている。
制御装置50は、この第1実施形態では、一例として、一般的なパーソナルコンピュータにより構成されており、制御装置50は、制御プログラム40と、入出力IF41と、入力装置51とで構成されている。
入出力IF(インターフェース)41は、パーソナルコンピュータのPCIバスなどの拡張スロットに接続された、例えば、D/Aボードと、A/Dボードと、カウンタボードとなどを備えるように構成されている。
入力装置51は、一般的なキーボード又はタッチパネル又は音声入力装置又はバーコードリーダなどであり、リハビリテーション動作を行う操作者(患者)のID番号及びリハビリテーション動作の選択などの情報を制御装置50に入力するために備えられている。
制御装置50は、入力部の一例としての入出力IF41を介して、ロボット機構部6の各リンクマニピュレータを駆動するモータドライバ42と接続され、そのモータドライバ42に制御装置50から制御信号を送る。
ロボット20は、上記したように、ロボットアーム21を備えている。ロボットアーム21の構造については後述する。
ロボットアーム21の動作を制御する制御装置50の制御動作が実行されることにより、ロボットアーム21の各関節部の後述するエンコーダ7より出力される各関節角度情報(回転位相角など)を検出し、検出した各関節角度情報が入出力IF41のカウンタボードを通じて制御装置50に取り込まれ、取り込まれた各関節角度情報に基づき制御装置50によって各関節部の回転動作での制御指令値が算出される。算出された各制御指令値は、入出力IF41のD/Aボードを通じて、ロボットアーム21の各関節部を駆動制御するためのモータドライバ42に与えられ、モータドライバ42から送られた各制御指令値に従って、ロボットアーム21の各関節部のモータ19がそれぞれ独立して駆動される。このモータドライバ42とモータ19とで駆動部の一例として機能する。また、エンコーダ7は、関節角度情報を出力する角度検出部の一例として機能する。
ロボットアーム21は、一例として、台部34も含めて6自由度の多リンクマニピュレータであり、先端には、ハンド22の取り付けが可能である。ロボットアーム21は、ハンド22が取り付けられている手首部31と、手首部31を先端に回転可能に連結する第2リンク32と、第2リンク32の基端を先端に回転可能に連結する第1リンク33と、第1リンク33の基端が回転可能に連結支持された第2関節支柱35と、第2関節支柱35が取り付けられかつ床90に固定される台部34とを備えている。さらに、人91が手でハンド22に加えた力を計測するために、手首部31の先端に、力検出部の一種である力センサ23を介してハンド22が取り付けられている。
手首部31は、第4関節部27と、第5関節部28と、第6関節部29との3つの回転軸を有しており、第2リンク32に対するハンド22の相対的な姿勢(向き)を変化させることができる。第2リンク32の基端は、第1リンク33の先端に対して第3関節部26周りに回転可能とする。第1リンク33の基端は、第2関節支柱35に対して第2関節部25周りに回転可能とする。台部34の上側可動部34aは、台部34の下側固定部34bに対して第1関節部24周りに回転可能とする。
この結果、ロボットアーム21は、第1関節部24から第6関節部29の合計6個の軸周りにそれぞれ独立して回転可能として、上記6自由度の多リンクマニピュレータを構成している。
各軸の回転部分を構成する各関節部には、各関節部を構成する一対の部材(例えば、回動側部材と、該回動側部材を支持する支持側部材)のうちの一方の部材に備えられ、かつ後述するモータドライバ42により駆動制御される回転駆動装置の一例としてのモータ19(実際には、ロボットアーム21の各関節部の内部に配設されている)と、モータ19の回転軸の回転位相角(すなわち、関節角)を検出するエンコーダ7(実際には、ロボットアーム21の各関節部の内部に配設されている)とを備える。よって、各関節部を構成する一方の部材に備えられたモータ19の回転軸が、各関節部の他方の部材に連結されて上記回転軸を正逆回転させることにより、他方の部材を一方の部材に対して各軸周りに回転可能とする。
図3は、本発明の第1実施形態にかかるロボット20の制御装置50及び制御対象であるロボット20の一部を示すブロック図である。
ロボット20の制御装置50は、目標軌道生成部1と、目標角加速度計算部2と、目標関節トルク計算部3と、逆運動学計算部4と、角度誤差補償部5と、進捗度推定部9と、修正角加速度計算部10と、角度誤差計算部11と、範囲制限部13と、力制御部14と、進捗度取得部16と、個人進捗度データベース17とを備えて構成している。
また、ロボット20は、ロボットアーム21で構成されるロボット機構部6と、エンコーダ7と、力センサ23と、入力装置51とを備えて構成している。
また、制御装置50に対しては、エンコーダ7で計測されたロボット20からの関節角度情報と、力センサ23で計測された力情報(力ベクトルF)とが入力される。この力情報は、人91がロボットアーム21の先端(ハンド23)にかけた力である。
また、ロボット起動時又は操作者(リハビリテーション患者)の変更時などに、リハビリテーション患者のID番号とリハビリテーション(リハビリテーション動作)内容とが入力装置51から制御装置50に入力される。リハビリテーション内容とは、例えば、リハビリテーションを行う右手又は左手の区別、及び、手の運動方向(操作者から見て真っ直ぐ前の方向、斜め右方向、斜め左方向など)などが挙げられる。
目標軌道生成部1は、リハビリテーション動作の目標軌道に沿ったロボット20の動作を実現するためのハンド22の目標位置ベクトルrを範囲制限部13に出力する。目標とするロボット20の動作は、目的とするリハビリテーション動作に応じて、事前に、それぞれの時間(t=0、t=t、t=t、・・・)でのポイントごとのハンド22の目標位置rdt=[rdt1,rdt2,rdt3,rdt4,rdt5,rdt6(rd0、rd1、rd2、・・・)が目標軌道生成部1内の記憶部に記録されている。そして、目標位置生成部1は、それぞれの時間(t=0、t=t、t=t、・・・)でのポイントごとの位置(rd0、rd1、rd2、・・・)の情報を基に多項式補間を使用し、各ポイント間の軌道を補完し、目標位置ベクトルr=[rd1,rd2,rd3,rd4,rd5,rd6を生成する。
進捗度取得部16は、ロボット起動時又は操作者(リハビリテーション患者)の変更時など、入力装置51から入力された患者ID番号と、選択されたリハビリテーション動作の情報とが入力装置51から制御装置50(進捗度取得部16)内に入力されると、その入力された情報に基づき、進捗度取得部16は、個人進捗度データベース17より、前回終了時の該当の進捗度を取得し、進捗度推定部9に出力する。該当の進捗度が個人進捗度データベース17にない場合は、最も低い進捗度を出力する。また、リハビリテーション動作の1動作が終了すると(リハビリテーション動作の1つの動作が終了した後に進捗度を進捗度推定部9から進捗度取得部16に出力すると)、進捗度推定部9から新たな進捗度が入力されるので、個人進捗度データベース17の該当部分を新たな進捗度で更新する。
図4は、個人進捗度データベース17の一例を示した図である。個人進捗度データベース17には、個人ID番号とリハビリテーション動作の種類とに対応した進捗度とが対応付けされて記録されている。空白欄は、該当の動作が過去に行われておらず、進捗度が登録されていない部分である。図4では、リハビリテーション動作の種類の一例として、左手及び右手のそれぞれに対して方向別に進捗度が登録可能となっている。
進捗度推定部9は、各エンコーダ7から入力される各回転軸の回転位相角から求められたロボットアーム21のハンド22の位置により、リハビリテーション動作が開始してから目標位置に到達して終了するまでの時間(リハビリテーション動作開始位置から目標位置に到達するまでにかかった時間)を計算する。進捗度推定部9は、この時間により、人91のリハビリテーション進捗度を推定する。リハビリテーション進捗度は、例えば進捗度の進んだ方からAと、Bと、Cとの3ランクに分けられる。図5は進捗度推定の一例である。図5には、前回の進捗度が記録されているとともに、今回の経過時間と前回の進捗度とで推定される今回の進捗度とが記録されている。進捗度推定部9は、前回推定した結果の前回の進捗度と今回の経過時間とから、今回のリハビリテーションの進捗度を推定し、範囲制限部13と進捗度取得部16とに出力する。図5の例では、時間が5秒未満の場合は進捗度を一つ進め、5秒〜10秒未満の場合は現在の進捗度とし、10秒以上の場合は進捗度を一つ戻す。例えば、前回の進捗度がBのとき、時間が5秒未満の場合は進捗度をAに進め、5秒〜10秒未満の場合は進捗度はBのままとし、10秒以上の場合は進捗度をCに戻る。進捗度推定部9で推定した進捗度は、進捗度推定部9から範囲制限部13と進捗度取得部16とに出力する。ロボット起動時又は操作者(リハビリテーション患者)の変更時など、入力装置51から入力された患者ID番号と、選択されたリハビリテーション動作の情報とが入力装置51から進捗度取得部16に入力された回のリハビリテーション動作では、進捗度取得部16からの入力(前回推定した結果の前回の進捗度)を利用する。それ以外の回のリハビリテーション動作では、進捗度推定部9が、新たに推定した結果の進捗度を利用する。
力制御部14は、ロボット20の力センサ23の出力である力情報(力ベクトルF)を基に、目標位置ベクトルrdFを算出して範囲制限部13に出力する。力制御部14は、インピーダンス制御法又はコンプライアンス制御法等の力制御手法により、目標位置ベクトルrdFを算出する。人91がロボットアーム21に取り付けられたハンド22にかけた力を、力検出部の一種である力センサ23で検出し、検出した力を基に、力制御部14が目標位置ベクトルrdFを算出して範囲制限部13に出力する。このような方法で、人91がかけた力の方向にロボットアーム21が動作する、リハビリテーション補助(支援)動作を実現することができる。
範囲制限部13は、進捗度推定部9から入力された進捗度と目標軌道出力部1からの出力とを基にロボットアーム21のハンド22の動作範囲を決定し、ロボットアーム21のハンド22の位置が動作範囲の外に出ないように、ハンド22の目標位置を設定する。図6A及び図6Bは、動作範囲の一例を示す図である。図6Aは人91を上部から見た図であり、図6Bは人91を横から見た図である。円筒状の仮想の壁60となる制限の範囲を破線で示し、リハビリテーション動作の目標軌道を実線矢印で示す。各図の操作者91の手91hの位置がリハビリテーション動作開始位置であり、実線の×印が目標位置とする。例えば、進捗度Cが入力された場合は、リハビリテーション動作の目標軌道に対して、例えば15cmの幅(半径)を持たせたところに円筒状の仮想の壁60を設定する(図6Aの(3)及び図6Bの(3)参照)。これにより、半径15cmの円筒状の仮想の壁60の内側の空間がハンド22の移動を許可する範囲となる。進捗度Bが入力された場合には、Cの壁60を進行方向に向かって10度だけ開いたところに仮想の壁60を設定する(図6Aの(2)及び図6Bの(2)参照)。進捗度Aが入力された場合には、Cの壁60を進行方向に向かって22度だけ開いたところに仮想の壁60を設定する(図6Aの(1)及び図6Bの(1)参照)。進捗度A及びBの場合は、円錐台形状の内部の空間がハンド22の移動を許可する範囲(動作範囲)となる。このように、範囲制限部13は、進捗度推定部9の推定したリハビリテーション動作の進捗度が進むほど、動作範囲を広げるように動作範囲を設定している。
力制御部14からの出力である目標位置ベクトルrdFが仮想の壁60の内側すなわちハンド22の移動を許可する範囲内にあるときは、修正目標位置ベクトルrdm=rdFとして、範囲制限部13は修正目標位置ベクトルrdmを逆運動学計算部4に出力する。力制御部14からの出力である目標位置ベクトルrdFが仮想の壁60の外側にあるときは、修正目標位置ベクトルrdmは目標位置ベクトルrdFと仮想の壁60との交点となり、範囲制限部13は、その交点にかかる修正目標位置ベクトルrdmを逆運動学計算部4に出力する。その結果、ハンド22の挙動は、仮想の壁60で設定された内側の空間の範囲だけで動作可能となり、仮想の壁60の位置に来ると、まさに実際の壁に当たったような感覚(例えば、ハンド22を移動させるために必要な力が急に大きくなるなどの感覚)を操作者91は得ることになる。
逆運動学計算部4は、範囲制限部13から出力された修正目標位置ベクトルrdmが入力され、目標角度ベクトルqdmを計算で求めて、目標角加速度計算部2と出力誤差計算部11とに出力する。逆運動学計算部4において、目標角度ベクトルqdmは、ロボット20の幾何学情報から計算される。ロボット20の幾何学情報とは、各リンク及び手首の長さと、各関節部の可動範囲である。
出力誤差計算部11は、逆運動学計算部4から出力された目標角度ベクトルqdmと各エンコーダ7の出力qとが入力され、角度誤差ベクトルq=qdm−qを計算し、出力誤差の一例として角度誤差ベクトルqを角度誤差補償部5に出力する。
目標角加速度計算部2は、逆運動学計算部4が出力した目標角度ベクトルqdmが入力され、目標角加速度
Figure 2015139825
を修正目標角加速度計算部10に出力する。
角度誤差補償部5は、出力誤差計算部11により出力される角度誤差ベクトルqが入力され、制御指令値の一例として角度誤差修正指令値ΔPqeが修正目標角加速度計算部10に出力される。
修正目標角加速度計算部10は、目標角加速度計算部2の出力である目標角加速度
Figure 2015139825
と出力誤差補償部5の出力である角度誤差修正指令値ΔPqeとが入力され、制御指令値の一例として修正目標角加速度
Figure 2015139825
を目標関節トルク計算部3に出力する。
目標関節トルク計算部3は、修正目標角加速度計算部10の出力である修正目標角加速度
Figure 2015139825
と目標関節トルク計算部3の記憶部に予め記憶しているダイナミクスパラメータとから、目標関節トルクτを演算し、目標関節トルクτをロボット機構部6のモータドライバ42に出力する。目標関節トルクτの演算方法の一例として、以下の式で目標関節トルクτを算出する。
Figure 2015139825
Figure 2015139825
は、それぞれ、ハンド22及びロボット20のダイナミクスパラメータからなる係数行列であり、
Figure 2015139825
はハンド22及びロボット20の質量にかかる重力項である。
目標関節トルクτは、D/Aボードなどの入出力IF41を介してモータドライバ42にトルク目標値として入力され、各関節軸に備え付けられたモータ19がそれぞれ独立して正逆回転駆動されて、ロボット機構部6のロボットアーム21が動作する。
ロボット機構部6のロボットアーム21が動作した結果、ロボット20の関節角度は変化し、その関節角度qを検出するエンコーダ7から検出した結果が、入出力IF41を介して出力誤差計算部11に入力される。
以上のように、上記第1実施形態の上記制御装置50は、目標軌道生成部1と、目標角加速度計算部2と、目標関節トルク計算部3と、逆運動学計算部4と、角度誤差補償部5と、進捗度推定部9と、修正角加速度計算部10と、角度誤差計算部11と、範囲制限部13と、力制御部14と、進捗度取得部16と、個人進捗度データベース17とを備えて構成している。また、ロボット20は、ロボットアーム21で構成されるロボット機構部6と、エンコーダ7と、力センサ23とを備え、モータ19のトルク制御を行うロボット20を構成する。進捗度推定部9及び範囲制限部13とにより、人91がロボットアーム21のハンド22を手で押しながら腕を伸ばすリハビリテーション動作において、リハビリテーション動作の進捗度に応じて仮想の壁60の形状が変化し、手先位置(ハンド22)を仮想の壁60の中で動かす動作を行うことで腕を伸ばすリハビリテーション動作を行うことを助けるロボット20のリハビリテーション補助動作の制御が可能となる。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態にかかるロボット20の制御装置50及び制御対象であるロボット20の一部を示すブロック図である。第1実施形態と大きく異なる点は、促し動作生成部12を制御装置50に備えることである。
ロボット20の制御装置50は、目標軌道生成部1と、目標角加速度計算部2と、目標関節トルク計算部3と、逆運動学計算部4と、角度誤差補償部5と、進捗度推定部9と、修正角加速度計算部10と、角度誤差計算部11と、範囲制限部13と、力制御部14と、促し動作生成部12と、進捗度取得部16と、個人進捗度データベース17とを備えて構成している。
また、ロボット20は、ロボットアーム21で構成されるロボット機構部6と、エンコーダ7と、力センサ23と、入力装置51とを備えて構成している。
また、制御装置50に対しては、エンコーダ7で計測されたロボット20からの関節角度情報と、力センサ23で計測された力情報(力ベクトルF)とが入力される。この力情報は、人91がロボットアーム21の先端(ハンド23)にかけた力である。
目標軌道生成部1は、リハビリテーション動作の目標軌道に沿ったロボット20の動作を実現するためのハンド22の目標位置ベクトルrを促し動作生成部12に出力する。目標とするロボット20の動作は、目的とするリハビリテーション動作に応じて、事前に、それぞれの時間(t=0、t=t、t=t、・・・)でのポイントごとのハンド22の目標位置rdt=[rdt1,rdt2,rdt3,rdt4,rdt5,rdt6(rd0、rd1、rd2、・・・)が目標軌道生成部1内の記憶部に記録されている。そして、目標位置生成部1は、それぞれの時間(t=0、t=t、t=t、・・・)でのポイントごとの位置(rd0、rd1、rd2、・・・)の情報を基に多項式補間を使用し、各ポイント間の軌道を補完し、目標位置ベクトルr=[rd1,rd2,rd3,rd4,rd5,rd6を生成する。
進捗度推定部9は、後述する範囲制限部13から、前回のリハビリテーション動作において範囲を制限する仮想の壁60にロボットアーム21のハンド22が衝突した回数が入力され、リハビリテーション動作者(操作者)である人91のリハビリテーション進捗度を推定する。
リハビリテーション進捗度は、例えば進捗度の進んだ方からAと、Bと、Cとの3ランクに分けられる。図8は進捗度推定の一例である。図8には、前回の進捗度が記録されているとともに、今回の衝突の回数と前回の進捗度とで推定される今回の進捗度とが記録されている。進捗度推定部9は、前回推定した結果の前回の進捗度と今回の衝突回数とから、今回のリハビリテーションの進捗度を推定し、範囲制限部13と進捗度取得部16とに出力する。図8の例では、衝突回数が0回〜4回の場合は進捗度を一つ進め、5回〜10回の場合は現在の進捗度とし、11回以上の場合は進捗度を一つ戻す。例えば、前回の進捗度がBのとき、衝突回数が0回〜4回の場合は進捗度をAに進め、5回〜10回の場合は進捗度はBのままとし、11回以上の場合は進捗度をCに戻す。ここでは、進捗度推定部9は、リハビリテーション動作時にハンド22が動作範囲の境界に到達した回数が低いほど進捗度が進んでいると推定する。
進捗度推定部9で推定した進捗度は、進捗度推定部9から範囲制限部13と進捗度取得部16とに出力する。ロボット起動時又は操作者(リハビリテーション患者)の変更時など、入力装置51から入力された患者ID番号と、選択されたリハビリテーション動作の情報とが入力装置51から進捗度取得部16に入力された回のリハビリテーション動作では、進捗度取得部16からの入力(前回推定した結果の前回の進捗度)を利用する。それ以外の回のリハビリテーション動作では、進捗度推定部9が、新たに推定した結果の進捗度を利用する。
範囲制限部13は、進捗度推定部9から入力されたリハビリテーション進捗度と促し動作生成部12の出力とを基にロボットアーム21のハンド22の動作範囲を決定する。図9A及び図9Bは動作範囲の一例を示す図である。図9Aは人91を上部から見た図であり、図9Bは人91を横から見た図である。円筒状の仮想の壁60となる制限の範囲を実線で示し、リハビリテーション動作の目標軌道を実線矢印で示す。実線の×印が目標位置とする。さらに、円錐台形状の仮想の壁60内側の空間のうち、内側の円筒状でかつ抵抗値が大きい範囲(第1の領域)RLと、抵抗値が大きい範囲RLの外側でかつ抵抗値が大きい範囲RLよりも抵抗値が小さい範囲(第2の領域)RSとの境界である抵抗の境界61を点線で示す。すなわち、点線の境界61と仮想の壁60との間は抵抗値が小さい範囲RSになる(図9Aの(1)及び(2)並びに図9Bの(1)及び(2)参照)。内側の円筒状でかつ抵抗値が大きい範囲(第1の領域)RLは、リハビリテーション動作の目標とする動作経路(目標軌道)を含む。一方、抵抗値が大きい範囲RLの外側でかつ抵抗値が小さい範囲(第2の領域)RSは、リハビリテーション動作の目標とする動作経路(目標軌道)を含まない。ここで、抵抗値とは、操作者91の手でハンド22を押して操作者91の手とハンド22との間で押し合い動作を行うときに、ハンド22から操作者91の手に与える力、すなわち、押し返すような力の値を意味する。例えば、進捗度Cが入力された場合は、リハビリテーション動作の目標軌道に対して例えば15cmの幅(半径)を持たせたところに円筒状の仮想の壁60を設定する(図9Aの(3)及び図9Bの(3)参照)。仮想の壁60に囲まれた空間が狭いため、進捗度Cでは仮想の壁60の内側すべてが抵抗の大きい範囲となる。すなわち、進捗度Bが入力された場合には、Cの壁を進行方向に向かって10度だけ開いたところに仮想の壁60を設定する。また、Cの壁を進行方向に向かって5度だけ開くことにより、その内側が抵抗の大きい範囲RLとなり、その外側が抵抗の小さい範囲RSとなるように、抵抗の境界61を設定する。進捗度Aが入力された場合には、Cの壁を進行方向に向かって30度だけ開いたところに仮想の壁60を設定する。Cの壁と同じ位置に抵抗の境界61を設定し、内側を抵抗の大きい範囲RLと設定し、外側を抵抗の小さい範囲RSを設定する。このように、範囲制限部13は、進捗度推定部9の推定したリハビリテーション動作の進捗度が進むほど、抵抗値が大きい範囲(第1の領域)RLを広げるように設定して、動作範囲を制限している。
範囲制限部13は、抵抗の境界61の位置の情報を、促し動作生成部12と力制御部14とに出力する。さらに、促し動作生成部12からの出力である促し動作目標位置ベクトルrdsが仮想の壁60の内側にあるときは、修正目標位置ベクトルrdm=rdsとして、範囲制限部13は修正目標位置ベクトルrdmを逆運動学計算部4に出力する。促し動作生成部12からの出力である促し動作目標位置ベクトルrdsが仮想の壁60の外側にあるときは、修正目標位置ベクトルrdmは促し動作目標位置ベクトルrdsと仮想の壁60との交点となり、範囲制限部13は、その交点にかかる修正目標位置ベクトルrdmを逆運動学計算部4に出力する。また、促し動作目標位置ベクトルrdsが仮想の壁60の外側にあったときは、ハンド22が仮想の壁60に衝突したと見なせるため、促し動作目標位置ベクトルrdsが仮想の壁60の外側にあった回数を記録し、進捗度推定部9に出力する。
なお、抵抗値が大きい範囲RLと抵抗値が小さい範囲RSとの間での抵抗値の差は、急激に抵抗感が変わることが操作者91に認識できる程度の差である。その差の一例としては、健常者では例えば10N程度に設定してもよいが、リハビリテーション動作を行う操作者91の場合は、感覚が鈍くなっていることを考慮して、10Nよりも大きな差を設定することが好ましい。
力制御部14は、ロボット20の力センサ23の出力である力情報(力ベクトルF)を基に、補正目標位置ベクトルrdFを算出して促し動作生成部13に出力する。力制御部14は、インピーダンス制御法又はコンプライアンス制御法等の力制御手法により、目標位置ベクトルrdFを算出する。ただし、範囲制限部13からの出力である抵抗の境界61の位置により抵抗値が変わるように、インピーダンス制御法もしくはコンプライアンス制御法等の設定値を設定する。例えば、インピーダンス制御法を用いた場合、ダンピングの設定値を大きくすると、抵抗値を上げることが出来る。人91がロボットアーム21に取り付けられたハンド22にかけた力を、力検出部の一種である力センサ23で検出し、検出した力を基に、力制御部14が目標位置ベクトルrdFを算出して促し動作生成部13に出力する。このような方法で、人91がかけた力の方向にロボットアーム21が動作する、リハビリテーション補助(支援)動作を実現することができる。
促し動作生成部12は、リハビリテーション動作の目標軌道から外れたときに、目標軌道に戻る方向から人91の手をロボットアーム21のハンド22が押す動作を行うことで、人91に目標軌道から外れていることと、元に戻る方向とを示し、人91がロボットアーム21を押し返す動作を行うことで、目標軌道に自然に戻れるような動作(促し動作)を生成する。促し動作生成部12は、目標軌道生成部1からの入力である目標位置ベクトルrと力制御部14からの入力である補正目標位置ベクトルrdFとに基づき、促し動作目標位置ベクトルrdsを範囲制限部13に出力する。促し動作生成部12は、補正目標位置ベクトルrdFが範囲制限部13の出力である抵抗の境界61の内部及び境界61上にあるときは促し動作目標位置ベクトルrds=rdFとして範囲制限部13に出力する。促し動作生成部12は、補正目標位置ベクトルrdFが範囲制限部13の出力である抵抗の境界61の外部にあるときは、図10に示す手順で、促し動作生成部12は促し動作目標位置ベクトルrdsを算出して範囲制限部13に出力する。図10の(A)は、補正目標位置ベクトルrdFが抵抗の境界61の外部にあるときの例である。このような入力があったときは、まず初めに、促し動作生成部12において、補正目標位置ベクトルrdFを90度回転させる。回転させる方向は、回転後の中間ベクトルrdFCと目標軌道生成部1からの入力である目標位置ベクトルrの間の角度がより大きくなる方向とする(図10の(B)。)次に、中間ベクトルrdFCの長さを例えば5cmとする(図10の(C))。このベクトルを促し動作目標位置ベクトルrdsとする。このように、促し動作目標位置ベクトルrdsを促し動作生成部12で生成することで、人91がリハビリテーション動作の目標軌道から大きく外れた方向に力をかけたときは、ロボットアーム21がハンド22を介して目標軌道の方向から人91に少し力をかける(押す)動作が発生する。これにより、人91の手はロボットアーム21のハンド22と押し合いながら腕を徐々に進展するというリハビリテーション動作を行うことで、元の目標軌道の方向に戻ることが出来る。なお、5cmは人91が押されているという感覚を感じられるよう事前に実験等で決めた値である。
以上のように、上記第2実施形態の上記制御装置50は、目標軌道生成部1と、目標角加速度計算部2と、目標関節トルク計算部3と、逆運動学計算部4と、角度誤差補償部5と、進捗度推定部9と、修正角加速度計算部10と、角度誤差計算部11と、範囲制限部13と、力制御部14と、促し動作生成部12と、進捗度取得部16と、個人進捗度データベース17とを備え、モータ23のトルク制御を行うロボット20を構成する。促し動作生成部12により、人91がリハビリテーション動作の目標軌道から外れた方向に力をかけたときは、目標軌道に戻る方向からロボットアーム21が力をかけることで人91はロボットアーム21と押し合いながら腕を徐々に進展するというリハビリテーション動作を行うことが出来る。
上記第1実施形態及び第2実施形態では、一例として6軸のロボットアーム21を例に説明を行ったが、これに限られるわけではない。また、各実施径態において、仮想の壁60又は抵抗の境界61としては、一例として円筒形状又は円錐台形状であるが、これに限らず、横に長い断面楕円形などでもよい。
なお、本発明を第1実施形態及び第2実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の第1実施形態及び第2実施形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
上記制御装置50の一部又は全部は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。上記RAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各部は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
なお、上記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明のロボット、ロボットの制御装置及び制御方法、並びに、ロボット用制御プログラムは、上肢伸展を目的とするリハビリテーション用のロボット、ロボットの動作を制御するロボットの制御装置及び制御方法、並びに、ロボット用制御プログラムとして有用である。また、ロボットアームに限らず、リハビリテーション機器等同様の機構を持った装置、その装置の制御装置及び制御方法、並びに、制御プログラムとしても適用が可能である。
1 目標軌道生成部
2 目標角加速度計算部
3 目標関節トルク計算部
4 逆運動学計算部
5 角度誤差補償部
6 ロボット機構部
7 エンコーダ
9 進捗度推定部
10 修正目標角加速度計算部
11 出力誤差計算部
12 促し動作生成部
13 範囲制限部
14 力制御部
16 進捗度取得部
17 個人進捗度データベース
19 モータ
20 ロボット
21 ロボットアーム
22 ハンド
23 力検出部
24 第1関節部
25 第2関節部
26 第3関節部
27 第4関節部
28 第5関節部
29 第6関節部
31 手首部
32 第2リンク
33 第1リンク
34 台部
34a 上側可動部
34b 下側固定部
35 第2関節支柱
40 制御プログラム
41 入出力IF
42 モータドライバ
50 制御装置
51 入力装置
60 仮想の壁
61 抵抗の境界
90 床
91 人
100 ロボットシステム
RL 抵抗値が大きい範囲
RS 抵抗値が小さい範囲

Claims (10)

  1. ロボットアームを備え、操作者である患者の上肢伸展のリハビリテーション動作を補助するリハビリテーション用ロボットであって、
    上記操作者が上記ロボットアームの先端部にかけた力を検出する力検出部と、
    上記リハビリテーション動作の目標とする動作経路を生成する目標動作経路生成部と、
    上記操作者の上記リハビリテーション動作の進捗度を推定する進捗度推定部と、
    上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて、上記目標動作経路生成部で生成された上記動作経路を含む上記ロボットアームの上記先端部の動作範囲を制限する範囲制限部と、
    上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて上記範囲制限部で制限された上記ロボットアームの上記先端部の上記動作範囲内で、上記力検出部で検出された上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記リハビリテーション動作を補助するように上記ロボットアームの上記先端部を移動制御する力制御部とを備える、ロボット。
  2. 上記範囲制限部は、上記先端部の上記動作範囲を、上記動作経路を含みかつ上記先端部から上記操作者に与える抵抗値が大きい第1の領域と、上記第1の領域の周囲に配置されて上記動作経路の範囲外でありかつ上記第1の領域よりも上記抵抗値が小さい第2の領域とに分けるように設定する請求項1に記載のロボット。
  3. 上記範囲制限部は、上記進捗度推定部の推定した上記リハビリテーション動作の進捗度が進むほど、上記動作範囲を広げるように上記動作範囲を設定して制限する請求項1に記載のロボット。
  4. 上記範囲制限部は、上記進捗度推定部の推定したリハビリテーション動作の進捗度が進むほど上記第1の領域を広げるように設定して、上記動作範囲を制限する請求項2に記載のロボット。
  5. 上記力制御部は、上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記先端部の移動を制御するとき、上記操作者が上記先端部との間で押し合い動作を行うことにより、上記リハビリテーション動作を補助し、
    さらに、上記先端部が上記動作経路から一定量外れたときに上記動作経路に戻すように上記動作経路に戻す方向から上記先端部が上記操作者に対して力を付与する促し動作を生成する促し動作生成部を備えて、上記促し動作生成部で生成された上記促し動作に基づき上記力制御部は上記先端部の移動を制御する、請求項1に記載のロボット。
  6. 上記進捗度推定部は、上記リハビリテーション動作時に上記ロボットアームの上記先端部がリハビリテーション動作開始位置から目標位置まで移動するときにかかった時間に応じて上記進捗度を推定する請求項1〜5のいずれか1つに記載のロボット。
  7. 上記進捗度推定部は、上記リハビリテーション動作時に上記ロボットアームの上記先端部が上記動作範囲の境界に到達した回数が低いほど上記進捗度が進んでいると推定する請求項1〜5のいずれか1つに記載のロボット。
  8. ロボットアームを備え、操作者である患者の上肢伸展のリハビリテーション動作を補助するリハビリテーション用ロボットの制御装置であって、
    上記リハビリテーション動作の目標とする動作経路を生成する目標動作経路生成部と、
    上記操作者の上記リハビリテーション動作の進捗度を推定する進捗度推定部と、
    上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて、上記目標動作経路生成部で生成された上記動作経路を含む上記ロボットアームの上記先端部の動作範囲を制限する範囲制限部と、
    上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて上記範囲制限部で制限された上記ロボットアームの上記先端部の上記動作範囲内で、力検出部で検出された上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記リハビリテーション動作を補助するように上記ロボットアームの上記先端部を移動制御する力制御部とを備える、ロボットの制御装置。
  9. ロボットアームを備え、操作者である患者の上肢伸展のリハビリテーション動作を補助するリハビリテーション用ロボットの制御方法であって、
    上記リハビリテーション動作の目標とする動作経路を目標動作経路生成部で生成し、
    上記操作者の上記リハビリテーション動作の進捗度を進捗度推定部で推定し、
    上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて、上記目標動作経路生成部で生成された上記動作経路を含む上記ロボットアームの上記先端部の動作範囲を範囲制限部で制限し、
    上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて上記範囲制限部で制限された上記ロボットアームの上記先端部の上記動作範囲内で、力検出部で検出された上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記リハビリテーション動作を補助するように上記ロボットアームの上記先端部を力制御部で移動制御する、ロボットの制御方法。
  10. ロボットアームを備え、操作者である患者の上肢伸展のリハビリテーション動作を補助するリハビリテーション用ロボットの制御プログラムであって、
    コンピュータを、
    上記リハビリテーション動作の目標とする動作経路を生成する目標動作経路生成部と、
    上記操作者の上記リハビリテーション動作の進捗度を推定する進捗度推定部と、
    上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて、上記目標動作経路生成部で生成された上記動作経路を含む上記ロボットアームの上記先端部の動作範囲を制限する範囲制限部と、
    上記進捗度推定部により推定した上記進捗度に応じて上記範囲制限部で制限された上記ロボットアームの上記先端部の上記動作範囲内で、力検出部で検出された上記操作者が上記ロボットアームの上記先端部にかけた力に応じて上記リハビリテーション動作を補助するように上記ロボットアームの上記先端部を移動制御する力制御部と、
    として機能させるためのロボット用制御プログラム。
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CN113749903A (zh) * 2015-09-30 2021-12-07 埃斯顿(南京)医疗科技有限公司 多主动轴线的非外骨骼康复设备

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