JP2015105471A - 坑井掘削用pdcカッターおよび坑井掘削用pdcビット - Google Patents

坑井掘削用pdcカッターおよび坑井掘削用pdcビット Download PDF

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Abstract

【課題】硬質で不均質な地層における坑井の掘削に用いても欠損や摩耗が生じ難い坑井掘削用PDCカッターを提供する。【解決手段】軸線回りに回転されるビット本体の先端部に取り付けられて、ビット本体の回転力と軸線方向先端側への推力とによる切削作用によって坑井を掘削する坑井掘削用PDCカッターであって、少なくとも多結晶ダイヤモンド層16と超硬合金層17とを有するカッター本体11を備え、ビット本体の回転方向Tに向けられるすくい面12と軸線方向先端側に向けられる逃げ面13との交差稜線部に凸曲線状をなす切刃15が形成され、多結晶ダイヤモンド層16は切刃15を含む逃げ面13側の領域に配設されるとともに、超硬合金層17は多結晶ダイヤモンド層16よりもすくい面12の内側の領域に配設される。【選択図】図6

Description

本発明は、坑井掘削用のビットに取り付けられて石油、天然ガス、地熱流体などの採掘に用いられる坑井掘削用PDCカッター、および該坑井掘削用PDCカッターを取り付けた坑井掘削用PDCビットに関するものである。
石油や天然ガスの採掘では、1970年代に開発された多結晶ダイヤモンド(Polycrystalline Diamond。PCDと称する。)の焼結体(Polycrystalline Diamond Compact。PDCと称する。)をカッター(刃体)とするPDCビットと呼ばれる掘削工具が普及している。その理由は、図21に示すようなPCD層1と超硬合金(WC−Co)層2から構成される円板状のPDCカッター3をビット本体に取り付けたPDCビットが大幅な掘削能率と経済性の向上に貢献しているからである。非特許文献1によると、2010年におけるPDCビットの総掘削長は、石油・天然ガスの開発のために掘削された坑井の総掘削長の65%を占めていると報告されている。総掘削長の35%はローラコーンビットを用いて掘削されたものである。
PDCカッターは、一般に数十ミクロン程度の微細な単結晶人造ダイヤモンド粒子と、粉末状のコバルトを含むタングステンカーバイトとを積層しておいて、温度が1500〜1600℃、圧力が5〜6万気圧程度の高温・高圧下において焼結製造される。焼結の際は、コバルトが触媒として機能するため、ダイヤモンド粒子間の結合が生じて寸法が大きな多結晶体のPDCカッターを製造できる。
図21に示したような一般的なPDCカッター3の厚さt3は約3.5mm、PCD層1の厚さt1は約0.5〜1.0mm、超硬合金層2の厚さt2は約3mmで、PDCカッター3の直径は約8〜50mmである。図22に示す断面図のように、一般にPCD層1と超硬合金層2は平面で接合されているが、図23に示すように接合面を凹凸にして接合強度を向上させることにより、超硬合金層2からのPCD層1の剥離を防止する技術も開発されている(例えば、特許文献1参照)。
PDCビットは、所要個数のPDCカッター3をビット本体にろう付け接合して製作される。図24に示すように、ビット本体4の先端部には、PDCカッター3と同一形状をしたポケット5が形成されており、ポケット5の背面とPDCカッター3の背面の超硬合金層2とがろう材によって接合される。こうしてPDCカッター3がビット本体4に接合されたPDCビットは、その中心軸線回りに回転されつつ該軸線方向先端側(図24の下側)に送り出され、回転力と先端側への推力とによる切削作用によって岩石6を破壊して坑井を掘削する。図24に符号Tで示すのはビット本体4の回転によるPDCカッター3の回転方向(切削方向)である。
ここで、図25を用いて、このようなPDCカッター3による岩石6の切削様式について説明すると、上記PDCカッター3では、回転方向Tを向いて切削作用のすくい面7となる円板面が、逃げ面8となる外周面との交差稜線部の切削作用の切刃9となる部分も含めてPCD層1となっており、耐摩耗性に優れたPCD層1によって岩石6を切削して破壊する。その一方で、ビット本体4と接合されるPDCカッター3の背面は耐衝撃性に優れた超硬合金層2によって支持されており、PDCカッター3の折損や破損が容易に生じない構造となっている。さらに、PDCカッター3の特徴としては、寸法が大きな刃体を提供できることや単結晶ダイヤモンドの欠点である劈開性がないことも挙げられる。
このようなPDCカッター3を刃体とするPDCビットは、比較的軟質で均質な地層が多い油田・ガス田において多用され、上述のように坑井掘削の効率向上やコスト削減に大いに寄与している。しかしながら、硬質で不均質な地層の掘削では、PDCカッター3の破損や摩耗が生じるなどの問題点を有している。
このPDCカッターが有する問題点について説明すると、図25に拡大して示したように、一般に上記すくい面7と逃げ面8とが切刃9において直角に交差するPDCカッター3による岩石6の切削では、逃げ面8に作用する切削抵抗を小さくして効率的に岩石6を掘削するために、すくい面7にすくい角αが設定される。このすくい角αとしては、切削抵抗が小さい−10〜−15°程度が採用されている(例えば、非特許文献2参照)。このとき、逃げ面8には10〜15°の逃げ角βが生じる。
この状態で岩石6を切削すると、すくい面7先端の切刃9付近のPCD層1には切削抵抗の分力として、図25に矢線で示すようにビット本体の軸線に平行に後端側に向かう垂直力Vと、この垂直力Vに直角に回転方向Tの後方側に向かう水平力Hが作用する。上述のようにPCD層1はすくい面7に垂直な方向には超硬合金層2によって支持されているが、すくい角αを設けることによってすくい面7先端の切刃9付近のPCD層1には、図25に示すように水平力Hが作用する方向に超硬合金層2によって支持されない部分が生じる。
岩石6が硬くなると、切刃9に作用する垂直力Vと水平力Hが大きくなるので、先端の切刃9付近におけるPCD層1に大きな剪断力が作用して、超硬合金層2により支持されていない部分にチッピングと呼ばれるPCD層1の欠損が生じ易くなる。一旦、PCD層1にチッピングが生じると、この部分から摩耗が拡大し始める。
図26に示すようにPCD層1の摩耗が進行して摩耗面10が広がり始めると、同じ掘削速度を維持するためにはPDCカッター3を岩石6中に圧入させて送り出すための荷重(推力)Pを増大させなければならない。荷重Pの増大は、逃げ面8の摩耗面10に作用する垂直力Vを増大させるので、摩耗面10に作用する摩擦抵抗も増大させ、その結果、摩耗面10が急速に拡大するという悪循環を生じる。特に、摩耗面10が超硬合金層2にまで拡大すると荷重Pを一層増大させなければならず、遅からずPDCカッター3およびPDCビットが寿命に達してしまう。非特許文献3によれば、岩石6の切削における逃げ面8の摩耗面10の動摩擦係数は0.6程度と大きいが、摩耗面10の摩擦抵抗を有効に減少させる手段は見出されていない。
米国特許第8297382号明細書
Federico Bellin et al.:The current state of PDC bit thchnology, World Oil, Sept., 2010, p.41-46. 唐澤廣和、他2名「PDCビットの性能に及ぼすレーキ角の影響」資源・素材学会誌107(1991)No.12第853頁−第858頁 速水博秀、他3名「岩石切削における摩耗抵抗の影響」日本鉱業会誌/91 1044(1975−2)第55頁−第59頁
本発明は、このような背景の下になされたもので、硬質で不均質な地層における坑井の掘削に用いても欠損や摩耗が生じ難い坑井掘削用PDCカッターおよび坑井掘削用PDCビットを提供して、従来の坑井掘削用PDCカッターおよび坑井掘削用PDCビットの適用範囲である軟質岩掘削のみならず、硬質岩掘削においても掘削能率の向上とコスト削減を図ることを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の坑井掘削用PDCカッターは、軸線回りに回転されるビット本体の先端部に取り付けられて、上記ビット本体の回転力と上記軸線方向先端側への推力とによる切削作用によって坑井を掘削する坑井掘削用PDCカッターであって、少なくとも多結晶ダイヤモンド(PCD)層と超硬合金層とを有するカッター本体を備え、上記ビット本体の回転方向に向けられる上記カッター本体のすくい面と上記軸線方向先端側に向けられる逃げ面との交差稜線部に凸曲線状をなす切刃が形成され、上記多結晶ダイヤモンド層は上記切刃を含む上記カッター本体の逃げ面側の領域に配設されるとともに、上記超硬合金層は上記多結晶ダイヤモンド層よりも上記カッター本体のすくい面の内側の領域に配設されていることを特徴とする。
また、本発明の坑井掘削用PDCビットは、このような構成の本発明の坑井掘削用PDCカッターが、軸線回りに回転されるビット本体の先端部に、上記カッター本体のすくい面を上記ビット本体の回転方向に向けるとともに、上記カッター本体の逃げ面を上記軸線方向先端側に向けて取り付けられていることを特徴とする。
本発明の坑井掘削用PDCカッターにおいては、PCD層(多結晶ダイヤモンド層)がカッター本体の切刃を含む逃げ面側の領域に配設されるとともに、超硬合金層はこのPCD層よりもカッター本体のすくい面の内側の領域に配設されているので、このようなPDCカッターを上述のように取り付けた本発明のPDCビットでは、上記切刃の先端からビット本体の周方向に沿ったカッター本体の断面において、逃げ面側の領域のPCD層はビット本体の軸線方向に対向する方向に延びるように配設され、このPCD層の後端側にすくい面の内側領域の超硬合金層が配設されることになる。
すなわち、すくい面先端の切刃付近に垂直力が作用する方向に向けてカッター本体のPCD層と超硬合金層とが重なり合って積層されることになるので、逃げ面の摩耗によりPDCカッターを岩石中に圧入させるための荷重(推力)を増大させても、この荷重の増大に伴う垂直力による摩耗面の拡大を、耐摩耗性に優れたPCD層によって抑制することができる。また、増大した垂直力による衝撃も、PCD層の軸線方向後端側に配設された超硬合金層によって吸収することができるので、切刃付近のPCD層の破損やチッピングを抑えることが可能となるとともに、逃げ面に占めるPCD層の面積を大きくすることもできるため、逃げ面の摩耗自体も抑制することができる。
ここで、上記PCD層と超硬合金層との間には、これらPCD層と超硬合金層との中間層が配設されていてもよい。PCDと超硬合金とが混在したこのような中間層をPCD層と超硬合金層との間に介装することにより、垂直力による衝撃を一層確実に緩和することができるとともに、摩耗が中間層に達してもその進行を抑制することが可能となる。
また、上記PCD層における上記超硬合金層側の境界部、とりわけ上記PCD層のすくい面内側の境界部を曲面状とすることにより、このPCD層と超硬合金層、あるいはPCD層と上記中間層との接合面積を大きくして、PCD層の剥離を防止することができる。この場合の曲面は、上記切刃に沿った方向に曲折する曲面状でもよく、また図23に示したように波状に凹凸する曲面状として接合面積を一層大きく確保することにより、接合強度をさらに高めるようにしてもよい。
さらに、上記カッター本体を円板状に形成して、その円板面を上記すくい面とするとともに該円板面の円周に上記切刃を形成し、上記PCD層は上記カッター本体の外周面の全周に配設することにより、例えば超硬合金層部分をろう付けにより接合してカッター本体をビット本体に取り付けた場合に、ビット本体先端側に位置した切刃に摩耗等が生じたときには、ろう付け接合面を加熱して摩耗していない鋭利な切刃部分がビット本体先端側に位置するように取り付け直すことで、カッター本体の有効利用を図ることができる。
なお、こうしてカッター本体の超硬合金層部分をろう付けしてビット本体に取り付ける場合には、融点700℃以下のろう材によってビット本体に接合されるのが望ましく、これによりろう付けの際の加熱によってPCD層の多結晶ダイヤモンドが炭化してしまうのを避けることができる。
一方、上記カッター本体の逃げ面を、上記切刃から離間する方向に向けて凸曲する凸曲面をなすように形成することにより、この逃げ面に所定の逃げ角を与えながらもすくい角は小さくすることができ、岩石の切削の際にカッター本体に作用する抵抗の低減を図ることができる。そして、特にこの場合には、上記PCD層も、上記切刃から離間する方向に向けて凸曲する層状をなすように形成することにより、すくい面先端の切刃付近におけるPCD層の水平力が作用する方向への厚みを大きくすることができるので、切刃付近のPCD層の破損やチッピングを一層確実に防止することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、PDCカッターを岩石中に圧入させるための荷重を増大させても摩耗面の拡大を抑えることができ、硬質で不均質な地層においても掘削能率の向上を図りつつ、PDCカッターの寿命延長によって掘削に要するコストを削減することが可能となる。
本発明のPDCカッターの第1の実施形態を示す、すくい面に対向する方向から見た正面図である。 図1に示す実施形態の側面図である。 図1におけるZZ断面図である。 図1に示す第1の実施形態のPDCカッターを取り付けた本発明のPDCカッターの第1の実施形態を示す正面図である。 図4に示す実施形態の先端部の断面図である。 図4に示す実施形態に取り付けられたPDCカッターにより掘削を行う場合を示す断面図である。 図1に示す第1の実施形態のPDCカッターを取り付けた本発明のPDCカッターの第2の実施形態を示す正面図である。 図7に示す実施形態の先端部の断面図である。 本発明のPDCカッターの第2の実施形態を示す、すくい面に対向する方向から見た正面図である。 図9に示す実施形態の側面図である。 図9におけるZZ断面図である。 図9に示す実施形態のPDCカッターにより掘削を行う場合の一例を示す断面図である。 図9に示す実施形態のPDCカッターにより掘削を行う場合の他の一例を示す断面図である。 本発明のPDCカッターの第3の実施形態を示す側面図である。 本発明のPDCカッターの第4の実施形態を示す、すくい面に対向する方向から見た正面図である。 図15に示す実施形態の側面図である。 図15におけるZZ断面図である。 本発明のPDCカッターの第5の実施形態を示す側面図である。 本発明のPDCカッターの第6の実施形態を示す側面図である。 本発明のPDCカッターの第7の実施形態を示す、すくい面に対向する方向から見た正面図である。 従来のPDCカッターを示す斜視図である。 図21に示すPDCカッターの断面図である。 従来の他のPDCカッターを示す断面図である。 図21に示すPDCカッターにより掘削を行う場合の一例を示す断面図である。 図21に示すPDCカッターにより掘削を行う場合の切刃の先端部分の拡大断面図である。 図25に示した状態から摩耗が進行した場合を示す切刃の先端部分の拡大断面図である。
図1ないし図3は、本発明の坑井掘削用PDCカッターの第1の実施形態を示すものであり、図4ないし図6は、この第1の実施形態のPDCカッターを取り付けた本発明の坑井掘削用PDCビットの第1の実施形態を示すものである。本実施形態のPDCカッターは、そのカッター本体11が円板状をなし、すくい面12とされる第1の円形面と、逃げ面13とされる外周面と、PDCビットへの接合面14とされる第2の円形面とを備えていて、すくい面12と逃げ面13との交差稜線部である第1の円形面の外周縁に円周状の凸曲線をなす切刃15が形成されている。本実施形態では、逃げ面13とされる外周面は外径が一定の円筒面状とされており、すくい面12とされる第1の円形面と切刃15において直角に交差しているとともに、接合面14とされる第2の円形面とも直角に交差している。
そして、このPDCカッターは、多結晶ダイヤモンド焼結体よりなるPCD層16と、WC−Co等の超硬合金よりなる超硬合金層17とを少なくとも備えており、このうちPCD層16は切刃15を含むカッター本体11の逃げ面13側の領域に配設されるとともに、超硬合金層17はこのPCD層16よりもすくい面12の内側の領域に配設されている。すなわち、PCD層16は、カッター本体11の逃げ面13の少なくとも切刃15が形成されたすくい面12側の領域と、この切刃15からすくい面12の内側に所定の範囲の領域とに露出するように配設され、超硬合金層17は、すくい面12においてこのPCD層16よりも内側の領域に露出している。
本実施形態では、PCD層16は、逃げ面13とされるカッター本体11の外周面の全体に露出して、この外周面からカッター本体11の径方向内周側に略一定の厚さをなす円筒状とされており、従ってすくい面12とされる第1の円形面には切刃15から内周側に略一定の幅の環状に配設されるとともに、接合面14とされる第2の円形面にもその外周縁からすくい面12と同じ略一定の幅で環状に配設されて、PCD層16における超硬合金層17側の境界部は円筒面状の曲面とされている。また、超硬合金層17は円板状をなして、このPCD層16の内側に同軸に配置される。
また、本実施形態では、これらPCD層16と超硬合金層17との間に、これらPCD層16と超硬合金層17との中間層18が配設されている。すなわち、この中間層18はPCD層16のダイヤモンド粒子と超硬合金層17のWC等の超硬合金粒子の双方を含むものであって、これらの粒子がCo等の金属バインダーにより結合している。この中間層18も、本実施形態ではPCD層16および超硬合金層17と同軸の円筒状とされ、これらPCD層16、超硬合金層17、および中間層18を上述したような高温・高圧下において一体に焼結することにより、本実施形態のカッター本体11が製造される。
さらに、本実施形態では、この中間層18は第1、第2の複数の中間層18A、18Bにより構成されている。これら複数の中間層18A、18Bでは、含有されるダイヤモンド粒子と超硬合金粒子の質量比、ダイヤモンド粒子や超硬合金粒子の粒子サイズ(粒径範囲)、金属バインダーの添加割合(100×(金属バインダー質量)/(ダイヤモンド粒子質量+超硬合金粒子質量))、金属バインダーの組成、および厚さのうち少なくとも1つが、互いに、あるいはPCD層16や超硬合金層17と異なるものとされている。本実施形態では、PCD層16側の第1中間層18Aが超硬合金層17側の第2中間層よりも含有されるダイヤモンド粒子と超硬合金粒子の質量比が大きく、すなわちPCD含有量が多くなっている。なお、中間層18は3層以上であってもよく、単層であってもよく、また中間層18が無くてもよい。
このように構成された第1の実施形態のPDCカッターのカッター本体11は、図4ないし図6に示すようなビット本体21の先端部に取り付けられて本発明の第1の実施形態のPDCビットを構成し、坑井の掘削に用いられる。このビット本体21は鋼材等の金属により形成されて外形が概略円柱状または円盤状をなしており、本実施形態のPDCビットは、この円柱または円盤の中心を通る軸線O回りに所定の回転方向Tに回転されつつ、該軸線O方向先端側(図5および図6における下側)に送り出されて前進させられることにより、これら軸線O回りの回転力と軸線O方向先端側への推力とによるPDCカッターの切刃15の切削作用で岩石を破壊して掘削を行う。
ビット本体21の先端面の中央部には、軸線Oを中心とした凹円錐状をなして先端面の外周部から後端側に凹む凹所22が形成されており、この凹所22にはノズル23が開口していて、このノズル23から掘削時に圧縮空気や水等の流体を噴出することにより、破壊された岩石を坑井から排出する。また、この上記凹所22も含めたビット本体21の先端面には、ビット本体21の先端部が1/4球状または縦割り砲弾状に盛り上がるようにして、その平面部分を回転方向Tに向けるとともに曲面部分を回転方向T後方側に向けた複数の凸部24が形成されており、これらの凸部24の上記平面部分の回転方向T側にはビット本体21の先端面から凹むポケット(凹部)25がそれぞれ形成されている。
図5に示したビット本体の形状は凹状をなしているが、平坦でも凸状でも構わない。
凸部24の上記平面部分から延びるポケット25の回転方向Tを向く背面25Aは、カッター本体11の上記接合面14と同じ大きさの円形平坦面とされ、軸線O方向後端側に向かうに従い回転方向T側に向かうように傾斜している。このようなポケット25に、第1の実施形態のPDCカッターのカッター本体11は、上記接合面14に露出した超硬合金層17が背面25Aにろう付けされることにより、その切刃15の一部(例えば切刃15がなす円の1/2)を上記凹所22も含めたビット本体21の先端面から突出させ、すくい面12を回転方向Tに向けるとともに突出した切刃15に連なる逃げ面13を軸線O方向先端側に向けて取り付けられる。
ここで、背面25Aが上述のように傾斜していることにより、すくい面12も軸線O方向後端側に向かうに従い回転方向T側に向かうように傾斜して、例えば−10°程度の負のすくい角(バックレーキ角)αがすくい面12に設定される。また、すくい面12と逃げ面13とが切刃15において直角に交差している本実施形態のPDCカッターでは、すくい面12の軸線O方向先端において交差する逃げ面13部分に10°程度の逃げ角βが設定される。さらに、本実施形態のPDCビットでは、すくい面12がビット本体21の外周側に向かうに従い回転方向Tの後方側に向かうように傾斜させられており、これによってすくい面12には図4に示すようにやはり−10°程度の負のサイドレーキ角θが設定される。
なお、上記複数の凸部24およびポケット25と、これらのポケット25に取り付けられるPDCカッターのカッター本体11とは、ビット本体21の周方向および径方向に間隔をあけてずらされるとともに、上記ノズル23を避けるようにして配設されている。こうしてずらされて配設された複数のカッター本体11の突出した切刃15は、図5に示すようにビット本体21の軸線O回りの回転軌跡において径方向に連続しており、これによって坑井の底面は全体的に満遍なく掘削される。
上記構成のPDCカッターにおいては、PCD層16がカッター本体11の切刃15を含む逃げ面13側の領域に配設されるとともに、超硬合金層17はこのPCD層16よりもすくい面12の内側領域に配設されており、このようなPDCカッターが、上述のようにすくい面12を回転方向Tに向けるとともに、突出した切刃15に連なる逃げ面13を軸線O方向先端側に向けて取り付けられたPDCビットでは、図6に示すように切刃15の先端からビット本体21の周方向に沿ったカッター本体11の断面において、逃げ面13側の領域のPCD層16は軸線O方向に対向する方向に延び、このPCD層16の軸線O方向後端側に超硬合金層17が配設されることになる。
すなわち、図25に示した従来のPDCビットのようにPDCカッターのPCD層1が掘削の際に垂直力Vの作用する方向に略沿うように配設されているのに対して、上記構成のPDCカッターおよびPDCビットでは、図6に示すように垂直力Vが作用する方向に向けてPCD層16と超硬合金層17とが重なり合って積層されるように配設されることになる。このため、逃げ面13に摩耗が生じた際にPDCカッターを岩石6に圧入させるための荷重(推力)を増大させても、この荷重の増大に伴う垂直力Vの増大による摩耗面の拡大を、耐摩耗性に優れたPCD層16によって抑制することができる。
また、こうして垂直力Vの増大に伴い軸線O方向後端側に向けての衝撃が増大しても、上記構成のPDCカッターおよびPDCビットでは、逃げ面13側の領域のPCD層16の軸線O方向後端側に耐衝撃性に優れる超硬合金層17が配設されることによって衝撃を吸収することができるので、切刃15付近のPCD層16の破損やチッピングを抑えることもできる。さらに、本実施形態のように逃げ面13の全体にPCD層16を配設するなど、逃げ面13に占めるPCD層16の面積を大きくすることもできるので、逃げ面13の摩耗自体も抑制することができる。
従って、このようなPDCカッターおよびPDCビットによれば、従来の比較的軟質かつ均質な地層における坑井掘削は勿論のこと、硬質で不均質な地層における硬質岩掘削においても、耐摩耗性に優れたPCD層16に形成された切刃15によって掘削能率の向上を図るとともに、PDCカッター寿命の延長により掘削コストの削減を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、PCD層16と超硬合金層17との間に、これらPCD層16と超硬合金層17との中間層18が配設されており、すなわちこの中間層18では、PCD含有量は超硬合金層17よりも多くなる一方で、超硬合金含有量はPCD層16よりも多くなる。すなわち、PCD層16より耐衝撃性に優れるとともに超硬合金層17よりは耐摩耗性に優れる中間層18が介装されることになるので、上述した垂直力Vによる衝撃を一層確実に緩和することができるとともに、摩耗が中間層18に達してもその進行を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態では、PCD層16における超硬合金層17側の境界部、すなわちPCD層16と中間層18との境界部が円筒面とされて曲面状とされており、例えばこの境界部が円板状のカッター本体11の径方向に垂直な平面状とされている場合などに比べ、PCD層16と中間層18との接合面積を大きくしてPCD層16の剥離を防止することができる。また、こうしてPCD層16における超硬合金層17側の境界部を曲面状とすることにより、中間層18と超硬合金層17との境界部も曲面状とすることができるので、中間層18から剥離が生じるのも防止することができる。なお、このような境界部を、例えば図23に示したように波状に凹凸する曲面状とすれば接合面積を一層大きく確保して接合強度をさらに高めることができる。また、中間層18が無い場合は、PCD層16と超硬合金層17との境界部を曲面状とすればよい。
さらにまた、上記第1の実施形態のPDCカッターでは、カッター本体11が円板状に形成されていて、その第1の円形面がすくい面12とされるとともに、この第1の円形面の円周に切刃15が形成され、PCD層16はこのカッター本体11の外周面の全周に配設されている。このため、第1の実施形態のPDCビットのように接合面14とされる第2の円形面の超硬合金層17をろう付けによりビット本体21に接合した場合に、ビット本体21の先端側に突出した切刃15に摩耗が生じて寿命となったときには、この接合面14を加熱することによりろう材を融かしてカッター本体11を取り外し、摩耗していない鋭利な切刃15がビット本体21の先端側に位置するようにカッター本体11を回転させて取り付け直すことができ、カッター本体11の有効利用を図ってさらにコストの削減を促すことができる。
しかも、本実施形態では、逃げ面13とされる外周面が接合面14とされる第2の円形面とも直角に交差しているとともに、PCD層16はこれら外周面と第2の円形面との交差稜線部を含む第2の円形面の逃げ面13側の領域にも配設され、また超硬合金層17はこのPCD層16よりも第2の円形面の内側の領域に配設されていて、すなわちカッター本体11が表裏反転対称とされている。従って、すくい面12とされた第1の円形面の全周の切刃15が摩耗したときには、やはりカッター本体11をビット本体21から取り外し、必要に応じて第1、第2の円形面を研磨した後に第2の円形面をすくい面12とするとともに第1の円形面を接合面14としてビット本体21に取り付け直すことにより、この第2の円形面の円周を切刃15として使用することができ、一層経済的である。
なお、こうしてカッター本体11の接合面14の超硬合金層17をろう付けしてビット本体21に取り付ける場合には、ろう付けに用いるろう材としては融点700℃以下のものが望ましい。このような融点でろう付けが可能であれば、ろう付けの際の加熱によってPCD層16の多結晶ダイヤモンドが炭化してしまうのを避けることができる。
また、上記第1の実施形態のPDCビットでは、ビット本体21が円柱状あるいは円板状に形成されていて、その先端面に第1の実施形態のPDCカッターが取り付けられているが、例えば図7および図8に示す本発明の第2の実施形態のPDCビットのようにビット本体21が円筒状あるいは円環状をなしていて、その先端面に上記PDCカッターが取り付けられた、いわゆるコアビットあるいはリングビットの構成とされていてもよい。なお、この第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する要素には同一の符号を配してある。
この第2の実施形態のPDCビットでは、環状をなすビット本体21の先端面に、ビット本体21の周方向に向けて先端面外周側と内周側に交互にカッター本体11が取り付けられている。外周側に取り付けられたカッター本体11のすくい面12には第1の実施形態と同様に−10°程度の負のサイドレーキ角θが設定され、内周側に取り付けられたカッター本体11のすくい面12にも−10°程度の負のサイドレーキ角θが設定されている。これら内外周のカッター本体11も、図8に示すように軸線O回りの回転軌跡においてビット本体21先端側に突出した切刃15が径方向に重なり合っている。
次に、図9ないし図11は、本発明のPDCカッターの第2の実施形態を示すものであり、この第2の実施形態を初め、以降に説明する第3ないし第7の実施形態のPDCカッターにおいても、第1の実施形態のPDCカッターと共通する要素には同一の符号を配してある。
上記第1の実施形態のPDCカッターでは、円板状のカッター本体11の逃げ面13とされる外周面が一定の外径で、すくい面12および接合面14とされる第1、第2の円形面に直角に交差していたのに対し、この第2の実施形態のPDCカッターでは、円板状のカッター本体11の逃げ面13とされる外周面が、すくい面12とされる第1の円形面との交差稜線部に形成される切刃15から離間する方向(図10および図11において右から左に向かう方向)に向けて凸曲する断面円弧等の凸曲面をなすように形成されていることを特徴とする。ここで、第2の実施形態における逃げ面13は、上記切刃から離間する方向に向けて凸曲しつつその外径が漸次小さくなるように形成されており、従って接合面14とされる第2の円形面はすくい面12とされる第1の円形面よりも小径となる。
また、この第2の実施形態では、このように逃げ面13が凸曲しているのに伴い、該逃げ面13に露出するPCD層16、およびその内側の領域の中間層18(第1、第2中間層18A、18B)と、さらに内側の超硬合金層17の外周側境界部も、図11に示すように同様に切刃15から離間する方向に向けて凸曲する層状をなすようにされて、径が漸次小さくなるように配設されている。ただし、この第2の実施形態では、PCD層16や中間層18の厚さは略一定とされている。
図12は、このような第2の実施形態のPDCカッターをPDCビットに取り付けたときの一例を示すものであるが、第2の実施形態のPDCカッターでは、上述のように逃げ面13が切刃15から離間する方向に向けて凸曲する凸曲面状をなしていて、特に外径が漸次小さくなるようにされているため、図12に示すようにすくい面12のすくい角αを第1の実施形態よりも絶対値で小さく設定しても逃げ面13にある程度の逃げ角βを与えることができる。なお、図12ではすくい角αが0°とされている。また、カッター本体11は第1の実施形態と同様に接合面14に露出した超硬合金層17がろう付けされてPDCビットに取り付けられる。
従って、このような第2の実施形態のPDCカッターおよび該PDCカッターを取り付けたPDCビットでは、すくい角αを小さくすることができるので、岩石6の切削の際に作用する抵抗を低減することができる。このため、PDCカッターの摩耗をさらに抑制して一層の長寿命化によるコスト削減を図ることができる。なお、切刃15におけるすくい面12と逃げ面13との交差角は、第1の実施形態と同じく直角でも、また鋭角であってもよいが、たとえ鋭角とされていても、本発明のPDCカッターは上述したように切削作用によって岩石6を破壊するものであって、例えばローラコーンビットやパーカッションビットに取り付けられるチップのように垂直力(荷重)の載荷と除荷が繰り返し行われるものではないので、欠損やチッピングの発生を抑制することができる。
また、この第2の実施形態では、こうして逃げ面13が凸曲しているのに併せて、該逃げ面13に露出するPCD層16も切刃15から離間する方向に向けて凸曲する層状をなしているので、従来のPDCカッターや第1の実施形態のPDCカッターと同様、図13に示すように負のすくい角αをすくい面12に設定した場合でも、これら従来のPDCカッターや第1の実施形態のPDCカッターと比べて、すくい面12先端の切刃15付近におけるPCD層16の水平力が作用する方向への厚みWnを大きくすることができる。このため、切刃15付近のPCD層16を背面側から強固に支持することができて、その破損やチッピングを一層確実に防止することが可能となるとともに、逃げ面13の摩耗もより効果的に抑制することができる。
さらに、この第2の実施形態では、PCD層16における超硬合金層17側の境界部が、第1の実施形態と同様に切刃15に沿って湾曲する曲面状とされているのに加えて、切刃15から離間する方向にも湾曲する曲面状とされるので、中間層18との接合面積をさらに大きく確保してPCD層16の剥離を一層確実に防止することができる。これは、中間層18と超硬合金層17との境界部についても同様である。
なお、これら第1、第2の実施形態のPDCカッターでは、カッター本体11が円板状に形成されていて、接合面14とされる第1の円形面に露出した超硬合金層17がろう付けされてPDCビットに取り付けられるが、図14に側面図を示す第3の実施形態のようにカッター本体11が略半球状等に形成されていて、その球面等の凸曲面状をなす背面が超硬合金層17とされており、この背面の超硬合金層17を接合面14としてろう付けすることによってカッター本体11をPDCビットに取り付けるようにしてもよい。
ここで、この第3の実施形態において、すくい面12とされる円形面(第1、第2の実施形態における第1の円形面)側のPCD層16、超硬合金層17、および中間層18の構成は第2の実施形態と同様である。また、このようなPDCカッターが取り付けられるPDCビットのビット本体21においては、上記接合面14の超硬合金層17が接合させられるポケット25の背面25Aが、カッター本体11の背面がなす球面等の凸曲面が密着可能な凹曲面状に形成される。
従って、このような第3の実施形態のPDCカッターによれば、接合面14とビット本体21との接合面積を第1、第2の実施形態のPDCカッターよりも大きく確保することができ、その接合強度の向上を図ることが可能となる。なお、第1の実施形態のPDCカッターにおいて、上記第2の円形面の直径と等しい直径の半球状等の超硬合金層17を該第2の円形面側に設けて、この半球状等の超硬合金層17を接合面14としてビット本体21に接合するようにしてもよい。
さらに、図15ないし図17は、本発明のPDCカッターの第4の実施形態を示すものであり、第1ないし第3の実施形態ではすくい面12が円形面とされていて、PCD層16および中間層18がこの円形面の径方向に略一定の厚さに配設されていたのに対し、この第4の実施形態を初めとして、図18ないし図20に示す第5ないし第7の実施形態では、すくい面12が図15に示すような長円形面(ただし、図15では長軸方向に1/2とされた長円)、または図20に示すような楕円形面(ただし、図20では長軸方向に1/2とされた楕円)とされて、その凸曲線をなす辺稜部が切刃15とされ、この切刃15が延びる方向にPCD層16および中間層18の厚さが異なる厚さとされている。
具体的に、第4ないし第6の実施形態では、切刃15が図15に示すように半円状とされていて、この半円の中央部ですくい面12に露出するPCD層16および中間層18(第1、第2中間層18A、18B)の厚さが最も厚く、切刃15の両端部に向かうに従い漸次薄くなっている。また、第7の実施形態では、切刃15が図20に示すように半楕円状とされて、やはりこの半楕円の中央部でPCD層16および中間層18が最も厚く、両端部に向かうに従い漸次薄くなっている。
なお、第4ないし第6の実施形態では、図16ないし図19に示すように逃げ面13が第2、第3の実施形態と同様、切刃15から離間する方向に向けて凸曲する球面等の凸曲面状に形成されている。そして、この逃げ面13に沿って切刃15から離間する方向においても、図17に示す断面図のようにPCD層16および中間層18(第1、第2中間層18A、18B)の厚さは、切刃15側において最も厚く、切刃15から離間するに従い漸次薄くなっている。
また、第4ないし第7の実施形態では、切刃15とは反対側の超硬合金層17部分よりなるカッター本体11の側面19がすくい面12に垂直な平坦面とされて、この側面19とカッター本体11の背面に露出する超硬合金層17部分、および側面19の両端から切刃15の両端に延びる側面20に露出した超硬合金層17がろう付けされてPDCビットに取り付けられる。ここで、図15に示す側面19から垂直に切刃15の上記中央部に向けた方向のすくい面12における超硬合金層17部分の長さLは、ビット本体21の形状に合わせて任意に設定することができる。
このような第4ないし第7の実施形態では、PDCビットに取り付けたときにその先端側に最も突出して岩石の切削に使用される切刃15の上記中央部において、PCD層16の厚さが最も厚くされているので、高価なPCDの有効利用を図りつつチッピングや欠損を効果的に防ぐことができる。また、上記長さLを大きくすることにより、図15ないし図19に破線で示すように側面20や背面の超硬合金層17部分を大きくしてビット本体21への接合面積も大きくすることができるので、カッター本体11とビット本体21とのより強固な接合を可能とすることもできる。
なお、図18に示す第5の実施形態では、第3の実施形態と同様に切刃15の裏側のカッター本体11の背面に、超硬合金層17よりなる球面等の凸曲面状の部分が形成されている。また、図19に示す第6の実施形態では、この第5の実施形態の背面の超硬合金層17の一部がすくい面12に平行に切り欠かれて、背面の平坦な接合面14が大きくされている。このような第5、第6の実施形態では、ビット本体21のポケットの寸法、形状を、露出した超硬合金層17に合わせて形成することにより、第4の実施形態よりもさらに大きな接合面積を確保することができる。
次に、本発明のPDCカッターのPCD層および中間層について、実施例を挙げて説明する。この実施例では、PCD層と中間層とで、中間層の数、含有されるダイヤモンド粒子と超硬合金粒子の質量比、ダイヤモンド粒子や超硬合金粒子の粒子サイズ(粒径範囲)および含有率、超硬合金粒子の粒子サイズおよびその含有率、金属バインダーの組成、金属バインダーの添加割合(100×(金属バインダー質量)/(ダイヤモンド粒子質量+超硬合金粒子質量))、および各層の厚さを表1〜表5に示すように設定した。
表1は第1実施例を示すものである。この第1実施例では、中間層がPCD層から超硬合金層に向けて順に第1ないし第3中間層の3層であり、この順にダイヤモンド粒子と超硬合金粒子(WC粒子)の質量比が小さくなっており、すなわち含有されるダイヤモンド粒子が少なく、超硬合金粒子は多くなっている。また、第3中間層は第1、第2中間層よりも薄くなっている。
Figure 2015105471
表2は第2実施例を示すものである。この第2実施例でも、中間層がPCD層から超硬合金層に向けて順に第1ないし第3中間層の3層であり、この順にダイヤモンド粒子と超硬合金粒子(WC粒子)の質量比が小さくなっているとともに、含有されるダイヤモンド粒子のサイズも小さくなっている。また、金属バインダー(Co)の添加割合はPCD層から第1ないし第3中間層の順に増えており、第3中間層は第1実施例と同様に第1、第2中間層よりも薄くなっている。
Figure 2015105471
表3は第3実施例を示すものである。この第3実施例では、PCD層のダイヤモンドが2種類の粒子サイズのものによって構成されている。また、中間層は第1中間層のみの単層であり、この中間層において金属バインダーがFeおよびCoとされている。さらに、金属バインダーの添加割合もPCD層より中間層の方が僅かに多い。
Figure 2015105471
表4は第4実施例を示すものである。この第4実施例でも、第3実施例と同様にPCD層のダイヤモンドが2種類の粒子サイズのものによって構成されているとともに、中間層は第1中間層のみの単層であり、この中間層において金属バインダーがCoおよびFeとされている。そして、この第4実施例では、中間層の超硬合金粒子がTaCとされるとともに、PCD層の金属バインダーはNiとされている。
Figure 2015105471
表5は第5実施例を示すものである。この第5実施例では、中間層が第1、第2中間層の2層であるとともに、PCD層にも超硬合金粒子(WC粒子)が含有されており、PCD層から第1、第2中間層の順にダイヤモンド粒子と超硬合金粒子の質量比が小さくなっている。なお、含有されるダイヤモンドおよびWCの粒子サイズは各層同じで、金属バインダーの添加割合も等しい。ただし、PCD層の金属バインダーはCo、中間層の金属バインダーはFeおよびCoである。
Figure 2015105471
以上説明したように、本発明は、従来のPDCカッターおよびPDCビットが適用できる軟質で均質な地層の石油・天然ガス等の開発に加えて、従来のPDCカッターおよびPDCビットでは経済性の低い硬質で不均質な地層の石油・天然ガス開発、あるいは地熱開発や鉱山開発、および土木・建築分野にも利用することができる。
11 カッター本体
12 すくい面
13 逃げ面
14 接合面
15 切刃
16 PCD層
17 超硬合金層
18 中間層
18A 第1中間層
18B 第2中間層
19、20 側面
21 ビット本体
22 凹所
23 ノズル
24 凸部
25 ポケット
25A ポケット25の背面
O ビット本体21の軸線
T ビット本体21の回転方向
α すくい角(バックレーキ角)
β 逃げ角
θ サイドレーキ角
V 垂直力
H 水平力
P 荷重

Claims (9)

  1. 軸線回りに回転されるビット本体の先端部に取り付けられて、上記ビット本体の回転力と上記軸線方向先端側への推力とによる切削作用によって坑井を掘削する坑井掘削用PDCカッターであって、
    少なくとも多結晶ダイヤモンド層と超硬合金層とを有するカッター本体を備え、
    上記ビット本体の回転方向に向けられる上記カッター本体のすくい面と上記軸線方向先端側に向けられる逃げ面との交差稜線部に凸曲線状をなす切刃が形成され、
    上記多結晶ダイヤモンド層は上記切刃を含む上記カッター本体の逃げ面側の領域に配設されるとともに、上記超硬合金層は上記多結晶ダイヤモンド層よりも上記カッター本体のすくい面の内側の領域に配設されていることを特徴とする坑井掘削用PDCカッター。
  2. 上記多結晶ダイヤモンド層と超硬合金層との間には、これら多結晶ダイヤモンド層と超硬合金層との中間層が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の坑井掘削用PDCカッター。
  3. 上記多結晶ダイヤモンド層における上記超硬合金層側の境界部は、曲面状をなしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の坑井掘削用PDCカッター。
  4. 上記カッター本体は円板状に形成されて、その円形面が上記すくい面とされるとともに該円形面の円周に上記切刃が形成され、上記多結晶ダイヤモンド層は上記カッター本体の外周面の全周に配設されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の坑井掘削用PDCカッター。
  5. 上記カッター本体の逃げ面は、上記切刃から離間する方向に向けて凸曲する凸曲面をなしていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の坑井掘削用PDCカッター。
  6. 上記多結晶ダイヤモンド層は、上記切刃から離間する方向に向けて凸曲する層状をなしていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の坑井掘削用PDCカッター。
  7. 請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の坑井掘削用PDCカッターが、軸線回りに回転されるビット本体の先端部に、上記カッター本体のすくい面を上記ビット本体の回転方向に向けるとともに、上記カッター本体の逃げ面を上記軸線方向先端側に向けて取り付けられていることを特徴とする坑井掘削用PDCビット。
  8. 上記切刃の先端から上記ビット本体の周方向に沿った上記カッター本体の断面において上記多結晶ダイヤモンド層は上記軸線方向に対向する方向に延びるように配設されていることを特徴とする請求項7に記載の坑井掘削用PDCビット。
  9. 上記カッター本体は、上記超硬合金層が融点700℃以下のろう材によって上記ビット本体に接合されて取り付けられていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の坑井掘削用PDCビット。
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