JP2015115193A - 走査型電子顕微鏡装置の評価方法、及び走査型電子顕微鏡装置の評価装置 - Google Patents

走査型電子顕微鏡装置の評価方法、及び走査型電子顕微鏡装置の評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属粒子の観察画像から、走査型電子顕微鏡装置の状態を高精度に定量化することができる走査型電子顕微鏡装置の評価方法及び評価装置を提供する。
【解決手段】走査型電子顕微鏡装置によって取得した金属粒子の画像から、走査型電子顕微鏡装置の状態を評価するための評価方法は、金属粒子の画像情報のノイズを除去するノイズ除去ステップと、ノイズ除去ステップにおいてノイズを除去した画像情報に基づいて、金属粒子の画像の画質を定量化して画質評価値を得る画質定量化ステップと、画質評価値に基づいて走査型電子顕微鏡装置の状態の良否を判定する判定ステップと、判定ステップの判定結果を表示する表示ステップとを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、走査型電子顕微鏡装置の調整において、走査型電子顕微鏡装置の状態を定量的に把握するための評価方法及び評価装置に関する。
近年の半導体や半導体用フォトマスクにおいては、パターンの高密度化、微細化に伴い、パターンの平面寸法だけでなく、深さ、高さ、及び側壁の傾斜角などのパターン立体形状の微小な変化も製品に大きな影響を与える。そのため、パターン平面寸法および立体形状を高精度に計測し、検査する技術が求められている。
半導体集積回路では、さらなる微細化、高密度化が求められているため、露光装置の解像力を高める必要がある。現在の露光装置に用いられているレーザ光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)であるが、露光装置の解像力は露光光の波長にほぼ比例するため、次世代のリソグラフィ技術として、より短波長である極端紫外域のEUVレーザ光(波長13.5nm)が期待されている。
このような極端紫外域の光となると、あらゆる物質で吸収されるため、従来の透過光学系は使用できず、フォトマスクを含めた全ての光学系を反射系で構成する必要がある。その反射面も、可視光のように金属の単層コートのみで高反射率が得られるわけではなく、モリブデンとシリコンを交互に数十層にも積層して形成した多層膜によって構成される必要がある。
EUVマスク特有の欠陥として多層膜欠陥がある。多層膜欠陥は、基板上のピットやバンプ、異物などにより生じる。これらの異物があると、多層膜の周期が乱れることにより正常部との位相差が生じて、いわゆる位相欠陥となる。そのため、位相欠陥の検査が重要となる。位相欠陥はウェハ上へのパターン転写に影響を及ぼし、この影響を正確に把握するためには、欠陥の幅や高さなどの三次元情報が必要となる。このようにEUVマスクでは従来の二次元計測に加えて、三次元計測の必要性が高まっている。
このようなフォトマスクの欠陥検査では、まずスループットの高い光学式の検査装置を用いた検査を行う。光学式の検査装置によれば、例えば10nm以下といった非常に微細な欠陥を検出することもできるが、解像度の制約により欠陥の形状までは判別できない。
光学式の検査装置で欠陥が検出された場合、次のレビュー工程で欠陥の位置、形状および大きさを確認する。この欠陥レビュー工程には、一般的に走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)が用いられている。特許文献1には、走査型電子顕微鏡を用いて、光学式の検査装置では捉えきれない微細な欠陥形状の計測が可能な方法が提案されている。
微小な欠陥を計測するには、装置の日常的な管理・保守が必要不可欠である。特に電子ビームを制御するコンデンサレンズやアパーチャー、非点収差、フォーカスなどのパラメータを正しく調整し、良好な画質のパターン画像を安定的に取得する必要がある。そのため、装置の安定性を判断するための方法が必要である。(例えば、特許文献2参照)
特開2012‐112927号公報 特開2008‐226536号公報
一般的には、走査型電子顕微鏡装置(以下、「SEM装置」という場合がある。)の状態を確認するための方法として、SEM装置のユーザーが金属粒子等を高倍率で観察し、その観察画像の良し悪しからSEM装置の状態を定性的に判断する方法が取られている。しかしながら、金属粒子の観察画像を目視で確認する方法では、以前に比べてどのくらい良くなった(又は悪くなった)のかを数値的に表すことができないという欠点があった。また、観察者の主観によって結果が左右されるという問題もある。
特許文献2には、金属粒子の観察画像からSEM装置の状態の良し悪しを数値で表すことで、定量化する方法が提案されている。しかしながら、特許文献2では、金属粒子のエッジの見え方を定量化しており、金属粒子表面にあるような微小な凹凸の見え方までは定量化することができない。そのため、この方法では、SEM装置が数nm程度の非常に微細な欠陥を、高精度に計測できる状態であるのかの判断まではできない。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、金属粒子の観察画像から、高精度にSEM装置の状態を定量化することのできるSEM装置の評価方法及び評価装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、走査型電子顕微鏡装置によって取得した金属粒子の画像から、走査型電子顕微鏡装置の状態を評価するための評価方法であって、金属粒子の画像情報のノイズを除去するノイズ除去ステップと、ノイズ除去ステップにおいてノイズを除去した画像情報に基づいて、金属粒子の画像の画質を定量化して画質評価値を得る画質定量化ステップと、画質評価値に基づいて走査型電子顕微鏡装置の状態の良否を判定する判定ステップと、判定ステップの判定結果を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする走査型電子顕微鏡装置の評価方法である。
第2の態様は、第1の態様において、画質定量化ステップは、金属粒子の画像から、全領域または一部の領域を評価対象領域として抽出する抽出ステップと、金属粒子の画像の濃度ヒストグラムから、金属粒子を構成する画素領域である金属粒子部と、金属粒子の背景を構成する画素領域である背景部との分離を行う分離ステップを含み、分離ステップ後に、金属粒子部の評価対象領域のみを対象として画質評価値を得ることを特徴とする走査型電子顕微鏡装置の評価方法である。
第3の態様は、第1又は第2の態様において、画質定量化ステップは、ノイズ除去ステップ後の画像プロファイルと、ノイズ除去ステップ前の画像プロファイルとの差分値の絶対値を金属粒子の画像中の評価対象領域に亘って合算した合計値を、画質評価値として算出することを特徴とする走査型電子顕微鏡装置の評価方法である。
第4の態様は、第1乃至第3の何れか1つの態様において、判定ステップでは、画質評価値と所定の基準値との比較が行われ、画質評価値が基準値を下回っている場合、走査型電子顕微鏡装置の状態が良いと判定され、画質評価値が基準値以上の場合、走査型電子顕微鏡装置の状態が悪いと判定されることを特徴とする走査型電子顕微鏡装置の評価方法である。
第5の態様は、走査型電子顕微鏡装置によって取得した金属粒子の画像から、走査型電子顕微鏡装置の状態を評価するための評価装置であって、金属粒子の画像情報のノイズを除去するノイズ除去手段と、ノイズ除去ステップにおいてノイズを除去した画像情報に基づいて、金属粒子の画像の画質を定量化して画質評価値を得る画質定量化手段と、画質評価値に基づいて走査型電子顕微鏡装置の状態の良否を判定する判定手段と、判定ステップの判定結果を表示する表示手段とを含むことを特徴とする走査型電子顕微鏡装置の評価装置である。
第6の態様は、第5の態様において、画質定量化手段は、金属粒子の画像から、全領域または一部の領域を評価対象領域として抽出する抽出手段と、金属粒子の画像の濃度ヒストグラムから、金属粒子を構成する画素領域である金属粒子部と、金属粒子の背景を構成する画素領域である背景部との分離を行う分離手段を含み、分離手段による分離後に、金属粒子部の評価対象領域のみを対象として画質評価値を得ることを特徴とする走査型電子顕微鏡装置の評価装置である。
第7の態様は、第5又は第6の態様において、画質定量化手段は、ノイズ除去手段によってノイズが除去された画像プロファイルと、ノイズ除去手段によってノイズが除去される前の画像プロファイルとの差分値の絶対値を金属粒子の画像中の評価対象領域に亘って合算した合計値を、画質評価値として算出することを特徴とする走査型電子顕微鏡装置の評価装置である。
第8の態様は、第5乃至第7の何れか1つの態様において、判定手段は、画質評価値と所定の基準値との比較を行い、画質評価値が基準値を下回っている場合、走査型電子顕微鏡装置の状態が良いと判定し、画質評価値が基準値以上の場合、走査型電子顕微鏡装置の状態が悪いと判定することを特徴とする走査型電子顕微鏡装置の評価装置である。
本発明では、ノイズを除去した画像情報に基づいて、金属粒子の画像の画質を定量化して画質評価値を得るため、金属粒子の観察画像から、高精度にSEM装置の状態を定量化することができる。
本発明の実施形態に係るSEM装置の評価装置の構成を示すブロック図 本発明の実施形態に係るSEM装置の評価方法を説明するためのフローチャート SEM装置の状態が良い時の抽出信号(抽出データの波形) SEM装置の状態が悪い時の抽出信号(抽出データの波形) 図5(a)SEM装置の状態が良い時の抽出信号(抽出データの波形)と平滑処理後信号(平滑処理後データの波形)、図5(b)SEM装置の状態が良い時の差分信号(差分データの波形) 図6(a)SEM装置の状態が悪い時の抽出信号(抽出データの波形)と平滑処理後信号(平滑処理後データの波形)、図6(b)SEM装置の状態が悪い時の差分信号(差分データの波形) ジャストフォーカス時の金属粒子画像(顕微鏡写真) 図7の分離処理後の画像 デフォーカス時の金属粒子画像(顕微鏡写真) 図9の分離処理後の画像 ジャストフォーカス時の抽出データの波形 デフォーカス時の抽出データの波形 ジャストフォーカス時の抽出データの波形及び平滑処理後データの波形 デフォーカス時の抽出データの波形及び平滑処理後データの波形 図13の波形から得た差分データの波形 図14の波形から得た差分データの波形 画質評価値と基準値の関係を示す図表 ジャストフォーカス時の欠陥観察時の輝度プロファイル(断面プロファイル) デフォーカス時の欠陥観察時の輝度プロファイル(断面プロファイル) 欠陥をAFMにて観察した時の断面プロファイル
以下、実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る一実施形態におけるSEM装置の評価方法を実行するSEM装置の評価装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、評価装置は、画像入力部1と、画像処理部2と、画像表示部3と、画像データ保存部4と、演算処理部5と、データ処理部6と、数値データ保存部7と、データ解析部8と、結果表示部9とを備えている。
画像入力部1は、評価対象のSEM装置によって撮影された金属粒子の観察画像が入力される部分である。画像処理部2は、画像入力部1に入力された金属粒子の観察画像に対して二値化処理などの画像処理を適用する。画像処理部2によって処理された画像は、画像表示部3(モニタなど)に表示されると共に、画像データ保存部4に画像データとして保存される。
次に、演算処理部5は、画像処理部2による二値化処理の結果を基に、金属粒子の観察画像について、金属粒子を構成する画素領域である金属粒子部(パターン部)と、金属粒子の背景を構成する画素領域である背景部を分離する。この分離により、二値化処理後の画像データから、金属粒子の表面画像を構成する画素領域が、金属粒子部として抽出される。データ処理部6は、演算処理部5によって分離された金属粒子部について平滑化処理を行う。さらに、データ処理部6は、平滑化処理前の画像プロファイル(例えば輝度プロファイルの波形)と、平滑化処理後の画像プロファイルとの差分を取り、所定の評価対象領域に亘って、その合計を求めることにより、画質評価値を決定する処理を、画質の定量化処理として行う。データ処理部6で得られた結果は、数値データ保存部7に保存される。次に、データ解析部8は、数値データ保存部7に保存されたデータを解析することで、SEM装置の状態の良し悪しの判定処理などを行う。最後に、データ解析部8の解析結果が、モニタ等の結果表示部9に表示される。なお、解析結果はファイルとして保存される。また、解析結果はプリンタで出力してもよい。
次に、図2の処理フローを参照して、本発明に係る一実施形態におけるSEM装置の評価装置によって実行されるSEM装置の評価方法について説明する。
なお、評価方法は、金属粒子の画像を評価装置に入力するステップと、金属粒子の画像情報(例えば輝度プロファイルの波形)のノイズを除去するノイズ除去ステップ(例えば波形を平滑化するステップ)と、ノイズ除去ステップにおいてノイズを除去した画像情報に基づいて、金属粒子の画像の画質を定量化して画質評価値を得る画質定量化ステップと、画質評価値に基づいて走査型電子顕微鏡装置の状態の良否を判定する判定ステップと、判定ステップの判定結果を表示する表示ステップとを含む。画質定量化ステップは、金属粒子の画像から、全領域または一部の領域を評価対象領域として抽出する抽出ステップと、金属粒子の画像の濃度ヒストグラムから、金属粒子部と背景部の分離を行う分離ステップを含み、分離ステップ後に、金属粒子部の評価対象領域のみを対象として画質評価値を得る。画質定量化ステップは、ノイズ除去ステップ後の画像プロファイルと、ノイズ除去ステップ前の画像プロファイルとの差分値の絶対値を、金属粒子の画像中の評価対象領域に亘って合算した合計値を、画質評価値として算出する。判定ステップでは、画質評価値と所定の基準値との比較が行われ、画質評価値が所定の基準値を下回っている場合、走査型電子顕微鏡装置の状態が良いと判定され、画質評価値が基準値以上の場合、走査型電子顕微鏡装置の状態が悪いと判定される。
最初に、SEM画像入力処理S1を実行して、SEM装置の状態を評価するための金属粒子の観察画像を画像入力部1に入力する。この画像は、通常8bitのビットマップ形式である。次に、ビットマップ変換処理S2を実行して、装置に入力された生データ(RAWデータ)での判定を行うため、16bitのビットマップ形式へ変換を行う。
次に、金属粒子の表面のみを抽出するために、金属粒子部(金属粒子の表面画像を構成する画素領域)と背景部(金属粒子などの物体が存在していない画素領域)を分離する分離処理S3を行う。以下に分離処理について説明を行う。
一般的に、金属粒子部(パターン部)と背景部との両方を含む画像の濃度ヒストグラムは、2つの山の部分から成る。金属粒子部と背景部とを分離するということは、濃度ヒストグラムの2つの山を分離することに等しい。そこで、濃度ヒストグラムに存在する2つの山A、Bとの分離度がもっとも適切な値になるときの閾値kを求める方法を考える。このような閾値kを求めるには、山Aの濃度平均値aと山Bの濃度平均値bと閾値kとの間の分散を最大にする閾値kの値を求めれば良い。このような閾値kを求める方法として判別分析法がある。判別分析法は、画像の濃度ヒストグラムにおいて、濃度値の集合を閾値kで2つのクラス(濃度値がk以上のクラス1と、濃度値がk未満のクラス2)に分割したと仮定したとき、2つのクラスの分離度が最も良くなるように閾値kを決めるという考え方に基づいている。実際には、2つのクラスの平均値の分散(クラス間分散)と、画像全体での分散の比を最大にするという基準により閾値kを決める。
次に、この閾値kの具体的な決定方法について、以下の数式(1)から数式(3)を用いて説明する。処理対象の画像が1,2,…,LのLレベルの濃度値を持つとする。ここで閾値をkとして、処理対象の画像の全画素について、閾値k以上の濃度値をもつ画素が属するクラス1、閾値k未満の濃度値をもつ画素が属するクラス2の2つのクラスに分ける。そして、レベルiの画素数をni、全画素数をNとすると、クラス間分散は数式(1)で与えられ、画像全体での分散は数式(2)で与えられる。また、数式(3)で与えられる評価基準値ηは、クラス間分散を画像全体での分散で正規化したものである。評価基準値ηは、0≦η≦1の範囲の値をもち、1に近いほど2つのクラスの分離度、或いはヒストグラムの双峰性が高いことを示す有効な評価尺度である。本実施形態では、閾値kを変化させて、評価基準値ηを最大にする閾値kの値を求める。そして、閾値kを基準にして、金属粒子部(濃度値がk未満のクラス2)と背景部(濃度値がk以上のクラス1)が分離される。


上記方法によって金属粒子部(パターン部)と背景部との分離を行った後、領域選択処理S4により、画質評価値を算出する評価対象領域を選択する。評価対象領域としては、画像全体を選択しても良いし、注目したい一部の領域を選択しても良い。
次に、信号抽出処理S5では、領域選択処理S4によって選択された領域での信号プロファイルの抽出処理を行う。次に、ノイズ除去処理S6では、抽出処理により抽出された信号プロファイルに対し、画像の平滑化処理を行い、画像上にあるノイズを除去する。
SEM装置の状態が良い場合、図3に示すように、パターン表面(画像において金属粒子が存在する領域)のノイズ成分が少なく、滑らかな波形が得られる。一方、SEM装置の状態が悪い場合、図4に示すように、パターン表面のノイズ成分が多く、ノイズにより起伏が大きい波形が得られる。ノイズ除去処理S6においてそれぞれの波形の平滑化処理を行い、平滑化処理前の波形との差分を取った時、SEM装置の状態が良い場合は、抽出処理により抽出された波形(抽出信号)のノイズ成分が少ないため、図5に示すように、その差が小さい。一方、SEM装置の状態が悪い場合では、抽出した波形(抽出信号)のノイズ成分が多いため、図6に示すように、その差が大きい。次に、定量化処理S7では、抽出処理により抽出した波形と、平滑処理後の波形(平滑処理後信号)の差の合計値を画質評価値として算出する。画質評価値は、抽出信号と平滑処理後信号の同じ画素における差分値の絶対値を、評価対象領域の一端から他端に亘って合計した値である。
次に、判定処理S8を実行し、これらの処理によって得られた画質評価値が、ある基準値に対して条件を満たしているか否かを判定評価する。判定処理S8で用いる基準値は、SEM装置の立上げ時或いは調整作業直後のSEM装置が安定している状態で撮影した金属粒子の観察画像から得られる画質評価値、又は、経験的にSEM装置の安定性が損なわれると判断できる画質評価値の閾値などを予め決めておき、その値を基準値として用いれば良い。画質評価値が小さい程、抽出した波形のノイズ成分が少なく、SEM装置の状態が良いと判定する。画質評価値が基準値を下回っている場合は、SEM装置の状態が良いと判定し、基準値を上回っている場合は、SEM装置の状態が悪いと判定する。判定処理S8の結果としてSEM装置の状態が良いとの判定結果が得られた場合(OKの場合)は、その判定結果と画質評価値を結果表示部9に表示する合格処理S9を実施する。一方、判定処理S8の結果としてSEM装置の状態が悪いとの判定結果が得られた場合(NGの場合)は、画質評価値とともに、SEM装置の調整を促すメッセージを結果表示部9に表示するNG処理S10を実施する。
ここで、本発明の実施例として、SEM装置のフォーカスズレと非点収差ズレを調整する際の画質定量化例について述べる。
図7は、調節対象のSEM装置により撮影された画像であり、ジャストフォーカスの時(Just focus時)の金属粒子画像である。また、図8は、図7に示す画像を処理対象にして、金属粒子部(パターン部)と背景部の分離処理(二値化処理)を行った画像である。更に、図9は、調節対象のSEM装置による金属粒子の撮影時に意図的に少しフォーカスをずらしたデフォーカス時(Defocus時)の金属粒子画像である。図10は、図9に示す画像を処理対象にして、金属粒子部(パターン部)と背景部の分離処理を行った画像である。
図8及び図10に示すように分離処理により背景部から分離された金属粒子部(パターン部)から、画質評価値の算出を行う評価対象領域(判定箇所)の選択を、領域選択処理として行った。そして、二値化処理前の画像のうち、金属粒子部の評価対象領域の輝度プロファイル(輝度分布)の抽出を、信号抽出処理として行った。輝度プロファイルは、評価対象領域における輝度値の変化を示す。図11に、ジャストフォーカス時の評価対象領域の輝度プロファイルの波形(抽出データ)を示す。図12に、デフォーカス時の評価対象領域の輝度プロファイルの波形(抽出データ)を示す。ジャストフォーカス時の輝度プロファイルに比べ、撮影時に意図的に少しフォーカスをずらしたデフォーカス時の輝度プロファイルの方が、ノイズ成分が大きいことが分かった。
次に、図11及び図12の輝度プロファイルの波形に対して平滑化処理をノイズ除去処理として行った。図13に、図11に示す輝度プロファイルの波形の平滑化処理後のデータ(平滑処理後データ)を示す。図14に、図12に示す輝度プロファイルの波形の平滑化処理後のデータ(平滑処理後データ)を示す。更に、抽出データと平滑処理後データの差分処理を行った。差分処理は、定量化処理の一部である。図15に、図13に示す抽出データと平滑処理後データの差分処理の結果(差分データ)を示す。図16に、図14に示す抽出データと平滑処理後データの差分処理の結果(差分データ)を示す。図15に示すジャストフォーカス時のグラフでは、抽出データと平滑処理後データの差が小さかったが、図16に示すデフォーカス時のグラフでは、抽出データと平滑処理後データの差が大きいことが分かった。
次に、図15及び図16の差分データの絶対値を抽出信号全体にわたって(つまり、評価対象領域の一端の画素から他端の画素に亘って)合算して画質評価値を算出する定量化処理を行った。画質評価値は、ジャストフォーカス時で157334となり、デフォーカス時で192224となった。ここで、画質評価値の基準値(判定基準値)は、180000に設定した。画質評価値が小さいほど画質は良いことになる。
図17は、各画質評価値と基準値との関係を示す図表である。各画質評価値について基準値と比較すると、デフォーカス時は、画質評価値が基準値以上となり判定基準を満たしていないのに対して、ジャストフォーカス時は、画質評価値が基準値を下回って判定基準を満たしていることが分かった。
次に、ジャストフォーカス時、デフォーカス時でのEUVマスクの位相欠陥の観察を行った。位相欠陥の観察では、検出器が左右2つに分かれたSEM装置を使用し、左側検出器信号から右側検出器信号を差し引いて生成した差分プロファイルの取得を行った。差分プロファイルを積分処理することにより、得られたジャストフォーカス時、デフォーカス時の積分プロファイルをそれぞれ図18、図19に示す。差分プロファイルを積分処理することにより、欠陥の断面形状の波形を観察することができる。
図20に、上記欠陥を原子間力顕微鏡(AFM)にて観察した時の断面プロファイルを示す。図18、図19をそれぞれ図20と比較をすると、ジャストフォーカスではAFMの測定結果と近い値を示しており、凹欠陥の形状が正しく観察できていた。一方、デフォーカス時では、凹んだ形状が再現されておらず、正確に観察できていないことがわかった。
以上のことから、フォーカスやStigmator調整時において、金属粒子の画像を取得して画質評価値を算出することを繰返し実施しモニタリングすることで、高精度にSEM装置の状態を定量化することが可能となる。
本発明は、走査型電子顕微鏡装置の状態を把握するための評価方法及び評価装置などに利用可能である。
1…画像入力部
2…画像処理部
3…画像表示部
4…画像データ保存部
5…演算処理部
6…データ処理部
7…数値データ保存部
8…データ解析部
9…結果表示部
S1…SEM画像入力処理
S2…ビットマップ変換処理
S3…パターンと背景の分離処理
S4…領域選択処理
S5…信号抽出処理
S6…ノイズ除去処理
S7…画像の定量化処理
S8…判定処理
S9…合格処理
S10…NG処理

Claims (8)

  1. 走査型電子顕微鏡装置によって取得した金属粒子の画像から、前記走査型電子顕微鏡装置の状態を評価するための評価方法であって、
    前記金属粒子の画像情報のノイズを除去するノイズ除去ステップと、
    前記ノイズ除去ステップにおいてノイズを除去した画像情報に基づいて、前記金属粒子の画像の画質を定量化して画質評価値を得る画質定量化ステップと、
    前記画質評価値に基づいて前記走査型電子顕微鏡装置の状態の良否を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップの判定結果を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする走査型電子顕微鏡装置の評価方法。
  2. 前記画質定量化ステップは、
    前記金属粒子の画像から、全領域または一部の領域を評価対象領域として抽出する抽出ステップと、
    前記金属粒子の画像の濃度ヒストグラムから、金属粒子を構成する画素領域である金属粒子部と、前記金属粒子の背景を構成する画素領域である背景部との分離を行う分離ステップを含み、
    前記分離ステップ後に、前記金属粒子部の評価対象領域のみを対象として前記画質評価値を得ることを特徴とする、請求項1に記載の走査型電子顕微鏡装置の評価方法。
  3. 前記画質定量化ステップは、前記ノイズ除去ステップ後の画像プロファイルと、前記ノイズ除去ステップ前の画像プロファイルとの差分値の絶対値を前記金属粒子の画像中の評価対象領域に亘って合算した合計値を、前記画質評価値として算出することを特徴とする、請求項1又は2に記載の走査型電子顕微鏡装置の評価方法。
  4. 前記判定ステップでは、前記画質評価値と所定の基準値との比較が行われ、前記画質評価値が前記基準値を下回っている場合、前記走査型電子顕微鏡装置の状態が良いと判定され、前記画質評価値が前記基準値以上の場合、前記走査型電子顕微鏡装置の状態が悪いと判定されることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1つに記載の走査型電子顕微鏡装置の評価方法。
  5. 走査型電子顕微鏡装置によって取得した金属粒子の画像から、前記走査型電子顕微鏡装置の状態を評価するための評価装置であって、
    前記金属粒子の画像情報のノイズを除去するノイズ除去手段と、
    前記ノイズ除去ステップにおいてノイズを除去した画像情報に基づいて、前記金属粒子の画像の画質を定量化して画質評価値を得る画質定量化手段と、
    前記画質評価値に基づいて前記走査型電子顕微鏡装置の状態の良否を判定する判定手段と、
    前記判定ステップの判定結果を表示する表示手段とを含むことを特徴とする走査型電子顕微鏡装置の評価装置。
  6. 前記画質定量化手段は、
    前記金属粒子の画像から、全領域または一部の領域を評価対象領域として抽出する抽出手段と、
    前記金属粒子の画像の濃度ヒストグラムから、金属粒子を構成する画素領域である金属粒子部と、前記金属粒子の背景を構成する画素領域である背景部との分離を行う分離手段を含み、
    前記分離手段による分離後に、前記金属粒子部の評価対象領域のみを対象として前記画質評価値を得ることを特徴とする、請求項5に記載の走査型電子顕微鏡装置の評価装置。
  7. 前記画質定量化手段は、前記ノイズ除去手段によってノイズが除去された画像プロファイルと、前記ノイズ除去手段によってノイズが除去される前の画像プロファイルとの差分値の絶対値を前記金属粒子の画像中の評価対象領域に亘って合算した合計値を、前記画質評価値として算出することを特徴とする、請求項5又は6に記載の走査型電子顕微鏡装置の評価装置。
  8. 前記判定手段は、前記画質評価値と所定の基準値との比較を行い、前記画質評価値が前記基準値を下回っている場合、前記走査型電子顕微鏡装置の状態が良いと判定し、前記画質評価値が前記基準値以上の場合、前記走査型電子顕微鏡装置の状態が悪いと判定することを特徴とする、請求項5乃至7の何れか1つに記載の走査型電子顕微鏡装置の評価装置。
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