JP2015101804A - 炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法 - Google Patents
炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015101804A JP2015101804A JP2013242488A JP2013242488A JP2015101804A JP 2015101804 A JP2015101804 A JP 2015101804A JP 2013242488 A JP2013242488 A JP 2013242488A JP 2013242488 A JP2013242488 A JP 2013242488A JP 2015101804 A JP2015101804 A JP 2015101804A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber bundle
- acrylic fiber
- carbon fiber
- oil
- rave
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
Abstract
Description
また、従来、前駆体繊維束を製品として採取するためには、例えば前駆体繊維束をオフラインで複数回検査するなどして、前駆体繊維束の油剤成分の付着量が定常的に適正値の範囲内に入っているかどうか確認が必要であり、非常に手間がかかった。
0.5<R/Rave<2.0 ・・・(1)
0.5<R/Rave<2.0 ・・・(2)
アクリル繊維束として炭素繊維前駆体アクリル繊維束を例示し、その製造方法の一例について、以下に詳細に説明する。
本実施形態例の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法では、公知の紡糸技術によりアクリル繊維束(前駆体繊維束)を得る紡糸工程を行う。
具体的には、アクリロニトリル系重合体を溶剤に溶解して、紡糸原液とし、この紡糸原液を凝固浴中に吐出して繊維化し、凝固糸を製造する方法が挙げられる。アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルを主な単量体とし、これを重合して得られる重合体であり、アクリロニトリルのみから得られるホモポリマーでも、主成分であるアクリロニトリルに加えて他の単量体を併用したアクリロニトリル系共重合体であってもよい。
体の析出凝固性が高くならず、アクリル繊維束の安定した製造が可能となる。
アクリロニトリル系共重合体におけるカルボキシル基含有ビニル系単量体単位の含有量は0.5〜2.0質量%が好ましい。
これらビニル系単量体は、1種単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
なお、紡糸原液は適正な粘度・流動性を必要とするため、重合体濃度は25質量%を超えない範囲が好ましい。
凝固浴として溶剤を含む水溶液を用いる場合、水溶液中の溶剤濃度は、ボイドがなく緻密な構造を形成させ高性能な炭素繊維束を得られ、かつ延伸性が確保でき生産性に優れる等の理由から、50〜85質量%が好ましく、凝固浴の温度は10〜60℃が好ましい。
紡糸工程において、紡糸原液を凝固浴中に吐出して繊維化し、得られた凝固糸には、延伸処理工程により延伸し、アクリル繊維束とすることができる。具体的な延伸方法としては、凝固浴中または延伸浴中で延伸する浴中延伸や、一部空中延伸した後に、浴中延伸する方法が挙げられる。そして、延伸の前後あるいは延伸と同時に適宜水洗を行うことにより、水膨潤状態のアクリル繊維束を得ることができる。
浴中延伸は、通常50〜98℃の水浴中で1回あるいは2回以上の多段に分割するなどして行い、空中延伸と浴中延伸を行う場合には、合計倍率が2〜10倍になるように凝固糸を延伸するのが、得られる炭素繊維束の性能の点から好ましい。
ついで、油剤成分が水中に分散した油剤処理液に、水膨潤状態のアクリル繊維束を連続的に接触させ、油剤成分をアクリル繊維束に付着させる油剤処理工程を行う。ここでの油剤成分は、好ましくはシリコーン成分を含有することが望ましいが、耐熱性樹脂や芳香族エステルなどの非シリコーン成分であっても良い。
ここで油剤処理液としては、油剤成分を水中に分散させて、平均粒子径が0.01〜0.50μmのミセルを形成させた水系の乳化溶液(エマルション)を用いる。ミセルの平均粒子径が上記範囲内であれば、アクリル繊維束の表面に油剤成分を均一に付与できる。
なお、油剤処理液中のミセルの平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、商品名:LA−910)を用いて測定することができる。
油剤成分には、帯電防止剤や酸化防止剤、抗菌剤、浸透剤などの添加物を任意成分として含有させてもよい。これらは、アクリル繊維束に油剤成分を付着させるための装置の種類、使用環境などに応じて、操業性向上の目的や、水系乳化溶液の安定性や付着特性の向上を目的として使用される。
シリコーン系化合物の粘度は25℃において50〜300mm2/sが水系乳化溶液の調製の容易さ、耐熱性保持の観点から好ましい。
シリコーン系化合物は1種単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。変性基が異なる、あるいは変性基を有しないシリコーン系化合物を混合して用いても差し支えない。
ここでの導電性の定義は、前記アクリル繊維束の油剤付着斑を監視する工程で使用する電気抵抗測定装置で電気抵抗が測定できる程度の電気通電性であることを意味する。
なお、「所定の濃度」は、油剤処理時のアクリル繊維束の状態によって調整される。
これらの方法の中でも、均一付着の観点から、アクリル繊維束に十分に油剤処理液を浸透させ、その後余分な油剤処理液を除去するディップ付着法が好ましい。より均一に付着させるためには、油剤処理工程を2つ以上の多段にし、繰り返し付着させることも有効である。
ついで、油剤処理工程で油剤成分が付着したアクリル繊維束を乾燥して、緻密化する乾燥緻密化工程を行う。乾燥緻密化工程の温度は、繊維のガラス転移温度を超えた温度とすることが必要である。例えば温度が100〜200℃程度の加熱ローラーによる方法にて乾燥緻密化するのが好ましい。このとき加熱ローラーの個数は、1個でもよく、複数個でもよい。
ついで、本実施形態例では、このような乾燥緻密化工程後に、導電性のある油剤成分が付着したアクリル繊維束の電気抵抗を大気(常圧)中でオンライン測定して、アクリル繊維束への油剤の付着斑を監視する監視工程を行う。具体的には、乾燥緻密化工程から後述の二次延伸処理工程へと、油剤成分が付着したアクリル繊維束を搬送する途中に電気抵抗測定装置を設置して、アクリル繊維束を測定しその油剤付着斑を連続して監視する。
ついで、監視工程で測定されたオンライン測定の測定値(電気抵抗値)、すなわち、導電性を有する油剤成分の付着斑に応じて、油剤処理工程の処理条件を制御して、アクリル繊維束への油剤成分の付着斑を所定の管理値にコントロールする制御工程を有する。具体的には、電気抵抗の平均値Raveと実測値Rとした場合、局所的にはアクリル繊維束100m中における電気抵抗値の測定結果が0.5<R/Rave<2.0の範囲から外れる繊維長方向の範囲が0.5m以下であり、前記外れる範囲が繊維長方向100m当たり3か所以下であれば油剤成分の付着斑はないものとみなし、4か所より多かった場合には、例えば油剤処理槽の循環流量を上げる、油剤処理液中に消泡剤の添加量を増やすなど、油剤処理工程の処理条件を制御する。また長期的にはRの変動係数(標準偏差の平均値に対する百分率)から10%の範囲内であれば、管理値に等しいものとみなし、この範囲から外れた場合には、例えば油剤処理槽の油剤成分の濃度を変更するなど、油剤処理工程の処理条件を制御する。
によって持ち出される油剤処理液の量を制御する方法なども有効である。
乾燥緻密化したアクリル繊維束には、二次延伸処理工程により、更に延伸処理を施すことが好ましい。延伸方法としては、加圧あるいは常圧水蒸気による水蒸気延伸、熱盤延伸、加熱ローラーによる延伸等、公知の延伸技術を用いることができる。これらの中でも、安定した均一延伸が可能な加熱ローラーによる延伸処理が好ましい。このような延伸処理により、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維束の緻密性や配向度をさらに高めることができる。特に、加熱ローラーにより乾燥緻密化したアクリル繊維束を搬送させながら、ローラー速度を変えることで、1.1〜4.0倍に延伸すると、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維束の緻密性や配向度をより向上できる。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束は、この状態で、炭素繊維束とするための焼成工程に移される。
このようにして得られる本発明のアクリル繊維束は、このアクリル繊維束の質量を100質量%とした場合、付着した油剤成分を100質量%中、0.1〜2.5質量%含むことが好ましく、より好ましくは0.3〜2.0質量%含むことが好ましい。油剤成分の付着量が0.1質量%未満であると、油剤成分本来の機能を十分に発現することが困難となる場合がある。一方、油剤成分の付着量が2.5質量%を越えると、油剤成分が過剰となりやすく、アクリル繊維束の製造過程において、アクリル繊維束を搬送しながら乾燥したり延伸したりする際などに用いられる加熱ローラー上に析出、堆積し、アクリル繊維束が巻き付くなどの操業性を低下させる場合がある。
なお、「乾燥質量」とは、乾燥緻密化工程で処理された後のアクリル繊維束の乾燥繊維質量のことである。
本実施例に用いた各種測定方法、および評価方法は以下の通りである。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束を105℃で1時間乾燥させた後、メチルエチルケトンによるソックスレー抽出法に準拠し、90℃のメチルエチルケトンに8時間浸漬して付着した油剤成分を溶媒抽出した。抽出前の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の質量W1、および抽出後の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の質量W2をそれぞれ測定し、下記式(I)により油剤成分の付着量を求めた。なお、測定回数は各ボビンあるいは各ケンスにつき10回とし、全ボビンあるいは全ケンスの平均値を油剤付着量とした。
油剤成分の付着量(質量%)=((W1−W2))/W2×100 ・・・(I)
連続して製造された炭素繊維前駆体アクリル繊維束について、各ボビンあるいは各ケンスにつき上記の油剤成分の付着量の測定を行った。ついで、各ボビンあるいは各ケンスについてアクリル繊維束100m中の電気抵抗値を測定する。抵抗の平均値をRave、実測値をRとして、一連の製品における油剤付着斑を評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:0.5<R/Rave<2.0の範囲から外れる繊維長方向の0.5m以下の範囲が3か所以下。
×:0.5<R/Rave<2.0の範囲から外れる繊維長方向の0.5m以下の範囲が3か所より多い。
Raveを用いて全ボビンあるいは全ケンスにおけるRの変動係数(標準偏差の平均値に対する百分率)を算出して、一連の製品における油剤付着斑を評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:Rの変動係数が10%以下。
×:Rの変動係数が10%より大きい。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束を用いて、焼成工程で炭素繊維束を5日間連続して製造した時に、焼成工程での束切れ発生頻度により、操業性の評価をした。評価基準は1日当たりの平均除去回数とし、次の通りとした。
○:束切れ発生回数(回/日)≦1
△:束切れ発生回数(回/日)2〜5
×:束切れ発生回数(回/日)>5
連続して製造された炭素繊維前駆体アクリル繊維束を焼成し、JIS−R−7608に規定されているエポキシ樹脂含浸ストランド法に準じて測定した。なお、測定回数はアクリル繊維束の各ボビンあるいは各ケンスにつき10回とし、それらの平均値をストランド強度として評価した。
上記の測定において、各ボビンあるいは各ケンスの10回の測定の平均値を用い、測定した各ボビン各ケンス間でのストランド強度の振れを変動係数として評価した。下記評価基準にて機械的特性の発現安定性を評価した。
○:変動係数が5%以下。
×:変動係数が5%より大きい。
<油剤成分の調製>
下記の組成で油剤成分の水系乳化溶液を調製した。
・1、2級側鎖タイプのアミノ変性シリコーン 90質量%
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:XF−42−B5377)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(非イオン系乳化剤) 10質量%
(日光ケミカルズ株式会社、商品名:NIKKOL BL−9EX)
ここでは、後者のポリオキシエチレンラウリルエーテルが導電剤としても作用している。
調製手順は、上記の油剤成分を混合し、さらに上記油剤成分の濃度が30質量%になるようにイオン交換水を加え、ホモミキサーで乳化した。この状態でのミセルの平均粒子径をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、装置名:LA−910)を用いて測定したところ、10μm程度であった。
その後、さらに高圧ホモジナイザーにより、ミセルの平均粒子径が0.3μm以下になるまで分散し、油剤成分の水系乳化溶液を得た。
油剤成分を付着させるアクリル繊維束は、次の方法で調製した。
アクリロニトリル系共重合体(組成比:アクリロニトリル/アクリルアミド/メタクリル酸=97/2/1(質量比))をジメチルアセトアミドに溶解し、重合体濃度21質量%の紡糸原液を調製し、濃度60質量%、温度35℃のジメチルアセトアミド水溶液を満たした凝固浴中に孔径(直径)45μm、孔数60000の紡糸ノズルより吐出し凝固糸とした。凝固糸は水洗槽中で脱溶媒するとともに4.6倍に延伸して水膨潤状態のアクリル繊維束とした(紡糸工程および延伸処理工程)。
先に得られた油剤成分の水系乳化溶液をイオン交換水で希釈して、油剤成分の初期濃度が0.8質量%になるように調整し、前記油剤処理液に対して0.05質量%になるようシリコン系消泡剤(松本油脂製薬株式会社製、商品名:S−5)を添加して調製した油剤処理液を満たした油剤処理槽に、水膨潤状態のアクリル繊維束を導き、水系乳化溶液を連続的に付着させた。油剤処理槽を通過したアクリル繊維束は油剤の斑付き抑制や、必要以上の処理液を後工程に持ち出さないためにガイドバーで絞られる。ガイドバーは工程中の糸道を制御する円柱状のバーであり、繊維束をローラーで搬送するためには一定の張力が発生するため、その張力によってバーで扱かれて余分な油剤処理液が除去される。製品である前駆体アクリル繊維束への付着量0.6質量%を目標値とし、電磁定量ポンプを用いて、油剤成分が30質量%濃度の水系乳化溶液を油剤処理槽に定量的、連続的に追加した。
その後、油剤処理液が付着したアクリル繊維束を表面温度180℃のロールにて乾燥緻密化(乾燥緻密化工程)した後に、表面温度190℃のロールを用い1.5倍延伸を施し(二次延伸処理工程)、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を得た。得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束をケンスに振り込んで後述の焼成工程に移した。
以上の方法により、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を得た。得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の油剤成分の付着量、付着斑の測定結果を表1に示す。
得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束を、220〜260℃の温度勾配を有する耐炎化炉に通して耐炎化し、耐炎化繊維束とした(耐炎化工程)。
その後、該耐炎化繊維束を窒素雰囲気中で400〜1400℃の温度勾配を有する炭素化炉に入れて、炭素繊維束とした(炭素化工程)。得られた炭素繊維束の束切れ発生頻度からみた操業性、ストランド強度の測定とその安定発現性を評価した。結果を表1に示す。
<油剤成分の調製>
実施例1と同様の手法で水系乳化溶液を調製した。
<炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造>
油剤成分の初期濃度が1.4質量%になるように調整し、製品である前駆体アクリル繊維束への付着量0.8質量%を目標値とした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体アクリル繊維束を製造した。各評価結果を表1に示した。
<炭素繊維束の製造>
実施例1と同様にして炭素繊維束を製造した。各評価結果を表1に示した。
<油剤成分の調製>
実施例1と同様の手法で水系乳化溶液を調製した。
<炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造>
油剤処理液に消泡剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体アクリル繊維束を製造した。各評価結果を表1に示した。
<炭素繊維束の製造>
実施例1と同様にして炭素繊維束を製造した。各評価結果を表1に示した。
<油剤成分の調製>
実施例1と同様の手法で水系乳化溶液を調製した。
<炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造>
制御工程を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体アクリル繊維束を製造した。各評価結果を表1に示した。なお、電磁定量ポンプにより、油剤成分が30質量%濃度の水系乳化溶液を油剤処理槽に定量的、連続的に追加することは行った。
<炭素繊維束の製造>
実施例1と同様にして炭素繊維束を製造した。各評価結果を表1に示した。
<油剤成分の調製>
実施例1と同様の手法で水系乳化溶液を調製した。
<炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造>
油剤処理液に消泡剤を添加しなかったこと、制御工程を使用しなかったこと以外は実施例1〜2と同様にして、それぞれ比較例1〜2を行った。各評価結果を合わせて表1に示した。なお、電磁定量ポンプにより、油剤成分が30質量%濃度の水系乳化溶液を油剤処理槽に定量的、連続的に追加することは行った。
表中「油剤付着量」とは油剤成分の付着量である。
以上より、各実施例と比較して、全ての面で劣る結果となった。油剤成分の付着が不均一であるために、焼成工程での操業性低下を引き起こし、結果として品質安定性を損なったものと考えられる。
このようにして製造されたアクリル繊維束から得られた炭素繊維束は、例えばプリプレグ化したのち複合材料に成形することもできる。この炭素繊維束を用いた複合材料は、ゴルフシャフトや釣り竿などのスポーツ用途、さらには構造材料として自動車や航空宇宙用途、また各種ガス貯蔵タンク用途などに好適に用いることができ、有用である。
Claims (7)
- 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の長さ方向の電気抵抗値R(Ω)とその平均値Rave(Ω)から算出されるR/Raveが、式(1)の範囲から外れる繊維束の長さ方向の範囲が0.5m以下であり、前記外れる範囲が繊維長方向100m当たり3か所以下である炭素繊維前駆体アクリル繊維束。
0.5<R/Rave<2.0 ・・・(1) - 前記電気抵抗値Rが、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を走行させて連続して測定する該電気抵抗値Rである請求項1に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束。
- 前記アクリル繊維束の電気抵抗値Rの変動係数が10%以下である請求項1または2に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束。
- シリコン成分が付着した請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束。
- 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の電気抵抗値R(Ω)とその平均値Rave(Ω)を、乾燥緻密化工程と二次延伸工程又は巻取り工程との間の工程間で連続して測定し、R/Raveが、式(2)の範囲から外れる繊維長方向の範囲が0.5m以下であり、前記外れる範囲が繊維長方向100m当たり4か所以上になった時に、油浴への油剤供給量を変更し、式(2)の範囲に入るように制御する炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法。
0.5<R/Rave<2.0 ・・・(2) - 前記アクリル繊維束製造工程で、消泡成分を一つ以上含有する油剤処理液を前記アクリル繊維束に付着させる請求項5に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法。
- 前記消泡成分がシリコーン系である、請求項6に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013242488A JP2015101804A (ja) | 2013-11-25 | 2013-11-25 | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013242488A JP2015101804A (ja) | 2013-11-25 | 2013-11-25 | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015101804A true JP2015101804A (ja) | 2015-06-04 |
JP2015101804A5 JP2015101804A5 (ja) | 2017-01-05 |
Family
ID=53377764
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013242488A Pending JP2015101804A (ja) | 2013-11-25 | 2013-11-25 | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015101804A (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60262050A (ja) * | 1984-06-11 | 1985-12-25 | Teijin Ltd | 糸条の油剤管理方法 |
JP2001148508A (ja) * | 1999-11-19 | 2001-05-29 | Nichia Chem Ind Ltd | 窒化物半導体素子及びその製造方法 |
JP2004043995A (ja) * | 2002-07-09 | 2004-02-12 | Sanyo Chem Ind Ltd | 抄紙用合成繊維油剤 |
US20070183960A1 (en) * | 2004-02-13 | 2007-08-09 | Katsuhiko Ikeda | Carbon fiber precursor fiber bundle, production method and production device therefor, and carbon fiber and production method therefor |
JP2010007216A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 炭素繊維前駆体アクリル系繊維用油剤組成物、並びに炭素繊維前駆体アクリル系繊維束及びその製造方法 |
JP2013087153A (ja) * | 2011-10-14 | 2013-05-13 | Toray Ind Inc | 共重合ポリエステル及びそれからなる吸湿性に優れたポリエステル繊維 |
-
2013
- 2013-11-25 JP JP2013242488A patent/JP2015101804A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60262050A (ja) * | 1984-06-11 | 1985-12-25 | Teijin Ltd | 糸条の油剤管理方法 |
JP2001148508A (ja) * | 1999-11-19 | 2001-05-29 | Nichia Chem Ind Ltd | 窒化物半導体素子及びその製造方法 |
JP2004043995A (ja) * | 2002-07-09 | 2004-02-12 | Sanyo Chem Ind Ltd | 抄紙用合成繊維油剤 |
US20070183960A1 (en) * | 2004-02-13 | 2007-08-09 | Katsuhiko Ikeda | Carbon fiber precursor fiber bundle, production method and production device therefor, and carbon fiber and production method therefor |
JP2010007216A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 炭素繊維前駆体アクリル系繊維用油剤組成物、並びに炭素繊維前駆体アクリル系繊維束及びその製造方法 |
JP2013087153A (ja) * | 2011-10-14 | 2013-05-13 | Toray Ind Inc | 共重合ポリエステル及びそれからなる吸湿性に優れたポリエステル繊維 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6017109B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
KR101210081B1 (ko) | 탄소 섬유 전구체 아크릴 섬유용 유제 조성물, 탄소 섬유 전구체 아크릴 섬유속 및 그 제조방법 | |
JP5659597B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
JP5585579B2 (ja) | 油剤組成物が付着した炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法、および炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物と炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液 | |
KR101653160B1 (ko) | 탄소섬유 제조용 아크릴섬유 유제, 탄소섬유 제조용 아크릴섬유 및 탄소섬유의 제조방법 | |
JP5707690B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
JP5712480B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
WO2016039478A1 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤、炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤処理液、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束 | |
JP2015221957A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
JP5112973B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル系繊維用油剤組成物、並びに炭素繊維前駆体アクリル系繊維束及びその製造方法 | |
JP4917991B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物 | |
JP5870526B2 (ja) | サイジング剤液含浸炭素繊維束の製造方法 | |
CN110725025B (zh) | 一种碳纤维原丝用油剂 | |
JP2018159138A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、炭素繊維前駆体アクリル繊維束、炭素繊維、及び、炭素繊維前駆体アクリル繊維束と炭素繊維の製造方法 | |
JP2016017231A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法及び炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤処理液 | |
JP6510299B2 (ja) | 耐炎化繊維束、炭素繊維前駆体繊維束、およびそれからなる炭素繊維の製造方法 | |
JP5741840B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束 | |
JP2015101804A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法 | |
JP5017211B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、並びにそれを用いた炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法 | |
JP2012251267A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束 | |
JP2011184842A (ja) | 炭素繊維製造用アクリル繊維油剤、炭素繊維製造用アクリル繊維および炭素繊維の製造方法 | |
JP5866752B2 (ja) | アクリル繊維束およびその製造方法 | |
JP6167735B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物と炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法 | |
JP4995754B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束およびその製造方法 | |
JP2013209771A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161118 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170829 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170831 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20180320 |