JP2015131474A - 木質積層板及び木質圧密積層板 - Google Patents

木質積層板及び木質圧密積層板 Download PDF

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Abstract

【課題】これまで利用されることなく放置されていたオイルパームの幹材を本来の木質材料として有効に利用して、新たな産業廃棄物を生み出すことがなく、且つ、実用的な物性を有し、ホルムアルデヒドなどの発散がない木質積層板を提供する。また、輸送コストを抑えることのできる中間材料としての木質積層板及びこれを圧密化した木質圧密積層板を提供する。
【解決手段】2枚以上の木質単板を積層して積層体を構成し、当該積層体を昇温して熱処理すると共に、木質単板の境界面に垂直な方向から押圧処理することにより境界面が接合される。このとき、境界面を形成する少なくとも一方の木質単板がオイルパーム材からなり、当該境界面の接合には、木質単板以外の接合材料を付加することなく、オイルパーム材が内部に含有する樹脂成分及び/又は糖類の接合能力のみによって接合される。
【選択図】図3

Description

本発明は、オイルパーム単板のみを積層接合してなる木質積層板、オイルパーム単板と他の樹種からなる単板とを積層接合してなる木質積層板、及び、これらの木質積層板を更に圧密化してなる木質圧密積層板に関するものである。
日本農林規格(JAS)によれば、単板積層材とは、原木をロータリーレース、スライサーその他の切削機械により切削した単板を主としてその繊維方向を互いにほぼ平行にして積層し、これらの間に接着剤を塗布して接合して1枚の板材のようにしたものである。一方、合板とは、原木をロータリーレース、スライサーその他の切削機械により切削した単板3枚以上を主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層し、これらの間に接着剤を塗布して接合して1枚の板材のようにしたものである。
これらの単板積層材や合板は、住宅などの構造用に用いられる構造材、コンクリートの型枠に用いられるコンクリート型枠材(コンパネ)、貨物の搬送用のコンテナ用材や梱包材、或いは建築内装材や家具など、更には化粧合板の基板などの用途にも広く使用されている。
特に、日本のような高温・多湿の環境にも順応する木材の優れた特性を備え、更に、木材の持つ幾つかの欠点を製造技術で補整し、木材より強く、幅広で、しかも伸び縮みの少ない優れた材料として、単板積層材や合板の利用価値は高い。また、木材の単材(製材)としては用途の限られる樹種を使用することができるので、資源の有効利用にも寄与している。これらの単板積層材や合板には、一般に海外で大規模に栽培され大量に入手できる、ラワンやメランチなどの広葉樹、カラマツ、ラジアータパインなどの針葉樹が使用されている。
一方、オイルパーム(アブラヤシ)も商業作物としてマレーシア、インドネシアを中心に大規模に栽培されている。このオイルパームの栽培は、油脂の採取を目的としており、果肉と種子だけが利用されている。また、オイルパームは、植え付け後25〜30年で果実の収穫量が減少して経済寿命を終え、約25年毎に再植林されている。
この再植林の際に生じる大量のオイルパームの幹材は、木材用途としては狂いが大きく製材化には適さないとされている。そこで、伐採されたオイルパームの幹材は、有効に利用されることなく、産業廃棄物として廃棄処分或いは農場に放置されているのが現状である。
そこで、このオイルパームの幹材を資源として有効に利用すべく、種々の試みがなされている。近年においては、バイオマス資源としてカーボンニュートラルな燃料の原料として検討されている。例えば、下記特許文献1において、「バイオエタノールの原料としてのオイルパーム材の利用」が提案されている。
伐採したオイルパームの幹材には、他の樹種と異なり、セルロース、ヘミセルロース以外に多くの遊離糖が含有されている。これらの遊離糖は、主にショ糖、グルコース、フルクトースなどからなり幹材の約10%も含有される。更に、オイルパームの幹材は、デンプンを約25%も含有すると言われている(下記非特許文献1)。
そこで、下記特許文献1においては、オイルパームの幹材を圧搾して遊離糖を含む圧搾液と絞り粕(圧搾粕)とに分離する。更に、この圧搾粕を酵素処理(アミラーゼ処理)して単糖を含む処理液とし、この処理液と圧搾液とを混合したものを発酵処理してエタノールを得るというものである。
また、下記特許文献2においては、オイルパームの幹材を分解するのではなく、これを原料とする「吸水性素材」が提案されている。この吸水性素材は、オイルパームの幹材から得られる柔組織(デンプンなどを貯蔵する「柔細胞」と思われる)を主成分とする高吸水性素材である。
更に、下記特許文献3においては、オイルパームの幹材を本来の木質材料として使用する「合板、パーム合板、合板製造方法、およびパーム合板製造方法」が提案されている。このパーム合板は、オイルパームの幹材から得られた単板を接着剤で接合したものであり、上述した一般の合板の製造法において、オイルパームの幹材を切削した単板を複数枚積層し、これらの間に接着剤を塗布して接合し、1枚の板材(合板)としたものである。
特開2009−112246号公報 特開2011−224479号公報 特開2011−068015号公報
松田敏誉,富村洋一;熱帯林業,No.24(1992)37−46
ところで、上記特許文献1のバイオエタノールの原料としての利用は、カーボンニュートラルな燃料の製造として素晴らしいものであるが、オイルパームの幹材を圧搾し、酵素処理し、更に発酵処理する必要があり、複雑な工程と大掛かりな設備を必要とする。
また、上記特許文献2の吸水性素材は、産業資材としての利用であるが、圧搾、固形残渣の乾燥、粉砕、篩分による柔組織と維管束との分離などの複雑な工程が必要である。また、吸水性素材となる柔組織は、圧搾による固形残渣の約50〜60%であり、圧搾液や不必要な固形分である維管束の処分など、新たな産業廃棄物を生み出すことになる。
これらに対して、上記特許文献3のパーム合板としての利用は、オイルパームの幹材を切削、乾燥して得られた単板をそのまま利用することができる。従って、オイルパームの幹材の殆どの部分を利用することができるので、新たな産業廃棄物を生み出すこともない。
しかし、パーム合板に限らず、従来の単板積層材や合板においても、単板を接合する接着剤の問題が、近年大きくクローズアップされている。これは、合板の接着材として広く使用される尿素樹脂、メラミン樹脂或いはフェノール樹脂などのホルマリン縮合型樹脂が経年劣化により、徐々に分解してホルムアルデヒド(ホルマリン)を発散するというものである。
現在では、接着剤の製造に使用するホルムアルデヒドの量を抑え、また、単板積層材や合板の接着剤から発生するホルムアルデヒドを吸収・分解するキャッチャー剤を配合するなどの対策がなされている。しかし、それでも過敏な小児においてシックハウス症候群やアトピー性皮膚炎などの原因になることが報告されている。
また、オイルパームの幹材から得られる単板は、単板積層材や合板に従来使用されているラワンなどの単板と異なり密度が低く強度が弱いという特徴がある。この強度の点に関しては、ある程度の物性を有していれば、高い強度を要求されない用途において実用的に使用することができる。しかし、この用途においても、単板の密度が低いことから単板同士を接合する際に単板の内部に接着剤が多量に浸透し、接着剤の使用量が多くコストが高くなるという問題がある。また、多量の接着剤を使用するので接合後に発生するホルムアルデヒドの量も多くなるという問題がある。
一方、高い強度を要求される用途においては、単板積層材や合板として積層接合する場合に圧密化して密度を高くすることが考えられる。しかし、オイルパームを商業作物として栽培する大規模な栽培地と、単板積層材や合板を製造する工業地との距離が遠く離れている場合には、オイルパーム単板の密度が小さく容積が大きいことから輸送コストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、これまで利用されることなく放置されていたオイルパームの幹材を本来の木質材料として有効に利用して、新たな産業廃棄物を生み出すことがなく、且つ、実用的な物性を有し、ホルムアルデヒドなどの発散がない木質積層板を提供することを目的とする。また、オイルパーム材を圧密化して物性に優れた木質圧密積層板とする際に、輸送コストを抑えることのできる中間材料としての木質積層板及びこれを圧密化した木質圧密積層板を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、オイルパームの幹材から形成した単板を積層し、所定の温度と圧力を掛けることにより、接着剤を使用することなくオイルパーム単板どうしが自然に接合して木質積層板が形成されることを見出し本発明の完成に至った。また、本発明者らは、オイルパーム単板は、他の樹種からなる単板とも接着剤を使用することなく自然に接合して木質積層板が形成されることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明に係る木質積層板は、請求項1の記載によると、
2枚以上の木質単板を積層して積層体を構成し、当該積層体の境界面を形成する少なくとも一方の木質単板がオイルパーム材からなり、
前記積層体を所定温度に昇温して熱処理すると共に、前記積層体に対して各木質単板の境界面に垂直な方向から所定の圧力をかけて押圧処理することにより前記境界面が接合され、
前記境界面の接合には、前記木質単板以外の接合材料を付加することなく、前記オイルパーム材が内部に含有する接合成分のみによって接合されてなる。
また、本発明は、請求項2の記載によると、請求項1に記載の木質積層板であって、
オイルパーム材以外の樹種からなる2枚以上の木質単板(AW)の間に、それぞれ、オイルパーム材からなる木質単板(W)を積層することを特徴とする。
また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載の木質積層板であって、
前記オイルパーム材からなる木質単板(W)は、オイルパームの幹材をロータリーレース又はスライサーなどの切削手段により切削した木質単板であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項4の記載によると、請求項1〜3のいずれか1つに記載の木質積層板であって、
前記熱処理は、100℃〜180℃の温度で1分〜60分の乾熱処理であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項5の記載によると、請求項1〜4のいずれか1つに記載の木質積層板であって、
合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「2類浸せきはく離試験」に準拠して測定することにより、
試験片の側面に現れている接合部分において、はく離していない部分の長さが、当該接合部分の長さの67%以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る木質圧密積層板は、請求項6の記載によると、
2枚以上の木質単板を積層して積層体を構成し、当該積層体の境界面を形成する少なくとも一方の木質単板がオイルパーム材からなり、前記積層体を所定温度に昇温して第1熱処理すると共に、前記積層体に対して各木質単板の境界面に垂直な方向から所定の圧力をかけて第1押圧処理することにより、前記境界面が接合されてなる木質積層板を作成し、
当該木質積層板を前記第1熱処理の温度よりも高温に昇温して第2熱処理すると共に、前記木質積層板に対して各木質単板の境界面に垂直な方向から前記第1押圧処理よりも高い圧力をかけて第2押圧処理することにより圧密化され、
前記木質単板の接合には、前記木質単板以外の接合材料を付加することなく、前記オイルパーム材が内部に含有する接合成分のみによって接合されてなる。
また、本発明は、請求項7の記載によると、請求項6に記載の木質圧密積層板であって、
前記木質積層板を圧密化した後の気乾密度の値が0.5(g/cm3)以上であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項8の記載によると、請求項6又は7に記載の木質圧密積層板であって、
前記オイルパーム材からなる木質単板は、オイルパームの幹材をロータリーレース又はスライサーなどの切削手段により切削した木質単板であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項9の記載によると、請求項6〜8のいずれか1つに記載の木質圧密積層板であって、
前記第1熱処理は乾熱処理であって、前記第2熱処理は湿熱処理あることを特徴とする。
上記請求項1の構成によれば、まず、2枚以上の木質単板を積層して積層体を構成する。ここで、各木質単板の境界面を形成する少なくとも一方の木質単板がオイルパーム材からなる。なお、積層する各木質単板の繊維方向は並行であってもよく、或いは直角であってもよい。また、任意の角度で積層するようにしてもよい。次に、この積層体を所定温度に昇温して熱処理すると共に、この積層体に対して各木質単板の境界面に垂直な方向から所定の圧力をかけて押圧処理する。このことにより、各木質単板の境界面が接合して木質積層板を得ることができる。
このように、上記請求項1の構成によれば、これまで利用されることなく放置されていたオイルパームの幹材を本来の木質材料として有効に利用することができる。更に、オイルパームの幹材の殆どの部分をそのまま利用することができるので、中間工程における新たな産業廃棄物を生み出すことがない。
また、上記請求項1の構成によれば、各木質単板の境界面にオイルパーム単板以外の接合成分を付加することがない。即ち、各木質単板どうしの接合に従来のように接着剤などの接合成分を付加することなく、オイルパーム材が内部に含有する接合成分のみによって、各木質単板どうしが接合(自己接着)して、実用的な物性を有する木質積層板となる。このことにより、従来の合板で問題となる接着剤からのホルムアルデヒドの発散がなく、且つ、天然素材そのものからなり、他の合成成分を付加することのない木質積層板を得ることができる。
なお、この木質積層板を使用し、更に熱処理及び圧力をかけて圧密化することにより、木質積層板の密度を大きくして表面硬度や摩耗強度に優れた木質圧密積層板とすることができる。このとき、圧密化前の木質積層板を中間材として輸送することにより、オイルパーム単板をそのまま輸送することに比べ、輸送容積を小さくして輸送コストを抑えることができる。
また、上記請求項2の構成によれば、オイルパーム材以外の樹種からなる2枚以上の木質単板の間に、それぞれ、オイルパーム材からなる木質単板を積層するようにしてもよい。この場合においても、各木質単板の境界面には必ずオイルパーム単板が存在することとなり、各木質単板どうしの接合に従来のように接着剤などの接合成分を付加することなく、オイルパーム材が内部に含有する樹脂成分及び/又は糖類の接合能力のみによって、各木質単板どうしが接合(自己接着)した木質積層板を得ることができる。
また、上記請求項3の構成によれば、オイルパーム材からなる木質単板は、オイルパームの幹材をロータリーレース又はスライサーなどの切削手段により切削した木質単板であってもよい。このように、ロータリーレース又はスライサーなどの切削手段により単板を形成することにより、所定の厚さの単板を安定して大量に形成することができる。また、オイルパームの幹材を辺材から芯材まで完全に利用することができる。
また、上記請求項4の構成によれば、積層体を所定温度に昇温して熱処理する際に、100℃〜180℃の温度で1分〜60分の乾熱処理をするようにしてもよい。このように、熱処理を乾熱処理とすることにより、スチーム処理など特殊な装置を使用する湿熱処理を必要とせず、従来から接着剤の硬化に使用している一般の合板用熱処理装置をそのまま使用することができる。
また、上記請求項5の構成によれば、合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する2類浸せきはく離試験に準拠した測定において、木質積層板の試験片の側面に現れている接合部分において、はく離していない部分の長さが、当該接合部分の長さの67%以上であることが好ましい。試験片の接合部分のうち、はく離していない部分の長さが67%以上であることにより、接着剤などを使用していないにも拘らず接合部分の接合強度に優れ広い用途に使用することができる。よって、上記各作用効果に加え、接合部分の接合強度に優れた木質積層板を得ることができる。
また、上記請求項6の構成によれば、まず、2枚以上の木質単板を積層して積層体を構成する。ここで、各木質単板の境界面を形成する少なくとも一方の木質単板がオイルパーム材からなる。次に、この積層体を所定温度に昇温して第1熱処理すると共に、積層体に対して各木質単板の境界面に垂直な方向から所定の圧力をかけて第1押圧処理する。このことにより、各木質単板の境界面が接合して木質積層板を得る。この木質積層板は、押圧処理により輸送容積が小さく、且つ、接合により取り扱いが容易となり、木質圧密積層板の中間材として使用した際に輸送コストを抑えることができる。
更に、上記請求項6の構成によれば、この木質積層板を中間材として使用し、第1熱処理の温度よりも高温に昇温して第2熱処理すると共に、木質積層板に対して各木質単板の境界面に垂直な方向から第1押圧処理よりも高い圧力をかけて第2押圧処理する。このことにより、木質積層板が圧密化され、密度が大きく、表面硬度や摩耗強度に優れた木質圧密積層板を得ることができる。
このように、上記請求項6の構成によれば、これまで利用されることなく放置されていたオイルパームの幹材を本来の木質材料として有効に利用することができる。更に、オイルパームの幹材の殆どの部分をそのまま利用することができるので、中間工程における新たな産業廃棄物を生み出すことがない。
また、上記請求項6の構成によれば、各木質単板の境界面にオイルパーム単板以外の接合成分を付加することがない。即ち、各木質単板どうしの接合に従来のように接着剤などの接合成分を付加することなく、オイルパーム材が内部に含有する接合成分のみによって、各木質単板どうしが接合(自己接着)して、優れた物性を有する木質圧密積層板となる。このことにより、従来の合板で問題となる接着剤からのホルムアルデヒドの発散がなく、且つ、天然素材そのものからなり、他の合成成分を付加することのない木質圧密積層板を得ることができる。
また、上記請求項7の構成によれば、木質積層板を圧密化した後の気乾密度の値が0.5(g/cm3)以上であってもよい。このことにより、中間材として使用する木質積層板の輸送コストを抑えると共に、表面硬度や摩耗強度に優れた木質圧密積層板を得ることができる。
また、請求項8の構成によれば、オイルパーム材からなる木質単板は、オイルパームの幹材をロータリーレース又はスライサーなどの切削手段により切削した木質単板であってもよい。このように、ロータリーレース又はスライサーなどの切削手段により単板を形成することにより、所定の厚さの単板を安定して大量に形成することができる。また、オイルパームの幹材を辺材から芯材まで完全に利用することができる。
また、請求項9の構成によれば、第1熱処理は乾熱処理であって、第2熱処理は湿熱処理であってもよい。このことにより、第1熱処理においては、スチーム処理など特殊な装置を必要とせず、従来から接着剤の硬化に使用している一般の合板用熱処理装置をそのまま使用することができる。また、第2熱処理においては、高度な圧密化を実現することができ、物性に非常に優れた木質圧密積層板を得ることができる。
よって、本発明によれば、これまで利用されることなく放置されていたオイルパームの幹材を本来の木質材料として有効に利用して、新たな産業廃棄物を生み出すことがなく、且つ、実用的な物性を有し、ホルムアルデヒドなどの発散がない木質積層板を提供することができる。また、本発明によれば、オイルパーム材を圧密化して物性に優れた木質圧密積層板とする際に、輸送コストを抑えることのできる中間材料としての木質積層板及びこれを圧密化した木質圧密積層板を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態において、オイルパームの幹材をロータリーレースにより単板化する工程を示す概略図である。 本発明に係る第1実施形態において、複数のオイルパーム単板を積層する際の組合せを示す概略図である。 本発明に係る第1実施形態において、複数のオイルパーム単板からなる木質積層板の接合前の構成を示す概略図である。 本発明に係る第1実施形態において、接合後の木質積層板を示す概略図である。 本発明に係る第2実施形態において、オイルパーム単板と他樹種単板とからなる木質積層板の接合前の構成を示す概略図である。 本発明に係る第2実施形態において、接合後の木質積層板を示す概略図である。 本発明に係る第3実施形態において、(a)圧密化前の木質積層体、(b)圧密化後の木質圧密積層板を示す概略図である。 本発明に係る第3実施形態において、木質圧密積層板を製造する圧密化装置の概要を示す断面図である。 本発明に係る第3実施形態において、木質圧密積層板の圧密化工程の概要を示す工程図である。
本発明において、木質積層板とは、同一又は異なる樹種の単板を積層接合してなる木質材料をいうものであって、例えば、日本農林規格(JAS)による単板積層材及び合板に加え、その他の積層構造を有する板材或いは集成材などを挙げることができる。また、本発明における木質積層板は、圧密化工程によって密度を高くして強度に優れた木質圧密積層板を製造する際の中間材であるプリフォームとして使用することもできる。
また、本発明において、オイルパームとは、アブラヤシ(油椰子)ともいわれ、西アフリカ原産のヤシ科アブラヤシ属に分類される単子葉植物の総称であって、油脂の採取を目的とする商業作物としてマレーシア、インドネシアを中心に大規模に栽培されている。成木は単一の幹からなり、高さ20mに達する。葉は羽状で長さ3〜5mほどのものが、毎年20〜30枚新しく生える。
また、上述のように、オイルパームは、植え付け後25〜30年で果実の収穫量が減少して経済寿命を終え、約25年毎に再植林されている。オイルパームの栽培は油脂の採取を目的として果肉と種子だけが利用されるので、その幹材はこれまで有効に利用されることなく、産業廃棄物として廃棄処分或いは農場に放置されている。
オイルパームの幹材の成分は産地によって若干の差があるとされるが、一般に、セルロース30.6%、ヘミセルロース33.2%、リグニン(総リグニン28.5%=クラーソンリグニン24.7%+酸可溶性リグニン3.8%)、抽出成分3.6%、灰分4.1%といわれている(Characterization in Chemical Composition of the Oil Palm; Journal of the Japan Institute of Energy,87(2008)383-388)。
また、オイルパームの幹材の断面には、視認できる直径0.4〜1.2mm程度の維管束とその周りにデンプンなどを貯蔵する柔細胞などが存在する。これらの細胞壁は、セルロース、ヘミセルロース、及び、リグニン等の樹脂成分で形成され、その他、幹材には約10%の遊離糖(主にショ糖、グルコース、フルクトースなど)や約25%のデンプンが含有されている(上記非特許文献1)。
以下、本発明に係る木質積層板の各実施形態を図面に従って説明する。なお、本発明は、下記に示す各実施形態に限定されるものではない。
第1実施形態:
本第1実施形態は、オイルパーム単板のみからなる木質積層板に関するものであり、ここではその製造工程に沿って図面を用いて説明する。本第1実施形態の木質積層板の製造工程においては、まず、オイルパームの幹材から単板を形成する。本発明においては、単板の形成方法について特に限定するものではなく、挽板による製材法、或いは連続したロータリーレースやスライサーなどの切削装置による剥き板法を使用することができる。なお、本第1実施形態においては、生産性に優れ、且つ、連続して均一な単板を形成することのできるロータリーレースによる方法が好ましい。
そこで、本第1実施形態においては、ロータリーレースにより単板を形成する方法について説明する。図1は、オイルパームの幹材をロータリーレースにより単板化する工程を示す概略図である。まず、伐採されたオイルパームの幹から所定の長さのオイルパーム幹材WDを切断する。このオイルパーム幹材WDをロータリーレース(装置)にセットする(図1において装置詳細は省略)。
次に、オイルパーム幹材WDに対して、その幹の中心を回転軸として回転させ、刃物CTによって大根のカツラ剥きと同様にして周方向の剥きを行う。このようにして、オイルパーム幹材WDの周囲(辺材)から中心(芯材)に向かって、所定の厚さのオイルパーム連続剥離板UWDを得る。なお、オイルパーム幹材WDは、その断面に年輪がなく、均質なオイルパーム連続剥離板UWDを得ることができる。また、年輪がないことから、オイルパーム連続剥離板UWDの表面には柾目が現れる。
このオイルパーム幹材WDにおいては、周囲(辺材)から中心(芯材)に向かって密度が徐々に小さくなる。即ち、辺材の密度が約0.6(g/cm3)程度であるのに対して、芯材の密度は約0.2(g/cm3)程度と小さくなる。その結果、オイルパーム連続剥離板UWDの密度が、徐々に小さく変化していく。
このオイルパーム連続剥離板UWDを所定の長さに切断して、オイルパーム単板Wを得る。通常、オイルパーム単板Wの切断は、連続的に行われる。このオイルパーム単板Wは、上述のように、その密度が徐々に変化している。しかし、1枚のオイルパーム単板W内においては、限定された長さとカツラ剥き工程によって、ほぼ均質の密度が得られている。
また、本第1実施形態においては、逆にこのことを利用して、任意の密度のオイルパーム単板Wを選択的に調達することができる。即ち、目的とする木質積層板の厚さ(積層接合後の厚さ)と密度(積層接合後の密度)を考慮して、必要な厚さ(積層接合前の厚さ)と密度(積層接合前の密度)のオイルパーム単板Wを必要枚数、調達することができる。なお、得られたオイルパーム単板Wは、切断後に乾燥される。乾燥は、木材の単板を乾燥する通常の装置、工程によって行うことができる。
このようにして形成されたオイルパーム単板Wは、複数枚(通常の合板では奇数枚であるが、本発明においては奇数枚に限るものではない)を積層して積層体NW1(図3参照)を構成する。これらのオイルパーム単板Wを積層する際の組合せにおいては、各単板の繊維方向(木目の方向)を任意の方向で組み合わせることができる。
例えば、単板積層材を製造する際には、各オイルパーム単板Wの繊維方向が互いに平行になるように積層する。一方、合板を製造する際には、各オイルパーム単板Wの繊維方向が互いに交差(略直交)するように交互に積層する。なお、本第1実施形態においては、各オイルパーム単板Wの繊維方向が直交方向ではない任意の角度に交差するように積層するようにしてもよい。更に、複数枚のオイルパーム単板Wのうち、表層付近のものだけが交差するように積層するようにしてもよく、或いは内層付近のものだけが交差するように積層するようにしてもよい。
ここでは、各オイルパーム単板Wの繊維方向が交差(略直交)するように交互に積層する合板を例にして説明する。このような合板においては、接合される各オイルパーム単板Wが交差(略直交)することにより、互いに強度を補完し合って、完成した木質積層板の物性が大きく向上する。
図2は、複数枚(本第1実施形態においては5枚)のオイルパーム単板Wを積層する際の組合せを示す概略図である。図2(a)において、まず、繊維方向を長辺として同一方向を向く3枚のオイルパーム単板W1、W3、W5を準備する。次に、図2(b)において、先の3枚のオイルパーム単板W1、W3、W5とは、繊維方向が直交するように繊維方向を短辺とする2枚のオイルパーム単板W2、W4を準備する。
そして、繊維方向を長辺とする3枚のオイルパーム単板W1、W3、W5の間に、繊維方向を短辺とする2枚のオイルパーム単板W2、W4を挿入する。これら5枚のオイルパーム単板W1、W2、W3、W4、W5は、互いに繊維方向を交差するように積層されて、5層からなる積層体NW1(図3参照)を構成する。
次に、このようにして構成した積層体NW1の各境界面を接合することにより、木質積層板WB1を得る。図3は、5枚のオイルパーム単板W1、W2、W3、W4、W5からなる接合する前の積層体NW1の構成を示している。一方、図4は、積層体NW1に所定の条件(後述する)による熱処理及び押圧処理を行って接合した後の木質積層板WB1を示している。
図3及び図4において、接合前の積層体NW1と接合後の木質積層板WB1とは、長さ方向及び幅方向の寸法に大きな変化は現れていない。これに対して、厚さ方向、即ち積層方向(図示上下方向)には変化が見られ(図では分かり辛い)、接合の際の熱処理及び押圧処理によって圧縮されて木質積層板WB1の密度が接合前の積層体NW1の密度より大きくなっている(詳細は後述する)。
ここで、積層体NW1の接合について説明する。本発明者らは、これまで、木材の圧密固定化及び木材の塑性加工について検討してきた。その経緯から、本出願人は、木材の圧密固定化方法(特許第4787432号)及び塑性加工木材(特許第5138080号)など複数の特許を有している。また、本発明者らは、これらの技術的知見及び装置を活用して更に進化させ、接着剤を必要としないオイルパーム単板の圧密固定化技術(PCT/JP2012/76506)を開発した。
本発明は、このオイルパーム単板の圧密固定化技術を更に発展させ、乾熱処理とある程度の押圧処理のみで、オイルパーム単板同士、或いはオイルパーム単板と他樹種単板との接合を可能とする技術に関するものである。なお、本発明において、積層体NW1の接合には、特殊な装置を必要とせず、熱板とプレス機構を組み合わせた装置を使用することができる。即ち、通常の合板の製造の際に接着剤の硬化に使用されるホットプレス機などを活用することができる。
本第1実施形態においては、複数枚のオイルパーム単板Wを積層した積層体NW1を所定の温度で熱処理し、この加温された積層体NW1に対して、積層方向、即ち接合する境界面に垂直の方向から所定の押圧力を加えて押圧処理を行う。なお、この熱処理温度と押圧処理圧力とを所定時間維持することにより、積層体NW1の各オイルパーム単板の境界面が接合して木質積層板WB1となる。なお、接合後は、木質積層板WB1に対して押圧処理圧力を維持した状態で温度を降下させて冷却し、その後押圧処理圧力を解圧するようにしてもよい。また、接合後の木質積層板WB1対して熱処理温度を維持した状態で押圧処理圧力を解圧し、その後冷却するようにしてもよい。
なお、本第1実施形態における接合条件として、まず、熱処理の所定温度とは、特に限定するものではないが、例えば、80〜180℃の温度範囲内であり、好ましくは、100〜150℃の温度範囲内である。また、木質圧密積層板のプリフォームとして使用する際には、所定温度とは、80〜150℃の温度範囲内が好ましく、更に、100〜130℃の温度範囲内がより好ましい。一方、この温度範囲を維持する時間は、接合する単板の枚数や厚みなどにより適宜選定するものであり、特に限定するものではないが、例えば、1分〜60分の範囲内であり、好ましくは、5分〜30分の範囲内である。
一方、接合する境界面に垂直の方向から加える所定の圧力とは、接合する単板の枚数や厚みなどにより適宜選定するものであり、特に限定するものではないが、例えば、5〜50kg/cm2の圧力範囲内であり、好ましくは、10〜30kg/cm2の圧力範囲内である。また、木質圧密積層板のプリフォームとして使用する際においても、所定の圧力とは、5〜50kg/cm2の圧力範囲内が好ましく、更に、10〜30kg/cm2の圧力範囲内がより好ましい。なお、接合後の気乾密度(含水率15質量%の気乾状態における密度)の値は、予め計算した圧縮厚さにより制御するようにしてもよい。
ここで、本第1実施形態においては、この接合によって、各オイルパーム単板Wの境界面が接着剤を必要とすることなく強固に自己接着する。オイルパーム単板Wが自己接着する理由については定かではないが、オイルパームの幹材に含まれる樹脂成分や糖類など、即ち、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、遊離糖(主にショ糖、グルコース、フルクトースなど)、及び、デンプンの各成分が複合作用することにより強固に接着すると共に、木質積層板WB1自体の物性の向上に寄与しているものと考えられる。
上記各成分のうち、セルロースは細胞壁の骨格を構成し、これにヘミセルロースを介在としてリグニンが接着成分として作用する。また、オイルパームに特に多く含まれる遊離糖及びデンプンが、リグニンと共に複合的に作用して、本発明固有の作用効果を発揮するものと思われる。
なお、オイルパームの幹材に含まれる樹脂成分や糖類などによる接合は、湿熱処理によることが効果的ではあるが、湿熱処理によることなく乾熱処理のみによっても十分な接合強度を発現することができる。このとき、乾熱処理されたオイルパーム単板中に含まれる水分が何らかの作用をすることも考えられる。
このようにして製造した木質積層板WB1は、オイルパーム単板Wの境界面が接着剤を必要とすることなく接合(自己接着)され、且つ、実用的な物性を有している。この木質積層板WB1の物性は、圧密化された木質圧密積層板(後述する)の物性には及ばないが、簡単な構造材や梱包材としては十分な接合強度を有しており、この状態で産業資材として使用することができる。また、この木質積層板WB1は、木質圧密積層板に使用するプリフォームとしての使用価値も高く、密度の向上により輸送容積を小さくし、且つ、運搬可能な接合強度を有して輸送が容易になるという特徴を有している。
以下、本第1実施形態に係る木質積層板WB1の物性として、密度(気乾密度)の変化と接合強度について実施例1により説明する。
A.オイルパーム単板Wの準備
同一のオイルパーム幹材WDからロータリーレースを用いてカツラ剥きに剥いで乾燥した複数のオイルパーム単板Wを準備した。これらのオイルパーム単板Wの寸法は、厚さ約5mm、長さ約300mm、幅約200mmであり、繊維方向(木目方向)を長さ方向とするものと、幅方向とするものの両方を準備した。なお、圧密化前の各オイルパーム単板Wの気乾密度の値は、約0.35(g/cm3)のものを使用した。
B.積層体NW1の準備
本実施例1においては、いずれも、上記オイルパーム単板Wを5枚組み合わせて、複数の積層体NW1を準備した。これらの積層体NW1は、互いに繊維方向を交差(略直交)するように積層して5層(厚み約25mm)からなるものとした。なお、積層体NW1を形成するにあたり、各境界面には接着剤など他の成分を付与することがなかった。
C.接合(熱処理及び押圧処理)
このようにして準備した各積層体NW1に対して、通常の合板の製造の際に接着剤の硬化に使用されるホットプレス機を使用して乾熱処理及び押圧処理による接合を行った。なお、本実施例1においては、乾熱処理の熱処理温度を80℃、100℃、及び、120℃の3水準とし、各積層体NW1が熱処理温度に達した後にプレス圧力をかけ(押圧処理)、プレス後保持時間を0分、5分、10分、及び、15分の4水準とした。プレス処理後の木質積層板WB1は、冷却することなくプレス圧力を解圧して、その後自然冷却した。なお、本実施例1においては、接合後の気乾密度の値は、予め計算した圧縮厚さにより制御した。このようにして、接合後の気乾密度が0.6(g/cm3)及び0.8(g/cm3)の2水準の木質積層板WB1を得た。
D.接合強度(浸漬による接合部分のはく離)
上述のようにして得られた各木質積層板WB1に対して、合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「2類浸せきはく離試験」に準拠して接合強度を測定した。まず、各木質積層板WB1から長さ方向75mm×幅方向75mmの試験片を作製し、この試験片を70℃の温水中に2時間浸漬した。その後、温水中から取り出した試験片を60℃の雰囲気下で3時間乾燥した。
この浸漬・乾燥後の試験片において、試験片の側面に現れている接合部分に、はく離が生じているか否かを目視により判断した。判断基準は、はく離していない部分の長さが、50mm以上(試験片の長さの67%以上)であるものを合格(はく離なし)とした。各木質積層板WB1に対する、はく離の有(×)無(○)を表1に示す。
Figure 2015131474
表1において、気乾密度が0.6(g/cm3)の木質積層板WB1においては、80℃〜120℃のいずれの熱処理温度においても、プレス後保持時間が5分以下では接合強度が不十分であった。しかし、100℃及び120℃の熱処理温度においてはプレス後保持時間が10分で接合強度が良好となり、80℃の熱処理温度においてはプレス後保持時間が15分で接合強度が良好となった。
一方、気乾密度が0.8(g/cm3)の木質積層板WB1においては、100℃及び120℃の熱処理温度においてプレス後保持時間が5分において接合強度が良好であった。また、80℃の熱処理温度においてはプレス後保持時間が10分で接合強度が良好となった。
これらのことから、本実施例1の各木質積層板WB1は、実用的な接合強度を有しており、簡単な構造材料や梱包材料などの産業資材として使用することができる。また、接合後の気乾密度の値を考慮して熱処理温度とプレス後保持時間を制御することにより、日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「2類浸せきはく離試験」に適合して湿潤強度に優れた木質積層板を得ることもできる。なお、この木質積層板を木質圧密積層板のプリフォームとして使用する際には、「2類浸せきはく離試験」に適合することを必要としない。
第2実施形態:
本第2実施形態は、オイルパーム単板と他樹種の単板とからなる木質積層板に関するものであり、ここではその製造工程に沿って図面を用いて説明する。本第2実施形態の木質積層板の製造工程においては、まず、オイルパームの幹材から単板を形成する。更に、他樹種(本第2実施形態においては、アカシアマンギウムを使用した)の幹材からも単板を形成する。
なお、本第2実施形態においては、オイルパーム単板及びアカシアマンギウム単板のいずれに対しても、上記第1実施形態と同様に、生産性に優れ、且つ、連続して均一な単板を形成することのできるロータリーレースによる方法を採用した。なお、本第2実施形態においてロータリーレースにより単板を形成する方法については、上記第1実施形態と同様であり説明を省略する(図1及び図2参照)。
このようにして形成されたオイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとを交互に積層して積層体NW2(図5参照)を構成する。これらのオイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとを積層する際の組合せにおいては、各単板の繊維方向(木目の方向)を任意の方向で組み合わせることができる。
例えば、オイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとの繊維方向が互いに平行になるように積層してもよく、或いは、オイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとの繊維方向が互いに交差(略直交)するように交互に積層してもよい。また、各オイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとの繊維方向が直交方向ではない任意の角度に交差するように積層するようにしてもよい。
ここでは、各オイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとの繊維方向が交差(略直交)するように交互に積層する合板を例にして説明する。このような合板においては、接合される各オイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとが交差(略直交)することにより、互いに強度を補完し合って、完成した木質積層板の物性が大きく向上する。
本第2実施形態においては、繊維方向を長辺とする2枚のアカシアマンギウム単板AW1、AW2の間に、繊維方向を短辺とする1枚のオイルパーム単板W6を挿入する。これら3枚の単板AW1、W6、AW2は、互いに繊維方向を交差するように積層されて、3層からなる積層体NW2(図5参照)を構成する。
次に、このようにして構成した積層体NW2を接合することにより、木質積層板WB2を得る。図5は、2枚のアカシアマンギウム単板AW1、AW2と、1枚のオイルパーム単板W6とからなる接合する前の積層体NW2の構成を示している。一方、図6は、積層体NW2に所定の条件(後述する)による熱処理及び押圧処理を行って接合した後の木質積層板WB2を示している。
図5及び図6において、接合前の積層体NW2と接合後の木質積層板WB2とは、長さ方向及び幅方向の寸法に大きな変化は現れていない。これに対して、厚さ方向、即ち積層方向(図示上下方向)には変化が見られ(図では分かり辛い)、接合の際の熱処理及び押圧処理によって圧縮されて木質積層板WB2の密度が接合前の積層体NW2の密度より大きくなっている(詳細は後述する)。
ここで、積層体NW2の接合について説明するが、本第2実施形態における接合は、上記第1実施形態とほぼ同様である。但し、上記第1実施形態においてはオイルパーム単板W同士の接合であったが、本第2実施形態においてはオイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとの接合である点で異なっている。しかし、本第2実施形態においても上記第1実施形態と同様に、オイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとの境界面が接着剤を必要とすることなく強固に自己接着する。
オイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとが自己接着する理由については定かではないが、上述のように、オイルパームの幹材に含まれる樹脂成分や糖類などの各成分が複合作用することにより強固に接着すると共に、木質積層板WB2自体の物性の向上に寄与しているものと考えられる。また、本第2実施形態においても上記第1実施形態と同様に、特殊な装置を必要とせず、熱板とプレス機構を組み合わせた装置を使用することができる。即ち、通常の合板の製造の際に接着剤の硬化に使用されるホットプレス機などを活用することができる。
本第2実施形態においては、複数枚のオイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとを積層した積層体NW2を所定の温度で熱処理し、この加温された積層体NW2に対して、積層方向、即ち接合する境界面に垂直の方向から所定の押圧力を加えて押圧処理を行う。なお、この熱処理温度と押圧処理圧力を所定時間維持することにより、積層体NW2の各オイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとの境界面が接合して木質積層板WB2となる。なお、接合後は、木質積層板WB2に対して押圧処理圧力を維持した状態で熱処理温度を降下させて冷却し、その後押圧処理圧力を解圧するようにしてもよい。また、接合後の木質積層板WB2対して熱処理温度を維持した状態で押圧処理圧力を解圧し、その後冷却するようにしてもよい。
なお、本第2実施形態における接合条件として、まず、熱処理の所定温度とは、特に限定するものではないが、例えば、80〜180℃の温度範囲内であり、好ましくは、100〜150℃の温度範囲内である。一方、この温度範囲を維持する時間は、接合する単板の樹種や枚数、厚みなどにより適宜選定するものであり、特に限定するものではないが、例えば、1分〜60分の範囲内であり、好ましくは、2分〜30分の範囲内である。
一方、接合する境界面に垂直の方向から加える所定の圧力とは、接合する単板の樹種や枚数、厚みなどにより適宜選定するものであり、特に限定するものではないが、例えば、5〜50kg/cm2の圧力範囲内であり、好ましくは、10〜30kg/cm2の圧力範囲内である。また、木質圧密積層板のプリフォームとして使用する際においても、所定の圧力とは、5〜50kg/cm2の圧力範囲内が好ましく、更に、10〜30kg/cm2の圧力範囲内がより好ましい。
このようにして製造した木質積層板WB1は、オイルパーム単板Wとアカシアマンギウム単板AWとの境界面が接着剤を必要とすることなく接合(自己接着)され、且つ、実用的な物性を有している。この木質積層板WB1の物性は、圧密化された木質圧密積層板(後述する)の物性には及ばないが、簡単な構造材料や梱包材料としては十分な接合強度を有しており、この状態で産業資材として使用することができる。また、この木質積層板WB1は、更に密度を高くして圧密化することにより構造材料や建築内装材などとして使用することもできる。
以下、本第2実施形態に係る木質積層板WB2の物性として、密度(気乾密度)の変化と接合強度について実施例2により説明する。
A.オイルパーム単板W及びアカシアマンギウム単板AWの準備
同一のオイルパーム幹材WDからロータリーレースを用いてカツラ剥きに剥いで乾燥した複数のオイルパーム単板Wを準備した。これらのオイルパーム単板Wの寸法は、厚さ約5mm、長さ約300mm、幅約200mmであり、繊維方向(木目方向)を幅方向とするものを準備した。なお、圧密化前の各オイルパーム単板Wの気乾密度の値は、約0.35(g/cm3)のものを使用した。
一方、同一のアカシアマンギウム幹材からロータリーレースを用いてカツラ剥きに剥いで乾燥した複数のアカシアマンギウム単板AWを準備した。これらのアカシアマンギウム単板AWの寸法は、厚さ約3mm、長さ約300mm、幅約200mmであり、繊維方向(木目方向)を長さ方向とするものを準備した。なお、圧密化前の各アカシアマンギウム単板AWの気乾密度の値は、約0.7(g/cm3)のものを使用した。
B.積層体NW2の準備
本実施例においては、いずれも、2枚のアカシアマンギウム単板AWの間に1枚のオイルパーム単板Wを組み合わせて、複数の積層体NW2を準備した。これらの積層体NW2は、互いに繊維方向を交差(略直交)するように積層して3層からなるものとした。なお、積層体NW2を形成するにあたり、各境界面には接着剤など他の成分を付与することがなかった。
C.接合(熱処理及び押圧処理)
このようにして準備した各積層体NW2に対して、通常の合板の製造の際に接着剤の硬化に使用されるホットプレス機を使用して乾熱処理及び押圧処理による接合を行った。なお、本実施例2においては、上記実施例1と同様に乾熱処理の熱処理温度を80℃、100℃、及び、120℃の3水準とし、各積層体NW2が熱処理温度に達した後にプレス圧力をかけ(押圧処理)、プレス後保持時間を0分、5分、10分、及び、15分の4水準とした。プレス処理後の木質積層板WB2は、冷却することなくプレス圧力を解圧して、その後自然冷却した。なお、接合後の気乾密度の値は、予め計算した圧縮厚さにより制御した。本実施例2においては、接合後の気乾密度が、0.8(g/cm3)及び1.0(g/cm3)の2水準の木質積層板WB2を得た。
D.接合強度(浸漬による接合部分のはく離)
上述のようにして得られた各木質積層板WB2に対して、上記実施例1と同様に合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「2類浸せきはく離試験」に準拠して接合強度を測定した。まず、各木質積層板WB2から長さ方向75mm×幅方向75mmの試験片を作製し、この試験片を70℃の温水中に2時間浸漬した。その後、温水中から取り出した試験片を60℃の雰囲気下で3時間乾燥した。
この浸漬・乾燥後の試験片において、試験片の側面に現れている接合部分に、はく離が生じているか否かを目視により判断した。判断基準は、はく離していない部分の長さが、50mm以上(試験片の長さの67%以上)であるものを合格(はく離なし)とした。各木質積層板WB2に対する、はく離の有(×)無(○)を表2に示す。
Figure 2015131474
表2において、気乾密度が0.8(g/cm3)の木質積層板WB2においては、80℃〜120℃のいずれの熱処理温度においてもプレス後保持時間が5分以下では接合強度が不十分であった。しかし、120℃の熱処理温度においてはプレス後保持時間が10分で接合強度が良好となり、100℃の熱処理温度においてはプレス後保持時間が15分で接合強度が良好となった。
一方、気乾密度が1.0(g/cm3)の木質積層板WB2においては、100℃及び120℃の熱処理温度においてプレス後保持時間が5分においてで接合強度が良好であった。また、80℃の熱処理温度においてはプレス後保持時間が15分で接合強度が良好となった。
これらのことから、本実施例2の各木質積層板WB2は、実用的な接合強度を有しており、簡単な構造材料や梱包材料などの産業資材として使用することができる。また、接合後の気乾密度の値を考慮して熱処理温度とプレス後保持時間を制御することにより、日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「2類浸せきはく離試験」に適合して湿潤強度に優れた木質積層板を得ることもできる。なお、この木質積層板を木質圧密積層板のプリフォームとして使用する際には、「2類浸せきはく離試験」に適合することを必要としない。
第3実施形態:
本第3実施形態は、オイルパーム単板のみからなる木質積層板を更に圧密化した木質圧密積層板に関するものである。本第3実施形態においては、木質圧密積層板を製造する際の中間材であるプリフォームとして上記第1実施形態で製造した木質積層板を使用する。ここでは、木質圧密積層板の製造工程に沿って図面を用いて説明する。
本第3実施形態においては、まず、オイルパームの幹材から単板を形成し、これらのオイルパーム単板Wを積層して積層体NW1(図3参照)を構成する。次に、この積層体NW1に対して所定の条件(後述する)による熱処理及び押圧処理を行って各オイルパーム単板Wの境界面を接合して木質積層板WB1を製造する(図4参照)。なお、本第3実施形態においてオイルパームの幹材から木質積層板WB1を作成するまでの各工程については、上記第1実施形態と同様であり説明を省略する(図1〜図4参照)。
本第3実施形態においては、上記第1実施形態と同様にして作製した木質積層板WB1(図7(a)参照)を木質圧密積層板PW(図7(b)参照)を製造する際の中間材であるプリフォームとして使用する。ここで、オイルパーム材からなる木質圧密積層板PWを製造する際に、プリフォームとして木質積層板WB1を使用するメリットについて再度説明する。
上述のように、オイルパームの幹材から得られる単板は、単板積層材や合板に従来使用されているラワンなどの単板と異なり密度が低く強度が弱いという特徴がある。従って、高い強度を要求される用途においては、単板積層材や合板として積層接合する場合に圧密化して密度を高くする必要がある。しかし、オイルパームを商業作物として栽培する大規模な栽培地は、単板積層材や合板を製造する工業地や消費地から距離が遠く離れている場合が多い。更に、オイルパームの栽培国から単板積層材や合板の製造国に輸出することも考えられる。これらの場合に、オイルパーム単板の密度が小さく容積が大きいことから輸送容積が大きくなり輸送コストが高くなる。
また、木質積層板WB1を製造する際には、上述のように、特殊な装置を必要とせず、通常の合板の製造の際に接着剤の硬化に使用されるホットプレス機などを活用することができる。これに対して、オイルパーム単板を圧密化して木質圧密積層板PWを製造する際には、特殊な装置を使用することがある。特に、優れた物性を要求される木質圧密積層板PWを製造するには、後述するような湿熱処理装置などが必要となる。
そこで、オイルパームの栽培地において、オイルパーム単板を製造してこれらを複数枚接合して木質圧密積層板PWのプリフォームとすることが考えられる。上述のように、このプリフォームの製造には、特殊な装置を必要としない。また、このプリフォームは、運搬し易く、且つ、ある程度圧縮されて密度が大きくなっているので輸送容積が小さくなり輸送コストを抑えることができる。
次に、プリフォームを消費地に近い工業地に輸送し、ここで特殊な装置を使用してプリフォームを更に圧密化して木質圧密積層板PWを製造するようにする。これらのことにより、オイルパームの大規模な栽培地と木質圧密積層板PWを製造する工業地、更に消費地とを結んで、資源の有効な利用を図ることができる。
ここで、本第3実施形態において、プリフォームとしての木質積層板WB1(以下「プリフォームWB1」ともいう)から木質圧密積層板PWを製造する圧密化装置MCについて説明する。図8は、本第3実施形態において使用する圧密化装置MCの概要を示す断面図である。図8において、圧密化装置MCは、上下に2分割されるプレス盤10(上プレス盤10A及び下プレス盤10B)から構成される。
上プレス盤10Aと下プレス盤10Bとは、上下に分割されることにより、内部空間IS及び位置決め孔18を形成する。位置決め孔18は、圧密化前のプリフォームWB1の位置を定め規制するものであって、その周縁部10bを上プレス盤10Aの周縁部10aに対向するようにして下プレス盤10Bに形成されている。上プレス盤10Aの周縁部10aには、プレス盤10の上下動の範囲で内部空間IS及び位置決め孔18を密閉状態とするためのシール部材11が形成されている。
また、上プレス盤10Aには、その上面側から内部空間IS内に連通され、内部空間IS及び位置決め孔18内に蒸気を供給するための配管口12aを有する配管12が設けられている。この配管12には、その下流側にバルブV4が設けられている。一方、下プレス盤10Bには、その側面側から内部空間IS及び位置決め孔18内に連通され、内部空間IS内から水蒸気を排出するための配管口13aを有する配管13が設けられている。この配管13には、その内部の蒸気圧を検出する圧力計P2と、その下流側のバルブV5と、バルブV5に接続されたドレン配管14が設けられている。
また、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bには、その内部に高温の水蒸気を通すことにより所定の温度に昇温するための配管路15、16が形成されており、これら配管路15、16には蒸気供給側の配管ST1から分岐された配管ST2、ST3、蒸気排出側の配管ET1、ET2がそれぞれ接続されている。これらの蒸気供給側の配管ST1,ST2、ST3の途中にはバルブV1、V2、V3、配管ST1内の蒸気圧を検出する圧力計P1が配設されており、蒸気排出側の配管ET1、ET2は、バルブV6を介してドレン配管14に接続されている。
なお、図8においては、配管ST1に水蒸気を供給するボイラ装置、また、プレス盤10の固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aを上昇/下降させ加圧するための油圧機構を含むプレス昇降装置は省略する。
更に、上プレス盤10A及び下プレス盤10B内に形成された配管路15、16に水蒸気に換えて低温の冷却水を通すことによって所望の温度に冷却する冷却水供給側の配管ST11から分岐された配管ST12、ST13が、上記配管ST2、ST3にそれぞれ接続されている。また、冷却水供給側の配管ST11、ST12、ST13の途中にはバルブV11、V12、V13が配設されている。なお、図8においては、配管ST11に冷却水を供給する冷却水供給装置は省略する。
次に、このように構成された圧密化装置MCを用いて、プリフォームWB1から木質圧密積層板PWを製造する製造工程について図9の各工程に沿って説明する。まず、図9(a)において、圧密化装置MCにおける固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aが上昇し、プリフォームWB1を上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで形成される内部空間IS及び位置決め孔18内に載置する。
ここで、本第3実施形態において、木質圧密積層板PWの材料となるプリフォームWB1は、所定の寸法(厚さ・幅・長さ)に形成されたものであり、5枚のオイルパーム単板W1、W2、W3、W4、W5の積層面(境界面に平行)を上プレス盤10A及び下プレス盤10Bの各プレス面に対向させ、下プレス盤10Bの位置決め孔18に載置する。
次に、図9(b)において、固定側の下プレス盤10Bの位置決め孔18上に載置したプリフォームWB1に対して上プレス盤10Aを下降させてプリフォームWB1の上面、即ち、積層面(境界面に平行)に対して垂直方向に当接させる。この状態において、上プレス盤10Aの配管路15及び下プレス盤10Bの配管路16に所定温度(例えば、110℃〜180℃)の水蒸気を通して、内部空間IS及び位置決め孔18内を所定温度(例えば、110℃〜180℃)に昇温する。この状態においては、内部空間IS及び位置決め孔18で構成される空間は、未だ密閉されていない。
次に、固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aの圧縮力を所定圧力(例えば、5〜70kg/cm2)に設定し、プリフォームWB1を上プレス盤10A及び下プレス盤10Bにて所定時間(例えば、5分〜40分)加熱圧縮する。なお、このときの圧縮力は、割れを防止するために、プリフォームWB1の温度上昇、即ち、プリフォームWB1の熱伝導(内部の温度上昇)の状態に応じて徐々に昇温することが望ましく、加熱圧縮の時間も熱伝導に要する時間を考慮して設定することが好ましい。この状態においては、内部空間IS及び位置決め孔18で構成される空間は、未だ密閉されていない。
次に、図9(c)において、上プレス盤10Aの周縁部10aが下プレス盤10Bの周縁部10bに当接すると上プレス盤10Aの周縁部10aに配設されたシール部材11によって、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bにて形成される内部空間IS及び位置決め孔18が密閉状態となる。この状態において、内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態が維持されると共に、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによる圧縮力が維持された状態で、所定温度(例えば、150〜210℃)まで昇温する。
なお、本第3実施形態において、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによって形成される内部空間IS及び位置決め孔18がシール部材11を介して密閉状態となったときにおける内部空間IS及び位置決め孔18の上下方向の寸法間隔は、圧密化後の気乾密度の値が予め設定された値になるように厚さ方向の仕上がり寸法(圧縮率)に設定しておく。このため、プリフォームWB1の厚さ全体の圧縮率、即ち、プリフォームWB1の圧縮による板厚の変化は、上プレス盤10Aの周縁部10aが下プレス盤10Bの周縁部10bに当接することで決まる
こととなる。
この状態において、図9(c)に示す内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態で、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bの圧縮力が維持され、且つ、内部空間IS及び位置決め孔18が所定温度(例えば、150〜210℃)に維持されたまま、所定時間(例えば、30分〜120分)保持され、この後の冷却圧縮を解除したときに、戻り(膨張)のない木質圧密積層板PWを形成するための加熱処理が行われる。このとき、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで密閉状態とされている内部空間IS及び位置決め孔18を介して、プリフォームWB1の周囲面とその内部とでは高温高圧の蒸気圧が出入り自在となっている。
なお、このように、本第3実施形態においては、プリフォームWB1の表裏面に上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが面接触し、密閉状態の内部空間IS及び位置決め孔18に保持されるため、プリフォームWB1は、厚さ全体が十分に加熱され、効率よく圧縮変形されることになる。
次に、図9(d)において、内部空間IS及び位置決め孔18の密閉状態で加熱圧縮処理が行われているときに、蒸気圧制御処理として圧力計P2で内部空間IS及び位置決め孔18の蒸気圧が検出され、バルブV5が適宜、開閉される。これにより、配管口13a、配管13を通って内部空間IS及び位置決め孔18からドレン配管14側に高温高圧の水蒸気が排出されることで、特に、プリフォームWB1の外層部分の含水率に基づく余分な内部空間IS及び位置決め孔18内の水分が除去され、内部空間IS及び位置決め孔18内が所定の蒸気圧となるように調節される。
また、必要に応じて、バルブV4に接続された配管12、配管口12a(図8)を介して内部空間ISに所定の蒸気圧を供給することができる。これらにより、木材の加熱圧縮処理の定着、所謂、木材の固定化がより促進されることとなる。
更に、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによる加熱圧縮から冷却圧縮へと移行する直前に、蒸気圧制御処理としてバルブV5が開状態とされることで配管口13a、配管13を通って内部空間IS及び位置決め孔18からドレン配管14側に高温高圧の水蒸気が排出される。
次に、図9(e)において、上プレス盤10Aの配管路15及び下プレス盤10Bの配管路16に常温の冷却水が通されることによって、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが常温前後まで冷却され、材料によって異なる所定時間(例えば、10分〜120分)保持される。なお、このときの固定側の下プレス盤10Bに対する上プレス盤10Aの圧縮力は、加熱圧縮の際の圧力と同じ所定圧力(例えば、5〜70kg/cm2)に保持されたまま、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが冷却される。
最後に、図9(f)において、固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aを上昇させ、内部空間IS及び位置決め孔18から仕上がり品である木質圧密積層板PWが取出されることで一連の処理工程が終了する。
以下、本第3実施形態に係る木質圧密積層板PWの製造と物性について実施例3により説明する。
A.オイルパーム単板Wの準備
同一のオイルパーム幹材WDからロータリーレースを用いてカツラ剥きに剥いで乾燥した複数のオイルパーム単板Wを準備した。これらのオイルパーム単板Wの寸法は、厚さ約5mm、長さ約300mm、幅約200mmであり、繊維方向(木目方向)を長さ方向とするものと、幅方向とするものの両方を準備した。なお、圧密化前の各オイルパーム単板W気乾密度の値は、約0.35(g/cm3)のものを使用した。
B.プリフォームWB1の準備
本実施例3においては、上記第1実施形態と同様にして作製した木質積層板WB1をプリフォームWB1として使用した。具体的には、まず、上記オイルパーム単板Wを5枚組み合わせて、接合前の厚さが約25mm程度となる積層体NW1を準備した。この積層体NW1は、上記第1実施形態と同様に、互いに繊維方向を交差(略直交)するように積層して5層からなるものとした。なお、積層体NW1を形成するにあたり、各境界面には接着剤など他の成分を付与することがなかった。
次に、この積層体NW1を上記第1実施形態と同様にして乾熱処理及び押圧処理して各境界面を接合した。本実施例3においては、木質圧密積層板PWを製造する際のプリフォームWB1であることから、強い接合強度は要求されない。よって、上記実施例1において測定した接合強度(浸漬による接合部分のはく離)を対象とせず、運搬時に接合部分がはく離しない程度の接合条件で行った。具体的には、乾熱処理の熱処理温度を120℃とし、積層体NW1が熱処理温度に達した後にプレス圧力をかけ(押圧処理)、プレス後保持時間を5分とした。プレス処理後のプリフォームWB1は、冷却することなくプレス圧力を解圧して、その後自然冷却した。なお、接合後の気乾密度の値は、予め計算した圧縮厚さ(約18mm)により制御した。本実施例3においては、接合後の気乾密度が0.5(g/cm3)のプリフォームWB1(図7(a)参照)を得た。
C.圧密化
このようにして準備したプリフォームWB1に対して、上述の圧密化装置MCを使用して圧密化を行った。なお、本実施例3においては、圧密化温度(設定温度)を170℃とした。
本実施例3においては、設定温度に昇温後に同温度の水蒸気を併用し、その処理時間(維持時間)を30分とした。また、設定温度に昇温後のプレス圧力を50kg/cm2とした。30分の圧密化処理後、温度を常温まで冷却した後、プレス圧力を解除して圧密化を終了した。なお、圧密化後の気乾密度の値は、予め計算した圧縮厚さ(約7mm)により制御した。本実施例3においては、圧密化後の気乾密度が1.3(g/cm3)の木質圧密積層板PW(図7(b)参照)を得た。
D.物性評価
次に、本実施例3において製造した木質圧密積層板PWの各種物性を評価した。評価項目としては、木質圧密積層板PWの「表面の硬さ」、「摩耗深さ」、「浸漬による厚さの変化(回復率)」、及び、「浸漬による接合部分のはく離」の4項目とした。なお、製造した木質圧密積層板PWの表面は、サンダー(研磨装置)を用いて平滑に仕上げてから各測定を行った。以下、各評価項目及び評価結果について説明する。
a.表面の硬さ
上記木質圧密積層板PWに対して、JIS Z 2101:1994(木材の試験方法)に規定する「ブリネル硬さ試験」に準拠して測定した。木質圧密積層板PWから試験片を作製し、ブリネル硬さ試験機を使用して試験片の表面に直径10mmの鋼球を深さ1/πmm(約0.32mm)まで圧入した。このときの圧入荷重P(N)を測定し、下記の式(1)により、
H=P/10 ・・・(1)
試験片の表面の硬さH(N/mm2)の値を求めた。木質圧密積層板PWに対して求めた表面の硬さHの値を表3に示す。
b.摩耗深さ
上記木質圧密積層板PWに対して、JIS Z 2101:1994(木材の試験方法)に規定する「摩耗試験」に準拠して測定した。木質圧密積層板PWから試験片を作製し、JISに規定する摩耗試験装置を使用して試験片の表面を摩耗した。具体的には、試験片を摩耗試験装置の回転盤に水平に固定し、研摩紙を巻き付けた摩耗輪2個を、試験片の表面上で500回転させた。このとき、試験片の表面に加わる総荷重量に相当する質量は、摩耗輪の質量を含め5.2N±0.05Nとした。
500回転後の試験片の表面の厚さ摩耗量(摩耗深さ)は、次のようにして求めた。試験片の測定前の質量をm1(mg)、試験片の試験後の質量をm2(mg)、摩耗試験装置の摩耗輪による摩耗を受ける部分の面積をA(mm2)、試験片の密度をρ(g/cm3)としたときに、下記の式(2)により、
D=(m1−m2)/A・ρ ・・・(2)
試験片の表面の摩耗深さD(mm)の値を求めた。木質圧密積層板PWに対して求めた摩耗深さDの値を表3に示す。
c.浸漬による厚さの変化(回復率)
上記木質圧密積層板PWに対して、本出願人が社内試験法として採用する「湿潤回復試験」により測定した。木質圧密積層板PWから試験片を作製し、この試験片を30℃の温水中に1時間浸漬した。その後、温水中から取り出した試験片を105℃の雰囲気下で含水率の値が0質量%となる全乾状態になるまで乾燥した。
ここで、浸漬前の含水率の値が15質量%の気乾状態にある試験片の積層方向の厚さをA(mm)とし、浸漬・乾燥後の含水率の値が0質量%となる全乾状態にある試験片の積層方向の厚さをB(mm)としたときに、下記の式(3)により、
C(%)=〔(B−A)/A〕×100 ・・・(3)
試験片の浸漬による厚さの回復率C(%)の値を求めた。木質圧密積層板PWに対して求めた厚さの回復率Cの値を表3に示す。
d.接合強度(浸漬による接合部分のはく離)
上記実施例1及び実施例2と同様の試験を行った。即ち、上記木質圧密積層板PWに対して、合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「2類浸せきはく離試験」に準拠して測定した。木質圧密積層板PWから長さ方向75mm×幅方向75mmの試験片を作製し、この試験片を70℃の温水中に2時間浸漬した。その後、温水中から取り出した試験片を60℃の雰囲気下で3時間乾燥した。
この浸漬・乾燥後の試験片において、試験片の側面に現れている接合部分に、はく離が生じているか否かを目視により判断した。判断基準は、はく離していない部分の長さが、50mm以上(試験片の長さの67%以上)であるものを合格(はく離なし)とした。木質圧密積層板PWに対する、はく離の有(×)無(○)を表3に示す。
Figure 2015131474
表3から分かるように、本実施例3に係る木質圧密積層板PWの物性値は、いずれも良好な値を示しており、上述の木質積層板WB1を更に密度を高くして圧密化することにより構造材料や建築内装材など広い用途に使用することができる。
以上、説明したように、本発明によれば、これまで利用されることなく放置されていたオイルパームの幹材を本来の木質材料として有効に利用して、新たな産業廃棄物を生み出すことがなく、且つ、実用的な物性を有し、ホルムアルデヒドなどの発散がない木質積層板を提供することができる。また、本発明によれば、オイルパーム材を圧密化して物性に優れた木質圧密積層板とする際に、輸送コストを抑えることのできる中間材料としての木質積層板及びこれを圧密化した木質圧密積層板を提供することができる。
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施形態においては、オイルパーム幹材からオイルパーム単板を形成する際にロータリーレースを使用するが、これに限るものではなく、例えば、挽板により製材するようにしてもよい。
(2)上記各実施形態においては、接合する単板の繊維方向を互いに交差(略直交)するように積層して積層体を構成したが、これに限るものではなく、接合する単板の繊維方向を互いに平行にして積層するようにしてもよい。また、接合する単板の繊維方向を直交方向ではない任意の角度に交差させて積層するようにしてもよい。
(3)上記各実施形態においては、接合する単板の繊維方向を互いに交差(略直交)するように積層して積層材を構成したが、これに限るものではなく、多層からなる積層体の表層付近だけを交差(略直交)するようにしてもよい。例えば、7層からなる積層材を構成する場合に、表裏両面から2層のみの繊維方向を交差させ、内部の3層は平行にして積層するようにしてもよい。
(4)上記第1実施形態及び第3実施形態においては、5枚のオイルパーム単板を積層するものであるが、これに限るものではなく、2枚〜4枚、或いは6枚以上のオイルパーム単板を積層して木質積層板或いは木質圧密積層板を製造するようにしてもよい。
(5)上記第2実施形態においては、2枚のアカシアマンギウム単板と1枚のオイルパーム単板を積層するものであるが、これに限るものではなく、更に多くの単板を積層して木質積層板を製造するようにしてもよい。また、オイルパーム単板以外の樹種の単板は、アカシアマンギウム単板以外の単板を使用するようにしてもよい。
(6)上記第3実施形態においては、オイルパーム単板のみからなる木質圧密積層板を製造するものであるが、これに限るものではなく、上記第2実施形態のようにオイルパーム単板と他樹種単板とからなる木質圧密積層板を製造するようにしてもよい。
(7)上記第3実施形態の圧密化においては、プレス盤に対して配管を用いて高温の水蒸気を導入して処理空間(内部空間IS)内のオイルパーム単板を加熱するものであるが、これに限るものではなく、高周波加熱、マイクロ波加熱等を用いてプリフォームとして木質積層板を加熱するようにしてもよい。
(8)上記第3実施形態の圧密化においては、プリフォームとして木質積層板を所定温度で処理する際に、高温の水蒸気を併用するものであるが、これに限るものではなく、処理空間(内部空間IS)内に液体の水を供給しておき、この水から発生する水蒸気により圧密化するようにしてもよく、或いは熱圧処理において木質積層板が含有する水分によって圧密化するようにしてもよい。
WD…オイルパーム幹材、CT…刃物、UWD…オイルパーム連続剥離板、
W、W1、W2、W3、W4、W5…オイルパーム単板、
AW、AW1、AW2…アカシアマンギウム単板、
NW1、NW2…積層体、WB1、WB2…木質積層板、PW…木質圧密積層板、
MC…圧密化装置、10…プレス盤、10A…上プレス盤、10B…下プレス盤、
IS…内部空間、18…位置決め孔。

Claims (9)

  1. 2枚以上の木質単板を積層して積層体を構成し、当該積層体の境界面を形成する少なくとも一方の木質単板がオイルパーム材からなり、
    前記積層体を所定温度に昇温して熱処理すると共に、前記積層体に対して各木質単板の境界面に垂直な方向から所定の圧力をかけて押圧処理することにより前記境界面が接合され、
    前記境界面の接合には、前記木質単板以外の接合材料を付加することなく、前記オイルパーム材が内部に含有する接合成分のみによって接合されてなる木質積層板。
  2. オイルパーム材以外の樹種からなる2枚以上の木質単板の間に、それぞれ、オイルパーム材からなる木質単板を積層することを特徴とする請求項1に記載の木質積層板。
  3. 前記オイルパーム材からなる木質単板は、オイルパームの幹材をロータリーレース又はスライサーなどの切削手段により切削した木質単板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の木質積層板。
  4. 前記熱処理は、80℃〜180℃の温度で1分〜60分の乾熱処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の木質積層板。
  5. 合板の日本農林規格(JAS)別記3の(3)に規定する「2類浸せきはく離試験」に準拠して測定することにより、
    試験片の側面に現れている接合部分において、はく離していない部分の長さが、当該接合部分の長さの67%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の木質積層板。
  6. 2枚以上の木質単板を積層して積層体を構成し、当該積層体の境界面を形成する少なくとも一方の木質単板がオイルパーム材からなり、前記積層体を所定温度に昇温して第1熱処理すると共に、前記積層体に対して各木質単板の境界面に垂直な方向から所定の圧力をかけて第1押圧処理することにより、前記境界面が接合されてなる木質積層板を作成し、
    当該木質積層板を前記第1熱処理の温度よりも高温に昇温して第2熱処理すると共に、前記木質積層板に対して各木質単板の境界面に垂直な方向から前記第1押圧処理よりも高い圧力をかけて第2押圧処理することにより圧密化され、
    前記木質単板の接合には、前記木質単板以外の接合材料を付加することなく、前記オイルパーム材が内部に含有する接合成分のみによって接合されてなる木質圧密積層板。
  7. 前記木質積層板を圧密化した後の気乾密度の値が0.5(g/cm3)以上であることを特徴とする請求項6に記載の木質圧密積層板。
  8. 前記オイルパーム材からなる木質単板は、オイルパームの幹材をロータリーレース又はスライサーなどの切削手段により切削した木質単板であることを特徴とする請求項6又は7に記載の木質圧密積層板。
  9. 前記第1熱処理は乾熱処理であって、前記第2熱処理は湿熱処理あることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の木質圧密積層板。
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