JP2015115624A - エコー消去装置、エコー消去方法及びプログラム - Google Patents

エコー消去装置、エコー消去方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】残留エコーを従来法以上に低減するエコー消去技術を提供する。【解決手段】波数領域拡散残留エコー推定消去部は、波数毎の受話信号を要素とする受話信号ベクトルとその複素共役かつ転置とを用いてパワースペクトル行列を算出し、波数毎の収音信号を要素とする収音信号ベクトルと受話信号ベクトルの複素共役かつ転置とを用いてクロススペクトル行列を算出する圧縮入出力相関係数算出部と、パワースペクトル行列とクロススペクトル行列とを用いて、受話信号と収音信号との入出力伝達特性の推定値を要素とする入出力伝達特性行列を求める圧縮入出力伝達特性推定部と、受話信号ベクトルに入出力伝達特性行列を乗じて、波数毎の拡散残留エコーの推定値を要素とする拡散残留エコーベクトルを求める拡散残留エコー推定部と、波数領域の収音信号と波数領域の拡散残留エコーの推定値との差分を求める減算部とを含む。【選択図】図10

Description

本発明は、マルチチャネル拡声通話系において音響エコーを消去する技術に関する。
より自然な通話環境を提供できるマルチチャネル拡声型の双方向通信会議システムの開発が、IP通信の高速化・大容量化を背景に、近年進展している。マルチチャネル再生技術も、ステレオ再生から5.1チャネル再生へとチャネル数拡大の方向に進んでいる。しかし、音が高い立体感を持って再生されるリスニングエリアが限られていて、スィートスポット化しており、その外では音の立体感が大幅に低減してしまう。
そのため、リスニングエリアの広いマルチチャネル再生技術として、近年Wave Field Synthesis(以下「WFS」と略す)の研究が進められている(非特許文献1参照)。WFSは、ある地点での音波面を取得し、別の地点で再合成する技術である。
WFSを双方向映像音声通信会議に適用しようとする場合、快適な通話環境を実現するには、数十〜数百のスピーカから数十〜数百のマイクロホンに音響的に回り込む信号成分(以下「エコー」ともいう)をマイクロホンの収音信号から消去する必要がある。この処理を効率的に行う音響エコーキャンセラアルゴリズムとして、波数領域適応アルゴリズムが提案されている(非特許文献2参照)。この波数領域適応アルゴリズムは、適応フィルタのフィルタ係数を波数領域に持つアルゴリズムである。
しかしながら、非特許文献2のシミュレーション結果の説明に記されているように、スピーカアレーから再生する波面の放射方向が変わったときに、エコー消去量が急激に劣化する。この状況は、双方向通信において遠隔地で話者が交代して、交代後の話者再生音声の放射方向が交代前の放射方向と異なるケースに対応する。エコー消去量が劣化する理由は、再生波面の放射方向が変化するとエコー消去に波数の異なる適応フィルタ係数が必要になるが、その適応フィルタ係数がほとんど未学習なためである。
快適な拡声通話を実現するには、適応フィルタによるエコー経路推定及び消去が十分でない状態において、会話状態によらず迅速に残留エコーを低減する必要がある。特にダブルトーク状態では、送話の品質に影響を与えることなく残留エコーを低減する必要がある。
そのような方法として、波数領域で誤差信号に含まれる残留エコーを推定し、消去する方法が非特許文献3で提案されている。
J. Berkhout, D de Vries, and P. Vogel, "Acoustic Control by wave field synthesis", Journal of Acoustic Society of America, 1993, vol.93, no.5, p.2764-2778 M. Schneider, W. Kellermann, "A Wave-domain model for acoustic MIMO systems with reduced complexity", 2012, 2011 Joint Workshop on Hands-free Speech Communication and Microphone arrays, pp.133-138 S. Emura et. al., "Posterior residual echo cancellation and its complexity reduction in the wave domain, Acoustic Signal Enhancement", Proceedings of IWAENC 2012, 2012, International Workshop on.
しかし、受聴エリアを広げるために再生音量を大きくしたり、収音エリアを広げるためにマイクゲインを大きくしたりするためには、残留エコー消去の性能をさらに向上させる必要がある。
残留エコーには、反射等によらない直接波によるものと、直接波以外の反射波等によるもの(拡散残留エコー)とが含まれる。非特許文献3の方法は、ベースとして使用するモデルのために、直接波による残留エコーのみが対象になる。
本発明は、拡散残留エコーも対象とすることで、残留エコーを従来法以上に低減させるエコー消去技術の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第一の態様によれば、エコー消去装置は、Pを2以上の整数とし、P個のスピーカとP個のマイクロホンとが共通の音場に配置され、スピーカから受話信号を再生した際にエコー経路を経てマイクロホンに回り込むエコーを消去する。エコー消去装置は、マイクロホンで収音される収音信号を波数領域に変換した信号と波数領域の受話信号とを用いて、波数領域の収音信号に含まれる拡散残留エコーを推定し、波数領域の収音信号から推定した拡散残留エコーを消去する波数領域拡散残留エコー推定消去部を含む。波数領域拡散残留エコー推定消去部は、波数毎の受話信号を要素とするP次元のベクトルである受話信号ベクトルXとその複素共役かつ転置とを用いてP×P行列であるパワースペクトル行列を算出し、波数毎の収音信号を要素とするP次元のベクトルである収音信号ベクトルと受話信号ベクトルXの複素共役かつ転置とを用いてP×P行列であるクロススペクトル行列を算出する圧縮入出力相関係数算出部と、パワースペクトル行列とクロススペクトル行列とを用いて、受話信号と収音信号との入出力伝達特性の推定値を要素とするP×P行列である入出力伝達特性行列を求める圧縮入出力伝達特性推定部と、受話信号ベクトルXに入出力伝達特性行列を乗じて、波数毎の拡散残留エコーの推定値を要素とするP次元のベクトルである拡散残留エコーベクトルを求める拡散残留エコー推定部と、波数領域の収音信号と波数領域の拡散残留エコーの推定値との差分を求める減算部とを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の第二の態様によれば、エコー消去装置は、Pを2以上の整数とし、P個のスピーカとP個のマイクロホンとが共通の音場に配置され、スピーカから受話信号を再生した際にエコー経路を経てマイクロホンに回り込むエコーを消去する。エコー消去装置は、マイクロホンで収音される収音信号を波数領域に変換した信号と波数領域の受話信号とを用いて、波数領域の収音信号に含まれる拡散残留エコーを推定し、波数領域の収音信号から推定した拡散残留エコーを消去する波数領域拡散残留エコー推定消去部を含む。波数領域拡散残留エコー推定消去部は、P’<Pとし、P’×P行列である圧縮行列Wを用いて、波数毎の受話信号を要素とするP次元のベクトルである受話信号ベクトルXを、P’次元の圧縮ベクトルZに圧縮する入力次元圧縮部と、圧縮ベクトルZを圧縮行列Wの複素共役転置行列で伸長したP次元のベクトルと、受話信号ベクトルXとの差が最小になるように、圧縮行列Wを更新する次元圧縮行列更新部と、圧縮ベクトルZとその複素共役かつ転置とを用いてP’×P’行列であるパワースペクトル行列を算出し、波数毎の収音信号を要素とするP次元のベクトルである収音信号ベクトルと圧縮ベクトルZの複素共役かつ転置とを用いてP×P’行列であるクロススペクトル行列を算出する圧縮入出力相関係数算出部と、パワースペクトル行列とクロススペクトル行列とを用いて、受話信号と収音信号との入出力伝達特性の推定値を要素とするP×P’行列である入出力伝達特性行列を求める圧縮入出力伝達特性推定部と、圧縮ベクトルZに入出力伝達特性行列を乗じて、波数毎の拡散残留エコーの推定値を要素とするP次元のベクトルである拡散残留エコーベクトルを求める拡散残留エコー推定部と、波数領域の収音信号と波数領域の拡散残留エコーの推定値との差分を求める減算部とを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の第三の態様によれば、エコー消去方法は、Pを2以上の整数とし、P個のスピーカとP個のマイクロホンとが共通の音場に配置され、スピーカから受話信号を再生した際にエコー経路を経てマイクロホンに回り込むエコーを消去する。エコー消去方法は、マイクロホンで収音される収音信号を波数領域に変換した信号と波数領域の受話信号とを用いて、波数領域の収音信号に含まれる拡散残留エコーを推定し、波数領域の収音信号から推定した拡散残留エコーを消去する波数領域拡散残留エコー推定消去ステップを含む。波数領域拡散残留エコー推定消去ステップは、波数毎の受話信号を要素とするP次元のベクトルである受話信号ベクトルXとその複素共役かつ転置とを用いてP×P行列であるパワースペクトル行列を算出し、波数毎の収音信号を要素とするP次元のベクトルである収音信号ベクトルと受話信号ベクトルXの複素共役かつ転置とを用いてP×P行列であるクロススペクトル行列を算出する圧縮入出力相関係数算出ステップと、パワースペクトル行列とクロススペクトル行列とを用いて、受話信号と収音信号との入出力伝達特性の推定値を要素とするP×P行列である入出力伝達特性行列を求める圧縮入出力伝達特性推定ステップと、受話信号ベクトルXに入出力伝達特性行列を乗じて、波数毎の拡散残留エコーの推定値を要素とするP次元のベクトルである拡散残留エコーベクトルを求める拡散残留エコー推定ステップと、波数領域の収音信号と波数領域の拡散残留エコーの推定値との差分を求める減算ステップとを含む。
上記の課題を解決するために、本発明の第四の態様によれば、エコー消去方法は、Pを2以上の整数とし、P個のスピーカとP個のマイクロホンとが共通の音場に配置され、スピーカから受話信号を再生した際にエコー経路を経てマイクロホンに回り込むエコーを消去する。エコー消去方法は、マイクロホンで収音される収音信号を波数領域に変換した信号と波数領域の受話信号とを用いて、波数領域の収音信号に含まれる拡散残留エコーを推定し、波数領域の収音信号から推定した拡散残留エコーを消去する波数領域拡散残留エコー推定消去ステップを含む。波数領域拡散残留エコー推定消去ステップは、P’<Pとし、P’×P行列である圧縮行列Wを用いて、波数毎の受話信号を要素とするP次元のベクトルである受話信号ベクトルXを、P’次元の圧縮ベクトルZに圧縮する入力次元圧縮ステップと、圧縮ベクトルZを圧縮行列Wの複素共役転置行列で伸長したP次元のベクトルと、受話信号ベクトルXとの差が最小になるように、圧縮行列Wを更新する次元圧縮行列更新ステップと、圧縮ベクトルZとその複素共役かつ転置とを用いてP’×P’行列であるパワースペクトル行列を算出し、波数毎の収音信号を要素とするP次元のベクトルである収音信号ベクトルと圧縮ベクトルZの複素共役かつ転置とを用いてP×P’行列であるクロススペクトル行列を算出する圧縮入出力相関係数算出ステップと、パワースペクトル行列とクロススペクトル行列とを用いて、受話信号と収音信号との入出力伝達特性の推定値を要素とするP×P’行列である入出力伝達特性行列を求める圧縮入出力伝達特性推定ステップと、圧縮ベクトルZに入出力伝達特性行列を乗じて、波数毎の拡散残留エコーの推定値を要素とするP次元のベクトルである拡散残留エコーベクトルを求める拡散残留エコー推定ステップと、波数領域の収音信号と波数領域の拡散残留エコーの推定値との差分を求める減算ステップとを含む。
本発明によれば、従来法以上に残留エコーを低減することができるという効果を奏する。
マルチチャネル通信会議システムにおけるエコー消去装置の配置例を示す図。 エコー消去装置100の機能ブロック図 エコー消去装置100の処理フローを示す図。 波数領域エコーレプリカ生成部の機能ブロック図。 フレーム合成を説明するための図。 残留エコー消去部の機能ブロック図。 残留エコー消去部の処理フローを示す図。 波数領域残留エコー推定消去部の機能ブロック図。 波数領域残留エコー推定消去部の処理フローを示す図。 波数領域拡散残留エコー推定消去部の機能ブロック図。 波数領域拡散残留エコー推定消去部の処理フローを示す図。 波数領域拡散残留エコー推定消去部を単独で用いた場合の残留エコー消去部の機能ブロック図。 波数領域拡散残留エコー推定消去部を単独で用いた場合の波数領域拡散残留エコー推定消去部の機能ブロック図。 従来法の処理結果を説明するための図。 第一実施形態の変形例での処理結果を説明するための図。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行うステップには同一の符号を記し、重複説明を省略する。以下の説明において、テキスト中で使用する記号「^」等は、本来直前の文字の真上に記載されるべきものであるが、テキスト記法の制限により、当該文字の直後に記載する。式中においてはこれらの記号は本来の位置に記述している。また、ベクトルや行列の各要素単位で行われる処理は、特に断りが無い限り、そのベクトルやその行列の全ての要素に対して適用されるものとする。
<第一実施形態のポイント>
第一実施形態では、波数領域において受話信号から拡散残留エコーへの伝達特性を高精度かつ低演算量で推定する手段と、波数領域において誤差信号から拡散残留エコーを差し引く手段とを備える。波数領域の受話信号から波数領域の誤差信号への伝達特性を行列として推定することで拡散残留エコーの推定を高精度化する。さらに、この波数領域の受話信号を圧縮してから推定に使用することで演算量を大幅に圧縮する。この圧縮した受話信号と誤差信号の相関を利用することで残留エコー以外の信号による推定揺らぎを抑える。
<第一実施形態に係るエコー消去装置100>
図1はマルチチャネル通信会議システムにおけるエコー消去装置100の配置例を、図2はエコー消去装置100の機能ブロック図を、図3はその処理フローを示す。
エコー消去装置100を含むマルチチャネル通信会議システムはPチャネルの再生系とPチャネルの収音系からなる。ただし、P≧2である。このマルチチャネル通信会議システムにおいて、P個のスピーカ2とP個のマイクロホン3とが共通の音場に配置される。Pチャネルの受話信号x(p,n)は、スピーカ2で音響信号として再生され、音響エコー経路を経てP個のマイクロホン3にそれぞれ回り込む。この回り込む信号成分が前述のエコーである。ただし、p=1,2,…,Pであり、nは時刻を表すインデックスである。
エコー消去装置100は、P個の受話端1のそれぞれを介して受話信号x(p,n)を受け取り、P個のマイクロホン3のそれぞれで収音される収音信号y(p,n)を受け取る。さらに、P個の収音信号y(p,n)のそれぞれからエコーを消去して、送話信号e(3)(p,n)を生成し、送話端4に出力する。
エコー消去装置100は、周波数領域変換部11と、波数変換部12と、波数領域エコーレプリカ生成部21と、逆波数変換部31と、時間領域変換部32と、フレーム合成部34と、P個の減算部33と、誤差周波数領域変換部41と、誤差波数変換部42とを含む。なお、エコー消去装置100は、既存技術(例えば非特許文献2参照)を用いて、波数領域適応アルゴリズムを実現する。
さらに、エコー消去装置100は、波数領域で受話信号と誤差信号とから残留エコーを推定し、誤差信号から残留エコーを差し引く残留エコー消去部120を含む。以下、各部の詳細を説明する。
<周波数領域変換部11>
周波数領域変換部11は、Pチャネルの時間領域の受話信号x(p,n)を受け取り、チャネルp毎に周波数領域の受話信号X(p,i)に変換し(s1)、P×2F個の周波数領域の受話信号X(p,i)を波数変換部12に出力する。ただし、iはフレーム番号を、2Fは1フレーム内に含まれるサンプル数を、fは周波数のインデックスを表し、f=0,1,…,2F−1である。信号のサンプリング周波数をfとすると、X(p,i)はフレームiにおけるチャネルpの受話信号の周波数ff/2F[Hz]の成分を表す。なお、周波数領域変換の方法としては、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;以下「FFT」と略す)等が考えられる。
まず、周波数領域変換部11は、受話信号x(p,n)をF/D個受け取る毎に(言い換えると、n=iF/Dの関係になる毎に)、2F個の受話信号x(p,n−2F+1),x(p,n−2F+2),…,x(p,n)を1フレーム分としてブロック化し、フレーム単位の受話信号x(p,i)を得る。ただし、Fは自然数であり、DはFを割り切る自然数である。例えば、
x(p,i)=[x(p,(iF/D)-2F+1),x(p,(iF/D)-2F+2),…,x(p,iF/D)]T (1)
である。ただし、は転置を表す。以下、各信号を1フレーム=2Fサンプル、シフト量F/Dサンプルでブロック化する。FFT計算を簡略化・高速化するために、Fを2のべき乗にとることが多い。以下ではD≧2の場合を示す。
さらに、周波数領域変換部11は、フレーム単位の受話信号x(p,i)を、次式のように周波数領域の受話信号X(p,i)に変換する。
X(p,i)=FFT(x(p,i))=[X0(p,i) … Xf(p,i) … X2F-1(p,i)] (2)
なお、受話信号X(p,i)を含め、周波数領域の各信号は短時間スペクトルにより表される。
<波数変換部12>
波数変換部12は、P×2F個の周波数領域の受話信号X(p,i)を受け取り、以下の式(3)や(4)により、周波数f毎に波数領域の受話信号X(W) (k,i)に変換し(s3)、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i)を波数領域エコーレプリカ生成部21及び残留エコー消去部120に出力する。ただし、kは波数のインデックスであり、Kを自然数とし、チャネル数Pが偶数でP=2Kのときk=−K+1,−K+2,…,−1,0,1,…,Kであり、チャネル数Pが奇数でP=2K+1のときk=−K,−K+1,…,−1,0,1,…,Kである。
(1)チャネル数Pが偶数でP=2Kのとき、
X(W) f(i)=FFT([Xf(1,i) Xf(2,i) … Xf(P,i)])
=[X(W) f(0,i) … X(W) f(k,i) … X(W) f(K,i) X(W) f(-K+1,i) … X(W) f(-1,i)]
(3)
である。
(2)チャネル数Pが奇数でP=2K+1のとき、
X(W) f(i)=FFT([Xf(1,i) Xf(2,i) … Xf(P,i)])
=[X(W) f(0,i) … X(W) f(k,i) … X(W) f(K,i) X(W) f(-K,i) … X(W) f(-1,i)] (4)
である。波数領域への変換は、2のべき乗の点数を持つFFTで高速に行うため、以下、チャネル数Pが偶数の場合(P=2K)について説明を進める。なお、受話信号X(W) (k,i)を含め、波数領域の各信号は短時間スペクトルにより表される。
<波数領域エコーレプリカ生成部21>
波数領域エコーレプリカ生成部21は、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i)とP×2F個の波数領域の誤差信号E(W) (k,i)(詳細は後述する)とを受け取り、これらの値を用いて、f≦Fにおいて、P×(F+1)個の波数領域のエコーレプリカY^(W) (k,i)を生成し、逆波数変換部31に出力する。なお、エコーレプリカとは、収音信号に含まれるエコーを模したものであり、エコーの推定値である。
図4は波数領域エコーレプリカ生成部21の機能ブロック図を示す。波数領域エコーレプリカ生成部21は、修正量算出部211と、フィルタ係数部213と、乗算部215とを含む。
(乗算部215)
波数領域エコーレプリカ生成部21の乗算部215は、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i)を受け取る。また、後述するフィルタ係数部213からP×(F+1)×(2δ+1)個の波数領域のフィルタ係数H(W) (k,k+dk,i)(ただしf≦F)を受け取る。ただし、dk=−δ,−δ+1,…,−1,0,1,…,δ−1,δである。δとして、非特許文献2では1もしくは2が推奨されている。乗算部215は、f≦Fにおいて、次式のように、受話信号X(W) (k,i)にフィルタ係数H(W) (k,k+dk,i)を乗じて、波数領域のエコーレプリカY^(W) (k,i)を生成し(s5)、逆波数変換部31に出力する。
Figure 2015115624
このように波数領域のエコーレプリカY^(W) (k,i)を生成することで、隣接する空間周波数成分を含むことができる。隣接する空間周波数成分を含む必要がない場合には、δ=0として次式により、波数領域のエコーレプリカY^(W) (k,i)を生成してもよい。
Y^(W) f(k,i)=H(W) f(k,k,i)X(W) f(k,i) (6)
なお、修正量算出部211及びフィルタ係数部213の処理については後述する。
<逆波数変換部31>
逆波数変換部31は、P×(F+1)個の波数領域のエコーレプリカY^(W) (k,i)を受け取り(ただしf≦F)、次式のように周波数f毎に周波数領域のエコーレプリカY^(p,i)に変換する(s9)。
[Y^f(1,i) Y^f(2,i) … Y^f(P,i)]
=IFFT([Y^(W) f(0,i)…Y^(W) f(k,i)…Y^(W) f(K,i) Y^(W) f(-K+1,i)…Y^(W) f(-1,i)])
(7)
なお、周波数f>Fについては、実数信号のFFT結果に関する対称性から、次式で周波数領域のエコーレプリカY^(p,i)を求める。
Y^f(p,i)=conj(Y^2F-f(p,i)) (8)
ここで、conj(・)は、・の複素共役をとることを意味する。このようにして求めた合計P×2F個の周波数領域のエコーレプリカY^(p,i)を時間領域変換部32に出力する。なお、逆波数変換方法としては、波数変換部12における波数領域変換方法に対応するものを用いればよい。
<時間領域変換部32>
時間領域変換部32は、P×2F個の周波数領域のエコーレプリカY^(p,i)を受け取り、次式のように、チャネルp毎に周波数領域のエコーレプリカY^(p,i)を逆FFTし、時間領域のエコーレプリカ信号ベクトルy^(p,i)(要素数はF個)に変換する(s9)。
y^(p,i)=[IF 0F]IFFT([Y^0(p,i)…Y^f(p,i)…Y^2F-1(p,i)]) (9)
ここで0はF×Fの零行列、IはF×Fの単位行列である。P個の時間領域のエコーレプリカ信号ベクトルy^(p,i)をフレーム合成部34に出力する。時間領域変換方法としては、周波数領域変換部11における周波数領域変換方法に対応するものを用いればよい。
<フレーム合成部34>
フレーム合成部34は、P個の時間領域のエコーレプリカ信号ベクトルy^(p,i)を受け取る。周波数領域変換部11において受話信号x(p,n)をD≧2でフレーム化した場合には、フレーム合成部34は、フレームiで求めたエコーレプリカ信号ベクトルy^(p,i)と一つ前のフレームi−1で求めたエコーレプリカ信号ベクトルy^(p,i−1)とに対して窓かけ処理を行った上で、合成し(s13)、合成後のP個の時間領域のエコーレプリカ信号ベクトルy^’(p,i)をそれぞれP個の減算部33に出力する。
D=2の場合、長さF/Dのハニング窓をWとして、合成後の長さF/Dのエコーレプリカ信号ベクトルy^’(p,i)は次式で算出される。この合成の様子を図5に示す。
y^'(p,i-1)=[0F/DIF/D]diag(WH)y^(p,i-1)+[IF/D 0F/D]diag(WH)y^(p,i) (10)
ただし、0F/Dは(F/D)×(F/D)のゼロ行列、IF/Dは(F/D)×(F/D)の単位行列、diag(・)は・を対角成分とし、それ以外が零であるような行列である。
<減算部33
減算部33は、時間領域のエコーレプリカ信号ベクトルy^’(p,i−1)とマイクロホン3で収音された収音信号y(p,n)とを受け取る。エコーレプリカ信号はフレーム合成のためにF/D遅延している。これを考慮して収音信号y(p,n)を1フレーム=Fサンプル、シフト量F/Dサンプルで
y(p,i-1)=[y(p,((i-1)F/D)-F+1),y(p,((i-1)F/D)-F+2),…,y(p,(i-1)F/D)]T
のようにブロック化し、収音信号ベクトルy(p,i−1)とする。減算部33は、次式のように時間領域の収音信号ベクトルy(p,i−1)から時間領域のエコーレプリカ信号ベクトルy^’(p,i−1)を差し引き(s11)、時間領域の誤差信号ベクトルe(p,i)(要素数はF個)を求め、残留エコー消去部120及び誤差周波数領域変換部41に出力する。
e(p,i)=y(p,i-1)-y^'(p,i-1) (11)
このような構成により、エコー消去装置100は、エコー消去を図る。
<誤差周波数領域変換部41>
誤差周波数領域変換部41は、P個の時間領域の誤差信号ベクトルe(p,i)を受け取り、次式のように、チャネルp毎に時間領域の誤差信号ベクトルe(p,i)に0詰めをしたものを周波数領域に変換し(s15)、P×2F個の周波数領域の誤差信号E(p,i)を誤差波数変換部42に出力する。
Figure 2015115624
<誤差波数変換部42>
誤差波数変換部42は、P×2F個の周波数領域の誤差信号E(p,i)を受け取り、次式により、周波数f毎に波数領域の誤差信号E(W) (k,i)に変換し(s17)、P×2F個の波数領域の誤差信号E(W) (k,i)を波数領域エコーレプリカ生成部21に出力する。
E(W) f(p,i)=FFT([Ef(1,i) … Ef(P,i)]
=[E(W) f(0,i) … E(W) f(k,i) … E(W) f(K,i) E(W) f(-K+1,i) … E(W) f(-1,i)]
(13)
(修正量算出部211)
波数領域エコーレプリカ生成部21内の修正量算出部211は、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i)とP×2F個の波数領域の誤差信号E(W) (k,i)とを受け取り(図2及び図4参照)、f(f≦F)において、−K+1≦k≦Kの範囲で、次式のように波数領域の適応フィルタのフィルタ係数の修正量dH(W) (k,k+dk,i)(ただし−δ≦dk≦δ)を算出し(s19)、P×(F+1)×(2δ+1)個の修正量dH(W) (k,k+dk,i)をフィルタ係数部213に出力する。
Figure 2015115624

なお、ρは分母が0になることを防止するための微小な正定数であり、右辺分母中のB(W) (k,i)は修正量dH(W) (k,k+dk,i)を補正しており、
Figure 2015115624

により計算される。B(W) (k,i)は受話信号X(W) (k−δ,i)〜X(W) (k+δ,i)のパワーの総和であり、βはパワー計算で短時間平均をとるための平滑化定数であり、0〜1の値をとる。
(フィルタ係数部213)
波数領域エコーレプリカ生成部21内のフィルタ係数部213は、P×(F+1)×(2δ+1)個の修正量dH(W) (k,k+dk,i)を受け取り(ただしf≦F)、次式でフィルタ係数H(W) (k,k+dk,i)を更新し(s21)、P×(F+1)×(2δ+1)個の更新後の波数領域のフィルタ係数H(W) (k,k+dk,i+1)を乗算部215に出力する。
H(W) f(k,k+dk,i+1)=H(W) f(k,k+dk,i)+μdH(W) f(k,k+dk,i) (16)
ただし、μは0〜1の値をとるステップサイズである。乗算部215における処理は前述の通りである。
<残留エコー消去部120>
残留エコー消去部120は、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i)と、P個の時間領域の誤差信号ベクトルe(p,i)とを受け取り、波数領域の誤差信号に含まれる残留エコーを推定し、波数領域の誤差信号から推定した残留エコーを消去し(s23)、P個の時間領域の送話信号e(3)(p,n)を出力する。
図6は残留エコー消去部120の機能ブロック図を、図7はその処理フローを示す。残留エコー消去部120は、周波数領域変換部121と、波数変換部122と、波数領域残留エコー推定消去部1231と、波数領域拡散残留エコー推定消去部1232と、逆波数変換部124と、時間領域変換部125と、フレーム合成部126とを含む。残留エコーには、反射等によらない直接波によるものと、直接波以外の反射波等によるもの(拡散残留エコー)とが含まれる。残留エコー消去部120では、直接波による残留エコーを波数領域残留エコー推定消去部1231で、拡散残留エコーを波数領域拡散残留エコー推定消去部1232でそれぞれ推定し、消去する。以下、処理の詳細を説明する。
(周波数領域変換部121)
周波数領域変換部121は、P個の時間領域の誤差信号ベクトルe(p,i)を受け取り、次式のように、チャネルp毎にフレームiにおける誤差信号ベクトルe(p,i)と一つ前のフレームi−1における誤差信号ベクトルe(p,i−1)とを用いて、周波数領域の誤差信号E(1) (p,i)に変換し(s231)、P×2F個の周波数領域の誤差信号E(1) (p,i)を波数変換部122に出力する。例えば、周波数領域変換部11と同様の方法により周波数領域に変換する。
E(1)(p,i)=FFT([eT(p,i-1),eT(p,i)])=[E(1) 0(p,i) … E(1) f(p,i) … E(1) 2F-1(p,i)]
(17)
(波数変換部122)
波数変換部12は、P×2F個の周波数領域の誤差信号E(1) (p,i)を受け取り、次式により、周波数f毎に波数領域の誤差信号E(W1) (k,i)に変換し(s232)、P×2F個の波数領域の誤差信号E(W1) (k,i)を波数領域残留エコー推定消去部1231に出力する。
E(W1) f(i)=FFT([E(1) f(1,i) E(1) f(2,i) … E(1) f(P,i)])
=[E(W1) f(0,i) … E(W1) f(k,i) … E(W1) f(K,i) E(W1) f(-K+1,i) … E(W1) f(-1,i)]
(18)
(波数領域残留エコー推定消去部1231)
波数領域残留エコー推定消去部1231は、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i−1)と、P×2F個の波数領域の誤差信号E(W1) (k,i)とを受け取り、これらの値を用いて、f≦Fにおいて、誤差信号E(W1) (k,i)に含まれる直接波による残留エコーを推定し、波数領域の収音信号から推定した直接波による残留エコーを消去し(s2331)、直接波による残留エコーを消去した、P×(F+1)個の波数領域の誤差信号E(W2) (p,i)を求める。なお周波数領域の受話信号として、X(W) (k,i)ではなく、1つ前のX(W) (k,i−1)を用いるのは、エコーレプリカ信号をフレーム合成する際に生じる遅延を考慮に入れているためである。
以下、処理の詳細を説明する。
図8は波数領域残留エコー推定消去部1231の機能ブロック図を、図9はその処理フローを示す。
波数領域残留エコー推定消去部1231は、入出力相関係数算出部12311と、入出力伝達特性推定部12312と、残留エコー推定部12313と、残留エコー補正部12314と減算部12315とを含む。
((入出力相関係数算出部12311))
入出力相関係数算出部12311は、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i−1)とP×2F個の波数領域の誤差信号E(W1) (k,i)とを受け取り、f≦Fにおいて、波数領域の残留エコー信号を出力とする系の伝達特性を推定するために、時刻n=iF/Dにおける波数領域の受話信号X(W) (k,i−1)と波数領域の誤差信号E(W1) (k,i)とから
Pf(k,i)=E[X(W)* f(k,i-1)X(W) f(k,i-1)]
Qf(k,i)=E[X(W)* f(k,i-1)E(W1) f(k,i)] (19)
により、受話信号のパワースペクトルP(k,i)と、受話信号と誤差信号との間のクロススペクトルQ(k,i)とを算出し(s2331a)、入出力伝達特性推定部12312に出力する。ただし、iはフレーム番号であり、時刻nとはn=iF/Dの関係があり、*は複素共役を、E[・]は・の平均をとることを表す。平均処理の一例としては、
E[X(W)* f(k,i-1)X(W) f(k,i-1)]=βE[X(W)* f(k,i-2)X(W) f(k,i-2)]+(1-β)X(W)* f(k,i-1)X(W) f(k,i-1)
のように、1フレーム前の処理結果と0〜1の値をとる平滑化定数βを用いる方法や過去の数〜数十フレームの統計的平均値として求める方法等が考えられる。
((入出力伝達特性推定部12312))
入出力伝達特性推定部12312は、P×(F+1)個のパワースペクトルP(k,i)とP×(F+1)個のクロススペクトルQ(k,i)とを受け取り、f(f≦F)において、パワースペクトルP(k,i)及びクロススペクトルQ(k,i)から
Figure 2015115624

により、受話信号と誤差信号との入出力伝達特性を推定し(s2331b)、推定値G’(k,i)を残留エコー推定部12313に出力する。
また、次式により推定値G’(k,i)を平滑化し、平滑化した推定値G(k,i)を残留エコー推定部12313に出力してもよい。
Figure 2015115624

本実施形態では、平滑化した推定値G(k,i)を出力するものとする。ここで、βは、入出力伝達特性の推定値を平滑化するための定数であり、0〜1の間の値をとる。
((残留エコー推定部12313))
残留エコー推定部12313は、P×(F+1)個の波数領域の受話信号X(W) (k,i−1)と、P×(F+1)個の推定値G(k,i)とを受け取り、f(f≦F)において、次式のように、受話信号X(W) (k,i−1)に推定値G(k,i)を乗じて、残留エコーを推定し(s2331c)、推定値ΔE(W1) (k,i)を残留エコー補正部12314に出力する。
ΔE(W1) f(k,i)=Gf(k,i)X(W) f(k,i-1) (21)
((残留エコー補正部12314))
残留エコー補正部12314は、P×(F+1)個の推定値ΔE(W1) (k,i)と、P×2F個の波数領域の誤差信号E(W1) (k,i)とを受け取り、f(f≦F)において、次式で補正し(s2331d)、補正後の残留エコーの推定値ΔEII(W1) (k,i)を減算部12315に出力する。
Figure 2015115624

ただし、式中のS(W) (k,i)は、送話信号の推定値であり、次式により算出される。
S(W) f(k,i)=E(W1) f(k,i)-ΔE(W1) f(k,i) (23)
また、Tは各スペクトルの推定の自由度の数であり、入出力相関係数算出部12311においてパワースペクトルP(k,i)及びクロススペクトルQ(k,i)を算出するときのフレーム数が、これにあたる。Mは入力変数の数であり、式(20)の場合にはM=1になる。またF2M,T−2M,alphaは、自由度n=2M、n=T−2MのF分布の100×alpha百分比点である。
なお、F分布は、統計学で用いられる連続確率分布である。統計的仮説検定の一手法である分散分析において、観測データにおける変動を誤差変動と各要因の変動に分解し、各要因の効果・有意性を判定する際に使用される。
参考文献1によれば、M=1のとき入出力伝達特性推定部12312において推定される入出力伝達特性の推定値G(k,i)の信頼区間は、真値からの比率で
Figure 2015115624

の幅を持つ。
(参考文献1)J.S.ベンダット、A.G.ピアソル、「ランダムデータの統計的処理」、培風館、1976年、p.194〜197
短時間スペクトルに基づく入出力伝達特性推定部12311の推定では、本来よりも送話と残留エコーの相関性を高めに推定しやすく、伝達特性を高めに推定する傾向がある。このことに基づき、上記の補正は残留エコーの信頼区間の下端の値を残留エコーの補正値としている。
((減算部12315))
減算部12315は、P×2F個の波数領域の誤差信号E(W1) (k,i)と、P×(F+1)個の波数領域の補正後の残留エコーの推定値ΔEII(W1) (k,i)とを受け取り、f(f≦F)において、次式のように波数領域で誤差信号E(W1) (k,i)から残留エコーの推定値ΔEII(W1) (k,i)を差し引いて(s2331e)、差分E(W2) (k,i)を求め、波数領域拡散残留エコー推定消去部1232に出力する。
E(W2) f(k,i)=E(W1) f(k,i)-ΔEII(W1) f(k,i) (25)
なお、差分E(W2) (k,i)は、誤差信号E(W1) (k,i)から直接波による残留エコーを消去した信号であり、誤差信号E(W2) (k,i)ともいう。
(波数領域拡散残留エコー推定消去部1232)
波数領域拡散残留エコー推定消去部1232は、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i−2)と、P×(F+1)個の波数領域の誤差信号E(W2) (k,i)とを受け取り、これらの値を用いて、f≦Fにおいて、誤差信号E(W2) (k,i)に含まれる拡散残留エコーを推定し、波数領域の誤差信号E(W2) (k,i)から推定した拡散残留エコーを消去し、P×(F+1)個の波数領域の送話信号E(W3) (p,i)を求め(s2332)、逆波数変換部124に出力する。
波数領域残留エコー推定消去部1232は、(1)波数領域残留エコー推定消去部1231よりも1フレーム前の受話信号X(W) (k,i−2)を使うこと、(2)受話信号X(W) (k,i−2)をベクトル(以下、波数領域受話信号ベクトルともいい、
X(W) f(i-2)=[X(W) f(0,i-2) … X(W) f(k,i-2) … X(W) f(K,i-2) X(W) f(-K+1,i-2) … X(W) f(-1,i-2)]
とする)として扱うこと、で壁面等で反射して拡散した拡散残留エコーを推定対象としている。以下、処理の詳細を説明する。
図10は波数領域拡散残留エコー推定消去部1232の機能ブロック図を、図11はその処理フローを示す。
波数領域拡散残留エコー推定消去部1232は、入力次元圧縮部12320と、次元圧縮行列更新部12326と、圧縮入出力相関係数算出部12321と、圧縮入出力伝達特性推定部12322と、拡散残留エコー推定部12323と、拡散残留エコー補正部12324と減算部12325とを含む。
((入力次元圧縮部12320))
入力次元圧縮部12320は、後述する次元圧縮行列更新部12326で更新された、(F+1)個のP’×Pの圧縮行列W(i−1)と、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i−2)とを受け取る。なお、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i−2)を2F個の波数領域受話信号ベクトルX(W) (i−2)として扱う。入力次元圧縮部12320は、圧縮行列W(i−1)をもちいて、f≦Fにおいて、波数領域受話信号ベクトルX(W) (i−2)を、P’次元の波数領域圧縮ベクトルZ(W) (i−2)に圧縮し(s2332a)、圧縮入出力相関係数算出部12321及び次元圧縮行列更新部12326に出力する。
Z(W) f(i-2)=Wf(i-1) X(W) f(i-2)
なお、P’<Pであり、P’の大きさは、Pの大きさは、環境(例えば部屋の広さや反響の程度)により適宜設定すればよく、例えば、Pの1/5〜1/10程度に設定することができる。
((次元圧縮行列更新部12326))
次元圧縮行列更新部12326は、(F+1)個の波数領域圧縮ベクトルZ(W) (i−2)とP×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i−2)とを受け取る。なお、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i−2)を2F個の波数領域受話信号ベクトルX(W) (i−2)として扱う。次元圧縮行列更新部12326は、f≦Fにおいて、波数領域圧縮ベクトルZ(W) (i−2)を圧縮行列W(i−1)の複素共役転置行列W (i−1)で伸長し、波数領域受話信号ベクトルX(W) (i−2)との差dX(W) (i−2)を求める。・は・の複素共役かつ転置を表わす
dX(W) f(i-2)= X(W) f(i-2) - WH f(i-1) Z(W) f(i-2)
= X(W) f(i-2) - WH f(i-1) Wf(i-1) X(W) f(i-2)
そして、差dX(W) (i−2)の大きさが最小になるように圧縮行列W(i−1)を更新し(s2332g)、更新した圧縮行列W(i)を入力次元圧縮部12320に出力する。
この更新には例えば、サブスペース追跡法をもちいることができる。一例として、参考文献2中のOPSA1を使用する際の詳細を以下にしめす。
波数領域圧縮ベクトルZ(W) (i−2)の自己相関行列RZZ(i−2)の逆行列R−1 ZZ(i−2)を、初期値R−1 ZZ(0)=δ −1Iから繰り返し推定する。ただし、δは非0の正の定数であり、繰り返し推定処理を初めて実行する際の0割を防止する。IはP’×P’単位行列である。またk(i)はP’次元の、V(i)はP次元の中間生成ベクトルである。λは0〜1の間の値をとる忘却定数であり、推定速度を決めるパラメータである。以下のように、圧縮行列W(i)を更新することができる。
k(i) = R-1 ZZ(i-3)Z(W)(i-2)/{λ+Z(W)H(i-3) R-1 ZZ(i-3) Z(W) (i-2)}
R-1 ZZ(i-2) = (1/λ){ R-1 ZZ(i-3)-k(i) Z(W)H(i-2) R-1 ZZ(i-3)}
V(i) = dX(W) f (i-2) - 0.5||dX(W) f (i-2)||2 WH f(i-1)k(i)
Wf(i) = Wf(i-1) + k(i)VH(i)/{1+0.25||dX(W) f (i-2)||2||k(i)||2}
(参考文献2)S.C. Douglas and X. Sun, "Designing orthonormal subspace tracking algorithms", the Thirty-Fourth Asilomar Conference on Signals, Systems and Computers 2000, 2000, vol. 2, pp. 1441--1445.
((圧縮入出力相関係数算出部12321))
圧縮入出力相関係数算出部12321は、(F+1)個の波数領域圧縮ベクトルZ(W) (i−2)とP×(F+1)個の波数領域の誤差信号E(W2) (k,i)とを受け取る。なお、P×(F+1)個の波数領域の誤差信号E(W2) (k,i)を(F+1)個の波数領域誤差信号ベクトルE(W2) (k,i)(ただし、E(W2) f(i)=[E(W2) f(0,i) … E(W2) f(k,i) … E(W2) f(K,i) E(W2) f(-K+1,i) … E(W2) f(-1,i)])として扱う(ただしf≦F)。圧縮入出力相関係数算出部12321は、f≦Fにおいて、(F+1)個の波数領域圧縮ベクトルZ(W) (i−2)と(F+1)個の波数領域誤差信号ベクトルE(W2) (i)とから圧縮された受話信号のパワースペクトル行列P(2) (i)と、圧縮された受話信号と誤差信号との間のクロススペクトル行列Q(2) (i)とを次式により算出し(s2332b)、圧縮入出力伝達特性推定部12322に出力する。
P(2) f(i)=E[Z(W) f(i-2)Z(W)H f(i-2)]
Q(2) f(i)=E[E(W2) f(i) Z(W)H f(i-2)]
((圧縮入出力伝達特性推定部12322))
圧縮入出力伝達特性推定部12322は、P’×P’行列であるパワースペクトル行列P(2) (i)とP×P’行列であるクロススペクトル行列Q(2) (i)とを受け取る。なお、各行列は(F+1)個である。圧縮入出力伝達特性推定部12322は、f(f≦F)において、パワースペクトル行列P(2) (i)及びクロススペクトル行列Q(2) (i)から、次式により、入出力伝達特性行列G’(i)を求め(s2332c)、拡散残留エコー推定部12323に出力する。
Figure 2015115624
なお、入出力伝達特性行列G’(i)は、圧縮された受話信号と誤差信号との入出力伝達特性の推定値を要素とするP×P’行列である。受話信号の圧縮では、主成分分析に似た考え方で、波数領域受話信号ベクトル(その要素は各波数成分)を主要な成分(主要なパターン)に分解し、近似する。この各主要成分と、残留エコーの各波数成分との対応が、入出力伝達特性行列G’(i)で記述される。
また、次式により推定行列G’(i)を平滑化し、平滑化した入出力伝達特性行列G(i)を拡散残留エコー推定部12323に出力してもよい。
Figure 2015115624
本実施形態では、平滑化した入出力伝達特性行列G(i)を出力するものとする。ここで、βは、入出力伝達特性の推定値を平滑化するための定数であり、0〜1の間の値をとる。
((拡散残留エコー推定部12323))
拡散残留エコー推定部12323は、(F+1)個の波数領域圧縮ベクトルZ(W) (i−2)と、(F+1)個の入出力伝達特性行列G(i)とを受け取り、f(f≦F)において、次式のように、圧縮ベクトルZ(W) (k,i−2)に入出力伝達特性行列G(i)を乗じて、拡散残留エコーベクトルΔE(W2) (i)を求め(s2332d)、拡散残留エコー補正部12324に出力する。
ΔE(W2) f(i)=Gf(i)Z(W) f(i-2)
なお、拡散残留エコーベクトルΔE(W2) (i)は、波数毎の拡散残留エコーの推定値を要素とするP次元のベクトルである。
((拡散残留エコー補正部12324))
拡散残留エコー補正部12324は、(F+1)個の拡散残留エコーベクトルΔE(W2) (i)と、P×(F+1)個の波数領域の誤差信号E(W2) (k,i)とを受け取り、f(f≦F)において、拡散残留エコーベクトルΔE(W2) (i)の各要素ΔE(W2) (k,i)を次式で補正し(s2332e)、補正後の拡散残留エコーの推定値ΔEII(W2) (k,i)を減算部12325に出力する。
Figure 2015115624
ただし、式中のS(W2) (k,i)は、送話信号の推定値であり、次式により算出される。
S(W2) f(k,i)=E(W2) f(k,i)-ΔE(W2) f(k,i)
また、Tは各スペクトルの推定の自由度の数であり、圧縮入出力相関係数算出部12321においてパワースペクトル行列P(2) (i)及びクロススペクトル行列Q(2) (i)を算出するときのフレーム数が、これにあたる。Mは入力変数の数であり、式(30)の場合にはM=1になる。またF2M,T−2M,alphaは、自由度n=2M、n=T−2MのF分布の100×alpha百分比点である。
((減算部12325))
減算部12325は、P×(F+1)個の波数領域の誤差信号E(W2) (k,i)と、P×(F+1)個の波数領域の補正後の拡散残留エコーの推定値ΔEII(W2) (k,i)とを受け取り、f(f≦F)において、次式のように波数領域で誤差信号E(W2) (k,i)から拡散残留エコーの推定値ΔEII(W2) (k,i)を差し引いて(s2332f)、差分を波数領域の送話信号E(W3) (k,i)として求め、逆波数変換部124に出力する。
E(W3) f(k,i)=E(W2) f(k,i)-ΔEII(W2) f(k,i)
(逆波数変換部124)
逆波数変換部124は、P×(F+1)個の波数領域の送話信号E(W3) (k,i)を受け取り(図6参照)、f(f≦F)において、次式のように周波数f毎に周波数領域の送話信号E(3) (p,i)に変換する(s234)。
[E(3) f(1,i) E(3) f(2,i) … E(3) f(P,i)]
=IFFT([E(W3) f(0,i)…E(W3) f(k,i)…E(W3) f(K,i) E(W3) f(-K+1,i)…E(W3) f(-1,i)])
なお、周波数f>Fについては、実数信号のFFT結果に関する対称性から、次式で周波数領域の送話信号E(3) (p,i)を求める。
E(3) f(p,i)=conj(E(3) 2F-f(p,i))
このようにして求めた合計P×2F個の周波数領域の送話信号E(3) (p,i)を時間領域変換部125に出力する。なお、逆波数変換方法としては、波数変換部122における波数領域変換方法に対応するものを用いればよい。
(時間領域変換部125)
時間領域変換部125は、P×2F個の周波数領域の送話信号E(3) (p,i)を受け取り、次式のように、チャネルp毎に周波数領域の送話信号E(3) (p,i)を逆FFTし、時間領域の送話信号ベクトルe(3)(p,i)(要素数は2F個)に変換し(s235)、フレーム合成部126に出力する。
e(3)(p,i)=IFFT([E(3) 0(p,i)…E(3) f(p,i)…E(3) 2F-1(p,i)])
時間領域変換方法としては、周波数領域変換部121における周波数領域変換方法に対応するものを用いればよい。
(フレーム合成部126)
フレーム合成部126は、P個の時間領域の送話信号ベクトルe(3)(p,i)を受け取る。周波数領域変換部121において、受話信号x(p,n)をD≧2でフレーム化した場合には、フレーム合成部126は、フレームiで求めた送話信号e(3)(p,i)と一つ前のフレームi−1で求めた送話信号e(3)(p,i−1)とに対して窓かけ処理を行った上で、合成し(s236)、合成後の送話信号ベクトルe(3)’(p,i)(要素数はF/D個)の要素e(3)(p,n−F/D+1),e(3)(p,n−F/D+2),…,e(3)(p,n)を逐次、エコー消去装置100の出力値として出力する。ただし、n=iF/Dの関係にある。なお、その処理内容は、フレーム合成部34の処理と同等である。
<変形例>
残留エコー消去部120は、単体でもエコー消去装置として使用することができる。すなわち図2において周波数領域変換部11、波数変換部12、波数領域エコーレプリカ生成部21、逆波数変換部31、時間領域変換部32、フレーム合成部34、P個の減算部33、誤差周波数領域変換部41、誤差波数変換部42から構成される適応フィルタ部分(エコー消去部ともいう)をはずした構成でも使用することができる。その場合、残留エコー消去部120は、誤差信号ベクトルe(p,i)に代えて、収音信号y(p,n)を受け取り、ベクトル化した上で同様の処理を行う。
また波数領域残留エコー推定消去部1231において、残留エコー補正部12314をはずしても使用することができる。同様に波数領域拡散残留エコー推定消去部1232において、拡散残留エコー補正部12324をはずしても使用することができる。その場合、各減算部は、補正前の信号を受け取り、同様の処理を行う。
また残留エコー消去部120において、波数領域残留エコー推定消去部1231をはずし、波数領域拡散残留エコー推定消去部1232単独とする構成でも使用できる。この場合、図12および13のように、波数領域拡散残留エコー推定消去部1232の入力が変わる。図12は波数領域拡散残留エコー推定消去部1232を単独で用いた場合の残留エコー消去部120の機能ブロック図を、図13は波数領域拡散残留エコー推定消去部1232の機能ブロック図を示す。受話側信号が、P×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i−2)からP×2F個の波数領域の受話信号X(W) (k,i−1)に変わる。また波数領域残留エコー推定消去部1231がないため、誤差信号がP×2F個の波数領域の誤差信号E(W2) (k,i)=E(W1) (k,i)になる。この構成は、フレーム長を長くしたために、誤差信号E(W1) (k,i)に受話信号X(W) (k,i−1)の直接成分と反射成分が混在する場合に、有効である。
さらに、エコー消去部及び波数領域残留エコー推定消去部1231をはずしてもよい。その場合、誤差信号がP×2F個の波数領域の誤差信号E(W2) (k,i)に代えて、収音信号y(p,n)を受け取り、波数領域の収音信号Y(W) (k,i)に変換し、同様の処理を行う。
波数領域においてエコーレプリカを求める方法については、上述の方法以外の既存技術を用いてもよい。また、既存技術を用いて、周波数領域や時間領域においてエコーレプリカを求めてもよい。ただし、時間領域の収音信号から時間領域のエコーレプリカを差し引く構成のほうが、エコー消去の精度が高いことが知られているため、仮に周波数領域においてエコーレプリカを求めた場合も、時間領域に変換した上で、時間領域の収音信号から差し引く構成とすることが望ましい。
第一実施形態では、チャネル数Pが偶数の場合について説明したが、奇数(P=2K+1)であってもよい。
なお、本実施形態では、入力次元圧縮部12320において、波数領域受話信号ベクトルX(W) (i−2)を、波数領域圧縮ベクトルZ(W) (i−2)に圧縮しているが、必ずしも圧縮する必要はない。その場合、入力次元圧縮部12320以降の処理において、波数領域圧縮ベクトルZ(W) (i−2)に代えて、波数領域受話信号ベクトルX(W) (i−2)を用いればよい。例えば、圧縮入出力相関係数算出部12321では、パワースペクトル行列P(2) f(i)及びクロススペクトル行列Q(2) f(i)をそれぞれ次式及び次々式により求める。
P(2) f(i)=E[X(W) f(i-2)X(W)H f(i-2)]
Q(2) f(i)=E[E(W2) f(i) X(W)H f(i-2)]
この場合、入力次元圧縮部12320及び次元圧縮行列更新部12326をはずしてもよい。また、次元圧縮行列更新部12326の処理をはずし、入力次元圧縮部12320において、圧縮行列W(i−1)に代えて、P×P単位行列を用いる構成としてもよい。このような構成であっても壁面等の反射を考慮に入れて残留エコーを従来法以上に低減することができる。
<効果>
従来法では波数領域の受話信号X(W) (i)から波数領域の誤差信号E(W1) (i)への伝達特性を対角行列として推定して、残留エコー消去をはかる。これは波面の直接伝搬のみを考慮して残留エコーを推定することに対応する。
本構成では、波数領域の受話信号X(W) (i)から波数領域の誤差信号E(W2) (i)への伝達特性を行列として推定して、波数領域の拡散残留エコーベクトルを推定し、波数領域誤差信号ベクトルE(W1) (i)から差し引く。これは天井や壁に反射した波面の到来を考慮して残留エコーを推定することに対応する。
これにより波数領域の適応フィルタによるエコー経路推定及び消去が十分でない状態であっても会話状態によらず、壁面等の反射を考慮に入れて迅速に残留エコーを従来法以上に低減することができるという効果を奏する。
さらに受話信号の次元圧縮をおこなうことにより、上記残留エコー推定に必要なメモリ量と演算量を減らすことができる。受話信号の相関行列の格納に必要なメモリ量は次元の2乗に比例するため、入力次元をa倍(0<a<1)に圧縮する場合、メモリ量をaに圧縮できる。また残留エコー伝達特性推定における逆行列算出に次元の3乗に比例する演算量を必要とするため、入力次元をa倍(0<a<1)に圧縮すれば、この演算量をaに圧縮できる。
<シミュレーション結果>
残留エコー消去の効果を検証するために、変形例の構成についてシミュレーションを行った。
エコー消去装置100の構成として、残留エコー消去部120のみを使用した。さらに、内部の波数領域残留エコー推定消去部1231をはずし、さらに波数領域拡散残留エコー推定消去部1232において、拡散残留エコー補正部12324をはずした。また波数領域拡散残留エコー消去部1232では、受話信号を1/4に圧縮する設定とした。相関算出の平滑化定数としてβ=0.98を、圧縮ベクトルの相関行列の逆行列算出の忘却定数としてλ=0.1を、推定した入出力伝達特性の推定にβ=0.1をもちいた。
これと比較する従来法として、非特許文献3で提案されている方法をもちいた。その構成は、エコー消去装置100の構成として残留エコー消去部120のみを使用し、その内部では波数領域残留エコー推定消去部1231のみを使用した。なお残留エコー補正部12314をはずした。
シミュレーションで使用する信号を生成するため、残響時間150msの部屋で、直線状スピーカアレー(32素子、間隔6cm)と直線状マイクロホンアレー(32素子、間隔6cm)を50cm離して平行に配置し(P=32)、スピーカ・マイクロホン間の全エコー経路インパルス応答を測定した。サンプリング周波数fsを8kHzに設定し、フレーム長として2F=1024を用いた。受話信号には、それぞれ異なる位置に配置した2音源が交互に白色雑音を再生する状況をシミュレートし、32個のマイクロホンによる収音を模擬して生成した。
図14、15にシミュレーション結果を示す。図14は従来法の処理結果であり、図15は本実施形態の変形例での処理結果である。いずれも32チャネル中の奇数チャネルについて、残留エコー消去処理によるエコー消去量(ERLE)をプロットしている。
図14より従来法のERLEが平均で10dB強にとどまるのに対し、図15より提案法のERLEは平均で20dB強になっている。これより、提案法が効果的にエコーを消去していることが分かる。
<その他の変形例>
本発明は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
<プログラム及び記録媒体>
また、上記の実施形態及び変形例で説明した各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶部に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実施形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、各装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (9)

  1. Pを2以上の整数とし、P個のスピーカとP個のマイクロホンとが共通の音場に配置され、前記スピーカから受話信号を再生した際にエコー経路を経て前記マイクロホンに回り込むエコーを消去するエコー消去装置であって、
    前記マイクロホンで収音される収音信号を波数領域に変換した信号と波数領域の前記受話信号とを用いて、波数領域の前記収音信号に含まれる拡散残留エコーを推定し、波数領域の前記収音信号から推定した拡散残留エコーを消去する波数領域拡散残留エコー推定消去部を含み、
    前記波数領域拡散残留エコー推定消去部は、
    波数毎の前記受話信号を要素とするP次元のベクトルである受話信号ベクトルXとその複素共役かつ転置とを用いてP×P行列であるパワースペクトル行列を算出し、波数毎の前記収音信号を要素とするP次元のベクトルである収音信号ベクトルと前記受話信号ベクトルXの複素共役かつ転置とを用いてP×P行列であるクロススペクトル行列を算出する圧縮入出力相関係数算出部と、
    前記パワースペクトル行列と前記クロススペクトル行列とを用いて、前記受話信号と前記収音信号との入出力伝達特性の推定値を要素とするP×P行列である入出力伝達特性行列を求める圧縮入出力伝達特性推定部と、
    前記受話信号ベクトルXに前記入出力伝達特性行列を乗じて、波数毎の前記拡散残留エコーの推定値を要素とするP次元のベクトルである拡散残留エコーベクトルを求める拡散残留エコー推定部と、
    波数領域の前記収音信号と波数領域の前記拡散残留エコーの推定値との差分を求める減算部とを含む、
    エコー消去装置。
  2. Pを2以上の整数とし、P個のスピーカとP個のマイクロホンとが共通の音場に配置され、前記スピーカから受話信号を再生した際にエコー経路を経て前記マイクロホンに回り込むエコーを消去するエコー消去装置であって、
    前記マイクロホンで収音される収音信号を波数領域に変換した信号と波数領域の前記受話信号とを用いて、波数領域の前記収音信号に含まれる拡散残留エコーを推定し、波数領域の前記収音信号から推定した拡散残留エコーを消去する波数領域拡散残留エコー推定消去部を含み、
    前記波数領域拡散残留エコー推定消去部は、
    P’<Pとし、P’×P行列である圧縮行列Wを用いて、波数毎の前記受話信号を要素とするP次元のベクトルである受話信号ベクトルXを、P’次元の圧縮ベクトルZに圧縮する入力次元圧縮部と、
    前記圧縮ベクトルZを前記圧縮行列Wの複素共役転置行列で伸長したP次元のベクトルと、前記受話信号ベクトルXとの差が最小になるように、前記圧縮行列Wを更新する次元圧縮行列更新部と、
    前記圧縮ベクトルZとその複素共役かつ転置とを用いてP’×P’行列であるパワースペクトル行列を算出し、波数毎の前記収音信号を要素とするP次元のベクトルである収音信号ベクトルと前記圧縮ベクトルZの複素共役かつ転置とを用いてP×P’行列であるクロススペクトル行列を算出する圧縮入出力相関係数算出部と、
    前記パワースペクトル行列と前記クロススペクトル行列とを用いて、前記受話信号と前記収音信号との入出力伝達特性の推定値を要素とするP×P’行列である入出力伝達特性行列を求める圧縮入出力伝達特性推定部と、
    前記圧縮ベクトルZに前記入出力伝達特性行列を乗じて、波数毎の前記拡散残留エコーの推定値を要素とするP次元のベクトルである拡散残留エコーベクトルを求める拡散残留エコー推定部と、
    波数領域の前記収音信号と波数領域の前記拡散残留エコーの推定値との差分を求める減算部とを含む、
    エコー消去装置。
  3. 請求項2のエコー消去装置であって、
    P(2) fをパワースペクトル行列とし、Q(2) fをクロススペクトル行列とし、Z(W) fを圧縮ベクトルZ、E(W2) fを収音信号ベクトルとし、・Hは・の複素共役かつ転置を、E[・]は・の平均を表し、前記圧縮入出力相関係数算出部は、次式により、前記パワースペクトル行列を算出し、
    P(2) f=E[Z(W) fZ(W)H f]
    次式により、前記クロススペクトル行列を算出し、
    Q(2) f=E[E(W2) fZ(W)H f]
    β2を入出力伝達特性の推定値を平滑化するための定数とし、前記圧縮入出力伝達特性推定部は、次式、または、次々式により、前記入出力伝達特性行列を求める、
    Figure 2015115624

    Figure 2015115624

    エコー消去装置。
  4. 請求項1〜3の何れかのエコー消去装置であって、
    波数領域の前記受話信号と波数領域の前記収音信号とを用いて、波数領域の前記収音信号に含まれる直接波による残留エコーを推定し、波数領域の前記収音信号から推定した直接波による残留エコーを消去する波数領域残留エコー推定消去部を、さらに含み、
    波数領域残留エコー推定消去部は、
    波数領域の前記受話信号と波数領域の前記収音信号とを用いて、前記受話信号のパワースペクトルと、前記受話信号と前記収音信号との間のクロススペクトルとを算出する入出力相関係数算出部と、
    前記パワースペクトルと前記クロススペクトルとを用いて、前記受話信号と前記収音信号との入出力伝達特性を推定する入出力伝達特性推定部と、
    波数領域の前記受話信号に前記入出力伝達特性の推定値を乗じて、波数領域の前記残留エコーを推定する残留エコー推定部と、
    波数領域の前記収音信号と波数領域の前記残留エコーの推定値との差分を求める第二減算部とを含み、
    前記波数領域拡散残留エコー推定消去部において用いる前記収音信号は、前記波数領域残留エコー推定消去部における処理を施されたものであり、
    前記波数領域拡散残留エコー推定消去部において用いる波数領域の前記受話信号は、前記波数領域残留エコー推定消去部において用いる波数領域の前記受話信号よりも1フレーム分前のものである、
    エコー消去装置。
  5. 請求項1〜4の何れかのエコー消去装置であって、
    時間領域の前記受話信号と時間領域の前記収音信号とを用いて、時間領域の前記収音信号に含まれるエコーの成分を推定し、消去するエコー消去部を、さらに含み、
    前記エコー消去部は、
    時間領域の前記受話信号を周波数領域の信号に変換する第一周波数領域変換部と、
    周波数領域の前記受話信号を波数領域の信号に変換する第一波数領域変換部と、
    波数領域の前記受話信号に波数領域のフィルタ係数を乗じて、波数領域のエコーレプリカを生成する乗算部と、
    波数領域の前記エコーレプリカを周波数領域の前記エコーレプリカに変換する逆波数変換部と、
    周波数領域の前記エコーレプリカを時間領域の前記エコーレプリカに変換する時間領域変換部と、
    時間領域の前記収音信号から時間領域の前記エコーレプリカを差し引き、時間領域の誤差信号を求める第三減算部と、
    時間領域の前記誤差信号を周波数領域の信号に変換する第二周波数領域変換部と、
    周波数領域の前記誤差信号を波数領域の信号に変換する第二波数領域変換部と、
    波数領域の前記受話信号と波数領域の前記誤差信号とを用いて波数領域の前記フィルタ係数の修正量を算出する修正量算出部と、
    前記修正量を用いて前記フィルタ係数を更新するフィルタ係数部と、を含み、
    前記波数領域拡散残留エコー推定消去部または前記波数領域残留エコー推定消去部において用いる前記収音信号は、前記エコー消去部における処理を施されたものであり、前記誤差信号に対応する、
    エコー消去装置。
  6. 請求項1〜5の何れかのエコー消去装置であって、
    前記波数領域拡散残留エコー推定消去部は、
    前記拡散残留エコーベクトルの各要素に、前記入出力伝達特性の前記推定値の信頼区間の下端の値に基づく値を乗じることにより、前記拡散残留エコーベクトルの各要素を補正する残留エコー補正部をさらに含み、
    前記減算部において用いる、前記拡散残留エコーの前記推定値は、前記残留エコー補正部における処理を施されたものである、
    エコー消去装置。
  7. Pを2以上の整数とし、P個のスピーカとP個のマイクロホンとが共通の音場に配置され、前記スピーカから受話信号を再生した際にエコー経路を経て前記マイクロホンに回り込むエコーを消去するエコー消去方法であって、
    前記マイクロホンで収音される収音信号を波数領域に変換した信号と波数領域の前記受話信号とを用いて、波数領域の前記収音信号に含まれる拡散残留エコーを推定し、波数領域の前記収音信号から推定した拡散残留エコーを消去する波数領域拡散残留エコー推定消去ステップを含み、
    前記波数領域拡散残留エコー推定消去ステップは、
    波数毎の前記受話信号を要素とするP次元のベクトルである受話信号ベクトルXとその複素共役かつ転置とを用いてP×P行列であるパワースペクトル行列を算出し、波数毎の前記収音信号を要素とするP次元のベクトルである収音信号ベクトルと前記受話信号ベクトルXの複素共役かつ転置とを用いてP×P行列であるクロススペクトル行列を算出する圧縮入出力相関係数算出ステップと、
    前記パワースペクトル行列と前記クロススペクトル行列とを用いて、前記受話信号と前記収音信号との入出力伝達特性の推定値を要素とするP×P行列である入出力伝達特性行列を求める圧縮入出力伝達特性推定ステップと、
    前記受話信号ベクトルXに前記入出力伝達特性行列を乗じて、波数毎の前記拡散残留エコーの推定値を要素とするP次元のベクトルである拡散残留エコーベクトルを求める拡散残留エコー推定ステップと、
    波数領域の前記収音信号と波数領域の前記拡散残留エコーの推定値との差分を求める減算ステップとを含む、
    エコー消去方法。
  8. Pを2以上の整数とし、P個のスピーカとP個のマイクロホンとが共通の音場に配置され、前記スピーカから受話信号を再生した際にエコー経路を経て前記マイクロホンに回り込むエコーを消去するエコー消去方法であって、
    前記マイクロホンで収音される収音信号を波数領域に変換した信号と波数領域の前記受話信号とを用いて、波数領域の前記収音信号に含まれる拡散残留エコーを推定し、波数領域の前記収音信号から推定した拡散残留エコーを消去する波数領域拡散残留エコー推定消去ステップを含み、
    前記波数領域拡散残留エコー推定消去ステップは、
    P’<Pとし、P’×P行列である圧縮行列Wを用いて、波数毎の前記受話信号を要素とするP次元のベクトルである受話信号ベクトルXを、P’次元の圧縮ベクトルZに圧縮する入力次元圧縮ステップと、
    前記圧縮ベクトルZを前記圧縮行列Wの複素共役転置行列で伸長したP次元のベクトルと、前記受話信号ベクトルXとの差が最小になるように、前記圧縮行列Wを更新する次元圧縮行列更新ステップと、
    前記圧縮ベクトルZとその複素共役かつ転置とを用いてP’×P’行列であるパワースペクトル行列を算出し、波数毎の前記収音信号を要素とするP次元のベクトルである収音信号ベクトルと前記圧縮ベクトルZの複素共役かつ転置とを用いてP×P’行列であるクロススペクトル行列を算出する圧縮入出力相関係数算出ステップと、
    前記パワースペクトル行列と前記クロススペクトル行列とを用いて、前記受話信号と前記収音信号との入出力伝達特性の推定値を要素とするP×P’行列である入出力伝達特性行列を求める圧縮入出力伝達特性推定ステップと、
    前記圧縮ベクトルZに前記入出力伝達特性行列を乗じて、波数毎の前記拡散残留エコーの推定値を要素とするP次元のベクトルである拡散残留エコーベクトルを求める拡散残留エコー推定ステップと、
    波数領域の前記収音信号と波数領域の前記拡散残留エコーの推定値との差分を求める減算ステップとを含む、
    エコー消去方法。
  9. 請求項1〜6の何れかのエコー消去装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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