以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の円形の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。各図柄表示エリアには、所定の順序で配列された演出図柄列がそれぞれ表示される。「左」の図柄表示エリアに表示される演出図柄列を「左図柄」、「中」の図柄表示エリアに表示される演出図柄列を「中図柄」、「右」の図柄表示エリアに表示される演出図柄列を「右図柄」という。各図柄列には、演出図柄が「1」〜「7」の順で配列されるとともに、「7」の次に再び「1」移行の演出図柄が配列されている。すなわち、各図柄列において「1」〜「7」が繰り返し配列されている。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア(図の図柄表示エリア9L、9C、9Rを参照)があるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が通過したことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を固定表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させるが、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。例えば第1始動入賞口13への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0になるまで、第1特別図柄の可変表示を続けて実行する。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が導出表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が導出表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として可変表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられているので、合算保留記憶表示部18cは、必ずしも設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が導出表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が導出表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが導出表示される。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、例えば、擬似連の演出や予告演出が実行されるときに動作する。また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ87の回転軸に取り付けられ、モータ87が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、演出羽根役物という。)79a,79bが設けられている。演出羽根役物79a,79bは、例えば、予告演出が実行されるときに動作する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択や効果音や音声の音量変更)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されたときには、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
また、演出制御基板80は、リアルタイムクロック108を搭載している。リアルタイムクロック108は、年/月/日/曜日や時/分/秒の情報を含む時刻情報を出力する機能を備える。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、演出羽根役物79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、この実施の形態では、遊技者による操作ボタン120の操作にしたがって、効果音や音声の音量が変更される。例えば、遊技者によって操作ボタン120を用いて音量を小さくする操作(ダイヤルの回転操作など)が行われると、ボリューム706で設定されている音量が変更される。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンド(停電復旧1指定コマンド)を演出制御基板80に送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が導出表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが導出表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が導出表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、または、リーチ演出が実行されずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが導出表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、またはリーチ演出が実行されずに、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って導出表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が導出表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突確」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の非リーチの組み合わせ(例えば、「左」、「右」の各図柄表示エリア9L、9Rにおける停止図柄が一致していないこと)となる停止図柄が導出表示されたり、所定のリーチの組み合わせとなる停止図柄が導出表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が導出表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出、「小当り」の可変表示態様という。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−3、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。
ノーマルPB2−2〜ノーマルPB2−3の変動パターンについては、擬似連演出が行われる。擬似連演出(擬似連ともいう)とは、特別図柄の可変表示が開始されてから導出表示されるまでに、演出図柄を一旦仮停止表示(仮停止)した後、演出図柄の可変表示を再度実行する所定回の再可変表示(再変動)を伴う演出(再可変表示演出)である。本実施の形態では、左の演出図柄と右の演出図柄とが所定の同じ図柄にて仮停止した後(すなわち、リーチがかかった後)、中の演出図柄に特殊画像が付された特定態様の演出図柄を仮停止することを契機として、演出図柄の再可変表示をおこなうこととする。以下、演出図柄の再可変表示をおこなう際に仮停止する演出図柄の組み合わせを「成功組み合わせ」または「チャンス目」という。
また、ノーマルPB2−1の変動パターンについては、再可変表示が行われない変動パターンであるが、再可変表示が行われるかのような演出が行われる。具体的には、左の演出図柄と右の演出図柄とを成功組み合わせと同じ図柄で仮停止した後に、中の演出図柄として特殊画像が付された特定態様の演出図柄(成功組み合わせと同じ図柄)を可変表示し、特殊画像が付された特定態様の演出図柄とは異なる演出図柄(はずれ図柄)を導出表示する。これにより、再可変表示が行われることに対する期待感を遊技者に与えることとしている。以下、左の演出図柄と右の演出図柄とを成功組み合わせで仮停止した後に、中の演出図柄として特殊画像が付された特定態様の演出図柄(成功組み合わせと同じ図柄)を可変表示する演出を「示唆演出」ということがある。
なお、左の演出図柄と右の演出図柄とを成功組み合わせで仮停止した後に、中の演出図柄として特殊画像が付された特定態様の演出図柄を表示し、中の演出図柄に特殊画像が付された特定態様の演出図柄を仮停止すること(すなわち、再可変表示がおこなわれること)を「擬似連が成功する」といい、左の演出図柄と右の演出図柄とを成功組み合わせで仮停止した後に、中の演出図柄として特殊画像が付された特定態様の演出図柄を可変表示し、中の演出図柄として特殊画像が付された特定態様の演出図柄とは異なる演出図柄を導出表示すること(すなわち、示唆演出が行われたにもかかわらず、再可変表示が行われないこと)を「擬似連が失敗する」ということがある。また、擬似連が成功する演出を「擬似連成功演出」、擬似連が失敗する演出を「擬似連失敗演出」ということがある。
また、本実施の形態において、成功組み合わせとしては4種類の組み合わせが設けられており、擬似連が成功するか失敗するかに応じて異なる割合にて一の成功組み合わせが選択されるよう構成されている。また、本実施の形態においては、特殊画像の表示態様として複数の表示態様が設けられており、擬似連が成功するか失敗するかに応じて異なる割合にて選択されるものである。なお、なお、成功組み合わせおよび特殊画像の表示態様は、示唆演出毎に選択される構成となっている。
なお、本実施の形態では、擬似連回数が多い程、大当りであることに対する信頼度が高くなるよう構成されているが、この限りではない。また、本実施の形態では、2回までの再変動を実行可能としているが、1回までの再変動を実行可能としてもよいし、3回以上の再変動を実行可能としてもよい。
具体的には、図6に示すように、リーチする場合に使用され擬似連失敗演出を伴うノーマルPB2−1の変動パターンについては、擬似連失敗演出をおこなった後に、はずれ図柄が導出表示される。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、擬似連成功演出の後に擬似連失敗演出が行われることにより、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、擬似連成功演出の後に擬似連成功演出が行われることにより、再変動が2回行われる。
ここで、図7を用いて本実施の形態における変動パターンについて具体的に説明する。図7は、擬似連成功演出/擬似連失敗演出を伴う変動パターンを示す説明図である。図7に示す説明図は、各変動パターンにおけるタイミング毎の挙動を示している。例えば、ノーマルPB2−1の変動パターンについては、変動開始から10秒後に左右の演出図柄がチャンス目の組み合わせで仮停止することでリーチがかかり、変動開始から13秒後に、可変表示する特定態様の中図柄と同期して特殊画像の表示が開始される。このとき、遊技者は、特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止されることにより擬似連成功演出へ発展することを期待している。そして、変動開始から15秒後に特殊画像とは異なるはずれ図柄にて中図柄が導出表示され、変動が終了する。
また、ノーマルPB2−2の変動パターンについては、変動開始から10秒後に左右の演出図柄がチャンス目の組み合わせで仮停止することでリーチがかかり、変動開始から13秒後に、可変表示する特定態様の中図柄と同期して特殊画像の表示が開始される。このとき、遊技者は、特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止されることにより擬似連成功演出へ発展することを期待している。そして、変動開始から15秒後に特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止し、再変動が行われる。更に、変動開始から25秒後に左右の演出図柄がチャンス目の組み合わせで仮停止することでリーチがかかり、変動開始から28秒後に、可変表示する特定態様の中図柄と同期して特殊画像の表示が開始される。ここでも、遊技者は特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止されることにより擬似連成功演出へ発展することを期待しているが、変動開始から30秒後に特殊画像とは異なるはずれ図柄にて中図柄が導出表示され、変動が終了する。
そして、ノーマルPB2−3の変動パターンについては、変動開始から10秒後に左右の演出図柄がチャンス目の組み合わせで仮停止することでリーチがかかり、変動開始から13秒後に、可変表示する特定態様の中図柄と同期して特殊画像の表示が開始される。このとき、遊技者は特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止されることにより擬似連成功演出へ発展することを期待している。そして、変動開始から15秒後に特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止し、再変動が行われる。更に、変動開始から25秒後に左右の演出図柄がチャンス目の組み合わせで仮停止することでリーチがかかり、変動開始から28秒後に、可変表示する特定態様の中図柄と同期して特殊画像の表示が開始される。ここでも、遊技者は特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止されることにより擬似連成功演出へ発展することを期待している。そして、変動開始から30秒後に特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止し、再変動が行われる。更に、変動開始から40秒後に左右の演出図柄が同一図柄にて仮停止することでリーチがかかり、変動開始から45秒後に、はずれ図柄にて中図柄が導出表示され、変動が終了する。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−4〜ノーマルPB2−6、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−2、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−2、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、ノーマルPB2−5〜ノーマルPB2−6の変動パターンについては、ノーマルPB2−2〜ノーマルPB2−3の変動パターンと同様に、擬似連成功演出が行われる。また、ノーマルPB2−4の変動パターンについては、ノーマルPB2−1の変動パターンと同様に、擬似連失敗演出が行われる。
具体的には、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、リーチする場合に使用され擬似連失敗演出を伴うノーマルPB2−4の変動パターンについては、擬似連失敗演出をおこなった後に、大当り図柄が導出表示される。ノーマルPB2−5を用いる場合には、擬似連成功演出の後に擬似連失敗演出が行われることにより、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−6を用いる場合には、擬似連成功演出の後に擬似連成功演出が行われることにより、再変動が2回行われる。
また、図7に示すように、ノーマルPB2−4の変動パターンについては、変動開始から10秒後に左右の演出図柄がチャンス目の組み合わせで仮停止することでリーチがかかり、変動開始から13秒後に、可変表示する特定態様の中図柄と同期して特殊画像の表示が開始される。このとき、遊技者は特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止されることにより擬似連成功演出へ発展することを期待している。そして、変動開始から15秒後に特殊画像とは異なる大当り図柄にて中図柄が導出表示され、変動が終了する。
また、ノーマルPB2−5の変動パターンについては、変動開始から10秒後に左右の演出図柄がチャンス目の組み合わせで仮停止することでリーチがかかり、変動開始から13秒後に、可変表示する特定態様の中図柄と同期して特殊画像の表示が開始される。このとき、遊技者は特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止されることにより擬似連成功演出へ発展することを期待している。そして、変動開始から15秒後に特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止し、再変動が行われる。更に、変動開始から25秒後に左右の演出図柄がチャンス目の組み合わせで仮停止することでリーチがかかり、変動開始から28秒後に、可変表示する特定態様の中図柄と同期して特殊画像の表示が開始される。ここでも、遊技者は特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止されることにより擬似連成功演出へ発展することを期待しているが、変動開始から30秒後に特殊画像とは異なる大当り図柄にて中図柄が導出表示され、変動が終了する。
そして、ノーマルPB2−6の変動パターンについては、変動開始から10秒後に左右の演出図柄がチャンス目の組み合わせで仮停止することでリーチがかかり、変動開始から13秒後に、可変表示する特定態様の中図柄と同期して特殊画像の表示が開始される。このとき、遊技者は特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止されることにより擬似連成功演出へ発展することを期待している。そして、変動開始から15秒後に特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止し、再変動が行われる。更に、変動開始から25秒後に左右の演出図柄がチャンス目の組み合わせで仮停止することでリーチがかかり、変動開始から28秒後に、可変表示する特定態様の中図柄と同期して特殊画像の表示が開始される。ここでも、遊技者は特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止されることにより擬似連成功演出へ発展することを期待している。そして、変動開始から30秒後に特殊画像が付された特定態様の演出図柄が仮停止し、再変動が行われる。更に、変動開始から40秒後に左右の演出図柄が同一図柄にて仮停止することでリーチがかかり、変動開始から45秒後に、大当り図柄にて中図柄が導出表示され、変動が終了する。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(2)ランダム2(MR2):大当りの種類(確変大当たり、突然確変大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4)ランダム4(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5)ランダム5(MR5):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り種別判定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図9(A),(B)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値および図9(B)に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値および図9(B)に記載されている各数値が設定されている。図9(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。なお、以下、大当り判定値と小当り判定値とを、「大当り判定値」とまとめて表現することがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A),(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、通常大当りもしくは突確大当り)または小当りにすることに決定する。なお、図9(A),(B)に示す「確率」は、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りまたは小当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄または小当りにするか否か決定するということでもある。
図9(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131を示す説明図である。大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131には、ランダム2の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄可変表示を開始するように制御し、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(および飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄および飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドには、大当りの種類または小当りに応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突確開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り遊技の終了または突然確変の遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突確終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、確変大当りとなったことにもとづき移行した15ラウンドの大当り遊技の終了後に、遊技状態が確変状態に移行したことを指定する演出制御コマンド(第1確変状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、突然確変大当りとなったことにもとづき移行した2ラウンドの大当り遊技の終了後に、遊技状態が確変状態に移行したことを指定する演出制御コマンド(第2確変状態指定コマンド)である。コマンドB100(H)は、確変状態を終了したことを指定する演出制御コマンド(確変終了指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
なお、コマンド8D01(H)(第1図柄変動指定コマンド)およびコマンド8D02(H)(第2図柄変動指定コマンド)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aにおいて飾り図柄の変動を行うのか、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄の変動を行うのかを判定するために使用される。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かや小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグや小当りフラグは、大当り遊技または小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305またはステップS308に対応した値(この例では5または8)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中または小当り遊技中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図13(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2(図8参照)が、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS216)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(ステップS211参照)処理を行うようにしてもよい。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS223)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS224)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS225)。なお、ステップS225の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびランダム2(図8参照)が、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS226)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS227)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS228)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
なお、ステップS213〜218の処理とステップS223〜228の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図14および図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図13(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する(ステップS61)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りまたは小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、通常大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてリセットされる。
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、ランダムRの値が小当り判定値のいずれかと一致するか否か確認する(ステップS62)。一致した場合には、小当りフラグをセットする(ステップS63)。そして、ステップS75に移行する。小当り判定値に一致しない場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図9(C)に示す大当り種別判定テーブル131を選択する(ステップS72)。乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム2)の値と一致する値に対応した種別(「通常」、「確変」または「突確」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突確」に決定した場合には、2ラウンド大当り図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常」または「確変」に決定した場合には、「3」または「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り種別に応じた大当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(本例では確変状態に移行するとき)にセットされ、時短状態を終了するとき(本例では確変状態を終了するとき)にリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、通常大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてリセットされる。時短フラグがセットされている場合には(ステップS95のY)、CPU56は、ステップS99に移行する。
時短フラグがセットされていない場合には、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮時はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短時はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95で時短フラグがセットされていると判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、通常のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム4(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム4(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、リーチに関わりなく変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S99,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時判定処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」になるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチになるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。
図17は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。確変大当りでも突然確変大当りでもないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
CPU56は、ステップS116の処理で小当りフラグがセットされていることを確認したときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果特定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS143に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突確開始指定コマンドを送信する。そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。また、この実施の形態では、小当りの場合と突然確変大当りの場合とで共通の小当り/突確開始指定コマンドを用いる場合を示したが、小当りの場合と突然確変大当りの場合とで別々の開始指定コマンドを用いるようにしてもよい。この場合、ステップS135において、小当りである場合には小当り開始指定コマンドを送信するように制御し、突然確変大当りである場合には突確開始指定コマンドを送信するように制御してもよい。
また、CPU56は、確変フラグをリセットし確変状態を終了することにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100に確変終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135A)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りおよび確変大当り(15ラウンド大当り)の場合には15回。突確(2ラウンド大当り)の場合には2回。)をセットする(ステップS137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
ステップS143では、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する。そして、小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突確開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS144)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS145)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(2回)をセットする(ステップS146)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS148)。
図19は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突確終了指定コマンドを送信し、いずれでもない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、大当りの種別が確変大当りであったか否かを確認する(ステップS158A)。なお、大当りの種別が確変大当りであったか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「確変」を示すデータ「02」であるか否かを確認することによって判定できる。大当りの種別が確変大当りであれば(ステップS158AのY)、15ラウンドの大当り遊技終了後に遊技状態を確変状態に移行する場合であるので、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に第1確変状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS158B)。そして、確変フラグおよび時短フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させ(ステップS161)、ステップS164に移行する。
大当りの種別が確変大当りでなければ(ステップS158AのN)、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであったか否かを確認する(ステップS158C)。なお、大当りの種別が突然確変大当りであったか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「突確」を示すデータ「03」であるか否かを確認することによって判定できる。大当りの種別が突然確変大当りであれば(ステップS158CのY)、2ラウンドの大当り遊技終了後に遊技状態を確変状態に移行する場合であるので、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に第2確変状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS158D)。そして、確変フラグおよび時短フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させ(ステップS161)、ステップS164に移行する。
大当りの種別が突然確変大当りでもなければ(ステップS158CのN)、すなわち、通常大当りであった場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをセットすることなく(すなわち、遊技状態を確変状態に移行させることなく)、そのままステップS164に移行する。
ステップS164では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS164)。
図18,図19に示すように、この実施の形態では、確変フラグと時短フラグとが同時にセットされ、同時にリセットされるため、確変状態に制御されると同時に時短状態にも制御され、次の大当りが発生するまで継続される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図20は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
次いで、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、ステップS704〜S710の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。次いで、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図21〜図23は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
コマンド受信バッファとして、例えば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信されコマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10参照)であるのか解析する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確開始指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、小当り/突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、小当り/突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが第1確変状態指定コマンドであれば(ステップS649)、演出制御用CPU101は、確変大当りとなったことにもとづく15ラウンド大当り終了後に確変状態に移行されていることを示す第1確変状態フラグをセットする(ステップS650)。
受信した演出制御コマンドが第2確変状態指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、突然確変大当りとなったことにもとづく2ラウンド大当り終了後に確変状態に移行されていることを示す第2確変状態フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが確変終了指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、確変遊技状態を終了したと判断し、第1確変状態フラグまたは第2確変状態フラグをリセットする(ステップS654)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS655)。そして、ステップS611に移行する。
図24は、図20に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図25は、図24に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS813)。
図26は、図24に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS501)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS501で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する演出図柄決定処理をおこなう(ステップS502)。演出図柄決定処理の詳細は、図28に後述する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出を実行するか否かを決定したり、予告演出の演出態様を決定したりする予告演出設定処理を実行する(ステップS503)。この実施の形態では、ステップS503において、予告演出として、第1予告演出(ミニキャラ予告演出)、第2予告演出(ステップアップ予告演出)、第3予告演出(ボタン予告演出)および第4予告演出(擬似連予告演出)を設定する場合を説明する。
なお、演出図柄の変動表示中に実行する予告演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、様々な予告演出を実行可能である。例えば、演出制御用CPU101は、ステップS503において、群予告演出や、メッセージ予告演出の設定を行ったり、可動部材78や演出羽根役物79a,79bを用いた役物予告演出の設定を行うようにしてもよい。群予告演出は、例えば、演出図柄の変動表示中の所定のタイミング(例えば、リーチ成立後)に、演出表示装置9において所定の動物の群れが表示されることで、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆する演出であって、表示される動物の種類や群れの態様によって、期待度が異なるように実行される。また、メッセージ予告演出は、例えば、演出図柄の変動表示中の所定のタイミング(例えば、リーチ成立後)に、演出表示装置9においてメッセージが表示されることで、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆する演出であって、表示されるメッセージの内容によって、期待度が異なるように実行される。また、役物予告演出は、例えば、演出図柄の変動表示中の所定のタイミング(例えば、リーチ成立後)に、可動部材78や演出羽根役物79a,79bが特定の動作を行うように制御することで、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆する演出であって、動作の態様などによって、期待度が異なるように実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出、およびステップS502において決定した演出図柄(擬似連において仮停止する仮停止図柄、特殊画像および最終的に導出表示する停止図柄を含む演出図柄)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS504)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS505)。
図27は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。また、可動部材制御データに設定されている態様で可動部材78および演出羽根役物79a,79bを制御する。
図27に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS503の処理で予告演出を実行することに決定されている場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従って全ての演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LEDおよび役物)を制御する(ステップS506)。そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS507)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS508)。
図28は、演出図柄決定処理を示すフローチャートである。演出図柄決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ステップS501において読み出した変動パターンコマンドは特定変動パターンに対応する変動パターンコマンドであるか否かを判定する(ステップS2801)。特定変動パターンとは、擬似連成功演出/擬似連失敗演出を含む変動パターンであり、具体的には、ノーマルPB2−1〜PB2−6である。特定変動パターンに対応する変動パターンコマンドでない場合、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定し(ステップS2802)、ステップS2814へ移行する。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS2802の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。
ステップS2802では、演出制御用CPU101は、例えば、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(非確変図柄の大当り図柄)を決定する。また、演出制御用CPU101は、例えば、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(確変図柄の大当り図柄)を決定する。
また、演出制御用CPU101は、例えば、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせ(リーチ図柄)を決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや、小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
なお、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドではなく、変動パターンコマンドにもとづいて、大当りや、はずれ、突然確変大当り、小当りであることを特定して、演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。例えば、演出制御CPU101は、大当り用の変動パターンコマンドを受信した場合には、左右中が同じ図柄で揃った大当り図柄を決定し、突然確変大当り/小当り用の変動パターンコマンドを受信した場合には「135」などの停止図柄を決定し、はずれ用の変動パターンコマンドを受信した場合には、これら以外のはずれ図柄を決定するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。
ステップS2801において、特定変動パターンに対応する変動パターンコマンドである場合、演出制御用CPU101は、以下のステップS2803〜S2812の処理をおこなうことにより各示唆演出におけるチャンス目を決定する。本実施の形態においては、各示唆演出における成功組み合わせとして、複数パターンの成功組み合わせから一の成功組み合わせを決定することとしている。複数パターンの成功組み合わせは、擬似連成功演出に発展することに対する信頼度が異なるよう構成されている。
ステップS2803において、演出制御用CPU101は、ノーマルPB2−1またはノーマルPB2−4に対応する変動パターンであるか否かを判定し(ステップS2803)、ノーマルPB2−1またはノーマルPB2−4に対応する変動パターンである場合には擬似連チャンス回数Kmaxに「1」をセットする(ステップS2804)。擬似連チャンス回数Kmaxは、表示結果が導出表示されるまでに擬似連成功演出または擬似連失敗演出を実行する回数であり、すなわち、1変動中に示唆演出を実行する回数である。ノーマルPB2−1またはノーマルPB2−4の変動パターンでは、図7に上述したように、示唆演出をおこなうが再変動せずに演習図柄を導出表示することとなるため、擬似連チャンス回数Kmaxとして「1」がセットされる。
また、ステップS2803において、ノーマルPB2−1またはノーマルPB2−4に対応する変動パターンでない場合、すなわち、ノーマルPB2−2/PB2−3/PB2−5/PB2−6のいずれかであれば、演出制御用CPU101は、擬似連チャンス回数Kmaxに「2」をセットする(ステップS2805)。ノーマルPB2−2/PB2−5の変動パターンでは、図7に上述したように、擬似連成功演出が行われた後に擬似連失敗演出が行われるため、擬似連チャンス回数Kmaxとして「2」がセットされる。また、ノーマルPB2−3/PB2−6の変動パターンでも、図7に上述したように、擬似連成功演出が2回行われた後に表示結果が導出表示されるため、擬似連チャンス回数Kmaxとして「2」がセットされる。
ステップS2804またはステップS2805にて擬似連チャンス回数Kmaxがセットされた後、演出制御用CPU101は、Kに「0」をセットする(ステップS2806)。Kは、何回目の示唆演出におけるチャンス目を決定するための制御をおこなっているかを示す値である。例えば、Kが「1」であれば、1回目の示唆演出におけるチャンス目を決定するための制御をおこなっていることを示している。
その後、演出制御用CPU101は、Kに「1」を加算し(ステップS2807)、Kの値に応じて成功組み合わせ選択テーブルを選択する(ステップS2808)。成功組み合わせ選択テーブルとは、成功組み合わせを選択するためのテーブルであり、その具体例を図29に後述する。
図29は、各種テーブルについて示す説明図である。図29(1)に示す擬似連成功組み合わせ選択テーブル(K=1)は、ステップS2808においてKが「1」であるときに選択される擬似連成功組み合わせ選択テーブルである。図29(2)に示す擬似連成功組み合わせ選択テーブル(K=2)は、ステップS2808においてKが「2」であるときに選択される擬似連成功組み合わせ選択テーブルである。図29(1),(2)に示す各擬似連成功組み合わせ選択テーブルには、左右図柄(リーチ図柄)と中図柄(特殊画像が付される図柄)との組み合わせ(チャンス目パターン)に対して、所定の判定値が割り当てられている。なお、図29(1),(2)に示す各擬似連成功組み合わせ選択テーブルには、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。
成功組み合わせのパターンとして、左右図柄が「7」であり中図柄が「6」である第1チャンス目パターンと、左右図柄が「7」であり中図柄が「5」である第2チャンス目パターンと、左右図柄が「6」であり中図柄が「5」である第3チャンス目パターンと、左右図柄が「6」であり中図柄が「4」である第4チャンス目パターンとがある。このように、第1チャンス目パターンおよび第3チャンス目パターンは、左右図柄の値と中図柄の値との差が「1」であり、第2チャンス目パターンおよび第4チャンス目パターンは、左右図柄の値と中図柄の値との差が「2」である。また、K回目の示唆演出をおこなったときに擬似連が成功するのか(擬似連成功演出を実行するか)または失敗するのか(擬似連失敗演出を実行するか)により、選択割合が異なるように構成されている。
例えば、図29(1)に示す擬似連成功組み合わせ選択テーブル(K=1)においては、K回目(すなわち、1回目)の示唆演出をおこなうときに擬似連が成功する場合には、6/20の割合で第1チャンス目パターンが選択され、4/20の割合で第2チャンス目パターンが選択され、6/20の割合で第3チャンス目パターンが選択され、4/20の割合で第4チャンス目パターンが選択される。また、K回目(すなわち、1回目)の示唆演出をおこなうときに擬似連が失敗する場合には、3/20の割合で第1チャンス目パターンが選択され、7/20の割合で第2チャンス目パターンが選択され、3/20の割合で第3チャンス目パターンが選択され、7/20の割合で第4チャンス目パターンが選択される。
また、例えば、図29(2)に示す擬似連成功組み合わせ選択テーブル(K=2)においては、K回目(すなわち、2回目)の示唆演出をおこなうときに擬似連が成功する場合には、7/20の割合で第1チャンス目パターンが選択され、3/20の割合で第2チャンス目パターンが選択され、7/20の割合で第3チャンス目パターンが選択され、3/20の割合で第4チャンス目パターンが選択される。また、K回目(すなわち、2回目)の示唆演出をおこなうときに擬似連が失敗する場合には、2/20の割合で第1チャンス目パターンが選択され、8/20の割合で第2チャンス目パターンが選択され、2/20の割合で第3チャンス目パターンが選択され、8/20の割合で第4チャンス目パターンが選択される。
このように擬似連成功組み合わせ選択テーブルが設定されることにより、第1チャンス目パターンおよび第3チャンス目パターンの方が、第2チャンス目パターンおよび第4チャンス目パターンよりも、擬似連が成功するときに選択されやすいよう構成されており、すなわち、左右図柄と中図柄との差数が小さいチャンス目パターン方が、該差数が大きいチャンス目パターンよりも、擬似連が成功する信頼度が高いよう構成されている。したがって、左右図柄と中図柄との差数が小さいチャンス目パターンが表示されて示唆演出が行われることにより、擬似連が失敗する変動パターンであっても、遊技者に擬似連が成功することに対する期待感を与えることができ、興趣を向上させることができる。
ステップS2808の後、演出制御用CPU101は、選択した成功組み合わせ選択テーブルを用いて、成功組み合わせを選択する成功組み合わせ選択抽選処理をおこなう(ステップS2809)。このとき、K回目の示唆演出をおこなうときに擬似連が成功するか失敗するかを特定するとともに、特定結果にもとづいて異なる割合にて成功組み合わせを選択する。
具体的に、ステップS2809において演出制御用CPU101は、まず、図29(3)に示す擬似連成功/失敗パターンテーブルを用いて、擬似連が成功するか失敗するか(以下、「擬似連結果」ともいう)を特定する。図29(3)に示す擬似連成功/失敗パターンテーブルは、変動パターンおよびKの値に対して擬似連結果が対応付けられており、演出制御用CPU101は、ステップS501にて読み出した変動パターンおよびKの値に対応する擬似連結果を特定する。図29(3)においては、擬似連が成功する擬似連結果を「成功」、擬似連が失敗する擬似連結果を「失敗」と示している。
次に、演出制御用CPU101は、特定した擬似連結果およびステップS2808にて選択した擬似連成功組み合わせ選択テーブルにもとづいて、成功組み合わせを選択する。例えば、変動パターンがノーマルPB2−1でありK=1であるとき、ステップS2808にて擬似連成功組み合わせ選択テーブル(K=1)が選択され、擬似連結果として「成功」が特定される。そして、任意のタイミング(ステップS2809のタイミングであってもよいし、変動パターンコマンド受信時など、いずれのタイミングであってもよい)にて所定の乱数を取得するとともに、取得した乱数値が擬似連成功組み合わせ選択テーブル(K=1)において「成功」に対応付けられているいずれの判定値と一致するかを判定する。そして、取得した乱数値と一致する判定値が割り当てられているチャンス目パターンを成功組み合わせとして選択する。具体的には、3/20の割合で第1チャンス目パターンが、7/20の割合で第2チャンス目パターンが、3/20の割合で第3チャンス目パターンが、7/20の割合で第4チャンス目パターンが選択されることとなる。
なお、本実施の形態では、ステップS2808において擬似連成功組み合わせ選択テーブルを選択した後に、ステップS2809において、擬似連結果を特定するとともに、選択した擬似連成功組み合わせ選択テーブルおよび特定した擬似連結果にもとづいて成功組み合わせを選択することとしたが、処理の順序についてはこれに限るものではない。例えば、まず、変動パターンおよびKの値に応じて擬似連結果を特定し、次に、特定した擬似連結果およびKの値に応じて擬似連成功組み合わせ選択テーブルのうちいずれの選択割合にて選択組み合わせを選択するかを決定し、決定結果にもとづいた割合にて選択組み合わせを選択することとしてもよい。
ステップS2809の後、演出制御用CPU101は、複数の特殊画像から一の特殊画像を選択する特殊画像態様選択処理をおこなう(ステップS2810)。具体的には、図29(4)に示す特殊画像態様選択テーブルを用いて、特殊画像態様選択処理をおこなう。図29(4)に示す特殊画像態様選択テーブルは、第1特殊画像態様および第2特殊画像態様に対して擬似連結果毎に判定値が対応付けられている。なお、図29(4)に示す特殊画像態様選択テーブルには、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。第1特殊画像態様は、星型の画像(図35(3)に示す、中図柄に付されている画像)であり、第2特殊画像態様は、丸型の画像である。図29(4)に示す特殊画像態様選択テーブルによれば、擬似連結果が「成功」である場合には、7/10の割合で第1特殊画像態様が、3/10の割合で第2特殊画像態様が選択されることとなる。その際、所定の乱数を取得するとともに、取得した乱数値と一致する判定値が対応付けられている特殊画像態様が選択されるものである。
ステップS2810の後、演出制御用CPU101は、選択した成功組み合わせと特殊画像態様とを記憶し(ステップS2811)、Kの値と擬似連チャンス回数Kmaxの値とが同値であるか否かを判定し(ステップS2812)、同値でない場合にはステップS2807へ移行する。これにより、全ての示唆演出における成功組み合わせおよび特殊画像態様を選択して記憶するまで、ステップS2807〜S2812の処理を繰り返すこととなる。また、同値である場合には、全ての示唆演出におけるチャンス目を決定したものとして、成功組み合わせおよび表示結果指定コマンドにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定し(ステップS2813)、ステップS2814へ移行する。
ステップS2813においては、再変動する場合には仮停止する演出図柄(仮停止図柄)と、導出表示する演出図柄(導出表示図柄)とを決定する。例えば、擬似連結果が「成功」であるときの停止図柄(仮停止図柄)としてはステップS2811において記憶された成功組み合わせを決定し、擬似連結果が「失敗」であるときの停止図柄(導出表示図柄)としては記憶された成功組み合わせとは異なる組み合わせが決定される。
例えば、擬似連結果が「失敗」でありはずれ変動であれば、成功組み合わせとは異なる組み合わせのはずれ図柄が決定される。具体的には、左右図柄としては成功組み合わせと同じ図柄(第1チャンス目パターンまたは第2チャンス目パターンであれば「7」、第3チャンス目パターンまたは第4チャンス目パターンであれば「6」)が決定されるとともに、中図柄としては成功組み合わせとは異なる図柄(第1チャンス目パターンであれば「6」以外、第2チャンス目パターンまたは第3チャンス目パターンであれば「5」以外、第4チャンス目パターンであれば「4」以外の図柄)が決定される。その際、中図柄としては成功組み合わせにおける中図柄と比較的近い図柄を選択するようにすることで、擬似連が成功することに対する期待感を遊技者に与えることができる。
また、例えば、擬似連結果が「失敗」であり大当り変動であれば、成功組み合わせとは異なる組み合わせの大当り図柄が決定される。具体的には、全ての図柄として、成功組み合わせにおける左右図柄(リーチ図柄)と同じ図柄(第1チャンス目パターンまたは第2チャンス目パターンであれば「7」、第3チャンス目パターンまたは第4チャンス目パターンであれば「6」)が決定される。
なお、擬似連が失敗して大当りが発生する場合(すなわち、ノーマルPB2−4,PB2−5の変動パターンである場合)、大当り種別に応じた導出表示図柄が決定されることが望ましい。例えば、通常大当りである場合には偶数図柄、確変大当りである場合には奇数図柄が決定されることが望ましい。しかし、上述したように、成功組み合わせは大当り種別にかかわらず決定されているため、確変大当りである場合であっても成功組み合わせにおける左右図柄(リーチ図柄)として「6」が選択されていたり、通常大当りである場合であっても成功組み合わせにおける左右図柄(リーチ図柄)として「7」が選択されていたりすることがある。この場合においても導出表示図柄として成功組み合わせにおける左右図柄(リーチ図柄)と同じ図柄を決定することとした場合、確変大当りであるにもかかわらず偶数図柄の大当り図柄が導出表示されたり、通常大当りであるにもかかわらず奇数図柄の大当り図柄が導出表示されたりすることとなる。そこで、擬似連が失敗して大当りが発生する場合(すなわち、ノーマルPB2−4,PB2−5の変動パターンである場合)には、以下のような処理をおこなうこととしてもよい。
例えば、記憶されている成功組み合わせを大当り種別に応じて変更することとしてもよい。具体的には、確変大当りであるにもかかわらず左右図柄(リーチ図柄)が「6」の成功組み合わせが選択されていれば、左右図柄(リーチ図柄)が「7」の成功組み合わせ(第1チャンス目パターン、第2チャンス目パターン)に変更することとしてもよい。また、大当り種別に応じて導出表示図柄を決定するとともに、成功組み合わせにおける左右図柄と同じ図柄で全図柄を仮停止した後に、決定した導出表示図柄に変更して導出表示することとしてもよい。また、確変大当りである場合には成功組み合わせにおける左右図柄と同じ図柄を導出表示図柄として決定し、大当り変動終了後(オープニング演出中、大当り遊技状態中、または大当り遊技状態終了後など)に確変状態であることを報知する演出をおこなうこととすれば、通常大当りを示す大当り図柄を導出表示した場合であっても、確変大当りであることに対する期待感を遊技者に与えることができる。また、本実施の形態における処理順序とは逆に、停止図柄を決定した後に成功組み合わせを決定することとしてもよく、その場合は、大当り種別に応じた導出表示図柄を決定した後に、決定した導出表示図柄と同じ図柄を成功組み合わせの左右図柄として決定することとしてもよい。
また、ステップS2813において、擬似連とはかかわりない停止図柄(すなわち、ノーマルPB2−3,PB2−6の変動パターンにおける導出表示図柄)を決定する場合については、成功組み合わせにもとづくことなく、表示結果指定コマンドのみにもとづいて決定する(すなわち、特定変動パターンでない場合に停止図柄を決定する処理(ステップS2802)と同様の処理をおこなう)こととなる。
ステップS2814において、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する(ステップS2814)。
図30は、ステップS503の予告演出設定処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出図柄の変動表示中に予告演出として、第1予告演出(ミニキャラ予告演出)、第2予告演出(ステップアップ予告演出)、第3予告演出(ボタン予告演出)および第4予告演出(擬似連予告演出)が実行され得る。予告演出設定処理では、いずれの予告演出を実行するかと、実行する予告演出の演出態様とが決定される。
図30に示す予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、予告演出実行判定用の乱数にもとづいて、図31(A)に示す第1予告演出(ミニキャラ予告演出)実行判定テーブルを用いて、第1予告演出(ミニキャラ予告演出)を実行するか否か判定する(ステップS5001)。
第1予告演出(ミニキャラ予告演出)は、演出表示装置9に特定のミニキャラが表示される演出であって、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆するために実行される。また、この実施の形態では、第1予告演出(ミニキャラ予告演出)は、複数種類の演出パターンがあり、いずれの演出パターンで実行されるかによって、スーパーリーチとなることや、大当りとなる期待度が異なるように実行される。
図31(A)は、第1予告演出(ミニキャラ予告演出)実行判定テーブルを示す説明図である。第1予告演出(ミニキャラ予告演出)実行判定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(第1予告演出の実行態様:「なし」、「第1パターン」、「第2パターン」または「第3パターン」)に対応する判定値が割り当てられているが、図31(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、予告演出実行判定用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。したがって、図31(A)に示す例では、各変動パターンにおける決定事項(第1予告演出の実行態様:「なし」、「第1パターン」、「第2パターン」または「第3パターン」)に対応する数値は、決定事項として「なし」、「第1パターン」、「第2パターン」または「第3パターン」が選択される割合(%)を示している。
なお、この実施の形態では、図31(A)に示す第1予告演出(ミニキャラ予告演出)実行判定テーブルの他に、図31(B)〜(D)に示す各予告演出実行判定テーブル、図32(A)に示す予告演出上限数決定テーブル、図32(B)に示す優先規則決定テーブル、図32(D)演出態様決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するステップS5002〜5004、S5005、S5005、S5008においても、ステップS5001と同様に、演出制御用CPU101は、例えば、予告演出上限数、優先規則、または演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
図31(A)に示す第1予告演出(ミニキャラ予告演出)実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、実行態様「第3パターン」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、実行態様「第1パターン」または「なし」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第1予告演出が実行されないときよりも、第1予告演出が実行されたとき、また、実行態様が第1パターンよりも第2パターン、第2パターンよりも第3パターンである方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。したがって、第1予告演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。また、実行態様が第1パターンよりも第2パターン、第2パターンよりも第3パターンである方が期待度を高くすることができ、第1予告演出の実行態様に対して遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、図31(A)に示す例では、スーパーリーチはずれであるときよりも、ノーマルリーチ大当りであるときの方が、期待度が高い実行態様に判定される割合が高くなっているが、逆になるように判定値を設定してもよい。つまり、表示結果(はずれまたは大当り)にかかわらず、スーパーリーチが実行される場合には、ノーマルリーチが実行される場合よりも、期待度が高い実行態様に判定される割合が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、スーパーリーチが実行されるときの遊技興趣を高めることができる。また、図31(A)に示す第1予告演出(ミニキャラ予告演出)に限らず、他の予告演出の実行判定や、図32(A)に示す予告演出上限数決定テーブルや、図32(B)に示す優先規則決定テーブル、図32(D)に示す演出態様決定テーブルでも同様に、スーパーリーチが実行される場合には、ノーマルリーチが実行される場合よりも、期待度が高い実行態様(決定事項)に判定される割合が高くなるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出実行判定用の乱数にもとづいて、図31(B)に示す第2予告演出(ステップアップ予告演出)実行判定テーブルを用いて、第2予告演出(ステップアップ予告演出)を実行するか否か判定する(ステップS5002)。
第2予告演出(ステップアップ予告演出)は、演出表示装置9に特定のキャラクタが表示される演出が複数段階に分けて実行される演出であって、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆するために実行される。また、この実施の形態では、第2予告演出(ステップアップ予告演出)は、第1ステップから第4ステップまで発展可能であって、いずれのステップまで発展するかによって、スーパーリーチとなることや、大当りとなる期待度が異なるように実行される。
図31(B)は、第2予告演出(ステップアップ予告演出)実行判定テーブルを示す説明図である。第2予告演出(ステップアップ予告演出)実行判定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(第2予告演出の実行態様:「なし」、「第1パターン」、「第2パターン」、「第3パターン」または「第4パターン」)に対応する判定値が割り当てられている。
図31(B)に示す第2予告演出(ステップアップ予告演出)実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、実行態様「第4パターン」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、実行態様「第1パターン」または「なし」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2予告演出が実行されないときよりも、第2予告演出が実行されたとき、また、実行態様が第1パターンよりも第2パターン、第2パターンよりも第3パターン、第3パターンよりも第4パターンである方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。したがって、第2予告演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。また、実行態様が第1パターンよりも第2パターン、第2パターンよりも第3パターン、第3パターンよりも第4パターンである方が、期待度を高くすることができ、第2予告演出の実行態様に対して遊技者に期待感を持たせることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出実行判定用の乱数にもとづいて、図31(C)に示す第3予告演出(ボタン予告演出)実行判定テーブルを用いて、第3予告演出(ボタン予告演出)を実行するか否か判定する(ステップS5003)。
第3予告演出(ボタン予告演出)は、演出表示装置9に、封筒の画像と、操作ボタン120の押下操作を促す画像とが表示され、操作ボタン120が押下操作されると、封筒の画像が特定の画像に変化して表示される演出であって、スーパーリーチとなることや、大当りとなることを示唆するために実行される。また、この実施の形態では、第3予告演出(ボタン予告演出)は、複数種類の特定の画像(例えば、「激熱」や「熱」)に変化可能であって、いずれに変化して表示されるかによって、スーパーリーチとなることや、大当りとなる期待度が異なるように実行される。
図31(C)は、第3予告演出(ボタン予告演出)実行判定テーブルを示す説明図である。第3予告演出(ボタン予告演出)実行判定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(第3予告演出の実行態様:「なし」、「第1パターン」または「第2パターン」)に対応する判定値が割り当てられている。
図31(C)に示す第3予告演出(ボタン予告演出)実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、実行態様「第2パターン」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、実行態様「第1パターン」または「なし」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第3予告演出が実行されないときよりも、第3予告演出が実行されたとき、また、実行態様が第1パターンよりも第2パターンである方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。したがって、第3予告演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。また、実行態様が第1パターンよりも第2パターンである方が期待度を高くすることができ、第3予告演出の実行態様に対して遊技者に期待感を持たせることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出実行判定用の乱数にもとづいて、図31(D)に示す第4予告演出(擬似連予告演出)実行判定テーブルを用いて、第4予告演出(擬似連予告演出)を実行するか否か判定する(ステップS5004)。
第4予告演出(擬似連予告演出)は、演出表示装置9に、擬似連演出(演出図柄の仮停止と再変動)が実行されることを示唆する擬似連予告画像が表示される演出である。
図31(D)は、第4予告演出(擬似連予告演出)実行判定テーブルを示す説明図である。第4予告演出(擬似連予告演出)実行判定テーブルには、変動パターン「擬似連あり」または「擬似連なし」に対して、決定事項(第4予告演出の実行態様:「なし」、「あり」)に対応する判定値が割り当てられている。
図31(D)に示す第4予告演出(擬似連予告演出)実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、変動パターンが擬似連演出を含むものであれば、実行態様「あり」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、擬似連演出を含む変動パターンであるときには、擬似連演出を含まない変動パターンであるときに比べて、第4予告演出(擬似連予告演出)が実行される割合を高くすることができ、擬似連予告演出の信頼度を高めることができる。
なお、図31(D)に示す例では、変動パターンが擬似連演出を含むものであるか否かによって、第4予告演出(擬似連予告演出)が実行される割合が異なるように設定されているが、これに限らず、例えば、擬似連演出を含む変動パターンの中でも、擬似連回数に応じて第4予告演出(擬似連予告演出)が実行される割合が異なるように設定されていてもよい。また、第4予告演出(擬似連予告演出)を複数回実行可能とし、擬似連回数に応じて第4予告演出(擬似連予告演出)が実行される回数が異なるように設定されていてもよい。また、第4予告演出(擬似連予告演出)を複数の演出態様(例えば、実行されるタイミングが異なる)で実行可能とし、擬似連回数に応じて第4予告演出(擬似連予告演出)が実行されるときの演出態様が異なる(例えば、擬似連回数が多いときには実行されるタイミングが遅く、擬似連回数が少ないときには実行されるタイミングが早くなる割合が高い)ように設定されていてもよい。また、この実施の形態では、変動パターンが擬似連演出を含むものでない場合であっても、第4予告演出(擬似連予告演出)を実行すると判定されるように判定値が設定されているため、第4予告演出(擬似連予告演出)が実行されても擬似連演出が実行されない場合があるが、例えば、変動パターンが擬似連演出を含むものでない場合には、第4予告演出(擬似連予告演出)を実行すると判定される割合を0とし、第4予告演出(擬似連予告演出)が実行されると必ず擬似連演出が実行されるようにしてもよい。また、複数種類の第4予告演出(擬似連予告演出)を設け、第1の第4予告演出(擬似連予告演出)が実行されると、その後、高い割合で擬似連演出が実行され(すなわち実行されないこともある)、第2の第4予告演出(擬似連予告演出)が実行されると、その後、必ず擬似連演出が実行されようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS5001〜S5004の処理において、実行すると判定した予告演出があるか否かを確認し(ステップS5004A)、あればステップS5005に移行し、なければ処理を終了する。
ステップS5005では、演出制御用CPU101は、予告演出上限数決定用の乱数にもとづいて、図32(A)に示す予告演出上限数決定テーブルを用いて、実行する予告演出の上限数を決定する。この実施の形態では、ステップS5001〜S5004で各予告演出の実行判定処理を行うが、それらの処理によって実行すると判定された予告演出を全て実行するのではなく、実行される予告演出の数が所定の上限数以下となるように制限する。ステップS5005では、その上限数が決定される。
図32(A)は、予告演出上限数決定テーブルを示す説明図である。予告演出上限数決定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(上限数:「1」、「2」、「3」または「4」)に対応する判定値が割り当てられている。
図32(A)に示す予告演出上限数決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、上限数「4」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、上限数「1」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、予告演出が実行される数が多い方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。したがって、実行される予告演出の数に対して遊技者に期待感を持たせることができる。また、予告演出の実行数を一律に制限するのではなく、期待度(変動パターンや表示結果)に応じて異なる制限を設けるようにすることができ、予告演出に関する柔軟な設計を可能とすることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、優先規則決定用の乱数にもとづいて、図32(B)に示す優先規則決定テーブルを用いて、優先規則を決定する。優先規則は、予告演出の優先順位が定められている。この実施の形態では、図32(C)に示すように、複数種類の優先規則が設けられており、決定したいずれかの優先規則にしたがって、実行される予告演出の数がステップS5005で決定した上限数以下となるように制限される。
図32(C)に示す優先規則テーブルにおいて特徴的なことは、第1パターンおよび第2パターンに比べて、第3パターン及び第4パターンは、第4予告演出(擬似連予告演出)の優先順位が高いことである。また、これに関連して、図32(B)に示す優先規則決定テーブルにおいて特徴的なことは、擬似連演出を含む変動パターンに対しては、第1パターンおよび第2パターンに比べて、第3パターン及び第4パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、擬似連演出を含む変動パターンである場合には、擬似連予告演出が優先的に実行されることになる(すなわち実行制限の対象とならない)。したがって、擬似連予告演出が実行され難くなることを防止することができ、予告演出に関する柔軟な設計を可能とすることができる。
また、図32(B)に示す優先規則決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、優先規則「第2パターン」または「第4パターン」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、優先規則「第1パターン」または「第3パターン」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。また、これに関連して、図32(C)に示す優先規則テーブルにおいて特徴的なことは、優先規則「第2パターン」または「第4パターン」においては、第3予告演出>第2予告演出>第1予告演出の順に優先順位が高く、優先規則「第1パターン」または「第3パターン」においては、第1予告演出>第2予告演出>第3予告演出の順に優先順位が高く設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、優先規則「第1パターン」または「第3パターン」よりも、優先規則「第2パターン」または「第4パターン」である方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。つまり、優先規則「第2パターン」または「第4パターン」の優先順位、第3予告演出>第2予告演出>第1予告演出の順に予告演出の期待度を高くすることができる。したがって、期待度(変動パターンや表示結果)に応じて優先規則を異ならせることで、同時に期待度(変動パターンや表示結果)に応じて各予告演出の優先順位を異ならせることができ、予告演出に関する柔軟な設計をすることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、上限数と優先規則とにもとづいて、実行する予告演出を決定する(ステップS5007)。ステップS5007では、ステップS5001〜S5004で実行すると判定された予告演出の中から、実行する予告演出の数がステップS5005で決定した上限数以下となるように、ステップS5006で決定した優先規則にしたがって、予告演出を最終決定する。
例えば、ステップS5001〜S5004で全ての予告演出を実行すると判定し、ステップS5005で決定した上限数が2であり、ステップS5006で決定した優先規則が「第2パターン」である場合には、優先規則「第2パターン」において優先順位が高い第3予告演出と、第2予告演出を実行すると最終決定し、第1予告演出および第4予告演出の実行を制限する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出態様決定用の乱数にもとづいて、図32(D)に示す演出態様決定テーブルを用いて、ステップS5007で実行すると決定した各予告演出の実行態様をそれぞれ決定する。この実施の形態では、予告演出の表示態様を、通常演出態様、または各予告演出で共通の唐草モチーフ態様として、予告演出を実行可能である。
図32(D)は、演出態様決定テーブルを示す説明図である。演出態様決定テーブルには、変動パターンごとに決定事項(「通常演出態様」または「唐草モチーフ態様」)に対応する判定値が割り当てられている。
図32(D)に示す演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、「唐草モチーフ態様」と判定される割合が高く、表示結果が大当りよりもはずれである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が低くなるほど、「通常演出態様」と判定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、唐草モチーフ態様で予告演出が実行される方が、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチが行われる割合を高くすることができる。したがって、実行される予告演出の演出態様に対して遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、この実施の形態では、実行する全ての予告演出について、それぞれ演出態様を通常演出態様または唐草モチーフ態様に決定するように構成されており、図32(D)に示す演出態様決定テーブルによれば、いずれの予告演出であっても、唐草モチーフ態様に決定される割合は同じであるが、これに限らず、予告演出ごとに割合が異なるようにしてもよい。また、例えば、変動パターンと実行する予告演出との組み合わせや、優先規則との組み合わせによって、唐草モチーフ態様に決定される割合が異なるようにしてもよい。なお、この実施の形態では、唐草モチーフ態様で実行される予告演出の数が制限されていないが、唐草モチーフ態様で実行される予告演出の上限数を設けるようにしてもよい。また、唐草モチーフ態様で実行される予告演出の上限数は、遊技に関する期待度(変動パターンや表示結果(はずれまたは大当り)など)に応じて、乱数を用いて決定されるようにしてもよいし、変動パターンや表示結果(はずれまたは大当り)、大当り種別などに応じて予め対応付けて定められていてもよい。そして、この場合には、例えば、唐草モチーフ態様で実行される予告演出の上限数を決定した後に、実行する予告演出のうち、優先規則による優先順位が高い予告演出から順に演出態様を決定し、これを唐草モチーフ態様に決定された数が上限数に達するまで(または実行する全ての予告演出の演出態様を決定するまで)繰り返すようにしてもよい。また、例えば、唐草モチーフ態様で実行される予告演出の上限数を決定した後に、実行する予告演出のうち、優先規則による優先順位が高い予告演出から順に上限数に達するまで(または全ての予告演出)を唐草モチーフ態様と決定してもよい(すなわち、予告演出ごとに演出態様を決定しない)。このようにすることで、唐草モチーフ態様で実行される予告演出の数を、遊技に関する期待度に応じて制限することができる。
なお、擬似連演出を含む変動パターンである場合には、実行すると決定した予告演出を停止図柄が導出表示されるまでに1回だけ実行するようにしてもよいし、再変動ごとに実行するようにしてもよい。
また、例えば、再変動ごとに実行する予告演出を決定するようにしてもよい。これは、例えば、ステップS5008の後に、擬似連演出を含む変動パターンである場合には、各予告演出を実行するタイミング(および回数)を決定することによって実現可能である。この場合には、例えば、再変動回数が少ない場合(例えば2回)には、擬似連予告演出が早いタイミング(例えば再変動1回目)で実行される割合を高くし、再変動回数が多い場合(例えば3回)には、擬似連予告演出が遅いタイミング(例えば再変動2回目)で実行される割合を高くすることで、擬似連予告演出による擬似連継続の期待度を異ならせることができる。また、擬似連演出を含む変動パターンである場合には、ステップS5001〜S5008の処理を再変動回数繰り返すことによって、再変動ごとに各予告演出を実行するか否か(および演出態様)を決定するようにしてもよい。
以上のようにして決定された予告演出の有無および演出態様は、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMの所定格納領域(予告演出格納領域)に格納(設定)される。
図30に示す予告演出設定処理によれば、先にステップS5001〜S5004において、複数の予告演出の中で実行すると決定された予告演出のうち、優先規則にしたがい上限数を超える予告演出の実行を制限することで、上限数以下の予告演出を実行することになる。このような流れで処理を行うことで、処理ルーチンを共通化することができ、煩雑な仕組みとなってしまうことを防止することができる。例えば、上限数や優先規則を先に決定した後に、優先規則にしたがって、優先順位の高い予告演出から順に実行するか否かを判定する流れであれば、先に決定した上限数や優先規則によって、後の処理の流れが変わるため、処理ルーチンを共通化することができず、煩雑な仕組みとなる。
なお、図30に示す予告演出設定処理によれば、実行する予告演出の上限数と優先規則とは、それぞれ乱数を用いて決定されているが、これに限らず、例えば、変動パターンや表示結果(はずれまたは大当り)、大当り種別などに応じて予め対応付けて定められていてもよい。
例えば、上限数は、非リーチはずれの場合には1、ノーマルリーチはずれの場合には2、スーパーリーチはずれの場合には3、ノーマルリーチ大当りの場合には3、スーパーリーチ大当りの場合には4と、あらかじめ対応付けて定められていてもよい。
また、優先規則は、非リーチはずれの場合には第1パターン、ノーマルリーチはずれ(擬似連なし)の場合には第1パターン、スーパーリーチはずれ(擬似連なし)の場合には第1パターン、ノーマルリーチ大当り(擬似連なし)の場合には第2パターン、スーパーリーチ大当り(擬似連なし)の場合には第2パターン、ノーマルリーチはずれ(擬似連あり)の場合には第3パターン、スーパーリーチはずれ(擬似連あり)の場合には第3パターン、ノーマルリーチ大当り(擬似連あり)の場合には第4パターン、スーパーリーチ大当り(擬似連あり)の場合には第4パターンと、あらかじめ対応付けて定められていてもよい。
また、図30に示す予告演出設定処理によれば、ステップS5007で実行すると決定した予告演出について、ステップS5008で演出態様を決定しているが、例えば、ステップS5007の前に、ステップS5001〜S5004で実行すると判定された各予告演出の演出態様を決定し(ステップS5008に相当)、唐草モチーフ態様にすると決定した予告演出については、ステップS5006で決定した優先規則内の優先順位を変更するようにしてもよい。
図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS840)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS842)、次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
次に、演出制御用CPU101は、ステップS844において、プロセスデータ(特に、予告演出を含む表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび可動部材制御データ)の内容に従って、演出装置の制御をおこなう(ステップS844)。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS857)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS859)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS858)、ステップS859に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図34は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS870)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS877に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を導出表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS871〜S876の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄または大当り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄を導出表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて演出図柄を導出表示するようにしてもよい。
ステップS872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872の処理で小当り図柄また大当り図柄を導出表示した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS876)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS877)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS878)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS879)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS880)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(ステップS881)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS882)。
図35は、本実施の形態における表示例を示す説明図(その1)である。図35は、成功組み合わせとして第1チャンス目パターンが選択されたときのタイミング毎の表示例を示している。まず、図35(1)のように、演出表示装置9において演出図柄の変動が開始される。そして、図35(2)のように、左右図柄として「7」が仮停止されリーチが発生する。このとき、大当りが発生することに対する期待感と、擬似連に発展することに対する期待感とを遊技者に与えることとなる。そして、図35(3)のように、中図柄として「6」図柄に特殊画像(ここでは、第1特殊画像態様)3500が付されて表示される。このとき、遊技者は第1チャンス目パターンであることを認識する。そのため、遊技者に対して擬似連が成功することに対する大きな期待感を与えることができる。その後、図35(4)のように、特殊画像3500が付された「6」図柄が仮停止されることにより、擬似連が成功したことが報知され、再変動がおこなわれる。なお、このとき、特殊画像3500と「6」図柄との同期を解除し、特殊画像3500のみが仮停止されることとしてもよい。
図36は、本実施の形態における表示例を示す説明図(その2)である。図36は、成功組み合わせとして第2チャンス目パターンが選択されたときのタイミング毎の表示例を示している。まず、図36(1)のように、演出表示装置9において演出図柄の変動が開始される。そして、図36(2)のように、左右図柄として「7」が仮停止されリーチが発生する。このとき、大当りが発生することに対する期待感と、擬似連に発展することに対する期待感とを遊技者に与えることとなる。そして、図36(3)のように、中図柄として「5」図柄に特殊画像(ここでは、第1特殊画像態様)3500が付されて表示される。このとき、遊技者は第2チャンス目パターンであることを認識する。そのため、遊技者に対して擬似連が成功することに対して与える期待感は、第1チャンス目パターンが選択されたとき小さくなる。その後、図36(4)のように、特殊画像3500が付された「5」図柄とは異なる図柄が導出表示されることにより、擬似連が失敗したことが報知される。なお、本実施の形態では、擬似連が失敗した場合にはそのまま表示結果が導出表示されることとしたがこれに限るものではなく、擬似連が失敗した後に更に演出が継続されることとしてもよい。具体的には、擬似連が失敗した後に大当りに対する期待度の高いスーパーリーチに発展するようなこととしてもよい。これにより、擬似連が失敗した場合であっても、変動が継続するとともに大当りが発生することに対する期待感を遊技者に与えることができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、変動パターンを決定することにより表示結果が導出表示される以前に特定演出(本例では、擬似連演出)の実行の有無を決定し、特定演出を実行することを決定した場合(本例では、変動パターンとしてノーマルPB2−2/PB2−3/PB2−5/PB2−6が選択された場合)には、一部の識別情報列(本例では、左右図柄)において識別情報を停止表示した後、一部の識別情報列と異なる他の識別情報列(本例では、中図柄)において特定態様にて停止表示し(本例では、左右図柄および中図柄にて所定の組み合わせの演出図柄を仮停止し)、特定演出を実行しないことを決定した場合(本例では、変動パターンとしてノーマルPB2−1/PB2−4が選択された場合)には、一部の識別情報列において識別情報を停止表示した後、他の識別情報列において特定態様とは異なる態様で停止表示し(本例では、中図柄にて該所定の組み合わせとは異なる演出図柄を仮停止し)、他の識別情報列における識別情報と同期して特殊画像を表示することとした。また、特定演出を実行するか否かの決定結果にもとづいて異なる割合にて、一部の識別情報列で停止表示する識別情報および特殊画像が同期する識別情報の組み合わせを選択して識別情報の表示制御を行う(本例では、図29に示す擬似連成功組み合わせ選択テーブルにおいて、擬似連結果が「成功」である場合と「失敗」である場合とで異なる割合にて、成功組み合わせを選択する)こととした。これにより、一部の識別情報列で停止表示する識別情報および特殊画像が同期する識別情報の組み合わせ毎に特定演出を実行することに対する信頼度を異ならせることができる。したがって、特定演出の実行の有無に関する多様性を高めることができ、興趣を向上させることができる。
なお、「他の識別情報列における識別情報と同期して特殊画像を表示する」とは、可変表示されている識別情報と同期して表示することと、停止表示されている識別情報と同期して表示することとを含む概念である。また、本実施の形態では、識別情報と特殊画像とを同期して表示する際の態様として、特殊画像を識別情報に付して表示することとしたが、特殊画像を識別情報から分離して表示することとしてもよい。
また、「停止表示」とは、遊技者が認識可能な程度に揺動表示する「仮停止」と、固定表示する「導出表示」とを含む概念である。したがって、本実施の形態では、特定演出を実行することを決定した場合には所定の組み合わせを「仮停止」するとともに、特定演出を実行することを決定した場合には該所定の組み合わせ以外の組み合わせを「仮停止」することとしたが、特定演出を実行することを決定した場合には所定の組み合わせを「導出表示」するとともに、特定演出を実行することを決定した場合には該所定の組み合わせ以外の組み合わせを「仮停止」することとしてもよい。すなわち、本実施の形態では、演出図柄の変動が開始されてから導出表示されるまでの間(演出図柄の1回の変動中)に特定演出の実行を報知するとともに特定演出を実行することとしたが、演出図柄の複数回の変動中に特定演出の実行を報知するとともに特定演出を実行することとしてもよい。例えば、「特定演出」として、複数回の変動に亘っておこなわれる先読み予告演出を適用したものであってもよい。具体的には、複数回の変動に亘って通常の保留記憶とは異なる特殊な態様の保留記憶の表示をおこなう保留変化演出を「特定演出」として適用することとしてもよい。
また、本実施の形態では、仮停止した識別情報を再変動させることにより特定演出を実行する(擬似連演出を実現する)こととしたが、仮停止した識別情報を再変動させることなく特定演出をおこなうものであってもよい。例えば、仮停止した識別情報を再変動させることなく、複数段階の演出を段階的に発展する発展演出を「特定演出」として実行するものであってもよい。また、仮停止した識別情報を再変動させるとともに発展演出を特定演出として実行するものであってもよい。他にも、「特定演出」として、大当りに対する期待度の高い高期待度リーチ演出を適用することとしてもよい。
また、本実施の形態では、演出図柄が「1」〜「7」の順で配列され、「7」の次に再び「1」が配列されている識別情報列を用いて説明したが、予め定められた順序に配列されているものであれば、これに限るものではない。また、数字図柄のみが配列されていることとしたが、数字が付されていない図柄(例えば、キャラクタ図柄)が配列されていることとしてもよい。また、本実施の形態では、上下方向に識別情報が配列されている識別情報列を用いて説明したが、左右方向や斜め方向など、いずれの方向に識別情報が配列されている識別情報列であってもよい。
また、本実施の形態では、特定演出を実行する場合に停止表示する識別情報として、4種類の成功組み合わせを設けることとしたが、特定演出を実行するか否かにより選択割合が異なるものであれば、3種類以下の成功組み合わせを設けることとしてもよいし、5種類以上の成功組み合わせを設けることとしてもよい。
また、本実施の形態においては、特定演出を実行する場合の方が実行しない場合よりも、左右図柄の数字と中図柄の数字との差数が小さい成功組み合わせ(例えば、第1チャンス目パターン、第3チャンス目パターン)を選択し易いこととした。これにより、左右図柄の数字と中図柄の数字との差数が小さい成功組み合わせにおける特定演出を行うことに対する信頼度が高まる。したがって、左右図柄の数字と中図柄の数字との差数が小さい成功組み合わせが表示された際の遊技者に与える期待感を高めることができ、興趣を向上させることができる。また、成功組み合わせにおける左右図柄の数字と中図柄の数字との差数が小さい程、遊技者は大当り図柄が停止表示されること(全図柄が揃うこと)を想起し易く、大当りに対する期待感を与えることができる。
なお、本実施の形態では、特定演出を実行する場合の方が実行しない場合よりも、左右図柄の数字と中図柄の数字との差数が小さい成功組み合わせを選択し易いことしたが、特定演出を実行する場合の方が実行しない場合よりも、所定の成功組み合わせを選択し易いこととすれば、所定の成功組み合わせが表示された際の遊技者に与える期待感を高めることができ、興趣を向上させることができる。例えば、逆に、特定演出を実行する場合の方が実行しない場合よりも、左右図柄の数字と中図柄の数字との差数が大きい成功組み合わせを選択し易く構成したものであってもよい。また、一部の識別情報列で停止表示する識別情報と特殊画像が同期する識別情報とが、識別情報列の配列において、何個隣りの識別情報であるかを示す値(例えば、本例における「1」と「7」とは1個隣りの識別情報であるため「1」、「5」と「7」とは2個隣りの識別情報であるため「2」)が小さい成功組み合わせまたは大きい成功組み合わせを、特定演出を実行するときの方が実行しないときよりも選択し易く構成したものであってもよい。
なお、所定の成功組み合わせとしては、所定の並び順の組み合わせ(例えば、左側に隣接する図柄より1だけ大きな値の図柄の組み合わせ(左図柄が「1」、中図柄が「2」、右図柄が「3」))や、全図柄が偶数図柄または奇数図柄に統一されている組み合わせ(例えば、「2」「4」「6」や、「1」「3」「5」など)や、所定のテーマを有する組み合わせ(例えば、敵キャラクタ図柄または味方キャラクタ図柄で統一された組み合わせ、ロボットのキャラクタまたは人間のキャラクタで統一された組み合わせなど)などであってもよい。
また、本実施の形態では、変動パターンを選択することにより特定演出(擬似連演出)の実行の有無を決定することとしたが、所定の変動パターンが選択された場合に特定演出の実行の有無を選択する抽選をおこなうこととしてもよい。なお、所定の変動パターンとしては、複数の変動パターンのうち、一部の変動パターンであってもよいし、全ての変動パターンであってもよい。
また、本実施の形態において、特殊画像が同期する識別情報が停止表示された場合、特定演出として、識別情報の可変表示が開始されてから識別情報の表示結果が導出表示されるまでに、識別情報の可変表示を再度実行する所定回の再可変表示を伴う再可変表示演出(本例では、擬似連演出)を実行し、再可変表示の回数(本例では、Kの値)にもとづいて異なる割合にて、一部の識別情報列で停止表示する識別情報および特殊画像が同期する識別情報の組み合わせを選択して識別情報の表示制御を行う(本例では、Kの値にもとづいて図29(1)(2)に示す擬似連成功組み合わせ選択テーブルを選択し、選択した擬似連成功組み合わせ選択テーブルにおいて、擬似連結果が「成功」である場合と「失敗」である場合とで異なる割合にて、成功組み合わせを選択する)こととした。これにより、再可変表示演出の回数および一部の識別情報列で停止表示する識別情報および特殊画像が同期する識別情報の組み合わせにもとづいて特定演出を実行することに対する信頼度を異ならせることができる。したがって、再可変表示が行われる度に、遊技者を特定演出の実行の有無に注目させることができ、興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、再可変表示の回数が多い程、特定演出の実行に対する信頼度の高い成功組み合わせ(第1チャンス目パターン、第3チャンス目パターン)における特定演出の実行に対する信頼度がより高くなるとともに、特定演出の実行に対する信頼度の低い成功組み合わせ(第2チャンス目パターン、第4チャンス目パターン)における特定演出の実行に対する信頼度がより低くなるよう構成したが、これに限るものではない。例えば、逆に、再可変表示の回数が多い程、特定演出の実行に対する信頼度の高い成功組み合わせと、特定演出の実行に対する信頼度の低い成功組み合わせとにおける特定演出の実行に対する信頼度の差が小さくなるよう構成してもよい。また、再可変表示の回数が所定回数である場合にのみ選択され得る成功組み合わせを設けることとしてもよい。
また、本実施の形態において、決定結果にもとづいて異なる割合にて、複数の特殊画像から一の特殊画像を選択し(本例では、第1特殊画像態様、第2特殊画像態様から一の特殊画像態様を選択し)、選択した一の特殊画像を表示することとした。これにより、表示される特殊画像の種類によって特定演出の実行の有無を示唆することができ、特定演出の実行の有無に関する多様性を高めることができ、興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、図29(4)に示すように、2種類の特殊画像を設けることとしたが、3種類以上の特殊画像を設けることとしてもよい。また、本実施の形態では複数の特殊画像は形状が異なることとしたが、模様や色彩が異なることとしてもよい。
また、本実施の形態では、再可変表示回数にもとづいて異なる割合にて、複数の特殊画像から一の特殊画像を選択することとしてもよい。そうすることにより、再可変表示回数および特殊画像の種類によって特定演出の実行の有無を示唆することができる。
また、本実施の形態において、複数の予告演出(本例では、第1予告演出〜第4予告演出)のうち実行する予告演出を決定するとともに、実行すると決定された予告演出を実行することとした。また、識別情報の可変表示パターンを決定し、決定結果にもとづいて識別情報の可変表示を実行することとし、可変表示パターンは、識別情報の可変表示が開始されてから識別情報の表示結果が導出表示されるまでに仮停止させた後に識別情報の可変表示を再度実行する再可変表示(本例では、再変動)を所定回実行する再可変表示パターン(本例では、擬似連演出を伴う変動パターン)を含むこととした。そして、再可変表示パターンに決定されているときには、複数の優先規則のうちの他の優先規則に比べて再可変表示が実行されることを予告する予告演出(本例では第4予告演出(擬似連予告演出))の優先順位が高い優先規則(本例では図32(C)の優先規則テーブルに示される第3パターンまたは第4パターンの優先規則)にしたがって実行される予告演出の数が所定数未満(本例では上限数以下)となるように予告演出を決定することとした。これにより、予告演出に関する設計をより柔軟にすることができるとともに、再可変表示が実行されることを予告する予告演出(本例では第4予告演出(擬似連予告演出))が実行され難くなくことを防ぐことができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、複数の予告演出とは、上述した第1予告演出〜第4予告演出の他、大当り種別が確変大当りであることや、潜伏確変状態に制御されていることを予告する予告演出や、先読み予告演出などであってもよい。
また、本実施の形態では、擬似連が失敗した場合にはそのまま表示結果が導出表示されることとしたがこれに限るものではなく、擬似連が失敗した後に更に演出が継続される変動パターンを有することとしてもよい。具体的には、擬似連が失敗した後に大当りに対する期待度の高いスーパーリーチに発展するようなこととしてもよい。これにより、擬似連が失敗した場合であっても、変動が継続するとともに大当りが発生することに対する期待感を遊技者に与えることができる。また、その場合、導出表示する停止図柄を決定する処理(上述したステップS2813)においてチャンス目を考慮する必要がなくなるため、表示結果指定コマンドのみにもとづいて停止図柄を決定することができ、処理負担を軽減することができる。
なお、上述した実施の形態では、擬似連が成功するか否かにもとづいて異なる割合にて成功組み合わせを選択することとしたが、これに限るものではなく、擬似連が成功するか否かにもとづいて異なる割合にて特殊画像を付して表示する演出図柄の表示態様を選択することとしてもよい。以下、擬似連が成功するか否かにもとづいて異なる割合にて特殊画像を付して表示する演出図柄の表示態様を選択する変形例について説明する。なお、上述した実施の形態と共通する箇所については説明を省略する。
この変形例においては、左右図柄に同一の図柄が仮停止した後に、中図柄に特殊画像が付された演出図柄(以下「特定図柄」という)が表示され、特定図柄が仮停止されれば擬似連が成功する一方、特定図柄以外の演出図柄が導出表示されれば擬似連が失敗することとなる。
図37は、変形例における、演出図柄決定処理を示すフローチャートである。図37に示す演出図柄決定処理において、演出制御用CPU101は、ステップS2807の後、リーチ図柄を決定するリーチ図柄決定処理をおこなう(ステップS3700)。具体的には、「1」〜「7」のうちいずれかの図柄をチャンス目の左右図柄として決定する。そして、演出制御用CPU101は、Kの値に応じて特定図柄選択テーブルを選択する(ステップS3701)。特定図柄選択テーブルとは、中図柄において特殊画像が付されて表示される特定図柄を選択するためのテーブルであり、その具体例を図38に後述する。
図38は、変形例における、特定図柄選択テーブルを示す説明図である。特定図柄選択テーブルには、特殊画像が付されて表示される特定図柄が、擬似連が成功するか否かにもとづいて異なる選択割合に対応付けられている。
例えば、図38(1)に示す特定図柄選択テーブル(K=1)においては、擬似連が成功する場合には、特定図柄として「1」、「2」、「4」、「5」、「6」がそれぞれ2/20の割合で、「3」、「7」がそれぞれ5/20の割合で選択される。また、擬似連が失敗する場合には、特定図柄として「1」、「2」、「4」、「5」、「6」がそれぞれ2/20の割合で、「3」、「7」がそれぞれ5/20の割合で選択される。これにより、特定図柄として「3」、「7」が選択される割合は、擬似連が成功するときには「1」、「2」、「4」、「5」、「6」が選択される割合よりも高く、擬似連が失敗するときには「1」、「2」、「4」、「5」、「6」が選択される割合よりも低い。すなわち、特定図柄が「3」、「7」である方が、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」であるよりも、擬似連が成功することに対する信頼度が高いといえる。
また、例えば、図38(2)に示す特定図柄選択テーブル(K=2)においては、擬似連が成功する場合には、特定図柄として「1」、「2」、「4」、「5」、「6」がそれぞれ1/20または2/20の割合で、「3」、「7」がそれぞれ6/20の割合で選択される。また、擬似連が失敗する場合には、特定図柄として「1」、「2」、「4」、「5」、「6」がそれぞれ3/20または4/20の割合で、「3」、「7」がそれぞれ1/20の割合で選択される。これにより、Kの値が「1」である場合よりも、Kの値が「2」である場合の方が、特定図柄が「3」、「7」である場合における擬似連が成功することに対する信頼度が高いといえる。
ステップS3701の後、演出制御用CPU101は、選択した特定図柄選択テーブルを用いて特定図柄を選択する特定図柄選択抽選処理をおこなう(ステップS3702)。具体的には、まず、図28(3)に示した擬似連成功/失敗パターンテーブルと変動パターンとKの値とを用いて、擬似連が成功するか失敗するかを特定する。そして、ステップS3702において選択した特定図柄選択テーブルにおいて、特定した擬似連結果が対応付けられている選択割合においていずれかの演出図柄が特定図柄として選択されることとなる。その際、所定の乱数を取得するとともに、取得した乱数と判定値が一致する演出図柄を特定図柄として選択するものである。そして、上述した実施の形態と同様にして特殊画像態様選択処理をおこない(ステップS2810)、選択したリーチ図柄、特定図柄および特殊画像態様を記憶し(ステップS3703)、ステップS2812へ移行する。
また、ステップS2812においてKの値と擬似連チャンス回数Kmaxの値とが同値である場合(ステップS2812のY)、全ての示唆演出におけるチャンス目が決定したものとして、特定図柄および表示結果指定コマンドにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定し(ステップS3704)、ステップS2814へ移行する。
以上に説明したように、この変形例によれば、変動パターンを決定することにより表示結果が導出表示される以前に、特定演出(本例では、擬似連演出)の実行の有無を決定し、特定演出を実行することが決定された場合(本例では、変動パターンとしてノーマルPB2−2/PB2−3/PB2−5/PB2−6が選択された場合)には、一部の識別情報列(本例では、中図柄)において特定態様(本例では、特定図柄)にて停止表示し(本例では、中図柄にて特定図柄を仮停止し)、特定演出を実行しないことが決定された場合(本例では、変動パターンとしてノーマルPB2−1/PB2−4が選択された場合)には、一部の識別情報列において特定態様とは異なる態様で停止表示し(本例では、中図柄にて特定図柄とは異なる演出図柄を仮停止し)、一部の識別情報列における識別情報と同期して特殊画像を表示することとした。そして、特定演出を実行するか否かの決定結果にもとづいて異なる割合にて、複数種類の識別情報のうちいずれかの識別情報を特殊画像が同期する識別情報として選択して識別情報の表示制御を行う(本例では、図39に示す特定図柄選択テーブルにおいて、擬似連結果が「成功」である場合と「失敗」である場合とで異なる割合にて、特定図柄を選択する)こととした。これにより、特殊画像が同期する識別情報毎に特定演出を実行することに対する信頼度を異ならせることができる。したがって、特定演出の実行の有無に関する多様性を高めることができ、興趣を向上させることができる。なお、本変形例では、リーチがかかった後(一部の識別情報列以外の識別情報列が停止表示した後)に一部の識別情報列において特定態様にて停止表示することとしたが、一部の識別情報列以外の識別情報列が停止表示するよりも前に特定態様にて停止表示することとしてもよい。すなわち、複数の識別情報列(本例では3列)のうち一つ目に停止表示する識別情報列(本例では左図柄)における識別情報と特殊画像とが同期して表示されることとしてもよいし、また、二つ目以降に停止表示する識別情報列(本例では右図柄)における識別情報と特殊画像とが同期して表示されることとしてもよい
また、この変形例によれば、特殊画像が同期する識別情報が停止表示された場合に特定演出として、識別情報の可変表示が開始されてから識別情報の表示結果が導出表示されるまでに、識別情報の可変表示を再度実行する所定回の再可変表示を伴う再可変表示演出(本例では、擬似連演出)を実行し、再可変表示の回数(本例では、Kの値)にもとづいて異なる割合にて、複数種類の識別情報のうちいずれかの識別情報を特殊画像が同期する識別情報として選択して識別情報の表示制御を行う(本例では、Kの値にもとづいて図38(1),(2)に示す特定図柄選択テーブルを選択し、選択した特定図柄選択テーブルにおいて、擬似連結果が「成功」である場合と「失敗」である場合とで異なる割合にて、特定図柄を選択する)こととした。これにより、再可変表示演出の回数および特殊画像が同期する識別情報にもとづいて特定演出を実行することに対する信頼度を異ならせることができる。したがって、再可変表示が行われる度に、遊技者を特定演出の実行の有無に注目させることができ、興趣を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態では、可変表示部として2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備えた遊技機を例にしたが、1つの特別図柄表示器が設けられた遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態で示した予告演出に関する構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の実施の形態で示した予告演出に関する構成をスロット機に適用するようにしてもよい。
スロット機では、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、まず遊技者のBET操作により賭数を設定し、規定の賭数が設定された状態でスタート操作することによりリールの回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに入賞ラインにあらかじめ定められた入賞図柄の組合せ(例えば、7−7−7)が揃ったことによって入賞が発生する。すなわち遊技者の操作によってゲームが進行するようになっている。また、このようなスロット機では、前面扉に液晶表示器等の演出表示装置が配置されたものがあり、入賞が発生する可能性を予告したり、停止ボタンの操作順などを示唆するような演出を行うように構成されたものがある。そのようなスロット機において、例えば、ボーナスやATとなる可能性を示唆するために、遊技に関する所定の期待度に応じて、複数の識別情報列を液晶表示器に表示させて上記の実施の形態の擬似連等の特定演出を行うこととしてもよい。また、異なる優先規則にしたがって実行される予告演出の数が上限数以下となるように予告演出を決定するように構成してもよい。また、遊技に関する所定の期待度に応じて、上限数を異ならせるように構成してもよい。また、予告演出を共通のモチーフ態様で実行するように構成してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態で示した確変示唆演出を行う構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。そのような封入循環式のパチンコ機において、上記の各実施の形態の構成を適用し、封入循環式のパチンコ機の演出表示装置で大当りとなる可能性を示唆するために予告演出においてモチーフ態様を出現させるように構成してもよい。そして、大当りとならない場合には、出現するモチーフ態様の数を所定数未満に制限するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。