JP2015113092A - 鞍乗型車両の動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機の大型化を防ぎつつ、後輪の片側のみにスイングアームを配置した鞍乗型車両にも容易に適用できる鞍乗型車両の動力伝達装置を提供する。
【解決手段】車輪と同軸に一体回転可能に設けられ、原動機からの動力を車輪に伝達するリングギヤ33を備えた動力伝達装置であって、リングギヤ33と車輪との間に、リングギヤシャフト3とインナハブ4とにより作動室5が形成され、作動室5において、リングギヤシャフト3と一体に回転するアウタプレート6とインナハブ4と一体に回転するインナプレート7とが交互に配置されるとともに、粘性流体が封入された粘性継手2を備え、リングギヤ33からの動力が、常に、粘性流体によってアウタプレート6とインナプレート7との間で生じる連れ回り動作により、車輪に伝達される構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動二輪車等、鞍乗型車両の動力伝達装置に関する。
通常、自動二輪車は、車体の略中央部に搭載された原動機で発生した動力を後輪に伝達している。たとえば、変速機の出力軸により回転する駆動スプロケットと、後輪と同軸上に配された従動スプロケットとの間にチェーンを掛け回した構造のチェーン駆動方式が挙げられる。
また、一部の自動二輪車ではチェーンを用いずにプロペラシャフトを用いた構造のものがある。この場合、変速機の出力軸に第1傘歯車を設け、プロペラシャフトの一端に設けた第2傘歯車をこの第1傘歯車に噛合させ、プロペラシャフトの他端に設けた第3傘歯車を、後輪と同軸上に位置した第4傘歯車に噛合させる構造となる。
ここで、自動二輪車においては、原動機の出力が大きいものであると、伝達動力の変動がそのまま後輪に伝達されて乗り心地が悪くなりやすい。これを解決するものとして、動力伝達経路にダンパを設けることで急激な動力伝達を緩和する方法があり、その技術例が特許文献1,2に記載されている。
特許文献1には、被動軸に支持され、変速機側の駆動ギヤと噛合する従動ギヤと、被動軸に支持され、前記従動ギヤのカム溝に挿入されるカム爪を形成したカムリフタと、を備えたダンパが記載されている。カムリフタはスプリングによりカム溝側に向けて付勢される。この技術によれば、スプリングの付勢力に抗してカム爪がカム溝を滑り上がることでトルク変動が吸収される。また、特許文献2には、後輪と、後輪と同軸に配されたスプロケットとの間に、ダンパーラバーを介設する技術が記載されている。
特開昭59−175623号公報 特開2006−22857号公報
特許文献1の技術は、カムリフタおよびスプリングを配置する構造のために一本のシャフト(被動軸)が必要となる。したがって、変速機のハウジングが大きくなり、部品点数も増加し、重量増加の要因となる。
特許文献2の技術は、スプロケットと後輪との間にダンパーラバーが設けられる構造であり、スプロケット、後輪、スイングアームの三者を挿通するピン(リアアクスル)を有する構造である。スイングアームについては、後輪の両側に一対として配置されることが多いが、近年では軽量化を目的に後輪の片側のみに配置する技術が開示されている。特許文献2の技術は、ピン(リアアクスル)が後輪を貫通してその両端部がそれぞれスイングアームと連結される構造であることから、後輪の片側のみにスイングアームを配置した自動二輪車においては適用が難しいという問題がある。
さらに、ダンパーラバーに用いられるラバー材はその材質の特性上、経年劣化による硬化、収縮、亀裂等が発生して回転方向へのガタが発生するおそれがあり、初期のダンパ性能が低下するおそれがある。
本発明は、このような課題を解決するために創作されたものであり、変速機の大型化を防ぎつつ、後輪の片側のみにスイングアームを配置した鞍乗型車両にも容易に適用できる鞍乗型車両の動力伝達装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、車輪と同軸に一体回転可能に設けられ、原動機からの動力を車輪に伝達する動力伝達部材を備えた鞍乗型車両の動力伝達装置であって、前記動力伝達部材と前記車輪との間に、アウタハウジングとインナハブとにより作動室が形成され、該作動室において、前記アウタハウジングと一体に回転するアウタプレートと前記インナハブと一体に回転するインナプレートとが交互に配置されるとともに、粘性流体が封入された粘性継手を備え、前記動力伝達部材からの動力が、常に、前記粘性流体によって前記アウタプレートと前記インナプレートとの間で生じる連れ回り動作により、車輪に伝達されることを特徴とする。
この動力伝達装置によれば、粘性継手を、車輪とこの車輪と同軸に配された動力伝達部材との間に設けているため、変速機側に設ける必要がなくなり、変速機を小型に維持できる。
また、粘性継手は車輪の片側のみに配すればよいので、車輪の片側のみにスイングアームが配された鞍乗型車両にも容易に適用できる。さらに、本発明は粘性継手内に封入された粘性流体を利用するため、経年劣化が生じにくく、伝達トルクの衝撃吸収機能の低下を抑制できる。
また、本発明は、プロペラシャフトと一体に回転するドライブピニオンギヤを備え、前記動力伝達部材は、前記ドライブピニオンギヤと略直交噛合するリングギヤであり、当該リングギヤは前記アウタハウジングに一体回転可能に設けられ、前記インナハブは、車輪のホイールと一体回転可能に連結されていることを特徴とする。
この動力伝達装置によれば、プロペラシャフトと一体に回転するドライブピニオンギヤと、このドライブピニオンギヤと略直交噛合するリングギヤとを備えたプロペラシャフト駆動による鞍乗型車両に容易に適用できる。
また、本発明は、前記アウタハウジングにこのアウタハウジングと一体回転可能に取り付けられ、スイングアームに取り付けられたケースに支持されるパイロットボスを備えることを特徴とする。
この動力伝達装置によれば、パイロットボスの介在により、ケースに対する粘性継手の支持剛性が高まり、粘性継手の軸心回りの振れを効果的に抑制できる。パイロットボスを用いることで、既存形状の粘性継手にも容易に適用できる。
本発明によれば、変速機の大型化を防ぎつつ、後輪の片側のみにスイングアームを配置した鞍乗型車両にも容易に適用できる。
本発明に係る動力伝達装置の平断面図である。 動力伝達装置のケースの取付構造を示す外観斜視図である。 粘性継手の平断面図である。 図1の一点鎖線円で囲った部位での第1変形例を示す拡大図である。 図1の一点鎖線円で囲った部位での第2変形例を示す拡大図である。 図1の一点鎖線円で囲った部位での第3変形例を示す拡大図である。
本発明に係る動力伝達装置は、自動二輪車等の鞍乗型車両に適用されるものであって、車輪と同軸に一体回転可能に設けられ、図示しない原動機からの動力を車輪に伝達する動力伝達部材を備えている。以下では車輪を自動二輪車の後輪とした場合について説明する。
図1において、動力伝達装置1は、略前後方向に延設されるプロペラシャフト31(図2)と一体に軸心O1回りに回転するドライブピニオンギヤ32と、ドライブピニオンギヤ32と略直交噛合し、後輪36(図2)の軸心O2回りに回転するリングギヤ(動力伝達部材)33と、ドライブピニオンギヤ32およびリングギヤ33を内蔵するケース34と、を備えて構成される。
図2に示すように、プロペラシャフト31は、スイングアーム35の内部を挿通するように配置されており、プロペラシャフト31の後端周りは後輪36の一側(図では左側)に位置する。プロペラシャフト31の前端側は図示しない変速機と連結されている。スイングアーム35は、車体37に対して、左右方向を軸とするピン38回りに揺動自在に取り付けられている。
図1において、ケース34は、第1ケース34Aと第2ケース34Bとから構成されている。第1ケース34Aは、主にリングギヤ33と後記するパイロットボス24とを収容し、後輪36(図2)に向けて開口形成された略半球殻形状部34A1と、略半球殻形状部34A1の前寄り一部から前方に突設され、ドライブピニオンシャフト43を収容する略方形体部34A2と、を備えた形状からなる。第2ケース34Bは、軸心O2方向における両端が開口した略筒形状を呈しており、後記する粘性継手2を支持する機能を担う。第2ケース34Bは、第1ケース34A寄りの開口部周りの合わせ面39が第1ケース34Aの合わせ面40と接面された状態で、ボルト41により第1ケース34Aに締結固定される。ケース34内にはドライブピニオンギヤ32とリングギヤ33との噛合用として潤滑油が充填される。
第1ケース34Aの略方形体部34A2にはスタッドボルト51が取り付けられている。このスタッドボルト51と図示しないナットにより、ケース34は図2に示すようにスイングアーム35の後端のフランジ部35Aに締結固定される。
プロペラシャフト31の後端は、図1に示すように、円筒状の連結シャフト42の前部とスプラインにより一体に回転可能に連結されている。連結シャフト42の後部にはドライブピニオンシャフト43がスプラインにより連結されている。ドライブピニオンシャフト43の前部には雄ねじ44が形成されている。雄ねじ44には規制ナット45が螺合されており、この規制ナット45が連結シャフト42内に形成された環状の段差面46に当接することで、連結シャフト42に対するドライブピニオンシャフト43の後方移動が規制される。ドライブピニオンシャフト43の後部にはドライブピニオンギヤ32が形成されている。また、ドライブピニオンシャフト43の後端には後端軸部47が形成されている。ドライブピニオンシャフト43は軸受48を介して第1ケース34Aに支持され、後端軸部47も軸受49を介して第1ケース34Aに支持される。軸受48の前寄りはオイルシール50等により封止される。
「粘性継手2」
動力伝達装置1は、リングギヤ33と後輪36(図2)との間に粘性継手2を備える。図3を参照して説明すると、粘性継手2は、アウタハウジングとしてのリングギヤシャフト3とインナハブ4とにより作動室5が形成され、この作動室5において、リングギヤシャフト3と一体に回転するアウタプレート6とインナハブ4と一体に回転するインナプレート7とが軸心O2方向に交互に配置されるとともに、粘性流体が封入された構造を備える。粘性流体はたとえばシリコーンオイルである。プロペラシャフトからの動力は、常に、前記粘性流体によってアウタプレート6とインナプレート7との間で生じる連れ回り動作により、後輪36に伝達される。
リングギヤシャフト3は、軸心O2を軸心とし両端が開口した円筒形状の部材であって、その内周面は、後輪36寄りの一端側から順に概ね、作動室5を画成する大内径部8A、インナハブ4の外周面と摺接する程度の径である小内径部8B、小内径部8Bよりも大径の軸受支持面8C、軸受支持面8Cよりも若干大径のパイロットボス支持面8Dとして形成されている。リングギヤシャフト3の外周面は、一端側から順に概ね、第2ケース34Bに支持される支持外面9A、支持外面9Aよりも小径であってリングギヤ33とスプラインにより連結する軸スプライン9Bとして形成されている。リングギヤシャフト3は、支持外面9Aにおいて軸受10を介して第2ケース34Bに支持される。軸受10の後輪36寄りはオイルシール11により封止される。
リングギヤ33は、環状の傘歯車であって、リングギヤシャフト3の軸スプライン9Bと連結したうえで電子ビーム溶接等によりリングギヤシャフト3に接合される。
インナハブ4は、円筒状の部材であり、リングギヤシャフト3の内側に同心状に位置している。リングギヤシャフト3の小内径部8Bとインナハブ4の外周面との間には軸シール部材12が介設され、軸受支持面8Cとインナハブ4の外周面との間には軸受13が介設されている。軸シール部材12は、リングギヤシャフト3の小内径部8Bに形成された環状の溝14に嵌合されている。軸シール部材12は作動室5からの粘性流体の漏れを阻止する。軸受13は、たとえば軸心O2方向視して略C字形を呈したサークリップ26により、インナハブ4に対し軸心O2方向に移動不能に取り付けられる。具体的には、インナハブ4の外周面に形成した溝4Aにサークリップ26が収容され、軸受13の取り付け後、サークリップ26の弾性復元力によりサークリップ26の一部が軸受13の内輪13Aに形成された溝13Cに嵌合することで軸受13のインナハブ4からの抜けが防止される。
リングギヤシャフト3の大内径部8Aには、リングギヤシャフト3の一端側の開口部を塞ぐように、中央にインナハブ4を挿通させる孔が形成されたリング状のカバー15が嵌合されている。カバー15はたとえばスナップリング16によりリングギヤシャフト3に固定される。カバー15の外周面とリングギヤシャフト3の大内径部8Aとの間にはシール17が介設されている。カバー15の内周面とインナハブ4の外周面との間には軸シール部材18、軸受19が介設されている。軸シール部材18は、カバー15の内周面に形成された環状の溝20に嵌合されている。軸シール部材18は作動室5からの粘性流体の漏れを阻止する。
カバー15には、作動室5に粘性流体を充填するための充填孔21が貫通形成されているとともに、粘性流体の充填時に作動室5内の空気を外部に逃がすための空気抜き孔22が貫通形成されている。充填孔21には雌ねじが螺設されており、粘性流体の充填後、充填孔21はボルト23により塞がれる。空気抜き孔22も鋼球53により塞がれる。
作動室5は、リングギヤシャフト3の大内径部8Aとインナハブ4の外周面とカバー15とによって画成される。作動室5には、リングギヤシャフト3の大内径部8Aの孔スプラインに連結したアウタプレート6と、インナハブ4の外周面の軸スプラインに連結したインナプレート7とが、軸心O2方向に交互に配置されている。アウタプレート6およびインナプレート7はリング状の板状部材である。
図1に戻り、リングギヤシャフト3のパイロットボス支持面8Dにはパイロットボス24の一端が、リングギヤシャフト3と一体回転可能に嵌合されている。パイロットボス24は、軸心O2を軸心とする略円柱状の部材であり、その一端が大径部24Aとして形成されている。パイロットボス24の他端は軸受25を介して第1ケース34Aの略半球殻形状部34A1に支持されている。パイロットボス24の一端面は図3に示されるように軸受13の外輪13Bと当接する。パイロットボス24の一端面の中央部は、インナハブ4および軸受13の内輪13Aと干渉しないように凹部24Bとして形成されている。
パイロットボス24は、パイロットボス支持面8Dに対し、たとえば冷やし嵌めによりリングギヤシャフト3と一体となるように嵌合される。パイロットボス24の取り付け構造の第1変形例として、図4に示すようにサークリップ27を用いてもよい。図4では、大径部24Aの外周面に形成した溝24Cにサークリップ27を収容して、大径部24Aをパイロットボス支持面8Dに圧入した形態を示している。パイロットボス支持面8Dへの圧入後、サークリップ27の弾性復元力によりサークリップ27の一部がパイロットボス支持面8Dに形成された溝8Eに嵌合することで、パイロットボス24のリングギヤシャフト3からの抜けが防止される。
パイロットボス24の取り付け構造の第2変形例として、図5に示すように、大径部24Aとパイロットボス支持面8Dとの境界部8Fを溶接(電子ビーム溶接)する構造としてもよい。この場合、パイロットボス支持面8Dへの大径部24Aの圧入はさほどきつめにする必要はない。
パイロットボス24の取り付け構造の第3変形例として、図6に示すように、ボルト28による締結方式でもよい。図6では、パイロットボス24の大径部24Aの外周面に環状のフランジ24Dを突設し、このフランジ24Dをリングギヤシャフト3の段差端面8Gにあてがったうえで、ボルト28により段差端面8Gに螺設された雌ねじに締結した形態を示している。ボルト28はたとえばサラボルトである。この場合も、パイロットボス支持面8Dへの大径部24Aの圧入はさほどきつめにする必要はない。
図1において、インナハブ4の後輪36寄りの一端側の外周面には軸スプラインが形成されており、この軸スプラインにリング状のフランジ29がスプライン結合され、たとえばナット30により抜け止めされている。フランジ29には、軸心O2回りに複数の取付孔29Aが貫通形成されている。取付孔29Aはたとえば雌ねじである。フランジ29はホイール52にあてがわれ、図示しないボルトを図1における右側からホイール52の貫通孔を通し取付孔29Aに締め付けることで、後輪36と一体化される。
「作用」
プロペラシャフト31の軸心O1回りの回転力は、ドライブピニオンギヤ32およびリングギヤ33からなる減速機構を介して、軸心O2回りのリングギヤシャフト3の回転力として伝達される。リングギヤシャフト3は軸受10を介してケース34に支持され、さらにパイロットボス24を支持する軸受25を介してケース34に支持されるため、ケース34に対する粘性継手2の支持剛性が高まり、粘性継手2の軸心O2回りの振れが効果的に抑制される。パイロットボス24を用いることで、既存形状の粘性継手2においてアウタハウジングの形状を大きく変えることなく、ケース34に支持させることができる。
作動室5内においては、隣接し合うアウタプレート6とインナプレート7との間に高粘度のシリコーンオイルが介在するにより、リングギヤシャフト3に取り付けられたアウタプレート6に対しインナプレート7が常に連れ回ることにより、インナハブ4が軸心O2回りに回転し、その回転力がフランジ29を介して後輪36に駆動力として伝達される。
プロペラシャフト31の動力が後輪36の駆動力として伝達される経路上にシリコーンオイルが介在することにより、急激な伝達トルクの衝撃はシリコーンオイルの粘性によって吸収される。
シリコーンオイル等の粘性流体については、その材質、粘度、作動室5の容積に対する充填率等を適宜に設定することにより、全ての回転数域においてアウタプレート6とインナプレート7との連れ回り作用を発揮できるとともに、急激な伝達トルクの衝撃を効果的に吸収できるものである。
以上のように、リングギヤ33と後輪36との間に粘性継手2を備え、リングギヤ33の動力が、常に、粘性継手2の粘性流体によってアウタプレート6とインナプレート7との間で生じる連れ回り動作により、後輪36に伝達される動力伝達装置1によれば、次のような効果が奏される。
特許文献1の技術においては、伝達トルクの衝撃吸収機構を変速機内に設けているため、その分、変速機が大型化するのに対し、本発明によれば、粘性継手2をリングギヤ33と後輪36との間に設けているため変速機の形状を小型に維持できる。
特許文献2の技術においては、リアアクスルが後輪を貫通してその両端部がそれぞれスイングアームと連結される構造であるのに対し、本発明では、後輪を左右に貫通するリアアクスルは存在しない。したがって、粘性継手2を、後輪36の片側のみに配したケース34によりスイングアーム35に支持させることが可能となる。
また、特許文献2の技術はダンパーラバーを利用するため、経年劣化による硬化、収縮、亀裂等が発生して初期の伝達トルクの衝撃吸収機能が低下しやすいのに対し、本発明は粘性継手2内に封入された粘性流体を利用するため、経年劣化が生じにくく、伝達トルクの衝撃吸収機能の低下を抑制できる。
また、本発明は、本実施形態のように、プロペラシャフト31と一体に回転するドライブピニオンギヤ32と、このドライブピニオンギヤ32と略直交噛合するリングギヤ33とを備えたプロペラシャフト駆動による自動二輪車において、容易に適用できる。粘性継手2をプロペラシャフト31の途中に設けるのではなく、リングギヤ33と後輪36との間に設けることで、粘性継手2の一部をホイールの内部に、つまり図1におけるリム61の側縁62より右側に収めることができ、動力伝達装置1の小型化が図れる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明した。本発明は、二輪車に限られず、鞍乗型であれば、たとえば3輪タイプの車両にも適用可能である。
1 動力伝達装置
2 粘性継手
3 リングギヤシャフト(アウタハウジング)
4 インナハブ
5 作動室
6 アウタプレート
7 インナプレート
24 パイロットボス
31 プロペラシャフト
32 ドライブピニオンギヤ
33 リングギヤ
34 ケース
35 スイングアーム
36 後輪(車輪)

Claims (3)

  1. 車輪と同軸に一体回転可能に設けられ、原動機からの動力を車輪に伝達する動力伝達部材を備えた鞍乗型車両の動力伝達装置であって、
    前記動力伝達部材と前記車輪との間に、
    アウタハウジングとインナハブとにより作動室が形成され、該作動室において、前記アウタハウジングと一体に回転するアウタプレートと前記インナハブと一体に回転するインナプレートとが交互に配置されるとともに、粘性流体が封入された粘性継手を備え、
    前記動力伝達部材からの動力が、常に、前記粘性流体によって前記アウタプレートと前記インナプレートとの間で生じる連れ回り動作により、車輪に伝達されることを特徴とする鞍乗型車両の動力伝達装置。
  2. プロペラシャフトと一体に回転するドライブピニオンギヤを備え、
    前記動力伝達部材は、前記ドライブピニオンギヤと略直交噛合するリングギヤであり、
    当該リングギヤは前記アウタハウジングに一体回転可能に設けられ、
    前記インナハブは、車輪のホイールと一体回転可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両の動力伝達装置。
  3. 前記アウタハウジングにこのアウタハウジングと一体回転可能に取り付けられ、スイングアームに取り付けられたケースに支持されるパイロットボスを備えることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両の動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108290617A (zh) * 2015-09-29 2018-07-17 比亚乔公司 具有万向轴传动装置的摩托车后部和相关摩托车

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