JP2015135930A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理物について低温領域から高温領域までの温度が高い精度で測定され、被処理物の熱処理が所期の温度で確実に実行される熱処理装置を提供する。
【解決手段】ハロゲンランプと、第1の放射温度計および第2の放射温度計と、ハロゲンランプの入力電圧を制御する制御部とを備え、第1の放射温度計は長波長赤外線を検出して温度を測定し、第2の放射温度計は短波長赤外線を検出して温度を測定し、制御部において、被処理物の温度が切替温度未満のときに第1の放射温度計が選択され、被処理物の温度が切替温度以上のときに第2の放射温度計が選択され、選択された放射温度計による測定温度に基づいてハロゲンランプの入力電圧がフィードバック制御され、切替温度は、第2の放射温度計による測定温度に基づいてハロゲンランプの入力電圧に対応して求められたバックグラウンドの分光放射輝度のn倍(1<n≦20)の値から算出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウエハや車両用鋼板などの被処理物をハロゲンランプによって熱処理する熱処理装置に関する。
ウエハや車両用鋼板などの被処理物を熱処理するための熱処理装置としては、加熱手段としてハロゲンランプを具えてなるものが知られている。例えば特許文献1には、ウエハにハロゲンランプからの光を照射することによって、ウエハを加熱する熱処理装置が開示されている。また、特許文献2には、車両用鋼板を赤外線ランプによって加熱する熱処理装置が開示されている。
このような熱処理装置においては、被処理物の熱処理中に、当該被処理物が所期の温度に加熱されていることが肝要である。このため、被処理物の温度を放射温度計によって測定し、得られた測定値に基づいてハロゲンランプの入力電圧をフィードバック制御することが行われている。ここで、ウエハや車両用鋼板などの熱処理においては、被処理物は高い温度に加熱される。例えばウエハの熱処理における加熱温度は500〜1200℃であり、車両用鋼板の熱処理における加熱温度は900℃程度である。
放射温度計としては、長波長赤外線例えば波長8〜14μmの赤外線を検出するものと、短波長赤外線例えば波長2.3μmの赤外線を検出するものとが知られている。
しかしながら、長波長赤外線を検出する放射温度計においては、高温領域における測定精度が低い。このため、ウエハや車両用鋼板などの熱処理において、長波長赤外線を検出する放射温度計を用いることは、実質上困難である。
一方、短波長赤外線を検出する放射温度計においては、高温領域における温度を高い精度で測定することが可能である。然るに、被処理物の熱処理中において、被処理物を加熱するためのハロゲンランプから短波長赤外線の迷光が放射温度計に入射されることにより、当該放射温度計によって測定される温度には誤差が生じる。この測定誤差は、被処理物の温度が低い程影響が大きくなる。
このような理由から、従来の熱処理装置では、被処理物について低温領域から高温領域までの温度を高い精度で測定することができず、従って、被処理物の熱処理を所期の温度で確実に実行することが困難である。
特開2002−110585号公報 特開2010−044875号公報
そこで、本発明の目的は、被処理物について低温領域から高温領域までの温度を高い精度で測定することができ、被処理物の熱処理を所期の温度で確実に実行することができる熱処理装置を提供することにある。
本発明の熱処理装置は、被処理物を加熱するハロゲンランプと、前記被処理物の温度を測定する第1の放射温度計および第2の放射温度計と、前記ハロゲンランプの入力電圧を制御する制御部とを備えてなり、
前記第1の放射温度計は、長波長赤外線を検出して温度を測定する放射温度計であり、 前記第2の放射温度計は、短波長赤外線を検出して温度を測定する放射温度計であり、 前記制御部において、前記被処理物の温度が切替温度未満のときに前記第1の放射温度計が選択されると共に、前記被処理物の温度が切替温度以上のときに前記第2の放射温度計が選択され、選択された前記第1の放射温度計または前記第2の放射温度計によって測定された温度に基づいて、前記被処理物が所定温度となるように前記ハロゲンランプの入力電圧がフィードバック制御され、
前記切替温度は、前記ハロゲンランプの点灯時において、前記第2の放射温度計による測定温度に基づいて前記ハロゲンランプの入力電圧に対応して求められたバックグラウンドの分光放射輝度のn倍(但し、1<n≦20)の値から算出されることを特徴とする。
本発明の熱処理装置においては、前記制御部において、前記ハロゲンランプの入力電圧と、当該入力電圧に対応する前記バックグラウンドの分光放射輝度との特定の関係式が求められ、前記被処理物を熱処理するときに、前記ハロゲンランプの入力電圧と、前記特定の関係式とから、当該入力電圧に対応する前記バックグラウンドの分光放射輝度が演算されることが好ましい。
本発明の熱処理装置においては、被処理物の温度が低温領域にあるときには、長波長赤外線を検出する第1の放射温度計の測定温度に基づいて、ハロゲンランプの入力電圧がフィードバック制御される。また、被処理物の温度が高温領域にあるときには、短波長赤外線を検出する第2の放射温度計の測定温度に基づいて、ハロゲンランプの入力電圧がフィードバック制御される。そして、第1の放射温度計と第2の放射温度計との切り替えが、ハロゲンランプの入力電圧に対応して求められたバックグラウンドの分光放射輝度のn倍(但し、1<n≦20)の値から算出される切替温度において行われる。そのため、第1の放射温度計による温度測定が、測定精度の高い温度領域において実行されると共に、第2の放射温度計による温度測定が、ハロゲンランプからの迷光等による誤差の影響が小さい温度領域において実行される。
従って、本発明の熱処理装置によれば、被処理物について低温領域から高温領域までの温度を高い精度で測定することができ、被処理物の熱処理を所期の温度で確実に実行することができる。
本発明の熱処理装置の一例における構成の概略を説明図である。 図1に示す熱処理装置における熱処理部の構成を示す説明図である。 バックグラウンドの分光放射輝度の取得工程を示すフロー図である。 ハロゲンランプからの迷光が第2の放射温度計に入射される状態を示す説明図である。 ハロゲンランプの入力電圧とバックグラウンドの分光放射輝度との特定の関係式(近似式)を示すグラフである。 被処理物の熱処理工程を示すフロー図である。 被処理物の実際の温度が上昇過程にあるときに、第1の放射温度計および第2の放射温度計による測定温度、並びにハロゲンランプの入力電圧の制御に利用される温度の変化を模式的に示すグラフである。 被処理物の温度が下降−上昇過程にあるときに、第1の放射温度計および第2の放射温度計の測定温度、並びにハロゲンランプの入力電圧の制御に利用される温度の変化を模式的に示すグラフである。 被処理物の温度が切替温度付近において変動しているときに、第1の放射温度計および第2の放射温度計の測定温度、並びにハロゲンランプの入力電圧の制御に利用される温度の変化を模式的に示すグラフである。
以下、本発明の熱処理装置の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の熱処理装置の一例における構成の概略を説明図である。図2は、図1に示す熱処理装置における熱処理部の構成のを示す説明図である。
図1に示す熱処理装置は、ウエハや車両用鋼板などの板状の被処理物Wを熱処理するためのものである。この熱処理装置は、複数のハロゲンランプ20を具えた熱処理部10と、熱処理部10におけるハロゲンランプ20に電力を供給する給電部30と、熱処理部10のハロゲンランプ20の入力電圧を制御する制御部40とによって構成されている。
熱処理部10においては、被処理物Wが配置される処理室Sを形成する処理室形成材11が設けられている。処理室S内には、被処理物Wを水平に支持する支持部材12が設けられている。
処理室S内に配置された被処理物Wの下方位置には、第1の放射温度計15および第2の放射温度計16が配置されている。第1の放射温度計15は、被処理物Wから放射される長波長赤外線、例えば波長8〜14μmから選択される特定の波長の赤外線の輝度を測定することによって当該被処理物Wの温度を測定するものである。また、第2の放射温度計16は、被処理物Wから放射される短波長赤外線、例えば波長2.3μmの赤外線の輝度を測定することによって当該被処理物Wの温度を測定するものである。
処理室Sの上方位置には、複数のハロゲンランプ20を有する光源ユニット25が配置されている。この光源ユニット25においては、複数のハロゲンランプ20が水平方向に沿って並ぶよう配置されている。
ハロゲンランプ20の仕様の一例を示すと、ランプ定格電圧が360V、ランプ電力が7020W、発光長が540mm、全長が約700mm、バルブ径が13mmである。また、ハロゲンランプ20の総数は60本(上下各30本)である。
制御部40は、ハロゲンランプ20の点灯時において、ハロゲンランプ20の入力電圧に対応するバックグラウンドの分光放射輝度や、ハロゲンランプ20の入力電圧とバックグラウンドの分光放射輝度との特定の関係式などを演算する演算部41と、演算部41によって演算されたバックグラウンドの分光放射輝度や特定の関係式などを記憶する記憶部42とを有する。
本発明の熱処理装置においては、先ず、制御部40において、ハロゲンランプ20の入力電圧に対応して、第2の放射温度計16によるバックグラウンドの分光放射輝度が取得され、当該分光放射輝度が記憶部42に記憶される。
以下、バックグラウンドの分光放射輝度の取得工程について、図3を参照しながら説明する。
〈step1−1:被処理物の配置〉
被処理物Wが処理室S内の所定の位置に配置される。
〈step1−2:非点灯時の温度測定〉
ハロゲンランプ20が点灯していない状態で、第1の放射温度計15によって被処理物Wの見掛け上の温度が測定される。ここで、例えば波長2.3μmの赤外線の放射強度を測定することによって温度を測定する放射温度計においては、測定可能な温度の下限が例えば200℃程度であるため、被処理物Wが加熱されていないときでも、200℃程度の温度を示す。
〈step1−3:ハロゲンランプの点灯〉
制御部40からの制御信号により、給電部30によって所定電圧値の入力電圧でハロゲンランプ20が点灯される。ここで、制御部40には、予め複数の所定電圧値が設定されており、例えば最も低い所定電圧値が選択される。
〈step1−4:点灯時の温度測定〉
ハロゲンランプ20を点灯してから所定の時間が経過するまでに、第2の放射温度計16によって被処理物Wの見掛け上の温度が測定される。
ここで、第2の放射温度計16においては、被処理物Wからの放射光と共に、図4に示すように、ハロゲンランプ20からの迷光Lが入射される。しかしながら、被処理物Wからの放射光の放射輝度は、第2の放射温度計16によって検出されない程度に小さいため、測定された被処理物Wの見掛け上の温度は、ハロゲンランプ20からの迷光Lによるものとみなすことができる。
また、所定の時間は、ハロゲンランプ20を点灯してから被処理物Wの温度が第2の放射温度計16によって測定可能な温度に達するまでの時間を考慮して適宜設定される。
〈step1−5:バックグラウンドの分光放射輝度の演算〉
制御部40の演算部41において、step1−4で測定された被処理物Wの見掛け上の温度から、ハロゲンランプ20の入力電圧に対応する、第2の放射温度計16によるバックグラウンドの分光放射輝度が演算される。具体的には、バックグラウンドの分光放射輝度は、下記式(1)により算出される。
Figure 2015135930
上記式(1)において、Ltは分光放射輝度(W・Sr-1・m-3)、Tは被処理物Wの温度(℃)、λは検出される赤外線の波長(m)、C1は放射一次定数[=5.9548×10-17 ](W・m2 )、C2は放射二次定数[=1.4388×10-2](m・K)である。
〈step1−6:バックグラウンドの分光放射輝度の記憶〉
制御部40の記憶部42に、step1−5で算出されたバックグラウンドの分光放射輝度が記憶される。
〈step1−7〉
全ての所定電圧値について、バックグラウンドの分光放射輝度の演算が終了したか否かが確認される。終了していない場合には、ハロゲンランプ20の入力電圧を他の所定電圧値を変更し、step1−2からstep1−6までを繰り返す。
このようにして、全ての所定電圧値について、当該所定電圧値の入力電圧でハロゲンランプ20を点灯したときのバックグラウンドの分光放射輝度が記憶部42に記憶される。〈step1−8:特定の関係式の取得〉
制御部40の演算部41において、所定電圧値の各々と、当該所定電圧値の入力電圧でハロゲンランプ20を点灯したときのバックグラウンドの分光放射輝度とから、入力電圧と当該入力電圧に対応するバックグラウンドの分光放射輝度との特定の関係式(近似式)が求められる。
〈step1−9:特定の関係式の記憶〉
step1−8で求められた特定の関係式が制御部40の記憶部42に記憶される。
下記表1は、所定電圧値の入力電圧でハロゲンランプ20を点灯したときのバックグラウンドの分光放射輝度の演算結果の一例である。下記表1においては、上記step1−3で例えば200Vの入力電圧でハロゲンランプ20を点灯させたときに、上記step1−4で測定された温度が423℃であり、step1−5で算出されたバックグラウンドの分光放射輝度が2.316×108 W・Sr-1・m-3であることが示されている。
Figure 2015135930
図5は、表1に示す演算結果から求められた、ハロゲンランプの入力電圧とバックグラウンドの分光放射輝度との特定の関係式(近似式)を示すグラフである。図5において、横軸はハロゲンランプ20の入力電圧を示す。また、縦軸は、第1の放射温度計15による測定温度と上記式(1)とから算出された分光放射輝度を示す。この図に示すように、表1の例では、バックグラウンドの分光放射輝度は、入力電圧にほぼ比例して上昇する。このことから、バックグラウンドの分光放射輝度をLt(W・Sr-1・m-3)、ハロゲンランプ20の入力電圧をE(V)としたとき、入力電圧とバックグラウンドの分光放射輝度との特定の関係式は、下記式(2)となる。
式(2) Lt=0.014×108 E−0.5221×108
本発明の熱処理装置においては、被処理物Wを熱処理する際に、制御部40において、被処理物Wの温度が切替温度未満のときに第1の放射温度計15が選択され、被処理物Wの温度が切替温度以上のときに第2の放射温度計16が選択される。そして、選択された第1の放射温度計15または第2の放射温度計16によって測定された温度に基づいて、被処理物Wが所定温度となるようにハロゲンランプ20の入力電圧がフィードバック制御される。
以下、本発明の熱処理装置における被処理物Wの熱処理工程を図6を参照しながら説明する。
〈step2−1:被処理物の配置〉
被処理物Wが処理室S内の所定の位置に配置される。
〈step2−2:加熱レシピの設定〉
制御部40に、昇温速度、所定温度の保持時間などの被処理物Wの熱処理パターン(加熱レシピ)が設定される。
〈step2−3:ハロゲンランプの点灯〉
制御部40からの制御信号により、設定された加熱レシピに基づいてハロゲンランプ20が点灯される。例えば、被処理物Wが車両用鋼板である場合には、昇温速度が定められており、その昇温速度となるようにハロゲンランプ20の入力電圧が設定される。
〈step2−4:被処理物の温度測定〉
制御部40からの制御信号により、第1の放射温度計15および第2の放射温度計16によって被処理物Wの温度が測定される。
〈step2−5:バックグラウンドの分光放射輝度の演算〉
制御部40の記憶部42から特定の関係式が読み出され、演算部41において、特定の関係式とハロゲンランプ20の入力電圧とから、当該入力電圧に対応するバックグラウンドの分光放射輝度が演算される。
〈step2−6:切替温度の演算〉
制御部40の演算部41において、上記step2−5で算出されたバックグラウンドの分光放射輝度に基づいて切替温度が演算される。具体的には、先ず、step2−5で演算されたバッククラウンドの分光放射輝度のn倍の分光放射輝度が算出される。次いで、算出されたn倍の分光放射輝度と上記式(1)とから、切替温度が得られる。
ここで、上記nの値は、1<n≦20の範囲,好ましくは10≦n≦20の範囲から予め選択される。
nの値が過小である場合には、算出される切替温度が低すぎるため、第1の放射温度計15から第2の放射温度計16に切り替えられたときに、当該第2の放射温度計16による温度測定が、ハロゲンランプ20からの迷光等による誤差の影響が大きい低温領域において実行される。具体的には、第2の放射温度計16による測定温度は、実際の被処理物Wの温度より相当大きい値を示す。このため、第1の放射温度計15から第2の放射温度計16の切替時における測定温度の変化が大きく、ハロゲンランプ20の入力電圧を制御しにくくなる。その結果,被処理物Wの温度を高い精度で測定することが困難となる。一方、nの値が過大である場合には、算出される切替温度が高すぎるため、第1の放射温度計15から第2の放射温度計16に切り替えられる直前に、当該第1の放射温度計15による温度測定が、測定精度の低い高温領域において実行される。特に、被処理物Wの放射率変化が著しいときには、測定精度が相当に低くなる。その結果,被処理物Wの温度を高い精度で測定することが困難となる。
このstep2−6について、特定の関係式が上記式(2)である場合を例に挙げて具体的に示すと、以下の通りである。
上記step2−3におけるハロゲンランプ20の入力電圧が200Vである場合には、上記step2−5で算出されるバックグラウンドの分光放射輝度は、0.014×108 ×200−0.5221×108 =2.278×108 W・Sr-1・m-3である。
そして、nの値を3に設定したときには、上記n倍の分光放射輝度は、3×2.278×108 =6.834×108 W・Sr-1・m-3となる。そして、n倍の分光放射輝度(6.834×108 W・Sr-1・m-3)と、上記式(1)とから、切替温度は519.3℃となる。この切替温度(519.3℃)における第2の放射温度計16の測定精度は約8.2%である。
また、nの値を5に設定したときには、上記n倍の分光放射輝度は、5×2.278×108 =1.139×109 W・Sr-1・m-3となる。そして、n倍の分光放射輝度(1.139×109 W・Sr-1・m-3)と、上記式(1)とから、切替温度は572.9℃となる。この切替温度(572.9℃)における第2の放射温度計16の測定精度は約4.6%である。
また、nの値を10に設定したときには、上記n倍の分光放射輝度は、10×2.278×108 =2.278×109 W・Sr-1・m-3となる。そして、n倍の分光放射輝度(2.278×109 W・Sr-1・m-3)と、上記式(1)とから、切替温度は660.4℃となる。この切替温度(660.4℃)における第2の放射温度計16の測定精度は約2.3%である。
また、nの値を15に設定したときには、上記n倍の分光放射輝度は、15×2.278×108 =3.412×109 W・Sr-1・m-3となる。そして、n倍の分光放射輝度(2.278×109 W・Sr-1・m-3)と、上記式(1)とから、切替温度は720.4℃となる。この切替温度(720.4℃)における第2の放射温度計16の測定精度は約1.6%である。
また、nの値を18に設定したときには、上記n倍の分光放射輝度は、18×2.278×108 =4.100×109 W・Sr-1・m-3となる。そして、n倍の分光放射輝度(2.278×109 W・Sr-1・m-3)と、上記式(1)とから、切替温度は750.0℃となる。この切替温度(750.0℃)における第2の放射温度計16の測定精度は約1%である。
そして、第1の放射温度計15の測定精度と第2の放射温度計16の測定精度とを考慮して、nの値が選択される。
〈step2−7:放射温度計の選択〉
制御部40において、被処理物Wの温度とstep2−6で演算された切替温度とを対比し、第1の放射温度計15および第2の放射温度計16のいずれかを選択する。具体的には、被処理物Wの温度が切替温度未満のときには第1の放射温度計を選択し、被処理物Wの温度が切替温度以上のときには第2の放射温度計16を選択する。
ここで、被処理物Wの温度としては、第2の放射温度計16による測定温度が当該第2の放射温度計16の測定可能範囲の下限値(例えば200℃)を示している場合には、第1の放射温度計15による測定温度が採用され、第2の放射温度計16による測定温度が当該第2の放射温度計16の測定可能範囲の下限値を超えている場合には、第2の放射温度計16による測定温度が採用される。
図7は、被処理物Wの実際の温度が上昇過程にあるときに、第1の放射温度計15および第2の放射温度計16による測定温度、並びにハロゲンランプ20の入力電圧の制御に利用される温度の変化を模式的に示すグラフである。また、図8は、被処理物Wの温度が下降−上昇過程にあるときに、第1の放射温度計15および第2の放射温度計16の測定温度、並びにハロゲンランプ20の入力電圧の制御に利用される温度の変化を模式的に示すグラフである。また、図9は、被処理物Wの温度が切替温度付近において変動しているときに、第1の放射温度計15および第2の放射温度計16の測定温度、並びにハロゲンランプ20の入力電圧の制御に利用される温度の変化を模式的に示すグラフである。図7〜図9において、T0は熱電対によって測定された被処理物Wの温度、T1は第1の放射温度計15による測定温度、T2は第2の放射温度計16による測定温度、T3はハロゲンランプ20の入力電圧の制御に利用される温度である。また、αは切替温度である。
図7〜図9に示すように、第1の放射温度計15による測定温度T1と第2の放射温度16による測定温度T2とが切替温度αにおいて切り替わることによって、ハロゲンランプ20の入力電圧の制御に利用される温度T3は、被処理物Wの実際の温度すなわち熱電対によって測定された被処理物Wの温度T3に近い温度であることが理解される。
〈step2−8:入力電圧の制御〉
制御部40によって、step2−7で選択された第1の放射温度計15または第2の放射温度計16による測定温度に基づいて被処理物Wが所定温度となるようにハロゲンランプ20の入力電圧がフィードバック制御される。具体的には、測定温度と加熱レシピにおける所定温度とを対比し、当該測定温度と当該所定温度との差が小さくなるように、ハロゲンランプ20の入力電圧がフィードバック制御される。
〈step2−9〉
加熱レシピによる熱処理が終了したか否かを確認する。終了していない場合には、step2−4からstep2−8までを繰り返す。
以上のようにして、ハロゲンランプ20の入力電圧が、制御部40によってフィードバック制御されることにより、ハロゲンランプ20による被処理物Wの熱処理が実行される。
上記の熱処理装置においては、被処理物Wの温度が低温領域にあるときには、長波長赤外線を検出する第1の放射温度計15の測定温度に基づいて、ハロゲンランプ20の入力電圧がフィードバック制御される。また、被処理物Wの温度が高温領域にあるときには、短波長赤外線を検出する第2の放射温度計16の測定温度に基づいて、ハロゲンランプ20の入力電圧がフィードバック制御される。そして、第1の放射温度計15と第2の放射温度計16との切り替えが、ハロゲンランプ20の入力電圧に対応して求められたバックグラウンドの分光放射輝度のn倍(但し、1<n≦20)の値から算出される切替温度において行われる。そのため、第1の放射温度計15による温度測定が、測定精度の高い温度領域において実行されると共に、第2の放射温度計16による温度測定が、ハロゲンランプ20からの迷光等による誤差の影響が小さい温度領域において実行される。
従って、本発明の熱処理装置によれば、被処理物Wについて低温領域から高温領域までの温度を高い精度で測定することができ、被処理物Wの熱処理を所期の温度で確実に実行することができる。
本発明においては、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えばバックグラウンドの分光放射輝度や、入力電圧とバックグラウンドの分光放射輝度との特定の関係式は、予め制御部40の記憶部42に記憶されていてもよい。但し、熱処理装置が配置される場所の環境や、被熱処理物Wの種類および形状などによって、バックグラウンドの分光放射輝度が変化する可能性がある。このため、被処理物Wを処理する直前に、その被処理物Wを配置した状態で、バッググランドの分光放射輝度や特定の関係式を取得する工程を行うことが好ましい。
また、本発明において特定の関係式を取得することは必須ではない。例えばハロゲンランプ20の入力電圧0.5〜2V毎の多数のバックグラウンドの分光放射輝度を制御部40の記憶部42に記憶し、被処理物Wを熱処理するときに、バックグラウンドの分光放射輝度を記憶部42に記憶されたものの中から選択してもよい。但し、このような手段においては、バックグラウンドの分光放射輝度の取得工程に相当に長い時間を要するため、特定の関係式を取得し、この特定の関係式からバックグラウンドの分光放射輝度を求めることが好ましい。
10 熱処理部
11 処理室形成材
12 支持部材
15 第1の放射温度計
16 第2の放射温度計
20 ハロゲンランプ
25 光源ユニット
30 給電部
40 制御部
41 演算部
42 記憶部
W 被処理物
S 処理室
L 迷光

Claims (2)

  1. 被処理物を加熱するハロゲンランプと、前記被処理物の温度を測定する第1の放射温度計および第2の放射温度計と、前記ハロゲンランプの入力電圧を制御する制御部とを備えてなり、
    前記第1の放射温度計は、長波長赤外線を検出して温度を測定する放射温度計であり、 前記第2の放射温度計は、短波長赤外線を検出して温度を測定する放射温度計であり、 前記制御部において、前記被処理物の温度が切替温度未満のときに前記第1の放射温度計が選択されると共に、前記被処理物の温度が切替温度以上のときに前記第2の放射温度計が選択され、選択された前記第1の放射温度計または前記第2の放射温度計によって測定された温度に基づいて、前記被処理物が所定温度となるように前記ハロゲンランプの入力電圧がフィードバック制御され、
    前記切替温度は、前記ハロゲンランプの点灯時において、前記第2の放射温度計による測定温度に基づいて前記ハロゲンランプの入力電圧に対応して求められたバックグラウンドの分光放射輝度のn倍(但し、1<n≦20)の値から算出されることを特徴とする熱処理装置。
  2. 前記制御部において、前記ハロゲンランプの入力電圧と、当該入力電圧に対応する前記バックグラウンドの分光放射輝度との特定の関係式が求められ、前記被処理物を熱処理するときに、前記ハロゲンランプの入力電圧と、前記特定の関係式とから、当該入力電圧に対応する前記バックグラウンドの分光放射輝度が演算されることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
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