JP2015119258A - 弾性波フィルタ装置 - Google Patents

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Hideki Iwamoto
英樹 岩本
岡田 圭司
Keiji Okada
圭司 岡田
毅 山根
Takeshi Yamane
毅 山根
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Abstract

【課題】フィルタ特性の急峻性が高い弾性波フィルタ装置を提供する。【解決手段】弾性波フィルタ装置は、縦結合共振子型弾性波フィルタ部20を備えている。縦結合共振子型弾性波フィルタ部20は、それぞれ複数本の電極指21f〜23f、21h〜23hを有する第1〜第3のIDT電極21〜23と、第1及び第2の反射器24,25とを有する。第1〜第3のIDT電極21〜23のそれぞれは、他のIDT電極と弾性波伝搬方向に隣接している端部に、該IDT電極の残りの部分の電極指の周期よりも電極指の周期が小さい狭ピッチ部21c、22c、22d、23cを有する。第2のIDT電極22の第1のIDT電極21側に位置する狭ピッチ部22cにおける電極指22f、22hの本数と、第2のIDT電極22の第3のIDT電極23側に位置する狭ピッチ部22dにおける電極指22f、22hの本数とが相互に異なっている。【選択図】図3

Description

本発明は、弾性波フィルタ装置に関し、特に、弾性波伝搬方向に沿って配列されている第1〜第3のIDT電極を有する3IDT型の縦結合共振子型弾性波フィルタ装置に関する。
縦結合共振子型弾性波フィルタ部を有する弾性波フィルタ装置は、小型・軽量でフィルタ特性が優れているため、近年、携帯通信端末のRF段やIF段のフィルタなどとして多用されている。例えば、下記の特許文献1には、3IDT型の縦結合共振子型弾性波フィルタ部を有する弾性波フィルタ装置の一例が開示されている。
図18は、特許文献1に開示された弾性波フィルタ装置の構成図である。図18に示すように、弾性波フィルタ装置100は、直列に接続された第1及び第2の3IDT型縦結合共振子型弾性波フィルタ部101,102を備えている。第1の3IDT型縦結合共振子型弾性波フィルタ部101と第2の3IDT型縦結合共振子型弾性波フィルタ部102との間の接続点103とグラウンド電位との間には、弾性波共振子104が接続されている。
弾性波フィルタ装置100では、弾性波共振子104は、弾性波共振子104の共振周波数が、第1及び第2の3IDT型縦結合共振子型弾性波フィルタ部101,102の通過帯域と阻止帯域との間の過渡帯域内に位置するように構成されている。これにより、フィルタ特性の急峻性が改善されている。
特開平4−54011号公報
上記の特許文献1に開示されているように、接続点103とグラウンド電位との間に弾性波共振子104が接続された弾性波フィルタ装置100では、フィルタ特性の急峻性は、弾性波共振子104のQ値に大きく依存する。フィルタ特性の急峻性をより高くするためには、弾性波共振子104のQ値をより大きくする必要がある。しかしながら、弾性波共振子104のQ値は、圧電基板や電極材料によりほぼ決定されるため、弾性波共振子104のQ値を大きくすることには限界があった。従って、弾性波共振子104を設けることのみによっては、近年求められているようなフィルタ特性のさらに高い急峻性を実現することは困難であった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解決し、フィルタ特性の急峻性が高い弾性波フィルタ装置を提供することにある。
本発明のある広域な局面では、弾性波フィルタ装置は、圧電膜/低音速膜/高音速膜/支持基板の積層構造からなる積層基板と、縦結合共振子型弾性波フィルタ部とを備えている。縦結合共振子型弾性波フィルタ部は、第1〜第3のIDT電極と、第1及び第2の反射器とを有する。第1〜第3のIDT電極は、積層基板上において弾性波伝搬方向に沿って形成されている。第1〜第3のIDT電極は、それぞれ複数本の電極指を有する。第1及び第2の反射器は、積層基板上において第1〜第3のIDT電極が形成された領域の弾性波伝搬方向の両側に形成されている。第1〜第3のIDT電極のそれぞれは、他のIDT電極と弾性波伝搬方向に隣接している端部に、該IDT電極の残りの部分の電極指の周期よりも電極指の周期が小さい狭ピッチ部を有する。第2のIDT電極の第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数と、第2のIDT電極の第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数とが相互に異なっている。
本発明のある特定の局面では、第2のIDT電極の第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数と、第2のIDT電極の第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数とが、2本以上異なっている。この構成によれば、フィルタ特性の急峻性をより高くすることができる。
本発明の他の特定の局面では、第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期と、第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期とが相互に異なっている。この構成によれば、通過帯域内におけるスパイクリップルを抑圧することができ、良好な周波数特性を得ることができる。
本発明の別の特定の局面では、第2のIDT電極の第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数が、第2のIDT電極の第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数よりも少なく、第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期が、第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期よりも小さい。この構成によれば、通過帯域と阻止帯域との間の過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めると共に、通過帯域内におけるスパイクリップルを抑圧することができる。
本発明のさらに他の特定の局面では、第2のIDT電極の第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数が、第2のIDT電極の第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数よりも少なく、第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期と第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期とのうちの少なくとも一方が一定ではなく、第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期の平均値が、第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期の平均値よりも小さい。この構成によれば、通過帯域と阻止帯域との間の過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めると共に、通過帯域内におけるスパイクリップルを抑圧することができる。
本発明のさらに別の特定の局面では、第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数と、第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数とが相互に異なっている。
本発明の他の特定の広域な局面では、弾性波フィルタ装置は、圧電膜/低音速膜/高音速膜/支持基板の積層構造からなる積層基板と、縦結合共振子型弾性波フィルタ部とを備えている。縦結合共振子型弾性波フィルタ部は、第1〜第3のIDT電極と、第1及び第2の反射器とを有する。第1〜第3のIDT電極は、積層基板上において弾性波伝搬方向に沿って形成されている。第1〜第3のIDT電極は、それぞれ複数本の電極指を有する。第1及び第2の反射器は、積層基板上において第1〜第3のIDT電極が形成された領域の弾性波伝搬方向の両側に形成されている。第1〜第3のIDT電極のそれぞれは、他のIDT電極と弾性波伝搬方向に隣接している端部に、該IDT電極の残りの部分の電極指の周期よりも電極指の周期が小さい狭ピッチ部を有する。第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数と、第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数とが相互に異なっている。
本発明のまた他の特定の局面では、第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数と、第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数とが、2本以上異なっている。この構成によれば、フィルタ特性の急峻性をより高くすることができる。
本発明のまた別の特定の局面では、第2のIDT電極の第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期と、第2のIDT電極の第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期とが相互に異なっている。この構成によれば、通過帯域内におけるスパイクリップルを抑圧することができ、良好な周波数特性を得ることができる。
本発明のさらにまた他の特定の局面では、第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数が、第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数よりも少なく、第2のIDT電極の第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期が、第2のIDT電極の第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期よりも小さい。この構成によれば、通過帯域と阻止帯域との間の過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めると共に、通過帯域内におけるスパイクリップルを抑圧することができる。
本発明のさらにまた別の特定の局面では、第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数が、第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数よりも少なく、第2のIDT電極の第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期と第2のIDT電極の第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期とのうちの少なくとも一方が一定ではなく、第2のIDT電極の第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期の平均値が、第2のIDT電極の第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期の平均値よりも小さい。この構成によれば、通過帯域と阻止帯域との間の過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めると共に、通過帯域内におけるスパイクリップルを抑圧することができる。
本発明のまたさらに他の特定の局面では、第1〜第3のIDT電極の狭ピッチ部は、縦結合共振子型弾性波フィルタ部の1次の共振モードに起因する減衰極の周波数が、縦結合共振子型弾性波フィルタ部の通過帯域と阻止帯域との間に位置する過渡帯域内に位置するように構成されている。
本発明では、第2のIDT電極の第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数と、第2のIDT電極の第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数とが相互に異なっているか、または第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数と、第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数とが相互に異なっているので、縦結合共振子型弾性波フィルタ部において1次の共振モードが発生し、この1次の共振モードにより通過帯域と阻止帯域との間に位置する過渡帯域における挿入損失が増大するため、フィルタ特性の急峻性を高めることができ、よって、良好なフィルタ特性を有する弾性波フィルタ装置を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る弾性波フィルタ装置の模式的構成図である。 図2(A)は、第1の実施形態に係る弾性波フィルタ装置の要部断面図である。図2(B)、図2(C)は、その変形例である。 図3は、第1の実施形態における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の模式的構成図である。 図4は、第1の実施形態における第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の模式的構成図である。 図5は、第1の実施例及び第1の比較例のそれぞれにおける弾性波フィルタ装置の挿入損失を表すグラフである。 図6は、第2及び第3の実施例並びに第1の比較例のそれぞれにおける第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を表すグラフである。 図7は、第4及び第5の実施例並びに第2の実施例のそれぞれにおける第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を表すグラフである。 図8は、狭ピッチ部が設けられていない3IDT型の縦結合共振子型弾性波フィルタ部における各共振モードの電流分布を表す模式図である。図8(a)は、0次の共振モードの電流分布を表す模式図である。図8(b)は、2次の共振モードの電流分布を表す模式図である。図8(c)は、I−I間の共振モードの電流分布を表す模式図である。図8(d)は、1次の共振モードの電流分布を表す模式図である。 図9は、第1の比較例の弾性波フィルタ装置において縦結合共振子型弾性波フィルタ部のみの電気的特性を取り出し、特性インピーダンスを外して共振モードの共振点を確認した図である。 図10は、インピーダンスを1Ωとした場合の、狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数との差と、1次の共振モードに起因する減衰極の大きさとの関係を表すグラフである。 図11は、参考例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を表すグラフである。 図12は、第2の実施形態における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の略図的構成図である。 図13は、第2の実施形態における第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の略図的構成図である。 図14は、第6及び第7の実施例並びに第2の比較例のそれぞれにおける第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を表すグラフである。 図15は、第8及び第9の実施例並びに第6の実施例のそれぞれにおける第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を表すグラフである。 図16は、インピーダンスを1Ωとした場合の、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数との差と、1次の共振モードに起因する減衰極の大きさとの関係を表すグラフである。 図17は、第10の実施例及び第1の比較例のそれぞれにおける弾性波フィルタ装置の挿入損失を表すグラフである。 図18は、特許文献1に開示された縦結合共振子型弾性波フィルタ装置の構成図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(第1の実施形態)
本実施形態に係る弾性波フィルタ装置1は、平衡−不平衡変換機能を有するUMTS−band2用受信フィルタである。弾性波フィルタ装置1では、不平衡信号端子2のインピーダンスが50Ω、第1及び第2の平衡信号端子3,4のインピーダンスが100Ωである。UMTS−band2用受信フィルタの送信周波数帯域は1.85〜1.91GHzであり、受信周波数帯域は1.93〜1.99GHzである。
本実施形態の弾性波フィルタ装置1は、例えば弾性表面波や弾性境界波などの弾性波を利用した弾性波フィルタ装置である。図1に本実施形態の弾性波フィルタ装置1の模式的構成図を示す。また、図2(A)に、第1の実施形態に係る弾性波フィルタ装置1の要部断面図を示す。なお、図1では、IDT電極やグレーティング反射器は簡略的に描画されており、描画されているIDT電極やグレーティング反射器における電極指の本数は実際における電極指の本数よりも少ない。また、図1では、第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30のIDT電極及びグレーティング反射器は、矩形内に「×」記号が付された記号により模式的に描画している。
図1及び図2(A)に示すように、弾性波フィルタ装置1は、圧電膜904/低音速膜903/高音速膜902/支持基板901の積層構造からなる積層基板9を備え、積層基板9上に第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30と、第1及び第2の直列共振子10,15と、第1及び第2の並列共振子40,45とが形成された構造を有する。
第1縦結合共振子型弾性波フィルタ部20は、IDT電極21、22,23とグレーティング反射器24、25を備えている。
第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部30は、IDT電極31、32、33とグレーティング反射器34、35を備えている。
第1の直列共振子10は、IDT電極11とグレーティング反射器12、13を備えている。
第2の直列共振子15は、IDT電極16とグレーティング反射器17、18を備えている。
第1の並列共振子40は、IDT電極41とグレーティング反射器42、43を備えている。
第2の並列共振子45IDT電極46とグレーティング反射器47、48を備えている。
以下、詳しく説明する。
積層基板9は、支持基板901を有する。支持基板901上に、音速が相対的に高い高音速膜902が積層されている。高音速膜902上に、音速が相対的に低い低音速膜903が積層されている。また、低音速膜903上に圧電膜904が積層されている。この圧電膜904の上面にIDT電極11等、グレーティング反射器12等が積層されている。なお、圧電膜904の下面にIDT電極11等、グレーティング反射器12等が積層されていてもよい。
上記積層基板9は、高音速膜902、低音速膜903、圧電膜904及びIDT電極11等を有する積層構造を支持し得る限り、適宜の材料により構成することができる。このような材料としては、サファイア、リチウムタンタレート、リチュウムニオベイト、水晶等の圧電体、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト等の各種セラミック、ガラス等の誘電体またはシリコン、窒化ガリウム等の半導体及び樹脂基板等を用いることができる。本実施形態では、支持基板901は、ガラスからなる。
上記高音速膜902は、弾性表面波を圧電膜904及び低音速膜903が積層されている部分に閉じ込め、高音速膜902より下の構造に漏れないように機能する。本実施形態では、高音速膜902は、窒化アルミニウムからなる。もっとも、上記弾性波を閉じ込め得る限り、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、DLC膜またはダイヤモンド、前記材料を主成分とする媒質、前記材料の混合物を主成分とする媒質等のさまざまな高音速材料を用いることができる。弾性表面波を圧電膜904及び低音速膜903が積層されている部分に閉じ込めるには、高音速膜902の膜厚は厚いほど望ましく、弾性表面波の波長のλの0.5倍以上、さらには1.5倍以上であることが望ましい。
なお、本明細書において、高音速膜とは、圧電膜904を伝搬する表面波や境界波の弾性波よりも、該高音速膜中のバルク波の音速が高速となる膜を言うものとする。また、低音速膜とは、圧電膜904を伝搬するバルク波よりも、該低音速膜中のバルク波の音速が低速となる膜を言うものとする。また、ある構造上のIDT電極からは様々な音速の異なるモードの弾性波が励振されることになるが、圧電膜904を伝搬する弾性波とは、フィルタや共振子の特性を得るために利用する特定のモードの弾性波を示す。上記バルク波の音速を決定するバルク波のモードは、圧電膜904を伝搬する弾性波の使用モードに応じて定義される。高音速膜902及び低音速膜903がバルク波の伝搬方向に関し等方性の場合には、下記の表1に示すようになる。すなわち、下記の表1の左軸の弾性波の主モードに対し下記の表1の右軸のバルク波のモードにより、上記高音速及び低音速を決定する。P波は縦波であり、S波は横波である。
なお、下記の表1において、U1はP波を主成分とし、U2はSH波を主成分とし、U3はSV波を主成分とする弾性波を意味する。
Figure 2015119258
上記低音速膜903を構成する材料としては圧電膜904を伝搬するバルク波よりも低音速のバルク波音速を有する適宜の材料を用いることができる。このような材料としては、酸化ケイ素、ガラス、酸窒化ケイ素、酸化タンタル、また、酸化ケイ素にフッ素や炭素やホウ素を加えた化合物など、前記材料を主成分とした媒質を用いることができる。
上記低音速膜903及び高音速膜902は、上記のように決定される高音速及び低音速を実現し得る適宜の誘電体材料からなる。
圧電膜904は、本実施形態では、50°YカットのLiTaO3すなわちオイラー角で(0°,140°、0°)のLiTaO3からなり、膜厚は、IDT電極11等の電極周期で定まる弾性表面波の波長をλとすると、0.25λである。もっとも、圧電膜904は、他のカット角のLiTaO3、例えば38.5°YカットのLiTaO3により形成してもよく、あるいはLiTaO3以外の圧電単結晶により形成してもよい。
本願発明では、上記高音速膜902と、圧電膜904との間に上記低音速膜903が配置されているため、弾性波の音速が低下する。弾性波は本質的に低音速な媒質にエネルギーが集中する。従って、圧電膜904内及び弾性波が励振されているIDT電極内への弾性波エネルギーの閉じ込め効果を高めることができる。そのため、低音速膜903が設けられていない場合に比べて、本実施形態によれば、損失を低減し、Q値を高めることができる。また、高音速膜902は、弾性波を圧電膜904及び低音速膜903が積層されている部分に閉じ込め、高音速膜902より下の構造に漏れないように機能している。即ち、本願の構造では、フィルタや共振子の特性を得るために利用する特定のモードの弾性波のエネルギーは圧電膜904及び低音速膜903の全体に分布し、高音速膜902の低音速膜側の一部にも分布し、積層基板9には分布しないことになる。高音速膜902により弾性波を閉じ込めるメカニズムは非漏洩なSH波であるラブ波型の表面波の場合と同様のメカニズムである。
図5(A)では、圧電膜904/低音速膜903/高音速膜902/支持基板901の積層構造で構成された積層基板を示したが、図5(B)に示すように、媒質層905が、支持基板901と高音速膜902との間に積層されていてもよい。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。従って、第1の実施形態の説明を援用することとする。従って、上から順に、IDT電極11等及びグレーティング反射器12等、圧電膜904、低音速膜903、高音速膜902、媒質層905及び支持基板901がこの順序で積層されている。
媒質層905としては、誘電体、圧電体、半導体または金属などのいずれの材料を用いてもよい。その場合であっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。もっとも、媒質層905が金属からなる場合には、比帯域を小さくすることができる。従って、比帯域が小さい用途では、媒質層905が金属からなることが好ましい。
また、図5(C)に示すように、支持基板901と高音速膜902との間に、媒質層905及び媒質層906が積層されていてもよい。すなわち、上から順に、IDT電極11等及びグレーティング反射器12等、圧電膜904、低音速膜903、高音速膜902、媒質層905、媒質層906及び支持基板901がこの順序で積層されている。媒質層905及び媒質層906以外は、第1の実施形態と同様に構成されている。
媒質層905,906は、誘電体、圧電体、半導体または金属などのいずれの材料を用いてもよい。その場合であっても、第1の実施形態の弾性表面波装置と同様の効果を得ることができる。
本実施形態(変形例)では、圧電膜904、低音速膜903、高音速膜902及び媒質層905からなる積層構造と、媒質層906及び支持基板901からなる積層構造を別々に作製した後、両積層構造を接合する。しかる後、IDT電極11等及びグレーティング反射器12等を圧電膜904上に形成する。それによって、各積層構造を作製する際の製造上の制約条件に依存せずに、本実施形態の弾性表面波装置を得ることができる。従って、各層を構成する材料の選択の自由度を高めることができる。
なお、上記2つの積層構造の接合に際しては、任意の接合方法を用いることができる。このような接合構造としては、親水化接合、活性化接合、原子拡散接合、金属拡散接合、陽極接合、樹脂やSOGによる接合などの様々な方法を用いることができる。
積層基板9の上には、第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30と、第1及び第2の直列共振子10,15と、第1及び第2の並列共振子40,45とが形成されている。本実施形態では、第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30と、第1及び第2の直列共振子10,15と、第1及び第2の並列共振子40,45とは、Al電極により形成されている。もっとも、各フィルタ部及び共振子は、Au、Ag、CuなどのAl以外の導電材料により形成されていてもよく、また、複数の導電層の積層体により構成されていてもよい。なお、本実施形態では、圧電膜904は、50°YカットX伝搬LiTaO3により構成されている。
第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20は、不平衡信号端子2と、第1の平衡信号端子3との間に接続されている。一方、第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部30は、不平衡信号端子2と、第2の平衡信号端子4との間に接続されている。
不平衡信号端子2と第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20との間には、第1の直列共振子10が接続されている。第1の直列共振子10は、互いに間挿し合う一対のくし歯電極を有するIDT電極11と、IDT電極11の弾性波伝搬方向の両側に配置された第1及び第2のグレーティング反射器12,13とを備えている。
一方、不平衡信号端子2と第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部30との間には、第2の直列共振子15が接続されている。第2の直列共振子15は、互いに間挿し合う一対のくし歯電極を有するIDT電極16と、IDT電極16の弾性波伝搬方向の両側に配置された第1及び第2のグレーティング反射器17,18とを備えている。
第1及び第2の直列共振子10,15は、第1及び第2の直列共振子10,15の共振周波数が第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30の通過帯域内に位置し、第1及び第2の直列共振子10,15の反共振周波数が第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30の通過帯域と阻止帯域との間の過渡帯域内に位置するように構成されている。これにより、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められている。
第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20と第1の平衡信号端子3との間の接続点5とグラウンド電位との間には、第1の並列共振子40が接続されている。第1の並列共振子40は、互いに間挿し合う一対のくし歯電極を有するIDT電極41と、IDT電極41の弾性波伝搬方向の両側に配置された第1及び第2のグレーティング反射器42,43とを備えている。
一方、第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部30と第2の平衡信号端子4との間の接続点6とグラウンド電位との間には、第2の並列共振子45が接続されている。第2の並列共振子45は、互いに間挿し合う一対のくし歯電極を有するIDT電極46と、IDT電極46の弾性波伝搬方向の両側に配置された第1及び第2のグレーティング反射器47,48とを備えている。
第1及び第2の並列共振子40,45は、第1及び第2の並列共振子40,45の反共振周波数が第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30の通過帯域内に位置し、第1及び第2の並列共振子40,45の共振周波数が第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30の通過帯域低域側の帯域外に位置するように構成されている。これにより、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められている。
次に、第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30の構成について説明する。図3に第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20の模式的構成図を示し、図4に第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部30の模式的構成図を示す。
図1及び図3に示すように、第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20は、積層基板9上において弾性波伝搬方向Dに沿ってこの順番で形成されている第1〜第3のIDT電極21〜23を備えている。第1〜第3のIDT電極21〜23が設けられた領域の弾性波伝搬方向Dの両側には、第1及び第2のグレーティング反射器24,25が形成されている。
図3に示すように、第1のIDT電極21は、互いに間挿し合う第1及び第2のくし歯電極21a、21bを有する。第1及び第2のくし歯電極21a、21bは、バスバー21e、21gと、複数の電極指21f、21hとを有する。第1のIDT電極21の第2のIDT電極22と弾性波伝搬方向Dに隣接している端部には、狭ピッチ部21cが形成されている。狭ピッチ部21cにおける電極指21f、21hの周期P1は、第1のIDT電極21の狭ピッチ部21c以外の部分の電極指21f、21hの周期P5よりも小さくされている。なお、本明細書において、電極指の周期とは、隣接する電極指の弾性波伝搬方向Dに沿った中心間距離を意味する。
第2のIDT電極22は、互いに間挿し合う第1及び第2のくし歯電極22a、22bを有する。第1及び第2のくし歯電極22a、22bは、バスバー22e、22gと、複数の電極指22f、22hとを有する。第2のIDT電極22の第1のIDT電極21と弾性波伝搬方向Dに隣接している端部には、第1のIDT電極側狭ピッチ部22cが形成されている。また、第2のIDT電極22の第3のIDT電極23と弾性波伝搬方向Dに隣接している端部には、第3のIDT電極側狭ピッチ部22dが形成されている。第1のIDT電極側狭ピッチ部22cにおける電極指22f、22hの周期P2は、第2のIDT電極22の第1のIDT電極側狭ピッチ部22cと第3のIDT電極側狭ピッチ部22dとを除いた残りの部分の電極指22f、22hの周期P6よりも小さくされている。同様に、第3のIDT電極側狭ピッチ部22dにおける電極指22f、22hの周期P3も、第2のIDT電極22の第1のIDT電極側狭ピッチ部22cと第3のIDT電極側狭ピッチ部22dとを除いた残りの部分の電極指22f、22hの周期P6よりも小さくされている。
第3のIDT電極23は、互いに間挿し合う第1及び第2のくし歯電極23a、23bを有する。第1及び第2のくし歯電極23a、23bは、バスバー23e、23gと、複数の電極指23f、23hとを有する。第3のIDT電極23の第2のIDT電極22と弾性波伝搬方向Dに隣接している端部には、狭ピッチ部23cが形成されている。狭ピッチ部23cにおける電極指23f、23hの周期P4は、第3のIDT電極23の狭ピッチ部23c以外の部分の電極指23f、23hの周期P7よりも小さくされている。
第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部30は、第2のIDT電極の平衡端子側のくし歯電極の位相が異なること以外は上記第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20と実質的に同じ構成を有している。詳細には、図1及び図4に示すように、第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部30は、積層基板9上において弾性波伝搬方向Dに沿ってこの順番で形成されている第1〜第3のIDT電極31〜33を備えている。第1〜第3のIDT電極31〜33が設けられた領域の弾性波伝搬方向Dの両側には、第1及び第2のグレーティング反射器34,35が形成されている。
図4に示すように、第1のIDT電極31は、互いに間挿し合う第1及び第2のくし歯電極31a、31bを有する。第1及び第2のくし歯電極31a、31bは、バスバー31e、31gと、複数の電極指31f、31hとを有する。第1のIDT電極31の第2のIDT電極32と弾性波伝搬方向Dに隣接している端部には、狭ピッチ部31cが形成されている。狭ピッチ部31cにおける電極指31f、31hの周期P11は、第1のIDT電極31の狭ピッチ部31c以外の部分の電極指31f、31hの周期P15よりも小さくされている。
第2のIDT電極32は、互いに間挿し合う第1及び第2のくし歯電極32a、32bを有する。第1及び第2のくし歯電極32a、32bは、バスバー32e、32gと、複数の電極指32f、32hとを有する。第2のIDT電極32の第1のIDT電極31と弾性波伝搬方向Dに隣接している端部には、第1のIDT電極側狭ピッチ部32cが形成されている。また、第2のIDT電極32の第3のIDT電極33と弾性波伝搬方向Dに隣接している端部には、第3のIDT電極側狭ピッチ部32dが形成されている。第1のIDT電極側狭ピッチ部32cにおける電極指32f、32hの周期P12は、第2のIDT電極32の第1のIDT電極側狭ピッチ部32cと第3のIDT電極側狭ピッチ部32dとを除いた残りの部分の電極指32f、32hの周期P16よりも小さくされている。同様に、第3のIDT電極側狭ピッチ部32dにおける電極指32f、32hの周期P13も、第2のIDT電極32の第1のIDT電極側狭ピッチ部32cと第3のIDT電極側狭ピッチ部32dとを除いた残りの部分の電極指32f、32hの周期P16よりも小さくされている。
第3のIDT電極33は、互いに間挿し合う第1及び第2のくし歯電極33a、33bを有する。第1及び第2のくし歯電極33a、33bのそれぞれは、バスバー33e、33gと、複数の電極指33f、33hとを有する。第3のIDT電極33の第2のIDT電極32と弾性波伝搬方向Dに隣接している端部には、狭ピッチ部33cが形成されている。狭ピッチ部33cにおける電極指33f、33hの周期P14は、第3のIDT電極33の狭ピッチ部33c以外の部分の電極指33f、33hの周期P17よりも小さくされている。
(第1の実施例)
第1の実施例として、上記の第1の実施形態の弾性波フィルタ装置1を以下の設計パラメータに基づいて作製し、挿入損失を測定した。
第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30;
交叉幅:30.4λ(λ:IDT電極の周期により決定される波長=2.0405μm)
第1及び第3のIDT電極21,23,31,33における電極指の本数:39本
狭ピッチ部21c、23c、31c、33cにおける電極指の本数:5本
狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1,P11:1.8885μm
狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4,P14:1.9785μm(狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期よりも0.09μm小さい)
第2のIDT電極22における電極指の本数:43本
第2のIDT電極32における電極指の本数:43本
第1のIDT電極側狭ピッチ部22cにおける電極指の本数:3本
第1のIDT電極側狭ピッチ部32cにおける電極指の本数:3本
第3のIDT電極側狭ピッチ部22dにおける電極指の本数:7本
第3のIDT電極側狭ピッチ部32dにおける電極指の本数:7本
第1及び第3のIDT電極側狭ピッチ部22c、32c、22d、32dにおける電極指の周期P2,P12,P3,P13:2.0118μm
第1及び第2のグレーティング反射器24,25,34,35における電極指の本数:65本
メタライゼーションレシオ:0.68
電極膜厚:0.091λ
第1及び第2の直列共振子10,15;
交叉幅:11.0λ(λ=1.9528μm)
IDT電極11,16における電極指の本数:71本
第1及び第2のグレーティング反射器12,13,17,18における電極指の本数:18本
メタライゼーションレシオ:0.60
電極膜厚:0.095λ
第1及び第2の並列共振子40,45;
交叉幅:15.0λ(λ=2.0476μm)
IDT電極41,46における電極指の本数:111本
第1及び第2のグレーティング反射器42,43,47,48における電極指の本数:18本
メタライゼーションレシオ:0.60
電極膜厚:0.091λ
また、第1の比較例として、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数とが共に4本であり、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1が狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4と等しいこと以外は上記第1の実施例と同じ設計パラメータの弾性波フィルタ装置を作製し、挿入損失を測定した。
図5に第1の実施例及び第1の比較例のそれぞれにおける弾性波フィルタ装置の挿入損失を示す。なお、図5において、実線は第1の実施例の弾性波フィルタ装置の挿入損失を示し、一点鎖線が第1の比較例の弾性波フィルタ装置の挿入損失を示す。
図5に示すように、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数とが異なる第1の実施例の方が、第1の比較例よりも低域側過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高かった。具体的には、低域側過渡帯域において、挿入損失が3.5dBとなる周波数から挿入損失が47dBとなる周波数までの間の間隔が、第1の実施例の方が第1の比較例よりも2MHz小さくなっていた。この結果から、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数とを異ならしめることにより過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができることがわかる。
また、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期が狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期よりも0.09μm小さくされている第1の実施例では、通過帯域に大きなスパイクリップルが観察されなかった。この結果から、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数が第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数と異なっている場合であっても、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期を狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期よりも小さくすることによって、通過帯域におけるスパイクリップルを抑圧でき、通過帯域における良好な周波数特性と過渡帯域におけるフィルタ特性の高い急峻性とを両立できることがわかる。
(第2及び第3の実施例)
第2の実施例として、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1を、狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4とを等しくしたこと以外は、上記第1の実施例と同様の設計パラメータの弾性波フィルタ装置を作製した。そして、第2の実施例の弾性波フィルタ装置における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を測定した。
また、第3の実施例として、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数を5本にしたこと以外は、上記の第2の実施例と同様の設計パラメータの弾性波フィルタ装置を作製した。そして、第3の実施例の弾性波フィルタ装置における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を測定した。
図6に第2及び第3の実施例並びに第1の比較例のそれぞれにおける第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示す。なお、図6において、実線が第2の実施例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示し、一点鎖線が第3の実施例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示し、二点鎖線が第1の比較例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示す。
図6に示すように、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数とが異なる第2及び第3の実施例では、周波数1.92GHz付近に1次の共振モードに起因する減衰極が確認された。また、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数と第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数との差が4本である第2の実施例の方が、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数と第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数との差が2本である第3の実施例よりも大きな減衰極が確認された。この結果から、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数と第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数との差を大きくすることにより、1次の共振モードに起因する減衰極を大きくできるため、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性をより高めることができることがわかる。
また、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数と第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数とが異なる第2及び第3の実施例では、周波数1.98GHz付近にスパイクリップルが確認された。また、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数と第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数の差が4本である第2の実施例の方が、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数と第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数との差が2本である第3の実施例よりも大きなスパイクリップルが確認された。
(第4及び第5の実施例)
第4及び第5の実施例として、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1,P11と狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4,P14との差を変更したこと以外は、上記の第1の実施例と同様の設計パラメータの弾性波フィルタ装置を作製した。具体的には、第4の実施例では、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1,P11を狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4,P14よりも0.04μm小さくした。第5の実施例では、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1,P11を狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4,P14よりも0.02μm小さくした。
そして、第4及び第5の実施例の弾性波フィルタ装置のそれぞれにおける第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を測定した。測定結果を図6に示す。なお、図7において、実線は第4の実施例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示し、一点鎖線が上記第2の実施例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示し、二点鎖線が第5の実施例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示す。
図7に示すように、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1,P11が狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4,P14よりも0.04μm小さい第4の実施例の方が、周期P1,P11が周期P4,P14よりも0.02μm小さい第5の実施例よりもスパイクリップルが小さかった。この結果から、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1,P11と狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4,P14との差を大きくすることにより通過帯域におけるスパイクリップルを小さくできることがわかる。
なお、参考例として、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1,P11を狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4,P14よりも大きくしたこと以外は上記の第1の実施例と同様の設計パラメータの弾性波フィルタ装置を作製し、その弾性波フィルタ装置における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を測定した。この場合は、第2の実施例よりも大きなスパイクリップルが確認された。この結果から、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数が第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数よりも少ない場合は、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1,P11を狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4,P14よりも小さくすることにより通過帯域内におけるスパイクリップルを効果的に抑圧できることがわかる。
図8に左右対称に設計された縦結合共振子型弾性波フィルタで発生する、各共振モードの電流分布を示す。3つのIDT電極を有する縦結合共振子型弾性波フィルタでは、図8(a)に示す電流分布により発生する0次の共振モードと、図8(b)に示す電流分布により発生する2次の共振モードと、図8(c)に示す、IDT電極が隣り合う箇所にピークを持つ電流分布により発生する共振モード(以下、「I−I間共振モード」とする。)との3つの共振モードにより通過帯域が形成される。
図9は、上記の第1の比較例の弾性波フィルタ装置において縦結合共振子型弾性波フィルタ部のみの電気的特性を取り出し、特性インピーダンスを外して共振モードの共振点を確認した図である。図9において、0次の共振モードの共振点(周波数約1.935GHz)を符号Aで示す。2次の共振モードの共振点(周波数約1.91GHz)を符号Cで示す。I−I間共振モードの共振点(周波数約1.99GHz)を符号Bで示す。
従来、縦結合共振子型弾性波フィルタの設計パラメータは、左右対称となるように設定されることが一般的であった。それは、縦結合共振子型弾性波フィルタの設計パラメータを左右非対称となるように設計すると、0次の共振モードの共振点と2次の共振モードの共振点との間に共振点が位置する1次の共振モードが生じることにより、減衰極が発生するためである。
より具体的に説明すると、左右対称な設計パラメータを有する3つのIDT電極を有する縦結合共振子型弾性波フィルタにおいては、図8(d)から明らかなように、1次の共振モードの電流分布は、中央に位置するIDT電極のほぼ中央部を境に電流の符号が逆となるので、中央に位置するIDT電極に電流が流れなくなる。従って、1次の共振モードに相当する減衰極が発生しない。それに対して、何らかの設計パラメータを左右非対称にした場合、1次の共振モードに相当する減衰極が発生する。この1次の共振モードに起因する減衰極は通過帯域内に発生するため、従来は、1次の共振モードが発生しないように、設計パラメータは左右対称に設定されるのが一般的であった。
それに対して本実施形態では、第2のIDT電極22,32の第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と第2のIDT電極22,32の第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数とが相互に異なっている。具体的には、本実施形態では、第2のIDT電極22,32の第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数が第2のIDT電極22,32の第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数よりも少なくされている。このため、第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30において、0次の共振モード、2次の共振モード及びI−I間共振モードに加えて1次の共振モードが発生する。本実施形態では、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32c及び第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dは、この1次の共振モードに起因するリップル(減衰極)が第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30の低域側の過渡帯域内に位置するように構成されている。このため、低域側の過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められている。
具体的には、本実施形態では、1次の共振モードに起因する減衰極が0次の共振モードと2次の共振モードとの間の低域側過渡帯域内に位置している。従って、低域側過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められている。
このように、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高くすることによって、周波数に対する製造公差が大きくなり、弾性波フィルタ装置1の製造が容易となる。また、弾性波フィルタ装置1の温度が変化した場合のフィルタ特性の変化を小さくすることができる。
上述のように、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数とを相互に異ならしめることにより、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることができる。しかしながら、この場合、第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30において、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数とを相互に異ならしめて左右非対称とすることによりI−I間共振モードの共振点の位置がずれてしまうことに起因して通過帯域にスパイクリップルが生じる傾向にある。
それに対して本実施形態では、第1のIDT電極21,31の狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1と、第3のIDT電極23,33の狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4とが相互に異ならしめられている。具体的には、周期P1が周期P4よりも小さくされている。これにより、第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30において左右対称性が崩れることによりI−I間共振モードの共振点の位置がずれてしまうことに起因する通過帯域のスパイクリップルを抑圧することができる。
すなわち、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数が第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数よりも少なくされており、かつ狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1が狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4よりも小さくされているため、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められると共に、通過帯域内におけるスパイクリップルを抑圧することができる。
なお、フィルタ特性の急峻性をより高める観点からは、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数との差を大きくすることが好ましい。
狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数との差を何本以上とすることが好ましいかを確認した結果を図10に示す。図10は、インピーダンスを1Ωとした場合の、狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数との差と、1次の共振モードに起因する減衰極の大きさとの関係を表すグラフである。
通過帯域低域側の過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を改善するためには、少なくとも減衰極の大きさを5dB以上とすることが好ましい。図10に示すように、減衰極の大きさを5dB以上とするためには、狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数との差を2本以上とする必要があることがわかる。この結果より、狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数との差を2本以上とすることが好ましいことがわかる。
通過帯域内に発生するスパイクリップルの大きさを抑制するために好ましい周期P1と周期P4との差の最適範囲は、狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数との差によって異なる。このため、通過帯域内に発生するスパイクリップルの大きさを抑制するために好ましい周期P1と周期P4との差は、一概には規定できない。
なお、上記の第1の実施形態では、狭ピッチ部22c、32c、22d、32dにおける電極指の周期が一定である例について説明した。但し、狭ピッチ部22c、32c、22d、32dにおける電極指の周期は必ずしも一定でなくてもよい。例えば、特表2002−528987号公報に記載のように、狭ピッチ部22c、32c、22d、32dにおける電極指の周期を徐々に変化させても良い。また、特開2003−243965号公報に記載のように、狭ピッチ部22c、32c、22d、32dに電極指のピッチが相互に異なる部分を複数設けても良い。これらのように、狭ピッチ部22c、32c、22d、32dにおける電極指の周期が一定ではない場合は、狭ピッチ部22c、32c、22d、32dにおける電極指の周期の平均値を上記の第1の実施形態と同様に設定することにより、通過帯域に位置するスパイクリップルを抑圧する事ができる。
具体的には、狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数が狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数よりも少ない場合には、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期の平均値を、狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期の平均値よりも小さくすることにより、上記の第1の実施形態と同様に、通過帯域のスパイクリップルを抑圧することができる。
上記の第1の実施形態では、狭ピッチ部22cにおける電極指の本数と狭ピッチ部22dにおける電極指の本数とを相互に異ならせる事によって左右非対称性を実現する例について説明した。左右非対称性を実現する手段としては、上記手段以外にも、例えば、第1のIDT電極の狭ピッチ部以外の部分における電極指の本数と、第3のIDT電極の狭ピッチ部以外の部分における電極指の本数とを相互に異ならしめる手段も挙げられる。
そこで、参考例として、上記第1の実施例の第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20において、狭ピッチ部22cにおける電極指の本数と狭ピッチ部22dにおける電極指の本数とを同じにし、第1のIDT電極21の狭ピッチ部21c以外の部分の電極指の本数を4本減らし、第3のIDT電極23の狭ピッチ部23c以外の部分の電極指の本数を4本増やした弾性波フィルタ装置を作成し、挿入損失を測定した。また、比較として、狭ピッチ部22cにおける電極指の本数と狭ピッチ部22dにおける電極指の本数とを同じにすると共に、第1のIDT電極21の狭ピッチ部21c以外の部分の電極指の本数と第3のIDT電極23の狭ピッチ部23c以外の部分の電極指の本数とも同じにした弾性波フィルタ装置を作成し、挿入損失を測定した。その結果を図11に示す。なお、図11では、参考例に係る弾性波フィルタ装置の挿入損失を実線で示し、比較例に係る弾性波フィルタ装置の挿入損失を破線で示している。
図11に示す結果からわかるように、第1のIDT電極の狭ピッチ部以外の部分における電極指の本数と、第3のIDT電極の狭ピッチ部以外の部分における電極指の本数とを相互に異ならしめた場合であっても、1.92GHz付近には大きなリップル(減衰極)が観察されなかった。すなわち、1次の共振モードに相当する減衰極は観察されなかった。この結果から、第1のIDT電極の狭ピッチ部以外の部分における電極指の本数と、第3のIDT電極の狭ピッチ部以外の部分における電極指の本数とを相互に異ならしめることによっては、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めることはできず、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を高めるためには、狭ピッチ部における電極指の本数を異ならしめることにより左右非対称性を実現することが必要であることがわかる。
なお、第1の実施形態では、UMTS−band2用受信フィルタとして使用される弾性波フィルタ装置について説明したが、本発明に係る弾性波フィルタ装置は、UMTS−band2用受信フィルタ以外としても使用できる。本発明に係る弾性波フィルタ装置は、例えば、携帯通信端末のRF段やIF段のフィルタなどとしても好適に用いられる。また、本発明に係る弾性波フィルタ装置は、平衡−不平衡変換機能を有さないものであってもよい。
(第2の実施形態)
本実施形態では、狭ピッチ部21c、31c、22c、32c、22d、32d、23c、33cの構成を除いては上記の第1の実施形態に係る弾性波フィルタ装置1と同様の構成を有する弾性波フィルタ装置について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記の第1の実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符合で参照し、説明を省略する。また、図1を共通に参照する。
図12は、第2の実施形態の第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20の略図的構成図である。図13は、第2の実施形態の第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部30の略図的構成図である。図12及び図13に示すように、本実施形態では、上記の第1の実施形態とは異なり、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数と、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数とは同じとされている。一方、第1のIDT電極21,31の狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数と、第3のIDT電極23,33の狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数とが相互に異ならしめられている。具体的には、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数は、狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数よりも少なくされている。
この構成においても、第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30において1次の共振モードが発生する。本実施形態では、この1次の共振モードに起因する減衰極(周波数特性のピーク)が第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30の過渡帯域内に位置するように狭ピッチ部21c、31c、22c、32c、22d、32d、23c、33cが構成されている。従って、上記の第1の実施形態と同様に、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められている。
なお、本実施形態のように、第1のIDT電極21,31の狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数と、第3のIDT電極23,33の狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数とが相互に異なる場合においても、1次の共振モードが発生することに起因するスパイクリップルが通過帯域に生じる傾向にある。
それに対して本実施形態では、第2のIDT電極22,32における第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の周期P2と、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の周期P3とが相互に異ならしめられている。具体的には、周期P2が周期P3よりも小さくされている。これにより、第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30において1次の共振モードが発生することに起因する通過帯域のスパイクリップルを抑圧することができる。
すなわち、第1のIDT電極21,31の狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数が第3のIDT電極23,33の狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数よりも少なくされており、かつ周期P2が周期P3よりも小さくされているため、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高められると共に、通過帯域内におけるスパイクリップルを抑圧することができる。
なお、フィルタ特性の急峻性をより高める観点からは、第1のIDT電極21,31の狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数と、第3のIDT電極23,33の狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数との差を大きくすることが好ましい。
(第6及び第7の実施例)
第6の実施例として、上記の第2の実施形態における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20を以下の設計パラメータに基づいて作製し、挿入損失を測定した。
交叉幅:30.4λ(λ:IDT電極の周期により決定される波長=2.0118μm)
第1のIDT電極21における電極指の本数:37本
第3のIDT電極23における電極指の本数:41本
狭ピッチ部21cにおける電極指の本数:3本
狭ピッチ部23cにおける電極指の本数:7本
狭ピッチ部21c、23cにおける電極指の周期P1,P4:1.9220μm
第2のIDT電極22における電極指の本数:43本
狭ピッチ部22c、22dにおける電極指の本数:4本
第1のIDT電極側狭ピッチ部22cにおける電極指の周期P2:1.8269μm
第3のIDT電極側狭ピッチ部22dにおける電極指の周期P3:1.8269μm(第1のIDT電極側狭ピッチ部22cにおける電極指の周期と等しい)
第1及び第2のグレーティング反射器24,25,34,35における電極指の本数:65本
メタライゼーションレシオ:0.68
電極膜厚:0.091λ
また、第7の実施例として、上記の第6の実施例とは狭ピッチ部21c、23cにおける電極指の本数のみが異なる第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20を作製し、挿入損失を測定した。具体的には、第7の実施例では、狭ピッチ部21cにおける電極指の本数を4本とし、狭ピッチ部23cにおける電極指の本数を6本とした。
また、第2の比較例として、狭ピッチ部21c、23cにおける電極指の本数を共に5本としたこと以外は上記の第6の実施例と同様の設計パラメータに基づいて第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部を作製し、挿入損失を測定した。
第6及び第7の実施例並びに第2の比較例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を図14に示す。なお、図14において、実線が第6の実施例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示し、一点鎖線が第7の実施例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示し、二点鎖線が第2の比較例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示す。
図14に示すように、狭ピッチ部21cにおける電極指の本数と狭ピッチ部23cにおける電極指の本数とが異なる第6及び第7の実施例では、周波数1.92GHz付近に1次の共振モードに起因する減衰極が確認された。狭ピッチ部21cにおける電極指の本数と狭ピッチ部23cにおける電極指の本数との差が4本である第6の実施例の方が、狭ピッチ部21cにおける電極指の本数と狭ピッチ部23cにおける電極指の本数との差が2本である第7の実施例よりも大きな減衰極が確認された。この結果から、狭ピッチ部21cにおける電極指の本数と狭ピッチ部23cにおける電極指の本数との差を大きくすることにより、1次の共振モードに起因する減衰極を大きくできるため、過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性をより高めることができることがわかる。
狭ピッチ部21cにおける電極指の本数と狭ピッチ部23cにおける電極指の本数とが異なる第6及び第7の実施例では、周波数1.98GHz付近にスパイクリップルが確認された。狭ピッチ部21cにおける電極指の本数と狭ピッチ部23cにおける電極指の本数との差が4本である第6の実施例の方が、狭ピッチ部21cにおける電極指の本数と狭ピッチ部23cにおける電極指の本数との差が2本である第7の実施例よりも大きなスパイクリップルが確認された。
(第8及び第9の実施例)
第8及び第9の実施例として、第1のIDT電極側狭ピッチ部22cにおける電極指の周期P2と、第3のIDT電極側狭ピッチ部22dにおける電極指の周期P3との差以外は、上記の第6の実施例と同様の設計パラメータの第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部を作製した。具体的には、第8の実施例では、第1のIDT電極側狭ピッチ部22cにおける電極指の周期P2を第3のIDT電極側狭ピッチ部22dにおける電極指の周期P3よりも0.04μm小さくした。第9の実施例では、第1のIDT電極側狭ピッチ部22cにおける電極指の周期P2を第3のIDT電極側狭ピッチ部22dにおける電極指の周期P3よりも0.02μm小さくした。
そして、第8及び第9の実施例の第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を測定した。測定結果を図15に示す。なお、図15において、実線は第8の実施例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示し、一点鎖線が第9の実施例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示し、二点鎖線が第6の実施例における第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部の挿入損失を示す。
図15に示すように、第1のIDT電極側狭ピッチ部22cにおける電極指の周期P2が第3のIDT電極側狭ピッチ部22dにおける電極指の周期P3よりも0.04μm小さい第8の実施例の方が、周期P2が周期P3よりも0.02μm小さい第9の実施例よりもスパイクリップルが小さかった。この結果から、第1のIDT電極側狭ピッチ部22cにおける電極指の周期P2と第3のIDT電極側狭ピッチ部22dにおける電極指の周期P3との差を大きくすることにより通過帯域におけるスパイクリップルを小さくできることがわかる。
以下に、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数との差を何本以上とすることが好ましいかを確認した結果を図16に示す。図16は、インピーダンスを1Ωとした場合の、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数との差と、1次の共振モードに起因する減衰極の大きさとの関係を表すグラフである。
通過帯域低域側の過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性を改善するためには、少なくとも減衰極の大きさを5dB以上とすることが好ましい。図16に示すように、減衰極の大きさを5dB以上とするためには、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数との差を2本以上とする必要があることがわかる。この結果より、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数との差を2本以上とすることが好ましいことがわかる。
通過帯域内に発生するスパイクリップルの大きさを抑制するために好ましい周期P2と周期P3との差の最適範囲は、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数と、狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数との差によって異なる。このため、通過帯域内に発生するスパイクリップルの大きさを抑制するために好ましい周期P2と周期P3との差は、一概には規定できない。
なお、上記の第2の実施形態では、狭ピッチ部21c、31c、23c、33cにおける電極指の周期が一定である例について説明した。但し、狭ピッチ部21c、31c、23c、33cにおける電極指の周期は必ずしも一定でなくてもよい。例えば、狭ピッチ部21c、31c、23c、33cにおける電極指の周期を徐々に変化させても良い。また、狭ピッチ部21c、31c、23c、33cに電極指のピッチが相互に異なる部分を複数設けても良い。これらのように、狭ピッチ部21c、31c、23c、33cにおける電極指の周期が一定ではない場合は、狭ピッチ部21c、31c、23c、33cにおける電極指の周期の平均値を上記の第2の実施形態と同様に設定することにより、通過帯域に位置するスパイクリップルを抑圧する事ができる。
具体的には、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数が狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数よりも少ない場合には、狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期の平均値を、狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期の平均値よりも小さくすることにより、上記の第2の実施形態と同様に、通過帯域のスパイクリップルを抑圧することができる。
(第10の実施例)
第10の実施例として、下記パラメータ以外は、上記第1の実施例と同様の設計パラメータを有する弾性波フィルタ装置を作製し、挿入損失を測定した。
第1及び第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部20,30;
交叉幅:32.9λ(λ:IDT電極の周期により決定される波長=2.0412μm)
第1のIDT電極21,31における電極指の本数:38本
狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の本数:3本
第2のIDT電極22,32における電極指の本数:43本
第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の本数:3本
第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の本数:7本
第3のIDT電極23,33における電極指の本数:42本
狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の本数:7本
狭ピッチ部21c、31cにおける電極指の周期P1,P11:1.9560μm(狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期よりも0.085μm小さい)
狭ピッチ部23c、33cにおける電極指の周期P4,P14:2.0410μm
第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cにおける電極指の周期P2,P12:1.7461μm(第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の周期よりも0.087μm小さい)
第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dにおける電極指の周期P3,P13:1.8331μm
図17に第10の実施例における弾性波フィルタ装置の挿入損失を、上記第1の比較例における弾性波フィルタ装置の挿入損失と共に示す。なお、図11において、実線は、第10の実施例の弾性波フィルタの挿入損失を示し、一点破線が第1の比較例の弾性波フィルタ装置の挿入損失を示す。
図11に示すように、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cの方が、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dよりも、電極指の本数が少ないと共に電極指の周期が小さく、かつ、狭ピッチ部21c、31cの方が、狭ピッチ部23c、33cよりも、電極指の本数が少ないと共に電極指の周期が小さい第10の実施例の方が、第1の比較例よりも、低域側過渡帯域におけるフィルタ特性の急峻性が高かった。具体的には、低域側過渡帯域において、挿入損失が3.5dBとなる周波数から挿入損失が47dBとなる周波数までの間の間隔が、第10の実施例の方が第1の比較例よりも3.7MHz小さくなっていた。また、第10の実施例では、通過帯域に大きなスパイクリップルが観察されなかった。
この結果から、第1のIDT電極側狭ピッチ部22c、32cの方が、第3のIDT電極側狭ピッチ部22d、32dよりも、電極指の本数が少ないと共に電極指の周期が小さく、かつ、狭ピッチ部21c、31cの方が、狭ピッチ部23c、33cよりも、電極指の本数が少ないと共に電極指の周期が小さい場合は、通過帯域における良好な周波数特性と過渡帯域におけるフィルタ特性の高い急峻性とを両立できることがわかる。
1…弾性波フィルタ装置
2…不平衡信号端子
3…第1の平衡信号端子
4…第2の平衡信号端子
5,6…接続点
9…積層基板(圧電膜/低音速膜/高音速膜/支持基板の積層構造を備える。)
901…支持基板
902…高音速膜
903…低音速膜
904…圧電膜
905、906…媒質層
10…第1の直列共振子
15…第2の直列共振子
11,16…IDT電極
12,13,17,18…グレーティング反射器
20…第1の縦結合共振子型弾性波フィルタ部
30…第2の縦結合共振子型弾性波フィルタ部
21,31…第1のIDT電極
21a、31a…第1のくし歯電極
21b、31b…第2のくし歯電極
21c、31c…第1のIDT電極の狭ピッチ部
21e、21g、31e、31g…バスバー
21f、21h、31f、31h…電極指
22,32…第2のIDT電極
22a、32a…第1のくし歯電極
22b、32b…第2のくし歯電極
22c、32c…第1のIDT電極側狭ピッチ部
22d、32d…第3のIDT電極側狭ピッチ部
22e、22g、32e、32g…バスバー
22f、22h、32f、32h…電極指
23,33…第3のIDT電極
23a、33a…第1のくし歯電極
23b、33b…第2のくし歯電極
23c、33c…第3のIDT電極の狭ピッチ部
23e、23g、33e、33g…バスバー
23f、23h、33f、33h…電極指
24,34…第1のグレーティング反射器
25,35…第2のグレーティング反射器
40…第1の並列共振子
45…第2の並列共振子
41,46…IDT電極
42,43,47,48…グレーティング反射器
P1,P11…第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期
P2,P12…第2のIDT電極の第1のIDT電極側狭ピッチ部における電極指の周期
P3,P13…第2のIDT電極の第3のIDT電極側狭ピッチ部における電極指の周期
P4,P14…第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期
P5,P15…第1のIDT電極の狭ピッチ部以外の部分における電極指の周期
P6,P16…第2のIDT電極の第1のIDT電極側狭ピッチ部及び第3のIDT電極側狭ピッチ部以外の部分における電極指の周期
P7,P17…第3のIDT電極の狭ピッチ部以外の部分における電極指の周期

Claims (12)

  1. 圧電膜/低音速膜/高音速膜/支持基板の積層構造からなる積層基板と、
    前記積層基板上において弾性波伝搬方向に沿って形成されており、それぞれ複数本の電極指を有する第1〜第3のIDT電極と、前記積層基板上において前記第1〜第3のIDT電極が形成された領域の弾性波伝搬方向の両側に形成された第1及び第2の反射器とを有する縦結合共振子型弾性波フィルタ部とを備えており、
    前記第1〜第3のIDT電極のそれぞれは、他のIDT電極と弾性波伝搬方向に隣接している端部に、該IDT電極の残りの部分の電極指の周期よりも電極指の周期が小さい狭ピッチ部を有しており、
    前記第2のIDT電極の前記第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数と、前記第2のIDT電極の前記第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数とが相互に異なっている、弾性波フィルタ装置。
  2. 前記第2のIDT電極の前記第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数と、前記第2のIDT電極の前記第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数とが、2本以上異なっている、請求項1に記載の弾性波フィルタ。
  3. 前記第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期と、前記第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期とが相互に異なっている、請求項1または2に記載の弾性波フィルタ装置。
  4. 前記第2のIDT電極の前記第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数が、前記第2のIDT電極の前記第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数よりも少なく、前記第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期が、前記第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期よりも小さい、請求項3に記載の弾性波フィルタ装置。
  5. 前記第2のIDT電極の前記第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数が、前記第2のIDT電極の前記第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の本数よりも少なく、前記第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期と前記第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期とのうちの少なくとも一方が一定ではなく、前記第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期の平均値が、前記第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の周期の平均値よりも小さい、請求項3に記載の弾性波フィルタ。
  6. 圧電膜/低音速膜/高音速膜/支持基板の積層構造からなる積層基板と、
    前記積層基板上において弾性波伝搬方向に沿って形成されており、それぞれ複数本の電極指を有する第1〜第3のIDT電極と、前記積層基板上において前記第1〜第3のIDT電極が形成された領域の弾性波伝搬方向の両側に形成された第1及び第2の反射器と有する縦結合共振子型弾性波フィルタ部とを備えており、
    前記第1〜第3のIDT電極のそれぞれは、他のIDT電極と弾性波伝搬方向に隣接している端部に、該IDT電極の残りの部分の電極指の周期よりも電極指の周期が小さい狭ピッチ部を有しており、
    前記第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数と、前記第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数とが相互に異なっている、弾性波フィルタ装置。
  7. 前記第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数と、前記第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数とが相互に異なっている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の弾性波フィルタ装置。
  8. 前記第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数と、前記第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数とが、2本以上異なっている、請求項6または7に記載の弾性波フィルタ。
  9. 前記第2のIDT電極の前記第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期と、前記第2のIDT電極の前記第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期とが相互に異なっている、請求項6〜8のいずれか一項に記載の弾性波フィルタ装置。
  10. 前記第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数が、前記第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数よりも少なく、前記第2のIDT電極の前記第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期が、前記第2のIDT電極の前記第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期よりも小さい、請求項9に記載の弾性波フィルタ装置。
  11. 前記第1のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数が、前記第3のIDT電極の狭ピッチ部における電極指の本数よりも少なく、前記第2のIDT電極の前記第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期と前記第2のIDT電極の前記第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期とのうちの少なくとも一方が一定ではなく、前記第2のIDT電極の前記第1のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期の平均値が、前記第2のIDT電極の前記第3のIDT電極側に位置する狭ピッチ部における電極指の周期の平均値よりも小さい、請求項9に記載の弾性波フィルタ。
  12. 前記第1〜第3のIDT電極の狭ピッチ部は、前記縦結合共振子型弾性波フィルタ部の1次の共振モードに起因する減衰極の周波数が、前記縦結合共振子型弾性波フィルタ部の通過帯域と阻止帯域との間に位置する過渡帯域内に位置するように構成されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の弾性波フィルタ装置。
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