JP2015138695A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Katsunori Nishiura
克典 西浦
雅亮 猿山
Masaaki Saruyama
雅亮 猿山
佳広 坂田
Yoshihiro Sakata
佳広 坂田
仁志 大西
Hitoshi Onishi
仁志 大西
昭 江田
Akira Eda
昭 江田
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Abstract

【課題】通常の電池製造プロセスに大きな変更を加えることなく、高い電池電圧を維持した上で、高エネルギー密度を達成するリチウムイオン二次電池用電極および電池を提供すること。
【解決手段】負極活物質が、LiSと、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料とを含んでなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
【選択図】なし

Description

本発明は、LiSを含んでなる負極活物質を用いた負極およびリチウムイオン二次電池、ならびにそのリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
近年、携帯用端末機器などに代表される小型の電子機器が広く普及しており、さらなる小型化、軽量化および長寿命化が強く求められている。これに伴い、電源として、電池、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。この二次電池は、最近では、小型の電子機器に限らず、自動車などに代表される大型の電子機器への応用も検討されている。
二次電池としては、さまざまな充放電原理を利用するものが広く提案されている。これらの中でも、リチウムイオンの吸蔵放出を利用するリチウムイオン二次電池が普及しつつあるが、更なる高エネルギー密度化、高出力化が求められている。
リチウムイオン二次電池は、正極および負極と共に電解液を備えており、その正極および負極は、それぞれリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質および負極活物質を含んでいる。最近では、高いエネルギー密度を達成するために負極活物質としてSi系またはSnの酸化物が検討されており、また、高出力化の面では、難黒鉛化炭素材料が検討されている。しかし、これらの負極材料は、不可逆容量(1サイクル目の充電容量−1サイクル目の放電容量)が大きいため、正極活物質中のLiが負極に捕捉されてしまい、電池全体のエネルギー密度を向上させることが困難であった。
そのため、Li金属を用いた負極へのLi導入や、正極、負極、電解液へのLi源の添加、また、より高容量な正極活物質の使用などにより、不可逆容量を補填し、エネルギー密度を向上させることが検討されてきた。
具体的には、Li金属を用いた負極へのLi導入については、負極にリチウム金属を貼り付けて、電解液中でLi導入を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ただし、Li金属を用いた負極へのLi導入方法は、製造工程が複雑になる、大掛かりな製造装置が必要になる、といった課題がある。また、電解液へのLi源の添加については、蓚酸リチウムなどのLi塩化合物が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。しかし、負極の不可逆容量が大きい場合、添加量が大きくなり、電解液の粘度が上昇し、電極への含浸性が低下するといった課題がある。また、負極に、Li3−xN(但し、MはFe,Co,Ni,Cu,Znから選ばれる少なくとも一つの元素、0.2≦x≦0.8である)を添加するという方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、Li3−xNの充放電電圧は1V(対リチウム金属)近くと炭素系負極材料、Si系負極材料、Sn系負極材料より高い電位を持ち、充電時、優先的にLiを吸蔵する。そのため、Li2.60.4Nを添加した負極を用いたリチウムイオン二次電池は放電末期に電圧が低下するという課題がある。このため、高電圧の正極活物質と高容量の正極活物質を正極に用いる、もしくは、Li2.60.4Nを正極に添加するといった、正極側に負極の不可逆容量を補填するための材料を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。高容量の正極活物質が有するLiで、負極の不可逆容量を補填するのだが、放電時、Liの吸蔵は高電圧の正極活物質から起こる。このとき、高容量の正極活物質の使用量を、負極の不可逆容量と同等以下しており、放電末期においても、高容量正極活物質にLiが吸蔵されないため、電圧の低下は起こりにくい。しかし、用いられている高容量正極活物質は、Li1+a1−a等のリチウムリッチ系正極活物質であり、それほどLi含量は大きくなく、Li2.60.4Nも放電容量は約800mAh/gと十分ではなく、エネルギー密度向上効果も限定的である。また、いずれの特許においても、〔負極の不可逆容量〕≧〔負極の不可逆容量を補填するための正極への添加材料(高容量正極活物質もしくはLi2.60.4N)の容量〕となっている。負極にケイ素およびスズのうちの少なくとも一方を構成元素として含む材料もしくは難黒鉛化炭素材料を用いた場合、放電末期の負極の電圧は高くなる傾向があり、負極の不可逆容量を補填するための正極への添加材料といった電池設計では、放電末期の電池電圧が低くなってしまうといった課題がある。
特開2007−280926号公報 特開2004−259680号公報 特開1995−254436号公報 特開2000−164207号公報 特開2010−102841号公報
上述のように、不可逆容量の大きい負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池において、電池電圧を下げることなく、高いエネルギー密度と簡便な製造方法を両立させることは困難である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、通常の電池製造プロセスに大きな変更を加えることなく、高い電池電圧を維持した上で、高エネルギー密度を達成するリチウムイオン二次電池用電極および電池を提供することにある。
上記のような課題を解決するために、本発明は、特定のイオウ化合物が特定量添加された負極用活物質、それからなる負極およびそれらを用いたリチウムイオン二次電池を提供するものである。
〔1〕負極活物質が、LiSと、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料を含んでなるリチウムイオン二次電池用負極。
〔2〕前記負極が、LiS、導電性炭素材料およびバインダーを含む活物質層(I)と、前記LiSを含まず、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素酸化物、スズ酸化物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料を含む活物質層(II)の2層からなる〔1〕に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
〔3〕LiSを含む活物質層(I)において、導電性炭素材料がLiSに対し20〜200重量%含まれている〔2〕に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
〔4〕LiSを含む活物質層(I)が、LiS、導電性炭素材料、バインダーおよび有機溶媒を含むペーストを、集電体、または活物質層(II)上に塗工、乾燥することによって得られる〔2〕または〔3〕に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
〔5〕前記バインダーが、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極。
〔6〕前記負極が、LiSと導電性炭素材料との複合体を負極活物質として含有する活物質層(III)を含んでなる〔1〕に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
〔7〕前記複合体が、LiSと、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体およびセルロース系樹脂から選ばれる1種以上の導電性炭素前駆体とを混合した後、焼成することにより得られる〔6〕に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
〔8〕前記負極活物質が酸化ケイ素(SiOx :0.2<x<1.4)である〔1〕に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
〔9〕前記負極において、LiSが放出するLi量をαとし、前記Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料の、初回不可逆容量に相当するLi量をγとするとき、前記Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料と、LiSの重量比が、α≧γを満足する〔1〕に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
〔10〕正極および負極および非水電解液を備え、前記負極活物質として、LiSと、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料とを含んでなるリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素化合物、スズ化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料を含んでなる負極活物質固有の初回不可逆容量によって消費される負極活物質を補償するために、LiSを一部用いることによって高エネルギー密度をもつリチウムイオン二次電池を得ることができる。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池の好適な実施形態について詳説する。なお以下の説明では、負極活物質に添加されるLiSは、単にLiSと表記する場合がある。
1.リチウムイオン二次電池用負極
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、負極集電体と負極活物質層との積層体である。リチウムイオン二次電池用負極は、シート状電極であってもよい。そして、負極活物質は、LiSと、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物よび難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料を含んでなることを特徴としている。本発明の好ましいリチウムイオン二次電池用負極は、LiS、導電性炭素材料およびバインダーを含む活物質層(I)と、前記LiSを含まず、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素化合物、スズ化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料を含む活物質層(II)の2層を含んでなる。
1−1.負極集電体
負極集電体の材質は、ケイ素及び/又はケイ素合金、スズおよびその合金、ケイ素−銅合金、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料などでありうる。
負極集電体の形状は、金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等でありうる。集電体の厚みは、特に制限はないが、例えば通常5μm〜30μmであり、好ましくは6〜20μmである。さらに、集電体表面は、化学処理もしくは物理処理によって、表面を粗化してあってもよいし、表面にカーボンブラック、アセチレンブラックなどの導電材を塗布したものであってもよい。
1−2.負極活物質層
本発明に係わる負極活物質層は、LiSと、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料の両方を含んでなる負極活物質層である。好ましくは、負極活物質層(II)(LiSを含まない負極活物質層)と、下記負極活物質層(I)(LiSを含む負極活物質層)を積層した、少なくとも2層を有する構造を有する積層構造であるか、または下記の負極活物質層(III)である。これらの負極活物質層は、前記1−1項に記載の集電体上に形成される。なお負極活物質層(I)と負極活物質層(II)とは相互に隣接していてもよいし、層(I)と層(II)の間に、これらとは異なる材料から構成される単層または2層以上の層がサンドイッチされた多層構造であってもよい。
1−2−1.負極活物質層(II)
負極活物質層(II)は、前記LiSを含まず、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料を含む活物質層である。さらにその他の成分として、Liを吸蔵放出可能な黒鉛系負極活物質、バインダー、さらに導電性炭素材料などを含んでいてもよい。負極活物質層(II)を、構成原料から分類した場合の主なる好適実施態様は次の通りである。
(a)ケイ素含有化合物/バインダー
(b)スズ含有化合物/バインダー
(c)難黒鉛化炭素/バインダー
(d)ケイ素含有化合物/Liを吸蔵放出可能な黒鉛系負極活物質/バインダー
(e)ケイ素含有化合物/バインダー/導電性炭素材料
(f)ケイ素含有化合物/Liを吸蔵放出可能な黒鉛系負極活物質/バインダー/導電性炭素材料
ここで、負極活物質層(II)の厚みは特に制限はないが、例えば通常10〜200μmであり、好ましくは、20〜150μmである。上記リチウム含有複合酸化物100重量部に対し、バインダーの使用量は、通常、0.5〜15重量部であり、好ましくは、0.7〜10重量部である。
1−2−1−1.ケイ素含有化合物
本発明の負極活物質としてのケイ素含有化合物の例には、(i)シリコン微粒子、(ii)スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンまたはクロムと、ケイ素との合金、(ii)ホウ素、窒素、酸素または炭素とケイ素との化合物や、これらにさらに(ii)に例示した金属を有するものなどが含まれる。ケイ素の合金あるいは化合物の例には、SiB、SiB、MgSi、NiSi、TiSi、MoSi、CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi、SiC、Si、SiO、SiO(0.2<x<1.4)あるいはLiSiOなどが含まれる。中でも、SiO(0.2<x<1.4)が、エネルギー密度、サイクル特性の点から好ましい。
1−2−1−2.スズ含有化合物
本発明の負極活物質としてのスズ含有化合物の例には、(i)ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンまたはクロムと、スズとの合金、(ii)酸素または炭素とスズとの化合物や、これらにさらに(i)に例示した金属を有するものなどが挙げられる。スズの合金あるいは化合物の例には、SnO(0<w≦2)、SnSiO、LiSnOあるいはMgSnなどが含まれる。
ケイ素およびスズのうちの少なくとも一方を構成元素として含む材料は、ケイ素またはスズの単体、合金または化合物でもよいし、それらの2種類以上でもよいし、それらの1種類または2種類以上の相を少なくとも一部に有するものでもよい。なお、単体とは、あくまで一般的な意味合いでの単体(微量の不純物を含んでいてもよい)であり、必ずしも純度100%を意味しているわけではない。また、これらの活物質の表面は、CVD法などにより炭素材料で被覆されていてもよい。
1−2−1−3.難黒鉛化炭素
本発明の負極活物質としての難黒鉛化炭素材料は、例えば、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化性炭素が挙げられる。より具体的には、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、フェノール樹脂、結晶セルロースなどの有機高分子化合物を熱処理した、低結晶性炭素または非晶質炭素などが挙げられる。
なお、負極活物質層に添加してもよい、Liを吸蔵放出可能な黒鉛系負極活物質としては、易黒鉛化性炭素、または(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛などである。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、活性炭またはカーボンブラック類などである。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスまたは石油コークスなどが含まれる。有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂、結晶セルロース、フラン樹脂などの樹脂を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状または鱗片状のいずれでもよい。
1−2−1−4.バインダー
バインダーとしては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンゴム、オレフィン−アクリル酸共重合体、アクリル樹脂などの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリビニルピロリドン、ポリオレフィンなどの高分子材料が挙げられ、さらに、それらを水添、マレイン化などの変性を行ったものでもよく、これらの1種または2種以上が混合して用いられる。これらバインダーは、溶媒に溶解した状態で使用してもよく、また、溶媒に分散した状態で使用してもよい。
1−2−1−5.導電性炭素材料
負極活物質層(II)には、任意構成成分として導電性炭素材料を含む。負極活物質は、点接触することによって互いを導通させている。そのため、負極活物質間の導通性が十分に高まらないことがある。導電性炭素材料は、負極活物質の粒子同士の点接触に起因する高い電気抵抗を低下させる機能を有する。
導電性炭素材料の種類は特に制限されないが、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)や、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などでありうる。導電性炭素材料は、それぞれ一種、炭素繊維(カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維など)を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機物の熱分解物としては、石炭系コークス;石油系コークス;石炭系ピッチの炭化物;石油系ピッチの炭化物;或いはこれらピッチを酸化処理した後の炭化物;ニードルコークス;ピッチコークス;フェノール樹脂、結晶セルロース等の炭化物;及びこれらを一部黒鉛化した炭素材;ファーネスブラック;アセチレンブラック;ピッチ系炭素繊維;等が挙げられる。なかでも黒鉛が好ましく、特に種々の原料から得た易黒鉛性ピッチに高温熱処理を施すことによって製造された、人造黒鉛、精製天然黒鉛、又はこれらの黒鉛に種々の表面処理を施したものが好ましい。
1−2−2.負極活物質層(I)
負極活物質層(I)は、LiSと、前述の1−2−1−4項に記載したバインダーと、1−2−1−5項に記載した導電性炭素材料を含む。LiSは、Li(1<x≦4)であってもよい。xが4を超える場合、LiS中の単位重量あたりのLi含量が小さくなるため、エネルギー密度向上効果が小さくなり、好ましくない。バインダーの使用量は、LiS 100重量部に対し、通常、0.5〜20重量部であり、好ましくは、0.7〜15重量部である。また、導電性炭素材料の使用量は、通常、LiSに対して通常20〜200重量%であり、好ましくは、30〜100重量%である。
1−2−3.負極活物質層(III)
本発明においては、負極活物質が、LiSと、前記1−2−1−5項に記載した導電性炭素材料の複合体を含む活物質から形成された負極活物質層(III)であってもよい。また、その他活物質として、1−2−1−1〜1−2−1−3記載の、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料や、Liを吸蔵放出可能な黒鉛系負極活物質を含んでいてもよい。
LiSと導電性炭素材料との複合体の製造方法としては、以下の方法が例示できる。
1−2−3−1.LiSと導電性を有する炭素材料との複合体の製造1
LiSと前記1−2−1−5項に記載した導電性炭素材料を、乾式混合、メカニカルミリング法、湿式混合などにより、混合することにより、複合体が得られる。このとき、1−2−1−2項に記載のバインダーを用いてもよい。溶媒を用いた場合は、乾燥を行ってもよく、また、乾燥することなく、溶媒への分散体として、負極活物質層(III)の製造工程に用いてもよい。また、得られた複合体が一体化し、粒子形状を示さない場合、粉砕することにより、粒子化してもよい。上記LiSに対する、導電性炭素材料の使用量は、通常、20〜200重量%であり、好ましくは、30〜100重量%である。
1−2−3−2.LiSと導電性炭素材料との複合体の製造2
LiSと特定の樹脂を混合した後、焼成することにより、複合体が得られる。特定の樹脂としては、ポリイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、セルロース系樹脂、石炭系ピッチ、石油系ピッチなどが例として挙げられる。混合方法としては、乾式混合、メカニカルミリング法、湿式混合などが挙げられる。乾式混合の場合、樹脂粉黛の状態(例えば融点以下)で混合してもよく、また、特定樹脂の融点以上で溶融した樹脂とLiSとを混合してもよい。湿式混合の場合、樹脂を溶媒に溶解した後、混合してもよい。溶媒としては、樹脂を溶解するものが好ましい。湿式混合後、加熱乾燥、減圧乾燥、スプレードライ法などの方法で乾燥を行う。得られたLiSと特定樹脂の複合体を600〜2400℃で焼成することで、LiSと導電性炭素材料との複合体を得ることができる。上記LiSに対する、特定樹脂の使用量は、通常、20〜200重量%であり、好ましくは、30〜100重量%である。
1−3.リチウムイオン二次電池用負極の製造法
本発明のリチウムイオン二次電池負極の製造法を以下に例示するが、本発明はこれら製造法に何ら制限されるものではない。
1−3−1.負極活物質層(I)と負極活物質層(II)との積層法
最初に、1−2−1−1項〜1−2−1−3項に記載の、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上と、1−2−1−4項に記載のバインダー、必要に応じて1−2−1−5項に記載の導電性炭素材料などとを混合して負極合剤1としたのち、有機溶剤、水などに分散させてペースト状の負極合剤スラリー1とする。続いて、1−1項記載の負極集電体の片面もしくは両面に上記の負極合剤スラリー1を塗布してから乾燥させて、負極活物質層(I)を形成する。その後、1−2−2項に記載の、LiSとバインダー、および導電助剤などとを混合して負極合剤2としたのち、有機溶剤、水などに分散させてペースト状の負極合剤スラリー2とする。続いて、上記負極活物質層(I)の表面に、負極合剤スラリー2を塗布してから乾燥させて、負極活物質層(II)を形成し、負極積層体を製造する。最後に、必要に応じて加熱しながら、ロールプレス機などを用いて積層負極を圧縮成型する。この場合には、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。また、負極活物質層(II)塗工前に、負極活物質層(I)を圧縮成型してもよい。また、上記と同様の製造法で、まず、負極集電体上に、負極活物質層(II)を形成した後、その表面に負極活物質層(I)を塗工することで、積層負極を製造してもよい。なお、本発明の通常の実施形態においては負極活物質層(I)と負極活物質層(II)とは相互に隣接しているが、活物質層(I)と活物質層(II)の間に、層(I)と層(II)とは異なる材料からなる層が、単層または2層以上の形態でがサンドイッチされた多層構造であってもよい。
1−3−2.負極活物質層(III)を用いた負極製造法
LiSと導電性炭素材料との複合体に、1−2−1−1〜1−2−1−3記載の、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料とバインダーを混合して負極合剤3としたのち、有機溶剤、水などに分散させてペースト状の負極合剤スラリー3とする。続いて、1−1項に記載の負極集電体の片面もしくは両面に負極合剤スラリー3を塗布してから乾燥させて、負極活物質層(III)を形成する。該負極活物質層(III)は、その他の成分(1−2−1−5項に記載の導電性炭素材料など)を更に含んでいてもよい。
2.リチウムイオン二次電池用正極
本発明に係るリチウムイオン二次電池用正極は、正極集電体と正極活物質とからなる。リチウムイオン二次電池用負極は、シート状電極であってもよい。
2-1.正極集電体
正極集電体の材質は、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料などでありうる。
正極集電体の形状は、金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等でありうる。集電体の厚みは、特に制限はないが、例えば通常5μm〜30μmであり、好ましくは6〜20μmである。さらに、集電体表面は、化学処理もしくは物理処理によって、表面を粗化してあってもよいし、表面にカーボンブラック、アセチレンブラックなどの導電材を塗布したものであってもよい。
2−2.正極活物質層
本発明に係る正極活物質層は、特にリチウムの吸蔵放出が可能な材料であれば限定されず、リチウムイオン二次電池に通常用いられる正極活物質を利用することができる。具体的には、リチウム−マンガン複合酸化物(LiMnなど)、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiOなど)、リチウム−コバルト複合酸化物(LiCoOなど)、リチウム−鉄複合酸化物(LiFeOなど)、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn0.5など)、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物(LiNi0.8Co0.2など)、リチウム−ニッケル−コバルト−マンガン複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物(LiFePOなど)、およびリチウム−遷移金属硫酸化合物(LiFe(SO)などが挙げられる。
これらの正極活物質は、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。正極活物質層中の正極活物質の含有割合は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上である。また、通常99.9重量%以下、好ましくは99重量%以下である。正極活物質を結着するバインダーとしては、前記した負極用のバインダーであってもいが、その他の公知のバインダー樹脂を任意に選択して用いてもよい。正極活物質層には、電極の導電性を向上させるために、導電材を含有させてもよい。導電剤としては、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、各種の金属の繊維、粉末、箔などが挙げられる。正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。
3.セパレータ
セパレータは、正極と負極とを隔離して、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータには、液状の電解質(電解液)である電解液が含浸されている。セパレータは、例えば、合成樹脂またはセラミックからなる多孔質膜などにより構成されており、それらの2種類以上の多孔質膜が積層されたものでもよい。合成樹脂は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどである。
4.電解液
電解液は、溶媒と、それに溶解された電解質塩とを含んでいる。溶媒は、例えば、以下で説明する非水溶媒(有機溶媒)のいずれか1種類または2種類以上である。炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタンまたはテトラヒドロフランである。2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサンまたは1,4−ジオキサンである。酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルまたはトリメチル酢酸エチルである。アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノンまたはN−メチルオキサゾリジノンである。N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチルまたはジメチルスルホキシドである。
これらの中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルのうちの少なくとも1種が好ましい。より優れた特性が得られるからである。この場合には、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルまたは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
特に、溶媒は、1または2以上の不飽和炭素結合を有する環状炭酸エステル(不飽和炭素結合環状炭酸エステル)でもよい。充放電時において負極表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。不飽和炭素結合環状炭酸エステルは、例えば、炭酸ビニレンまたは炭酸ビニルエチレンなどである。なお、非水溶媒中における不飽和炭素結合環状炭酸エステルの含有量は、例えば、0.01重量%以上10重量%以下である。電池容量を低下させすぎずに、電解液の分解反応が抑制されるからである。
また、溶媒は、1または2以上のハロゲン基を有する鎖状炭酸エステル(ハロゲン化鎖状炭酸エステル)、および1または2以上のハロゲン基を有する環状炭酸エステル(ハロゲン化環状炭酸エステル)のうちの少なくとも1種でもよい。充放電時において負極表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。ハロゲン基の種類は、特に限定されないが、中でも、フッ素基、塩素基または臭素基が好ましく、フッ素基がより好ましい。高い効果が得られるからである。ただし、ハロゲン基の数は、1つよりも2つが好ましく、さらに3つ以上でもよい。より強固で安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応がより抑制されるからである。ハロゲン化鎖状炭酸エステルは、例えば、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ビス(フルオロメチル)または炭酸ジフルオロメチルメチルなどである。ハロゲン化環状炭酸エステルは、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンまたは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどである。なお、非水溶媒中におけるハロゲン化鎖状炭酸エステルおよびハロゲン化環状炭酸エステルの含有量は、例えば、0.01重量%以上50重量%以下である。電池容量を低下させすぎずに、電解液の分解反応が抑制されるからである。
また、溶媒は、スルトン(環状スルホン酸エステル)でもよい。電解液の化学的安定性が向上するからである。スルトンは、例えば、プロパンスルトンまたはプロペンスルトンなどである。なお、非水溶媒中におけるスルトンの含有量は、例えば、0.5重量%以上5重量%以下である。電池容量を低下させすぎずに、電解液の分解反応が抑制されるからである。
さらに、溶媒は、酸無水物でもよい。電解液の化学的安定性がより向上するからである。酸無水物は、例えば、例えば、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物またはカルボン酸スルホン酸無水物などである。ジカルボン酸無水物は、例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸または無水マレイン酸などである。ジスルホン酸無水物は、例えば、無水エタンジスルホン酸または無水プロパンジスルホン酸などである。カルボン酸スルホン酸無水物は、例えば、無水スルホ安息香酸、無水スルホプロピオン酸または無水スルホ酪酸などである。なお、非水溶媒中における酸無水物の含有量は、例えば、0.5重量%以上5重量%以下である。電池容量を低下させすぎずに、電解液の分解反応が抑制されるからである。
電解質塩は、例えば、以下で説明するリチウム塩のいずれか1種類または2種類以上である。ただし、電解質塩は、リチウム塩以外の他の塩(例えばリチウム塩以外の軽金属塩)でもよい。
リチウム塩は、例えば、以下の化合物などである。六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム(LiClO)または六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)である。テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C)、メタンスルホン酸リチウム(LiCHSO)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)またはテトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl)である。六フッ化ケイ酸二リチウム(LiSiF)、塩化リチウム(LiCl)または臭化リチウム(LiBr)である。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。
これらの中でも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムおよび六フッ化ヒ酸リチウムのうちの少なくとも1種が好ましく、六フッ化リン酸リチウムがより好ましい。内部抵抗が低下するため、より高い効果が得られるからである。
電解質塩の含有量は、溶媒に対して0.3mol/kg以上、3.0mol/kg以下であることが好ましい。高いイオン伝導性が得られるからである。
また、これらの電解液は、有機材料によってゲル化していてもよい。有機材料としては、直鎖状ポリマー、架橋ポリマー、低分子量化合物の架橋体などがあり、具体的には、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
5.電池製造法
以下に本発明の電池製造法を記載するが、電池製造法は、これには制限されない。前記1項に記載の正極、および前記2項に記載の負極を用いて二次電池を組み立てる。最初に、正極集電体に正極リードを溶接などして取り付けると共に、負極集電体に負極リードを溶接などして取り付ける。続いて、前記3項に記載のセパレータを介して正極と負極とを積層および巻回させて巻回電極体を作製したのち、巻回電極体をラミネート包材中に収納する。続いて、ラミネート包材内部に電解液を注入して、電極およびセパレータに含浸させる。その後、ラミネート包材を封止することにより、電池を製造する。
6.Li Sの使用量
LiSは、負極中に含まれる、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料の不可逆容量を補填することが第一の目的である。ただし、前記負極において、LiSの単位面積あたりの容量が、前記Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料の、単位面積あたりの不可逆容量以上であることが好ましい。ただし、LiSが放出するLi量をαとし、前記Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料の、初回不可逆容量に相当するLi量をγとするとき、前記Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料と、LiSの重量比を、α≧γを満足するように選択することが好ましい。α≧γを満足することで、放電末期の負極の電圧を低くすることができる。

Claims (10)

  1. 負極活物質が、LiSと、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料とを含んでなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  2. 前記負極が、LiS、導電性炭素材料およびバインダーを含む活物質層(I)と、前記LiSを含まず、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素酸化物、スズ酸化物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料を含む活物質層(II)の2層からなることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  3. LiSを含む活物質層(I)において、導電性炭素材料がLiSに対し20〜200重量%含まれていることを特徴とする請求項2記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  4. LiSを含む活物質層(I)が、LiS、導電性炭素材料、バインダーおよび有機溶媒を含むペーストを、集電体、または活物質層(II)上に塗工、乾燥することによって得られることを特徴とする請求項2または3に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  5. 前記バインダーが、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  6. 前記負極が、LiSと導電性炭素材料との複合体を負極活物質として含有する活物質層(III)を含んでなることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  7. 前記複合体が、LiSと、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体およびセルロース系樹脂から選ばれる1種以上の導電性炭素前駆体とを混合した後、焼成することにより得られることを特徴とする請求項6記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  8. 前記負極活物質が酸化ケイ素(SiOx :0.2<x<1.4)であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  9. 前記負極において、LiSが放出するLi量をαとし、前記Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料の、初回不可逆容量に相当するLi量をγとするとき、前記Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料と、LiSの重量比が、α≧γを満足することを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  10. 正極および負極および非水電解液を備え、前記負極活物質として、LiSと、Liを吸蔵放出可能な、ケイ素含有化合物、スズ含有化合物および難黒鉛化炭素から選ばれる1種以上の材料とを含んでなることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017119428A1 (ja) * 2016-01-06 2017-07-13 デンカ株式会社 二次電池負極用炭素材、二次電池負極用活物質、二次電池負極および二次電池
CN111987299A (zh) * 2020-08-29 2020-11-24 中北大学 一种用作高温锂电池正极材料的Si@SnO2@C微球的制备方法
CN113851609A (zh) * 2021-08-26 2021-12-28 蜂巢能源科技有限公司 硅基负极极片及其制备方法、全固态锂离子电池

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