JP2015131294A - 浄水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
分離材を循環して使用することにより省資源性に優れ、マグネシウムや鉄等の金属系の分離材を用いる場合、水を切った状態で効率良く共擦りさせることができ、また、原水の水質に合せて分離材の再生率を調節することができ、浄水の効率性、メンテナンス性、浄化安定性、浄水能力に優れる浄水装置の提供。
【解決手段】
水処理タンクと、水処理タンクの内部に形設された内筒部と、水処理タンクの外筒部と内筒部との間に形設された浄水部と、浄水部の上方に配設された分離材供給部と、浄水部の上方に配設された上部原水給水部及び/又は外筒部の下部側に配設された下部原水給水部と、内筒部の底部側に浄水部と連通して形成された分離材及び原水の導入口と、内筒部の上部側から浄水部に分離材を吐出する分離材吐出部と、内筒部の略中心軸上に回転自在に配設されたスクリューと、スクリューを回転させる駆動部と、外筒部に配設された浄水排出部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウムやマグネシウム合金や鉄等の金属を主とする分離材を使用する浄水装置に関する。
めっき工場や金属の精錬工場、ゴミ焼却場等の排水(以下、特に区別しない限り廃水、地下水、溶出液等の金属イオンを含む排水を意味する)には、人体に有毒な、例えば、水銀、鉛、カドミウム、砒素、クロム、銅、ニッケル等の重金属が含まれている。また、生物にとって有毒な元素である砒素は、通常、熱水・熱気鉱床の旧鉱山廃水、温泉水や地熱発電所等の排温水等の地下水や、産業廃棄物、都市ゴミ焼却灰・飛灰、電気炉製鋼ダスト等にも含有されている。また、井戸水や土木,建築,水道工事等の工場湧水には鉄分が多く含まれることがある。さらに、廃坑周辺の河川等は流出する鉄分により発生する赤水への対策が必要であった。
従来、このような水の処理には、中和剤や沈殿剤を添加することによって化合物を生成させ沈殿凝集させる方法、無機イオン交換体または有機イオン交換体を用いる方法、吸着剤を用いる方法がある。沈殿凝集法は、水酸化物、硫化物、炭酸塩といった難溶性の化合物を析出させ、固液分離することで排水中に溶解している物質を分離(除去)するものである。無機イオンまたは有機イオン交換体を用いる方法は、排水中に含まれるイオン成分が無機イオンまたは有機イオン交換体が持つイオンとの置換反応によって分離するものである。吸着剤を用いる方法は、活性炭に代表される多孔性吸着剤表面に排水中に溶解している物質を取り去る吸着現象によって分離するものである。分離された金属の内、例えば、産業的に有用・有価な、亜鉛、銀、金、ニッケル、クロム等は、再利用のために回収されている。
また、近年、パソコン等の筐体にマグネシウム合金が使用されるようになったが、マグネシウム合金のリサイクルが課題となっている。
これら課題に対し、マグネシウムが水溶液中で水と反応することで生成する水酸化マグネシウムが種々の元素を吸着する能力を利用した排水の処理方法として、(特許文献1)には、「純マグネシウム、マグネシウム合金を粉砕したり、リボン状、焼結させてフィルター状に加工して、砒素含有水に接触させるとpH7超のアルカリ水でも効率良く除去する方法」が開示されており、(特許文献2)には、「金属イオンを含む排水中に、マグネシウム又はマグネシウム合金を主成分とする吸着材を添加し、水とマグネシウムの反応によりマグネシウム表面に生成する水酸化マグネシウムの層に、金属イオンを吸着させ、金属イオンを排水から分離することを特徴とする金属イオンの分離方法。」が開示されている。また、廃棄物の処理方法として(特許文献3)には、「廃棄物に、マグネシウム又はマグネシウム合金を主成分とする吸着材を添加混合する方法、あるいは、得られた混合物に水と水硬性の固化材を添加し混練する方法、更には、得られた混合物に水とセメントを添加し、混練して後固化する方法によって、有害な金属等を含有するスラッジやダクト等の廃棄物を処理するに際し、有害な金属等が溶出し二次公害を起こす恐れがない様な処理方法」が開示されている。
更に、これらの実用化を図った排水の処理装置として、(特許文献4)には、「マグネシウム又はマグネシウム合金を主成分とする分離材を用いて低濃度排水処理を行う際に、分離材表面に発生する水素ガスや金属水酸化物といった反応阻害物質を連続的に剥離し、安定して、確実に分離材であるマグネシウム表面に対象となる排水が接触でき、排水中の金属イオンを長時間連続して分離できる金属イオン含有排水処理装置」が開示されている。
特開2005−13976号公報 特開2006−167564号公報 特開2006−181432号公報 特開2012−106221号公報
しかしながら上記従来の技術は、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献4)に開示の技術は、(特許文献1)乃至(特許文献3)の実用化を図ったものであるが、傾けたドラムを回転させ、汚水の処理を行いながら連続的に液中で分離材を共擦りすることで分離材の表面に新生面を形成しており、汚水の浄化が期待できるが、分離材の表面に水が付着したまま共擦りされるので、水が潤滑剤となって分離材が共擦りされ難く、再生に時間がかかり、処理効率を向上させ難いという課題を有していた。
(2)また、砒素を多く含む排水の効率的な処理が望まれていた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、分離材を循環して使用するので省資源性に優れ、マグネシウムや鉄等の金属系の分離材を用いる場合、水を切った状態で効率良く共擦りさせることができ、また、原水の水質に合せて分離材の再生率を調節することができ、浄水の効率性、メンテナンス性、浄化安定性、浄水能力に優れる浄水装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及びそれによって得られる作用、効果
上記従来の課題を解決するために、本発明の浄水装置は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の浄水装置は、水処理タンクと、前記水処理タンクの内部に形設された内筒部と、前記水処理タンクの外筒部と前記内筒部との間に形設された浄水部と、前記浄水部の上方に配設された分離材供給部と、前記浄水部の上方に配設された上部原水給水部及び/又は前記外筒部の下部側に配設された下部原水給水部と、前記内筒部の底部側に前記浄水部と連通して形成された分離材及び原水の導入口と、前記内筒部の上部側から前記浄水部に分離材を吐出する分離材吐出部と、前記内筒部の略中心軸上に回転自在に配設されたスクリューと、前記スクリューを回転させる駆動部と、前記外筒部に配設された浄水排出部と、を備える構成を有している。
この構成により、以下のような作用、効果が得られる。
(1)原水と分離材が、浄水部で接触するので、分離材に、原水中の鉄やマンガン,亜鉛,ホウ素,6価クロム,砒素,ニッケル等の金属イオンが吸着され、原水中から該金属イオンを分離(除去)することができる。
(2)スクリューが配設された内筒部を有し、内筒部と浄水部が導入口を介して連通しているため、内筒部の底部側に形成された導入口から内筒部内にスクリューの揚力等で分離材や水が導入され、スクリューの回転で分離材が流動し、互いに衝突・接触し、分離材は金属イオンの吸着や共擦りを繰り返しながら分離材吐出部まで汲み上げられ、浄水部に吐出されるので、原水と分離材の接触効率が良い。また、分離材表面の金属水酸化物の被膜により金属イオンを吸着する場合、該被膜は共擦りで剥離され、分離材は、表面に新生面を形成された状態で分離材吐出部から浄水部に落下し、原水とともに導入口から内筒部に供給されるため、浄水装置を長期間使用しても分離材による原水中の金属イオンの吸着分離性能が低下し難く、分離材を循環して使用できるので省資源性に優れ、また、短時間で多くの原水を処理することができる。
(3)内筒部の内部にスクリューを備えているので、スクリューと内筒部の隙間から水が落ち、分離材のみを分離材吐出部まで汲み上げることができる。そのため、分離材表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、水切り状態で分離材を共擦りさせることができるため、水中よりも分離材の共擦効果が得られ易く、分離材の表面に安定して新生面を形成することができる。
(4)スクリューの回転によって分離材や原水が撹拌されるので、分離材と原水が接触し易く、原水中の金属イオンと分離材の接触効率が高いため、分離材を原水と接触させるだけで原水中の金属イオンを吸着分離することができ、薬品を使用しなくても良いので、処理後の水の安全性に優れる。
(5)共擦りによって分離材の表面から剥離する剥離物の発生量が少なく、沈殿物(スラッジ)の処理に伴うメンテナンスが殆ど必要なく、メンテナンス性に優れる。
ここで、浄水装置に導入される原水には、めっき工場や金属の精錬工場、ゴミ焼却場等の排水、熱水・熱気鉱床の旧鉱山廃水、温泉水や地熱発電所等の排温水等の地下水、産業廃棄物、都市ゴミ焼却灰・飛灰,電気炉製鋼ダスト等からの浸出水、井戸水、土木,建築,水道工事等の工場湧水等があるが、金属イオンを含む水であれば特に限定されない。
また、原水に含まれる金属イオンには鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、クロム、砒素、ニッケル、カドミウム、水銀、鉛、アルミニウム、スズ、アンチモン、コバルト等の金属イオンの他、人体に有害な金属イオン等がある。また、有機排水にも有効に適用できる。
分離材としては、マグネシウムやマグネシウム合金等を主とするものが用いられるが、原水に含まれる金属イオンを吸着することができればマグネシウム以外の鉄等の金属(イオン化傾向の高いもの)や合金を用いても良い。中でもマグネシウムを含む分離材は、水と接触することで生じる水酸化物の被膜に金属イオンを吸着するため、共擦りにより被膜を除去して新生面を形成するだけで、循環利用することができ好適である。また、原水中に砒素を多く含む場合には鉄を含む分離材を用いてもよい。
マグネシウムを含む分離材は、マグネシウムが50wt%以上含まれるものであれば特に限定されず、純マグネシウムやマグネシウム合金(ASTM記号を基準とすれば、AZ31C、AZ61A、AZ80A、AZ91D、AM50A、AM60B、AM100A、EZ33、ZE41、QE22A、WE54A、WE43、ZK51A、ZK60A、ZK61A等)、パソコンや携帯電話等のハウジングとして用いられているマグネシウム合金の廃材等を用いることができる。特にマグネシウム合金廃材は、今後多量の発生が予想されており、経済的,環境負荷的意義の面から考えると好適である。
また、分離材の形状は特に限定されず、粒状、繊維状、チップ状、薄片状等の形状が選択される。分離材の大きさは、内筒部の大きさにもよるが、原水との接触効率を良くするために、体積が小さく、表面積が大きいものが好ましい。例えば、厚さ0.5×幅3×長さ10mmのチップ状の純マグネシウム等が用いられる。
鉄を含む分離材としては、鋳鉄等の鉄の粒状物が用いられる。
内筒部の形状は、略円筒形であることが望ましいが、多角筒状等でも良い。内筒部は、外筒部の内部に一箇所設けても良いし複数設けることもできる。また、内筒部の位置は外筒部の内部で適宜変更することもできる。例えば、等間隔に並べて設置しても良いし、偏らせて設置しても良い。外筒部の内部に複数の内筒部を備えることで、循環する分離材との接触量を増やし、一つの浄水装置での処理効率に優れ、処理量が増加でき浄化能力に優れる。また、外筒部の内部の容量や、目的の処理量に合わせて、内筒部を適宜配設することができると共に、対流が少ない部分や、液のチャネリングが発生する部分を減らせるので浄水性能に優れる。内筒部の下部には導入口が適宜設けられているが、導入口以外の部分に分離材が堆積する場合があるので、内筒部を複数備えた場合、隣接する内筒部の導入口の位置をずらすことで、堆積する分離材が無く、処理効率に優れると共に、使用されずに堆積する分離材が無いので省資源性に優れる。
また、外筒部の内部に内筒部を複数設けて外筒部の内部を内筒部ごとに隔壁で区切る場合、その一つに原水供給部を設け、それぞれの隔壁で区切られた区間を順番に流れるよう処理させることもできる。この場合、原水をそれぞれの内筒部の周りの浄水部で内筒部の数に応じて繰り返し分離材と接触させることができるので浄水の高品質性に優れる。
内筒部に形成される導入口の位置は、分離材の循環を考えると、スクリューの下端の羽根の位置と同じ又は上で内筒部の底部側に形成されることが好ましい。また、導入口は分離材が導入できれば大きさや形状は特に限定されない。
内筒部には水切り部を形成しても良い。水切り部の位置は、導入口の上部側であれば特に限定されない。また、水切り部の形状や大きさについても、特に限定されないが、分離材が水切り部から浄水部に吐出されるのを防ぐため、分離材が通過し難い大きさの目開きを有するエキスパンドメタルやパンチングメタル,金網やフィルター等の網体(網筒)を備えることが好ましい。網体(網筒)の素材は、金属イオンの溶出が少ない素材であれば特に限定されず、金属又は合金,合成樹脂等を選択することができる。また、網体(網筒)の製造方法も特には限定されない。水切り部を形成することで、導入口から、内筒部の内部に水を導入し、水切り部から水を吐出する水の循環を促すことができ、内筒部内でスクリューによって撹拌しながら水と分離材の接触性に優れる。
内筒部に形成される分離材吐出部の位置は、内筒部の上部側であれば特に限定されず、大きさや形状も特に限定されない。但し、分離材としてマグネシウムを含んだ金属系の分離材を用いる場合、分離材吐出部は内筒部の液面の高さよりも高い位置に設けられる。これにより、水分を切った状態で効率よく共擦りすることができるので、分離材表面の再生効率に優れる。
分離材表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、回転軸の回転数等の条件にもよるが、分離材吐出部が形成される内筒部内周面に、邪魔板等の吐出調整板を設けることで分離材の共擦効果を高めることができる。
スクリューは、回転軸にプロペラ状や螺旋状等の羽根が形成されたものであれば特に限定されない。
また、スクリューの回転軸は、内筒部の中心軸に対して水平方向に若干偏芯させて回転させても良い。回転軸を偏芯させることで生じる揺動により、スクリューの羽根上の分離材の動きが複雑化し、分離材同士の衝突も活発になり、原水と分離材の接触効率や共擦効果を高めることができる。また、スクリューの羽根と内筒部間に分離材が詰まるのを防止でき、運転の長期安定化が図れるとともに、分離材の粉化を防止できる。
スクリューが螺旋羽根を備える場合、螺旋羽根は導入口の下部から少なくとも分離材吐出部まで連続して形成されることが好ましい。これは、水中では水が潤滑剤のように作用するため、分離材同士の接触による共擦効果は高くないが、分離材吐出部まで形成することによって、螺旋羽根上の分離材が分離材吐出部まで運ばれる間に水が螺旋羽根の端部と内筒部の内周面との隙間から落下するので、分離材を水切り状態で共擦りさせることができ、共擦効果を高めることができるからである。
また、スクリューの羽根の表面には、切り欠きを形成したり、異物を固着させる等して凹凸を形成したりしても良い。凹凸を形成することで、スクリューの羽根上を動く分離材の動きが複雑化し、分離材と水の接触効率が高くなるとともに、分離材同士が接触し易くなり、共擦効果を高めることができる。
駆動部は、スクリューを回転させることができれば特に限定されず、モータやエンジン等を用いることができる。
駆動部によるスクリューの回転数は、スクリューの羽根の傾斜角度(羽根が螺旋状の場合は羽根のピッチも含む)や分離材の量等により適当な回転数を自由に選択することができる。
原水から金属イオンが除去された浄水(処理水)には、分離材や共擦り後の分離材表面からの剥離物等のスラッジが混入する場合がある。そのため、浄水排出部にスラッジを除去するフィルターを設けるか、浄水装置の下流にスラッジを沈殿分離させるための沈殿槽を連設しても良い。また、浄水排出部に逆止弁や、調整弁(ダンパー)を設けるとフィルターの洗浄や排水量を調整することができる。
また、浄水装置の水処理タンクの底部に給排水管を備えても良い。これにより、浄水装置を長期間使用した際に、浄水部等に沈積する剥離物等のスラッジを容易に排出できるとともに、水処理タンク内の洗浄も容易となる。
浄水装置を構成する内筒部やスクリュー等に用いられる素材は、分離材によって吸着分離する金属イオンの溶出が少ない素材であれば特に限定されず、チタンやアルミニウムを主成分とする金属類や合成樹脂,ステンレス鋼等を選択することができる。
分離材供給部からの分離材の供給方法は、特に限定されず、ホッパー等を用いることができる。
上部原水給水部及び下部原水給水部は少なくともいずれか一方を備えていればよく、適宜、選択していずれか一方又は両方から原水の給水を行うことができる。
また、分離材供給部及び上部原水給水部としては、水面より上部で分離材及び原水を供給するようにしてもよいし、パイプ等により適宜浄水部の水面より下に供給できるように配設することもできる。
下部原水給水部は外筒部と内筒部の間に原水を給水するものでもよいし、内筒部に連通させて直接、内筒部の内部に原水を給水するものでもよい。
尚、上部原水給水部及び下部原水給水部を形成する素材としては、内筒部等と同様に、合成樹脂やステンレス鋼等を選択することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の浄水装置であって、前記下部原水給水部が、前記外筒部を貫通し前記内筒部と連通する構成を有している。
この構成により、請求項1の作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)下部原水給水部が、外筒部を貫通し内筒部と連通することにより、原水が直接、内筒部の内部に供給されるので、原水が処理後の浄水に混入することがなく、未処理のまま浄水排出部から排出されることを防ぐことができ、高い除去率で金属イオンが除去された浄水を安定して得ることができる。
ここで、下部原水給水部を内筒部と連通させる場合、下部原水給水部の先端部(出口)を内筒部に連結して内筒部の内周面で開口するようにしてもよいし、下部原水給水部の先端部(出口)を内筒部の内周面から内側に突出させてもよい。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の浄水装置であって、前記水処理タンクの底部に前記導入口に向かって下る勾配部を備える構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)水処理タンクが、外筒部の内周面側から内筒部の底部側の導入口に向かって下る勾配部を備えることで、浄水部に供給された分離材が流動して内筒部の導入口に導入され易く、浄水部内に堆積することが避けられる。また、浄水部内に分離材が堆積せずに内筒部へ流動することにより内筒部内で効率的に分離材を共擦りさせることができるので、分離材の吸着分離能力の低下を防ぐことができる。
ここで、勾配部は、導入口に分離材が流れ込む程度の勾配があれば良い。
また、勾配部の形成方法は特に限定されず、例えば、水処理タンクの底面を逆円錐状に形成しても良いし、水処理タンクの底部に分離材が通過し難い大きさの目開きを有するフィルターやエキスパンドメタル,パンチングメタル,金網等をテーパ状に配置して形成しても良い。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の浄水装置であって、前記勾配部の傾斜角度が水平面に対して5度以上である構成を有している。
この構成により、請求項3の作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)勾配部の傾斜角度が水平面に対して5度以上であるため、分離材が勾配部上に堆積したまま残ることがなく、分離材を導入口から内筒部に安定して導入することができる。そのため、分離材表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、新生面が形成されていない分離材が浄水部の底部に溜まることが無く、浄水装置の処理能力が低下することを防ぐことができる。
ここで、勾配部の傾斜角度が5度より小さくなると、スクリューの回転数や原水の処理量等にもよるが、供給される分離材が導入口に向かって流れ難くなり、内筒部に分離材が供給され難くなるため、分離材が共擦りされ難くなり、原水からの金属イオンの吸着分離効率が低下し易くなるので好ましくない。75度より大きくなると、分離材が一度に導入口に向かって移動し、導入口の詰まりが発生して分離材の流動性が阻害され易くなるため、分離材が共擦りされ難く、原水からの金属イオンの吸着分離効率が低下し易くなるので好ましくない。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1の浄水装置であって、前記分離材吐出部が、前記内筒部の上端側に配設され中央部に吐出口が形成された吐出調整板を備える構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)吐出調整板を備えるので、分離材吐出部から吐出する分離材の吐出量を吐出口の大きさ等によって調整することができるとともに、分離材を吐出調整板とスクリューの羽根の間で押さえつけることができるので、吐出調整板の大きさや形状によって共擦り効果を高め分離材の再生率を調整することもできる。
ここで、吐出調整板は、吐出口からの分離材の吐出量を調整することができればよく、構成は特に限定されない。
吐出調整板の素材は、金属イオンの溶出が少なければ特に限定されず、内筒部等と同様の素材を用いることができる。
また、吐出口の形状は、特に限定されず、円状や楕円状、多角形状等のどのような形でも良い。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1に記載の浄水装置であって、前記スクリューの羽根の外径Dと前記スクリューの回転軸の直径dの比D/d=2〜10であり、前記回転軸に垂直な平面に対し前記羽根の傾斜角度が5〜60度である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)スクリューの羽根の外径Dと回転軸の直径dの比D/d=2〜10であるため、回転軸に対して羽根の大きさのバランスが良く、スクリューの羽根で汲み上げることができる分離材の量が少なくなり過ぎず、効率良く分離材を接触・衝突させることができるとともに、回転軸が十分な構造強度を備えるので、浄水装置を安定して使用することができる。
(2)回転軸に垂直な平面に対しスクリューの羽根の傾斜角度が5〜60度に形成されているため、分離材吐出部まで分離材を汲み上げることができると共に分離材の細粒化が少ない。そのため、スクリューの回転数を調整することで、原水の水質等に合わせて分離材の循環量等を容易に調整することができるので、省資源性に優れる。
ここで、スクリューの羽根の外径Dと回転軸の直径dの比D/dが2より小さくなると、スクリューの羽根の幅が狭くなり、回転軸の回転数によっては汲み上げることができる分離材の量が減少し、浄水部に供給される分離材の量が少なくなって、原水の処理効率が低下するので好ましくない。また、D/dが10より大きくなると、スクリューの羽根の幅が広くなり、汲み上げることができる分離材の量は増えるが、回転軸が細くなり、回転軸の構造強度が得られ難くなるので好ましくない。
スクリューの羽根の傾斜角度が、回転軸に垂直な平面に対し5度より小さくなると、水処理タンクの底部から分離材をすくい易く、スクリューの回転速度によっては分離材を内筒部の上部まで汲み上げるための時間が増し、分離材が衝突し共擦りする時間が長くなるので、分離材の共擦効果は高まり、浄水効果も高まるが、分離材が細粒化し易くなるので好ましくない。また、60度より大きくなると、スクリューの回転数によっては分離材を汲み上げることができず、分離材を内筒部と浄水部の間を循環させることができなくなり、また、分離材を汲み上げるためにスクリューの回転数が上げた場合、分離材が必要以上に共擦りされ、分離材が細粒化し易くなるので好ましくない。
また、スクリューの羽根が螺旋羽根の場合、羽根のピッチは、螺旋羽根の傾斜角度や浄水装置の大きさ等に合せて、適宜選定される。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内いずれか1に記載の浄水装置であって、前記内筒部の中心軸に対して前記スクリューの前記回転軸が0.1〜3mm偏芯するように配設されている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)内筒部の中心軸に対してスクリューの回転軸が0.1〜3mm偏芯するように配設されているので、分離材や原水が撹拌され易く、分離材同士が衝突し共擦りし易くすることができるとともに、スクリューと内筒部の内周面の間に分離材が詰まることを防止し、連続運転を実現できる。
(2)回転軸が偏芯して回転するので、分離材がスクリューの羽根と内筒部の内周壁との隙間に詰まるのを防止でき、運転の長期安定化が図れるとともに、分離材の粉化を防止できる。
ここで、回転軸の偏芯量が0.1mmより小さくなると、偏芯による分離材や原水の撹拌が起こり難くなるので好ましくない。また、3mmより大きくなると、内筒部の内周面とスクリューの羽根の端部との隙間が大きくなり、分離材が隙間から落下し易くなるので、分離材が内筒部と浄水部の間を循環し難く、汲み上げる分離材の量が減り、処理効率が低下し易くなるので好ましくない。
回転軸の下端部を自由端に形成しても良い。これにより、回転軸の回転が偏芯し易くなる。偏芯による回転軸の振れが大きくなり過ぎる場合には、軸受等を用いて回転軸の振れを抑えても良い。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の内いずれか1に記載の浄水装置であって、前記内筒部の内周面と、前記羽根の端部との隙間が0〜10mmである構成を有している。
この構成により、請求項1乃至7の作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)内筒部の内周面とスクリューの羽根の端部との隙間が0.1〜10mmであるため、分離材がスクリューの羽根の端部と内筒部の内周面との隙間から内筒部底部に落下し難く、分離材吐出部まで分離材を効率よく汲み上げることができる。また、分離材表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、スクリューの羽根の端部と内筒部との隙間でも分離材の表面が擦られるので、共擦効果が得られ難い水中においても分離材表面に新生面を形成し易く、装置の安定性や原水の処理効率に優れる。
ここで、内筒部の内周面とスクリューの羽根の端部との隙間は0.1〜10mmが選択される。隙間が0.1mmより小さくなると、回転軸の振れにより、スクリューの羽根と内筒部の内壁が接触し易く、スクリューの羽根の破損等が起こり易くなるので好ましくない。また、10mmより大きくなると、分離材がスクリューと内筒部の間から落下し易く、内筒部と外筒部の間に形設される浄水部に分離材が吐出され難くなり、原水の処理効率が低下し易くなるとともに、分離材表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、スクリューの羽根上で分離材同士が衝突・接触し難く、分離材の共擦効果が得られ難くなるので好ましくない。
しかし、該隙間が略0mmに近付くと、内筒部に供給される原水を汲み上げやすくなり、分離材と原水の反応時間(接触時間)を長くすることができるので、原水中の金属イオン濃度が高い場合や有害な金属イオン等を含む場合に、該金属イオンを十分に除去することができ、浄水の安全性を高めることができる。
このとき、内筒部の内周面とスクリューの羽根の端部との隙間を略0mmに近付ける方法としては、スクリューの羽根の平面部の縁側(端部側)に、ゴムや合成樹脂等のカバーリングをする方法や、該羽根の平面部の縁側(端部側)にゴム等の弾性体を接着する方法(ライニング)等を用いることができる。
また、内筒部の内周面とスクリューの羽根の端部との隙間から分離材が落下するのを防ぐ方法としては、スクリューの羽根の平面部の縁側(端部側)に、凸部を設ける方法等を用いることができる。
スクリューの羽根に螺旋羽根を用いた場合、螺旋羽根のピッチが上部側と下部側で異なる構成にすることもできる。この構成により、螺旋羽根の上部側と下部側でピッチが異なるので、分離材がスクリューの上部に汲み上げられるに従って、螺旋羽根上の分離材の堆積率を変化させることができる。そのため、分離材表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、堆積率の変化によって共擦効果を高めることができ、分離材表面に新生面が露出され易くなり、分離材による原水中の金属イオンの吸着分離効率が低下し難く、メンテナンス性や安定性に優れる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の内いずれか1に記載の浄水装置であって、前記浄水部が、前記浄水部が、前記外筒部と前記内筒部との間に配設された中間筒部と、前記内筒部と前記中間筒部との間に形設された金属イオン吸着部と、前記中間筒部と前記外筒部との間に形設された溢水部と、を有し、前記分離材供給部の出口が、前記金属イオン吸着部の上方に開口している構成を有している。
この構成により、請求項1乃至8の作用、効果に加え、以下のような作用、効果を有している。
(1)内筒部と中間筒部との間に形設された金属イオン吸着部の上方に分離材供給部の出口が開口しているので、供給された分離材が導入口に近い位置に沈殿し易く、分離材を導入口から内筒部に導入し易くすることができる。
(2)金属イオン吸着部の外周側に溢水部が形成されているので、浄水(処理水)中に分離材からの剥離物(スラッジ)等が含まれる場合、溢水部の底部に沈殿し易くなり、浄水排出部から排出され難くなる。そのため、浄水装置の下流に、該剥離物を除去する浄水槽等を連設しなくとも、スラッジの含まれない浄水(処理水)を得ることができ、利便性に優れる。
ここで、外筒部と内筒部との間に配設される中間筒部は、内筒部を囲うように形成することで、浄水部を金属イオン吸着部と溢水部に区分けするが、形状は筒状に限定されない。断面が円弧状の中間筒部を、少なくとも内筒部の導入口の周囲を囲うように形成し、浄水部を金属イオン吸着部と溢水部に区分けしても良い。
中間筒部の素材は、内筒部等と同様の素材を用いることができるので、説明は省略する。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の浄水装置であって、前記内筒部が、前記導入口より上部に水切り部を有し、前記溢水部が、前記水切り部と前記中間筒部に連通した連通管と、前記中間筒部と前記外筒部との間に配設された堰部と、前記堰部と前記中間筒部との間に形設された沈降分離部と、前記堰部に形設されたもぐり堰と、を備える構成を有している。
この構成により、請求項9の作用、効果に加え、以下のような作用、効果が得られる。
(1)溢水部が、連通管によって内筒部の内部と連通され、堰部と中間筒部との間に形設された沈降分離部を備えるので、浄水(処理水)中に分離材からの剥離物(スラッジ)等が含まれる場合、該スラッジが堰部で遮られ、沈降分離部の底部に堆積することで分離(除去)される。そのため、別途、フィルターを備えなくとも浄水装置の維持管理が容易になり、省資源性、メンテナンス性に優れる。
(2)沈降分離部の底部側に給排水弁を設けることで、沈降分離部に沈殿した分離材からの剥離物等のスラッジを該給排水弁から容易に取り出すことができ、メンテナンス性に優れる。
ここで、連通管によって水切り部と連設された溢水部には、内筒部で金属イオンが分離(除去)された浄水(処理水)が流入するが、該浄水(処理水)には分離材や分離材表面からの剥離物等のスラッジが混入することがあるため、水処理タンクの底部にスラッジを沈殿させるための沈殿部を形設することが好ましい。沈殿部の形成方法は、浄水(処理水)中のスラッジを沈殿させることができれば特に限定されないが、浄水部の底部側に分離材が通過し難い大きさの目開きを有するエキスパンドメタルやパンチングメタル,金網や沈殿分離用フィルター(網体)等を設ける方法等が好適に用いられる。更に、スラッジの沈殿場所に排水弁等を設けることで、容易にスラッジを除去することができ、メンテナンス性を高めることができる。
また、溢水部は、上端部に上蓋等の屋根部を設けることが好ましい。これにより、浄水装置から浄水を排水する際に、溢水部の上端部から分離材等が混入し難くなるからである。
浄水部には、中間筒部の底部側に通水部を設け、水切り部から排出された浄水が浄水部に流入するようにしても良い。
中間筒部と外筒部の間に配設される堰部の素材は、内筒部等と同様の素材を用いることができるので、説明は省略する。
尚、もぐり堰とは、堰部下部に形成された開口部であり、溢水部に流入した分離材やその剥離物等のスラッジをトラップし、浄水と分離するためのものである。これにより、浄水(処理水)中のスラッジが除去され易く、浄水排出部にフィルター等を備えなくとも不純物の少ない浄水(処理水)が得られ易くなる。
また、堰部は複数設けても良い。堰部を複数形成することで、浄水(処理水)中のスラッジが、溢水部内に沈殿し易くなり、スラッジを除去し易くなる。この時、堰部の少なくとも1つが、堰部上部にもぐり堰を備えることが好ましい。
実施の形態1の浄水装置の要部正面断面図 (a)実施の形態1の浄水装置の平面図(b)図1のA−A線矢視断面図 実施の形態1の浄水装置の導入口の拡大断面図 実施の形態2の浄水装置の要部正面断面図 実施の形態2の浄水装置の使用状態を示す概要図 実施の形態3の浄水装置の要部正面断面図 実施の形態3の浄水装置の使用状態を示す概要図 実施の形態4の浄水装置の模式平面断面図 実施の形態4の浄水装置の要部正面断面図 実施の形態4の浄水装置の使用状態を示す概要図
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。尚、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1の浄水装置の要部正面断面図であり、図2(a)は実施の形態1の浄水装置の平面図であり、図2(b)は図1のA−A線矢視断面図であり、図3は実施の形態1の浄水装置の導入口の要部拡大断面図ある。
図1,2において、Xは実施の形態1の浄水装置、1は浄水装置Xの水処理タンク、1aは水処理タンク1の外筒部、1bは水処理タンク1の蓋部、1cは水処理タンク1の底板部、2は水処理タンク1の内部に形設された内筒部、2aは内筒部2の内周面に形設され後述するスクリュー8によって水切りされた分離材が共擦りされる共擦部、2bは内筒部2を外筒部1aに固定する支持部、3は内筒部2と水処理タンク1の外筒部1aとの間に形設され,原水と分離材が接触し金属イオンが吸着・分離される浄水部、4は浄水部3の上部の蓋部1bに形設された分離材供給部、4aは浄水部3の上部の蓋部1bに形設された上部原水給水部である。上部原水給水部4aは外筒部1aの上部に形成されてもよい。5は内筒部2の底部側に形設され原水及び分離材を内筒部2内へ導入するための導入口、7は内筒部2の上部側に形設された分離材吐出部、8は内筒部2の略中心軸上に回転自在に挿設されたスクリュー、8aはスクリュー8の回転軸、8bは回転軸8aの外周に螺旋状に形成された螺旋羽根、9は内筒部2の底板部1cに形設された給排水管、9aは給排水管9に連設された給排水弁、10は蓋部1b上に配設されスクリュー8を回転させる駆動部、11は外筒部1aにおいて浄水部3側に配設された筒状の浄水排出部、11aは浄水排出部11の内筒部2側と対向する面に配設されたフィルター、12は内筒部2を支持する底板部1cに形成された嵌合溝部、13は外筒部1aにおいて浄水部3の上側に配設されオーバーフローフィルター13aが配設された筒状のオーバーフロー管(排水管)である。
図3においてθ1は回転軸8aに垂直な平面に対する螺旋羽根8bの傾斜角度、Cは内筒部2の内周面と螺旋羽根8bの端部との隙間、Dは螺旋羽根8bの外径、dは回転軸8aの直径である。
原水や金属イオンが分離(除去)された浄水と接する外筒部1aや内筒部2、スクリュー8等の素材は、吸着分離される金属イオンの溶出が少ない素材であれば特に限定されず、チタンやアルミニウムを主成分とする金属類や合成樹脂、ステンレス鋼等の素材が好適に用いられる。
スクリュー8の螺旋羽根8bの端部と内筒部2の内周面との間に隙間を形成しない場合、スクリュー8の回転により汲み上げられる水を切るために、内筒部2に水切り部を形成しても良い。水切り部は、内筒部2内の水を排出することができればスリットや孔等、どのような構成でも良い。
スクリュー8は、分離材や原水の接触効率を高める為に回転軸8aを内筒部2の中心軸に対して0.1〜3mm偏芯させても良い。これにより、内筒部2内で揚水される原水の量を減少させ、内筒部2の上側で水切りを効率的に行うことができる。偏芯量が0.1mmより小さくなると、偏芯による分離材や原水の撹拌が起こり難くなるので好ましくない。また、偏芯量が3mmより大きくなると、内筒部2の内周面と螺旋羽根8bの端部との隙間が大きくなり、分離材が隙間から落下し易くなって、分離材が内筒部2と浄水部3の間を循環し難く、汲み上げることができる分離材の量が減り、処理効率が低下し易くなるので好ましくない。
また、スクリュー8の駆動部10による回転の回転数は、スクリュー8の螺旋羽根8bの傾斜角度や螺旋羽根8bのピッチ、分離材の量等により適当な回転数を自由に選択することができる。
螺旋羽根8bには、分離材の共擦効果を高めるために、表面に切り欠きを形成したり、異物を固着させる等して凹凸を形成したりしても良い。
図3に示すように、螺旋羽根8bの傾斜角度θ1(回転軸8aに垂直な平面に対する角度)は、5〜60度に形成される。θ1が、回転軸8aに垂直な平面に対し5度より小さくなると、水処理タンク1の底部から分離材をすくい易いが、共擦部2aの上部まで分離材を汲み上げるための時間が増し、分離材が衝突・接触する時間が長くなるので、分離材表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合は、分離材の共擦効果は高まるが、分離材が細粒化し易くなるので好ましくない。また、60度より大きくなると、スクリュー8の回転数によっては分離材を汲み上げることができず、分離材を内筒部2と浄水部3の間で循環させることができなくなり、また、分離材を汲み上げるためにスクリュー8の回転数を上げた場合、分離材が必要以上に共擦りされ、分離材が細粒化し易くなるので好ましくない。
また、螺旋羽根8bのピッチは、螺旋羽根8bの傾斜角度θ1や装置の大きさ等に合せて、適宜設定される。
螺旋羽根8bの下端部は、水処理タンク1の底板部1cと接触しない程度の間隙を有している。
内筒部2の内周面と螺旋羽根8bの端部との隙間Cは、0.1〜10mmが好ましい。隙間Cが0.1mmより小さいと、回転軸8aの振れにより、螺旋羽根8bと内筒部2の内周面が接触し易く、螺旋羽根8bの破損等が起こり易くなるので好ましくない。また、10mmより大きいと、螺旋羽根8bと内筒部2の内周面の間の隙間Cが大きくなり、分離材が該隙間から落下し易く、内筒部2に導入された分離材が浄水部3に吐出され難くなり、原水の処理効率が低下し易くなるとともに、分離材表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、螺旋羽根8b上で分離材同士が衝突・接触し難く、分離材の共擦効果が得られ難くなるので好ましくない。
しかし、隙間Cが略0mmに近付くと、内筒部2に供給される原水を汲み上げやすくなり、分離材と原水の反応時間を長くすることができるので、原水が有害な金属イオン等を含む場合に、浄水性を高めることができる。
尚、隙間Cを0mmにするには、スクリュー8の螺旋羽根8bの平面部の縁側(端部側)にゴムや合成樹脂製等のカバーリング(ライニング)を接着する方法等が用いられる。
螺旋羽根8bの外径Dと回転軸8aの直径dの比は、D/d=2〜10であることが好ましい。D/dが2より小さいと、スクリュー8の螺旋羽根8bの幅が狭くなり、スクリュー8の回転数によっては汲み上げることができる分離材の量が減少し、浄水部3に供給される分離材の量が少なくなるので、原水の処理効率が低下し好ましくない。また、D/dが10より大きいと、スクリュー8の螺旋羽根8bの幅が広くなるので、汲み上げることができる分離材の量は増えるが、回転軸8aが細くなり、回転軸8aの構造強度が得られ難くなるので好ましくない。
浄水排出部11に配設されるフィルター11aの形状は特に限定されず、素材は金属イオンの溶出が少ないものであれば特に限定されない。
また、フィルター11aは、本実施の形態のように外筒部1aの内周壁側に配設しても良いが、浄水排出部11を外筒部1aの外周面に管体を固設するように形成し、フィルター11aを外筒部1aの外周面側に配設しても良い。フィルター11aの固定方法については特に限定されない。
また、浄水排出部11を外筒部1aの上部側に設けた場合、フィルター11aは備えなくとも良い。また、浄水中のスラッジを除去するため、浄水装置Xの下流にスラッジを沈殿分離させるための沈殿槽を連設しても良い。
浄水排出部11には、逆洗装置(図示せず)を配設しても良い。これにより、フィルター11aの目詰まり等を容易に除去でき、メンテナンス性を高めることができる。
以上のように構成された本実施の形態1の浄水装置Xについて、マグネシウムやマグネシウム合金を主とする分離材を用いた場合の浄水過程について図1を用いて説明する。
まず、水処理タンク1の蓋部1bに形設された分離材供給部4から外形が数mmのマグネシウム又はマグネシウム合金を主とする分離材を導入し、浄水部3底部に分離材を堆積させた後、上部原水給水部4aから原水を導入することで、分離材の表面に金属水酸化物が生成され、該金属水酸化物に原水中の金属イオンが吸着される。
次に、金属イオンが除去された原水は、浄水として浄水排出部11から排出され、また、表面に金属イオンを吸着した分離材は導入口5から内筒部2に導入される。
次いで、内筒部2に導入された分離材は、スクリュー8が回転することによって共擦部2aの上部に押し上げられ、スクリュー8と内筒部2の内周面との隙間から共擦部2aの下部に落ちるので、水が切られた状態で分離材同士が共擦りされる。共擦りされ表面に再生面が露出された分離材は、分離材吐出部7から浄水部3に再び供給され、注入される原水と接触する。分離材のマグネシウム露出面の金属イオンの吸着は極めて早く、分離材の再生面と接触した原水中の金属イオンは急速に吸着される。よって、浄水排出部11からは金属イオンが除去された浄水のみを排出することができるので連続運転が可能である。尚、分離材の種類と原水中の金属イオンとの組合せや原水の濃度によっては反応が遅く、金属イオンが直ちに吸着されないことがあるが、その場合はバッチ処理することにより、浄水のみを排出することができる。分離材は浄水部3底部の分離材が沈積した沈殿域まで分散しながら降下し、原水中の微量の未吸着金属イオンと反応しながら再び原水とともに導入口5に導入される。
ここで、浄水部3に供給される分離材は、スクリュー8の回転数や原水の水質等の条件に合わせ、浄水部3の底部に一定量が沈積する程度の量を供給することが好ましい。
以上のように、本実施の形態1の浄水装置Xは構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)原水とマグネシウムやマグネシウム合金等からなる分離材を接触させ、内筒部2で撹拌するので、分離材の新生面に、原水中の鉄やマンガン,亜鉛,ホウ素,6価クロム,砒素,ニッケル等の金属イオンが吸着され、原水中から該金属イオンを分離(除去)することができる。
(2)スクリュー8が配設された内筒部2を有し、内筒部2と浄水部3が導入口5を介して連通しているため、内筒部2の底部側に形成された導入口5から共擦部2aに、分離材や水が導入され、螺旋羽根8bが回ることで分離材が流動し、互いに衝突・接触し、分離材は金属イオンの吸着や共擦りを繰り返しながら分離材吐出部7まで汲み上げられ浄水部3に吐出されるので、原水と分離材の接触効率が良い。また、分離材表面の金属水酸化物の被膜により金属イオンを吸着する場合、該被膜は共擦りで剥離され、分離材は、表面に再生面を形成された状態で分離材吐出部7から浄水部3に落下し、原水とともに導入口5から内筒部2に供給されるため、浄水装置を長期間使用しても分離材による原水中の金属イオンの吸着分離性能が低下し難く、分離材を循環して使用できるので省資源性に優れ、また、短時間で多くの原水を処理することができる。
(3)内筒部2の内部にスクリュー8を備えているので、スクリュー8と内筒部2の隙間Cから水が落ち、分離材だけを分離材吐出部7まで汲み上げることができる。その結果、分離材を水切り状態で共擦りさせることができるので、水中よりも分離材の共擦効果が得られ易く、分離材の表面に安定して再生面を形成することができる。
(4)スクリュー8の回転によって分離材や原水が撹拌されるので、分離材と原水が接触し易く、原水中の金属イオンと分離材の接触効率が高いため、分離材を原水と接触させるだけで原水中の金属イオンを吸着分離することができ、工業薬品等を使用しなくても良いので、処理後の水の安全性に優れる。
(5)共擦りによって分離材の表面から剥離する剥離物の発生量が少なく、沈殿物(スラッジ)の処理に伴うメンテナンスが容易で、メンテナンス性に優れる。
(6)螺旋羽根8bの外径Dと回転軸8aの直径dの比D/d=2〜10であるため、回転軸8aと螺旋羽根8bの大きさのバランスが良く、螺旋羽根8bで汲み上げることができる分離材の量が少なくなり過ぎず、効率良く分離材と原水を接触させるとともに、回転軸8aが十分な構造強度を備えるので、浄水装置Xを安定して使用することができる。
(7)回転軸8aに垂直な平面に対し螺旋羽根8bの傾斜角度θ1が5〜60度に形成されているため、スクリュー8の回転数が比較的低くとも、分離材吐出部7まで分離材を汲み上げることができ、回転軸8aの回転数を調整することで、分離材の循環量を容易に調整することができる。そのため、原水の水質に合わせて分離材を効率的に使用することができ、省資源性に優れる。
(8)スクリュー8が、内筒部2の中心軸に対して0.1〜3mm偏芯して回転する場合、スクリュー8の揺動運動も加わるので、分離材や原水が撹拌され易く、分離材同士が衝突し共擦りし易くすることができるとともに、螺旋羽根8bと内筒部2の内周面の間に分離材が詰まることを防止し、連続運転を実現できる。
(9)内筒部2の内周面と螺旋羽根8bの端部との隙間Cが0.1〜10mmであるため、分離材が螺旋羽根8bの端部と内筒部2の内周面との隙間から共擦部2aの底部に落下し難く、分離材吐出部7まで分離材を効率よく汲み上げることができる。また、分離材表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、螺旋羽根8bの端部と内筒部2の内周面との隙間でも分離材の表面が擦られるので、共擦効果が得られ難い水中においても分離材表面に新生面を形成し易く、装置の安定性や原水の処理効率に優れる。
(実施の形態2)
実施の形態2の浄水装置について、以下、図面を用いて説明する。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図4は実施の形態2の浄水装置の要部正面断面図、図5は実施の形態2の浄水装置の使用状態を示す概要図である。
図4において、Yは実施の形態2の浄水装置、20は浄水装置Yの水処理タンク、20aは水処理タンク20の外筒部、20bは水処理タンク20の蓋部、20cは略逆円錐状に形成された水処理タンク20の底板部、21は外筒部20aを貫通し内筒部2の導入口5の上方の異なる位置に開口した管状の下部原水給水部、22は水処理タンク20の底板部20cが導入口5に向かって下るように水平面に対して5〜75度(θ2)に傾斜して形設された勾配部、22aは底板部1cに形設された軸受板、23aは外筒部20aと内筒部2との間で浄水部3の底板部20cから上方に立設された中間筒部、23bは中間筒部23aの内周面と内筒部2の外周面によって浄水部3内に形設された金属イオン吸着部、23cは中間筒部23aの外周面と水処理タンク20の外筒部20aの内周面によって浄水部3内に形設された溢水部、23dは中間筒部23aの下端部に形設された通水部、23eは溢水部23c内で浄水排出部11より下部側に配設された溢水部用フィルター、23fは浄水部3の上端部に配設された溢水部23cの屋根部、24は内筒部2の導入口5と分離材吐出部7の間に形設された分離材の水切り部、25は分離材が通過し難い大きさの目開きを有し水切り部24を覆うように配設されたエキスパンドメタルやパンチングメタル、金網等からなる網筒、26はスクリュー8の螺旋羽根8bの平面部の縁側(端部側)に接着されたゴム製のライニング、θ2は水平面に対する勾配部22の傾斜角度、Bはスクリュー8の断面の左右を分ける破断線である。
図5において、27は水処理タンク20の浄水部3の金属イオン吸着部23bの上部に配設された分離材供給部4から供給されるマグネシウムやマグネシウム合金等の分離材である。尚、金属イオン吸着部23bに上部原水給水部4aから給水される。28は下部原水給水部21から内筒部2に供給される原水、29は原水28から金属イオンが除去され浄水排出部11から排出される浄水(処理水)である。尚、原水は上部原水給水部4a,下部原水給水部21のいずれか1箇所から給水してもよい。
また、図5中、スクリュー8の回転軸8aの中心軸上に示した仮想分離線Fから左側は、原水28及び浄水(処理水)29の流れを示すため、分離材27を図示していない。尚、白抜きの矢印は分離材27の流れを示し、灰色の矢印は原水28及び浄水(処理水)29の流れを示したものである。
ここで、勾配部22は、傾斜角度θ2(図4参照)が5度より小さくなると、供給される分離材27が導入口5に流れ難くなり、内筒部2に分離材27が供給され難くなって、原水28における金属イオンの吸着分離効率が低下するので好ましくない。75度より大きくなると、分離材27が一度に導入口5に向かって移動し、分離材27の流動性が阻害され易くなり、内筒部2に分離材27が供給され難くなって、原水28における金属イオンの吸着分離効率が低下するので好ましくない。
原水28に有害な金属イオンが含まれている時に、原水が拡散しないように、スクリュー8の螺旋羽根8bの縁側(端部側)には、内筒部2の内周面と接するようにライニング26が配設されており、スクリュー8の螺旋羽根8bの端部と内筒部2の内周面との隙間を埋めることで、内筒部2の水密性が保たれている。
溢水部用フィルター23eは備えなくとも良く、代わりに浄水装置Yの下流に沈殿槽を連設しても良い。
以上のように構成された本実施の形態2の浄水装置Yについて、マグネシウムやマグネシウム合金を分離材として用いた場合の浄水過程を図5を用いて説明する。
まず、原水28は、内筒部2の底部側に配設された下部原水給水部21及び/又は上部原水給水部4aから給水される。また、分離材27は、分離材供給部4から供給され、金属イオン吸着部23bに導入されて、金属イオンを吸着しながら底板部20cによって形成された勾配部22の傾斜に沿って移動し、導入口5から内筒部2に供給される。
次に、スクリュー8が駆動部10によって回転することによって、共擦部2aに供給された分離材27は、原水28とともに螺旋羽根8bによって混合撹拌されつつ、共擦部2aの上部に向かって汲み上げられる。このとき、分離材27表面の水酸化マグネシウムは原水28中の金属イオンを吸着するとともに、分離材27は互いに衝突し合ったり、螺旋羽根8bや内筒部2の内周面と擦れ合ったりするので、分離材27表面の水酸化マグネシウムが、吸着した金属イオンとともに剥離され、分離材27の表面に再生面が露出する。
次いで、原水28から金属イオンが吸着分離された浄水は、水切り部24から金属イオン吸着部23bに供給される。供給された浄水は通水部23dを通って溢水部23cへ移動し、溢水部用フィルター23eで分離材27からの剥離物等が除去され浄水排出部11から水処理タンク20の外部に排出される。
また、分離材27は、螺旋羽根8bによって水切り部24より更に上部に汲み上げられる。そのため、分離材27は、表面の水がある程度除去され水切り状態で共擦りされるので、水中よりも分離材27同士の衝突等による共擦効果が得られ易い。汲み上げられた分離材27は、分離材吐出部7から吐出され、浄水部3の金属イオン吸着部23bに沈積し、再び導入口5から共擦部2aに供給される。
尚、原水28に有害な金属イオンが含まれている場合、原水28は下部原水供給部21のみから供給され、共擦部2aで原水28と分離材27が接触し金属イオンが除去される。この時、共擦部2aで原水28中の金属イオンが十分に除去できなくとも、金属イオン吸着部23bに供給された時点で、再び分離材27と接触することができ、浄水23に残留した金属イオンを金属イオン吸着部23bで分離・除去することができる。
以上のように、本実施の形態2の浄水装置Yは構成されているので、実施の形態1で得られる作用に加え、以下の作用が得られる。
(1)下部原水給水部21が、外筒部20aを貫通し内筒部2と連通することにより、原水28が直接、内筒部2の内部に供給されるので、原水28が処理後の浄水29に混入することがなく、未処理のまま浄水排出部11から排出されることを防ぐことができ、高い除去率で金属イオンが除去された浄水29を安定して得ることができる。
(2)内筒部2と中間筒部23aとの間に形設された金属イオン吸着部23bの上方に分離材供給部4の出口が開口しているので、供給された分離材27が導入口5に近い位置に沈殿し易く、また、水処理タンク20の底板部20cによって導入口5に向かって下る勾配部22が形成されることにより、分離材27を内筒部2の導入口5に安定して導入し易くすることができる。そのため、分離材27表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、分離材27を内筒部2で共擦りさせ易くなるので、分離材27の表面に効率的に新生面を形成することができ、分離材27の吸着分離能力の低下を防ぐことができる。
(3)勾配部22の傾斜角度θ2が水平面に対して5〜75度であるので、分離材27が勾配部22上に沈積したまま残ったり、分離材27が一度に導入口5に流れ込んでブリッジを起こしたりし難く、導入口5から共擦部2aに安定して分離材27を導入することができる。そのため、分離材27表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、新生面が形成されていない分離材27が金属イオン吸着部23bの底部に溜まることが無く、浄水装置の処理能力が低下することを防ぐことができる。
(4)ライニング26により、スクリュー8と内筒部2の内周面との隙間Cをなくしているので、隙間Cから原水28が落ち難く、また、下部原水供給部21を備えるので、原水28中の金属イオン濃度が高い場合や原水28中に有害な金属イオンが含まれている場合等は、下部原水供給部21のみから原水28を供給することにより、原水28と分離材27の接触時間を長くすることができ、金属イオンを原水28から十分に除去することができるので、浄水(処理水)29の安全性を高めることができる。
(5)金属イオン吸着部23bの外周側に溢水部23cが形成されているので、浄水(処理水)29中に分離材からの剥離物(スラッジ)等が含まれる場合、溢水部23cの底部に沈殿し易くなり、浄水排出部11から排出され難くなる。そのため、浄水装置の下流に、該剥離物を除去する浄水槽等を連設しなくとも、スラッジの含まれない浄水(処理水)29を得ることができ、利便性に優れる。
(実施の形態3)
実施の形態3の浄水装置について、以下、図面を用いて説明する。尚、実施の形態1又は実施の形態2と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図6は実施の形態3の浄水装置の要部正面断面図、図7は実施の形態3の浄水装置の使用状態を示す概要図である。
図6及び図7において、Zは実施の形態3の浄水装置、30は浄水装置Zの水処理タンク、30aは水処理タンク30の外筒部、30bは水処理タンク30の蓋部、30cは水処理タンク30の底板部、31は溢水部23cの上端側の屋根部23fから溢水部23c内に垂設されることで中間筒部23aと外筒部30aとの間に形成された堰部、31aは堰部31の下端側に形設されたもぐり堰、32は中間筒部23aの外周面と堰部31の内周面によって溢水部23cに形設された沈降分離部、33は内筒部2と浄水部3の沈降分離部32とを連通させた連通管、34は水処理タンク30の底部の沈殿部、34aは沈殿部34の上方に導入口5に向がって下るような傾斜角度θ3の傾斜を有する勾配部22を形成し分離材27が通過できない大きさの目開きを有する沈殿分離用フィルター、35は内筒部2の上端側に配設され分離材吐出部7から吐出する分離材の吐出量を調整する吐出調整板、35aは吐出調整板35の中央部に形成された分離材の吐出口、36はスクリュー8の螺旋羽根8bの端部に配設されたゴム又は合成樹脂製のカバーリングである。
ここで、沈殿部34は、浄水部3の底部だけではなく、水処理タンク30の底部全体に設けることが好ましい。
これにより、水処理タンク30底部の沈殿部34において、内筒部2や浄水部3の水中に混入した分離材27からの剥離物(スラッジ)等を分離することができる。
沈殿部34に沈殿し分離された分離材27表面からの剥離物や分離材27の粉化物,懸濁物質等のスラッジは、給排水弁9aを開くことで、給排水管9から容易に排出することができる。
吐出調整板35の素材は、金属イオンの溶出が少なければ特に限定されず、内筒部2等と同様の素材を用いることができる。
また、吐出調整板35によって形成された吐出口35aの形状は特に限定されず、円形状や楕円形状、多角形状等のどのような形でも良い。
尚、カバーリング36の作用は、実施の形態2のライニング26と同様であるため説明は省略する。
本実施の形態では、勾配部22は沈殿分離用フィルター34aによって形設されている。
また、勾配部22は、実施の形態2と同様に、導入口5に向かって下るように水平面に対して5〜75度(θ3)で傾斜している。
本実施の形態では、堰部31は、中間筒部23aと外筒部30aの間に1つのみ形成されているが、複数形成しても良い。堰部31を複数形成することで、浄水(処理水)29中のスラッジが沈降し易くなり、容易に分離回収することができる。
以上のように構成された本実施の形態3の浄水装置Zについて、マグネシウムやマグネシウム合金を分離材として用いた場合の浄水過程を図7を用いて説明する。
まず、分離材供給部4から供給された分離材27は、金属イオン吸着部23bを通り、沈殿分離用フィルター34aで形成された勾配部22によって、導入口5から共擦部2a(内筒部2の内部)に導入され、原水28は下部原水給水部21及び/又は上部原水給水部4aから供給され共擦部2aに導入される。
次に、内筒部2に供給された分離材27は、原水28とともに内筒部2の底部から上部に向かって汲み上げられ、原水28から金属イオンが吸着分離された浄水29は、連通管33を通り、浄水部3の沈降分離部32に流入する。また、分離材27は、分離材吐出部7まで汲み上げられ、吐出調整板35で吐出量が調整されつつ吐出口35aから浄水部3の金属イオン吸着部23bに吐出される。金属イオン吸着部23bに吐出された分離材27は、導入口5から原水28とともに共擦部2aに再度供給される。
次いで、溢水部23cの沈降分離部32に流入した浄水29は、堰部31下部のもぐり堰31aを通り、浄水排出部11から水処理タンク30の外部に排出される。尚、浄水排出部11には必要に応じてフィルターを備えてもよい。また、共擦りされることによって発生する分離材27からの剥離物等は、堰部31によってトラップされ、沈殿分離用フィルター34aを抜けて沈殿部34に沈殿し、堆積する。
以上のように、本実施の形態3の浄水装置Zは構成されているので、実施の形態1及び実施の形態2の(1),(3),(5)と同様の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)溢水部23cが、連通管33によって共擦部2aと連通され、堰部31と中間筒部23aとの間に形設された沈降分離部32を備えるので、溢水部23cに流入する浄水(処理水)29中の剥離物等のスラッジは、堰部31に遮られ、沈殿分離用フィルター34aを抜けて沈殿部34に沈殿し、分離(除去)される。これにより、スラッジが除去された浄水(処理水)29を得ることができ、浄水装置Zの維持管理が容易になり、省資源性、メンテナンス性に優れる。
(2)沈殿部34の底部側に分離材27からの剥離物等の沈殿物を排出するための給排水管9があるので、沈殿部34に沈殿した沈殿物を容易に取り出すことができ、メンテナンス性に優れる。
(3)吐出調整板35を備えるので、分離材吐出部7から吐出する分離材27の吐出量を吐出口35aの大きさ等によって調整することができるとともに、吐出調整板35によって螺旋羽根8b上の分離材27の一部を押さえつけることができるので、吐出調整板35の大きさや形状により分離材27の共擦効果を調整することもできる。
(実施の形態4)
実施の形態4の浄水装置について、以下、図面を用いて説明する。尚、実施の形態1乃至実施の形態3と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図8は実施の形態4の浄水装置の平面断面模式図である。
図8において、実施の形態4の浄水装置X1が実施の形態1と異なるのは、外筒部1aの内部(浄水部3)が隔壁37で3箇所に分割され、各々に内筒部2が配設されている点である。
本実施の形態では、外筒部1aの内部に3つの内筒部2を備えているが、外筒部1aは処理量によって適宜大きさを変更することができ、その処理能力に応じて内筒部2の数を適宜、選択することができる。尚、内筒部2の配置方法としては、図8のように均等に配置することもできるし、偏らせて配置することもできる。このとき外筒部1aの底部はそれぞれの内筒部2にむかって傾斜するように複数のすり鉢を組み合わせた形状に形成することが好ましい。また、浄水排出部11はそれぞれの浄水部3に1乃至複数設けることができる。
また、中間筒部23aを設ける場合は、各々の内筒部2の周りにそれぞれ設けることもできるし、外筒部1aの内部に一つの中間筒部を設けその中に複数の内筒部2を配置することもできる。
また、図8のように隔壁37を設ける場合、その一つに原水供給部を設け、原水が隔壁37で区切られた区間(浄水部3)を順番に流れるようにすることもできる。その場合は、各浄水排出部11から揚水機によって次の隔壁37で区切られた区間に原水を送るようにしてもよい。そうすることで、原水をそれぞれの内筒部2の周りの浄水部3で繰り返し分離材27と接触させることができるので浄水の高品質性に優れる。
以上のように、本実施の形態4の浄水装置は構成されているので、実施の形態1と同様の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)外筒部1aの内部に複数の内筒部2を備えているので、循環する分離材27との接触量を増やし、一つの浄水装置での処理効率性に優れると共に、処理量が増加できるので浄化能力に優れる。
(2)外筒部1aの内部の容量や、目的の処理量に合わせて、内筒部2を適宜配設することができると共に、対流が少ない部分や、液のチャネリングが発生する部分を少なくできるので浄水性能に優れる。
(3)内筒部2の下部には導入口5を適宜設けることができ、複数の隣接する内筒部2の導入口5の位置をずらすことで、導入口5以外の部分に分離材27が堆積することを防ぐことができ、処理効率に優れると共に、使用されずに堆積する分離材27が無いので省資源性に優れる。
(4)原水が隔壁37で区切られた区間を順番に流れるようにした場合、原水をそれぞれの内筒部2の周りの浄水部3で繰り返し分離材27と接触させることができるので浄水の高品質性に優れる。
(実施の形態5)
実施の形態5の浄水装置について、以下、図面を用いて説明する。尚、実施の形態1乃至実施の形態4と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図9は実施の形態4の浄水装置の要部正面断面図、図10は実施の形態4の浄水装置の使用状態を示す概要図である。
図9及び図10において、実施の形態5の浄水装置Z1が実施の形態4と異なる点は、下部原水供給部21aが外筒部30aの下端側の内周面で開口している点と、中間筒部23aの下端部に実施の形態2と同様の通水部23dが形設されている点と、水切り部24,堰部31,連通管33を備えていない点と、沈殿分離用フィルター34bが下部原水供給部21aの上方から導入口5(内筒部2)の下端部にかけて傾斜状に配設されている点と、水処理タンク40の底板部40cが平坦状に形成されている点である。
尚、図9及び図10では給排水管9及び給排水弁9aを省略したが、底板部40cにこれらを備えてもよい。
以上のように構成された本実施の形態4の浄水装置Z1について、マグネシウムやマグネシウム合金を分離材として用いた場合の浄水過程を図を用いて説明する。
まず、分離材供給部4から供給された分離材27は、金属イオン吸着部23bを通り、沈殿分離用フィルター34bで形成された勾配部22によって、導入口5から共擦部2a(内筒部2の内部)に導入される。また、原水28は下部原水給水部21aから供給され沈殿分離用フィルター34bを通って導入口5から共擦部2aに導入される。
次に、内筒部2に供給された分離材27は、原水28とともに内筒部2の底部から上部に向かって汲み上げられ、原水28から金属イオンが吸着分離される。また、分離材27は、分離材吐出部7まで汲み上げられ、吐出調整板35で吐出量が調整されつつ吐出口35aから浄水部3の金属イオン吸着部23bに吐出される。金属イオン吸着部23bに吐出された分離材27は、導入口5から原水28とともに共擦部2aに再度供給される。
分離材27が繰返し循環しながら原水28から金属イオンを吸着分離し、金属イオンが除去された原水28は、浄水29として浄水排出部11から水処理タンク40の外に排出される。尚、浄水排出部11には必要に応じてフィルターを備えてもよい。
尚、共擦りされることによって発生する分離材27からの剥離物等は、沈殿分離用フィルター34bを抜けて沈殿部34に沈殿し、堆積する。剥離物等のスラッジの一部は浄水排出部11から排出されるが、下流側の沈殿槽によって沈殿分離される。
以上のように、本実施の形態5の浄水装置は構成されているので、実施の形態1、実施の形態2の(3),(5)及び実施の形態3の(3)と同様の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)内筒部2と中間筒部23aとの間に形設された金属イオン吸着部23bの上方に分離材供給部4の出口が開口しているので、供給された分離材27が導入口5に近い位置に沈殿し易く、また、水処理タンク40の底部に沈殿分離用フィルター34bによって導入口5に向かって下る勾配部22が形成されることにより、分離材27を内筒部2の導入口5に安定して導入し易くすることができる。そのため、分離材27表面の金属水酸化物の被膜によって金属イオンを吸着する場合、分離材27を内筒部2で共擦りさせ易くなるので、分離材27の表面に効率的に新生面を形成することができ、分離材27の吸着分離能力の低下を防ぐことができる。
実施の形態1乃至5では、マグネシウムやマグネシウム合金を分離材として用いた場合について説明したが、原水に含まれる金属イオンを吸着することができればマグネシウムやマグネシウム合金以外の鉄等の金属(イオン化傾向の高いもの)や合金を分離材として用いることができる。特に、原水中に砒素を多く含む場合には鋳鉄等の鉄の粒状物が好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施の形態1に準ずる形状の、外筒部の外径が100mm(板厚2mm)で高さ120mm、内筒部の内径が48mm(板厚2mm)で、分離材吐出部高さが50mm、スクリューの外径40mm(軸径15mm)で40mmピッチ(角度45°)の3段の螺旋状のスクリューを備えた実施例1の浄水装置を作製した。性能試験は、スクリューの回転速度200回転/分で、液処理量は、20L/分の速度で流し続けた。また、その時の液面高さは浄水装置の下側から40mmの所であった。分離材には、長さ10mm×幅2mm×厚さ1mmのマグネシウムのチップを200g用いた。その時の、投入した原水と、原水を20L/hで流し続け、それぞれ30分後、40分後、50分後、60分後に採取した実施例1の浄水装置で処理した浄水の鉄とマンガンの含有量を測定した結果を(表1)に示した。
(表1)より、原水と浄水の鉄の含有量は、原水は15.18ppmに対して、実施例1の浄水装置で処理した浄水は、いずれも0.002ppm以下に鉄分を除去することができていることがわかる。また、マンガンの含有量も原水2.03ppmに対して、実施例1の浄水装置で処理した浄水は、いずれも0.017ppmで、原水の100分の1以下までマンガンを除去できていることがわかる。このように本実施例によれば、分離材を循環して使用することで、浄水部や、内筒部の共擦部で効率よく分離材と原水を接触させることができる金属イオン除去性能に優れた浄水装置を提供することができることが明らかになった。
本発明は、分離材を循環して使用するので省資源性に優れ、マグネシウムや鉄等の金属を主とする分離材を用いる場合、効率良く共擦りさせることができ、また、原水の水質に合せて分離材の再生率を調節することができ、メンテナンス性・安定性に優れる浄水装置を提供することができる。
X,Y,Z,X1,Z1 浄水装置
1,20,30,40 水処理タンク
1a,20a,30a 外筒部
1b,20b,30b 蓋部
1c,20c,30c,40c 底板部
2 内筒部
2a 共擦部
2b 支持部
3 浄水部
4 分離材供給部
4a 上部原水給水部
5 導入口
7 分離材吐出部
8 スクリュー
8a 回転軸
8b 螺旋羽根
9 給排水管
9a 給排水弁
10 駆動部
11 浄水排出部
11a フィルター
12 シール材
13 オーバーフロー管(排水管)
13a オーバーフローフィルター
21,21a 下部原水給水部
22 勾配部
23a 中間筒部
23b 金属イオン吸着部
23c 溢水部
23d 通水部
23e 溢水部用フィルター
23f 屋根部
24 水切り部
25 網筒
26 ライニング
27 分離材
28 原水
29 浄水(処理水)
31 堰部
31a もぐり堰
32 沈降分離部
33 連通管
34 沈殿部
34a,34b 沈殿分離用フィルター
35 吐出調整板
35a 吐出口
36 カバーリング
37 隔壁
B 破断線
C 内筒部の内周面と螺旋羽根の隙間
D 螺旋羽根の外径
d 回転軸の直径
F 仮想分離線
θ1 螺旋羽根の傾斜角度
θ2,θ3 勾配部の傾斜角度

Claims (10)

  1. 水処理タンクと、前記水処理タンクの内部に形設された内筒部と、前記水処理タンクの外筒部と前記内筒部との間に形設された浄水部と、前記浄水部の上方に配設された分離材供給部と、前記浄水部の上方に配設された上部原水給水部及び/又は前記外筒部の下部側に配設された下部原水給水部と、前記内筒部の底部側に前記浄水部と連通して形成された分離材及び原水の導入口と、前記内筒部の上部側から前記浄水部に分離材を吐出する分離材吐出部と、前記内筒部の略中心軸上に回転自在に配設されたスクリューと、前記スクリューを回転させる駆動部と、前記外筒部に配設された浄水排出部と、を備えていることを特徴とする浄水装置。
  2. 前記下部原水給水部が、前記外筒部を貫通し前記内筒部と連通することを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
  3. 前記水処理タンクの底部に前記導入口に向かって下る勾配部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の浄水装置。
  4. 前記勾配部の傾斜角度が水平面に対して5度以上であることを特徴とする請求項3に記載の浄水装置。
  5. 前記分離材吐出部が、前記内筒部の上端側に配設され中央部に吐出口が形成された吐出調整板を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の浄水装置。
  6. 前記スクリューの羽根の外径Dと前記スクリューの回転軸の直径dの比D/d=2〜10であり、前記回転軸に垂直な平面に対し前記羽根の傾斜角度が5〜60度であることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載の浄水装置。
  7. 前記内筒部の中心軸に対して前記スクリューの前記回転軸が0.1〜3mm偏芯するように配設されていることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1に記載の浄水装置。
  8. 前記内筒部の内周面と、前記羽根の端部との隙間が0〜10mmであることを特徴とする請求項1乃至7の内いずれか1に記載の浄水装置。
  9. 前記浄水部が、前記外筒部と前記内筒部との間に配設された中間筒部と、前記内筒部と前記中間筒部との間に形設された金属イオン吸着部と、前記中間筒部と前記外筒部との間に形設された溢水部と、を有し、前記分離材供給部の出口が、前記金属イオン吸着部の上方に開口していることを特徴とする請求項1乃至8の内いずれか1に記載の浄水装置。
  10. 前記内筒部が、前記導入口より上部に水切り部を有し、前記溢水部が、前記水切り部と前記中間筒部に連通した連通管と、前記中間筒部と前記外筒部との間に配設された堰部と、前記堰部と前記中間筒部との間に形設された沈降分離部と、前記堰部に形設されたもぐり堰と、を備えていることを特徴とする請求項9に記載の浄水装置。
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