JP2015118930A - 電極および蓄電装置、並びに電子機器 - Google Patents

電極および蓄電装置、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】体積または重量あたりの容量が高い蓄電装置を提供する。または、エネルギー密度の高い蓄電装置を提供する。または、信頼性の高い蓄電装置を提供する。または、寿命の長い蓄電装置を提供する。または、変形による劣化が抑制された蓄電装置用の電極を提供する。または、変形に対して強度の高い丈夫な蓄電装置用の電極を提供する。
【解決手段】第1の絶縁体で覆われた電極であり、第1の絶縁体は袋状または筒状の形状を有し、電極は活物質および第1の膜を有し、活物質は第1の膜で少なくとも一部が覆われ、第1の膜は電解液中のキャリアイオンを通過させ、かつ電解液の溶媒を通過させない電極。
【選択図】図1

Description

本発明は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特に、本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法に関する。特に、本発明の一態様は、電極、または、それらの製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池、リチウムイオンキャパシタ、空気電池等、種々の蓄電装置の開発が盛んに行われている。特に高出力、高エネルギー密度であるリチウムイオン二次電池は、携帯電話やスマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯情報端末、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ等の電気機器、あるいは医療機器、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車など、半導体産業の発展に伴い急速にその需要が拡大し、充電可能なエネルギーの供給源として現代の情報化社会に不可欠なものとなっている。
またスマートフォンで代表される携帯情報端末が活発に開発されている。電子機器の一種である携帯情報端末は軽量、小型であることが使用者の要望が大きい。
場所を選ばず、なおかつ両手の自由が束縛されることなく、視覚を通して情報が得られるウェアラブルデバイスの一例として、特許文献1が開示されている。特許文献1には、通信が可能であり、CPUを含むゴーグル型表示装置が開示されている。特許文献1のデバイスも電子機器の一種に含む。
ウェアラブルデバイスや携帯情報端末は、繰り返し充電または放電が可能な蓄電装置を搭載することが多く、ウェアラブルデバイスや携帯情報端末は、その軽量、小型であるがゆえに、ウェアラブルデバイスや携帯情報端末の操作時間が限られてしまう問題がある。ウェアラブルデバイスや携帯情報端末に搭載する蓄電装置としては、軽量、且つ、小型であり、長時間の使用が可能であることが求められている。
蓄電装置としては、ニッケル水素電池や、リチウムイオン二次電池などが挙げられる。中でも、リチウムイオン二次電池は、高容量、且つ、小型化が図れるため、開発が盛んに行われている。
特開2005−157317号公報
本発明の一態様は、体積または重量あたりの容量が高い蓄電装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、エネルギー密度の高い蓄電装置を提供することを課題の一とする。
または、本発明の一態様は、信頼性の高い蓄電装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、寿命の長い蓄電装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、高速の充放電が可能な蓄電装置を提供することを課題の一とする。
または、本発明の一態様は、変形による劣化が抑制された蓄電装置用の電極を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、蓄電装置の充放電の繰り返しによる劣化が抑制された蓄電装置用の電極を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、変形に対して強度の高い丈夫な蓄電装置用の電極を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、変形に対して電極の崩落が抑制された蓄電装置用の電極を提供することを課題の一とする。
または、本発明の一態様は、充放電容量の低下を引き起こす不可逆容量の発生を低減し、電極の表面における電解液などの電気化学的な分解を低減又は抑制することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、蓄電装置の充放電の繰り返しにおいて、充放電の副反応として生じる電解液等の分解反応を低減又は抑制することで、蓄電装置のサイクル特性を向上させることを課題の一とする。または、本発明の一態様は、高温下において早まる電解液の分解反応を低減又は抑制し、高温下での充放電における充放電容量の減少を防止することで、蓄電装置の使用温度範囲を拡大することを課題の一とする。
または、本発明の一態様は、安全性の高い蓄電装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、新規な蓄電装置や新規な電極などを提供することを課題の一とする。
または、本発明の一態様は、上記課題の少なくとも一を解決する蓄電装置用電極の製造方法を提供するものである。または、本発明の一態様は、上記課題の少なくとも一を解決する蓄電装置用電極を提供するものである。さらに、本発明の一態様は、上記課題の少なくとも一を解決する蓄電装置を提供するものである。なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、第1の絶縁体で覆われた電極であり、第1の絶縁体は袋状または筒状の形状を有し、電極は活物質および第1の膜を有し、活物質は第1の膜で少なくとも一部が覆われ、第1の膜は電解液中のキャリアイオンを通過させ、かつ電解液の溶媒を通過させない電極である。
また上記構成において、第1の膜は、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルのうちいずれか一以上を有することが好ましい。また上記構成において、第1の膜は0.1nm以上、5nm以下の孔を有することが好ましい。また上記構成において、第1の絶縁体は、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ナイロン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の多孔性絶縁体を有することが好ましい。また上記構成において、第1の絶縁体は、ガラス繊維、またはガラス繊維と高分子繊維を複合した隔膜を有することが好ましい。
または、本発明の一態様は、第1の絶縁体で覆われた電極であり、第1の絶縁体は袋状または筒状の形状を有し、電極は活物質および第2の絶縁体を有し、第2の絶縁体は袋状または筒状の形状を有し、活物質は第2の絶縁体で覆われ、第2の絶縁体は電解液中のキャリアイオンを通過させ、かつ電解液の溶媒を通過させない電極である。
上記構成において、第2の絶縁体は、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルのうちいずれか一以上を有することが好ましい。また上記構成において、第2の絶縁体は0.1nm以上、5nm以下の孔を有することが好ましい。また上記構成において、第1の絶縁体は、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ナイロン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の多孔性絶縁体を有することが好ましい。または上記構成において、第1の絶縁体は、ガラス繊維、またはガラス繊維と高分子繊維を複合した隔膜を有することが好ましい。
または、本発明の一態様は、上記に記載の電極を用いた蓄電装置である。
または、本発明の一態様は、上記に記載の蓄電装置を搭載した電子機器である。
本発明の一態様により、体積または重量あたりの容量が高い蓄電装置を提供することができる。また、本発明の一態様により、エネルギー密度の高い蓄電装置を提供することができる。
また、本発明の一態様により、信頼性の高い蓄電装置を提供することができる。また、本発明の一態様により、寿命の長い蓄電装置を提供することができる。また、本発明の一態様により、高速の充放電が可能な蓄電装置を提供することができる。
また、本発明の一態様により、変形に対する劣化が抑制された蓄電装置用の電極を提供することができる。また、本発明の一態様により、蓄電装置の充放電の繰り返しに対する劣化が抑制された蓄電装置用の電極を提供することができる。また、本発明の一態様により、変形に対して強度の高い丈夫な蓄電装置用の電極を提供することができる。また、本発明の一態様により、変形に対して電極の崩落が抑制された蓄電装置用の電極を提供することができる。
また、本発明の一態様により、充放電容量の低下を引き起こす不可逆容量の発生を低減し、電極の表面における電解液などの電気化学的な分解を低減又は抑制することができる。また、本発明の一態様により、蓄電装置の充放電の繰り返しにおいて、充放電の副反応として生じる電解液等の分解反応を低減又は抑制することで、蓄電装置のサイクル特性を向上させることができる。また、本発明の一態様により、高温下において早まる電解液の分解反応を低減又は抑制し、高温下での充放電における充放電容量の減少を防止することで、蓄電装置の使用温度範囲を拡大することができる。
また、本発明の一態様により、安全性の高い蓄電装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、新規な蓄電装置や新規な電極などを提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
電極体を説明する図。 電極および電極体の断面を説明する図。 電極の断面を説明する図。 電極体を説明する図。 電極および電極体の断面を説明する図。 電極および電極体の断面を説明する図。 薄型の蓄電池の断面および電池の動作を説明する図。 薄型の蓄電池を説明する図。 薄型の蓄電池を説明する図。 電極体を説明する図。 電極の断面を説明する図。 薄型の蓄電池の外観を示す図。 薄型の蓄電池の外観を示す図。 電極体を説明する図。 電極体を説明する図。 電極体を説明する図。 電極体を説明する図。 薄型の蓄電池を説明する図。 薄型の蓄電池を説明する図。 薄型の蓄電池の作製方法を説明する図。 面の曲率半径を説明する図。 フィルムの曲率半径を説明する図。 可撓性を有する薄型の蓄電池を説明する図。 蓄電装置の例を説明するための図。 蓄電装置の例を説明するための図。 蓄電装置の例を説明するための図。 蓄電装置の応用形態を示す図。 蓄電装置の応用形態を示す図。 蓄電装置の応用形態を示す図。 本発明の一態様を説明するブロック図。 本発明の一態様を説明する概念図。 本発明の一態様を説明する回路図。 本発明の一態様を説明する回路図。 本発明の一態様を説明する概念図。 本発明の一態様を説明するブロック図。 本発明の一態様を説明するフローチャート。
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下、詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの説明に限定されず、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書で説明する各図において、膜や層、基板などの厚さや領域の大きさ等の各構成要素の大きさは、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに限定されない。
なお、本明細書等において、第1、第2などとして付される序数詞は、便宜上用いるものであって工程の順番や積層の順番などを示すものではない。また、本明細書等において発明を特定するための事項として固有の名称を示すものではない。
なお、本明細書等で説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を有する部分を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書等において、正極及び負極の双方を併せて電極とよぶことがあるが、この場合、電極は正極及び負極のうち少なくともいずれか一方を示すものとする。また、正極を有する電極体と、負極を有する電極体の双方を併せて電極体とよぶことがあるが、この場合、電極体は、正極を有する電極体および負極を有する電極体のうち、少なくともいずれか一方を示すものとする。
なお、本明細書等において充電レートCとは、二次電池などの蓄電装置を充電する際の速さを表す。例えば、容量X[Ah]の二次電池を定電流充電する際に、充電レート1Cとは、ちょうど1時間で充電終了となる電流値I[A]のことであり、充電レート0.2Cとは、I/5[A](すなわち、ちょうど5時間で充電終了となる電流値)のことである。同様に、放電レート1Cとは、ちょうど1時間で放電終了となる電流値I[A]のことであり、放電レート0.2Cとは、I/5[A](すなわち、ちょうど5時間で放電終了となる電流値)のことである。
(実施の形態1)
本実施の形態では、電極または活物質を袋状の絶縁材料(以下、エンベロープという)で覆う構造について述べる。本発明の一態様は、電極または活物質がエンベロープで覆われた電極体である。また、エンベロープは2層以上の構造を有してもよい。ここで、エンベロープは、袋状ではなく筒状の形状を有していてもよい。
[構成例1]
図1(A)および(B)は、本発明の一態様に係る電極体100を示す図である。図1(A)は図1(B)の破線部の断面を示す。また、図14(B)は、図14(A)の破線部の断面を示す。電極体100は、電極108および電極を覆うエンベロープ105を有する。電極は、集電体101、電極層102を有する。また図2は、電極108、および電極がエンベロープで覆われた電極体100を示す拡大図である。電極層102は、活物質103と、活物質を覆う第1の膜104を有する。
集電体101には、ステンレス、金、白金、亜鉛、鉄、銅、アルミニウム、チタン、マンガン等の金属、及びこれらの合金など、導電性の高い材料を用いることができる。また、シリコン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。集電体101は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜用いることができる。
電極層102は、集電体101の片面又は両面に設けられる。例えば、集電体101の片面に電極層102が設けられた場合の一例を、図16、図17に示す。ここで、図16(A)は、図16(B)の破線部の断面を示す。図17(B)は、図17(A)の破線部の断面を示す。電極層102は、活物質103および活物質表面の少なくとも一部を覆った第1の膜104を有する。
活物質103には、キャリアイオンが挿入及び脱離することにより充放電反応を行うことが可能な材料を用いる。
また、活物質103として粒状の形状をした材料を用いる場合には、電極層102は結着剤や、導電助剤を有してもよい。
ここで粒状とは、例えば球状(粉末状)、板状、角状、柱状、針状又は鱗片状等の形状を含む任意の表面積を有する活物質の外観形状を示す語句である。粒状の活物質は、必ずしも球状である必要はなく、また、それぞれの形状が互いに異なる任意の形状であってもよい。また、以上のような形状である限り、その製造方法は特に限定されない。
粒状の活物質の平均粒径は特に限定されず、通常の平均粒径や粒径分布を有する活物質を用いればよい。平均粒径は例えば10nm以上50μm以下が好ましい。また活物質が2次粒子である場合には、当該2次粒子を構成する1次粒子の平均粒径は、例えば10nm以上1μm以下の範囲であることが好ましい。
電極層102が導電性粒子を有する場合は、例えば天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ等の人造黒鉛、メソフェーズピッチ系炭素繊維、等方性ピッチ系炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック(AB)又はグラフェンなどの炭素材料を用いることができる。また、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金などの金属粉末や金属繊維、導電性セラミックス材料等を用いることができる。
薄片状のグラフェンは、高い導電性を有するという優れた電気特性、及び柔軟性並びに機械的強度という優れた物理特性を有する。そのため、グラフェンを、導電助剤として用いることにより、負極活物質同士の接触点や、接触面積を増大させることができる。
なお、本明細書において、グラフェンは、単層のグラフェン、又は2層以上100層以下の多層グラフェンを含む。単層グラフェンとは、π結合を有する1原子層の炭素分子のシートのことをいう。また、酸化グラフェンとは、上記グラフェンが酸化された化合物のことをいう。なお、酸化グラフェンを還元してグラフェンを形成する場合、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離されずに、一部の酸素はグラフェンに残存する。グラフェンに酸素が含まれる場合、酸素の割合は、X線光電子分光法(XPS)で測定した場合に全体の2atomic%以上20atomic%以下、好ましくは3atomic%以上15atomic%以下である。
また、電極層102が結着剤を有する場合は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアリルアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリル酸ナトリウム、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、イソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリロニトリル等の樹脂材料を用いることができる。
活物質103が負極活物質の場合、材料としては、蓄電分野に一般的な炭素材である黒鉛を用いることができる。黒鉛は、低結晶性炭素として軟質炭素や硬質炭素等が挙げられ、高結晶性炭素として、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解炭素、液晶ピッチ系炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、液晶ピッチ、石油又は石炭系コークス等が挙げられる。
また、負極活物質には上述の炭素材の他、キャリアイオンとの合金化、脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な合金系材料を用いることができる。キャリアイオンがリチウムイオンである場合、合金系材料としては、例えば、Mg、Ca、Al、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Ag、Au、Zn、Cd、Hg及びIn等のうちの少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような元素は黒鉛に対して容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと飛躍的に高い。このため、負極活物質にシリコンを用いることが好ましい。
また、負極活物質にリチウム金属を用いてもよい。リチウム金属は、酸化還元電位が低く、容量が3860mAh/gと大きいため好ましい。
活物質103が正極活物質の場合、材料はキャリアイオンの挿入及び脱離が可能なものであればよく、例えば、LiFeO、LiCoO、LiNiO、LiMn、V、Cr、MnO等の化合物を用いることができる。
または、リチウム含有複合リン酸塩(一般式LiMPO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiMPOの代表例としては、LiFePO、LiNiPO、LiCoPO、LiMnPO、LiFeNiPO、LiFeCoPO、LiFeMnPO、LiNiCoPO、LiNiMnPO(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFeNiCoPO、LiFeNiMnPO、LiNiCoMnPO(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFeNiCoMnPO(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等が挙げられる。
または、一般式LiMSiO(Mは、Fe(II),Mn(II),Co(II),Ni(II)の一以上)等のリチウム含有複合ケイ酸塩を用いることができる。一般式LiMSiOの代表例としては、LiFeSiO、LiNiSiO、LiCoSiO、LiMnSiO、LiFeNiSiO、LiFeCoSiO、LiFeMnSiO、LiNiCoSiO、LiNiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、LiFeNiCoSiO、LiFeNiMnSiO、LiNiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、LiFeNiCoMnSiO(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等が挙げられる。
なお、キャリアイオンとして、リチウム以外のイオン、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウムおよびマグネシウム等のイオンを用いることができる。この場合、上記リチウム含有化合物において、リチウムの代わりに、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウムおよびマグネシウム等を用いてもよい。
図2では、活物質103として複数の粒状の活物質を示している。粒状の活物質103の平均粒径は特に限定されず、通常の平均粒径や粒径分布を有する活物質を用いればよい。活物質103が負極に用いる負極活物質である場合には、平均粒径が例えば1μm以上50μm以下の範囲にある負極活物質を用いることができる。また、活物質103が正極に用いる正極活物質であって正極活物質が2次粒子である場合には、当該2次粒子を構成する1次粒子の平均粒径が10nm以上1μm以下の範囲である正極活物質を用いることができる。
電解液が電気分解されない電位の範囲を電位窓(potential window)という。正極および負極の電極電位は電解液の電位窓内にあることが望ましい。しかしながら例えばシリコンや、黒鉛などの負極活物質の電極電位は多くの電解液の電位窓よりも電位が低く、このため、活物質表面で電解液の分解が生じてしまう。また、正極活物質においても、高温や、電位の高い高電圧条件において電解液との分解反応が生じてしまう。電解液の分解反応は、不可逆な反応であり、蓄電装置の容量損失を招いてしまう。
図2(A)は、集電体101上に電極層102が形成される様子を示している。電極層102は、活物質103と第1の膜104を有する。粒状の活物質103の表面は第1の膜104で覆われている。また、図2(B)は、電極層102がエンベロープ105で覆われている様子を示す。図2(A)に示すように粒子同士が接触している場合には、その間には第1の膜104はなくてもよく、直接接していればよい。粒子同士が直接接することにより、集電体から粒子間へと繋がる導電パスを形成することができる。なお、図2では電極層102は集電体101の両側に形成しているが、片面のみに形成してもよい。また、第1の膜104が電極層102と、集電体101の端面を連続して覆う場合には、第1の膜104は袋状の形状とみなすこともできる。つまり第1の膜104はエンベロープであってもよい。
第1の膜104は、キャリアイオンを通過させ、かつ電解液の溶媒は通過させない。また第1の膜の表面において、電解液の分解は充分に抑えられる程度に第1の膜104の電子導電性は低い。キャリアイオンが第1の膜104を通過することができるため、活物質103は電池反応を行うことができる。一方で、第1の104は電解液を通過させないようにするため、電解液と活物質103との反応を抑制することができる。第1の膜104の厚さは0.5nm以上50nm以下が好ましく、0.5nm以上10nm以下がより好ましい。
また図3に示すように、第1の膜104として、電解質のキャリアイオンが通過できる程度の微小な孔106を有する膜を用いてもよい。孔106の大きさは活物質との界面近傍において、好ましくは0.1nm以上5nm以下、より好ましくは0.1nm以上2nm以下、さらに好ましくは0.2nm以上1nm以下とすればよい。また、第1の膜104の表面側では孔106の大きさは広がっていてもよい。孔径が広がることにより、キャリアイオンを運搬する溶媒が、活物質103の表面近傍まで入り込むことができる。一方、溶媒が活物質103の表面に接すると、充放電に伴い電極電位が溶媒の電位窓を超えたときに溶媒の分解反応が生じ、蓄電装置の容量損失を招いてしまう。よって、溶媒はキャリアイオンの運搬能力を向上するためには活物質103の表面近傍まで入り込めることが好ましいが、一方、活物質表面には接しないことが好ましい。または、接する面積を最小限にすることが好ましい。図3(B)は図3(A)に示す点線で囲まれた領域の拡大図である。
また、第1の膜104は、図11(A)および図11(B)に示すように、例えば活物質表面側には微小な孔106を有する緻密な膜104aを有し、第1の膜の表面側では電解液が通過できる程度の孔を有する膜104bを有する、非対称な構造であってもよい。また、図11においては第1の膜104は、2層を積層する例を示すが、3層以上の膜を積層してもよい。
第1の膜104としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリアミン、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルなどの材料を用いることができる。また、ポリアミドは、例えば芳香族ポリアミドを用いることが好ましい。また、ポリスルホンは、例えばスルホン化ポリスルホンを用いることが好ましい。
また、図2(C)に示すように、エンベロープ105に繊維状の膜を用いてもよい。
電解液はエンベロープ105を通過することができる。エンベロープ105は電解液を通過するための空隙(または空孔ともいう)を有する。エンベロープ105は、多孔質状であってもよい。また、エンベロープ105は、繊維状であってもよい。また、繊維を織った織布状であってもよい。エンベロープ105の厚さは100nm以上500μm以下が好ましく、500nm以上300μm以下がより好ましく、1μm以上50μm以下がさらに好ましい。
エンベロープ105は、正極と負極のショートを防止する役割を有する。エンベロープ105としては、絶縁性の材料を用いる。エンベロープ105としては例えばポリマー材料を用いればよい。エンベロープ105を形成するための材料として、例えばセルロースや、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリブテン、ナイロン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の多孔性絶縁体を用いることができる。また、ガラス繊維等の不織布や、ガラス繊維と高分子繊維を複合した隔膜を用いてもよい。
蓄電装置の充放電に伴い活物質の膨張収縮が大きい材料では、充放電の繰り返しに伴い活物質の集電体からの崩落などが生じることがある。また、蓄電装置の変形の繰り返しに対しても同様に活物質の集電体からの崩落などが生じることがある。このような場合でも、電極がエンベロープ105で覆われていることにより、電極をエンベロープ105が抑える力が働くため、蓄電装置の変形に対して電極層の崩落などを抑えることができる。
なお、本発明の一態様における第1の膜104およびエンベロープ105は、電解液の分解反応により活物質表面に生じる表面皮膜とは明確に区別されるものであり、蓄電装置の充放電を行うよりも以前に、あらかじめ人工的に設けられる。
[構成例1の作製方法]
次に、電極体100の作製方法を示す。まず、集電体101上に活物質層を設ける。ここでは例として、活物質層を塗布法により設ける。
まず、活物質103、結着剤および導電助剤と溶媒とを合わせ、撹拌して第1の混合物を作製する。なお、結着剤または導電助剤は、用いなくともよい。
次に、作製した第1の混合物を集電体上に設ける。次に、乾燥を行う。こうして、集電体上に活物質層を形成することができる。
次に、活物質層を第1の膜104で覆う。第1の膜104は塗布法、ディップコート、スピンコート、電気泳動法、蒸着法、キャスト法などを用いて形成することができる。なお、第1の膜104にポリマーを用いる場合には、ポリマーを溶媒に溶かしてディップコートする方法、ディップコートしたポリマーまたはポリマーの前駆体をさらに架橋する方法などを用いることができる。架橋方法として、例えば界面重縮合などを用いてもよい。
ここで、一例としてPEOをディップコートで形成する方法を示す。PEO、溶媒およびリチウム塩を混合し、溶液を調整する。溶媒としてはPEOを溶解あるいは分散するものを用いればよく、例えばアセトニトリルなどを用いればよい。また、リチウム塩の例としてここではリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(Li(CFSON,略称:LiTFSA)を用いる。次に調整した溶液に集電体および集電体上に形成した活物質層を一定時間浸漬した後に引き上げる。その後、乾燥を行い活物質表面に第1の膜104を形成する。この時、図2(A)に示すように粒子同士が接触している場合には、その間には第1の膜104は形成せずともよい。また、形成する第1の膜104の厚さは、ディップコートに使用する溶液の濃度を変えることにより調整することができる。膜厚を薄くすることにより、電池反応における抵抗を減少することができ、高速の充放電が可能となる。また、ディップコートを用いることにより、電極の空隙内にも液が浸透することができるため、集電体近傍の粒子まで良好に被覆することができる。
第1の膜104は、微小な孔を有してもよい。第1の膜104に微小な孔を形成する一例を示す。ここでは例としてエポキシ樹脂を用いる場合を示す。エポキシ樹脂、硬化剤および第1の溶媒を混ぜた溶液を作製し、ディップコートする。第1の溶媒としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類を用いればよい。その後、加熱等により樹脂を重合させ、第1の膜104となる膜107を形成する。その後、膜107を第2の溶媒に浸漬し、第1の溶媒を除去して孔を形成する。こうして微小な孔を有する第1の膜を形成する。ここで、第1の溶媒は、エポキシ樹脂および硬化剤を溶かすことができ、かつエポキシ樹脂と硬化剤が重合した後、除去することにより孔を形成できる溶剤が好ましい。また、第2の溶媒は、膜107を損傷せず、かつ第1の溶媒を溶出できるものが好ましい。第2の溶媒としては、例えば水、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)などを用いればよい。
また、第1の膜104に微小な孔を形成する場合に、界面重縮合反応を用いてもよい。例えば、第1の膜の前駆体であるモノマーを含む水溶液を塗布した後、架橋剤を含む有機溶媒溶液を塗布し、両者の界面で加熱などにより架橋反応を進めて第1の膜104を形成する。ここで、モノマーとしてはアミンモノマー等を用いるとよい。アミンモノマーとしては、例えばメタフェニレンジアミン、トリアミノベンゼン等、が挙げられる。また、架橋剤としてはカルボン酸ハロゲン化物等を用いるとよい。カルボン酸ハロゲン化物としては、例えばトリメシン酸クロライドなどが挙げられる。
次に、集電体101および電極層102をエンベロープ105で覆う。エンベロープ105は塗布法、ディップコート、スピンコート、電気泳動法、蒸着法、キャスト法などを用いて形成すればよい。なお、エンベロープ105にポリマーを用いる場合には、ポリマーを溶媒に溶かしてディップコートする方法、ディップコートしたポリマーまたはポリマーの前駆体をさらに架橋する方法などを用いることができる。特にディップコートを用いることが好ましい。ディップコートを用いることにより、端面まで膜を形成することができ、エンベロープ、つまり袋状の形状を形成することができる。また、エンベロープは筒状の形状を有してもよい。また、図15に示すように、エンベロープ105は、電極の表面と少なくとも端面の一部を覆えばよい。端面の一部を覆うことにより、電極同士のショートを防ぐことができる。
ディップコートを用いてエンベロープ105を形成することにより、被覆性が高い膜を形成することができる。エンベロープ105は、正極と負極のショート防止の機能を有する。被覆性が高いために、ショートを防止できる必要最低限の薄さにすることができる。また、ディップコートは溶液の濃度を調整することにより容易に膜厚の調整を行うことができる。エンベロープ105を薄くすることにより、正極と負極の距離を縮めることができ、抵抗を減少させることができるために充放電速度を高めることができる。また、エンベロープ105を形成することにより、電極をエンベロープが抑える力が働くため、蓄電装置の変形に対して電極層の崩落などを抑えることができる。
[変形例1]
次に、複数のエンベロープを用いる例について説明する。図4(A)は電極体110を説明する図である。また図5および図6は、電極および電極体の一例を示す。図4(A)に示す通り、電極体110は第2のエンベロープ114および第1のエンベロープ115を有する。第2のエンベロープはキャリアイオンを通過させ、かつ電解液の溶媒は通過させない。
図4(A)において電極体110は、電極118および電極118を覆う第1のエンベロープ115を有する。電極118は、集電体111および電極層112を有する。電極層112は活物質113および第2のエンベロープ114を有する。または、図4(A)において、集電体111および活物質113は、第2のエンベロープ114と第1のエンベロープ115の2層の積層されたエンベロープに覆われている、と表現することもできる。集電体111については、集電体101の記載を参照する。また第1のエンベロープについては、エンベロープ105の記載を参照する。
キャリアイオンは、第2のエンベロープ114を通過することができる。第2のエンベロープ114については、第1の膜104に記載の材料および作製方法を用いることができる。
第2のエンベロープ114は、キャリアイオンを通過させ、かつ電解液の溶媒は通過させない。また第2のエンベロープ114の表面において、電解液の分解は充分に抑えられる程度に第2のエンベロープ114の電子導電性は低い。キャリアイオンが第2のエンベロープ114を通過することができるため、活物質113は電池反応を行うことができる。一方で、第2のエンベロープ114は電解液を通過させないため、電解液と活物質103との反応を抑制することができる。
または、第2のエンベロープ114として、電解質のキャリアイオンが通過できる程度の小さな孔を有する膜を用いてもよい。第2のエンベロープ114が有する孔については、第1の膜104が有する孔106の記載を参照する。
また、第2のエンベロープ114の強度が充分に高い場合には、第1のエンベロープ115を形成しなくてもよい場合もある。
活物質113には薄膜を用いることが好ましい。また、活物質113については、活物質103に記載の材料を用いることができる。
また、活物質113としてリチウム金属などの金属箔を用いてもよい。その場合は、集電体111を省いてもよい。リチウム金属は、酸化還元電位が低く、容量が3860mAh/gと大きいため好ましい。一方、リチウム金属は反応性が高いことや、析出物(デンドライト等)の成長によりショートしやすいことから安全性の確保が難しく、実用化が難しい問題がある。ここでリチウム金属をエンベロープ状の膜で覆うことにより、表面反応を抑制することができ、また析出物の成長を抑制することができる。よって、リチウム金属の安全性を高めることができる。
図5(A)は、集電体111上に薄膜状の活物質113および第2のエンベロープ114を形成する例を示す。図(B)は第2のエンベロープ114上に第1のエンベロープ115を形成する例を示す。
図6(A)は、凸部を有する集電体111上に電極層112を設ける例を示す。電極層112は活物質113および第2のエンベロープ114を有する。集電体111が凸部を有することにより、活物質113の表面積を大きくすることができ、活物質113が充放電により膨張や収縮を繰り返しても応力を緩和することができるため、活物質の崩落などを抑制することができる。また、蓄電装置に曲げなどの変形が加わった場合においても、応力を緩和することができ、電極層に亀裂などが入りにくくなるため、蓄電装置の信頼性を向上し、寿命を長くすることができる。なお、図6においては集電体111の凸部の先端が角を有する場合を示すが、凸部の先端は丸みを有していてもよい。丸みを有することにより、応力集中をより緩和することができる。図6(B)は、第2のエンベロープ114の上に、さらに第1のエンベロープ115を形成する図を示す。ここでは第1のエンベロープ115として繊維状の膜を用いた例を示す。また、図6(B)においては電極層112は集電体の片面に設けられているが、第1のエンベロープ115は集電体の両面を覆う。また、図6(C)は電極層112を集電体の両面に設ける例を示す。
なお、本発明の一態様における第2のエンベロープ114および第1のエンベロープ115は、電解液の分解反応により活物質表面に生じる表面皮膜とは明確に区別されるものであり、蓄電装置の充放電を行うよりも以前に、あらかじめ人工的に設けられる。
[変形例1の作製方法]
次に、電極体110の作製方法を示す。まず集電体上に活物質層を形成する。
ここでは活物質113として薄膜を用いる。活物質に薄膜を用いる場合は、例えばスパッタリング法、CVD法、パルスレーザー堆積法などで形成すればよい。ここでは例として、シリコンを用いる。また、図6に示す構造を形成する場合には、あらかじめマスク等を用いて集電体111をエッチングし、凸部を形成しておく。凸部を形成した後、活物質113を形成する。
次に、活物質113を覆う第2のエンベロープ114を形成する。第2のエンベロープ114は、塗布法、ディップコート、スピンコート、電気泳動法、蒸着法、キャスト法などを用いて形成すればよく、特にディップコートを用いることが好ましい。ディップコートの方法については第1の膜104の記載を参照する。ここで、第2のエンベロープ114の形成にディップコートを用いることにより、集電体111および活物質113の端面の被覆性を向上させることができ、良好なエンベロープ形状を形成することができる。第2のエンベロープ114の作製方法については、第1の膜104の作製方法を参照することができる。
また、第2のエンベロープ114は、微小な孔を有してもよい。孔を有する第2のエンベロープ114の作製方法については、孔を有する第1の膜104の作製方法を参照すればよい。
次に、第2のエンベロープ114を覆う第1のエンベロープ115を形成する。第1のエンベロープ115の形成方法は、エンベロープ105の形成方法を参照すればよい。
また、第2のエンベロープ114と第1のエンベロープ115は、連続工程で作製することもできる。例えば、第2のエンベロープを形成するためのディップコート溶液に集電体111および集電体111上に形成された活物質113を浸漬し、乾燥した後に続けて第1のエンベロープを形成するためのディップコート溶液に浸漬する。あるいは、第2のエンベロープ114が孔を有する場合には、第1のエンベロープ115を同一の溶液で作製し、図4(B)に示すように、一つのエンベロープ116で兼ねてもよい。その場合は、例えば乾燥工程により活物質近傍とエンベロープ116の表面に温度勾配などを設け、エンベロープ116に設ける孔として、活物質界面側の孔径は小さく、エンベロープ116の表面側の孔径は電解液が充分に通過できるように大きくすればよい。ここで、エンベロープ116は、活物質113の表面においては電解液の反応を抑えるエンベロープと、正極と負極のショートを防止するエンベロープが一体となったエンベロープとみなすこともできる。つまり活物質113の表面においては電解液の溶媒の通過を抑制し溶媒と活物質との反応を抑え、エンベロープ116の表面、つまり対極と接する面においては電解液は通過させ正極と負極のショートを防止する、複数の機能を有するエンベロープ116とみなすこともできる。つまりエンベロープ116の活物質113と接する面には緻密な膜を有し、エンベロープ116の表面では電解液の溶媒が充分に通過することのできる多孔質状や繊維状の膜を有する複合膜のような形態でもよい。なお、図4(B)に示す例では、集電体111、活物質113およびエンベロープ116を合わせて電極と呼ぶ場合もある。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
[薄型蓄電池]
本実施の形態では、実施の形態1で示した製造方法により製造した電極体を用いた蓄電装置の構造について、図7乃至図13、および図18乃至21を参照して説明する。
薄型蓄電池の一例について、図7を参照して説明する。図7(A)は薄型の蓄電池500の断面構造を示す。また、図7(B)は、図7(A)で一点鎖線で囲んだ領域516の拡大図である。薄型の蓄電池500は、正極503を有する第1の電極体551と、負極506を有する第2の電極体554と、電解液508と、外装体509と、を有する。外装体509内に設けられた第1の電極体551と第2の電極体554は交互に積層されている。また、外装体509内は、電解液508で満たされている。第1の電極体551または第2の電極体554の少なくともいずれかには、本発明の一態様に係る電極体を用いる。第1の電極体551は正極リード電極510と接合している。また、第2の電極体554は、負極リード電極515と接合している。また、図12に薄型の蓄電池500の外観図を示す。
第1の電極体551および第2の電極体554について、図8を用いて説明する。第1の電極体551は、正極503および正極を覆う第1のエンベロープ552を有する。第1のエンベロープ552は、実施の形態1で示したエンベロープ105や、第1のエンベロープ115を参照する。正極503は、正極集電体501および正極電極層502を有する。正極電極層502は、活物質を覆う膜を有する。該活物質を覆う膜は、実施の形態1で示した第1の膜104を参照する。または正極電極層502は活物質を覆う第3のエンベロープを有してもよい。第3のエンベロープは、実施の形態1で示した第2のエンベロープ114を参照する。また、正極電極層502は、集電体の両面に形成してもよく、片面のみに形成してもよい。
第2の電極体554は、負極506および負極を覆う第2のエンベロープ555を有する。第2のエンベロープ555は、実施の形態1で示したエンベロープ105や、第1のエンベロープ115を参照する。負極506は、負極集電体504および負極電極層505を有する。負極電極層505は、活物質を覆う膜を有する。該活物質を覆う膜は、実施の形態1で示した第1の膜104を参照する。または負極電極層505は活物質を覆う第4のエンベロープを有してもよい。第4のエンベロープは、実施の形態1で示した第2のエンベロープ114を参照する。また、負極電極層505は、集電体の両面に形成してもよく、片面のみに形成してもよい。
また、正極503を有する第1の電極体551と負極506を有する第2の電極体554のうち、いずれか一方のみに本発明の一態様に係る電極体を用いてもよい。図9にその例を示す。図8においては正極503は第1のエンベロープ552で覆われ、負極506は第2のエンベロープ555で覆われているのに対し、図9においては、負極506のみが第2のエンベロープ555で覆われており、正極503はエンベロープで覆われていない。この場合も、第2のエンベロープ555は正極と負極のショートを防止することができる。
なお、図8および図9において、図16や図17で示した電極体100を、少なくとも一部、または、全部に用いてもよい。その場合の例を、図18および図19に示す。負極電極層505と正極電極層502とを、互いに向き合った面にのみ配置することによって、薄くすることが出来る。
薄型の蓄電池500において、外装体509を形成するためのフィルムは金属フィルム(アルミニウム、ステンレス、ニッケル鋼など)、有機材料からなるプラスチックフィルム、有機材料(有機樹脂や繊維など)と無機材料(セラミックなど)とを含むハイブリッド材料フィルム、炭素含有フィルム(カーボンフィルム、グラファイトフィルムなど)などから選ばれる単層フィルムまたはこれら複数からなる積層フィルムを用いる。また、金属フィルムを用いる場合には、表面を絶縁化するために、内面に例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド等の材料等を被覆し、外面に例えばポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を設けた三層構造のフィルムとするとよい。外装体509は熱などを用いて封止すればよい。
また、外部から力を加えて蓄電池500の形状を変化させた場合、蓄電池500の外装体509に外部から曲げ応力が加わり、外装体509の一部が変形または一部破壊が生じる恐れがある。外装体509に凹部または凸部を形成することにより、外装体509に加えられた応力によって生じるひずみを緩和することができる。よって、蓄電池500の信頼性を高めることができる。なお、ひずみとは物体の基準(初期状態)長さに対する物体内の物質点の変位を示す変形の尺度である。外装体509に凹部または凸部を形成することにより、蓄電体の外部から力を加えて生じるひずみによる影響を許容範囲内に抑えることができる。よって、信頼性の良い蓄電体を提供することができる。
外装体509の凹部または凸部は、プレス加工、例えばエンボス加工により形成される。金属フィルムは、エンボス加工を行いやすく、エンボス加工を行って凹部または凸部を形成すると外気に触れる外装体509の表面積が増大するため、放熱効果に優れている。エンボス加工によりフィルム表面(または裏面)に形成された凹部または凸部は、フィルムを封止構造の壁の一部とする空間の容積が可変な閉塞空間を形成する。この閉塞空間は、フィルムの凹部または凸部が蛇腹構造、ベローズ構造となって形成されるとも言える。また、プレス加工の一種であるエンボス加工に限らず、フィルムの一部に浮き彫り(レリーフ)が形成できる手法であればよい。
また、二次電池の封止構造は、1枚の長方形のフィルムを中央で折り曲げて2つの端部を重ね、3辺を接着層で固定して閉塞させる構造や、2枚のフィルムを重ね、フィルムの端面である4辺を接着層で固定して閉塞させる構造とする。
接着層は、熱可塑性フィルム材料、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤、紫外線硬化型接着剤など光硬化型の接着剤、反応硬化型接着剤を用いることができる。これらの接着剤の材質としてはエポキシ樹脂やアクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。
接着層とフィルムを接着し、固定して封止構造を形成する際に圧着を行い、圧着する部分であるフィルムの端部とフィルムの中央部で凹部または凸部の大きさを異ならせる。フィルムの中央部に比べてフィルムの端部の凹部または凸部の大きさを小さくすると、ひずみによる影響を許容範囲内に抑えることができる。
中央部に凹部または凸部を設け、圧着する部分であるフィルムの端部に凹部または凸部を設けない場合には、中央部において二次電池内部の体積膨張があっても大きく膨らむことができる。従って、二次電池の破裂を防止する効果を有する。一方、端部において凹部または凸部がないため、中央部に比べて端部のフレキシブル性、応力の緩和効果が低下する。従って、フィルムの端部にも凹部または凸部を設けることは、ひずみによる影響を許容範囲内に抑えることを助長する。
薄型の蓄電池500は、可撓性を有する構成とし、可撓性を有する部位を少なくとも一部有する電子機器に実装すれば、電子機器の変形に合わせて蓄電池も曲げることができる。また、図7では一例として、正極を有する第1の電極体551と、負極を有する第2の電極体554を、3組積層する構造を示している。勿論、積層する電極体の組は3組に限定されず、3組よりも多くてもよいし、少なくてもよい。積層する電極体の組は、例えば、2組から40組が好ましい。積層する電極体の組数が多い場合には、より多くの容量を有する蓄電池とすることができる。また、積層する電極体の組数が少ない場合には、薄型化でき、可撓性に優れた蓄電池とすることができる。また、図8においては電極層を集電体の両面に形成する例を示したが、電極層は片面のみに形成してもよい。
電解液は、電解質として、キャリアイオンを移送することが可能であり、且つキャリアイオンが安定に存在する材料を用いる。電解質の代表例としては、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等のリチウム塩がある。これらの電解質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンや、アルカリ土類金属イオンの場合、電解質として、上記リチウム塩において、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。
また、電解液の溶媒としては、キャリアイオンの移送が可能な材料を用いる。電解液の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましい。非プロトン性有機溶媒の代表例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つまたは複数を用いることができる。また、電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性等に対する安全性が高まる。また、蓄電池の薄型化及び軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代表例としては、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、フッ素系ポリマー等がある。
また、電解液の溶媒として、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つまたは複数用いることで、蓄電池の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、蓄電池の破裂や発火などを防ぐことができる。イオン液体は、カチオンとアニオンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。電解液に用いる有機カチオンとして、四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、及び四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオンや、イミダゾリウムカチオン及びピリジニウムカチオン等の芳香族カチオンが挙げられる。また、電解液に用いるアニオンとして、1価のアミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレート、パーフルオロアルキルボレート、ヘキサフルオロホスフェート、またはパーフルオロアルキルホスフェート等が挙げられる。
なお、図7では、一例として積層型の構造を示したが、正極を有する第1の電極体と負極を有する第2の電極体が捲回された構造であってもよく、捲回された後に円筒型や角型の外装体に入れ、円筒型の蓄電池や、角型の蓄電池としてもよい。
図7(A)に示すように、正極リード電極510と正極集電体501、負極リード電極515と負極集電体504をそれぞれ超音波接合させてリード電極を外側に露出する。図7(B)に示すように、外装体509を封止する場合に接着性を高めるための樹脂511を外装体509と負極リード電極515の間に挟んでもよい。また、外装体509と正極リード電極510についても同様である。
また、薄型の蓄電池500において、正極集電体501および負極集電体504の一部を外装体509から外側に露出するように配置し、外部との電気的接触を得る端子の役割を兼ねてもよい。
また、図1に示す電極体では集電体の端子部分は中央に位置していたが、図10に示すように端部寄りに端子を配置してもよい。このような電極体を用いた場合の、薄型の蓄電池500の外観図の例を図13に示す。図12では、正極リード電極510と負極リード電極515は、外装体509の向かい合う辺に位置するが、図13では、正極リード電極510と負極リード電極515は同じ辺に位置し、蓄電池を電子機器等に設置した場合に、端子からの引き回し配線をまとめることができ配線の占有面積を減らせるため効率的に配置できる。
図20を用いてリード電極に集電体を溶接する方法を説明する。図20は、図10に示す電極体を用いて薄型の蓄電池500を作製する例を示す。図20(B)は、正極集電体501を正極リード電極510に溶接する例を示す。正極集電体501は、超音波溶接などを用いて接合領域512で正極リード電極510に溶接される。また、正極集電体501は、図20(B)に示す湾曲部513や、図7(A)に示す湾曲部514などを有することにより、蓄電池500の作製後に外から力が加えられて生じる応力を緩和することができ、蓄電池500の信頼性を高めることができる。
上記構成において、二次電池の外装体509は、曲率半径10mm以上好ましくは曲率半径30mm以上の範囲で変形することができる。二次電池の外装体であるフィルムは、1枚または2枚で構成されており、積層構造の二次電池である場合、湾曲させた電池の断面構造は、外装体であるフィルムの2つの曲線で挟まれた構造となる。
面の曲率半径について、図21を用いて説明する。図21(A)において、曲面1700を切断した平面1701において、曲面の形状である曲線1702の一部を円の弧に近似して、その円の半径を曲率半径1703とし、円の中心を曲率中心1704とする。図21(B)に曲面1700の上面図を示す。図21(C)に、平面1701で曲面1700を切断した断面図を示す。曲面を平面で切断するとき、切断する平面により、曲面の形状である曲線の曲率半径は異なるものとなるが、曲面を、最も曲率半径の小さい曲線を有する平面で切断したときにおいて、曲面の断面形状である曲線の曲率半径を面の曲率半径とする。
2枚のフィルムを外装体として電極・電解液など1805を挟む二次電池を湾曲させた場合には、二次電池の曲率中心1800に近い側のフィルム1801の曲率半径1802は、曲率中心1800から遠い側のフィルム1803の曲率半径1804よりも小さい(図22(A))。二次電池を湾曲させて断面を円弧状とすると曲率中心1800に近いフィルムの表面には圧縮応力がかかり、曲率中心1800から遠いフィルムの表面には引っ張り応力がかかる(図22(B))。外装体の表面に凹部または凸部で形成される模様を形成すると、このように圧縮応力や引っ張り応力がかかったとしても、ひずみによる影響を許容範囲内に抑えることができる。そのため、二次電池は、曲率中心に近い側の外装体の曲率半径が10mm以上好ましくは30mm以上となる範囲で変形することができる。
なお、二次電池の断面形状は、単純な円弧状に限定されず、一部が円弧を有する形状にすることができ、例えば図22(C)に示す形状や、波状(図22(D))、S字形状などとすることもできる。二次電池の曲面が複数の曲率中心を有する形状となる場合は、複数の曲率中心それぞれにおける曲率半径の中で、最も曲率半径が小さい曲面において、2枚の外装体の曲率中心に近い方の外装体の曲率半径が、10mm以上好ましくは30mm以上となる範囲で二次電池が変形することができる。
なお、本実施の形態では、蓄電池の外装体としてフィルムを用いたが、外装体として円筒型や角型の缶などを用いてもよい。
ここで図7(C)を用いて蓄電装置の充電時の電流の流れを説明する。リチウムイオンを用いた二次電池を一つの閉回路とみなした時、リチウムイオンの動きと電流の流れは同じ向きになる。なお、リチウムイオンを用いた二次電池では、充電と放電でアノード(陽極)とカソード(陰極)が入れ替わり、酸化反応と還元反応とが入れ替わることになるため、反応電位が高い電極を正極と呼び、反応電位が低い電極を負極と呼ぶ。したがって、本明細書においては、充電中であっても、放電中であっても、正極は「正極」または「+極(プラス極)」と呼び、負極は「負極」または「−極(マイナス極)」と呼ぶこととする。酸化反応や還元反応に関連したアノード(陽極)やカソード(陰極)という用語を用いると、充電時と放電時とでは、逆になってしまい、混乱を招く可能性がある。したがって、アノード(陽極)やカソード(陰極)という用語は、本明細書においては用いないこととする。仮にアノード(陽極)やカソード(陰極)という用語を用いる場合には、充電時か放電時かを明記し、正極(プラス極)と負極(マイナス極)のどちらに対応するものかも併記することとする。
図7(C)に示す蓄電装置は正極402、負極404および電解液406を有する。2つの端子には充電器が接続され、蓄電池400が充電される。蓄電池400の充電が進めば、電極間の電位差は大きくなる。図7(C)では、蓄電池400の外部の端子から、正極402の方へ流れ、蓄電池400の中において、正極402から負極404の方へ流れ、負極から蓄電池400の外部の端子の方へ流れる電流の向きを正の向きとしている。つまり、充電電流の流れる向きを電流の向きとしている。
なお、本発明の一態様は、蓄電池だけでなく、様々な蓄電装置に対して適用させることができる。例えば、蓄電装置の一例としては、電池、二次電池、リチウムイオン二次電池などがあげられる。さらに、蓄電装置の別の例として、キャパシタに適用することもできる。例えば、本発明の一態様の負極と、電気二重層の正極とを組み合わせて、リチウムイオンキャパシタなどのようなキャパシタを構成することも可能である。
[可撓性を有する蓄電池を電子機器に実装する例]
次に、可撓性を有する薄型の蓄電池を電子機器に実装する例を図23に示す。フレキシブルな形状を備える蓄電装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、フレキシブルな形状を備える蓄電装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図23(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、蓄電装置7407を有している。
図23(B)は、携帯電話機7400を湾曲させた状態を示している。携帯電話機7400を外部の力により変形させて全体を湾曲させると、その内部に設けられている蓄電装置7407も湾曲される。また、その時、曲げられた蓄電装置7407の状態を図23(C)に示す。蓄電装置7407は薄型の蓄電池である。蓄電装置7407は端子7408を有する。
図23(D)は、バングル型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置7100は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び蓄電装置7104を備える。また、図23(E)に曲げられた蓄電装置7104の状態を示す。蓄電装置7104は端子7105を有する。
図23(F)は、腕時計型の携帯情報端末の一例を示している。携帯情報端末7200は、筐体7201、表示部7202、バンド7203、バックル7204、操作ボタン7205、入出力端子7206などを備える。
携帯情報端末7200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部7202はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部7202はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部7202に表示されたアイコン7207に触れることで、アプリケーションを起動することができる。
操作ボタン7205は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7200に組み込まれたオペレーションシステムにより、操作ボタン7205の機能を自由に設定することもできる。
また、携帯情報端末7200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯情報端末7200は入出力端子7206を備え、他の情報端末とコネクタを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7206を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子7206を介さずに無線給電により行ってもよい。
携帯情報端末7200の表示部7202には、本発明の一態様の電極部材を備える蓄電装置を有している。例えば、図23(E)に示した蓄電装置7104を、筐体7201の内部に湾曲した状態で、またはバンド7203の内部に湾曲可能な状態で組み込むことができる。
また、図23(G)に示す腕章7500は、図23(B)、図23(D)および図23(F)等に示す電子機器と同じ機能を有する。腕章7500は、衣服に縫い付けてもよい。腕章7500は無線給電可能な形態とすれば、衣服に装着したままで腕章7500へ給電することができる。
[蓄電装置の構造例]
蓄電装置(蓄電池)の構造例について、図24乃至図26を用いて説明する。
図24(A)及び図24(B)は、蓄電装置の外観図を示す図である。蓄電装置は、回路基板900と、蓄電体913と、を有する。蓄電体913には、ラベル910が貼られている。さらに、図24(B)に示すように、蓄電装置は、端子951と、端子952と、を有し、ラベル910の裏にアンテナ914と、アンテナ915と、を有する。
回路基板900は、端子911と、回路912と、を有する。端子911は、端子951、端子952、アンテナ914、アンテナ915、及び回路912に接続される。なお、端子911を複数設けて、複数の端子911のそれぞれを、制御信号入力端子、電源端子などとしてもよい。
回路912は、回路基板900の裏面に設けられていてもよい。なお、アンテナ914及びアンテナ915は、コイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。また、平面アンテナ、開口面アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体アンテナ等のアンテナを用いてもよい。又は、アンテナ914若しくはアンテナ915は、平板状の導体でもよい。この平板状の導体は、電界結合用の導体の一つとして機能することができる。つまり、コンデンサの有する2つの導体のうちの一つの導体として、アンテナ914若しくはアンテナ915を機能させてもよい。これにより、電磁界、磁界だけでなく、電界で電力のやり取りを行うこともできる。
アンテナ914の線幅は、アンテナ915の線幅よりも大きいことが好ましい。これにより、アンテナ914により受電する電力量を大きくできる。
蓄電装置は、アンテナ914及びアンテナ915と、蓄電体913との間に層916を有する。層916は、例えば蓄電体913による電磁界の遮蔽を防止することができる機能を有する。層916としては、例えば磁性体を用いることができる。層916を遮蔽層としてもよい。
なお、蓄電装置の構造は、図24に限定されない。
例えば、図25(A−1)及び図25(A−2)に示すように、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電体913のうち、対向する一対の面のそれぞれにアンテナを設けてもよい。図25(A−1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図25(A−2)は、上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電装置と同じ部分については、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電装置の説明を適宜援用できる。
図25(A−1)に示すように、蓄電体913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914が設けられ、図25(A−2)に示すように、蓄電体913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ915が設けられる。層917は、例えば蓄電体913による電磁界の遮蔽を防止することができる機能を有する。層917としては、例えば磁性体を用いることができる。層917を遮蔽層としてもよい。
上記構造にすることにより、アンテナ914及びアンテナ915の両方のサイズを大きくすることができる。
又は、図25(B−1)及び図25(B−2)に示すように、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電体913のうち、対向する一対の面のそれぞれに別のアンテナを設けてもよい。図25(B−1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図25(B−2)は、上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電装置と同じ部分については、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電装置の説明を適宜援用できる。
図25(B−1)に示すように、蓄電体913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914及びアンテナ915が設けられ、図25(A−2)に示すように、蓄電体913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ918が設けられる。アンテナ918は、例えば、外部機器とのデータ通信を行うことができる機能を有する。アンテナ918には、例えばアンテナ914及びアンテナ915に適用可能な形状のアンテナを適用することができる。アンテナ918を介した蓄電装置と他の機器との通信方式としては、NFCなど、蓄電装置と装置200の間で用いることができる応答方式などを適用することができる。
又は、図26(A)に示すように、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電体913に表示装置920を設けてもよい。表示装置920は、端子919を介して端子911に電気的に接続される。なお、表示装置920が設けられる部分にラベル910を設けなくてもよい。なお、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電装置と同じ部分については、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電装置の説明を適宜援用できる。
表示装置920には、例えば充電中であるか否かを示す画像、蓄電量を示す画像などを表示してもよい。表示装置920としては、例えば電子ペーパー、液晶表示装置、エレクトロルミネセンス(ELともいう)表示装置などを用いることができる。例えば、電子ペーパーを用いることにより表示装置920の消費電力を低減することができる。
又は、図26(B)に示すように、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電体913にセンサ921を設けてもよい。センサ921は、端子922を介して端子911に電気的に接続される。なお、センサ921は、ラベル910の裏側に設けられてもよい。なお、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電装置と同じ部分については、図24(A)及び図24(B)に示す蓄電装置の説明を適宜援用できる。
センサ921としては、例えば、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、又は赤外線を測定することができる機能を有すればよい。センサ921を設けることにより、例えば、蓄電装置が置かれている環境を示すデータ(温度など)を検出し、回路912内のメモリに記憶しておくこともできる。
[電子機器の例]
図27(A)および図27(B)に、2つ折り可能なタブレット型端末の一例を示す。図27(A)および図27(B)に示すタブレット型端末9600は、筐体9630a、筐体9630b、筐体9630aと筐体9630bを接続する可動部9640、表示部9631aと表示部9631bを有する表示部9631、表示モード切り替えスイッチ9626、電源スイッチ9627、省電力モード切り替えスイッチ9625、留め具9629、操作スイッチ9628、を有する。図27(A)は、タブレット型端末9600を開いた状態を示し、図27(B)は、タブレット型端末9600を閉じた状態を示している。
また、タブレット型端末9600は、筐体9630aおよび筐体9630bの内部に蓄電体9635を有する。蓄電体9635は、可動部9640を通り、筐体9630aと筐体9630bに渡って設けられている。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9631aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9626は、縦表示又は横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9625は、タブレット型端末9600に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
また、図27(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルとしてもよい。
図27(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、DCDCコンバータ9636を含む充放電制御回路9634有する。また、蓄電体9635として、本発明の一態様の蓄電体を用いる。
なお、タブレット型端末9600は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630aおよび筐体9630bを重ね合せるように折りたたむことができる。折りたたむことにより、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、タブレット型端末9600の耐久性を高めることができる。また、本発明の一態様の蓄電体を用いた蓄電体9635は可撓性を有し、曲げ伸ばしを繰り返しても充放電容量が低下しにくい。よって、信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図27(A)および図27(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の一面又は二面に効率的な蓄電体9635の充電を行う構成とすることができるため好適である。なお蓄電体9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図27(B)に示す充放電制御回路9634の構成、および動作について図27(C)にブロック図を示し説明する。図27(C)には、太陽電池9633、蓄電体9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、蓄電体9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図27(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、蓄電体9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧又は降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧又は降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにして蓄電体9635の充電を行う構成とすればよい。
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段による蓄電体9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
図28に、他の電子機器の例を示す。図28において、表示装置8000は、本発明の一態様に係る蓄電装置8004を用いた電子機器の一例である。具体的に、表示装置8000は、TV放送受信用の表示装置に相当し、筐体8001、表示部8002、スピーカ部8003、蓄電装置8004等を有する。本発明の一態様に係る蓄電装置8004は、筐体8001の内部に設けられている。表示装置8000は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8004に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8004を無停電電源として用いることで、表示装置8000の利用が可能となる。
表示部8002には、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などの、半導体表示装置を用いることができる。
なお、表示装置には、TV放送受信用の他、パーソナルコンピュータ用、広告表示用など、全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図28において、据え付け型の照明装置8100は、本発明の一態様に係る蓄電装置8103を用いた電子機器の一例である。具体的に、照明装置8100は、筐体8101、光源8102、蓄電装置8103等を有する。図28では、蓄電装置8103が、筐体8101及び光源8102が据え付けられた天井8104の内部に設けられている場合を例示しているが、蓄電装置8103は、筐体8101の内部に設けられていても良い。照明装置8100は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8103に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8103を無停電電源として用いることで、照明装置8100の利用が可能となる。
なお、図28では天井8104に設けられた据え付け型の照明装置8100を例示しているが、本発明の一態様に係る蓄電装置は、天井8104以外、例えば側壁8105、床8106、窓8107等に設けられた据え付け型の照明装置に用いることもできるし、卓上型の照明装置などに用いることもできる。
また、光源8102には、電力を利用して人工的に光を得る人工光源を用いることができる。具体的には、白熱電球、蛍光灯などの放電ランプ、LEDや有機EL素子などの発光素子が、上記人工光源の一例として挙げられる。
図28において、室内機8200及び室外機8204を有するエアコンディショナーは、本発明の一態様に係る蓄電装置8203を用いた電子機器の一例である。具体的に、室内機8200は、筐体8201、送風口8202、蓄電装置8203等を有する。図28では、蓄電装置8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、蓄電装置8203は室外機8204に設けられていても良い。或いは、室内機8200と室外機8204の両方に、蓄電装置8203が設けられていても良い。エアコンディショナーは、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8203に蓄積された電力を用いることもできる。特に、室内機8200と室外機8204の両方に蓄電装置8203が設けられている場合、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8203を無停電電源として用いることで、エアコンディショナーの利用が可能となる。
なお、図28では、室内機と室外機で構成されるセパレート型のエアコンディショナーを例示しているが、室内機の機能と室外機の機能とを1つの筐体に有する一体型のエアコンディショナーに、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることもできる。
図28において、電気冷凍冷蔵庫8300は、本発明の一態様に係る蓄電装置8304を用いた電子機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、蓄電装置8304等を有する。図28では、蓄電装置8304が、筐体8301の内部に設けられている。電気冷凍冷蔵庫8300は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、蓄電装置8304に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る蓄電装置8304を無停電電源として用いることで、電気冷凍冷蔵庫8300の利用が可能となる。
なお、上述した電子機器のうち、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器などの電子機器は、短時間で高い電力を必要とする。よって、商用電源では賄いきれない電力を補助するための補助電源として、本発明の一態様に係る蓄電装置を用いることで、電子機器の使用時に商用電源のブレーカーが落ちるのを防ぐことができる。
また、電子機器が使用されない時間帯、特に、商用電源の供給元が供給可能な総電力量のうち、実際に使用される電力量の割合(電力使用率と呼ぶ)が低い時間帯において、蓄電装置に電力を蓄えておくことで、上記時間帯以外において電力使用率が高まるのを抑えることができる。例えば、電気冷凍冷蔵庫8300の場合、気温が低く、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われない夜間において、蓄電装置8304に電力を蓄える。そして、気温が高くなり、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われる昼間において、蓄電装置8304を補助電源として用いることで、昼間の電力使用率を低く抑えることができる。
また、蓄電装置を車両に搭載すると、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車を実現できる。
図29において、本発明の一態様を用いた車両を例示する。図29(A)に示す自動車8400は、走行のための動力源として電気モーターを用いる電気自動車である。または、走行のための動力源として電気モーターとエンジンを適宜選択して用いることが可能なハイブリッド自動車である。本発明の一態様を用いることで、航続距離の長い車両を実現することができる。また、自動車8400は蓄電装置を有する。蓄電装置は電気モーターを駆動するだけでなく、ヘッドライト8401やルームライト(図示せず)などの発光装置に電力を供給することができる。
また、蓄電装置は、自動車8400が有するスピードメーター、タコメーターなどの表示装置に電力を供給することができる。また、蓄電装置は、自動車8400が有するナビゲーションシステムなどの半導体装置に電力を供給することができる。
図29(B)に示す自動車8500は、自動車8500が有する蓄電装置にプラグイン方式や非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができる。図29(B)に、地上設置型の充電装置8021から自動車8500に搭載された蓄電装置に、ケーブル8022を介して充電を行っている状態を示す。充電に際しては、充電方法やコネクタの規格等はCHAdeMO(登録商標)やコンボ等の所定の方式で適宜行えばよい。充電装置8021は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、また家庭の電源であってもよい。例えば、プラグイン技術によって、外部からの電力供給により自動車8500に搭載された蓄電装置8024を充電することができる。充電は、ACDCコンバータ等の変換装置を介して、交流電力を直流電力に変換して行うことができる。
また、図示しないが、受電装置を車両に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路や外壁に送電装置を組み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電の方式を利用して、車両どうしで電力の送受信を行ってもよい。さらに、車両の外装部に太陽電池を設け、停車時や走行時に蓄電装置の充電を行ってもよい。このような非接触での電力の供給には、電磁誘導方式や磁界共鳴方式を用いることができる。
本発明の一態様によれば、蓄電装置のサイクル特性が良好となり、信頼性を向上させることができる。また、本発明の一態様によれば、蓄電装置の特性を向上することができ、よって、蓄電装置自体を小型軽量化することができる。蓄電装置自体を小型軽量化できれば、車両の軽量化に寄与するため、航続距離を向上させることができる。また、車両に搭載した蓄電装置を車両以外の電力供給源として用いることもできる。この場合、電力需要のピーク時に商用電源を用いることを回避することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態および実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
上記実施の形態で説明した材料を含む電池セルと組み合わせて用いることができる電池制御ユニット(Battery Management Unit:BMU)、及び該電池制御ユニットを構成する回路に適したトランジスタについて、図30乃至図36を参照して説明する。本実施の形態では、特に直列に接続された電池セルを有する蓄電装置の電池制御ユニットについて説明する。
直列に接続された複数の電池セルに対して充放電を繰り返していくと、電池セル間の特性のばらつきに応じて、容量(出力電圧)が異なってくる。直列に接続された電池セルでは、全体の放電時の容量が、容量の小さい電池セルに依存する。容量にばらつきがあると放電時の容量が小さくなる。また、容量が小さい電池セルを基準にして充電を行うと、充電不足となる虞がある。また、容量の大きい電池セルを基準にして充電を行うと、過充電となる虞がある。
そのため、直列に接続された電池セルを有する蓄電装置の電池制御ユニットは、充電不足や、過充電の原因となる、電池セル間の容量のばらつきを揃える機能を有する。電池セル間の容量のばらつきを揃える回路構成には、抵抗方式、キャパシタ方式、あるいはインダクタ方式等あるが、ここではオフ電流の小さいトランジスタを利用して容量のばらつきを揃えることのできる回路構成を一例として挙げて説明する。
オフ電流の小さいトランジスタとしては、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタ(OSトランジスタ)が好ましい。オフ電流の小さいOSトランジスタを蓄電装置の電池制御ユニットの回路構成に用いることで、電池から漏洩する電荷量を減らし、時間の経過による容量の低下を抑制することができる。
チャネル形成領域に用いる酸化物半導体は、In−M−Zn酸化物(Mは、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、またはNd)を用いる。酸化物半導体膜を成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x:y:zとすると/yは、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であって、z/yは、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。なお、z/yを1以上6以下とすることで、酸化物半導体膜としてCAAC−OS膜が形成されやすくなる。
ここで、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OS膜の明視野像および回折パターンの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察することで複数の結晶部を確認することができる。一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
試料面と略平行な方向から、CAAC−OS膜の断面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、試料面と略垂直な方向から、CAAC−OS膜の平面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
なお、OSトランジスタは、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ(Siトランジスタ)に比べてバンドギャップが大きいため、高電圧を印加した際の絶縁破壊が生じにくい。直列に電池セルを接続する場合、数100Vの電圧が生じることになるが、このような電池セルに適用される蓄電装置の電池制御ユニットの回路構成には、前述のOSトランジスタで構成することが適している。
図30には、蓄電装置のブロック図の一例を示す。図30に示す蓄電装置BT00は、端子対BT01と、端子対BT02と、切り替え制御回路BT03と、切り替え回路BT04と、切り替え回路BT05と、変圧制御回路BT06と、変圧回路BT07と、直列に接続された複数の電池セルBT09を含む電池部BT08と、を有する。
また、図30の蓄電装置BT00において、端子対BT01と、端子対BT02と、切り替え制御回路BT03と、切り替え回路BT04と、切り替え回路BT05と、変圧制御回路BT06と、変圧回路BT07とにより構成される部分を、電池制御ユニットと呼ぶことができる。
切り替え制御回路BT03は、切り替え回路BT04及び切り替え回路BT05の動作を制御する。具体的には、切り替え制御回路BT03は、電池セルBT09毎に測定された電圧に基づいて、放電する電池セル(放電電池セル群)、及び充電する電池セル(充電電池セル群)を決定する。
さらに、切り替え制御回路BT03は、当該決定された放電電池セル群及び充電電池セル群に基づいて、制御信号S1及び制御信号S2を出力する。制御信号S1は、切り替え回路BT04へ出力される。この制御信号S1は、端子対BT01と放電電池セル群とを接続させるように切り替え回路BT04を制御する信号である。また、制御信号S2は、切り替え回路BT05へ出力される。この制御信号S2は、端子対BT02と充電電池セル群とを接続させるように切り替え回路BT05を制御する信号である。
また、切り替え制御回路BT03は、切り替え回路BT04、切り替え回路BT05、及び変圧回路BT07の構成を踏まえ、端子対BT02と充電電池セル群との間で、同じ極性の端子同士が接続されるように、制御信号S1及び制御信号S2を生成する。
切り替え制御回路BT03の動作の詳細について述べる。
まず、切り替え制御回路BT03は、複数の電池セルBT09毎の電圧を測定する。そして、切り替え制御回路BT03は、例えば、所定の閾値以上の電圧の電池セルBT09を高電圧の電池セル(高電圧セル)、所定の閾値未満の電圧の電池セルBT09を低電圧の電池セル(低電圧セル)と判断する。
なお、高電圧セル及び低電圧セルを判断する方法については、様々な方法を用いることができる。例えば、切り替え制御回路BT03は、複数の電池セルBT09の中で、最も電圧の高い、又は最も電圧の低い電池セルBT09の電圧を基準として、各電池セルBT09が高電圧セルか低電圧セルかを判断してもよい。この場合、切り替え制御回路BT03は、各電池セルBT09の電圧が基準となる電圧に対して所定の割合以上か否かを判定する等して、各電池セルBT09が高電圧セルか低電圧セルかを判断することができる。そして、切り替え制御回路BT03は、この判断結果に基づいて、放電電池セル群と充電電池セル群とを決定する。
なお、複数の電池セルBT09の中には、高電圧セルと低電圧セルが様々な状態で混在し得る。例えば、切り替え制御回路BT03は、高電圧セルと低電圧セルが混在する中で、高電圧セルが最も多く連続して直列に接続された部分を放電電池セル群とする。また、切り替え制御回路BT03は、低電圧セルが最も多く連続して直列に接続された部分を充電電池セル群とする。また、切り替え制御回路BT03は、過充電又は過放電に近い電池セルBT09を、放電電池セル群又は充電電池セル群として優先的に選択するようにしてもよい。
ここで、本実施形態における切り替え制御回路BT03の動作例を、図31を用いて説明する。図31は、切り替え制御回路BT03の動作例を説明するための図である。なお、説明の便宜上、図31では4個の電池セルBT09が直列に接続されている場合を例に説明する。
まず、図31(A)の例では、電池セルa乃至dの電圧を電圧Va乃至電圧Vdとすると、Va=Vb=Vc>Vdの関係にある場合を示している。つまり、連続する3つの高電圧セルa乃至cと、1つの低電圧セルdとが直列に接続されている。この場合、切り替え制御回路BT03は、連続する3つの高電圧セルa乃至cを放電電池セル群として決定する。また、切り替え制御回路BT03は、低電圧セルDを充電電池セル群として決定する。
次に、図31(B)の例では、Vc>Va=Vb>>Vdの関係にある場合を示している。つまり、連続する2つの低電圧セルa、bと、1つの高電圧セルcと、1つの過放電間近の低電圧セルdとが直列に接続されている。この場合、切り替え制御回路BT03は、高電圧セルcを放電電池セル群として決定する。また、切り替え制御回路BT03は、低電圧セルdが過放電間近であるため、連続する2つの低電圧セルa及びbではなく、低電圧セルdを充電電池セル群として優先的に決定する。
最後に、図31(C)の例では、Va>Vb=Vc=Vdの関係にある場合を示している。つまり、1つの高電圧セルaと、連続する3つの低電圧セルb乃至dとが直列に接続されている。この場合、切り替え制御回路BT03は、高電圧セルaを放電電池セル群と決定する。また、切り替え制御回路BT03は、連続する3つの低電圧セルb乃至dを充電電池セル群として決定する。
切り替え制御回路BT03は、上記図31(A)乃至(C)の例のように決定された結果に基づいて、切り替え回路BT04の接続先である放電電池セル群を示す情報が設定された制御信号S1と、切り替え回路BT05の接続先である充電電池セル群を示す情報が設定された制御信号S2を、切り替え回路BT04及び切り替え回路BT05に対してそれぞれ出力する。
以上が、切り替え制御回路BT03の動作の詳細に関する説明である。
切り替え回路BT04は、切り替え制御回路BT03から出力される制御信号S1に応じて、端子対BT01の接続先を、切り替え制御回路BT03により決定された放電電池セル群に設定する。
端子対BT01は、対を成す端子A1及びA2により構成される。切り替え回路BT04は、この端子A1及びA2のうち、いずれか一方を放電電池セル群の中で最も上流(高電位側)に位置する電池セルBT09の正極端子と接続し、他方を放電電池セル群の中で最も下流(低電位側)に位置する電池セルBT09の負極端子と接続することにより、端子対BT01の接続先を設定する。なお、切り替え回路BT04は、制御信号S1に設定された情報を用いて放電電池セル群の位置を認識することができる。
切り替え回路BT05は、切り替え制御回路BT03から出力される制御信号S2に応じて、端子対BT02の接続先を、切り替え制御回路BT03により決定された充電電池セル群に設定する。
端子対BT02は、対を成す端子B1及びB2により構成される。切り替え回路BT05は、この端子B1及びB2のうち、いずれか一方を充電電池セル群の中で最も上流(高電位側)に位置する電池セルBT09の正極端子と接続し、他方を充電電池セル群の中で最も下流(低電位側)に位置する電池セルBT09の負極端子と接続することにより、端子対BT02の接続先を設定する。なお、切り替え回路BT05は、制御信号S2に設定された情報を用いて充電電池セル群の位置を認識することができる。
切り替え回路BT04及び切り替え回路BT05の構成例を示す回路図を図32及び図33に示す。
図32では、切り替え回路BT04は、複数のトランジスタBT10と、バスBT11及びBT12とを有する。バスBT11は、端子A1と接続されている。また、バスBT12は、端子A2と接続されている。複数のトランジスタBT10のソース又はドレインの一方は、それぞれ1つおきに交互に、バスBT11及びBT12と接続されている。また、複数のトランジスタBT10のソース又はドレインの他方は、それぞれ隣接する2つの電池セルBT09の間に接続されている。
なお、複数のトランジスタBT10のうち、最上流に位置するトランジスタBT10のソース又はドレインの他方は、電池部BT08の最上流に位置する電池セルBT09の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタBT10のうち、最下流に位置するトランジスタBT10のソース又はドレインの他方は、電池部BT08の最下流に位置する電池セルBT09の負極端子と接続されている。
切り替え回路BT04は、複数のトランジスタBT10のゲートに与える制御信号S1に応じて、バスBT11に接続される複数のトランジスタBT10のうちの1つと、バスBT12に接続される複数のトランジスタBT10のうちの1つとをそれぞれ導通状態にすることにより、放電電池セル群と端子対BT01とを接続する。これにより、放電電池セル群の中で最も上流に位置する電池セルBT09の正極端子は、端子対の端子A1又はA2のいずれか一方と接続される。また、放電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セルBT09の負極端子は、端子対の端子A1又はA2のいずれか他方、すなわち正極端子と接続されていない方の端子に接続される。
トランジスタBT10には、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタはオフ電流が小さいため、放電電池セル群に属しない電池セルから漏洩する電荷量を減らし、時間の経過による容量の低下を抑制することができる。またOSトランジスタは高電圧を印加した際の絶縁破壊が生じにくい。そのため、放電電池セル群の出力電圧が大きくても、非導通状態とするトランジスタBT10が接続された電池セルBT09と端子対BT01とを絶縁状態とすることができる。
また、図32では、切り替え回路BT05は、複数のトランジスタBT13と、電流制御スイッチBT14と、バスBT15と、バスBT16とを有する。バスBT15及びBT16は、複数のトランジスタBT13と、電流制御スイッチBT14との間に配置される。複数のトランジスタBT13のソース又はドレインの一方は、それぞれ1つおきに交互に、バスBT15及びBT16と接続されている。また、複数のトランジスタBT13のソース又はドレインの他方は、それぞれ隣接する2つの電池セルBT09の間に接続されている。
なお、複数のトランジスタBT13のうち、最上流に位置するトランジスタBT13のソース又はドレインの他方は、電池部BT08の最上流に位置する電池セルBT09の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタBT13のうち、最下流に位置するトランジスタBT13のソース又はドレインの他方は、電池部BT08の最下流に位置する電池セルBT09の負極端子と接続されている。
トランジスタBT13には、トランジスタBT10と同様に、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタはオフ電流が小さいため、充電電池セル群に属しない電池セルから漏洩する電荷量を減らし、時間の経過による容量の低下を抑制することができる。またOSトランジスタは高電圧を印加した際の絶縁破壊が生じにくい。そのため、充電電池セル群を充電するための電圧が大きくても、非導通状態とするトランジスタBT13が接続された電池セルBT09と端子対BT02とを絶縁状態とすることができる。
電流制御スイッチBT14は、スイッチ対BT17とスイッチ対BT18とを有する。スイッチ対BT17の一端は、端子B1に接続されている。また、スイッチ対BT17の他端は2つのスイッチで分岐しており、一方のスイッチはバスBT15に接続され、他方のスイッチはバスBT16に接続されている。スイッチ対BT18の一端は、端子B2に接続されている。また、スイッチ対BT18の他端は2つのスイッチで分岐しており、一方のスイッチはバスBT15に接続され、他方のスイッチはバスBT16に接続されている。
スイッチ対BT17及びスイッチ対BT18が有するスイッチは、トランジスタBT10及びトランジスタBT13と同様に、OSトランジスタを用いることが好ましい。
切り替え回路BT05は、制御信号S2に応じて、トランジスタBT13、及び電流制御スイッチBT14のオン/オフ状態の組み合わせを制御することにより、充電電池セル群と端子対BT02とを接続する。
切り替え回路BT05は、一例として、以下のようにして充電電池セル群と端子対BT02とを接続する。
切り替え回路BT05は、複数のトランジスタBT10のゲートに与える制御信号S2に応じて、充電電池セル群の中で最も上流に位置する電池セルBT09の正極端子と接続されているトランジスタBT13を導通状態にする。また、切り替え回路BT05は、複数のトランジスタBT10のゲートに与える制御信号S2に応じて、充電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セルBT09の負極端子に接続されているトランジスタBT13を導通状態にする。
端子対BT02に印加される電圧の極性は、端子対BT01と接続される放電電池セル群、及び変圧回路BT07の構成によって変わり得る。また、充電電池セル郡を充電する方向に電流を流すためには、端子対BT02と充電電池セル群との間で、同じ極性の端子同士を接続する必要がある。そこで、電流制御スイッチBT14は、制御信号S2により、端子対BT02に印加される電圧の極性に応じてスイッチ対BT17及びスイッチ対BT18の接続先をそれぞれ切り替えるように制御される。
一例として、端子B1が正極、端子B2が負極となるような電圧が端子対BT02に印加されている状態を挙げて説明する。この時、電池部BT08の最下流の電池セルBT09が充電電池セル群である場合、スイッチ対BT17は、制御信号S2により、当該電池セルBT09の正極端子と接続されるように制御される。すなわち、スイッチ対BT17のバスBT16に接続されるスイッチがオン状態となり、スイッチ対BT17のバスBT15に接続されるスイッチがオフ状態となる。一方、スイッチ対BT18は、制御信号S2により、当該電池セルBT09の負極端子と接続されるように制御される。すなわち、スイッチ対BT18のバスBT15に接続されるスイッチがオン状態となり、スイッチ対BT18のバスBT16に接続されるスイッチがオフ状態となる。このようにして、端子対BT02と充電電池セル群との間で、同じ極性をもつ端子同士が接続される。そして、端子対BT02から流れる電流の方向が、充電電池セル群を充電する方向となるように制御される。
また、電流制御スイッチBT14は、切り替え回路BT05ではなく、切り替え回路BT04に含まれていてもよい。この場合、電流制御スイッチBT14、制御信号S1に応じて、端子対BT01に印加される電圧の極性を制御することにより、端子対BT02に印加される電圧の極性を制御する。そして、電流制御スイッチBT14は、端子対BT02から充電電池セル群に流れる電流の向きを制御する。
図33は、図32とは異なる、切り替え回路BT04及び切り替え回路BT05の構成例を示す回路図である。
図33では、切り替え回路BT04は、複数のトランジスタ対BT21と、バスBT24及びバスBT25とを有する。バスBT24は、端子A1と接続されている。また、バスBT25は、端子A2と接続されている。複数のトランジスタ対BT21の一端は、それぞれトランジスタBT22とトランジスタBT23とにより分岐している。トランジスタBT22のソース又はドレインの一方は、バスBT24と接続されている。また、トランジスタBT23のソース又はドレインの一方は、バスBT25と接続されている。また、複数のトランジスタ対の他端は、それぞれ隣接する2つの電池セルBT09の間に接続されている。なお、複数のトランジスタ対BT21のうち、最上流に位置するトランジスタ対BT21の他端は、電池部BT08の最上流に位置する電池セルBT09の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタ対BT21のうち、最下流に位置するトランジスタ対BT21の他端は、電池部BT08の最下流に位置する電池セルBT09の負極端子と接続されている。
切り替え回路BT04は、制御信号S1に応じてトランジスタBT22及びトランジスタBT23の導通/非導通状態を切り換えることにより、当該トランジスタ対BT21の接続先を、端子A1又は端子A2のいずれか一方に切り替える。詳細には、トランジスタBT22が導通状態であれば、トランジスタBT23は非導通状態となり、その接続先は端子A1になる。一方、トランジスタBT23が導通状態であれば、トランジスタBT22は非導通状態となり、その接続先は端子A2になる。トランジスタBT22及びトランジスタBT23のどちらが導通状態になるかは、制御信号S1によって決定される。
端子対BT01と放電電池セル群とを接続するには、2つのトランジスタ対BT21が用いられる。詳細には、制御信号S1に基づいて、2つのトランジスタ対BT21の接続先がそれぞれ決定されることにより、放電電池セル群と端子対BT01とが接続される。2つのトランジスタ対BT21のそれぞれの接続先は、一方が端子A1となり、他方が端子A2となるように、制御信号S1によって制御される。
切り替え回路BT05は、複数のトランジスタ対BT31と、バスBT34及びバスBT35とを有する。バスBT34は、端子B1と接続されている。また、バスBT35は、端子B2と接続されている。複数のトランジスタ対BT31の一端は、それぞれトランジスタBT32とトランジスタBT33とにより分岐している。トランジスタBT32により分岐する一端は、バスBT34と接続されている。また、トランジスタBT33により分岐する一端は、バスBT35と接続されている。また、複数のトランジスタ対BT31の他端は、それぞれ隣接する2つの電池セルBT09の間に接続されている。なお、複数のトランジスタ対BT31のうち、最上流に位置するトランジスタ対BT31の他端は、電池部BT08の最上流に位置する電池セルBT09の正極端子と接続されている。また、複数のトランジスタ対BT31のうち、最下流に位置するトランジスタ対BT31の他端は、電池部BT08の最下流に位置する電池セルBT09の負極端子と接続されている。
切り替え回路BT05は、制御信号S2に応じてトランジスタBT32及びトランジスタBT33の導通/非導通状態を切り換えることにより、当該トランジスタ対BT31の接続先を、端子B1又は端子B2のいずれか一方に切り替える。詳細には、トランジスタBT32が導通状態であれば、トランジスタBT33は非導通状態となり、その接続先は端子B1になる。逆に、トランジスタBT33が導通状態であれば、トランジスタBT32は非導通状態となり、その接続先は端子B2になる。トランジスタBT32及びトランジスタBT33のどちらが導通状態となるかは、制御信号S2によって決定される。
端子対BT02と充電電池セル群とを接続するには、2つのトランジスタ対BT31が用いられる。詳細には、制御信号S2に基づいて、2つのトランジスタ対BT31の接続先がそれぞれ決定されることにより、充電電池セル群と端子対BT02とが接続される。2つのトランジスタ対BT31のそれぞれの接続先は、一方が端子B1となり、他方が端子B2となるように、制御信号S2によって制御される。
また、2つのトランジスタ対BT31のそれぞれの接続先は、端子対BT02に印加される電圧の極性によって決定される。具体的には、端子B1が正極、端子B2が負極となるような電圧が端子対BT02に印加されている場合、上流側のトランジスタ対BT31は、トランジスタBT32が導通状態となり、トランジスタBT33が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。一方、下流側のトランジスタ対BT31は、トランジスタBT33が導通状態、トランジスタBT32が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。また、端子B1が負極、端子B2が正極となるような電圧が端子対BT02に印加されている場合は、上流側のトランジスタ対BT31は、トランジスタBT33が導通状態となり、トランジスタBT32が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。一方、下流側のトランジスタ対BT31は、トランジスタBT32が導通状態、トランジスタBT33が非導通状態となるように、制御信号S2によって制御される。このようにして、端子対BT02と充電電池セル群との間で、同じ極性をもつ端子同士が接続される。そして、端子対BT02から流れる電流の方向が、充電電池セル群を充電する方向となるように制御される。
変圧制御回路BT06は、変圧回路BT07の動作を制御する。変圧制御回路BT06は、放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数と、充電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数とに基づいて、変圧回路BT07の動作を制御する変圧信号S3を生成し、変圧回路BT07へ出力する。
なお、放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数が充電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数よりも多い場合は、充電電池セル群に対して過剰に大きな充電電圧が印加されることを防止する必要がある。そのため、変圧制御回路BT06は、充電電池セル群を充電できる範囲で放電電圧(Vdis)を降圧させるように変圧回路BT07を制御する変圧信号S3を出力する。
また、放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数が、充電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数以下である場合は、充電電池セル群を充電するために必要な充電電圧を確保する必要がある。そのため、変圧制御回路BT06は、充電電池セル群に過剰な充電電圧が印加されない範囲で放電電圧(Vdis)を昇圧させるように変圧回路BT07を制御する変圧信号S3を出力する。
なお、過剰な充電電圧とする電圧値は、電池部BT08で使用される電池セルBT09の製品仕様等に鑑みて決定することができる。また、変圧回路BT07により昇圧及び降圧された電圧は、充電電圧(Vcha)として端子対BT02に印加される。
ここで、本実施形態における変圧制御回路BT06の動作例を、図34(A)乃至(C)を用いて説明する。図34(A)乃至(C)は、図31(A)乃至(C)で説明した放電電池セル群及び充電電池セル群に対応させた、変圧制御回路BT06の動作例を説明するための概念図である。なお図34(A)乃至(C)は、電池制御ユニットBT41を図示している。電池制御ユニットBT41は、上述したように、端子対BT01と、端子対BT02と、切り替え制御回路BT03と、切り替え回路BT04と、切り替え回路BT05と、変圧制御回路BT06と、変圧回路BT07とにより構成される。
図34(A)に示される例では、図31(A)で説明したように、連続する3つの高電圧セルa乃至cと、1つの低電圧セルdとが直列に接続されている。この場合、図31(A)を用いて説明したように、切り替え制御回路BT03は、高電圧セルa乃至cを放電電池セル群として決定し、低電圧セルdを充電電池セル群として決定する。そして、変圧制御回路BT06は、放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数を基準とした時の、充電電地セル群に含まれる電池セルBT09の個数の比に基づいて、放電電圧(Vdisの昇降圧比Nを算出する。
なお放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数が、充電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数よりも多い場合に、放電電圧を変圧せずに端子対BT02にそのまま印加すると、充電電池セル群に含まれる電池セルBT09に、端子対BT02を介して過剰な電圧が印加される可能性がある。そのため、図34(A)に示されるような場合では、端子対BT02に印加される充電電圧(Vcha)を、放電電圧よりも降圧させる必要がある。さらに、充電電池セル群を充電するためには、充電電圧は、充電電池セル群に含まれる電池セルBT09の合計電圧より大きい必要がある。そのため、変圧制御回路BT06は、放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数を基準とした時の、充電電地セル群に含まれる電池セルBT09の個数の比よりも、昇降圧比Nを大きく設定する。
変圧制御回路BT06は、放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数を基準とした時の、充電電地セル群に含まれる電池セルBT09の個数の比に対して、昇降圧比Nを1乃至10%程度大きくするのが好ましい。この時、充電電圧は充電電池セル群の電圧よりも大きくなるが、実際には充電電圧は充電電池セル群の電圧と等しくなる。ただし、変圧制御回路BT06は昇降圧比Nに従い充電電池セル群の電圧を充電電圧と等しくするために、充電電池セル群を充電する電流を流すこととなる。この電流は変圧制御回路BT06に設定された値となる。
図34(A)に示される例では、放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数が3個で、充電電池セル群に含まれる電池セルBT09の数が1個であるため、変圧制御回路BT06は、1/3より少し大きい値を昇降圧比Nとして算出する。そして、変圧制御回路BT06は、放電電圧を当該昇降圧比Nに応じて降圧し、充電電圧に変換する変圧信号S3を変圧回路BT07に出力する。そして、変圧回路BT07は、変圧信号S3に応じて変圧された充電電圧を、端子対BT02に印加する。そして、端子対BT02に印加される充電電圧によって、充電電池セル群に含まれる電池セルBT09が充電される。
また、図34(B)や図34(C)に示される例でも、図34(A)と同様に、昇降圧比Nが算出される。図34(B)や図34(C)に示される例では、放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数が、充電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数以下であるため、昇降圧比Nは1以上となる。よって、この場合は、変圧制御回路BT06は、放電電圧を昇圧して受電電圧に変換する変圧信号S3を出力する。
変圧回路BT07は、変圧信号S3に基づいて、端子対BT01に印加される放電電圧を充電電圧に変換する。そして、変圧回路BT07は、変換された充電電圧を端子対BT02に印加する。ここで、変圧回路BT07は、端子対BT01と端子対BT02との間を電気的に絶縁している。これにより、変圧回路BT07は、放電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セルBT09の負極端子の絶対電圧と、充電電池セル群の中で最も下流に位置する電池セルBT09の負極端子の絶対電圧との差異による短絡を防止する。さらに、変圧回路BT07は、上述したように、変圧信号S3に基づいて放電電池セル群の合計電圧である放電電圧を充電電圧に変換する。
また、変圧回路BT07は、例えば絶縁型DC(Direct Current)−DCコンバータ等を用いることができる。この場合、変圧制御回路BT06は、絶縁型DC−DCコンバータのオン/オフ比(デューティー比)を制御する信号を変圧信号S3として出力することにより、変圧回路BT07で変換される充電電圧を制御する。
なお、絶縁型DC−DCコンバータには、フライバック方式、フォワード方式、RCC(Ringing Choke Converter)方式、プッシュプル方式、ハーフブリッジ方式、及びフルブリッジ方式等が存在するが、目的とする出力電圧の大きさに応じて適切な方式が選択される。
絶縁型DC−DCコンバータを用いた変圧回路BT07の構成を図35に示す。絶縁型DC−DCコンバータBT51は、スイッチ部BT52とトランス部BT53とを有する。スイッチ部BT52は、絶縁型DC−DCコンバータの動作のオン/オフを切り替えるスイッチであり、例えば、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)やバイポーラ型トランジスタ等を用いて実現される。また、スイッチ部BT52は、変圧制御回路BT06から出力される、オン/オフ比を制御する変圧信号S3に基づいて、絶縁型DC−DCコンバータBT51のオン状態とオフ状態を周期的に切り替える。なお、スイッチ部BT52は、使用される絶縁型DC−DCコンバータの方式によって様々な構成を取り得る。トランス部BT53は、端子対BT01から印加される放電電圧を充電電圧に変換する。詳細には、トランス部BT53は、スイッチ部BT52のオン/オフ状態と連動して動作し、そのオン/オフ比に応じて放電電圧を充電電圧に変換する。この充電電圧は、スイッチ部BT52のスイッチング周期において、オン状態となる時間が長いほど大きくなる。一方、充電電圧は、スイッチ部BT52のスイッチング周期において、オン状態となる時間が短いほど小さくなる。なお、絶縁型DC−DCコンバータを用いる場合、トランス部BT53の内部で、端子対BT01と端子対BT02は互いに絶縁することができる。
本実施形態における蓄電装置BT00の処理の流れを、図36を用いて説明する。図36は、蓄電装置BT00の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、蓄電装置BT00は、複数の電池セルBT09毎に測定された電圧を取得する(ステップS101)。そして、蓄電装置BT00は、複数の電池セルBT09の電圧を揃える動作の開始条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。この開始条件は、例えば、複数の電池セルBT09毎に測定された電圧の最大値と最小値との差分が、所定の閾値以上か否か等とすることができる。この開始条件を満たさない場合は(ステップS102:NO)、各電池セルBT09の電圧のバランスが取れている状態であるため、蓄電装置BT00は、以降の処理を実行しない。一方、開始条件を満たす場合は(ステップS102:YES)、蓄電装置BT00は、各電池セルBT09の電圧を揃える処理を実行する。この処理において、蓄電装置BT00は、測定されたセル毎の電圧に基づいて、各電池セルBT09が高電圧セルか低電圧セルかを判定する(ステップS103)。そして、蓄電装置BT00は、判定結果に基づいて、放電電池セル群及び充電電池セル群を決定する(ステップS104)。さらに、蓄電装置BT00は、決定された放電電池セル群を端子対BT01の接続先に設定する制御信号S1、及び決定された充電電池セル群を端子対BT02の接続先に設定する制御信号S2を生成する(ステップS105)。蓄電装置BT00は、生成された制御信号S1及び制御信号S2を、切り替え回路BT04及び切り替え回路BT05へそれぞれ出力する。そして、切り替え回路BT04により、端子対BT01と放電電池セル群とが接続され、切り替え回路BT05により、端子対BT02と放電電池セル群とが接続される(ステップS106)。また、蓄電装置BT00は、放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数と、充電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数とに基づいて、変圧信号S3を生成する(ステップS107)。そして、蓄電装置BT00は、変圧信号S3に基づいて、端子対BT01に印加される放電電圧を充電電圧に変換し、端子対BT02に印加する(ステップS108)。これにより、放電電池セル群の電荷が充電電池セル群へ移動される。
また、図36のフローチャートでは、複数のステップが順番に記載されているが、各ステップの実行順序は、その記載の順番に制限されない。
以上、本実施形態によれば、放電電池セル群から充電電池セル群へ電荷を移動させる際、キャパシタ方式のように、放電電池セル群からの電荷を一旦蓄積し、その後充電電池セル群へ放出させるような構成を必要としない。これにより、単位時間あたりの電荷移動効率を向上させることができる。また、切り替え回路BT04及び切り替え回路BT05により、放電電池セル群及び充電電池セル群が各々個別に切り替えられる。
さらに、変圧回路BT07により、放電電池セル群に含まれる電池セルBT09の個数と充電電池セル群に含まれる電池セルBT09群の個数とに基づいて、端子対BT01に印加される放電電圧が充電電圧に変換され、端子対BT02に印加される。これにより、放電側及び充電側の電池セルBT09がどのように選択されても、問題なく電荷の移動を実現できる。
さらに、トランジスタBT10及びトランジスタBT13にOSトランジスタを用いることにより、充電電池セル群及び放電電池セル群に属しない電池セルBT09から漏洩する電荷量を減らすことができる。これにより、充電及び放電に寄与しない電池セルBT09の容量の低下を抑制することができる。また、OSトランジスタは、Siトランジスタに比べて熱に対する特性の変動が小さい。これにより、電池セルBT09の温度が上昇しても、制御信号S1、S2に応じた導通状態と非導通状態の切り替えといった、正常な動作をさせることができる。
100 電極体
101 集電体
102 電極層
103 活物質
104 第1の膜
104a 膜
104b 膜
105 エンベロープ
106 孔
107 膜
108 電極
110 電極体
111 集電体
112 電極層
113 活物質
114 第2のエンベロープ
115 第1のエンベロープ
116 エンベロープ
118 電極
200 装置
400 蓄電池
402 正極
404 負極
406 電解液
500 蓄電池
501 正極集電体
502 正極電極層
503 正極
504 負極集電体
505 負極電極層
506 負極
508 電解液
509 外装体
510 正極リード電極
511 樹脂
512 接合領域
513 湾曲部
514 湾曲部
515 負極リード電極
516 領域
551 第1の電極体
552 第1のエンベロープ
554 第2の電極体
555 第2のエンベロープ
900 回路基板
910 ラベル
911 端子
912 回路
913 蓄電体
914 アンテナ
915 アンテナ
916 層
917 層
918 アンテナ
919 端子
920 表示装置
921 センサ
922 端子
951 端子
952 端子
1700 曲面
1701 平面
1702 曲線
1703 曲率半径
1704 曲率中心
1800 曲率中心
1801 フィルム
1802 曲率半径
1803 フィルム
1804 曲率半径
1805 電極・電解液など
7100 携帯表示装置
7101 筐体
7102 表示部
7103 操作ボタン
7104 蓄電装置
7105 端子
7200 携帯情報端末
7201 筐体
7202 表示部
7203 バンド
7204 バックル
7205 操作ボタン
7206 入出力端子
7207 アイコン
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク
7407 蓄電装置
7408 端子
7500 腕章
8000 表示装置
8001 筐体
8002 表示部
8003 スピーカ部
8004 蓄電装置
8021 充電装置
8022 ケーブル
8024 蓄電装置
8100 照明装置
8101 筐体
8102 光源
8103 蓄電装置
8104 天井
8105 側壁
8106 床
8107 窓
8200 室内機
8201 筐体
8202 送風口
8203 蓄電装置
8204 室外機
8300 電気冷凍冷蔵庫
8301 筐体
8302 冷蔵室用扉
8303 冷凍室用扉
8304 蓄電装置
8400 自動車
8401 ヘッドライト
8500 自動車
9600 タブレット型端末
9625 スイッチ
9626 スイッチ
9627 電源スイッチ
9628 操作スイッチ
9629 具
9630 筐体
9630a 筐体
9630b 筐体
9631 表示部
9631a 表示部
9631b 表示部
9632a 領域
9632b 領域
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 蓄電体
9636 DCDCコンバータ
9637 コンバータ
9638 操作キー
9639 ボタン
9640 可動部
BT00 蓄電装置
BT01 端子対
BT02 端子対
BT03 切り替え制御回路
BT04 切り替え回路
BT05 切り替え回路
BT06 変圧制御回路
BT07 変圧回路
BT08 電池部
BT09 電池セル
BT10 トランジスタ
BT11 バス
BT12 バス
BT13 トランジスタ
BT14 電流制御スイッチ
BT15 バス
BT16 バス
BT17 スイッチ対
BT18 スイッチ対
BT21 トランジスタ対
BT22 トランジスタ
BT23 トランジスタ
BT24 バス
BT25 バス
BT31 トランジスタ対
BT32 トランジスタ
BT33 トランジスタ
BT34 バス
BT35 バス
BT41 電池制御ユニット
BT51 絶縁型DC−DCコンバータ
BT52 スイッチ部
BT53 トランス部

Claims (12)

  1. 第1の絶縁体で覆われた電極であり、
    前記第1の絶縁体は袋状または筒状の形状を有し、
    前記電極は活物質および第1の膜を有し、
    前記活物質は前記第1の膜で少なくとも一部が覆われ、
    前記第1の膜は電解液中のキャリアイオンを通過させ、かつ電解液の溶媒を通過させないことを特徴とする電極。
  2. 請求項1において、
    前記第1の膜は、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルのうちいずれか一以上を有することを特徴とする電極。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1の膜は0.1nm以上、5nm以下の孔を有することを特徴とする電極。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    前記第1の絶縁体は多孔性絶縁体を有し、
    前記多孔性絶縁体は、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ナイロン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンのうち少なくとも一から選ばれることを特徴とする電極。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    前記第1の絶縁体は、ガラス繊維、またはガラス繊維と高分子繊維を複合した隔膜を有することを特徴とする電極。
  6. 第1の絶縁体で覆われた電極であり、
    前記第1の絶縁体は袋状または筒状の形状を有し、
    前記電極は活物質および第2の絶縁体を有し、
    前記第2の絶縁体は袋状または筒状の形状を有し、
    前記活物質は前記第2の絶縁体で覆われ、
    前記第2の絶縁体は電解液中のキャリアイオンを通過させ、かつ電解液の溶媒は通過させないことを特徴とする電極。
  7. 請求項6において、
    前記第2の絶縁体は、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルのうちいずれか一以上を有することを特徴とする電極。
  8. 請求項6または請求項7において、
    前記第2の絶縁体は0.1nm以上、5nm以下の孔を有することを特徴とする電極。
  9. 請求項6乃至請求項8のいずれか一項において、
    前記第1の絶縁体は、多孔性絶縁体を有し、
    前記多孔性絶縁体はセルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ナイロン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンのうち少なくとも一から選ばれることを特徴とする電極。
  10. 請求項6乃至請求項8のいずれか一項において、
    前記第1の絶縁体は、ガラス繊維、またはガラス繊維と高分子繊維を複合した隔膜を有することを特徴とする電極。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の電極を有する蓄電装置。
  12. 請求項11に記載の蓄電装置を搭載した電子機器。
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