JP2015118842A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】発電効率を高めつつ、安価な構成で被加熱部を所定温度範囲となるように加熱することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】
燃料電池システム100は、燃料と、発電用空気とを用いて電気化学反応により発電する燃料電池1を備えたシステムであって、燃料電池システム100で流通する排気ガスの有する熱により所定の温度範囲に加熱される被加熱部3と、排気ガスを被加熱部3に導くとともに燃料電池システム内で流通させるための排気ガス経路6と、排気ガス経路6中に配置され、燃料電池1に供給される発電用空気を、排気ガスが有する熱を利用して予熱する補助空気熱交換器4と、排気ガスが有する熱を利用して、補助空気熱交換器4により予熱された発電用空気をさらに予熱する空気熱交換器5と、を備え、排気ガス経路6の上流側から空気熱交換器5、被加熱部3、および補助空気熱交換器4の順に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に供給する酸化ガスと当該燃料電池システムで流通する排気ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備えた燃料電池システムに関するものである。
近年、燃料電池のスタックをハウジング内に収容した燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示された燃料電池システム(発電装置)は図4に示すようにハウジング101内に複数の燃料電池セルと、排出ガスと燃料電池セルに供給する空気とで熱交換を行う熱交換器107と、を備えた構成となっている。また、ハウジング101内における改質器の上部領域に、排出口より外気に放出される排出ガスの有害成分を除去、浄化することができるように浄化装置151が設けられている。また、ハウジング101内から放出された排出ガスは廃熱回収器122に導入され温水の作製などに利用され排出口より外気に放出されるように構成されている。
しかしながら、特許文献1に開示された燃料電池システムは、浄化装置151の温度制御を適切に行うことができず浄化装置151の浄化触媒が十分に反応しない場合がある。すなわち、特許文献1の浄化装置151の温度制御は、熱交換器107で熱回収され低温となった排出ガスの温度に依存したものとなる。このため、燃料電池システムにおける発電効率を向上させるために排出ガスの熱利用をすすめた場合、この排出ガスの温度が、浄化触媒が十分に反応する適切な温度範囲よりも低下してしまう場合がある。
そこで、この浄化装置151の温度管理を可能とするシステムも提案されている(例えば、特許文献2)。
特許文献2に開示された燃焼排出ガス浄化処理システムでは、図5に示すように浄化装置の内部温度を検出するための温度センサを備え、この温度センサで検出した温度が所定温度未満である場合、空気ポンプを介して浄化装置に空気を送るように構成されている。これにより浄化装置内の酸素不足を解消し、浄化装置を温度上昇させることができる。
特開2011−146397号公報 特開2002−79058号公報
しかしながら、特許文献2に記載した従来の燃焼排出ガス浄化処理システムは、浄化装置の温度制御のために、空気ポンプなどが別途必要となりコストがかかるという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、発電効率を高めつつ、安価な構成で被加熱部を所定温度範囲となるように加熱することができる燃料電池システムを提供することにある。
本発明に係る燃料電池システムは、上記した課題を解決するために、供給された原料から生成した燃料と、供給された発電用空気とを用いて電気化学反応により発電する燃料電池を備えた燃料電池システムであって、当該燃料電池システムで流通する排気ガスの有する熱により所定の温度範囲に加熱される被加熱部と、前記排気ガスを前記被加熱部に導くとともに当該燃料電池システム内で流通させるための排気ガス経路と、前記排気ガス経路中に配置され、前記燃料電池に供給される前記発電用空気を、前記排気ガス経路を流通する排気ガスが有する熱を利用して予熱する補助空気熱交換器と、前記排気ガス経路を流通する排気ガスが有する熱を利用して、前記補助空気熱交換器により予熱された発電用空気をさらに予熱する空気熱交換器と、を備え、前記排気ガス経路の上流側から前記空気熱交換器、前記被加熱部、および前記補助空気熱交換器の順に配置される。
本発明に係る燃料電池システムは、以上に説明したように構成され、発電効率を高めつつ、安価な構成で被加熱部を所定温度範囲となるように加熱することができるという効果を奏する。
実施の形態に係る燃料電池システムの要部構成の一例を示したブロック図である。 実施の形態の実施例1に係る燃料電池システムの構成を示す模式図である。 実施の形態の実施例2に係る燃料電池システムの構成を示す模式図である。 従来技術を示すものであり、発電装置の構成を示した図である。 従来技術を示すものであり、燃焼排出ガス浄化処理システムの構成を示した図である。
本発明では以下に示す態様を提供する。
本発明の第1の態様に係る燃料電池システムは、供給された原料から生成した燃料と、供給された発電用空気とを用いて電気化学反応により発電する燃料電池を備えた燃料電池システムであって、当該燃料電池システムで流通する排気ガスの有する熱により所定の温度範囲に加熱される被加熱部と、前記排気ガスを前記被加熱部に導くとともに当該燃料電池システム内で流通させるための排気ガス経路と、前記排気ガス経路中に配置され、前記燃料電池に供給される前記発電用空気を、前記排気ガス経路を流通する排気ガスが有する熱を利用して予熱する補助空気熱交換器と、前記排気ガス経路を流通する排気ガスが有する熱を利用して、前記補助空気熱交換器により予熱された発電用空気をさらに予熱する空気熱交換器と、を備え、前記排気ガス経路の上流側から前記空気熱交換器、前記被加熱部、および前記補助空気熱交換器の順に配置される。
上記した構成によると、排気ガス経路の上流側から空気熱交換器、被加熱部、補助空気熱交換器の順に配置されるため、空気熱交換器により熱利用された排気ガスの有する熱により被加熱部を加熱することができる。
ここで、補助空気熱交換器を備えているため、当該燃料電池システムにおいて排気ガス経路を流通する排気ガスが有する熱を利用して発電用空気を、空気熱交換器により予熱される前に、予熱することができる。このように、補助空気熱交換器により予熱された発電用空気に対して空気熱交換器はさらに予熱する構成であるため、空気熱交換器で利用する、排気ガス経路を流通する排気ガスの熱量を抑制することができる。
さらに、補助空気熱交換器および空気熱交換器それぞれの熱交換能力の比率を変更することで、その後の空気熱交換器で利用される排気ガスの熱量を調整することができる。なお、熱交換能力は、補助空気熱交換器4および空気熱交換器5における熱交換面の面積など熱交換効率を規定する条件を変更することで調整することができる。このため、本発明の第1の態様に係る燃料電池システムでは、被加熱部に適切な温度範囲の排気ガスを導くことができる。それゆえ、被加熱部は、安定して適切な温度となるように加熱することができる。したがって、安価な補助空気熱交換器を設けるだけで、従来技術のようにコストのかかる空気ポンプなどを別途備える必要なく、被加熱部を所定温度範囲となるように加熱することができる。
また、補助空気熱交換器は、排気ガスが有する熱の一部を利用して発電用空気を予熱するため、当該燃料電池システムで流通する排気ガスから効率よく熱回収することができる。このため、本発明の第1の態様に係る燃料電池システムは、発電効率を高めることができる。
したがって、本発明の第1の態様に係る燃料電池システムは、発電効率を高めつつ、安価な構成で被加熱部を所定温度範囲となるように加熱することができるという効果を奏する。
本発明の第2の態様に係る燃料電池システムは、上記した第1の態様に係る燃料電池システムにおいて、前記燃料電池、前記被加熱部、前記空気熱交換器、および前記補助空気熱交換器を収容する筐体を備え、前記補助空気熱交換器は、二重になった管の内外で、前記排気ガス経路を流通する排気ガスと前記空気熱交換器により予熱される前の発電用空気との熱交換を行う二重管型熱交換器であり、前記筐体の側壁に沿って、鉛直方向に延伸するように配置されるように構成されていてもよい。
上記した構成によると、補助空気熱交換器4は、安価に構成できる二重管型熱交換器とすることができる。また、この二重管型熱交換器は、筐体の側壁に沿って、鉛直方向に延伸するよう配置される。このため、補助空気熱交換器を筐体内に設置するにあたり大きなスペースが不要となり、筐体の小型化を図ることができる。それゆえ、コストを削減しつつ燃料電池システムの小型化を図ることができる。
本発明の第3の態様に係る燃料電池システムは、上記した第1または第2の態様に係る燃料電池システムにおいて、前記被加熱部は、前記排気ガス中に含まれる有害成分を除去する浄化触媒部であってもよい。
上記構成によると、浄化触媒部を排気ガスの有する熱を利用して加熱することができるため、燃料電池システムで流通する排気ガスから効率よく熱回収することができ、発電効率を高めることができる。
本発明の第4の態様に係る燃料電池システムは、上記した第1または第2の態様に係る燃料電池システムにおいて、前記被加熱部は、前記原料を改質反応により改質して前記燃料を生成する改質器であってもよい。
上記構成によると、改質器を排気ガスの有する熱を利用して加熱することができるため、燃料電池システムで流通する排気ガスから効率よく熱回収することができ、発電効率を高めることができる。
本発明の第5の態様に係る燃料電池システムは、上記した第1または第2の態様に係る燃料電池システムにおいて、前記原料を改質反応により改質して前記燃料を生成する改質器を備え、前記被加熱部は、前記改質器に供給される水を気化させる蒸発器であってもよい。
上記構成によると、蒸発器を排気ガスの有する熱を利用して加熱することができるため、燃料電池システムで流通する排気ガスから効率よく熱回収することができ、発電効率を高めることができる。
(実施の形態)
図1を参照して、実施の形態に係る燃料電池システム100について説明する。なお、実施の形態では、燃料電池1として固体酸化物形燃料電池(SOFC)を備えた燃料電池システムを例に挙げて説明するが、燃料電池1は固体酸化物形燃料電池に限定されるものではない。高温な排気ガスを排出する構成を有する燃料電池システムに設置可能な燃料電池であればよく、例えば、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、または固体高分子形燃料電池(PEFC)であってもよい。図1は、実施の形態に係る燃料電池システム100の要部構成の一例を示したブロック図である。
図1に示すように、燃料電池システム100は、燃料電池1(固体酸化物形燃料電池)と、被加熱部3と、補助空気熱交換器4と、空気熱交換器5とを備えてなる構成である。また、燃料電池システム100には、例えば燃料電池1から排出された排気ガスなどを燃料電池システム100で流通させるための排気ガス経路6と、燃料電池1に原料を供給するための原料供給経路8と、発電用空気を供給するための空気経路10とが設けられている。
燃料電池1は、硫黄化合物が除去された原料を改質して得られた燃料と、空気経路10を通じて供給された発電用空気とを用いて電気化学反応により発電するものである。燃料電池システム100では、後述するが原料供給経路8を通じて原料を脱硫器2に供給できる構成となっている。この原料としては、都市ガスまたは、プロパンガスなどの炭化水素を主成分とするガスを用いることができる。なお、脱硫器2において原料から硫黄成分が取り除かれ、改質反応により改質された改質ガスを本明細書では燃料と称する。
燃料電池1は、燃料が供給される燃料極(アノード)および発電用空気が供給される空気極(カソード)を有し、該燃料極と該空気極との間で電気化学反応を行って発電する単セルを複数枚、直列に接続してセルスタックを形成してもよい。また、燃料電池1は、直列接続したセルスタックをさらに並列に接続させた構成としてもよい。あるいは、2層の電極(アノードおよびカソード)を含むセルが円筒型に構成され、この円筒型セルの内側に燃料を、外側に発電用空気をそれぞれ供給する構成としてもよい。
燃料電池1を構成する単セルとしては、例えば、イットリアをドープしたジルコニア(YSZ)、イットリビウムやスカンジウムをドープしたジルコニア、あるいはランタンガレート系の固体電解質からなる単セルを用いることができる。例えば、単セルがYSZの場合、厚みにもよるが、約600〜900℃の温度範囲にて、発電が行われる。
なお、実施の形態に係る燃料電池システム100は、燃料電池1で未利用の燃料と発電用空気とを燃焼させて燃焼排ガスを生成する燃焼部を備え、この燃焼排ガスを燃料電池システム100で流通する排気ガスとしてもよい。あるいは、燃料電池1が平板型燃料電池である場合は、カソードから排出された、未利用の発電用空気(カソードオフガス)を燃料電池システム100で流通する排気ガスとしてもよい。なお、このカソードオフガスは、燃料電池1の高温な動作温度によって加熱されており、発電用空気を予熱するのに十分な熱量を有している。
被加熱部3は、燃料電池システム100で流通する排気ガスが保有する熱の一部を利用して加熱されるものである。本実施の形態では、空気熱交換器5において保有する熱の一部が利用された排気ガスにより被加熱部3は加熱される。例えば、被加熱部3としては、排気ガスが燃焼排ガスの場合、この燃焼排ガス中に含まれる一酸化炭素などの有害成分を除去する浄化触媒部31が挙げられる。また、被加熱部3としては、この浄化触媒部31に限定されるものではなく、改質器または改質器に供給する改質水を気化させる蒸発器であってもよい。被加熱部3の加熱により保有する熱の一部が利用された排気ガスは補助空気熱交換器4に導かれる。
空気熱交換器5は、燃料電池システム100で流通する排気ガスが有する熱を利用して、燃料電池1に供給する発電用空気を加熱(予熱)するものである。すなわち、空気熱交換器5は、外部から供給された発電用空気を、排気ガスとの熱交換により所定温度まで加熱する。例えば、空気熱交換器5を流通した後の発電用空気は、排気ガスとの熱交換により400〜800℃まで加熱される。そして、この加熱された発電用空気が燃料電池1へと供給される。このように、燃料電池システム100では、空気熱交換器5において発電用空気との熱交換を行うことによって、保有する熱の一部が奪われた排気ガスが、被加熱部3に導かれる。
補助空気熱交換器4は、被加熱部3において保有する熱の一部を失った排気ガスの熱を利用して、空気熱交換器5によって予熱される前の発電用空気を事前に予熱するものである。ここで、被加熱部3を加熱した後の排気ガスには、十分利用可能な熱が残っている。そこで、補助空気熱交換器4は、この排気ガスが有する熱を利用して発電用空気を事前に予熱しておくことで、空気熱交換器5で利用する排気ガスの熱量を抑制することができる。さらに、補助空気熱交換器4および空気熱交換器5それぞれの熱交換能力の比率を変更することで、その後の空気熱交換器5において利用される排気ガスの熱量を調整することができる。このため、被加熱部3に適切な温度範囲の排気ガスを導くことができる。
このように、本実施の形態に係る燃料電池システム100では、空気熱交換器5において排気ガスの有する熱を利用して発電用空気を予熱する前に、補助空気熱交換器4により発電用空気を予熱するように構成されている。
また、発電負荷が変わるなどして発電用空気の流量が増大した場合、この発電用空気と空気熱交換器5と間における熱交換で排気ガスは発電負荷の変更前よりも大きな熱量が奪われる。このため、排気ガスは、被加熱部3の熱源として機能するのに十分な熱量を有さない場合がある。そこで、本実施の形態に係る燃料電池システム100では、空気熱交換器5の前段に補助空気熱交換器4を設けることで、空気熱交換器5において発電用空気との熱交換で利用される排気ガスの熱量を抑制することができる。
さらにまた、被加熱部3を流通した後の排気ガスをそのまま筐体30の外部に排出する構成と比較して、排気ガスが有する熱を補助空気熱交換器4で回収し燃料電池1の発電に供することができるため、燃料電池システム100における発電効率を高めることができる。
次に、図1に示した燃料電池システムの燃料電池1を円筒型燃料電池として構成した場合と平板型燃料電池として構成した場合とについてそれぞれ実施例1、2として以下に説明する。
(実施例1)
まず、図2を参照して実施の形態に係る燃料電池システム100の実施例1について説明する。図2は、実施の形態の実施例1に係る燃料電池システム100の構成を示す模式図である。
燃料電池1を円筒型燃料電池とした場合、図1に示す実施の形態に係る燃料電池システム100は、例えば図2に示す実施例1のように構成することができる。また、この燃料電池システム100では、被加熱部3として浄化触媒部31を備えるものとするが、被加熱部3はこの浄化触媒部31に限定されるものではない。
すなわち、実施例1に係る燃料電池システム100は、上記した燃料電池1、被加熱部3(浄化触媒部31)、補助空気熱交換器4、および空気熱交換器5に加えて、脱硫器2、改質器14、蒸発器15、燃焼部16、減圧部17、昇圧部33、水ポンプ34、および空気ポンプ35をさらに備える。そして、これらの部材のうち、減圧部17、昇圧部33、水ポンプ34、および空気ポンプ35を除く部材を筐体30内に収容する。筐体30はその内側の壁面に断熱部材(不図示)が設けられており、燃料電池1、改質器14、蒸発器15は、この断熱部材に囲まれて形成された空間内に配置され、脱硫器2、浄化触媒部31、空気熱交換器5、および補助空気熱交換器4は断熱部材内に配置された構成とする。
また、実施例1に係る燃料電池システム100では、燃料電池1において未利用の燃料と未利用の発電用空気とを燃焼部16で燃焼させて生成した燃焼排ガスを排気ガスとして用いた構成となっている。そして、上述したように被加熱部3として浄化触媒部31を設けた構成を例に挙げている。
この浄化触媒部31は、排気ガス中に含まれる有害成分を取り除くためのものである。例えば、燃焼排ガス中に含まれる一酸化炭素などの有害成分を除去する。浄化触媒部31には、空気熱交換器5において保有する熱の一部が利用された後の燃焼排ガスが排気ガス経路6を通じて供給される。そして、浄化触媒部31は、供給された燃焼排ガスが、この浄化触媒部31に充填されている浄化触媒を通過する構成となっている。浄化触媒は、例えば、Pt系貴金属触媒をハニカム担体に担持したものを用いる。しかしながら、浄化触媒これに限定されるものではない。
また、実施例1に示す燃料電池システム100では、昇圧部33によって昇圧された原料が原料供給経路8を通じて筐体30内に供給される。また、空気ポンプ35によって昇圧された発電用空気が空気経路10を通じて筐体30内に供給される。さらに、水ポンプ34によって改質水が改質水経路11を通じて筐体30内に供給される。
筐体30内へと供給される原料には、水添脱硫反応のために必要な、水素ガスを約70%(原料に対して約10%)含有する改質ガスが混合されている。必要な流量の水素を含む原料は筐体30内の脱硫器2に導かれる。脱硫器2は、上記したように断熱部材に覆われた構成となっている。このため、脱硫器2から可能な限り放熱、熱移動がないように構成することができる。また、脱硫器2に充填される脱硫触媒に温度依存性がある場合、燃焼部16の輻射熱または燃焼排ガスの熱が伝熱して所定の温度範囲で加熱されるような位置に、脱硫器2を配置する。脱硫器2により脱硫された後の原料は改質器14の前段に設けられた蒸発器15に導かれる。
ここで、まず実施例1に示す燃料電池システム100において備えられる脱硫器2についてより詳細に説明する。脱硫器2は、水素を利用して、原料中の硫黄化合物を除去するものである。つまり、脱硫器2は、いわゆる水添脱硫方式により原料に含まれる硫黄成分を除去する水添脱硫器である。脱硫器2に原料供給経路8が接続されており、この原料供給経路8を流通して外部から供給された原料が脱硫器2内に流入する。なお、脱硫器2に流入する原料には上述したように水素が含まれている。
脱硫器2には脱硫触媒が充填されており、この脱硫触媒としては、例えば、銅および亜鉛を含む脱硫触媒が挙げられる。なお、脱硫触媒は、水添脱硫を行うことができればこの脱硫触媒に限定されるものではなく、Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒と酸化亜鉛との組み合わせであってもよい。Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒と酸化亜鉛とを組み合わせた脱硫触媒の場合、脱硫器2は350〜400℃の温度範囲にて、燃料ガス中の有機硫黄を水添分解する。そして、脱硫器2は、生成したHSを、350〜400℃の温度範囲にてZnOに吸着させて除去する。
例えば、原料が都市ガスの場合、付臭剤として硫黄化合物であるジメチルスルフィド(dimethl sulfide ;CS,DMS)が含有されている。このDMSは、脱硫器2において、以下の反応式(式(1)、(2))によるZnSの形、または物理吸着の形で脱硫触媒によって除去される。
S+2H→2CH+HS ・・・(1)
S+ZnO→HO+ZnS ・・・(2)
なお、付臭剤は、上述したDMSに限定されるものではなく、TBM(C10S)またはTHT(CS)等の他の硫黄化合物であってもよい。
充填する脱硫触媒が銅および亜鉛を含む場合、脱硫器2は、10〜400℃程度、好ましくは250〜300℃程度の温度範囲で脱硫を行う。この銅亜鉛系脱硫触媒は、水添脱硫能力に加えて物理吸着能力もあり、低温では主に物理吸着、高温では化学吸着(HS+ZnO→HO+ZnS)を行うことができる。この場合、脱硫後の燃料ガスに含まれる硫黄含有量は、1vol ppb(parts per billion)以下、通常は0.1vol ppb以下となる。
このように、脱硫器2において、Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒、あるいは銅および亜鉛のいずれかを含む脱硫触媒が充填されている場合、単位体積あたりの硫黄成分除去量が大きくなる。それゆえ、上述した脱硫触媒を用いる場合、所望の硫黄濃度まで硫黄を除去するために必要となる脱硫触媒の量を低減させることができる。
また、上述したようにこれら脱硫器2が断熱部材に覆われるように設置されている。このように脱硫器2を断熱部材で覆うように構成することで、脱硫器2からの放熱を防ぐことができるとともに、例えば、燃焼部16の輻射熱や燃焼部16での燃焼により生成された燃焼排ガスの熱など高温の熱に直接、曝されることを防ぐことができる。また、脱硫器2からの放熱を防ぐことができるため、この脱硫器2における温度分布も略一様とし、温度ムラが生じること抑制することができる。これにより、脱硫器2における脱硫触媒の温度制御を容易とすることができる。
また、燃料電池システム100の長時間の運転の後、脱硫器2の脱硫触媒が劣化した際には、この燃料電池システム100の性能が低下する。そこで、脱硫器2を、燃料電池システム100において着脱可能に設け、脱硫触媒が劣化した脱硫器2を新しい脱硫器と交換できる構成としてもよい。
以上のようにして脱硫器2によって脱硫された原料は、改質器14へと供給される。
次に、改質器14について説明する。実施例1に係る燃料電池システム100では、改質器14を以下のように構成することができる。すなわち、改質器14は、部分酸化改質用として用いられるものであってもよいが、更に高効率な動作を実現するために、部分酸化改質反応だけでなく、水蒸気改質反応も行える仕様にしておく。
例えば、脱硫器2で脱硫された原料に、水ポンプ34から改質水経路11を通じて送出された水(改質水)を混合させ改質器14に供給する。また、改質器14の前段に蒸発器15を設けた構成とする。
蒸発器15は、燃焼部16で生成された燃焼排ガスの熱及び燃焼部16からの輻射熱を利用して、改質水経路11を通じて供給された水(改質水)を気化させ、脱硫器2から供給された脱硫後の原料と混合させる。そして、蒸発器15は、混合後の原料を改質器14へと導入する。
なお、改質器14に充填される改質触媒としては、Al(アルミナ)の球体表面にNiを含浸し、担持したものや、Alの球体表面にルテニウムを付与したものを適宜用いることができる。
ところで、燃料電池システム100の起動時では、改質器14において吸熱反応である水蒸気改質反応を行うためには熱エネルギーが不足している。そこで、燃料電池システム100の起動時は、改質水経路11から蒸発器15に水を供給させずに、改質空気経路(不図示)を通じて改質器14に改質用空気を導入し、この改質用空気を利用して、改質器14は以下の式(3)で表される部分酸化改質反応を行い、水素ガスおよび一酸化炭素を生成する。
CnHm + (n/2)O → n・CO +(m/2)H(n,mは任意の自然数)
・・・(3)
そして、これらの水素ガスおよび一酸化炭素を、改質ガス経路9を通じて燃料電池1に供給し、発電用空気と合わせて発電を行う。
また、燃料電池システム100が起動して発電が進むにつれ、改質器14の温度が上昇していく。すなわち、上記の式(3)で表される部分酸化改質反応は発熱反応であり、更に、燃焼排ガスにより、改質器14の温度が上昇させられる。そして、改質器14の温度が、例えば、400℃以上になれば以下の式(4)で表される水蒸気改質反応を並行して行うことが可能となる。
CnHm + n・HO → n・CO +(m/2+ n)H(n,mは任意の自然数)
・・・(4)
上述した式(4)で示される水蒸気改質反応は、式(3)で示される部分酸化改質反応と比較すると、同じ量の炭化水素(CnHm)から生成できる水素量がより多くなり、その結果、燃料電池1での発電反応に利用可能な改質ガスの量が多くなる。つまり、水蒸気改質反応の方が効率よく改質ガスを生成することができる。また、式(4)に示す水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、式(3)に示す部分酸化改質反応による発熱と燃料電池1から排出される燃焼排ガスが保有する熱等を利用し、必要な熱量を補いつつ、水蒸気改質反応を進行させる。そして、改質器14の温度が例えば、600℃以上になれば、式(4)の水蒸気改質反応に必要な熱量を燃焼排ガスの有する熱等だけで補うことが可能となるため、水蒸気改質反応のみの運転に切り替えることができる。
また、図2に示す燃料電池システム100の構成において、改質器14から燃料電池1へ向かう改質ガス経路9の途中(分岐部)で分岐させ、改質器14で生成された改質ガスの一部を原料供給経路8に戻すためのリサイクル経路19が設けられている。このため、脱硫器2へと供給される原料に水素を添加することが可能となり、脱硫器2は、この水素を利用して前述の水添脱硫を行うことができる。
図2に示す燃料電池システム100の構成では、リサイクル経路19の途中に減圧部17が設けられている。減圧部17は、リサイクル経路19内を流通する改質ガスの流量を調整するものであり、例えば、キャピラリチューブまたはオリフィスなどにより実現できる。すなわち、減圧部17は、キャピラリチューブまたはオリフィスなどにより流路を細くし圧力損失を大きくさせることで、リサイクル経路19内を所望の流量だけ改質ガスが流通するように構成されている。減圧部17の位置は、図2では筐体30の外部に配置されているが、筐体30の内部であってもよい。筐体30の外部に配置された場合、高温な燃焼排ガス等に直接さらされることを防ぐことができるという利点がある。一方、減圧部17が筐体30内に配置されている場合は、筐体30内は高温であるため減圧部17において水分が凝縮しにくいという利点がある。
また、このリサイクル経路19の途中に凝縮器(不図示)を設けた構成としてもよい。凝縮器を備える構成の場合、リサイクル経路19を流通する改質ガスが低温化したとき、この凝縮器により水分を回収することができる。このため、結露水による経路内の水つまりや、昇圧部33の腐食または破損といった不具合を抑制することができる。この凝縮器は、冷却源として原燃料ガス、空気、あるいは水のいずれかを利用した、二重管型の熱交換器を用いることができる。凝縮器により生成された凝縮水は外部へ放出されてもよいし、例えば、改質水などに再利用される構成であってもよい。
また、実施例1に係る燃料電池システム100では、上述したように、燃料電池1に供給される発電用空気が2つの熱交換器(空気熱交換器5および補助空気熱交換器4)によって予熱されるように構成されている。具体的には、外部から供給された発電用空気は、図2に示すように、まず、補助空気熱交換器4において、浄化触媒部31を通過した後の燃焼排ガスと熱交換され、予熱される。さらに、補助空気熱交換器4により予熱された発電用空気は、空気熱交換器5において、燃焼部16で生成された燃焼排ガスと熱交換される。この熱交換により、発電用空気は、燃料電池1の動作温度程度まで昇温され、燃料電池1に供給される。
一方、燃焼部16において未利用の燃料(アノードオフガス)と空気(カソードオフガス)とを燃焼して生成した燃焼排ガスは、以下のように各部で熱利用され外部に排出される。すなわち、燃焼排ガスは、筐体30内において改質器14および蒸発器15を加熱し、その後、空気熱交換器5に導かれる。空気熱交換器5では、燃焼排ガスは、補助空気熱交換器4で予熱されている発電用空気との熱交換により保有する熱の一部を失い、浄化触媒部31に導かれる。
燃焼排ガスは浄化触媒部31を通過することにより一酸化炭素などの有害成分が除去される。また、燃焼排ガスが浄化触媒部31を通過する際にこの浄化触媒部31を加熱して、自身が保有する熱の一部を失う。このように浄化触媒部31で保有する熱の一部を失った燃焼排ガスは、補助空気熱交換器4に導かれる。そして、補助空気熱交換器4において、浄化触媒部31で保有する熱の一部を失った燃焼排ガスと外部から供給された発電用空気との間で熱交換を行う。この熱交換により燃焼排ガスはさらに保有する熱を奪われ外部に排出される。
以上のように本実施の形態の実施例1に係る燃料電池システム100では、燃焼排ガスは、空気熱交換器5および補助空気熱交換器4における発電用空気との熱交換で保有する熱が利用され、さらに、浄化触媒部31の加熱にも利用される。このため、燃焼排ガスが保有する熱を効率よく回収することができる。
(実施例2)
また、実施の形態に係る燃料電池システム100では、燃料電池1を平板型燃料電池として構成してもよい。このように構成される場合、燃料電池システム100は、例えば、図3に示す構成となる。図3は、実施の形態の実施例2に係る燃料電池システム100の構成を示す模式図である。なお、図3に示す実施例2では、被加熱部3として蒸発器15を例に挙げて説明するが被加熱部3はこの蒸発器15に限定されるものではなく、例えば、改質器14であってもよい。
図3に示すように、実施の形態の実施例2に係る燃料電池システム100は、実施例1と同様の構成部材を有するが、以下の点で実施例1とは異なる。
すなわち、実施例2に係る燃料電池システム100は、燃料電池1から、未利用の発電用空気(カソードオフガス)と未利用の燃料(アノードオフガス)とが別々の経路で排出される点で実施例1とは異なる。このため、実施例2に係る燃料電池システム100では、アノードオフガスが流通するアノードオフガス経路13をさらに備えた構成となっている。
また、被加熱部3を加熱し、空気熱交換器5および補助空気熱交換器4において発電用空気を予熱するための排気ガスが実施例1では燃焼排ガスであったのに対して、実施例2ではカソードオフガスである点でも異なる。また、アノードオフガスを燃焼させて生成した燃焼排ガスは、改質器14および蒸発器15の加熱に用いられるが、その後は燃焼排ガス経路12を通じて筐体30の外部に排出され点でも実施例1とは異なる。さらに蒸発器15の加熱にこの燃焼排ガスの有する熱のみを利用するのではなく、カソードオフガスが有する熱も利用される点でも実施例1とは異なる。
また、実施例1に係る燃料電池システム100では、改質器14で改質された改質ガス(燃料)の一部を、リサイクル経路19を通じて昇圧部33の上流側に供給する構成であった。これに対して、実施例2に係る燃料電池システム100では、燃料電池1から排出されたアノードオフガスの一部を、リサイクル経路19を通じて昇圧部33の上流側に供給する点でも異なる。
図3に示す実施例2では、発電用空気は空気経路10を通じて、燃料電池1のカソードへ供給され、燃料は改質ガス経路9を通じて改質器14から燃料電池1のアノードへ供給される。燃料電池1は、例えばアノードとカソードとの間で電気化学反応を行って発電する複数の単セルを直列に接続して構成することができる。このような単セルには例えば、イットリウム酸化物を添加したジルコニアであるイットリア安定化ジルコニアを電解質等に用いた公知の構成を採用しうる。
空気ポンプ35により送出された発電用空気は、まず、補助空気熱交換器4において蒸発器15において熱利用されたカソードオフガスと熱交換を行い予熱される。この予熱された発電用空気は、燃料電池1のカソードに供給される前に、燃料電池1から排出されたカソードオフガスと空気熱交換器5で熱交換され再度、予熱される。このように2回の予熱により燃料電池1の動作温度近くまで加熱された発電用空気はこの燃料電池1のカソードに供給される。燃料電池1から排出されたカソードオフガスは、上述したように燃料電池1に供給される発電用空気との熱交換により、保有する熱の一部を失って蒸発器15に導かれる。
蒸発器15は、燃焼排ガスが有する熱に加え、このカソードオフガスが有する熱を利用して加熱される。そして、蒸発器15は、水ポンプ34から改質水経路11を通じて供給された水(改質水)を気化させ、脱硫器2から供給された脱硫後の原料と混合させる。そして、蒸発器15は、混合後の原料を改質器14へと導入する。なお、カソードオフガスによる蒸発器15の加熱は、例えば、蒸発器15とカソードオフガスとの間で熱交換を行う熱交換部(不図示)を介して行う構成であってもよい。あるいは蒸発器を囲う筐体を備え、該筐体内にカソードオフガスを流通させて蒸発器15の外周全体を加熱する構成としてもよい。
一方、蒸発器15から排出されたカソードオフガスは、上述したように、補助空気熱交換器4において発電用空気との間で熱交換される。つまり、蒸発器15から排出されたカソードオフガスにはまだ利用しきれていない熱量が含まれているため、補助空気熱交換器4を配置し、必要な熱量を燃料電池システム100内において回収できるように構成されている。そして、この熱交換により熱の一部を失ったカソードオフガスは、筐体30の外部に排出される。
(排気ガスの温度調整)
次に、図2に示す実施例1に係る燃料電池システム100の構成を例に挙げて、排気ガスの温度調整について説明する。なお、図2に示す燃料電池システム100の場合、被加熱部3(浄化触媒部31)の加熱に利用する排気ガスは、未利用の燃料と空気とを燃焼部16が燃焼させて生成した燃焼排ガスとなる。
燃焼部16で生成した燃焼排ガスの流量およびその温度は、燃料電池1における燃料及び発電用空気の燃料利用率(発電時に、燃料として燃料電池1で消費される割合)を調整することにより制御することが可能である。図2に示した実施例1に係る燃料電池システム100では、例えば、燃焼部16の温度範囲が約600〜900℃になるように、燃料電池1における燃料および発電用空気の燃料利用率を設定する。
このように所望の温度範囲となるように設定された燃焼部16で、未利用の燃料と発電用空気とを燃焼して生成された排気ガス(燃焼排ガス)は、まず、改質器14および蒸発器15を加熱する。これにより排気ガスの有する熱の一部が消費される。さらに、熱の一部が消費された排気ガスが空気熱交換器5に流入し、この空気熱交換器5における発電用空気と排気ガスとの熱交換によって、排気ガスが有する熱がさらに奪われ、浄化触媒部31を加熱するのに適切な温度まで低下させられる。具体的には、浄化触媒部31において、燃焼排ガス中に含まれる一酸化炭素や炭化水素などの有害成分を、効率よく酸化分解により低減させるためには、最適となる温度範囲(例えば、250℃前後)がある。そこで、排気ガスの温度はこの最適な温度範囲まで低下させられる。
このように温度がさらに低下させられた排気ガスは、排気ガス経路6を流通して浄化触媒部31へ供給される。そして、浄化触媒部31を加熱して、保有する熱の一部を失った排気ガスは、その後、排気ガス経路6を通じて補助空気熱交換器4に導かれる。補助空気熱交換器4では、排気ガスは、上述したように空気熱交換器5によって予熱される前の発電用空気との熱交換により、さらに保有する熱が奪われる。
以上のように、排気ガス経路6を流通し、被加熱部3(例えば、浄化触媒部31)に流入する際の排気ガスの温度は、燃焼部16で生成された排気ガスの流量と温度、改質器14および蒸発器15に吸熱される熱量、および空気熱交換器5に吸熱される熱量などを考慮して所望の値となるように制御されている。
また、補助空気熱交換器4を備えることで、空気熱交換器5との熱交換により、奪われる排気ガスの熱量を調整することができる。このため、適切な熱量を保有する排気ガスを被加熱部3に導くことができる。
脱硫器2については、上述したように、筐体30の断熱部材中であって、この断熱部材を伝熱する燃焼部16の輻射熱および燃焼排ガスの有する熱によって所望される温度範囲まで加熱される位置に配置される。例えば、脱硫器2にNi−Mo系又はCo−Mo系触媒と酸化亜鉛とを組み合わせた脱硫触媒を充填する場合、脱硫器2は加熱され約250〜300℃の温度範囲となる位置に配置される。
本実施の形態に係る燃料電池システム100では、以上のように温度調整された排気ガスを、排気ガス経路6を通じて被加熱部3(例えば、浄化触媒部31)に流入させることができる。このため、燃料電池システム100では、排気ガスの有する熱により被加熱部3を、所望の温度となるように加熱することができる。
また、被加熱部3を流通した後の排気ガスには十分利用可能な熱量を有しているため、この排気ガスをそのまま外部に排出した場合、燃料電池システム100における熱収支が悪化し、発電効率を低下させてしまう場合がある。実施の形態に係る燃料電池システム100では、補助空気熱交換器4を備え、被加熱部3から排出された排気ガスからさらに熱回収するため、筐体30から外部に排出する熱量を抑えることができ、その結果、システム全体における効率を向上させることができる。
また、補助空気熱交換器4における、排気ガスと発電用空気との間での熱交換量は、空気熱交換器5における熱交換量と比較して小さくてよい。このため、補助空気熱交換器4は、空気熱交換器5よりも小型な熱交換器とすることができる。また、補助空気熱交換器4に流入する排気ガスの温度は、約200〜300℃程度と、燃料電池1から排出された時点の温度よりもかなり低下している。このため補助空気熱交換器4で要求される耐熱温度は燃料電池1周辺に配置される部材よりも低くなる。
それゆえ、補助空気熱交換器4は、例えばステンレス鋼など高温耐熱性の素材で全体を形成する必要がない。また、補助空気熱交換器4における接合部分なども、ろう付け加工で十分である。このため、補助空気熱交換器4については、最もシンプルで安価な、筒形状の対向流式二重管型の熱交換器を採用し、この対向流式二重管型の熱交換器を、例えば、図2に示すように、筐体30の側壁に沿って、鉛直方向に延伸するよう配置することができる。このため、補助空気熱交換器4を筐体30内に設置するにあたり大きなスペースが不要となり、筐体30の小型化を図ることができる。それゆえ、燃料電池システム100の小型化を図ることができる。特に、補助空気熱交換器4は、筐体30の底面における隅角の位置に配置されることが好適である。
さらに、補助空気熱交換器4を二重管型熱交換器で構成した場合、この二重管型熱交換器の長さが異なる別の二重管型熱交換器と交換するだけで容易に、排気ガスと発電用空気との間における熱交換量を調整できるという利点も有する。
上記説明から、当業者にとって、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の燃料電池システムでは、被加熱部を、適切な温度範囲とした排気ガスにより加熱することができる構成であり、また燃料電池としての効率を損なう事もない。このため、加熱して動作温度を高める必要のある被加熱部を備えた燃料電池システムにおいて幅広く適用できる。
1 燃料電池
2 脱硫器
3 被加熱部
4 補助空気熱交換器
5 空気熱交換器
6 排気ガス経路
8 原料供給経路
9 改質ガス経路
10 空気経路
11 改質水経路
12 燃焼排ガス経路
13 アノードオフガス経路
14 改質器
15 蒸発器
16 燃焼部
17 減圧部
19 リサイクル経路
30 筐体
31 浄化触媒部
33 昇圧部
34 水ポンプ
35 空気ポンプ
100 燃料電池システム

Claims (5)

  1. 供給された原料から生成した燃料と、供給された発電用空気とを用いて電気化学反応により発電する燃料電池を備えた燃料電池システムであって、
    当該燃料電池システムで流通する排気ガスの有する熱により所定の温度範囲に加熱される被加熱部と、
    前記排気ガスを前記被加熱部に導くとともに当該燃料電池システム内で流通させるための排気ガス経路と、
    前記排気ガス経路中に配置され、前記燃料電池に供給される前記発電用空気を、前記排気ガス経路を流通する排気ガスが有する熱を利用して予熱する補助空気熱交換器と、
    前記排気ガス経路を流通する排気ガスが有する熱を利用して、前記補助空気熱交換器により予熱された発電用空気をさらに予熱する空気熱交換器と、を備え、
    前記排気ガス経路の上流側から前記空気熱交換器、前記被加熱部、および前記補助空気熱交換器の順に配置される燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池、前記被加熱部、前記空気熱交換器、および前記補助空気熱交換器を収容する筐体を備え、
    前記補助空気熱交換器は、二重になった管の内外で、前記排気ガス経路を流通する排気ガスと前記空気熱交換器により予熱される前の発電用空気との熱交換を行う二重管型熱交換器であり、前記筐体の側壁に沿って、鉛直方向に延伸するように配置される請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記被加熱部は、前記排気ガス中に含まれる有害成分を除去する浄化触媒部である請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記被加熱部は、前記原料を改質反応により改質して前記燃料を生成する改質器である請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記原料を改質反応により改質して前記燃料を生成する改質器を備え、
    前記被加熱部は、前記改質器に供給される水を気化させる蒸発器である請求項1または2に記載の燃料電池システム。
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