JP2015118535A - 施工情報管理システムおよび施工情報管理方法 - Google Patents
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施工管理担当者は、施工状況の検証と記録とを行なうため、設計図面、施工要領書、カメラ、黒板等を現場に持参している。現場では、図面との照合確認を行い、黒板に所定事項を記載し、検査目的に応じて写真撮影を行なっており、例えば寸法を明らかにすることが目的の場合は検査対象施工物にスケールをあてがって写真撮影を行なっている。また数量を明らかにすることが目的の場合は、検査対象施工物にカラーマーカーをあてがって写真撮影を行っている。そして、出来上がった写真を部位、工事種目、日付等によって整理し、関係者に提出あるいは配布、または提示等をしている。
これを回避するために、例えば、表示部に表示された図面データ上に検査位置が入力された場合に撮像部を起動させ、撮像部によって撮像された撮像データを、検査位置の緯度経度座標および検査日時と対応付けて記憶させることにより、個々の撮像データがどの建物のどの箇所をいつ撮影したものであるかが一意に定まり、検査情報が膨大な数になる場合であっても、これらを正確に管理できるようにした方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
(1)工事過程の記録
(2)使用材料の確認
(3)品質管理の確認
(4)維持保全の資料
(5)問題解決の資料
これらのうち、(1)の工事過程を記録する際には、記録された日時、時間など、記録の前後関係が重要となる。また、(2)では、施工にあたり、土中に埋設するなどのために完成以後の確認が困難な材料や、包装紙や素材自体に印字されたものを、写真などにより一元管理する必要がある。また、(3)では、(1)、(2)に関連して、出来上がりの施工精度など、設計とスケールなどの比較対象物と併せて記録することで、意味をなす必要がある。
つまり、施工管理記録における目的は、記録された日時等の時間軸での前後関係の明確化、隠蔽部や紙や素材自体に記録された各種記録の写真によるデータの集約化、一元化、さらに記録の精度に関連して、読取可能な画質、画角の記録、等、を満足している必要がある。
工事記録を紙により管理する方法においては、施工状況の検証を行なう際に、検査単位で記録しこれをファイリングしている。
以上のようなことから、工事記録の管理は、紙ではなく電子データでの保存、また、電子ファイリング化へ移行しつつある。また、紙資源の削減の観点から電子納品が盛んとなっている。
しかしながら、この建物情報モデルBIMを用いた方法にあっては、カレンダー機能を利用して日付別で定点観測写真を切り替える切替機能を有しているが、施工記録情報は、工事の時間軸を示す工程表と併せて初めて有効となる。工程表は、各種工事の相互の関係性を示すものであり、同時期に並行して進行する工程を併記したもので、カレンダーでは表現しきれない。
また、上述の通り、データベース上で整理が必要となり、また施工記録時の記録方法と併用することで整理も容易となる。
また、実際の施工記録写真は、建物プロセスの外部からの見え方の過程を記録するものは稀であり、もっぱらの施工記録は、建物の主要構造部(柱、梁、基礎)の配筋記録写真や、実施状況の検査等、部位やエリアに対応する記録が殆どであり、定点観測写真の記録方法としては不十分である。また、定点観測写真では,進捗状況の記録にはなるものの,上述の検査記録の品質確保を目的とした詳細の記録写真では、実施状況とその詳細(検査対象部位の寸法、数量、検査結果等)が記録されることが目的のため、詳細の記録写真としては成立しない。
そのため、膨大な各種検査記録を効率よくかつ有効に活用することのできる適切な方法が望まれており、特に、施工建物の規模が大きくなるほど増大する各種図面を効率よく保存することができ、かつ各種図面を有効に活用することのできる、施工情報の管理システムが望まれていた。
ユーザの目的や行為に応じて必要な情報が引き出される事例として地図を拡大縮小させると、ユーザが表示する情報を指示することなく、ユーザの拡大縮小の操作に合わせてこの拡大縮小の密度に応じて地図上の各種情報が表示されるもの(例えば、特許文献2参照)、また、検索によりデータ内から検索された結果が一覧として表示されることや、また、時間軸の概念をもつ地図の事例では、異なる時代の地図を同一座標軸にプロットすることで、同一座標において異なる時代の地図を表示するもの(例えば、非特許文献2参照)などのように、地図でいうプラットフォームに対応するのが建物の図面であり、それらは、平面図や立面図など、固有のxyz軸を持った建物モデルから、図面をx−y座標、x−z座標で切り出したものとして記述されたり、平面図と平面詳細図のように同一個所について異なる密度とスケールで記述されたりするものである。
前記記憶部に格納された統合図面に含まれる指定図面の中から、入力される検索条件に該当する指定図面を検索する検索部(例えば図1の閲覧・検索ツール6)を備えていてよい。
本発明は、従来、紙ないし電子ファイルで図面毎、検査データ毎でファイリングしておき、これら図面毎、検査データ毎のファイルのうち所望の情報が含まれるファイルを閲覧していたのに対し、BIMなどの建物モデルによる固有のxyz座標軸をもつデータベース上に、各種検査記録がxyz軸上に紐付けられてプロットされたものを、時間軸、xyz軸、フリーワード検索など、ユーザの求める各種検索方法からデータを引き出すようにしたものである。
施工情報管理システム100は、共有図面データベース1と、スケジュールデータベース2と、入力ツール3と、統合処理装置4と、統合図面データベース5と、閲覧・検索ツール6とを備える。
共有図面データベース1は、例えばクラウド或いはサーバー上に設けられ、建物情報モデルBIM等により生成された設計図などの各種データ、各施工工程において生成される平面図、立面図、部分詳細図などといった各種図面の図面データなどが格納される。スケジュールデータベース2は、例えばクラウド或いはサーバー上に設けられ、検査対象の施工建物の施工スケジュールを表すスケジュールデータが格納される。
すなわち、入力ツール3は、図2に示すように、記録部31と、スケジュールデータベース2に格納されているスケジュールデータをもとに、予測変換候補を提示する予測変換候補提示部32と、共有図面データベース1に格納されている共有図面データに対して例えば記録部31で撮影した撮影データ、またコメントなどといったプロパティ情報を挿入する情報挿入部33と、情報挿入部33で挿入された代表点のプロパティ情報を、代表点と同種の部位を表す他の部位のプロパティ情報として共通化する代表点共通処理部34と、を備える。
そして、情報挿入部により撮影データの挿入指示が行なわれたときには、挿入指示が行なわれた位置にピンを設定し、記録部31で撮影された撮影データをピンの位置座標と対応付けて記録する。ローカルノートに設定されたピンには、図3に示すように、例えば、「Note名、Note元ファイル名(ローカル図面名)、Pin(x,y)(ピンの位置座標)、Pin位置に対応付けられた撮影データの内容等」といった、撮影データの内容を表す情報をプロパティ情報として設定することができるようになっている。そして、加工後のローカルノートを含む共有図面データを統合図面データベース5に格納する。なお、ここでは、ローカルノートに撮影データを挿入する場合について説明しているが、これに限るものではなく、記録部31により撮影された画像或いは音声情報に基づき生成される、写真ファイル、動画ファイル、音声ファイルなどを、挿入することも可能である。
そして、予測変換候補提示部32は、撮影データの挿入指示が行なわれたとき、現在の年月日を読み込み、スケジュールデータから現時点に近傍のスケジュールを特定し、プロパティ情報としてこのスケジュールに対応付けられている、「○○検査」、「□□工事」等の単語を、プロパティ情報を入力するための入力フォーマット画面に、予測変換候補として表示する。そして、表示された予測変換候補のうち、ユーザによって選択された候補を、この撮影した撮影データの内容を表すNote名として設定する。
これら検査を実施した代表点については、代表点の箇所に対応して撮影データなどの記録が残る。また、全数検査を行なった場合にはその検査箇所に対応して撮影データなどの記録が残る。つまり、検査箇所に対応する記録が一対一で残る。そして、この撮影データなどのプロパティ情報は、後日これら情報を活用する際には、検査を実施した箇所については、その検査記録データの表示を指示すれば対応する記録が表示される。
そのため、入力ツール3の代表点共通処理部34は、ローカルノートにおいて、代表点に対してプロパティ情報を設定するとともに、代表点を除く代表点と同一種からなる箇所についても代表点に対するプロパティ情報と同じプロパティ情報を割り付ける。
すなわち、まず、入力ツール3において、建物情報モデル(BIM)をもとに検査点のリスト化を図る。例えば、柱の鉄筋検査の場合には、柱符号C11、C12、C13など、柱符号がC11であるもの、或いはC12、C13であるものについて、柱の位置座標をそれぞれピックアップしリスト化する。続いて、入力ツール3を操作し、ローカルノートにおいて代表点に対して撮影データなどのプロパティ情報の挿入を行なう。
しかしながら、上述のように、代表点の撮影データを、他の地点の撮影データとして対応付けることによって、使い勝手を向上させることができる。
統合処理装置4は、例えば、入力装置、表示部およびこれらを制御する演算処理部を備え、統合図面データベース5に格納されている加工後の共有図面データをもとに、指定されたベース図面に、指定された割り当て図面を割り付ける。すなわち、ベース図面の割り当て図面と対応する領域と割り当て図面とを対応させ、これら図面を異なるレイヤの図面として管理し、これら複数の図面を個別に表示したり、重畳表示したりするようになっている。
ここで、建物の図面とは、3次元的な建物形状を、平面図や立面図、部分の詳細図などの2次元形状に置き換え、それらの集合体により3次元的な建物を説明するものである。
図面の統合処理を行なう場合には、統合処理装置4は、まず、統合図面データベース5に格納された共有図面データや既に統合されている統合図面のタイトル一覧を表示すること等により、統合図面データベース5にどのような図面データが格納されているのかを表示装置に表示する。また、統合処理装置4は、タイトル一覧の該当する図面を選択すること等によって、統合図面データベース5に格納されている共有図面或いは統合図面の中から、ベース図面或いは割り当て図面となる共有図面を選択できるようになっている。
また、統合図面に、新たに部分詳細図といった共有図面を統合する場合には、共有図面の中から対象の共有図面を割り当て図面として選択するとともに、統合図面の中から所望の統合図面を選択し、さらにこの選択された統合図面において、この統合図面に含まれる複数の共有図面のうちどの共有図面をベース図面とするかを選択すればよい。つまり、統合図面に含まれる共有図面をベース図面として選択することによって、統合図面に対して複数の共有図面を割り付けることができる。
続いて、統合図面データベース5に格納された図面の中からユーザにより選択された割り当て図面を読み出し、ユーザにより入力されるベース図面の縮尺を読み込む(ステップS3)。
この通り芯設定範囲のパターンには、図6(d)に示すように、図面の四隅をそれぞれ含む略アルファベットL字型となるように設定された4通りのパターンがある。
すなわち、まず、通り芯符号を表す「丸」(円)の輪郭線を、動的輪郭線処理により抽出する。つまり、一般に通り芯符号は、図6(c)に示すように、「丸」(円)の中に符号が記載されている。したがって、この「丸」を通り芯符号の候補として抽出する。
なお、通り芯符号が「丸」(円)ではなく、例えば、四角で統一されている場合には、「四角」を通り芯符号の候補として抽出すればよい。例えば、一の建物の施工に関する図面については、通り芯符号を例えば「丸」で記載する等、予め統一しておいてもよく、或いは、「丸」、「四角」など、通り芯符号として用いられる可能性のある形状について、形状を切り替えて順次輪郭線の抽出を行うことで、各図面において通り信号符号が「丸」或いは「四角」など、どの形状で記載されているかに関係なく、「丸」或いは「四角」で記載された通り芯符号を抽出するようにしてもよい。
そして、このようにして得た、通り芯設定範囲のパターン内の通り芯符号について、通り芯符号から延びる直線、すなわち通り芯を、Hough変換などによりパターン認識することにより抽出する(ステップS7)。
同様にして、ベース図面についても通り芯の抽出を行なう(ステップS8)。つまり、ベース図面の、割り当て図面と重なる領域内に含まれる通り芯符号を含むように設定された通り芯設定範囲のパターン内の領域についてパターン認識を行い、ベース図面の、割り当て図面と重なる領域内に含まれる通り芯符号を抽出する。
以上によって、縮尺の異なるベース図面および割り当て図面間で、ピンのプロパティ情報がリンクされたことになる。そして、このように、通り芯が一致するように位置調整されたベース図面および割り当て図面を統合図面として、統合図面データベース5に格納する。
次に、ラスタデータをスキャニングした際の図面のずれの補正の処理手順について説明する。
まず、図面内の座標軸を数点指定することにより一致させる方法を説明する。
この表示されたベース図面において、ユーザは、仮想点として2点を指定する。この仮想点は、ベース図面において、例えば、原点0と、この原点0を基準とした点(0,1)とを表す点として指定する。
そして、図8(a)に示すように、ベース図面に設定されている座標上の点として設定されている各ピンの位置座標(x,y)を、仮想XY座標上の位置座標に変換する(ステップS14)。
これによって、変更図面の角度のずれが補正される。
そして、このように補正された割り当て図面を、前述の図5のフローチャートにしたがって、ベース図面に割り付ける。
これによって、ベース図面および変更図面を、縮尺を一致させて重ねて表示したときには、変更図面のxy座標と、ベース図面の仮想XY座標とが一致することになる。
次に、パターン認識の手法によって座標軸変換を行なう場合について説明する。
ユーザは、まず、図9に示すように、ラスタ図面からなるずれが生じている変更図面において、通り芯選択範囲を設定する。例えば、ユーザによる座標軸変換指示が行なわれたときに、統合処理装置4が図6(d)に示す通り芯設定範囲のパターンを表示し、このうちのいずれかのパターンをユーザが選択し、変更図面において通り芯を含むようにパターンの位置を設定することにより、通り芯選択範囲の設定を行なう。なお、自動的にいずれかの通り芯設定範囲のパターンを設定するようにしてもよい。
続いて、変更図面から抽出した通り芯について、予め設定した通り芯の基準軸との傾きを計測し、傾き相当だけ、変更図面のX−Y座標軸を、原点を基準として角度変換する(ステップS23)。通り芯の基準軸は、例えば変更図面に角度のずれが生じていないときの通り芯と平行に設定される。
そして、このように角度のずれが補正された変更図面(割り当て図面)を、図5のフローチャートにしたがって、ベース図面に割り付ける。
すなわち、角度のずれを補正した後の割り当て図面とベース図面とについて通り芯を抽出し、これらが一致するように座標軸の位置調整を行なった後、割り当て図面上のピンの位置座標をベース図面に割り付ける。
このように、ラスタ図面の傾きを補正することにより、スキャンによる曲がり、すなわち角度のずれなどが生じている場合であっても的確に同一のX−Y座標上のデータとしてピンを割り付けることができる。
なお、ここでは、二次元座標の図面であるベース図面と割り付け図面とを異なるレイヤに割り付けることによって、これら図面を重畳表示する場合について説明したが、これに限るものではない。二次元座標は、z軸をもたないため、例えば、1階平面図と2階平面図との間など、図面間において、z座標(例えば階高4200mm)を指定することにより、二次元の図面がxyz軸上で積み上がることになる。したがって、割り付け図面をベース図面に割り付ける際に、z座標(例えば階高)を設定してもよい。このz座標は、例えば、各階の平面図を積み上げる。そして、図面の上下関係を整理することが目的であれば、1階平面図=1F、2階平面図=2F,…として簡易に積み上げるだけでもよい。もしくはZ軸に数値を与えて管理する場合、1階平面図=GL+600mm=Z1、2階平面図=Z1+4200mm=Z2、…として、Z軸に数値を与えて積み上げる等の手順で設定すればよい。なお、GLは、グランドレベル(地盤面)を意味する。前者の場合は、Z軸=「Z1」、「Z2」、…の範囲で検索可能となり、後者の場合はZ軸=「Z1」の検索や、Z軸=「Z1+600mm」、…というように、数値を組み合わせた検索も可能となる。また、平面図のみならず、立面図や断面図上にZ軸を設定し、Z1やZ2を設定することでxyz軸からの各種検査記録などの検索が可能となる。
閲覧・検索ツール6は、例えば入力装置、表示部およびこれらを制御する演算処理部を備えた携帯端末などで構成される。すなわち、図11に示すように、指定された図面を表示する図面表示処理部61と、指定された図面を検索する検索処理部62と、を備える。
図面表示処理部61では、統合図面データベース5に格納されている統合図面から、ユーザによる入力装置の操作に応じて指定された図面を検索し、これを表示するなどの処理を行なう。その際、ピンのプロパティ情報がリンクされた統合図面を表示する場合には、ベース図面および割り付け図面を重畳させて表示する。このとき、ベース図面のみ、また割り付け図面のみを表示するようにしてもよい。そして、統合図面を表示する際には、ベース図面に対して設定されているピンとともにベース図面にリンクされている割り付け図面のピンも表示する。なお、ベース図面のみ、或いは割り付け図面のみを統合図面として表示する場合であっても、ベース図面および割り付け図面のそれぞれに対して設定されているピンを表示するようにしてもよく、ベース図面のみ或いは割り付け図面のみを表示する場合にピンを表示してもよい。
一方、図面の場合は、拡大縮小をする場合、次の2つのケースが考えられる。第一に、細かな寸法の確認など、図面中の詳細情報を拡大して確認を行なう場合、第二に、同一箇所に関して、(a)配置図、(b)平面図、(c)平面詳細図、(d)部分詳細図、と異なる図面間の確認を行なう場合、がある。
つまり、図面中の詳細情報を拡大縮小する場合と異なる図面間の確認を行なう場合とは、広い意味では両方とも図面の拡大縮小を行なうものであるものの、情報内容を切り替える場合と切り替えない場合とが発生するため、それらを区別しなければならない。
まず、図面の閲覧の初期状態では、画面サイズに合わせて全体を表示する。例えば、初期図面として、プラットフォームとなる図面、例えば平面図全体を表示する(ステップS41)。例えば、プラットフォームとなる図面を表す共有図面単体、或いは、統合図面に含まれるプラットフォームとなる図面を表示する。
また閲覧・検索ツール6は、検索指示が行なわれたときには、指示にしたがって対応する図面を検索する。
次に、統合図面の一例を、図14〜図23を伴って説明する。なお、図14〜図23は、各種図面を簡略化して記載している。
図14は、1階平面詳細図をベース図面とし、1階平面詳細図に対して記録がなされた図面を割り当て図面として統合したものであって、図16〜図19を割り当て図面として統合したものである。図16は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、仕上げ検査(自主検査)の結果をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。図17は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、仕上げ検査(自主検査)の結果を受けて修正した内容をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。図18は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、完成検査(設計指摘事項)の結果をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。図19は、「1階平面詳細図」に対して、異なるレイヤに、完成検査(設計指摘事項)の結果を受けて修正した内容をプロパティ情報として記録した縮尺:1/50の図面である。
以上のように、本実施形態では、関連する図面(割り当て図面)をベース図面の対応する領域と重なるように割り付け、同一領域を表す複数の図面を関連付けることによって、複数の図面を集約することができる。
そして、複数の図面を集約するために、図面の割り付けを行なう際には、統合処理装置4では、ベース図面の通り芯と割り当て図面の通り芯とが一致するように、割り当て図面の座標の位置調整を自動的に行なうとともに、ラスタ図面の場合にはスキャンに伴う図面の角度のずれを自動的に補正した上で位置調整を行なっている。
また、このように、同一領域を表す複数の図面を関連付けることによって、例えば、建物完成後、メンテナンスのため、ある部位を工事する場合には、その工事対象部位の目視できない部分は、どのような構造になっているのか、どのように配線が施されているか、どのように施工されているのか、などその工事対象部位に関する情報を認識する必要がある。その場合には、例えば、複数図面が集約された統合図面に含まれる平面図全体を表示し、この平面図において工事対象部位を含む領域を範囲指定して検索をかければ、その工事対象部位に関する情報を含む図面一覧が表示される。つまり、工事対象部位の目視できない部分の構造を表す図面や、配線状況を表す図面や、施工状況を表す図面などが一覧として表示される。したがって、ユーザは、この表示された図面一覧の中から所望の図面を選択すれば、工事対象部位に関する全ての図面から、工事対象部位に関する情報を、容易に取得することができる。このように、工事対象部位に関する全ての図面から、工事対象部位に関する情報を取得することができる。
また、検査部位などの撮像データは、図面上の検査部位に対応する位置にピンを設定し、このピン座標と対応付けて記録しており、その際、撮影データの内容を表すタイトル名の候補として、スケジュールデータから特定される、現時点のスケジュール上の工程に関連する検査或いは工事として対応付けられた候補を表示している。そのため、検査名や工事名の付け間違いや、撮影日時の入力ミス、或いは、これらタイトルなど設定すべき項目の入力漏れが生じることを抑制することができ、撮影データを容易に管理することができる。
また、ラスタ図面はスキャナで読み込み、この読み込んだラスタ図面や、電子データからなる図面は、それぞれ関連する他の図面に割り付けて集約するようにしており、電子データからなる図面には通常作成した年月日などの情報が含まれるため、各種図面データについても、工事の工程表等と紐付けることができる。
また、工事の検査記録を行なうユーザが複数存在する場合であっても、入力ツール3の記録機能を用いて検査データの記録などを行なうことによって、データのファイリング等を意識せずとも、入力ツール3において提示されるフォーマットにしたがって入力することによって、検査データなどのファイリングを行なうことができる。
さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
2 スケジュールデータベース
3 入力ツール
4 統合処理装置
5 統合図面データベース
6 閲覧・検索ツール
100 施工情報管理システム
Claims (4)
- 施工建物に係る図面でありかつ同一領域を含む図面として指定された複数の異なる指定図面について、前記同一領域どうしが重なるように前記指定図面の座標軸を位置調整する位置調整部と、
前記位置調整部での位置調整後の前記指定図面どうしを統合し、統合図面として記憶部に格納する統合部と、
前記統合図面を表示可能な図面表示処理部と、
を備え、
前記指定図面は当該指定図面上の座標に対応付けられたプロパティ情報を有し、
前記統合部は、前記プロパティ情報も統合し、
前記図面表示処理部は、前記統合図面を表示する際に、統合した前記プロパティ情報も表示可能になっていることを特徴とする施工情報管理システム。 - 前記位置調整部は、
前記指定図面それぞれについて通り芯を抽出する通り芯抽出部を備え、
前記通り芯抽出部で抽出した対応する通り芯どうしが一致するように、前記指定図面の座標軸を位置調整することを特徴とする請求項1記載の施工情報管理システム。 - 前記記憶部に格納された統合図面に含まれる指定図面の中から、入力される検索条件に該当する指定図面を検索する検索部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の施工情報管理システム。
- 施工建物に係る図面でありかつ同一領域を含む図面として指定された複数の異なる指定図面について、前記同一領域どうしが重なるように前記指定図面の座標軸を位置調整し、
位置調整した後の前記指定図面どうしを統合して統合図面を生成するとともに、前記指定図面が有する、当該指定図面上の座標に対応付けられたプロパティ情報も統合し、
前記統合図面を表示する際には、統合した前記プロパティ情報も表示することを特徴とする施工情報管理方法。
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