JP2015126359A - スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】音声ビームを用いる場合であっても、意図する方向に明瞭に音源を定位させることができるスピーカ装置を提供する。【解決手段】アレイスピーカ装置2は、Cチャンネルのオーディオ信号は、アレイスピーカ装置2の後方の位置に焦点を結ぶ音声ビームが設定され、聴者は、音源SCが聴者の前方にあると知覚し、FLチャンネルは、部屋Rの左前方の壁の位置に焦点を結ぶ音声ビームが設定され、音源SFLが聴者の左前方の壁にあると知覚する。FRチャンネルは、部屋Rの右前方の壁の位置に焦点を結ぶ音声ビームが設定され、音源SFRが聴者の右前方の壁にあると知覚する。SLチャンネルは、部屋Rの左後方の壁の位置に焦点を結ぶ音声ビームが設定され、音源SSLが聴者の左後方の壁にあると知覚する。音声ビームによる定位感を用い、壁の音響反射率等の聴取環境に依存しない頭部伝達関数による仮想音源によって、意図する方向に音源を定位させる。【選択図】図8
Description
本発明は、指向性を有する音声ビームを出力するスピーカ装置に関する。
従来、オーディオ信号をそれぞれ遅延させて複数のスピーカユニットに分配することで指向性を有する音声ビームを出力するアレイスピーカ装置が知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。
特許文献1のアレイスピーカ装置は、Cチャンネルの音声ビームと、壁に反射させて聴者に到達する音声ビームと、を用いて、同じ信号を所定の比率で出力することにより、ファントム音源を定位させるものである。ファントム音源とは、同じチャンネルの音を聴者の左右の異なる方向から到達させた場合に、これら異なる方向の中間の方向に定位される仮想的な音源である。
また、特許文献2のアレイスピーカ装置は、聴者の左右の壁で1回反射した音声ビームと、左右および後方の壁で2回反射した音声ビームと、を用いて、フロントチャンネルの定位方向とサラウンドチャンネルの定位方向との間にファントム音源を定位させるものである。
しかし、聴取環境によっては、壁からの反射が良好ではない場合(例えば音響反射率の低い壁素材からなる環境)がある。また、各音声ビームは、チャンネル毎に壁面で反射するビームの音量または周波数特性が完全に一致するものではない。したがって、音声ビームによるファントム音源では、意図する方向に明瞭に音源を定位させることが難しい。
そこで、本発明は、音声ビームを用いる場合であっても、意図する方向に明瞭に音源を定位させることができるスピーカ装置を提供することを目的とする。
本発明のスピーカ装置は、複数チャンネルのオーディオ信号が入力される入力部と、複数のスピーカと、前記入力部に入力された複数チャンネルのオーディオ信号をそれぞれ遅延して前記複数のスピーカに分配することにより、前記複数のスピーカに音声ビームを出力させる指向性制御部と、前記入力部に入力された複数チャンネルのオーディオ信号にそれぞれ頭部伝達関数に基づくフィルタ処理を行って前記複数のスピーカに入力する定位付加部と、を備えている。
そして、スピーカ装置の定位付加部は、聴取位置から見て、複数の音声ビームの到達方向の間に、前記頭部伝達関数に基づく仮想音源の方向を設定することを特徴とする。すなわち、ファントム音源のように複数のビーム間の方向に頭部伝達関数に基づく仮想音源の方向を設定する。
これにより、本発明のスピーカ装置は、音声ビームによる定位感を用いながら、壁の音響反射率等の聴取環境に依存しない頭部伝達関数による仮想音源によって、意図する方向に明瞭に音源を定位させることができる。
なお、頭部伝達関数による仮想音源の方向は、例えば、複数のビームにより生成されるファントム音源と同じ方向に設定する。これにより、音声ビームによるファントム音源の定位感を補い、より明瞭に音源を定位させることができる。
また、前記定位付加部は、前記音声ビームのうち、少なくとも1つの到達方向に対し、前記聴取位置を中心軸として左右対称となる方向に、前記頭部伝達関数に基づく仮想音源の方向を設定する態様としてもよい。この場合、聴取位置から見て左右対称の方向に音源が定位する。
また、本発明のスピーカ装置は、聴取位置に設置されるマイクと、前記指向性制御部にテスト信号を入力して前記複数のスピーカにテスト音声ビームを出力させ、当該テスト音声ビームが前記マイクに入力されるレベルを測定する検出手段と、前記検出手段が測定したレベルのピークに基づいて音声ビームの出力角度を設定するビーム角度設定手段と、をさらに備えていてもよい。この場合、前記定位付加部は、前記検出手段が測定したレベルのピークに基づいて前記頭部伝達関数に基づく仮想音源の方向を設定する。これにより、聴取位置にマイクを設置して測定を行うだけで各チャンネルの音声ビームの出力角度とともに、仮想音源の方向も自動設定される。
本発明のスピーカ装置は、音声ビームを用いる場合であっても、意図する方向に明瞭に音源を定位させることができる。
図1は、本実施形態に係るアレイスピーカ装置2を備えたAVシステム1の概略図である。AVシステム1は、アレイスピーカ装置2、サブウーファ3、テレビ4、およびマイク7を備えている。アレイスピーカ装置2は、サブウーファ3およびテレビ4に接続される。アレイスピーカ装置2には、テレビ4で再生される映像に応じたオーディオ信号や不図示のコンテンツプレーヤからのオーディオ信号が入力される。
アレイスピーカ装置2は、図1に示すように、例えば、直方体形状の筐体を備え、テレビ4の近傍(テレビ4の表示画面の下部)に設置される。アレイスピーカ装置2は、前面(聴者に対向する面)に、例えば16個のスピーカユニット21A〜21P、ウーファ33L、およびウーファ33Rを備えている。
スピーカユニット21A〜21Pは、聴者から見て横方向に沿って一列に配置されている。スピーカユニット21Aは、聴者から見て最も左側に配置され、スピーカユニット21Pは、聴者から見て最も右側に配置されている。ウーファ33Lは、スピーカユニット21Aのさらに左側に配置されている。ウーファ33Rは、スピーカユニット21Pのさらに右側に配置されている。この例では、スピーカユニット21A〜21P、ウーファ33L、およびウーファ33Rが本発明の「複数のスピーカ」に相当する。
なお、スピーカユニットの数は、16個に限らず、例えば8個等であってもよい。また、配置態様も横方向に沿って1列に配置する例に限らず、例えば横方向に沿って3列に配置する等であってもよい。
サブウーファ3は、アレイスピーカ装置2の近傍に設置される。図1の例では、アレイスピーカ装置2の左側に配置されているが、設置位置はこの例に限るものではない。
また、アレイスピーカ装置2には、聴取環境測定用のマイク7が接続されている。マイク7は、聴取位置に設置されている。マイク7は、聴取環境を測定する場合に用いられ、実際にコンテンツを視聴する際には設置する必要はない。
図2は、アレイスピーカ装置2の構成を示すブロック図である。アレイスピーカ装置2は、入力部11、デコーダ10、フィルタ処理部14、フィルタ処理部15、ビーム化処理部20、加算処理部32、加算処理部70、バーチャル処理部40、制御部35、およびユーザI/F36を備えている。
入力部11は、HDMIレシーバ111、DIR112、およびA/D変換部113を備えている。HDMIレシーバ111は、HDMI規格に適合したHDMI信号を入力し、デコーダ10に出力する。DIR112は、デジタルオーディオ信号(SPDIF)を入力し、デコーダ10に出力する。A/D変換部113は、アナログオーディオ信号を入力し、デジタルオーディオ信号に変換してデコーダ10に出力する。
デコーダ10は、DSPからなり、入力された信号をデコードする。デコーダ10は、例えば、AAC(登録商標)、Dolby Digital(登録商標)、DTS(登録商標)、MPEG−1/2、MPEG−2マルチチャンネル、MP3等の各種フォーマットの信号を入力し、マルチチャンネルオーディオ信号(FLチャンネル、FRチャンネル、Cチャンネル、SLチャンネル、およびSRチャンネルのデジタルオーディオ信号。以下、単にオーディオ信号と称す場合は、デジタルオーディオ信号を示すものとする。)に変換して出力する。図2に示す太い実線は、マルチチャンネルオーディオ信号を示すものである。なお、デコーダ10は、例えばステレオチャンネルのオーディオ信号をマルチチャンネルオーディオ信号に拡張する機能も有する。
デコーダ10から出力されたマルチチャンネルオーディオ信号は、フィルタ処理部14およびフィルタ処理部15に入力される。フィルタ処理部14は、デコーダ10から出力されたマルチチャンネルオーディオ信号について、各スピーカユニットに適した帯域を抽出して出力する。
図3(A)は、フィルタ処理部14の構成を示すブロック図であり、図3(B)は、フィルタ処理部15の構成を示すブロック図である。
フィルタ処理部14は、FLチャンネル、FRチャンネル、Cチャンネル、SLチャンネル、およびSRチャンネルのデジタルオーディオ信号をそれぞれ入力するHPF14FL、HPF14FR、HPF14C、HPF14SL、およびHPF14SRを備えている。また、フィルタ処理部14は、FLチャンネル、FRチャンネル、Cチャンネル、SLチャンネル、およびSRチャンネルのデジタルオーディオ信号をそれぞれ入力するLPF15FL、LPF15FR、LPF15C、LPF15SL、およびLPF15SRを備えている。
HPF14FL、HPF14FR、HPF14C、HPF14SL、およびHPF14SRは、それぞれ入力された各チャンネルのオーディオ信号の高域を抽出して出力する。HPF14FL、HPF14FR、HPF14C、HPF14SL、およびHPF14SRのカットオフ周波数は、スピーカユニット21A〜21Pの再生周波数の下限(例えば200Hz)に合うように設定されている。HPF14FL、HPF14FR、HPF14C、HPF14SL、およびHPF14SRの出力信号は、ビーム化処理部20に出力される。
LPF15FL、LPF15FR、LPF15C、LPF15SL、およびLPF15SRは、それぞれ入力された各チャンネルのオーディオ信号の低域(例えば200Hz未満)を抽出して出力する。LPF15FL、LPF15FR、LPF15C、LPF15SL、およびLPF15SRのカットオフ周波数は、上記HPF14FL、HPF14FR、HPF14C、HPF14SL、およびHPF14SRのカットオフ周波数に対応している(例えば200Hzである)。
LPF15FL、LPF15C、およびLPF15SLの出力信号は、加算部16で加算され、Lチャンネルオーディオ信号となる。Lチャンネルオーディオ信号は、さらにHPF30LおよびLPF31Lに入力される。
HPF30Lは、入力されたオーディオ信号の高域を抽出して出力する。LPF31Lは、入力されたオーディオ信号の低域を抽出して出力する。HPF30LおよびLPF31Lのカットオフ周波数は、ウーファ33Lとサブウーファ3とのクロスオーバ周波数(例えば100Hz)に対応する。なお、当該クロスオーバ周波数は、ユーザI/F36を介して聴者により変更できるようにしてもよい。
LPF15FR、LPF15C、およびLPF15SRの出力信号は、加算部17で加算され、Rチャンネルオーディオ信号となる。Rチャンネルオーディオ信号は、さらにHPF30RおよびLPF31Rに入力される。
HPF30Rは、入力されたオーディオ信号の高域を抽出して出力する。LPF31Rは、入力されたオーディオ信号の低域を抽出して出力する。HPF30Rのカットオフ周波数は、ウーファ33Rとサブウーファ3とのクロスオーバ周波数(例えば100Hz)に対応する。上述のように、クロスオーバ周波数は、ユーザI/F36を介して聴者により変更できるようにしてもよい。
HPF30Lから出力されたオーディオ信号は、加算処理部32を介してウーファ33Lに入力される。同様に、HPF30Rから出力されたオーディオ信号は、加算処理部32を介してウーファ33Rに入力される。
LPF31Lから出力されたオーディオ信号およびLPF31Rから出力されたオーディオ信号は、加算処理部70で加算されてモノラル化され、サブウーファ3に入力される。なお、図示は省略するが、加算処理部70には、LFEチャンネルも入力され、LPF31Lから出力されたオーディオ信号およびLPF31Rから出力されたオーディオ信号と加算されてサブウーファ3に出力される。
一方、フィルタ処理部15は、FLチャンネル、FRチャンネル、Cチャンネル、SLチャンネル、およびSRチャンネルのデジタルオーディオ信号をそれぞれ入力するHPF40FL、HPF40FR、HPF40C、HPF40SL、およびHPF40SRを備えている。また、フィルタ処理部15は、FLチャンネル、FRチャンネル、Cチャンネル、SLチャンネル、およびSRチャンネルのデジタルオーディオ信号をそれぞれ入力するLPF41FL、LPF41FR、LPF41C、LPF41SL、およびLPF41SRを備えている。
HPF40FL、HPF40FR、HPF40C、HPF40SL、およびHPF40SRは、それぞれ入力された各チャンネルのオーディオ信号の高域を抽出して出力する。HPF40FL、HPF40FR、HPF40C、HPF40SL、およびHPF40SRのカットオフ周波数は、ウーファ33Rおよびウーファ33Lとサブウーファ3とのクロスオーバ周波数(例えば100Hz)に対応する。上述のように、クロスオーバ周波数は、ユーザI/F36を介して聴者により変更できるようにしてもよい。また、HPF40FL、HPF40FR、HPF40C、HPF40SL、およびHPF40SRのカットオフ周波数は、HPF14FL、HPF14FR、HPF14C、HPF14SL、およびHPF14SRのカットオフ周波数と同一にしてもよい。また、フィルタ処理部15においては、HPF40FL、HPF40FR、HPF40C、HPF40SL、およびHPF40SRのみ備える態様として、低域をサブウーファ3に出力させないようにしてもよい。HPF40FL、HPF40FR、HPF40C、HPF40SL、およびHPF40SRから出力されたオーディオ信号は、バーチャル処理部40に出力される。
LPF41FL、LPF41FR、LPF41C、LPF41SL、およびLPF41SRは、それぞれ入力された各チャンネルのオーディオ信号の低域を抽出して出力する。LPF41FL、LPF41FR、LPF41C、LPF41SL、およびLPF41SRのカットオフ周波数は、上記クロスオーバ周波数に対応している(例えば100Hzである)。LPF41FL、LPF41FR、LPF41C、LPF41SL、およびLPF41SRから出力されたオーディオ信号は、加算器171で加算されたてモノラル化された後、加算処理部70を介しサブウーファ3に入力される。加算処理部70では、LPF41FL、LPF41FR、LPF41C、LPF41SL、およびLPF41SRから出力されたオーディオ信号と、LPF31RおよびLPF31Lから出力されたオーディオ信号と、上述のLFEチャンネルのオーディオ信号と、が加算される。なお、加算処理部70は、これら信号の加算比率を変更するゲイン調整部を備えていてもよい。
次に、ビーム化処理部20について説明する。図4は、ビーム化処理部20の構成を示すブロック図である。ビーム化処理部20は、FLチャンネル、FRチャンネル、Cチャンネル、SLチャンネル、およびSRチャンネルのデジタルオーディオ信号をそれぞれ入力するゲイン調整部18FL、ゲイン調整部18FR、ゲイン調整部18C、ゲイン調整部18SL、およびゲイン調整部18SRを備えている。
ゲイン調整部18FL、ゲイン調整部18FR、ゲイン調整部18C、ゲイン調整部18SL、およびゲイン調整部18SRは、各チャンネルのオーディオ信号のゲインを調整する。ゲイン調整された各チャンネルのオーディオ信号は、それぞれ指向性制御部91FL、指向性制御部91FR、指向性制御部91C、指向性制御部91SL、および指向性制御部91SRに入力される。指向性制御部91FL、指向性制御部91FR、指向性制御部91C、指向性制御部91SL、および指向性制御部91SRは、各チャンネルのオーディオ信号をスピーカユニット21A〜21Pに分配する。分配されたスピーカユニット21A〜21Pに対するオーディオ信号は、合成部92で合成されてスピーカユニット21A〜21Pに供給される。このとき、指向性制御部91FL、指向性制御部91FR、指向性制御部91C、指向性制御部91SL、および指向性制御部91SRは、各スピーカユニットに供給するオーディオ信号の遅延量を調整する。
スピーカユニット21A〜21Pから出力される音は、位相が揃う箇所において互いに強められ、指向性を有した音声ビームとして出力される。例えば、全スピーカから同じタイミングで音が出力されると、アレイスピーカ装置2の前方に指向性を有する音声ビームが出力される。指向性制御部91FL、指向性制御部91FR、指向性制御部91C、指向性制御部91SL、および指向性制御部91SRは、各オーディオ信号に付与する遅延量を変更することで、音声ビームの出力方向を変更することができる。
また、指向性制御部91FL、指向性制御部91FR、指向性制御部91C、指向性制御部91SL、および指向性制御部91SRは、スピーカユニット21A〜21Pから出力される各音の位相が所定位置でそろうように遅延量を付与し、当該所定位置で焦点を結ぶ音声ビームを形成することもできる。
音声ビームは、アレイスピーカ装置2から直接、または室内の壁等に反射して聴取位置に到達させることができる。例えば、図5(C)に示すように、Cチャンネルオーディオ信号の音声ビームは、正面方向に出力させて、Cチャンネルの音声ビームが聴取位置の正面から到達させることができる。また、FLチャンネルオーディオ信号およびFRチャンネルオーディオ信号の音声ビームは、アレイスピーカ装置2の左右方向に出力させ、聴取位置の左右に存在する壁に反射させて、それぞれ聴取位置の左方向および右方向から到達させることができる。また、SLチャンネルオーディオ信号およびSRチャンネルオーディオ信号の音声ビームを左右方向に出力させ、聴取位置の左右に存在する壁および後方に存在する壁に2回反射させて、それぞれ聴取位置の左後方方向および右後方方向から到達させることができる。
このような音声ビームの出力方向の設定は、マイク7を用いて聴取環境を測定することにより、自動的に行うことができる。図5(A)に示すように、聴者が聴取位置にマイク7を設置し、ユーザI/F36(または不図示のリモコン)を操作して、音声ビームの設定を指示すると、制御部35は、テスト信号(例えばホワイトノイズ)からなる音声ビームをビーム化処理部20に出力させる。
制御部35は、アレイスピーカ装置2の前面と平行な左方向(−90度方向と称する。)から、アレイスピーカ装置2の前面と垂直な方向(0度方向と称する、)を経てアレイスピーカ装置2の前面と平行な右方向(90度方向と称する。)まで、音声ビームを旋回させる。アレイスピーカ装置2の前面において音声ビームを旋回させると、音声ビームの旋回角θに応じて、部屋Rの壁に音声ビームが反射して、所定の角度でマイク7に音声ビームが収音される。
制御部35は、マイク7から入力されたオーディオ信号のレベルを音声ビームの出力角度と対応付けてメモリ(不図示)に記憶する。そして、制御部35は、オーディオ信号のレベルのピーク成分に基づいて、マルチチャンネルオーディオ信号の各チャンネルと音声ビームの出力角度を割り当てる。例えば、制御部35は、収音データ中に所定の閾値以上のピークを検出する。制御部35は、これらピークの中で、最も高レベルである時の音声ビームの出力角度を、Cチャンネルの音声ビームの出力角度として割り当てる。例えば、図5(B)では、最も高レベルである時の角度θ3aをCチャンネルの音声ビームの出力角度として割り当てる。また、制御部35は、Cチャンネルに設定したピークを挟んで近接するピークについて、SLチャンネルおよびSRチャンネルの音声ビームの出力角度を割り当てる。例えば、図5(B)では、Cチャンネルに近接し、−90度方向に近い角度θ2aをSLチャンネルの音声ビームとして割り当て、Cチャンネルに近接し、90度方向に近い角度θ4aをSRチャンネルの音声ビームの出力角度として割り当てる。さらに、制御部35は、最も外側のピークについて、FLチャンネルおよびFRチャンネルの音声ビームの出力角度を割り当てる。例えば、図5(B)の例では、最も−90度方向に近い角度θ1aをFLチャンネルの音声ビームとして割り当て、最も90度方向に近い角度θ5aをFRチャンネルの音声ビームの出力角度として割り当てる。このようにして、制御部35は、各チャンネルの音声ビームが聴取位置に到達するレベルを検出する検出手段、および検出手段が測定したレベルのピークに基づいて音声ビームの出力角度を設定するビーム角度設定手段を実現する。
以上のようにして、図5(C)に示すように、聴者(マイク7)の位置において、周囲から音声ビームが到達するような設定を行う。
次に、バーチャル処理部40について説明する。図6は、バーチャル処理部40の構成を示すブロック図である。バーチャル処理部40は、レベル調整部43、定位付加部42、補正部51、遅延処理部60L、および遅延処理部60Rを備えている。
レベル調整部43は、FLチャンネル、FRチャンネル、Cチャンネル、SLチャンネル、およびSRチャンネルのデジタルオーディオ信号をそれぞれ入力するゲイン調整部43FL、ゲイン調整部43FR、ゲイン調整部43C、ゲイン調整部43SL、およびゲイン調整部43SRを備えている。
ゲイン調整部43FL、ゲイン調整部43FR、ゲイン調整部43C、ゲイン調整部43SL、およびゲイン調整部43SRは、各チャンネルのオーディオ信号のゲインを調整する。各ゲイン調整部のゲインは、例えば、制御部35によりテスト音声ビームの検出結果に基づいて設定される。例えば、図5(B)に示すように、Cチャンネルの音声ビームは、直接音であるため、最も高レベルである。したがって、ゲイン調整部43Cのゲインは最も低く設定される。また、Cチャンネルの音声ビームは、直接音であり、部屋の環境に依存する可能性が低いため、例えば固定値としてもよい。そして、他のゲイン調整部は、Cチャンネルとのレベル差に応じたゲインが設定される。例えば、Cチャンネルの検出レベルG1=1.0としてゲイン調整部43Cのゲイン0.1を設定する場合、FRチャンネルの検出レベルG3=0.6であればゲイン調整部43FRのゲインを0.4とし、SRチャンネルの検出レベルG2=0.4であれば、ゲイン調整部43SRのゲインを0.6とする。このようにして、各チャンネルのゲインが調整される。なお、図5(A)、図5(B)、および図5(C)の例では、制御部35がテスト信号の音声ビームを旋回させて各チャンネルの音声ビームが聴取位置に到達するレベルを検出する例を示したが、聴者がユーザI/F36を用いて、制御部35に対して手動で音声ビームを出力させる指示を行い、ゲイン調整部43FL、ゲイン調整部43FR、ゲイン調整部43C、ゲイン調整部43SL、およびゲイン調整部43SRのレベルを手動で設定するようにしてもよい。また、ゲイン調整部43FL、ゲイン調整部43FR、ゲイン調整部43C、ゲイン調整部43SL、およびゲイン調整部43SRの設定は、テスト音声ビームをスイープさせて検出したレベルとは別に、それぞれチャンネルごとにレベルを測定してもよい。具体的には、各チャンネルについてテスト音声ビームのスイープにより決定した方向にテスト音声ビームを出力し、聴取位置においてマイク7で収音した音を解析することにより行うことができる。
ゲイン調整された各チャンネルのオーディオ信号は、定位付加部42に入力される。定位付加部42は、入力された各チャンネルのオーディオ信号を所定の位置に仮想音源として定位させる処理を行う。仮想音源として定位させるためには、所定位置と聴者の耳との間の伝達関数を示す頭部伝達関数(以下、HRTFと称す。)を用いる。
HRTFは、ある位置に設置した仮想スピーカからそれぞれ左右の耳に至る音の大きさ、到達時間、および周波数特性等を表現したインパルス応答である。定位付加部42は、入力された各チャンネルのオーディオ信号にHRTFを付与して、ウーファ33Lまたはウーファ33Rから放音させることにより、聴者に仮想音源を定位させることができる。
図7(A)は、定位付加部42の構成を示すブロック図である。定位付加部42は、各チャンネルのオーディオ信号にHRTFのインパルス応答を畳み込むためのFLフィルタ421L、FRフィルタ422L、Cフィルタ423L、SLフィルタ424L、およびSRフィルタ425Lと、FLフィルタ421R、FRフィルタ422R、Cフィルタ423R、SLフィルタ424R、およびSRフィルタ425Rと、を備えている。
例えば、FLチャンネルのオーディオ信号は、FLフィルタ421LおよびFLフィルタ421Rに入力される。FLフィルタ421Lは、FLチャンネルのオーディオ信号に、聴者の左前方の仮想音源VSFL(図8(A)を参照。)の位置から左耳に至る経路のHRTFを付与する。FLフィルタ421Rは、FLチャンネルのオーディオ信号に、仮想音源VSFLの位置から右耳に至る経路のHRTFを付与する。同様にして、各チャンネルについて、聴者の周囲の仮想音源の位置から各耳に至るHRTFが付与される。
加算部426Lは、FLフィルタ421L、FRフィルタ422L、Cフィルタ423L、SLフィルタ424L、およびSRフィルタ425LでそれぞれHRTFが付与されたオーディオ信号を合成して、オーディオ信号VLとして補正部51に出力する。加算部426Rは、FLフィルタ421R、FRフィルタ422R、Cフィルタ423R、SLフィルタ424R、およびSRフィルタ425RでそれぞれHRTFが付与されたオーディオ信号を合成して、オーディオ信号VRとして補正部51に出力する。
補正部51は、クロストークキャンセル処理を行う。図7(B)は、補正部51の構成を示すブロック図である。補正部51は、ダイレクト補正部511L、ダイレクト補正部511R、クロス補正部512L、およびクロス補正部512Rを備えている。
オーディオ信号VLは、ダイレクト補正部511Lおよびクロス補正部512Lに入力される。オーディオ信号VRは、ダイレクト補正部511Rおよびクロス補正部512Rに入力される。
ダイレクト補正部511Lは、ウーファ33Lから出力された音が左耳付近で放音されたように聴者に知覚させる処理を行う。ダイレクト補正部511Lは、ウーファ33Lから出力された音の周波数特性が左耳の位置でフラットになるようなフィルタ係数が設定されている。ダイレクト補正部511Lは、入力されたオーディオ信号VLを当該フィルタで処理して、オーディオ信号VLDを出力する。ダイレクト補正部511Rは、ウーファ33Rから出力された音の周波数特性が右耳の位置でフラットになるようなフィルタ係数が設定されている。ダイレクト補正部511Rは、入力されたオーディオ信号VLを当該フィルタで処理して、オーディオ信号VRDを出力する。
クロス補正部512Lは、ウーファ33Lから右耳に回り込む音の周波数特性を付与するためのフィルタ係数が設定されている。このウーファ33Lから右耳に回り込む音(VLC)を合成部52Rで逆相にしてウーファ33Rから放音させることにより、ウーファ33Lの音が右耳に聞こえるのを抑制する。これにより、ウーファ33Rから放音される音が右耳付近で放音されたように聴者に知覚させる。
クロス補正部512Rは、ウーファ33Rから左耳に回り込む音の周波数特性を付与するためのフィルタ係数が設定されている。このウーファ33Rから左耳に回り込む音(VRC)を合成部52Lで逆相にしてウーファ33Lから放音させることにより、ウーファ33Rの音が左耳に聞こえるのを抑制する。これにより、ウーファ33Lから放音される音が左耳付近で放音されたように聴者に知覚させる。
合成部52Lから出力されたオーディオ信号は、遅延処理部60Lに入力される。遅延処理部60Lによって所定時間遅延されたオーディオ信号は、加算処理部32に入力される。また、合成部52Rから出力されたオーディオ信号は、遅延処理部60Rに入力される。遅延処理部60Rによって所定時間遅延されたオーディオ信号は、加算処理部32に入力される。
遅延処理部60Lおよび遅延処理部60Rによる遅延時間は、例えば、ビーム化処理部20の指向性制御部で与えられる遅延時間のうち、最長の遅延時間よりも長く設定される。これにより、仮想音源を知覚させる音が、音声ビームの形成を阻害することがない。なお、ビーム化処理部20の後段に遅延処理部を設け、音声ビーム側に遅延を加えて、音声ビームが仮想音像を定位させる音を阻害しないようにする態様であってもよい。
遅延処理部60Lから出力されたオーディオ信号は、加算処理部32を介してウーファ33Lに入力される。加算処理部32では、遅延処理部60Lから出力されたオーディオ信号とHPF30Lから出力されたオーディオ信号とが加算される。なお、加算処理部32は、これらオーディオ信号の加算比率を変更するゲイン調整部の構成を備えていてもよい。同様に、遅延処理部60Rから出力されたオーディオ信号は、加算処理部32を介してウーファ33Rに入力される。加算処理部32では、遅延処理部60Rから出力されたオーディオ信号とHPF30Rから出力されたオーディオ信号とが加算される。加算処理部32は、これらオーディオ信号の加算比率を変更するゲイン調整部の構成を備えていてもよい。
次に、アレイスピーカ装置2が生成する音場について図8(A)を用いて説明する。図8(A)において、実線矢印は、アレイスピーカ装置2から出力される音声ビームの経路を示す。図8(A)において、白い星印は、音声ビームが生成する音源の位置を示し、黒い星印は、仮想音源の位置を示す。
図8(A)の例では、アレイスピーカ装置2は、音声ビームを5本出力する。Cチャンネルのオーディオ信号は、アレイスピーカ装置2の後方の位置に焦点を結ぶ音声ビームが設定される。これにより、聴者は、音源SCが聴者の前方にあると知覚する。
同様に、FLチャンネルのオーディオ信号は、部屋Rの左前方の壁の位置に焦点を結ぶ音声ビームが設定され、聴者は、音源SFLが聴者の左前方の壁にあると知覚する。FRチャンネルのオーディオ信号は、部屋Rの右前方の壁の位置に焦点を結ぶ音声ビームが設定され、聴者は、音源SFRが聴者の右前方の壁にあると知覚する。SLチャンネルのオーディオ信号は、部屋Rの左後方の壁の位置に焦点を結ぶ音声ビームが設定され、聴者は、音源SSLが聴者の左後方の壁にあると知覚する。SRチャンネルのオーディオ信号は、部屋Rの右後方の壁の位置に焦点を結ぶ音声ビームが設定され、聴者は、音源SSRが聴者の左後方の壁にあると知覚する。
しかし、図8(A)の例では、右前方の壁と聴取位置との距離が左前方の壁と聴取位置との距離よりも遠くなっている。したがって、音源SFRは、音源SFLよりも後方寄りに知覚されることになる。そこで、定位付加部42は、Cチャンネルの音声ビームとFRチャンネルの音声ビームとの間に設定する。この例では、定位付加部42は、仮想音源VSFRの方向を、FLチャンネルの音声ビームの到達方向に対して左右対称(聴取位置を中心軸として左右対称)となる方向に設定する。この設定は、聴者がユーザI/F36を用いて手動で設定してもよいが、例えば以下の様に自動設定することも可能である。
制御部35は、図8(B)に示すように、Cチャンネルに設定したピークの角度θa3を挟んで両側の領域に存在するピークの対称性について判定する。
制御部35は、例えば、許容誤差を±10度として、−10度≦θa2+θa4≦10度であればSLチャンネルとSRチャンネルの音声ビームの到達方向が左右対称であると判定する。同様に、制御部35は、−10度≦θa1+θa5≦10度であればFLチャンネルとFRチャンネルの音声ビームの到達方向が左右対称であると判定する。
図8(B)では、θa1+θa5の値が許容誤差を超えている例を示している。したがって、制御部35は、定位付加部42に対して、仮想音源の方向を、2本の音声ビーム(Cチャンネルの音声ビームとFRチャンネルの音声ビーム)の到達方向の間に設定するように指示する。仮想音源の方向は、理想的な到達方向(例えば聴取位置から見て左右約30度)に近い側の音声ビームと対称となるように設定することが好ましい。
図8(B)の例では、中心軸(ここではθa3=0度)を挟んでθa1と対称となるθa5’に仮想音源VSFRの方向を設定する。他のチャンネルは、上記音源SFL,SC,SSL,およびSSRの位置と略同じ位置に仮想音源の位置が設定される。したがって、聴者は、仮想音源VSC,VSFL,VSSL,およびVSSRを音源SC,SFL,SSL,およびSSRの位置と略同じ位置に知覚する。
これにより、アレイスピーカ装置2は、音声ビームによる定位感を用いながらも、壁の音響反射率等の聴取環境に依存しない頭部伝達関数による仮想音源によって、意図する方向に明瞭に音源を定位させることができる。また、図8(A)および図8(B)の例では、聴取位置から見て左右対称の方向に音源が定位するため、より理想的な聴取態様となる。
次に、図9(A)は、SRチャンネルがSLチャンネルよりも前方寄りに到達する場合の例を示す図である。この場合、右側の壁と聴取位置との距離が左側の壁と聴取位置との距離よりも遠くなっている。サラウンドチャンネルは、2回反射であるため、右側の壁面が遠い場合、音源SSRは、音源SSLよりも前方寄りに知覚されることになる。上述と同様に、制御部35は、例えば、許容誤差を±10度として、−10度≦θa2+θa4≦10度であるか否かを判断する。図9(B)では、θa2+θa4の値が許容誤差を超えている例を示している。したがって、制御部35は、定位付加部42に対して、仮想音源の方向を、2本の音声ビームの到達方向の間に設定するように指示する。
ここでも、仮想音源の方向は、理想的な到達方向(例えば聴取位置から見て左右約110度)に近い側の音声ビームと対称となるように設定することが好ましい。サラウンドチャンネルは、フロントチャンネルに比べて前方左右方向寄りに理想的な到達方向が存在するため、中心軸との角度差が大きいピーク(左右寄りに到達する音声ビーム)側に仮想音源の方向を設定する。図9(B)の例では、中心軸(ここではθa3と)を挟んでθa4と対称となるθa2’に仮想音源VSSLの方向を設定する。他のチャンネルは、上記音源SFL,SFR,SC,およびSSRの位置と略同じ位置に仮想音源の位置が設定される。したがって、聴者は、仮想音源VSC,VSFR,VSSL,およびVSSRを音源SC,SFR,SSL,およびSSRの位置と略同じ位置に知覚する。
これにより、サラウンドチャンネルについても、聴取位置から見て左右対称の方向に音源が定位するため、より理想的な聴取態様となる。
特に、音源SSLおよび音源SSRは、音声ビームが壁に2度反射することにより生成されるため、フロント側のチャンネルに比べて明瞭な定位感が得られない場合がある。しかし、アレイスピーカ装置2は、ウーファ33Lおよびウーファ33Rにより聴者の耳に直接届く音で生成される仮想音源VSSLおよび仮想音源VSSRで定位感を補うことができ、より理想的な方向に明瞭に音源を定位させることができる。
次に、図10は、ファントム音源を併用する場合のアレイスピーカ装置2Aの構成を示すブロック図である。図2のアレイスピーカ装置2と共通する構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
アレイスピーカ装置2Aは、ファントム処理部90を備えた点でアレイスピーカ装置2と異なる。ファントム処理部90は、フィルタ処理部14から入力したオーディオ信号のうち、各チャンネルのオーディオ信号を、自身のチャンネルおよび他チャンネルに分配することにより、特定のチャンネルをファントム定位させる(ファントム音源を生成する)ものである。
図11(A)は、ファントム処理部90の構成を示すブロック図である。図11(B)は、指定角度とゲイン比率との対応付けテーブルを示す図である。図11(C)は、指定角度とフィルタ係数(定位付加部42が付与する頭部伝達関数)との対応付けテーブルを示す図である。ファントム処理部90は、ゲイン調整部95FL、ゲイン調整部96FL、ゲイン調整部95FR、ゲイン調整部96FR、ゲイン調整部95SL、ゲイン調整部96SL、ゲイン調整部95SR、ゲイン調整部96SR、加算部900、加算部901、および加算部902を備えている。
ゲイン調整部95FLおよびゲイン調整部96FLには、FLチャンネルのオーディオ信号が入力される。ゲイン調整部95FRおよびゲイン調整部96FRには、FRチャンネルのオーディオ信号が入力される。ゲイン調整部95SLおよびゲイン調整部96SLには、SLチャンネルのオーディオ信号が入力される。ゲイン調整部95SRおよびゲイン調整部96SRには、SRチャンネルのオーディオ信号が入力される。
FLチャンネルのオーディオ信号は、ゲイン調整部95FLおよびゲイン調整部96FLでゲイン比率が調整され、それぞれ加算部901および加算部900に入力される。FRチャンネルのオーディオ信号は、ゲイン調整部95FRおよびゲイン調整部96FRでゲイン比率が調整され、それぞれ加算部902および加算部900に入力される。SLチャンネルのオーディオ信号は、ゲイン調整部95SLおよびゲイン調整部96SLでゲイン比率が調整され、それぞれビーム化処理部20および加算部901に入力される。SRチャンネルのオーディオ信号は、ゲイン調整部95SRおよびゲイン調整部96SRでゲイン比率が調整され、それぞれビーム化処理部20および加算部902に入力される。
各ゲイン調整部のゲインは、制御部35により設定される。制御部35は、図11(B)に示すように、メモリ(不図示)に記憶されている対応付けテーブルを読み出し、指定された角度に対応付けられているゲイン比率を読み出す。この例では、制御部35は、聴取位置の右前方から到達するFRチャンネルの音声ビームと、聴取位置の前方から到達するCチャンネルの音声ビームと、のゲイン比率を制御することで、FRチャンネルのファントム音源の方向を制御する。
図12を参照して、ファントム音源と仮想音源を併用する例について説明する。この例では、FRチャンネルの音声ビームの到達方向θa5が80度(聴取位置から見て右80度)であった場合において、指定角度が40度(聴取位置から見て右40度)の方向にFRチャンネルのファントム音源を定位させる場合を説明する。
制御部35は、指定角度が40度であり、FRチャンネルの音声ビームの到達方向θa5(FR角度)が80度、Cチャンネルの音声ビームの到達方向θa3(C角度)が0度であるため、ゲイン比率100*(40/80)=50に対応するゲイン調整部95FRおよびゲイン調整部96FRのゲインを読み出す。この場合、制御部35は、ゲイン調整部95FRのゲインを0.5、ゲイン調整部96FRのゲインを0.5に設定する。これにより、図12に示すように、FRチャンネルの音声ビームと、聴取位置の前方から到達するCチャンネルの音声ビームと、の間の右40度の方向にファントム音源を定位させることができる。なお、ここでは、ゲイン調整部95FRのゲイン(0.5)+ゲイン調整部96FRのゲイン(0.5)=1.0となるように(ゲインが一定となるように)ゲイン比率を設定する例を示したが、パワーが一定になるようにゲインを設定してもよい。この例では、ゲイン調整部95FRのゲインおよびゲイン調整部96FRのゲインは−3dB(約0.707)となる。
そして、制御部35は、指定角度である40度の方向に仮想音源が定位するフィルタ係数を図11(C)に示すテーブルから読み出し、定位付加部42に設定する。これにより、ファントム音源SFRと同じ方向に仮想音源VSFRが定位する。
なお、指定角度は、聴者がユーザI/F36を介して手動で入力することも可能であるが、上述したテスト音声ビームの測定結果を用いて自動設定することも可能である。例えば、FLチャンネルの音声ビームの到達方向θa1が−60度(聴取位置から見て左60度)であり、FLチャンネルの音声ビームの到達方向と対称の方向にFRチャンネルのファントム音源を定位させる場合、指定角度が右60度となる。この場合、FR角度が80度、C角度が0度であれば、ゲイン比率100*(60/80)=75に対応するゲイン調整部95FRおよびゲイン調整部96FRのゲインを読み出す。したがって、制御部35は、ゲイン調整部95FRのゲインを0.75、ゲイン調整部96FRのゲインを0.25に設定する。
このようにして、アレイスピーカ装置2Aは、音声ビームによるファントム音源の定位感を壁の音響反射率等の聴取環境に依存しない頭部伝達関数による仮想音源によって補い、より明瞭にファントム音源を定位させることができる。
特に、サラウンドチャンネルは、音声ビーム同士(例えばFLチャンネルの音声ビームおよびSLチャンネルの音声ビーム)を用いてファントム音源を定位させるため、フロント側のチャンネルをファントム音源として定位させる場合に比べて明瞭な定位感が得られない場合がある。しかし、アレイスピーカ装置2Aは、ウーファ33Lおよびウーファ33Rにより聴者の耳に直接届く音で生成される仮想音源VSSLおよび仮想音源VSSRで定位感を補うことができ、より明瞭にファントム音源を定位させることができる。
なお、アレイスピーカ装置2Aは、さらに多数チャンネルのオーディオ信号を、少ない音声ビームで定位させる場合に好適である。図13は、7.1チャンネルのオーディオ信号を5本の音声ビームで定位させる例を示す図である。7.1チャンネルサラウンドは、5.1チャンネルサラウンド(C、FL、FR、SL、SR、LFE)に加えて、聴者の後方から再生させる2チャンネル(SBL、SBR)が含まれている。この例では、アレイスピーカ装置2Aは、SBLチャンネルを部屋Rの左後方の壁の位置に焦点を結ぶ音声ビームに設定し、SBRチャンネルを部屋Rの右左後方の壁の位置に焦点を結ぶ音声ビームに設定する。
また、アレイスピーカ装置2Aは、SBLチャンネルおよびFLチャンネルの音声ビームを用いて、その間の位置(聴取位置の左−90度)にSLチャンネルのファントム音源SSLを設定する。同様に、SBRチャンネルおよびFRチャンネルの音声ビームを用いて、その間の位置(聴取位置の右90度)にSRチャンネルのファントム音源SSRを設定する。
そして、アレイスピーカ装置2Aは、ファントム音源SSLの位置に仮想音源VSSLを設定し、ファントム音源SSRの位置に仮想音源VSSRを設定する。
このように、少ない音声ビームで多数のチャンネルを定位させる場合でも、アレイスピーカ装置2Aは、ウーファ33Lおよびウーファ33Rにより聴者の耳に直接届く音で生成される仮想音源で定位感を補うことができ、より明瞭に多数のチャンネルを定位させることができる。
次に、図14(A)は、変形例に係るアレイスピーカ装置2Bを示す図である。アレイスピーカ装置2と重複する構成の説明は省略する。
アレイスピーカ装置2Bは、ウーファ33Lおよびウーファ33Rから出力する音をそれぞれスピーカユニット21Aおよびスピーカユニット21Pから出力する点において、アレイスピーカ装置2と相違する。
アレイスピーカ装置2Bは、仮想音源を知覚させる音をスピーカユニット21A〜21Pのうち、両端のスピーカユニット21Aおよびスピーカユニット21Pから出力する。
スピーカユニット21Aおよびスピーカユニット21Pは、アレイスピーカにおける最も端部に配置されたスピーカユニットであり、聴者から見てそれぞれ最も左側および右側に配置されている。したがって、スピーカユニット21Aおよびスピーカユニット21Pは、それぞれLチャンネルおよびRチャンネルの音を出力する場合に好適であり、仮想音源を知覚させる音を出力するスピーカユニットとして好適である。
また、アレイスピーカ装置2は、一つの筐体にスピーカユニット21A〜21P、ウーファ33Lおよびウーファ33Rを全て備える必要はない。例えば、図14(B)に示すスピーカセット2Cのように、各スピーカユニットを個別の筐体に設けて、各筐体を並べて配置する態様であってもよい。
1…AVシステム
2…アレイスピーカ装置
2A…アレイスピーカ装置
2A…スピーカ装置
3…サブウーファ
4…テレビ
7…マイク
10…デコーダ
11…入力部
14,15…フィルタ処理部
20…ビーム化処理部
32…加算処理部
33L,33R…ウーファ
35…制御部
36…ユーザI/F
40…バーチャル処理部
2…アレイスピーカ装置
2A…アレイスピーカ装置
2A…スピーカ装置
3…サブウーファ
4…テレビ
7…マイク
10…デコーダ
11…入力部
14,15…フィルタ処理部
20…ビーム化処理部
32…加算処理部
33L,33R…ウーファ
35…制御部
36…ユーザI/F
40…バーチャル処理部
Claims (4)
- 複数チャンネルのオーディオ信号が入力される入力部と、
複数のスピーカと、
前記入力部に入力された複数チャンネルのオーディオ信号をそれぞれ遅延して前記複数のスピーカに分配することにより、前記複数のスピーカに音声ビームを出力させる指向性制御部と、
前記入力部に入力された複数チャンネルのオーディオ信号にそれぞれ頭部伝達関数に基づくフィルタ処理を行って前記複数のスピーカに入力する定位付加部と、
を備えたスピーカ装置であって、
前記定位付加部は、聴取位置から見て、複数の音声ビームの到達方向の間に、前記頭部伝達関数に基づく仮想音源の方向を設定することを特徴とするスピーカ装置。 - 同一チャンネルのオーディオ信号を複数の音声ビームに出力させ、ファントム音源を定位させるファントム処理部と、
前記定位付加部は、前記ファントム音源の定位方向に対応する方向に、前記頭部伝達関数に基づく仮想音源の方向を設定することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記定位付加部は、前記音声ビームのうち、少なくとも1つの到達方向に対し、前記聴取位置を中心軸として左右対称となる方向に、前記頭部伝達関数に基づく仮想音源の方向を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピーカ装置。
- 聴取位置に設置されるマイクと、
前記指向性制御部にテスト信号を入力して前記複数のスピーカにテスト音声ビームを出力させ、当該テスト音声ビームが前記マイクに入力されるレベルを測定する検出手段と、
前記検出手段が測定したレベルのピークに基づいて音声ビームの出力角度を設定するビーム角度設定手段と、をさらに備え、
前記定位付加部は、前記検出手段が測定したレベルのピークに基づいて前記頭部伝達関数に基づく仮想音源の方向を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスピーカ装置。
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