JP2015103637A - p型ZnO系半導体層、ZnO系半導体素子、p型ZnO系半導体層の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法 - Google Patents

p型ZnO系半導体層、ZnO系半導体素子、p型ZnO系半導体層の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法 Download PDF

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【課題】基準面からの高さが10nm以下の表面を有するp型ZnO系半導体層の製造方法を提供する。【解決手段】Zn、O、Mg、及びGaを供給して、Gaがドープされたn型MgxZn1−xO(0≰x≰0.6)を形成するS102a。次に、Gaドープn型MgxZn1−xO(0≰x≰0.6)上にCuを供給するS102b。ステップS102aとステップS102bを交互に繰り返して積層構造を形成するS102c。ステップS102cで形成された積層構造をアニールして、CuとGaが共ドープされたp型MgxZn1−xO(0≰x≰0.6)を形成するS102d。アニールによってp型MgxZn1−xO(0≰x≰0.6)表面に生成される突起物を、少なくとも有機酸系化合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル及び水を含むエッチング液を用いてエッチングして除去するS102e。【選択図】図9

Description

本発明は、p型ZnO系半導体層、ZnO系半導体素子、p型ZnO系半導体層の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法に関する。
酸化亜鉛(ZnO)は、室温で3.37eVのバンドギャップエネルギーを持つ直接遷移型の半導体で、励起子の束縛エネルギーが60meVと比較的大きい。また原材料が安価であるとともに、環境や人体への影響が少ないという特徴を有する。このためZnOを用いた高効率、低消費電力で環境性に優れた発光素子の実現が期待されている。
しかしZnO系半導体は、強いイオン性に起因する自己補償効果のために、p型の導電型制御が困難である。たとえばアクセプタ不純物として、N、P、As、SbなどのVA族元素、Li、Na、KなどのIA族元素、Cu、Ag、AuなどのIB族元素を用い、実用的な性能をもつp型ZnO系半導体の研究が行われている(たとえば特許文献1〜5参照)。
特開2001−48698号公報 特開2001−68707号公報 特開2004−221132号公報 特開2009−256142号公報 特許第4365530号公報
本願発明者らは、GaドープZnO単結晶層とCu層とが交互に積層されたn型ZnO系半導体構造がアニールによりp型化することを発見し、先の出願(特願2012−166837号)において、たとえばGaドープMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層とCu層とが厚さ方向に積層された構造(交互積層構造)をアニールし、CuとGaが共ドープされたp型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)層を製造する方法、更に、該p型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)層を用いてZnO系半導体素子を製造する方法を提案した。
図15は、先の出願に係るZnO系半導体素子の製造方法の概略を示すフローチャートである。
ZnO系半導体素子を製造するにあたっては、まず、基板上方にn型ZnO系半導体層を形成する(ステップS201)。次に、ステップS201で形成されたn型ZnO系半導体層上方に、Zn、O、必要に応じてMg、及びGaを供給して、Gaがドープされたn型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する(ステップS202)。ステップS202で形成された、Gaドープn型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上にCuを供給する(ステップS203)。ステップS202とステップS203を交互に繰り返して積層構造を形成する(ステップS204)。そしてステップS201〜S204で形成された半導体構造をアニールして、積層構造をp型化する(CuとGaが共ドープされたp型MgZn1−xO層とする)(ステップS205)。更に、ステップS201で形成されたn型ZnO系半導体層に電気的に接続するn側電極、及び、ステップS205で形成されたp型ZnO系半導体層(Cu、Ga共ドープp型MgZn1−xO層)に電気的に接続するp側電極を形成する。
本願発明者らは、鋭意研究を継続した結果、先の出願に係るCu、Ga共ドープp型ZnO層の表面に突起物が形成されているのを発見した。
本発明の目的は、基準面からの高さが10nm以下の表面を有するp型ZnO系半導体層、及びその製造方法を提供することである。
また、CV特性を正確に測定することが可能なp型ZnO系半導体層、及びその製造方法を提供することである。
更に、リーク電流の抑止されたZnO系半導体素子、及びその製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、(a)Cuと、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とを含むn型ZnO系半導体単結晶構造を形成する工程と、(b)前記n型ZnO系半導体単結晶構造をアニールして、Cuと前記IIIB族元素が共ドープされたp型ZnO系半導体層を形成する工程と、(c)前記p型ZnO系半導体層表面の突起物を除去する工程とを有するp型ZnO系半導体層の製造方法が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、基板上方に、n型ZnO系半導体層を形成する工程と、前記n型ZnO系半導体層上方に、p型ZnO系半導体層を形成する工程と、前記n型ZnO系半導体層に電気的に接続するn側電極、及び、前記p型ZnO系半導体層に電気的に接続するp側電極を形成する工程とを有し、前記p型ZnO系半導体層を形成する工程は、(a)Cuと、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とを含むn型ZnO系半導体単結晶構造を形成する工程と、(b)前記n型ZnO系半導体単結晶構造をアニールして、Cuと前記IIIB族元素が共ドープされたp型層を形成する工程と、(c)前記p型層表面の突起物を除去する工程とを備えるZnO系半導体素子の製造方法が提供される。
更に、本発明の他の観点によれば、(i)Cuと、(ii)B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とが共ドープされたp型ZnO系半導体層であって、基準面からの高さが10nm以下の表面を有するp型ZnO系半導体層が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、n型ZnO系半導体層と、前記n型ZnO系半導体層上方に形成されたZnO系半導体活性層と、前記ZnO系半導体活性層上方に形成されたp型ZnO系半導体層と、前記n型ZnO系半導体層に電気的に接続されたn側電極と、前記p型ZnO系半導体層に電気的に接続されたp側電極とを有し、前記p型ZnO系半導体層は単結晶層であって、(i)Cuと、(ii)B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とが共ドープされ、基準面からの高さが10nm以下の表面を有するZnO系半導体素子が提供される。
本発明によれば、基準面からの高さが10nm以下の表面を有するp型ZnO系半導体層、及びその製造方法を提供することができる。
また、CV特性を正確に測定することが可能なp型ZnO系半導体層、及びその製造方法を提供することができる。
更に、リーク電流の抑止されたZnO系半導体素子、及びその製造方法を提供することができる。
図1は、MBE装置を示す概略的な断面図である。 図2Aは、アニール前試料の概略的な断面図であり、図2Bは、交互積層構造を形成する際のZnセル、Oセル、Gaセル、及びCuセルのシャッタシーケンスを示すタイムチャートであり、図2Cは、交互積層構造54の概略的な断面図であり、図2Dは、GaドープZnO単結晶層54a及びCu層54bの概略的な断面図である。 図3Aは、アニール前試料の交互積層構造54表面、及び、アニール後試料のCu、Ga共ドープp型ZnO層表面のAFM像であり、図3Bは、写真中のA−B線に沿う断面図であり、図3Cは、アニール後試料のCu、Ga共ドープp型ZnO層と電解液とのショットキーダイオードのIV特性を示すグラフである。 図4Aは、エッチング前後における、サンプル表面のAFM像であり、図4Bは、写真中のA−B線に沿う断面図である。 図5Aは、エッチング前後における、サンプル表面のAFM像であり、図5Bは、写真中のA−B線に沿う断面図である。 図6は、BHFによるエッチング終了後における、サンプル表面近傍の1/C−V特性を示すグラフである。 図7Aは、エッチング前後における、サンプル表面のAFM像であり、図7Bは、写真中のA−B線に沿う断面図である。 図8Aは、Cu600を用いたエッチング終了後のサンプル表面と電解液とのショットキーダイオードのIV特性を示すグラフであり、図8Bは、Cu600によるエッチング終了後における、サンプル表面近傍の1/C−V特性を示すグラフである。 図9A及び図9Bは、実施例によるZnO系半導体発光素子の製造方法の概略を示すフローチャートである。 図10Aは、第1実施例による製造方法で製造されるZnO系半導体発光素子の概略的な断面図であり、図10Bは、交互積層構造5Aの概略的な断面図である。 図11は、Cu、Ga共ドープp型MgZn1−xO(0<x≦0.6)単結晶層形成時、交互積層構造を作製する際のZnセル、Mgセル、Oセル、Gaセル、及びCuセルのシャッタシーケンスの一例を示すタイムチャートである。 図12Aは、第2実施例による製造方法で製造されるZnO系半導体発光素子の概略的な断面図であり、図12Bは、活性層15の他の例を示す概略的な断面図であり、図12Cは、交互積層構造16Aの概略的な断面図である。 図13は、第3実施例による製造方法で製造されるZnO系半導体発光素子の概略的な断面図である。 図14A〜図14Dは、アニール後にエッチングを行うことで、基準面からの高さが10nm以下の表面を有し、CV特性を正確に測定することが可能なp型ZnO系半導体層を形成することのできるn型ZnO系半導体単結晶構造の例を示す概略的な断面図である。 図15は、先の出願に係るZnO系半導体素子の製造方法の概略を示すフローチャートである。
まず、ZnO系半導体層等の成長に用いられる結晶製造装置について説明する。以下に説明する実験及び実施例では、結晶製造方法として分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy; MBE)を用いる。ここでZnO系半導体は、少なくともZnとOを含む。
図1は、MBE装置を示す概略的な断面図である。真空チャンバ71内に、Znソースガン72、Oソースガン73、Mgソースガン74、Cuソースガン75、及びGaソースガン76が備えられている。
Znソースガン72、Mgソースガン74、Cuソースガン75、Gaソースガン76は、それぞれZn(7N)、Mg(6N)、Cu(9N)、及びGa(7N)の固体ソースを収容するクヌーセンセルを含み、セルを加熱することにより、Znビーム、Mgビーム、Cuビーム、Gaビームを出射する。
Oソースガン73は、たとえば13.56MHzのラジオ周波数を用いる無電極放電管を含み、無電極放電管内でOガス(6N)をプラズマ化して、Oラジカルビームを出射する。放電管材料として、アルミナまたは高純度石英を使用することができる。
基板ヒータを備えるステージ77が基板78を保持する。ソースガン72〜76は、それぞれセルシャッタを含む。各セルシャッタの開閉により、基板78上に各ビームが照射される状態と照射されない状態とを切り替え可能である。基板78上に所望のタイミングで所望のビームを照射し、所望の組成のZnO系化合物半導体層を成長させることができる。
ZnOにMgを添加することにより、バンドギャップを広げることができる。しかしZnOはウルツ鉱構造(六方晶)であり、MgOは岩塩構造(立方晶)であることから、Mg組成が高すぎると相分離を起こす。MgZnOのMg組成をxと明示するMgZn1−xOにおいて、Mg組成xはウルツ鉱構造を保つため0.6以下とするのが好ましい。なお、MgZn1−xOという表記は、x=0の場合としてMgの添加されないZnOを含む。
ZnO系半導体のn型導電性は、不純物のドープを行わなくても得られる。Ga等の不純物をドープし、n型導電性を高めることができる。ZnO系半導体のp型導電性は、p型不純物のドープにより得られる。
真空チャンバ71内に、水晶振動子を用いた膜厚計79が備えられている。膜厚計79で測定される付着速度から、各ビームのフラックス強度が求められる。
真空チャンバ71に、反射高速電子回折(reflection high energy electron diffraction; RHEED)用のガン80、及び、RHEED像を映すスクリーン81が取り付けられている。RHEED像から、基板78上に形成された結晶層の表面平坦性や成長モードを評価することができる。
結晶が2次元成長し表面が平坦なエピタキシャル成長(単結晶成長)である場合、RHEED像はストリークパターンを示し、結晶が3次元成長し表面が平坦でないエピタキシャル成長(単結晶成長)の場合、RHEED像はスポットパターンを示す。多結晶成長の場合は、RHEED像がリングパターンとなる。
次に、MgZn1−xO(0≦x≦0.6)結晶成長におけるVI/IIフラックス比について説明する。Znビームのフラックス強度をJZn、Mgビームのフラックス強度をJMg、Oラジカルビームのフラックス強度をJと表す。金属材料であるZnあるいはMgのビームは、原子、または複数個の原子を含むクラスターのZnあるいはMgを含む。原子とクラスターのいずれも結晶成長に有効である。ガス材料であるOのビームは、原子ラジカルや中性分子を含むが、ここでは結晶成長に有効な原子ラジカルのフラックス強度を考える。
結晶へのZnの付着しやすさを示す付着係数をkZn、Mgの付着しやすさを示す付着係数をkMg、Oの付着しやすさを示す付着係数をkと表す。Znの付着係数kZnとフラックス強度JZnの積kZnZn、Mgの付着係数kMgとフラックス強度JMgの積kMgMg、Oの付着係数kとフラックス強度Jの積kは、それぞれ基板の単位面積に単位時間当たりに付着するZn原子、Mg原子、及びO原子の個数に対応する。
ZnZnとkMgMgの和に対するkの比であるk/(kZnZn+kMgMg)を、VI/IIフラックス比と定義する。VI/IIフラックス比が1より小さい場合をII族リッチ条件(Mgを含まない場合は単にZnリッチ条件)、VI/IIフラックス比が1に等しい場合をストイキオメトリ条件、VI/IIフラックス比が1より大きい場合をVI族リッチ条件(あるいはOリッチ条件)と呼ぶ。
なお、Zn面(+c面)での結晶成長においては、基板表面温度が850℃以下であれば、付着係数kZn、kMg及びkを1とみなすことができ、VI/IIフラックス比をJ/(JZn+JMg)と表すことが可能である。
VI/IIフラックス比は、たとえばZnOの成長においては、以下の手順で算出することができる。Znフラックスは、水晶振動子を用いた膜厚モニタにより、室温でのZnの蒸着速度FZn(nm/s)として測定される。ZnフラックスはFZn(nm/s)からJZn(atoms/cms)に換算される。
一方、Oラジカルフラックスは、以下のように求められる。Oラジカルビーム照射条件一定(たとえばRFパワー300W、O流量2.0sccm)のもとで、Znフラックスを変化させてZnOを成長させ、ZnO成長速度のZnフラックス依存性を実験的に求める。その結果を、ZnO成長速度GZnOの近似式:GZnO=[(kZnZn−1+(k−1−1を用いてフィッティングすることにより、その条件におけるOラジカルフラックスJが算出される。こうして得られたZnフラックスJZn及びOラジカルフラックスJから、VI/IIフラックス比を算出することができる。
続いて、本願発明者らが行った実験について説明する。説明においては、アニール前の試料をアニール前試料、アニール終了後の試料をアニール後試料と記載する。
実験に用いたサンプルのアニール前試料の作製方法について説明する。図2Aに、アニール前試料の概略的な断面図を示す。
n型導電性を有するZn面ZnO(0001)基板(以下、本明細書においてZnO基板)51に900℃で30分間のサーマルクリーニングを施した後、基板51温度を300℃まで下げた。その温度(成長温度300℃)で、ZnフラックスFZnを0.17nm/s(JZn=1.1×1015atoms/cms)、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccm(J=8.1×1014atoms/cms)とし、ZnO基板51上に厚さ30nmのZnOバッファ層52を成長させた。ZnOバッファ層52の結晶性及び表面平坦性の改善のため、900℃で10分間のアニールを行った。
ZnOバッファ層52上に、成長温度を900℃、ZnフラックスFZnを0.17nm/s(JZn=1.1×1015atoms/cms)、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccm(J=8.1×1014atoms/cms)として、厚さ100nmのアンドープZnO層53を成長させた。アンドープZnO層53はn型ZnO層である。アンドープZnO層53上に、Zn、O及びGaと、Cuとを異なるタイミングで供給し、交互積層構造54を形成した。交互積層構造54の形成温度は250℃とした。
図2Bは、交互積層構造を形成する際のZnセル、Oセル、Gaセル、及びCuセルのシャッタシーケンスを示すタイムチャートである。
交互積層構造54の形成に当たっては、Znセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタを開き、Cuセルシャッタを閉じるGaドープZnO単結晶層成長工程と、Znセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタを閉じ、Cuセルシャッタを開くCu付着工程(Cu層形成工程)とを交互に繰り返した。
GaドープZnO単結晶層成長工程においては、OセルシャッタとGaセルシャッタの開閉は同時に行い、Oセルシャッタ及びGaセルシャッタの開期間の前後に、Znセルシャッタの開期間を延長する。
サンプルのアニール前試料の作製においては、Oセルシャッタ及びGaセルシャッタの1回当たりの開期間を8秒とし、Oセルシャッタ及びGaセルシャッタの開期間の前後にZnセルシャッタの開期間を1秒ずつ延長した。Znセルシャッタの1回当たりの開期間は10秒である。Znセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタがすべて開状態となる8秒間が、1回当たりのGaドープZnO単結晶層成長期間である。Cuセルシャッタの1回当たりの開期間は50秒とした。
GaドープZnO単結晶層成長工程とCu付着工程を交互に60回ずつ繰り返し、厚さ140nmの交互積層構造54を得た。GaドープZnO単結晶層成長工程でのZnフラックスFZnは0.16nm/s(JZn=1.0×1015atoms/cms)、Oラジカルビーム照射条件はRFパワー300W、O流量2.0sccm(J=8.1×1014atoms/cms)、Gaのセル温度TGaは560℃(FGaは検出下限値未満)とした。VI/IIフラックス比は0.81(Znリッチ条件)である。Cu付着工程でのCuのセル温度TCuは950℃とし、CuフラックスFCuを0.003nm/sとした。
図2Cは、交互積層構造54の概略的な断面図である。交互積層構造54は、GaドープZnO単結晶層54aとCu層54bが交互に積層された積層構造を有し、n型導電性を示す。
GaドープZnO単結晶層54aの厚さは2.3nm程度、Cu層54bの厚さ(Cuの付着厚さ)は1原子層以下、たとえば約1/20原子層である。この場合、GaドープZnO単結晶層54a表面のCu被覆率は5%程度となる。
図2Dに、GaドープZnO単結晶層54a及びCu層54bの概略的な断面図を示す。たとえば約1/20原子層の厚さをもつCu層54bは、本図に示すように、GaドープZnO単結晶層54a表面の一部に付着するCuで形成される。以後、図面の簡略化のため、このようなCuの付着態様も含め、交互積層構造を図2Cの層構造で表す。
次に、サンプルにアニール処理を施した。アニールは、O雰囲気中、600℃で20分間実施した。アニールにより、交互積層構造54形成位置はp型化する(交互積層構造54は、CuとGaが共ドープされたp型ZnO層となる)。
図3Aに、アニール前試料の交互積層構造54表面、及び、アニール後試料のCu、Ga共ドープp型ZnO層表面の原子間力顕微鏡(atomic force microscope; AFM)像を示す。本図には、5μm×5μmの範囲のAFM像を記載した。
本願発明者らは、アニール前試料の交互積層構造54表面には認められない突起物が、アニール後試料のCu、Ga共ドープp型ZnO層表面に形成されているのを発見した。突起物の幅(図3Aに示す写真における左右方向の長さ)は180nm〜210nm、高さは15nm〜30nm超、密度は約1.4×10個/cmであった。なお、アニール前試料の交互積層構造54表面のRMSは0.652nm、アニール後試料のCu、Ga共ドープp型ZnO層表面のRMSは5.295nmであった。
図3Bに、写真中のA−B線に沿う断面図を示す。アニール後試料のCu、Ga共ドープp型ZnO層表面はアニール前試料の交互積層構造54表面に比べ、平均的に平坦性が向上されているが、基準面からの高さが最大30.87nmの突起物が生成している。ここで、基準面とは、たとえばエピ層最表面の平坦部をいう。なお、図中におけるアニール前試料の基準面とアニール後試料の基準面とは、同一面である。
図3Cは、アニール後試料のCu、Ga共ドープp型ZnO層と電解液とのショットキーダイオードのIV特性を示すグラフである。グラフの横軸は、電圧を単位「V」で表し、縦軸は、電流を単位「mA」で表す。
IV特性がリークを示していることがわかる。これは、Cu、Ga共ドープp型ZnO層表面に生成された突起物がリーク源となって生じていると考えられる。リークにより、たとえば電解液をショットキー電極に用い、エレクトロケミカルCV測定法(ECV法)でCu、Ga共ドープp型ZnO層のCV特性を測定する場合、正確な測定が困難である。また突起物は、たとえばCu、Ga共ドープp型ZnO層をp型層に用いて半導体発光素子を作製する場合、発光素子のリーク電流の発生原因となりうる。
本願発明者らは、突起物について研究を行った。
まず、突起物が生成されているのがp型ZnO層表面であることから、エチレンジアミン4酢酸2水素ナトリウム(EDTA)溶液とエチレンジアミン・無水(EDA)を20:1の割合で混合した溶液を使用し、エッチングを試みた。エッチング時間は7分間とし、攪拌子を用いて、300rpmで溶液を攪拌した。
図4Aに、エッチング前後における、サンプル表面(5μm×5μmの範囲)のAFM像を示す。EDTAとEDAの混合液を用いたエッチングを行った結果、突起物の密度は、約1.3×10個/cm、幅は150nm〜180nm、高さは10nm〜20nm超となった。なお、RMSは4.426nmであった。
図4Bに、写真中のA−B線に沿う断面図を示す。エッチング後のCu、Ga共ドープp型ZnO層表面には、基準面からの高さが最大23.40nmの突起物が残留している。
図4A及び図4Bに示す結果より、エッチング前後で、サンプル表面における突起物の密度や大きさに著しい変化は見られない。このため、突起物はZnOで形成されていないと考えられる。
次に、フッ化水素アンモニウムを15%、フッ化アンモニウムを28%混合した水溶液(バッファードフッ酸 buffered hydrofluoric acid; BHF)を使用し、エッチングを行った。エッチング時間は1分間とし、攪拌子を用いて、300rpmで溶液を攪拌した。
図5Aに、エッチング前後における、サンプル表面(5μm×5μmの範囲)のAFM像を示す。また図5Bに、写真中のA−B線に沿う断面図を示す。
BHFを用いたエッチングを行ったことで、突起物は除去されている。しかし、このエッチング条件では、突起物だけでなく、Cu、Ga共ドープp型ZnO層もエッチングされ、サンプル表面に多数のピットが生じている。ピットは突起物同様に、リーク源として作用する。なお、サンプル表面のRMSは1.88nmであった。
図6は、BHFによるエッチング終了後における、サンプル表面近傍の1/C−V特性を示すグラフである。グラフの横軸は、電圧を単位「V」で表し、縦軸は、「1/C」を単位「cm/F」で表す。両軸ともリニアスケールを用いている。
グラフを参照すると、右上がりの曲線(電圧が増加すると1/Cが増加する関係)が得られ、サンプル表面近傍がn型導電性を備えることが示されている。
なお、サンプル表面近傍の不純物濃度(ドナー濃度)Nは2.2×1019cm−3程度であることがわかった。
Cu、Ga共ドープp型ZnO層が形成されていたはずのサンプル表面近傍がn型となったのは、(i)BHFによるエッチングで、突起物だけでなく、Cu、Ga共ドープp型ZnO層が除去されたため、または/及び、(ii)エッチングにより、サンプル表面近傍に多数の欠陥が形成され、ドナー源として作用するO空孔が生じたためと考えられる。いずれにしても、交互積層構造54をアニールすることで得られたp型導電性は失われている。
続いて本願発明者らは、少なくとも有機酸系化合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及び、水を含むエッチング液を使用して、突起物のエッチングを試みた。具体的なエッチング液として、旭油脂化学工業株式会社製のCu600を用いた。Cu600は、たとえば特開2010−111887号公報に記載される、「メルカプト基を有する還元性化合物を有効成分とする水溶液からなる銅又は銅合金の酸化皮膜除去剤」である。10vol%のCu600を使用し、攪拌子で攪拌(300rpm)しながら、3分間のエッチングを行った。
図7Aに、エッチング前後における、サンプル表面(5μm×5μmの範囲)のAFM像を示す。Cu600を用いてエッチングを行った結果、突起物は除去され、サンプル表面のRMSは2.397nmとなった。Cu600を用いたエッチングで除去されたことから、突起物はCu酸化物、もしくはCuが高濃度に含まれたCuZn酸化物であると考えられる。
図7Bに、写真中のA−B線に沿う断面図を示す。突起物が除去され、サンプル表面は基準面からの高さが10nm以下となっている。
図8Aは、Cu600を用いたエッチング終了後のサンプル表面と電解液とのショットキーダイオードのIV特性を示すグラフである。グラフの両軸の意味するところは、図3Cのそれと等しい。図3Cに示すIV特性と比較すると、リーク電流が抑止され、IV特性が改善されていることが明らかである。良好なショットキー接合が得られたことにより、サンプル表面近傍の正確なCV特性の測定が可能となる。
図8Bは、Cu600によるエッチング終了後における、サンプル表面近傍の1/C−V特性を示すグラフである。測定は、電解液をショットキー電極に用いたECV法により行った。グラフは並列モデルで解析した結果を示す。グラフの両軸の意味するところは、図6のそれと等しい。
グラフを参照すると、右下がりの曲線(電圧が増加すると1/Cが減少する関係)が得られ、サンプル表面近傍がp型導電性を備えることが示されている。これによりサンプル表面近傍は、Cu、Ga共ドープp型ZnO層であることが確認される。
なお、サンプル表面近傍(Cu、Ga共ドープp型ZnO層)の不純物濃度(アクセプタ濃度)Nは1.7×1018cm−3程度であることがわかった。
本願発明者らが行った実験から、アニールによってCu、Ga共ドープp型ZnO層に生成される突起物は、Cu酸化物もしくはCuを高濃度に含むCuZn酸化物であると考えられる。突起物は、アニール後、少なくとも有機酸系化合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及び、水を含むエッチング液、たとえばCu600等を使用してエッチングを行うことで、p型層(Cu、Ga共ドープp型ZnO層)にダメージを与えることなく、たとえばp型層のp型導電性を喪失させることなく、あるいは、p型層にリーク源となるような深いピットを生じさせることなく、除去可能であることが確認された。エッチングにより、突起物がなく、基準面からの高さが10nm以下の表面を有するCu、Ga共ドープp型ZnO層を得ることが可能である。
突起物が除去されることで、良好なショットキー接触が得られ、たとえばCu、Ga共ドープp型ZnO層のCV特性を正確に測定することが可能となる。また、たとえばCu、Ga共ドープp型ZnO層をp型層に用い、リーク電流が抑止された半導体発光素子を作製することができる。
続いて、Cu、Ga共ドープZnO層をp型半導体層に用い、ZnO系半導体発光素子を製造する第1実施例について説明する。
図9A及び図9Bは、実施例によるZnO系半導体発光素子の製造方法の概略を示すフローチャートである。なお、実施例においては半導体発光素子について説明するが、本発明は、発光素子に限らず広く半導体素子について適用することができる。
図9Aに示すように、実施例によるZnO系半導体発光素子の製造方法は、基板上方にn型ZnO系半導体層を形成する工程(ステップS101)、ステップS101で形成されたn型ZnO系半導体層上方に、p型ZnO系半導体層を形成する工程(ステップS102)、及び、ステップS101で形成されたn型ZnO系半導体層に電気的に接続するn側電極と、ステップS102で形成されたp型ZnO系半導体層に電気的に接続するp側電極を形成する工程(ステップS103)を含む。
また、ステップS102のp型ZnO系半導体層形成工程は、図9Bに示すように、ステップS102a〜ステップS102eの5工程を含む。
p型ZnO系半導体層形成工程(ステップS102)においては、まずZn、O、必要に応じてMg、及びGaを供給して、Gaがドープされたn型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する(ステップS102a)。次に、ステップS102aで形成された、Gaドープn型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上にCuを供給する(ステップS102b)。ステップS102aとステップS102bを交互に繰り返して積層構造を形成する(ステップS102c)。ステップS102cで形成された積層構造をアニールして、CuとGaが共ドープされたp型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する(ステップS102d)。そして、アニールによってp型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層表面に生成される突起物を、たとえば、少なくとも有機酸系化合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及び、水を含むエッチング液を用いてエッチングすることにより除去する(ステップS102e)。
図10A及び図10Bを参照し、ホモ構造のZnO系半導体発光素子を製造する第1実施例について詳細に説明する。図10Aは、第1実施例による製造方法で製造されるZnO系半導体発光素子の概略的な断面図である。
ZnO基板1上に、成長温度300℃で、ZnフラックスFZnを0.15nm/s(JZn=9.9×1014atoms/cms)とし、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccm(J=8.1×1014atoms/cms)として、厚さ30nmのZnOバッファ層2を成長させた。ZnOバッファ層2の結晶性及び表面平坦性の改善のため、900℃で10分間のアニールを行った。
ZnOバッファ層2上に、成長温度900℃で、Zn、O及びGaを同時に供給し、厚さ150nmのn型ZnO層3を成長させた(たとえば図9AのステップS101)。ZnフラックスFZnは0.15nm/s(JZn=9.9×1014atoms/cms)、Oラジカルビーム照射条件はRFパワー250W、O流量1.0sccm(J=4.0×1014atoms/cms)、Gaのセル温度は460℃とした。n型ZnO層3のGa濃度は、たとえば1.5×1018cm−3である。
n型ZnO層3上に、成長温度900℃、ZnフラックスFZnを0.03nm/s(JZn=2.0×1014atoms/cms)、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccm(J=8.1×1014atoms/cms)として、厚さ15nmのアンドープZnO活性層4を成長させた。
続いて、アンドープZnO活性層4上に、Cu、Ga共ドープp型ZnO層5を形成した(図9AのステップS102)。
まず基板温度を250℃とし、サンプルのアニール前試料作製時と等しいシャッタシーケンス(図2B参照)で、Zn、O及びGaと、Cuとを異なるタイミングで供給し、交互積層構造を形成した。具体的には、Zn、O及びGaを供給してGaドープZnO単結晶層を成長させる工程(図9BのステップS102a)と、GaドープZnO単結晶層上にCuを供給する工程(図9BのステップS102b)を交互に60回ずつ繰り返し、厚さ140nmの交互積層構造を形成した(図9BのステップS102c)。1回当たりのGaドープZnO単結晶層成長期間は8秒、1回当たりのCu供給期間は50秒である。GaドープZnO単結晶層成長工程でのZnフラックスFZnは0.16nm/s(JZn=1.0×1015atoms/cms)、Oラジカルビーム照射条件はRFパワー300W、O流量2.0sccm(J=8.1×1014atoms/cms)とし、Gaのセル温度TGaは560℃とした。VI/IIフラックス比は0.81である。また、Cu供給工程でのCuのセル温度TCuは950℃とし、CuフラックスFCuを0.003nm/sとした。
図10Bは、交互積層構造5Aの概略的な断面図である。交互積層構造5Aは、GaドープZnO単結晶層5aとCu層5bが交互に積層された積層構造を有する。GaドープZnO単結晶層5aの厚さは2.3nm程度、Cu層5bの厚さは1原子層以下、たとえば約1/20原子層(GaドープZnO単結晶層5a表面のCu被覆率が5%程度)である。交互積層構造5Aはn型導電性を示す。
次に、交互積層構造5Aにアニールを施した(図9BのステップS102d)。アニールは、たとえばO雰囲気中、600℃で20分間実施した。アニールによって、交互積層構造5A形成位置がp型化され、Cu、Ga共ドープp型ZnO層が形成される。アニール時に、Cu、Ga共ドープp型ZnO層表面には、突起物が生成する。突起物はCu酸化物、もしくはCuが高濃度に含まれたCuZn酸化物であると考えられる。
たとえばエッチングを行い、Cu、Ga共ドープp型ZnO層表面の突起物を除去する(図9BのステップS102e)。少なくとも有機酸系化合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及び、水を含むエッチング液、一例として、10vol%のCu600を使用し、攪拌子で攪拌(300rpm)しながら、3分間のエッチングを行った。エッチングにより、p型導電性の喪失やリーク源となりうる深いピット生成等のダメージをCu、Ga共ドープp型ZnO層に与えることなく、突起物は除去される。こうして、基準面からの高さが10nm以下の表面を有するCu、Ga共ドープp型ZnO層5が形成された。Cu、Ga共ドープp型ZnO層5の不純物濃度(アクセプタ濃度)Nは1.7×1018cm−3程度である。
突起物の除去により、良好なショットキー接触が得られ、たとえばCu、Ga共ドープp型ZnO層5のCV特性を正確に測定することが可能となる。
その後、ZnO基板1の裏面にn側電極6nを形成した。Cu、Ga共ドープp型ZnO層5上にはp側電極6pを形成し、p側電極6p上にボンディング電極7を形成した(図9AのステップS103)。n側電極6nは、厚さ10nmのTi層上に厚さ500nmのAu層を積層して形成し、p側電極6pは、サイズ300μm□で厚さ1nmのNi層上に、厚さ10nmのAu層を積層して形成することができる。n側電極6n及びp側電極6pはオーミック電極である。ボンディング電極7は、サイズ100μm□で厚さ500nmのAu層で形成した。このようにして、第1実施例による方法でZnO系半導体発光素子が作製された。
図10Aに示すZnO系半導体発光素子は、n型ZnO系半導体層(n型ZnO層3)、n型ZnO系半導体層上方に形成されたZnO系半導体活性層(アンドープZnO活性層4)、ZnO系半導体活性層上方に形成されたp型ZnO系半導体層(Cu、Ga共ドープp型ZnO層5)、n型ZnO系半導体層に電気的に接続されたn側電極(n側電極6n)、及び、p型ZnO系半導体層に電気的に接続されたp側電極(p側電極6p)を含む。本図に示すZnO系半導体発光素子は、p型ZnO系半導体層表面の突起物が除去され、リーク電流が抑止された半導体発光素子である。
実験及び第1実施例では、Cu、Ga共ドープp型ZnO層を形成した(たとえば図9BのステップS102a〜ステップS102eのMgZn1−xO表記においてx=0)が、Gaドープn型MgZn1−xO(0<x≦0.6)単結晶層成長工程とCu付着工程とを交互に繰り返して形成した交互積層構造にアニールを施すことにより、Cu、Ga共ドープMgZn1−xO(0<x≦0.6)単結晶層を得ることができる。この場合も、アニールにより、Cu、Ga共ドープMgZn1−xO(0<x≦0.6)単結晶層表面に突起物が形成されるため、実験及び第1実施例と同様に、これをエッチングで除去する。(たとえば図9BのステップS102a〜ステップS102eのMgZn1−xO表記においてx≠0)突起物の除去で得られる効果は、第1実施例と同様である。
図11は、Cu、Ga共ドープp型MgZn1−xO(0<x≦0.6)単結晶層形成時、交互積層構造を作製する際のZnセル、Mgセル、Oセル、Gaセル、及びCuセルのシャッタシーケンスの一例を示すタイムチャートである。
交互積層構造の作製においては、Znセルシャッタ、Mgセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタを開き、Cuセルシャッタを閉じるGaドープMgZn1−xO(0<x≦0.6)単結晶層成長工程と、Znセルシャッタ、Mgセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタを閉じ、Cuセルシャッタを開くCu付着工程とを交互に繰り返す。
本図に示す例では、GaドープMgZn1−xO単結晶層成長工程におけるZnセルシャッタの開期間が、Mgセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタの開期間を含むように設定されている。具体的には、Mgセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタの開閉は同時に行われ、Mgセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタの開期間の前後に、Znセルシャッタの開期間が延長される。
たとえば、Mgセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタの1回当たりの開期間は8秒である。Mgセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタの開期間の前後にZnセルシャッタの開期間を1秒ずつ延長し、Znセルシャッタの1回当たりの開期間を10秒とする。Znセルシャッタ、Mgセルシャッタ、Oセルシャッタ、及びGaセルシャッタがすべて開状態となる8秒間が、1回当たりのGaドープMgZn1−xO単結晶層成長期間である。Cuセルシャッタの1回当たりの開期間は50秒である。
次に、Cu、Ga共ドープp型MgZn1−xO(0<x≦0.6)単結晶層を備える、ダブルへテロ構造のZnO系半導体発光素子を製造する第2実施例及び第3実施例について説明する。
図12Aは、第2実施例による製造方法で製造されるZnO系半導体発光素子の概略的な断面図である。
ZnO基板11上にZn及びOを同時に供給し、たとえば厚さ30nmのZnOバッファ層12を成長させた。一例として、成長温度を300℃、ZnフラックスFZnを0.15nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccmとすることができる。ZnOバッファ層12の結晶性及び表面平坦性の改善のため、900℃で10分間のアニールを行った。
ZnOバッファ層12上にZn、O及びGaを同時に供給し、たとえば成長温度900℃で、厚さ150nmのn型ZnO層13を成長させた。ZnフラックスFZnを0.15nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー250W、O流量1.0sccm、Gaのセル温度を460℃とした。n型ZnO層13のGa濃度は、たとえば1.5×1018cm−3となる。
n型ZnO層13上にZn、Mg及びOを同時に供給し、たとえば厚さ30nmのn型MgZnO層14を成長させた。成長温度を900℃、ZnフラックスFZnを0.1nm/s、MgフラックスFMgを0.025nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccmとすることができる。n型MgZnO層14のMg組成は、たとえば0.3である。
n型MgZnO層14上にZn及びOを同時に供給し、たとえば成長温度900℃で、厚さ10nmのZnO活性層15を成長させた。ZnフラックスFZnを0.1nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccmとした。
なお、図12Bに示すように、活性層15として、単層のZnO層ではなく、MgZnO障壁層15bとZnO井戸層15wが交互に積層された量子井戸構造を採用することができる。
基板温度をたとえば250℃まで下げ、Gaドープn型MgZnO単結晶層成長工程とCu付着工程を交互に繰り返し、活性層15上に交互積層構造を形成した。交互積層構造形成に当たってのZnセル、Mgセル、Oセル、Gaセル、及びCuセルのシャッタシーケンスは、たとえば図11に示すそれと同様である。
たとえば、1回当たりのGaドープMgZnO単結晶層成長工程での成長期間を8秒とし、1回当たりのCu付着工程におけるCu供給期間を50秒とした。GaドープMgZnO単結晶層成長工程でのZnフラックスFZnは0.16nm/s、MgフラックスFMgは0.04nm/s、Oラジカルビーム照射条件は、RFパワー300W、O流量2.0sccm、Gaのセル温度TGaは560℃である。VI/IIフラックス比は0.82となる。Cu供給工程でのCuのセル温度TCuは950℃とし、CuフラックスFCuを0.003nm/sとした。GaドープMgZnO単結晶層成長工程とCu付着工程を交互に60回ずつ繰り返し、厚さ140nmの交互積層構造を得た。
図12Cは、交互積層構造16Aの概略的な断面図である。交互積層構造16Aは、GaドープMgZnO単結晶層16aとCu層16bが交互に積層された積層構造を有する。GaドープMgZnO単結晶層16aの厚さは2.3nm程度、Cu層16bの厚さは1原子層以下、たとえば約1/20原子層(GaドープMgZnO単結晶層16a表面のCu被覆率が5%程度)である。交互積層構造16Aはn型導電性を示す。
次に、交互積層構造16Aにアニールを施した。アニールは、たとえばO雰囲気中、600℃で20分間実施した。アニールによって、交互積層構造16A形成位置がp型化され、Cu、Ga共ドープp型MgZnO層が形成される。アニール時に、Cu、Ga共ドープp型MgZnO層表面には、突起物が生成する。突起物はCu酸化物、もしくはCuが高濃度に含まれたCuZn酸化物であると考えられる。
たとえばエッチングを行い、Cu、Ga共ドープp型MgZnO層表面の突起物を除去する。少なくとも有機酸系化合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及び、水を含むエッチング液、一例として、10vol%のCu600を使用し、攪拌子で攪拌(300rpm)しながら、3分間のエッチングを行う。エッチングにより、p型導電性の喪失やリーク源となりうる深いピット生成等のダメージをCu、Ga共ドープp型MgZnO層に与えることなく、突起物は除去される。こうして、基準面からの高さが10nm以下の表面を有するCu、Ga共ドープp型MgZnO層16が形成される。Cu、Ga共ドープp型MgZnO層16の不純物濃度(アクセプタ濃度)Nは1.2×1018cm−3程度である。
突起物の除去により、良好なショットキー接触が得られ、たとえばCu、Ga共ドープp型MgZnO層16のCV特性を正確に測定することが可能となる。
その後、ZnO基板11の裏面にn側電極17nを形成し、Cu、Ga共ドープp型MgZnO層16上にp側電極17pを形成する。また、p側電極17p上にボンディング電極18を形成する。たとえばn側電極17nは、厚さ10nmのTi層上に厚さ500nmのAu層を積層して形成し、p側電極17pは、大きさ300μm□で厚さ1nmのNi層上に、厚さ10nmのAu層を積層して形成することができる。n側電極17n及びp側電極17pはオーミック電極である。ボンディング電極18は、大きさ100μm□で厚さ500nmのAu層で形成する。このようにして、第2実施例による方法でZnO系半導体発光素子が作製される。
第2実施例においてはZnO基板11を用いたが、MgZnO基板、GaN基板、SiC基板、Ga基板等の導電性基板を使用することが可能である。
図12Aに示すZnO系半導体発光素子は、n型ZnO系半導体層(たとえばn型ZnO層13)、n型ZnO系半導体層上方に形成されたZnO系半導体活性層(活性層15)、ZnO系半導体活性層上方に形成されたp型ZnO系半導体層(Cu、Ga共ドープp型MgZnO層16)、n型ZnO系半導体層に電気的に接続されたn側電極(n側電極17n)、及び、p型ZnO系半導体層に電気的に接続されたp側電極(p側電極17p)を含む。本図に示すZnO系半導体発光素子は、p型ZnO系半導体層表面の突起物が除去され、リーク電流が抑止された半導体発光素子である。
図13は、第3実施例による製造方法で製造されるZnO系半導体発光素子の概略的な断面図である。第1及び第2実施例においては導電性基板上に結晶成長し、層形成を行ったが、第3実施例では絶縁性基板上に結晶成長する。
絶縁性基板であるc面サファイア基板21上にMg及びOを同時に供給し、たとえば厚さ10nmのMgOバッファ層22を成長させる。一例として、成長温度を650℃、MgフラックスFMgを0.05nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccmとすることができる。MgOバッファ層22は、その上のZnO系半導体がZn面を表面として成長するように制御する極性制御層として機能する。
MgOバッファ層22上に、たとえば成長温度300℃、ZnフラックスFZnを0.15nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccmとして、Zn及びOを同時に供給し、厚さ30nmのZnOバッファ層23を成長させる。ZnOバッファ層23はZn面で成長する。ZnOバッファ層23の結晶性及び表面平坦性の改善のため、900℃で30分間のアニールを行う。
ZnOバッファ層23上にZn、O及びGaを同時に供給し、たとえば厚さ1.5μmのn型ZnO層24を成長させる。一例として成長温度を900℃、ZnフラックスFZnを0.05nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccm、Gaのセル温度を480℃とする。
n型ZnO層24上に、Zn、Mg及びOを同時に供給し、たとえば厚さ30nmのn型MgZnO層25を成長させる。成長温度を900℃、ZnフラックスFZnを0.1nm/s、MgフラックスFMgを0.025nm/s、Oラジカルビーム照射条件をRFパワー300W、O流量2.0sccmとすることができる。n型MgZnO層25のMg組成は、たとえば0.3である。
n型MgZnO層25上に、たとえば厚さ10nmのZnO活性層26を成長させる。成長条件は、第2実施例における活性層15の場合と等しくすることができる。単層のZnO層のかわりに、量子井戸構造を採用してもよい。
活性層26上にCu、Ga共ドープp型MgZnO層27を形成する。形成方法は、たとえば第2実施例におけるCu、Ga共ドープp型MgZnO層16のそれと等しい。
第3実施例のc面サファイア基板21は絶縁性基板であるため、基板21裏面側にn側電極を取ることができない。そこでCu、Ga共ドープp型MgZnO層27の上面から、n型ZnO層24が露出するまでエッチングを行い、露出したn型ZnO層24上にn側電極28nを形成する。また、Cu、Ga共ドープp型MgZnO層27上にp側電極28pを形成し、p側電極28p上にボンディング電極29を形成する。
n側電極28nは、厚さ10nmのTi層上に厚さ500nmのAu層を積層して形成し、p側電極28pは、厚さ0.5nmのNi層上に厚さ10nmのAu層を積層して形成することができる。n側電極28n及びp側電極28pはオーミック電極である。ボンディング電極29は、厚さ500nmのAu層で形成する。このようにして、第3実施例による方法でZnO系半導体発光素子が作製される。
図13に示すZnO系半導体発光素子も、第1及び第2実施例と同様に、n型ZnO系半導体層(たとえばn型ZnO層24)、n型ZnO系半導体層上方に形成されたZnO系半導体活性層(活性層26)、ZnO系半導体活性層上方に形成されたp型ZnO系半導体層(Cu、Ga共ドープp型MgZnO層27)、n型ZnO系半導体層に電気的に接続されたn側電極(n側電極28n)、及び、p型ZnO系半導体層に電気的に接続されたp側電極(p側電極28p)を含む。Cu、Ga共ドープp型MgZnO層27は、第2実施例のCu、Ga共ドープp型MgZnO層16と同様の性質を有するp型ZnO系半導体単結晶層である。本図に示すZnO系半導体発光素子も、p型ZnO系半導体層表面の突起物が除去され、リーク電流が抑止された半導体発光素子である。
以上、実験及び実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されない。
たとえば実験及び実施例においては、MBE装置の酸素源としてOラジカルを用いたが、オゾンやHO、アルコールなどの極性酸化剤等、酸化力の強い他のガスを使用することができる。
また、実験及び実施例では、Gaドープn型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層とCu層が交互に積層された構造にアニールを行い、p型導電性を示すCu、Ga共ドープMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成(p型化)した。Cu(IB族元素)とGa(IIIB族元素)を含む交互積層構造がアニールされることで、CuがVIB族元素であるOと1価(Cu)の状態で結合しやすくなり、アクセプタとして機能する1価のCuが2価のCu2+より生じやすくなる結果、交互積層構造がp型化すると考えられる。したがってGaに限らず、Gaと同じくIIIB族元素であるB、Al及びInを使用することができる。使用されるIIIB族元素は、B、Ga、Al及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素であればよい。
更に、本願発明者らは、Gaドープn型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層とCu層が交互に積層された構造だけでなく、Cu(IB族元素)とGa(IIIB族元素)を含む種々のn型ZnO系半導体単結晶構造を形成し、これにアニールを施すことによって、Cu(IB族元素)とGa(IIIB族元素)が共ドープされたp型ZnO系半導体層を形成する方法、及び、該p型ZnO系半導体層を用いてZnO系半導体素子を製造する方法に関し、複数の提案を行っている。これらの提案においてアニール対象とされるn型ZnO系半導体単結晶構造も、アニール後にエッチングを行うことで、基準面からの高さが10nm以下の表面を有し、CV特性を正確に測定することが可能なp型ZnO系半導体単結晶層とすることができる。
図14A〜図14Dは、アニール後にエッチングを行うことで、基準面からの高さが10nm以下の表面を有し、CV特性を正確に測定することが可能なp型ZnO系半導体層を形成することのできるn型ZnO系半導体単結晶構造の例を示す概略的な断面図である。
図14Aは、Cuドープn型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層61aとGa層61bが交互に積層された交互積層構造61Aを示す(たとえば特願2013−036824号参照)。
交互積層構造61Aは、たとえば(i)Zn、(ii)O、(iii)必要に応じてMg、(iv)Cuを供給して、CuがドープされたMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素を供給する工程を交互に繰り返して形成することが可能である。
図14Bは、n型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層62a、Cu層62b、n型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層62a、Ga層62cがこの順に交互に積層された交互積層構造62Aを示す(たとえば特願2013−085380号参照)。
交互積層構造62Aは、たとえば第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、Cu層を形成する工程と、Cu層上に、第2のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、第2のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素を含むIIIB族元素層を形成する工程を繰り返して形成することが可能である。
図14Cは、n型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層63aとCu、Ga層63bが交互に積層された交互積層構造63Aを示す(たとえば特願2013−085381号参照)。
交互積層構造63Aは、たとえばMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、Cuと、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とを供給する工程を交互に繰り返して形成することが可能である。
図14Dは、Cuドープn型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層64aとGaドープn型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層64bが交互に積層された交互積層構造64Aを示す(たとえば特願2013−138550号参照)。
交互積層構造64Aは、たとえばCuがドープされた第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素がドープされた第2のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程を交互に繰り返して形成することが可能である。
これらの構造に対してもアニール後にエッチングを行うことにより、基準面からの高さが10nm以下の表面を有するCu(IB族元素)、Ga(IIIB族元素)共ドープp型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成することができる。このCu、Ga共ドープp型MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層のCV特性は正確に測定可能である。
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
実施例による製造方法で製造されるp型ZnO系半導体層は、たとえば短波長(紫外〜青色波長領域)の光を発光する発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)に利用でき、また、これらの応用製品(各種インジケータ、LEDディスプレイ、CV/DVD用光源等)に利用可能である。更に、白色LEDやその応用製品(照明器具、各種インジケータ、ディスプレイ、各種表示器のバックライト等)に利用できる。また、紫外センサに利用可能である。
1 ZnO基板
2 ZnOバッファ層
3 n型ZnO層
4 アンドープZnO活性層
5 Cu、Ga共ドープp型ZnO層
5A 交互積層構造
5a GaドープZnO単結晶層
5b Cu層
6n n側電極
6p p側電極
7 ボンディング電極
11 ZnO基板
12 ZnOバッファ層
13 n型ZnO層
14 n型MgZnO層
15 活性層
15b MgZnO障壁層
15w ZnO井戸層
16 Cu、Ga共ドープp型MgZnO層
16A 交互積層構造
16a GaドープMgZnO単結晶層
16b Cu層
17n n側電極
17p p側電極
18 ボンディング電極
21 c面サファイア基板
22 MgOバッファ層
23 ZnOバッファ層
24 n型ZnO層
25 n型MgZnO層
26 活性層
27 Cu、Ga共ドープp型MgZnO層
28n n側電極
28p p側電極
29 ボンディング電極
51 ZnO基板
52 ZnOバッファ層
53 アンドープZnO層
54 交互積層構造
54a GaドープZnO単結晶層
54b Cu層
61a CuドープMgZn1−xO単結晶層
61b Ga層
62a MgZn1−xO単結晶層
62b Cu層
62c Ga層
63a MgZn1−xO単結晶層
63b Cu、Ga層
64a CuドープMgZn1−xO単結晶層
64b GaドープMgZn1−xO単結晶層
61A〜64A 交互積層構造
71 真空チャンバ
72 Znソースガン
73 Oソースガン
74 Mgソースガン
75 Cuソースガン
76 Gaソースガン
77 ステージ
78 基板
79 膜厚計
80 RHEED用ガン
81 スクリーン

Claims (16)

  1. (a)Cuと、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とを含むn型ZnO系半導体単結晶構造を形成する工程と、
    (b)前記n型ZnO系半導体単結晶構造をアニールして、Cuと前記IIIB族元素が共ドープされたp型ZnO系半導体層を形成する工程と、
    (c)前記p型ZnO系半導体層表面の突起物を除去する工程と
    を有するp型ZnO系半導体層の製造方法。
  2. 前記工程(c)において、少なくとも有機酸系化合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及び、水を含むエッチング液を使用したエッチングにより、前記p型ZnO系半導体層にダメージを与えず、突起物を除去する請求項1に記載のp型ZnO系半導体層の製造方法。
  3. 前記工程(a)が、
    (a1)(i)Zn、(ii)O、(iii)必要に応じてMg、(iv)B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素を供給して、前記IIIB族元素がドープされたMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a2)前記MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上にCuを供給する工程と、
    (a3)前記工程(a1)と前記工程(a2)を交互に繰り返して積層構造を形成する工程と
    を含む請求項1または2に記載のp型ZnO系半導体層の製造方法。
  4. 前記工程(a)が、
    (a4)(i)Zn、(ii)O、(iii)必要に応じてMg、(iv)Cuを供給して、CuがドープされたMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a5)前記MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素を供給する工程と、
    (a6)前記工程(a4)と前記工程(a5)を交互に繰り返して積層構造を形成する工程と
    を含む請求項1または2に記載のp型ZnO系半導体層の製造方法。
  5. 前記工程(a)が、
    (a7)第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a8)前記第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、Cu層を形成する工程と、
    (a9)前記Cu層上に、第2のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a10)前記第2のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素を含むIIIB族元素層を形成する工程と、
    (a11)前記工程(a7)〜(a10)を繰り返して積層構造を形成する工程と
    を含む請求項1または2に記載のp型ZnO系半導体層の製造方法。
  6. 前記工程(a)が、
    (a12)MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a13)前記MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、Cuと、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とを供給する工程と、
    (a14)前記工程(a12)と前記工程(a13)を交互に繰り返して積層構造を形成する工程と
    を含む請求項1または2に記載のp型ZnO系半導体層の製造方法。
  7. 前記工程(a)が、
    (a15)Cuがドープされた第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a16)前記第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素がドープされた第2のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a17)前記工程(a15)と前記工程(a16)を交互に繰り返して積層構造を形成する工程と
    を含む請求項1または2に記載のp型ZnO系半導体層の製造方法。
  8. 基板上方に、n型ZnO系半導体層を形成する工程と、
    前記n型ZnO系半導体層上方に、p型ZnO系半導体層を形成する工程と、
    前記n型ZnO系半導体層に電気的に接続するn側電極、及び、前記p型ZnO系半導体層に電気的に接続するp側電極を形成する工程と
    を有し、
    前記p型ZnO系半導体層を形成する工程は、
    (a)Cuと、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とを含むn型ZnO系半導体単結晶構造を形成する工程と、
    (b)前記n型ZnO系半導体単結晶構造をアニールして、Cuと前記IIIB族元素が共ドープされたp型層を形成する工程と、
    (c)前記p型層表面の突起物を除去する工程と
    を備えるZnO系半導体素子の製造方法。
  9. 前記工程(c)において、少なくとも有機酸系化合物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及び、水を含むエッチング液を使用したエッチングにより、前記p型層にダメージを与えず、突起物を除去する請求項8に記載のZnO系半導体素子の製造方法。
  10. 前記工程(a)が、
    (a1)(i)Zn、(ii)O、(iii)必要に応じてMg、(iv)B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素を供給して、前記IIIB族元素がドープされたMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a2)前記MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上にCuを供給する工程と、
    (a3)前記工程(a1)と前記工程(a2)を交互に繰り返して積層構造を形成する工程と
    を含む請求項8または9に記載のZnO系半導体素子の製造方法。
  11. 前記工程(a)が、
    (a4)(i)Zn、(ii)O、(iii)必要に応じてMg、(iv)Cuを供給して、CuがドープされたMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a5)前記MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素を供給する工程と、
    (a6)前記工程(a4)と前記工程(a5)を交互に繰り返して積層構造を形成する工程と
    を含む請求項8または9に記載のZnO系半導体素子の製造方法。
  12. 前記工程(a)が、
    (a7)第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a8)前記第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、Cu層を形成する工程と、
    (a9)前記Cu層上に、第2のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a10)前記第2のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素を含むIIIB族元素層を形成する工程と、
    (a11)前記工程(a7)〜(a10)を繰り返して積層構造を形成する工程と
    を含む請求項8または9に記載のZnO系半導体素子の製造方法。
  13. 前記工程(a)が、
    (a12)MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a13)前記MgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、Cuと、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とを供給する工程と、
    (a14)前記工程(a12)と前記工程(a13)を交互に繰り返して積層構造を形成する工程と
    を含む請求項8または9に記載のZnO系半導体素子の製造方法。
  14. 前記工程(a)が、
    (a15)Cuがドープされた第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a16)前記第1のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層上に、B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素がドープされた第2のMgZn1−xO(0≦x≦0.6)単結晶層を形成する工程と、
    (a17)前記工程(a15)と前記工程(a16)を交互に繰り返して積層構造を形成する工程と
    を含む請求項8または9に記載のZnO系半導体素子の製造方法。
  15. (i)Cuと、(ii)B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とが共ドープされたp型ZnO系半導体層であって、
    基準面からの高さが10nm以下の表面を有するp型ZnO系半導体層。
  16. n型ZnO系半導体層と、
    前記n型ZnO系半導体層上方に形成されたZnO系半導体活性層と、
    前記ZnO系半導体活性層上方に形成されたp型ZnO系半導体層と、
    前記n型ZnO系半導体層に電気的に接続されたn側電極と、
    前記p型ZnO系半導体層に電気的に接続されたp側電極と
    を有し、
    前記p型ZnO系半導体層は単結晶層であって、
    (i)Cuと、(ii)B、Ga、Al、及びInからなる群より選択される一以上のIIIB族元素とが共ドープされ、基準面からの高さが10nm以下の表面を有する
    ZnO系半導体素子。
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