JP2015114101A - 工業用炉において金属材料を加熱する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】予熱される金属製品の全幅にわたって均一な加熱を容易に行うことができ、ひいては低コストで、より複雑でない、工業用炉において金属材料を加熱する方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの加熱ゾーン202,203のうちの少なくとも1つにおける燃焼のラムダ値、すなわち実際の酸素対燃料と化学量論上の酸素対燃料比との比が1未満であり、少なくとも85質量%の酸素を含有する酸化剤が少なくとも1つのランス212を通じてダークゾーン201へ供給され、これにより、酸化剤の少なくとも1つの流れ213が金属材料206に向けられ、ダークゾーン201における酸化剤は、少なくとも1つの加熱ゾーン202,203から発生する可燃性ガスを燃焼させる。
【選択図】図2a

Description

本発明は、工業用炉において金属材料を加熱する方法に関する。本発明は、燃焼効率を高めるために、エアバーナ加熱式工業用炉をアップグレードする方法にも関する。
スラブ、ビレットおよびブルーム等の金属材料は従来、エアバーナを使用して加熱される工業用炉において加熱され、工業用炉においては、バーナによって空気が供給されながら燃料の燃焼が生じる。向流炉においては、燃焼生成物は金属材料の搬送方向に関して上流に向かって流れ、これにより、エアバーナに近づいていく材料を加熱する。このような炉では、従来いわゆるダークゾーンが存在しており、ダークゾーンにおいて、充填された金属材料は、炉の1つまたは複数の加熱ゾーンに進入する前に、向流で流れる燃焼ガスによって予熱される。
1つの問題は、このプロセスにおいて大きな体積の窒素が加熱されるため、空気燃焼が非効率であるということである。したがって、上述の炉における空気と置き換えるために高酸素酸化剤を使用することが望ましい。
このような炉の場合、エアバーナをいわゆる酸素燃料バーナ、すなわち、空気ではなく高酸素酸化剤が供給されるバーナと置き換えることが提案されてきた。しかしながら、このようなバーナを据え付けるのは高コストであることに加え、これは、炉およびダークゾーンを流過する燃焼生成物の体積がより小さくなることにつながり、ひいては、充填された金属製品の予熱の効率が低下する。この問題を解決するために、ダークゾーンにおける天井を低くし、これにより、ダークゾーンの体積を減じ、燃焼生成物の単位体積当たりのダークゾーンにおける金属製品の予熱を高めることが提案されてきた。しかしながら、これは、ダークゾーンの下流における主炉空間における圧力を高めることにつながり、この空間における漏れのリスクを高める。
別の可能性は、付加的なバーナをダークゾーンに配置することである。しかしながら、とりわけ、多くの炉はかなり幅広であり、金属材料表面の過熱のリスクなしに、予熱される金属製品の全幅にわたる均一な加熱を行うことが困難であるため、これは高コストでかつ複雑であることが分かった。
本発明の課題は、前記問題を解決して、予熱される金属製品の全幅にわたって均一な加熱を容易に行うことができ、ひいては低コストで、より複雑でない、工業用炉において金属材料を加熱する方法を提供することである。
すなわち、本発明は、ダークゾーンと、ダークゾーンの下流に配置された少なくとも1つの加熱ゾーンであって、少なくとも1つのバーナを使用して加熱される加熱ゾーンとを有する工業用炉において金属材料を加熱する方法であって、前記金属材料はダークゾーンを通り、その後に加熱ゾーンを通って搬送され、燃焼ガスは、工業用炉を通って向流で少なくとも1つの加熱ゾーンを通って、その後にダークゾーンを通って循環する、方法において、前記少なくとも1つの加熱ゾーンのうちの少なくとも1つにおける燃焼のラムダ値、すなわち実際の酸素対燃料比と化学量論上の酸素対燃料比との比が1未満であり、少なくとも85質量%の酸素を含有する酸化剤が少なくとも1つのランスを通じてダークゾーンへ供給され、これにより、前記酸化剤の少なくとも1つの流れが金属材料に向けられ、ダークゾーンにおける前記酸化剤は、少なくとも1つの加熱ゾーンから発生する可燃性ガスを燃焼させることを特徴とする、方法に関する。
以下で、発明の例示的な実施の形態及び添付の図面を参照して発明を詳細に説明する。
エアバーナを使用して加熱される従来の工業用炉の単純化された、部分的に省略された側面図である。 図1aの炉の単純化された、部分的に省略された平面図である。 本発明による方法を使用して作動させるように配置された工業用炉の単純化された、部分的に省略された側面図である。 図2aの炉の単純化された、部分的に省略された平面図である。
図1aおよび図1bは、共通の参照符号を使用して、バーナ110によって加熱されかつダークゾーン101と、2つの燃焼される加熱ゾーン102,103とを有する工業用炉100を示している。加熱ゾーン102,103に配置されたバーナ110からの高温の燃焼ガスは、炉100を通って向流で、概して上流方向111に、順に加熱ゾーン103、加熱ゾーン102、その後ダークゾーン101を通って循環し、その後、燃焼ガスは煙道もしくは煙突104を通って出ていく。バーナ110は、エアバーナであってよく、これは以下に説明するアップグレードにおける好適な場合であるが、酸素補助式エアバーナ、または空気よりも多くの酸素を含有する酸化剤によって直接的に駆動されるバーナをも含むその他のバーナタイプも可能である。このようなバーナとエアバーナとの組合せも予見可能である。以下では、バーナ110はこのような様々なタイプのものであってよいことが理解される。
加熱される金属材料106は、方向111とは反対の概して下流方向109へ、コンベヤベルト等の搬送装置105(以下参照)によって搬入箇所107から搬出箇所108へ搬送される。金属材料がブランク、スラブまたはビレットの形態であり、好適には鋼、好適にはステンレス鋼、好適には例えば研削された表面を有する鋼材料などの低い放射率を有する鋼材料によって形成されていることが好ましい。すなわち、このような鋼は、本発明の方法によって提供される改良された熱エネルギ伝達効率とともに使用するのに特に適している。炉100は、好適には、ウォーキングビーム炉、プッシャ炉または環状炉であり、したがって、搬送装置105は、当該炉の種類に適した種類のものである。
ここで、“ダークゾーン”という用語は、好適には、金属材料106の移動方向109に関して、1つまたは複数のバーナ110を使用して加熱される加熱ゾーン102,103の上流に配置されたゾーンとして理解されるべきである。好適には、ダークゾーン101は、方向109で見て、工業用炉100における全ての燃料供給箇所の上流に配置されている。ダークゾーン101は、第1の燃焼される加熱ゾーン102に達する前に、炉100に搬入された金属材料106を予熱するように配置されている。
すなわち、両加熱ゾーン102,103は、炉100の側壁に沿って配置された一連のバーナ110を使用して加熱される。好適には、バーナは、空気などの供給された酸化剤と共に燃焼される固体、液体または気体燃料を使用して作動させられ、これにより、空間102,103を加熱する。窒素、二酸化炭素、水等を含む燃焼生成物は、向流で、方向111に、炉100を通って上流へ出口104に向かって循環する。
炉が、1つの加熱ゾーンのみを有するか、3つ以上の加熱ゾーンを有してもよいことが理解される。
図2aおよび図2bは、共有された参照符号によって、本発明による工業用炉200を示している。炉100に関して説明したものは、適用可能な場合、炉200に関しても当てはまる。すなわち、炉100と同様に、炉200は、1つのダークゾーン201と、2つの加熱ゾーン202,203とを有する。金属材料206は、ほぼ方向209で、搬送装置205によって搬入入口箇所207から出口208へ搬送される。加熱ゾーン202,203に配置された一連のバーナ210から生じた燃焼ガスは、向流で、ほぼ上流方向211へ、炉200に沿って循環し、煙道または煙突204を通じて排出される。バーナ110と同様に、バーナ210は、好適にはエアバーナ、最も好適にはエアバーナのみであるが、空気よりも多くの酸素を含む酸化剤によって部分的にまたは完全に駆動されるかまたは補助されてもよい。
以下では、従来の炉100と本発明による炉200との相違を説明する。
本発明によれば、前記少なくとも1つの加熱ゾーン202,203のうちの少なくとも1つにおける燃焼のラムダ値は1未満である。ラムダ値は、実際の酸素対燃料比と、化学量論上の平衡状態にあるときの酸素対燃料比との比である。図1aおよび図1bの従来の工業用炉100では、バーナ110への酸素および燃料の供給は、燃焼が化学量論的平衡状態において行われるように、釣り合わされている。しかしながら、これとは対照的に、炉200のゾーン202,203を加熱するバーナ210への酸素および/または燃料の供給は、供給される燃料に対して比較的少ない酸素が供給されるように変更されている。その結果、最も上流に配置された加熱ゾーン202からダークゾーン201内へ循環する結果的な燃焼ガスは余剰の可燃性ガスを搬送する。このような可燃性ガスは、燃焼されなかった燃料ガスおよび/または加熱ゾーン202,203における燃料の不完全燃焼の結果生じる、CO、H2等の形態の可燃性ガスの形態であってよいことが理解される。
バーナ210がエアバーナである好適な実施の形態では、1未満の前記ラムダ値は、前記エアバーナ210に供給される空気の量を減じることによって達成される。
さらに、本発明によれば、少なくとも85質量%、好適には少なくとも95質量%の酸素を含む酸化剤、好適には工業的に純粋な酸素が、ダークゾーン201内へ開口するように配置された少なくとも1つの酸化剤ランス212を通じて供給される。その結果、前記高酸素酸化剤の少なくとも1つの流れ213は、金属材料206に向けられる。また、前記高酸素酸化剤は、ダークゾーン201において、少なくとも1つの上流の加熱ゾーン202,203から発生した上述の可燃性の余剰のガスをも燃焼させる。
全ての加熱ゾーン202,203およびダークゾーン201における燃焼を合計した合計燃焼が、化学量論的平衡状態、または少なくとも化学量論的平衡に近い状態に達し、これにより、燃焼生成物が煙道204を通じて排出される前にほぼ全ての燃料が燃焼させられることが好ましい。
バーナを通じて供給される酸素の量を減じ、ダークゾーンにおいてランスによって噴射される高酸素酸化剤を使用して、より少ない量の酸素から生じる減じられた量の酸素を置き換えることにより、窒素バラストが減少し、これはひいては炉200の効率を高める。噴射された酸化剤が、加熱ゾーン202,203からの可燃性ガスと接触したときに生じる付加的な燃焼は、ダークゾーンにおける温度上昇を生じる。これは、最初に説明したように、エアバーナ210を酸素燃料バーナと置き換えただけの場合のダークゾーン201における金属材料206への低い熱伝達率の問題を解決する。
ダークゾーン201における燃焼は、上述の燃料を直接に含む加熱ゾーン202,203における燃焼よりも低いグレードの燃料(すなわち希釈された不完全な燃焼生成物)を含むので、ダークゾーン201における火炎温度もその結果低くなる。これは、NOx生成の低下につながる。その結果、プロセスの合計NOx排出量は、対応する従来の場合と比較して減じられる。
さらに、高酸素酸化剤はまだ比較的低温の金属材料206の表面に向かって噴射されるので、余分な熱が前記表面に加えられ、これにより、金属材料は効率的に予熱される。
まだダークゾーンにあるときは金属材料206の表面はまだ比較的低温であることが、過熱を生じにくくする。
他方では、高酸素酸化剤の噴射は好適には、前記酸化剤が金属材料206の表面と直接接触することを生じるべきではない。1つの好適な実施の形態では、一方では、噴射された高酸素酸化剤における、酸化剤ランス212ごとの単位時間当たりに噴射される酸素の量と、他方では、ランス212のオリフィスと金属材料206との間の距離との関係が、噴射された酸化剤が、金属材料206の表面に衝突する前にダークゾーン201に存在する可燃性ガスと混合し、混合されていない酸化剤が金属材料206と直接接触しないようになっている。言い換えれば、噴射される酸素の量は十分に少なく、ランス212のオリフィスと金属材料206との間の距離は十分に大きいので、酸化剤がダークゾーン201において可燃性ガスと十分に混合され、混合されていない高酸素酸化剤が金属材料206の表面にほとんど到達しない。噴射される酸素の前記少ない量と、ランスオリフィス212と材料206との間の前記大きな距離とは以下のように決められる。すなわち、高いほうが望ましい(以下参照)ある噴射速度が与えられ、かつ場合によっては、噴射された酸化剤における任意の酸素濃度も与えられると、確定されることが好ましい。
ランス212の方向で測ったランス212のオリフィスと金属材料206との間の距離Hは好適には少なくとも1.5m、より好適には少なくとも2mである。図2aにおいて、ランス212は鉛直方向に向けられているのでHは鉛直方向距離を示している。ランスが傾けられている場合、距離Hは鉛直方向ではない方向で測られることが理解される。
このように、噴射動作は、結果として金属材料206の過熱のリスクを生じることなく、高温ガスをダークゾーン201において金属材料206の表面に向かって押し付ける。その代わりに、“柔軟な”火炎を金属材料206の幅の大部分、またはほぼ全幅にわたって配置することができ、ダークゾーン201を通過しながら金属材料206を効率的に予熱する。図面には、火炎は燃焼ゾーン214によって示されており、この燃焼ゾーン214全体にわたって、噴射された酸化剤と、不完全燃焼されたガスとの二次燃焼が生じる。
これを達成するために、方向209に対してほぼ垂直に配置された、高酸素酸化剤ランス212の少なくとも1つの列、好適には少なくとも2つのほぼ平行な列が、それぞれの列に少なくとも3つのランスを有するように配置され、これにより、方向209に対して垂直な、金属材料206の全幅にわたって高酸素濃度酸化剤のほぼ均一な濃度を達成することが好ましい。
少なくとも1つのこのようなランス212がダークゾーン201の天井に配置されており、酸化剤の関連する流れ213が金属材料206の表面に向かってほぼ下方へ向けられていることが特に好ましい。しかしながら、流れ213が方向209に僅かに傾けられていてもよく、流れ213が鉛直方向から加熱ゾーン202に向かってずらされている。適切な角度は鉛直方向から約5〜15°である。金属材料206を包囲するガスのさらにより均一な温度分布を達成するために、天井に取り付けられたランスが、ダークゾーン201の側壁に取り付けられたランスによって補助されてもよいことも理解される。
これに代えて、噴射された高酸素酸化剤が炉ガスを下流方向209へ推進するようにランスを傾けることができる。これは乱流を高め、ひいては火炎サイズを減じ、ひいては、過熱のリスクを減じる。特に、このような傾いたランスは、加熱されるゾーン202,203から到達する燃焼生成物と、噴射された高酸素酸化剤との混合を高めるために、ダークゾーン201の最も下流に配置された部分において有効であり得る。好適な噴射角度は、この場合、鉛直方向に対して30〜45°であり、ランス212のオリフィスが下流方向209を向くように傾けられている。
金属材料206の表面を過熱するリスクを回避するために、全体で供給される酸素の僅かな部分だけが、噴射された高酸素酸化剤からのものであることが好ましい。1つの好適な実施の形態によれば、噴射された高酸素酸化剤と、バーナ210によって供給される余剰燃料とを含む燃焼反応の燃焼パワーは、炉200の全体の燃焼パワーの多くとも約10%である。すなわち、単位時間当たりの供給される酸化剤の総量は小さく、好適には、単位時間当たりにダークゾーン201を通って循環する燃焼ガスの量と比較して、体積の10分の1〜100分の1でしかない。
さらに、各ランス212のオリフィスにおける酸化剤の速度は少なくとも100m/s、より好適には300m/s〜450m/sであることが好ましい。比較的小さな噴射される体積と、高い噴射速度との組合せは、極めて強い乱流の、希釈された、“柔軟な”火炎を生じ、この火炎は、金属材料206の表面に向かって下方へ押し付けられ、過熱のリスクなしに金属材料206の表面を効率的に予熱する。各ランスを通じて約200〜500Nm3/hの高酸素酸化剤が提供されることが好ましい。
特に好適な実施の形態によれば、炉100のような従来の炉は本発明による作動のためにアップグレードされる。換言すれば、アップグレード前は1つまたは複数の既存のバーナ110の使用によって加熱されるように配置されておりかつダークゾーン101と、ダークゾーン101の下流に配置された少なくとも1つの加熱ゾーン102,103とを有し、この加熱ゾーン102,103は前記バーナ110を使用して加熱されるように配置されており、金属材料106は、ダークゾーン101、その後に加熱ゾーン102,103を通って搬送され、燃焼ガスは、向流で炉100を通って、加熱ゾーン103および102、その後にダークゾーン101を通って循環する、工業用炉100は、少なくとも85%、好適には少なくとも95%の酸素、好適には工業的に純粋な酸素を含む酸化剤の流れ213をダークゾーン101へ供給するように配置された少なくとも1つの酸化剤ランス212をこの工業用炉100に追加することによってアップグレードされる。その後、炉100は、図2aおよび図2bに関して上述したように作動させられる。すなわち、少なくとも1つのバーナ110によって供給される酸素の量は、アップグレード前の作動と比較して減じられ、加熱ゾーン102,103のラムダ値は減じられ、酸素供給の結果的な減少は、噴射される高酸素酸化剤によって補償される。好適には、酸素減少状態において作動させられるこれらのバーナの合計酸素要求の約10%〜50%、より好適には約20%〜30%は、噴射される高酸素酸化剤によって提供されることが理解される。
少なくとも1つの既存のバーナ110のうちの少なくとも1つが既存のエアバーナである好適な実施の形態では、前記減じられた供給される酸素量は、前記少なくとも1つの既存のエアバーナに供給される空気の量を減じることによって達成される。
このようなアップグレードは、バーナ110のうちの幾つかまたは全てを対応する酸素燃料バーナと交換することと比べて極めて費用対効果が高く、最初に説明した問題を解決する。
煙道104を通じて出ていく燃焼ガスの総量は、任意の合計燃焼パワーにおいて、アップグレード前よりも少ないので、作動中に単位時間当たりに搬入される金属材料106の量は、ダークゾーン201からの煙道ガス出口104におけるほぼ同じ煙道ガス温度を維持するために、アップグレード前の作動と比較して、増大される。換言すれば、高酸素酸化剤の導入によって生ぜしめられる効率増大は、好適には、使用される燃料の量を減じるためではなく、生産速度を高めるために利用される。
バーナ210に提供される酸素の前述の減少の代わりに、またはそれに加えて、単位時間当たりで、加熱されるゾーン202,203に提供される上述の燃料の量を、1未満の前記ラムダ値を達成するために増大することができる。
さらに、出口104におけるガス温度が約800〜900℃に保たれるように搬入速度が調節されることが好ましい。
一例として、3つの加熱ゾーン(材料搬送方向の順に、Z1=20MW、Z2=20MW、およびZ3=5MW)を備えるエアバーナ燃焼炉は、本発明に従って、ダークゾーンの天井に高酸素酸化剤ランスを取り付けることによってアップグレードされた。
アップグレードの後、最も下流に配置されたゾーンZ2およびZ3は、26819Nm3/hの空気と、2457Nm3/hの天然ガスとで従来の形式で燃焼された(合計燃焼パワー25MW)。結果として生じた燃焼生成物は以下の組成を有していた。
ゾーンZ2およびZ3とは対照的に、もともと20MWであったゾーンZ1は、酸素欠乏状態で燃焼させられ、これにより、既存のエアバーナを通じて供給された空気を用いて18MWしか燃焼させられなかった。1966Nm3/hの天然ガスが、17745Nm3/hの空気で燃焼させられた。ゾーンZ1における、ラムダ=0.924を備えるこの燃焼により生じた燃焼ガスは、以下の組成を有していた。
不完全に燃焼させられた可燃性ガス(COおよびH2)の結果的な含有量は、2MWに相当し、この可燃性ガスは、ダークゾーンにおいて、320Nm3/hの噴射された工業的に純粋な酸素を用いて燃焼させられた。最終的な合計燃焼生成物組成は以下の通りである。
上記では好適な実施の形態が説明されている。しかしながら、発明の概念から逸脱することなく、説明された実施の形態に対して多くの変更がなされてよいことが当業者に明らかである。
一例として、ダークゾーンにおける高酸素酸化剤ランスの導入は、炉の長さに沿った温度分布に対する制御をも高める。複数の列のこのようなランスが据え付けられている場合、このような各列によって噴射される高酸素酸化剤の量は、所望のこのような温度分布に応じて調節されてよい。また、噴射によって供給される合計酸素の比は、ダークゾーンにおける所望の予熱に応じて、作動中にまたはバッチごとに調節されてよい。
すなわち、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、添付の請求項の範囲で変更されてもよい。
100,200 工業用炉、 101,201 ダークゾーン、 102,103,202,203 加熱ゾーン、 104,204 煙突、 105,205 搬送装置、 106,206 金属材料、 107,207 充填箇所、 108,208 出口箇所、 109,209 下流方向、 110,210 バーナ、 111,211 方向、 212 ランス、 213 酸化剤の流れ

Claims (14)

  1. ダークゾーン(201)と、該ダークゾーン(201)の下流に配置された少なくとも1つの加熱ゾーン(202,203)であって、少なくとも1つのバーナ(210)を使用して加熱される加熱ゾーン(202,203)とを有する工業用炉(200)において金属材料(206)を加熱する方法であって、前記ダークゾーン(201)は、前記工業用炉における全ての燃料供給箇所の上流に配置されており、前記金属材料(206)は前記ダークゾーン(201)、その後に前記加熱ゾーン(202,203)を通って搬送され、燃焼ガスは、前記工業用炉(200)を通って向流で少なくとも1つの加熱ゾーン(202,203)、その後に前記ダークゾーン(201)を通って循環する、方法において、前記少なくとも1つの加熱ゾーン(202,203)のうちの少なくとも1つにおける燃焼のラムダ値、すなわち実際の酸素対燃料比と化学量論上の酸素対燃料比との比が1未満であり、少なくとも85質量%の酸素を含有する酸化剤が少なくとも1つのランス(212)を通じて前記ダークゾーン(201)へ供給され、これにより、前記酸化剤の少なくとも1つの流れ(213)が前記金属材料(206)に向けられ、前記ダークゾーン(201)における前記酸化剤は、前記少なくとも1つの加熱ゾーン(202,203)から発生する可燃性ガスを燃焼させることを特徴とする、工業用炉において金属材料を加熱する方法。
  2. 前記バーナ(210)はエアバーナであり、1未満の前記ラムダ値は、前記エアバーナに供給される空気の量を減じることによって達成される、請求項1記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つのランス(212)が前記ダークゾーン(201)の天井に配置されており、酸化剤の前記少なくとも1つの流れ(213)が前記金属材料(206)に向かって下方へ向けられる、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記酸化剤と、前記少なくとも1つの加熱ゾーン(202,203)において提供される余剰燃料とを含む燃焼の燃焼パワーは、前記工業用炉(200)の合計燃焼パワーの多くとも約10%である、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記工業用炉(200)は、ウォーキングビーム炉、プッシャ炉または環状炉である、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 一方では、噴射された高酸素酸化剤における、酸化剤ランス(212)ごとの単位時間当たりに噴射される酸素の量と、他方では、各ランス(212)のオリフィスと前記金属材料(206)との間の距離との関係が、実際に与えられた噴射速度の場合に、前記酸化剤が、前記金属材料(206)の表面に衝突する前に前記ダークゾーン(201)に存在する可燃性ガスと混合され、混合されていない酸化剤が前記金属材料(206)とほとんど直接接触しないようになっている、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 噴射方向で測ったときの前記ランス(212)のオリフィスと前記金属材料(206)との間の距離(H)は、少なくとも2mである、請求項6記載の方法。
  8. 前記ランス(212)のオリフィスにおける前記酸化剤の速度は、少なくとも100m/sである、請求項6または7記載の方法。
  9. 前記ランス(212)のオリフィスにおける前記酸化剤の速度は、300m/s〜450m/sである、請求項8記載の方法。
  10. 前記酸化剤は、少なくとも95%の酸素を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 既存の工業用炉(100)をアップグレードする方法であって、前記工業用炉(100)は、アップグレード前には、1つまたは複数の既存のバーナ(110)の使用のみによって加熱されるように配置されており、かつダークゾーン(101)と、該ダークゾーン(101)の下流に配置された少なくとも1つの加熱ゾーン(102,103)とを有しており、該加熱ゾーン(102,103)は、少なくとも1つのバーナ(110)を使用して加熱されるように配置されており、加熱される金属材料(106)は、前記ダークゾーン(101)、その後に前記加熱ゾーン(102,103)を通って搬送されるように配置されており、燃焼ガスは、向流で前記工業用炉(100)を通って、少なくとも1つの前記加熱ゾーン(102,103)、その後に前記ダークゾーン(101)を通って循環するように配置されている、既存の工業用炉(100)をアップグレードする方法において、
    前記工業用炉(100)は、少なくとも85%の酸素を含有する酸化剤の流れ(213)を前記ダークゾーン(100)に供給するように配置された少なくとも1つの酸化剤ランス(212)が追加されており、前記工業用炉(100)は、次いで、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法に従って作動させられ、少なくとも1つの前記既存のバーナ(110)によって供給される酸素の量を、アップグレードの前の作動と比較して減じ、酸素供給の結果的な減少を、噴射される酸化剤によって補償することを特徴とする、既存の工業用炉(100)をアップグレードする方法。
  12. 前記少なくとも1つの既存のバーナ(110)のうちの少なくとも1つが既存のエアバーナであり、前記減じられた供給される酸素量を、前記少なくとも1つの既存のエアバーナに供給される空気の量を減じることによって達成する、請求項11記載の方法。
  13. 請求項1から9までのいずれか1項記載の作動中に単位時間当たりに搬入される金属材料(106)の量を、前記ダークゾーン(101)からの煙道ガス出口(104)においてほぼ同じ煙道ガス温度を維持するために、アップグレード前の作動と比較して増大する、請求項11または12記載の方法。
  14. 酸化剤の前記流れ(213)が前記金属材料(106)に向かって下方へ方向付けられるように配置されるように、前記ランス(212)を前記ダークゾーン(101)の天井に配置する、請求項11から13までのいずれか1項記載の方法。
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