上記の教示に照らして本発明の多くの変更形態及び変形形態が可能であることは明らかである。したがって、当然のことながら、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、本明細書に具体的に記載したとおりでなくても実施することができる。
本明細書で使用する場合、「少なくとも1つの」という表現は、1つ又は複数を意味し、このため、個別の成分及び混合物/組合せを含む。
本明細書で使用する場合、「毛髪」という用語は、任意のケラチン繊維、例えば、頭髪等の生体の毛髪、並びに毛髪見本、ウィッグ及びエクステンション等の非生体の毛髪を含む。
本明細書で使用する場合、「室温」という用語は、通常の状態での温度を指し、一般に、約15℃から約27℃の範囲の温度を意味するものと理解される。
本明細書で使用する場合、「固体」という用語は、室温、大気圧で固体状の形態である材料を指す。「半固体」という用語は、材料が、室温、大気圧で粘性又はペースト状であることを意味する。
本明細書で使用する場合、「水溶性の」という用語は、室温で、少なくとも1質量%の濃度で水に可溶である材料を意味する。
本発明の一態様は、ケラチン繊維用成形済組成物、特に、水と混合すると泡沫を発生させることが可能な成形済組成物に関する。成形済組成物は、例えば、水と直ちに混合して、安定性の高い均質な泡沫を生成できるタブレットとすることができる。成形済組成物は、例えば、安定した泡沫の形成により、組成物が毛髪に望ましく留まって毛髪の色を変化させることができる、1剤タイプの毛髪着色組成物として好適である。泡沫は、毛髪の所望の部位への塗布がより容易で、塗布中の滴り落ちに対する抵抗性がより高い。
成形済組成物は、例えば、タブレット、立方体、円柱体、球体、円盤、楕円体、又は、角錐体の形態とすることができる。粉末配合剤とは異なり、成形済組成物は拡散せず、水と直ちに且つ均一に混合することができる。成形済組成物をコップの水の中に入れる等の簡便な調製方法で、均一に混合した、すぐに使える毛髪着色組成物を生成することができる。別個の容器に用意された複数の原料を混合するよりも、厄介さが大幅に減少する。更に、この製品は、ただ1つの小さなパッケージで流通させることができ、包装及び輸送の時間、コスト及び空間を効果的に減少させる。この成形済組成物は環境に優しく、人々の環境意識の高まりを満足させる。
(ガス発生剤)
成形済組成物は、少なくとも1種のガス発生剤を含む。ガス発生剤は、成形済組成物が水と混合されるとガスを発生させることが可能な、1種又は2種以上の化合物とすることができる。更に、ガス発生剤は、成形済組成物が水と混合されると、成形済組成物を分解し、泡沫組成物を生成するのを助けることができる。
ガス発生剤は、化粧料組成物又は皮膚科用組成物に好適な種々のガスの供給源となり得る。好ましいガスは、経済的な且つ安全性の理由から、二酸化炭素である。
ガス発生剤は、少なくとも1種の酸と少なくとも1種の炭酸(水素)塩との組合せとすることができる。本明細書で使用する場合、「炭酸(水素)塩」という用語は、炭酸塩、炭酸水素塩又はこれらの混合物を意味する。酸の存在下で炭酸(水素)塩が水に溶解すると、酸塩基反応が起こる。炭酸(水素)塩は解離して炭酸(水素)イオンになり、二酸化炭素ガス及び水を発生させる。
酸塩基反応のために使用される炭酸(水素)塩は、好ましくは室温、大気圧で固体状である。好適な炭酸(水素)塩の例には、炭酸カルシウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素カリウム、及び、これらの混合物が含まれる。これらの中で、二酸化炭素ガスの好ましい供給源には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、及び、これらの混合物が含まれる。二酸化炭素ガスの更に好ましい供給源には、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素アンモニウム、及び、これらの混合物が含まれる。炭酸水素塩及び炭酸塩は、単独で又は他の炭酸塩若しくは炭酸水素塩と組み合わせて使用することができる。
酸及び炭酸(水素)塩を使用して二酸化炭素ガスを生成する場合、炭酸(水素)塩の量は、成形済組成物の質量に対して、0.5質量%から15質量%、好ましくは1質量%から10質量%、より好ましくは2質量%から8質量%とすることができる。
化粧料組成物又は皮膚科用組成物に好適な、有機酸及び無機酸を含む任意の酸、好ましくは有機酸を、単独又は組合せのいずれかで利用して、炭酸(水素)塩と組み合わせて二酸化炭素ガスを発生させることができる。酸は、室温、大気圧で、固体状の形態でも液状の形態でもよく、好ましくは固体状の形態とすることができる。やはり好ましくは、酸は水溶性である。
有機酸の例には、以下に限定はしないが、コハク酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酸性アミノ酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、デヒドロ酢酸、酒石酸、ソルビン酸等、及び、これらの混合物が含まれてもよい。好ましい酸には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、及び、これらの混合物が含まれる。これらの中で、クエン酸、酒石酸、及び、リンゴ酸が好ましい。
少なくとも1種のガス発生剤が酸を含む場合、酸の総量は、成形済組成物の質量に対して、0.5質量%から15質量%、好ましくは1質量%から10質量%、より好ましくは2質量%から8質量%とすることができる。
好ましくは、成形済組成物中に存在する酸対炭酸(水素)塩の質量比は、4:1から1:4、より好ましくは2:1から1:2の範囲である。
上記のとおり、酸と炭酸(水素)塩との任意の組合せを、ガス発生剤として使用することができる。例えば、ガス発生剤は、炭酸(水素)ナトリウムとクエン酸、炭酸(水素)ナトリウムと酒石酸、炭酸(水素)ナトリウムとリンゴ酸、又は、炭酸(水素)カルシウムとクエン酸との組合せとすることができる。好ましくは、ガス発生剤は、炭酸水素ナトリウムとクエン酸、炭酸水素ナトリウムと酒石酸、炭酸水素ナトリウムとリンゴ酸、又は、炭酸カルシウムとクエン酸との組合せとすることができる。更により好ましくは、ガス発生剤は、炭酸水素ナトリウムとクエン酸との組合せとすることができる。
成形済組成物中のガス発生剤の量は、成形済組成物の質量に対して、1質量%から20質量%、好ましくは3質量%から18質量%、より好ましくは5質量%から15質量%とすることができる。
(増粘剤)
成形済組成物において有用な増粘剤には、少なくとも1種の非イオン性セルロース化合物及び少なくとも1種の天然ガムが含まれる。
本明細書で使用する「セルロース化合物」という用語には、天然セルロース、セルロースエステル、及び、セルロースエーテル、並びに化学的に改変したそれらの組成物が含まれる。非イオン性セルロース化合物の例には、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース及びこれらの塩、並びにカルボキシメチルセルロース及びその塩が含まれる。非イオン性セルロース化合物は、単独で又は異なるセルロース化合物と組み合わせて使用することができる。上記の材料の中で、好ましい化合物には、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの塩が含まれ、より好ましい化合物にはヒドロキシエチルセルロースが含まれる。
非イオン性セルロースの量は、成形済組成物の質量に対して、3質量%から45質量%、好ましくは7質量%から35質量%、より好ましくは15質量%から25質量%とすることができる。
本明細書で使用する場合、「天然ガム」は、化学的に合成したガムとは対照的に天然の供給源に由来するガムを意味する。天然ガムは、植物由来又は微生物由来とすることができる。植物由来の天然ガムの例には、グアーガム、ローカストビーンガム、マンナン、β-グルカン、タラガム、カンテン、アルギネート、カラギーナン、アラビアガム、ガッチガム(gum ghatti)、カラヤガム、及び、トラガントガムが含まれる。微生物由来のガムの例にはキサンタンガムが含まれる。これらの中で、好ましい天然ガムは、マンナン、キサンタンガム、グアーガム、アルギネート、及び、カラギーナンである。特に好ましい天然ガムは、グアーガム及びキサンタンガムである。天然ガムは、単独で又は1種若しくは複数種の異なる天然ガムと組み合わせて使用することができる。
天然ガムの量は、成形済組成物の質量に対して、0.1質量%から10質量%、好ましくは0.5質量%から7質量%、好ましくは1質量%から5質量%とすることができる。
好ましくは、成形済組成物中に存在する非イオン性セルロース化合物対天然ガムの比は、質量で、20:1から1:1、好ましくは17:1から3:1、より好ましくは15:1から5:1の範囲とすることができる。
好ましくは、増粘剤は、少なくとも1種のデンプンを更に含む。即ち、増粘剤は、少なくとも1種の非イオン性セルロース化合物、少なくとも1種の天然ガム、及び、少なくとも1種のデンプンを含んでもよい。本明細書で使用する場合、「デンプン」という用語は、天然のデンプン、加工デンプン、及び、これらの混合物を含む。「加工デンプン」という用語は、物理的又は化学的に改変されてその機能的特性が改良されたデンプンを意味する。デンプンの例には、コメデンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コムギデンプン等が含まれる。これらの中で、好ましいデンプンは、コメデンプン、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、又は、これらの混合物である。デンプンは、単独で又は組合せで使用することができる。好ましいデンプンには、ジャガイモデンプン、コメデンプン、及び、トウモロコシデンプン、並びに、これらの混合物が含まれる。
デンプンが存在する場合、その量は、成形済組成物の質量に対して、0.5質量%から10質量%、好ましくは0.7質量%から8質量%、より好ましくは1質量%から5質量%とすることができる。
上記の増粘剤に加えて、成形済組成物は、他の増粘剤、例えば、化学的に合成したガム、カチオン性及び/又はアニオン性セルロース化合物、合成のポリマー及びコポリマー、並びにこれらの混合物を更に含むことができる。
増粘剤の総量は、10質量%から45質量%とすることができる。好ましくは、増粘剤の総量は、成形済組成物の質量に対して、少なくとも15質量%、より好ましくは15質量%から40質量%、更により好ましくは20質量%から35質量%とすることができる。
(界面活性剤)
本発明による成形済組成物は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含む。
アニオン性界面活性剤は、(C12〜C30)アルキルスルフェート、(C12〜C30)アルキルエーテルスルフェート、(C12〜C30)アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート;(C12〜C30)アルキルスルホネート、(C12〜C30)アルキルアミドスルホネート、(C12〜C30)アルキルアリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート;(C12〜C30)アルキルホスフェート;(C12〜C30)アルキルスルホスクシネート、(C12〜C30)アルキルエーテルスルホスクシネート、(C12〜C30)アルキルアミドスルホスクシネート; (C12〜C30)アルキルスルホアセテート;(C12〜C24)アシルサルコシネート;(C12〜C24)アシルグルタメート;(C12〜C30)アルキルポリグリコシドカルボン酸エーテル; (C12〜C30)アルキルポリグリコシドスルホスクシネート;酸(C12〜C30)アルキルスルホスクシナメート;(C12〜C24)アシルイセチオネート;N-(C12〜C24)アシルタウレート;C12〜C30脂肪酸塩;ヤシ油酸塩又は水添ヤシ油酸塩;(C12〜C20)アシルラクチレート;(C12〜C30)アルキル-D-ガラクトシドウロン酸塩;ポリオキシアルキレン化(C12〜C30)アルキルエーテルカルボン酸塩;ポリオキシアルキレン化(C12〜C30)アルキルアリールエーテルカルボン酸塩;及びポリオキシアルキレン化(C12〜C30)アルキルアミドエーテルカルボン酸塩から選ぶことができる。
アニオン性界面活性剤は、塩の形態、例えば、アルカリ金属(例えばナトリウム)の塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)の塩、アンモニウム塩、アミン塩、及び、アミノアルコール塩等とすることができる。条件によっては、アニオン性界面活性剤は酸の形態とすることもできる。
アニオン性界面活性剤は(C12〜C30)アルキルスルフェートの塩から選ばれることがより好ましい。
アニオン性界面活性剤は、室温、大気圧で、固体状の形態でも半固体状の形態でもよい。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホネート、脂肪族アルコール硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、スルホスクシネート及びスルホスクシナメートを使用することができる。
一実施形態によれば、成形済組成物は、非イオン性界面活性剤を追加として含有することができる。種々の非イオン性界面活性剤が報告されている(例えば「Handbook of Surfactants」M. R. Porter著、Blackie & Son出版社(グラスゴー及びロンドン)、1991年、116〜178頁)。非イオン性界面活性剤は、例えば、ポリエトキシル化、ポリプロポキシル化又はポリグリセロール化され、例えば8から18個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖を有する、アルコール、α-ジオール、アルキルフェノール及び脂肪酸のエステルとすることができ、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基の数は2から50個の範囲とし、グリセロール基の数は2から30個の範囲とすることが可能である。マルトース誘導体も挙げることができる。非限定的な例には以下が含まれる。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと脂肪族アルコールとの縮合物;例えば2から30モルのエチレンオキシドを含むポリエトキシル化脂肪アミド;例えば1から5個の、例えば1.5から4個のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;2から30モルのエチレンオキシドを含む、ソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル;植物由来のエトキシル化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセロールの脂肪酸モノエステル若しくはジエステル;(C6〜C24)アルキルポリグリコシド;N-(C6〜C24)アルキルグルカミン誘導体、アミンオキシド、例えば(C10〜C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10〜C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド;並びにこれらの混合物。
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化され、モノグリセロール化又はポリグリセロール化された、非イオン性界面活性剤から選ぶことができる。オキシアルキレン単位は、好ましくは、オキシエチレン単位若しくはオキシプロピレン単位、又はこれらの組合せ、より好ましくはオキシエチレン単位である。
挙げることができるオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤の例には、とりわけ単独で又は混合物として、以下が含まれる。オキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルフェノール、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のオキシアルキレン化C8〜C30アルコール、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のオキシアルキレン化C8〜C30アミド、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸とポリエチレングリコールとのエステル、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸とソルビトールとのポリオキシアルキレン化エステル、飽和又は不飽和のオキシアルキレン化植物油、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物。
界面活性剤は、1から100の間、好ましくは2から50の間のモル数のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含有することができる。場合により、非イオン性界面活性剤はオキシプロピレン単位を含まない。
オキシアルキレン化非イオン性界面活性剤は、オキシエチレン化C8〜C30アルコール又はエトキシル化脂肪エステルから選ぶことができる。
挙げることができるエトキシル化(又はオキシエチレン化)脂肪族アルコール(又はC8〜C30アルコール)の例には、以下が含まれる。ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物、特に、9から50個のオキシエチレン基を含有するもの、より特定すると、10から12個のオキシエチレン基を含有するもの(CTFA名ではラウレス-10からラウレス-12);ベヘニルアルコールのエチレンオキシド付加物、特に、9から50個のオキシエチレン基を含有するもの(CTFA名ではベヘネス-9からベヘネス-50);セテアリルアルコール(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)のエチレンオキシド付加物、特に、10から30個のオキシエチレン基を含有するもの(CTFA名ではセテアレス-10からセテアレス-30);セチルアルコールのエチレンオキシド付加物、特に、10から30個のオキシエチレン基を含有するもの(CTFA名ではセテス-10からセテス-30);ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、特に、10から30個のオキシエチレン基を含有するもの(CTFA名ではステアレス-10からステアレス-30);イソステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、特に、10から50個のオキシエチレン基を含有するもの(CTFA名ではイソステアレス-10からイソステアレス-50);及びこれらの混合物。
挙げることができるエトキシル化脂肪エステルの例には、以下が含まれる。ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘニン酸のエステルのエチレンオキシド付加物、及び、これらの混合物、特に、9から50個のオキシエチレン基を含有するもの、例えば、PEG-9からPEG-50ラウリン酸エステル(CTFA名では:ラウリン酸PEG-9からラウリン酸PEG-50);PEG-9からPEG-50パルミチン酸エステル(CTFA名では:パルミチン酸PEG-9からパルミチン酸PEG-50);PEG-9からPEG-50ステアリン酸エステル(CTFA名では:ステアリン酸PEG-9からステアリン酸PEG-50);PEG-9からPEG-50パルミトステアリン酸エステル;PEG-9からPEG-50ベヘン酸エステル(CTFA名では:ベヘン酸PEG-9からベヘン酸PEG-50);及びこれらの混合物。
上記の、脂肪族アルコール及び脂肪エステルのオキシエチレン化誘導体の混合物を使用することもできる。
成形済組成物は、少なくとも1種のエトキシル化脂肪族アルコールを含んでもよい。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化非イオン性界面活性剤の例として、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールが好ましくは使用される。
特に、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8〜C40アルコールは以下の式:
RO-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H又はRO-[CH(CH2OH)-CH2O]m-H
に対応し、式中、Rは、直鎖状又は分枝状のC8〜C40、好ましくはC8〜C30アルキル基又はアルケニル基を表し、mは、1から30、好ましくは1から10の範囲の数字を表す。
成形済組成物において好適な化合物の例として、以下を挙げることができる。4モルのグリセロールを含有するラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5モルのグリセロールを含有するラウリルアルコール、4モルのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを含有するオレオセチルアルコール、及び、6モルのグリセロールを含有するオクタデカノール。
アルコールは、mの値が統計値を表すのと同様に、アルコールの混合物を表す場合があり、このことは、市販品の中には、幾つかの種のポリグリセロール化脂肪族アルコールが混合物の形態で共存している場合があることを意味する。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化アルコールの中で、1モルのグリセロールを含有するC8/C10アルコール、1モルのグリセロールを含有するC10/C12アルコール及び1.5モルのグリセロールを含有するC12アルコールを使用することが特に好ましい。
少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、室温、大気圧で、固体状の形態でも半固体状の形態でもよい。例えば、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ココアミドモノエタノールアミン、ラウラミドモノエタノールアミン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、及び、ジステアリン酸エチレングリコールを使用することができる。
成形済組成物は、両性(又は双性イオン性)界面活性剤を含有することもできる。両性界面活性剤の例は、例えば、アミン誘導体(例えば、脂肪族の第二級又は第三級アミン、及び、場合により四級化されたアミン誘導体)とすることができ、その中で、脂肪族基は、8から22個の炭素原子を含み、水に可溶の少なくとも1種のアニオン基(例えば、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネート)を含有する直鎖状又は分枝状の鎖である。
両性界面活性剤は、好ましくは、ベタイン及びアミドアミンカルボキシル化誘導体から選ぶことができる。
ベタイン型両性界面活性剤は、好ましくはアルキルベタイン、アルキルアミドアルキルベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン、及び、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、特に、(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルベタイン、スルホベタイン、及び、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタインのうちの1つである。ベタイン型の両性界面活性剤は、(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタイン、スルホベタイン及びホスホベタインから選ぶことができる。
非限定的な例には、CTFA辞典「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」、Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association、ワシントンD.C.(以下CTFA辞典)、第9版、2002年(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)において、以下の一般名称:ココベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、パルミトアミドプロピルベタイン、ステアルアミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、及び、ココスルタインで分類されている化合物が含まれ、これらは単独で又は混合物として使用することができる。
ベタイン型両性界面活性剤は、好ましくは、アルキルベタイン及びアルキルアミドアルキルベタイン、特に、ココベタイン及びコカミドプロピルベタインである。
アミドアミンカルボキシル化誘導体の中では、MIRANOL(登録商標)の名称で販売されている製品を挙げることができ、これは、米国特許第2,528,378号及び同第2,781,354号に記載されており、CTFA辞典、第3版、1982年においてアンホカルボキシグリシネート及びアンホカルボキシプロピオネートの一般名称で分類されている(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
両性界面活性剤は、(C8〜C24)-アルキルアンホモノアセテート、(C8〜C24)アルキルアンホジアセテート、(C8〜C24)アルキルアンホモノプロピオネート、及び、(C8〜C24)アルキルアンホジプロピオネートから選択することができる。
これらの化合物は、CTFA辞典、第5版、1993年(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)において、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリルアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二プロピオン酸及びココアンホ二プロピオン酸の一般名称で分類されている。
両性界面活性剤は、室温、大気圧で、固体状の形態でも半固体状の形態でもよい。例えば、ステアリルベタインを使用することができる。
本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤を含有することができる。カチオン性界面活性剤は、場合によりポリオキシアルキレン化された、第一級、第二級又は第三級脂肪族アミン塩、第四級アンモニウム塩、及び、これらの混合物から選ぶことができる。
第四級アンモニウム塩の例には、アルキル第四級アンモニウム塩、例えば、ジアシルオキシエチル-ジメチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、トリアシルオキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、モノアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-ジメチル-アンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、並びにこれらの混合物が含まれてもよい。アシル基は、14から18個の炭素原子を含んでいてもよく、例えば、植物油、例えばパーム油及びヒマワリ油に由来するものでもよい。化合物が数個のアシル基を含むとき、これらのアシル基は、同一であっても異なっていてもよい。
これらの生成物は、例えば、場合によりオキシアルキレン化されたトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン若しくはアルキルジイソプロパノールアミンを、脂肪酸に、又は、植物若しくは動物由来の脂肪酸の混合物に直接エステル化することによって、或いはそれらのメチルエステルをエステル交換することによって得ることができる。このエステル化の後に、アルキル化剤を使用して四級化してもよく、該アルキル化剤は、ハロゲン化アルキル、例えばハロゲン化メチル及びハロゲン化エチル;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチル及び硫酸ジエチル;メタンスルホン酸メチル;パラ-トルエンスルホン酸メチル;グリコールクロロヒドリン;並びにグリセロールクロロヒドリンから選ばれる。
かかる化合物は、例えば、Cognis社によりDehyquart(登録商標)の名称で、Stepan社によりStepanquat(登録商標)の名称で、Ceca社によりNoxamium(登録商標)の名称で、Rewo-Goldschmidt社により「Rewoquat(登録商標)WE 18」の名称で販売されている。
成形済組成物は、例えば、ジエステル塩が質量の大部分を占める、第四級アンモニウムのモノエステル塩とジエステル塩とトリエステル塩との混合物を含むことができる。
アンモニウム塩の他の非限定的な例には、米国特許第4,874,554号及び同第4,137,180号に記載されている、少なくとも1つのエステル官能基を含むアンモニウム塩が含まれる。
上記の第四級アンモニウム塩の中で、次の化合物を使用することができる。塩化テトラアルキルアンモニウム、例えば、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム及び塩化アルキルトリメチルアンモニウム(ここでアルキル基は約12から22個の炭素原子を含む)、例えば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム及び塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム;塩化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム;並びにVan Dyk社により「Ceraphyl(登録商標)70」の名称で販売されている、塩化ステアルアミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムがある。
カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩から、例えば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、クオタニウム-83、クオタニウム-87、クオタニウム-22、塩化ベヘニルアミドプロピル-2,3-ジヒドロキシプロピルジメチルアンモニウム、塩化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、及び、ステアルアミドプロピルジメチルアミンから選ぶことができる。
カチオン性界面活性剤は、室温、大気圧で、固体状の形態でも半固体状の形態でもよい。例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、第四級アンモニウム塩、ステアリルアミンアセテート、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムを使用することができる。
好ましくは、成形済組成物は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む。少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む成形済組成物において、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との好ましい組合せは、アルキルスルフェートの塩とグリセリルエステルとの組合せを含んでもよい。
成形済組成物は、アニオン性界面活性剤を、成形済組成物の質量に対して、0.1質量%から25質量%、好ましくは0.3質量%から18質量%、より好ましくは1%から12%の範囲の量で含むことができる。成形済組成物は、非イオン性界面活性剤を、成形済組成物の質量に対して、0.01質量%から20質量%、好ましくは0.05質量%から15質量%、より好ましくは0.1質量%から10質量%の範囲の量で、更に含むことができる。
アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを組み合わせて使用する場合、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の質量比は、好ましくは0.1から10、より好ましくは0.3から3である。
界面活性剤は、その親水性基のサイズ及び強度と親油性基のサイズ及び強度とのバランスによって分類されることが多い。このバランスは、乳化剤の親水性親油性バランス(HLB)値と呼ばれる。親油性の性質の界面活性剤には低HLB数(約9未満)が付与され、親水性の性質の界面活性剤には高HLB数(約11超)が付与される。乳化剤用のHLB分類システムの一般論は、「The HLB System: A Time-Saving Guide to Emulsifier Selection」1984年発行、ICI Americas, Inc.、ウィルミントン、DEに見出すことができる。水中油エマルション用の一般的な乳化剤のHLB値は6から18の間である。
好ましくは、非イオン性界面活性剤のHLB値は12以下、好ましくは10以下、好ましくは8以下である。例えば、ステアリン酸グリセリル(HLB 3.8)、ステアリン酸ソルビタン(HLB 4.7)、及び、ラウリン酸グリセリル(HLB 5.2)を使用することができる。
界面活性剤の総量は、成形済組成物の質量に対して、1質量%から25質量%、好ましくは2質量%から20質量%、より好ましくは3質量%から15質量%とすることができる。
(酸化剤)
成形済組成物は、少なくとも1種の酸化剤を含む。化粧料組成物又は皮膚科用組成物に望ましく使用され得る種々の酸化剤を利用することができる。好ましくは、酸化剤は、室温、大気圧で固体状であり、水溶性である。酸化剤は、ケラチン繊維又はメラニンにおける天然顔料の分散及び/又は可溶化を容易にし、酸化塩基の酸化を付与することができる。
酸化剤は、ペルオキシド、ペルスルフェート、ペルボレート、ペルカルボネート、過酸、ブロメート、並びにこれらの塩及び混合物から選ぶことができる。
酸化剤は、ペルボレート、ペルボロメート、ペルスルフェート、及び、ペルカーボネートの塩、例えばアンモニウム塩、ナトリウム塩、及び、カリウム塩とすることができる。
好ましくは、酸化剤は過ホウ酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムから選ばれる。
酸化剤は単一の化合物としてもよく、異なる酸化剤を組み合わせて使用してもよい。
酸化剤の量は、成形済組成物の質量に対して、5質量%から40質量%、好ましくは10質量%から35質量%、より好ましくは15質量%から30質量%とすることができる。
(酸化染料)
成形済組成物は、場合により、染料、好ましくは酸化染料を含有してもよい。酸化染料は単一の化合物としてもよく、異なる酸化染料を組み合わせて使用してもよい。酸化染料は酸化剤の存在下で反応して、毛髪に永続的な色を与える染料を形成する。酸化染料は一般的には、酸化塩基及びカプラーを含む。
酸化塩基は、例えば、パラフェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ-アミノフェノール、オルト-アミノフェノール及び複素環式塩基、並びにこれらの付加塩から選ばれる。
パラ-フェニレンジアミンの中で、非限定的な例として、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラフェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラフェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピルパラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラフェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラフェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン及び3-ヒドロキシ-1-(4'-アミノフェニル)-ピロリジン、並びに酸とのこれらの付加塩が含まれる。
パラ-フェニレンジアミンの中で、特に好ましいのは、パラフェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロパラ-フェニレンジアミン及び2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、並びに酸とのこれらの付加塩である。
ビス(フェニル)アルキレンジアミンの中で、非限定的な例として、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン,N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン及び1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、並びにこれらの付加塩が含まれる。
パラ-アミノフェノールの中で、非限定的な例として、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール,4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール及び4-アミノ-2-フルオロフェノール、並びに酸とのこれらの付加塩が含まれる。
オルト-アミノフェノールの中で、非限定的な例として、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール及び5-アセトアミド-2-アミノフェノール、並びにこれらの付加塩が含まれる。
複素環式塩基の中では、非限定的な例として、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体が含まれる。
ピリジン誘導体の中で、非限定的な例として、例えば、特許GB1026978及びGB1153196に記載されている化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン及び3,4-ジアミノピリジン、並びにこれらの付加塩が含まれる。
他のピリジン酸化塩基は、特許公報FR2801308に記載されている3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化塩基又はそれらの付加塩である。挙げることができる例には、ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-アセチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)メタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)エタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)エタノール、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン、7-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン、5-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-6-オール及び3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール、並びにこれらの付加塩が含まれる。
ピリミジン誘導体の中で、非限定的な例として、特許DE2359399、JP88-169571、JP05-63124、EP0770375又は特許公報WO96/15765に記載されている化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン及び2,5,6-トリアミノピリミジン、並びにこれらの付加塩、並びに互変異性平衡が存在する場合にはこれらの互変異性型が含まれる。
ピラゾール誘導体の中で、非限定的な例として、特許DE3843892及びDE4133957、並びに特許公報WO94/08969、WO94/08970、FR-A-2733749及びDE19543988に記載されている化合物、例えば、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール及び3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、並びにこれらの付加塩が含まれる。4,5-ジアミノ-1-(β-メトキシエチル)ピラゾールを使用することもできる。
同様に使用してもよい複素環式酸化塩基は、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン又はその塩である。
成形済組成物は、場合により、ケラチン繊維の染色において使用されるものから有利に選ばれる1種又は複数種のカプラーを含んでもよい。これらのカプラーの中で、特に、メタフェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフタレン系のカプラー及び複素環式カプラー、並びにこれらの付加塩も挙げることができる。例えば、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4 メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1-H-3-メチルピラゾ-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチル[3,2-c]-1,2,4-トリアゾール及び6-メチルピラゾロ[1,5-a]ベンゾイミダゾール、酸とのこれらの付加塩、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
一般に、酸化塩基及びカプラーの付加塩は、特に、酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩から選ばれる。
酸化染料が存在する場合、その総量は、成形済組成物の質量に対して、0.001質量%から30質量%、好ましくは0.05質量%から25質量%、より好ましくは0.5質量%から20質量%とすることができる。
カプラーが存在する場合、その総量は、成形済組成物の質量に対して、0.001質量%から30質量%、好ましくは0.05質量%から25質量%、より好ましくは0.5質量%から20質量%とすることができる。
一般に、酸化塩基及びカプラーの付加塩は、特に、酸との付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩から選ばれる。
酸化塩基とカプラーとの任意の組合せを利用することができる。一般に、酸化塩基とカプラーとの組合せによって、得られる染料の色が決定され、それによって次に、得られる毛髪の色が決定される。
酸化染料は、酸化塩基の硫酸塩を含んでもよい。
成形済組成物を生成するため、酸化塩基は、好ましくは、室温、大気圧で固体状の形態とすることができる。
(直接染料)
成形済組成物は、場合により、直接染料を含有してもよい。直接染料は、単一の化合物としてもよく、異なる直接染料を組み合わせて使用してもよい。直接染料とは、顕色するための酸化剤の使用を必要としない有色の物質である。本発明に従って使用することができる直接染料は、酸性(アニオン性)、塩基性(カチオン性)及び中性の染料から選ぶことができる。直接染料は、合成のもの、天然のもの、又は、天然由来の合成のものとすることができる。
「酸性染料」とは、一般に、少なくとも1つのCOOH基、SO3H基、PO3H基、又は、PO4H2基を含有する染料を意味するものとし、前記基が塩の形態で存在することが可能である。「塩」とは、一般に、金属の塩(例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属)、場合によりヒドロキシル化されている有機アミンの塩を意味するものとする。かかる染料は、アニオン性染料とも呼ばれる。本発明との関連で使用することができる酸性染料は、酸性ニトロ染料、酸性アゾ染料、酸性アジン染料、酸性トリアリールメタン染料、酸性キノン染料、酸性インド-アミン染料及び酸性天然染料、並びにこれらの混合物から選ぶことができる。
「塩基性染料」とは、一般に、正電荷をもつ少なくとも1つの基、例えばアンモニウム基又は環内四級化窒素原子を有する染料を意味するものとする。かかる染料は、カチオン性染料とも呼ばれる。本発明との関連で使用することができる塩基性染料は、ニトロベンゼン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、メチン染料、テトラアザペンタメチン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、ベンゾキノン染料、フェノチアジン染料、インジゴイド染料、キサンテン染料、フェナントリジン染料、フタロシアニン染料、トリアリールメタンから誘導された染料及び塩基性天然染料、並びにこれらの混合物から選ぶことができる。
好ましくは、直接染料は、成形済組成物の総質量に対して、0.001質量%から約30質量%、好ましくは0.01質量%から20質量%、より好ましくは0.1質量%から10質量%、更により好ましくは1質量%から5質量%の範囲の量で存在することができる。
(追加の原料)
成形済組成物には、化粧料組成物又は皮膚科用組成物に使用されることが望ましい種々の添加剤を含めることもできる。例えば、コンディショニングポリマー、分散剤、酸化防止剤、pH調整剤、保存剤、中和剤、香料、充填剤、化粧料活性剤及び皮膚科用活性剤、例えば、皮膚軟化剤、保湿剤、ビタミン、UV遮断剤及び日焼け止め剤等、並びにこれらの混合物を添加することができる。かかる原料の非網羅的なリストは、CTFA辞典、第14版、2012年に見出すことができる。
任意選択の追加の添加剤はいずれも、及び、その量も、想定する添加が成形済組成物の有利な性質に悪影響を与えない、又は、実質的に悪影響を与えない限り、望ましく選択することができる。
任意の好適な物質は、所望の性質、例えば稠度又は質感を有する組成物を調製するために、当業者によって多様に選択され得る。
組み合わせたこれらの添加剤は、成形済組成物中に、成形済組成物の質量に対して0質量%から60質量%(例えば0.01%から50%)の割合で存在することができる(存在する場合)。
成形済組成物中に存在する増粘剤対界面活性剤の質量比は、8:1から1:1、より好ましくは6:1から3:2、更により好ましくは5:1から2:1の範囲とすることができる。
成形済組成物中のすべての成分は、例えば、タブレット、立方体、円柱体、球体、円盤、楕円体、又は、角錐体の形態に成形される。成形済組成物は空気中に拡散せず、使い勝手が改善されている。成形済組成物の最小直径又は最小寸法は、好ましくは少なくとも1mmである。最小直径又は最小寸法が1mm未満の場合、成形済組成物は容易に粉々に砕け、拡散する原因となることがある。好ましくは、1つのタブレットは毛髪の色を変えるための単回使用に好適な量を含有する。
成形済組成物は層構造を有していてもよい。層構造は2つ以上の層を含んでもよい。かかる層は、第1の層、及び、第1の層を覆って形成される第2の層を含むことができる。第1の層は酸化染料を含むことができ、第2の層は酸化剤を含むことができる。或いは、第1の層は酸化剤及びカプラーを含むことができ、第2の層は酸化塩基を含むことができる。第1の層及び第2の層は互いに隣接して位置することができる。或いは、第1の層及び第2の層は、間に中間層を介して位置し、第1の層と第2の層との接触を回避することができる。中間層は、成形済組成物の任意の成分を含有することができる。層構造は、成形済組成物の成分の異なる組合せを含む2つ以上の中間層を含むことができる。好ましくは、中間層は酸化剤も酸化染料も含有しない。
成形済組成物は、室温、大気圧で固体状である。成形済組成物は、室温、大気圧で取り扱うのに十分な硬度を有する。成形済組成物の硬度は、ASKERゴム硬度計C1L型で測定した場合、10以上、好ましくは20以上、好ましくは25から80である。成形済組成物の硬度は、ASKERゴム硬度計C1L型で直接測定される。硬度の評価用に使用する試料は次のように調製する。組成物を円盤形状の鋳型(D22mm×H3.8mm)に充填し、アズワン株式会社(ASONE)から購入した1トンプレス機にて、圧縮力75kgで圧縮する。円盤形態の成形済組成物の硬度を、円盤上の任意に選択した3点で、室温、大気圧にて測定してから平均する。
成形済組成物は、単回使用に好適な量で包装することができる。単回使用に好適な量とは、ケラチン繊維の色を変化させるのに十分な量である。成形済組成物は、使用直前に好適な量の水と混合する。成形済組成物対水の混合比は、質量で3:1から1:20、好ましくは1:2から1:15とすることができる。
成形済組成物を水と混合するとき、所望であれば、混合物を手作業で撹拌して成形済組成物の溶解を促進してもよい。成形済組成物は、60秒以内、好ましくは30秒以内に、水に完全に溶解する。
成形済組成物は、水又は水相と混合されると泡沫を発生させることが可能である。水相には、過酸化水素を含むがこれに限定しない種々の化合物の水溶液を含めることができる。水には、水道水、脱イオン水、蒸留水等を含めることができる。水は、上記の酸化剤を更に含んでもよい。成形済組成物の起泡及び染色又は脱色性能を悪化させない限り、いずれの種類の水でもこの目的に使用可能とすることができる。成形済組成物が水と混合されると、成形済組成物は安定性の高い均質な泡沫を生成し、泡沫の形成には、ポンプ、スプレー又はエアロゾル等のいずれの機器又は装置の使用も必要とせず、泡沫を生成する。泡沫は、手で、或いは櫛、スパチュラ、ブラシ、又は、毛髪の所望の部位に泡沫を広げるのに好適な任意の他の道具若しくは手段を使用してケラチン繊維に塗布することができる。ケラチン繊維に塗布する泡沫の量は、ケラチン繊維の色を変化させるのに十分な量とする。ケラチン繊維に塗布する泡沫の量は、ケラチン繊維の長さ及び体積等の要因によって変化する場合がある。例えば、泡沫対ケラチン繊維の質量比は、10:1から1:10まで変化することがある。
本発明の一態様は、上記の成形済組成物を水と混合して泡沫組成物を調製する工程、及び、ケラチン繊維を着色するのに十分な量で泡沫組成物をケラチン繊維に塗布する工程を含む方法を提供する。
混合する工程では、組成物の所望の濃度によって水の量を調整することができる。成形済組成物対水の混合比は、質量で、3:1から1:20、好ましくは1:2から1:10とすることができる。好ましい水の量は、成形済組成物のパッケージの表面又は中に、ユーザー用取扱説明書として指示することができる。混合する際、泡沫の発生に、ポンプ、スプレー又はエアロゾル等の機器も装置も必要としない。所望の場合、混合物を手作業で撹拌して成形済組成物の溶解を促進することが可能である。
泡沫組成物は、手で、或いは櫛、スパチュラ、ブラシ、又は、ケラチン繊維に泡沫組成物を広げるのに好適な任意の他の道具若しくは手段を使用してケラチン繊維に塗布することができる。泡沫組成物は、例えば、60分未満の間、好ましくは40分未満の間、より好ましくは30分以下の間、ケラチン繊維に留まることが可能になって、毛髪の着色に望ましい効果をもたらすことができる。
本発明の一態様は、少なくとも1種のガス発生剤と、少なくとも1種の非イオン性セルロース化合物及び少なくとも1種の天然ガムを含む複数種の増粘剤と、少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種の酸化剤と、場合により染料、好ましくは酸化染料とを組み合わせて、少なくとも1つの混合組成物を調製する工程、及び、少なくとも1つの混合組成物を、成形済組成物を得るのに十分な圧縮力で圧縮する工程を含む、ケラチン繊維用成形済組成物を調製する方法を提供する。調製するための圧縮力は、成形済組成物が容易に崩壊せず、水と混合すると迅速に溶解し、所望の硬度まで確定され得る限り、特に次の数字に限定はされない。成形済されることになる組成物の量によって、圧縮力は変化し得る。例えば、2,000kg以下、より好ましくは1,000kg以下の圧縮力を適用することができる。
ガス発生剤、増粘剤、界面活性剤、酸化剤、及び、場合により染料、好ましくは酸化染料を組み合わせて1つの混合物を形成してもよい。或いは、2種以上の混合物を、成形済組成物の異なる成分及び/又は成分の組合せから調製してもよい。第1の混合物は酸化剤を含まなくてもよく、第2の混合物は酸化染料を含まなくてもよい。2種以上の混合物を調製する場合、各混合物について圧縮を実施することができる。例えば、第1の混合物及び第2の混合物を調製する場合、第1の混合物を軽く圧縮し、圧縮された第1の混合物に第2の混合物を均一に載せ、第1の混合物及び第2の混合物を軽く圧縮し、次いで、第1の混合物及び第2の混合物を完全に圧縮するのが好ましい場合がある。2種以上の混合物を調製し、上記の方法に従って圧縮する場合、成形済組成物は層構造を有する。第3の混合物又はそれより多い混合物を調製して、第3の層又はそれより多い層を形成することができる。2種以上の混合物を調製する場合、好ましくは、すべての混合物を完全に圧縮する。
本発明の広範な範囲を規定する数字の範囲及びパラメーターは近似値であるとはいえ、具体的な実施例中に記載する数値は、可能な限り正確に報告してある。ただし、いずれの数値も、個々の測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる誤差を本質的に含有する。
次の実施例は、本発明を、結果的にその範囲を限定せずに例示するものとする。百分率は質量ベースで与えられている。
起泡タブレット
(実施例1から6及び比較例1から9)
成形済組成物によって発生された泡沫の物理的性質を評価するため、酸化染料を除く、成形済組成物のすべての成分を含む実施例1〜6を以下のとおり調製した。比較目的のために、酸化染料及び少なくとも1つの他の成分を欠く比較例1〜9を調製した。
(i)配合
成形済組成物用の成分を、表1 (実施例1〜6)及び表2 (比較例1〜9)に列挙する。次の試薬を使用して実施例1〜6及び比較例1〜9を調製した。
GAC chemical社製硫酸アンモニウム
OCI Chemical Corp社製炭酸ナトリウムペルオキシド
COGNIS(BASF)社製ラウリル硫酸ナトリウム
COGNIS(BASF)社製ステアリン酸グリセリル
Stearinerie DUBOIS社製ステアリン酸マグネシウム
Amerchol(Dow Chemical)社製ポリクオタニウム-10
Amerchol(Dow Chemical)社製ヒドロキシエチルセルロース
Akzo Nobel社製加工ジャガイモデンプン
Rhodia社製キサンタンガム
Lubrizol社製カルボマー
Natto Bioscences社製ポリグルタミン酸
Akzo Nobel社製EDTA
Merck社製クエン酸
Ashland社製酒石酸
Merck社製リンゴ酸
Universal Preservachem社製炭酸水素ナトリウム
OMYA社製炭酸水素カルシウム
日産化学工業株式会社製炭酸水素アンモニウム
Roquette社製ソルビトール
(ii)成形済組成物の調製
各成分の原材料を真空下で約24時間別々に乾燥し、次いで、すべての成分を乳鉢の中で又は撹拌機で完全に混合した。得られた混合物3gを円盤形状の鋳型(D22mm×H3.8mm)に充填し、アズワン株式会社から購入した1トンプレス機にて、圧縮力75kgで圧縮して、タブレットの形態の成形済組成物を生成した。
(iii)評価
実施例1〜6及び比較例1〜9の各タブレット(3g)を水24gと30秒間静かに撹拌しながら混合した。次いで、物理的性質、例えば(1)タブレットの崩壊、(2)起泡能、及び、(3)泡沫の質を、2名の熟練研究者による目視観察で評価した。次に、泡沫を30分間27℃で大気圧にて静置させ、(4)泡沫安定性を同様の方法で評価した。各評価を以下の基準に従って実施した。結果を表1及び表2に示す。基準の中で、(2)起泡能、(3)泡沫の質、及び、(4)泡沫安定性は、化粧料組成物の技術分野において広く使用されている泡沫の性質の評価尺度に基づいて評価した。
(1)タブレットの崩壊
+++ 30秒以内に完全に溶解
++ 30秒以内にほとんど溶解
+ 30秒以内に部分的に溶解
- 30秒以内に溶解せず
(2)起泡能
+++ 30秒以内に発生した泡沫の体積が極めて大であった。
++ 30秒以内に発生した泡沫の体積が大であった。
+ 30秒以内に発生した泡沫の体積が普通であった。
- 30秒以内に発生した泡沫の体積が小であった。
(3)泡沫の質
++++ 格段にきめが細かく均質な泡沫が発生した。
+++ 極めてきめが細かく均質な泡沫が発生した。
++ きめが細かく均質な泡沫が発生した。
+ 不均質できめの粗い泡沫が発生した。
- 十分な泡沫が発生しなかった。
(4)泡沫安定性
+++ 30分後にすべての又はほとんどすべての泡沫が残った。
++ 30分後にかなりの部分の泡沫が残った。
+ 30分後に一部の泡沫が残ったが、泡沫の体積は減少した。
- ほとんどすべての泡沫が消滅した。
(5)商業化
発生した泡沫の物理的性質の全体的評価として、各試料の配合物が商業的に許容されるかどうかを(1)〜(4)の結果を基に判定した。結果を表1及び表2に示した。「Yes」は配合物が商業的に許容されることを意味し、「No」は配合物が商業的に許容されないことを意味する。
表2は、界面活性剤を除いて調製した比較例1の組成物は良好な起泡能を見せたが、すべての泡沫が30分以内に消滅したことを示している。上記の結果を比較、特に、実施例1〜6[表1]と比較例1〜3[表2]とを比較すると、ガス発生剤、増粘剤、及び、界面活性剤が、所望の質及び量の泡沫の生成を容易にすることがわかる。
比較例5〜9の組成物を、異なる組合せの増粘剤を使用して調製した。非イオン性セルロース化合物及び天然ガムを含有する実施例1の組成物は、ともに天然ガムを欠く比較例5及び比較例6と比較して、より質の高い泡沫を発生させた。比較例8及び比較例9の組成物を、非イオン性セルロース化合物及び天然ガムを除いて調製すると、これらの組成物は非イオン性セルロース化合物以外の増粘剤を含んでいるにもかかわらず、所望の質の泡沫を発生させなかった。比較例7の組成物は、天然ガムを含有しているが非イオン性セルロースを欠いており、泡沫を発生させなかった。
実施例1と実施例5の比較は、少なくとも1種のデンプンを含めると泡沫安定性が更に向上したことを示している。
実施例2〜5の組成物は酸と塩基の異なる組合せを含有するものとした。酸と塩基とのすべての組合せが好ましい結果を導くことがわかった。
実施例5と実施例6の比較は、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤を合わせると、泡沫の質が効果的に向上したことを示している。
成形済組成物の貯蔵安定性
(実施例7〜10)
成形済組成物の貯蔵安定性を評価するため、次の実施例7〜10用の組成物を調製した。
(i)配合
実施例7及び実施例9を、この2つには酸化染料を更に含め、ソルビトールの量を酸化染料の量に応じて調整した点以外は実施例5と同じ原材料で調製した。
実施例8及び実施例10を、この2つには酸化染料を更に含め、ソルビトールの量を酸化染料の量に応じて調整した点以外は実施例6と同じ原材料で調製した。
(ii)実施例7〜10の調製
実施例7及び実施例9
実施例5の原材料を、ソルビトールの量を酸化染料の量に応じて減じた点以外はそのまま調製した。各原材料を真空下で約24時間別々に乾燥し、次いで、すべての成分を乳鉢の中で又は撹拌機で完全に混合した。酸化染料を混合物中に添加し、乳鉢又は撹拌機で更に混合した。次に、実施例1〜6及び比較例1〜9と同じ方法で、混合物3gを円盤形状のタブレットに成形した。
実施例8及び実施例10
実施例8及び実施例10を、実施例5の原材料ではなく実施例6の原材料を使用した点以外は、実施例7及び実施例9と同じ方法で調製した。
(iii)評価
タブレットを27℃の大気に72時間暴露してから、タブレットの外観を2名の研究者の目視観察で評価した。評価を以下の基準に従って実施した。結果を表3に示す。
(1)タブレットの外観
++ 酸化せず
+ 部分的に酸化
- 完全に酸化
成形済組成物の着色性能に対する貯蔵の影響も、実施例7〜10を使用して評価した。27℃の大気に72時間暴露してから、実施例7〜10のタブレット(各3g)を水24gと混合し、静かに撹拌して泡沫を発生させた。次いで、泡沫をヤギ毛の毛見本に塗布した。毛見本を30分間27℃で放置した。次いで毛見本をシャンプーし、完全に乾燥した。着色の結果を、2名の熟練研究者が、72時間貯蔵後の組成物で処理した毛見本と調製直後(72時間貯蔵せず)の組成物で処理した毛見本との目視比較に基づいて評価した。各評価を以下の基準に従って実施した。結果を表3に示す。
(2)着色結果
+++ 調製直後の組成物で着色した毛見本と同じ色
++ 調製直後の組成物で着色した毛見本とほぼ同じ色
+ 調製直後の組成物で着色した毛見本の色より弱い色及びそれと異なる色
- 調製直後の組成物で着色した毛見本の色より極めて弱い色及びそれと極めて異なる色
表3に示すように、本発明のすべての実施例が、良好な貯蔵安定性を示している。成形済組成物の着色効果は、大気に72時間暴露された後も変化しないことがわかった。硫酸塩染料(硫酸トルエン-2,5-ジアミン)を含有する実施例7及び実施例8は、72時間後に酸化した外観が見られなかった。酸化染料は大気中酸素によって容易に酸化され得るため、これは意外であった。
層状の毛髪着色タブレットの安定性
(実施例11及び実施例12)
成形済組成物の安定性を評価するため、二層及び三層のタブレットを調製した。
(i)調製
実施例11(二層タブレット)
下記の表4に示す第1の層の組成物1.6gを立方体形状の鋳型(L:15mm、W:15mm、H:15mm)に充填し、アズワン株式会社から購入した1トンプレス機にて、圧縮力10kgで軽く圧縮した。次いで、表4に示す第2の層の組成物1.4gを、第1の層を覆うように鋳型の中に入れ、圧縮力10kgで軽く圧縮した。最後に、第1の層及び第2の層の層状タブレットを、鋳型の中で、圧縮力75kgで圧縮した。
実施例12(三層タブレット)
下記の表4に示す第1の層の組成物1.2gを立方体形状の鋳型(L:15mm、W:15mm、H:15mm)に充填し、アズワン株式会社から購入した1トンプレス機にて、圧縮力10kgで軽く圧縮した。次いで、表4に示す中間層の組成物0.6gを、第1の層を覆うように鋳型の中に入れ、圧縮力10kgで軽く圧縮した。次いで、第2の層の組成物1.2gを、第1の層及び中間層を覆うように鋳型の中に入れ、圧縮力10kgで軽く圧縮した。最後に、第1の層、中間層及び第2の層の層状タブレットを、鋳型の中で、圧縮力75kgで圧縮した。
(ii)評価(安定性)
実施例11の二層タブレット及び実施例12の三層タブレットは双方とも、良好な安定性を示した。
染料の存在下での性能
(実施例13及び比較例10)
(i)タブレットの調製
表5の実施例13及び比較例10の各原料を、真空下で約24時間別々に乾燥し、次いで、すべての原料を乳鉢の中で完全に混合した。得られた混合物各3gを、円盤形状の鋳型(D22mm×H3.8mm)に充填し、アズワン株式会社から購入した1トンプレス機にて、圧縮力75kgで圧縮して、タブレットの形態の成形済組成物を生成した。
(ii)評価
各タブレット(3g)を水24gに30秒間静かに撹拌しながら溶解した。(1)発生した泡沫の付着力及び(2)毛髪見本上での泡沫の持続性を、3名の熟練専門家による目視観察で評価した。(3)着色を色度計(MINOLTA SPECTROPHOTOMETER CM-508d)で評価した。結果を表6に示す。
(1)泡沫の付着力
上記の実施例13及び比較例10によって発生した各泡沫を、日本人の天然の毛髪見本2.70gに塗布した。泡沫の付着力を評価するため、3名の熟練専門家が、毛髪見本に付着するのに十分であると判定した泡沫の質量を測定した。その結果、実施例13によって発生した泡沫の十分な量は2.72gであり、一方、比較例10によって発生した泡沫の十分な量は3.73gであった。
(2)毛髪見本上での泡沫の持続性
上記の各タブレットによって発生した泡沫4gを取り出し、脱色した見本1gに塗布した。30分後に泡沫の存在をチェックした。その結果、実施例13によって発生した泡沫は残留していたが、比較例10によって発生した泡沫は完全に消滅した。
(3)着色
上記の実施例13によって発生した泡沫6gを取り出し、そのうち3gをヤギひげ(goatee)見本1gに塗布し、残りの3gを脱色した見本1gに塗布した。
上記の実施例13によって発生した泡沫8gを取り出し、そのうち4gずつをヤギひげ(goatee)見本1g及び脱色した見本1gにそれぞれ塗布した。
同様に、上記の比較例10によって発生した泡沫8gを取り出し、ヤギひげ(goatee)見本1g及び脱色した見本1gにそれぞれ塗布した。30分後、CIE L*a*b*色空間(ΔE*ab=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2)における着色結果を色度計で測定した。結果を表6に示す。
クエン酸及び炭酸水素ナトリウムを含有する実施例13は、比較例10と同じ量(4g)で染色能が高く、少ない量(3g)でも染色能がより高いことを示した。
結論として、実施例13によって発生した泡沫は、比較例10によって発生した泡沫よりも毛髪への付着力が良好で、持続性が長く、着色が強いことを示した。