JP2015114205A - 磁界検出装置および磁界検出装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動の影響を受けにくい磁界検出装置を提供する。【解決手段】交番信号を生成する励磁信号生成部2018と、前記交番信号から交番電流を生成し、前記交番電流を基に前記励磁検出コイルに印加する励磁電流を生成する励磁信号調整部2017と、前記励磁信号調整部の出力に接続され、前記励磁信号調整部2017の出力する前記励磁電流を強度調整し、検出信号を出力する交番信号調整部2019と、前記検出信号が予め設定された正電圧となるときの第1時刻と、予め設定された負電圧となるときの第2時刻とを検出する検出信号比較部2013と、前記第1時刻と前記第2時刻との間の時間幅に基づいて、磁界強度を示すデータ信号を出力するデータ信号変換部2016と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、信号処理用回路、それを用いた物理量計測装置に係わり、特に、時間分解型フラックスゲート方式(以下、FG方式と示す。)の磁気素子を有する磁界検出装置および磁界検出装置の制御方法に関する。
一般に、FG方式の磁気素子は、他の磁気素子であるホール素子や磁気抵抗素子に比較すると、磁界を検出する感度が高く、小型化が可能であるため、携帯電子機器などの方位検出装置などに用いられている。
図13は、時間分解型FG方式の磁気素子(磁界比例式測定)の構成例を示す図である。この図13において、FG方式の磁気素子は、高透磁率材からなる磁性体コアの外周面に対し、励磁巻線と検知巻線とが巻かれている。励磁巻線の巻かれている領域は励磁信号により駆動される励磁コイルとして機能し、検知巻線の巻かれている領域は検知信号を出力する検出コイルとして機能する。定常磁界Hexは、磁性体コアの励磁巻線及び検知巻線の作る円筒空間を貫通する磁界である。
図13は、時間分解型FG方式の磁気素子(磁界比例式測定)の構成例を示す図である。この図13において、FG方式の磁気素子は、高透磁率材からなる磁性体コアの外周面に対し、励磁巻線と検知巻線とが巻かれている。励磁巻線の巻かれている領域は励磁信号により駆動される励磁コイルとして機能し、検知巻線の巻かれている領域は検知信号を出力する検出コイルとして機能する。定常磁界Hexは、磁性体コアの励磁巻線及び検知巻線の作る円筒空間を貫通する磁界である。
図14は、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界比例式における磁気検出の原理を説明する波形図である。ここで、図14(a)は、磁気素子の励磁コイルに供給される励磁電流を示す図であり、縦軸が励磁電流の電流値を示し、横軸が時刻を示している。図14(b)は、磁気素子の励磁コイルが磁性体コア内に発生させる磁界の磁束密度を示す図であり、縦軸が磁性体コア内における磁束密度を示し、横軸が時刻を示している。図14(c)は、磁気素子の検出コイルが誘導起電力により発生するパルスの電圧値を示す図であり、縦軸が検出コイルのピックアップ電圧の電圧値を示し、横軸が時刻を示している。
この図14において励磁コイルを駆動させるため、励磁コイルの端子間に、一定周期で交番する励磁電流Idの信号(以下、励磁信号とする)を、すなわち図14(a)に示すように三角波形状の励磁信号(すなわち、三角波電流信号)を印加する(例えば、特許文献3参照)。
これにより、励磁電流の向きが変化する時間(励磁電流の正負の交番時間帯)において、図14(c)の場合には、時刻t1及び時刻t2において、検出コイルが誘導起電力による正負のパルス(ピックアップ信号、すなわちpu信号)が発生する。以下、このパルスの電圧Vp(ピックアップ電圧)を検知信号とする。この検知信号は、三角波電流信号の周期に対応して、連続的に正負の極性の電圧を有するパルスとして、検出コイルの端子間に発生する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
これにより、励磁電流の向きが変化する時間(励磁電流の正負の交番時間帯)において、図14(c)の場合には、時刻t1及び時刻t2において、検出コイルが誘導起電力による正負のパルス(ピックアップ信号、すなわちpu信号)が発生する。以下、このパルスの電圧Vp(ピックアップ電圧)を検知信号とする。この検知信号は、三角波電流信号の周期に対応して、連続的に正負の極性の電圧を有するパルスとして、検出コイルの端子間に発生する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
磁性体コアの励磁巻線及び検知巻線の作る円筒空間を貫通する定常磁界Hex(図13参照)が、この磁気素子に印加された場合、励磁巻線においてこの定常磁界Hexに対応した定常電流が流れる。すなわち、励磁巻線に印加される励磁信号の励磁電流Idに対して、上述した定常電流がオフセットとして重畳される。
その結果、このオフセットによって、交番する励磁信号により励磁コイルの駆動状態が変化し、すなわち、励磁電流Idの流れる向きが変化する時刻が、定常磁界Hexが印加されている場合と、定常磁界Hexが印加されていない場合とで変化する。
その結果、このオフセットによって、交番する励磁信号により励磁コイルの駆動状態が変化し、すなわち、励磁電流Idの流れる向きが変化する時刻が、定常磁界Hexが印加されている場合と、定常磁界Hexが印加されていない場合とで変化する。
このとき、図14(c)に示すように、定常磁界Hexが印加されていない(Hex=0)場合に比較し、励磁コイルの発生する磁界と同様の方向の定常磁界Hexが印加されている(Hex>0)場合、励磁電流Idの流れる向きの変化するタイミングである時刻t1が遅くなり、時刻t2が早くなる(時間TmがT/2より短くなる)。一方、定常磁界Hexが印加されていない場合に比較し、励磁コイルの発生する磁界と反対の方向の定常磁界Hexが印加されている(Hex<0)場合、励磁電流Idの流れる向きの変化するタイミングにおいて時刻t1が早くなり、時刻t2が遅くなる(時間TpがT/2より長くなる)。
これにより、この励磁電流Idの流れる方向が変わるタイミングに応じて変化する、磁性体コア内における磁束密度φの変化も、励磁電流Idに重畳される定常磁界Hexによる定常電流に対応して変化することになる。
そして、磁束の方向が変化した際、検出コイルに対して磁束の変化を打ち消す方向に誘導起電力が発生し、すなわち励磁電流Idが正から負に変化するタイミングにおいて検知信号が負電圧のパルスとして発生する。一方、励磁電流Idが負から正に変化するタイミングにおいて検知信号が正電圧のパルスとして発生する。
そして、磁束の方向が変化した際、検出コイルに対して磁束の変化を打ち消す方向に誘導起電力が発生し、すなわち励磁電流Idが正から負に変化するタイミングにおいて検知信号が負電圧のパルスとして発生する。一方、励磁電流Idが負から正に変化するタイミングにおいて検知信号が正電圧のパルスとして発生する。
したがって、FG型の磁気素子は、定常磁界Hexの印加されていない場合の検知信号の出力されるタイミングと、定常磁界Hexが印加されている場合の検知信号の出力されるタイミングとを比較することにより、定常磁界Hexの大きさを間接的に測定することができる。すなわち、定常磁界Hexが印加された場合、駆動コイルに特定の定常電流が流れるため、励磁信号に一定のオフセットが重畳し、負電圧及び正電圧のパルス状の検知信号の時間間隔が変化する。
したがって、FG型の磁気素子を用いた磁界検出装置は、負電圧及び正電圧のパルス状の検知信号の発生する時間間隔を測定することにより、外部から印加された定常磁界Hexの強度を測定している(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
したがって、FG型の磁気素子を用いた磁界検出装置は、負電圧及び正電圧のパルス状の検知信号の発生する時間間隔を測定することにより、外部から印加された定常磁界Hexの強度を測定している(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
ここで、励磁コイルに印加する励磁電流Idの最大値を、磁性体コアの飽和磁束密度以上となる磁界が発生する値に設定する。これにより、磁気素子の測定磁界範囲は、励磁信号の一周期の時間と、定常磁界Hexを印加することによるオフセットとしての定常電流の電流値に対応した時間変化(以下、励磁効率とする)とから決定される。
すなわち、図14に示すように、時刻t0から時刻t3までが、励磁信号の一周期であり、この周期幅は時間Tである。定常磁界Hexが印加されていない場合(Hex=0)、負電圧の検知信号(以下、第1検知信号とする)が出力される時刻t1から、正の電圧の検知信号(以下、第2検知信号とする)が検出される時刻t2までの時間Twは、励磁信号の半周期となるため、時間T/2となる。
すなわち、図14に示すように、時刻t0から時刻t3までが、励磁信号の一周期であり、この周期幅は時間Tである。定常磁界Hexが印加されていない場合(Hex=0)、負電圧の検知信号(以下、第1検知信号とする)が出力される時刻t1から、正の電圧の検知信号(以下、第2検知信号とする)が検出される時刻t2までの時間Twは、励磁信号の半周期となるため、時間T/2となる。
また、定常磁界Hexが印加されている場合、この第1検知信号が出力されてから第2検知信号が検出されるまでの時間幅(以下、計測時間幅)が時間T/2に対して変化する。ここで、図13に示すように、定常磁界Hexの磁束方向が実線の矢印の場合(Hex>0)、励磁コイルの生成する磁束方向と同一方向のため、時間幅Tmが時間T/2より短いものとなり(T0>Tm)、一方、定常磁界Hexの磁束方向が破線の矢印の場合(Hex<0)、励磁コイルの生成する磁束方向と逆方向のため、時間幅Tpが時間T/2より長くなる(Tp>T0)。ここで、T0=T/2である。
次に、図15は、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界比例式制御における磁気素子制御装置を用いた磁界検出装置の構成例を示す概略ブロック図である。図15において、磁気素子450は、図13に示す磁気素子であり、検出コイル452及び励磁コイル451から構成されている。
磁気素子制御装置400は、磁気素子制御部401とクロック信号生成部402とクロック信号調整部403とから構成されている。
クロック信号生成部402は、周期Tのクロックを生成して、クロック信号調整部403に対して出力する。
クロック信号調整部403は、供給されるクロックの信号レベルを調整して、調整されたクロックを磁気素子制御部401へ出力する。
磁気素子制御装置400は、磁気素子制御部401とクロック信号生成部402とクロック信号調整部403とから構成されている。
クロック信号生成部402は、周期Tのクロックを生成して、クロック信号調整部403に対して出力する。
クロック信号調整部403は、供給されるクロックの信号レベルを調整して、調整されたクロックを磁気素子制御部401へ出力する。
磁気素子制御部401は、検出信号増幅部4012、検出信号比較部4013、出力信号生成部4015、データ信号変換部4016、励磁信号調整部4017、励磁信号生成部4018を備えている。
励磁信号生成部4018は、クロック信号調整部403から供給されるクロックから、例えば、図14(a)に示す励磁信号である三角波を生成する。
励磁信号調整部4017は、励磁信号生成部4018から供給される励磁信号の電圧レベルを調整して、励磁信号として励磁コイル451に対して供給する。
励磁信号生成部4018は、クロック信号調整部403から供給されるクロックから、例えば、図14(a)に示す励磁信号である三角波を生成する。
励磁信号調整部4017は、励磁信号生成部4018から供給される励磁信号の電圧レベルを調整して、励磁信号として励磁コイル451に対して供給する。
励磁コイル451は、三角波に対応した磁界を、磁気素子450の磁性体コア内に生成する。
検出コイル452は、磁性体コア内における励磁信号の正負の交番時間帯に、パルスを発生する。
検出信号増幅部4012は、検出コイル452から供給されるパルスの電圧レベルを増幅し、検出信号として検出信号比較部4013へ出力する。
検出信号比較部4013は、パルス(検出信号)の時刻t1と時刻t2との時間幅と、T/2との差分を求め、この差分を出力信号生成部4015へ出力する。
検出コイル452は、磁性体コア内における励磁信号の正負の交番時間帯に、パルスを発生する。
検出信号増幅部4012は、検出コイル452から供給されるパルスの電圧レベルを増幅し、検出信号として検出信号比較部4013へ出力する。
検出信号比較部4013は、パルス(検出信号)の時刻t1と時刻t2との時間幅と、T/2との差分を求め、この差分を出力信号生成部4015へ出力する。
出力信号生成部4015は、供給される時間を示す差分から、この差分に対応する電圧情報を求める。出力信号生成部4015は、求めた電圧情報をデータ信号変換部4016へ出力する。
データ信号変換部4016は、内部記憶部に予め書き込まれて記憶されている電圧値磁界テーブルから、電圧情報の電圧値に対応する磁界強度を読み出して、磁気素子450に印加されている磁界の強度を求める。電圧値磁界テーブルは、上記電圧情報の電圧値と印加された定常磁界Hexの強度との対応を示すテーブルである。データ信号出力端子には、磁界強度検出装置(不図示)が接続されている。
データ信号変換部4016は、内部記憶部に予め書き込まれて記憶されている電圧値磁界テーブルから、電圧情報の電圧値に対応する磁界強度を読み出して、磁気素子450に印加されている磁界の強度を求める。電圧値磁界テーブルは、上記電圧情報の電圧値と印加された定常磁界Hexの強度との対応を示すテーブルである。データ信号出力端子には、磁界強度検出装置(不図示)が接続されている。
次に、図16は、時間分解型FG方式の磁気素子(磁界平衡式測定)の構成例を示す図である。この図16が示すように、磁界平衡式測定におけるFG方式の磁気素子は、図13の磁気素子とは異なり、高透磁率材からなる磁性体コアの外周面に対し、励磁巻線と検知巻線とに加えて、フィードバック(以下、FB)巻線が巻かれている。励磁巻線の巻かれている領域は励磁信号により駆動される励磁コイルとして機能し、検知巻線の巻かれている領域は検知信号を出力する検出コイルとして機能し、フィードバック巻線の巻かれている領域はフィードバック信号により駆動されるFBコイルとして機能する。定常磁界Hexは、磁性体コアの励磁巻線及び検知巻線の作る円筒空間を貫通する磁界である。
次に、図17は、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式測定における磁気検出の原理を説明する波形図である。
図17(a)は、磁気素子の励磁コイルに供給される励磁電流を示し、縦軸が励磁電流の電流値を示し、横軸が時間を示している。励磁電流は、基準電流値0A(ゼロアンペア)を境にした正負の交番信号である。図17(b)は、磁気素子のFBコイルに印加する電流であるFB信号(すなわち帰還信号)を示す図であり、縦軸がFB信号の電流値を示し、横軸が時間を示している。図17(c)は、磁気素子の検出コイルが誘導起電力により発生するパルスの電圧値を示す図であり、縦軸がピックアップ信号の電圧値を示し、横軸が時間を示している。
図17(a)は、磁気素子の励磁コイルに供給される励磁電流を示し、縦軸が励磁電流の電流値を示し、横軸が時間を示している。励磁電流は、基準電流値0A(ゼロアンペア)を境にした正負の交番信号である。図17(b)は、磁気素子のFBコイルに印加する電流であるFB信号(すなわち帰還信号)を示す図であり、縦軸がFB信号の電流値を示し、横軸が時間を示している。図17(c)は、磁気素子の検出コイルが誘導起電力により発生するパルスの電圧値を示す図であり、縦軸がピックアップ信号の電圧値を示し、横軸が時間を示している。
この図17に示すように、磁界平衡式測定の場合、磁気素子に印加される定常磁界Hex(磁性体コア内を通過する定常磁界)を打ち消す磁界を、上記FBコイルにより発生させる。そして、定常磁界を打ち消す磁界をFBコイルに発生させる際の電流値から、磁気素子に印加されている定常磁界Hexを測定している。
磁界平衡式においては、磁性体コア内における定常磁界を打ち消すための磁界を発生するコイルとして、励磁コイル及び検出コイルに加えて、上記FBコイルが磁気素子に設けられている。
以下、本明細書においては、FB信号を印加して磁性体コア内の定常磁界を打ち消し、磁界の測定を行う方式をFBコイルFB制御とする。
磁界平衡式においては、磁性体コア内における定常磁界を打ち消すための磁界を発生するコイルとして、励磁コイル及び検出コイルに加えて、上記FBコイルが磁気素子に設けられている。
以下、本明細書においては、FB信号を印加して磁性体コア内の定常磁界を打ち消し、磁界の測定を行う方式をFBコイルFB制御とする。
また、磁界平衡式測定の場合、すでに説明した磁界比例式と同様に、励磁コイルに印加される励磁信号の正負の交番時間帯に、検出コイルにおいて発生するパルスの時間間隔を測定する。そして、測定結果に基づき、負電圧の検知信号が出力される時刻t1から、正の電圧の検知信号が検出される時刻t2までの時間が、T/2となるように、FBコイルに対してFB信号を印加する。
例えば、図17(c)において、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2より広くなると、図17(a)に示すように負の方向の定常磁界Hexが印加され、実質的に励磁信号の波形が波形L0から波形L2へと変化したこととなる。このため、励磁信号の波形L2を、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2となる曲線L0の位置に戻すため、FBコイルに対して図17(b)における波形FB2によって表される電流値のFB信号を印加する。
例えば、図17(c)において、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2より広くなると、図17(a)に示すように負の方向の定常磁界Hexが印加され、実質的に励磁信号の波形が波形L0から波形L2へと変化したこととなる。このため、励磁信号の波形L2を、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2となる曲線L0の位置に戻すため、FBコイルに対して図17(b)における波形FB2によって表される電流値のFB信号を印加する。
一方、図17(c)において、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2より狭くなると、図17(a)に示すように正の方向の定常磁界Hexが印加され、実質的に励磁信号の波形が波形L0から波形L1へと変化したこととなる。このため、励磁信号の波形L1を波形L0の位置に戻すため、FBコイルに対して図17(b)における波形FB1によって表される電流値のFB信号を印加する。
そして、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2となるようにFBコイルに印加したFB信号の電流値から、磁気素子に印加される定常磁界の強度を求めることになる。
そして、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2となるようにFBコイルに印加したFB信号の電流値から、磁気素子に印加される定常磁界の強度を求めることになる。
次に、図18は、FBコイルFB制御における磁気素子制御装置を用いた磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。図18において、磁気素子300は、励磁コイル301、FBコイル302、検出コイル303から構成されている。
磁気素子制御装置200は、磁気素子制御部201とクロック信号生成部202とクロック信号調整部203とから構成されている。
クロック信号生成部202は、周期Tのクロックを生成して、クロック信号調整部203に対して出力する。
クロック信号調整部203は、供給されるクロックの信号レベルを調整して、調整されたクロックを磁気素子制御部201へ出力する。
磁気素子制御装置200は、磁気素子制御部201とクロック信号生成部202とクロック信号調整部203とから構成されている。
クロック信号生成部202は、周期Tのクロックを生成して、クロック信号調整部203に対して出力する。
クロック信号調整部203は、供給されるクロックの信号レベルを調整して、調整されたクロックを磁気素子制御部201へ出力する。
磁気素子制御部201は、検出信号増幅部2012、検出信号比較部2013、帰還信号調整部2014、帰還信号変換部2015、データ信号変換部2016、励磁信号調整部2017、励磁信号生成部2018を備えている。
励磁信号生成部2018は、クロック信号調整部203から供給されるクロックから、例えば、図17(a)に示す励磁信号である三角波を生成する。
励磁信号調整部2017は、励磁信号生成部2018から供給される励磁信号の電圧レベルを調整して、励磁信号として励磁コイル301に対して供給する。
励磁信号生成部2018は、クロック信号調整部203から供給されるクロックから、例えば、図17(a)に示す励磁信号である三角波を生成する。
励磁信号調整部2017は、励磁信号生成部2018から供給される励磁信号の電圧レベルを調整して、励磁信号として励磁コイル301に対して供給する。
励磁コイル301は、三角波に対応した磁界を、磁気素子300の磁性体コア内に生成する。
検出コイル303は、磁性体コア内における励磁信号の正負の交番時間帯に、パルスを発生する。
FBコイル302は、供給されるFB信号により、磁気素子300の磁性体コアに印加される定常磁界Hexを打ち消す磁界を発生する。
検出信号増幅部2012は、検出コイル303から供給されるパルスの電圧レベルを増幅し、検出信号として検出信号比較部2013へ出力する。
検出信号比較部2013は、パルス(検出信号)の時刻t1と時刻t2との時間幅と、T/2との差分を求め、この差分を帰還信号変換部2015へ出力する。
帰還信号変換部2015は、求められた差分から、FBコイル302に供給するFB信号の電流値を求める。
検出コイル303は、磁性体コア内における励磁信号の正負の交番時間帯に、パルスを発生する。
FBコイル302は、供給されるFB信号により、磁気素子300の磁性体コアに印加される定常磁界Hexを打ち消す磁界を発生する。
検出信号増幅部2012は、検出コイル303から供給されるパルスの電圧レベルを増幅し、検出信号として検出信号比較部2013へ出力する。
検出信号比較部2013は、パルス(検出信号)の時刻t1と時刻t2との時間幅と、T/2との差分を求め、この差分を帰還信号変換部2015へ出力する。
帰還信号変換部2015は、求められた差分から、FBコイル302に供給するFB信号の電流値を求める。
ここで、帰還信号変換部2015は、内部記憶部に予め書き込まれて記憶されているFB電流値テーブルから、求められた差分に対応する電流値を読み出してFB信号の電流値を求める。FB電流値テーブルは、上記差分と磁性体コア内における定常磁界を打ち消す電流値(デジタル値)との対応を示すテーブルである。
帰還信号調整部2014は、帰還信号変換部2015から供給されるFB信号の電流値を、D/A(Digital/Analog)変換して、生成されたFB信号としての電流を、FBコイル302に対して出力する。また、帰還信号調整部2014は、帰還信号変換部2015から供給されるFB信号の電流値を、データ信号変換部2016へ出力する。
帰還信号調整部2014は、帰還信号変換部2015から供給されるFB信号の電流値を、D/A(Digital/Analog)変換して、生成されたFB信号としての電流を、FBコイル302に対して出力する。また、帰還信号調整部2014は、帰還信号変換部2015から供給されるFB信号の電流値を、データ信号変換部2016へ出力する。
データ信号変換部2016は、供給されるFB信号の電流値から、磁性体コア内において打ち消した定常磁界の強度、すなわち磁気素子300に印加されている定常磁界Hexの強度を求める。ここで、データ信号変換部2016は、内部記憶部に予め書き込まれて記憶されている電流値磁界テーブルから、FB信号の電流値に対応する磁界強度を読み出して、磁気素子300に印加されている磁界の強度を求める。電流値磁界テーブルは、上記FB信号の電流値と印加された定常磁界Hexの強度との対応を示すテーブルである。
データ信号出力端子には、磁界強度検出装置(不図示)が接続されている。
データ信号出力端子には、磁界強度検出装置(不図示)が接続されている。
上述した時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界比例式における磁気検出を行う場合、磁気素子300の磁性体コアの材料と構造とに起因するコイルに印加する電流あたりの発生磁界量(以下、励磁効率とする)と、励磁信号の強度により、測定可能な磁界範囲が決定される。
一方、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式における磁気検出を行う場合、磁気素子300に対して印加される定常磁界Hexによらず、一定の時間間隔(T/2)で検出信号が出力されるように、磁性体コア近傍の磁界を平衡状態として維持している。このため、磁気素子300全体の電源電圧により制限、すなわちFB信号の電流値が供給可能な範囲で磁界の測定を行うことができる。
一方、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式における磁気検出を行う場合、磁気素子300に対して印加される定常磁界Hexによらず、一定の時間間隔(T/2)で検出信号が出力されるように、磁性体コア近傍の磁界を平衡状態として維持している。このため、磁気素子300全体の電源電圧により制限、すなわちFB信号の電流値が供給可能な範囲で磁界の測定を行うことができる。
また、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界比例式における磁気検出を行う場合、検出信号の出力される時間間隔が磁界に応じて変化するため、磁気感度の線形性が磁気素子300の特性に直接に反映することになる。
一方、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式における磁気検出を行う場合、磁気素子の特性として、励磁効率の磁界依存性が小さいため、検出信号の波形と、検出信号の発生する時間間隔の定常性とが維持され易い。
そのため、たとえば、最大数百A(アンペア)程度の電流により発生する磁界を全測定電流範囲において線形性を維持した状態で測定する磁気素子に適用する場合、従来、磁界比例式に比較して、磁界平衡式における磁気検出が主に用いられている。
一方、時間分解型FG方式の磁気素子を用いて磁界平衡式における磁気検出を行う場合、磁気素子の特性として、励磁効率の磁界依存性が小さいため、検出信号の波形と、検出信号の発生する時間間隔の定常性とが維持され易い。
そのため、たとえば、最大数百A(アンペア)程度の電流により発生する磁界を全測定電流範囲において線形性を維持した状態で測定する磁気素子に適用する場合、従来、磁界比例式に比較して、磁界平衡式における磁気検出が主に用いられている。
上述の様に、磁界検出装置では、磁気比例式、磁気平衡式のいずれの方式を用いる場合であっても、検出信号の波形が磁気素子の磁気特性に依存するため、磁界検出装置ごとの特性が磁気素子の磁気特性のバラツキ(特性変動)に大きく依存する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動の影響を受けにくい磁界検出装置および磁界検出装置の制御方法を提供することを目的とする。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の磁界検出装置は、励磁検出コイルを有するフラックスゲート型の磁気素子に印加される定常磁界の強度を検出する際、当該磁気素子の出力から磁界強度の検出を行う磁界検出装置であって、交番信号を生成する励磁信号生成部と、前記交番信号から交番電流を生成し、前記交番電流を基に前記励磁検出コイルに印加する励磁電流を生成する励磁信号調整部と、前記励磁信号調整部の出力に接続され、前記励磁信号調整部の出力する前記励磁電流を強度調整し、検出信号を出力する交番信号調整部と、前記検出信号が予め設定された正電圧となるときの第1時刻と、予め設定された負電圧となるときの第2時刻とを検出する検出信号比較部と、前記第1時刻と前記第2時刻との間の時間幅に基づいて、磁界強度を示すデータ信号を出力するデータ信号変換部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の磁界検出装置は、前記時間幅を電圧情報または電流情報に変換する帰還信号変換部と、前記電圧情報または電流情報から前記磁気素子に印加されている定常磁界をキャンセルする磁界を発生するための帰還信号を生成する帰還信号調整部と、を備え、前記データ信号変換部は、前記帰還信号を前記データ信号として出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の磁界検出装置は、前記磁気素子は帰還コイルを有し、前記帰還信号調整部が、前記電圧情報から前記磁気素子に印加されている定常磁界をキャンセルする磁界を発生するための帰還信号を生成し、当該帰還信号を前記帰還コイルに入力する端子を有する構成となっている、ことを特徴とする。
また、本発明の磁界検出装置は、前記励磁信号調整部が、前記交番信号から生成した交番電流に対し、前記帰還信号を重畳して、前記励磁検出コイルに印加する励磁信号を生成する、ことを特徴とする。
また、本発明の磁界検出装置は、前記励磁信号生成部が、前記交番信号に対し、前記帰還信号を重畳する、ことを特徴とする。
また、本発明の磁界検出装置は、前記交番信号に対し、前記帰還信号の電流レベルを調整して重畳する調整抵抗を有する、ことを特徴とする。
本発明の磁界検出装置の制御方法は、励磁検出コイルを有するフラックスゲート型の磁気素子に印加される定常磁界の強度を検出する際、当該磁気素子の出力から磁界強度の検出を行う磁界検出装置の制御方法であって、励磁信号生成部が、交番信号を生成する励磁信号生成過程と、励磁信号調整部が、前記交番信号から交番電流を生成し、前記交番電流を基に前記励磁検出コイルに印加する励磁電流を生成する励磁信号調整過程と、交番信号調整部が、前記励磁信号調整部の出力に接続され、前記励磁信号調整部の出力する前記励磁電流を強度調整し、検出信号を出力する交番信号調整過程と、検出信号比較部が、前記検出信号が予め設定された正電圧となるときの第1時刻と、予め設定された負電圧となるときの第2時刻とを検出する検出信号比較過程と、データ信号変換部が、前記第1時刻と前記第2時刻との間の時間幅に基づいて、磁界強度を示すデータ信号を出力するデータ信号変換過程と、を有することを特徴とする。
本発明は、交番信号調整部が、励磁信号調整部の出力する励磁電流を強度調整し、検出信号を出力する。検出信号比較部は、当該検出信号が予め設定された正電圧となるときの第1時刻と、予め設定された負電圧となるときの第2時刻とを検出する。データ信号変換部は、第1時刻と第2時刻との間の時間幅に基づいて、磁界強度を示すデータ信号を出力する。
本発明によれば、磁気素子において検出コイルが不要となるので、磁気素子の構成を簡便な構成とすることができ、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動を小さくすることができる。これにより、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動の影響を受けにくい磁界検出装置および磁界検出装置の制御方法を提供することができる。
本発明によれば、磁気素子において検出コイルが不要となるので、磁気素子の構成を簡便な構成とすることができ、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動を小さくすることができる。これにより、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動の影響を受けにくい磁界検出装置および磁界検出装置の制御方法を提供することができる。
<第1の実施形態>
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。なお、図1において、図18と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。図1において、磁界検出装置は、磁気素子100と磁気素子制御装置200Aとから構成される。
磁気素子100は、励磁検出コイル101、FBコイル102から構成されている。磁気素子100は、検出コイルを含まない構成となっている(図16および図18参照)。
励磁検出コイル101は、励磁信号調整部2017の出力端子と交番信号調整部2019の入力端子との双方に接続される。励磁検出コイル101は、励磁信号調整部2017から励磁信号が印加され、定常磁界Hexに比例する直流成分(オフセット)が重畳した励磁信号が検出信号として、交番信号調整部2019に入力される。
FBコイル102(帰還コイル)は、供給されるFB信号により、磁気素子100の磁性体コアに印加される定常磁界Hexを打ち消す(キャンセルする)磁界を発生する。
磁気素子制御装置200Aは、磁気素子制御部201Aとクロック信号生成部202とクロック信号調整部203とから構成されている。磁気素子制御部201Aは、交番信号調整部2019、検出信号比較部2013、帰還信号調整部2014、帰還信号変換部2015、データ信号変換部2016、励磁信号調整部2017、励磁信号生成部2018を備えている。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。なお、図1において、図18と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。図1において、磁界検出装置は、磁気素子100と磁気素子制御装置200Aとから構成される。
磁気素子100は、励磁検出コイル101、FBコイル102から構成されている。磁気素子100は、検出コイルを含まない構成となっている(図16および図18参照)。
励磁検出コイル101は、励磁信号調整部2017の出力端子と交番信号調整部2019の入力端子との双方に接続される。励磁検出コイル101は、励磁信号調整部2017から励磁信号が印加され、定常磁界Hexに比例する直流成分(オフセット)が重畳した励磁信号が検出信号として、交番信号調整部2019に入力される。
FBコイル102(帰還コイル)は、供給されるFB信号により、磁気素子100の磁性体コアに印加される定常磁界Hexを打ち消す(キャンセルする)磁界を発生する。
磁気素子制御装置200Aは、磁気素子制御部201Aとクロック信号生成部202とクロック信号調整部203とから構成されている。磁気素子制御部201Aは、交番信号調整部2019、検出信号比較部2013、帰還信号調整部2014、帰還信号変換部2015、データ信号変換部2016、励磁信号調整部2017、励磁信号生成部2018を備えている。
交番信号調整部2019は、励磁信号調整部2017が出力する励磁信号(交番電流)が入力されると、この励磁信号の電流値を電流電圧変換し、変換結果の電圧信号を予め設定された電圧値に増幅し(強度調整し)、検出信号として検出信号比較部2013に出力する。ここで、予め設定された電圧値とは、この磁界検出装置において磁気素子制御装置200Aに磁気素子100を接続して、実際の測定において出力される検出信号の電圧値を測定する実験によって求められた値である。そして、励磁信号調整部2017が出力する励磁信号の電流値を測定しておき、この電流値が測定されている検出信号の電圧値となる電流電圧変換及び交番信号調整部2019の増幅処理が行われるように、交番信号調整部2019を構成する。例えば、交番信号調整部2019は、励磁信号(すなわち励磁電流)を検出信号の電圧値とする電圧降下を発生させる抵抗値を有する抵抗として構成しても良い。或いは、検出信号比較部2013以降の回路が動作する電源電圧の範囲内に増幅結果が入るように、増幅率が設定された増幅器として構成しても良い。
すなわち、交番信号調整部2019は、検出信号比較部2013の2つの入力端子の各々を、励磁信号調整部2017の2つの出力それぞれに対して2つの配線により接続し、この配線間の各々に交番信号調整部2019を接続した構成とする。これにより、この交番信号調整部2019は、励磁信号調整部2017から供給される励磁信号である励磁電流を、励磁電流と同一の周期で振幅調整した励磁信号を検出信号として検出信号比較部2013に対して出力する。これは、励磁信号調整部2017から供給される励磁信号である励磁電流を、励磁電流と同一の周期で振幅調整することにより、検出信号として振幅調整した励磁信号が、後段の検出信号比較部2013で検波する際に、従来の検出信号と同等の磁界依存性を示すためである。
次に、図2は、交番信号調整部2019が励磁信号調整部2017から供給される励磁信号の増幅処理または減衰処理を行い、励磁電流を励磁電流と同一の周期で振幅調整した検出信号として検出信号比較部2013への出力を説明する図である。図2(a)は、磁気素子の励磁検出コイル101に供給される励磁電流(励磁信号)を示し、縦軸が励磁電流を示し、横軸が時間を示している。励磁電流は、基準電流値0A(ゼロアンペア)を境にした正否の交番信号である。図2(b)は、検出信号比較部2013に供給される検出信号の入力波形を示し、縦軸が電圧値を示し、横軸が時間を示している。図2(c)は、検出信号比較部2013が出力する時間t1(第1時刻)と時間t2(第2時刻)との間の時間幅を示す出力波形を示し、縦軸が出力波形の「H」レベルあるいは「L」レベルの電圧レベルを示し、横軸が時間を示している。この図2(c)において、出力波形は、時間t1から時間t2まで「H」レベルの信号であり、その前後の時間が「L」レベルとなっている。
また、図2(a)は、図17(a)の励磁信号と同様の信号である。図2(b)は、検出信号比較部2013が交番信号調整部2019から供給される励磁信号を、電流電圧変換及び増幅処理を行って生成した検出信号を示す図である。図2(c)は、検出信号比較部2013が検出信号から生成した出力波形を示す図である。
図1に戻り、検出信号比較部2013は、検出信号が供給されたときと同様に、検出信号の電圧値と、予め定められた閾値電圧値とを比較し、時間t1と時間t2とを検出し、この時間t1と時間t2との時間幅を示す図2(c)の出力波形を生成する。なお、従来の検出信号を用いる場合、検出信号比較部2013において、検出信号に重畳する直流成分を除去した上で、検出信号の強度調整を実施することが一般的である。本実施形態では、検出信号に重畳する直流成分は、外部から印加された磁界により発生した直流成分であるため、直流成分を除去した場合は、検出信号比較部2013の出力信号が外部からの印加磁界に対して変化しない。ただし、検出信号比較部2013の前段の交番信号調整部2019から出力される検出信号(励磁電流と同一の周期で振幅調整した検出信号)には、外部から印加される磁界により誘起される直流信号が重畳している。そのため、FBコイル102に印加される電流は外部磁界に比例して増加する。帰還信号調整部2014により、FBコイル102に印加される電流量をデータ信号に変換するため、検出信号比較部2013で直流成分を除去するか否かによらず、外部からの印加磁界に応じたデータ信号が得られる。
図1に戻り、検出信号比較部2013は、検出信号が供給されたときと同様に、検出信号の電圧値と、予め定められた閾値電圧値とを比較し、時間t1と時間t2とを検出し、この時間t1と時間t2との時間幅を示す図2(c)の出力波形を生成する。なお、従来の検出信号を用いる場合、検出信号比較部2013において、検出信号に重畳する直流成分を除去した上で、検出信号の強度調整を実施することが一般的である。本実施形態では、検出信号に重畳する直流成分は、外部から印加された磁界により発生した直流成分であるため、直流成分を除去した場合は、検出信号比較部2013の出力信号が外部からの印加磁界に対して変化しない。ただし、検出信号比較部2013の前段の交番信号調整部2019から出力される検出信号(励磁電流と同一の周期で振幅調整した検出信号)には、外部から印加される磁界により誘起される直流信号が重畳している。そのため、FBコイル102に印加される電流は外部磁界に比例して増加する。帰還信号調整部2014により、FBコイル102に印加される電流量をデータ信号に変換するため、検出信号比較部2013で直流成分を除去するか否かによらず、外部からの印加磁界に応じたデータ信号が得られる。
帰還信号調整部2014は、負電圧の検知信号が出力される時刻t1から、正電圧の検知信号が検出される時刻t2までの時間が、T/2となるように、FBコイル102に対して定常磁界をキャンセルするためのFB信号を生成し、FBコイルに印加する。
例えば、図2(c)において、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2より広くなると、負の方向の定常磁界Hexが印加され、検出信号の波形が図2(b)に示すように波形LL0から波形LL2へと変化する。このため、励磁信号の波形LL2を、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2となる曲線LL0の位置に戻すため、帰還信号調整部2014は、FBコイルに対してFB信号を印加する(電流値は、図17(b)における波形FB2によって表される電流値である)。
例えば、図2(c)において、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2より広くなると、負の方向の定常磁界Hexが印加され、検出信号の波形が図2(b)に示すように波形LL0から波形LL2へと変化する。このため、励磁信号の波形LL2を、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2となる曲線LL0の位置に戻すため、帰還信号調整部2014は、FBコイルに対してFB信号を印加する(電流値は、図17(b)における波形FB2によって表される電流値である)。
一方、図2(c)において、時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2より狭くなると、正の方向の定常磁界Hexが印加され、検出信号の波形が図2(b)に示すように波形LL0から波形LL1へと変化する。このため、励磁信号の波形LL1を波形LL0の位置に戻すため、帰還信号調整部2014は、FBコイルに対してFB信号を印加する(電流値は図17(b)における波形FB1によって表される電流値である)。
そして、データ信号変換部2016は、変換時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2となるようにFBコイルに印加したFB信号の電流値(電圧情報または電流情報)から、磁気素子に印加される定常磁界の強度を求め、磁界強度を示すデータ信号を出力する。
そして、データ信号変換部2016は、変換時刻t1と時刻t2との時間幅が、T/2となるようにFBコイルに印加したFB信号の電流値(電圧情報または電流情報)から、磁気素子に印加される定常磁界の強度を求め、磁界強度を示すデータ信号を出力する。
次に、図3は、励磁信号調整部2017の構成を説明する図である。図3において、励磁信号調整部2017は、励磁信号生成部2018からの三角波信号と、この三角波信号の反転信号との差分により励磁信号を生成し、出力端子から出力する。この出力端子は、交番信号調整部2019の入力端子と接続される(図1参照)。
励磁信号調整部2017は、増幅回路20171と、反転回路20172と、抵抗20173と、増幅回路20174と、差動増幅回路20175を備えている。抵抗500は、励磁検出コイル101に対応する抵抗である。ここで、抵抗20173は抵抗値がRである。差動増幅回路20175は、抵抗20173により、電圧信号の励磁信号を電流信号の励磁信号に変換する電圧電流変換を行っている。
励磁信号調整部2017は、増幅回路20171と、反転回路20172と、抵抗20173と、増幅回路20174と、差動増幅回路20175を備えている。抵抗500は、励磁検出コイル101に対応する抵抗である。ここで、抵抗20173は抵抗値がRである。差動増幅回路20175は、抵抗20173により、電圧信号の励磁信号を電流信号の励磁信号に変換する電圧電流変換を行っている。
次に、図4は、励磁信号調整部2017が励磁信号をシングルエンド信号により生成する場合の構成を説明する図である。図4において、図3と同様に、励磁信号調整部2017は、励磁信号生成部2018からの三角波信号と、基準電圧Vrefとの差分により励磁信号を生成し、出力端子から出力する。この出力端子は、交番信号調整部2019の入力端子と接続される(図1参照)。
励磁信号調整部2017は、抵抗20176と差動増幅回路20177とを備えている。抵抗500は、励磁検出コイル101に対応する抵抗である。ここで抵抗20176は抵抗値がRである。差動増幅回路20177は、抵抗20176により、電圧信号の励磁信号を電流信号の励磁信号に変換する電圧電流変換を行っている。
励磁信号調整部2017は、抵抗20176と差動増幅回路20177とを備えている。抵抗500は、励磁検出コイル101に対応する抵抗である。ここで抵抗20176は抵抗値がRである。差動増幅回路20177は、抵抗20176により、電圧信号の励磁信号を電流信号の励磁信号に変換する電圧電流変換を行っている。
上述したように、本実施形態によれば、磁気素子において検出コイルが不要となるので、磁気素子の構成を簡便な構成とすることができ、電磁誘導により誘起される信号を用いないため、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動を小さくすることができる。これにより、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動の影響を受けにくい、FBコイルFB制御における磁気素子制御装置を用いた、磁界平衡式測定の磁界検出装置を提供することができる。
<第2の実施形態>
図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態による磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。図5において、図1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図5において、磁界検出装置は、磁気素子50と磁気素子制御装置200Bとから構成される。
磁気素子50は、励磁検出コイル51から構成されている。磁気素子50は、検出コイルおよびFBコイルを含まない構成となっている(図13および図15参照)。励磁検出コイル51は、励磁信号調整部2017の出力端子と交番信号調整部2019の入力端子との双方に接続される。励磁検出コイル51は、励磁信号調整部2017から励磁信号が印加され、定常磁界Hexに比例する直流成分(オフセット)が重畳した励磁信号が検出信号として、交番信号調整部2019に入力される。
磁気素子制御装置200Bは、磁気素子制御部201Bとクロック信号生成部202とクロック信号調整部203とから構成されている。磁気素子制御部201Bは、交番信号調整部2019、検出信号比較部2013、帰還信号調整部2014、帰還信号変換部2015、データ信号変換部2016、励磁信号調整部2017、励磁信号生成部2018Aを備えている。
第2の実施形態は、第1の実施形態と異なり、帰還信号調整部2014からの帰還信号を励磁信号生成部2018Aの出力に加算する。他の構成及び動作については第1の実施形態と同様であるため、構成の説明を省略する。
図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態による磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。図5において、図1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図5において、磁界検出装置は、磁気素子50と磁気素子制御装置200Bとから構成される。
磁気素子50は、励磁検出コイル51から構成されている。磁気素子50は、検出コイルおよびFBコイルを含まない構成となっている(図13および図15参照)。励磁検出コイル51は、励磁信号調整部2017の出力端子と交番信号調整部2019の入力端子との双方に接続される。励磁検出コイル51は、励磁信号調整部2017から励磁信号が印加され、定常磁界Hexに比例する直流成分(オフセット)が重畳した励磁信号が検出信号として、交番信号調整部2019に入力される。
磁気素子制御装置200Bは、磁気素子制御部201Bとクロック信号生成部202とクロック信号調整部203とから構成されている。磁気素子制御部201Bは、交番信号調整部2019、検出信号比較部2013、帰還信号調整部2014、帰還信号変換部2015、データ信号変換部2016、励磁信号調整部2017、励磁信号生成部2018Aを備えている。
第2の実施形態は、第1の実施形態と異なり、帰還信号調整部2014からの帰還信号を励磁信号生成部2018Aの出力に加算する。他の構成及び動作については第1の実施形態と同様であるため、構成の説明を省略する。
図6は、励磁信号調整部2017が、励磁信号生成部2018Aが出力する三角波信号から、励磁信号を差動信号により生成する場合におけるフィードバック(FB)信号を電圧による加算を説明する図である。図6において、励磁信号調整部2017は、励磁信号生成部2018AからのFB信号が重畳された三角波信号と、この三角波信号の反転信号との差分により励磁信号を生成し、出力端子から出力する。
励磁信号調整部2017は、増幅回路20171と、反転回路20172と、抵抗20173と、増幅回路20174と、差動増幅回路20175を備えている。抵抗500は、励磁検出コイル51に対応する抵抗である。
この図6に示す回路構成の励磁信号調整部2017の場合、FB信号の帰還電圧(定常電圧が付加された場合も同様)を、三角波信号及び三角波信号の反転信号のいずれか、あるいは各々に供給して加算する。これにより、本実施形態における磁界検出装置の磁気平衡方式におけるフィードバックループを形成する。
この図6に示す回路構成の励磁信号調整部2017の場合、FB信号の帰還電圧(定常電圧が付加された場合も同様)を、三角波信号及び三角波信号の反転信号のいずれか、あるいは各々に供給して加算する。これにより、本実施形態における磁界検出装置の磁気平衡方式におけるフィードバックループを形成する。
上述した構成によって、第1の実施形態と同様に、図17(c)に示す検出信号に代えて、図2(b)に示す検出信号を、検出信号比較部2013に供給することが可能となる。そして、図17(c)に示す出力波形と同等の図2(c)に示す出力波形を得ることができる。
次に、図7は、励磁信号生成部2018Aが出力する三角波信号から励磁信号をシングルエンド信号により生成する場合におけるフィードバック(FB)信号を電圧による加算を説明する図である。図7において、図6と同様に、励磁信号調整部2017は、励磁信号生成部2018AからのFB信号が重畳した三角波信号と、基準電圧Vrefとの差分により励磁信号を生成し、出力端子から出力する。
励磁信号調整部2017は、抵抗20176と差動増幅回路20177とを備えている。抵抗500は、励磁検出コイル51に対応する抵抗である。
この図7に示す回路構成の励磁信号調整部2017の場合、FB信号を、三角波信号に重畳させ、励磁信号調整部2017の差動増幅回路20177の(−)入力端子に供給する。これにより、本実施形態における磁界検出装置の磁気平衡方式におけるフィードバックループを形成する。抵抗20176は、電圧信号である三角波信号を三角波電流信号に変換し、差動増幅回路20177の(−)入力端子に供給する。
この図7に示す回路構成の励磁信号調整部2017の場合、FB信号を、三角波信号に重畳させ、励磁信号調整部2017の差動増幅回路20177の(−)入力端子に供給する。これにより、本実施形態における磁界検出装置の磁気平衡方式におけるフィードバックループを形成する。抵抗20176は、電圧信号である三角波信号を三角波電流信号に変換し、差動増幅回路20177の(−)入力端子に供給する。
上述したように、本実施形態によれば、磁気素子において検出コイルおよびFBコイルが不要となるので、磁気素子の構成を極めて簡便な構成とすることができ、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動を小さくすることができる。これにより、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動の影響を受けにくい、FB制御における磁気素子制御装置を用いた、磁界平衡式測定の磁界検出装置を提供することができる。また、本実施形態の場合は、励磁信号生成部にFB信号を印加しているため、電流量の少ない電圧制御の信号がFB信号となる。したがって、後述する第3の実施形態と比較して、FB信号量の増加に伴う消費電流の増加を抑制することができる。なお、図7の差動増幅回路20177の(+)入力端子にVrefの代わりにFB信号を印加することでも、同様の測定が可能である。
なお、従来の検出信号を用いる場合、検出信号比較部2013において、検出信号に重畳する直流成分を除去することが一般的であるが、本実施形態では、検出信号に重畳する直流成分は、外部から印加された磁界により発生した直流成分であるため、直流成分を除去した場合は、検出信号比較部2013の出力信号が外部からの印加磁界に対して変化しないため、帰還信号調整部2014の出力が変化しないことになる。結果として、データ信号変換部2016からは、外部からの印加磁界に依存しないデータ信号が出力されることになる。したがって、検出信号比較部2013は直流成分を除去する機能を具備することが望ましい。また、FB信号が差動信号の場合は、励磁信号に重畳する直流成分が相殺されないように励磁信号にFB信号を加算することが望ましい。
<第3の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。図8は、本発明の第3の実施形態による磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。図8において、図1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図8において、磁界検出装置は、磁気素子50と磁気素子制御装置200Cとから構成される。
磁気素子50は、励磁検出コイル51から構成されている。磁気素子50は、検出コイルおよびFBコイルを含まない構成となっている(図16および図18参照)。
磁気素子制御装置200Cは、磁気素子制御部201Cとクロック信号生成部202とクロック信号調整部203とから構成されている。磁気素子制御部201Cは、交番信号調整部2019、検出信号比較部2013、帰還信号調整部2014、帰還信号変換部2015、データ信号変換部2016、励磁信号調整部2017A、励磁信号生成部2018を備えている。
本実施形態による磁界検出装置は、励磁検出コイル51からなるフラックスゲート型の磁気素子50に印加される定常磁界の強度を、時間分解型の磁気平衡式により検出する際、励磁検出コイル51に対して印加する励磁信号の磁界変化を制御する。
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。図8は、本発明の第3の実施形態による磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。図8において、図1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図8において、磁界検出装置は、磁気素子50と磁気素子制御装置200Cとから構成される。
磁気素子50は、励磁検出コイル51から構成されている。磁気素子50は、検出コイルおよびFBコイルを含まない構成となっている(図16および図18参照)。
磁気素子制御装置200Cは、磁気素子制御部201Cとクロック信号生成部202とクロック信号調整部203とから構成されている。磁気素子制御部201Cは、交番信号調整部2019、検出信号比較部2013、帰還信号調整部2014、帰還信号変換部2015、データ信号変換部2016、励磁信号調整部2017A、励磁信号生成部2018を備えている。
本実施形態による磁界検出装置は、励磁検出コイル51からなるフラックスゲート型の磁気素子50に印加される定常磁界の強度を、時間分解型の磁気平衡式により検出する際、励磁検出コイル51に対して印加する励磁信号の磁界変化を制御する。
図9は、励磁信号調整部2017Aが励磁信号生成部2018の出力する三角波信号から励磁信号を差動信号により生成する場合におけるフィードバック(FB)信号を電流による加算を説明する図である。図9において、励磁信号調整部2017Aは、励磁信号生成部2018からの三角波信号と、この三角波信号の反転信号との差分により励磁信号を生成し、出力端子から出力する。
励磁信号調整部2017Aは、増幅回路20171と、反転回路20172と、抵抗20173と、増幅回路20174と、差動増幅回路20175を備えている。抵抗500は、励磁検出コイル51に対応する抵抗である。ここで、抵抗20173は抵抗値がRである。差動増幅回路20175は、抵抗20173により、電圧信号の励磁信号を電流信号の励磁信号に変換する電圧電流変換を行っている。
この図9に示す回路構成の励磁信号調整部2017Aの場合、FB信号の帰還電流を、差動増幅回路20175の(−)入力端子に供給する。これにより、本実施形態における磁界検出装置の磁気平衡方式におけるフィードバックループを形成する。
この図9に示す回路構成の励磁信号調整部2017Aの場合、FB信号の帰還電流を、差動増幅回路20175の(−)入力端子に供給する。これにより、本実施形態における磁界検出装置の磁気平衡方式におけるフィードバックループを形成する。
次に、図10は、励磁信号調整部2017Aが励磁信号生成部2018の出力する三角波信号から励磁信号をシングルエンド信号により生成する場合におけるフィードバック(FB)信号を電流による加算を説明する図である。図10において、図9と同様に、励磁信号調整部2017Aは、励磁信号生成部2018からの三角波信号と、基準電圧Vrefとの差分により励磁信号を生成し、出力端子から出力する。
励磁信号調整部2017Aは、抵抗20176と差動増幅回路20177とを備えている。抵抗500は、励磁検出コイル51に対応する抵抗である。ここで抵抗20176は抵抗値がRである。差動増幅回路20177は、抵抗20176により、電圧信号の励磁信号を電流信号の励磁信号に変換する電圧電流変換を行っている。
この図10に示す回路構成の励磁信号調整部2017Aの場合、FB信号を、差動増幅回路20177の(−)入力端子に供給する。これにより、本実施形態における磁界検出装置の磁気平衡方式におけるフィードバックループを形成する。抵抗20176は、電圧信号である三角波信号を三角波電流信号に変換し、差動増幅回路20177の(−)入力端子に供給する。
この図10に示す回路構成の励磁信号調整部2017Aの場合、FB信号を、差動増幅回路20177の(−)入力端子に供給する。これにより、本実施形態における磁界検出装置の磁気平衡方式におけるフィードバックループを形成する。抵抗20176は、電圧信号である三角波信号を三角波電流信号に変換し、差動増幅回路20177の(−)入力端子に供給する。
上述したように、本実施形態によれば、第2の実施形態と同様、磁気素子において検出コイルおよびFBコイルが不要となるので、磁気素子の構成を極めて簡便な構成とすることができ、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動を小さくすることができる。これにより、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動の影響を受けにくい、FB制御における磁気素子制御装置を用いた、磁界平衡式測定の磁界検出装置を提供することができる。なお、本実施形態では、第2の実施形態と同様の理由で、検出信号比較部2013で検出信号の直流成分は除去しないことが望ましい。
<第4の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第4の実施形態を説明する。図11は、本発明の第4の実施形態による磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。図11において、図1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図8において、磁界検出装置は、磁気素子50と第1の実施形態での磁気素子制御装置200Aと調整抵抗60から構成される。
調整抵抗60は、帰還信号調整部2014が出力する帰還信号の電流に対して、所定の直流電流を加算して(帰還信号の電流レベルを調整して)、加算結果の合成電流を調整帰還信号として励磁信号調整部2017に対して供給する。これにより、励磁信号調整部2017は、検出信号が平衡状態(定常磁界Hexによらず、一定の時間間隔(T/2)で検出信号が出力される状態)となるように、励磁信号に帰還信号を重畳させた後、実際に交番信号調整部2019に対して供給する励磁信号として出力する。
以下、図面を参照して、本発明の第4の実施形態を説明する。図11は、本発明の第4の実施形態による磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。図11において、図1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図8において、磁界検出装置は、磁気素子50と第1の実施形態での磁気素子制御装置200Aと調整抵抗60から構成される。
調整抵抗60は、帰還信号調整部2014が出力する帰還信号の電流に対して、所定の直流電流を加算して(帰還信号の電流レベルを調整して)、加算結果の合成電流を調整帰還信号として励磁信号調整部2017に対して供給する。これにより、励磁信号調整部2017は、検出信号が平衡状態(定常磁界Hexによらず、一定の時間間隔(T/2)で検出信号が出力される状態)となるように、励磁信号に帰還信号を重畳させた後、実際に交番信号調整部2019に対して供給する励磁信号として出力する。
本実施形態によっても、第2、第3の実施形態と同様、磁気素子において検出コイルおよびFBコイルが不要となるので、磁気素子の構成を極めて簡便な構成とすることができ、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動を小さくすることができる。これにより、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動の影響を受けにくい、FB制御における磁気素子制御装置を用いた、磁界平衡式測定の磁界検出装置を提供することができる。なお、本実施形態では、第2の実施形態と同様の理由で、検出信号比較部2013で検出信号の直流成分は除去しないことが望ましい。
<第5の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第5の実施形態を説明する。図12は、本発明の第5の実施形態による磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。図12において、図1、図5、及び図15と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図12において、磁界検出装置は、磁気素子50と磁気素子制御装置400Aとから構成される。
磁気素子制御装置400Aは、磁気素子制御部401Aとクロック信号生成部402とクロック信号調整部403とから構成されている。磁気素子制御部401Aは、交番信号調整部4019、検出信号比較部4013、出力信号生成部4015、データ信号変換部4016、励磁信号調整部4017、励磁信号生成部4018を備えている。
交番信号調整部4019は、第1の実施形態で説明した交番信号調整部2019と同じ構成である。また、検出信号比較部4013、出力信号生成部4015、データ信号変換部4016、励磁信号調整部4017、励磁信号生成部4018それぞれは、図15に示す各部と同じ構成である。なお、励磁信号調整部4017、励磁信号生成部4018については、それぞれ第1の実施形態で説明した励磁信号調整部2017、励磁信号生成部2018と同じ構成であってよい(図3、図4参照)。
以下、図面を参照して、本発明の第5の実施形態を説明する。図12は、本発明の第5の実施形態による磁界検出装置の構成例を示すブロック図である。図12において、図1、図5、及び図15と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図12において、磁界検出装置は、磁気素子50と磁気素子制御装置400Aとから構成される。
磁気素子制御装置400Aは、磁気素子制御部401Aとクロック信号生成部402とクロック信号調整部403とから構成されている。磁気素子制御部401Aは、交番信号調整部4019、検出信号比較部4013、出力信号生成部4015、データ信号変換部4016、励磁信号調整部4017、励磁信号生成部4018を備えている。
交番信号調整部4019は、第1の実施形態で説明した交番信号調整部2019と同じ構成である。また、検出信号比較部4013、出力信号生成部4015、データ信号変換部4016、励磁信号調整部4017、励磁信号生成部4018それぞれは、図15に示す各部と同じ構成である。なお、励磁信号調整部4017、励磁信号生成部4018については、それぞれ第1の実施形態で説明した励磁信号調整部2017、励磁信号生成部2018と同じ構成であってよい(図3、図4参照)。
本実施形態によれば、第2の実施形態〜第4の実施形態で説明した磁界平衡式測定の磁界検出装置と同様、磁気素子において検出コイルおよびFBコイルが不要となるので、磁気素子の構成を極めて簡便な構成とすることができ、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動を小さくすることができる。これにより、磁気素子内の磁性体の磁気特性の変動の影響を受けにくい、磁気素子制御装置を用いた、磁界比例式測定の磁界検出装置を提供することができる。なお、本実施形態では、第2、第3、第4の実施形態と同様の理由で、検出信号比較部4013で検出信号の直流成分は除去しないことが望ましい。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の通り、磁気素子についてはコイルの個数を削減することができるが、交番信号調整部の入力端子についても、交番信号調整部と励磁信号調整部との間の配線を磁気素子制御部の内部に設けることで、削減することができ、磁気素子制御装置の構成を簡便なものとすることができる。
50,100,300,450…磁気素子、51,101…励磁検出コイル、60…調整抵抗、200,200A,200B,200C,400,400A…磁気素子制御装置、201,201A,201B,201C,401,401A…磁気素子制御部、202,402…クロック信号発生部、203,403…クロック信号調整部、102,302…FBコイル(帰還コイル)、301,451…励磁コイル、303,452…検出コイル、500,20173,20174,20176…抵抗、2012,4012…検出信号増幅部、2013,4013…検出信号比較部、2014…帰還信号調整部、2015…帰還信号変換部、2016,4016…データ信号変換部、2017,2017A…励磁信号調整部、2018,2018A…励磁信号生成部、2019,4019…交番信号調整部、20171,20174…増幅回路、20172…反転回路、20175,20177…差動増幅回路
Claims (7)
- 励磁検出コイルを有するフラックスゲート型の磁気素子に印加される定常磁界の強度を検出する際、当該磁気素子の出力から磁界強度の検出を行う磁界検出装置であって、
交番信号を生成する励磁信号生成部と、
前記交番信号から交番電流を生成し、前記交番電流を基に前記励磁検出コイルに印加する励磁電流を生成する励磁信号調整部と、
前記励磁信号調整部の出力に接続され、前記励磁信号調整部の出力する前記励磁電流を強度調整し、検出信号を出力する交番信号調整部と、
前記検出信号が予め設定された正電圧となるときの第1時刻と、予め設定された負電圧となるときの第2時刻とを検出する検出信号比較部と、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の時間幅に基づいて、磁界強度を示すデータ信号を出力するデータ信号変換部と、
を備えることを特徴とする磁界検出装置。 - 前記時間幅を電圧情報または電流情報に変換する帰還信号変換部と、
前記電圧情報または電流情報から前記磁気素子に印加されている定常磁界をキャンセルする磁界を発生するための帰還信号を生成する帰還信号調整部と、
を備え、
前記データ信号変換部は、前記帰還信号を前記データ信号として出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の磁界検出装置。 - 前記磁気素子は帰還コイルを有し、
前記帰還信号調整部が、前記電圧情報から前記磁気素子に印加されている定常磁界をキャンセルする磁界を発生するための帰還信号を生成し、当該帰還信号を前記帰還コイルに入力する端子を有する構成となっている、
ことを特徴とする請求項2に記載の磁界検出装置。 - 前記励磁信号調整部が、前記交番信号から生成した交番電流に対し、前記帰還信号を重畳して、前記励磁検出コイルに印加する励磁信号を生成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の磁界検出装置。 - 前記励磁信号生成部が、前記交番信号に対し、前記帰還信号を重畳する、
ことを特徴とする請求項2に記載の磁界検出装置。 - 前記交番信号に対し、前記帰還信号の電流レベルを調整して重畳する調整抵抗を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の磁界検出装置。 - 励磁検出コイルを有するフラックスゲート型の磁気素子に印加される定常磁界の強度を検出する際、当該磁気素子の出力から磁界強度の検出を行う磁界検出装置の制御方法であって、
励磁信号生成部が、交番信号を生成する励磁信号生成過程と、
励磁信号調整部が、前記交番信号から交番電流を生成し、前記交番電流を基に前記励磁検出コイルに印加する励磁電流を生成する励磁信号調整過程と、
交番信号調整部が、前記励磁信号調整部の出力に接続され、前記励磁信号調整部の出力する前記励磁電流を強度調整し、検出信号を出力する交番信号調整過程と、
検出信号比較部が、前記検出信号が予め設定された正電圧となるときの第1時刻と、予め設定された負電圧となるときの第2時刻とを検出する検出信号比較過程と、
データ信号変換部が、前記第1時刻と前記第2時刻との間の時間幅に基づいて、磁界強度を示すデータ信号を出力するデータ信号変換過程と、
を有することを特徴とする磁界検出装置の制御方法。
Priority Applications (1)
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JP2013256422A JP2015114205A (ja) | 2013-12-11 | 2013-12-11 | 磁界検出装置および磁界検出装置の制御方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018169302A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | Tdk株式会社 | 電流センサ |
-
2013
- 2013-12-11 JP JP2013256422A patent/JP2015114205A/ja active Pending
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