JP2015102642A - 回路基板、入力機能付電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

回路基板、入力機能付電気光学装置、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】光入力による書込みを速やかに表示できる回路基板、入力機能付電気光学装置、および電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の回路基板は、基板上に設けられた表示領域に複数配列された画素ごとに設けられる画素回路を備えた回路基板であって、画素回路は、画素選択トランジスタと、画素選択トランジスタのソースと接続されるデータ線と、画素選択トランジスタのゲートと接続される走査線と、画素電極と、画素電極および画素選択トランジスタに接続され、画素電極に対する電位の出力状態を切り替え可能なメモリー部と、光入力によりメモリー部に保持される画素電極に対する出力を書き換え可能な光センサーと、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、回路基板、入力機能付電気光学装置、および電子機器に関するものである。
従来、画素毎に表示回路および光入力型座標検出回路が個別に形成された表示装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2006−3857号公報
上記従来技術においては、光で座標指定した部分を書き換える場合、1行ずつ信号データを取り込み、そのデータを元に上位機器が表示部分を所定の駆動シーケンスで書き換えなくてはならない。そのため、例えば、光ペンでなぞった時の軌跡表示を速やかに表示させることができないといった問題があった。
本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであって、光入力による書込みを速やかに表示できる回路基板、入力機能付電気光学装置、および電子機器を提供することを目的の一つとする。
本発明の第1態様に従えば、基板上に設けられた表示領域に複数配列された画素ごとに設けられる画素回路を備えた回路基板であって、前記画素回路は、画素選択トランジスタと、前記画素選択トランジスタのソースと接続されるデータ線と、前記画素選択トランジスタのゲートと接続される走査線と、画素電極と、前記画素電極および前記画素選択トランジスタに接続され、前記画素電極に対する電位の出力状態を切り替え可能なメモリー部と、光入力により前記メモリー部に保持される前記画素電極に対する出力を書き換え可能な光センサーと、を備えることを特徴とする回路基板が提供される。
第1態様に係る回路基板によれば、画素内に設けられた光センサーによって、光入力によりメモリー部に保持される画素電極に対する出力を直接書き換えることができる。したがって、例えば、画素電極と対向電極間に生じさせた電位差により電気光学物質層を駆動させる電気光学装置に適用すれば、光ペンなどを用いた手書きによる軌跡の表示を速やかに表示することができる。
上記第1態様において、前記画素電極と前記画素選択トランジスタとの間に配置され、前記画素電極に対する電位の入力状態を切り替え可能な駆動トランジスタを備え、前記光センサーおよび前記メモリーは、前記駆動トランジスタのゲートと前記画素選択トランジスタのドレインとを接続する配線間にそれぞれ設けられることが好ましい。
この構成によれば、メモリー部からの出力を切り替えることで駆動トランジスタの駆動状態を制御することができる。よって、光入力に基づいて、画素電極に対する電位の入力状態を制御することができる。
上記第1態様において、前記光センサーは、トランジスタをダイオード接続することで構成されてなることが好ましい。
この構成によれば、画素選択トランジスタおよび駆動トランジスタとともに光センサーを同一工程で製造することができる。よって、製造工程が簡便となり、コスト低減が図られる。
上記第1態様において、前記光センサーは、前記メモリー部を構成する複数のトランジスタの一部から構成されることが好ましい。
この構成によれば、光センサーがメモリー部を構成するトランジスタから構成されるので、部品点数を削減することができる。
上記第1態様において、前記メモリー部と前記画素電極との間に設けられたスイッチ回路と、前記スイッチ回路に接続される第1制御線および第2制御線と、を備え、前記メモリー部からの出力に基づいて選択された前記第1制御線および前記第2制御線の一方を介して前記画素電極に電位が入力されることが好ましい。
この構成によれば、光入力を用いて画素電極に入力される電位を切り替えることができる。
上記第1態様において、前記画素電極は、開口が形成されており、前記光センサーは平面視で前記開口と重なるように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、画素電極に形成された開口を介して光センサーに光を良好に入力させることができる。
上記第1態様において、可視光域の光に対して遮光性を有し、平面視で前記開口に対応する位置に設けられるフィルターを備えることが好ましい。
この構成によれば、可視光による光センサーの誤作動を防止することができる。
上記第1態様において、前記データ線を介して前記メモリー部における電位の保持情報を読み出す読み出し部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、メモリー部における電位の保持情報を読み出すことで取得することができる。よって、光入力による座標位置に関する情報を取得することができる。
本発明の第2態様に従えば、上記第1態様に係る回路基板と、前記回路基板の画素電極に対向配置される対向電極を有する対向基板と、前記回路基板と前記対向電極との間に挟持される電気光学物質層と、を備える入力機能付電気光学装置が提供される。
第2態様に係る入力機能付電気光学装置によれば、光ペンなどを用いた手書きによる軌跡の表示を行うことができる。
上記第2態様において、前記電気光学物質層が電気泳動層であることが好ましい。
この構成によれば、光ペンなどを用いた手書きによる軌跡を速やかに表示可能な電気泳動表示装置が提供される。
本発明の第3態様に従えば、上記第2態様に係る入力機能付電気泳動表示装置を備える電子機器が提供される。
第3態様に係る電子機器によれば、光ペン等を用いた手書き入力に対応した入力機能付電気光学装置を備えるので、電子機器自体も手書き入力機能を備えた付加価値の高いものとなる。
液晶表示装置の概略構成を示す断面図。 液晶表示装置の回路構成を示す図。 液晶表示装置の1つの画素回路を示す平面図。 画素回路の動作説明図。 光入力を行う動作を説明するための図。 電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図。 電気泳動素子の動作説明図。 電気泳動表示装置における画像表示動作のフローを示す図。 電気泳動表示装置の画素の回路構成を示す図。 第2実施形態に係る画素回路の構成を示す平面図。 画素20を駆動する際のタイミングチャート図。 軌跡補正動作のフローを示す図。 他の実施形態における画素回路の構成を示す回路図。 電子機器の一例に係る構成を示す図。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、アクティブマトリクス方式により駆動される電気光学装置を例に挙げて説明する。なお、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の電気光学装置の第1の実施形態である液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、液晶表示装置100は、本発明の回路基板から構成される素子基板1と、対向基板2と、これら素子基板1と対向基板2との間に挟持される液晶層80(電気光学物質層)と、を備えている。素子基板1は、対向基板2よりも大きく形成されている。表示部3は、複数の画素20を含む。素子基板1と対向基板2とが平面視重なる領域に表示部3が形成されている。
素子基板1の一方面側には、複数の画素電極21が形成されている。各画素電極21は、画素20に対向して形成されている。また、素子基板1には、後述の素子(画素選択トランジスタ、駆動トランジスタ、保持容量、光センサー等)が画素20ごとに形成されているが、図1では省略している。
対向基板2の一方面側には、対向電極22が形成されている。対向電極22は、複数の画素20に対して共通に設けられている。素子基板1および対向基板2は、例えば、ガラスやプラスチック等といった光透過性基板から構成されている。画素電極21および対向電極22は、例えばITO等の透明電極から構成される。
本実施形態において、液晶表示装置100は、光透過型のパネルから構成される。すなわち、液晶表示装置100は、不図示のバックライトを備えている。なお、液晶表示装置100は、光透過型のパネルに限定されず、光反射型のパネルから構成されていても良い。この場合、画素電極21は、例えば、Al等の光反射性を有する金属材料から構成される。
本実施形態において、液晶層80は、画素電極21と対向電極22との間に発生する液晶層厚方向の電界(縦電界)によって駆動されるものである。液晶の駆動方式としては、TN(Twisted Nematic)方式が代表的であるが、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式やVA(Vertical Alignment)方式やIPS(In-Plane Switching)方式やFFS(Fringe Field Switching)方式などの他の方式でもよい。
図2(a)は、液晶表示装置の回路構成図であり、図2(b)は、画素20の回路構成を示す図である。
液晶表示装置100は、図2(a)に示すように、複数の画素20が配列された表示部3と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70とを備えている。
表示部(表示領域)3には、走査線駆動回路60から延びる複数の走査線40(Y1、Y2、…、Ym)と、データ線駆動回路70から延びる複数のデータ線50(X1、X2、…、Xn)とが形成されている。画素20は走査線40とデータ線50との交差部に対応して配置されており、各画素20は走査線40、データ線50にそれぞれ接続されている。
なお、表示部3の周辺には、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70、およびコントローラー200が配置されている。コントローラー200は、上位装置から供給される画像データや同期信号に基づき、前記各回路を総合的に制御する制御装置である。これら走査線駆動回路60、データ線駆動回路70、およびコントローラー200は、素子基板1のうち対向基板2よりも張り出した領域に実装されている。
図2(b)に示すように、各画素20は素子基板1に設けられた画素回路20Aと、対向電極22と、該対向電極22と画素電極21との間に挟持される液晶層80と、を有する。画素回路20Aは、選択トランジスタ(画素選択トランジスタ)24と、駆動トランジスタ26と、画素電極21と、光センサー38と、メモリー(メモリー部)39と、を含む。画素回路20Aは、素子基板1に形成される。
選択トランジスタ24は、例えばNMOS(Negative Metal Oxide Semiconductor)−TFT(Thin Film Transistor)からなる画素スイッチング素子である。選択トランジスタ24のゲートは走査線40に接続され、ソースはデータ線50に接続され、ドレイン端子はメモリー39に接続されている。
すなわち、図1に示したように、画素20を形成する選択トランジスタ24のゲートは列毎の組単位で各走査線40と接続し、走査線駆動回路60と接続する。そして、画素20を形成する選択トランジスタ24のソースは行毎の組単位で各データ線50と接続し、データ線駆動回路70と接続する。
メモリー39の一方の電極は選択トランジスタ24に接続され、他方の電極は容量線Cに接続されている。すなわち、メモリー39は、選択トランジスタ24のドレインと駆動トランジスタ26のゲートとの間に配置されている。
メモリー39は、保持内容に応じた電位を画素電極21に出力可能となっている。そのため、メモリー39は、保持内容を書き換えることで画素電極21に対する電位の出力状態を切り替え可能となっている。
光センサー38は、例えば、フォトレジスタ、フォトダイオード、或いはフォトトランジスタ等から構成されるものである。本実施形態において、光センサー38は、後述のようにフォトダイオードから構成される。光センサー38は、選択トランジスタ24と駆動トランジスタ26との間に配置されている。本実施形態において、光センサー38は、メモリー39と駆動トランジスタ26のゲートとの間に配置されている。光センサー38の一方の電極は、メモリー39および駆動トランジスタ26に接続されており、他方の電極は信号線36に接続される。光センサー38は、信号線36の電位をメモリー39に書き込む。信号線36には、例えば、駆動トランジスタ26のゲートをオフにする電位が入力されている。すなわち、光センサー38は、後述のように光入力によりメモリー39に保持される画素電極21に対する出力(出力電位)を書き換え可能となっている。
なお、本実施形態において、メモリー39および光センサー38は、選択トランジスタ24および駆動トランジスタ26間にこの順に配置される場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、光センサー38の一方の電極と駆動トランジスタ26のゲートとの間にメモリー39が配置されていてもよい。
駆動トランジスタ26は、例えばNMOS(Negative Metal Oxide Semiconductor)−TFT(Thin Film Transistor)からなるスイッチング素子である。駆動トランジスタ26のゲートは光センサー38に接続され、ソースは駆動電源線37に接続され、ドレイン端子は画素電極21に接続されている。駆動電源線37は、画素電極21に対して駆動電位を供給するためのものである。すなわち、駆動トランジスタ26は、ゲートのスイッチング状態(オンオフ状態)に応じて、画素電極21に対する電位の入力状態を切り替え可能である。本実施形態において、駆動電源線37からの駆動電位Vdrvは、例えば、対向電極22に不図示の駆動電源から入力されている電位Vcomに対して電圧対称のDuty50%の矩形電圧波である。
対向電極22には、不図示の駆動電源から所定の電位Vcomが入力されている。液晶表示装置100は、対向電極22と画素電極21との間に生じる電位差に基づいて液晶層80の液晶分子を駆動させることで所望の画像を各画素20で表示することができる。
本実施形態において、各データ線50は、トランスファゲートTGによりオンオフが制御可能となっている。トランスファゲートTGの駆動は、コントローラー200により行われる。
また、本実施形態において、データ線駆動回路70は、データ線50を介して各画素20に所定の画像信号を供給する一方、データ線50を介して各画素20から所定の情報(メモリー39の保持メモリー)がコントローラー(読み出し部)200により取り出し可能となっている。なお、データ線駆動回路70の駆動制御は、コントローラー200により行われ、取り出した情報はコントローラー200へと送信される。
図3は、本実施形態に係る液晶表示装置100のうち1つの画素20の構成を具体的に示す平面図である。
まず、画素20の外周に設けられた配線について説明する。図3に示すように、画素20の外周には走査線40、データ線50、駆動電源線37、容量線C、及び信号線36が設けられている。これらの配線は複数の画素20に跨って形成されている。
次に、画素20内に設けられた配線及び半導体層の構成を説明する。画素20内の最下層には、半導体層141、28が形成されている。これらの半導体層はいずれもシリコンなどの半導体材料から構成されている。なお、各半導体層を異なる材料によって構成しても勿論構わない。半導体層141は、選択トランジスタ24およびフォトダイオード(光センサー38)の一部を構成するものである。
半導体層141、28の上層には、走査線40、データ線50、駆動電源線37、容量線C、信号線36、及び配線91、92、93が形成されている。これらの配線等は例えば銅、アルミニウム、銀などの導電性の高い金属によって構成されている。
走査線40には、選択トランジスタ24のゲート電極を構成する延出部40aが形成されている。
データ線50には、延出部50aが形成されている。延出部50aは、コンタクトホールを介して半導体層141と接続される。延出部50aは、選択トランジスタ24のソース電極を構成する。
駆動電源線37には、延出部37aが形成されている。延出部37aは、コンタクトホールを介して半導体層28と接続される。延出部37aは、駆動トランジスタ26のソース電極を構成する。上記配線93は、半導体層28とコンタクトホールを介して接続され、駆動トランジスタ26のドレイン電極を構成する。画素電極21は、コンタクトホールを介して配線93に接続される。
容量線Cには、メモリー39の一方の電極をなす拡幅部C1が形成されている。配線91は、コンタクト部91aと容量形成部91bとを含む。コンタクト部91aは、半導体層141に対してコンタクトホールを介して接続され、選択トランジスタ24のドレイン電極を構成する。また、コンタクト部91aは、光センサー38(フォトダイオード)の一方の端子を構成する。容量形成部91bは、容量線Cの拡幅部C1と平面視で重なった状態に配置される。容量形成部91bは、拡幅部C1と、該拡幅部C1との間に挟持する絶縁層との間でメモリー39を構成する。上記配線92は、コンタクトホールを介して配線91(コンタクト部91aから延びる延出部)に接続され、半導体層28と平面視で重なるように引き回されている。配線92は、駆動トランジスタ26のゲート電極を構成する。
信号線36には、延出部36aが形成され、延出部36aは、平面視で半導体層141に重なっており、該半導体層141に対してコンタクトホールを介して接続される。延出部36aは、光センサー38(フォトダイオード)の他方の端子を構成する。
本実施形態において、画素電極21は画素回路20A上に配置されている。また、画素電極21には、光センサー38に対応する位置(平面視で光センサー38に重なる位置)に開口21aが形成されており、光センサー38の少なくとも一部は画素電極21と重ならないように配置されている。これにより、光センサー38は、画素電極21の上面側から入射する光を良好に取り込むことができる。
続いて、本実施形態に係る液晶表示装置100の動作について説明する。図4は、駆動時における駆動トランジスタ26、メモリー39、画素電極21における電位の状態を示す図である。本実施形態においては、液晶層80への実効電圧が0の時に画素20が黒表示となり、実効電圧が0でない場合に画素20が白表示となるノーマリブラック液晶を例に挙げて説明する。
(画像表示)
画像表示を行う際、コントローラー200は、データ線駆動回路70をバスに所定の信号を供給する方向に設定する。バス幅としては、例えば、1bit幅とする。
画像表示を行う際、コントローラー200は、走査線駆動回路60を駆動し、走査線40を順次選択し、選択行の選択トランジスタ24をオン状態にする。なお、列とは、複数のデータ線50から構成され、行とは複数の走査線40から構成される。
コントローラー200は、この状態で、トランスファゲートTGを順次選択し、選択列のデータ線50とデータ線駆動回路70とをオン状態とする。これにより、コントローラー200は、データ線駆動回路70からデータ線50を介して画像信号を出力可能となる。
ここで、所定の選択行および選択列部分の画素20を黒表示する場合、データ線駆動回路70は、駆動トランジスタ26をオフにする信号電位(画像データ)Voffをデータ線50に供給する。一方、所定の画素20を白表示する場合、データ線駆動回路70は、駆動トランジスタ26をオンにする信号電位(画像データ)Vonをデータ線50に供給する。
すると、データ線50上の信号電位(Von又はVoff)がメモリー39に充電されることで保持される。図4において、メモリー39のメモリー状態として、保持された電位がVoffの時の状態を「0」、Vonの時の状態を「1」と示す。
ここで、選択する列を変更すると、今までオン状態であったトランスファゲートTGはオフになるが、データ線50の寄生容量等で該データ線50の電位は一定期間だけ維持される。そのため、メモリー39に保持されたメモリー状態は変化しない。
また、全列のデータ線50を選択し終わると、次の行の走査線40が選択される。この場合、今まで選択されていた前行の選択トランジスタ24は全てオフ状態となるので、他の画素20への電位入力に伴って、データ線50への電位が今後変更した場合でもメモリー39に保持された電位は変化しない。
以上の動作を繰り返すことで全ての画素20についてのメモリー設定が完了する。そのため、図4の表に示すように、メモリー(MEM)が「1」の画素20は、選択トランジスタ24(Tr2)はオン状態(Von)となる。選択トランジスタ24がオン状態となると、画素電極21(Pix)には、駆動電源線37の駆動電位Vdrvが入力される。すなわち、画素電極21には、駆動電位Vdrvとして電位Vcomに対して電圧対称のDuty50%の矩形電圧波が入力される。そのため、駆動電位Vdrvが入力された画素20の液晶層80には0Vでない実効電圧が印加されることになり、ノーマリブラック液晶である液晶層80は、白表示となる。
一方、メモリー(MEM)が「0」の画素20は、選択トランジスタ24(Tr2)はオフ状態(Voff)となる。選択トランジスタ24がオフ状態となると、画素電極21(Pix)には、対向電極22の電位Vcomと同電位となる。そのため、対向電極22と画素電極21との間で電位差が生じない画素20の液晶層80には0Vの実効電圧が印加されることになり、ノーマリブラック液晶である液晶層80は黒表示となる。
ところで、本実施形態に係る液晶表示装置100は、光入力を行う事で各画素20に設けられた光センサー38がメモリー39に保持されるメモリーを書き換え可能となっている。これにより、光入力に応じた画素20の表示状態を所定の状態に変更可能となっている。以下、光入力により画素20の表示を変更する動作について説明する。
(光入力動作)
図5は、液晶表示装置100の表示部3に対する光入力を行う動作を説明するための図である。図5に示すように、表示部3への光入力には光ペン90が用いられる。図5では、光ペンを用いて表示部3にアルファベットのAの文字を書き込んだ状態を示している。
光ペン90は、先端部から所定の波長の光LTを射出する。光ペン90から射出する光LTの波長としては、特に限定されず、可視光或いは赤外光であってもよい。また、光ペン90から赤外光を射出する場合は、図3に示した画素電極21の開口21aに対応する位置(平面視で光センサー38に重なる位置)に可視光成分を選択的に遮光する可視光フィルター23を配置するのが好ましい。これによれば、可視光が開口21a内に入り込むことで光センサー38が誤作動するのを防止でき、信頼性の高い光書込み動作を行う事ができる。
光ペン90による手書き入力を行う際、選択トランジスタ24はオフ状態とされており、駆動トランジスタ26のゲートにはメモリー39の保持メモリーに応じた電位が入力されている。以下では、説明を簡単にするため、光ペン90による手書き入力を行う際、表示部3の全画素20は白表示をしているものとする。すなわち、全ての画素20のメモリー39における保持メモリーは「1」である。
図5に示すように、光ペン90を表示部3に接近させると、光ペン90の光LTが照射された画素20の光センサー38の抵抗が低くなる。これにより、メモリー39には、信号線36に入力されている駆動トランジスタ26をオフする電位が書き込まれ、保持メモリーが「1」から「0」へと書き換わる。
ここで、メモリー39の保持メモリーが「1」から「0」に変更された画素20では、駆動トランジスタ26がオン状態となる。その結果、光を照射された画素20が選択的に白表示から黒表示に移行され、表示部3に黒色マークが記入される。このようにして、表示部3の表示状態を黒表示に変化させることで光ペン90の軌跡を表示できる。
(座標データ読出動作)
また、本実施形態に係る液晶表示装置100は、データ線50を介してメモリー39の保持メモリーを読み出し可能となっている。読み出したデータ(保持メモリー)は、コントローラー200へと送信される。コントローラー200は、送信されたデータを上位機器に送信する。上位機器は、上位装置から供給される画像データ(すなわち、光入力前の表示部3に表示されていた画像データ)と読み出した保持メモリーとを比較して、白から黒に変化した画素位置を検出し、光ペン90による入力位置を検出することができる。
なお、上記説明では、表示部3を全白表示にしておき、光ペン90でなぞった画素20のみを黒表示とする場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、表示部3に予め画像を表示しておき、表示した画像上に光ペン90の軌跡を表示するようにしてもよい。ここで、もともと黒表示をしていた画素20は、光ペン90による光入力に伴って保持メモリーが変化しない。この場合、コントローラー200は、白表示から黒表示に変化した他の画素20の位置情報から内挿すればよい。
以下、コントローラー200によるメモリー39からの座標データの読み出し動作について説明する。
データ読み出しを行う際、コントローラー200は、データ線駆動回路70をバス上の信号を取り出す方向に設定する。バス幅としては、例えば、1bit幅とする。そして、コントローラー200は、走査線40を順次選択し、選択行の選択トランジスタ24をオン状態にする。この状態で、コントローラー200は、トランスファゲートTGを順次選択する。すると、コントローラー200は、選択行および選択列部分の画素20のメモリー39のデータ(保持メモリー)をデータ線50、およびデータ線駆動回路70を介して読み出すことができる。コントローラー200は、読み出したデータを上位機器に送信する。以上により、メモリー39の保持メモリーが上位機器に取り込まれる。
コントローラー200は、全ての列を選択し終わると、次の行を選択し同様の動作を繰り返すことで全画素20のメモリー状態を取り出すことができる。
なお、本実施形態では、説明を簡単にするため、バスを1bit幅で説明したが、例えば、4、8、16bit幅でも良い。
以上説明したように、本実施形態に係る液晶表示装置100によれば、画素20内に設けられた光センサー38によって、メモリー39の保持メモリーを直接書き換えることで駆動トランジスタ26の駆動状態を制御することができる。よって、光入力により、画素電極21に対する電位の入力状態を制御することで、光ペン90などを用いた手書きによる軌跡を速やかに表示可能な液晶表示装置100を提供できる。また、メモリー39から座標データを読み出すことができる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係る電気光学装置について説明する。本実施形態に係る電気光学装置は、第1実施形態と異なり、電気光学層として電気泳動層を備える点が大きく異なる。以下の説明では、第1実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付し、その説明については省略する。
図6(a)は、本発明の電気光学装置の第2の実施形態である電気泳動表示装置101の概略構成を示す断面図であり、図6(b)はマイクロカプセルの構成図である。
図6(a)に示すように、電気泳動表示装置101は、素子基板1と、対向基板2と、該素子基板1及び対向基板2間に配置される電気泳動層(電気光学層)180と、を備えている。
素子基板1の一方面側には、複数の画素電極21が形成されている。対向基板2の一方面側には、対向電極22が形成されている。対向電極22は、複数の画素20に対して共通に設けられている。電気泳動層180は、複数のマイクロカプセル181により構成されている。電気泳動層180は、接着剤層30を用いて両基板1、2の間で固定されている。すなわち、電気泳動層180と両基板1、2との間に接着剤層30が形成されている。
なお、対向基板2側の接着剤層30は画素電極21面と接着するために必用なものであるが、対向基板2側の接着剤層30については必須ではない。これは、あらかじめ対向基板2に対して対向電極22と複数のマイクロカプセル181と対向基板2側の接着剤層30とを一貫した製造工程で造り込んだあと電気泳動シートとして取り扱う場合においては、素子基板1側の接着剤層30のみが必要となるためである。
図6(b)に示すように、マイクロカプセル181は、例えば50μm程度の粒径を有し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアゴム等の透光性を有する高分子樹脂によって形成されている。このマイクロカプセル181は、対向電極22と上述の画素電極21との間に挟持されており、一つの画素20内に複数のマイクロカプセル181が縦横に配列された構成になっている。マイクロカプセル181の周囲を埋めるように、当該マイクロカプセル181を固定するバインダー(図示は省略)が設けられている。
マイクロカプセル181の内部には、分散媒81と、電気泳動粒子として複数の白色粒子82、複数の黒色粒子83が封入されている。
白色粒子82は、例えば、酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば負に帯電されて用いられる。黒色粒子83は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば正に帯電されて用いられる。これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンドなどの粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤などを添加することができる。
分散媒81としては、水、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、脂肪族炭化水素(ぺンタン、ヘキサン、オクタンなど)、脂環式炭化水素(シクロへキサン、メチルシクロへキサンなど)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、長鎖アルキル基を有するベンゼン類(ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンなど))、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなど)、シリコーンオイルなどを例示することができ、その他の油類であってもよい。これらの物質は単独又は混合物として用いることができ、さらに、カルボン酸塩のような界面活性剤などを配合してもよい。
このような構成に基づき、電気泳動表示装置101では、例えば、画素電極21と対向電極22との間に電圧を入力すると、これらの間に生じる電界にしたがって、後述のように電気泳動粒子(白色粒子82及び黒色粒子83)はいずれかの電極(画素電極21、対向電極22)に向かって電気泳動する。
図7は、電気泳動素子(白色粒子82及び黒色粒子83)の動作説明図である。図7(a)は、画素20を白表示する場合、図7(b)は、画素20を黒表示する場合をそれぞれ示している。
図7(a)に示す白表示の場合には、対向電極22が相対的に高電位(High)、画素電極21が相対的に低電位(Low)に保持される。これにより、負に帯電した白色粒子82が対向電極22に引き寄せられる一方、正に帯電した黒色粒子83が画素電極21に引き寄せられる。その結果、表示面側となる対向電極22側からこの画素20を見ると、白色(W)が認識される。
一方、図7(b)に示す黒表示の場合、対向電極22が相対的に低電位(Low)、画素電極21が相対的に高電位(High)に保持される。これにより、正に帯電した黒色粒子83が対向電極22に引き寄せられる一方、負に帯電した白色粒子82が画素電極21に引き寄せられる。その結果、対向電極22側からこの画素を見ると黒色(B)が認識される。
本実施形態に係る電気泳動表示装置101においても、各画素20に図2(b)に示した画素回路20Aを備えている。
続いて、本実施形態に係る電気泳動表示装置101の動作について説明する。図8は、電気泳動表示装置101における画像表示動作のフローを示す図である。図8に示すように、電気泳動表示装置101は、全メモリー39の保持メモリーを1にセットするステップSS1と、駆動電位Vdrvを低電位(Low)とするステップSS2と、全画素20を白表示とするステップSS3と、駆動電位VdrvをVcomとするステップSS4と、各画素20のメモリー39に書込みデータを保持するステップSS5と、駆動電位Vdrvを高電位(High)とするステップSS6と、メモリー39に保持された保持メモリーに基づいた画像表示を行うステップSS7と、を実行する。
まず、ステップSS1において、コントローラー200は、全ての画素20のメモリー39の保持メモリーを「1」に設定する。ここで、保持メモリーが「1」とは、駆動トランジスタ26をオン状態にすることを意味する。
メモリー39にデータを保持する動作については、第1実施形態と同様であることから説明については省略する。全メモリー39の保持メモリーを「1」にした後、ステップSS2に移行する。
ステップSS2において、コントローラー200は、駆動電源線37に供給される電位を制御し、駆動電位Vdrvとして対向電極22の電位Vcomに対して負の電位、すなわち相対的に低電位(Low)のものが駆動電源線37を介して画素電極21に入力されるようにする。これにより、全ての画素電極21の電圧は対向電極22の電位Vcomに対して負の電位となる。よって、全ての画素20において、黒色粒子83は画素電極21側に移動し、白色粒子82は対向電極22側に移動することになる(図7(a)参照)。よって、全画素20において白表示となる(ステップSS3)。
全面白表示を行った後、ステップSS4に移行する。
ステップSS4において、コントローラー200は、駆動電源線37に供給される電位を制御し、駆動電位Vdrvとして対向電極22の電位Vcomと同電位が駆動電源線37を介して画素電極21に入力されるようにする。これにより、画素電極21および対向電極22間の電位差が0となるので、全ての画素20において電気泳動粒子(白色粒子82および黒色粒子83)は移動しない。
続いて、ステップSS5へ移行する。ステップSS5において、コントローラー200は、各画素20のメモリー39に書込みデータを保持する。具体的に、黒表示に変更する画素20のメモリー39の保持メモリーを「1」とし、白表示を保持したままとする画素20のメモリー39の保持メモリーを「0」とする。全画素20のメモリー書込みが終了した後、ステップSS6へ移行する。
ステップSS6において、コントローラー200は、駆動電源線37に供給される電位を制御し、駆動電位Vdrvとして対向電極22の電位Vcomに対して正の電位、すなわち相対的に高電位(High)のものが駆動電源線37を介して画素電極21に入力されるようにする。
続いて、ステップSS7へ移行する。ステップSS7では、各メモリー39に保持された保持メモリーに基づいた画像表示を行う。この場合、保持メモリーが「1」である黒表示する画素20においては駆動トランジスタ26がオンするため、対向電極22の電位Vcomに対して正の電位が画素電極21に入力されることとなる。これにより、白色粒子82は画素電極21側に移動し、黒色粒子83は対向電極22側に移動することで黒表示の画素20となる(図7(b)参照)。一方、保持メモリーが「0」である白表示する画素20の画素電極21においては駆動トランジスタ26がオフするため、画素電極21および対向電極22間に電位差が生じないことから電気泳動粒子(白色粒子82および黒色粒子83)は移動せずに白表示のままとなる。
続いて、本実施形態に係る電気泳動表示装置101において、光入力を行う場合について説明する。以下では、説明を簡単にするため、光入力を行う際、表示部3の全画素20は白表示をしているものとする。すなわち、全画素20のメモリー39における保持メモリーは「0」となっている。
本実施形態では、信号線36に駆動トランジスタ26をオンにする電位が供給されているものとする。また、光入力時において、選択トランジスタ24はオフ状態とされており、駆動トランジスタ26はメモリー39の保持メモリーに応じた電位が入力されている。また、駆動電源線37には、対向電極22の電位Vcomに対して負の電位(低電位)となる駆動電位Vdrvが入力されている。
光ペン90(図5参照)を表示部3に接近させると、光ペン90の光LT(図5参照)が照射された画素20の光センサー38の抵抗が低くなる。これにより、メモリー39には、信号線36に入力されている駆動トランジスタ26をオンする電位が書き込まれ、保持メモリーが「0」から「1」へと書き換わる。その結果、光を照射された画素20が選択的に白表示から黒表示に移行され、表示部3に黒色マークが記入される。このようにして、表示部3の表示状態を黒表示に変化させることで光ペン90の軌跡を表示できる。
なお、本実施形態のように電気泳動表示装置101においては、電気泳動粒子の移動が完了した後は電圧を印加し続ける必要が無い。そのため、光ペン90が表示部3に接触した時、その旨を伝える信号を光ペン90または電気泳動表示装置101の一方が発することにより、これに同期して所定の時間だけ駆動電位Vdrvとして、Vcomに対して正の電圧を供給し、その後はVcomと同電位にしても良い。
なお、コントローラー200によるメモリー39からの座標データの読み出し動作については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置101においても、光入力により、画素電極21に対する電位の入力状態を制御することで、光ペン90などを用いた手書きによる軌跡を速やかに表示できる。また、メモリー39から座標データを読み出すことができる。
なお、上記実施形態では、電気泳動層として複数のマイクロカプセル181が配置された場合を例示しているが、これに限定されない。電気泳動層を隔壁によって複数のセルに分割し、複数のセルの各々に分散媒81と、電気泳動粒子として複数の白色粒子82、複数の黒色粒子83を封入する構成であってもよい。
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態に係る電気光学装置について説明する。本実施形態に係る電気光学装置は、第2実施形態の電気泳動表示装置101に対して画素回路が大きく異なっている。以下の説明では、第2実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付し、その説明については省略する。
図9は、本実施形態における電気泳動表示装置の画素20の回路構成を示す図である。図9に示すように、画素20には、選択トランジスタ24と、ラッチ回路(メモリー部)25と、電位制御用のスイッチ回路SWと、画素電極21と、対向電極22と、電気泳動層180とを備えており、これらから対向電極22および電気泳動層180を除いたものから画素回路120Aが構成される。スイッチ回路SWは、トランスファゲートTG1、TG2を含む。
本実施形態において、選択トランジスタ24のソース端子にはデータ線50が接続され、ドレイン端子にはラッチ回路25の入力端子N1が接続されている。選択トランジスタ24は、走査線40を介して選択信号が入力される期間中、データ線50とラッチ回路25とを接続させることによって、データ線50を介して入力される画像信号をラッチ回路25に入力させるために用いられる。
ラッチ回路25は2つのP型トランジスタ32、34、及び2つのN型トランジスタ31、33によって構成されている。P型トランジスタ32、34のソース側にて高電位電源線78が接続され、N型トランジスタ31、33のソース側には低電位電源線77が接続されている。したがって、P型トランジスタ32、34のソース側が、ラッチ回路25の高電位電源端子PHであり、N型トランジスタ31、33のソース側がラッチ回路25の低電位電源端子PLである。
ラッチ回路25は、選択トランジスタ24のドレイン側と接続された入力端子N1と、スイッチ回路SWと接続された第1の出力端子N2及び第2の出力端子N3とを備えている。
ラッチ回路25のP型トランジスタ34のドレイン側及びN型トランジスタ33のドレイン側は、ラッチ回路25の入力端子N1として機能する。入力端子N1は、選択トランジスタ24のドレイン側と接続されるとともに、ラッチ回路25の第2の出力端子N3(P型トランジスタ32のゲート部及びN型トランジスタ31のゲート部)と接続されている。
さらに、第2の出力端子N3は、トランスファゲートTG1、TG2に接続されている。
ラッチ回路25のP型トランジスタ32のドレイン側及びN型トランジスタ31のドレイン側は、ラッチ回路25の第1の出力端子N2として機能する。
第1の出力端子N2は、P型トランジスタ34のゲート部及びN型トランジスタ33のゲート部と接続されるとともに、トランスファゲートTG1、TG2に接続されている。
ラッチ回路25は、SRAM(Static Random Access Memory)セルに相当する回路である。ラッチ回路25は、選択トランジスタ24から送られた画像信号を保持するとともに、スイッチ回路SWに画像信号を入力するために用いられる。スイッチ回路SWは、ラッチ回路25から入力された画像信号に基づいて、第1制御線75及び第2制御線76の何れかを択一的に選択し、画素電極21と接続させるセレクタとして機能する。このとき、トランスファゲートTG1、TG2は、画像信号のレベルに応じて一方のみが動作する。
トランスファゲートTG1は、電界効果型のP型トランジスタT11と電界効果型のN型トランジスタT12とを備えている。P型トランジスタT11のソース端子とN型トランジスタT12のソース端子とが接続されており、これらが第1制御線75に接続されている。P型トランジスタT11のドレイン端子とN型トランジスタT12のドレイン端子とが接続されており、これらが画素電極21に接続されている。P型トランジスタT11のゲート端子はラッチ回路25の入力端子N1に接続され、N型トランジスタT12のゲート端子はラッチ回路25の第1の出力端子N2に接続されている。
トランスファゲートTG2は、電界効果型のP型トランジスタT21と電界効果型のN型トランジスタT22とを備えている。P型トランジスタT21のソース端子とN型トランジスタT22のソース端子とが接続されており、これらが第2制御線76に接続されている。P型トランジスタT21のドレイン端子とN型トランジスタT22のドレイン端子とが接続されており、これらが画素電極21に接続されている。
また、P型トランジスタT21のゲート端子は、トランスファゲートTG1のN型トランジスタT12のゲート端子とともに、ラッチ回路25の出力端子N2に接続されており、N型トランジスタT22のゲート端子は、トランスファゲートTG1のP型トランジスタT11のゲート端子とともに、ラッチ回路25の入力端子N1に接続されている。また、第1制御線75と第2制御線76とは各画素20について平行に配置されている。
例えば、画像信号としてラッチ回路25の入力端子N1にローレベル(L:低電位電源線77の電位に近い電位)が入力されると、第1の出力端子N2からはハイレベル(H:高電位電源線78の電位に近い電位)が出力されるので、第1の出力端子N2に接続されたN型トランジスタT12が動作し、また第2の出力端子N3(入力端子N1)と接続されたP型トランジスタT11が動作してトランスファゲートTG1が駆動される。したがって、第1制御線75と画素電極21とが電気的に接続される。
一方、画像信号としてラッチ回路25の入力端子N1にハイレベル(H)が入力されると、第1の出力端子N2からはローレベル(L)が出力されるので、第1の出力端子N2に接続されたP型トランジスタT21が動作し、また第2の出力端子N3(入力端子N1)と接続されたN型トランジスタT22が動作してトランスファゲートTG2が駆動される。したがって、第2制御線76と画素電極21とが電気的に接続される。
そして、動作した方のトランスファゲートを介して、第1制御線75又は第2制御線76が画素電極21と電気的に導通し、画素電極21に電位が入力される。
本実施形態では、ラッチ回路25を構成する複数のトランジスタの一部を光センサーとして用いている。具体的に、本実施形態では、P型トランジスタ34およびN型トランジスタ31を光センサー138として用いている。すなわち、光ペン90(図5)から光が入射した時にP型トランジスタ34およびN型トランジスタ31に流れるリーク電流を利用することで後述のようにラッチ回路25に保持されている保持メモリーを書き換えるようにしている。
図10は、本実施形態に係る画素回路120Aの構成を具体的に示す平面図である。
画素20は積層構造になっている。図10に示すように、最下層の第1層には半導体層が設けられている。また、当該第1層の上層である第2層および当該第2層の上層である第3層には、種々の配線が形成されている。また、第4層には、画素電極21が形成されている。各層は図示しない絶縁層によって絶縁されている。
まず、画素20の外周に設けられた配線について説明する。画素20の外周には走査線40、データ線50、高電位電源線78、低電位電源線77、第1制御線75及び第2制御線76が設けられている。これらの配線は複数の画素20に跨って形成されている。このうち、走査線40とデータ線50とは画素20の図中右上角部で直交している。
また、高電位電源線78と低電位電源線77とは画素20の図中上下で平行に配置されている。第1制御線75と第2制御線76とは画素20の図中左右で対向配置されている。これらの配線のうち走査線40、低電位電源線77及び高電位電源線78が同一層(第2層)に形成されており、データ線50、第1制御線75、および第2制御線76が上記第2層よりも上層(第3層)に同一層で形成されている。
次に、画素20内に設けられた配線及び半導体層の構成を説明する。画素20内の最下層である第1層には、半導体層41、51、52、61、62が形成されている。これらの半導体層はいずれもシリコンなどの半導体材料から構成されている。なお、各半導体層を異なる材料によって構成しても勿論構わない。
本実施形態において、半導体層51は、第1半導体層51aおよび第2半導体層51bを含む。半導体層52は、第1半導体層52aおよび第2半導体層52bを含む。半導体層61は、第1半導体層61aおよび第2半導体層61bを含む。半導体層62は、第1半導体層62aおよび第2半導体層62bを含む。半導体層41、51、52、61、62は互いに分離した島状に形成されている。
この第1層の上層である第2層には、配線56、57、58、及び63が形成されている。これらの配線は例えば銅、アルミニウム、銀などの導電性の高い金属によって構成されている。
配線56は、第1半導体層61aに平面視で重なるように設けられた分岐部分56aと、第2半導体層61bに平面視で重なるように設けられた分岐部分56bと、を含む。第1半導体層61aと、分岐部分56aと、これらの間に配置されたゲート絶縁層とでP型トランジスタT11が構成され、第2半導体層61bと、分岐部分56bと、これらの間に配置されたゲート絶縁層とでN型トランジスタT22が構成される。
配線57は第1半導体層62aに平面視で重なるように設けられた分岐部分57aと、第2半導体層62bに平面視で重なるように設けられた分岐部分57bと、第1半導体層52aに平面視で重なるように設けられた分岐部分57cと、第2半導体層52bに平面視で重なるように設けられた分岐部分57dと、を含む。第1半導体層62aと、分岐部分57aと、これらの間に配置されたゲート絶縁層とでP型トランジスタT21が構成され、第2半導体層62bと、分岐部分57bと、これらの間に配置されたゲート絶縁層とでN型トランジスタT12が構成される。
配線58は第1半導体層51aに平面視で重なるように設けられた分岐部分58aと、第2半導体層51bに平面視で重なるように設けられた分岐部分58bとを含む。半導体層51、52、配線57、58によりラッチ回路25が構成される。
配線63は第1制御線75とトランジスタT11、T12とを接続するための配線の一部を構成する。配線63はコンタクトホールを介して第1制御線75と接続されている。
第2層の上層である第3層には、配線42、43、53、54、55、64、65、及び66が形成されている。これらの配線は第2層に形成された配線と同様、例えば銅、アルミニウム、銀などの導電性の高い金属によって構成されている。
配線42は、データ線50から画素20内へ向けて図中左方向に突出した部分であり、半導体層41の一方の端部とはコンタクトホールを介して接続されている。
配線43は、半導体層41の他方の端部と配線58の端部とをコンタクトホールを介して接続されている。また、半導体層41の他方の端部と配線56とをコンタクトホールを介して接続されている。
配線53は、高電位電源線78と第1半導体層51aとを接続する配線53aと、高電位電源線78と第1半導体層52aを接続する配線53bとを含む。配線53はコンタクトホールを介して第1半導体層51aおよび52aに接続されている。
配線54は、低電位電源線77と、第2半導体層52bと、第2半導体層51bとを接続する配線である。配線54は、第2半導体層51bおよび52bとはコンタクトホールを介して接続されている。
配線55は、第1半導体層51a、第2半導体層51b、および配線57と、それぞれコンタクトホールを介して接続されている。
配線64は、第1半導体層61aと、第2半導体層62bと、配線63とを接続する配線である。配線64は、第1半導体層61a、第2半導体層62b、配線63とそれぞれコンタクトホールを介して接続されている。配線65は第2制御線76とトランジスタ(N型トランジスタ)T22とを接続する配線65aと、第2制御線76とトランジスタ(P型トランジスタ)T21とを接続する配線65bとを含む。配線65a、65bはそれぞれ、コンタクトホールを介して第2半導体層61b、第1半導体層62aと接続されている。
配線66は、第1半導体層61a、62aおよび第2半導体層61b、62bとそれぞれコンタクトホールを介して接続されている。さらに配線66は、コンタクトホールを介して上層(5層)に形成された画素電極21に接続されている。
このように各層が構成されていることにより、半導体層61、62、配線56、57、64、66、及び第1層と第2層との間の図示しない絶縁層によってトランスファゲートTG1,TG2が構成されることになる。
また、半導体層41のうち平面視で走査線40の一部に重なる部分はチャネル領域となり、配線42を介してデータ線50に接続されている部分がソース領域となり、配線43に接続された部分がドレイン領域となる。走査線40のうち半導体層41に平面視で重なる部分(延在部分)は選択トランジスタ24のゲート電極を構成することになる。
また、半導体層51及び52と、配線53、55、57、58、及び57を主体としてラッチ回路25が構成されることになる。図示しないが、半導体層51によってラッチ回路25のN型トランジスタ31とP型トランジスタ32とが構成されることになり、半導体層52によってラッチ回路25のN型トランジスタ33とP型トランジスタ34とが構成されることになる。
さらに、第1半導体層61aを主体として電界効果型のP型トランジスタT11が構成され、第2半導体層62bを主体として電界効果型のN型トランジスタT12が構成される。第2半導体層61bを主体として電界効果型のN型トランジスタT22が構成され、第1半導体層62aを主体として電界効果型のP型トランジスタT21が構成される。すなわち、第1半導体層61a、第2半導体層62b、配線56、57、64、66によりトランスファゲートTG1、TG2が構成される。
このような画素20を形成する場合には、第1層から第4層までを順に積層すれば良いことになる。
本実施形態では、画素電極21がラッチ回路25と平面的に重なって形成されている。さらに画素電極21には開口21a、21bが形成されており、光センサーとして用いるP型トランジスタ34に開口21aが重なり、N型トランジスタ31に対応する部分に開口21bが重なるように画素電極が配置されている。これにより、P型トランジスタ34およびN型トランジスタ31は、画素電極21の上面側から入射する光を良好に取り込むことができる。なお、光ペン90(図5参照)から可視光を射出する場合、第1実施形態と同様、開口21aに可視光フィルター23を設けるようにしてもよい。
続いて、本実施形態に係る画素回路を備えた電気泳動表示装置の動作について説明する。
図11は、本実施形態において1つの画素20を駆動する際のタイミングチャート図である。図11に示すように、本実施形態において、各画素20は、画像信号入力期間ST1、および画像書込期間ST2の順に移行することで画像を生成する。なお、図11において、黒表示する画素20の画素電極21に入力される電位を「Black」とし、白表示する画素20の画素電極21に入力される電位を「White」とする。
画像信号入力期間ST1では、ラッチ回路25にデータ線50から画像データが入力される。ここで、画像信号入力期間ST1においては、第1制御線75からの制御信号S1、第2制御線76からの制御信号S2を対向電極22の電位Vcomと同電位(0V)にしておく。
具体的に上記構成に有する画素20において、データ線50から選択トランジスタ24を介してラッチ回路25にローレベルの画像データが入力されると、上述のようにラッチ回路25の入力端子N1がローレベル、第1の出力端子N2がハイレベルに保持される。
この場合、ラッチ回路25には、画素20を白表示する場合に対応したメモリー状態となる。このメモリー状態においては、トランスファゲートTG1を構成するP型トランジスタT11及びN型トランジスタT12のみがオンされる。これにより、画素電極21は第1制御線75に電気的に接続される。そして、画素電極21には、第1制御線75に対応した電位(制御信号S1)が入力可能となる。
一方、データ線50から選択トランジスタ24を介してラッチ回路25にハイレベルの画像データが入力されると、入力端子N1はハイレベル、第1の出力端子N2はローレベルに保持される。
この場合、ラッチ回路25には、画素20を黒表示する場合に対応したメモリー状態となる。このメモリー状態においては、トランスファゲートTG2を構成するP型トランジスタT21及びN型トランジスタT22のみがオンされる。これにより、画素電極21は第2制御線76に電気的に接続される。そして、画素電極21には、第2制御線76に対応した電位(制御信号S2)が入力可能となる。
第1実施形態と同様、データ線50および走査線40を順次選択することで全ての画素20のラッチ回路25に画像データに対応したメモリー状態とすることができる。
全ての画素20についてのメモリー設定が完了した後、画像書込期間ST2に移行する。図11に示すように、画像書込期間ST2は、前半部ST2aと、後半部ST2bとを含む。画像書込期間ST2の前半部ST2aでは、第1制御線75からの制御信号S1を例えば0Vの電位(L)とし、第2制御線76からの制御信号S2および対向電極22の電位Vcomをそれぞれ正の同電位、例えば15Vの電位(H)とする。この場合、白表示したい画素20の画素電極21には制御信号S1に対応した0V、対向電極22には15Vが入力される。そのため、対向電極22が画素電極21に対して高電位となり、当該画素20の白色粒子82は対向電極22側に移動し、黒色粒子83は画素電極21側に移動し、白表示を呈する(図7(a)参照)。
一方、黒表示したい画素20の画素電極21には制御信号S2に対応した15Vが入力されるため、画素電極21および対向電極22はともに15Vの電位が入力されている。そのため、電気泳動粒子(白色粒子82および黒色粒子83)は動かない。
画像書込期間ST2の後半部ST2bでは、対向電極22にはローレベルの信号に対応した例えば0Vの電位Vcomが入力される。この場合、白表示したい画素20の画素電極21には制御信号S1に対応した0V、対向電極22には0Vが入力される。そのため、電気泳動粒子(白色粒子82および黒色粒子83)は動かない。
一方、黒表示したい画素20の画素電極21には制御信号S2に対応した15Vが入力されるため、対向電極22が画素電極21に対して低電位となり、当該画素20の黒色粒子83は対向電極22側に移動し、白色粒子82は画素電極21側に移動し、黒表示を呈する(図7(b)参照)。
以上のように、第1制御線75から0Vの電位(L)が画素電極21に入力された画素20は白色となり、第2制御線76から15Vの電位(H)が画素電極21に入力された画素20は黒色となる。
本実施形態によれば、第2実施形態と比べ、表示を変化させない画素20において画素電極21および対向電極22間の電位差を0Vとしているので、電気泳動粒子(白色粒子82および黒色粒子83)の移動を確実に防止でき、滲みの少ない高品質な表示を行う事ができる。
続いて、本実施形態に係る電気泳動表示装置において、光入力を行う場合について説明する。以下では、説明を簡単にするため、光入力を行う際、表示部3の全画素20は白表示をしているものとする。すなわち、全画素20のラッチ回路25におけるメモリー状態は、ラッチ回路25の入力端子N1がローレベル、第1の出力端子N2がハイレベルに保持される。
光ペン90(図5参照)を表示部3に接近させると、光ペン90の光LT(図5参照)が照射された画素20のP型トランジスタ34およびN型トランジスタ31に入射する。このとき、P型トランジスタ34およびN型トランジスタ31は、光リーク電流が流れることでオン状態となる。P型トランジスタ34およびN型トランジスタ31がオンすると、P型トランジスタ32およびN型トランジスタ33がオフし、ラッチ回路25の入力端子N1がハイレベル、第1の出力端子N2がローレベルに書き換わる。すなわち、ラッチ回路25では、光ペン90の光入力によって画素20のメモリー状態が黒表示のものに書き換わる。その結果、光を照射された画素20が選択的に白表示から黒表示に移行され、表示部3に黒色マークが記入される。このようにして、表示部3の表示状態を黒表示に変化させることで光ペン90の軌跡を表示できる。
なお、本実施形態においては、電気泳動粒子の移動が完了した後は電圧を印加し続ける必要が無い。そのため、光ペン90が表示部3に接触した時、その旨を伝える信号を光ペン90または電気泳動表示装置101の一方が発することにより、これに同期して所定の時間だけ制御信号S2の電位を15Vとすることで軌跡を自動的に黒表示するようにしてもよい。
なお、コントローラー200によるメモリー39からの座標データの読み出し動作については上記実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置においても、光入力により、画素電極21に対する電位の入力状態を制御することで、光ペン90などを用いた手書きによる軌跡を速やかに表示できる。また、ラッチ回路25から座標データを読み出すことができる。
また、光センサーとしてラッチ回路25を構成するトランジスタの一部を用いるため、部品点数を削減することができる。
また、本実施形態では、メモリーがデジタル回路としてのラッチ回路25で構成しているため、小型でも誤作動せず、また高速に応答するので、高精細化や早いペン速度にも追従できる。
なお、光ペン90から赤外光を射出するとともに、電気泳動素子を構成する分散媒、粒子の少なくとも一構成部材は赤外光を透過する特性を持つ部材とするのが好ましく、これによれば可視光による誤作動の発生を防止できる。例えば、黒色粒子83としてアゾメチンアゾ系顔料粒子を用いると赤外線域での透過性が高くなる。また、白色粒子82として、1次粒径が20〜50nm程度のチタニア、ルチン等の顔料の表面を合成樹脂で覆った粒子も赤外線域での透過性が高くなる。電気泳動粒子の一部に上記粒子を用いることで、表示状態によらず選択的に赤外線を透過し易くなる。よって、光ペンの光源の波長をこの選択的に透過しやすい波長にすることで、光源の強度、換言すれば、消費エネルギーを小さくしても書き込み動作を行う事ができる。
また、光ペンでなぞった際、即、軌跡表示する必要が無い場合、光ペン90による書込みを行っている際、第1制御線75および第2制御線76を切断状態(ハイインピーダンス状態)とすればよい。そして、光入力が終了した後、ラッチ回路25のメモリー状態を読み出すことで事後的に表示部3に軌跡を表示させるようにしても良い。
また、即、軌跡表示する必要が無い場合において、光ペンで入力した文字や形状を補正するようにしても良い。この場合、図12に示すフローに示す処理を行えばよい。図12は、電気泳動表示装置101における軌跡補正動作のフローを示す図である。まず、コントローラー200は、光ペンで書き換えられた各画素20のメモリー情報を読み出す(ステップSS10)。続いて、コントローラー200は、読み出したメモリー情報を上位装置に送信する。上位装置は、読み出したメモリー情報を解析する(ステップSS11)。上位装置は、解析結果に基づいて、光ペンで入力された文字や形状を補正する(ステップSS12)。上位装置は、補正後の画像データをコントローラー200に送信する。コントローラー200は、光ペンによる入力によって書き換えられているメモリー情報をリセットする。その後、コントローラー200は、補正画像データに基づいて、入力された文字や形状を表示部3の画素20に書込む(ステップSS13)。このようなフローによれば、光ペンで入力された文字や形状を整形することで表示部3に表示させることができる。
なお、上記実施形態では、軌跡として黒表示の画素20に切りかえる場合を例に挙げたが、これに限定されず、軌跡として白表示の画素20を用いても良い。
また、上記実施形態では、光センサーとして、ラッチ回路25を構成するP型トランジスタ34およびN型トランジスタ31を兼用する場合を例示しているが、感度を向上させる等の目的でこれらトランジスタに並列に別途光センサーを付加しても良い。
また、第1実施形態では、光センサー38としてフォトダイオードから構成される場合を例に挙げたが、トランジスタをダイオード接続した構成(ソース端子とゲート端子とを短絡した構成)を採用してもよい。このような構成とすることで、アクティブマトリクス型の画素回路と同様の電極構造を用いることができるため、構造と簡素なものとすることができ、製造性に優れ、コスト面でも有利な構成である。
なお、画素回路の構成は、上記実施形態に係る構成に限定されない。例えば、図13に示すような画素回路を備えた電気光学装置にも本発明は適用可能である。電気光学装置は、電気光学層として電気泳動層280を備えた電気泳動表示装置102である。なお、図13においては、複数の画素20のうち、例えば、1行1列目の画素20における画素回路110を示している。各画素回路110の構成は同じであるため、ここでは代表して1行1列目の画素回路110について説明し、他の画素回路110については説明を省略する。
画素回路110は、TFT131(第1トランジスタ)、TFT132(第2トランジスタ)、TFT133(第3トランジスタ)およびTFT134(第4トランジスタ)を備えている。TFT133のゲートは、走査線40に接続されており、TFT133のソースは、第1データ線50Aに接続されている。TFT134のゲートは、走査線40に接続されており、TFT134のソースは、第2データ線50Bに接続されている。
TFT131のゲートは、TFT133のドレインに接続されており、TFT131のソースには第1電位Ve1が第1制御線175により入力される。TFT132のゲートは、TFT134のドレインに接続されており、TFT132のソースには第2電位Ve2が第2制御線176により入力される。また、TFT131のドレインとTFT132のドレインは、画素電極21に接続されている。
また、TFT131のゲートとTFT133のドレインとの間と、TFT132のゲートとTFT134のドレインとの間にメモリー139が設けられている。また、メモリー139とTFT131のゲートとの間と、メモリー139とTFT132のゲートとの間に光センサー138が設けられている。
TFT131のゲートと一端が接続している光センサー138の他端には、信号線36が接続されている。信号線36にはTFT131をオフ状態にするオフ電位が供給されている。また、TFT132のゲートと一端が接続している光センサー138の他端には信号線136が接続している。信号線136にはTFT132をオン状態にするオン電位が供給されている。
次に画素20を黒表示にする場合の駆動方法と画素20を白表示にする場合の駆動方法について説明する。画素20に画像を表示させる際には、対向電極22に電位Vcomが入力される。ここで、第1電位Ve1は電位Vcomより低位の電位であり、第2電位Ve2は電位Vcomより高位の電圧である。
例えば、1行1列目の画素20を白にする場合、データ線駆動回路(不図示)は、Hレベルのデータ信号を1列目の第1データ線50Aに供給すると共にLレベルのデータ信号を1列目の第2データ線50Bに供給する。TFT133がオンの状態で第1データ線50AがHレベルになると、TFT131のゲートがHレベルとなってTFT131がオンとなる。
また、TFT134がオンの状態で第2データ線50BがLレベルになると、TFT132のゲートがLレベルとなってTFT132がオフとなる。
TFT131がオンとなり、TFT132がオフとなると、第1制御線175により第1電位Ve1が画素電極21に入力される。ここで画素電極21の電位は、対向電極22に入力されている電位Vcomより低いため、電気泳動層280においては、例えば、負に帯電している白の電気泳動粒子が対向電極22側に移動し、正に帯電している黒の電気泳動粒子が画素電極21側に移動する。
一方、例えば1行1列目の画素20を黒にする場合、データ線駆動回路(不図示)は、1行目の走査線40がHレベルの期間においてLレベルのデータ信号を1列目の第1データ線50Aに供給すると共にHレベルのデータ信号を1列目の第2データ線50Bに供給する。走査線40がHレベルとなってTFT133がオンの状態で第1データ線50AがLレベルになると、TFT131のゲートがLレベルとなってTFT131がオフとなる。また、走査線40がHレベルとなってTFT134がオンの状態で第2データ線50BがHレベルになると、TFT132のゲートがHレベルとなってTFT132がオンとなる。TFT131がオフとなり、TFT132がオンとなると、第2制御線176により第2電位Ve2が画素電極21に入力される。ここで、画素電極21の電位は、対向電極22に入力されている電位Vcomより高位の電圧となるため、電気泳動層280においては、例えば、正に帯電している黒の電気泳動粒子が対向電極22側に移動し、負に帯電している白の電気泳動粒子が画素電極21側に移動する。
すなわち、画素20を白または黒表示するに際し、TFT133とTFT131との間に設けられたメモリー139には、第1データ線50Aに供給される電位が保持される。すなわち、TFT132とTFT134との間に設けられたメモリー139には、第2データ線50Bに供給される電位が保持される。
図13に示した画素回路110においても、光ペンによる光入力を行うことで、メモリー139の保持データを書き換えることができる。すなわち、光センサー138に光が照射されると当該画素のTFT131がオフ、TFT132がオン状態となって、画素が黒表示になる。よって、光ペンで入力した軌跡を表示することができる。また、第1データ線50Aおよび第2データ線50Bを介してメモリー139に保持されるデータを読み出すこともできる。
また、画素20の表示を変更する際に画素電極21への電圧の印加が一回で済むので消費電力を抑えることができる。また、画素20毎に画素電極21に印加する電圧を異ならせることができるため、一回の走査線40の選択で、同じ行の画素20について、ある画素については黒の表示に変更し、他の画素については白の表示に変更することができる。
また、上記実施形態では、電気光学装置として、電気泳動表示装置および液晶表示装置を例に挙げたが、これに限定されず、電気光学層として有機EL層を備えた有機EL表示装置に適用しても良い。
(変形例)
上記実施形態では、画素電極21に設けた開口を通じて光ペンから出射された光を光センサーに照射する形態としたが、これに限定されない。画素電極21に切欠きを設け、この切欠きを通して光ペンから出射された光が光センサーに照射されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、画素内に複数の光センサーを配置する場合、光センサーに対応した複数の開口を画素電極に設ける形態としたがこれに限定されない。平面視で複数の光センサーに重なるように開口を設けてもよい。
(電子機器)
次に、上記各実施形態の電気泳動表示装置を電子機器に適用した場合について説明する。
図14は、本発明の電気泳動表示装置を適用した電子機器の具体例を説明する斜視図である。
図14(a)は、電子機器の一例である電子ブックを示す斜視図である。この電子ブック(電子機器)400は、ブック形状のフレーム401と、このフレーム401に対して回動自在に設けられた(開閉可能な)カバー402と、操作部403と、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部404と、光ペン405と、を備えている。
図14(b)は、電子機器の一例である電子ペーパーを示す斜視図である。この電子ペーパー(電子機器)600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体部601と、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部602と、光ペン603と、を備えている。
例えば電子ブックや電子ペーパーなどは、白地の背景上に文字を繰り返し書き込む用途が想定される。本実施形態によれば、光ペン405、603による軌跡を表示することができる。
なお、本発明の電気泳動表示装置を適用可能な電子機器の範囲はこれに限定されず、帯電粒子の移動に伴う視覚上の色調の変化を利用した装置を広く含むものである。
以上の電子ブック400、及び電子ペーパー600によれば、本発明に係る電気泳動表示装置が採用されているので、手書き入力機能を備えた付加価値の高い高品位の電子機器となる。
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部や、マニュアル等の業務用シート、教科書、問題集、情報シート等にも、本発明に係る電気泳動表示装置は好適に用いることができる。
1…素子基板、2…対向基板、3…表示部、20…画素、21…画素電極、21a…開口、22…対向電極、24…選択トランジスタ(画素選択トランジスタ)、25…ラッチ回路(メモリー部)、26…駆動トランジスタ、38…光センサー、39…メモリー(メモリー部)、40…走査線、50…データ線、75…第1制御線、76…第2制御線、80…液晶層(電気光学層)、100…液晶表示装置、101,102…電気泳動表示装置、180…電気泳動層(電気光学層)、200…コントローラー(読み出し部)、400…電子ブック(電子機器)、600…電子ペーパー(電子機器)、SW…スイッチ回路。

Claims (11)

  1. 基板上に設けられた表示領域に複数配列された画素ごとに設けられる画素回路を備えた回路基板であって、
    前記画素回路は、
    画素選択トランジスタと、
    前記画素選択トランジスタのソースと接続されるデータ線と、
    前記画素選択トランジスタのゲートと接続される走査線と、
    画素電極と、
    前記画素電極および前記画素選択トランジスタに接続され、前記画素電極に対する電位の出力状態を切り替え可能なメモリー部と、
    光入力により前記メモリー部に保持される前記画素電極に対する出力を書き換え可能な光センサーと、を備えることを特徴とする回路基板。
  2. 前記画素電極と前記画素選択トランジスタとの間に配置され、前記画素電極に対する電位の入力状態を切り替え可能な駆動トランジスタを備え、
    前記光センサーおよび前記メモリーは、前記駆動トランジスタのゲートと前記画素選択トランジスタのドレインとを接続する配線間にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記光センサーは、トランジスタをダイオード接続することで構成されてなることを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
  4. 前記光センサーは、前記メモリー部を構成する複数のトランジスタの一部から構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  5. 前記メモリー部と前記画素電極との間に設けられたスイッチ回路と、前記スイッチ回路に接続される第1制御線および第2制御線と、を備え、
    前記メモリー部からの出力に基づいて選択された前記第1制御線および前記第2制御線の一方を介して前記画素電極に電位が入力されることを特徴とする請求項4に記載の回路基板。
  6. 前記画素電極は、開口が形成されており、前記光センサーは平面視で前記開口と重なるように配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の回路基板。
  7. 可視光域の光に対して遮光性を有し、平面視で前記開口に対応する位置に設けられるフィルターを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の回路基板。
  8. 前記データ線を介して前記メモリー部における電位の保持情報を読み出す読み出し部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の回路基板。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の回路基板と、
    前記回路基板の画素電極に対向配置される対向電極を有する対向基板と、
    前記回路基板と前記対向電極との間に挟持される電気光学物質層と、を備えることを特徴とする入力機能付電気光学装置。
  10. 前記電気光学物質層が電気泳動層であることを特徴とする請求項9に記載の入力機能付電気光学装置。
  11. 請求項9又は10に記載の入力機能付電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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