JP2015135243A - 回転検出装置 - Google Patents

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直樹 野畑
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Abstract

【課題】小型化することができる回転検出装置を提供する。【解決手段】回転検出装置1は、回転軸100の回りを回転する回転部材10と、回転部材10に対向して配置された基体2に設けられ、供給された交流信号に基づいた交番磁場110を生成する励磁コイル11と、励磁コイル11に囲まれた領域(配置領域111)内であると共に回転軸100と基体2との交点115を中心とした同心円の周の一部に沿って配置され、励磁コイル11の交番磁場110に基づく第1の検出信号を出力する複数の検出コイルと、検出コイルに対向すると共に回転軸100に対して予め定められた角度をなすように回転部材10に設けられ、回転部材10の回転によって対向する検出コイルに作用する交番磁場110を変化させる第1の金属部材15〜第3の金属部材17と、を備えて概略構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、回転検出装置に関する。
従来の技術として、励振磁界を形成するための励振巻線と、励振磁界の存在下において、その中に電圧が誘起される少なくとも一つの二次巻線と、励振磁界の存在下において、その内部に渦電流を発生して、励振磁界と逆の対向磁界を形成する少なくとも一つのスクリーンと、を備えたセンサが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このセンサは、励振巻線が円板上の二個の環状巻線として構成され、二次巻線が二個の励振巻線の間に半径方向に広がる平面の形で構成され、さらにスクリーンがロータの扇形部分として構成される。このスクリーン及び二次巻線は、励振磁界内で相対的に回転移動できるように構成されている。従ってセンサは、ロータの回転移動に基づいて、二次巻線がスクリーンによって遮蔽され、その結果、二次巻線内に誘起される電圧を変えることができる。
特開昭61−159101号公報
しかし、従来のセンサは、例えば、ロータの1回転分の回転移動を検出するためには、励振巻線及び二次巻線が、1回転分、すなわち360°分必要であり、小型化が困難であった。
従って、本発明の目的は、小型化することができる回転検出装置を提供することにある。
本発明の一態様は、回転軸の回りを回転する回転部材と、回転部材に対向して配置された基体に設けられ、供給された交流信号に基づいた交番磁場を生成する励磁コイルと、励磁コイルに囲まれた領域内であると共に回転軸と基体との交点を中心とした同心円の周の一部に沿って配置され、励磁コイルの交番磁場に基づく第1の検出信号を出力する複数の検出コイルと、検出コイルに対向すると共に回転軸に対して予め定められた角度をなすように回転部材に設けられ、回転部材の回転によって対向する検出コイルに作用する交番磁場を変化させる複数の交番磁場変化部と、を備えた回転検出装置を提供する。
本発明によれば、小型化することができる。
図1(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置が搭載された車両内部の概略図であり、図1(b)は、回転検出装置が配置された周辺の拡大図である。 図2(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置の斜視図であり、図2(b)は、金属部材の配置を説明するための回転部材の下面図である。 図3(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置の励磁コイル及び検出コイルの配置を説明するための概略図であり、図3(b)は、励磁コイルに供給される交流信号のグラフである。 図4(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置のブロック図であり、図4(b)は、回転検出装置と車両LAN(Local Area Network)との接続を説明するための概略図である。 図5(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置の検出コイルと第1の金属部材との相対移動を説明するための上面図であり、図5(b)は、検出コイルと第2の金属部材との相対移動を説明するための上面図であり、図5(c)は、検出コイルと第3の金属部材との相対移動を説明するための上面図であり、図5(d)は、検出コイルと第1の金属部材及び第2の金属部材の位置関係を説明するための上面図である。 図6(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置の第1の金属部材の移動に共なって出力される検出信号のグラフであり、図6(b)は、第2の金属部材の移動に共なって出力される検出信号のグラフであり、図6(c)は、第3の金属部材の移動に共なって出力される検出信号のグラフである。 図7(a)は、第2の実施の形態に係る回転検出装置の励磁コイルと検出コイルの配置を説明するための上面図であり、図7(b)は、第3の実施の形態に係る回転検出装置の励磁コイルと検出コイル対の配置を説明するための上面図であり、図7(c)は、第1の金属部材及び第2の金属部材の配置を説明するための回転部材の下面図である。 図8(a)は、第4の実施の形態に係る回転検出装置の励磁コイルと検出コイル対の配置を示す上面図であり、図8(b)は、金属部材の配置を説明するための回転部材の下面図である。
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る回転検出装置は、回転軸の回りを回転する回転部材と、回転部材に対向して配置された基体に設けられ、供給された交流信号に基づいた交番磁場を生成する励磁コイルと、励磁コイルに囲まれた領域内であると共に回転軸と基体との交点を中心とした同心円の周の一部に沿って配置され、励磁コイルの交番磁場に基づく第1の検出信号を出力する複数の検出コイルと、検出コイルに対向すると共に回転軸に対して予め定められた角度をなすように回転部材に設けられ、回転部材の回転によって対向する検出コイルに作用する交番磁場を変化させる複数の交番磁場変化部と、を備えて概略構成されている。
この回転検出装置は、複数の検出コイルが、同心円の周の一部に沿って配置されると共に、その複数の検出コイルを囲むように励磁コイルが配置されるので、検出コイルが円周の全体に沿って配置される場合と比べて、励磁コイル及び複数の検出コイルが占有する面積が小さくなり、小型化することができる。
[第1の実施の形態]
(回転検出装置1の全体構成)
図1(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置が搭載された車両内部の概略図であり、図1(b)は、回転検出装置が配置された周辺の拡大図である。図2(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置の斜視図であり、図2(b)は、金属部材の配置を説明するための回転部材の下面図である。図3(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置の励磁コイル及び検出コイルの配置を説明するための概略図であり、図3(b)は、励磁コイルに供給される交流信号のグラフである。図4(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置のブロック図であり、図4(b)は、回転検出装置と車両LAN(Local Area Network)との接続を説明するための概略図である。なお、以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また図4(a)及び図4(b)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
回転検出装置1は、一例として、車両5に搭載された空調装置及びカーナビゲーション装置等の電子機器の操作を行うことが可能となるように構成されている。本実施の形態における回転検出装置1は、例えば、被制御装置として空調装置が選ばれている場合について説明する。
この回転検出装置1は、例えば、図1(a)及び図1(b)の紙面において、車両5の運転席と助手席の間の前方に位置するセンターコンソール50に配置された表示装置6の下側に配置されている。
この表示装置6の表示画面60には、図1(b)に示すように、空調装置の動作状況が確認できる表示画像61が表示されている。操作者は、回転検出装置1のノブ102を手9で摘まみ、図1(b)の紙面の反時計回り(矢印A方向)及び時計回り(矢印B方向)に手9を回転させることにより、選択されている機能の設定値等を変更することが可能となる。
回転検出装置1は、図2(a)及び図2(b)に示すように、回転軸100の回りを回転する回転部材10と、回転部材10に対向して配置された基体2に設けられ、供給された交流信号に基づいた交番磁場110を生成する励磁コイル11と、励磁コイル11に囲まれた領域(配置領域111)内であると共に回転軸100と基体2との交点115を中心とした同心円の周の一部に沿って配置され、励磁コイル11の交番磁場110に基づく第1の検出信号を出力する複数の検出コイルと、検出コイルに対向すると共に回転軸100に対して予め定められた角度をなすように回転部材10に設けられ、回転部材10の回転によって対向する検出コイルに作用する交番磁場110を変化させる複数の交番磁場変化部としての第1の金属部材15〜第3の金属部材17と、を備えて概略構成されている。
上述の複数の検出コイルは、図3(a)に実線で示す第1の検出コイル12a、第3の検出コイル13a及び第5の検出コイル14aである。
また回転検出装置1は、検出コイルと対となる検出コイルが絶縁性を保ちながら積層されて基体2に設けられている。この対となる検出コイルは、図3(a)に点線で示す第2の検出コイル12b、第4の検出コイル13b及び第6の検出コイル14bである。
本実施の形態では、第1の検出コイル12aと第2の検出コイル12bとを第1の検出コイル対12、第3の検出コイル13aと第4の検出コイル13bとを第2の検出コイル対13、及び第5の検出コイル14aと第6の検出コイル14bとを第3の検出コイル対14と記載する。
また回転検出装置1は、第1の検出コイル12a、第3の検出コイル13a及び第5の検出コイル14aから取得した第1の検出信号としての後述する検出信号S、検出信号S、検出信号Sと、第2の検出コイル12b、第4の検出コイル13b及び第6の検出コイル14bから取得した第2の検出信号としての後述する検出信号S、検出信号S、検出信号Sと、に基づいて回転部材10の回転角を判定する判定部としての制御部30を備えている。
(回転部材10の構成)
回転部材10は、例えば、樹脂を用いて形成されている。また回転部材10は、図2(a)及び図2(b)に示すように、円板形状を有する基部101と、円柱形状を有するノブ102と、を備えて構成されている。なお回転部材10は、基部101がなく、ノブ102に第1の金属部材15〜第3の金属部材17が配置される構成であっても良い。
基部101は、センターコンソール50の内側に位置し、表面101aには、ノブ102が設けられ、裏面101bには、第1の金属部材15〜第3の金属部材17が配置されている。
ノブ102は、図1(a)及び図1(b)に示すように、センターコンソール50から突出している。回転部材10は、操作者がノブ102を回転操作することができるように構成されている。
(励磁コイル11の構成)
励磁コイル11は、導電性を有する金属材料を用いて基体2に形成されている。この励磁コイル11は、例えば、印刷によって基体2に設けられている。励磁コイル11は、図3(a)に示すように、交点115を中心とした中心角θの扇形状を有している。
この中心角θは、一例として、120°である。この中心角θは、検出範囲と、検出コイル対の数と、に基づいて定められる。本実施の形態では、一例として、検出範囲は、回転部材10の1回転分の回転操作の範囲、つまり0°〜360°であり、検出コイル対の数は、3つである。従って中心角θは、検出範囲を検出コイル対で除算した120°となる。
なお、検出範囲が0°〜360°の場合、後述する第1の金属部材15〜第3の金属部材17の幅に基づいて励磁コイル11の中心角θを変更しても良い。例えば、第1の金属部材15〜第3の金属部材17の幅が、この金属部材の形状を決定する扇型の中心角θに基づいている場合、120°から中心角を減算した角度を、励磁コイル11の中心角としても良い。一例として、扇型の中心角θが、10°である場合、励磁コイル11の中心角θは、110°となり、さらに小型化が可能となる。
この回転操作の範囲の基準位置(0°)は、例えば、図3(a)の紙面において、励磁コイル11の右側の辺112の上方に、第1の金属部材15の側面151が位置する操作位置としている。そして、回転操作の範囲は、この基準位置から、図1(a)に示す矢印A方向の1回転(360°)を範囲としている。
励磁コイル11に囲まれた領域は、上述の配置領域111であり、この配置領域111に第1の検出コイル対12〜第3の検出コイル対14が配置される。なお励磁コイル11に囲まれた領域とは、例えば、図3(a)の上面視において励磁コイル11に囲まれた領域である共に、交番磁場110が作用する範囲で、励磁コイル11が形成された層の上下の層を含む領域である。
この励磁コイル11には、一例として、図3(b)に示すように、周期的に電流Iが変化する交流信号Sが供給される。励磁コイル11は、この交流信号Sに基づいて、図2(a)に示すように、基体2の表面20の法線方向、及び裏面21の法線方向に、交互に大きさと方向が変化する交番磁場110を生成する。
この励磁コイル11は、基体2に配置された制御IC(Integrated Circuit)3の制御部30と電気的に接続されている。励磁コイル11は、この制御部30から交流信号Sが供給される。
(第1の検出コイル対12〜第3の検出コイル対14の構成)
第1の検出コイル対12〜第3の検出コイル対14は、導電性を有する金属材料を用いて基体2に形成されている。この第1の検出コイル対12〜第3の検出コイル対14は、例えば、印刷によって基体2に設けられている。
第1の検出コイル対12は、図3(a)に一点鎖線で示すように、交点115を中心とする第1の円116に沿って配置されている。第2の検出コイル対13は、図3(a)に一点鎖線で示すように、交点115を中心とする第2の円117に沿って配置されている。第3の検出コイル対14は、図3(a)に一点鎖線で示すように、交点115を中心とする第3の円118に沿って配置されている。
第1の検出コイル対12は、第1の検出コイル12aと、第1の検出コイル12aと異なる層に設けられて絶縁されている第2の検出コイル12bを備えて構成されている。第2の検出コイル対13は、第3の検出コイル13aと、第3の検出コイル13aと異なる層に設けられて絶縁されている第4の検出コイル13bを備えて構成されている。第3の検出コイル対14は、第5の検出コイル14aと、第5の検出コイル14aと異なる層に設けられて絶縁されている第6の検出コイル14bを備えて構成されている。
図3(a)に実線で示す第1の検出コイル12a、第3の検出コイル13a及び第4の検出コイル14aは、例えば、同じ層に設けられる。図3(a)に点線で示す第2の検出コイル12b、第4の検出コイル13b及び第5の検出コイル14aは、同じ層に設けられると共に、第1の検出コイル12a、第3の検出コイル13a及び第4の検出コイル14aが設けられた層よりも下層に設けられている。
第1の検出コイル12a、第2の検出コイル12b、第3の検出コイル13a、第4の検出コイル13b、第5の検出コイル14a及び第6の検出コイル14bは、図3(a)に示す励磁コイル11のように、一方端部と他方端部とが制御部30に電気的に接続されている。また検出コイルは、図3(a)において、端部以外で交差する部分は、互いに接触しないように構成されている。
第1の検出コイル12a及び対となる第2の検出コイル12bは、異なる形状を有すると共に、交点115を通る対称軸に対して線対称な形状を有している。この対称軸は、励磁コイル11を重なるように折り返した際の折り目となる直線である。同様に、他の検出コイル及び対となる検出コイルは、異なる形状を有すると共に、交点115を通る対称軸に対して線対称な形状を有している。
第1の検出コイル12aは、例えば、図3(a)に示すように、環形状を有する第1の環部(環部120a及び環部121a)を2つ連結したような形状を有し、この第1の環部によって囲まれる領域の面積が互いに実質的に等しくなるように構成されている。
つまり第1の検出コイル12aは、例えば、出力される検出信号Sが、1周期分の正弦波となるような形状とされている。また第3の検出コイル13a及び第5の検出コイル14aは、第1の検出コイル12aと同様に、出力される検出信号S及び検出信号Sが、1周期分の正弦波となるような形状とされている。
また対となる第2の検出コイル12bは、例えば、図3(a)に示すように、環形状を有する第2の環部としての環部121bと、環部121bを同心円(第1の円116〜第3の円118)の径方向に切断したような2つの半環部(半環部120b及び半環部122b)と、が、環部121bを中心として連結された形状を有している。また第2の検出コイル12bは、環部121bに囲まれる領域の面積、及び半環部に囲まれる領域の2つ分の面積は、対応する第1の検出コイル12aの環部120a及び環部121aの面積と実質的に等しくなるように構成されている。
つまり第2に検出コイル12bは、例えば、出力される検出信号Sが、対となる第1の検出コイル12aと位相がずれて異なるような形状とされている。また第4の検出コイル13b及び第6の検出コイル14bは、第2の検出コイル12bと同様に、出力される検出信号S及び検出信号Sが、対となる検出コイルと位相がずれて異なるような形状とされている。
同様に、第3の検出コイル13aは、環部130a及び環部131aを連結したような形状を有している。また第5の検出コイル14aは、環部140a及び環部141aを連結したような形状を有している。
さらに、第3の検出コイル13aと対となる第4の検出コイル13bは、環部131bを中心として半環部130b及び半環部132bが連結したような形状を有している。第5の検出コイル14aと対となる第6の検出コイル14bは、環部141bを中心として半環部140b及び半環部142bが連結したような形状を有している。
なお、環部と環部の連結したような部分、及び環部と半環部の連結したような部分は、連結されているのではなく、コイルが絶縁されながら上下に交差している部分である。
第1の検出コイル12aは、例えば、図3(a)の紙面の法線方向に交番磁場110が作用すると、第1の検出コイル12aには、この交番磁場110を打ち消すような磁場を生成する電流が流れる。従って、環部120aと環部121aとが交差していることから、第1の検出コイル12aの環部120aには、時計回りの電流が流れ、環部121aには、反時計回りの電流が流れる。つまり第1の検出コイル12aは、環部120aと環部121aとの面積が実質的に等しいことから、環部120aと環部121aにおいて、電磁誘導に基づいて大きさが等しく向きが逆方向となる電流が生成される。従って第1の検出コイル12aから出力される検出信号Sは、ゼロとなる。また検出信号Sは、交番磁場110の方向が逆向きになっても、第1の検出コイル12aの対称性からゼロとなる。
第2の検出コイル12bは、例えば、図3(a)の紙面の法線方向に交番磁場110が作用すると、第2の検出コイル12bには、この交番磁場110を打ち消すような磁場を生成する電流が流れる。従って、第2の検出コイル12bの半環部120bには、時計回りの電流が流れ、環部121bには、反時計回りの電流が流れ、半環部122bには、時計回りの電流が流れる。つまり第1の検出コイル12aは、半環部120bの面積と半環部122bの面積とを足した面積と、環部121bの面積と、が実質的に等しいことから、出力される検出信号Sは、ゼロとなる。また検出信号Sは、交番磁場110の方向が逆向きになっても、第2の検出コイル12bの対称性からゼロとなる。
従って、第1の検出コイル対12は、図3(a)の紙面の法線方向、及び法線方向とは逆向きの方向の交番磁場110が作用すると、検出信号S及び検出信号Sがゼロとなる。
第2の検出コイル対13及び第3の検出コイル対14は、第1の検出コイル対12と相似な形状を有するので、図3(a)の紙面の法線方向、及び法線方向とは逆向きの方向の交番磁場110が作用すると、検出信号S〜検出信号Sがゼロとなる。
(第1の金属部材15〜第3の金属部材17の構成)
図5(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置の検出コイルと第1の金属部材との相対移動を説明するための上面図であり、図5(b)は、検出コイルと第2の金属部材との相対移動を説明するための上面図であり、図5(c)は、検出コイルと第3の金属部材との相対移動を説明するための上面図であり、図5(d)は、検出コイルと第1の金属部材及び第2の金属部材の位置関係を説明するための上面図である。図6(a)は、第1の実施の形態に係る回転検出装置の第1の金属部材の移動に共なって出力される検出信号のグラフであり、図6(b)は、第2の金属部材の移動に共なって出力される検出信号のグラフであり、図6(c)は、第3の金属部材の移動に共なって出力される検出信号のグラフである。
この図6(a)〜図6(c)は、縦軸が検出信号の電圧V、横軸が回転部材10の回転角θである。また図6(a)は、実線が第1の検出コイル12aの検出信号Sであり、点線が第2の検出コイル12bの検出信号Sである。図6(b)は、実線が第3の検出コイル13aの検出信号Sであり、点線が第4の検出コイル13bの検出信号Sである。図6(c)は、実線が第5の検出コイル14aの検出信号Sであり、点線が第6の検出コイル14bの検出信号Sである。
第1の金属部材15〜第3の金属部材17は、銅等の金属材料を用いて板形状に形成されている。この第1の金属部材15〜第3の金属部材17は、回転部材10の基部101の裏面101bに配置されている。
第1の金属部材15は、図2(b)に示すように、第1の検出コイル対12と対向するように、回転中心105を中心とする外円145の周に沿って配置されている。第2の金属部材16は、第2の検出コイル対13と対向するように、回転中心105を中心とする外円155の周に沿って配置されている。第3の金属部材16は、第2の検出コイル対13と対向するように、回転中心105を中心とする外円155の周に沿って配置されている。
従って回転部材10の回転に伴って金属部材が回転移動し、検出コイル対と対向すると、励磁コイル11の交番磁場110の作用により、交番磁場110を打ち消す方向の磁場を生成する渦電流が金属部材に発生する。この交番磁場110を打ち消す磁場は、金属部材と対向する検出コイル対の面積に比例する。従って検出コイル対から出力される検出信号は、ゼロとならず、金属部材の位置に応じた値となる。
第1の金属部材15〜第3の金属部材17は、図2(b)に示すように、回転部材10の回転の検出範囲を、金属部材の数で等分して得られる予め定められた角度θに基づいて配置されている。
具体的には、第1の金属部材15〜第3の金属部材17は、検出範囲が上述のように、0°〜360°であり、金属部材の数が3つであることから、120°の間隔で配置される。つまり予め定められた角度θは、120°である。
従って、第2の金属部材16は、回転中心105に対する第1の金属部材15との角度が120°となるように配置され、第3の金属部材17は、回転中心105に対する第2の金属部材16との角度が120°となるように配置される。
第1の金属部材15〜第3の金属部材17は、金属部材が配置される回転部材10の配置面(裏面101b)と回転軸と100の交点(回転中心105)を中心とする円(外円)に基づいて形成された予め定められた中心角θを有する扇形と、当該交点を中心とすると共に当該円と異なる半径を有する円(内円)の外の領域と、に囲まれた形状を有している。
言い換えるなら第1の金属部材15〜第3の金属部材17は、例えば、回転中心105を中心とする円において、中心角がθとなる扇形状の一部となる形状を有している。
従って、第1の金属部材15〜第3の金属部材17の面積は、異なっており、第1の金属部材15の面積が最も大きく、第3の金属部材17の面積が最も小さい。第2の金属部材16は、第1の金属部材15及び第3の金属部材17の面積の間の面積を有している。そのため、第1の金属部材15が対向する第1の検出コイル対12の検出信号の振幅が他の検出コイル対の検出信号の振幅よりも大きく、第3の金属部材17が対向する第3の検出コイル対14の検出信号の振幅が他の検出コイル対の検出信号の振幅よりも小さい。第2の検出コイル対13の検出信号の振幅は、第1の検出コイル対12及び第3の検出コイル対14の振幅の間である。
第1の金属部材15は、図2(b)に示すように、回転中心105を中心とする外円145に基づいて形成された中心角θを有する扇形と、外円145と異なる半径を有する内円146の外の領域と、に囲まれた形状を有している。この外円145と内円146との半径の差は、図2(b)に示すように、Rであり、第1の金属部材15の径方向の幅となっている。
また第2の金属部材16は、図2(b)に示すように、回転中心105を中心とする外円155に基づいて形成された中心角θを有する扇形と、外円155と異なる半径を有する内円156の外の領域と、に囲まれた形状を有している。この外円155と内円156との半径の差は、図2(b)に示すように、Rであり、第2の金属部材16の径方向の幅となっている。
さらに第3の金属部材17は、図2(b)に示すように、回転中心105を中心とする外円165に基づいて形成された中心角θを有する扇形と、外円165と異なる半径を有する内円166の外の領域と、に囲まれた形状を有している。この外円165と内円166との半径の差は、図2(b)に示すように、Rであり、第3の金属部材17の径方向の幅となっている。
この第1の金属部材15の形状は、例えば、図5(a)の上面図において、第1の金属部材15に隠れる第1の検出コイル12aと第2の検出コイル12bの環部及び半環部の面積が、第1の金属部材15の位置に依らず、実質的に一定となる形状とされる。
また第2の金属部材16の形状は、例えば、図5(a)の上面図において、第2の金属部材16に隠れる第3の検出コイル13aと第4の検出コイル13bの環部及び半環部の面積が、第2の金属部材16の位置に依らず、実質的に一定となる形状とされる。
同様に、第3の金属部材17の形状は、例えば、図5(a)の上面図において、第3の金属部材17に隠れる第5の検出コイル14aと第6の検出コイル14bの環部及び半環部の面積が、第3の金属部材17の位置に依らず、実質的に一定となる形状とされる。
従って、金属部材の形状は、本実施の形態の扇形状に限定されず、図5(a)の上面図において、金属部材に隠れる検出コイル対の環部及び半環部の面積が、位置に依らず、実質的に一定となる形状であれば良い。
図3(a)の紙面において、励磁コイル11の右側の辺112と、第1の金属部材15の側面151と、が一致してから、励磁コイル11の左側の辺113と、第1の金属部材15の側面151の反対の側面152と、が一致するまでの回転角は、側面151と側面152とが中心角θに基づいた角度であることから、130°となる。
また図3(a)の紙面において、励磁コイル11の右側の辺112と、第2の金属部材16の側面161と、が一致してから、励磁コイル11の左側の辺113と、第2の金属部材16の側面161の反対の側面162と、が一致するまでの回転角は、側面161と側面162とが中心角θに基づいた角度であることから、130°となる。
さらに図3(a)の紙面において、励磁コイル11の右側の辺112と、第3の金属部材17の側面171と、が一致してから、励磁コイル11の左側の辺113と、第3の金属部材17の側面171の反対の側面172と、が一致するまでの回転角は、側面171と側面172とが中心角θに基づいた角度であることから、130°となる。
従って、第1の検出コイル対12から出力される検出信号Sと検出信号S、第2の検出コイル対13から出力される検出信号Sと検出信号S、及び第3の検出コイル対14から出力される検出信号Sと検出信号Sは、0°〜130°の範囲で電圧を出力する。
つまり回転検出装置1は、図5(d)に示すように、2つの金属部材が、励磁コイル11上に位置することを考慮すると、検出信号S及び検出信号Sに基づいて0°〜130°の範囲の回転角、検出信号S及び検出信号Sに基づいて120°〜250°の範囲の回転角、及び検出信号S及び検出信号Sに基づいて240°〜370°の範囲の回転角を検出可能である。
(制御部30の構成)
制御部30は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工等を行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部30が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果等を格納する記憶領域として用いられる。
この制御部30は、図6(a)〜図6(c)に示すように、第1の検出コイル対12の検出信号S及び検出信号Sに基づいて0°〜130°までの回転角を判定し、第2の検出コイル対13の検出信号S及び検出信号Sに基づいて120°〜250°までの回転角を判定し、第3の検出コイル対14の検出信号S及び検出信号Sに基づいて240°〜370°までの回転角を判定することが可能である。
制御部30は、例えば、取得した検出信号S〜検出信号Sに基づいて、対となる検出コイルの検出信号がゼロはない検出コイル対を判定し、判定した検出コイル対の検出信号に基づいて回転角を判定するように構成されている。
また制御部30は、一例として、第1の検出コイル対12〜第3の検出コイル対14に対して、0°〜120°の範囲での回転角を算出し、第2の検出コイル対13の検出信号S及び検出信号Sに基づいて算出した場合は、120°を加算し、第3の検出コイル対14の検出信号S及び検出信号Sに基づいて算出した場合は、240°を加算して回転角を算出するように構成されている。制御部30は、第1の検出コイル対12の検出信号S及び検出信号Sに基づいて回転角を算出した場合は、算出した回転角を、回転部材10の回転角とするように構成されている。
制御部30は、判定結果に基づいて操作情報Sを生成するように構成されている。ここで以下では、回転部材10の回転角の判定について説明する。
(回転角の判定について)
第1の金属部材15は、例えば、図5(a)の紙面において、回転部材10の0°〜120°の回転に共なって、側面151が励磁コイル11の右側の辺112から左側の辺113に移動する。この移動により、図6(a)に示すように、側面151が辺112を超えた後、第1の検出コイル12aの検出信号Sよりも第2の検出コイル12bの検出信号Sの方が急峻に立ち上がる。
第1の金属部材15の側面151が励磁コイル11の辺112を超えた位置は、第1の検出コイル12aの環部120aの端部であることから、第1の金属部材15により覆われる面積は、殆どゼロとなり検出信号Sもまた殆どゼロとなる。
一方、第1の金属部材15の側面151が励磁コイル11の辺112を超えた位置は、第2の検出コイル12bの半環部120bの端部であることから、第1の金属部材15によって幅が最大である部分が覆われるので、検出信号Sは、検出信号Sよりも立ち上がりが急峻になる。
しかし、半環部120bは、環部121bのおよそ半分の面積しかないため、第1の金属部材15の側面151の反対の側面152が、励磁コイル11の辺112を超えた位置が、第1の金属部材15によって半環部120bを覆う最大の面積となる位置となる。
従って第2の検出コイル12bの半環部120bにおける検出信号Sは、図6(a)に示すように、立ち上がりは急峻であるものの、第1の検出コイル12aの環部120aにおける最大電圧Vの半分程度の大きさである最大電圧Vとなる。
この最大電圧Vは、第1の金属部材15の中心角θが10°であることから、回転角が10°となる位置で得られる。
さらに回転部材10が回転すると、第1の金属部材15は、第1の検出コイル12aの環部120aを覆う面積が最も大きく、第2の検出コイル12bの半環部120bと環部121bの面積を等しく覆う位置に移動する。この位置は、回転角が32.5°である。従ってこの回転角では、検出信号Sは、最大電圧Vとなり、検出信号Sは、ゼロとなる。
さらに回転部材10が回転すると、第1の金属部材15は、第1の検出コイル12aの環部120aと環部121aを等しく覆うと共に、第2の検出コイル12bの環部121b覆う面積が最大となる位置に移動する。この位置は、回転角が65°である。従ってこの回転角では、検出信号Sは、ゼロとなり、検出信号Sは、絶対値が最大となる電圧(−V)となる。
さらに回転部材10が回転すると、第1の金属部材15は、第1の検出コイル12aの環部121aを覆う面積が最も大きく、第2の検出コイル12bの環部121bと半環部122bの面積を等しく覆う位置に移動する。この位置は、回転角が97.5°である。従ってこの回転角では、検出信号Sは、絶対値が最大となる電圧(−V)となり、検出信号Sは、ゼロとなる。
またさらに回転部材10が回転すると、第1の金属部材15の側面151が、励磁コイル11の辺113上となる位置に到達する。この位置に到達するための回転角は、励磁コイル11の中心角θである120°となる。この位置における検出信号Sは、最大電圧Vとなる。そして、第1の金属部材15が、励磁コイル11の外に出るまで、さらに10°回転する必要があるので、回転角130°に到達した際に、検出信号S及び検出信号Sが、共にゼロとなる。
続いて、第2の金属部材16は、例えば、図5(b)の紙面において、回転部材10の120°〜240°の回転に共なって、側面161が励磁コイル11の右側の辺112から左側の辺113に移動する。この移動により、図6(b)に示すように、側面161が辺112を超えた後、第3の検出コイル13aの検出信号Sよりも第4の検出コイル13bの検出信号Sの方が急峻に立ち上がる。
さらに回転部材10が回転すると、側面162が励磁コイル11の辺112を超えた位置が、第2の金属部材16によって半環部130bを覆う最大の面積となる位置となる。
従って第4の検出コイル13bの半環部130bにおける検出信号Sは、図6(b)に示すように、回転角が130°となる位置で、最大電圧Vとなる。
さらに回転部材10が回転すると、第2の金属部材16は、第3の検出コイル13aの環部130aを覆う面積が最も大きく、第4の検出コイル13bの半環部130bと環部131bの面積を等しく覆う位置に移動する。この位置は、回転角が152.5°である。従ってこの回転角では、検出信号Sは、最大電圧Vとなり、検出信号Sは、ゼロとなる。
さらに回転部材10が回転すると、第2の金属部材16は、第3の検出コイル13aの環部130aと環部131aを等しく覆うと共に、第4の検出コイル13bの環部131b覆う面積が最大となる位置に移動する。この位置は、回転角が185°である。従ってこの回転角では、検出信号Sは、ゼロとなり、検出信号Sは、絶対値が最大となる電圧(−V)となる。
さらに回転部材10が回転すると、第2の金属部材16は、第3の検出コイル13aの環部131aを覆う面積が最も大きく、第4の検出コイル13bの環部131bと半環部132bの面積を等しく覆う位置に移動する。この位置は、回転角が217.5°である。従ってこの回転角では、検出信号Sは、絶対値が最大となる電圧(−V)となり、検出信号Sは、ゼロとなる。
またさらに回転部材10が回転すると、第2の金属部材16の側面161が、励磁コイル11の辺113上となる位置に到達する。この位置に到達するための回転角は、240°となる。この位置における検出信号Sは、最大電圧Vとなる。そして、第2の金属部材16が、励磁コイル11の外に出るまで、さらに10°回転する必要があるので、回転角240°に到達した際に、検出信号S及び検出信号Sが、共にゼロとなる。
続いて、第3の金属部材17は、例えば、図5(c)の紙面において、回転部材10の240°〜360°の回転に共なって、側面171が励磁コイル11の右側の辺112から左側の辺113に移動する。この移動により、図6(c)に示すように、側面171が辺112を超えた後、第5の検出コイル14aの検出信号Sよりも第6の検出コイル14bの検出信号Sの方が急峻に立ち上がる。
さらに回転部材10が回転すると、側面172が励磁コイル11の辺112を超えた位置が、第3の金属部材17によって半環部140bを覆う最大の面積となる位置となる。
従って第6の検出コイル14bの半環部140bにおける検出信号Sは、図6(c)に示すように、回転角が250°となる位置で、最大電圧Vとなる。
さらに回転部材10が回転すると、第3の金属部材17は、第5の検出コイル14aの環部140aを覆う面積が最も大きく、第6の検出コイル14bの半環部140bと環部141bの面積を等しく覆う位置に移動する。この位置は、回転角が272.5°である。従ってこの回転角では、検出信号Sは、最大電圧Vとなり、検出信号Sは、ゼロとなる。
さらに回転部材10が回転すると、第3の金属部材17は、第5の検出コイル14aの環部140aと環部141aを等しく覆うと共に、第6の検出コイル14bの環部141b覆う面積が最大となる位置に移動する。この位置は、回転角が305°である。従ってこの回転角では、検出信号Sは、ゼロとなり、検出信号Sは、絶対値が最大となる電圧(−V)となる。
さらに回転部材10が回転すると、第3の金属部材17は、第5の検出コイル14aの環部141aを覆う面積が最も大きく、第6の検出コイル14bの環部141bと半環部142bの面積を等しく覆う位置に移動する。この位置は、回転角が337.5°である。従ってこの回転角では、検出信号Sは、絶対値が最大となる電圧(−V)となり、検出信号Sは、ゼロとなる。
またさらに回転部材10が回転すると、第3の金属部材17の側面171が、励磁コイル11の辺113上となる位置に到達する。この位置に到達するための回転角は、360°となる。この位置における検出信号Sは、最大電圧Vとなる。そして、第3の金属部材17が、励磁コイル11の外に出るまで、さらに10°回転する必要があるので、回転角370°に到達した際に、検出信号S及び検出信号Sが、共にゼロとなる。
ここで、図5(d)に示すように、第1の金属部材15と第2の金属部材16とが、励磁コイル11の上方に位置するような場合、検出信号S〜検出信号Sは、ゼロではない電圧を有する。しかし、制御部30は、検出信号S〜検出信号Sが並列的に入力するので、区別可能である。従って、制御部30は、第1の金属部材15と第2の金属部材16、第2の金属部材16と第3の金属部材17、及び第3の金属部材17と第1の金属部材15が、励磁コイル11の上方に位置する場合であっても回転部材10の回転角を判定することが可能である。
また、検出コイル対は、環部や半環部の連結のパターンが異なる2つの検出コイルから構成されるので、検出コイルごとの検出信号が異なる。従って制御部30は、取得した検出信号に基づいた回転角の正確な判定が可能となる。
なお、回転検出装置1は、図1(b)の紙面における回転部材10の矢印A方向及び矢印B方向の回転角を検出することが可能である。
(車両LAN55との接続について)
回転検出装置1は、例えば、図4(b)に示すように、車両LAN55と電磁気的に接続されている。この車両LAN55には、表示装置6、空調装置7及びナビゲーション装置8が電磁気的に接続されている。
なお上述の電磁気的に接続とは、導電体による接続、電磁波の一種である光による接続、及び電磁波の一種である電波による接続の少なくとも1つを用いた接続である。
以下では、被制御装置としての空調装置7を制御する回転検出装置1の動作について説明する。
(動作)
車両5の電源が投入されると、回転検出装置1の制御部30は、交流信号Sを生成して励磁コイル11に出力する。
励磁コイル11は、供給された交流信号Sに基づいて交番磁場110を発生させる。
操作者が、回転部材10のノブ102を回転させると、励磁コイル11の上方に位置する金属部材に応じて、第1の検出コイル対12〜第3の検出コイル対14の少なくとも1つの検出コイル対からの検出信号が得られる。
制御部30は、得られた検出信号に基づいて回転部材10の回転角を判定し、判定した回転角に基づいて操作情報Sを生成して、車両LAN55を介して空調装置7に出力する。
空調装置7は、取得した操作情報Sに基づいた機能を実行する。
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る回転検出装置1は、小型化することができる。具体的には、この回転検出装置1は、第1の検出コイル12a〜第6の検出コイル14bが、同心円の周の一部に沿って配置されると共に、第1の検出コイル12a〜第6の検出コイル14bを囲むように励磁コイル11が配置されるので、検出コイルが円周の全体に沿って配置される場合と比べて、励磁コイル11、第1の検出コイル12a〜第6の検出コイル14bが占有する面積が小さくなり、小型化することができる。
また回転検出装置1は、検出コイルが円周の一部に沿って配置されるが、その一部に基づく回転角よりも大きい回転角を検出することができる。
回転検出装置1は、パターンが異なる検出コイルを組み合わせた検出コイル対の2つの異なる検出信号に基づいて回転部材10の回転角を検出するので、1つのパターンの検出コイルで回転角を検出する場合と比べて、精度が向上する。例えば、検出信号が正弦波形状を有する場合、少なくとも同じ電圧に2つの回転角が対応する。しかし、この回転検出装置1は、異なる2つの検出信号に基づいて判定するので、図6(a)〜図6(c)に示すように、正弦波形状の検出信号の電圧に2つの回転角が対応しても、他の検出信号によりいずれの回転角であるのか判定が可能となり、精度が向上する。
なお変形例として、制御部30は、取得した検出信号をそれぞれ記憶し、記憶された検出信号に基づいて、回転部材10の矢印A方向及び矢印B方向の360°以上の回転角を検出するように構成されても良い。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、検出コイルが対になっていない点で他の実施の形態と異なっている。
図7(a)は、第2の実施の形態に係る回転検出装置の励磁コイルと検出コイルの配置を説明するための上面図である。なお、以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
本実施の形態の回転検出装置1は、図7(a)に示すように、検出コイル対ではなく、第1の検出コイル12a、第3の検出コイル13a及び第5の検出コイル14aが、半径が異なる円に沿って配置されている。
制御部30は、この第1の検出コイル12a、第3の検出コイル13a及び第5の検出コイル14aから取得した検出信号に基づいて回転部材10の回転角を判定するように構成されている。
本実施の形態の回転検出装置1は、検出コイル対を用いる場合と比べて、検出コイルが半分となるので、製造コストが低減される。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、励磁コイルの中心角、及び検出コイル対の数が、他の実施の形態と異なっている。
図7(b)は、第3の実施の形態に係る回転検出装置の励磁コイルと検出コイル対の配置を説明するための上面図であり、図7(c)は、第1の金属部材及び第2の金属部材の配置を説明するための回転部材の下面図である。
本実施の形態の回転検出装置1は、図7(b)に示すように、第1の検出コイル対12c及び第2の検出コイル対13cの2つの検出コイル対を備えている。
また回転検出装置1は、図7(c)に示すように、第1の金属部材15a及び第2の金属部材16aの2つの金属部材を備えている。
第1の検出コイル対12cは、第1の検出コイル12dと、第2の検出コイル12eと、を備えている。この第1の検出コイル対12cは、第1の金属部材15aと対向するように構成されている。
また第2の検出コイル対13cは、第3の検出コイル13dと、第4の検出コイル13eと、を備えている。この第2の検出コイル対13cは、第2の金属部材16aと対向するように構成されている。
励磁コイル11aは、例えば、検出範囲が、0°〜360°である場合、図7(b)に示すように、検出コイル対の数が2であるので、検出範囲を2等分した180°が中心角θとなる。なお、検出範囲が0°〜360°の場合、第1の金属部材15a及び第2の金属部材16aの幅に基づいて励磁コイル11aの中心角θを変更しても良い。例えば、第1の実施の形態と同様に、第1の金属部材15a及び第2の金属部材16aの幅が、10°の中心角θ2に基づいている場合、励磁コイル11aの中心角θは、170°以上で有れば良い。
第1の金属部材15a及び第2の金属部材16aは、図7(c)に示すように、回転部材10の回転の検出範囲を、金属部材の数で等分して得られる予め定められた角度θに基づいて配置されている。
従って、予め定められた角度θは、金属部材の数が2で、検出範囲が0°〜360°であるので、180°となる。
この回転検出装置1は、検出コイル対が円周の一部に沿って配置されるが、その一部に基づく回転角よりも大きい回転角を検出することができる。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、検出コイル対の数が4つである点が、他の実施の形態と異なっている。
図8(a)は、第4の実施の形態に係る回転検出装置の励磁コイルと検出コイル対の配置を示す上面図であり、図8(b)は、金属部材の配置を説明するための回転部材の下面図である。
本実施の形態に係る回転検出装置1は、図8(a)に示すように、第1の検出コイル対125〜第4の検出コイル対128と、第1の金属部材15b〜第4の金属部材18bと、を備えている。
第1の検出コイル対125は、第1の検出コイル125a及び第2の検出コイル125bを備えている。第2の検出コイル対126は、第3の検出コイル126a及び第4の検出コイル126bを備えている。第3の検出コイル対127は、第5の検出コイル127a及び第6の検出コイル127bを備えている。第4の検出コイル対128は、第7の検出コイル128a及び第8の検出コイル128bを備えている。
励磁コイル11bの中心角θは、検出コイル対の数が4で、検出範囲が0°〜360°であることから、90°となる。
また第1の金属部材15b〜第4の金属部材18bは、図7(c)に示すように、回転部材10の回転の検出範囲を、金属部材の数で等分して得られる予め定められた角度θに基づいて配置されている。この予め定められた角度θは、金属部材の数が4であり、検出範囲が0°〜360°であることから、90°である。
従って、第1の金属部材15b〜第4の金属部材18bは、90°の間隔で回転部材10の裏面101bに配置される。
本実施の形態の回転検出装置1は、励磁コイル11bの中心角θが、他の実施の形態の励磁コイルよりも小さいので、より小型化することができる。
なお変形例として、上述の検出コイルは、環部及び半環部が曲線形状であったが、矩形状であっても良い。
他の変形例として、金属部材が基体2に、検出コイル及び励磁コイルが回転部材10に、配置されても良い。
上述の実施の形態における回転検出装置1は、操作による回転部材の回転を検出するように構成されたがこれに限定されず、一例として、駆動されたシャフト等の回転を検出するように構成されても良い。
以上述べた少なくとも1つの実施の形態の回転検出装置1によれば、小型化することが可能となる。
上述の実施の形態及び変形例に係る回転検出装置1は、例えば、制御部30の機能の一部又は全部が、コンピュータが実行するプログラム、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されても良い。
なお、ASICとは、特定用途向け集積回路であり、FPGAとは、プログラミングすることができるLSI(大規模集積回路:Large Scale Integration)である。
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…回転検出装置、2…基体、3…制御IC、5…車両、6…表示装置、7…空調装置、8…ナビゲーション装置、9…手、10…回転部材、11,11a,11b…励磁コイル、12…第1の検出コイル対、12a…第1の検出コイル、12b…第2の検出コイル、12c…第1の検出コイル対、12d…第1の検出コイル、12e…第1の検出コイル、13…第2の検出コイル対、13a…第3の検出コイル、13b…第4の検出コイル、13c…第2の検出コイル対、13d…第3の検出コイル、13e…第4の検出コイル、14…第3の検出コイル対、14a…第5の検出コイル、14b…第6の検出コイル、15,15a…第1の金属部材、16,16a,16b…第2の金属部材、17,17b…第3の金属部材、18b…第4の金属部材、20…表面、21…裏面、30…制御部、50…センターコンソール、55…車両LAN、60…表示画面、61…表示画像、100…回転軸、101…基部、101a…表面、101b…裏面、102…ノブ、110…交番磁場、111…配置領域、112…辺、113…辺、115…交点、116…第1の円、117…第2の円、118…第3の円、120a…環部、120b…半環部、121a…環部、121b…環部、122…回転中心、122b…半環部、125…第1の検出コイル対、125a…第1の検出コイル、125b…第2の検出コイル、126…第2の検出コイル対、126a…第3の検出コイル、126b…第4の検出コイル、127…第3の検出コイル対、127a…第5の検出コイル、127b…第6の検出コイル、128…第4の検出コイル対、128a…第7の検出コイル、128b…第8の検出コイル、130…回転角、130a…環部、130b…半環部、131a…環部、131b…環部、132b…半環部、140a…環部、140b…半環部、141a…環部、141b…環部、142b…半環部、145…外円、146…内円、151…側面、152…側面、155…外円、156…内円、161…側面、162…側面、165…外円、166…内円、171…側面、172…側面

Claims (8)

  1. 回転軸の回りを回転する回転部材と、
    前記回転部材に対向して配置された基体に設けられ、供給された交流信号に基づいた交番磁場を生成する励磁コイルと、
    前記励磁コイルに囲まれた領域内であると共に前記回転軸と前記基体との交点を中心とした同心円の周の一部に沿って配置され、前記励磁コイルの前記交番磁場に基づく第1の検出信号を出力する複数の検出コイルと、
    前記検出コイルに対向すると共に前記回転軸に対して予め定められた角度をなすように前記回転部材に設けられ、前記回転部材の回転によって対向する検出コイルに作用する前記交番磁場を変化させる複数の交番磁場変化部と、
    を備えた回転検出装置。
  2. 前記交番磁場変化部は、前記交番磁場変化部が配置される前記回転部材の配置面と前記回転軸との交点を中心とする円に基づいて形成された予め定められた中心角を有する扇形と、当該交点を中心とすると共に前記円と異なる半径を有する円の外の領域と、に囲まれた形状を有する、
    請求項1に記載の回転検出装置。
  3. 前記交番磁場変化部は、前記回転部材の回転の検出範囲を、前記交番磁場変化部の数で等分して得られる前記予め定められた角度に基づいて配置される、
    請求項1又は2に記載の回転検出装置。
  4. 前記検出コイルと対となる検出コイルが絶縁性を保ちながら積層されて前記基体に設けられる、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転検出装置。
  5. 前記検出コイル及び前記対となる検出コイルは、異なる形状を有すると共に、前記交点を通る対称軸に対して線対称な形状を有する、
    請求項4に記載の回転検出装置。
  6. 前記検出コイルは、環形状を有する第1の環部を2つ連結したような形状を有し、前記第1の環部によって囲まれる領域の面積が互いに実質的に等しい、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転検出装置。
  7. 前記対となる検出コイルは、環形状を有する第2の環部と、前記第2の環部を前記同心円の径方向に切断したような2つの半環部と、が、前記第2の環部を中心として連結された形状を有し、前記第2の環部に囲まれる領域の面積、及び前記半環部に囲まれる領域の2つ分の面積は、対応する前記検出コイルの前記第1の環部の2つ分の面積と実質的に等しい、
    請求項6に記載の回転検出装置。
  8. 前記検出コイルから取得した前記第1の検出信号と、前記対となる検出コイルから取得した第2の検出信号と、に基づいて前記回転部材の回転角を判定する判定部を備える、
    請求項4乃至7のいずれか1項に記載の回転検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021079898A1 (ja) * 2019-10-24 2021-04-29 日本精機株式会社 位置検出装置及び液面検出装置
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