JP2015124112A - ガラス基板の製造方法、およびガラス基板製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、およびガラス基板製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成形装置から揮発した白金族金属の凝集を抑え、白金族金属の凝集物がシートガラスに混入することを防止する方法および基板製造装置を提供する。【解決手段】ダウンドロー法によりガラス基板を製造する方法であって、ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、熔融ガラスを、少なくとも一部が白金族金属からなる成形装置210を用いて、成形炉30内でシートガラスSGに成形する成形工程と、を備え、前記成形工程では、前記成形炉30内に配された、前記成形炉30内の雰囲気を調整する調整手段を用いて、前記成形装置210から揮発した白金族金属の凝集が抑制されるよう前記雰囲気温度を調整することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、ガラス基板の製造方法およびガラス基板製造装置に関する。
ダウンドロー法を用いてガラス基板を製造する方法では、熔融ガラスをシートガラスに成形する成形工程が行われる。成形工程では、成形炉内に配された成形装置に熔融ガラスを供給して、成形装置の成形体から流下させ、これを成形炉の下流側に配されたローラで引っ張ることによりシートガラスに成形される(例えば、特許文献1)。
従来の成形装置として、耐熱性を上げるために、一部が白金または白金合金等で構成されたものがある。例えば、成形体に装着され、白金または白金合金等からなるガイドを備える成形装置が知られている。ガイドは、成形体の長手方向の両端に装着されることで、成形体から流れ出る熔融ガラスの幅方向(熔融ガラスの流れる方向と直交する方向)への広がりを規制する機能を有する。
特開2010−189220号公報
成形されたシートガラスに異物が混入する場合があることが分かった。
本発明は、成形装置から揮発した白金族金属の凝集を抑え、白金族金属の凝集物がシートガラスに混入することを防止することを目的とする。
本発明者が、シートガラスに異物が混入する原因について検討を重ねたところ、成形装置の白金族金属からなる部分が、成形工程において、成形炉内の高温雰囲気に接することで酸化されて揮発する一方で、成形炉内では、温度分布が生じ、あるいは、雰囲気中の酸素濃度が一定以上の高さであるために、揮発した白金族金属が凝集を起こし、当該凝集物が熔融ガラスの表面に付着し、シートガラスに混入されることが明らかにされた。
本発明の一態様は、ガラス基板の製造方法である。
[1]当該製造方法は、ダウンドロー法によりガラス基板を製造する方法であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
熔融ガラスを、少なくとも一部が白金族金属からなる成形装置を用いて、成形炉内でシートガラスに成形する成形工程と、を備え、
前記成形工程では、前記成形炉内に配された、前記成形炉内の雰囲気を調整する調整手段を用いて、前記成形装置から揮発した白金族金属の凝集が抑制されるよう前記雰囲気温度を調整することを特徴とする。
[2]前記調整手段は、前記成形炉内の温度を調整する複数の発熱体を有し、
前記成形工程では、前記成形炉内の最高温度と最低温度の温度差が前記白金族金属の凝集を抑制しうる温度差になるよう、前記発熱体の配置位置および発熱量の少なくとも一方を調整する、[1]に記載のガラス基板の製造方法。
[3]前記調整手段は、前記成形炉内の酸素濃度を調整するために酸素ガスと異なる調整用ガスを前記成形炉内に供給する1または複数のガス供給手段を有し、
前記成形工程では、前記成形炉内の酸素濃度が前記白金族金属の凝集を抑制しうる濃度になるよう、前記調整用ガスの供給量を調整する、[1]または[2]に記載のガラス基板の製造方法。
本発明の別の一態様は、ガラス基板製造装置である。
[4]当該製造装置は、ダウンドロー法によりガラス基板を製造するガラス基板製造装置であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
成形炉内で熔融ガラスをシートガラスに成形する成形装置であって、少なくとも一部が白金族金属からなる成形装置と、を備え、
前記成形装置は、前記成形装置から揮発した白金族金属の凝集が抑制されるよう前記成形炉内雰囲気温度を調整する調整手段を有することを特徴とする。
上述の態様のガラス基板の製造方法およびガラス基板製造装置によれば、成形装置から揮発した白金族金属の凝集を抑え、白金族金属の凝集物がシートガラスに混入することを防止する。
本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。 本実施形態における熔解工程〜切断工程を行う装置の一例を模式的に示す図である。 成形炉内に配された成形装置を側方から見た図である。 成形炉内に配された成形装置を端面側から見た図である。 変形例に係る成形装置を側方から見た図である。
以下、本実施形態のガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置について説明する。図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。
以降で説明する白金または白金合金等は、白金族金属であり、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、および、これらの中から選択された2以上の金属の合金を含む。
ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、成形工程(ST4)と、徐冷工程(ST5)と、切断工程(ST6)と、を主に有する。
熔解工程(ST1)は熔解装置で行われる。熔解工程では、熔解装置に蓄えられた熔融ガラスの液面にガラス原料を投入することにより熔融ガラスを作る。なお、ガラス原料には清澄剤が添加されることが好ましい。清澄剤は、環境負荷低減の点から、酸化錫が好適に用いられる。
清澄工程(ST2)は、清澄装置で行われ、熔融ガラスを清澄する。具体的には、熔融ガラス中に含まれるガス成分を熔融ガラスから放出する、あるいは、ガス成分を熔融ガラス中に吸収する。
均質化工程(ST3)では、清澄装置から延びる配管を通って供給された攪拌装置内の熔融ガラスを、スターラを用いて攪拌することにより、熔融ガラスの均質化を行う。
成形工程(ST4)及び徐冷工程(ST5)は、成形装置を含む成形ユニットにおいて行われる。
成形工程(ST4)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形は、ダウンドロー法、フロート法、ロールアウト法等、公知の方法を用いることができる。以降で説明する成形工程は、ダウンドロー法として、オーバーフローダウンドロー法を用いて成形を行う場合を例とする。
徐冷工程(ST5)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST6)では、切断装置において、成形装置から供給されたシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス板を得る。切断されたガラス板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST6)を行う装置の一例を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔融ガラス生成ユニット100と、成形ユニット200と、切断ユニット300と、を有する。熔融ガラス生成ユニット100は、熔解装置101と、清澄装置102と、攪拌装置103と、ガラス供給管104,105,106と、を有する。成形ユニット200は、成形装置210を有する。
図2に示す例の熔解装置101は、ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる。
清澄装置102は、白金または白金合金等からなる清澄管の中において、熔融ガラスMGを通過させる間、電極板間に電流を流して清澄管を例えば通電加熱して脱泡処理を少なくとも行う。
攪拌装置103は、スターラ103aによって熔融ガラスMGを攪拌して均質化する。
成形ユニット200は、清澄装置102、攪拌装置103で処理された熔融ガラスMGを、成形炉30内で、成形装置210を用いたオーバーフローダウンドロー法により、成形してシートガラスSGとする。なお、図2において、成形装置210は簡略化して示される。さらに、徐冷炉40において、板厚偏差、歪、及び反りがシートガラスSGに生じないように、シートガラスSGが徐冷される。成形炉30と徐冷炉40とは、シートガラスSGが流れる方向に隣接して設けられている。
切断装置300は、徐冷したシートガラスSGを切断してガラス基板とする。
(成形工程及び成形装置)
図3および図4に、成形装置210を示す。
図3は、成形炉30内に配された成形装置210を側方から見た図である。図4は、成形炉30内に配された成形装置210を端面側から見た図である。
成形炉30は、仕切り部材20によって徐冷炉40と区画された、仕切り部材20より上方の空間である。成形炉30は、外壁24と、外壁24の内側に配された内部隔壁16とを備えている。内部隔壁16の内側には、成形装置210が配されている。外壁24と内部隔壁16の間には、複数の発熱体(調整手段)28、29が配されている。成形装置210と発熱体28、29とは、内部隔壁16により仕切られている。なお、複数の発熱体29のうち一部の発熱体が、内部隔壁16の内側に配される場合がある。
成形装置210は、成形工程ST4を行うための装置であり、成形体14と、成形体14に装着されるキャップ部材230,240と、ガラス供給管106の一部と、を有する。
成形体14は、熔融ガラス生成ユニット100から流れてくる熔融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法によりシート状のガラス(シートガラスSG)に成形する機能を有する。成形体14は、長手方向(図3の左右方向)に垂直な方向(図4の紙面と平行な方向)に切断した断面形状が楔形形状を有している。成形体14は、例えば、ジルコニア質耐火物、高アルミナ質耐火物等の焼成耐火物や、黒鉛質レンガ等の不焼成耐火物からなる。中でも、耐熱性に優れる点で、好ましくはジルコニア質耐火物からなる。成形体14の上部には、熔解装置101から流れてくる熔融ガラスを受け入れる溝部18が形成されている。溝部18は、図3に示されるように、上端の高さ位置がキャップ部材230側からキャップ部材240側に進む方向に徐々に低くなるよう傾斜するとともに、溝底の高さ位置がキャップ部材230側からキャップ部材240側に進む方向に徐々に高くなっている。成形体14の側面14bは、溝部18からオーバーフローした熔融ガラスMGが流下するように、鉛直方向に沿って形成されている。成形体14の傾斜面14cは、成形体14の両側面14b,14bを流下した熔融ガラスMGが、成形体14の楔形形状の断面の頂点である最下端部14dで合流するように、側面14bに対して傾斜している。なお、本明細書では、最下端部14dで合流した後のガラスをシートガラスSGといい、最下端部14dで合流する前のガラスを熔融ガラスMGという。
キャップ部材230,240は、成形体14の長手方向の両端に、成形体14の外周壁面を覆うよう嵌め合わせられる部材である。キャップ部材230,240は、成形工程において、成形体14からオーバーフローして流下する熔融ガラスMGの幅方向への広がりを規制する。キャップ部材230には、ガラス供給管106が接続され、ガラス供給管106内の熔融ガラスが通る穴(不図示)が形成されている。なお、ガラス供給管106のうち、成形炉30内に延びる部分は、成形体14およびキャップ部材230,240とともに、成形装置210を構成する。キャップ部材230、240およびガラス供給管106は、白金または白金合金等からなる。
内部隔壁16は、発熱体28、29と成形体14との間に配置され、成形体14を取り囲むように、成形体14の周囲に配置されている。内部隔壁16はSiC焼結体であり、より詳しくは、高密度の焼結SiCの板である。内部隔壁16は、SiCの含有率が95wt%以上のSiC焼結体であることが好ましい。また、内部隔壁16の温度の均一性を高める観点から、熱伝導率が1200度で20W/mK以上、より好ましくは25W/mK以上、さらに好ましくは30W/mK以上であるSiC焼結体を用いることが好ましい。
外壁24と内部隔壁16との水平方向の間には、外壁24と内部隔壁16との間の空間を横方向に仕切る水平隔壁26が設けられている。水平隔壁26は、成形炉30の外壁24と内部隔壁16との間の空間を、上下に隣接した複数の空間に仕切る板状の部材であり、断熱部材である。水平隔壁26によって区画された空間にはそれぞれ発熱体28が配置されている。外壁24と内部隔壁16との鉛直方向の間には、複数の発熱体29が、互いに間隔をあけて、発熱体28と直交する方向(図3の紙面奥行方向、図4の左右方向)に延びるよう配されている。複数の発熱体28,29については後述する。
仕切り部材20は、成形体14の最下端部14dの近傍に配置される板状の部材であり、断熱部材である。仕切り部材20は、成形体14の最下端部14dから流下していくシートガラスSGの厚み方向の両側に、水平となるように配置されている。仕切り部材20は、シートガラスSGが通過する隙間を残してその上下の雰囲気を仕切り、断熱することにより、仕切り部材20の上側から下側への熱の移動を抑制している。仕切り部材20の下方には、冷却ローラ22が配置されている。
冷却ローラ22は、仕切り部材20の下方に位置する徐冷炉40に配置されている。また、冷却ローラ22は、シートガラスSGの厚み方向の両側に、且つ、その幅方向の両端部分で対向するように配置されている。冷却ローラ22は、内部に通された空冷管により空冷されている。
(発熱体)
発熱体28,29は、内部隔壁16を介して熔融ガラスMGを所望の温度範囲に保つとともに、成形装置210から揮発した白金または白金合金等の凝集が抑制されるよう成形炉30内の雰囲気を調整する機能を有する。成形装置210から揮発した白金または白金合金等は、具体的には、成形装置210のうち白金または白金合金等からなる部分、すなわち、キャップ部材230,240およびガラス供給管106の一部から揮発した白金または白金合金等である。調整される成形炉30内の雰囲気は、特に、内部隔壁16内の雰囲気である。発熱体28,29によって調整されるのは、内部隔壁16内の雰囲気の温度である。
内部隔壁を備えた成形炉において、内部隔壁内の温度は、一般的に、失透を抑制しつつ成形体から流れ出る熔融ガラスの肉厚を最適な厚さにする観点から、内部隔壁内の領域によって異なる温度になるよう設定される。具体的には、熔融ガラスをオーバーフローさせる成形体の溝部に接する領域が他の領域より温度が高くなるよう設定され、さらに、当該溝部に接する領域の中では、成形体の長手方向の中央部に接する領域が、他の領域よりも温度が高くなるよう設定されている。このため、成形体を、図3に示されるように側方から見たとき、2つのキャップ部材の垂直方向の上端および下端に接する4つの領域の温度は相対的に低くなる。中でも、キャップ部材の下端と接する2つの領域は、内部隔壁内で最も温度が低くなる。このような温度分布が内部隔壁内で生じていると、高温領域の雰囲気が成形炉内を移動して低温領域に差し掛かると、高温領域に含まれていた白金または白金合金等の揮発物の飽和蒸気圧が下がることによって、当該揮発物の分圧が低温領域での飽和蒸気圧を下回り、これにより、雰囲気中に含まれる白金または白金合金等の揮発物が凝集する場合がある。このような凝集物は、雰囲気中を微粒子の状態で浮遊したり、内部隔壁の壁面やキャップ部材の表面に付着して、熔融ガラス上に落下したりして、シートガラス中に異物が混入するおそれがある。本実施形態では、発熱体28,29の調整機能によって、成形炉30内の雰囲気の温度が調整されるため、成形装置210から揮発した白金または白金合金等の揮発物が凝集することが抑制される。このため、シートガラスへの異物混入を防止できる。
発熱体28,29は、内部隔壁16内の最高温度と最低温度の温度差が白金または白金合金等の凝集を抑制しうる温度差になるよう、発熱体28,29の配置位置および発熱量の少なくとも一方を調整することが好ましい。上記温度差は、成形温度が1100〜1350℃である場合に、好ましくは200℃以内であり、例えば、150℃以内である。温度差の下限値は特に制限されないが、例えば、0℃、50℃である。白金または白金合金等の揮発物の凝集が抑制されるような成形炉30内の雰囲気の温度条件は、予めコンピュータシミュレーションによって求めておき、これに従って、発熱体28,29の配置位置や発熱量を調整することが好ましい。
配置位置の調整としては、例えば、発熱体29の位置を変えることや、新たに発熱体29を設けることが挙げられる。新たに発熱体29を設ける場合、内部隔壁16の外側または内側に設けることができる。発熱量の調整としては、発熱体28,29の通電量を変えることや、発熱体28,29の種類を変えることが挙げられる。配置位置の調整および発熱量の調製は、適宜組み合わせて行うことができる。
調整作業の例として、例えば、図3に示されるように、キャップ部材230,240の下方に、新たに発熱体29c,29dを配置することで、内部隔壁16内の上方の領域と下方の領域との温度差を小さくすることが挙げられる。また、発熱体29のうち、溝部18の高さ位置が低い成形体14の領域の上方にある発熱体29a、29bを、内部隔壁16に近づけるよう下方に移動させることで、あるいは、複数の発熱体29の間で、通電量を異ならせて、外壁24に近い位置に発熱体29であるほど発熱量が大きくなるようにすることで、溝部18に接する熔融ガラスのうち、幅方向の中央部と、キャップ部材240側の端部との温度差を小さくすることが挙げられる。さらに、発熱体29と発熱体28の間で発熱量を調整することで、内部隔壁16内の雰囲気の温度差のバランスを取ることが挙げられる。
上記した調整作業において、内部隔壁16のうち成形体14の上方に位置する天井16aに接する雰囲気の温度が、内部隔壁16内で最も温度が高くなるよう調整することが好ましい。成形体14の真上に位置する雰囲気の温度が他の領域の温度よりも高くなっていれば、内部隔壁16の天井16aに、白金または白金合金等の凝集物が析出して、成形体14の溝部18に向けて落下することを防止できる。
本実施形態に用いられる成形装置は、少なくとも一部が白金または白金合金で構成されたものであればよく、成形装置のどの部分が白金または白金合金等で構成されていてもよい。例えば、成形体14や、成形装置210に含まれる他の部材が、白金または白金合金等からなる部分を含んでいてもよい。他の部材としては、図示されないが、例えば、成形体14を下方から支持するとともに、成形体14を、長手方向の両側から、キャップ部材230およびキャップ部材240を介して押圧するよう挟持するブロック状の支持部材が挙げられる。
(変形例)
次に、図5を参照して、本実施形態の変形例を説明する。
図5は、本実施形態の変形例に係る、成形炉内に配された成形装置を示す図である。
この変形例では、調整手段として、発熱体28,29に代えて、ノズル(ガス供給手段)27が用いられる。なお、変形例においても、発熱体は、熔融ガラスの肉厚を所望の厚みにする目的で、内部隔壁16の外側に配されているが、図5において、説明の便宜のため、図示を省略する。
ノズル27は、内部隔壁16内の酸素濃度を調整するために酸素ガスと異なる調整用ガスを内部隔壁16内に供給する。調整用ガスを、内部隔壁16内に供給することで、内部隔壁16内の酸素濃度(酸素分圧)を低くし、これにより、成形装置210のうち白金または白金合金等からなる部分が酸化されて揮発するのを抑制することができる。
調整用ガスは、酸素および熔融ガラスと不活性であるガスが好ましく、例えば、窒素ガスや、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスが用いられる。ノズル27は、内部隔壁16内に、1または複数設けることができる。ノズル27は、外壁24の外側に設けられた、図示されないガス源に配管を介して接続され、配管の途中に設けられた弁を操作することで、内部隔壁16内に調整用ガスを供給することができる。白金または白金合金等の揮発物の凝集が抑制されるような成形炉30内の酸素濃度の条件は、予めコンピュータシミュレーションによって求めておき、これに従って、ノズルの配置位置やガス供給量を調整することが好ましい。
調整作業の具体例として、例えば、図5に示される位置にノズル27を設け、調整用ガスを図示される方向に供給することで、内部隔壁16内で、高温領域における酸素濃度を下げることができる。このため、高温領域に含まれる酸素によって白金または白金合金等が酸化される作用が抑えられ、これにより、白金または白金合金等の揮発が抑えられる。
変形例によれば、成形炉30内の雰囲気の酸素濃度が調整され、成形装置210から揮発した白金または白金合金等の凝集が抑制されるため、白金または白金合金等の異物がシートガラスに混入されるのが防止される。
変形例において、上記した発熱体28,29による調整作業を行ってもよい。
(ガラス組成)
本発明は、成形炉内を、高温に保つ必要がある場合に適している。具体的には、成形炉内が1000℃以上である場合に適しており、1200℃以上である場合にさらに適しており、1300℃以上である場合に特に適している。
失透温度が高いガラスを用いてガラス基板を製造する場合には、成形炉内を高温に保つ必要があるので、本発明は、失透温度が高いガラスを用いてガラス基板を製造する際に適している。具体的には、本発明は、失透温度が1000℃以上であるガラス基板の製造に好適であり、1160℃以上のガラス基板の製造により好適である。
また、無アルカリガラスやアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスは、失透温度が高いので、本発明は、無アルカリガラスやアルカリ微量含有ガラスから構成されるガラス基板を製造する場合に適している。無アルカリガラスの一例として、質量%で表示して、以下の組成範囲のガラス基板が挙げられる。
SiO:50〜70%、
Al:0〜25%、
:1〜15%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜10%、
RO:5〜30%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、
を含有する無アルカリガラス。
なお、上述したように、ガラス基板はアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.10%以上0.5%以下、好ましくは0.20%以上0.5%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板が含有するものである)含むことが好ましい。勿論、R’Oの合計が0.10%未満でもよい。すなわち、本発明は、無アルカリガラスやアルカリ微量のガラス基板が使用されるフラットパネルディスプレイを製造する場合に適している。
本発明は、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板、有機ELディスプレイ用ガラス基板、カバーガラスに好適に用いられる。本発明は、その他、携帯端末機器などのディスプレイや筐体用のカバーガラス、タッチパネル板、太陽電池のガラス基板やカバーガラスとしても用いることができる。また、本発明は、ポリシリコンTFTを用いた液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。
(実験例)
本実施形態の効果を確認するために、白金族金属からなる部分を含む成形装置を用いて、オーバーフローダウンドロー法に用いて成形工程を行い、熔融ガラスの成形を行った。成形装置には、ジルコニア質耐火物からなる成形体、白金合金からなるキャップ部材、および白金合金からなるガラス供給管を用いた。白金合金の揮発物の凝集が抑制されるような成形炉30内の雰囲気の温度条件を、予めコンピュータシミュレーションによって求め、これに従って、成形装置の周りに、図3および図4に示されるように、発熱体を配置し、発熱量を調整して、成形工程を行った。熔融ガラスのガラス組成は、上記無アルカリガラスの組成とした。成形工程は、成形炉内の温度1200〜1300℃の範囲で行った。成形工程における熔融ガラスの温度は、1200〜1350℃であった。なお、成形工程後、徐冷、切断し、縦2270mm×横2000mmのガラス基板を複数作製し、そのうち無作為に抽出した100枚について、レーザ顕微鏡を用いてガラス基板表面に混入している異物の数を数え、その平均値を求めた(実施例)。
一方、発熱体の配置位置および発熱量の調整を行わずに、その他の点を実施例と同様にして成形工程を行うとともに、異物の数を数えた(比較例)。
その結果、実施例では比較例と比較してガラス基板の単位面積当たりの異物の数が低減しており、成形装置から揮発した白金合金の凝集が抑制されるよう、成形炉内の雰囲気の温度を調整することで、シートガラスへの異物の混入が防止されることが確認された。
以上、本発明のガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
14 成形体
16 内部隔壁
24 外壁
27 ノズル
28,29 発熱体
30 成形炉
101 熔解装置
106 ガラス供給管
210 成形装置
230、240 キャップ部材

Claims (4)

  1. ダウンドロー法によりガラス基板を製造する方法であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
    熔融ガラスを、少なくとも一部が白金族金属からなる成形装置を用いて、成形炉内でシートガラスに成形する成形工程と、を備え、
    前記成形工程では、前記成形炉内に配された、前記成形炉内の雰囲気を調整する調整手段を用いて、前記成形装置から揮発した白金族金属の凝集が抑制されるよう前記雰囲気温度を調整することを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記調整手段は、前記成形炉内の温度を調整する複数の発熱体を有し、
    前記成形工程では、前記成形炉内の最高温度と最低温度の温度差が前記白金族金属の凝集を抑制しうる温度差になるよう、前記発熱体の配置位置および発熱量の少なくとも一方を調整する、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記調整手段は、前記成形炉内の酸素濃度を調整するために酸素ガスと異なる調整用ガスを前記成形炉内に供給する1または複数のガス供給手段を有し、
    前記成形工程では、前記成形炉内の酸素濃度が前記白金族金属の凝集を抑制しうる濃度になるよう、前記調整用ガスの供給量を調整する、請求項1または2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. ダウンドロー法によりガラス基板を製造するガラス基板製造装置であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
    成形炉内で熔融ガラスをシートガラスに成形する成形装置であって、少なくとも一部が白金族金属からなる成形装置と、を備え、
    前記成形装置は、前記成形装置から揮発した白金族金属の凝集が抑制されるよう前記成形炉内雰囲気温度を調整する調整手段を有することを特徴とするガラス基板製造装置。
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