JP2015139169A - 電子機器及び撮像装置 - Google Patents

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寿 田井
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寿 田井
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Abstract

【課題】適切な撮像条件で被写体を撮像できるようユーザを支援する。
【解決手段】電子機器(10)は、ユーザに装着される撮像部(101)と、前記撮像部の出力から、被写体の撮像条件の設定に使用される被写体情報を取得する情報取得部(112)と、前記情報取得部により取得した前記被写体情報を外部機器(20)に送信する送信部(111,112)と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器及び撮像装置に関する。
従来より、携帯通信端末がサーバから取得した撮影推奨エリアや撮像条件等の情報を携帯通信端末から取得し、当該情報に基づいて撮像条件を自動的に設定するカメラが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−130037号公報
しかしながら、上記特許文献1では、携帯通信端末の現在位置に基づいて撮影推奨エリアや撮像条件等の情報を取得するため、撮影に活用できる情報が限られていた。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、適切な撮像条件で被写体を撮像できるようユーザを支援する電子機器及び撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の電子機器(10)は、ユーザに装着される撮像部(101)と、前記撮像部の出力から、被写体の撮像条件の設定に使用される被写体情報を取得する情報取得部(112)と、前記情報取得部により取得した前記被写体情報を外部機器(20)に送信する送信部(111,112)と、を備える。
この場合において、前記撮像部は、ユーザが見ている方向を撮像することとしてもよい。さらに、この場合において、電子機器は、前記ユーザの視線を検出する視線検出部(109)を備え、前記情報取得部は、前記視線検出部が検出した前記ユーザの視線と、前記撮像部の出力とから、前記被写体情報を取得することとしてもよい。また、本発明において、電子機器は、前記被写体情報の送信要求を受信する受信部(111,112)を備え、前記送信部は、前記受信部が前記送信要求を受信した場合に、前記被写体情報を前記外部機器に送信することとしてもよい。
また、本発明において、前記情報取得部は、前記ユーザから前記被写体までの距離情報を前記被写体情報として取得することとしてもよい。また、前記情報取得部は、前記被写体の撮影に用いられるシャッタスピード値、絞り値、及びISO感度の少なくとも1つを設定するための情報を前記被写体情報として取得することとしてもよい。また、前記情報取得部は、前記被写体の種類を前記被写体情報として取得することとしてもよい。また、前記情報取得部は、前記撮像部が撮像した画像に含まれる文字から、前記被写体情報を取得することとしてもよい。
本発明の撮像装置(20)は、被写体を撮像する撮像部(201)と、ユーザが見ている方向の撮像結果から得た前記被写体の撮像条件の設定に使用される被写体情報を外部機器(10)から受信する受信部(208,213)と、前記受信部で受信した前記被写体情報に基づいて、前記撮像部による前記被写体の撮像条件を設定する撮像条件設定部(213)と、を備える。
この場合において、前記撮像条件設定部は、前記被写体情報に基づいて、前記撮像部の合焦位置及び撮像倍率の少なくとも一方を設定することとしてもよい。また、本発明において、撮像装置は、前記撮像装置に対する前記ユーザの所定の動作又は操作を検出する検出部(211,213)と、前記検出部により前記ユーザの所定の動作又は操作が検出された場合に、前記外部機器に前記被写体情報の送信を要求する要求部(213)と、を備えていてもよい。また、前記検出部は、前記撮像装置の電源を入れる操作と、前記ユーザの撮像に関連する動作との少なくとも一方を検出することとしてもよい。
また、本発明において、前記受信部は、前記ユーザから前記被写体までの距離情報を前記被写体情報として受信することとしてもよい。また、前記受信部は、前記被写体の撮影に用いられるシャッタスピード値、絞り値、及びISO感度の少なくとも1つを設定するための情報を前記被写体情報として受信することとしてもよい。また、前記受信部は、前記被写体の種類を前記被写体情報として受信することとしてもよい。
本発明の電子機器(30)は、ユーザが見ている方向を撮像した画像を取得する画像取得部(301,303)と、前記画像から、被写体の撮像条件の設定に使用される被写体情報を取得する情報取得部(303)と、前記情報取得部により取得した前記被写体情報を外部機器に送信する送信部(301,303)と、を備える。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、上記においては一実施形態を表す図面の符号に対応つけて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、後述の実施形態の構成を適宜改良しても良く、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させても良い。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
本発明の電子機器及び撮像装置は、適切な撮像条件で被写体を撮像できるようユーザを支援することができるという効果を奏する。
第1の実施形態に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。 装着型機器の一例を示す斜視図である。 図3(A)は、撮像装置の一例を示す正面図であり、図3(B)は撮像装置の一例を示す背面図である。 図4(A)は第1の実施形態に係る撮像装置が実行する処理の一例を示すフローチャートであり、図4(B)は第1の実施形態に係る装着型機器が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 図5は、シチュエーション特定テーブルの一例を示す図である。 図6(A)及び図6(B)は、図4(A)及び図4(B)の処理を説明するための図である。 撮像条件設定テーブルの一例を示す図である。 図8(A)は第2の実施形態に係る撮像装置が実行する処理の一例を示すフローチャートであり、図8(B)は第2の実施形態に係る装着型機器が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 図8(A)及び図8(B)の処理を説明するための図である。 変形例に係る撮像システムの構成の一例を示すブロック図である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図7に基づいて、詳細に説明する。図1には、第1の実施形態に係る撮像システム500の構成がブロック図にて示されている。撮像システム500は、適切な撮像条件で被写体を撮像できるようにユーザを支援するシステムである。
図1に示すように、撮像システム500は、装着型機器10と、撮像装置20と、を備える(利用する)。
(装着型機器10)
装着型機器10は、ユーザが身体(顔)に装着する眼鏡型の端末である。装着型機器10は、図1に示すように、撮像部101と、表示部102と、操作部103と、マイク104と、スピーカ105と、方位センサ106と、位置検出部107と、視線検出部109と、記憶部110と、通信部111と、制御部112と、を備える。なお、図2には、装着型機器10が斜視図にて示されている。図2に示すように、装着型機器10は、眼鏡型のフレーム120を備えている。なお、図1において図示され、図2において図示されていない装着型機器10の構成は、フレーム120の内部や、フレーム120の一部に設けられているものとする。
撮像部101は、レンズ、撮像素子、画像処理部などを備え、静止画や動画を撮像するものである。撮像部101は、図2に示すようにフレーム120の端部近傍(ユーザの右目近傍)に設けられている。このため、ユーザが装着型機器10を装着した状態では、ユーザが向いている(見ている)方向の画像を撮像することができる。
表示部102は、フレーム120内部又はフレーム120近傍に設けられたプロジェクタと、プロジェクタからの投影像をユーザの目に導くためのプリズムとを有している。表示部102は、制御部112の制御の下、各種情報を表示する。
操作部103は、フレーム120に設けられたタッチパッドであり、ユーザの指の動きを検知して、ユーザからの操作を受け付け、受け付けた操作情報を制御部112に送信する。なお、撮像部101、表示部102、操作部103などについては、例えば米国特許出願公開第2013/0044042号明細書にもその詳細が開示されている。
マイク104は、フレーム120に設けられ、ユーザが発した音声を収集する。マイク104が収集した音声は、不図示の音声認識部により音声認識され、音声認識結果は、制御部112に送信される。制御部112は、音声認識結果に基づく処理(例えば、コマンドの実行処理など)を実行する。なお、制御部112が音声認識を実行してもよい。
スピーカ105は、例えば、フレーム120に設けられ、制御部112の制御の下、音声を出力する音声出力装置である。なお、スピーカ105としては、イヤホンやヘッドホンのほか、指向性があり、主に装着型機器10を装着するユーザの耳に向けて音声情報を提供することが可能なスピーカなどを採用することができる。
方位センサ106は、たとえば地磁気に基づいて、装着型機器10が向いている方向を検出する。本実施形態では、方位センサ106は、装着型機器10の撮像部101が向いている方向、すなわち、装着型機器10を装着したユーザが向いている(見ている)方向を検出し、制御部112に出力する。
位置検出部107は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサを有しており、装着型機器10の位置を検出し、装着型機器10の位置情報(緯度、経度)を制御部112に出力する。
視線検出部109は、赤外線照射部と、赤外線受光部と、を有する。視線検出部109は、赤外線照射部から眼球に対して赤外線を照射し、眼球にて反射した赤外線を赤外線受光部において受光する。そして、赤外線受光部における受光結果に基づいて、装着型機器10を装着したユーザの視線方向を検出する。なお、視線検出部109は、一例として図2における撮像部101の裏側(顔側)に設けられているものとする。
記憶部110は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリであり、撮像部101が撮像した画像データや、表示部102に表示する表示データなどを記憶する。
通信部111は、他の機器と無線通信(携帯電話回線や無線LAN(Local Area Network)等を用いた通信)や近接通信(例えば、例えばBluetooth(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、TransferJet(登録商標))を行う。本第1の実施形態では、通信部111は、撮像装置20との間で通信を行うものとする。なお、通信部111は、ユーザ(人体)を介して通信する人体通信により撮像装置20と通信をおこなってもよい。この場合、フレーム120のユーザと接触する部分に人体通信用の電極を配置すればよい。なお、人体通信には、人体に微弱な電流を流して、その電流を変調して情報を伝達する電流方式や、人体の表面に誘起する電界を変調して情報を伝達する電界方式などがあり、いずれの方式を用いることも可能である。
制御部112は、装着型機器10全体を統括的に制御する。制御部112は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。制御部112が実行する処理の詳細については後述する。
(撮像装置20)
撮像装置20は、例えば、カメラや、撮像機能を有する携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などである。本実施形態では、撮像装置20は、カメラであるものとして説明を行う。なお、図3(A)には、撮像装置20の正面図が、図3(B)には、撮像装置20の背面図が示されている。撮像装置20は、一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ、およびコンパクトカメラのいずれであってもよいが、本実施形態では、図3(A)及び図3(B)に示すように、コンパクトカメラであるものとする。
撮像装置20は、図1、図3(A)及び図3(B)に示すように、レンズ部201、レンズ駆動部202、撮像素子203、A/D(Analog/Digital)変換部204、画像処理部205、表示部206、操作部207、通信部208、電源回路209、電池210、センサ211、記憶部212、及び制御部213を備える。
レンズ部201は、ズームレンズやフォーカシングレンズを含む複数のレンズ群で構成され、被写体像を撮像素子203の撮像面に結像させる。
レンズ駆動部202は、例えばモータやアクチュエータなどを備え、ズームやフォーカシングを行うためにレンズ部201を駆動する。例えば、レンズ駆動部202は、後述する操作部207に含まれるレリーズスイッチ207A(図3(A)参照)の操作に応じてフォーカシング(オートフォーカス)を行うためにレンズ部201のフォーカシングレンズを駆動する。
撮像素子203は、受光素子が撮像面に二次元配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を備え、アナログ画像信号を生成する。
A/D変換部204は、撮像素子203が生成したアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換し、画像処理部205および制御部213に出力する。
画像処理部205は、A/D変換部204から入力されたデジタル画像信号に対して、各種の画像処理(色補間処理、階調変換処理、輪郭強調処理、ホワイトバランス調整処理、画像圧縮処理、画像伸張処理など)を行う。画像処理部205によって処理された画像データ(例えば、サムネイル表示用データや、このサムネイル表示用データよりも解像度の高い本画像データなど)は、制御部213の制御の下、表示部206に表示されたり、記憶部212に記憶される。
表示部206は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)であり、図3(B)に示すように、レンズ部201と反対側の面に設けられる。表示部206は、撮像装置20に対する各種の設定情報や、撮像装置20を操作するための操作メニュー、アイコンなどを表示する。また、表示部206は、画像処理部205の出力に基づくライブビュー画像(スルー画像)や、後述する記憶部212に記録されている静止画像や動画像を表示する。
操作部207は、ユーザから撮像装置20に対する操作を受け付ける操作部材であって、レリーズスイッチ207A、動画撮像スイッチ207B、メニュスイッチ207C、十字スイッチ(マルチセレクター)207D、削除スイッチ207E、及びズームレバー207F等を含む(図3(A),図3(B)参照)。レリーズスイッチ207Aは、上面に設けられており、例えば、静止画像の撮像を指示する場合にユーザによって操作される(押される)。動画撮像スイッチ207Bは、動画の撮像を指示する場合にユーザによって操作される(押される)。メニュスイッチ207Cは、表示部206に、撮像条件を設定するための操作メニュー等を表示させる場合にユーザによって操作される。十字スイッチ207Dは、中央部のOKスイッチと、周辺部の上下左右のスイッチとを有し、ユーザは、表示部206に表示された操作メニューから、十字スイッチ207Dを操作することによってあるメニューを選択し、撮像条件の設定を行う。削除スイッチ207Eは、撮像装置20が撮像した画像を再生する再生モードにある場合に、十字スイッチ207Dの操作により選択された画像を削除するためのスイッチである。ズームレバー207Fは、ズーム位置を変更するためのレバーであり、ユーザが、ズームレバーを動かすとレンズ駆動部202がレンズ部201を駆動して、ズーム位置を変更する。
なお、操作部207は、表示部206上に設けられ、又は表示部206内に組み込まれたタッチパネルを備えていてもよい。この場合、タッチパネルは、表示部206の表面に対するユーザの接触操作を検出し、種々の情報入力を受け付ける。すなわち、ユーザは、表示部206に表示された操作メニューやアイコンに触れる動作を行うことで、撮像装置20を操作することができる。
通信部208は、他の機器と無線通信(携帯電話回線や無線LAN等を用いた通信)や近接通信(例えば、例えばBluetooth(登録商標)、RFID、TransferJet(登録商標))を行う。本第1の実施形態では、通信部208は、装着型機器10との間で通信を行うものとする。なお、通信部208は、人体通信により装着型機器10と通信してもよい。この場合、例えば、撮像装置20の筐体の外側でユーザと接触する部分に人体通信用の電極を配置すればよい。
電源回路209は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池である電池210と接続され、電池210で生成された電圧を制御部213等の各回路で使用される電圧に変換し、各回路に供給する。なお、本実施形態においては、電源回路209は、撮像装置20のメイン電源がオフの場合にも、通信部208、制御部213、及びセンサ211に電源を供給しているものとする。
センサ211は、例えば、加速度センサ211Aと、圧力センサ211Bと、角速度センサ211Cと、を備える。加速度センサ211Aは、撮像装置20の加速度を検出し、検出値を制御部213に出力する。加速度センサ211Aには、圧電素子や歪ゲージなどを用いることができる。加速度センサ211Aの軸数としては1〜3軸のいずれかを適宜選択すればよく、その数も任意に設定することができる。制御部213は、加速度センサ211Aの検出値に基づいて、ユーザが撮像装置20を保持したか否かを判断する。
圧力センサ211Bは、図3(A)に示すように、ユーザが撮像装置20を用いて撮像を行う際に手で保持する部分(以後、グリップ部分と記載する)に設けられ、グリップ部分にかかる圧力を検出し、検出値を制御部213に出力する。制御部213は、圧力センサ211Bの検出値に基づき、ユーザがグリップ部分を握ったか否かを判断する。
角速度センサ211Cは、撮像装置20に生じた角速度を検出し、検出値を制御部213に出力する。制御部213は、角速度センサ211Cで検出された角速度に基づいて、レンズ駆動部202を介してレンズ部201が備えるレンズの一部をシフトさせることにより手ブレ補正を行う。これに代えて、制御部213は、撮像素子203をシフトさせることにより手ブレ補正を行ってもよい。
記憶部212は、例えば、撮像装置20に内蔵された不揮発性の半導体メモリやハードディスクであり、静止画のデータや動画のデータを記憶する。また、記憶部110は、後述する撮像条件設定テーブル(図7参照)を記憶する。なお、静止画のデータや動画のデータについては、不図示のスロットルに挿入され、撮像装置20から着脱可能なSDカード等に記憶してもよい。
制御部213は、撮像装置20全体を統括的に制御する。制御部213は、CPU、RAM、ROM等を備える。
(撮像システム500の処理)
次に、図4(A)及び図4(B)を参照して、撮像システム500が実行する処理について説明する。図4(A)は、撮像装置20が実行する処理の一例を示すフローチャートであり、図4(B)は、装着型機器10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態において、図4(A)及び図4(B)の処理は、撮像装置20の通信部208と装着型機器10の通信部111との間で近接通信が成立すると開始される。なお、上述したように、撮像装置20のメイン電源がオフの場合にも、撮像装置20の通信部208には、電源回路209を介して電源が供給されているため、通信部111との近接通信が可能となっている。また、撮像装置20と通信する装着型機器10は、例えば装着型機器10と撮像装置20とを接触させたり、近接させたりして予めペアリングされており、ペアリング情報は、撮像装置20と装着型機器10とが保持しているものとする。なお、前述の近接通信や人体通信の成立により撮像装置20と装着型機器10とがペアリングを行うようにしてもよい。また、装着型機器10と撮像装置20との一方の電源がオフのときに近接通信や人体通信の成立により電源がオフの装置の電源をオンするようにしてもよい。この場合、電源がオフの機器(装置)は電源がオンの機器(装置)との接触や近接時に電源がオンの機器(装置)から発生する磁界を起電力として起動するようにすれば、一方の通信部に常に電源を供給する必要がなくなる。本実施形態においてペアリングとは、複数の装置間の協働処理を実行され得る状態にすることである。
図4(A)の処理では、まず、撮像装置20の制御部213は、ステップS11において、ユーザの所定の動作又は操作を検出するまで待機する。本実施形態では、制御部213は、ユーザが撮像装置20を用いて撮像を行うための操作や動作を行うまで待機する。例えば、制御部213は、撮像装置20のメイン電源がオンされたか否かを判断する。また、制御部213は、加速度センサ211Aからの出力値が所定のしきい値を超えたか否かに基づいて、ユーザが撮像装置20を保持したか否かを判断する。また、制御部213は、圧力センサ211Bからの出力に基づいて、ユーザが撮像装置20のグリップ部分を握ったか否かを判断する。そして、上記の操作又は動作の少なくとも1つを検出した場合、ステップS11の判断が肯定され、制御部213は、ステップS13に移行する。
ステップS13に移行すると、制御部213は、装着型機器10に被写体情報の送信を要求する。ここで、被写体情報とは、撮像装置20が撮像を行う場合の撮像条件を設定するための情報である。本実施形態において、撮像条件とは、シャッタスピード値、絞り値、ISO感度、撮像倍率、及び合焦位置を含む各種設定の設定値の他、撮像装置20が備える撮影モードの設定を含む。
制御部213は、装着型機器10に被写体情報の送信を要求すると、ステップS15において、装着型機器10から被写体情報を受信するまで待機する。
一方、装着型機器10の制御部112は、図4(B)のステップS31において、撮像部101が撮像した画像を入力する。この場合、撮像部101は撮像装置20の制御部213からの要求を受けてから撮像を行ってもよく、ユーザの位置や方位に大きな変化がなければ要求を受ける前に撮像した画像を用いるようにしてもよい。
続くステップS33において、制御部112は、ステップS31で入力した画像に対して公知の文字認識処理を行い、画像内に含まれる文字を取得する。
次いで、ステップS35において、制御部112は、ステップS33で取得された文字の中に、所定の文字が含まれるか否かを判断する。具体的には、制御部112は、ステップS33で取得された文字の中に、ユーザが撮像を行うシチュエーションを特定するための文字が含まれるか否かを判断する。ここで、本実施形態では、制御部112は、図5のシチュエーション特定テーブルを用いて、当該判断を行う。シチュエーション特定テーブルは、記憶部110に記憶されており、図5に示すように文字及びシチュエーションの項目を備える。文字の項目には、シチュエーションを特定するための文字の情報が登録される。シチュエーションの項目には、画像内に含まれる文字から推定される、これから撮像が行われるシチュエーションが登録される。制御部112は、シチュエーション特定テーブルの文字の項目に登録されている文字(例えば、「入学式」や「卒業式」など)が、ステップS33で取得された文字の中に含まれているか否かを判断する。ここで、制御部112が、図6(A)に示す画像を撮像部101から入力した場合には、当該画像中に、シチュエーション特定テーブル(図5)の文字の項目に登録されている「入学式」の文字が含まれるため、ステップS37に移行する。なお、制御部112は「入学式」や「卒業式」などの文字情報を、校門や校舎などで事前に取得するようにしてもかまわない。
ステップS37に移行すると、制御部112は、ステップS33で取得された文字から、これから撮像装置20を用いて撮像が行われるシチュエーションを特定し、当該シチュエーションを被写体情報として取得する。本実施形態では、制御部112は、上述したシチュエーション特定テーブル(図5)を用いて、シチュエーションを特定する。ここで、例えば、画像内に「入学式」又は「卒業式」の文字が含まれる場合、制御部112は、図5のシチュエーション特定テーブルに基づき、これから撮像が行われるシチュエーションが「屋内式典」であると特定する。また、画像内に「運動会」又は「体育大会」の文字が含まれる場合、制御部112は、図5のシチュエーション特定テーブルに基づき、これから撮像が行われるシチュエーションが「運動会」であると特定する。さらに、画像内に「発表会」又は「学芸会」の文字が含まれる場合、制御部112は、図5のシチュエーション特定テーブルに基づき、これから撮像が行われるシチュエーションが「発表会」であると特定する。
一方、ステップS33で取得された文字の中に所定の文字が含まれなかった場合、すなわち、ステップS35の判断が否定された場合、制御部112は、ステップS39に移行する。
ステップS39に移行すると、制御部112は、撮像部101が撮像した画像に含まれる被写体の種類(子供、スポーツ選手、電車等)を特定し、被写体情報として取得する。例えば、制御部112は、視線検出部109からユーザの視線方向の情報(視線データ)を取得し、図6(B)に示すように、撮像部101から入力した画像データに、同一のタイミングで取得された視線データを付加することで、ユーザが当該画像内で注視している範囲を特定する。そして、制御部112は、ユーザが注視している範囲に存在する人物や物体を被写体として決定し、当該被写体が、子供であるのか、スポーツ選手であるのか、あるいは電車であるのかといった被写体の種類を特定し、被写体情報として取得する。被写体が子供であるのか否かは、公知の顔認識技術により被写体の顔部分の画像(顔画像と記載する)を取得し、当該顔画像に基づいて被写体の年齢を推定することにより判断することができる。顔画像を用いた年齢の推定については、例えば、特開2012−208710号公報に記載されている。また、被写体がスポーツ選手や電車であるのか否かは、例えば、記憶部110に記憶されたスポーツ選手のテンプレート画像や電車のテンプレート画像と、被写体画像とのパターンマッチングを行うことにより判断することができる。
続くステップS41において、制御部112は、撮像装置20から被写体情報の送信要求を受信したか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合、制御部112は、ステップS31に戻るが、肯定された場合は、ステップS43に移行し、ステップS37又はステップS39で取得した被写体情報を撮像装置20に送信し、図4(B)の全処理を終了する。
一方、撮像装置20の制御部213は、図4(A)のステップS15において、被写体情報を受信するまで待機しているので、図4(B)のステップS43が実行されたタイミングでステップS17に移行する。
ステップS17に移行すると、制御部213は、装着型機器10から受信した被写体情報に基づいて撮像装置20の撮像条件を設定する。本実施形態において、制御部213は、図7に示す撮像条件設定テーブルを用いて、撮像装置20の撮像条件を決定し、設定する。本実施形態において、撮像条件設定テーブルは、図7に示すように、被写体種類、シチュエーション、及び撮像条件の項目を備える。被写体種類の項目には、撮像装置20が撮像する被写体の種類が登録される。シチュエーションの項目には、撮像装置20が撮像を行うシチュエーションが登録される。撮像条件の項目には、被写体種類の項目に登録された被写体を撮像するのに適した撮像条件、又は、シチュエーションの項目に登録されたシチュエーションでの撮像に適した撮像条件が登録される。被写体種類、シチュエーション、及び被写体種類やシチュエーションに対する撮像条件は、撮像装置20の出荷時に初期設定されていてもよいし、ユーザが撮像装置20に対してマニュアルで登録してもよい。
例えば、制御部213が、被写体種類「子供」を被写体情報として装着型機器10から受信したとする。この場合、制御部213は、撮像条件設定テーブル(図7参照)に基づいて、撮影モードを「シャッタ速度優先モード」に設定し、シャッタスピード値を「1/250」に設定する。なお、「シャッタ速度優先モード」とは、シャッタスピードはユーザが決定し絞り値は撮像装置20が決定する撮影モードである。また、例えば、制御部213が、装着型機器10から被写体情報としてシチュエーション「屋内式典」を受信したとする。この場合、制御部213は、撮像条件設定テーブルに基づいて、撮像モードを「絞り優先モード」に設定するとともに、撮像装置20が撮像する際に発生する音を小さくすることができる「サイレントモード」を設定する。なお、「絞り優先モード」とは、シャッタースピードは撮像装置20が決定し絞り値はユーザが決定する撮影モードである。また、例えば、制御部213が、装着型機器10から被写体情報としてシチュエーション「運動会」を受信したとする。この場合、制御部213は、撮像条件設定テーブルに基づいて、撮像モードを、シャッタスピード等がスポーツシーンの撮影に適した設定となっている「スポーツモード」に設定する。これにより、ユーザは手動による撮影モードの設定や、シャッタスピード値の設定をしなくても、撮像シーンに適した撮像を行うことが可能となり、シャッターチャンスを逃す等の事態を防止することができる。なお、制御部213は被写界に光を発光する不図示の閃光装置の発光や、発光禁止などもシチュエーションに応じて設定するようにしてもよい。この場合、装着型機器10のマイク104が、閃光装置を用いた撮影はご遠慮くださいといった音声を入力した場合に、制御部213は不図示の閃光装置の発光を禁止するようにすればよい。
続くステップS19において、制御部213は、レリーズスイッチ207Aが押下げられるまで待機する。そして、レリーズスイッチ207Aが押下げられたタイミングで、ステップS21に移行し、撮像を実行し、図4(A)の全処理を終了する。図4(A)の処理の終了後は、撮像装置20は、ユーザの操作に基づいて撮像を行う通常の撮像処理を実行する。なお、撮像装置20は、制御部213がユーザの所定の動作又は操作を検出した場合に、再度、ステップS13からの処理を実行するようにしてもよい。
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によれば、装着型機器10の制御部213は、ユーザに装着される撮像部101の出力から、被写体の撮像条件の設定に使用される被写体情報を取得し、取得した被写体情報を通信部111を介して撮像装置20に送信する。一方、撮像装置20の制御部213は、装着型機器10から得た被写体情報を装着型機器10から通信部111を介して受信し、受信した被写体情報に基づいて、被写体の撮像条件を設定するので、ユーザは手動により撮像条件を設定しなくても、撮像シーンに適した撮像を行うことが可能となる。この結果、ユーザがシャッターチャンスを逃す等の事態を防止することができる。
また、本第1の実施形態によれば、装着型機器10の撮像部101は、ユーザが見ている方向を撮像するので、これからユーザが撮像する可能性が高い方向を撮像した画像を用いて、被写体情報を取得することができる。
また、本第1の実施形態によれば、装着型機器10は、ユーザの視線を検出する視線検出部109を備え、制御部112は、視線検出部109が検出したユーザの視線と、撮像部101が撮像した画像とから、被写体を特定し、被写体の種類を被写体情報として取得し、撮像装置20に送信する。一方、撮像装置20の制御部213は、通信部208を介して被写体の種類を被写体情報として受信し、当該被写体の種類に基づいて撮像条件を設定する。これにより、ユーザは、被写体の撮像に適した撮像条件が設定された撮像装置20を使って撮像を行うことができ、例えば、ブレ等の少ない画像を撮像することができる。
また、本第1の実施形態によれば、撮像装置20の制御部213は、撮像装置20の電源を入れる操作と、加速度センサ211A及び圧力センサ211Bの少なくとも一方を用いてユーザの撮像に関連する動作との少なくとも一方を検出した場合に、装着型機器10に被写体情報の送信を要求する。一方、装着型機器10の制御部112は、通信部111を介して、被写体情報の送信要求を受信した場合に、被写体情報を撮像装置20に送信する。これにより、ユーザが撮像を行う直前の適切なタイミングで、装着型機器10と撮像装置20との間で、被写体情報の送受信が行われ、撮像装置20に対し、ユーザが撮像を行う状況に適した撮像条件を設定することができる。
また、本第1の実施形態によれば、装着型機器10の制御部112は、撮像部101が撮像した画像に含まれる文字から、撮像がされるシチュエーションを被写体情報として取得し、撮像装置20に送信する。一方、撮像装置20の制御部213は、装着型機器10から受信したシチュエーションでの撮像に適した撮像条件を設定するので、ユーザは、撮像条件を手動で設定しなくても、撮像シーンに適した撮像を行うことができる。この結果、例えば、ボケやブレ等の少ない画像を撮像したり、撮像時のシャッタ音を抑えることで、シャッタ音によって式典の雰囲気を壊したり、他人に不快感を与えないようにすることができる。
なお、上記第1の実施形態において、装着型機器10は、シチュエーション又は被写体種類のいずれかを被写体情報として撮像装置20に送信していたが、シチュエーション及び被写体種類の両方を撮像装置20に送信するようにしてもよい。この場合、図7では、被写体とシチュエーションとの組み合わせに基づいて、撮像条件が定義されていてもよい。
また、上記第1の実施形態において、装着型機器10の制御部112が、撮像部101が撮像した画像データと視線検出部109から入力したユーザの視線データとに基づいて、シチュエーション又は被写体種類を特定していたが、シチュエーション及び被写体種類の特定を撮像装置20の制御部213が実行してもよい。この場合、例えば、制御部112は、画像データに、同一のタイミングで取得された視線データを付加することで、ユーザが注視している範囲を示した画像データ(以下、視線画像データと呼ぶ)を作成し、撮像装置20に被写体情報として送信する。例えば、制御部112は、図6(B)等に示すように、ユーザが見ている範囲を矩形領域にて示した視線画像データを作成し、撮像装置20に送信する。撮像装置20の制御部213は、装着型機器20から受信した視線画像データに対し、上述したように文字認識処理や画像認識処理を行うことにより、シチュエーションや被写体種類を特定することができる。この場合、シチュエーション特定テーブル(図5)は、撮像装置20の記憶部212に記憶しておけばよい。なお、視線データは、ユーザが注視している範囲を示した画像である必要はなく、ユーザが注視している範囲を示す座標データであっても良い。この場合、視線画像データは、画像データに座標データが付加された情報となる。座標データは、例えば、画像データのヘッダ部分に格納されるようにすることができる。
また、上記第1の実施形態において、撮像装置20の制御部213が、装着型機器10から受信したシチュエーションや被写体種類に基づいて、撮像条件を決定していたが、装着型機器10の制御部112が撮像条件を決定し、当該撮像条件を被写体情報として撮像装置20に送信してもよい。この場合、装着型機器10の記憶部110に撮像条件設定テーブル(図7参照)を記憶し、制御部112は、当該撮像条件設定テーブルを参照して、撮像条件を決定すればよい。
また、上記第1の実施形態において、装着型機器10の制御部112は、被写体種類を被写体情報として送信する場合に、当該被写体が動いているのか、静止しているのかの情報も併せて送信してもよい。この場合、例えば、撮像条件設定テーブル(図7参照)に、被写体の動きについての項目を追加し、被写体の種類と、被写体の動き(動いているのか、静止しているのか)との組み合わせに基づいて、撮像条件を指定するようにしてもよい。例えば、被写体種類が「子供」であり、被写体が動いている場合には、撮像条件として「シャッタ速度優先モード」と「シャッタスピード値:1/500」とを指定し、被写体が動いていない場合には、「シャッタ速度優先モード」と「シャッタスピード値:1/125」とを指定するようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態において、装着型機器10の制御部112は、撮像部101が撮像した画像内に含まれる文字から、シチュエーションを特定していたが、これに限られるものではない。例えば、制御部112は、画像内に含まれる被写体が身につけている物品(例えば、紅白帽)や、画像内に含まれる物品(例えば、紅白幕や万国旗等)から、シチュエーションを特定してもよい。この場合、シチュエーションを特定するためのテンプレート画像(紅白帽の画像、紅白幕の画像、万国旗の画像等)を記憶部110に記憶しておき、制御部112は当該テンプレート画像と撮像部101が撮像した画像とをパターンマッチングすることにより、画像内にシチュエーションを特定できる物品が含まれているか否かを判断すればよい。また、この場合、図5のシチュエーション特定テーブルには、画像内に含まれる物品とシチュエーションとを組み合わせて登録しておけばよい。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図8(A)、図8(B)、及び図9に基づいて詳細に説明する。第2の実施形態では、装着型機器10の制御部112は、被写体までの距離情報と、露出値とを撮像装置20に送信する。なお、第2の実施形態に係る撮像システムの構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同一又は同等であるため、図示及び説明を省略する。
(撮像システム500の処理)
以下、第2の実施形態に係る撮像システム500が実行する処理について説明する。図8(A)は、撮像装置20が実行する処理の一例を示すフローチャートであり、図8(B)は、装着型機器10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、図8(A)の撮像装置20が実行する処理は、ステップS117を除き、図4(A)の処理と同一であるため、図4(A)に示す処理と同一の処理を行うステップについては、図4(A)と同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8(B)の処理では、装着型機器10の制御部112は、ステップS51において、撮像部101が撮像した画像を入力する。
続くステップS53において、制御部112は、ステップS51で入力した画像が撮像されたタイミングと同一のタイミングで取得された視線データを視線検出部109から取得する。
続くステップS55において、制御部112は、図9に示すように、撮像部101から入力した画像データに、視線検出部109から取得した視線データを付加することで、ステップS51で入力した画像においてユーザが注視している人物や物体を被写体として特定する。図9の例では、電車が被写体として特定される。
次いで、ステップS57において、制御部112は、ステップS55で特定した被写体までの距離情報を被写体情報として取得する。図9の例では、制御部112は、電車までの距離情報を被写体情報として取得する。例えば、制御部112は、ステップS55で特定した被写体にフォーカスを合わせるように撮像部101を制御し、撮像部101のフォーカス情報から距離情報を取得する。なお、撮像部101が、距離情報を持つ距離画像を取得できる撮像素子を備える場合には、制御部112は、当該距離画像から被写体までの距離情報を取得してもよい。なお、距離情報を持つ距離画像を取得できる撮像素子については、Wang Yibing; Ovsiannikov, I.; SeungHoon Lee; Yoondong Park; Chilhee Chung; Fossum, E. more authors,A 1.5Mpixel RGBZ CMOS image sensor for simultaneous color and range image capture,ISSCC 2012に記載されている。
続くステップS59において、制御部112は、ステップS51で入力した画像の露出値を被写体情報として取得する。
その後、制御部112は、図4(B)のステップS41及びS43と同様に、ステップS61及びステップS63の処理を実行し、図8(B)の全処理を終了する。
一方、撮像装置20の制御部213は、ステップS13において被写体情報の送信を要求した後、ステップS15において、被写体情報として被写体までの距離情報と、露出値とを受信する。
続くステップS117において、制御部213は、被写体までの距離情報に基づいて、レンズ部201の合焦位置を決定し、当該合焦位置が実現されるようにレンズ駆動部202を介してレンズ部201が備えるフォーカスレンズを駆動する。また、制御部213は、例えば、被写体までの距離情報に基づいて、被写体の画像に占める割合が所定の割合(例えば、50%)となるように撮像倍率を決定し、当該撮像倍率が実現されるようにレンズ駆動部202を介してレンズ部201を駆動する。この場合、制御部213は、被写体までの距離情報と撮像倍率とから、レンズ部201の合焦位置を計算により求め、当該合焦位置が実現されるようにレンズ駆動部202を介してレンズ部201が備えるフォーカスレンズを駆動してもよい。これにより、ユーザは、撮像倍率を変更するためにズームレバー207F(図3(A)参照)を操作しなくても、適切な撮像倍率で被写体の撮像を実行することができる。特に、コンパクトカメラなどが採用する、モータなどの動力でズーミングをコントロールするパワーズームの場合、操作環等を用いたマニュアルズームの場合と比較して、所望の倍率を実現するまでにかかる時間が長い。したがって、所望の撮像倍率となるように予めレンズ駆動部202によりレンズ部201を駆動しておくことで、ユーザはズーム操作を行う必要がなくなり、シャッタチャンスを逃してしまう等の事態を防止することができる。
さらに、制御部213は、撮像装置20が備える撮像レンズや撮像素子203の特性と、装着型機器10の撮像部101が備える撮像レンズや撮像素子の特性との違いを考慮して、装着型機器10から受信した露出値に基づいて、適正露出で画像が撮像されるように、シャッタスピード値、絞り値、及びISO感度の少なくとも1つの設定を変更する。例えば、撮像装置20にシャッタスピード及び絞り値を撮像装置20が決定するプログラムオートモードが設定されている場合、制御部213は、シャッタスピード値、絞り値、及びISO感度の少なくとも1つを設定する。また、撮像装置20にシャッタ速度優先モードが設定されている場合、制御部213は、絞り値及びISO感度の少なくとも1つの設定を変更する。また、例えば、撮像装置20に絞り優先モードが設定されている場合、制御部213は、シャッタスピード値及びISO感度の少なくとも1つの設定を変更する。これにより、ユーザは、シャッタスピード値、絞り値、及びISO感度の設定を手動で行わなくても、レリーズスイッチ207Aを押せば、適正露出で画像を撮像することができる。なお、装着型機器10の撮像部101が備える撮像レンズや撮像素子の特性情報は、記憶部212に記憶しておけばよい。
以上、詳細に説明したように、本第2の実施形態によっても、ユーザが手動で撮像条件を設定しなくても、撮像シーンに適した撮像を行うことができ、シャッタチャンスを逃す等の事態を防止することができる。なお、制御部213による設定の変更項目をユーザが設定するようにして、撮像条件の一部を自動設定(手動設定)するようにしてもよい。
また、本第2の実施形態によれば、装着型機器10の制御部112は、ユーザから被写体までの距離情報を被写体情報として取得し、撮像装置20に送信する。一方、撮像装置20の制御部213は、ユーザから被写体までの距離情報を被写体情報として受信し、当該距離情報に基づいて、合焦位置及び撮像倍率の少なくとも一方を決定し、レンズ駆動部202を介してレンズ部201を駆動して、当該合焦位置や撮像倍率を実現する。これにより、撮像装置20の撮像倍率は、予め適切な撮像倍率となっており、ユーザは手動でズーム操作を行わなくても、適切な撮像倍率で被写体を撮像することができ、シャッタチャンスを逃す等の事態を防止することができる。
また、本第2の実施形態によれば、装着型機器10の制御部112は、撮像部101が撮像した画像の露出値(被写体の撮影に用いられるシャッタスピード値、絞り値、及びISO感度の少なくとも1つを設定するための情報)を被写体情報として取得し、撮像装置20に送信する。一方、撮像装置20の制御部213は、当該露出値を被写体情報として受信し、当該露出値に基づいて、シャッタスピード値、絞り値、及びISO感度の少なくとも1つを設定する。これにより、ユーザは、手動でシャッタスピード値や絞り値、ISO感度の設定しなくても、適正露出で画像を撮像することができ、シャッタチャンスを逃す等の事態を防止することができる。
なお、上記第2の実施形態において、装着型機器10から受信した情報に基づいて、撮像装置20の制御部213が、合焦位置、撮像倍率、シャッタスピード値、絞り値、及びISO感度を決定し、設定していたが、装着型機器10の制御部112がこれらの設定の設定値を決定し、被写体情報として撮像装置20に送信するようにしてもよい。この場合、撮像装置20の制御部213は、装着型機器10から受信した合焦位置や撮像倍率を実現するように、レンズ駆動部202を介してレンズ部201を駆動する。また、制御部213は、装着型機器10から受信したシャッタスピード値、絞り値、及びISO感度に基づいて、撮像装置20に設定されているシャッタスピード値、絞り値、及びISO感度の設定を変更する。
また、上記第2の実施形態において、装着型機器10の制御部112が、距離情報と露出値とを取得していたが、撮像装置20の制御部213が、装着型機器10から撮像部101が撮像した画像を通信部208を介して受信し、当該受信した画像のメタデータから、距離情報と露出値とを取得するようにしてもよい。
なお、理解の容易のために、装着型機器10の制御部112は、被写体情報として、第1の実施形態ではシチュエーション又は被写体種類を取得し、第2の実施形態では距離情報及び露出値を取得していたが、シチュエーション、被写体種類、被写体までの距離情報、及び、露出値を被写体情報として取得してもよい。すなわち、制御部112は、図4(B)の処理及び図8(B)の処理の両方を実行してもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態において、装着型機器10は、眼鏡型の端末ではなくてもよい。例えば、体の任意の位置に装着可能な装着型端末であってもよく、その機能の一部が分離していてもよい。一例を挙げると、撮像部を備えたコンタクトレンズ型の端末として、他の機能を腕時計型の端末に持たせるようにしてもよい。
(変形例)
第1及び第2の実施形態では、撮像装置20は被写体情報を装着型機器10から受信していたが、サーバから受信するようにしてもよい。図10は、第1及び第2の実施形態の変形例に係る撮像システム500’の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、撮像システム500’は、装着型機器10及び撮像装置20に加えて、サーバ30を備える。装着型機器10、撮像装置20、及びサーバ30は、無線通信や有線通信により、ネットワーク50に接続されている。なお、装着型機器10及び撮像装置20は、第1の実施形態の装着型機器10及び撮像装置20と同一又は同等の構成を備えるため、その詳細な説明を省略する。
(サーバ30)
サーバ30は、通信部301及び制御部303を備える。通信部301は、ネットワーク50を介して、装着型機器10及び撮像装置20と通信する。
制御部303は、CPU、RAM、及びROM等を備え、サーバ30を統括的に制御する。
(撮像システム500’の処理)
撮像システム500’では、装着型機器10が、撮像部101が撮像した画像データ及び視線検出部109が検出したユーザの視線データに基づいて作成した視線画像データをサーバ30に送信する。なお、装着型機器10は、撮像部101が撮像した画像データ及び視線検出部109が検出したユーザの視線データとをサーバ30に送信してもよい。撮像装置20は、ユーザの所定の動作又は操作を検出した場合に、被写体情報の送信要求をサーバ30へと送信し、サーバ30から被写体情報を受信する。
サーバ30の制御部303は、装着型機器10から受信した視線画像データを用いて、図4(B)及び図8(B)の少なくとも一方の処理を実行して被写体情報を取得し、取得した被写体情報を撮像装置20に送信する。
このように、変形例に係る撮像システム500’においても、第1及び第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置(CPU)が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
10 装着型機器
20 撮像装置
101 撮像部
109 視線検出部
111 通信部
112 制御部
201 レンズ部
208 通信部
213 制御部
211 センサ

Claims (16)

  1. ユーザに装着される撮像部と、
    前記撮像部の出力から、被写体の撮像条件の設定に使用される被写体情報を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部により取得した前記被写体情報を外部機器に送信する送信部と、
    を備える電子機器。
  2. 前記撮像部は、ユーザが見ている方向を撮像する請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記ユーザの視線を検出する視線検出部を備え、
    前記情報取得部は、前記視線検出部が検出した前記ユーザの視線と、前記撮像部の出力とから、前記被写体情報を取得する請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記被写体情報の送信要求を受信する受信部を備え、
    前記送信部は、前記受信部が前記送信要求を受信した場合に、前記被写体情報を前記外部機器に送信する請求項1から3のいずれか一項記載の電子機器。
  5. 前記情報取得部は、前記ユーザから前記被写体までの距離情報を前記被写体情報として取得する請求項1から4のいずれか一項記載の電子機器。
  6. 前記情報取得部は、前記被写体の撮影に用いられるシャッタスピード値、絞り値、及びISO感度の少なくとも1つを設定するための情報を前記被写体情報として取得する請求項1から5のいずれか一項記載の電子機器。
  7. 前記情報取得部は、前記被写体の種類を前記被写体情報として取得する請求項1から6のいずれか一項記載の電子機器。
  8. 前記情報取得部は、前記撮像部が撮像した画像に含まれる文字から、前記被写体情報を取得する請求項1から7のいずれか一項記載の電子機器。
  9. 被写体を撮像する撮像部と、
    ユーザが見ている方向の撮像結果から得た前記被写体の撮像条件の設定に使用される被写体情報を外部機器から受信する受信部と、
    前記受信部で受信した前記被写体情報に基づいて、前記撮像部による前記被写体の撮像条件を設定する撮像条件設定部と、
    を備える撮像装置。
  10. 前記撮像条件設定部は、前記被写体情報に基づいて、前記撮像部の合焦位置及び撮像倍率の少なくとも一方を設定する請求項9記載の撮像装置。
  11. 前記撮像装置に対する前記ユーザの所定の動作又は操作を検出する検出部と、
    前記検出部により前記ユーザの所定の動作又は操作が検出された場合に、前記外部機器に前記被写体情報の送信を要求する要求部と、を備える請求項9又は10に記載の撮像装置。
  12. 前記検出部は、前記撮像装置の電源を入れる操作と、前記ユーザの撮像に関連する動作との少なくとも一方を検出する請求項11に記載の撮像装置。
  13. 前記受信部は、前記ユーザから前記被写体までの距離情報を前記被写体情報として受信する請求項9から12のいずれか一項記載の撮像装置。
  14. 前記受信部は、前記被写体の撮影に用いられるシャッタスピード値、絞り値、及びISO感度の少なくとも1つを設定するための情報を前記被写体情報として受信する請求項9から13のいずれか一項記載の撮像装置。
  15. 前記受信部は、前記被写体の種類を前記被写体情報として受信する請求項9から14のいずれか一項記載の撮像装置。
  16. ユーザが見ている方向を撮像した画像を取得する画像取得部と、
    前記画像から、被写体の撮像条件の設定に使用される被写体情報を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部により取得した前記被写体情報を外部機器に送信する送信部と、
    を備える電子機器。

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