JP2015117883A - 地中熱利用システム - Google Patents

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    • Y02E10/10Geothermal energy

Abstract

【課題】地下水を枯渇させることなく地中杭の周囲の領域に新たな地下水を流動させることが可能であり、かつ地中井戸の設置に関する手間や費用を低減させることが可能な地中熱利用システムを提供すること。
【解決手段】地中熱利用システム1は、熱媒体を少なくとも地中の内部において循環させる地中杭20を有し、熱媒体と、採熱領域に属する地中との相互間における熱交換を行う熱交換プラント30と、採熱領域の領域外の非採熱領域に配置される地中井戸50であって、地中の内部の地下水を地中の内部における流動範囲において流動させる地中井戸50と、地中井戸50によって、採熱領域の領域内に位置する地下水を、非採熱領域へと流動させる制御装置10と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、地中熱利用システムに関する。
近年、自然エネルギーである地中熱を地中から採取して利用する地中熱利用システムが提案されている。このような地中熱利用システムは、概略的には、地中に埋設した杭に沿って熱媒体を循環させる配管を設置し、当該熱媒体と地中とを熱交換させ、当該熱媒体に蓄積された冷熱又は温熱を地上において利用するものである。
ここで、このような地中熱利用システムにおいて、地中の内部において熱交換を継続的に行うと、次第に、地中杭の周囲の領域に属する地中の温度が配管を流動する熱媒体の温度に近づいてゆき、次第に熱交換効率が低下してしまう。このような点に鑑みて、地中杭の周囲の領域に地中井戸を設置し、当該領域に存在する地下水を地中井戸により汲み上げて枯渇させ、当該枯渇させた領域に新たな地下水を流動させることによって、当該領域の温度を自然状態の地中の温度に近づける地中熱利用システムが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−80644号公報
ここで、上記の特許文献1に記載の地中熱利用システムによれば、地中杭の周囲の領域に新たな地下水を流動させるために、地中杭の周囲の領域に存在する地下水を地中井戸により汲み上げて枯渇させる。そのため、地下水の過剰汲み上げによる地盤沈下等が生じる可能性があった。
また、上記の特許文献1に記載の地中熱利用システムによれば、地中杭の周囲の領域に新たな地下水を流動させるために、各地中杭の周囲の領域(すなわち、各地中杭の近傍の領域)にそれぞれ一本以上の地中井戸を設置する必要がある。そのため、広範囲に亘って複数の地中杭を設置する場合には、当該地中杭の数に応じた数の地中井戸を設置する必要が有り、地中井戸の設置に関する手間や費用が増大してしまう。
したがって、地下水を枯渇させることなく地中杭の周囲の領域に新たな地下水を流動させることが可能であり、かつ地中井戸の設置に関する手間や費用を低減させることが可能な地中熱利用システムが要望されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、地下水を枯渇させることなく地中杭の周囲の領域に新たな地下水を流動させることが可能であり、かつ地中井戸の設置に関する手間や費用を低減させることが可能な地中熱利用システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の地中熱利用システムは、地中の内部に打設された地中杭であって、熱媒体を少なくとも地中の内部において循環させる地中杭を有し、前記熱媒体と、前記地中杭の周囲の所定範囲内に位置する採熱領域に属する前記地中との相互間における熱交換を行う熱交換手段と、前記採熱領域の領域外の非採熱領域に配置される地下水流動手段であって、前記地中の内部の地下水を前記地中の内部における流動範囲において流動させる地下水流動手段と、前記地下水流動手段によって、前記採熱領域の領域内に位置する地下水を、前記非採熱領域へと流動させる制御手段と、を備える。
また、請求項2に記載の地中熱利用システムは、請求項1に記載の地中熱利用システムにおいて、前記採熱領域、前記非採熱領域、又は前記熱媒体のいずれかの温度を計測する温度計測手段を備え、前記制御手段は、前記温度計測手段にて計測された前記温度に基づいて、前記地下水流動手段による地下水の流動を制御する。
また、請求項3に記載の地中熱利用システムは、請求項2に記載の地中熱利用システムにおいて、前記制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度に基づいて、前記採熱領域若しくは前記熱媒体のいずれかの温度が基準範囲内にない場合、前記採熱領域の温度と前記熱媒体の温度との差、若しくは前記地中杭における往路を通過する熱媒体の温度と復路を通過する熱媒体の温度との差が第一の基準値より小さい場合、又は、前記採熱領域若しくは前記熱媒体の温度と前記非採熱領域の温度との差が第二の基準値より大きい場合、前記地下水流動手段によって、前記地中の内部の地下水を流動させる。
また、請求項4に記載の地中熱利用システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の地中熱利用システムにおいて、前記熱交換手段は、採熱を要する熱交換期間内においては、前記熱媒体と前記地中との相互間における熱交換を行う運転モードに設定され、採熱を要さない非熱交換期間内においては、前記熱媒体と前記地中との相互間における熱交換を行わない休止モードに設定され、前記制御手段は、前記熱交換手段が前記運転モードに設定されている場合、前記地下水流動手段によって、前記地中の内部の地下水を流動させず、前記熱交換手段が前記休止モードに設定されている場合、前記地下水流動手段によって、前記地中の内部の地下水を流動させる。
また、請求項5に記載の地中熱利用システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の地中熱利用システムにおいて、前記採熱領域の領域内に位置する地下水を、前記地下水流動手段によって前記非採熱領域へと流動させる第一モードと、前記第一モードにて前記非採熱領域へと流動させた地下水を、前記地下水流動手段によって前記採熱領域の領域内に流動させる第二モードとを切り替え可能とする。
また、請求項6に記載の地中熱利用システムは、請求項3又は4に記載の地中熱利用システムにおいて、前記地中の内部に配置される遮水壁であって、前記地下水の流動範囲における地下水の流動方向を限定するための遮水壁を備える。
また、請求項7に記載の地中熱利用システムは、請求項5に記載の地中熱利用システムにおいて、前記地中の内部に配置される遮水壁であって、前記採熱領域及び前記非採熱領域を少なくとも含む領域である蓄熱領域と、当該蓄熱領域の外部に位置する領域である外部領域との相互間の地下水の流動を遮断する遮水壁を備える。
また、請求項8に記載の地中熱利用システムは、請求項1から7のいずれか一項に記載の地中熱利用システムにおいて、前記採熱領域、又は前記非採熱領域の地下水位を計測する地下水位計測手段を備え、前記制御手段は、前記地下水位計測手段にて計測された前記地下水位に基づいて、前記地下水流動手段による地下水の流動を制御する。
請求項1に記載の地中熱利用システムによれば、採熱領域の領域内に位置する地下水を、非採熱領域へと流動させることによって、当該採熱領域に新たな地下水を流動させるので、採熱領域を枯渇させる事無く採熱領域に新たな地下水を流動させることができ、地下水の過剰汲み上げによる地盤沈下等が生じる可能性を低減させることが可能となる。
また、非採熱領域に設置した地下水流動手段によって、採熱領域の領域内に位置する地下水を、非採熱領域へと流動させるので、地中杭を複数台設置する場合であっても各地中杭に対応する数の地下水流動手段を設置する必要がなく、地下水流動手段の設置台数を削減でき、地下水流動手段の設置に関する手間や費用の低減を図ることが可能となる。
請求項2に記載の地中熱利用システムによれば、温度計測手段にて計測した採熱領域、非採熱領域、又は熱媒体のいずれかの温度に基づいて地下水の流動を制御するので、熱交換の状況を温度の観点から把握しつつ採熱領域の領域内に位置する地下水を流動させることができ、地下水を効率的に流動させることが可能となる。
請求項3に記載の地中熱利用システムによれば、採熱領域若しくは熱媒体のいずれかの温度が基準範囲内にない場合、採熱領域の温度と熱媒体の温度との差、若しくは地中杭における往路を通過する熱媒体の温度と復路を通過する熱媒体の温度との差が第一の基準値より小さい場合、又は、採熱領域若しくは熱媒体の温度と非採熱領域の温度との差が第二の基準値より大きい場合、地下水を流動させるので、熱媒体による熱交換効率の低下状況を把握しつつ採熱領域の領域内に位置する地下水を流動させることができ、地下水を一層効率的に流動させることが可能となる。
請求項4に記載の地中熱利用システムによれば、熱交換手段が休止モードに設定されている場合にのみ地下水を流動させることにより、非熱交換期間を利用して採熱領域に蓄積された熱を採熱領域から除去するので、非熱交換期間を利用して集中的に熱媒体による熱交換効率を回復でき、地中熱の効率的な利用を図ることが可能となる。
請求項5に記載の地中熱利用システムによれば、採熱領域の領域内に位置する地下水を非採熱領域へと流動させる第一モードと、非採熱領域へと流動させた地下水を採熱領域の領域内に流動させる第二モードとを切替可能とするので、採熱領域だけでなく非採熱領域にも地中杭の熱交換に伴う熱を蓄積させることができ、また、採熱領域だけでなく非採熱領域からも採熱することができるため、地中における一層広範囲の領域を利用して蓄熱及び採熱を行うことが可能となる。
請求項6に記載の地中熱利用システムによれば、地下水の流動範囲における地下水の流動方向を限定するための遮水壁を備えるので、不要な領域の地下水を流動させずに必要な領域の地下水のみを流動させることができ、地下水を効率的に流動させることが可能となる。
請求項7に記載の地中熱利用システムによれば、蓄熱領域と外部領域との相互間の地下水の流動を遮断する遮水壁を備えるので、蓄熱領域に位置する地下水が外部領域に漏出してしまうことを防止でき、また、外部領域に位置する地下水が蓄熱領域に浸入してしまうことを防止できるので、蓄熱効率の向上を図ることが可能となる。
請求項8に記載の地中熱利用システムによれば、制御手段は、地下水位計測手段にて計測された地下水位に基づいて、地下水流動手段による地下水の流動を制御するので、地下水位の状況を把握しつつ地下水流動ができ、地下水の過剰汲み上げによる地盤沈下等が生じる可能性をより一層低減させることが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る地中熱利用システムを概略的に示す平面図である。 図1におけるA−A矢視断面図である。 地中杭を概略的に示す詳細図である。 第一制御処理に関する計測温度と集水量との関係を示すグラフであって、図4(a)は時間と計測温度との関係、図4(b)は時間と集水量との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る第二制御処理に関する計測温度と集水量との関係を示すグラフであって、図5(a)は時間と計測温度との関係、図5(b)は時間と集水量との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態3に係る地中熱利用システムを概略的に示す平面図である。 蓄熱モードを概略的に示す図であって、図6におけるB−B矢視断面図である。 採熱モードを概略的に示す図であって、図6におけるB−B矢視断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る地中熱利用システムの各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕各実施の形態の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る地中熱利用システムは、地中熱を利用する地中熱利用システムである。ここで、「地中熱」とは、地中に蓄えられた熱エネルギーであって、例えば日光や火山活動によって地中が熱せられることにより地中に蓄えられた熱エネルギーを含む。また、「地中」とは、季節に関わらずほぼ一定の温度(約18℃)を維持する、土壌や地下水等によって形成された層であって、地面よりも鉛直下方向に位置する層である。なお、特に地中の位置について説明する場合には、必要に応じて「地中の内部」のように地中とは区別して称して説明する。また、地面よりも鉛直上方向の位置を、必要に応じて「地上」と称して説明する。
なお、この地中熱利用システムにおいて地中熱をどのように利用するかは任意であるが、各実施の形態においては、地中熱を用いて対象空間の冷房又は暖房を行うものとして説明する。また、対象空間は室内または室外のいずれであっても構わないが、各実施の形態においては、対象空間は室内であるものとして説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
(実施の形態1)
まずは、実施の形態1について説明する。本実施の形態1は、地中熱利用システム1の第一制御処理に関する形態である。
(構成)
最初に、本実施の形態1に係る地中熱利用システム1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る地中熱利用システム1を概略的に示す平面図である。図2は、図1におけるA−A矢視断面図である。ここで、以下では、必要に応じて、図1及び図2におけるX−X’方向を「幅方向又は厚み方向」と称し、特にX方向を「右方向」、X’方向を「左方向」と称する。また、Y−Y’方向を「奥行き方向又は厚み方向」と称し、特にY方向を「奥方向」、Y’方向を「前方向」と称する。また、Z−Z’方向を「高さ方向」と称し、特にZ方向を「上方向」、Z’方向を「下方向」と称する。
これら、図1及び図2に示すように、本実施の形態1に係る地中熱利用システム1は、制御装置10、地中杭20、熱交換プラント30、地下水プラント40、地中井戸50、遮水壁60、温度計70a、70b、70c、70d、及び地下水位計測計81、82を備えて構成されている。なお、図2において、自然状態における地中の地下水位(自然地下水位)を点線にて示している。ここで、「自然状態における地中」とは、地中井戸50による集水や、地中杭20による熱交換等が行われる以前の通常の状態の地中を示す。
(構成−制御装置)
制御装置10は、地中熱利用システム1の各部を制御するための制御手段であって、特に、地中井戸50によって、採熱領域E1(後述する)の領域内に位置する地下水を、非採熱領域E2(後述する)へと流動させる制御手段である。この制御装置10は、例えば公知のパーソナルコンピュータやサーバを用いて構成することが可能であり、熱交換プラント30、地下水プラント40、温度計70a、70b、70c、70d、及び地下水位計測計81、82に対して、配線を介して接続されている。そして、熱交換プラント30や地下水プラント40の制御、温度計70a、70b、70c、70dにより計測された計測温度の取得、及び地下水位計測計81、82により計測された水位の取得等といった各種の処理を実行するが、制御装置10が行うこのような具体的な処理の内容については後述する。
(構成−地中杭)
地中杭20は、地中から地中熱を取得するために地中の内部に打設された採熱手段であって、熱媒体を少なくとも地中の内部において循環させる採熱手段である。ここで、「熱媒体」とは、地中熱との熱交換の対象となる媒体であって、気体であるか液体であるかは問わないが、本実施の形態においては、熱媒体は水であるものとして説明する。また、地中杭20の設置台数や設置位置は任意であるが、本実施の形態においては、図1や図2に示すように、幅方向に沿って所定の間隔を置いて3台設置されているものとして説明する。
図3は、地中杭20を概略的に示す要部拡大図である。この図3に示すように、地中杭20は、概略的に、外管21、導入管22、及び導出管23を備えて構成される。
ここで、外管21は、下端部が閉鎖端となっている中空の略円筒形状にて形成され、高さ方向に沿って埋設されている。なお、外管21の素材は任意の素材を用いて構わないが、熱伝導率の高い金属製の素材により構成することがより好ましい。そして、熱媒体を外管21の内部に流動させることによって、外管21を流動する熱媒体と、地中杭20の周囲の所定範囲内に位置する地中との相互間における熱交換が行われる。ここで、このような地中杭20の周囲の所定範囲内に位置する領域を、以下では「採熱領域E1」と称する。なお、「所定範囲」とは、地中杭20による熱交換によって所定以上の温度変化を生じる範囲であって、例えば本実施の形態においては地中杭20の周囲3mを採熱領域E1とする。ここで、図2において当該採熱領域E1を斜線にて示している。また、地中の内部における、遮水壁60に略囲われた領域であって、採熱領域E1に属さない領域を、以下では「非採熱領域E2」と称する。
導入管22は、熱媒体を熱交換プラント30から外管21に導入するための熱媒体導入手段である。具体的には、導入管22は、外管21よりも小さい径を有し、下端部が開口端となっている中空の略円筒形状体として形成されている。そして、この導入管22は、外管21の内部において、外管21の軸心方向に沿って配置されている。また、導入管22における一方の端部は熱交換プラント30に接続されており、他方の端部は外管21の下端部近傍まで垂下されている。
導出管23は、熱媒体を外管21から熱交換プラント30に導出するための熱媒体導出手段である。具体的には、導出管23は、外管21よりも小さい径を有し、下端部が開口端となっている中空の略円筒形状体として形成されている。そして、この導出管23は、外管21の内部における導入管22の側方において、外管21の軸心方向に沿って配置されている。そして、導出管23における一方の端部は熱交換プラント30に接続されており、他方の端部は外管21の上端部近傍に位置するように配置されている。
このような構成によって、熱交換プラント30に設けられた熱交換ポンプ(図示省略)により送り出された熱媒体は、導入管22を通じて外管21の下端部近傍まで送られ、外管21の内部かつ導入管22の外部の領域を上昇し、当該領域を上昇する際に外管21を介して地中と熱交換が行われ、導出管23を通じて熱交換プラント30へと送られる。なお、以下では、地中杭20における導入管22の内部の流路(すなわち、地中杭20における熱媒体の入口側の流路)を「地中杭20の往路」、地中杭20における導入管22よりも下流に位置する流路(すなわち、外管21の内部かつ導入管22の外部の流路、及び導出管23の内部の流路であり、地中杭20における熱媒体の出口側の流路)を、「地中杭20の復路」と必要に応じて称して説明する。
(構成−熱交換プラント)
熱交換プラント30は、熱媒体により採熱した地中熱を利用する地中熱利用手段であって、熱媒体と地中との相互間における熱交換を行う熱交換手段を構成する。なお、熱交換プラント30の具体的な構成については任意であるが、本実施の形態においては、熱媒体を、熱交換プラント30から、導入管22、外管21、及び導出管23を介して熱交換プラント30へと循環させる熱交換ポンプを備え、この際に熱交換プラント30を通過する熱媒体の熱を熱源として、冷房や暖房において熱媒として用いられる冷温水の温度を調節する装置として構成されている。そして、このように熱交換プラント30により温度を調節された冷温水は、対象空間へと流動され、冷房や暖房の熱媒として用いられた後に再度当該熱交換プラント30へと流動する。なお、このような熱交換プラント30の構成や処理については公知であるため、詳細な説明を省略する。
(構成−地下水プラント)
図1、2において、地下水プラント40は、地中井戸50により地下水を集水又は復水させる集復水手段である。この地下水プラント40は、具体的には、集水ポンプ、復水ポンプ、及び貯水槽(いずれも図示省略)を備えて構成されている。集水ポンプは、地中井戸50の下端開口の周辺に配置され、地中井戸50から貯水槽へと地下水を集水するための圧力可変手段である。具体的にはこの集水ポンプは、貯水槽から地中井戸50の内部を介して当該集水ポンプに接続された集水配管の内部の圧力負荷を変化させることにより、地中井戸50の下端開口の周辺の地下水を貯水槽まで汲み上げる公知の水中ポンプとして構成されている。また、復水ポンプは、貯水槽の近傍に配置され、貯水槽から地中井戸50を介して地中へと地下水を復水するための圧力可変手段である。具体的にはこの復水ポンプは、貯水槽から地中井戸50の内部を介して自然地下水位付近まで延設された復水配管の内部の圧力負荷を変化させることにより、地中井戸50の自然地下水位付近へと復水する公知の圧力ポンプとして構成されている。なお、この復水ポンプを設けずに、復水配管の上端部分と下端部分との高低差によって地下水を復水させても良い。貯水槽は、集水ポンプにより集水した地下水を一時的に貯水するための貯水手段である。この貯水槽に貯水された地下水は、任意のタイミングにおいて、復水ポンプを稼働させて再度地中に復水することによって、地下水位の低下に伴って地盤沈下が起きてしまうことを防止する。なお、上述した集水ポンプによる集水量や復水ポンプによる復水量は変化させる方法としては、集水ポンプや復水ポンプにより各配管の圧力負荷を変化させる方法や、各配管に取り付けられたバルブ(図示省略)の開度を調節する方法がある。
(構成−地中井戸)
地中井戸50は、地下水を集水する際、あるいは集水した地下水を復水する際に地下水が流動する経路となる流動経路であって、地中の内部に位置する地下水を前記地中の内部において流動させるための地下水流動手段である。なお、地中の内部における、当該地中井戸50の集水によって地下水の流動速度が所定以上変化する範囲のことを、以下では必要に応じて「流動範囲」と称して説明する。
ここで、地中井戸50は、具体的には、上端部及び下端部が開口端となっている中空の略円筒形状にて形成されており、図1に示すように、平面視において最も右端に配置された地中杭20よりもさらに右方の位置における地中の内部に埋設されている。ここで、上述したように、各地中井戸50の内部には集水配管と復水配管が設置されており、集水配管には集水ポンプが取り付けられており、復水配管には復水ポンプが取り付けられている。そして、これら集水ポンプ及び復水ポンプによって集水配管及び復水配管の圧力を変化させることによって、各地中井戸50は、地中の内部の地下水を地中の外部へと集水する集水手段と、地中井戸50にて集水した地下水を地中の内部へと復水する復水手段とに、切替えられる。
(構成−遮水壁)
遮水壁60は、地中の内部に配置される遮水手段であって、地下水の流動範囲における地下水の流動方向を限定するための遮水手段である。具体的には、地中内に高さ方向に沿って埋設された板状体であって、所定の厚み(例えば、30cm)を有する板状体として形成され、地下水の透過を遮断する素材により形成されている。ここで、地下水の流動方向を限定することが可能である限りにおいて遮水壁60の設置位置は任意であるが、本実施の形態1においては、図1に示すように、平面視コ字状となるように左方向を開放して配置されている。ここで、例えば遮水壁60を設けない場合には、地中井戸50の左方向、右方向、奥方向、及び前方向の四方向から地中井戸50に対して地下水が流れ込む。しかし、このように平面視において左方向のみを開放した遮水壁60を設けることによって、右方向、奥方向、及び前方向の三方向から地中井戸50に対して流れ込む地下水を遮断して、平面視における地下水の流動方向を左から右に至る方向に限定でき、効率的に地下水を流動させることが可能となる。
ここで、遮水壁60の高さ(すなわち、地面から遮水壁60の下端部までの長さ)は任意であるが、より高い程、右方向、奥方向、及び前方向から地中井戸50に対して流れ込む地下水を一層遮断することができるため、一層効率的に地下水を流動させることが可能となる。また、遮水壁60の下端部を粘土層まで到達させることにより、右方向、奥方向、及び前方向の三方向から遮水壁60の下方を介して地中井戸50に対して地下水が流れ込まず完全に遮断することができるため、より一層効率的に地下水を流動させることが可能となる。
(構成−温度計)
温度計70a、70b、70c、70dは、採熱領域E1、非採熱領域E2、又は熱媒体のいずれかの温度を計測する計測する温度計測手段であって、いずれの温度計70a、70b、70c、70dもそれぞれ同様に公知の温度計として構成されている。ここで、温度計70aは、採熱領域E1の温度を計測し、温度計70bは、非採熱領域E2の温度を計測し、温度計70cは、導入管22の内部における熱媒体の温度を計測し、温度計70dは、導出管23の内部における熱媒体の温度を計測する。そして、これらの温度計70a、70b、70c、70dは、制御装置10に対して配線を介して電気的に接続されており、計測した温度を、制御装置10に対して所定の時刻間隔(例えば1分毎に)で送信する。なお、以下では、温度計70aにより計測された採熱領域E1の温度を「計測温度ta」、温度計70bにより計測された非採熱領域E2の温度を「計測温度tb」、温度計70cにより計測された導入管22の内部における熱媒体の温度を「計測温度tc」、温度計70dにより計測された導出管23の内部における熱媒体の温度を「計測温度td」、と必要に応じて称して、また図面に付して説明する。
(構成−地下水位計測計)
地下水位計測計81、82は、地下水位を計測する地下水位計測手段であって、公知の計測用パイプや、当該計測用パイプの内部に導入される検出器(いずれも図示省略)等を備えて構成されている。ここで、地下水位計測計81は採熱領域E1の地下水位を計測し、地下水位計測計82は非採熱領域E2の地下水位を計測する。そして、これらの地下水位計測計81、82は、制御装置10に対して配線を介して電気的に接続されており、計測した地下水位を、制御装置10に対して所定の時刻間隔(例えば1分毎に)で送信する。
(第一制御処理)
続いて、このように構成された地中熱利用システム1により実行される第一制御処理について説明する。なお、以下に説明する第一制御処理を実行するタイミングは任意であるが、本実施の形態1においては、対象空間の冷房を起動させたタイミングにより実行される。
(第一制御処理−概要)
まずは、第一制御処理の概要について説明する。
図4は、第一制御処理に関する計測温度と集水量との関係を示すグラフであって、図4(a)は時間と計測温度との関係、図4(b)は時間と集水量との関係を示すグラフである。なお、「集水量」とは、単位時間当たりにおける地下水の汲み上げ量で表される。ここで、図4(a)において、第一制御処理を実行しなかった場合における温度計70aによる計測温度taの時間推移を点線にて示し、第一制御処理を実行した場合における温度計70aによる計測温度taの時間推移を実線にて示している。また、自然状態における地中の温度(自然地盤温度tn)と、導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcを実線にて示している。
すなわち、図4(a)に示すように、本実施の形態1に係る第一制御処理を実行しなかった場合、熱媒体と採熱領域E1との相互間における熱交換を行う度に、採熱領域E1の温度は熱媒体の温度に近似していくため、次第に熱交換効率が低下してしまう。しかし、本実施の形態1に係る第一制御処理を実行することにより、熱交換を行う度に採熱領域E1の温度が熱媒体の温度に近似していくことを防止し、熱交換効率の低下を防ぐことが可能となる。
(第一制御処理−詳細)
次に、第一制御処理の詳細を示す。
まず、制御装置10は、熱交換プラント30の熱交換ポンプを作動させることにより、地中杭20の内部に熱媒体を循環させ、熱媒体と、採熱領域E1に属する地中との相互間における熱交換を行わせる。
そして、制御装置10は、温度計70a、70b、70c、70dから送信された各地点の計測温度に基づいて、地下水の流動を制御する。ここで、「地下水の流動を制御する」とは、地下水の流動を開始し、又は停止する事に加えて、地下水の流動の速度を変更する事も含む。
具体的には、まず制御装置10は、温度計70aから送信された採熱領域E1の計測温度taに基づいて、当該採熱領域E1の計測温度taが基準範囲内(例えば20℃以下)にない場合に、地下水プラント40の集水ポンプを作動させて地中井戸50による集水を開始する。そして制御装置10は、所定時間(例えば1時間)に渡って地中井戸50による集水を継続させることにより、所定時間に渡って地中の内部の地下水を流動させる。この際における地下水の流動方向を図2において点線の矢印にて示す。すなわち、採熱領域E1の計測温度taが基準範囲内にない場合とは、地中杭20との熱交換によって地中の温度が高くなっている状態を示し、このような場合には熱媒体と地中との温度差が小さいため、熱媒体による熱交換効率が低下しているものと考えられる。そこで、地中の内部において地下水を流動させて、採熱領域E1に新たな地下水を呼び込む(本実施の形態においては、地中杭20の左方の非採熱領域E2に位置していた地下水を呼び込む)ことによって、採熱領域E1を冷却し、熱媒体による熱交換効率を回復させることが可能となる。なお、計測温度taと比較すべき上記基準範囲の具体的決定方法は任意であるが、熱媒体による熱交換効率が低下していると考えられる場合における採熱領域E1の温度の下限値を設定しておくことが好ましい。このような温度は、実験や公知の予測式等に基づいて決定して制御装置10に設定しておくことができるが、一律に固定するのではなく、例えば季節等の環境要因に応じて変更するようにしてもよい(後述する計測温度tb、tc、tdと比較すべき基準範囲についても同様)。
また、制御装置10は、温度計70bから送信された非採熱領域E2の計測温度tbに基づいて、当該非採熱領域E2の計測温度tbが基準範囲内(例えば18℃以下)にない場合に、地下水プラント40の集水ポンプを作動させて地中井戸50による集水を開始する。そして制御装置10は、所定時間(例えば1時間)に渡って地中井戸50による集水を継続させることにより、所定時間に渡って地中の内部の地下水を流動させる。すなわち、通常は、非採熱領域E2の温度よりも採熱領域E1の温度の方が熱媒体との温度差が小さい。したがって、非採熱領域E2の計測温度tbが基準範囲内にない場合、採熱領域E1の温度についても、基準範囲内にない可能性が高く、熱媒体による熱交換効率が低下しているものと考えられる。そこで、このような場合には、地下水を流動させることによって、採熱領域E1を冷却し、熱媒体による熱交換効率を回復させる。なお、計測温度tbと比較すべき上記基準範囲の具体的決定方法は任意であるが、熱媒体による熱交換効率が低下していると考えられる場合における非採熱領域E2の温度の下限値を設定しておくことが好ましく、一般的には、計測温度taと比較すべき上記基準範囲よりも低い温度が設定される。
また、制御装置10は、温度計70cから送信された導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcに基づいて、当該導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcが基準範囲内(例えば23℃以下)にない場合、地下水プラント40の集水ポンプを作動させて地中井戸50による集水を開始する。そして制御装置10は、所定時間(例えば1時間)に渡って地中井戸50による集水を継続させることにより、所定時間に渡って地中の内部の地下水を流動させる。すなわち、各種の機器の故障等が原因で、導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcが基準範囲内にない場合(すなわち基準以上に高温である場合)が想定できる。このような場合に、熱媒体を外管21の内部に循環させて熱交換を行ったとしても、熱媒体が適当な温度まで充分に冷却されない可能性がある。したがって、導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcが基準範囲内にない場合、地下水を流動させることによって採熱領域E1を冷却し、熱媒体による熱交換効率を回復させる。なお、計測温度tcと比較すべき上記基準範囲の具体的決定方法は任意であるが、熱媒体による熱交換効率が低下していると考えられる場合における導入管22の内部での熱媒体の温度の下限値を設定しておくことが好ましく、一般的には、計測温度ta、tbと比較すべき上記基準範囲よりも高い温度が設定される。
また、制御装置10は、温度計70dから送信された導出管23の内部における熱媒体の計測温度tdに基づいて、当該導出管23の内部における熱媒体の計測温度tdが基準範囲内(例えば19℃以下)にない場合、地下水プラント40の集水ポンプを作動させて地中井戸50による集水を開始する。そして制御装置10は、所定時間(例えば1時間)に渡って地中井戸50による集水を継続させることにより、所定時間に渡って地中の内部の地下水を流動させる。すなわち、例えば、採熱領域E1の温度が基準よりも高温である場合等には、熱媒体を外管21へ流動させても熱媒体が充分に冷却されず、導出管23の内部における熱媒体の温度が基準よりも高温となってしまうことが想定できる。このような場合には、熱交換プラント30により熱媒体の冷熱を充分に利用できない可能性がある。したがって、導出管23の内部における熱媒体の計測温度tdが基準範囲内にない場合、地下水を流動させることによって採熱領域E1を冷却し、熱媒体による熱交換効率を回復させる。なお、計測温度tdと比較すべき上記基準範囲の具体的決定方法は任意であるが、熱媒体による熱交換効率が低下していると考えられる場合における導出管23の内部での熱媒体の温度の下限値を設定しておくことが好ましく、一般的には、計測温度tcと比較すべき上記基準範囲よりも低い温度が設定される。
ここで、採熱領域E1の計測温度taが基準範囲内(例えば20℃以下)から大きく外れている場合(例えば23℃)や、採熱領域E1の計測温度taの単位時間当たりにおける上昇比率が基準値(例えば1℃/h)を超過している場合には、所定時間(例えば1時間)に渡って、地中井戸50による地下水の集水量を増大させて、地下水の流動速度を上昇させる。このように、熱媒体による熱交換効率が大きく低下している場合や、熱媒体による熱交換効率が急速に低下している場合には、地下水の流動速度を上昇させて多くの地下水を採熱領域E1に流動させることによって、より急速に熱媒体による熱交換効率を回復させることが可能となる。この点について、非採熱領域E2の計測温度tbや、導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcや、導出管23の内部における熱媒体の計測温度tdが、基準範囲内から大きくはずれている場合等についても同様の処理を実行する。このような制御は、例えば、各計測温度taとそれぞれに対する基準範囲との相互間の乖離量と、地下水の流動速度とを、相互に関連付けて構成された制御テーブルを予め制御装置10に記憶させておき、この制御テーブルを必要に応じて参照することで行うことができる。
また、制御装置10は、温度計70aから送信された採熱領域E1の計測温度ta、及び温度計70cから送信された導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcに基づいて、採熱領域E1の計測温度taと、導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcとの温度差(図4に示すΔt)が基準値(例えば、5℃)より小さい場合、地下水プラント40の集水ポンプを作動させて地中井戸50による集水を開始する。そして制御装置10は、所定時間(例えば1時間)に渡って地中井戸50による集水を継続させることにより、所定時間に渡って地中の内部の地下水を流動させる。すなわち、熱媒体との熱交換が行われることにより採熱領域E1の温度が上昇し、採熱領域E1の計測温度taと導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcとの温度差Δtが低下してしまうことが想定できる。このような場合、熱媒体と地中との相互間において熱交換を行ったとしても、熱媒体が充分に冷却されず、熱媒体による熱交換効率は低い。したがって、採熱領域E1の計測温度taと、導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcとの差が基準値より小さい場合、地下水を流動させることによって採熱領域E1を冷却し、熱媒体による熱交換効率を回復させる。
なお、上記においては、採熱領域E1の計測温度taと、導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcとの差が基準値より小さい場合に、地中の内部の地下水を流動させるものとして説明したが、これに限られない。例えば、非採熱領域E2の計測温度tbと、導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcとの差が基準値より小さい場合や、採熱領域E1の計測温度taと、導出管23の内部における熱媒体の計測温度tdとの差が基準値より小さい場合や、非採熱領域E2の計測温度tbと、導出管23の内部における熱媒体の計測温度tdとの差が基準値より小さい場合についても同様に、所定時間に渡って地中の内部の地下水を流動させても良い。
また、制御装置10は、温度計70cから送信された導入管22の内部における熱媒体の計測温度tc、及び温度計70dから送信された導出管23の内部における熱媒体の計測温度tdに基づいて、熱媒体の計測温度tcと熱媒体の計測温度tdとの差が基準値(例えば、5℃)より小さい場合、地下水プラント40の集水ポンプを作動させて地中井戸50による集水を開始する。すなわち、熱媒体と地中との熱交換効率が低下している場合には、熱媒体が外管21の内部を通過した際における熱媒体の温度変化が小さいため、導入管22を通過する熱媒体の温度(計測温度tc)と導出管23を通過する熱媒体の温度(計測温度td)との差は小さい。したがって、熱媒体の計測温度tcと熱媒体の計測温度tdとの差が基準値より小さい場合、地下水を流動させることによって採熱領域E1を冷却し、熱媒体による熱交換効率を回復させる。
また、制御装置10は、温度計70aから送信された採熱領域E1の計測温度ta、及び温度計70bから送信された採熱領域E2の計測温度tbに基づいて、採熱領域E1の計測温度taと、採熱領域E2の計測温度tbとの温度差が基準値(例えば、5℃)より大きい場合、地下水プラント40の集水ポンプを作動させて地中井戸50による集水を開始する。すなわち、例えば採熱領域E1に熱が蓄積されて高温になっている場合には熱媒体による熱交換効率は低下しているが、このような場合に採熱領域E1の計測温度taと非採熱領域E2の計測温度tbとの温度差が小さければ(すなわち、非採熱領域E2が低温であれば)、非採熱領域E2の地下水を採熱領域E1へと移動させて採熱領域E1を冷却し、熱媒体による熱交換効率を回復させることが可能である。
また、制御装置10は、以上に示す各温度の差が基準値よりも非常に小さい場合(あるいは非常に大きい場合)、熱媒体による熱交換効率が非常に低下しているものと判断し、所定時間(例えば1時間)に渡って、地中井戸50による集水量を増大させて地下水流動の速度を上昇させても良い。また、以上に示す各「基準範囲」及び「基準値」については、それぞれ相互に異なる温度の範囲や値を設定することができる。
また、制御装置10は、地下水位計測計81から送信された採熱領域E1の地下水位、及び地下水位計測計82から送信された非採熱領域E2の地下水位に基づいて、地下水の流動を制御する。ここで、「地下水の流動を制御する」とは、地下水の流動を開始し、又は停止する事に加えて、地下水の流動の速度を変更する事も含む。
例えば、採熱領域E1の地下水位や非採熱領域E2の地下水位が第一基準水位(例えば10m)以上である場合には、制御装置10は、地盤沈下が生じる可能性が高いと判断し、地下水プラント40を制御して、地中井戸50からの地下水の集水量を低下させる。また、採熱領域E1の地下水位や非採熱領域E2の地下水位が第二基準水位(例えば20m)以上である場合には、制御装置10は、地盤沈下が生じる可能性がより一層高いと判断し、地下水プラント40を制御して、地中井戸50からの地下水の集水を停止させる。このように、地下水位を計測しつつ、地下水位に応じて地下水の流動を制御することによって、地盤沈下の発生を注意しつつ地下水を流動させることが可能となる。
(実施の形態1の効果)
このように、本実施の形態1に係る地中熱利用システム1によれば、採熱領域E1の領域内に位置する地下水を、非採熱領域E2へと流動させることによって、当該採熱領域E1に新たな地下水を流動させるので、採熱領域E1を枯渇させる事無く採熱領域E1に新たな地下水を流動させることができ、地下水の過剰汲み上げによる地盤沈下等が生じる可能性を低減させることが可能となる。
また、非採熱領域E2に設置した地中井戸50によって、採熱領域E1の領域内に位置する地下水を、非採熱領域E2へと流動させるので、地中杭20を複数台設置する場合であっても各地中杭20に対応する数の地中井戸50を設置する必要がなく、地中井戸50の設置台数を削減でき、地中井戸50の設置に関する手間や費用の低減を図ることが可能となる。
また、温度計70a、70b、70c、70dにて計測した採熱領域E1、非採熱領域E2、又は熱媒体のいずれかの温度に基づいて地下水の流動を制御するので、熱交換の状況を温度の観点から把握しつつ採熱領域E1の領域内に位置する地下水を流動させることができ、地下水を効率的に流動させることが可能となる。
また、採熱領域E1若しくは熱媒体のいずれかの温度が基準範囲内にない場合、採熱領域E1の温度と熱媒体の温度との差、若しくは地中杭20における往路を通過する熱媒体の温度と復路を通過する熱媒体の温度との差が第一の基準値より小さい場合、又は、採熱領域E1若しくは熱媒体の温度と非採熱領域E2の温度との差が第二の基準値より大きい場合、地下水を流動させるので、熱媒体による熱交換効率の低下状況を把握しつつ採熱領域E1の領域内に位置する地下水を流動させることができ、地下水を一層効率的に流動させることが可能となる。
また、地下水の流動範囲における地下水の流動方向を限定するための遮水壁60を備えるので、不要な領域の地下水を流動させずに必要な領域の地下水のみを流動させることができ、効率的に地下水を流動させることが可能となる。
また、制御装置10は、地下水位計測計81、82にて計測された地下水位に基づいて、地中井戸50による地下水の流動を制御するので、地下水位の状況を把握しつつ地下水流動ができ、地下水の過剰汲み上げによる地盤沈下等が生じる可能性をより一層低減させることが可能となる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、地中熱利用システムの第二制御処理に関する形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成−熱交換プラント)
熱交換プラント30は、運転モード及び休止モードの2つのモードのいずれかに設定される。ここで、「運転モード」とは、採熱を要する熱交換期間内(すなわち、本実施の形態における夏季)において設定されるモードであって、対象空間の冷房を行う際に設定されるモードである。この運転モードは任意のタイミングによって設定され、例えば、外気温が所定温度(例えば、26℃)以上である際に自動的に、又はユーザの操作に基づいて手動で設定される。また、「休止モード」とは、採熱を要さない非熱交換期間内(すなわち、本実施の形態における秋季、冬季、及び春季)において設定されるモードであって、対象空間の冷房を行わない際に設定されるモードである。この運転モードは任意のタイミングによって設定され、例えば、外気温が所定温度(例えば、26℃)未満である際に自動的に、又はユーザの操作に基づいて手動で設定される。
(第二制御処理)
続いて、実施の形態2において実行される第二制御処理について説明する。なお、以下に説明する第二制御処理を実行するタイミングは任意であるが、本実施の形態2においては、地中熱利用システムを起動させたタイミングにより実行される。
(第二制御処理−概要)
まずは、第二制御処理の概要について説明する。
図5は、本実施の形態2に係る第二制御処理に関する計測温度と集水量との関係を示すグラフであって、図5(a)は時間と計測温度との関係、図5(b)は時間と集水量との関係を示すグラフである。ここで、図5(a)において、第二制御処理を実行しなかった際における温度計70aにおける計測温度taの時間推移と、温度計70bにおける計測温度tbの時間推移とを点線にて示し、第二制御処理を実行した際における温度計70aにおける計測温度taの時間推移と、温度計70bにおける計測温度tbの時間推移とを実線にて示している。また、自然状態における地中の温度(自然地盤温度tn)と、導入管22の内部における熱媒体の計測温度tcを実線にて示している。また、時間を夏季、秋季、冬季、及び春季の四季に分類し、このような四季により構成される特定の年度を基準とする翌年の年度を、以下では「次年度」と称して説明する。
すなわち、図5(a)に示すように、地中杭20による熱交換を行う夏季においては、採熱領域E1及び非採熱領域E2の温度は時間経過に伴って上昇し、地中杭20による熱交換を行わない秋季、冬季、及び春季においては、採熱領域E1及び非採熱領域E2の温度は時間経過に伴って下降する。ここで、第二制御処理を実行しない場合、秋季、冬季、及び春季を経ても、採熱領域E1や非採熱領域E2の温度が時間経過に伴って自然地盤温度tnまで低下しない。したがって、次年度の夏季においては、採熱領域E1の温度が自然地盤温度tnよりも高い状態において熱交換を開始するため、次年度以降、次第に熱交換の効率が低下していってしまう。一方、第二制御処理を実行する場合には、実線で示すように、秋季、冬季、及び春季を経て採熱領域E1や非採熱領域E2の温度を自然地盤温度tnまで低下させることができ、次年度以降の夏季における熱交換効率の低下を防止することが可能となる。
(第二制御処理−詳細)
次に、第二制御処理の詳細を示す。
まず、制御装置10は、熱交換プラント30が運転モード又は休止モードのいずれのモードに設定されているかを判断する。この判断は、例えば、外気温が所定温度未満である際に自動的に運転モードが設定される場合には、外気温に基づいて行われ、あるいは、ユーザの操作に基づいて手動で運転モードが設定される場合には、当該操作結果に基づいて行われる。そして、運転モードに設定されていると判断した場合、制御装置10は、地中井戸50によって地中の内部の地下水を流動させない。すなわち、本実施の形態2においては、夏季には、地下水を流動させないため熱交換による熱が地中に蓄積していき、地中の温度は時間経過に伴って上昇し続ける。
また、休止モードに設定されている場合、制御装置10は、地中井戸50によって地中の内部の地下水を所定の速度で流動させる。すなわち、このように熱媒体と地中との熱交換が行われない時期である秋季、冬季、及び春季等を利用して採熱領域E1の温度を低下させることによって、熱交換により採熱領域E1に蓄積された熱が次年度まで残留してしまうことを防止することが出来る。なお、制御装置10は、温度計70aから送信された採熱領域E1の計測温度ta、温度計70bから送信された非採熱領域E2の計測温度tbに基づいて、地下水プラント40を制御し、地中井戸50における集水量を制御する。具体的には、単位時間当たりにおける採熱領域E1の計測温度taの低下率、又は単位時間当たりにおける非採熱領域E2の計測温度tbの低下率に基づいて、低下率が所定値よりも大きい場合は集水量を小さくし、低下率が所定値よりも小さい場合は集水量を大きくする。
(実施の形態2の効果)
このように、本実施の形態2に係る地中熱利用システムによれば、熱交換プラント30が休止モードに設定されている場合にのみ地下水を流動させることにより、非熱交換期間を利用して採熱領域E1に蓄積された熱を採熱領域E1から除去するので、非熱交換期間を利用して集中的に熱媒体による熱交換効率を回復でき、地中熱の効率的な利用を図ることが可能となる。
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、地中熱利用システム3の第三制御処理に関する形態である。なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。図6は、本実施の形態3に係る地中熱利用システム3を概略的に示す平面図である。
(構成−地下水プラント及び地中井戸)
地下水プラント90は、地中井戸100から地下水を集水し、又は地中井戸100に対して地下水を復水する集復水手段である。ここで、本実施の形態3においては、地下水プラント90は、地中杭20の並設方向に沿って2つ設置されており、一方の地下水プラント90は、最も右端の地中杭20のさらに右方に設置されており、他方の地下水プラント90は、最も左端の地中杭20のさらに左方に設置されている。ここで、以下では、右方に配置された地下水プラント90を第一プラント91、左方に配置された地下水プラント90を第二プラント92と必要に応じて称して説明する。また、この地下水プラント90と対応するように、地中井戸100についても、最も右端の地中杭20のさらに右方、及び最も左端の地中杭20のさらに左方に1つずつ設置されている。以下では、右方に配置された地中井戸100を第一地中井戸101、左方に配置された地中井戸100を第二地中井戸102と必要に応じて称して説明する。なお、これらの具体的な構成については実施の形態1と同様に構成できるため、その詳細な説明を省略する。また、複数の地中井戸100はそれぞれ等間隔に配置されており、それぞれの地中井戸100の相互間には非採熱領域E2が位置している。
(構成−遮水壁)
遮水壁110は、地中井戸100及び地中杭20の四方を覆うように、地中の内部に配置される遮水手段である。ここで、本実施の形態においては、地中杭20の周囲の所定範囲内に位置する領域を「採熱領域E1」と称し、当該採熱領域E1の外部の領域であり、かつ遮水壁110の内側に位置する領域を「非採熱領域E2」と称し、当該採熱領域E1と非採熱領域E2を併合させた領域を「蓄熱領域E3」と称し、当該蓄熱領域E3の外側の領域(すなわち、遮水壁110により覆われていない領域)を「外部領域E4」と称して説明する。このように、地中井戸100及び地中杭20の四方を覆うように遮水壁110を設けることによって、外部領域E4から蓄熱領域E3に対して地下水が流動しなくなる。なお、遮水壁110はいずれの位置においても下端部が粘土層に到達しており、遮水壁110の下方を介して地下水は流動しないものとして形成されている。
(第三制御処理)
続いて、第三制御処理について説明する。この第三制御処理は、概略的に、蓄熱領域E3に熱を蓄積するための処理である。このようにして蓄熱領域E3に蓄積された熱の具体的な利用方法については任意であるが、本実施の形態3においては、蓄熱領域E3に蓄積された熱を冬季等において暖房に利用するものとして説明する。ここで、本実施の形態3に係る地中熱利用システム3は、自動的に、又はユーザによって手動的に、蓄熱モード又は採熱モードのいずれかに設定され、以下では、当該第三制御処理を、地中に蓄熱する第一のモードである「蓄熱モード」と、地中から採熱する第二のモードである「採熱モード」に分けて説明する。
(第三制御処理−蓄熱モード)
初めに、蓄熱モードについて説明する。図7は、蓄熱モードを概略的に示す図であって、図6におけるB−B矢視断面図である。なお、この蓄熱モードは、夏季等の冷房運転を行う際に設定される。
まず制御装置10は、対象空間の冷房を行う夏季等において、冷房を行うために利用する地中熱を取得するため、熱交換プラント30を作動させて地中杭20による地中との熱交換を行わせる。そして、制御装置10は、採熱領域E1に対して充分に蓄熱が行われたと判断した場合(本実施の形態3においては、温度計70aから送信された採熱領域E1の計測温度taが基準温度に達した場合)、当該採熱領域E1にはこれ以上蓄熱を行うことが出来ないものと判断し、第一プラント91を制御して、第一地中井戸101による集水を開始し、地下水を右方向へ流動させる。この際には、図7に示すように、採熱領域E1に位置していた地下水は、当該採熱領域E1の右方に位置する非採熱領域E2へと流動し、非採熱領域E2に位置していた地下水は、当該非採熱領域E2の右方に位置する採熱領域E1へと流動する。
そして、制御装置10は、採熱領域E1の領域内に位置していた地下水が、非採熱領域E2へと流動したか否かを判断し、非採熱領域E2へと流動したと判断した場合、第一プラント91を制御して地下水の流動を停止させる。すなわち、採熱領域E1には、自然状態の地下水が位置し、非採熱領域E2には、熱交換により加熱された地下水が位置することとなる。なお、当該処理における具体的な判断手法については任意であるが、例えば、非採熱領域E2の計測温度tbが自然状態の地中の温度から所定温度(例えば3℃)上昇した場合、採熱領域E1の領域内に位置していた地下水が、非採熱領域E2へと流動したと判断しても良い。
そして、制御装置10は地中杭20による熱交換を継続させることによって、採熱領域E1に再び蓄熱が行われる。すなわち、当該蓄熱モードによれば、地下水を流動させることによって、採熱領域E1及び非採熱領域E2の両方に対して蓄熱を行うことが可能となるため、蓄熱量を増大させることが可能となる。
(第三制御処理−採熱モード)
次に、採熱モードについて説明する。図8は、採熱モードを概略的に示す図であって、図6におけるB−B矢視断面図である。なお、この採熱モードは、冬季等の暖房運転を行う際に設定される。
まず制御装置10は、対象空間の暖房を行う冬季等において、暖房を行うために利用する地中熱を取得するため、熱交換プラント30を作動させて地中杭20による地中との熱交換を行わせる。ここで、上述した蓄熱モードによって採熱領域E1の地中には熱交換に伴う温熱が蓄積しているため、熱媒体の温度と採熱領域E1の温度との差は大きく、熱媒体による熱交換効率は高い。
そして、地中杭20による熱交換を継続すると、採熱領域E1の温度は次第に熱媒体の温度に近似していく(すなわち、採熱領域E1の温度は低下していく)。ここで、制御装置10は、採熱領域E1に対して充分に採熱が行われたと判断した場合(本実施の形態3においては、温度計70aから送信された採熱領域E1の計測温度taが基準温度まで低下した場合)、当該採熱領域E1からはこれ以上採熱を行うことが出来ないものと判断し、第二プラント92を制御して、第二地中井戸102による集水を開始し、地下水を左方向へ流動させる。この際には、図8に示すように、非採熱領域E2に位置していた地下水は、当該非採熱領域E2の左方に位置する採熱領域E1へと流動し、採熱領域E1に位置していた地下水は、当該採熱領域E1の左方に位置する非採熱領域E2へと流動する。
そして、制御装置10は、非採熱領域E2の領域内に位置していた地下水が、採熱領域E1へと流動したか否かを判断し、採熱領域E1へと流動したと判断した場合、第二プラント92を制御して地下水の流動を停止させる。すなわち、採熱領域E1には、採熱済みでない地中に位置していた地下水が位置し、非採熱領域E2には、採熱済みの地中に位置していた地下水が位置することとなる。なお、当該処理における具体的な判断手法については任意であるが、例えば、採熱領域E1の計測温度taが所定温度(例えば3℃)上昇した場合、非採熱領域E2の領域内に位置していた地下水が、採熱領域E1へと流動したと判断しても良い。
そして、制御装置10は地中杭20による熱交換を継続させることによって、採熱領域E1から再び採熱が行われる。すなわち、当該採熱モードによれば、地下水を流動させることによって、採熱領域E1及び非採熱領域E2の両方から採熱を行うことが可能となるため、採熱量を増大させることが可能となる。
(実施の形態3の効果)
このように、本実施の形態3に係る地中熱利用システム3によれば、採熱領域E1の領域内に位置する地下水を非採熱領域E2へと流動させる蓄熱モードと、非採熱領域E2へと流動させた地下水を採熱領域E1の領域内に流動させる採熱モードとを切替可能とするので、採熱領域E1だけでなく非採熱領域E2にも地中杭20の熱交換に伴う熱を蓄積させることができ、また、採熱領域E1だけでなく非採熱領域E2からも採熱することができるため、地中における一層広範囲の領域を利用して蓄熱及び採熱を行うことが可能となる。
また、蓄熱領域E3と外部領域E4との相互間の地下水の流動を遮断する遮水壁110を備えるので、蓄熱領域E3の内部の地下水が外部領域E4に漏出してしまうことを防止でき、また、外部領域E4の内部の地下水が蓄熱領域E3に浸入してしまうことを防止できるので、蓄熱効率の向上を図ることが可能となる。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、少なくとも地盤沈下等が生じる可能性の低減率が従来と同程度に留まる場合であっても、従来と異なるシステムによって地盤沈下等が生じる可能性の低減を達成できている場合には、本発明の課題は解決されている。
(寸法や材料について)
発明の詳細な説明や図面で説明した地中熱利用システムの各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。
(遮水壁について)
各実施の形態においては、遮水壁60、110を設けるものとして説明したが、この遮水壁60、110は設けなくても良い。
(適用対象となる地中について)
当該地中熱利用システムの適用対象となる地中は任意であり、例えば元来自然状態における地下水の流動速度が速いために、熱交換に伴い地中に蓄積される熱量が元来小さい地中であっても適用対象としても良い。
(地中熱の利用方法について)
実施の形態1及び実施の形態2においては、熱媒体と地中とを熱交換させることにより熱媒体を冷却し、熱媒体の冷熱を冷房に利用するものとして説明したが、これに限定されない。すなわち、冬季において同様の処理を実行し、熱媒体と地中とを熱交換させることにより熱媒体を加熱し、熱媒体の温熱を暖房に利用するものとしてもよい。
(蓄熱モード及び採熱モードについて)
なお、上記実施の形態3では対象空間の冷房を行うことにより地中に蓄積された温熱を、暖房を行う際に採熱するものとして説明したが、これに限定されない。すなわち、対象空間の暖房を行うことにより地中に蓄積された冷熱を、冷房を行う際に採熱するものであっても良い。
(地中井戸について)
各実施の形態では、地中井戸50、100は集水のみを行うものとして説明したが、これに限られない。すなわち、地下水位が基準となる値よりも大きくなった場合には、集水した地下水を再度地中に復水することにより、地盤沈下の発生を防止しても良い。
(地中杭について)
各実施の形態では、地中杭20は一直線上に配置するものとして説明したが、地中杭20の配置はこれに限定されない。例えば地中井戸50、100を中心として放射線状に複数の地中杭20を配置しても良い。
(第二制御処理について)
本実施の形態2において、夏季においては地中井戸50による地下水流動を行わないものとして説明したが、これに限定されない。すなわち、第二制御処理における夏季において、実施の形態1に示す第一制御処理を行っても良い。このように第一制御処理と第二制御処理とを組み合わせて実行することにより、熱媒体による熱交換効率を一層向上させることが可能となる。
また、本実施の形態2では、第二制御処理において、非採熱領域E2の計測温度taを自然地盤温度tnまで完全に回復させるものとして説明したが、これに限られず、非採熱領域E2の計測温度taを自然地盤温度tnまで完全に回復していなくても構わない。
(実施形態や制御方法の相互に組み合わせ)
これまでに説明した実施形態や制御方法については、任意の一部を任意に組み合わせることができる。例えば、実施の形態1において説明したような計測温度ta〜tdに基づく制御と、実施の形態2において説明したような熱交換プラント30のモードに基づく制御とを、任意のタイミング及び方法で切り替えてもよい。あるいは、実施の形態1において説明した計測温度ta〜tdに基づく各条件のうち、任意の所定の一部の条件がAND条件やOR条件を満たす場合に、地下水を流動させる制御を行うようにしてもよい。
(付記)
付記1に記載の地中熱利用システムは、地中の内部に打設された地中杭であって、熱媒体を少なくとも地中の内部において循環させる地中杭を有し、前記熱媒体と、前記地中杭の周囲の所定範囲内に位置する採熱領域に属する前記地中との相互間における熱交換を行う熱交換手段と、前記採熱領域の領域外の非採熱領域に配置される地下水流動手段であって、前記地中の内部の地下水を前記地中の内部における流動範囲において流動させる地下水流動手段と、前記地下水流動手段によって、前記採熱領域の領域内に位置する地下水を、前記非採熱領域へと流動させる制御手段と、を備える。
また、付記2に記載の地中熱利用システムは、付記1に記載の地中熱利用システムにおいて、前記採熱領域、前記非採熱領域、又は前記熱媒体のいずれかの温度を計測する温度計測手段を備え、前記制御手段は、前記温度計測手段にて計測された前記温度に基づいて、前記地下水流動手段による地下水の流動を制御する。
また、付記3に記載の地中熱利用システムは、付記2に記載の地中熱利用システムにおいて、前記制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度に基づいて、前記採熱領域若しくは前記熱媒体のいずれかの温度が基準範囲内にない場合、前記採熱領域の温度と前記熱媒体の温度との差、若しくは前記地中杭における往路を通過する熱媒体の温度と復路を通過する熱媒体の温度との差が第一の基準値より小さい場合、又は、前記採熱領域若しくは前記熱媒体の温度と前記非採熱領域の温度との差が第二の基準値より大きい場合、前記地下水流動手段によって、前記地中の内部の地下水を流動させる。
また、付記4に記載の地中熱利用システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の地中熱利用システムにおいて、前記熱交換手段は、採熱を要する熱交換期間内においては、前記熱媒体と前記地中との相互間における熱交換を行う運転モードに設定され、採熱を要さない非熱交換期間内においては、前記熱媒体と前記地中との相互間における熱交換を行わない休止モードに設定され、前記制御手段は、前記熱交換手段が前記運転モードに設定されている場合、前記地下水流動手段によって、前記地中の内部の地下水を流動させず、前記熱交換手段が前記休止モードに設定されている場合、前記地下水流動手段によって、前記地中の内部の地下水を流動させる。
また、付記5に記載の地中熱利用システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の地中熱利用システムにおいて、前記採熱領域の領域内に位置する地下水を、前記地下水流動手段によって前記非採熱領域へと流動させる第一モードと、前記第一モードにて前記非採熱領域へと流動させた地下水を、前記地下水流動手段によって前記採熱領域の領域内に流動させる第二モードとを切り替え可能とする。
また、付記6に記載の地中熱利用システムは、付記3又は4に記載の地中熱利用システムにおいて、前記地中の内部に配置される遮水壁であって、前記地下水の流動範囲における地下水の流動方向を限定するための遮水壁を備える。
また、付記7に記載の地中熱利用システムは、付記5に記載の地中熱利用システムにおいて、前記地中の内部に配置される遮水壁であって、前記採熱領域及び前記非採熱領域を少なくとも含む領域である蓄熱領域と、当該蓄熱領域の外部に位置する領域である外部領域との相互間の地下水の流動を遮断する遮水壁を備える。
また、付記8に記載の地中熱利用システムは、付記1から7のいずれか一項に記載の地中熱利用システムにおいて、前記採熱領域、又は前記非採熱領域の地下水位を計測する地下水位計測手段を備え、前記制御手段は、前記地下水位計測手段にて計測された前記地下水位に基づいて、前記地下水流動手段による地下水の流動を制御する。
(付記の効果)
付記1に記載の地中熱利用システムによれば、採熱領域の領域内に位置する地下水を、非採熱領域へと流動させることによって、当該採熱領域に新たな地下水を流動させるので、採熱領域を枯渇させる事無く採熱領域に新たな地下水を流動させることができ、地下水の過剰汲み上げによる地盤沈下等が生じる可能性を低減させることが可能となる。
また、非採熱領域に設置した地下水流動手段によって、採熱領域の領域内に位置する地下水を、非採熱領域へと流動させるので、地中杭を複数台設置する場合であっても各地中杭に対応する数の地下水流動手段を設置する必要がなく、地下水流動手段の設置台数を削減でき、地下水流動手段の設置に関する手間や費用の低減を図ることが可能となる。
付記2に記載の地中熱利用システムによれば、温度計測手段にて計測した採熱領域、非採熱領域、又は熱媒体のいずれかの温度に基づいて地下水の流動を制御するので、熱交換の状況を温度の観点から把握しつつ採熱領域の領域内に位置する地下水を流動させることができ、地下水を効率的に流動させることが可能となる。
付記3に記載の地中熱利用システムによれば、採熱領域、非採熱領域、若しくは熱媒体のいずれかの温度が基準範囲内にない場合、又は、採熱領域、若しくは非採熱領域の温度と、熱媒体の温度との差が基準値より小さい場合、地下水を流動させるので、熱媒体による熱交換効率の低下状況を把握しつつ採熱領域の領域内に位置する地下水を流動させることができ、地下水を一層効率的に流動させることが可能となる。
付記4に記載の地中熱利用システムによれば、熱交換手段が休止モードに設定されている場合にのみ地下水を流動させることにより、非熱交換期間を利用して採熱領域に蓄積された熱を採熱領域から除去するので、非熱交換期間を利用して集中的に熱媒体による熱交換効率を回復でき、地中熱の効率的な利用を図ることが可能となる。
付記5に記載の地中熱利用システムによれば、採熱領域の領域内に位置する地下水を非採熱領域へと流動させる第一モードと、非採熱領域へと流動させた地下水を採熱領域の領域内に流動させる第二モードとを切替可能とするので、採熱領域だけでなく非採熱領域にも地中杭の熱交換に伴う熱を蓄積させることができ、また、採熱領域だけでなく非採熱領域からも採熱することができるため、地中における一層広範囲の領域を利用して蓄熱及び採熱を行うことが可能となる。
付記6に記載の地中熱利用システムによれば、地下水の流動範囲における地下水の流動方向を限定するための遮水壁を備えるので、不要な領域の地下水を流動させずに必要な領域の地下水のみを流動させることができ、地下水を効率的に流動させることが可能となる。
付記7に記載の地中熱利用システムによれば、蓄熱領域と外部領域との相互間の地下水の流動を遮断する遮水壁を備えるので、蓄熱領域に位置する地下水が外部領域に漏出してしまうことを防止でき、また、外部領域に位置する地下水が蓄熱領域に浸入してしまうことを防止できるので、蓄熱効率の向上を図ることが可能となる。
付記8に記載の地中熱利用システムによれば、制御手段は、地下水位計測手段にて計測された地下水位に基づいて、地下水流動手段による地下水の流動を制御するので、地下水位の状況を把握しつつ地下水流動ができ、地下水の過剰汲み上げによる地盤沈下等が生じる可能性をより一層低減させることが可能となる。
1、3 地中熱利用システム
10 制御装置
20 地中杭
21 外管
22 導入管
23 導出管
30 熱交換プラント
40 地下水プラント
50、100 地中井戸
60 遮水壁
70a、70b、70c、70d 温度計
81、82 地下水位計測計
90 地下水プラント
91 第一プラント
92 第二プラント
101 第一地中井戸
102 第二地中井戸
110 遮水壁
E1 採熱領域
E2 非採熱領域
E3 蓄熱領域
E4 外部領域

Claims (8)

  1. 地中の内部に打設された地中杭であって、熱媒体を少なくとも地中の内部において循環させる地中杭を有し、前記熱媒体と、前記地中杭の周囲の所定範囲内に位置する採熱領域に属する前記地中との相互間における熱交換を行う熱交換手段と、
    前記採熱領域の領域外の非採熱領域に配置される地下水流動手段であって、前記地中の内部の地下水を前記地中の内部における流動範囲において流動させる地下水流動手段と、
    前記地下水流動手段によって、前記採熱領域の領域内に位置する地下水を、前記非採熱領域へと流動させる制御手段と、を備える、
    地中熱利用システム。
  2. 前記採熱領域、前記非採熱領域、又は前記熱媒体のいずれかの温度を計測する温度計測手段を備え、
    前記制御手段は、前記温度計測手段にて計測された前記温度に基づいて、前記地下水流動手段による地下水の流動を制御する、
    請求項1に記載の地中熱利用システム。
  3. 前記制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度に基づいて、
    前記採熱領域若しくは前記熱媒体のいずれかの温度が基準範囲内にない場合、
    前記採熱領域の温度と前記熱媒体の温度との差、若しくは前記地中杭における往路を通過する熱媒体の温度と復路を通過する熱媒体の温度との差が第一の基準値より小さい場合、
    又は、前記採熱領域若しくは前記熱媒体の温度と前記非採熱領域の温度との差が第二の基準値より大きい場合、
    前記地下水流動手段によって、前記地中の内部の地下水を流動させる、
    請求項2に記載の地中熱利用システム。
  4. 前記熱交換手段は、採熱を要する熱交換期間内においては、前記熱媒体と前記地中との相互間における熱交換を行う運転モードに設定され、採熱を要さない非熱交換期間内においては、前記熱媒体と前記地中との相互間における熱交換を行わない休止モードに設定され、
    前記制御手段は、前記熱交換手段が前記運転モードに設定されている場合、前記地下水流動手段によって、前記地中の内部の地下水を流動させず、前記熱交換手段が前記休止モードに設定されている場合、前記地下水流動手段によって、前記地中の内部の地下水を流動させる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の地中熱利用システム。
  5. 前記採熱領域の領域内に位置する地下水を、前記地下水流動手段によって前記非採熱領域へと流動させる第一モードと、前記第一モードにて前記非採熱領域へと流動させた地下水を、前記地下水流動手段によって前記採熱領域の領域内に流動させる第二モードとを切り替え可能とする、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の地中熱利用システム。
  6. 前記地中の内部に配置される遮水壁であって、前記地下水の流動範囲における地下水の流動方向を限定するための遮水壁を備える、
    請求項3又は4に記載の地中熱利用システム。
  7. 前記地中の内部に配置される遮水壁であって、前記採熱領域及び前記非採熱領域を少なくとも含む領域である蓄熱領域と、当該蓄熱領域の外部に位置する領域である外部領域との相互間の地下水の流動を遮断する遮水壁を備える、
    請求項5に記載の地中熱利用システム。
  8. 前記採熱領域、又は前記非採熱領域の地下水位を計測する地下水位計測手段を備え、
    前記制御手段は、前記地下水位計測手段にて計測された前記地下水位に基づいて、前記地下水流動手段による地下水の流動を制御する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の地中熱利用システム。

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