JP2015119842A - 消臭用薬液散布装置及び消臭用薬液散布方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
ミネラルを含む薬液を上水道水で所定濃度に希釈して希釈液を生成する希釈手段11と、希釈液を複数の畜舎に送液する送液手段12と、希釈液を畜舎内上部から床部に小雨状にして散布する散布手段13と、希釈手段11、送液手段12及び散布手段13を制御する制御する制御手段14と、を配設し、制御手段14は、希釈手段11で希釈液を生成し、送液手段12を介して散布手段13を駆動して畜舎内に散布するように制御することを特徴とする消臭用薬液散布装置10及び消臭用薬液散布方法である。
【選択図】図1
Description
しかも、温度や地域によって消臭のために必要とする微生物が異なるため、前記のように目で見えない微生物の量をよりコントロールするのが困難であった。
さらに、畜舎毎に脱臭剤を設置するため、その畜舎毎に脱臭剤の消耗度等を管理する必要があり、その管理に労力を要していた。
さらに、薬液を散布することでアンモニア臭や硫化水素臭等を床部に配設した敷料・床材に落とすことができ、これによって所定時間経過後に堆肥が形成される効果を有する。
また、散布する薬液の量や散布時間等を定量化できるため、自動散布するミネラルを含む薬液を必要の分だけ準備すればよく、使用コストを試算できる効果を有する。
このように散布時間を定量化できるので、従来のような微生物を使用したシステムではできなかった人為的な管理をあまり必要としない効果を有する。
まず、消臭用薬液散布装置10の全体構造について図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態における消臭用薬液散布装置10の全体構成を示したブロック図である。
図1に示すように、消臭用薬液散布装置10は、ミネラルを含む薬液を上水道水で所定濃度に希釈して希釈液を生成する希釈手段11と、希釈液を複数の畜舎28に送液する送液手段12と、希釈液を畜舎28の床部に上方から小雨状に散布する散布手段13と、希釈手段11、送液手段12及び散布手段13を制御する制御する制御手段14と、を有する。
希釈手段11は、ミネラルを含む薬液(後述するミネラル水)を、上水道水で例えば略数千倍に希釈して希釈液(希釈水)を生成するものである。
希釈手段11は、図1に示すように、薬液を貯水する薬液用タンク15と、薬液を上水道水で希釈する希釈液用タンク16と、薬液用タンク15から希釈液用タンク16に配水する薬液供給管17と、上水道水供給管18を有する。
また、希釈液用タンク16には、上水道水が供給するための上水道水供給管18が連設されている。上水道水供給管18上には供給管用電動弁33が設けられている。
次に、送液手段12について説明する。
送液手段12は、希釈液圧送ポンプ22とメイン供給管23と複数の分岐管とからなる。
メイン供給管23上には配水管用電動弁34が配設されている。
希釈液圧送ポンプ22は、その下流側に連設する散布管に対して圧力を高めて希釈液を供給するものである。このため、メイン供給管23上に圧力ゲージ35を設けている。
すなわち、図1の枠線内に示すように、装置ユニット27内には、薬液用タンク15、薬液送水用ポンプ21、希釈液用タンク16、希釈液圧送ポンプ22、メイン供給管23、第1分岐管24a〜第5分岐管24e等がまとめて収納されている。
図2に示すように、装置ユニット27は、畜舎や施設の外部壁面等に沿って設置することができる。
このように、制御手段14である装置ユニット27を畜舎28の散布場所内ではなく例えば外部壁面に設置している。
これは、畜舎28内での薬液散布制御を遠隔操作できるテレメトリー(遠隔測定法)システムを構築したものである。
また、装置ユニット27内には、制御手段14となる制御盤29を設けている。
制御手段14は、制御盤29上にCPU(Central Processing Unit)やRAMを備えたコンピュータ装置を有するものであり、薬液用タンク15、薬液送水用ポンプ21、希釈液用タンク16、希釈液圧送ポンプ22、供給管用電動弁33、第1電動弁25a〜第5電動弁25eとそれぞれ電気的に接続されており、これらを駆動する制御を行う。
次に、散布手段13について説明する。
散布手段13は、各畜舎28内に散布するための散布管とスプレーノズル32からなる。
なお、スプレーノズル32,32,32・・・は、畜舎28の天井部に配設することで、散布管(第1散布管26a〜第5散布管26e)内の圧力水を畜舎28の敷料31(オガクズ、モミガラ、稲わら等の敷材)の全面に満遍なく放水できるものを使用するのが好ましい。
次に、散布の方法について説明する。本実施形態では、牛舎や豚舎等の畜舎28内に散布する。
図3は、畜舎28内の散布の状態を説明する説明図である。
ここで、本実施形態における薬液の具体的な成分は表1の以下の通りである。
なお、本実施形態における薬液は、アンモニア臭等を消臭する物質としてキトサンを含有しているが、これに限られず他の消臭機能を有する物質を含有した薬液を使用してもよい。
また、制御手段14は供給管用電動弁33を開放して上水道水供給管18を通して上水道水を希釈液圧送ポンプ22によって送水される。
本実施形態では、例えば、50ccの薬液から50リットルの1000倍に希釈した希釈液が希釈液用タンク16内で生成される。
そして、希釈液を畜舎28内の悪臭を取り込みながら小雨のようにして敷料31に散布するように構成している。
スプレーノズルは、糞尿を排出する牛や家畜に希釈液が直接当たるように噴射方向を調節可能に構成してもよい。これにより、糞尿を消臭すると共に家畜の体を洗浄することになり、洗浄することで家畜が健康・元気になる効果を有する。
例えば、図4に示すように、各畜舎28a〜28eへの散布時間を、10時、12時、14時、16時の時間帯にそれぞれ設定し、設定した各時間帯において、各畜舎28a〜28eでの散布時間を2〜3分としてこれを複数回(例えば3回)繰り返す。
したがって、希釈液用タンク16のタンク容量をコンパクトにして装置ユニット27内に収納できる効果を有する。
また、小雨は薬液を希釈した希釈液であるので、この希釈液がアンモニア臭を分解するキトサンを含有しているので、糞尿による消臭効果を有する。
すなわち、家畜の糞尿等は、通常では所定時間を経て堆肥化することができるが、本発明では消臭した状態で堆肥化が可能である。
例えば、畜舎28の数や面積と散布時間とを設定することで、後はプログラムにより自動散布が可能になる。
もし、所定量に充填されていない場合には(ステップS102のNo)、作業者等に薬液を薬液用タンク15内に充填させるように警告を発する等をする。
散布時間でない場合(ステップS105のNo)には、散布時間になるまでそのまま時間をカウントする。
さらに、ある畜舎28a〜28eの散布管の電動弁(第1電動弁25a〜第5電動弁25e)を駆動・開放して(ステップS107)、散布管に希釈液を供給し、散布管上のスプレーノズル32から希釈液を放出させる。
また、制御手段14は、各電動弁を駆動して各畜舎28a〜28e内に散布するように制御する。
なお、前記制御フローは例示であり、制御内容及び方法は適宜変更可能としている。
すなわち、畜舎28外でわずかな時間で管理(薬液の補充等の管理)すれば、ほとんど自動的に散布するので略完全無人化することができる。
また、具体的な自動散布は、図1に示すテレメータ等を使用して管理したり、有線・無線等を使用することで別の場所に設置したサーバー上で管理したりすることができる。
このようにして、本発明は、遠隔操作による自動散布とするテレメトリー(遠隔測定法)システムを構築できるものである。
実験では、薬液を所定濃度で希釈し、希釈した水を牛舎内上部(床上約2m付近)から敷料31に向けて散布した。
そして、消臭対策前と消臭対策後とでアンモニア濃度を測定した。対策前では牛舎内のアンモニア濃度は20ppmであったが、対策後では1ppmまで低減した。すなわち、19ppmのアンモニア濃度が低下する改善が見られた。
表2に示すように、乳房炎罹患や子牛罹患は消臭前では散見されていたが、消臭対策後ではほとんど0になった。
すなわち、罹患率や死亡率が激減する結果を得た。また。餌代の費用も低減し、補充購入費用も0になった。また、敷料も糞尿の消臭が消えることで敷料31(オガクズ)等を交換する費用を低減することができた。販売用牛としての単価の上昇がみられた。
また、餌をよく食べることになり、未消化の飼料が減少する効果を有する。さらに、堆肥販売も達成することができ、その完成堆肥での大腸菌は確認されなかった。
すなわち、畜舎28内で病気をせずに肉牛や乳牛として成長するので、畜舎28内で飼育する家畜の育成の回転率が向上できる効果を有する。
表3は、本発明を導入した経営改善効果を示した表である。表3の結果により従来ではハエ等の殺虫剤を必要としていたが、畜舎28内が消臭されるために殺虫剤の購入代金が不要になる。
また、従来では虫対策として送風扇を畜舎28内配設していたが、ハエ等が存在しなくなるのでその分の稼働費用が少なくて済む(6月〜8月は夏季のために稼働率が上昇)。また、敷料等の購入費用を抑制することができた。さらに、無償飼料を導入することで飼料代の削減が実現できた。
これにより、最低限必要とする薬液の量を把握することができ、消臭対策のためのコスト試算が簡単になる。
本発明に係る消臭用薬液散布装置10は、例えば、食品残渣や有機汚泥物処理施設にも適用することができる。
また、本発明は、牛舎や豚舎等の家畜の種類に関係なく畜舎28内への散布が可能である。
11 希釈手段
12 送液手段
13 散布手段
14 制御手段
15 薬液用タンク
16 希釈液用タンク
17 薬液供給管
18 上水道水供給管
19 電極式レベルセンサ
20 電極式レベルセンサ
21 供給管用電動弁
22 希釈液圧送ポンプ
23 メイン供給管
24a〜24e 第1分岐管〜第5分岐管
25a〜25e 第1電動弁〜第5電動弁
26a〜26e 第1散布管〜第5散布管
27 装置ユニット
28 畜舎
28a〜26e 第1畜舎〜第5畜舎
29 制御盤
30 電源系
31 敷料・床材
32 スプレーノズル
Claims (6)
- 薬液を散布することにより畜舎内を消臭する薬液散布装置であって、
薬液散布装置は、ミネラルを含む薬液を上水道水で所定濃度に希釈して希釈液を生成する希釈手段と、
希釈液を複数の畜舎に送液する送液手段と、
希釈液を畜舎内上部から床部に小雨状にして散布する散布手段と、
希釈手段、送液手段及び散布手段を制御する制御する制御手段と、を備え、
制御手段は、希釈手段で希釈液を生成すると共に送液手段を駆動することにより希釈液を圧送することで散布手段によって畜舎内に散布するように制御することを特徴とする消臭用薬液散布装置。 - 前記散布手段は、制御手段での自動制御により所定時間毎に所定量散布することを特徴とする請求項1に記載の消臭用薬液散布装置。
- ミネラルを含む薬液にはキトサンを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の消臭用薬液散布装置。
- ミネラルを含む薬液を上水道水で所定濃度に希釈した希釈液を生成し、
希釈液をポンプにより複数の畜舎に送液し、
希釈液を小雨状にして各畜舎の上部から床部に散布することを特徴とする消臭用薬液散布方法。 - 前記希釈液の散布は、自動制御により所定時間毎に所定量実施することを特徴とする請求項4に記載の消臭用薬液散布方法。
- ミネラルを含む薬液にはキトサンを含有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の消臭用薬液散布方法。
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