JP2015132191A - エンジンのシリンダ冷却装置、シリンダ冷却方法、シリンダ冷却装置の改造方法、およびシリンダ冷却装置を備えたエンジンならびに船舶 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの部分負荷運転時にシリンダライナが過冷却されることを防止して低温腐食を抑止する。
【解決手段】シリンダ冷却装置30Aは、シリンダライナ6の低温領域の位置に相当する冷却水通路32を、他の冷却水通路31,33から隔絶する連通仕切弁37と、冷却水通路32の冷却水を排水する排水弁46と、低温領域の温度を測定する温度測定部48と、温度測定部48から入力される温度データに基づいて連通仕切弁37および排水弁46を開閉制御する制御部50と、を具備し、制御部50は、低温領域の温度が、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回る場合には連通仕切弁37を閉じて排水弁46を開くことにより、冷却水通路32の冷却水のみを一時的に排出し、低温領域の温度が冷却臨界温度を上回った時には連通仕切弁37を開いて排水弁46を閉じ、冷却水通路32に冷却水を再給水する。
【選択図】図2
【解決手段】シリンダ冷却装置30Aは、シリンダライナ6の低温領域の位置に相当する冷却水通路32を、他の冷却水通路31,33から隔絶する連通仕切弁37と、冷却水通路32の冷却水を排水する排水弁46と、低温領域の温度を測定する温度測定部48と、温度測定部48から入力される温度データに基づいて連通仕切弁37および排水弁46を開閉制御する制御部50と、を具備し、制御部50は、低温領域の温度が、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回る場合には連通仕切弁37を閉じて排水弁46を開くことにより、冷却水通路32の冷却水のみを一時的に排出し、低温領域の温度が冷却臨界温度を上回った時には連通仕切弁37を開いて排水弁46を閉じ、冷却水通路32に冷却水を再給水する。
【選択図】図2
Description
本発明は、エンジンのシリンダ冷却装置、シリンダ冷却方法、シリンダ冷却装置の改造方法、およびシリンダ冷却装置を備えたエンジンならびに船舶に関するものである。
レシプロエンジン(往復ピストン機関)においては、ピストンが摺動するシリンダライナの摺動面(潤滑面)の温度を最適化するべく、シリンダライナ(シリンダーブロック)の内部および外周部に形成された冷却水室(冷却水通路)に冷却水を循環させている。
シリンダライナ摺動面の温度が高過ぎると、ピストンとの間に供給される潤滑油が高熱により蒸発して油膜が切れ、ピストンと摺動面の焼き付きや摩耗を起こす懸念がある。反対に、例えば船舶のメインエンジンとして広く用いられている大型の2ストロークディーゼルエンジンにおいては、摺動面が過冷却されることにより、ディーゼル燃料中のサルファ分(硫黄分)が、摺動面温度が硫酸露点よりも低下することで燃焼ガス中に含まれる水分と結合して硫酸が生成され、シリンダライナの摺動面やピストンリングを侵食して、やはり摩耗を促進させることになる(低温腐食の誘発)。したがって、摺動面の温度が常に適温となるように冷却水量をコントロールすることが大切である。
船舶用のエンジンは、積載量が多い時や荒天候下等においても要求された航行速度を発揮できるよう、その出力に充分な余裕が与えられている。そして、主にエンジンの常用負荷域においてシリンダライナ温度が最適となるように冷却水量がコントロールされている。しかし、昨今では出力を絞った部分負荷運転がなされることが多く、このような部分負荷運転がしばしば行われることにより、シリンダライナ温度が最適域を外れ、上述のようにシリンダライナが過冷却されて摩耗を促進させるような状況が発生しやすい。このようなシリンダライナの過冷却を防止するようにした公知技術が、下記の特許文献1,2に開示されている。
特許文献1に開示されているエンジン及びその冷却方法は、シリンダライナの上死点側端部から中間部にかけて複数の冷却水通路のグループが設けられ、これらの冷却水通路のグループは、冷却水の流れに対して完全に開いたり閉じたりすることができ、開いたグループと閉じたグループとの比率を変更することで冷却水の流量を部分的に変化させ、エンジンの部分負荷運転時に比較的低温になりやすい領域の冷却水量を低下させることによってシリンダライナの過冷却を防止している。
特許文献2に開示されているシリンダライナ温度の調整制御機構は、シリンダライナの上死点側部分(高温側)の冷却水室と、下方部分(低温側)の冷却水室と、これらの冷却水室に冷却水を分配する流量分配器と、各冷却水室の水温を測定する温度センサと、各水温を比較する比較器とを備えている。そして、比較器によって各冷却水室の水温の偏差を求め、この偏差に応じて流量分配器をコントロールすることにより、各冷却水室の冷却水量を調整し、特に低温になりやすい下方部分の冷却水室への給水を制限して過冷却を防止している。
特許文献1,2に開示されている冷却方法によれば、シリンダライナの低温領域において冷却水の流量を低下、または滞留させるので、シリンダライナの過冷却を少なからず防止することができる。しかしながら、いずれの方法も、冷却水を滞留させた際に、冷却水室の内部が冷却水で満たされた状態に保たれるため、シリンダライナの温度上昇とともに冷却水室の内壁面付近で核沸騰が起こり、該内壁面の熱伝達率が上がってシリンダライナの温度がかえって低下してしまう懸念がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡素な構成により、エンジンの部分負荷運転時にシリンダライナが過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができるエンジンのシリンダ冷却装置、シリンダ冷却方法、シリンダ冷却装置の改造方法、およびシリンダ冷却装置を備えたエンジンならびに船舶を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明の第1の態様に係るエンジンのシリンダ冷却装置は、ピストンが摺動するシリンダライナの各部に、冷却水が給水される複数の冷却水通路が設けられたエンジンにおいて、前記シリンダライナの低温領域の位置に相当する前記冷却水通路を、他の冷却水通路から隔絶する連通仕切弁と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水された冷却水を排水する排水弁と、前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記連通仕切弁および前記排水弁を開閉制御する制御部と、を具備してなり、前記制御部は、前記低温領域の温度が、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には、前記連通仕切弁を閉じて前記排水弁を開くことにより、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路の冷却水のみを一時的に排出し、前記低温領域の温度が前記冷却臨界温度を上回った時には前記連通仕切弁を開いて前記排水弁を閉じ、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に冷却水を再給水することを特徴とする。
また、本発明の第1の態様に係るエンジンのシリンダ冷却方法は、ピストンが摺動するシリンダライナの各部に、冷却水が給水される複数の冷却水通路が設けられたエンジンにおいて、前記シリンダライナの低温領域の温度が、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には、この低温領域の位置に相当する前記冷却水通路の冷却水のみを一時的に排出し、前記低温領域の温度が前記冷却臨界温度を上回った時には前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に冷却水を再給水することを特徴とする。
さらに、本発明の第1の態様に係るエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法は、ピストンが摺動するシリンダライナの各部に、冷却水が給水される複数の冷却水通路が設けられたエンジンにおいて、前記シリンダライナの低温領域の位置に相当する前記冷却水通路を、他の冷却水通路から隔絶する連通仕切弁と、前記シリンダライナの低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水された冷却水を排水する排水弁と、前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記連通仕切弁および前記排水弁を開閉制御する制御部と、を追加設置し、前記制御部を、前記低温領域の温度が冷却を要する冷却要求温度を上回っている時には前記連通仕切弁を開いて前記排水弁を閉じ、前記低温領域の温度が前記冷却要求温度と冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度との間にある時には前記連通仕切弁と前記排水弁を閉じ、前記低温領域の温度が前記冷却臨界温度を下回った時には前記連通仕切弁を閉じて前記排水弁を開く制御を行うように設定することを特徴とする。
上記第1の態様に係るシリンダ冷却装置およびシリンダ冷却方法によれば、シリンダライナの低温領域の温度が冷却臨界温度を下回るような場合には、この低温領域の位置に相当する冷却水通路の冷却水が一時的に排出されるため、当該冷却水通路に冷却水を滞留させたままにしておくよりも短い時間で低温領域の温度を冷却臨界温度よりも高めることができる。したがって、簡素な構成により、エンジンの部分負荷運転時にシリンダライナが過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができる。
また、上記第1の態様に係るエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法によれば、シリンダライナの低温領域の位置に相当する冷却水通路を他の冷却水通路から隔絶する連通仕切弁と、この低温領域の位置に相当する冷却水通路に給水された冷却水を排水する排水弁と、上記低温領域の温度を測定する温度測定部と、この温度測定部から入力される温度データに基づいて上記連通仕切弁および上記排水弁を制御する制御部とを追加設置するという簡単な内容により、シリンダライナが過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができる。
本発明の第2の態様に係るエンジンのシリンダ冷却装置は、ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンにおいて、前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、この冷却水通路から隔絶されて前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路から排水された冷却水の一部を前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に分配する分配通路と、前記分配通路の通路開度を変更する分配弁と、前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記分配弁の開弁量を制御する制御部と、を具備してなり、前記制御部は、前記低温領域の温度が、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には前記分配弁を開弁させ、その開弁量を制御することにより、前記低温領域の温度を、前記冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つように制御することを特徴とする。
また、本発明の第2の態様に係るエンジンのシリンダ冷却方法は、ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンにおいて、前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路との間を隔絶するとともに、前記低温領域の温度が冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には、前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路から排水された冷却水の一部を、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に分配し、その分配量を制御することにより、前記低温領域の温度を、前記冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つことを特徴とする。
さらに、本発明の第2の態様に係るエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法は、ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンにおいて、前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路との間を隔絶するとともに、前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路から排水された冷却水の一部を前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に分配する分配通路と、前記分配通路の通路開度を変更する分配弁と、前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記分配弁の開弁量を制御する制御部と、を追加設置し、前記制御部を、前記低温領域の温度が冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には前記分配弁を開弁させ、その開弁量を制御することにより、前記低温領域の温度を、前記冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つ制御を行うように設定することを特徴とする。
上記第2の態様に係るシリンダ冷却装置およびシリンダ冷却方法によれば、シリンダライナの低温領域の温度が冷却臨界温度を下回るような場合には、高温領域の位置に相当する冷却水通路から排水された冷却水の一部が、低温領域の位置に相当する冷却水通路に分配される。このため、低温領域の温度を素早く冷却臨界温度よりも高めることができ、簡素な構成によってエンジンの部分負荷運転時にシリンダライナが過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができる。
また、上記第2の態様に係るエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法によれば、シリンダライナの高温領域の位置に相当する冷却水通路と、低温領域の位置に相当する冷却水通路との間を隔絶するとともに、高温領域の位置に相当する冷却水通路から排水された冷却水の一部を低温領域の位置に相当する冷却水通路に分配する分配通路と、この分配通路の通路開度を変更する分配弁と、低温領域の温度を測定する温度測定部と、この温度測定部から入力される温度データに基づいて分配弁の開弁量を制御する制御部とを追加設置するという簡単な内容により、シリンダライナが過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができる。
本発明の第3の態様に係るエンジンのシリンダ冷却装置は、ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンにおいて、前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、この冷却水通路から隔絶されて前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水される冷却水の流量を調節する流量調節弁と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水される冷却水を加熱する加熱部と、前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記流量調節弁および前記加熱部の少なくとも一方を制御し、前記低温領域の温度を、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つ制御部と、を具備してなることを特徴とする。
また、本発明の第3の態様に係るエンジンのシリンダ冷却方法は、ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンにおいて、前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路との間を隔絶してこれら各冷却水通路に別系統の冷却水を流すようにし、前記低温領域の温度が冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水される前の冷却水を加熱することにより、前記低温領域の温度を、前記冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つことを特徴とする。
さらに、本発明の第3の態様に係るエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法は、ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンにおいて、前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路との間を隔絶し、これら各冷却水通路に別系統の冷却水を流すようにするとともに、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水される冷却水の流量を調節する流量調節弁と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水される前の冷却水を加熱する加熱部と、前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記流量調節弁および前記加熱部を制御する制御部と、を追加設置し、前記制御部を、前記低温領域の温度が冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には、前記流量調節弁および前記加熱部の少なくとも一方を制御し、前記低温領域の温度を、前記冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つ制御を行うように設定することを特徴とする。
上記第3の態様に係るシリンダ冷却装置およびシリンダ冷却方法によれば、シリンダライナの低温領域の温度が冷却臨界温度を下回るような場合には、この低温領域の位置に相当する冷却水通路に給水される前の冷却水が加熱されてから給水される。このため、低温領域の温度を素早く冷却臨界温度よりも高めることができ、簡素な構成によってエンジンの部分負荷運転時にシリンダライナが過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができる。
また、上記第3の態様に係るエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法によれば、高温領域の位置に相当する冷却水通路と、低温領域の位置に相当する冷却水通路との間を隔絶し、これら各冷却水通路に別系統の冷却水を流すようにするとともに、低温領域の位置に相当する冷却水通路に給水される冷却水の流量を調節する流量調節弁と、低温領域の位置に相当する冷却水通路に給水される前の冷却水を加熱する加熱部と、低温領域の温度を測定する温度測定部と、温度測定部から入力される温度データに基づいて流量調節弁および加熱部を制御する制御部と、を追加設置するという簡単な内容により、シリンダライナが過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができる。
さらに、上記構成のエンジンのシリンダ冷却装置において、前記シリンダライナの高温領域の位置に相当する前記冷却水通路に外部から前記冷却水を給水する給水通路に、該給水通路の流量を調整する流量調節弁を設けてもよい。
このような流量調節弁を設ければ、シリンダライナの高温領域の位置に相当する冷却水通路の水温に応じて流量調節弁の開度を調整することにより、シリンダライナの高温領域の温度を素早く調整することができる。
さらに、本発明に係るエンジンは、前記のいずれかのシリンダ冷却装置を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る船舶は、上記のエンジンを搭載することを特徴とする。
上記のエンジンおよび船舶によれば、簡素な構成により、エンジンの部分負荷運転時にシリンダライナが過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができる。
以上のように、本発明に係るエンジンのシリンダ冷却装置、シリンダ冷却方法、シリンダ冷却装置の改造方法、およびシリンダ冷却装置を備えたエンジンならびに船舶によれば、簡素な構成により、エンジンの部分負荷運転時にシリンダライナが過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができる。
以下に、本発明に係るシリンダ冷却装置の複数の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るシリンダ冷却装置を適用可能なエンジンの一例を示す舶用大型ディーゼルエンジンの縦断面図である。この大型ディーゼルエンジン1は、船舶推進用の主機として用いられる公知のユニフロー方式の2ストローク機関であり、下方に位置する台板2の上に架構(本体)3が設けられ、架構3上にシリンダジャケット4が載置されている。これら台板2、架構3、およびシリンダジャケット4は、上下方向に延在する複数のタイボルト5によって一体的に締め付けられて固定されている。
シリンダジャケット4にはシリンダライナ6が鉛直に固定されており、このシリンダライナ6の上端にシリンダカバー7が固定されている。そして、シリンダライナ6の内部にピストン8が摺動自在に挿入され、このピストン8にはピストンロッド9の上端部が回動自在に連結されている。なお、シリンダライナ6の内面(摺動面)とピストン8との間には図示しない潤滑油供給装置から潤滑油が供給されて両部材6,8間の相対摺動による摩耗が防止される。
台板2はクランクケースを構成しており、その内部にクランク軸11が軸支され、クランク軸11のクランクアーム11a先端に、連接棒12の下端が回動可能に接続されている。さらに、架構3には、ピストン棒9の下端と連接棒12の上端とを回動可能に接続するクロスヘッド13が上下摺動自在に設けられている。このクロスヘッド13は、架構3の内部に垂設された一対の摺動レール14の間に保持されて摺動する。
シリンダライナ6の下部には複数の掃気ポート16が円周方向に並んで形成されている。また、これらの掃気ポート16の周囲を取り囲むように、シリンダジャケット4の内部に掃気通路17が画成されている。一方、シリンダカバー7の頂部には排気ポート18およびこれを開閉する排気弁19が設けられている。排気弁19は油圧装置21または図示しないカムシャフト等により開閉駆動され、ピストン8がシリンダライナ6の内部を上昇するタイミングに同期して開弁する。なお、この排気弁19を保持する排気弁箱19aがシリンダカバー7の頂部に設けられている。
この大型ディーゼルエンジン1の複数の気筒の排気ポート18は、それぞれ気筒配列方向に沿って延在する円筒状の排気静圧室22(サージタンク)に接続され、この排気静圧室22にターボチャージャー23(過給機)の排気タービン側流路24が接続される。また、ターボチャージャー23の吸気タービン側流路25が、空気冷却器26と空気導管27と掃気トランク28とを介して掃気通路17に接続されている。
[第1実施形態]
図2は、本発明の第1実施形態を示すシリンダライナ6およびシリンダ冷却装置の拡大縦断面図である。
このシリンダ冷却装置30Aは、シリンダライナ6の内部およびシリンダカバー7の内部に設けられて冷却水が給水される複数の冷却水通路、即ちアッパー冷却水通路31とロアー冷却水通路32とカバー冷却水通路33とを備えている。アッパー冷却水通路31はシリンダライナ6の上端付近から中間部分までを冷却し、ロアー冷却水通路32はアッパー冷却水通路31よりも下方の部分を冷却する。また、カバー冷却水通路33はシリンダカバー7と排気弁箱19aとを冷却する。
図2は、本発明の第1実施形態を示すシリンダライナ6およびシリンダ冷却装置の拡大縦断面図である。
このシリンダ冷却装置30Aは、シリンダライナ6の内部およびシリンダカバー7の内部に設けられて冷却水が給水される複数の冷却水通路、即ちアッパー冷却水通路31とロアー冷却水通路32とカバー冷却水通路33とを備えている。アッパー冷却水通路31はシリンダライナ6の上端付近から中間部分までを冷却し、ロアー冷却水通路32はアッパー冷却水通路31よりも下方の部分を冷却する。また、カバー冷却水通路33はシリンダカバー7と排気弁箱19aとを冷却する。
アッパー冷却水通路31は例えば上下2つの部屋に分割され、外部連通管34を介して連通している。また、ロアー冷却水通路32は外部連通管35を介してアッパー冷却水通路31に連通し、カバー冷却水通路33は外部連通管36を介してアッパー冷却水通路31に連通している。外部連通管35には連通仕切弁37が設けられており、この連通仕切弁37を閉じることにより、ロアー冷却水通路32をアッパー冷却水通路31およびカバー冷却水通路33から隔絶することができる。
アッパー冷却水通路31およびカバー冷却水通路33は、比較的高温な領域、即ちシリンダカバー7の内部の燃焼室7aや排気弁箱19aに近い位置に相当するように設けられ、ロアー冷却水通路32はシリンダライナ6の比較的低温な領域、即ち燃焼室7aから遠い位置に相当するように設けられている。
アッパー冷却水通路31の底部付近には、外部からアッパー給水通路39が接続され、流量調整弁40が設けられている。また、排気弁箱19aの頂部付近にはカバー排水通路41が接続されている。一方、ロアー冷却水通路32の底部付近にはロアー給水通路43が接続され、流量調整弁44が設けられている。さらに、ロアー冷却水通路32の底部付近にはロアー排水通路45が接続され、排水弁46が設けられている。この排水弁46を開くことにより、ロアー冷却水通路32に給水された冷却水を外部に排水することができる。
また、シリンダライナ6の低温領域、即ちロアー冷却水通路32付近の温度を測定する温度測定部48が設けられている。この温度測定部48は制御部50に電気的に接続されて、測定した温度データを制御部50に出力するようになっている。制御部50には、連通仕切弁37と流量調整弁40と流量調整弁44と排水弁46が電気的に接続されている。制御部50は、温度測定部48から入力される温度データに基づいて各弁37,40,44,46を開閉制御する。
以上のように構成されたシリンダ冷却装置30Aは、次のように作動する。
エンジン1の運転に伴い、燃焼室7aにて発生する爆発、燃焼に伴う発熱を冷却するために、アッパー給水通路39とロアー給水通路43に、図示しない冷却水タンクからウォーターポンプ(非図示)で冷却水が適度な圧力(例えば0.2〜0.4MPa程度)で給水される。
エンジン1の運転に伴い、燃焼室7aにて発生する爆発、燃焼に伴う発熱を冷却するために、アッパー給水通路39とロアー給水通路43に、図示しない冷却水タンクからウォーターポンプ(非図示)で冷却水が適度な圧力(例えば0.2〜0.4MPa程度)で給水される。
アッパー給水通路39から給水された冷却水は、アッパー冷却水通路31を冷却した後に外部連通管36を経てカバー冷却水通路33と排気弁箱19aに流れ、これらを冷却した後にカバー排水通路41から排水され、図示しない熱交換器で放熱されてから冷却水タンクに還流する。また、ロアー給水通路43から給水された冷却水は、ロアー冷却水通路32を冷却した後に外部連通管35を経てアッパー冷却水通路31に流れ、アッパー給水通路39から給水された冷却水に合流してカバー冷却水通路33側に流れる。
制御部50は、温度測定部48によって測定されるシリンダライナ6の低温領域(ロアー冷却水通路32付近)の温度に基づいて、表1に示すように、連通仕切弁37と流量調整弁40,44と排水弁46を開閉制御する。
即ち、ロアー冷却水通路32付近の温度が、冷却を要する冷却要求温度(例えば100℃)を超えている時には、連通仕切弁37を開いて排水弁46を閉じ、流量調整弁44を適度な開度で開く。これにより、上記のようにアッパー給水通路39とロアー給水通路43からアッパー冷却水通路31とロアー給水通路43に給水された冷却水が、カバー冷却水通路33と排気弁箱19aを経てカバー排水通路41から排水される。
ここで、流量調整弁40は基本的には閉じられている。しかし、ロアー冷却水通路32の冷却水温が例えば100℃を超えている時には、この高温な冷却水をそのままアッパー冷却水通路31とカバー冷却水通路33に回しても、燃焼室7aや排気弁箱19aを充分に冷却出来ない虞がある。そこで、このような場合には流量調整弁40を適度に開くことにより、アッパー給水通路39から低温な冷却水をアッパー冷却水通路31に直接供給し、アッパー冷却水通路31とカバー冷却水通路33を流れる冷却水の温度を下げるように調整することができる。
また、ロアー冷却水通路32付近の温度が、冷却要求温度である100℃と、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度(例えば80℃)との間にある時には、連通仕切弁37を閉じ、流量調整弁40を適度な開度で開き、流量調整弁44と排水弁46を閉じる。これにより、ロアー冷却水通路32の内部の冷却水がどこにも流れることができなくなって滞留(停滞)するため、低温領域の温度がそれ以上低くなることが防止される。この時、アッパー冷却水通路31にはアッパー給水通路39から適量の冷却水が給水され続けている。
さらに、エンジン1の運転中にロアー冷却水通路32付近の温度が冷却臨界温度である80℃を下回った場合、あるいは下回ると予想されるような場合には、連通仕切弁37を閉じ、流量調整弁40を適度な開度で開き、流量調整弁44を閉じるとともに排水弁46を開く。これにより、ロアー冷却水通路32内の冷却水がロアー排水通路45から一時的に排水される。これにより、ロアー冷却水通路32に冷却水を滞留させたままにしておくよりも短い時間で素早く低温領域の温度を冷却臨界温度(80℃)よりも高めることができる。
そして、ロアー冷却水通路32付近の温度が冷却臨界温度(80℃)を上回った時には、排水弁46を閉じて流量調整弁44を開き、ロアー冷却水通路32に冷却水を再び給水する。そしてさらに温度が上昇したら、連通仕切弁37を開いてロアー冷却水通路32内の冷却水をアッパー冷却水通路31側に流す。
以上のように、シリンダライナ6の低温領域の温度が冷却臨界温度(80℃)を下回るような場合に、この低温領域の位置に相当するロアー冷却水通路32の冷却水のみを一時的に排出することにより、非常に簡素な構成によってエンジン1の部分負荷運転時にシリンダライナ6が過冷却されることを防止することができる。そして、ディーゼル燃料中のサルファ分(硫黄分)が水分と結合して硫酸が生成されることを防止し、シリンダライナ6やピストン8の低温腐食を効果的に抑止することができる。
特にこのエンジン1のように、ひとたび低温領域の温度が下がると、再び温度が上昇するまでに時間が掛かる大型の舶用ディーゼル機関においては、上記のようにロアー冷却水通路32の冷却水を一時的に排水する冷却方法を採用することにより、下がり過ぎた温度を素早く適温まで上昇させることができ、シリンダライナ6やピストン8の低温腐食を防止するとともに、エンジン1の熱効率が低下することを防ぐことができる。
ところで、このシリンダ冷却装置30Aを既存の舶用大型ディーゼルエンジン等に設置する改造を施す場合には、まずシリンダライナの低温領域の位置に相当する冷却水通路(本実施形態ではロアー冷却水通路32)を他の冷却水通路から隔絶する連通仕切弁37を設ける。既にこのような連通仕切弁が設けられている場合には、それを電気制御式のものに交換する。
また、低温領域の位置に相当する冷却水通路に給水された冷却水を排水する排水弁46と、上記低温領域の温度を測定する温度測定部48とを追加設置する。排水弁に相当する弁が既に設けられている場合は、これを電気制御式のものに交換する。
そして、温度測定部48から入力される温度データに基づいて連通仕切弁37および排水弁46を制御する制御部50を追加設置すればよい。
このため、既存のエンジンについても簡単な改造シリンダライナが過冷却されることを確実に防止し、シリンダライナやピストンの低温腐食を抑止することができる。
また、低温領域の位置に相当する冷却水通路に給水された冷却水を排水する排水弁46と、上記低温領域の温度を測定する温度測定部48とを追加設置する。排水弁に相当する弁が既に設けられている場合は、これを電気制御式のものに交換する。
そして、温度測定部48から入力される温度データに基づいて連通仕切弁37および排水弁46を制御する制御部50を追加設置すればよい。
このため、既存のエンジンについても簡単な改造シリンダライナが過冷却されることを確実に防止し、シリンダライナやピストンの低温腐食を抑止することができる。
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態を示すシリンダライナ6およびシリンダ冷却装置の拡大縦断面図である。このシリンダ冷却装置30Bにおいて、図2に示す第1実施形態のシリンダ冷却装置30Aと同一の符合を付してある部分は同じ構成であるため、説明を省略する。
図3は、本発明の第2実施形態を示すシリンダライナ6およびシリンダ冷却装置の拡大縦断面図である。このシリンダ冷却装置30Bにおいて、図2に示す第1実施形態のシリンダ冷却装置30Aと同一の符合を付してある部分は同じ構成であるため、説明を省略する。
このシリンダ冷却装置30Bにおいては、シリンダライナ6の高温領域に相当する冷却水通路であるアッパー冷却水通路31およびカバー冷却水通路33と、シリンダライナ6の低温領域に相当する冷却水通路であるロアー冷却水通路32とは隔絶されている。または、図2に示す外部連通管35および連通仕切弁37が配設されていても、連通仕切弁37は閉じられた状態に保たれる。
第1実施形態のシリンダ冷却装置30Aと同じく、アッパー給水通路39から給水された冷却水は、アッパー冷却水通路31を冷却した後に外部連通管36を経てカバー冷却水通路33と排気弁箱19aに流れ、これらを冷却した後にカバー排水通路41から排水される。
一方、ロアー給水通路43からロアー冷却水通路32に給水された冷却水は、ロアー冷却水通路32の頂部付近に設けられたロアー排水通路54から排水され、図示しない熱交換器で放熱されてから冷却水タンクに還流する。なお、図2に示すロアー排水通路45と排水弁46とが設けられていてもよいが、運転中に排水弁46が開かれることはない。
さらに、ロアー給水通路43とカバー排水通路41との間を接続する分配通路56が配設され、その中間部に分配弁57が設けられている。分配通路56は、カバー排水通路41(排気弁箱19a)から排水された高温な冷却水の一部をロアー冷却水通路32に分配する通路であり、分配弁57は分配通路56の通路開度を変更して高温な冷却水の分配量を調整する弁である。この分配弁57は、流量調整弁40,44および温度測定部48とともに制御部50に電気的に接続されている。制御部50は、温度測定部48から入力される温度データに基づいて各弁40,44,57を開閉制御する。
以上のように構成されたシリンダ冷却装置30Bにおいて、エンジン1の運転中にロアー冷却水通路32付近の温度が冷却臨界温度である80℃を下回った場合、あるいは下回ると予想されるような場合には、制御部50が分配弁57を開弁させ、その開弁量を制御することにより、カバー排水通路41(排気弁箱19a)から排水された高温な冷却水を一部ロアー冷却水通路32に分配し、ロアー冷却水通路32付近の温度が冷却臨界温度(80℃)と、冷却を要する冷却要求温度(例えば100℃)との間に保たれるようにする。
このような制御を行うことにより、シリンダライナ6の低温領域(特にロアー冷却水通路32付近)の温度を素早く冷却臨界温度よりも高めることができ、簡素な構成によってエンジン1の部分負荷運転時にシリンダライナ6が過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができる。
なお、カバー排水通路41から排水される冷却水の温度が充分に高くない場合には、流量調整弁40の開度を絞ることにより、アッパー給水通路39からアッパー冷却水通路31およびカバー冷却水通路33に供給される冷却水の流量を制限し、カバー排水通路41から排水される冷却水の温度を高めることができる。これにより、高温な冷却水が分配通路56を経てロアー給水通路43に分配されるため、シリンダライナ6の低温領域を素早く温度上昇させることができる。
ところで、このシリンダ冷却装置30Bを既存の舶用大型ディーゼルエンジン等に設置する改造を施す場合には、まずシリンダライナの高温領域の位置に相当する冷却水通路(本実施形態ではアッパー冷却水通路31とカバー冷却水通路33)と、低温領域の位置に相当する冷却水通路(ロアー冷却水通路32)との間を隔絶する。
そして、高温領域の位置に相当する冷却水通路から排水された冷却水の一部を低温領域の位置に相当する冷却水通路に分配する分配通路56と、この分配通路56の通路開度を変更する分配弁57と、低温領域の温度を測定する温度測定部48とを追加設置する。
さらに、温度測定部48から入力される温度データに基づいて分配弁57の開弁量を制御する制御部50を設置すればよい。
このため、既存のエンジンについても簡単な改造シリンダライナが過冷却されることを確実に防止し、シリンダライナやピストンの低温腐食を抑止することができる。
そして、高温領域の位置に相当する冷却水通路から排水された冷却水の一部を低温領域の位置に相当する冷却水通路に分配する分配通路56と、この分配通路56の通路開度を変更する分配弁57と、低温領域の温度を測定する温度測定部48とを追加設置する。
さらに、温度測定部48から入力される温度データに基づいて分配弁57の開弁量を制御する制御部50を設置すればよい。
このため、既存のエンジンについても簡単な改造シリンダライナが過冷却されることを確実に防止し、シリンダライナやピストンの低温腐食を抑止することができる。
[第3実施形態]
図4は、本発明の第3実施形態を示すシリンダライナ6およびシリンダ冷却装置の拡大縦断面図である。このシリンダ冷却装置30Cにおいて、図2に示す第1実施形態のシリンダ冷却装置30Aと同一の符合を付してある部分は同じ構成であるため、説明を省略する。
図4は、本発明の第3実施形態を示すシリンダライナ6およびシリンダ冷却装置の拡大縦断面図である。このシリンダ冷却装置30Cにおいて、図2に示す第1実施形態のシリンダ冷却装置30Aと同一の符合を付してある部分は同じ構成であるため、説明を省略する。
このシリンダ冷却装置30Cにおいては、シリンダライナ6の高温領域に相当する冷却水通路であるカバー冷却水通路33と、シリンダライナ6の低温領域に相当する冷却水通路であるアッパー冷却水通路31およびロアー冷却水通路32とが隔絶されており、これらの冷却水通路33と、31,32とに別系統の冷却水が流されるようになっている。このため、カバー冷却水通路33の底部付近から冷却水を給水するための専用のカバー給水通路61と、アッパー冷却水通路31の頂部付近から冷却水を排水するための専用のアッパー排水通路62とが設けられている。アッパー冷却水通路31とロアー冷却水通路32との間は、第1実施形態のシリンダ冷却装置30Aと同じく外部連通管35を介して連通している。
さらに、ロアー冷却水通路32の底部付近から冷却水を給水するロアー給水通路43に加熱部64が接続されている。第1、第2実施形態と同じく、アッパー給水通路39には流量調整弁40が設けられ、ロアー給水通路43には流量調整弁44が設けられている。加熱部64は、冷却水を専用に加熱するヒーターでもよいし、他の部署からの廃熱と熱交換する熱交換器であってもよい。加熱部64は、流量調整弁40,44および温度測定部48とともに制御部50に電気的に接続されている。
以上のように構成されたシリンダ冷却装置30Cにおいて、エンジン1が部分負荷運転を行なうことによってロアー冷却水通路32付近の温度が冷却臨界温度である80℃を下回った場合、あるいは下回ると予想されるような場合には、制御部50が温度測定部48から入力される温度データに基づいて加熱部64の熱量と流量調整弁40,44の開度を制御し、ロアー冷却水通路32付近の温度を冷却臨界温度(80℃)と冷却を要する冷却要求温度(例えば100℃)との間に保つ。
このような制御を行うことにより、シリンダライナ6の低温領域(特にロアー冷却水通路32付近)の温度を素早く冷却臨界温度よりも高めることができ、簡素な構成によってエンジン1の部分負荷運転時にシリンダライナ6が過冷却されることを確実に防止して低温腐食を抑止することができる。なお、ロアー給水通路43に設けた加熱部64と同様な加熱部をアッパー給水通路39にも設けることができる。これにより、シリンダライナ6の上部の温度が低い時においても、その温度を素早く高めることができる。
なお、アッパー冷却水通路31の冷却水温度が充分に高くない場合には、流量調整弁40の開度を絞ることにより、アッパー給水通路39からアッパー冷却水通路31に供給される冷却水の流量を制限し、アッパー冷却水通路31の水温を高めることができる。
このシリンダ冷却装置30Cを既存の舶用大型ディーゼルエンジン等に設置する改造を施す場合には、まずシリンダライナの高温領域の位置に相当する冷却水通路(本実施形態ではカバー冷却水通路33)と、低温領域の位置に相当する冷却水通路(アッパー冷却水通路31およびロアー冷却水通路32)との間を隔絶する。
そして、これら各冷却水通路に別系統の冷却水を流すようにするとともに、低温領域の位置に相当する冷却水通路(31,32)に給水される冷却水の流量を調節する流量調節弁40,44を設ける。
また、低温領域の位置に相当する冷却水通路(31,32)に給水される前の冷却水を加熱する加熱部64と、低温領域の温度を測定する温度測定部48とを設ける。
さらに、温度測定部48から入力される温度データに基づいて流量調節弁40,44および加熱部64を制御する制御部50を設置する。
これらの改造は簡単な内容であるため、簡素で安価な構成により、シリンダライナが過冷却されることを確実に防止してシリンダライナやピストンの低温腐食を抑止することができる。
そして、これら各冷却水通路に別系統の冷却水を流すようにするとともに、低温領域の位置に相当する冷却水通路(31,32)に給水される冷却水の流量を調節する流量調節弁40,44を設ける。
また、低温領域の位置に相当する冷却水通路(31,32)に給水される前の冷却水を加熱する加熱部64と、低温領域の温度を測定する温度測定部48とを設ける。
さらに、温度測定部48から入力される温度データに基づいて流量調節弁40,44および加熱部64を制御する制御部50を設置する。
これらの改造は簡単な内容であるため、簡素で安価な構成により、シリンダライナが過冷却されることを確実に防止してシリンダライナやピストンの低温腐食を抑止することができる。
また、第1〜第3実施形態の冷却装置30A,30B,30Cを備えたエンジン1および、このエンジン1を搭載した船舶によれば、簡素な構成により、エンジンの部分負荷運転時にシリンダライナが過冷却されることを防止して低温腐食を確実に抑止することができる。
なお、本発明は、上記の第1〜第3実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
例えば第1〜第3実施形態の構成を混成させた冷却装置とし、エンジンの運転状況に応じて最も適した構成を選択するようにしてもよい。
例えば第1〜第3実施形態の構成を混成させた冷却装置とし、エンジンの運転状況に応じて最も適した構成を選択するようにしてもよい。
1 エンジン
6 シリンダライナ
7 シリンダカバー
8 ピストン
30A,30B,30C シリンダ冷却装置
31 アッパー冷却水通路(冷却水通路)
32 ロアー冷却水通路(冷却水通路)
33 カバー冷却水通路(冷却水通路)
37 連通仕切弁
39 アッパー給水通路
40,44 流量調節弁
43 ロアー給水通路
45 ロアー排水通路
46 排水弁
48 温度測定部
50 制御部
56 分配通路
57 分配弁
64 加熱部
6 シリンダライナ
7 シリンダカバー
8 ピストン
30A,30B,30C シリンダ冷却装置
31 アッパー冷却水通路(冷却水通路)
32 ロアー冷却水通路(冷却水通路)
33 カバー冷却水通路(冷却水通路)
37 連通仕切弁
39 アッパー給水通路
40,44 流量調節弁
43 ロアー給水通路
45 ロアー排水通路
46 排水弁
48 温度測定部
50 制御部
56 分配通路
57 分配弁
64 加熱部
Claims (12)
- ピストンが摺動するシリンダライナの各部に、冷却水が給水される複数の冷却水通路が設けられたエンジンのシリンダ冷却装置であって、
前記シリンダライナの低温領域の位置に相当する前記冷却水通路を、他の冷却水通路から隔絶する連通仕切弁と、
前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水された冷却水を排水する排水弁と、
前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記連通仕切弁および前記排水弁を開閉制御する制御部と、を具備してなり、
前記制御部は、
前記低温領域の温度が、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には、前記連通仕切弁を閉じて前記排水弁を開くことにより、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路の冷却水のみを一時的に排出し、
前記低温領域の温度が前記冷却臨界温度を上回った時には前記連通仕切弁を開いて前記排水弁を閉じ、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に冷却水を再給水することを特徴とするエンジンのシリンダ冷却装置。 - ピストンが摺動するシリンダライナの各部に、冷却水が給水される複数の冷却水通路が設けられたエンジンのシリンダ冷却方法であって、
前記シリンダライナの低温領域の温度が、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には、この低温領域の位置に相当する前記冷却水通路の冷却水のみを一時的に排出し、
前記低温領域の温度が前記冷却臨界温度を上回った時には前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に冷却水を再給水することを特徴とするエンジンのシリンダ冷却方法。 - ピストンが摺動するシリンダライナの各部に、冷却水が給水される複数の冷却水通路が設けられたエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法であって、
前記シリンダライナの低温領域の位置に相当する前記冷却水通路を、他の冷却水通路から隔絶する連通仕切弁と、
前記シリンダライナの低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水された冷却水を排水する排水弁と、
前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記連通仕切弁および前記排水弁を開閉制御する制御部と、を追加設置し、
前記制御部を、
前記低温領域の温度が冷却を要する冷却要求温度を上回っている時には前記連通仕切弁を開いて前記排水弁を閉じ、
前記低温領域の温度が前記冷却要求温度と冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度との間にある時には前記連通仕切弁と前記排水弁を閉じ、
前記低温領域の温度が前記冷却臨界温度を下回った時には前記連通仕切弁を閉じて前記排水弁を開く制御を行うように設定することを特徴とするエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法。 - ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンのシリンダ冷却装置であって、
前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、
前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路から隔絶されて前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、
前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路から排水された冷却水の一部を前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に分配する分配通路と、
前記分配通路の通路開度を変更する分配弁と、
前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記分配弁の開弁量を制御する制御部と、を具備してなり、
前記制御部は、前記低温領域の温度が、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には前記分配弁を開弁させ、その開弁量を制御することにより、前記低温領域の温度を、前記冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つように制御することを特徴とするエンジンのシリンダ冷却装置。 - ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンのシリンダ冷却方法であって、
前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路との間を隔絶するとともに、
前記低温領域の温度が冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には、前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路から排水された冷却水の一部を、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に分配し、その分配量を制御することにより、前記低温領域の温度を、前記冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つことを特徴とするエンジンのシリンダ冷却方法。 - ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法であって、
前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路との間を隔絶するとともに、
前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路から排水された冷却水の一部を前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に分配する分配通路と、
前記分配通路の通路開度を変更する分配弁と、
前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記分配弁の開弁量を制御する制御部と、を追加設置し、
前記制御部を、前記低温領域の温度が冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には前記分配弁を開弁させ、その開弁量を制御することにより、前記低温領域の温度を、前記冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つ制御を行うように設定することを特徴とするエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法。 - ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンのシリンダ冷却装置であって、
前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、
前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路から隔絶されて前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、
前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水される冷却水の流量を調節する流量調節弁と、
前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水される冷却水を加熱する加熱部と、
前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記流量調節弁および前記加熱部の少なくとも一方を制御し、前記低温領域の温度を、冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つ制御部と、を具備してなることを特徴とするエンジンのシリンダ冷却装置。 - ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンのシリンダ冷却方法であって、
前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路との間を隔絶してこれら各冷却水通路に別系統の冷却水を流すようにし、
前記低温領域の温度が冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水される前の冷却水を加熱することにより、前記低温領域の温度を、前記冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つことを特徴とするエンジンのシリンダ冷却方法。 - ピストンが摺動するシリンダライナの高温領域と低温領域とに、それぞれ冷却水通路が設けられたエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法であって、
前記高温領域の位置に相当する前記冷却水通路と、前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路との間を隔絶し、これら各冷却水通路に別系統の冷却水を流すようにするとともに、
前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水される冷却水の流量を調節する流量調節弁と、
前記低温領域の位置に相当する前記冷却水通路に給水される前の冷却水を加熱する加熱部と、
前記低温領域の温度を測定する温度測定部と、
前記温度測定部から入力される温度データに基づいて前記流量調節弁および前記加熱部を制御する制御部と、を追加設置し、
前記制御部を、
前記低温領域の温度が冷却の要否の臨界点である冷却臨界温度を下回るような場合には、前記流量調節弁および前記加熱部の少なくとも一方を制御し、前記低温領域の温度を、前記冷却臨界温度と、冷却を要する冷却要求温度との間に保つ制御を行うように設定することを特徴とするエンジンのシリンダ冷却装置の改造方法。 - 前記シリンダライナの高温領域の位置に相当する前記冷却水通路に外部から前記冷却水を給水する給水通路に、該給水通路の流量を調整する流量調節弁を設けたことを特徴とする請求項1,4,7のいずれか1項に記載のエンジンのシリンダ冷却装置。
- 請求項1,4,7,10のいずれか1項に記載のエンジンのシリンダ冷却装置を備えたことを特徴とするエンジン。
- 請求項11に記載のエンジンを搭載することを特徴とする船舶。
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JP2014003452A JP2015132191A (ja) | 2014-01-10 | 2014-01-10 | エンジンのシリンダ冷却装置、シリンダ冷却方法、シリンダ冷却装置の改造方法、およびシリンダ冷却装置を備えたエンジンならびに船舶 |
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