JP2015105728A - シール装置、回転機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸とシール体とのクリアランス変動に伴い発生するクリアランス内の作動流体の回転軸周りの周方向における圧力の不均一化を抑制することで、軸受特性の変化を抑え、更にはこれらに起因する回転軸の振動を確実に抑える。
【解決手段】回転軸30の外周面に対向する環状のシール体41と、周方向に間隔をあけて複数設けられ、一端43bが前記シール体41の外周側に設けられたケーシング90の内周面93fに固定されるとともに、他端43cが前記シール体41の外周面41fの接線方向に延びて前記外周面に摺動可能に接触した板バネ43Aと、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転自在な回転軸に設けられるシール装置、及び、該シール装置を備える回転機械に関する。
蒸気タービンやガスタービン、ポンプ、エンジン等、回転軸を有した回転機械においては、軸受装置により回転軸が回転可能に支持されている。
回転軸の一部が、回転機械のケーシングの外部に露出している場合、ケーシング内のガスや液体等の流体の外部への漏出、ケーシング外からの異物侵入を防ぐ必要がある。そこで、ケーシング内外をシールするため、回転軸の外周面とケーシングとの間に、環状をなしたシール体が設けられている。
回転機械の動作状態等に応じて、シール体と回転軸と、のクリアランスが変動することがある。そこで、シール体におけるシール性を維持するために、前記のクリアランスを調整する様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1には、回転機械の定常運転時と起動停止時とで、シール体の半径方向のクリアランスを調整するため、シール体の内径を軸方向の位置により変えておき、シール体の前後の差圧によってシール体を回転軸の軸方向に移動させる構成が開示されている。
また、特許文献2には、回転機械作動時に発生する熱によって回転軸が軸方向に伸びる、いわゆる熱伸びによるシール体の軸方向のクリアランス変動を調整するため、作動流体によって伸縮部材を伸縮させてシール体を軸方向に移動させる構成が開示されている。
特開平11−30338号公報 特開2007−162482号公報
ところで、回転機械の作動中においては、例えば、回転機械の据付状態不良、作動時に発生する熱によるケーシング等の変形等の要因により、回転軸とシール体とが径方向に相対的に偏心することがある。すると、シール体のクリアランスが、回転軸の径方向に不均一となる。
例えば、図7(a)に示すように、環状のシール体201に対し、回転軸202が下方に向けて偏心すると、シール体201の内周面201aと回転軸202との間の径方向下側のクリアランスが小さくなる。すると、シール体20の内周面201aと回転軸202との間のクリアランス内を流れる作動流体による回転軸202周りの圧力分布が周方向に不均一となる。すなわち、クリアランスが小さい回転軸202の下側ではクリアランス内の作動流体の圧力は高くなり、クリアランスが大きい回転軸202の上側ではクリアランス内の作動流体の圧力は小さくなる。そのため、回転軸202はこの圧力差により上方に向けた押圧力を受ける。
これに対し、図7(b)に示すように、シール体201に対し、回転軸202が上方に向けて偏心すると、回転軸202の上側でクリアランス内の作動流体の圧力が高まる。この圧力によって回転軸202は下方に向けての押圧力を受ける。
このように、回転軸とシール体とが径方向に相対的に偏心すると、回転軸とシール体との間のクリアランス内を流れる作動流体の回転軸周りの圧力分布不均一により発生する力の影響を受ける。これに伴い、回転軸を支持する軸受に作用する軸受荷重が変動し、軸受特性が変化する。この回転軸とシール間の作動流体の周方向における圧力不均一に伴う力の影響が大きくなると、軸受特性も大きく変化し、結果として回転軸の振動特性を変化させることになる。場合によっては回転軸の安定性が損なわれ、回転軸の振動が大きくなるという問題がある。
これに対して、例えば特許文献2に記載の構成により、作動流体によって回転軸とシール体との径方向のクリアランス変動、つまり回転軸とシール体との偏心を抑えることも考えられる。
しかし、この構成によれば、作動流体を送るための配管やコントローラが必要となる。さらに、回転機械の据付状態不良、作動時に発生する熱によるケーシング等の変形、地震等の外力等による影響に対応するには、回転軸とシール体との径方向のクリアランスをリアルタイムにモニタリングする必要がある。当然ながら、モニタリングするためのセンサ等が必要となる。これらによって、特許文献2に記載の構成では、装置構成が大掛かりとなり、コストがかかってしまう。
そこでなされた本発明の目的は、回転軸とシール体とのクリアランス変動に伴い発生するクリアランス内の作動流体の回転軸周りの周方向における圧力の不均一化を抑制することで、軸受特性の変化を抑え、更にはこれらに起因する回転軸の振動を確実に抑えることができるシール装置、回転機械を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るシール装置は、回転軸の外周面に対向する環状のシール体と、周方向に間隔をあけて複数設けられ、一端が前記シール体の外周側に設けられたケーシングの内周面に固定されるとともに、他端が前記シール体の外周面の接線方向に延びて前記外周面に摺動可能に接触した板バネと、を備えることを特徴とする。
このような構成においては、シール体に対して回転軸が相対的に偏心しようとすると、その偏心方向側で、シール体と回転軸とのクリアランスが小さくなり、シール体と回転軸との間に介在する作動流体の圧力が高まる。すると、作動流体の圧力に押圧されて、シール体が偏心方向に変位する。このとき、板バネは、一端を固定端とし、他端を自由端とした片持ち梁状に弾性変形し、シール体の偏心方向への変位を許容する。これにより、回転軸の偏心を許容しつつ、シール体が追従して変位することで、回転軸とシール体とのクリアランス変動を抑えることができる。
そして、回転軸の偏心が収まると、板バネの弾性変形が復元し、シール体を偏心方向と反対方向に押圧して、元の状態に戻す。
また、このようなシール装置は、板バネを用いているので、コントローラ等も不要であり、クリアランス変動に対するレスポンス性も高い。
また、前記板バネと前記シール体の外周面との間に、前記板バネと前記シール体との前記接線方向への相対移動を許容しつつ、前記板バネと前記シール体との、前記回転軸の軸方向への相対変位を拘束する変位拘束部をさらに備えるようにしてもよい。
シール体に対して回転軸が径方向に相対的に偏心しようとしたときに、板バネが弾性変形すると、板バネの他端におけるシール体の外周面との接触部位においては、板バネとシール体との間で、シール体の接線方向への相対移動が生じる。変位拘束部によれば、この板バネとシール体との接線方向への相対移動は許容される。
一方、板バネに対してシール体が軸方向に相対的に変位しようとしたときには、変位拘束部によりシール体の変位が拘束される。これにより、例えば、シール体の内周面と回転軸の外周面とにそれぞれ凹凸が形成された、いわゆるラビリンスシールである場合に、シール体側の凹凸と、回転軸側の凹凸とが干渉してしまうのを防ぐことができる。
また、本発明に係る回転機械は、軸線回りに回転する回転軸と、前記回転軸を囲むケーシングと、上記したようなシール装置と、を備えることを特徴とする。
このような構成により、回転軸の偏心を許容しつつ、シール体が追従して変位することで、回転軸とシール体とのクリアランス変動を抑えることができる。
本発明のシール装置、回転機械によれば、板バネにより回転軸とシール体とのクリアランス変動に伴い発生するクリアランス内の作動流体の回転軸周りの周方向における圧力の不均一化を抑制することで、軸受特性の変化を抑え、更にはこれらに起因する回転軸の振動を確実に抑えることができる。
しかも、シール装置は、板バネを用いるので非常に安価であり、クリアランス変動に対するレスポンス性も高い。
本実施形態に係る回転機械の一例としての蒸気タービンの構成を示す図である。 第1の実施形態に係るシール装置の概略構成を図であり、回転軸の軸線に沿った方向の断面図である。 図2のシール装置の回転軸の軸線に直交した断面図である。 第2の実施形態に係るシール装置の概略構成を図であり、回転軸の軸線に沿った方向の半断面図である。 図3のシール装置の要部を示す拡大断面図である。 第3の実施形態に係るシール装置の概略構成を断面図である。 回転軸が偏心したときに発生する荷重の方向の変化を模式的に示した図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の実施形態に係る蒸気タービン(回転機械)100について説明する。
図1に示すように、蒸気タービン100は、蒸気Sのエネルギーを回転動力として取り出す外燃機関であって、発電所における発電機等に用いられるものである。
蒸気タービン100は、タービンケーシング(ケーシング)90と、該タービンケーシング90を貫通するように軸線Oに沿って延びる回転軸30と、タービンケーシング90に保持された静翼40と、回転軸30に設けられた動翼70と、回転軸30を軸線O回りに回転可能に支持する軸受部60とを備えている。
なお、軸受部60は、ジャーナル軸受1及びスラスト軸受62を備えており、回転軸30を回転可能に支持している。
回転軸30は、動翼70が設けられた中間部がタービンケーシング90内に収容され、両端部がタービンケーシング90に形成された貫通孔91、92を通して、外部に突出し、軸受部60により回転可能に支持されている。
タービンケーシング90の内外におけるシール性を保つため、回転軸30の外周面と、貫通孔91、92の内周面との間には、シール装置Aが設けられている。
図2、図3に示すように、シール装置Aは、回転軸30の外周面に対向する環状のシール体41と、シール体41とタービンケーシング90との間に、周方向に間隔をあけて複数設けられた板バネ43Aと、を備えている。
シール体41は、内周面に、回転軸30の外周面30fに対向する複数のフィン42を有している。これらのフィン42は、回転軸30の軸線方向に沿って配列されている。
シール体41は、外周面に、外周側に向けて突出し、周方向に連続する断面T字状の突条45を備えている。この突条45は、タービンケーシング90の貫通孔91,92の内周面90fから外周側に向けて形成された、シール体支持空間93により支持されているシール体支持空間93とシール体41との間には、回転軸30の軸方向および径方向にそれぞれクリアランスが形成されている。シール体41は、このクリアランスの範囲内で移動可能となっている。
板バネ43Aは、一端43bがシール体41の外周側に設けられたタービンケーシング90のシール体支持空間93の内周面93fに固定されている。板バネ43Aは、他端43cがシール体41の外周面41fに摺動可能に接触している。板バネ43Aは、一端43bから他端43cにかけての全長が、外周面41fの接線方向に延びるよう設けられている。
板バネ43Aは、その板厚方向をシール体41の径方向に一致させて設けられている。
板バネ43Aは、その剛性が、回転軸30とシール体41との間を流れる流体の圧力でも弾性変形し得るように、予め解析等に設定されている。板バネ43Aの剛性は、板厚、長さ、材質等を適宜選択することによって調整することができる。
ここで、板バネ43Aは、シール体41の周方向に等間隔で設けられているのが好ましい。また、板バネ43Aは、少なくとも3枚設けられているのが好ましい。
さらに、シール装置Aの構造物としての異方性をなくすため、板バネ43Aを複数枚設ける場合、シール体41を挟んで径方向に対称に設けられているのが好ましい。
これらのことから、板バネ43Aを例えば4枚設ける場合には、90°ピッチで等間隔に設け、例えば8枚設ける場合には45°ピッチで等間隔に設けるのが好ましい。
このような構成のシール装置Aにおいては、蒸気タービン100の作動中に、何らかの原因でシール体41に対して回転軸30が相対的に偏心しようとすると、その偏心方向前方側で、シール体41と回転軸30とのクリアランスが小さくなる。すると、シール体41と回転軸30との間に介在する作動流体(蒸気)の圧力が高まる。これにより、例えば図3中に二点鎖線で示すように、高まった作動流体の圧力に押圧されて、シール体41が偏心方向に変位する。このとき、板バネ43Aは、一端43bを固定端とし、他端43cを自由端とした片持ち梁状に弾性変形し、シール体41の偏心方向への変位を許容する。また、シール体41が偏心方向に変位し、板バネ43Aが弾性変形することによって、板バネ43Aの他端43cは、シール体41との接触点における接線方向に沿って、シール体41の外周面41fと摺動する。
このようにして、回転軸30の偏心を許容しつつ、シール体41が回転軸30に追従して変位することで、回転軸30とシール体41とのクリアランス変動を抑えることができる。
そして、回転軸30の偏心が収まると、板バネ43Aの弾性変形が復元し、シール体41を偏心方向と反対方向に押圧して、元の状態に戻す。
ここで、例えば、図3中に二点鎖線で示したように、回転軸30の偏心によりシール体41が、板バネ43Aの他端43cに直交する方向(図3の例では上方)に変位した場合、このシール体41に対して直交して位置する他の板バネ43A(図3の例では紙面左右の板バネ43A)においては、シール体41は、板バネ43Aの表面に沿って摺動し、弾性変形しない。
シール体41の変位方向は、板バネ43Aの他端43cに直交する方向とは限らない。シール体41が、板バネ43Aの他端43cに対して斜めに変位した場合は、変位方向前方に位置する複数枚の板バネ43Aが変位する。このとき、各板バネ43Aにおいては、他端43cに直交する方向のシール体41の変位成分に応じて弾性変形し、他端43cの表面に沿った方向のシール体41の変位成分は摺動することで変位を許容するようになっている。
上述したような構成によれば、シール体41とタービンケーシング90との間に、複数枚の板バネ43Aを設けることによって、回転軸30の偏心が生じたときにはシール体41が回転軸30に追従して変位する。これにより、回転軸30とシール体41とのクリアランスの不均一を抑えることができ、周方向における作動流体の圧力分布を均一化することができる。それに伴い、軸受に作用する荷重、およびその方向が変化することを抑えることができる。結果として、回転軸30に自励振動が生じたり、振動が大きくなる事象を防ぐことができ、蒸気タービン100の運転を安定して行うことが可能となる。
ここで、板バネ43Aを用いているので、コントローラ等も不要であり、構造が簡素となる。さらに、板バネ43Aを用いていることで、クリアランス変動に対するレスポンス性も高い。したがって、低コストで上記効果を得ることができる。
また、各板バネ43Aは、他端43cに直交する方向のシール体41の変位成分に応じて弾性変形し、他端43cに沿った方向のシール体41の変位成分は許容するようになっている。
ここで、板バネ43Aに代えてコイルスプリングを用いることが考えられる。コイルスプリングを用いた場合、コイルスプリングは、シール体41の変位成分に応じて伸縮する方向に弾性変形する。コイルスプリングにおいて、板バネ43Aの他端43cに沿った方向と同じ方向のシール体41の変位成分が入力された場合、コイルスプリングは捩れるように撓む。すると、この撓んだコイルスプリングによっても、シール体41の変位に対して反発力を伝達してしまい、シール体41の変位が過度に抑えられてしまう。
そこで、コイルスプリングが横方向に撓まないよう、バネ剛性を高めることも考えられる。しかしコイルスプリングのバネ剛性を高めると、コイルスプリングの伸縮方向の弾性変形特性も変わってしまい、回転軸30の偏心時にシール体41が変位しにくくなるため、好ましくない。
これに対し、本実施径のごとく板バネ43Aを用いれば、板バネ43Aは、他端43cに沿った方向のシール体41の変位成分は許容する。したがって、板バネ43Aにより、無駄なく効率的にシール体41と回転軸30とのクリアランス変動を抑えることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係るシール装置、回転機械の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
本実施形態においては、基本的な構成は上記第1の実施形態と同様である。本実施形態の上記第1の実施形態に対する差異は、板バネの他端と回転軸との接触部分の構成のみである。したがって、以下においては、板バネの他端と回転軸の接触部分を中心に説明を行う。
図4、図5に示すように、本実施形態のシール装置Aにおいては、板バネ43Bは、一端43bがシール体41の外周側に設けられたタービンケーシング90のシール体支持空間93の内周面93fに固定されている。板バネ43Bは、他端43cがシール体41の外周面41fに摺動可能に接触している。板バネ43Bは、一端43bから他端43cにかけての全長が、外周面41fの接線方向に延びるよう設けられている。
そして、板バネ43Bとシール体41の外周面41fとの間に、板バネ43Bとシール体41との接線方向への相対移動を許容しつつ、板バネ43Bとシール体41との、回転軸30の軸方向への相対変位を拘束する変位拘束部50が設けられている。
変位拘束部50は、板バネ43Bの他端43cにおいて、シール体41の外周面41fに対向する側に形成された溝51と、シール体41の外周面41fに形成された凸部52と、を備えている。
溝51は、板バネ43Bの長手方向に沿って連続して形成されている。凸部52は、板バネ43Bの溝51内に挿入され、溝51に沿った方向に相対移動可能とされている。本実施形態において、溝51および凸部52は、断面T字状とされて、互いに噛み合っている。
ここで、溝51および凸部52の断面形状は、所用の機能を果たすことができるのであれば、他のいかなる形状としてもよい。
このような構成によれば、溝51内で、凸部52が溝51の連続する方向に沿って移動可能となっている。これにより、シール体41が径方向に変位したときの板バネ43Bの弾性変形にともなう、板バネ43Bとシール体41との接線方向への相対移動が許容される。
また、シール体41を板バネ43Bに対して、回転軸30の軸方向に変位させようとすると、凸部52が溝51に干渉することで、シール体41の変位が拘束される。
これにより、例えば、シール体41の内周面に形成されたフィン42が、回転軸30側と干渉してしまうのを防ぐことができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係るシール装置、回転機械の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第3の実施形態においては、上記第1、第2の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態のシール装置Aにおいては、板バネ43Cは、一端43bがシール体41の外周側に設けられたタービンケーシング90のシール体支持空間93の内周面93fに固定されている。板バネ43Cは、他端43cがシール体41の外周面41fに摺動可能に接触している。板バネ43Cは、一端43bと他端43cとの間で、Z字状に屈曲して形成されている。そして、他端43cの部分が、外周面41fの接線方向に延びるよう設けられている。
上述したような構成によれば、板バネ43Cが、平板帯状の板バネ43Aに比較し、シール体41の変位に対する追従性が高くなる。これにより、回転軸30とシール体41とのクリアランスの不均一化を、より有効に抑えることができる。それに伴い、軸受に作用する荷重、およびその方向が変化することを抑えることができる。結果として、回転軸30に自励振動が生じたり、振動が大きくなる事象を防ぐことができ、蒸気タービン100の運転を安定して行うことが可能となる。
(その他の実施形態)
なお、本発明のシール装置、回転機械は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、板バネ43A〜43Cの設置枚数は4枚に限らない。3個以上であれば、いかなる枚数としてもよい。
また、上記第2の実施形態において、変位拘束部50として、板バネ43Bに溝51を形成し、シール体41に凸部52を形成したが、これに限らない。板バネ43Bに凸部を形成し、シール体41に溝を形成してもよい。
さらに、上記のような軸受を備えた回転機械は、蒸気タービンに限らず、ガスタービン、ポンプ、エンジン、風力発電機、風車、水車等であってもよい。また、作動流体は実施形態で説明した蒸気に限られず、回転機械の種類に応じてその他のガス、あるいは液体であってもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
30 回転軸
40 静翼
41 シール体
41f 外周面
42 フィン
43A〜43C 板バネ
43b 一端
43c 他端
50 変位拘束部
51 溝
52 凸部
60 軸受部
70 動翼
90 タービンケーシング(ケーシング)
91,92 貫通孔
93 シール体支持空間
93f 内周面
100 蒸気タービン(回転機械)
A シール装置

Claims (3)

  1. 回転軸の外周面に対向する環状のシール体と、
    周方向に間隔をあけて複数設けられ、一端が前記シール体の外周側に設けられたケーシングの内周面に固定されるとともに、他端が前記シール体の外周面の接線方向に延びて前記外周面に摺動可能に接触した板バネと、
    を備えることを特徴とするシール装置。
  2. 前記板バネと前記シール体の外周面との間に、前記板バネと前記シール体との前記接線方向への相対移動を許容しつつ、前記板バネと前記シール体との、前記回転軸の軸方向への相対変位を拘束する変位拘束部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
  3. 軸線回りに回転する回転軸と、
    前記回転軸を囲むケーシングと、
    請求項1または2に記載のシール装置と、
    を備えることを特徴とする回転機械。
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