JP2015122281A - リテーナ付きコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 リテーナをコネクタハウジングに的確に取り付けることができるリテーナ付きコネクタを提供する。【解決手段】 端子金具が収容されるキャビティが設けられたコネクタハウジングを有するコネクタであって、コネクタハウジングに対して着脱可能に形成されたリテーナと、コネクタハウジングとリテーナとを連結しかつ可撓性を有する連結体と、を備え、連結体は、第1の可撓性を有する第1の連結部と、第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する第2の連結部とを含む。【選択図】 図7

Description

本発明は、リテーナ付きコネクタに関する。
従来のリテーナ付きコネクタとして、端子金具を収容するキャビティが形成されたコネクタハウジングの外壁に開口が形成され、この開口の近傍にリテーナがヒンジを介して回動可能に一体的に成形されたものがある。このリテーナは、キャビティから退避した退避位置にあるときには、端子金具のキャビティへの着脱することができる。一方、リテーナがキャビティ内に進入する進入位置に回動されたときには、リテーナは、端子金具の抜け止めを行う(たとえば、特許文献1ないし3参照)。
これらのリテーナ付きコネクタのリテーナは、ヒンジによってコネクタハウジングに成形されている。このため、開口に挿入される前のリテーナは、コネクタハウジングに対しておおよそ一定の位置に配置されている。したがって、リテーナを開口に挿入する操作者は、コネクタハウジングの開口に向かってリテーナを移動させることによって、リテーナを開口に簡便に挿入することができる。
このリテーナを開口に挿入する作業は、様々な操作者の手作業によって行われる。したがって、操作者の手の大きさや手の力や操作の癖などは、操作者の各々によって異なる。このため、操作者の力の大きさや向きによっては、リテーナをコネクタハウジングの開口に向かわせることができない場合もあり、作業が煩雑になるとともに、リテーナを開口に挿入するのに時間を要し作業効率が低下していた。
特開2002−158057号公報 特開2008−117649号公報 特開平09−320672号公報
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リテーナをコネクタハウジングに的確に取り付けることができるリテーナ付きコネクタを提供することにある。
本発明の実施態様は、
端子金具が収容されるキャビティが設けられたコネクタハウジングを有するコネクタであって、
前記コネクタハウジングに対して着脱可能に形成されたリテーナと、
前記コネクタハウジングと前記リテーナとを連結しかつ可撓性を有する連結体と、を備え、
前記連結体は、第1の可撓性を有する第1の連結部と、前記第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する第2の連結部とを含むコネクタである。
連結体は、第1の可撓性を有する第1の連結部と、第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する第2の連結部とを含むので、連結体が変形するときには、第2の連結部で撓むことができる。このため、リテーナをコネクタハウジングに取り付けるときには、第2の連結部の撓みによって連結体の変形を規定できるので、リテーナを一定の動作で移動させることができ、リテーナをコネクタハウジングに容易に取り付けることができる。
リテーナをコネクタハウジングに的確に取り付けることができる。
本実施の形態によるコネクタの下面を示す平面図である。 本実施の形態によるコネクタの右側面を示す側面図である。 本実施の形態によるコネクタの上面を示す平面図である。 本実施の形態によるコネクタの左側面を示す側面図である。 本実施の形態によるコネクタの端子金具挿入面を示す正面図である。 本実施の形態によるコネクタのリテーナ係止突条の側面を示す拡大側面図である。 リテーナとヒンジとの側面を示す拡大側面図である。 ヒンジの側面を示す拡大側面図である。 リテーナの断面を示す断面図である。 リテーナとヒンジとの断面を示す拡大側面図である。 コネクタハウジングの断面を示す断面図である。 リテーナを回転移動させる過程を示す側面図である。 リテーナを回転移動させる過程を示す断面図である。 リテーナを直線移動させる過程を示す側面図である。 リテーナを直線移動させる過程を示す断面図である。 連結体の変形の概略を示す図である。
<<<コネクタ10の概要>>>
本発明の実施態様は、
端子金具が収容されるキャビティが設けられたコネクタハウジングを有するコネクタであって、
前記コネクタハウジングに対して着脱可能に形成されたリテーナと、
前記コネクタハウジングと前記リテーナとを連結しかつ可撓性を有する連結体と、を備え、
前記連結体は、第1の可撓性を有する第1の連結部と、前記第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する第2の連結部とを含むコネクタである。
連結体は、第1の可撓性を有する第1の連結部と、第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する第2の連結部とを含むので、連結体が変形するときには、第2の連結部で撓むことができる。このため、リテーナをコネクタハウジングに取り付けるときには、第2の連結部の撓みによって連結体の変形を規定できるので、リテーナを一定の動作で移動させることができ、リテーナをコネクタハウジングに容易に取り付けることができる。
第1の連結部は、第1の可撓性を有し、第2の連結部は、第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する。第1の可撓性及び第2の可撓性は、第1の連結部や第2の連結部の形状や大きさや材質などによって適宜定めることができる。連結体の全体の可撓性は、第1の連結部の第1の可撓性と、第2の連結部の第2の可撓性とによって定められる。
本発明の実施態様は、さらに、
前記コネクタハウジングは、前記リテーナを収容する収容部を有し、
前記第2の連結部は、2つの前記第1の連結部によって挟まれ、
前記連結体は、前記第2の連結部又は前記第2の連結部の近傍で湾曲し、
前記連結体の湾曲によって、前記リテーナは、回転しつつ前記収容部に向かうコネクタである。
第2の連結部は、2つの第1の連結部によって挟まれているので、2つの第1の連結部の間で撓ませることができ、第2の連結部や第2の連結部の近傍で湾曲させることができる。第2の連結部や第2の連結部の近傍で湾曲させることができるので、連結体の変形の過程を一定にすることができ、操作者の操作によることなく、リテーナをコネクタハウジングに容易に取り付けることができる。
本発明の実施態様は、さらに、
前記リテーナが回転した後、前記リテーナは、前記収容部に向かって直線状に移動して、前記収容部に収納されるコネクタである。
リテーナを収容部に最終的に収納させるときには、リテーナを直線状に移動させるので、端子金具に対して一定に力を加えることができる。
本発明の実施態様は、さらに、
前記第1の連結部は、第1の厚さを有し、
第2の連結部は、前記第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有するコネクタである。
第1の厚さと第2の厚さを有するので、第1の連結部と第2の連結部とを同じ材質で作ることができ、コネクタの製造工程を簡便にすることができる。
本発明の実施態様は、さらに、
前記連結体は、第1の端部と第2の端部とを有し、
前記第1の端部は、前記コネクタハウジングに接続され、
前記第2の端部は、前記リテーナに接続され、
前記第2の連結部は、第1の端部と第2の端部との中心よりも前記リテーナに近い位置に配置されたコネクタである。
第2の連結部は、第1の端部と第2の端部との中心よりもリテーナに近い位置に配置されているので、リテーナをコネクタハウジングに取り付けるときのリテーナの移動方向を所望する方向に制御することができる。
<<<コネクタの実施の形態>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。本実施の形態では雌側のコネクタを例示する。雄側のコネクタも同様である。
<<<コネクタ10>>>
コネクタ10は、コネクタハウジング100と、リテーナ200と、ヒンジ300とを含む。コネクタ10は、合成樹脂によって、ヒンジ300を介して、コネクタハウジング100とリテーナ200とは、一体的に成形されている。リテーナ200は、コネクタハウジング100に対してヒンジ300を介して回転できる。
<<コネクタハウジング100>>
コネクタハウジング100は、合成樹脂によって形成され、略直方体の形状を有する。図1〜図4に示すように、コネクタハウジング100は、上面112u及び下面112dと、2つの側面110a及び110bと、端子金具挿入面114と端子金具係止面116を有する。
<キャビティ102>
図11に示すように、コネクタハウジング100の内部には、コネクタハウジング100の端子金具挿入面114と端子金具係止面116とが向かい合う方向に沿って、端子金具400(図5参照)を収容するためのキャビティ102が形成されている。端子金具400は、金属によって成形され、導電性を有し、長尺な形状を有する。キャビティ102の各々は、収容される端子金具400の形状や大きさに応じて形成されており、長尺な形状を有する。
図5に示すように、コネクタハウジング100には、上段と下段との各々に幅方向(側面110aと側面110bとが向かい合う方向)に沿って6個のキャビティ102が形成され、合計で12個のキャビティ102が形成されている。
<ランス104>
図11に示すように、端子金具400は、端子金具挿入面114から挿入できる。キャビティ102の各々の天井面にはランス104が形成されている。ランス104は、第1の係止手段として、挿入された端子金具400がキャビティ102から抜け出さないように端子金具400を掛止する。
<リテーナ200>
図2、図4及び図11に示すように、コネクタハウジング100の上面112u及び下面112dとの双方の面に、リテーナ200がコネクタハウジング100と一体的に形成されている。リテーナ200の突起206(図3、図5、図15など)は、第2の係止手段として、挿入された端子金具400がキャビティ102から抜け出さないように端子金具400を係止する。リテーナ200の詳細は後述する。
<収納溝106>
図2及び図4に示すように、コネクタハウジング100の上面112u及び下面112dには、リテーナ200を挿入するための収納溝106が形成されている。収納溝106は、キャビティ102が長手方向に対して垂直な方向に沿って形成されている。収納溝106は、キャビティ102の2つの側面110a及び110bを貫いて形成されている。収納溝106は、コネクタハウジング100の幅方向に沿って長尺な形状を有する。したがって、上面112u側に形成された収納溝106は、上面112uと2つの側面110a及び110bとに開放されている。下面112d側に形成された収納溝106は、下面112dと2つの側面110a及び110bとに開放されている。
<リテーナ係止突起120a及び120b>
図1、図2、図4、図5、図12及び図14などに示すように、コネクタハウジング100には、2つのリテーナ係止突起120a及び120bが突出するよう形成されている。リテーナ係止突起120aは、上面112u側の側面110aと下面112dの側面110aとの双方に形成されている。リテーナ係止突起120bは、上面112u側の側面110bと下面112dの側面110bとの双方に形成されている。後述するように、リテーナ係止突起120aは、リテーナ200の側面202aを係止し、リテーナ係止突起120bは、リテーナ200の側面202bを係止する。
図5、図12及び図14に示すように、リテーナ係止突起120a及び120bは、略四角錐台状の形状を有する。リテーナ係止突起120a及び120bの各々の4つの側面として、2つのテーパー面122a及び122bと2つの係止面124a及び124bとを有する。
2つのテーパー面122a及び122bは、リテーナ係止突起120a及び120bの突出方向に対して傾斜して形成されている。図12に示すように、リテーナ200をコネクタハウジング100に取り付けるときに、2つの側面202a及び202bがリテーナ係止突起120a及び120b上に乗り上げて円滑に摺動することができる。
2つの係止面124a及び124bは、リテーナ係止突起120a及び120bの突出方向に沿って形成されている。リテーナ200をコネクタハウジング100に取り付けたときには、2つの係止面124a及び124bは、係止孔220a及び220bと係合することができ、リテーナ係止突起120aによって、リテーナ200の側面202aを係止することができ、リテーナ係止突起120bによって、リテーナ200の側面202bを係止することができる。リテーナ係止突起120a及びリテーナ係止突起120bの係合については、後述する。
<リテーナ係止突条130>
図6に示すように、コネクタハウジング100の収納溝106には、リテーナ係止突条130が、コネクタハウジング100の幅方向に沿って形成されている。リテーナ係止突条130は長尺な形状を有する。リテーナ係止突条130は、傾斜した第1の面132aと立設した第2の面132bと立設した第3の面132cと先端面134とを有する。第1の面132aと第2の面132bと第3の面132cと先端面134とは、コネクタハウジング100の幅方向に沿った長尺な形状を有する。
第2の面132bと第3の面132cとは、互いに平行に形成されている。第2の面132bと第3の面132cとの間の幅は、係止溝230(図3及び図9参照)の幅(係止溝230の短手方向の長さ)よりも若干小さく形成されている。これにより、リテーナ係止突条130を係止溝230に挿入させて、リテーナ200を係止することができる。
第1の面132aは、リテーナ係止突条130の先端面134に向かうに従って、第2の面132bに近づくように傾斜している。第2の面132bは、リテーナ係止突条130の突出方向に沿って形成されている。このようにリテーナ係止突条130を形成したことにより、リテーナ係止突条130の厚さは、先端面134に向かうに従って徐々に薄くなる。
リテーナ200が収納溝106に収納される過程においては、リテーナ200の天面204は第1の面132aに当接する。第1の面132aは第2の面132bに近づくように傾斜しているので、天面204は、リテーナ係止突条130上に乗り上げて第1の面132a上を摺動して移動することができる。
さらに、リテーナ200が収納溝106に収納されたときに、係止溝230は、第2の面132bと当接することができる。第2の面132bは平坦に形成されているので、係止溝230は、第2の面132bよって掛止され、係止溝230は、リテーナ係止突条130によって的確に係止され、係止溝230がリテーナ係止突条130から離隔して外れることを防止することができる。リテーナ係止突条130と係止溝230との係止については、後述する。
<<リテーナ200>>
図2、図3、図4及び図9などに示すように、リテーナ200は、コネクタハウジング100と同じ合成樹脂によって形成されている。リテーナ200は、2つの側面202a及び202bと、2つの側面202a及び202bによって挟まれた天面204とを有する。2つの側面202a及び202bと天面204とによって、リテーナ200は、断面が略コの字状の形状を有する。天面204は、薄板状で長尺な形状を有し、天面204の長手方向は、キャビティ102の長手方向に対して略垂直である。
リテーナ200がコネクタハウジング100に取り付けられたときには、2つの側面202a及び202bと天面204とによって、収納溝106を覆うことができる。側面202aは、収納溝106の側面110aを覆い、側面202bは、収納溝106の側面110bを覆い、天面204は、収納溝106の上面112u又は下面112dを覆う。
<突起206>
図3及び図5に示すように、天面204には、6つの突起206が形成されている。6つの突起206は、天面204の長手方向に対して垂直な方向に沿って突出するように形成されている。
上述したように、リテーナ200は、第2の係止手段として、端子金具400を係止する。具体的には、リテーナ200が収納溝106に収納されたときには、6つの突起206の各々は、キャビティ102の各々に挿入された端子金具400を係止する。
<係止孔220a及び220b>
図2、図4、図7、図10などに示すように、側面202aには、係止孔220aが形成され、側面202bには、係止孔220bが形成されている。図7に示すように、係止孔220a及び220bは、開口224が略四角形の貫通孔である。係止孔220a及び220bは、開口224に対して略垂直に形成された4つの壁面222a、222b、222c、222dを有する。
係止孔220aにはリテーナ係止突起120aが挿入されて、リテーナ200の側面202aを係止する。係止孔220bにはリテーナ係止突起120bが挿入されて、リテーナ200の側面202bを係止する。
上述したように、2つのテーパー面122a及び122bと2つの係止面124a及び124bとを有する。係止孔220aにはリテーナ係止突起120aが挿入されたときには、2つの係止面124a及び124bが、係止孔220a及び220bの4つの壁面222a〜222dのうちの2つの壁面222c及び222dと係合することができる。具体的には、リテーナ係止突起120aの係止面124aが、係止孔220aの壁面222dと密着して係合し、リテーナ係止突起120aの係止面124bが、係止孔220aの壁面222cと密着して係合する。このように、リテーナ係止突起120aの係止面と係止孔220aの壁面との係合により、リテーナ200がコネクタハウジング100から外れないようにできる。
リテーナ200は、ヒンジ300を介してコネクタハウジング100に連結されている。このため、リテーナ200は、ヒンジ300の復元力によって、コネクタハウジング100から外れる方向に力が加えられる場合も想定される。リテーナ係止突起120aの係止面124aを係止孔220aの壁面222dに係合させ、リテーナ係止突起120aの係止面124bを係止孔220aの壁面222cに係合させるので、ヒンジ300の復元力に対向して、係合状態を維持することができる。
<係止溝230>
図3、図9、図10などに示すように、リテーナ200の天面204には、リテーナ200の長手方向に沿って長尺な形状を有する係止溝230が形成されている。図10に示すように、係止溝230は、向かい合う2つの平坦な側壁232a及び232bと、2つの側壁232a及び232bに挟まれた底部234と有する。側壁232a及び232bと底部234とは、長尺で平坦な形状を有する。
リテーナ200が収納溝106に収納されたときに、係止溝230の側壁232bは、リテーナ係止突条130の第2の面132bと当接することができる。リテーナ200の側壁232bとリテーナ係止突条130の第2の面132bとはともに長尺で平坦に形成されているので、係止溝230の側壁232bは、第2の面132bと密着して掛止され、係止溝230は、リテーナ係止突条130によって的確に係止され、係止溝230がリテーナ係止突条130から外れることを防止することができる。
このように、リテーナ200が収納溝106に収納されたときには、リテーナ係止突条130が、係止溝230に挿入されて、リテーナ200の長手方向の全体に亘ってリテーナ200を係止することができ、リテーナ200を閉じた状態で安定的に保持することができる。
<<ヒンジ300(連結体)>>
図2及び図4などに示すように、リテーナ200は、ヒンジ300を介して、コネクタハウジング100に連結されている。ヒンジ300は、コネクタハウジング100及びリテーナ200と同じ合成樹脂によって形成されている。
<連結部310a及び310b(第1の連結部)と連結部320(第2の連結部)>
図7、図8、図10などに示すように、ヒンジ300は、2つの連結部310a及び310bと連結部320とを有する。連結部310a及び310bは、所定の一定の厚さを有し、第1の可撓性を有する。連結部310aは、直線状の形状を有する。連結部310bは、略90度に湾曲した形状を有する。
連結部320は、断面が湾曲凹面を有する溝状の形状を有し、第2の可撓性を有する。連結部320は、湾曲凹面状の溝状の形状を有するので、連結部310a及び310bよりも全体的に薄い厚さを有する。
連結部310a及び310bは、所定の一定の厚さを有し、第1の可撓性を有する。連結部320は、連結部310a及び310bよりも全体的に薄い厚さを有し、第2の可撓性を有する。このように、連結部310a及び310bの第1の可撓性と、連結部320の第2の可撓性との違いは、厚さによって実現している。なお、連結部310a及び310bの第1の可撓性と、連結部320の第2の可撓性とは、形状や大きさや材質などによって適宜定めることができる。
連結部310aの端部は、コネクタハウジング100に接続されている。連結部310bの端部は、リテーナ200に接続されている。連結部310aの端部がヒンジ300の第1の端部をなし、連結部310bの端部がヒンジ300の第2の端部をなす。
連結部320は、2つの連結部310a及び310bの間に挟まれて形成されている。連結部320は、ヒンジ300の略中央に形成されている。好ましくは、連結部320は、コネクタハウジング100よりもリテーナ200に近く、ヒンジ300の略中央から偏倚した位置に形成されている。
上述した例では、連結部320は、断面が湾曲凹面状の溝状の形状を有する場合を示したが、断面が略V字状を有してもよい。断面が略V字状に形成した場合でも、谷底では、屈曲した形状ではなく、ある程度湾曲した形状にするのが好ましい。このようにすることで、連結部320の谷底における耐久性を向上させることができる。
金型によってコネクタ10を成形するのが好ましい。金型によってコネクタ10が成形されたときには、直線状の形状を有する連結部310aと、略90度に湾曲した形状を有する連結部310bと、断面が湾曲凹面状の溝状の形状を有する連結部320とが形成される。したがって、リテーナ200がコネクタハウジング100に取り付けられる前の自然状態では、リテーナ200は、リテーナ200がコネクタハウジング100に取り付けられた状態に対して、略90度回転した位置にある。すなわち、後述するように、リテーナ200は、略90度回転してコネクタハウジング100に取り付けられる。略90度に湾曲した形状を有する連結部310bによって、コネクタハウジング100に取り付けられた状態に対して、略90度回転した位置にリテーナ200を位置づけることができる。
<<リテーナ200の取り付け及びヒンジ300の変形>>
一般的に、リテーナ200の取り付けは、組立工程を担う操作者の手作業によって行われる。リテーナ200をコネクタハウジング100に取り付ける過程では、回転過程(回転起動)及び直線過程(直線起動)がある。
<回転過程>
図12及び図13に示すように、まず、操作者は、リテーナ200が収納溝106に向かうように、リテーナ200に力を加える。このとき、リテーナ200は、ヒンジ300を中心にして回転しつつ移動する。ヒンジ300は、湾曲するように変形する。図16に示すように、ヒンジ300の連結部320の湾曲凹面が徐々に広がって伸びるように、ヒンジ300は変形する。具体的には、ヒンジ300は、連結部320の底部330を中心にして、連結部320の湾曲凹面が徐々に広がって伸びつつ、連結部310bの全体が回転するように変形する。
図16は、リテーナ200を収納溝106に徐々に近づけたときの2つの連結部310a及び310bと連結部320との変形の状態を示す図である。図16(a)は、リテーナ200に力が加えられていない自然状態を示す図である。図16(b)〜図16(d)は、リテーナ200を収納溝106に近づけたときの状態を示す図である。
図16に示すように、2つの連結部310a及び310bは、あまり変形せず、連結部320が変形することによってヒンジ300は変形する。すなわち、ヒンジ300の連結部320の湾曲凹面が徐々に広がって伸びるように、ヒンジ300は変形する。このように、連結部320の底部330を中心にしてヒンジ300は変形するので、連結部320の底部330をリテーナ200の回転中心にすることができる。このように、連結部320の底部330を一定の中心にすることができ、リテーナ200を徐々に回転移動させることができる。このため、操作者の力の大きさや向きや癖などによることなく、リテーナ200が収納溝106に向かうようにリテーナ200を一定の軌跡を描いて移動させることができる。
リテーナ200が収納溝106に向かって、リテーナ200が収納溝106に当接して回転移動できなくなるまで、操作者は、力を加え続けることができる。図12及び図13に示すように、リテーナ200の6つの突起206が収納溝106の壁面108によってリテーナ200の動きが規制されるまでリテーナ200を回転させることができる。
リテーナ200が収納溝106に当接して回転移動できなくなる回転移動の最終状態では、リテーナ200の最下端となるリテーナ200の突起206は、図12及び図13に示す位置Xに到達する。この位置Xでは、リテーナ200の突起206は、キャビティ102に収容されている端子金具400(図示せず)と接触していない。
リテーナ200の6つの突起206が収納溝106の壁面108によって規制されることにより、6つの突起206は、キャビティ102に挿入された端子金具400に対向する。
図12に示すように、この回転過程の最後の段階(位置X)では、係止孔220aにはリテーナ係止突起120aが挿入されておらず、係止孔220bにはリテーナ係止突起120bが挿入されていない。図12に示すように、リテーナ係止突起120a及び120bは、2つの側面202a及び202bがリテーナ係止突起120a及び120b上に乗り上げた状態である。
<直線過程>
図14及び図15に示すように、次に、操作者は、キャビティ102に収容されている端子金具400(図示せず)に向かってリテーナ200に力を加える。これによって、リテーナ200は直線状に移動する。リテーナ200の6つの突起206が収納溝106の壁面108に当接しており、リテーナ200は、収納溝106の壁面108によって案内されて、直線移動することができる。
リテーナ200を直線移動させることによって、リテーナ200の6つの突起206は、端子金具400を押圧し、リテーナ200が最終的に収納溝106に収納されたときには、リテーナ200の6つの突起206は端子金具400を係止する。このようにすることで、キャビティ102に挿入された端子金具400は、第1の係止手段であるランス104と、第2の係止手段であるリテーナ200の6つの突起206との2つの係止手段によって係止され、キャビティ102から端子金具400が抜け出ることを的確に防止することができる。電気的接続を形成するために端子金具400には電線が接続されている。電線に不用意に力が加えられた場合であっても、キャビティ102から端子金具400が抜けないようでき、電気的接続を維持することができる。
リテーナ200が直線移動できなくなる直線移動の最終状態では、リテーナ200の6つの突起206は端子金具400を係止する。リテーナ200の最下端となるリテーナ200の突起206は、図14及び図15に示す位置Yに到達する。
図14及び図15に示すように、この直線過程の最後の段階(位置Y)では、係止孔220aにリテーナ係止突起120aが挿入され、リテーナ200の側面202aを係止する。同様に、係止孔220bにリテーナ係止突起120bが挿入され、リテーナ200の側面202bを係止する。これにより、リテーナ200をコネクタハウジング100の2つの側面110a及び110bに的確に係止することができ、リテーナ200がコネクタハウジング100から外れないようにできる。
さらに、この直線過程の最後の段階(位置Y)では、係止溝230は、リテーナ係止突条130によって係止される。上述したように、リテーナ200の側壁232bは、リテーナ係止突条130の第2の面132bによって掛止される。リテーナ200の側壁232bもリテーナ係止突条130の第2の面132bも、コネクタハウジング100の幅方向に亘って形成されているので、リテーナ200をコネクタハウジング100の幅方向の全体に亘ってコネクタハウジング100に係止することができる。
このように、直線過程の最後の段階(位置Y)では、リテーナ係止突起120aを係止孔220aに挿入し、リテーナ係止突起120bを係止孔220bに挿入することによって、リテーナ200の側面202a及び側面202bの係止状態を確保することができる。さらに、直線過程の最後の段階(位置Y)では、係止溝230をリテーナ係止突条130によって係止することによって、リテーナ200の長手方向(幅方向)の係止状態を確保することができる。このように、リテーナ200の側面の係止状態と長手方向(幅方向)の係止状態との2種類の係止状態を確保することによって、リテーナ200を的確にコネクタハウジング100に取り付け、キャビティ102に挿入された端子金具400を6つの突起206によって的確に係止するとともに、係止の状態を維持することができる。
上述した実施の形態では雌側のコネクタを例示したが、雄側のコネクタも同様に、合成樹脂によって、ヒンジ300を介して、リテーナがコネクタハウジングと連結するように成形することができる。
10 コネクタ
100 コネクタハウジング
106 収納溝(収容部)
200 リテーナ
300 ヒンジ(連結体)
310a、310b 連結部(第1の連結部)
320 連結部(第2の連結部)
本発明の実施態様は、
端子金具が収容されるキャビティが設けられたコネクタハウジングを有するコネクタであって、
前記コネクタハウジングに対して着脱可能に形成されたリテーナと、
前記コネクタハウジングと前記リテーナとを連結しかつ可撓性を有する連結体と、を備え、
前記連結体は、第1の可撓性を有する第1の連結部と、前記第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する第2の連結部とを含み、
前記コネクタハウジングは、前記リテーナを収容する収容部を有し、
前記リテーナは、前記連結体によって初期位置に保持でき、
前記初期位置は、前記コネクタハウジングから離隔した位置で、かつ、前記リテーナが前記収容部に収容された状態に対して所定の角度で回転した位置であり、
前記リテーナは、一定の軌跡を描いて前記初期位置から前記収容部に移動するコネクタである。
<<<コネクタ10の概要>>>
本発明の実施態様は、
端子金具が収容されるキャビティが設けられたコネクタハウジングを有するコネクタであって、
前記コネクタハウジングに対して着脱可能に形成されたリテーナと、
前記コネクタハウジングと前記リテーナとを連結しかつ可撓性を有する連結体と、を備え、
前記連結体は、第1の可撓性を有する第1の連結部と、前記第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する第2の連結部とを含み、
前記コネクタハウジングは、前記リテーナを収容する収容部を有し、
前記リテーナは、前記連結体によって初期位置に保持でき、
前記初期位置は、前記コネクタハウジングから離隔した位置で、かつ、前記リテーナが前記収容部に収容された状態に対して所定の角度で回転した位置であり、
前記リテーナは、一定の軌跡を描いて前記初期位置から前記収容部に移動するコネクタである。
本発明の実施態様は、さらに、
前記リテーナは、前記第2の連結部を中心とした前記連結体の変形によって回転でき、前記第2の連結部を中心とした前記リテーナの回転移動によって一定の軌跡を描いて移動させて前記初期位置から前記収容部に収納されるコネクタである。
本発明の実施態様は、さらに、
前記リテーナと前記連結体とは金型によって成型可能であり、
前記初期位置は、金型による成型時において前記コネクタハウジングから略90度で回転した位置であるコネクタである。
本発明の実施態様は、さらに、
前記第1の連結部は、第1の支持部と第2の支持部とを有し、
前記第2の連結部は、前記第1の支持部と前記第2の支持部とによって挟まれ、
前記第1の支持部は平坦な形状を有し、前記第2の支持部は湾曲した形状を有し、
前記リテーナは、前記第1の支持部及び前記第2の支持部によって前記初期位置に保持されるコネクタである。
本発明の実施態様は、さらに、
前記リテーナは、前記第1の支持部及び前記第2の支持部の形状を保持しつつ、前記連結体の変形による前記リテーナの回転移動によって前記収容部に収納されるコネクタである。
本発明の実施態様は、
複数の端子金具が収容されるキャビティが設けられたコネクタハウジングを有するコネクタであって、
前記コネクタハウジングに対して着脱可能に形成されたリテーナと、
前記コネクタハウジングと前記リテーナとを連結しかつ可撓性を有する連結体と、を備え、
前記連結体は、第1の可撓性を有する第1の連結部と、前記第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する第2の連結部とを含み、
前記コネクタハウジングは、前記リテーナを収容する収容部を有し、
前記リテーナは、長尺な形状を有し、かつ、前記キャビティに収納された複数の端子金具を押圧するように形成され、
前記収容部は、前記リテーナを収容できるように長尺な形状を有し、かつ、長手方向に沿って形成された係止部を有し、
前記リテーナは、長手方向に沿って前記係止部と係止可能に形成された長尺な被係止部を有し、
前記リテーナは、前記連結体によって初期位置に保持でき、
前記初期位置は、前記コネクタハウジングから離隔した位置で、かつ、前記リテーナが前記収容部に収容された状態に対して所定の角度で回転した位置であり、
前記リテーナは、一定の軌跡を描いて前記初期位置から前記収容部に移動し、前記リテーナが前記収容部に収容されたときに、前記係止部は前記被係止部と係止するコネクタである。
<<<コネクタ10の概要>>>
本発明の実施態様は、
複数の端子金具が収容されるキャビティが設けられたコネクタハウジングを有するコネクタであって、
前記コネクタハウジングに対して着脱可能に形成されたリテーナと、
前記コネクタハウジングと前記リテーナとを連結しかつ可撓性を有する連結体と、を備え、
前記連結体は、第1の可撓性を有する第1の連結部と、前記第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する第2の連結部とを含み、
前記コネクタハウジングは、前記リテーナを収容する収容部を有し、
前記リテーナは、長尺な形状を有し、かつ、前記キャビティに収納された複数の端子金具を押圧するように形成され、
前記収容部は、前記リテーナを収容できるように長尺な形状を有し、かつ、長手方向に沿って形成された係止部を有し、
前記リテーナは、長手方向に沿って前記係止部と係止可能に形成された長尺な被係止部を有し、
前記リテーナは、前記連結体によって初期位置に保持でき、
前記初期位置は、前記コネクタハウジングから離隔した位置で、かつ、前記リテーナが前記収容部に収容された状態に対して所定の角度で回転した位置であり、
前記リテーナは、一定の軌跡を描いて前記初期位置から前記収容部に移動し、前記リテーナが前記収容部に収容されたときに、前記係止部は前記被係止部と係止するコネクタである。
本発明の実施態様は、さらに、
前記係止部は、前記収容部の長手方向に沿って形成され長尺な形状を有する係止突条であり、
前記被係止部は、前記リテーナの長手方向に沿って形成され長尺な形状を有しかつ前記係止突条が挿入可能な係止溝であるコネクタである。
本発明の実施態様は、さらに、
前記第1の連結部は、第1の支持部と第2の支持部とを有し、
前記第2の連結部は、前記第1の支持部と前記第2の支持部とによって挟まれ、
前記第1の支持部は平坦な形状を有し、前記第2の支持部は湾曲した形状を有し、
前記リテーナは、前記第1の支持部及び前記第2の支持部によって前記初期位置に保持され、
前記リテーナは、前記第2の連結部を中心とした前記連結体の変形によって回転でき、前記第2の連結部を中心とした前記リテーナの回転移動によって一定の軌跡を描いて移動させるコネクタである。
本発明の実施態様は、さらに
前記第1の支持部は、前記コネクタハウジングと前記第2の連結部とを接続し、
前記第2の支持部は、前記リテーナと前記第2の連結部とを接続し、
前記第2の連結部は、前記コネクタハウジングよりも前記リテーナに近い位置に形成され、
前記リテーナは前記第2の連結部の変形によって、端子金具と非接触の位置まで回転した後、前記非接触の位置から端子金具を押圧する位置まで直線移動するコネクタである。

Claims (5)

  1. 端子金具が収容されるキャビティが設けられたコネクタハウジングを有するコネクタであって、
    前記コネクタハウジングに対して着脱可能に形成されたリテーナと、
    前記コネクタハウジングと前記リテーナとを連結しかつ可撓性を有する連結体と、を備え、
    前記連結体は、第1の可撓性を有する第1の連結部と、前記第1の連結部より撓みやすい第2の可撓性を有する第2の連結部とを含むコネクタ。
  2. 前記コネクタハウジングは、前記リテーナを収容する収容部を有し、
    前記第2の連結部は、2つの前記第1の連結部によって挟まれ、
    前記連結体は、前記第2の連結部又は前記第2の連結部の近傍で湾曲し、
    前記連結体の湾曲によって、前記リテーナは、回転しつつ前記収容部に向かう請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記リテーナが回転した後、前記リテーナは、前記収容部に向かって直線状に移動して、前記収容部に収納される請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記第1の連結部は、第1の厚さを有し、
    第2の連結部は、前記第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有する請求項1ないし3のいずれかに記載のコネクタ。
  5. 前記連結体は、第1の端部と第2の端部とを有し、
    前記第1の端部は、前記コネクタハウジングに接続され、
    前記第2の端部は、前記リテーナに接続され、
    前記第2の連結部は、第1の端部と第2の端部との中心よりも前記リテーナに近い位置に配置された請求項2に記載のコネクタ。

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