JP2015102686A - 光変調器 - Google Patents

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真司 美野
都築 健
Takeshi Tsuzuki
健 都築
高橋 浩
Hiroshi Takahashi
浩 高橋
郷 隆司
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隆司 郷
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】小型で低駆動電圧なニオブ酸リチウム(LN)変調器を提供する。
【解決手段】LN基板10に、マッハツェンダ干渉計を含む光導波路が設けられた光変調器10において、変調用信号を出力する疑似進行波型ドライバIC30と、上記マッハツェンダ干渉計のアーム部18に備わる位相シフタ部の上側の変調用電極22と、上記多元系酸化物結晶基板の変調用電極22が設けられた面と対向する面のグランド電極14とを備え、上記変調用電極は光導波路方向に複数に分割されており、前記複数に分割された変調用電極の各々は、疑似進行波型ドライバICの出力ポートに接続されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光変調器に関する。より詳細には、本発明は、光通信システムに利用される光導波回路を用いた光変調器に関する。
インターネット等により通信トラフィックの大容量化が求められている。そのため、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)システムにおいて、1チャネル当たりの伝送速度の増加や波長数の増加が求められている。具体的には、WDMシステムの伝送には40Gbit/sや100Gbit/s、さらにはそれ以上の高い伝送速度が求められている。しかし、高速化のために変調シンボルレートを高くすると、分散耐性が急激に劣化し、伝送距離が縮小してしまうという問題がある。また、信号スペクトルの広がりも大きくなるため、波長分割多重(WDM)伝送におけるフィルタの帯域やチャネル間隔を大きくとらなければならないという問題もある。そこで、シンボルレートを上げずにビットレートを大きくする多値化技術、多重化技術の必要性が高まっている。
このような背景から、実際にチャネル当たり40Gbis/sや100Gbit/s等の超高速伝送が実現または提案されている。こうした多値変調器の1例として、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)変調器の典型的な従来例を図9に示す(例えば、非特許文献1参照)。図9は、ニオブ酸リチウム(LN:LiNbO)基板110にチタン(Ti)拡散を用いて光導波路を形成した光変調器100を示している。光ファイバ101から入力した光信号は、基板110上の光導波路を伝搬し、Y分岐102およびY分岐103a、103bで分岐され、4本のアーム導波路104a〜104dを介してカプラ105a、105bおよびカプラ106で合波され、光ファイバ107に出力される。本明細書では、このような干渉計の構成の光変調器をネスト型マッハツェンダ干渉計(MZI:Mach−Zehnder Interferometer)と呼び、内側のMZIを子MZIと呼び、外側のMZIを親MZIと呼ぶことにする。
2つの子MZIの各々は、アーム導波路間に電極112a、112bを備え(GND電極は図示せず。)、位相シフタを構成している。すなわち、電極112a、112bに電界をかけることにより、アーム導波路間の光信号に逆の位相を付与することができる。このような変調器は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調器と呼ばれ、ボーレートの2倍の容量を収容することができる。なお、この例ではLN基板110にXカットのものを使用している。また、電極121a、121bは、子MZIのDCバイアスを調整するためのものであり、電極122は、親MZIのDCバイアスを調整するためのものである。
一方、図10に示すように、LN基板と、Si基板上にSiO系ガラスを主成分とする石英系光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)を組み合わせて変調器200を構成する従来例も報告されている(特許文献1,特許文献2)。図10では、位相シフタの部分にのみLN基板220を用い、引き回しのための光導波路には石英系のPLC210,230を用いている。このため、LN光導波路の優れた特性はそのままで、PLCの優れたパッシブ回路の特徴を生かすことができる。例えば、回路全体を小型にしたり、全体の挿入損失を低減したりすることが可能である。
図11に、LN基板と石英系のPLCを組み合わせて変調器を構成する従来例の斜視図を示す。この変調器300は、光信号の入力側の光ファイバ301と、2段のY分岐を備えた石英系のPLC302と、複数の位相シフタを備えたLN基板303と、2段のカプラを備えた石英系のPLC304と、光信号の出力側の光ファイバ305とから構成されている。これらの基板は、それぞれの光導波路同士を調心した後、UV接着剤により接続することが可能である。
特開2003−195239号公報 特開2003−121806号公報
H. Gnauck, G. Charlet, P. Tran, P. Winzer, C. Doerr, J. Centanni, E. Burrows, T. Kawanishi, T. Sakamoto, K. Higuma, "25.6-Tb/s C+L-Band Transmission of Polarization-Multiplexed RZ-DQPSK Signals," Proc. of OFC/NFOEC2007, paper PDP19, 2007. 加藤他、"CMOSロジックIC直接駆動対応線形加速器縦列電極構造InP MZ変調器," 信学会OPE研究会, OPE2011-26, 2011. K. Noguchi et al., "75GHz broadband Ti:LiNbO3 optical modulator with ridge structure," Electronic Letters, Vol. 30, No. 12, pp.949-950, 1994.
しかしながら、図9、図10の光変調器では、LN基板のEO(electro−optic:電気光学)定数が大きく、高速の位相シフタとして優れるものの、変調に使われるLN変調用位相シフタ部の長さは例えば40mm程度に長く、その結果モジュールサイズは80mmから100mm程度となり、他の光部品に比べ大型であるという課題があった。そのためより小型なLN変調器が求められていた。
また一方で、通信装置の低消費電力化へのニーズも強い。光変調器では、駆動電圧の低減により駆動ドライバICの消費電力を低減できるため、駆動電圧の低減という課題もあった。
図12に従来のLN変調器の高速用進行波電極の1例として、リッジ型の断面図を示す。図12に示すように、LN変調器400のLN位相シフタ部において、光信号は光導波路418中を伝搬し、入力高速電気信号は、グランド電極424、信号線路422、グランド電極424から成るコプレーナ線路を伝搬する。
このLN位相シフタ部が長い理由は以下の通りである。電気信号が高速なため、その高速信号用電極では、伝搬損失を少なくし、特性インピーダンスを50オームに設計し、かつ光信号と電気信号の伝搬位相速度を整合する必要があった。このような要求条件を満たすため、電極構造が制約され、例えば図12のように、グランド電極424と信号線路422との距離が離れ、かつ平行平板とは異なり平面上に両電極が並ぶ構造となっている。ここで変調効率は、光導波路418を伝搬する光導波信号の電界分布と、コプレーナ線路を伝搬する高速電気信号の電界分布との重なる積分に比例するため、電界が広がり密度が下がり光導波路418を通る電界が減少する結果、長さ当たりの変調効率が劣化し、位相変調部が長くなるという課題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、多元系酸化物結晶基板にマッハツェンダ干渉計を含む光導波路が設けられた光変調器を小型化することを目的とする。また、多元系酸化物結晶基板にマッハツェンダ干渉計を含む光導波路が設けられた光変調器光調器の駆動電圧を低減することを目的とする。
このような目的を達成するために、本願発明の第1の態様は、多元系酸化物結晶基板にマッハツェンダ干渉計を含む光導波路が設けられた光変調器であって、変調用信号を出力する疑似進行波型ドライバICと、前記多元系酸化物結晶基板における前記マッハツェンダ干渉計のアーム部に備わる位相シフタ部の上側に設けられた変調用電極と、前記多元系酸化物結晶基板の前記光導波路が設けられた面と対向する面に設けられたグランド電極とを備える。
一実施形態では、前記多元系酸化物結晶基板は、ニオブ酸リチウムまたは窒化ガリウムを材料とする基板である。
一実施形態では、前記多元系酸化物結晶基板の厚さが100μm以下である。また、前記変調用電極は前記光導波路の方向に複数に分割されており、前記複数に分割された変調用電極の各々は、前記疑似進行波型ドライバICの出力ポートに接続されている。
一実施形態では、前記グランド電極は、前記多元系酸化物結晶基板の前記光導波路が設けられた面と対向する面の、前記変調用電極と対向する位置に設けられている。前記グランド電極の幅は、前記変調用電極の幅と等しい。
一実施形態では、前記光変調器のマッハツェンダ干渉計は、第1の石英系ガラス光導波路基板と、前記多元系酸化物結晶基板と、第2の石英系ガラス光導波路基板とにより構成される。
以上説明したように、本発明によれば、多元系酸化物結晶基板にマッハツェンダ干渉計を含む光導波路が設けられた光変調器を小型化することができる。また、本発明によれば、多元系酸化物結晶基板にマッハツェンダ干渉計を含む光導波路が設けられた光変調器の駆動電圧を低減することができる。
(a)は本発明の第1の実施形態に係る光変調器の変調用位相シフタ部の構成例を示す断面図であり、(b)は第1の実施形態における変形形態に係る光変調器の変調用位相シフタ部の構成例を示す断面図である。 図1(a)の変調用位相シフタ部の光導波路部における電界の計算値を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る光変調器の構成例に対応する平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る光変調器の構成例に対応する平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る光変調器の構成例に対応する平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る光変調器の構成例に対応する平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る光変調器の構成例に対応する平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る光変調器の構成例に対応する平面図である。 LN基板に形成した従来の光変調器を示す図である。 LN基板と石英系のPLCを組み合わせて構成した従来の変調器を示す図である。 LN基板と石英系のPLCを組み合わせて構成した従来の変調器の斜視図である。 LN基板の変調用シフタで、従来のリッジ型における進行波型電極の断面図である。 非特許文献2における、疑似進行波型半導体変調器、及び疑似進行波型変調器ドライバICの構成図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(実施形態1)
図1〜3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る光変調器を説明する。
図3は、本実施形態の光変調器の平面図である。図3に示すように、本実施形態の光変調器は、2つの石英系のPLC基板と、PLC基板の間のLN基板10とを備えた、MZI型の光変調器である。LN基板10は、MZIのアーム導波路を含み、アーム導波路の方向に変調用電極(集中定数型電極)22が設けられ、位相シフタを構成している。また、LN基板10は、変調用電極22に印加する電圧を制御する疑似進行波型ドライバIC 30を備える。
図1(a)は、本実施形態に係る光変調器を構成する変調用基板10の一部を示す断面図である。図1(a)に示す変調用基板10は、Si基板12と、グランド電極B 14、LN薄膜16と、光導波路18と、SiO層20と、変調用電極22と、グランド電極24とを備える。図12に示すような一般的なLN変調器のLN薄膜416の厚さが数百μmであるのに対して、本実施形態に係る光変調器ではLN薄膜の厚さが100μ以下となるように薄くしている。図1(a)においては、LN薄膜16の厚さを10μmと薄くしてその下にグランド電極14を新たに設けた。この時、信号線路22と下面のグランド電極B 14との間隔が短く、かつ平行平板型で電界が広がりにくいので、光導波路部での電界が増加して単位電圧当たりの光導波路の電気光学効果、位相シフト量は増加する。しかしこのような構造では電極長を進行方向に長くすることができない。
そのため図3のように、変調用電極22を光導波路18の方向に細かく分割し各々集中定数型電極とする。図3において、変調用電極22と共にコプレーナ線路を構成するグランド電極24を省略している。そして、非特許文献2で述べられているように、各電極22に加える電圧については、図13に掲げたようなCMOS IC(疑似進行波型ドライバIC)30を採用し、その各出力ポートから個別に印加する。ここでその疑似進行波型ドライバIC30内では光変調器に接続する多数の出力ポートにドライバIC32が設けられ、光導波路を伝搬する光信号と位相整合した進行波動作を類似的に実現する回路を内部に設け、電気信号の光変調器への出力のタイミングは、光信号が光導波路18を伝搬するのと同じタイミングで各電極22に電界を加えるようにした。その結果、電極構造は集中定数型だが、分布定数型電極を用いた時と同じ疑似位相整合の動作を実現することができる。
これら図1の構造、作製法についてさらに追加で説明する。図1で基板はSi基板12を用いた例を掲げた。そしてそのSi基板12とLN薄膜16との間にグランド電極B 14を設けた。このような構造は、Si基板上にグランド電極Bを蒸着、あるいはスパッタ法により設け、その上に、研磨して薄くしたLN薄膜16を貼り付けることにより作製可能である。例えば、固体―固体接着技術により貼り付けることができる。
なお、図1ではSi基板を用いた例を示したが、この部分はグランド電極により高周波信号は遮蔽されているので、アルミナ等の高周波信号用基板に限定されない。他の材料、例えば石英系ガラス基板を用いることも可能である。
また疑似進行波型ドライバIC 30としては、非特許文献2では、Si CMOS ICが用いられているが、出力電圧がより大きいSiGe BiCMOS ICなど、このような回路を構成できるならどのようなICを用いてもよい。この疑似進行波型ドライバIC30はLN薄膜上に図1(a)のように電極面を上にしてフェイスアップで実装されている。そして疑似進行波型ドライバIC30の出力ポートの電極パッドと、光変調器の位相シフタ上の変調用電極22の電極パッドとは、通常のワイヤボンディングやリボンボンディングによって金線により接続している。各電極上にワイヤボンディングを実装するのが困難なら、LN薄膜上で、各変調用電極22の横(光導波路18とは垂直の方向)にワイヤボンド用のパッドを新たに設けてもよい。通常ワイヤボンドのパッドは100μm角、ピッチは110μmあれば作製できるので、そのようなパッドを用いることは可能である。短めのワイヤを用いることにより帯域10〜15GHz、信号速度10〜25GHz/s程度までの高速化は可能であると思われるが、さらに高速信号に用いる時には、IC素子をフリップチップボンディングによりバンプ接続してもよい。その時には、LN薄膜上、あるいはIC素子上に金バンプ、あるいは半田バンプを設けて、フェイスダウンで疑似進行波型ドライバIC30を実装する。電極同士は金バンプを圧着あるいは導電性接着剤等で実装するか、昇温して半田バンプをリフローすることにより電気的に接続する。
ここで定量的にこの構造のメリットを計算する。まず印加電圧は従来のLN変調器と同程度の半波長電圧(例えば10GHzで2.5V)を持つ光変調器を想定し、位相シフタ部がどの程度短くなるかを定量的に調べた。ここで考慮すべき要因は、(1)図12の進行波電極422と図1(a)の集中定数型電極22との断面形状の違いにより、同じ電圧を印加した際の、光導波路への電界が増加する効果、及び(2)図12のような進行波電極の例では電気信号が伝搬する際、減衰し実効的に印加電圧が減少する効果、の2点である。
まず(1)について、図1(a)の構造の電極について電磁界シミュレータで有限要素法によって計算した結果を図2に示す。ここで計算のモデルとしては、図12および図1(a)の構造を用い、光導波路を伝搬する光信号のモードフィールドについてはチタン拡散等で形成するため、実際には横広がりの楕円形状であるが、図1(a)のように光導波路の断面は8×5μmの長方形とし、その底面の電界分布を計算することにより近似した。図2の横軸は光導波路18の中心からの距離Xであり、縦軸は電界である。電界分布はX=0を中心に対称であるため、マイナス方向の計算は省略した。変調周波数を10GHzおよび25GHzとして計算した結果を図2に示す。なお、図2において、tはLN薄膜の厚さであり、実線は変調周波数が25GHzの計算結果を、点線は変調周波数が10GHzの計算結果を示している。図2において、LN薄膜の厚さが500μmの時は図12の分布定数型電極に対応し、Xが0〜4μmの平均値で近似すると、周波数10GHzにおいて3.0×10−5V/mである。一方、図1(a)の集中定数型電極については、同じくXが0〜4μmの平均値で近似すると、LN薄膜の厚さが24μmの時、周波数10GHzにおいて3.5×10−5V/mとなり、LN薄膜の厚さが10μmの時、周波数10GHzにおいて4.5×10−5V/mとなっている。周波数10GHzにおける結果と25GHzにおける結果との違いは10%以下である。ここで光変調器における変調効率は、光導波路を伝搬する光導波信号の電界分布と、高速電気信号の電界分布との重なり積分に比例する。ここでは光導波信号は一定であるため、その重なり積分は上記電界値に比例すると近似した。厚さ10μmで変調電極を集中定数型とした場合と進行波電極とした場合とを比較すると、集中定数型とした場合の方が、3.0/4.5=0.67倍、変調用位相シフタの長さを短くできる。
さらに(2)の要因である進行波電極における電気信号の伝搬による減衰の効果を調べる。ここでは非特許文献3の、進行波電極における減衰定数α=0.43dB/(cm×GHz0.5)を用いて、周波数10GHzにおける減衰定数を1.4dB/cmという値で近似した。ここでLNの変調シフタの長さを40mmと仮定して、電圧と位相シフタ長の積を積分計算すると、電気信号の減衰により変調効率は3.0/4=0.75倍になる。したがってこのような減衰のない集中電極型では位相シフタ長を0.75倍にできる(短くできる)。
以上(1)、(2)の計算から、図12の進行波型電極に比べ図1(a)の集中定数型電極では、10GHzにおいて同じ電圧で同じ位相シフト量を与える、位相シフタ長は、0.67×0.75=0.50倍に短くすることが可能であるという値が得られた。
なお、周波数25GHzにおいても同様の計算を行うと(図2の実線)、位相シフタ長は0.45倍に短くすることが可能であり、ビットレートとしては10Gb/sから30Gb/sの広い範囲で位相シフタ長を約1/2に短くすることが可能である。
この結果、本実施形態では、従来40mmであった変調シフタ長を約20mmにできる。
図3の集中定数型電極の例では、各個別の電極22の長さを1.1mmとし、18個の電極22をマッハツェンダ変調器(マッハツェンダ干渉計を用いた変調器、MZM)の各アームに設けている。すなわち約20mm(1.1mm×18=19.8mm)の変調シフタ部の長さを確保している。ここでLN変調器の半波長分位相をシフトさせるのに必要な駆動電圧Vπとし、例えば32Gb/sで電圧が低いものでは、Vπ=2.5V程度である。
ここで疑似進行波型ドライバIC30としてはLN変調器やEA変調器等に用いられている各種ICを用いることが可能である。例えば、InPを用いたHBT ICや、SiGeを用いたBiCMOS IC、Si CMOS ICを用いてもよい。SiGe BiCMOS ICの場合には最大出力振幅電圧を差動出力で2.5V程度までとることが可能であり、図1(a)および図3を参照して上述したLN変調器を、強度変調として駆動させるため、あるいは位相変調として駆動させBPSK信号やQPSK信号などを発生させるのに適している。一方、Si CMOS ICについては、最大出力振幅電圧が差動出力で1.0V程度であり、Vπ電圧まで十分に駆動することはできず変調損が過剰に生じるものの、安価で低消費電力なSi CMOS ICを用いることが可能であり要求条件により判断して選択することが可能である。
なお上記実施形態では進行波電極型、集中定数型共に典型的な代表例を示しており、詳細な構造については上記例に限定されるわけではない。例えばLN薄膜については10μm以下まで薄くしてもよく、その他断面構造の工夫により、光導波路部を貫く電気信号の電界をさらに高くして、位相シフタをより短くすることも可能である。例えば、図1(b)に示す変形例のように、グランド電極B 15の幅を、変調用電極22の幅とほぼ同等にすることにより、電界の導波路への閉じ込めを図1(a)の構造よりも強くできるため、より小型化が可能となる。
あるいは進行波電極の構造による制約がない分、電極と光導波路との位置関係も自由度が大きくなるため、光導波路部のモードフィールド径をさらに絞る構造を採用して、電気信号の電界と光信号との重なり積分を大きくして、変調シフタを一層短くすることが可能である。
また図1(a)および(b)においては、位相シフト用光導波路基板(10,11)にLNを用いた例を示したが、同様の効果をもつ他の多元系酸化物結晶、例えばLiTaOやGaN結晶を用いることが可能である。
また図1(a)および(b)においては、石英系PLCとLN基板とを接続する、石英−LN変調器技術を用いた例を示したが、LNのみの変調器においても同様の効果を得ることが可能である。
(実施形態2)
図4乃至6を参照して、本発明の第2の実施形態に係る光変調器を説明する。
本実施形態の光変調器は、実施形態1において図3に示した光変調器の構造を、石英―LN集積技術を用いて、折り返し構造をとすることにより小型にしたものである。本実施形態に係る光変調器の上面図を図4に示す。なお、LN薄膜16上の、光の導波方向と垂直な面での断面図は、実施形態1で説明した図1(a)または(b)と同じである。実施形態1に比べ、各変調用位相シフタ部の直線部の長さが10mmと短くなり、変調用電極が10mm長の中に集中するため、ICの長さをより短くすることが可能である。また光ファイバの接続が片側の石英系PLCで済むため、モジュール化した時に光ファイバの余長処理が片側しか必要なく小型化できる。例えば典型的なSMF(Single-mode optical fiber)の曲げ半径は15mmであるため、光ファイバの入出力を片側の石英系PLCのみにできると、反対側の石英系PLCは、光ファイバブーツ+光ファイバ曲げ分15mmの突起がなくなり、かつモジュール内での光ファイバ接続分の長さが減らせ小型化でき、小型のボード等に収容する際に有利である。
ここで、LNやGaNは材料としては堅いため、石英系PLCの端面と変調用基板10,11の端面を接着剤等で直接接続する構造をとることができる。このような接続構造は低損失に接続可能であるし、信頼性も確認されている。また、屈折率も、LN、GaN各々2.2、2.3とInP等に比べて大幅に小さいため、低反射に接続することができる。
なお図4において、光導波路Cと光導波路DとはMZ干渉計の途中の回路のため光路長を等しくするほうが特性の波長依存性が小さくなる。そのような特性を要求されるときには、光路長を等しくする必要がある。図4は模式図であり光導波路同士の間隔を広く書いているが、実際にはLN薄膜上の位相シフタ部の光導波路同士の間隔は250μm程度まで狭くすることができる。そのためCとDとの光路長を等しくすることは回路レイアウトの工夫により可能である。あるいは図5のようにレイアウトを工夫することにより、MZMの両アームの光路長を等しくすることも可能である。
なお図4においては1つの疑似進行波型ドライバドライバICから2列の電極にワイヤで接続する必要があるが、このような2列の電極の間隔(光導波路の垂直方向の間隔)は通常250μm程度以上で自由に設定することができ、また2列のワイヤボンダも技術的に可能である。
なおこの折り返し構造については、図4や図5のような形に限定されるわけではなく、例えば図6のように3つ折りにして直線の変調シフタの長さをさらに短くすることも可能である。図6の例では各変調シフタの長さを7mm以下にすることができる。
石英−LN集積型変調器は、石英系PLCの多様な回路メニューを用いることができる。上記の構成に限定されるわけではなく、同様の効果が発揮される種々の構成にも応用可能である。
(実施形態3)
図7を参照して、本発明の第3の実施形態に係る光変調器を説明する。
図7に本実施形態に係る光変調器の上面図を示す。なお、LN薄膜16上の、光の導波方向と垂直な面での断面図は、実施形態1で説明した図1(a)または(b)と同じである。実施形態1、2では、集中定数型電極を用いると、進行波形電極を用いる場合と同じ駆動電圧を用いながらMZMの各変調シフタ長を例えば1/2に低減できることを示した。図7に示す光変調器は、実施形態2で説明したように石英―LN集積技術を用いた折り返し構造とし、変調シフタ長Lは従来の長さのまま、例えば40mmのままで、駆動電圧Vを低減する例を示す。ここで各アームにおける位相シフト量は、印加電圧Vと変調シフタ長Lとの積に比例する。そのため変調シフタ長Lを従来のままの長さとすると、実施形態1で説明したのと全く同じ計算により、位相シフタ量は従来のままで、印加電圧を1/2に低減することが可能である。
ちなみに、駆動電圧が低くなればその分、駆動ドライバICも消費電力が低減できることが知られており、このような光変調器、ドライバICは送信装置で多数用いられる。現在の大容量な通信システムでは消費電力の低減が大きな課題となっており、低消費電力化のメリットは大きい。
図7は図4と同じレイアウトであるが、MZMの各アームにおける、LN薄膜上の位相シフタは、直線部で20mm、2ヶ所合計で40mmの長さとしている。そして実施形態1と同様に分割して、集中定数型電極として1個当たり1.1mm長の電極を18個、合計の相互作用長で約20mm分設けている。このように位相シフタ長は従来例通りで、駆動電圧Vを従来の1/2とした光変調器を構成できる。
(実施形態4)
図8を参照して、本発明の第4の実施形態に係る光変調器を説明する。
図8に本実施形態に係る光変調器の上面図を示す。なお、LN薄膜16上の、光の導波方向と垂直な面での断面図は、実施形態1で説明した図1(a)または(b)と同じである。実施形態1〜3では、本提案の特徴を説明するために、単独のMZMの例を掲げたが、それらを組み合わせた変調器も可能である。
図8に示す光変調器は、図1および3を参照して説明したMZMを組み合わせた、100Gb/s DP−QPSK変調器の構成を示す。図3のMZMを基本として、2個のMZMをネスト型に組合せIQベクトル変調器を構成している。さらに入力から見て、光スプリッタにより入力信号光を分岐した後に上記、IQベクトル変調器を各偏波信号に対応するように挿入する、上側の光信号については、1/2波長板40により偏波回転子を設けTMモードをTEモードに変化できるようにする。その先で偏波ビームコンバイナ42により、異なる偏波成分を合波して偏波多重する。以上の構成で、各MZMを差動の例えば32Gbaudのボーレートで駆動することにより、合計128Gb/s DP−QPSK変調器を構成することが可能である。
図8の光変調器においては、図3のMZMを構成単位として用いた例を示したが、その他の例を構成単位として組み合わせ、このような変調器を構成することは当然可能である。図7のMZMを用いれば低駆動電圧で小型な光変調器を構成できる。
ここでは100Gb/s DP−QPSK変調器の例を示したが、これ以外の例、例えばRZ集積DQPSK変調器、各種QAM変調器、あるいは400Gb/s変調器やフレキシブル変調器等を構成することも可能である。
10,11 変調用基板
12 Si基板
14 グランド電極
16 LiNbO(LN)薄膜
18 光導波路
20 SiO
22 変調用電極(電極バッド)
24 グランド電極
30 疑似進行波型ドライバIC
32 ドライバIC
34 出力電極バッド
36 ワイヤ
40 1/2波長板
42 偏波ビームコンバイナ
100 光変調器
101,107,301,305 光ファイバ
102,103a,103b Y分岐
104a,104b,104c,104d アーム導波路
105a、105b、106 カプラ
110,220,303 LN基板
112a,112b、1211,121b、122,221a,221b 電極
231 位相シフタ
302,304 石英系PLC基板
400 光変調器
414,424 グランド電極
416 LN薄膜
418 光導波路
420 ガラス(SiO)膜
422 信号線路

Claims (6)

  1. 多元系酸化物結晶基板にマッハツェンダ干渉計を含む光導波路が設けられた光変調器であって、
    変調用信号を出力する疑似進行波型ドライバICと、
    前記多元系酸化物結晶基板における前記マッハツェンダ干渉計のアーム部に備わる位相シフタ部の上側に設けられた変調用電極と、
    前記多元系酸化物結晶基板の前記光導波路が設けられた面と対向する面に設けられたグランド電極とを備え、
    前記変調用電極は前記光導波路の方向に複数に分割されており、前記複数に分割された変調用電極の各々は、前記疑似進行波型ドライバICの出力ポートに接続されていることを特徴とする光変調器。
  2. 前記グランド電極は、前記多元系酸化物結晶基板の前記光導波路が設けられた面と対向する面の、前記変調用電極と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 前記光変調器のマッハツェンダ干渉計は、第1の石英系ガラス光導波路基板と、前記多元系酸化物結晶基板と、第2の石英系ガラス光導波路基板とにより構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の光変調器。
  4. 前記多元系酸化物結晶基板は、ニオブ酸リチウムまたは窒化ガリウムを材料とする基板であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光変調器。
  5. 前記多元系酸化物結晶基板の厚さが100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光変調器。
  6. 前記グランド電極の幅は、前記変調用電極の幅と等しいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光変調器。
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