JP2015134855A - 着色樹脂粒子分散体及びインクジェットインク - Google Patents
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Abstract
Description
これによって、印刷物の耐摩耗性に優れる着色樹脂粒子分散体及びインクジェットインクを提供することができる。
着色樹脂粒子の製造工程において、固体樹脂及び色材とともに塩基性化合物を溶剤に配合して混合することで、系が安定化して、各成分をより均一に配合することができる。特に、油中油型エマルションによって着色樹脂粒子分散体を製造する場合には、固体樹脂及び色材とともに塩基性化合物を溶剤に配合して分散相として用いることで、エマルションの乳化安定性をより高めて、結果として、着色樹脂粒子の各成分をより均一に配合することができる。
このような発色性の作用は、塩基性化合物が含まれることで、固体樹脂の種類によらず得ることができる。
本実施形態による着色樹脂粒子としては、色材と、固体樹脂と、塩基性化合物とを含む。
この着色樹脂粒子は、色材と固体樹脂と塩基性化合物とが均一に混合されて、粒子形状となっていることが好ましい。
固体樹脂としては、室温(23℃)で固体状の樹脂であることが好ましい。
固体樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、粒子形状を安定化するために、30℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上である。固体樹脂のガラス転移温度は、制限されないが、150℃以下であることが好ましく、より好ましくは120℃以下である。
また、固体樹脂の溶融温度(Tm)としては、粒子形状を安定化させるために、30℃以上であることが好ましく、より好ましくは、40℃以上である。固体樹脂の溶融温度は、制限されないが、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以下である。
Hansenの溶解性パラメーターは、Hildebrandによって導入された溶解性パラメーターを分散項δd、極性項δp、水素結合項δhの3成分に分割し、3次元空間で表したものである。分散項は、分散力による効果、極性項は、双極子間力による効果、水素結合項は、水素結合力の効果を示す。より詳細には、POLYMER HANDBOOK.FOURTH EDITION.(Editors.J.BRANDRUP,E.H.IMMERGUT,andE.A.GRULKE.)等に説明されている。
まず、分散項δd、極性項δp、水素結合項δhが既知である表1に示す溶剤に対して対象物(固体樹脂等)の溶解性(10mass%)を調査する。次いで、対象物が溶解する溶剤の範囲に相当する分散項δd、極性項δp、水素結合項δhの範囲(最小値と最大値)を求め、その中間の値(3次元溶解性パラメーターの範囲の中心の値)をその対象物の3次元溶解性パラメーターとする。つまり、良溶媒が内側、貧溶媒が外側にくる最大の直方体を考えて、その直方体の中心を対象物の溶解性パラメーター(HSP値)と定める。
極性項δp=(δpmax−δpmin)/2
水素結合項δh=(δhmax−δhmin)/2
HSP2=δd2+δp2+δh2
固体樹脂の具体例としては、アルキルフェノール樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、スチレンマレイン酸樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、メトキシメチル化ナイロン等のポリアミド樹脂、ケトン樹脂、ロジン樹脂、酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノボラック型アルキルフェノール樹脂は、アルキルフェノールとアルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させ製造することができる。
レゾール型アルキルフェノール樹脂は、アルキルフェノールとアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で反応させ製造することができる。
また、変性アルキルフェノール樹脂を用いてもよい。変性アルキルフェノール樹脂としては、ロジン変性アルキルフェノール樹脂、アルコキシ基含有シラン変性アルキルフェノール樹脂等を挙げることができる。
脂環族アルデヒド類としては、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド等を挙げることができる。
芳香族アルデヒド類としては、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド(メシトアルデヒド)、2,4,6−トリエチルベンズアルデヒド、2,6−ジメチルベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド、2−エトキシ−1−ナフトアルデヒド、2−プロポキシ−1−ナフトアルデヒド、2−メチル−1−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、その他置換基を有する1−ナフトアルデヒド、置換基を有する2−ナフトアルデヒド、9−アントラアルデヒド、置換基を有する9−アントラアルデヒド等を挙げることができる。
ケトンとしては、2−メチルアセトフェノン、2,4−ジメチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−ヒドロキシ−1−アセトナフトン、8’−ヒドロキシ−1’−ベンゾナフトン、アセトナフトン等のナフトン類等を挙げることができる。
これらのアルデヒド及びケトンは単独で、または組み合わせて用いてもよい。
ポリビニルホルマール樹脂の市販品としては、例えば、JNC株式会社製のビニレックシリーズ「ビニレックK」、「ビニレックC」等;株式会社クラレ製のビニロン繊維等を用いることができる。
これらは単独でも、2種以上を合わせて用いてもよい。
一方、固体樹脂の配合量は、着色樹脂粒子全体に対し、70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以下である。
着色樹脂粒子に含まれる色材としては、顔料及び染料のいずれであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。詳細については後述する。
色材は、着色樹脂粒子全体に対して、呈色性及び成分の均一性の観点から、0.1〜50質量%で配合されることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%である。
着色樹脂粒子には、塩基性基を有する液体有機化合物(塩基性化合物)が含まれる。ここで、塩基性基を有する液体有機化合物としては、23℃で液体状であり塩基性基を有する有機化合物である。
また、固体樹脂に、酸価が低く耐水性が高い樹脂を用いる場合、耐摩耗性が低下することがあるが、この固体樹脂とともに塩基性化合物を含むことで、耐水性とともに耐摩耗性を向上させることができる。
また、塩基性化合物は、着色樹脂粒子分散体の製造工程において、油中油型エマルションの安定性を維持するために配合することができる。
本実施形態では、塩基性化合物を非水系溶剤としてメタノール等の高極性有機溶剤に溶解させる場合のORP値が低くなることが望ましい。
塩基性化合物としては、1分子中に塩基性基を2個以上有する液体有機化合物であることが好ましい。
オリゴマーまたはポリマーとしては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエチレンイミン等を、単独で、または併用して用いることができる。また、これらの樹脂を構成するモノマーまたはオリゴマーの共重合体を用いてもよい。
また、塩基性基としては、オリゴマーまたはポリマーのアルキルアンモニウム塩やアミン塩等として導入されていてもよい。
塩基性化合物がオリゴマーまたはポリマーである場合は、質量平均分子量が500〜10000であることが好ましく、より好ましくは1000〜5000である。
日本ルーブルゾール株式会社製「ソルスパース71000」(ポリエチレンイミン系化合物、塩基価77mgKOH/g)、「ソルスパース20000」(塩基価32mgKOH/g);
ビックケミー・ジャパン株式会社製「DYSPERBYK109」(塩基価140mgKOH/g)、「DYSPERBYK116」(塩基価65mgKOH/g)、「DYSPERBYK2155」(塩基価48mgKOH/g)、「DYSPERBYK9077」(塩基価48mgKOH/g)等を用いることができる。
着色樹脂粒子は、上記した塩基性化合物に加えて、塩基性基を有していない、液体状の有機化合物(以下、単に「可塑剤」と称することがある。)をさらに含むことができる。これによって、印刷物の耐摩耗性をより高めることができる。
この溶解度は、より好ましくは23℃で1g/100g以下であり、一層好ましくは0.5g/100g以下である。最も好ましくは、着色樹脂粒子分散体の配合割合において、可塑剤は非水系溶剤に実質的に溶解しないものである。
低級多価アルコールの具体例としては、1,5ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、3メチル1,5ペンタンジオール等のジオール類を挙げることができる。
高級多価アルコールの具体例としては、ヒマシ油ポリオール等のポリオール類を挙げることができる。
低分子エステルの炭素数としては、8〜30であることが好ましい。
低分子エステルの具体例としては、フタル酸ジイソノニル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル等を挙げることができる。
なかでも、ポリエステル類、ポリエーテル類、(メタ)アクリルポリマー類を単独で、または組み合わせて好ましく用いることができる。
ここで、着色樹脂粒子の平均粒子径は、動的散乱方式による体積基準の平均粒子径であり、例えば、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒径分布測定装置「LB−500」等を用いて測定することができる。以下同じである。
本実施形態による着色樹脂粒子分散体は、上記した着色樹脂粒子とともに、非水系溶剤及び酸性分散剤を含む。非水系溶剤及び酸性分散剤については、後述の着色樹脂粒子分散体の製造方法で説明する通りである。非水系溶剤としては、着色樹脂粒子を分散可能である溶剤であることが好ましい。酸性分散剤としては、非水系溶剤中で着色樹脂粒子を分散させるために配合される。また、酸性分散剤は、後述する着色樹脂粒子の製造工程において、エマルションの調整のために配合されることもある。
一方、着色樹脂粒子は分散体全体に対し50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。これによって、分散性及び保存安定性を高めることができる。
以下、本実施形態による着色樹脂粒子分散体の製造方法の一例について説明する。なお、本実施形態による着色樹脂粒子分散体は、以下の製造方法で製造されたものに限定されない。
油中油型エマルションを安定して作製するために、酸性分散剤は、溶剤Bよりも溶剤Aに対する溶解度が高いことが好ましい。また、着色樹脂粒子の形状を安定させるために、固体樹脂及び塩基性化合物は溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いことが好ましい。
連続相としては、溶剤Aと酸性分散剤とを含む。
これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用することができる。
ΔHSP2=(δd固体樹脂−δd溶剤A)2+(δp固体樹脂−δp溶剤A)2+(δh固体樹脂−δh溶剤A)2
ΔHSP2=(δd塩基性化合物−δd溶剤A)2+(δp塩基性化合物−δp溶剤A)2+(δh塩基性化合物−δh溶剤A)2
オリゴマーまたはポリマーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を、単独で、または併用して用いることができる。また、これらの樹脂を構成するモノマーまたはオリゴマーの共重合体を用いてもよい。
また、酸性基としては、オリゴマーまたはポリマーをリン酸エステル化して導入されていてもよい。
酸性分散剤がオリゴマーまたはポリマーである場合は、質量平均分子量が500〜10000であることが好ましく、より好ましくは1000〜5000である。
日本ルーブルゾール株式会社製「ソルスパース3000」(12―ヒドロキシステアリン酸の6量体、酸価32mgKOH/g)、「ソルスパース21000」(酸価72mgKOH/g)、「ソルスパース36000」(酸価45mgKOH/g)、「ソルスパース41000」(酸価50mgKOH/g);
ビックケミー・ジャパン株式会社製「DYSPERBYK2096」(酸価40mgKOH/g)等を挙げることができる。
溶剤Bの除去後の酸性分散剤の含有量としては、着色樹脂粒子の分散性の観点から、着色樹脂粒子分散体全体に対し0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。
分散相としては、溶剤Bと色材と固体樹脂と塩基性化合物とを含む。
これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用することができる。
油溶性染料としては、例えば、上記各種染料のうち油溶性の染料を用いることができる。水溶性染料としては、例えば、上記各種染料のうち水溶性の染料及び還元等により水溶性にされた染料等を用いることができる。
BASF社製「オラゾールシリーズ」のオラゾールブラックRLI、ブルーGN、ピンク5BLG、イエロー2RLN等;
保土谷化学工業株式会社製「AizenSpilonシリーズ」のアイゼンスピロンBlackBH、RLH、アイゼンスピロンVioletRH、アイゼンスピロンRedCBH、BEH、アイゼンスピロンYellowGRH、アイゼンSPTBlue26、アイゼンSPTBlue121、アイゼンSBNYellow510等を用いることができる。
「NCL1/4モーガルL」:カーボンブラック(45%)/NCL1/4(45%)/ATBC(10%)。
「NCL1/8イエローFGS」:ピグメントイエロー74(50%)/NCL1/8(35%)/ATBC(15%)。
「NCL1/4ブルーB4G」:フタロシアニンブルー(40%)/NCL1/8(45%)/ATBC(15%)。
NCL1/4はニトロセルロースであり、ATBCはアセチルクエン酸トリブチルである。ここで、%は質量%である。
これらは単独で用いられるほか、複数種を組み合わせて使用してもよい。
カチオン性分散剤としては、上記した塩基性化合物のなかから顔料分散性を備えるものを用いてもよい。例えば、アミノ基、アミド基、ピリジル基、ウレタン結合等を有する含窒素化合物を好ましく用いることができ、中でもアミノ基を有する含窒素化合物であることが好ましい。
カチオン性分散剤として使用可能な塩基性化合物として、市販されているものとしては、例えば、ルーブリゾール社製「ソルスパース71000」、ビックケミー・ジャパン社製「DISPERBYK2155、9077」等を用いることができる。これらはいずれも溶剤Bに対する溶解性が良好である。
この固体樹脂は、油中油型エマルションによって着色樹脂粒子を製造する場合は、溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いものであることが好ましい。
溶剤B除去後の固体樹脂の含有量としては、着色樹脂粒子分散体全量に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%であり、一層好ましくは2〜20質量%である。これによって、着色樹脂粒子の呈色を適正にして、形状を安定化することができる。
塩基性化合物を添加することで、印刷物の耐摩耗性をより向上させることができる。これは、塩基性化合物によって、色材と固体樹脂とをより均一に安定して配合することが可能になるからである。
また、固体樹脂に、酸価が低く耐水性が高い樹脂を用いる場合、耐摩耗性が低下することがあるが、この固体樹脂とともに塩基性化合物を添加することで、耐水性とともに耐摩耗性を向上させることができる。
また、塩基性化合物は、着色樹脂粒子分散体の製造工程において、油中油型エマルションの安定性をより高めることができる。
溶剤B除去後の塩基性化合物の含有量としては、着色樹脂粒子分散体全体に対し0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。これによって、耐摩耗性をより高めることができる。
これによって、上記した固体樹脂及び色材を溶剤Bに混合する際に、溶解性をより高めることができる。これによって、油中油型エマルションにおいて、連続相中で分散相をより安定して分散させることができる。結果として、着色樹脂粒子の成分をより均一にすることができ、印刷物の耐摩耗性等の効果をより高めることができる。
溶剤B除去後の可塑剤の含有量としては、着色樹脂粒子分散体全量に対し、5質量%〜40質量%である。
着色樹脂粒子分散体の調整方法としては、特に限定されず、上記した連続相と上記した分散相とを含む油中油型エマルションを作製し、この油中油型エマルションから、減圧及び/または加熱等により分散相中の非水系溶剤Bを除去することで調整することができる。
油中油型エマルションを安定して作製するために、酸性分散剤は、溶剤Bよりも溶剤Aに対する溶解度が高いことが好ましい。また、着色樹脂粒子の形状を安定させるために、樹脂は溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いことが好ましい。
微細な粒子径の着色樹脂粒子は、特にインクジェットインクに適する。
分散相において、塩基性化合物は、分散相全体に対して、1〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。
混合液において、色材は、混合液全体に対して、5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。色材が顔料である場合は、顔料分散剤を混合液にさらに添加することができる。
混合液において、固体樹脂は、混合液全体に対して、5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。
着色樹脂粒子の平均粒子径は、連続相に配合される酸性分散剤の量、または、分散相に配合される不揮発分の量等を調整することで制御することができる。塩基性化合物を配合することで、着色樹脂粒子の平均粒子径をより小さく制御することが可能である。
本実施形態によるインクとしては、上記した着色樹脂粒子分散体を含むインクである。このインクは、インクジェット印刷、オフセット印刷、孔版印刷、グラビア印刷、電子写真方式等の印刷インク全般として用いることができる。特に、分散安定性が良好であるため、インクジェットインクとして用いることが好ましい。
表2に、溶剤B除去前の実施例及び比較例の油中油型エマルションの処方を示す。表2において、各成分に揮発分が含まれる場合は、各成分の全体量とともに不揮発分量をカッコ内に併せて示す(後述する表3も同じである)。
比較例1では、分散相に塩基性化合物を配合しなかった。
比較例2では、分散相に塩基性化合物を配合しないで酸性化合物を配合した。
比較例3では、連続相に酸性分散剤を配合しないで塩基性分散剤を配合した。
(連続相)
炭化水素系溶剤「アイソパーM」:イソパラフィン系炭化水素、東燃ゼネラル石油株式会社製「アイソパーM」。
塩基性分散剤「S11200」:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース11200」、不揮発分50質量%、塩基価37KOHmg/g。
酸性分散剤「S3000」:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース3000」、不揮発分100質量%、酸価32KOHmg/g。
アルコール系溶剤「メタノール」:炭素数1のアルコール系溶剤、和光純薬工業株式会社製。
アルキルフェノール樹脂:酢酸基0mol%、荒川化学株式会社製「タマノル7509」。
青色酸性染料「Water Blue 9」:オリヱント化学株式会社製「Water Blue 9」。
青色造塩染料「Valifast Blue 1621」:オリヱント化学工業株式会社製「Valifast Blue 1621」。
赤色塩基性染料「ローダミン6G」:和光純薬工業株式会社製「ローダミン6G」。
青色アントラキノン系染料「Oil Blue 2N」:オリヱント化学株式会社製「Oil Blue 2N」。
塩基性化合物「S71000」:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース71000」、不揮発分100%、塩基価77.4KOHmg/g。
酸性基を有する液体有機化合物(酸性化合物)「DISPERBYK2095」:ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK2095」、不揮発分95%、酸価13KOHmg/g。
固体樹脂は、表2に示す分散相の配合割合で溶剤Bに溶解し、溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g未満であり、水に対する溶解度が23℃で3g/100g未満であった。
塩基性化合物であるソルスパース71000は、表2に示す分散相の配合割合で溶剤Bに溶解し、溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g未満であった。酸性化合物であるDISPERBYK2095も同様であった。
溶剤A「アイソパーM」:16(δd=16、δp=0、δh=0)。
溶剤B「メタノール」:29.6(δd=15.1、δp=12.3、δh=22.3)。
各種固体樹脂:22〜27(δd=12〜20、δp=5〜12、δh=10〜20)の範囲内であった。
塩基性化合物:22〜27(δd=12〜20、δp=5〜12、δh=10〜20)の範囲内であった。
ソルスパース3000:ドデカンに0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、5.0質量%溶解させたときのORP値が高く、ドデカンに5.0質量%溶解させたときのORP値は900であった。
ソルスパース11200:ドデカンに0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、5.0質量%溶解させたときのORP値が低く、ドデカンに5.0質量%溶解させたときのORP値は−85であった。
ソルスパース71000:ドデカンに0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、5.0質量%溶解させたときのORP値が低く、ドデカンに5.0質量%溶解させたときのORP値は−30であった。
DISPERBYK−2095:ドデカンに0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、5.0質量%溶解させたときのORP値が高く、メタノールに5.0質量%溶解させたときのORP値は220であった。
上記した各インクを用いて、以下の各評価を行った。結果を各表に併せて示す。
上記工程に従って着色樹脂粒子分散体を調整した際に、以下の基準で乳化性を評価した。
AA:油中油型エマルションを調製することができ、分散相中の溶剤Bを除去後に沈殿物がなかった。
A:油中油型エマルションを調製することができ、分散相中の溶剤Bを除去後に沈殿物が少なかった。
B:油中油型エマルションを調製することができるが、分散相中の溶剤Bを除去後に沈殿物が多かった。
C:油中油型エマルションを調製することができなかった。
上記した各インクをライン式インクジェットプリンタ「オルフィスX9050」(理想科学工業株式会社製)に装填し、上質コート紙「オーロラコート」(日本製紙株式会社製)に、ベタ画像を印刷して、印刷物を得た。印刷は、解像度300×300dpiにて、1ドット当りのインク量が42plの吐出条件で行った。なお、「オルフィスX9050」は、ライン型インクジェットヘッドを使用し、主走査方向(ノズルが並んでいる方向)に直交する副走査方向に用紙を搬送して印刷を行うシステムである。
A:画像のはがれがほとんど確認されないレベル。
B:画像のはがれが確認されるが実際の使用上問題ないレベル。
C:画像のはがれが顕著であり実際の使用上問題あるレベル。
上記した各インクについて、インク中に分散している着色樹脂粒子の体積基準の平均粒子径を動的光散乱式粒径分布測定装置「LB―500」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
実施例2〜4では、造塩染料または塩基性染料を用いており、分散相中で塩基性化合物とのバランスから、乳化安定性がより優れた。
比較例2では、分散相に塩基性化合物の代わりに酸性化合物を用いており、比較例1と同様の結果であった。
比較例3では、連続相に酸性分散剤の代わりに塩基性分散剤を用いており、比較例1と同様の結果であった。
比較例4では、非水系溶剤に油溶性染料が溶解しているインクであって、樹脂と染料とが粒子を形成していないことから、耐擦過性が低下した。
Claims (6)
- 着色樹脂粒子、酸性分散剤、及び非水系溶剤を含み、
前記着色樹脂粒子は、色材、固体樹脂、及び塩基性基を有する液体有機化合物を含む、
着色樹脂粒子分散体。 - 前記色材は造塩染料及び/または塩基性染料を含む、請求項1に記載の着色樹脂粒子分散体。
- 前記塩基性基を有する液体有機化合物はアミノ基を有する、請求項1または2に記載の着色樹脂粒子分散体。
- 前記酸性分散剤はカルボキシ基を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の着色樹脂粒子分散体。
- 非水系溶剤Aと、前記非水系溶剤Aよりも沸点が低い非水系溶剤Bを用いて、
前記非水系溶剤Aと前記酸性分散剤とを含む連続相に、前記非水系溶剤Bと前記色材と前記固体樹脂と前記塩基性基を有する液体有機化合物とを含む分散相を分散させて油中油型エマルションを作製し、
前記油中油型エマルションから前記非水系溶剤Bを除去したものであり、
前記酸性分散剤は、前記非水系溶剤Bよりも前記非水系溶剤Aに対する溶解度が高く、
前記固体樹脂及び前記塩基性基を有する液体有機化合物は、前記非水系溶剤Aよりも前記非水系溶剤Bに対する溶解度が高い、
請求項1から4のいずれか1項に記載の着色樹脂粒子分散体。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の着色樹脂粒子分散体を含む、インクジェットインク。
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- 2014-01-16 JP JP2014005764A patent/JP6209089B2/ja active Active
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