JP2015121264A - 壁への機器の取付構造、および、壁に取付可能な機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】取付構造32は、ブラケット1と、異方性のある機器2の底面に設けられた2本のピン25とを含む。ブラケット1は、壁Wに固定される固定板20、および、固定板20の上端縁20Cから延び出て機器2が載置される載置板21を含む。載置板21には、ピン25が1本ずつ係合される第1ガイド溝23および第2ガイド溝24が形成されている。第1ガイド溝23および第2ガイド溝24は、載置板21に載置された機器2が、その一側面である第1側面8が壁Wに近接対向する第1姿勢から、第1側面8が壁Wに略直交する第2姿勢までの範囲において回動自在となるように、ピン25を案内する。
【選択図】図5
Description
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、回動により姿勢を変えることができる機器を壁に干渉せずに回動させることができるブラケットを用いた壁への機器の取付構造、および、壁に取付可能な機器を提供することを目的とする。
請求項4記載の発明は、前記第1ガイド溝の全体は、前記第2ガイド溝よりも前記固定板の一端縁側に位置し、前記第1ガイド溝と前記固定板の一端縁との最短距離は、前記機器の対向面と、前記第1ガイド溝に係合するピンとの間隔よりも長いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の壁への機器の取付構造である。
請求項7記載の発明は、前記ピンが前記第1ガイド溝および第2ガイド溝から抜けることを防止するための抜け止め防止機構が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の壁への機器の取付構造である。
請求項7記載の発明によれば、抜け止め防止機構によって、ピンが第1ガイド溝および第2ガイド溝から抜けることを防止することができる。
図1(a)は、この発明の一実施形態に係るブラケット1によって壁Wに取り付けられた第1姿勢の機器2の右側面図であり、図1(b)は、第1姿勢の機器2の背面図である。図2は、ブラケット1によって壁Wに取り付けられた第1姿勢の機器2の左側面図である。
ブラケット1の説明の前に、機器2について説明する。
図1を参照して、機器2は、たとえば信号表示灯であり、ベース部3と、ベース部3から上方に延び出た表示部4とを含んでいる。
4つの側面7は、機器2の一側面をなす第1側面8と、第1側面8に対して間隔を隔てて配置される第2側面9と、第1側面8および第2側面9の間に架設される第3側面10および第4側面11とを有する。第3側面10は、第4側面11に対して間隔を隔てて配置されている(図1(b)参照)。この機器2ではブザーを鳴らすことができ、ブザーの音量調整のためにユーザによって操作されるボリューム12が第1側面8に設けられ、ブザーを鳴らすスピーカー13が第3側面10に設けられている。第3側面10には、対向面として円弧状に膨出した突出部14が設けられていて、スピーカー13は、突出部14に配置されている。突出部14は、機器2の側面(ベース部3の側面7)のうち第1側面8と異なる部分であって、機器2の側面において角張った部分であることから、機器2に異方性をもたらしている。また、第1側面8および第2側面9のそれぞれと第3側面10との境界部分19も角張っている。
表示部4は、縦に並んだ複数のレンズ15とLED等の光源(図示せず)とを主に備えている。光源は、レンズ15毎に設けられている。ベース部3から光源に電力が供給されることによって、対応するレンズ15が発光する。レンズ15から発光される光の色は、レンズ15毎に異なっていてもよい。各レンズ15の発光パターンは、ベース部3に内蔵され、CPUやメモリ等で構成された制御部(図示せず)によって制御される。
ブラケット1は、固定板20と、載置板21とを一体的に含み、載置板21に機器2を載置して使用される。
固定板20は、壁Wの壁面WSに沿って配置されており、この実施形態では、上下に延びている。固定板20において壁面WSに対向配置されて接触する面を、裏面20Aといい、固定板20の厚さ方向において裏面20Aとは反対側の面を、表面20Bという。
固定板20の上端縁20Cは、固定板20と載置板21との境界であって、壁Wの壁面WS上において水平方向に沿って延びている。上端縁20Cに沿う方向を第1方向D1というと、第1方向D1は、図2において太線矢印Qで示すように壁Wの手前の位置から壁Wの壁面WSを臨んだときにおける左右方向である。
図3(a)は、ブラケット1の平面図であり、図3(b)は、ブラケット1を上方から見た斜視図であり、図3(c)は、ブラケット1を下方から見た斜視図である。
そして、載置板21の上面21Aには、第1ガイド溝23および第2ガイド溝24という2本の溝が形成されている。
本実施形態では、第1ガイド溝23および第2ガイド溝24の形状や寸法について、以下の条件1〜5が満たされている。
・条件1:第1ガイド溝23の全体は、第2ガイド溝24における壁W側の端部(後述する第2一端部24A)側に偏って配置され、第2ガイド溝24よりも固定板20の上端縁20C側(壁W側)に位置している。
・条件2:第1ガイド溝23の両端の間隔(第1ガイド溝23の延びる方向における長さ)は、第2ガイド溝24の両端の間隔(第2ガイド溝24の延びる方向における長さ)よりも短い。
・条件3:第2ガイド溝24は、固定板20の上端縁20Cおよび壁Wから遠ざかる方向(第1離間方向D3という)へ向けて延びており、かつ、載置板21の外側へ膨出するように湾曲している。
・条件4:第1方向D1における第1ガイド溝23の両端の間隔L1は、第2方向D2における第1ガイド溝23の両端の間隔L2よりも大きい。
・条件5:第1方向D1における第2ガイド溝24の両端の間隔L3は、第2方向D2における第2ガイド溝24の両端の間隔L4よりも小さい。
また、第1ガイド溝23は、後述するように様々な形状が考えられるが、図3で示す実施形態では、直線状である。直線状の第1ガイド溝23は、第2ガイド溝24へ近づくにつれて固定板20の上端縁20Cから第1離間方向D3へ離れるように、第1方向D1に対して傾斜して延びている。
・条件6:第1一端部23Aと第2一端部24Aとは、第2方向D2において同じ位置にあり、第1他端部23Bと第2他端部24Bとは、第1方向D1において同じ位置にある。
・条件7:第1一端部23Aと第2一端部24Aとの間隔Xは、第1他端部23Bと第2他端部24Bとの間隔Yと同じである。
図4を参照して、第1ガイド溝23および第2ガイド溝24のそれぞれには、ピン25が1本ずつ係合される。ピン25は、2本存在し、機器2のベース部3の底面5に設けられ、底面5に直交した状態で底面5から下方に突出している。ピン25において第1ガイド溝23および第2ガイド溝24のそれぞれに嵌まっている部分は、各ガイド溝の溝幅よりも細い。
図5は、機器2が第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢を変える様子を説明するためのブラケット1および機器2の模式的な平面図である。なお、図5では、説明の便宜上、ブラケット1の載置板21の輪郭において平面視では機器2のベース部3の下に隠れる部分、第1ガイド溝23、第2ガイド溝24および各ピン25を実線で示している。
通常使用状態における機器2の姿勢は、図5(a)に示す第1姿勢である。第1姿勢は、ホームポジションにある機器2の姿勢である。第1姿勢の機器2では、第1ピン25Aは、第1ガイド溝23において第1一端部23Aに位置し、第2ピン25Bは、第2ガイド溝24において第2一端部24Aに位置している。そして、第1姿勢の機器2では、ベース部3の第1側面8が、死角となって、壁Wの壁面WSに第2方向D2から近接対向して壁面WSと略平行になっており、第1側面8と壁Wとの隙間Sは、比較的狭くなっている。そのため、第1姿勢の機器2は、壁Wになるべく接近した状態になっていて、壁Wとの一体感が図られている。この状態では、ユーザは、第1側面8のボリューム12に指が届かないので、ボリューム12を操作できない。しかし、通常使用状態でボリューム12を操作できるように隙間Sを大きくせずに済むことから、機器2を壁Wに寄せることができるので、その分、平面視におけるブラケット1を小さく抑えることができる。
ユーザは、ブザーの音量調整のためにボリューム12を操作したい場合には、第1姿勢の機器2のベース部3を掴んで、平面視で反時計回りに約90度回動させ、ベース部3の底面5を載置板21の上面21Aに対して摺動させる。なお、回動の開始に先立って、必要に応じて、前述したねじ26やナット28を緩めて、機器2の位置決めを解除しておく。
そして、機器2は、第1姿勢から第2姿勢まで回動する間、突出部14や前述した境界部分19が壁Wに干渉しないように、壁Wから離れる。そのため、第1姿勢の機器2と壁Wとの隙間Sが狭くても、突出部14(境界部分19も含む)を壁Wに干渉させるとなく、機器2を第1姿勢から第2姿勢まで回動させることができる。つまり、機器2の第2姿勢への回動により、第1ガイド溝23および第2ガイド溝24ならびに各ピン25は、突出部14を壁Wに干渉することなく、壁Wに対向する位置(図5(d)参照)まで少なくとも移動させる。これにより、回動により姿勢を変えることができる機器2を壁Wに干渉せずに回動させることができる。ちなみに、突出部14が壁Wに対向する位置(図5(d)参照)を通り過ぎたときに、機器2が第2姿勢となってもよい。
機器2が第2姿勢になった状態で、ユーザは、ボリューム12を操作して、ブザーの音量調整を行うことができる。音量調整後、ユーザは、第2姿勢の機器2のベース部3を掴んで、図5(d)、図5(c)、図5(b)の順で、平面視で時計回りに約90度回動させると、機器2は、途中で壁Wに干渉することなく、図5(a)に示す第1姿勢に戻る。よって、ユーザは、必要に応じて機器2を第1姿勢から第2姿勢まで回動させてボリューム12を操作し、その後、機器2を第1姿勢に戻すことができる。
図7は、本実施形態に係るブラケット1および機器2の模式的な平面図である。図7では、第1姿勢の機器2が実線で示され、第1姿勢のときのピン25(第1ピン25Aおよび第2ピン25B)が黒丸で示され、第2姿勢の機器2が破線で示され、第2姿勢のときのピン25が白丸で示されている(後述する図8(a)〜図8(c)の各図においても同様)。
たとえば、第1ガイド溝23および第2ガイド溝24は、機器2の突出部14が壁Wに干渉しないように機器2の第1姿勢と第2姿勢との間の回動を案内できるのであれば、図3〜図6で示した形状以外の形状でも構わない。
図8(a)に示す第1変形例の場合、前述した実施形態(本実施形態という)では直線状であった第1ガイド溝23(図5参照)が、第1一端部23Aから第1他端部23Bへ向けて固定板20の上端縁20Cから離れるように湾曲している。このような第1ガイド溝23に応じて、第2ガイド溝24では、第2一端部24Aおよび第2他端部24Bの位置や、第2ガイド溝24の曲率が若干変更されている。第1変形例における第2ガイド溝24は、本実施形態における第2ガイド溝24に比べて曲率が小さい。
図8(c)に示す第3変形例の場合、第1ガイド溝23において、第1一端部23A側の略4分の1の領域として第1方向D1に沿って直線状に延びる第1直線部53と、第1直線部53から第1他端部23Bへ向けて固定板20の上端縁20Cに徐々に接近するように直線状に延びる第2直線部54とを含んでいる。このような第1ガイド溝23に応じて、第2ガイド溝24では、第2一端部24Aおよび第2他端部24Bの位置や、第2ガイド溝24の曲率が若干変更されている。第3変形例における第2ガイド溝24は、本実施形態における第2ガイド溝24に比べて曲率が大きい。
また、前述した実施形態では、機器2が第1姿勢にあるときに、ベース部3においてボリューム12が設けられた第1側面8が壁Wに近接対向するようにしているが、これはあくまで一例である。要は、ベース部3の4つの側面7(第1側面8、第2側面9、第3側面10および第4側面11)において、通常使用状態で使用する頻度が少ない部品が配置された側面7を、第1姿勢において壁Wに近接対向させて、スピーカー13等の壁Wに向けない方がいい部品が配置された側面7を壁Wから遠ざけて配置すればよい。そのため、機器2が第1姿勢にあるときに、4つの側面7における第1側面8〜第4側面11のいずれを壁Wに近接対向させるか任意に決定できる。
また、前述した実施形態では、機器2を第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変更する際、平面視で反時計回りに機器2を回動させたが(図5参照)、機器2を第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変更するために、逆回り(ここでは時計回り)に機器2を回動させる構成もあり得る。逆回りに機器2を回動させる場合には、第1ガイド溝23および第2ガイド溝24のそれぞれは、前述した実施形態の場合と左右対称になるように配置される。
2 機器
2A 一端部
2B 他端部
5 底面
8 第1側面
14 突出部
20 固定板
20C 上端縁
21 載置板
23 第1ガイド溝
24 第2ガイド溝
25 ピン
25A 第1ピン
26A ねじ頭
28 ナット
30 爪
32 取付構造
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第1離間方向
L1 間隔
L2 間隔
L3 間隔
L4 間隔
L5 最短距離
L6 間隔
M1 第1距離
M2 第2距離
W 壁
Claims (8)
- 固定板、および、前記固定板の一端縁から前記固定板と直交する方向に延び出た載置板を含み、前記固定板を壁に固定し、異方性のある機器を前記載置板に載置して使用するL字型のブラケットと、
前記機器の底面に設けられた2本のピンと、
を備えた、壁への機器の取付構造であって、
前記載置板には、前記ピンが1本ずつ係合される第1ガイド溝および第2ガイド溝が形成されており、
前記第1ガイド溝および第2ガイド溝は、前記載置板に載置された前記機器が、その一側面が壁に近接対向する第1姿勢から、当該一側面が壁に略直交する第2姿勢までの範囲において回動自在となるように、前記ピンを案内し、
前記機器の前記第2姿勢への回動により、前記機器の側面のうち前記一側面と異なる対向面は、前記壁に干渉することなく、前記壁に対向する位置まで少なくとも移動することを特徴とする、壁への機器の取付構造。 - 前記機器が前記第1姿勢から前記第2姿勢まで回動する間、
前記機器が前記第1姿勢にあるときの前記固定板の一端縁に沿う第1方向における前記機器の両端部のうち、前記固定板の一端縁に接近する一端部は、前記載置板上で前記第1方向に直交する第2方向において第1距離だけ移動し、
前記両端部のうち、前記固定板の一端縁から離間する他端部は、前記第2方向において前記第1距離より長い第2距離だけ移動することを特徴とする、請求項1記載の壁への機器の取付構造。 - 前記第1ガイド溝は、前記第2ガイド溝よりも短く、
前記第2ガイド溝は、前記固定板の一端縁から遠ざかる方向へ向けて延びており、かつ、前記載置板の外側へ膨出するように湾曲していることを特徴とする、請求項1または2記載の壁への機器の取付構造。 - 前記第1ガイド溝の全体は、前記第2ガイド溝よりも前記固定板の一端縁側に位置し、
前記第1ガイド溝と前記固定板の一端縁との最短距離は、前記機器の対向面と、前記第1ガイド溝に係合するピンとの間隔よりも長いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の壁への機器の取付構造。 - 前記固定板の一端縁に沿う第1方向における前記第1ガイド溝の両端の間隔は、前記載置板上で前記第1方向に直交する第2方向における前記第1ガイド溝の両端の間隔よりも大きく、
前記第1方向における前記第2ガイド溝の両端の間隔は、前記第2方向における前記第2ガイド溝の両端の間隔よりも小さいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の壁への機器の取付構造。 - 前記第1ガイド溝は、直線状であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の壁への機器の取付構造。
- 前記ピンが前記第1ガイド溝および第2ガイド溝から抜けることを防止するための抜け止め防止機構が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の壁への機器の取付構造。
- 前記2本のピンが底面に設けられ、請求項1〜7のいずれかに記載の取付構造を介して壁に取付可能なことを特徴とする、機器。
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