JP6543297B2 - Pdcビット - Google Patents

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本発明は、PDCビットに関する。
従来、PDC(Polycrystalline Diamond Compact)のカッターを備えた回転掘削ビット(PDCビット)において、ビットボディの摩耗を低減し、掘削穴の径を維持するためのゲージカッターを備えたものが知られている(例えば特許文献1,2参照)。
米国特許出願公開第2008/0190670号明細書 米国特許出願公開第2013/0292186号明細書
従来のPDCビットでは、掘削穴壁面との衝撃を緩和するために、ゲージカッターに大きなバックレーキ角を持たせていた。例えば特許文献1にはバックレーキ角を40°〜70°とすることが開示され、特許文献2にはバックレーキ角を70°〜85°とすることが開示されていた。しかし、単にバックレーキ角を調整するだけでは、バックレーキ角を小さくするとチッピングが発生しやすくなり、バックレーキ角を大きくすると掘削効率が低下するため、実質的に掘削効率は向上していなかった。
本発明は、バックレーキ角を小さくしてもチッピングを生じにくく、掘削効率を向上できるPDCビットを提供することを目的の一つとする。
本発明の一態様によれば、中心軸周りに回転可能なビットボディと、前記ビットボディの外周面に固定されたゲージカッターとを備え、前記ゲージカッターのバックレーキ角は20°以上25°以下であり、前記ゲージカッターは、超硬合金層と、前記超硬合金層上に積層された多結晶ダイヤモンド層とを有し、前記多結晶ダイヤモンド層は、平均粒径15μm以上60μm以下のダイヤモンド粒子の焼結体からなり、前記多結晶ダイヤモンド層は、円板の一部を直線状に切り欠いた形状を有し、前記ゲージカッターは、前記多結晶ダイヤモンド層の直線状の切り欠き部を前記ビットボディの径方向外側に向けた状態で前記ビットボディに固定され、前記直線状の切り欠き部の長さが1mm以上である、PDCビットが提供される。
この構成によれば、ゲージカッターの多結晶ダイヤモンド層として、平均粒径が15μm以上60μm以下と比較的粒径の大きいダイヤモンド粒子を用いたことで、多結晶ダイヤモンド層における耐衝撃性が向上する。これにより、ゲージカッターのバックレーキ角を従来より小さい20°以上25°以下に設定してゲージカッターの加工効率を上昇させたときにも、長時間にわたってゲージカッターに欠損を生じることなく掘削することができる。したがって本発明によれば、バックレーキ角を小さくしてもチッピングを生じにくく、掘削効率を向上できるPDCビットを提供することができる。
前記多結晶ダイヤモンド層は、平均粒径20μm以上40μm以下のダイヤモンド粒子の焼結体からなる構成としてもよい。
前記多結晶ダイヤモンド層は、円板の一部を直線状に切り欠いた形状を有し、前記ゲージカッターは、前記多結晶ダイヤモンド層の直線状の切り欠き部を前記ビットボディの径方向外側に向けた状態で前記ビットボディに固定され、前記直線状の切り欠き部の長さが1mm以上である構成としてもよい。
前記直線状の切り欠き部の長さが2mm以上である構成としてもよい。
前記直線状の切り欠き部の長さが前記多結晶ダイヤモンド層の円板径の95%以下である構成としてもよい。
前記ゲージカッターの直径が11mm以上16mm以下である構成としてもよい。
石油、天然ガス、又は地熱流体の採掘に用いられる坑井掘削用ビットである構成としてもよい。
本発明によれば、バックレーキ角を小さくしてもチッピングを生じにくく、掘削効率を向上できるPDCビットが提供される。
図1は、実施形態のPDCビットの斜視図である。 図2は、実施形態のPDCビットを軸方向から見た平面図である。 図3は、実施形態のPDCビットの断面図である。 図4は、フェースカッターの斜視図である。 図5は、ゲージカッターの斜視図である。 図6は、ゲージカッターの取り付け状態を示す説明図である。 図7は、試験時のビット荷重の変化を示したグラフである。
図1は、本実施形態のPDCビットの斜視図である。図2は、本実施形態のPDCビットを軸方向から見た平面図である。図3は、本実施形態のPDCビットの断面図である。
本実施形態は、本発明の構成をリーミングビットに適用した例である。
本実施形態のPDCビット10は、図1〜3に示すように、軸線Oを中心とする概略有底円筒状のビットボディ11を有する。ビットボディ11は、一般的には、スチール又はマトリックス材(WC+Co,Ni,Fe等)からなる。本実施形態のビットボディ11は、マトリクス材のビットボディである。
ビットボディ11は、後端側(図1及び図3において下側)に、所定外径の円筒状のスカート部12を有し、先端側(図1及び図3において上側)にスカート部12よりも大きい外径を有するリーミング部13と、リーミング部13から先端側に突出するパイロット部14と、を有する。リーミング部13は、掘削時の切れ刃となるフェースカッター15及びゲージカッター20を有する。
スカート部12は、後端部に、軸線Oを中心とする雄ねじ部12aを有する。雄ねじ部12aは、スカート部12の後端側に向かって先細り形状のテーパーねじである。雄ねじ部12aに対して、図示しない掘削ロッドの先端が螺合される。ビットボディ11は、掘削ロッドを介して削岩機から伝播される軸方向先端側への推力及び打撃力と、掘削時の回転方向Tへの軸回りの回転力とにより、フェースカッター15及びゲージカッター20によって岩盤を破砕して掘削し、予め形成された小径の掘削孔を拡孔する。
ビットボディ11は、雄ねじ部12aの後端側の端面に開口し、軸線Oに沿ってビットボディ11の先端側へ延びるブロー孔16を有する。ブロー孔16は、図3に示すように、パイロット部14の小径部14Aにおいて中心から放射状に8方向に分岐する。分岐したブロー孔16は、小径部14Aの外周面に開口する。
パイロット部14は、リーミング部13の先端面に連続する小径部14Aと、小径部14Aの先端に連続し、小径部14Aよりも大きい外径を有する大径部14Bとを有する。小径部14A及び大径部14Bは、それぞれ、軸線Oを中心とする円板状である。したがって、パイロット部14は、小径部14Aと大径部14Bとからなる多段の円柱状である。大径部14Bは、リーミング部13よりも小径、かつスカート部12よりも大径の外径を有する。
リーミング部13は、軸方向の先端側から見てパイロット部14の径方向外側に位置する先端面13Aと、先端面13Aの外周端から後端側へ延びる概略円筒状の外周面13Bと、外周面13Bの後端からテーパー状に延びる後端面13Cとを有する。
先端面13Aは、全体が外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜する環状の凸曲面である。先端面13Aには、複数個のフェースカッター15が固定される。外周面13Bには複数のゲージカッター20が固定される。
リーミング部13には、図2及び図3に示すように、先端面13Aからリーミング部13の後端面13Cにわたって軸方向に延びる複数条(本実施形態では8条)の排出溝17が設けられる。排出溝17は掘削時に繰り粉及び削孔水を後端側へ排出する溝である。それぞれの排出溝17は凹曲面状である。8条の排出溝17はリーミング部13の周方向に等間隔に配置される。それぞれの排出溝17の上方には、ブロー孔16の開口部が配置される。排出溝17の回転方向Tを向く側面17Aに、フェースカッター15及びゲージカッター20が側面の外形に沿って並んで配置される。本実施形態の場合、先端面13Aが凸曲面であるため、掘削チップも先端面13Aの外形に沿う凸曲線に倣って配置される。一方、外周面13Bに設けられるゲージカッター20は、軸方向に沿って直線状に並んで配置される。
図4は、フェースカッター15の斜視図である。図5は、ゲージカッター20の斜視図である。
フェースカッター15及びゲージカッター20としては、円板状のPDCカッターを用いることができる。本実施形態のフェースカッター15とゲージカッター20は、いずれも、多結晶ダイヤモンド層1と超硬合金層2の積層体である。PDCカッターは、例えば、単結晶人造ダイヤモンド粒子と、粉末状のコバルトを含むタングステンカーバイトとを積層した後、温度が1500〜1600℃、圧力が5〜6万気圧程度の高温・高圧下において焼結することで製造できる。
本実施形態では、フェースカッター15は、図4に示す円板状であるが、ゲージカッター20は、図5に示すように、円板を直線状に切り欠いた形状である。ゲージカッター20は、図1に示すように、直線状の切り欠き部1Aをビットボディ11の径方向外側に向けた状態で固定される。直線状の切り欠き部1Aと軸線Oとは概ね平行である。
なお、ゲージカッター20として、図4に示す円板状のPDCカッターを用いることもできる。フェースカッター15として図5に示す切り欠き部を有するPDCカッターを用いることもできる。
フェースカッター15及びゲージカッター20は、リーミング部13に設けられる取り付け座22にロウ付け接合される。取り付け座22は、少なくとも、フェースカッター15又はゲージカッター20の裏面(超硬合金層2側の端面)とロウ付け接合される支持面を有する。取り付け座22は、フェースカッター15及びゲージカッター20の側面とロウ付け接合される曲面を有していてもよい。
フェースカッター15及びゲージカッター20において、多結晶ダイヤモンド層1の厚さは、例えば0.5mm〜1.0mm、超硬合金層2の厚さは、例えば2〜5mmである。
本実施形態において、多結晶ダイヤモンド層1は、平均粒径が15μm以上60μm以下のダイヤモンド粒子の焼結体である。ダイヤモンド粒子の平均粒径が15μm未満である場合、多結晶ダイヤモンド層1にチッピングを生じやすくなる。一方、平均粒径が60μmを超えると、多結晶ダイヤモンド層1の角部1Bを鋭利に仕上げることが困難になり、掘削効率が低下する。
多結晶ダイヤモンド層1を構成するダイヤモンド粒子の平均粒径は、20μm以上40μm以下であることが好ましい。平均粒径を上記範囲とすることで、耐衝撃性と掘削効率を両立できるPDCカッターとすることができる。
フェースカッター15及びゲージカッター20の直径Dは、例えば8mm以上50mm以下であり、9mm以上16mm以下であることが好ましい。直径Dが8mm未満では十分なロウ付け面積を確保しづらく、接着強度が不足する場合がある。直径Dが16mmを超える場合、PDCカッターが高価になる一方で、掘削効率はあまり向上しなくなる。
なお、ゲージカッター20のように直線状の切り欠き部1Aを有する場合、PDCカッターの直径Dは、円板部分の直径である。
ゲージカッター20は、直線状の切り欠き部1Aを有することで、掘削孔の壁面に対して切り欠き部1Aで線接触する。これにより、円板状のPDCカッターを用いる場合と比較して、掘削孔との接触面積が広くなり、多結晶ダイヤモンド層1にチッピングを生じにくくなる。
直線状の切り欠き部1Aの長さLは1mm以上であれば、チッピングを抑制する効果を得ることができる。十分なチッピング抑制効果を得るには、長さLは2mm以上であることが好ましい。一方、長さLがゲージカッター20の直径Dの95%を超える場合、円板の面積の1/3以上が切り欠かれることになるため、十分なロウ付け面積を確保しにくくなり、接着強度が不足する場合がある。
図6は、ゲージカッター20の取り付け状態を示す説明図である。図6は、ゲージカッター20の軸方向位置におけるビットボディ11の横断面(軸線Oに直交する断面)を示した模式図である。図6に示すように、ゲージカッター20は、ビットボディ11の径方向基準線Jに対して、所定の負のラジアルレーキ角(バックレーキ角β)を成す姿勢で取り付けられる。
ゲージカッター20は、バックレーキ角βが20°以上25°以下となる姿勢でビットボディ11に固定される。バックレーキ角βが20°未満の場合、上述したチッピングを生じにくいPDCカッター(平均粒径が15μm以上60μm以下のダイヤモンド粒子の焼結体を備えるPDCカッター)を用いたとしても、十分にチッピングを抑制できない。一方、バックレーキ角βが25°を超える場合、ゲージカッター20は破損しにくくなるが、十分な掘削効率を得られない。
なお、ゲージカッター20は、5〜20°程度の負のアキシャルレーキ角を有する姿勢で取り付けられていてもよい。
以上に説明した本実施形態のPDCビット10によれば、ビットボディ11の側面に配置されるゲージカッター20として、平均粒径15μm以上60μm以下のダイヤモンド粒子の焼結体からなる多結晶ダイヤモンド層を備えたPDCカッターを用いたことで、ゲージカッター20における耐衝撃性を向上させることができる。これにより、ゲージカッター20のバックレーキ角を20°以上25°以下の小さい角度に設定した場合でもチッピングを抑制することができる。その結果、バックレーキ角が40°〜85°に設定されていた従来のPDCビットと比較して、掘削効率が大きく向上する。
PDCビット10においてゲージカッター20が摩耗又は欠損すると、ビットの加工径が小さくなり、掘削孔が細くなる。PDCビット10の直上には、通常スタビライザーが設置されており、スタビライザーと掘削孔の内面が接触する程度にまで掘削孔が細くなると、PDCビット10を交換しなければならない。この点、本実施形態のPDCビット10では、ゲージカッター20が破損しにくいため、長時間にわたってビットの加工径を維持できる。これにより、掘削孔が細くなるまでの時間が長くなり、PDCビット10の交換周期(寿命)が長くなる。
なお、本実施形態では、PDCビットの一形態として、リーミングビットを例示して説明したが、パイロットビットであってもよい。
以上に説明した本実施形態のPDCビット10は、石油、天然ガス、又は地熱流体を採掘する坑井掘削用ビットとして好適に用いることができる。
本実施形態のPDCビット10では、ゲージカッター20が破損しにくいことから、常に掘削孔の壁面にゲージカッター20が接触する斜坑や横坑の掘削においても、長時間にわたって高効率に掘削を行うことができる。また、硬質な地層を含む場合にも、PDCビット10の加工径を維持でき、掘削孔が細くなりにくい。
したがって、従来よりPDCビットが有用であるとされてきた油田・ガス田の採掘に加えて、斜坑や横坑の掘削が必要なシェールオイル、シェールガスの掘削や、硬質で不均質な地層が多い地熱流体の掘削においても好適に用いることができる。
より詳細には、石油掘削では主に砂岩、泥岩のような比較的軟らかいもの(1軸圧縮強度、UCS:120MPa)が対象となるが、地熱掘削では中硬岩(UCS:180MPa)や、場合によっては超硬岩(UCS:280)までが掘削対象となる。従来技術では上記のような軟岩では高効率な掘削が対応できるが、超硬岩を効率よく掘削するためには、比較的小さいバックレーキ角が必要である。
また近年では掘削効率を上げるために、ビット回転は従来の50〜60RPM(ケリー、トップドライブを使用)よりも、マッドモーター(ダウンホールモーター)を使用することで150〜300RPMという高い回転数で使用されることも多くなる。
これらの用途において、本実施形態のPDCビット10は、好適に使用することができる。
次に、本発明のPDCビットについて、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。
(第1実施例)
第1実施例では、ゲージカッターに好適なPDCカッターの多結晶ダイヤモンド層について検証した。
表1に示す粒径のダイヤモンド粒子を用いた試験例1−1〜1−5のPDCカッターを作製した。PDCカッターの直径は8.2mm、厚さは3.5mm(多結晶ダイヤモンド層0.7mm、超硬合金層2.8mm)とした。なお、表1に示すダイヤモンド粒子の粒径と平均粒径は、ダイヤモンド粉末の状態で、レーザー回折・散乱法により測定した値である。
試験例1−1〜1−5のPDCカッターを、カッターを8個取り付け可能なコアリングビットに取り付け、下記の条件で試験切削を行った。
掘削速度:7cm/min
回転数 :100rpm
掘進長 :100m以上
掘削に使用される岩石:稲田花崗岩、UCS=224MPa
Figure 0006543297
表1に示すように、粒径の大きいダイヤモンド粒子を用いた試験例1−1のPDCカッターは、試験例1−2のPDCカッターと比較して、耐摩耗性及び耐衝撃性のいずれにおいても優れた結果が得られた。特に、耐衝撃性については、試験例1−1と試験例1−2とで顕著な差があった。具体的には、試験例1−2では、4個とも大きなチッピングが発生したのに対して、試験例1−1では、大きなチッピングが発生したのは1個のみであり、もう1個のチッピングは非常に軽微なものであった。
試験例1−3では、比較的大きいダイヤモンド粒子(平均粒径が55μm)を用いてPDCカッターを作製した。そのため、鋭利な切れ刃を形成しにくくなり、試験例1−1と比較すると掘削効率がやや低下した。このことは、最大荷重が50kNとやや大きくなっており、一定の掘削速度を維持するのに、試験例1−1と比較して高荷重でビットを押しつける必要があることから確認できる。
一方、試験例1−3では、摩耗幅自体が小さくなっていた。これは、ダイヤモンド粒子の粒径が大きいことでPDCカッターの切れ刃が丸まっており、チャンファー付きPDCカッターと同様の作用が得られたからである。
試験例1−4では、試験例1−3のPDCカッターよりもさらに粒径の大きいダイヤモンド粒子を使用した。これにより、PDCカッターの切り刃における丸まり現象が顕著となり、掘削時の荷重が70kNと大きくなった。8.5インチの全断面(パイロット)ビットでも通常は50〜100kN程度のビット荷重で使用されているため、本実施例で用いたφ66のコアビットにおいて70kNは非常に高い荷重であり、通常の倍程度の荷重である。
試験例1−5では、試験例1−1と比較してやや粒径の小さいダイヤモンド粒子を用いてPDCカッターを作製した。試験例1−5では、摩耗幅はやや大きくなったものの、掘削時のビット荷重は、小さくなっており、試験例1−1と同様の優れた結果が得られた。
(第2実施例)
第2実施例では、ゲージカッターのバックレーキ角について、好適な角度を検証した。
本実施例では、表2に示す4種類のPDCカッターをゲージカッターとして備えたリーミングビットを用意し、リーミング試験によりゲージカッターの評価を行った。
試験手順は、以下の通り。
・パイロット孔掘削:
6−1/4インチビットを用いて稲田花崗岩を掘削する。
・ビット交換:
ロッドとパイロット孔の軸を合わせたままでビットを7−5/8インチのリーミングビットに交換する。
・リーミング試験:
速度一定(回転数75rpm、掘削速度5cm/min)でパイロット孔をリーミングし、所定長さの掘削後にゲージカッターを観察。
Figure 0006543297
表2に示すように、バックレーキ角を25°、20°に設定した試験例2−1、試験例2−2のPDCビットでは、掘削後にゲージカッターが欠損せず、小さく摩耗したのみであり、十分な掘削性能が確認された。一方、バックレーキ角が20°未満である試験例2−3、2−4のPDCビットでは、ゲージカッターに欠損が生じ、その欠損箇所から摩耗が進行していた。
図7は、試験時のビット荷重の変化を示したグラフである。図7に示すように、バックレーキ角を25°、20°に設定した試験例2−1、試験例2−2のPDCビットでは、低い荷重で掘削可能であったのに対して、バックレーキ角が20°未満である試験例2−3、2−4のPDCビットでは、荷重が比較的高くなった。
1…多結晶ダイヤモンド層、1A…切り欠き部、2…超硬合金層、10…PDCビット、11…ビットボディ、13B…外周面、20…ゲージカッター、D…直径、L…長さ、O…軸線、β…バックレーキ角

Claims (6)

  1. 軸線周りに回転可能なビットボディと、前記ビットボディの外周面に固定されたゲージカッターとを備え、
    前記ゲージカッターのバックレーキ角は20°以上25°以下であり、
    前記ゲージカッターは、超硬合金層と、前記超硬合金層上に積層された多結晶ダイヤモンド層とを有し、
    前記多結晶ダイヤモンド層は、平均粒径15μm以上60μm以下のダイヤモンド粒子の焼結体からなり、
    前記多結晶ダイヤモンド層は、円板の一部を直線状に切り欠いた形状を有し、
    前記ゲージカッターは、前記多結晶ダイヤモンド層の直線状の切り欠き部を前記ビットボディの径方向外側に向けた状態で前記ビットボディに固定され、
    前記直線状の切り欠き部の長さが1mm以上である、
    PDCビット。
  2. 前記多結晶ダイヤモンド層は、平均粒径20μm以上40μm以下のダイヤモンド粒子の焼結体からなる、請求項1に記載のPDCビット。
  3. 前記直線状の切り欠き部の長さが2mm以上である、請求項1または2に記載のPDCビット。
  4. 前記直線状の切り欠き部の長さが前記多結晶ダイヤモンド層の円板径の95%以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載のPDCビット。
  5. 前記ゲージカッターの直径が11mm以上16mm以下である、請求項1からのいずれか1項に記載のPDCビット。
  6. 石油、天然ガス、又は地熱流体の採掘に用いられる坑井掘削用ビットである、請求項1からのいずれか1項に記載のPDCビット。
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