JP2015137400A - 磁石粉砕装置 - Google Patents

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【課題】 粉砕工程で使用したアルゴンガスを回収して再利用することができる磁石粉砕装置を提供する。
【解決手段】 密閉状態の粉砕処理室11内で希土類の磁石原料を粉砕して磁石粉末を生成する磁石原料粉砕手段12と、粉砕処理室内に新規のアルゴンガスを導入するアルゴンガス導入手段13と、粉砕処理室から排出される排ガス中の磁石粉末を磁石で捕捉して排ガス中から磁石粉末を分離する磁石粉末分離手段15と、磁石粉末分離手段で磁石粉末を分離した後の排ガスの成分を分析するガス分析手段19と、ガス分析手段で分析したアルゴン成分の濃度があらかじめ設定されたアルゴン濃度以上のときに、前記排ガスを粉砕処理室内に導入するアルゴンガス循環手段20とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁石粉砕装置に関し、詳しくは、希土類の磁石原料を粉砕して磁石粉末を生成する粉砕設備を備えた磁石粉砕装置に関する。
希土類を含む磁石を生産する工程では、希土類を含む磁石原料を粉砕し、磁石原料粉末を生成する工程が行われている。一般的に、各種前処理を施した磁石原料を粉砕する際に、雰囲気中に酸素や窒素が存在すると、生成した磁石原料粉末と酸素や窒素とが反応するため、粉砕工程における雰囲気ガスとしてアルゴンガスを使用するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−201618号公報
粉砕工程で使用したアルゴンガスには、粉砕した磁石粉末や微量の空気成分が含まれていることから、粉砕工程で使用後のアルゴンガスは、そのまま排気するようにしている。しかし、アルゴンガスは、窒素ガスに比べて高価であることから、アルゴンガスを使い捨てにすることは、不経済であり、ランニングコストを上昇させる大きな要因となる。
そこで本発明は、粉砕工程で使用したアルゴンガスを回収して再利用することができる磁石粉砕装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の磁石粉砕装置は、密閉状態の粉砕処理室内で希土類の磁石原料を粉砕して磁石粉末を生成する磁石原料粉砕手段と、前記粉砕処理室内に新規のアルゴンガスを導入するアルゴンガス導入手段と、前記粉砕処理室から排出される排ガス中の磁石粉末を磁石で捕捉して排ガス中から磁石粉末を分離する磁石粉末分離手段と、該磁石粉末分離手段で磁石粉末を分離した後の排ガスの成分を分析するガス分析手段と、該ガス分析手段で分析したアルゴン成分の濃度があらかじめ設定されたアルゴン濃度以上のときに、前記排ガスを前記粉砕処理室内に導入するアルゴンガス循環手段とを備えていることを特徴としている。
さらに、本発明の磁石粉砕装置は、前記磁石粉末分離手段が、通電時に前記磁石粉末を磁着して排ガス中から分離する電磁石を備えていることを特徴としている。また、前記磁石粉末分離手段と前記ガス分析手段との間に、排ガス中のアルゴンガスを精製してアルゴン純度を高めるためのアルゴン精製手段を備えていることを特徴としている。
加えて、前記粉砕処理室と前記磁石粉末分離手段との間、前記磁石粉末分離手段と前記ガス分析手段との間、前記磁石粉末分離手段と前記アルゴン精製手段との間に、バッファタンクを備えていることを特徴としている。
本発明の磁石粉砕装置によれば、粉砕工程を行う粉砕処理室から排出されるアルゴンを主成分とする排ガス中の磁石粉末を分離した後、ガス分析手段で排ガスの成分分析を行い、あらかじめ設定されたアルゴン濃度以上のときに粉砕処理室内に循環導入するようにしているので、アルゴンガスを利用効率を向上させてランニングコストの低減を図れるとともに、粉砕処理室内に酸素や窒素などの不純物が混入するおそれがないため、磁石粉末の生成に悪影響を与えることもない。
本発明の磁石粉砕装置の一形態例を示すブロック図である。 磁石粉末分離手段の一例を示す説明図である。
図1は、本発明の磁石粉砕装置の一形態例を示すものである。この磁石粉砕装置は、密閉状態の粉砕処理室11内で希土類の磁石原料を粉砕して磁石粉末を生成する磁石原料粉砕手段12と、前記粉砕処理室11内に新規のアルゴンガスを導入するアルゴンガス導入手段13と、前記粉砕処理室11から排出される排ガスを貯留する第1バッファタンク14と、前記粉砕処理室11から第1バッファタンク14を介して排出される排ガス中の磁石粉末を捕捉して排ガス中から磁石粉末を分離除去する磁石粉末分離手段15と、該磁石粉末分離手段15で磁石粉末を分離した後の排ガスを貯留する第2バッファタンク16と、該第2バッファタンク16から抜き出した排ガス中のアルゴンガスを精製してアルゴン純度を高めるためのアルゴン精製手段17と、該アルゴン精製手段17で精製したアルゴンガスを貯留する第3バッファタンク18と、該第3バッファタンク18から抜き出したアルゴンガスの成分を分析するガス分析手段19と、該ガス分析手段19で分析したアルゴン成分の濃度があらかじめ設定されたアルゴン濃度以上のときに、前記排ガスを精製して得たアルゴンガスを前記粉砕処理室11内に循環導入するアルゴンガス循環手段20とを備えている。
前記磁石原料粉砕手段12は、粉砕対象となる磁石原料の状態に応じて、従来から用いられている任意の粉砕手段を使用することが可能であり、粉砕した磁石粉末が存在する部分の雰囲気がアルゴンガス雰囲気であればよい。
前記アルゴンガス導入手段13は、粉砕処理室11内にアルゴンガスを導入できるものであればよく、例えば、液化アルゴンを気化させたアルゴンガスを使用するものが好適である。
磁石粉末分離手段15は、図2に示すように、筒体21と、該筒体21の一端から軸線方向に挿入されたガス導出管22と、前記筒体21の一端に接線方向に設けられた排ガス導入管23と、前記筒体21の周囲に設けられた磁石24とで形成した磁石分離併用のサイクロン式分離機を用いることが好ましい。この磁石分離併用のサイクロン式分離機において、排ガスは、矢印Aで示すように、排ガス導入管23から筒体21の接線方向に導入された排ガスは、旋回流となって筒体21の下方に向かって流れ、排ガス中の磁石粉末25は、旋回による遠心力で旋回流の外周側に移動し、磁石24の磁力によって筒体21の内周面に捕捉される。磁石粉末25を分離した排ガスは、筒体21の下端からガス導出管22内に流入し、ガス導出管22の上部から導出される。
これにより、排ガス中に混入している磁石粉末25を効果的に捕捉して分離することができる。特に、磁石24として電磁石を用いることにより、電磁石を通電状態にすることによって磁石粉末25を磁着してガス中から効率よく確実に分離することができるとともに、電磁石を非通電状態にすることにより、磁着した磁石粉末25を解放して筒体21の下方に落下させることができるので、排ガスから分離した磁石粉末25の回収及び磁着面の清掃を容易に行うことができる。排ガスから分離した磁石粉末25は、回収経路15aから回収される。
アルゴン精製手段17は、精製後のアルゴンガスを粉砕処理室11内に導入可能なアルゴン純度、例えば露点−50℃、酸素濃度10ppm以下に精製できるものであれば、排ガス中に含まれる酸素や窒素などの不純物の状態に応じて周知の精製手段を適宜選択することができる。例えば、深冷分離式の精製手段を用いることにより、微量の酸素や窒素を確実に分離することができ、アルゴン純度を市販の液化アルゴン程度にまで高めることができる。また、アルゴン精製時に発生した不純物成分ガスは、排気経路17aから排出される。
ガス分析手段19は、アルゴン精製手段17で精製され、第3バッファタンク18から圧力調節された状態で配管19aを流れるアルゴンガスの一部を、分析管19bに採取して分析するもので、アルゴンガス中に含まれる酸素、窒素などの不純物量を分析することによってアルゴン純度を求めることができれば、任意の分析手段を用いることができる。
そして、ガス分析手段19で分析したアルゴン純度があらかじめ設定された純度以上のときに、アルゴン精製手段17で精製され、第3バッファタンク18に貯留されているアルゴンガスをアルゴンガス循環手段20を介して前記粉砕処理室11内に循環導入する。また、アルゴンガスの純度が設定純度未満の場合は、粉砕処理室11から排出される排ガスに合流させてもよく、外部に排出してもよい。さらに、アルゴンガス循環手段20から粉砕処理室11へのアルゴガス導入量の不足分をアルゴンガス導入手段13から導入するように設定することにより、新たなアルゴンガスの導入量を低減することができる。
このようにして粉砕処理室11で使用するアルゴンガスを再利用することにより、希土類磁石を製造する際の磁石原料粉砕工程におけるアルゴンガスに要するコストを大幅に低減することができる。
なお、前記第1乃至第3バッファタンクは、磁石原料粉砕工程の状態やアルゴン精製手段の状態などの各種条件に応じて適宜設置すればよく、容積も任意である。また、磁石粉末を分離するだけでアルゴンガスを再利用可能な場合には、アルゴン精製手段を省略することもできる。さらに、排ガスやアルゴンガスが流れる経路には、必要に応じて適宜な弁や圧力計、流量計などを設けることができる。
11…粉砕処理室、12…磁石原料粉砕手段、13…アルゴンガス導入手段、14…第1バッファタンク、15…磁石粉末分離手段、15a…回収経路、16…第2バッファタンク、17…アルゴン精製手段、17a…排気経路、18…第3バッファタンク、19…ガス分析手段、20…アルゴンガス循環手段、21…筒体、22…ガス導出管、23…排ガス導入管、24…磁石、25…磁石粉末

Claims (6)

  1. 密閉状態の粉砕処理室内で希土類の磁石原料を粉砕して磁石粉末を生成する磁石原料粉砕手段と、前記粉砕処理室内に新規のアルゴンガスを導入するアルゴンガス導入手段と、前記粉砕処理室から排出される排ガス中の磁石粉末を磁石で捕捉して排ガス中から磁石粉末を分離する磁石粉末分離手段と、該磁石粉末分離手段で磁石粉末を分離した後の排ガスの成分を分析するガス分析手段と、該ガス分析手段で分析したアルゴン成分の濃度があらかじめ設定されたアルゴン濃度以上のときに、前記排ガスを前記粉砕処理室内に導入するアルゴンガス循環手段とを備えていることを特徴とする磁石粉砕装置。
  2. 前記磁石粉末分離手段は、通電時に前記磁石粉末を磁着して排ガス中から分離する電磁石を備えていることを特徴とする請求項1記載の磁石粉砕装置。
  3. 前記磁石粉末分離手段と前記ガス分析手段との間に、排ガス中のアルゴンガスを精製してアルゴン純度を高めるためのアルゴン精製手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の磁石粉砕装置。
  4. 前記粉砕処理室と前記磁石粉末分離手段との間に、粉砕処理室から排出される排ガスを貯留するバッファタンクを備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の磁石粉砕装置。
  5. 前記磁石粉末分離手段と前記アルゴン精製手段との間に、磁石粉末を分離した後の排ガスを貯留するバッファタンクを備えていることを特徴とする請求項3記載の磁石粉砕装置。
  6. 前記アルゴン精製手段と前記アルゴンガス循環手段との間に、精製したアルゴンガスを貯留するバッファタンクを備えていることを特徴とする請求項3又は5記載の磁石粉砕装置。
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