JP2015121233A - バルブ装置 - Google Patents

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直樹 矢島
泊 辰弘
Tatsuhiro Tomari
辰弘 泊
穣 上野
Minoru Ueno
穣 上野
橋本 稔
Minoru Hashimoto
稔 橋本
利博 平井
Toshihiro Hirai
利博 平井
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Abstract

【課題】小型化、軽量化、及び低コスト化を図ることが可能なバルブ装置を提供する。
【解決手段】収縮型の高分子ゲルアクチュエータ10の伸縮変形により作動部材33を介して弁体31を駆動するバルブ装置1であって、作動部材31が進退移動する方向は、陰極板11及び陽極板13が進退移動する方向に対して直交する方向であり、陰極板11及び陽極板13と作動部材33との間には、陰極板11及び陽極板13の進退移動を作動部材33の進退移動に変換して伝達する動力伝達部41,43が設けられている。高分子ゲルアクチュエータ10への電圧の印加によって陰極板11と陽極板13が接近する方へ移動すると、動力伝達部41,43を介して作動部材33が弁体31側へ押し出されるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される自動変速機などの油圧機器の油圧制御に用いて好適なバルブ装置に関する。
従来、車両に搭載した自動変速機において変速制御用の作動油の流通路を切り替えるためのバルブ装置として、ソレノイドからなるアクチュエータを備えたバルブ装置が用いられている。この種のバルブ装置は、例えば、特許文献1に示すように、油路を開閉するための弁体と、プランジャを介して弁体を駆動するためのソレノイドとを備えており、ソレノイドの電磁力をオンオフすることにより、弁体を駆動して油路の開閉を切り替える構造である。すなわち、この種のバルブ装置では、電源オフ時には、スプリングで付勢されたプランジャによって弁体が着座面に押し付けられていることで油路が閉鎖している。一方、電源をオンすると、ソレノイドの電磁力によりスプリングの付勢力に抗してプランジャが退避する。これにより、作動油の油圧で弁体が着座面から離間して油路が開通する。
特開2003−74729号公報
ところで、上記のようなソレノイドからなるアクチュエータを備えたバルブ装置では、金属製のソレノイドや磁石などの様々な部材を内蔵していることで、構造が複雑で部品点数も多く、外形寸法や重量が大きいという問題があった。また、部品コストも嵩むという問題がある。特に、車両用の自動変速機においては、一台の自動変速機に上記構成のバルブ装置を複数個(通常4〜6個程度)使用するため、上記のような重量や部品コストの影響が尚更大きくなってしまう。さらに、上記構成のバルブ装置では、ソレノイドの駆動音のため、油路を開閉する際の作動音が大きくなってしまうという課題もある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来のソレノイドを備えたバルブ装置と比較して、極めて簡単な構造で、大幅な小型化、軽量化、及び低コスト化を図ることができるバルブ装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、流体が流通する流体通路(21)と、該流体通路(21)を開閉するための弁体(31)と、一又は複数の平板状の陰極板(11)と一又は複数のメッシュ状の陽極板(13)とを交互に積層し、各陰極板(11)と各陽極板(13)との間に高分子ゲル(15)を挟み込んでなる収縮型の高分子ゲルアクチュエータ(10)と、陰極板(11)と陽極板(13)の少なくともいずれかと弁体(31)との間に介在して直線方向へ進退移動可能に設置された作動部材(33)と、を備え、高分子ゲルアクチュエータ(10)に印加する電圧を制御することによる伸縮変形により作動部材(33)を介して弁体(31)を駆動することで、流体通路(21)の開閉を切り替えるように構成したバルブ装置(1)であって、作動部材(33)が進退移動する方向は、高分子ゲルアクチュエータ(10)の伸縮変形に伴い陰極板(11)及び陽極板(13)が進退移動する方向に対して直交する方向であり、陰極板(11)及び陽極板(13)と作動部材(33)との間には、陰極板(11)及び陽極板(13)の進退移動を作動部材の進退移動に変換して伝達する動力伝達部(41,43)が設けられており、高分子ゲルアクチュエータ(10)への電圧の印加によって陰極板(11)と陽極板(13)が接近する方へ移動すると、動力伝達部(41,43)を介して該作動部材(33)が弁体(31)側へ移動するように構成されており、高分子ゲルアクチュエータ(10)への電圧の非印加時に、弁体(31)が流体通路(21)を開く一方、高分子ゲルアクチュエータ(10)への電圧の印加時に、弁体(31)が流体通路(21)を閉じるように構成したいわゆるノーマルオープン型(電圧の非印加時に流体通路が開くタイプ)の構造であることを特徴とする。なお、上記の高分子ゲルとしては、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)に可塑材を添加してなるPVCゲルを用いることができる。
本発明かかるバルブ装置によれば、弁体を駆動するためのアクチュエータとして、陰極板と陽極板との間に挟まれた高分子ゲルを備えた高分子ゲルアクチュエータを備えている。これにより、従来のソレノイドからなるアクチュエータを備えたバルブ装置と比較して、極めて簡単な構造で、バルブ装置の大幅な小型化、軽量化、低コスト化を図ることができる。特に、車両に搭載する自動変速機には、油圧制御用のバルブ装置を複数使用するため、当該バルブ装置として本発明にかかる上記構成のバルブ装置を用いれば、自動変速機及び車両の小型化、軽量化及びコスト低減に大きく寄与することができる。また、本発明にかかるバルブ装置では、高分子ゲルアクチュエータの伸縮変形によって弁体を駆動するので、流体通路の開閉に伴う作動音が生じないか又は極めて小さくて済むため、動作時の静粛性を確保できる。
また、上記のバルブ装置では、収縮型の高分子ゲルアクチュエータを用いて弁体に押圧力を付与するための構成として、高分子ゲルアクチュエータの陰極板及び陽極板の進退移動を作動部材の進退移動に変換して伝達する動力伝達部を設けている。そして、高分子ゲルアクチュエータへの電圧の印加によって陰極板と陽極板が接近する方へ移動すると、当該動力伝達部を介して該作動部材が弁体側へ移動するように構成している。これにより、簡単かつ安価な構成であって、かつ動作時の静寂性に優れた構成でありながら、高分子ゲルアクチュエータへの電圧の印加時に弁体が流体通路を閉じるノーマルオープン型のバルブ装置を実現することが可能となる。また、陰極板及び陽極板の移動を作動部材の移動に変換して弁体を駆動するように構成したことで、流体の流れの力を利用すること無く、弁体に適切な荷重を付与して流体通路を閉じることができるので、流路開閉動作の制御性にも優れたバルブ装置を構成できる。
上記の動力伝達部の一態様として、陰極板(11)及び陽極板(13)に設けたそれらの進退移動方向に対して傾斜する第1の傾斜面(11a,13a)と、作動部材(33)に設けたその進退移動方向に対して傾斜する第2の傾斜面(36a,38a)とを備え、第1の傾斜面(11a,13a)と第2の傾斜面(36a,38a)とが面接触で当接するように構成できる。この場合、高分子ゲルアクチュエータ(10)への電圧の印加によって陰極板(11)と陽極板(13)が接近する方へ移動すると、第1の傾斜面(11a,13a)で第2の傾斜面(36a,38a)が押圧されることで、作動部材(33)が弁体(31)側へ移動する。
この構成によれば、動力伝達部のための新規の部品などを必要とせず、部品点数を少なく抑えた簡単な構成で、陰極板及び陽極板の移動を作動部材の移動に変換して弁体を駆動することが可能となる。また、傾斜面同士が接触するだけの簡単な構成なので、バルブ装置に動作不良などの不具合が生じるおそれが少なくなる。したがって、信頼性及び耐久性に優れたバルブ装置となる。
また、上記のバルブ装置では、作動部材(33)を弁体(31)から離間する方へ付勢する付勢部材(16)を備えるとよい。このような付勢部材を備えることで、高分子ゲルアクチュエータへの電圧の印加を解除したとき、初期位置へ戻る陰極板及び陽極板に作動部材を追従させることができる。したがって、作動部材及び弁体を確実に元の位置に戻すことができる。
あるいは、上記の付勢部材(16)に代えて、陰極板(11)及び陽極板(13)と作動部材(33)との間には、第1の傾斜面(11a,13a)と第2の傾斜面(36a,38a)との接触状態を保ちながら作動部材(33)を進退移動させるためのガイド機構(17,18)を設けてもよい。このガイド機構(17,18)は、陰極板(11)又は陽極板(13)側に設けた突起(11b,13b)と作動部材(33)側に設けた他の突起(36b,38b)とを第1の傾斜面(11a,13a)と第2の傾斜面(36a,38a)の摺動方向にのみ相対移動可能に係合させた構成とすることが望ましい。
このようなガイド機構を設けることによっても、高分子ゲルアクチュエータへの電圧の印加を解除したとき、初期位置へ戻る陰極板及び陽極板に作動部材を追従させることができるので、作動部材を確実に元の位置に戻すことができる。また、ガイド機構によって、陰極板及び陽極板と作動部材とを互いに接触状態を保ったまま相対移動させることができるので、作動部材の進退移動を安定的に行わせることが可能となる。また、上記のガイド機構を設けることで付勢部材を省略することができるので、バルブ機構の部品点数を少なく抑えて構成の簡素化を図ることも可能となる。
また、本発明にかかるバルブ装置は、高分子ゲルアクチュエータ(10−3,10−4)を収容する収容部(56)を備え、収容部(56)は、高分子ゲルアクチュエータ(10−3,10−4)をその伸縮変形方向が弁体(31)の駆動方向に対して直交する方向となるように収容する第1の収容状態と、その伸縮変形方向が弁体(31)の駆動方向と同一方向となるように収容する第2の収容状態との両方の状態で選択的に収容可能な構成であってよい。
そして、高分子ゲルアクチュエータ(10−3)を第1の収容状態で収容した場合は、電圧の印加時に高分子ゲルアクチュエータ(10−3)で押圧された弁体(31)が流体通路(21)を閉じるノーマルオープン型のバルブ装置となり、高分子ゲルアクチュエータ(10−4)を第2の収容状態で収容した場合は、電圧の印加時に収縮型高分子ゲルアクチュエータ(10−4)が収縮して弁体(31)が流体通路(21)を開くノーマルクローズ型のバルブ装置となることで、ノーマルオープン型とノーマルクローズ型との両方の構成の選択的な採用が可能となる。
この構成によれば、高分子ゲルアクチュエータをその伸縮変形方向が弁体の駆動方向に対して直交する方向となるように収容する第1の収容状態と、その伸縮変形方向が弁体の駆動方向と同一方向となるように収容する第2の収容状態との両方の状態で選択的に収容可能としたことで、電圧印加時に弁体を押し出すように構成したノーマルオープン型のバルブ装置と、電圧印加時に弁体が押し戻されることを許容するように構成したノーマルクローズ型のバルブ装置とのいずれにも適用が可能なバルブ装置を実現できる。このバルブ装置は、ノーマルオープン型とノーマルクローズ型とで多数の構成部品を共用することができるので、二種類のバルブ装置に必要な部品の種類を少なく抑えることができる。また、組立工程の一部も共通化することができるので、組立作業の効率化を図ることができる。これらによって、バルブ装置を安価に構成することが可能となる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかるバルブ装置によれば、従来のバルブ装置と比較して、極めて簡単な構造で、大幅な小型化、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
本発明の第1実施形態にかかるバルブ装置を示す側断面図である。 PVCゲルアクチュエータ及びバルブ装置の動作を説明するための図で、(a)は、電圧非印加時に油路が開かれた状態を示す図、(b)は、電圧印加時に油路が閉じられた状態を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかるバルブ装置を示す図で、同図(a)は、電圧非印加時に油路が開かれた状態を示す図、(b)は、電圧印加時に油路が閉じられた状態を示す図である。 ガイド機構の詳細構成を示す図で、(a)は、図3(a)のA−A矢視断面を示す部分拡大断面図、(b)は、図3(a)のB−B矢視断面を示す部分拡大断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるバルブ装置を示す図で、(a)は、電圧非印加時に油路が開かれた状態を示す図、(b)は、電圧印加時に油路が閉じられた状態を示す図である。 第3実施形態のPVCゲルアクチュエータが備える陰極部材及び陽極部材を示す図で、同図(a)は、陰極部材の斜視図、同図(b)は、陰極部材の展開図、同図(c)は、陽極部材の斜視図、同図(d)は、陽極部材の展開図、同図(e)は、陰極板と陽極板を積層状態で交互に配置した状態を示す斜視図である。 (a)は、接続片及び端子片の配置構成を示す図で、図5(a)のZ矢視を示す概略図、(b)は、絶縁部材の構成例を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態にかかるバルブ装置を示す側断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態にかかるバルブ装置1を示す側断面図である。同図に示すバルブ装置1は、車両に搭載される自動変速機において変速制御用の作動油の流通を制御するために用いて好適なバルブ装置である。このバルブ装置1は、作動油が流通する油路(流体通路)21と、該油路21を開閉するためのボール弁(弁体)31と、ボール弁31を駆動するためのPVCゲルアクチュエータ(高分子ゲルアクチュエータ)10と、ボール弁31及びPVCゲルアクチュエータ10を収容したケース(バルブボディ)50とを備えて構成されている。
ケース50は、略四角柱型の筒状に形成された本体部51と、該本体部51の一端から突出する該本体部51よりも断面積が小さい略円柱状の軸部52とを備えている。本体部51及び軸部52は一体に形成された外ケース53で構成されており、本体部51における外ケース53の内周側には、PVCゲルアクチュエータ10を収容するための内ケース55が嵌合している。一方、軸部52の内部には、油路21が形成されている。油路21は、軸部52の先端から本体部51側に向かって軸方向に延びる流入ポート22と、流入ポート22の下流端から径方向の外側へ延びる流出ポート23,23とを備えている。流入ポート22の下流端には、球状のボール弁31が収容されており、ボール弁31を着座させるための弁座部24が設けられている。ボール弁31は、油路21内を移動することで弁座部24に対して当接・離間するようになっている。これにより、油路21の開閉が切り替えられる。
ケース50の本体部51は、外ケース53と内ケース55の二重構造になっており、内ケース55の内部には、PVCゲルアクチュエータ10を収容するための収容部56が形成されている。なお、内ケース55の底部55aには、PVCゲルアクチュエータ10に給電するための外部端子(図示せず)が接続される端子部59が設けられている。
PVCゲルアクチュエータ10とボール弁31との間には、プランジャ(作動部材)33が介在している。プランジャ33は、PVCゲルアクチュエータ10の陰極板11と陽極板13とに当接する基部34と、該基部34からボール弁31側に向かって突出形成された棒状のニードル部35とを備えている。基部34は、プランジャ33の根元部分から該プランジャ33の軸方向に対して直交する方向へ広がる平板状であって、その両端辺それぞれには、PVCゲルアクチュエータ側(上側)へ突出する一対の突出部36,38が設けられている。突出部36,38の内側には、PVCゲル15の一部が充填されている突出部36,38の先端(上端)は、プランジャ33の進退移動方向(上下方向)に対して傾斜する傾斜面(第2の傾斜面)36a,38aになっている。両側の傾斜面36a,38aは、互いが対称であり、プランジャ33の外径側から中心側に向かって次第に上昇する向きで傾斜している。本実施形態では、傾斜面36a,38aは、プランジャ33の進退移動方向と陰極板11及び陽極板13の進退移動方向との両方に対して45度の角度で傾斜している。
また、プランジャ33の基部34の外面(下面)とそれに対向する外ケース53の内面との間には、コイルスプリング(付勢手段)16,16が介在している。コイルスプリング16,16は、ニードル部35の両側それぞれに設置されており、軸方向が上下方向を向いて配置されていることで、プランジャ33をPVCゲルアクチュエータ10側(上側)に向けて付勢している。
また、プランジャ33のニードル部35は、その先端がボール弁31に当接してこれを押圧するようになっている。また、軸部52内のニードル部35が収容された箇所には、油路21からの余剰の作動油を流入させるためのドレン室26が設けられている。また、ドレン室26から軸部52の径方向の両外側に向かってドレンポート27,27が開口している。
PVCゲルアクチュエータ10は、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)に可塑材を添加してなるPVCゲル(高分子ゲル)15を備えた高分子ゲルアクチュエータで、陰極板11と陽極板13とを所定間隔で互いに対向させて配置し、それら陰極板11と陽極板13との間にPVCゲル15を挟み込んだ構成である。陰極板11及び陽極板13は、収容部56内のプランジャ33の進退移動方向(バルブ装置1の軸方向、及びボール弁31の駆動方向)に対して直交する横方向の両側に設置されている。これら陰極板11及び陽極板13は、いずれも内ケース55の内形に沿う略四角形状の外形を有している。陰極板11は、平板状に形成されている一方で、陽極板13は、詳細な図示は省略するが、その面の全体が縦横に交差する微細なメッシュ(網目)状に形成されている。これにより、PVCゲルアクチュエータ10は、電圧の印加時にPVCゲル15が陽極板13のメッシュ状の隙間に入り込むことで、積層方向が収縮する構成である。なお、上記の収縮型PVCゲルアクチュエータ10の基本的な構成及びその動作については、「山野美咲,小川尚希,橋本稔,高崎緑,平井利博:収縮型PVCゲルアクチュエータの構造と駆動特性,日本ロボット学会誌 vol.27 No.7,pp.718〜724,2009」などに開示されている。
そして、陰極板11及び陽極板13の下側(プランジャ33側)の端部には、陰極板11及び陽極板13の進退移動方向(横方向)に対して傾斜する傾斜面(第1の傾斜面)11a,13aが設けられている。陰極板11の傾斜面11aと陽極板13の傾斜面13aは、互いがプランジャ33の外径側から中心側に向かって次第に上昇する向きで傾斜している。両側の傾斜面11a,13aは互いに対称であり、陰極板11及び陽極板13の進退移動方向とプランジャ33の進退移動方向との両方に対して45度の角度で傾斜している。
そして、プランジャ33がコイルスプリング16の付勢力でPVCゲルアクチュエータ10側へ付勢されていることで、プランジャ33の一方の突出部36の傾斜面36aが陰極板11の傾斜面11aに対して面接触状態で当接しており、かつ、プランジャ33の他方の突出部38の傾斜面38aが陽極板13の傾斜面13aに対して面接触で当接している。したがって、PVCゲルアクチュエータ10への電圧の印加によって陰極板11と陽極板13が接近する方へ移動すると、陰極板11及び陽極板13の傾斜面11a,13aからプランジャ33の傾斜面36a,38aへ押圧力が作用することで、当該押圧力によってプランジャ33がボール弁31側(下側)へ移動するようになっている。
また、収容部56内のPVCゲルアクチュエータ10の上端面(プランジャ33と反対側の端面)に対向する位置には、係止板58が設置されている。係止板58は、PVCゲルアクチュエータ10の上端面と内ケース55の底部55aとの間に介在している。係止板58によってPVCゲル15の上端面が係止されている。したがって、PVCゲル15は、図1に示す左右方向の両端面に設置した陰極板11及び陽極板13と、前後方向(紙面の手前側及び奥側方向)の両側面を囲む内ケース55の内面と、上端面側に設けた係止板58と、下端面側に設けたプランジャ33とで、下面側を除く四方の側面及び上面が囲まれた状態になっている。なお、図示は省略するが、陰極板11及び陽極板13と端子部59との間には、それらを導通するための配線が設けられている。
図2は、PVCゲルアクチュエータ10及びバルブ装置1の動作を説明するための図で、(a)は、PVCゲルアクチュエータ10への電圧非印加時に油路21が開かれた状態を示す図、(b)は、PVCゲルアクチュエータ10への電圧印加時に油路21が閉じられた状態を示す図である。
PVCゲルアクチュエータ10に電圧を印加していない状態では、図2(a)に示すように、陰極板11と陽極板13が収容部56内の両側に離間していることで、陰極板11の傾斜面11a及び陽極板13の傾斜面13aがプランジャ33の傾斜面36a,38aを押し下げておらず、プランジャ33が上方に退避した位置にある。この状態では、流入ポート22内の作動油の油圧でボール弁31が弁座部24から離間する方向に付勢されている。これにより油路21が開かれている。
図2(a)に示す状態から、PVCゲルアクチュエータ10の陰極板11と陽極板13との間に所定の電圧を印加すると、陰極板11と陽極板13との間に挟み込まれたPVCゲル15が陽極板13の方に移動する。その際、陽極板13がメッシュ状になっていることで、PVCゲル15が変形して陽極板13のメッシュ状の隙間に入り込む。これにより、PVCゲルアクチュエータ10の積層方向の高さ寸法が、電圧を印加していない状態と比較して小さく(薄く)なり、陰極板11と陽極板13の間隔が狭まる。すると、陰極板11及び陽極板13の傾斜面11a,13aからプランジャ33の傾斜面36a,38aへ押圧力が作用することで、当該押圧力によってプランジャ33がコイルスプリング16の付勢力に抗してボール弁31側(下側)へ移動する。このようにPVCゲルアクチュエータ10の陰極板11及び陽極板13からプランジャ33に掛かる荷重によって、プランジャ33及びボール弁31が下方に移動して(移動量ΔL)、ボール弁31が油路21の弁座部24に着座する。これにより、油路21が閉止される。なお、PVCゲルアクチュエータ10に印加する電圧の具体的な設定値は、ボール弁31を駆動するために必要な発生力(荷重)を考慮して決定するとよい。
その一方で、PVCゲルアクチュエータ10への電圧の印加を停止すると、それまで陰極板11側へ引き付けられていたPVCゲル15が元の状態に復帰するので、陰極板11と陽極板13の間隔が元の位置まで広がる。これにより、陰極板11及び陽極板13で押し下げられていたプランジャ33がコイルスプリング16の付勢力とボール弁31にかかる流入ポート22内の作動油の油圧とにより上昇し、ボール弁31が弁座部24から離間して油路21が開かれる。
このように、本実施形態のバルブ装置1では、PVCゲルアクチュエータ10が電圧の印加の有無に応じて変形することで、油路21の開閉が切り替えられるようになっている。そして、バルブ装置1は、PVCゲルアクチュエータ10に電圧を印加していない状態で油路21が開かれており、電圧を印加することで油路21が閉じられるように構成したいわゆるノーマルオープンタイプのバルブ装置である。
本実施形態のバルブ装置1では、陰極板11及び陽極板13の傾斜面11a,13aとプランジャ33の傾斜面36a,38aとによって、陰極板11及び陽極板13の進退移動をプランジャ33の進退移動に変換して伝達する動力伝達部41,43が構成されている。これにより、収縮型のPVCゲルアクチュエータ10への電圧の印加時に外部に対して押圧力を付与できるアクチュエータ機構を構成している。
また、本実施形態のバルブ装置1では、プランジャ33をPVCゲルアクチュエータ10側へ付勢するコイルスプリング16を設けている。このコイルスプリング16の付勢力によって、PVCゲルアクチュエータ10への電圧の印加を解除したとき、両外側の初期位置へ戻る陰極板11の傾斜面11aと陽極板13の傾斜面13aとにプランジャ33の傾斜面36a,38aを追従させることで、上方に退避した元の位置にプランジャ33を戻すことができる。
また、上記のPVCゲルアクチュエータ10は、ソレノイドと比較して簡単な構成であり、小型かつ軽量である。したがって、本実施形態のバルブ装置1では、ボール弁31を駆動するためのアクチュエータとして、PVCゲルアクチュエータ10を備えたことで、従来のソレノイドからなるアクチュエータを備えたバルブ装置と比較して、極めて簡単な構造で、バルブ装置1の大幅な小型化、軽量化、及び低コスト化を図ることができる。特に、車両に搭載する自動変速機では、油圧制御用のバルブ装置を複数使用するため、当該バルブ装置として本実施形態にかかる上記構成のバルブ装置1を用いれば、自動変速機及び車両の小型化、軽量化及びコスト低減に大きく寄与することができる。また、本実施形態のバルブ装置1では、PVCゲルアクチュエータ10の伸縮変形によってボール弁31を駆動するので、油路21の開閉に伴う作動音が生じないか又は極めて小さくて済む。したがって、動作時の静粛性に優れたバルブ装置1となる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項については、第1実施形態と同じである。この点は、他の実施形態においても同様である。
図3は、第2実施形態のバルブ装置1−2を示す図で、同図(a)は、PVCゲルアクチュエータ10−2への電圧非印加時に油路21が開かれた状態を示す図、(b)は、PVCゲルアクチュエータ10−2への電圧印加時に油路21が閉じられた状態を示す図である。本実施形態のバルブ装置1−2は、第1実施形態のバルブ装置1と比較して、プランジャ33を上方へ付勢するコイルスプリング16を省略し、その代替として、陰極板11とプランジャ33との間にそれらの相対移動をガイドするガイド機構17を設けると共に、陽極板13とプランジャ33との間にもそれらの相対移動をガイドするガイド機構18を設けている。
図4は、ガイド機構17,18の詳細構成を示す図で、同図(a)は、図3(a)のA−A矢視断面を示す部分拡大断面図、同図(b)は、図3(a)のB−B矢視断面を示す部分拡大断面図である。両方のガイド機構17,18は、互いが左右対称で同形状である。図3及び図4に示すように、陰極板11とプランジャ33との間に設けたガイド機構17は、陰極板11の傾斜面11aに沿って形成した突起11bと、プランジャ33の突出部36の傾斜面36aに沿って形成した突起36bとを互いに係合させた構成である。各突起11b,36bは、陰極板11とプランジャ33との相対移動によって傾斜面11a,36a同士が摺接する方向に沿って延伸しており、それらの長手方向の両側面には、断面が略クサビ型の突出部が形成されている。ガイド機構17は、突起11bのクサビ型の突出部とそれに隣接する突起36bのクサビ型の突出部とを互いに噛み合った状態で係合させていることで、陰極板11とプランジャ33とを互いに接触した状態で外れないように設置していると共に、傾斜面11aと傾斜面36aがそれらの摺接方向に相対移動することをガイドするように構成されている。
また、陽極板13とプランジャ33との間に設けたガイド機構18は、陽極板13の傾斜面13aに沿って形成した突起13bと、プランジャ33の突出部38の傾斜面38aに沿って形成した突起38bとを互いに係合させた構成である。各突起13b,38bは、陽極板13とプランジャ33との相対移動によって傾斜面13a,38a同士が摺接する方向に沿って延伸しており、それらの長手方向の両側面には、断面が略クサビ型の突出部が形成されている。ガイド機構18は、突起13bのクサビ型の突出部とそれに隣接する突起38bのクサビ型の突出部とを互いに噛み合った状態で係合させていることで、陽極板13とプランジャ33とを互いに接触した状態で外れないように設置していると共に、傾斜面13aと傾斜面38aがそれらの摺接方向に相対移動することをガイドするように構成されている。
本実施形態のバルブ装置1−2では、第1実施形態のバルブ装置1と同様、PVCゲルアクチュエータ10−2に電圧を印加することで、陰極板11と陽極板13の間隔が狭まる。これにより、図3(b)に示すように、陰極板11及び陽極板13がプランジャ33の基部34を押し下げることで、ニードル部35の先端がボール弁31に当接してこれを押圧する。このとき、プランジャ33の一方の傾斜面36aは、ガイド機構17によって陰極板11の傾斜面11aに面接触した状態を保ちつつ相対移動(スライド移動)する。また、プランジャ33の他方の傾斜面38aは、ガイド機構17によって陽極板13の傾斜面13aに面接触した状態を保ちつつ相対移動(スライド移動)する。これらによって、プランジャ33は、その傾斜面36a,38aが陰極板11の傾斜面11aと陽極板13の傾斜面13aとに面接触した状態を保ちながら下側へ移動する。
その一方で、PVCゲルアクチュエータ10への電圧の印加を停止すると、陰極板11と陽極板13の間隔が元の位置まで広がる。このとき、ガイド機構17,18によって陰極板11の傾斜面11a及び陽極板13の傾斜面13aとプランジャ33の傾斜面36a,38aとが面接触した状態を保ちながら摺動することで、陰極板11と陽極板13が離間するにつれてプランジャ33が上方へ引き上げられてゆく。これにより、プランジャ33の下端がボール弁31から離間して、ボール弁31が流入ポート22内の作動油の油圧で上昇し、該ボール弁31が弁座部24から離間して油路21が開かれる。
本実施形態のバルブ装置1−2及びPVCゲルアクチュエータ10−2では、上記のガイド機構17,18を設けたことで、コイルスプリング16を設けていなくても、PVCゲルアクチュエータ10−2への電圧の印加を解除したときに、両外側の初期位置へ戻る陰極板11と陽極板13に追従させてプランジャ33を元の位置に戻すことができる。したがって、コイルスプリング16を省略することで、バルブ装置1−2の部品点数を少なく抑えることができ、バルブ装置1−2の軽量化、低コスト化を図ることができる。
〔第3実施形態〕
図5は、本発明の第3実施形態にかかるバルブ装置1−3を示す図で、同図(a)は、PVCゲルアクチュエータ10−3への電圧非印加時に油路21が開かれた状態を示す図、(b)は、PVCゲルアクチュエータ10−3への電圧印加時に油路21が閉じられた状態を示す図である。本実施形態のバルブ装置1−3が備えるPVCゲルアクチュエータ10−3は、第1実施形態のPVCゲルアクチュエータ10が備える陰極板11及び陽極板13に代えて、複数の陰極板11−3aを有する陰極部材11−3と、複数の陽極板13aを有する陽極部材13−3とを備えている。そして、収容部56内の横方向(ボール弁31の駆動方向に対して直交する方向)に沿って複数の陰極板11−3aと複数の陽極板13−3aとを交互に積層し、各陰極板11−3aと各陽極板13−3aとの間にPVCゲル15を挟み込んだ構成である。各陰極板11−3aは、いずれも平板状に形成されており、各陽極板13−3aは、いずれもメッシュ状に形成されている。
PVCゲルアクチュエータ10−3の両外側の陰極板11−3a,11−3aとそれらに当接するプランジャ33とからなる部分の構成は、第1実施形態のPVCゲルアクチュエータ10と同様の構成であって、両側の陰極板11−3a,11−3aの下端に設けた傾斜面11a,11aとそれらに当接するプランジャ33の傾斜面36a,38aとで動力伝達部41,43が構成されていると共に、プランジャ33を上方へ付勢するコイルスプリング16を備えている。なお、図示は省略するが、上記のコイルスプリング16に代えて、第2実施形態のPCVゲルアクチュエータ10−2と同様のガイド機構17,18を設けることも可能である。すなわち、本実施形態のバルブ装置1−3が備えるPVCゲルアクチュエータ10−3は、第1又は第2実施形態のPVCゲルアクチュエータ10又は10−2の構成に加えて、PVCゲルアクチュエータ10−3の積層方向に沿って両外側の陰極板11−3a,11−3aの間に他の陰極板s11−3a及び陽極板13−3aを複数積層した構造である。なお、PVCゲルアクチュエータ10−3における陰極板11−3a及び陽極板13−3aの積層数は、油路21を開閉するために必要なボール弁31の変位量(移動量)などを考慮して決定するとよい。
第1、第2実施形態のPVCゲルアクチュエータ10−1,10−2では、収容部56内に一対の陰極板11及び陽極板13のみを設置していたため、陰極板11と陽極板13との離間距離が大きく、電圧印加時の良好な動作を確保し難いおそれがあった。これに対して、本実施形態のPVCゲルアクチュエータ10−3では、複数組の陰極板11−3a及び陽極板13−3aを横方向に積層状態で配列したことで、各組の陰極板11−3aと陽極板13−3aの離間寸法を小さく抑えている。これにより、電圧印加時の良好な動作を確保できるので、PVCゲルアクチュエータ10−3の動作性を向上させることができる。
図6は、本実施形態のPVCゲルアクチュエータ10−3が備える陰極部材11−3及び陽極部材13−3を示す図で、同図(a)は、陰極部材11−3の斜視図、同図(b)は、陰極部材11−3の展開図、同図(c)は、陽極部材13−3の斜視図、同図(d)は、陽極部材13−3の展開図、同図(e)は、陰極部材11−1の陰極板11−1aと陽極部材13−3の陽極板13−3aとを交互に積層配置した状態を示す斜視図である。これらの図に示すように、陰極部材11−3は、複数の陰極板(電極板)11−3aと、各陰極板11−3aを接続する接続片(配線部)11−3bと、一の陰極板11−3aをバルブ装置1−3の端子部59に接続(導通)させるための端子片11−3cとを一体に備えて構成されている。陽極部材13−3も、複数の陽極板(電極板)13−3aと、各陽極板13−3a同士を接続する接続片(配線部)13−3bと、一の陽極板13−3aをバルブ装置1−3に設けた接続用の端子部59に接続(導通)させるための端子片13−3cとを一体に備えて構成されている。図6(b),(d)に示すように、陰極部材11−3及び陽極部材13−3は、いずれも金属製の薄板状の部材であり、それぞれプレス加工によって一体に形成することが可能である。なお、先の図5では、接続片11−3b,13−3b及び端子片11−3a,13−3aの図示は省略している。
図7(a)は、接続片11−3b,13−3b及び端子片11−3c,13−3cの配置構成を示す図で、図5(a)のZ矢視を示す概略図である。図7(a)及び先の図6に示すように、陽極部材13−3の接続片13−3cと陰極部材11−3の接続片11−3cは、互いが干渉しないように、陰極板11−3aと陽極板13−3aの互いに異なる端辺上に設けられている。また、接続片11−3c及び接続片13−3cは、両端間が若干の撓みを有した状態で陰極板11−3a及び陽極板13−3aに連結されていることが望ましい。また、図6(e)に示すように、陽極部材13−3の端子片11−3cと陰極部材11−3の端子片11−3cも互いが干渉しないように、それらの位置を積層方向にずらして配置している。
また、電圧の印加によって陽極板13−3aと陰極板11−3aとが接近したときに、それらが互いに接触することを防止するための構造として、図5に示すように、各陽極板13−3aと陰極板11−3aとの間に設置した絶縁部材19を備えている。図7(b)は、絶縁部材19の構成例を示す斜視図である。同図に示すように、絶縁部材19は、下向きに開いた略コ字型(U字型)の細片状に形成されている。各絶縁部材19はいずれも同形状であって、軟質の合成樹脂など柔軟性を有する絶縁材で構成されている。上記の絶縁部材19を各陽極板13−3aと各陰極板11−3aとの間に介在するPVCゲル15の上面及び前後面の三面に被せるように取り付けることで、PVCゲル15の外側で陽極板13−3aと陰極板11−3aとが接触することを防止できる。
また、図7(a)に示すように、絶縁部材19の外面が各陽極板13−3a及び各陰極板11−3aの端辺よりも外側の位置となるように設定しておけば、隣接する陰極板11−3a同士を接続する接続片11−3bが陽極板13−3aに接触すること、及び隣接する陽極板13−3a同士を接続する接続片13−3bが陰極板11−3aに接触することを確実に防止できる。なお、絶縁部材19は必ずしも設ける必要はなく、陽極部材13−3と陰極部材11−3とが接触するおそれが無い場合などは、設置を省略することも可能である。
〔第4実施形態〕
図8は、本発明の第4実施形態にかかるバルブ装置1−4を示す側断面図である。第4実施形態のバルブ装置1−4は、第1乃至第3実施形態のバルブ装置1〜1−3と比較して、収容部56内に設置したPVCゲルアクチュエータ10の向きを変更している。すなわち、第1乃至第3実施形態のバルブ装置1〜1−3のPVCゲルアクチュエータ10〜10−3は、それらの伸縮変形方向がボール弁31の駆動方向に対して直交する方向となるように設置しているのに対して、本実施形態のバルブ装置1−4のPVCゲルアクチュエータ10−4は、その伸縮変形方向がボール弁31の駆動方向と同一方向となるように設置している。
本実施形態のPVCゲルアクチュエータ10−4は、第3実施形態のPVCゲルアクチュエータ10−3と同様、陰極部材11−4が有する複数の陰極板11−4aと、陽極部材13−4が有する複数の陽極板13−4aとを交互に積層し、各陰極板11−4aと各陽極板13−4aとの間にPVCゲル15を挟み込んだ構成である。なお、図10の符号57は、各陰極板11−4a同士を接続している接続片11−4bを配置するための溝部である。
そして、本実施形態のバルブ装置1−4では、収縮型のPVCゲルアクチュエータ10−4の積層方向が、プランジャ33の進退移動方向(ボール弁31の駆動方向)と同一の方向に設定されている。また、収容部56内のPVCゲルアクチュエータ10−4は、係止板58によって積層方向の一端(図の上端)が係止されている。これにより、PVCゲルアクチュエータ10−4は、積層方向が予め若干圧縮された状態で収容部56内に設置されており、プランジャ33及びボール弁31に対して所定のプリセット荷重を付加した状態で組み付けられている。
上記構成のバルブ装置1−4では、電圧の非印加時には、PVCゲルアクチュエータ10−4からプランジャ33及びボール弁31にかかっているプリセット荷重によって、ボール弁31が弁座部24に着座している。これにより、油路21が閉止された状態になっている。その状態から、陰極部材11−4と陽極部材13−4との間に所定の電圧を印加すると、各陰極板11−4aと各陽極板13−4aとの間に挟み込まれたPVCゲル15が各陽極板13−4aの方に移動する。その際、陽極板13−4aがメッシュ状になっていることで、PVCゲル15が変形して陽極板13−4aのメッシュ状の隙間に入り込む。これにより、PVCゲルアクチュエータ10−4の積層方向の高さ寸法が、電圧を印加していない状態と比較して小さく(薄く)なる。したがって、PVCゲルアクチュエータ10−4からプランジャ33及びボール弁31に掛かっているプリセット荷重が解除されるので、流入ポート22内の作動油の油圧で、ボール弁31が弁座部24から離間する方向に移動する。これにより、弁座部24からボール弁31が離間して油路21が開かれる。電圧の印加を停止すると、PVCゲル15が元の状態に復帰するので、PVCゲルアクチュエータ10−4の積層方向の高さが元の寸法に戻る。すると、プリセット荷重によってボール弁31が弁座部24に着座して油路21が閉止される。
本実施形態のバルブ装置1−4は、収縮型のPVCゲルアクチュエータ10−4の伸縮変形方向を、ボール弁31の駆動方向と同一方向としている。これにより、電圧の非印加時に油路21が閉じられている一方で、電圧の印加時にボール弁31が退避して油路21が開かれるノーマルクローズ型のバルブ装置を構成している。
そして、本発明にかかるバルブ装置は、構成部品の一部を置き換えることで、上記第3実施形態のバルブ装置1−3と上記第4実施形態のバルブ装置1−4との両方の構成を採用可能な構造とすることができる。すなわち、そのようなバルブ装置を実現するには、バルブ装置1−3(1−4)において、収容部56の構成として、PVCゲルアクチュエータ10−3(10−4)をその伸縮変形方向がボール弁31の駆動方向に対して直交する方向となるように収容する第1の収容状態(第3実施形態)と、その伸縮変形方向がボール弁31の駆動方向と同一方向となるように収容する第2の収容状態(第4実施形態)との両方の状態で選択的に収容可能な構成を採用すればよい。
そして、第3実施形態のバルブ装置1−3のように、収容部56内に第1の収容状態で収容したPVCゲルアクチュエータ10−3を備える場合は、電圧の印加時にPVCゲルアクチュエータ10−3で押圧されたボール弁31で油路21が閉じるノーマルクローズ型のバルブ装置となる。その一方で、第4実施形態のバルブ装置1−4のように、収容部56内に第2の収容状態で収容したPVCゲルアクチュエータ10−4を備える場合は、電圧の印加時にPVCゲルアクチュエータ10−4が収縮して油路21が開かれるノーマルクローズ型のバルブ装置となる。
これによれば、電圧印加時にボール弁31が押し出されるノーマルオープン型のバルブ装置と、電圧印加時に油路21の作動油でボール弁31が押し戻されるノーマルクローズ型のバルブ装置との両タイプのバルブ装置を一部共通の構成で実現できる。このバルブ装置は、上記二種類のタイプ間で、収縮型のPVCゲルアクチュエータ10−3(10−4)を含む構成部品の大部分を共用できるので、二種類のバルブ装置に必要な部品の品種を少なく抑えることができる。また、二種類のバルブ装置で組立工程の一部を共通化することもできるので、組立作業の効率化を図ることができる。これらによって、動作タイプの異なる二種類のバルブ装置を安価に製造することが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
1〜1−4 バルブ装置
10〜10−4 PVCゲルアクチュエータ(高分子ゲルアクチュエータ)
11 陰極板
11a 傾斜面(第1の傾斜面)
13 陽極板
13a 傾斜面(第1の傾斜面)
15 PVCゲル(高分子ゲル)
16 コイルスプリング(付勢部材)
17,18 ガイド機構
19 絶縁部材
21 油路(流体通路)
24 弁座部
31 ボール弁(弁体)
33 プランジャ(作動部材)
34 基部
35 ニードル部
36 突出部
36a 傾斜面(第2の傾斜面)
38 突出部
38a 傾斜面(第2の傾斜面)
50 ケース
51 本体部
56 収容部
58 係止板
59 端子部

Claims (5)

  1. 流体が流通する流体通路と、
    該流体通路を開閉するための弁体と、
    一又は複数の平板状の陰極板と一又は複数のメッシュ状の陽極板とを交互に積層し、各陰極板と各陽極板との間に高分子ゲルを挟み込んでなる収縮型の高分子ゲルアクチュエータと、
    前記陰極板と前記陽極板の少なくともいずれかと前記弁体との間に介在して直線方向へ進退移動可能に設置された作動部材と、
    を備え、
    前記高分子ゲルアクチュエータに印加する電圧を制御することによる伸縮変形により前記作動部材を介して前記弁体を駆動することで、前記流体通路の開閉を切り替えるように構成したバルブ装置であって、
    前記作動部材が進退移動する方向は、前記高分子ゲルアクチュエータの伸縮変形に伴い前記陰極板及び前記陽極板が進退移動する方向に対して直交する方向であり、
    前記陰極板及び前記陽極板と前記作動部材との間には、前記陰極板及び前記陽極板の進退移動を前記作動部材の進退移動に変換して伝達する動力伝達部が設けられており、
    前記高分子ゲルアクチュエータへの電圧の印加によって前記陰極板と前記陽極板が接近する方へ移動すると、前記動力伝達部を介して該作動部材が前記弁体側へ移動するように構成されており、
    前記高分子ゲルアクチュエータへの電圧の非印加時に、前記弁体が前記流体通路を開く一方、前記高分子ゲルアクチュエータへの電圧の印加時に、前記弁体が前記流体通路を閉じるように構成した
    ことを特徴とするバルブ装置。
  2. 前記動力伝達部は、
    前記陰極板又は前記陽極板に設けたそれらの進退移動方向に対して傾斜する第1の傾斜面と、前記作動部材に設けたその進退移動方向に対して傾斜する第2の傾斜面とを備え、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面とが面接触で当接しており、
    前記高分子ゲルアクチュエータへの電圧の印加によって前記陰極板と前記陽極板が接近する方へ移動すると、前記第1の傾斜面で前記第2の傾斜面が押圧されることで、前記作動部材が前記弁体側へ移動するように構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のバルブ装置。
  3. 前記作動部材を前記弁体から離間する方へ付勢する付勢部材を備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブ装置。
  4. 前記陰極板又は前記陽極板と前記作動部材との間には、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面との接触状態を保ちながら前記作動部材を進退移動させるためのガイド機構が設けられており、
    前記ガイド機構は、前記陰極板又は前記陽極板側に設けた突起と前記作動部材側に設けた他の突起とを前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面の摺動方向にのみ相対移動可能に係合させた構成である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブ装置。
  5. 前記高分子ゲルアクチュエータを収容する収容部を備え、
    前記収容部は、前記高分子ゲルアクチュエータをその伸縮変形方向が前記弁体の駆動方向に対して直交する方向となるように収容する第1の収容状態と、その伸縮変形方向が前記弁体の駆動方向と同一方向となるように収容する第2の収容状態との両方の状態で選択的に収容可能な構成であり、
    前記高分子ゲルアクチュエータを前記第1の収容状態で収容した場合は、電圧の印加時に前記高分子ゲルアクチュエータの収縮により前記弁体が前記流体通路を閉じるノーマルオープン型のバルブ装置となり、
    前記高分子ゲルアクチュエータを前記第2の収容状態で収容した場合は、電圧の印加時に前記収縮型高分子ゲルアクチュエータの収縮により前記弁体が前記流体通路を開くノーマルクローズ型のバルブ装置となることで、
    前記ノーマルオープン型と前記ノーマルクローズ型との両方の構成の選択的な採用が可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のバルブ装置。
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