JP2015115797A - 低雑音発振回路 - Google Patents

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大輔 坂田
Daisuke Sakata
大輔 坂田
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Abstract

【課題】バッファ回路のA級動作を確保して非線形動作に起因する1/f雑音のバッファ回路の出力信号への折り返しを回避すると共に、バッファ回路自体で発生する1/f雑音に起因する矩形波出力信号の雑音特性の悪化の低減、抑圧を可能とする。
【解決手段】発振部1とバッファ回路3の間には、発振部1の出力信号のレベルの増大の際に、発振部1の出力レベルを、バッファ回路3のA級動作を確保可能とするレベルに低減可能とする減衰量に設定されてなる信号減衰器2が設けられる一方、バッファ回路1と矩形波変換部5との間には、バッファ回路3の出力信号に含まれる1/f雑音を阻止可能に構成されてなるハイパスフィルタ4が設けられ、矩形波出力信号の雑音特性が向上されるものとなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機械振動子等を用いた発振回路に係り、特に、出力信号の低雑音化による出力特性の向上等を図ったものに関する。
この種の従来回路としては、例えば、図3に示されたように、電気機械振動子7Aを用いた発振動作を行う発振部1Aと、発振部1Aの出力信号を緩衝増幅するバッファ回路3Aと、バッファ回路3Aを介した発振部1Aの出力信号を矩形波信号に変換して出力する矩形波変換部5Aとを具備して構成され、その出力信号がクロック信号等として用いられるものが良く知られている。
かかる構成においては、バッファ回路3Aは、発振部1Aにおける発振動作に影響を与えることがないようにするため、高インピーダンス入力で、低出力インピーダンスの回路構成のものが用いられるものとなっている。
この種の発振回路は、例えば、特許文献1等に開示されている。
特開平6−224636号公報(第4−5頁、図1−図5)
ところで、かかる従来回路においては、発振部1Aにおける発振安定時の発振信号電圧振幅が、電源電圧に達するほど大きいため、通常、A級増幅動作となるよう構成されたバッファ回路3Aにおいては、かかる振幅の信号によりトランジスタ等の能動素子は線形のA級動作から外れてしまい非線形動作となってしまう。
バッファ回路3Aは、非線形動作となると、バッファ回路3Aに用いられているトランジスタ等の能動素子の1/f雑音が、発振信号の周波数に折り返されてしまい、バッファ回路3Aの出力周波数近傍に重畳されて雑音特性が悪化してしまうという問題を招く。
さらに、矩形波変換部5Aへは、バッファ回路3A自体で発生する1/f雑音も上述の雑音と併せて入力され、矩形波に変換されるため、最終的な矩形波出信号に双方の雑音が重畳されてしまい、出力信号の雑音特性が悪化してしまうという問題をも招くこととなる。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、バッファ回路のA級動作を確保してバッファ回路の非線形動作に起因する1/f雑音のバッファ回路の出力信号への折り返しを回避すると共に、バッファ回路自体で発生する1/f雑音に起因する矩形波出力信号の雑音特性の悪化を低減、抑圧することを可能とする低雑音発振回路を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る低雑音発振回路は、
電気機械振動子を用いてなる発振部と、前記発振部の出力信号を緩衝増幅するバッファ回路と、前記バッファ回路を介して入力された前記発振部の出力信号を矩形波に変換、出力する矩形波変換部とを具備してなる低雑音発振回路であって、
前記発振部とバッファ回路の間に信号減衰器が設けられると共に、前記バッファ回路と前記矩形波変換部との間にハイパスフィルタが設けられ、
前記信号減衰器は、前記発振部の出力信号のレベルの増大の際に、前記バッファ回路のA級動作を確保可能とする減衰量に設定されてなり、
前記ハイパスフィルタは、前記バッファ回路の出力信号に含まれる1/f雑音を阻止可能に構成されてなるものである。
本発明によれば、発振部の出力信号のレベルが大きい場合にもバッファ回路のA級動作が確保されるようにしたので、従来と異なり、バッファ回路の1/f雑音が矩形波出力の出力周波数近傍に折り返されて重畳されることが確実に回避され、さらに、矩形波変換部への入力段に設けたハイパスフィルタによって1/f雑音を低減することで、矩形波出力の雑音を確実に低減し、信号品質の向上を図り、良好な出力特性の発振回路を提供することができるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態における低雑音発振回路の第1の構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態における低雑音発振回路の第2の構成例を示す回路図である。 従来の発振回路の構成例を示す回路図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における低雑音発振回路の第1の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
この第1の構成例における低雑音発振回路101は、発振部(図1においては「OSC」と表記)1と、信号減衰器2と、バッファ回路(図1においては「BUF」と表記)3と、ハイパスフィルタ(図1においては「HPF」と表記)4と、矩形波変換部5とを具備して構成されたものとなっている。
発振部1は、電気機械振動子として、水晶発振子7を用いて発振動作を行うよう構成されたもので、その回路構成自体は、従来と基本的に同一のものである。
信号減衰器2は、発振部1の出力信号の信号レベルを所定の信号レベルに減衰せしめるものである。この種の回路としては、半導体素子と用いたものや、抵抗器を用いたものなど従来から良く知られた回路構成のものが種々あるが、本発明の実施の形態においては、特定の回路構成に限定される必要はなく、いずれの回路構成とするかは任意である。
かかる信号減衰器2の減衰量、すなわち、入力された発振部1の出力信号の信号レベルをどの程度の信号レベルに減衰させるかは、発振部1から出力される正弦波発振信号により次述するバッファ回路3の緩衝増幅動作が非線形動作とならない程度の信号レベルに低減できる減衰量に設定するのが好適である。
バッファ回路3は、信号減衰器2を介して入力された発信部1の出力信号を、緩衝増幅して出力するもので、発振部1における発振動作に影響を与えることないものとするため、従来同様、高インピーダンス入力で低出力インピーダンスの回路構成のものが用いられるものとなっている。
ハイパスフィルタ4は、バッファ回路3から出力される1/f雑音の通過を阻止可能とするもので、回路構成自体は従来から良く知られたものである。
矩形波変換部5は、入力された正弦波信号を矩形波に変換して出力するよう構成されてなるもので、その回路構成は従来回路と基本的に同一のものである。
かかる構成においては、信号減衰器2により、発振部1の出力信号が、バッファ回路3の緩衝増幅動作を非線形動作とすることの無い信号レベルに減衰されてバッファ回路3に入力されるため、従来と異なり、バッファ回路3が非線形動作となることに起因する1/f雑音の発生が回避され、1/f雑音が発振部1の発振信号の周波数に折り返されることが無くなる。
また、バッファ回路3と矩形波変換部5との間に設けられたハイパスフィルタ4により、バッファ回路3自体で発生した1/f雑音の矩形波変換部5への通過が阻止されるため、従来と異なり、矩形波変換部5の出力信号の雑音特性の劣化防止が確保され、より信頼性の高い出力信号が得られることとなる。
次に、本発明の実施の形態における低雑音発振回路の第2の構成例について、図2を参照しつつ説明する。
なお、図1に示された第1の構成例における構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第2の構成例における低雑音発振回路101Aは、フィルタ付き信号減衰器6を設けた点が、先の第1の構成例と異なるもので、他の構成は、先の第1の構成例と基本的に同一である。
フィルタ付き信号減衰器6は、信号減衰器2と、その後段側に設けられた発振出力通過用ハイパスフィルタ8とを有して構成されてなるもので、発振出力通過用ハイパスフィルタ8は、発振部1の信号の通過を可能として、他の周波数の信号通過を阻止可能に構成されてなるものである。かかる発振出力通過用ハイパスフィルタ8は、特に、コンデンサを用いてなるハイパスフィルタ回路とすることで、次段のバッファ回路3のA級動作の領域を最大限に活用できるよう回路定数の設定が従来に比して容易となる。
その結果、信号減衰器2による発振信号の減衰を最小限とすることが可能となる。なお、上述の点を除き、他の回路動作、作用は、基本的に先の第1の構成例と同様であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略する。
上述した本発明の実施の形態において、発振部1の図示にバイポーラトランジスタを用いたが(図1及び図2参照)、これは発振部1の構成要素としてバイポーラトランジスタに限定する趣旨ではなく、あくまでも半導体素子の一例として示したもので、勿論、他の半導体素子によって発振部1を構成しても良い。
また、信号減衰器2の図示には、抵抗器を用いたが、発振部1の場合と同様に、これは、信号減衰器2の構成要素として抵抗器に限定する趣旨ではなく、所望の振幅レベルに減衰できるのであれば、他の素子を用いて構成しても良いことは勿論である。
出力特性の更なる向上が所望される発振回路に適用できる。
1…発振部
2…信号減衰器
3…バッファ回路
4…ハイパスフィルタ
5…矩形波変換部
6…フィルタ付き信号減衰器
7…水晶振動子

Claims (2)

  1. 電気機械振動子を用いてなる発振部と、前記発振部の出力信号を緩衝増幅するバッファ回路と、前記バッファ回路を介して入力された前記発振部の出力信号を矩形波に変換、出力する矩形波変換部とを具備してなる低雑音発振回路であって、
    前記発振部とバッファ回路の間に信号減衰器が設けられると共に、前記バッファ回路と前記矩形波変換部との間にハイパスフィルタが設けられ、
    前記信号減衰器は、前記発振部の出力信号のレベルの増大の際に、前記バッファ回路のA級動作を確保可能とする減衰量に設定されてなり、
    前記ハイパスフィルタは、前記バッファ回路の出力信号に含まれる1/f雑音を阻止可能に構成されてなることを特徴とする低雑音発振回路。
  2. 前記信号減衰器とバッファ回路との間に、前記発振部の発振周波数を通過可能とするハイパスフィルタが設けられてなることを特徴とする請求項1記載の低雑音発振回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018152746A (ja) * 2017-03-14 2018-09-27 日本電波工業株式会社 複合フィルタ

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