JP2015124836A - ユニバーサルジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】 潤滑剤が枯渇しているか否かを簡単かつ正確に確認可能にする。
【解決手段】 ころ軸受部5は、十字軸2の四つの軸部4と、各軸部4に被せられた有底筒状の軸受カップ11と、軸部4の外周面4aと軸受カップ11の内周面11aとの間に搖動自在に介在している針状ころ9と、を備えている。十字軸2には、ころ軸受部5の内部に潤滑剤を供給するための給脂路13が軸部4の軸心X,Zと同心にて十字状に貫通形成されている。各軸受カップ11の底部11dには、開口11eとこれを密閉する密閉部材12aからなり、給脂路13の内部を目視可能な点検窓12が形成されている。密閉部材12aは、給脂路13の内部を点検窓12に向かって移動する潤滑剤を軸部4の径方向に分散させる円錐凸面部12bを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】 ころ軸受部5は、十字軸2の四つの軸部4と、各軸部4に被せられた有底筒状の軸受カップ11と、軸部4の外周面4aと軸受カップ11の内周面11aとの間に搖動自在に介在している針状ころ9と、を備えている。十字軸2には、ころ軸受部5の内部に潤滑剤を供給するための給脂路13が軸部4の軸心X,Zと同心にて十字状に貫通形成されている。各軸受カップ11の底部11dには、開口11eとこれを密閉する密閉部材12aからなり、給脂路13の内部を目視可能な点検窓12が形成されている。密閉部材12aは、給脂路13の内部を点検窓12に向かって移動する潤滑剤を軸部4の径方向に分散させる円錐凸面部12bを備えている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ユニバーサルジョイントに関する。
鉄鋼用圧延機のスピンドル装置や自動車のドライブシャフトに用いられるユニバーサルジョイントには、十字軸の内部に、互いに直交する軸心に沿って十字状の給脂路が貫通形成されている。この十字軸の端部を構成する各軸部には有底筒状の軸受カップが被せられている。軸部の外周面と軸受カップの内周面の間にはころを搖動自在に介在しており、これら軸部、軸受カップ及びころにより、ころ軸受部が構成されている。給脂路内に注入された潤滑剤(グリース)は、十字軸の回転による遠心力によってころ軸受部の内部に供給される。
ころ軸受部の内部に供給される潤滑剤が枯渇すると、ころ軸受部の早期損耗に繋がる。このため、ユニバーサルジョイントは、給脂が必要か否かを判断するために潤滑剤の充填状況を簡単に点検できるものであることが好ましい。
このようなユニバーサルジョイントとして、例えば、特許文献1に示すものが知られている。このユニバーサルジョイントには、給脂路内に延びる細長い棒状部を有するゲージが軸受カップの底部に螺合されている。このユニバーサルジョイントによれば、ゲージを軸受カップから取り外して棒状部のどのあたりまで潤滑剤が付着しているかを調べることで、ユニバーサルジョイントを分解することなく、潤滑剤の充填状況を点検することができる。
このようなユニバーサルジョイントとして、例えば、特許文献1に示すものが知られている。このユニバーサルジョイントには、給脂路内に延びる細長い棒状部を有するゲージが軸受カップの底部に螺合されている。このユニバーサルジョイントによれば、ゲージを軸受カップから取り外して棒状部のどのあたりまで潤滑剤が付着しているかを調べることで、ユニバーサルジョイントを分解することなく、潤滑剤の充填状況を点検することができる。
しかし、このユニバーサルジョイントでは、点検の際に軸受カップからゲージを取り外さなければならない。また、給脂路に潤滑剤が充分に充填されている状態において、既にゲージの棒状部の全体に潤滑剤が付着してしまっており、給脂路内の潤滑剤が枯渇しても棒状部に付着した潤滑剤が自然に取れない場合がある。この場合、ゲージを一端取り外して棒状部についた潤滑剤を拭き取るなどした後再度取り付けて調べなければ潤滑剤が枯渇しているか否かを正確に確認することができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、潤滑剤が枯渇しているか否かを簡単かつ正確に確認することができるユニバーサルジョイントを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、
十字軸と一対のヨークとがころ軸受部を介して回動自在に連結されたユニバーサルジョイントであって、
前記ころ軸受部は、前記十字軸の四つの軸部と、前記各軸部に被せられた有底筒状の軸受カップと、前記軸部の外周面と前記軸受カップの内周面との間に搖動自在に介在しているころと、を備え、
前記十字軸には、前記ころ軸受部の内部に潤滑剤を供給するための給脂路が前記軸部の軸心と同心にて十字状に貫通形成されており、
各軸受カップの底部には、開口とこれを密閉する密閉部材からなり、前記給脂路内を目視可能な点検窓が形成され、前記密閉部材は、前記給脂路内を前記点検窓に向かって移動する潤滑剤を前記軸部の径方向に分散させる円錐凸面部を備えていることを特徴とする。
十字軸と一対のヨークとがころ軸受部を介して回動自在に連結されたユニバーサルジョイントであって、
前記ころ軸受部は、前記十字軸の四つの軸部と、前記各軸部に被せられた有底筒状の軸受カップと、前記軸部の外周面と前記軸受カップの内周面との間に搖動自在に介在しているころと、を備え、
前記十字軸には、前記ころ軸受部の内部に潤滑剤を供給するための給脂路が前記軸部の軸心と同心にて十字状に貫通形成されており、
各軸受カップの底部には、開口とこれを密閉する密閉部材からなり、前記給脂路内を目視可能な点検窓が形成され、前記密閉部材は、前記給脂路内を前記点検窓に向かって移動する潤滑剤を前記軸部の径方向に分散させる円錐凸面部を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、点検窓から給脂路内を目視することによって給脂路内の潤滑剤が枯渇しているか否かを簡単に確認することができる。また、密閉部材の円錐凸面部によって、給脂路内を点検窓に向かって移動する潤滑剤を軸部の径方向に分散させることができるので、円錐凸面部の少なくとも頂部付近に潤滑剤が留まることを回避できる。その結果、実際には潤滑剤が枯渇しているのにもかかわらず、枯渇していないと誤判断することを防止できる。したがって、潤滑剤が枯渇しているか否かを簡単かつ正確に確認することができる。
本発明において、同一軸心上に配置された一対の前記軸受カップのそれぞれに配設された前記点検窓が、前記給脂路を介して互いに正対していることが好ましい。この場合、同一軸心上に配置された一対の軸受カップのそれぞれに配設されている点検窓のうちの一方の点検窓からライトなどで給脂路内を照らすことができるので、潤滑剤が枯渇しているか否かをより正確に確認することができる。
この発明のユニバーサルジョイントによれば、潤滑剤が枯渇しているか否かを簡単かつ正確に確認することができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るユニバーサルジョイント1の部分分解斜視図である。また、図2はこのユニバーサルジョイント1におけるころ軸受部5の断面図である。ユニバーサルジョイント1は、鉄鋼用圧延機のスピンドル装置(図示省略)に用いられるものである。図1に示すように、ユニバーサルジョイント1は、軸部4を各先端部に有する十字軸2と、各軸部4に配設されたころ軸受部5と、一対のヨーク17とを備えている。
図1は本発明の一実施形態に係るユニバーサルジョイント1の部分分解斜視図である。また、図2はこのユニバーサルジョイント1におけるころ軸受部5の断面図である。ユニバーサルジョイント1は、鉄鋼用圧延機のスピンドル装置(図示省略)に用いられるものである。図1に示すように、ユニバーサルジョイント1は、軸部4を各先端部に有する十字軸2と、各軸部4に配設されたころ軸受部5と、一対のヨーク17とを備えている。
十字軸2は、中央に設けられた基部3と、基部3から互いに直交する軸心X及び軸心Zに沿って四方向に延びる四つの前記軸部4とを有している。十字軸2は、基部3の中心を通過し、かつ、軸部4の軸心X及び軸心Zと直交する中心軸C回りに回転可能である。図2に示すように、十字軸2には、ころ軸受部5の内部に潤滑剤を供給するための給脂路13が軸心X及び軸心Zに沿って十字状に形成されている。
給脂路13は、基部3及び軸部4を貫通しており、その軸心Z方向の先端部13aは給脂路13の内奥側に比べて拡径している。また、給脂路13と連通する注油路14が十字軸2の基部3に中心軸Cと平行に形成されており、注油口14aにはグリースニップル15が取り付けられている。
ころ軸受部5は、前記軸部4と、複数の針状ころ9と、軸受カップ11とを備えている。針状ころ9は、各軸部4の外周面4aに沿って搖動自在に配置されている。軸受カップ11は、有底筒状に形成されており、針状ころ9を介して軸部4の外周面4aに嵌合されている。したがって、針状ころ9は、軸受カップ11の内周面11aを外輪軌道部、軸部4の外周面4aを内輪軌道部として搖動し、これによって軸受カップ11が軸部4の軸心Z回りに搖動可能とされている。さらに、軸部4の先端面4bと軸受カップ11の底面との間には座金10を介在している。座金10は、後述する点検窓12の第1円筒部12cの挿通を許容する孔10aを有している。座金10と軸部4の先端面4bとの間には給脂路13から送出された潤滑剤をころ軸受部5の内部に導くための隙間Sが形成されている。針状ころ9の軸心Z方向内側には、ころガイド8、オイルシール7及びスリンガ6が配設されている。
軸受カップ11の底部11dにおける給脂路13の端部13aと対向する部分には、給脂路13の内部を目視可能な点検窓12が形成されている。図3は図2における点検窓12の近傍の拡大図である。図3に示すように、点検窓12は、開口11eとこれを密閉する密閉部材12aからなる。開口11eは、軸心Z方向外側の大径部11fと、軸心Z方向内側の小径部11gと、大径部11fと小径部11gとを繋いでいる座繰り部11hとで構成されている。小径部11gは給脂路13の先端部13aと面一となっている。また、小径部11gには雌ねじが形成されている。座繰り部11hは、軸心Zに対して垂直な円環状の平面である。
密閉部材12aは、透明な樹脂部材であり、円錐凸面部12bと、第1円筒部12cと、円環部12dと、第2円筒部12eとを有する有底円筒状のものである。円錐凸面部12bは、軸心Zを通る平面に沿って切断した断面が緩やかなV字形状であり、座金10の孔10a付近から開口11eの内部に突出している。第1円筒部12cは、円錐凸面部12bの外周縁から軸心Z方向外方に延びており、その外周面に雄ねじが形成されていて、小径部11gと螺合している。
円環部12dは、第1円筒部12cから径方向外方に延びて座繰り部11hに当接している。第2円筒部12eは、円環部12dの外周から軸心Z方向外方に延びて大径部11fに嵌合している。第2円筒部12eの内周側には密封部材12aの第1円筒部12cを開口11eの小径部11gに螺合する際に六角レンチを係合させるための六角穴が形成されている。点検窓12は、各軸受カップ11に合計四つ備えられている。軸心Z上に配置されている一対の軸受カップ11のぞれぞれに配設されている点検窓12は、給脂路13の軸心Zに沿った部分を挟んで互いに正対している。同様に、軸心X上に配置されている一対の軸受カップ11のぞれぞれに配設されている点検窓12は、給脂路13の軸心Xに沿った部分を挟んで互いに正対している。
給脂路13に充填されている潤滑剤は、十字軸2の回転軸C回りの回転による遠心力によって給脂路13の内部を点検窓12に向かって移動する。潤滑剤は、密封部材12aの円錐凸面部12bにまで達すると、円錐凸面部12bによって軸部4の径方向に分散されて、軸部4の先端面4bと座金10との間の隙間Sを通過してころ軸受部5の内部に供給される。
図1に示すように、軸受カップ11の一側部には、ヨーク17の凹部17bに嵌合される凸部11bが突設されている。また、軸受カップ11には、ヨーク17のねじ孔17cに螺着されるボルト19を挿通するための一対の挿通孔11cが形成されている。ヨーク17は、同一軸心上に配置されている一対の軸受カップ11が連結されるものである。具体的には、図中のy軸方向右側のヨーク17には、軸心X上に配設されている一対の軸受カップ11が連結され、図中のy軸方向左側のヨーク17には、軸心Z上に配置されている一対の軸受カップ11が連結される。
本実施形態のユニバーサルジョイント1によれば、点検窓12から給脂路13の内部を目視することによって給脂路13の内部の潤滑剤が枯渇しているか否かを簡単に確認することができる。また、点検窓12の密閉部材12aの円錐凸面部12bによって、給脂路13の内部を点検窓12に向かって移動する潤滑剤を径方向に分散させることで、円錐凸面部12bの少なくとも頂部付近に潤滑剤が留まることを回避できる。その結果、ころ軸受部5の内部の潤滑剤は実際には枯渇しているのにもかかわらず、潤滑剤が枯渇していないと誤判断することを防止できる。したがって、潤滑剤が枯渇しているか否かを簡単かつ正確に確認することができる。
また、同一軸心Z上に配置された一対の軸受カップ11のそれぞれに配設された点検窓12は、給脂路13を介して互いに正対している。このため、同一軸心Z上に配置された一対の軸受カップ11のそれぞれに配設されている点検窓12のうちの一方の点検窓12からライトなどで給脂路13の内部を照らすことができる。したがって、潤滑剤が枯渇しているか否かを、より正確に確認することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく適宜変更して実施可能である。例えば、図4に示すように、同一軸心Z上に配置された一対の軸受カップ11のそれぞれに配設されている点検窓12のうちの一方の点検窓12は、LED(発光ダイオード)16aを備えたライト16を第1円筒部12cの内周側に着脱可能なものであってもよい。この場合、一人でかつ楽な体勢で他方の点検窓12から潤滑剤の充填状況を点検することができる。また、密閉部材12aの円錐凸面部12bは、中実の円錐形状のものであってもよい。
1:ユニバーサルジョイント、2:十字軸、4:軸部、4a:外周面、5:ころ軸受部、9:針状ころ、11:軸受カップ、11a:内周面、11d:底部、11e:開口、12:点検窓、12a:密閉部材、12b:円錐凸面部、13:給脂路、17:ヨーク、X:軸心、Z:軸心
Claims (2)
- 十字軸と一対のヨークとがころ軸受部を介して回動自在に連結されたユニバーサルジョイントであって、
前記ころ軸受部は、前記十字軸の四つの軸部と、前記各軸部に被せられた有底筒状の軸受カップと、前記軸部の外周面と前記軸受カップの内周面との間に搖動自在に介在しているころと、を備え、
前記十字軸には、前記ころ軸受部の内部に潤滑剤を供給するための給脂路が前記軸部の軸心と同心にて十字状に貫通形成されており、
各軸受カップの底部には、開口とこれを密閉する密閉部材からなり、前記給脂路内を目視可能な点検窓が形成され、前記密閉部材は、前記給脂路内を前記点検窓に向かって移動する潤滑剤を前記軸部の径方向に分散させる円錐凸面部を備えていることを特徴とするユニバーサルジョイント。 - 同一軸心上に配置された一対の前記軸受カップのそれぞれに配設された前記点検窓が、前記給脂路を介して互いに正対している請求項1に記載のユニバーサルジョイント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013270055A JP2015124836A (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | ユニバーサルジョイント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013270055A JP2015124836A (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | ユニバーサルジョイント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015124836A true JP2015124836A (ja) | 2015-07-06 |
Family
ID=53535680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013270055A Pending JP2015124836A (ja) | 2013-12-26 | 2013-12-26 | ユニバーサルジョイント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015124836A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102017125362A1 (de) | 2016-11-07 | 2018-05-09 | Jtekt Corporation | Dichtstruktur |
-
2013
- 2013-12-26 JP JP2013270055A patent/JP2015124836A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102017125362A1 (de) | 2016-11-07 | 2018-05-09 | Jtekt Corporation | Dichtstruktur |
CN108071691A (zh) * | 2016-11-07 | 2018-05-25 | 株式会社捷太格特 | 密封结构 |
CN108071691B (zh) * | 2016-11-07 | 2020-11-24 | 株式会社捷太格特 | 密封结构 |
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